JP7023155B2 - 膜式ガスメータ - Google Patents
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Description
当該膜式ガスメータにおいて、圧力変動等によりメータを通過するガスの流動に正流とは逆方向の流れである逆流が生じる場合、外部指針は、ガスの正流・逆流に連動する形態で、機械的機構が正回転・逆回転する。これに対し、内部指針は、ガスの正流・逆流の何れが発生した場合であっても、磁気センサに対する磁力発生領域による磁束の有無は、同様に変化するため、逆流した流量をもガス流量として積算される。このため、圧力変動によるガスの逆流が生じた場合、外部指針と内部指針とに差異が生じることになる。
ここで、現状で知られている回転体は、ガス流量の積算値の瞬時値を実流量に近い値とするべく、第1磁力発生領域としての磁極数が比較的多い構成(例えば、10~20極)が採用されている。
本発明の発明者らは、現状で知られている回転体のように、磁極数が多い構成においては、後述する各種の試験を行うことにより、回転体の正転と逆転との切り換えを、磁気センサにより精度良く検出できないという知見を得た。
計量用の膜部の往復動に連動して回転し且つ回転軸心の周りでの周方向に沿って第1磁力発生領域と第1非磁力発生領域とを交互に備える第1回転体と、
当該第1回転体の回転に伴って前記第1磁力発生領域と前記第1非磁力発生領域とを交互に検出する検出位置に配置される第1磁気検出部とを備える膜式ガスメータであって、その特徴構成は、
前記膜部の往復動に連動して回転し且つ前記回転軸心の周りでの周方向に沿って第2磁力発生領域と第2非磁力発生領域とを交互に備える第2回転体が、前記第1回転体とは別に備えられ、
当該第2回転体の回転に伴って前記第2磁力発生領域と前記第2非磁力発生領域とを交互に検出する検出位置に配置される第2磁気検出部が、前記第1磁気検出部とは別に備えられ、
前記回転軸心の軸心方向において、前記第2回転体が前記第1回転体と離間して備えられ、
前記第2回転体における前記第2磁力発生領域としての磁極の数が、前記第1回転体における前記第1磁力発生領域としての磁極の数よりも少なく構成され、
前記第2回転体は、極異方性材料から構成されると共に、前記回転軸心に直交する軸径方向に沿って着磁される形態で前記第2磁力発生領域が形成され、
前記第2磁気検出部が、前記回転軸心の前記軸心方向で前記第2回転体と重畳する位置で、前記回転軸心の前記軸径方向で前記第2回転体の外径側に設けられ、
前記第2磁気検出部は、前記回転軸心の軸心方向視において、前記第2回転体の回転方向で、異なる位置に設けられる一対の磁気センサから成り、
前記一対の磁気センサの双方による検出結果の変化に基づいて、前記第2回転体が正転又は逆転の何れにあるかを判定する制御部を備える点にある。
更に、積算値については、第2回転体よりも磁極数の多い第1回転体による第1磁力発生領域と第1非磁力発生領域とを第1磁気検出部にて交互に検出することで、第1回転体の正転時におけるガス流量の積算を精度良く行うことができる。
特に、上記特徴構成の如く、第2磁気検出部は、回転軸心の軸心方向視において、第2回転体の回転方向で、異なる位置に設けられる一対の磁気センサから成り、制御部が、一対の磁気センサの双方による検出結果の変化に基づいて、第2回転体が正転又は逆転の何れにあるかを判定することにより、本発明の発明者らは、第2磁気検出部での検出信号に基づくガスの正流・逆流の判別の精度を向上できることを確認している。
以上より、回転体の正転時における積算値の瞬時値を真値に近い値で表示する能力を維持しながらも、正転・逆転の判定を精度良く行うことができる膜式ガスメータを実現できる。
前記第1回転体は、極異方性材料から構成されると共に、前記回転軸心に直交する軸径方向に沿って着磁される形態で前記第1磁力発生領域が形成されている点にある。
前記第1磁気検出部が、前記回転軸心の前記軸心方向で前記第1回転体と重畳する位置で、前記回転軸心の前記軸径方向で前記第1回転体の外径側に設けられている点にある。
前記第2回転体の前記第2磁力発生領域としての磁極の数を、前記第1回転体の前記第1磁力発生領域としての磁極の数の半分以下に構成している点にある。
具体的には、前記第2回転体の前記第2磁力発生領域としての磁極の数は、2極以上4極以下に構成されていることが好ましい。
図1に示すように、膜式ガスメータ100は、ガス供給口1及びガス排出口2を有するケーシングCを備え、ガス供給口1から導入した燃料ガスをガス排出口2から住宅等のガス需要先に供給する形態で、ガス需要先に設置されることになる。
そして、ガス供給口1から導入してガス排出口2から需要先に供給する燃料ガスの量を計測して、ケーシングCの外部に設けた液晶式の表示部3に計測したガス量を表示するように構成されている。
すなわち、下ケーシング部C1の内部の中央に仕切壁5が設けられ、その仕切壁5の両側に概ね円筒形状の計量室形成用空間が形成される。左右の計量室形成用空間の中央部に、当該空間を左右に仕切る状態で膜部Fが配置されることにより、各膜部Fの両側夫々に計量室4が形成されている。すなわち、膜部Fが一対設けられ、計量室4が4つ形成されている。
一対の膜部Fの夫々に対応して、回転軸心を上下方向に向け且つ上端側を下ケーシング部C1の上部壁を貫通する状態で支持した翼軸6が設けられている。そして、膜部Fが上下方向に沿う軸心回りで揺動し、当該揺動に伴って翼軸6が軸回りで回転する。
尚、図1において、8は、遮断状態のガス供給遮断弁(図示せず)を開弁状態に復帰するための復帰軸(図示せず)の操作部を覆う復帰軸キャップである。
更に、膜部Fの往復動に伴う翼軸6の回転に連動して回転し且つ回転軸心P(回転体軸22の軸心)の周りでの周方向に沿って第2磁力発生領域M2a(図4に図示)と第2非磁力発生領域M2b(図4に図示)とを交互に備える第2回転体M2が、第1回転体M1とは別に備えられ、当該第2回転体M2の回転に伴って第2磁力発生領域M2aと第2非磁力発生領域M2bとを交互に検出する検出位置に配置される第2磁気センサS2(第2磁気検出部の一例)が、第1磁気センサS1とは別に備えられる。
第2回転体M2は、回転軸心Pの軸心方向(図2で矢印Zに沿う方向)において、第1回転体M1と離間して備えられている。
当該取付筐体20には、ボルトBにより取付筐体20に締結される状態で第1磁気センサS1を収納する第1センサ筐体21aが取り付けられると共に、同じくボルト(図示せず)により取付筐体20に締結される状態で第2磁気センサS2を収納する第2センサ筐体21bが取り付けられている。
更に、取付筐体20には、第1回転体M1及び第2回転体M2の回転軸心Pとなる回転体軸22が嵌着部位22aにて嵌着されており、当該回転体軸22に対して、第1回転体M1が第1回転カラーM1kを介して取り付けられていると共に、第2回転体M2が第2回転カラーM2kを介して取り付けられている。
第1回転カラーM1k及び第2回転カラーM2kは、回転軸心Pの軸心方向(図2で矢印Zに沿う方向)で、一方側に上述の嵌着部位22aが設けられると共に他方側にワッシャやスプリングワッシャ等の軸座金24が設けられ、回転体軸22に対して回転自在に設けられている。
第1回転カラーM1k及び第2回転カラーM2kの双方は、翼軸6の回転を受けて回転軸心P周りで回転するクラッチ23に固着されているから、翼軸6の回転に伴って回転する。これにより、当該第1回転カラーM1kに固着される第1回転体M1及び第2回転カラーM2kに固着される第2回転体M2が、回転体軸心P周りで回転する。
また、第2回転体M2と第1回転体M1との関係と同様に、第2磁気センサS2は、回転軸心Pの軸心方向(図2で矢印Zに沿う方向)において、第1磁気センサS1と離間して備えられている。
第2磁気センサS2は、当該実施形態にあっては、図4に示すように、第2磁気センサS2aと第2磁気センサS2bとの2つから構成され、回転軸心Pの方向から視た回転軸心方向視で、回転軸心P周りで、所定の角度α(図4の例では45°)の間隔を隔てて配設されている。当該第2磁気センサS2a、S2bは、第2磁力発生領域M2aを検出するときには、検出信号としてON信号を出力し、且つ第2非磁力発生領域M2bを検出するときには、検出信号としてOFF信号を出力するように構成されている。
具体的には、第1回転体M1の第1磁力発生領域(図示せず)の数としての磁極数が10極以上20極以下程度に構成されているのに対し、第2回転体M2の第2磁力発生領域M2aの数としての磁極数は、2極以上4極以下程度に構成されている。尚、第1回転体M1の第1磁力発生領域(図示せず)の数としての磁極数は、ガス流量の瞬時的な積算値をより正確に出力するべく、比較的多い磁極数に設定されている。
例えば、ひとつの指標として、第2回転体M2の第2磁力発生領域M2aとしての磁極の数は、第1回転体M1の第1磁力発生領域(図示せず)としての磁極の数の半分以下に構成することが好ましい。
したがって、第2回転体M2が一回転する間に、第1状態ST1~第4状態ST4が、記載の順に4回検出されることになる。
つまり、正転時に発生する状態変化の順序と、逆転時に発生する状態変化の順序とが、逆転することになる。制御部は、このように状態変化の順序が逆転した場合に、ガス流の流れに正流から逆流への変化が発生したと判定する。また、制御部は、逆転時に発生する状態変化の順序から、正転時に発生する状態変化の順序へと変化した場合に、ガス流の流れに逆流から正流への変化が発生したと判定する。
制御部は、第2磁気センサS2の検出信号に基づいて、逆流が発生していると判定したときは、第1磁気センサS1での検出信号に基づくガス流量の積算を禁止する形態で、内部指針としての出力を補正する。これにより、内部指針の出力を真値(実流量に基づく積算値)に近づけることができる。
これまで説明してきたように、第2磁気センサS2は、回転軸心Pの軸心方向で第2回転体M2と重畳する位置で、回転軸心Pの軸径方向で第2回転体M2の外側に設けられている。ここで、第2磁気センサS2と第2磁気センサS2の軸径方向の距離は、図2に示すように、第2センサ筐体21bの壁面等が存在することにより、十分に近接させることができない。
そこで、図6に示すように、第2磁気センサS2と第2磁気センサS2の回転軸心Pの軸径方向の距離(図6で矢印Xに沿う方向での距離)を、12.5mm~22.5mmまで変化させた場合における第2磁気センサS2で検出される磁束密度を計測した。尚、当該試験では、回転軸心Pの軸心方向(図6で矢印Zに沿う方向)での磁束密度の変化も計測した。
第2回転体M2は、回転軸心Pを中心とするX方向での外径が25mmで内径が15mm、Z方向での厚みが7mmのものを用いる。図7が磁極数が4極、図8が磁極数が10極の場合の試験結果を示している。尚、図7、8では、磁束密度が20mT以上の値を示した箇所に○、20mT未満の値を示した箇所に×を記している。尚20mTは、磁気センサ(浜松光電製)の仕様比較から選定した推奨値である。
これらの試験結果から、本発明においては、第2回転体M2の第2磁力発生領域M2aの数としての磁極数は、第1回転体M1の第1磁力発生領域(図示せず)の数としての磁極数よりも少なく構成して、第2回転体M2の回転の正転・逆転の判定の精度を上げている。
(1)上記実施形態において、第1回転体M1の回転軸心と第2回転体M2との回転軸心は、同一でなくても構わず、両者の磁力線が夫々を計測する第1磁気センサS1及び第2磁気センサS2に対して、相互に干渉しない状態で、適宜配置することができる。
M1 :第1回転体
M2 :第2回転体
M2a :第2磁力発生領域
M2b :第2非磁力発生領域
P :回転軸心
S1 :第1磁気センサ
S2 :第2磁気センサ
Claims (5)
- 計量用の膜部の往復動に連動して回転し且つ回転軸心の周りでの周方向に沿って第1磁力発生領域と第1非磁力発生領域とを交互に備える第1回転体と、
当該第1回転体の回転に伴って前記第1磁力発生領域と前記第1非磁力発生領域とを交互に検出する検出位置に配置される第1磁気検出部とを備える膜式ガスメータであって、
前記膜部の往復動に連動して回転し且つ前記回転軸心の周りでの周方向に沿って第2磁力発生領域と第2非磁力発生領域とを交互に備える第2回転体が、前記第1回転体とは別に備えられ、
当該第2回転体の回転に伴って前記第2磁力発生領域と前記第2非磁力発生領域とを交互に検出する検出位置に配置される第2磁気検出部が、前記第1磁気検出部とは別に備えられ、
前記回転軸心の軸心方向において、前記第2回転体が前記第1回転体と離間して備えられ、
前記第2回転体における前記第2磁力発生領域としての磁極の数が、前記第1回転体における前記第1磁力発生領域としての磁極の数よりも少なく構成され、
前記第2回転体は、極異方性材料から構成されると共に、前記回転軸心に直交する軸径方向に沿って着磁される形態で前記第2磁力発生領域が形成され、
前記第2磁気検出部が、前記回転軸心の前記軸心方向で前記第2回転体と重畳する位置で、前記回転軸心の前記軸径方向で前記第2回転体の外径側に設けられ、
前記第2磁気検出部は、前記回転軸心の軸心方向視において、前記第2回転体の回転方向で、異なる位置に設けられる一対の磁気センサから成り、
前記一対の磁気センサの双方による検出結果の変化に基づいて、前記第2回転体が正転又は逆転の何れにあるかを判定する制御部を備える膜式ガスメータ。 - 前記第1回転体は、極異方性材料から構成されると共に、前記回転軸心に直交する前記軸径方向に沿って着磁される形態で前記第1磁力発生領域が形成されている請求項1に記載の膜式ガスメータ。
- 前記第1磁気検出部が、前記回転軸心の前記軸心方向で前記第1回転体と重畳する位置で、前記回転軸心の前記軸径方向で前記第1回転体の外径側に設けられている請求項2に記載の膜式ガスメータ。
- 前記第2回転体の前記第2磁力発生領域としての磁極の数を、前記第1回転体の前記第1磁力発生領域としての磁極の数の半分以下に構成している請求項1~3の何れか一項に記載の膜式ガスメータ。
- 前記第2回転体の前記第2磁力発生領域としての磁極の数は、2極以上4極以下に構成されている請求項1~4の何れか一項に記載の膜式ガスメータ。
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JP2004010910A (ja) * | 2002-06-03 | 2004-01-15 | Konica Minolta Holdings Inc | 結晶性薄膜の形成方法 |
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