JP7023158B2 - ガス保安設備 - Google Patents
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Description
従来の技術では、このような供給支障が発生してから事後的な対応をするしかなく、ガス供給箇所の各戸等でのガス供給が停止する等の問題が発生する虞があった。
ガス管からガス供給箇所へ供給されるガス流量を測定すると共に、内部を通流するガスの湿度に関連する値である湿度関連値を測定する湿度関連値測定部と、内部を通流するガスの圧力を測定する圧力測定部とを有するガスメータの複数から信号を受信可能に構成された制御センターを備えるガス保安設備であって、その特徴構成は、
前記制御センターは、前記ガスメータ毎の前記湿度関連値測定部にて測定される湿度関連値及び前記圧力測定部にて測定される圧力から、前記ガス管における水差しの発生箇所としての水差発生箇所を推定する水差推定部を備え、
ガス本管からガスが供給されるガス供給本管でのガスの供給部位が、一の前記ガス本管からガスが供給される第1部位と他の前記ガス本管からガスが供給される第2部位である構成において、
前記水差推定部は、
前記第1部位と前記第2部位の間において前記ガス供給本管からガスの供給を受ける複数の前記ガスメータの前記圧力測定部の夫々で測定された圧力に関し、隣接する前記ガスメータの前記圧力測定部にて測定された圧力のうち圧力が高い側の前記ガスメータを上流側としてガス通流状態を推定すると共に、
推定された当該ガス通流状態と、前記第1部位と前記第2部位の間の前記ガスメータの前記湿度関連値測定部の夫々で測定された湿度関連値とに基づいて前記水差発生箇所を推定する点にある。
上記特徴構成によれば、内部を通流するガスの湿度関連値を測定する湿度関連値測定部を備えることにより、制御部は、当該湿度関連値測定部にて測定される湿度関連値に基づいて、ガス管における水差の発生の有無を判定することができる。具体的には、例えば、湿度関連値測定部にて測定される湿度関連値が、予め決定された水差判定閾値(例えば、相対湿度が20%以上60%以下に設定される閾値)を超える場合、ガス管にて水差しが発生していると判定する。
更に、上記特徴構成によれば、ガスの流れの上流側が明確となるため、水差発生箇所の特定の精度をより高めることができる。
以上より、ガス管に対してサンドブラスト等による水差しの発生の有無を、当該水差しによりガス管が閉塞して供給支障が発生する前に、判定することが可能なガス保安設備を実現できる。
前記湿度関連値測定部は、前記内部を通流するガスの絶対湿度を計測する湿度センサと、前記内部を通流するガスの温度を計測する温度センサとから構成され、
前記湿度関連値は、前記湿度センサにて計測される絶対湿度及び前記温度センサにて計測される温度、又は前記湿度センサにて計測される絶対湿度と前記温度センサにて計測される温度とから導出される相対湿度である点にある。
前記ガスメータは、内部でガスが通流するガス通流路を遮断可能な遮断弁を備え、
前記湿度関連値測定部は、前記ガス通流路において、前記遮断弁にて開閉される開閉部位よりも下流側に設けられている点にある。
上記特徴構成によれば、遮断弁の下流側で制御基板が設けられる部位の近傍に湿度関連値測定部を設けることで、当該湿度関連値測定部と制御基板との間の通信線を短くでき、シンプルな構成を採用でき、実用上の観点から好ましい。
以下、図面に基づいて、当該実施形態に係るガス保安設備200について説明する。
ガスメータ100は、超音波流量計として構成されており、ガス管から住居等のガス供給箇所(図示せず)へ供給されるガスGの流量を計測するものである。
当該ガスメータ100には、図1の一部断面図に示すように、一次側のガス配管に連通接続されるガス流入口11と、二次側のガス配管に連通接続されるガス流出口12と、当該ガス流入口11とガス流出口12とを接続する形がガス流路Lが形成されている。
ガス流路Lには、整流流路を形成する筒状部材20が配設されると共に、当該筒状部材20の内部には、筒軸心に沿って延びる整流板21が複数設けられている。
詳細な図示は省略するが、当該ガスメータ100には、筒状部材20の内部に形成される整流流路に超音波を伝播させる一対の送受波器SJ1、SJ2とが備えられている。
より詳細には、ガス流路Lを通流するガスの流れ方向に対して、当該流れ方向に沿った第1方向及び当該第1方向とは逆方向の第2方向に超音波を伝搬させて、第1方向の所定伝搬距離を伝搬した超音波を受信すると共に第2方向の所定伝搬距離を伝搬した超音波を受信する一対の送受波器SJ1、SJ2を備えると共に、第1方向で所定伝搬距離を超音波が伝搬する第1伝搬時間と第2方向で所定伝搬距離を超音波が伝搬する第2伝搬時間とを計測し、計測された第1伝搬時間及び第2伝搬時間と所定伝搬距離とからガス流路を通流するガスのガス流速を導出し、当該ガス流速とガス流路L(整流流路)の流路断面積とからガス流量を導出する制御装置Cを備える。
制御装置Cは、ガスメータ100の内部の中央に形成される中央空間Kに制御基板として実装されており、ソフトウェア群と演算装置や記憶部等のハードウェア群とが協働する状態で設けられている。制御装置Cでは、ガスメータ100において、ガス流量の演算等を行う制御部C1や、制御部C1からの各種信号をガスメータ100の外部の制御センターCSへ無線ネットワーク回線等を介して送信する通信部C2(報知部の一例)等の機能部位が備えられる。
また、図示は省略するが、ガスメータ100には、制御部C1にて演算されたガス流量を外部から視認可能な状態で表示する表示部が設けられている。
制御部C1は、測定された絶対湿度及び温度から相対湿度を導出し、当該相対湿度が予め決定された水差判定閾値(例えば、相対湿度が50%以上80%以下)を超えたとき、ガスメータ100の外面に設けられる水差発生ランプR(報知部の一例)を点灯させる。更には、制御部C1は、通信部C2により、無線ネットワーク回線N等を介して、導出した相対湿度を、制御センターCSに送信する。
尚、制御部C1は、導出した相対湿度のうち、最大値を記憶すると共に当該最大値を表示部(図示せず)へ表示する構成を採用しても構わない。また、制御部C1は、記憶した相対湿度の測定値を、表示部や他のタブレット等の表示機器(図示せず)に対して時系列に表示する構成を採用しても構わない。
上述した複数のガスメータM1~M4及び制御センターCSが、ガス保安設備200として働く。
ガス配管の敷設状態として、図2に示すように、一のガス本管L1から一のガス供給本管L2が分岐し、当該ガス供給本管L2から複数のガス供給支管L3がガス供給箇所(図示せず)へ延設され、当該ガス供給支管L3を通流するガスGの流量を計測するガスメータMが設けられる敷設状態を前提とする。
尚、当該敷設状態では、図2に示すように、ガス供給支管L3として、ガス本管L1に近い側から順に、第1ガス供給支管L3a~第5ガス供給支管L3eが設けられており、それら夫々に対して、第1ガスメータM1~第5ガスメータM5が記載の順に設けられている。
当該湿度測定処理は、複数のガスメータM1~M5にて実行される(#02)。
更に、水差推定部CS2は、複数のガスメータM1~M5の夫々で実行した湿度測定処理での測定結果に基づいて、水差発生箇所を推定する水差推定処理を実行する(#03)。
具体的には、水差推定部CS2は、水差発生箇所の下流側において、複数のガスメータM1~M5の夫々で測定された相対湿度が高い湿度測定箇所(ガスメータM1~M5の設置箇所)ほど水差発生箇所に近いと推定する形態で、水差発生箇所を推定する。
更に、図4に示すように、ガス供給本管L2に対して二のガス本管L1(第1ガス本管L1a、第2ガス本管L1b:二以上であっても構わない)の双方からガスが供給される場合にあっては、ガスの上流側が、第1ガス本管L1a側になるときと、第2ガス本管L1b側になる場合とが出てくるときとが想定され、水差発生箇所の推定が難しくなる。以下、このようなガス管の敷設状態であっても、水差発生箇所の推定を良好に行うことができる構成について説明する。
ガス配管の敷設状態として、図4に示すように、ガス本管として第1ガス本管L1aと第2ガス本管L1bと、第1ガス本管L1aに一端側が連通接続されると共に第2ガス本管L1bとに対し他端側が連通接続されるガス供給本管L2と、ガス供給本管L2から複数のガス供給支管L3がガス供給箇所(図示せず)へ延設され、当該ガス供給支管L3を通流するガスGの流量を計測するガスメータMが設けられる敷設状態を前提とする。
尚、当該敷設状態では、図4に示すように、ガス供給支管L3として、第1ガス本管L1aに近い側から順に、第1ガス供給支管L3a~第5ガス供給支管L3eが設けられており、それら夫々に対して、第1ガスメータM1~第5ガスメータM5が記載の順に設けられている。
以上のような敷設状態では、ガスメータM1~M5は、内部を通流するガスの圧力を測定する圧力センサ(圧力測定手段の一例:図示せず)を備える共に、報知部としての表示部(図示せず)が導出される相対湿度と圧力センサにて測定される圧力との双方を外部へ報知する構成を採用する。
通信部C2が、導出される相対湿度と圧力センサにて測定される圧力との双方を制御センターCSへ送信する構成を備える。
水差推定部CS2では、共通のガス供給本管L2からガスGの供給を受ける複数のガスメータの夫々で測定された複数の圧力に関し、隣接する圧力のうち圧力が高い側のガスメータを上流側としてガス供給流路を推定する。
そして、水差推定部CS2では、相対湿度に加え、圧力に基づいて推定されるガス供給流路に基づいて、水差発生箇所を推定するのである。
これにより、ガスの上流側が明確となるため、水差発生箇所の特定の精度をより高めることができる。
更に、仮に、第1ガス本管L1aの供給圧力Paと第2ガス本管L1bの供給圧力Pbとの圧力差が小さく、水差しの推定の演算中において、上流側が入れ替わるようなことがあっても、上流側が変更したことを容易に把握でき、水差発生箇所の推定をより効率的に行うことができる。
(1)上記実施形態にあっては、湿度センサS1及び温度センサ(図示せず)は、ガスメータ100を通流するガスGの湿度及び温度を計測できれば良いため、ガスメータ100の内部のガス流路Lの何れの箇所に設定しても構わない。
更に、湿度センサS1及び温度センサ(図示せず)は、ガスメータ100を通流するガスGの湿度及び温度を計測する意味からは、必ずしもガスメータ100の内部に配設されている必要はない。例えば、ガスメータ100に基部(図示せず)が固定されている状態で、センサ部(図示せず)が、ガスメータ100に連通接続されるガス管の内部に位置するような設置形態も、本発明の技術的範囲に含むものである。
また、湿度センサS1及び温度センサ(図示せず)は、ガスメータ100の遮断弁30が閉止している場合であっても、水差しの発生の有無を判定する観点からは、ガス流路Lにおいて遮断弁30の開閉部位LKより上流側(図1でS2で示す位置)に備えることが好ましい。
湿度センサ及び温度センサは、ガス流路Lにおいて遮断弁30にて開閉される開閉部位LKよりも上流側に設けられているから、一次側のガス圧が著しく低減して遮断弁が遮断しているような状況にあっても、ガス管の上流側の相対湿度を導出できるから、当該測定結果に基づいて、水差しの発生の有無の判定や、水差発生箇所の推定を行うことができる。
また、ガスメータ100の設置時で、遮断弁30が閉止している状況でガスの開通前であっても、一次側の相対湿度を導出できるから、その値に基づいて、水差しの発生の有無の判定や、水差発生箇所の推定を行うことができる。
この場合、制御部C1は、導出される相対湿度が高いほど水差発生箇所が自身のガスメータから近い等の判定指標に基づいて、水差発生箇所を推定する構成を採用しても構わない。
制御部C1は、導出される相対湿度を、表示部(図示せず)に表示する構成を採用しても構わない。
この場合、湿度関連値測定部は、湿度センサS1にて構成されることになる。
M1~M5:ガスメータ
200 :ガス保安設備
C1 :制御部
CS :制御センター
CS2 :水差推定部
G :ガス
L :ガス流路
N :無線ネットワーク回線
R :水差発生ランプ
S1 :湿度センサ
Claims (3)
- ガス管からガス供給箇所へ供給されるガス流量を測定すると共に、内部を通流するガスの湿度に関連する値である湿度関連値を測定する湿度関連値測定部と、内部を通流するガスの圧力を測定する圧力測定部とを有するガスメータの複数から信号を受信可能に構成された制御センターを備えるガス保安設備であって、
前記制御センターは、前記ガスメータ毎の前記湿度関連値測定部にて測定される湿度関連値及び前記圧力測定部にて測定される圧力から、前記ガス管における水差しの発生箇所としての水差発生箇所を推定する水差推定部を備え、
ガス本管からガスが供給されるガス供給本管でのガスの供給部位が、一の前記ガス本管からガスが供給される第1部位と他の前記ガス本管からガスが供給される第2部位である構成において、
前記水差推定部は、
前記第1部位と前記第2部位の間において前記ガス供給本管からガスの供給を受ける複数の前記ガスメータの前記圧力測定部の夫々で測定された圧力に関し、隣接する前記ガスメータの前記圧力測定部にて測定された圧力のうち圧力が高い側の前記ガスメータを上流側としてガス通流状態を推定すると共に、
推定された当該ガス通流状態と、前記第1部位と前記第2部位の間の前記ガスメータの前記湿度関連値測定部の夫々で測定された湿度関連値とに基づいて前記水差発生箇所を推定するガス保安設備。 - 前記湿度関連値測定部は、前記内部を通流するガスの絶対湿度を計測する湿度センサと、前記内部を通流するガスの温度を計測する温度センサとから構成され、
前記湿度関連値は、前記湿度センサにて計測される絶対湿度及び前記温度センサにて計測される温度、又は前記湿度センサにて計測される絶対湿度と前記温度センサにて計測される温度とから導出される相対湿度である請求項1に記載のガス保安設備。 - 前記ガスメータは、内部でガスが通流するガス通流路を遮断可能な遮断弁を備え、
前記湿度関連値測定部は、前記ガス通流路において、前記遮断弁にて開閉される開閉部位よりも下流側に設けられている請求項1又は2に記載のガス保安設備。
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