JP7020857B2 - プラスチック光ファイバケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、プラスチック光ファイバケーブルに関する。
プラスチック光ファイバは、透明樹脂からなる芯繊維の周囲を、前記透明樹脂より低屈折率の樹脂からなる鞘層で囲んだ構造を有し、芯と鞘層との境界で光を反射させることにより芯内で光信号を伝送する媒体である。
プラスチック光ファイバは石英ガラス光ファイバに比較して柔軟性に優れており、接続時の芯合わせが容易な直径の大きいものを利用できるという利点を有している。
このため、プラスチック光ファイバケーブルは、電磁波ノイズによる通信不良対策として、電子機器内や機器間の短距離通信用メタルケーブルを代替し、広く利用されている。
一般に、電磁波ノイズの発生源としては、高電圧ケーブルが挙げられるが、高電圧ケーブルが敷設される環境は、高温下(100~105℃)等の過酷な環境下であることが多いため、プラスチック光ファイバに対しては、過酷な環境下での耐久性、すなわち、伝送損失が悪化しないこと、及び熱による収縮等の変形が少ないことが求められている。
かかる点に鑑み、従来から耐熱性のあるプラスチック光ファイバが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開平2005-266742号公報 特開平2001-324626号公報
しかしながら、特許文献1、2に開示されているプラスチック光ファイバは、いずれも、伝送損失については一定の性能の向上効果が発揮されているものの、熱による収縮については考慮されていない。このため、高温環境下で使用するためには熱収縮を考慮し、予め十分な余長をもったケーブルを使用しなくてはならず、配線の自由度が低く、装置の設計によっては光ケーブルでの配線ができないという問題を有している。
また、通常、光ファイバでの通信は双方向通信とするため2本を組み合わせた2線ケーブルが多く用いられるが、2線ケーブルは単線ケーブルに比べて熱収縮時に大きく変形する可能性が高く、上述したような高温環境下では2線ケーブルを使用することができないという問題を有している。
さらに、メタルケーブルでは2線以上のケーブルが一般化しており、プラスチック光ファイバケーブルにおいても、高温下等の過酷な環境下でも使用できる2線以上のプラスチック光ファイバケーブルの要求が高まっている。
そこで本発明においては、高温下等の過酷な環境下での耐久性に優れ、伝送損失が効果的に抑制された、2線以上のプラスチック光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
本発明者は、上述した従来技術の課題を解決すべく鋭意検討した結果、2以上のプラスチック光ファイバ素線と、当該プラスチック光ファイバ素線の外周に形成された被覆層とを備えるプラスチック光ファイバケーブルにおいて、前記プラスチック光ファイバ素線は、1以上の芯と、当該芯の外周に形成された少なくとも一層の鞘層とを有しているものとし、前記プラスチック光ファイバケーブルにおいて、所定の環境下での収縮率と、隣接するプラスチック光ファイバ素線間に形成されている被覆層の引裂き強度を特定することで、上述した従来技術の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
2以上のプラスチック光ファイバ素線と、当該プラスチック光ファイバ素線の外周に形成された被覆層と、を、備えるプラスチック光ファイバケーブルであって、
前記プラスチック光ファイバ素線は、1以上の芯と、当該芯の外周に形成された少なくとも一層の鞘層とを有しており、
前記プラスチック光ファイバ素線と、前記被覆層との間に、保護層を有し、
前記保護層の引張降伏強さ(JIS K7113)が、20Mpa以上であり、
前記プラスチック光ファイバケーブルを105℃の温度条件下に1時間静置した際の収縮率が1%以下であり、
隣接する前記プラスチック光ファイバ素線間に形成されている被覆層の引裂き強度が10N以下である、
プラスチック光ファイバケーブル。
〔2〕
UL VW-1規格に適合している、前記〔1〕に記載のプラスチック光ファイバケーブル。
〔3〕
前記被覆層が、
ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体(PFA)、及びシリコーン樹脂からなる群より選ばれる1つ以上の樹脂
を含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載のプラスチック光ファイバケーブル。
〔4〕
前記保護層が、ポリアミド系樹脂、架橋ポリエチレン系樹脂、及びポリプロピレン系樹脂からなる群より選ばれる1つ以上の樹脂からなる、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載のプラスチック光ファイバケーブル。
本発明によれば、過酷な環境下での耐久性に優れ、伝送損失が効果的に抑制された、プラスチック光ファイバケーブルを提供することができる。
本実施形態の、単芯、2線プラスチック光ファイバケーブルの一例の概略断面図を示す。 本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルの他の一例の概略断面図を示す。 本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルの他の一例である、4線ケーブルの概略断面図を示す。 プラスチック光ファイバケーブルの引裂き強度を測定するための概略図を示す。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。
なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
〔プラスチック光ファイバケーブル〕
本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルは、
2以上のプラスチック光ファイバ素線と、当該プラスチック光ファイバ素線の外周に形成された被覆層と、を、備えるプラスチック光ファイバケーブルであって、
前記プラスチック光ファイバ素線は、1以上の芯と、当該芯の外周に形成された少なくとも一層の鞘層とを有しており、
前記プラスチック光ファイバケーブルを105℃の温度条件下に1時間静置した際の収縮率が1%以下であり、
隣接する前記プラスチック光ファイバ素線間に形成されている被覆層の引裂き強度が10N以下である。
本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルは、前記プラスチック光ファイバ素線と、当該プラスチック光ファイバ素線の外周に被覆形成された被覆層と、を有するプラスチック光ファイバケーブルである。前記被覆層は、2線ケーブルにおける引裂き強度が10N以下となるような樹脂組成物により形成されているものとする。
なお、前記2線ケーブルにおける引裂き強度とは、2本のプラスチック光ファイバ素線を具備する構成のプラスチック光ファイバに限定されず、所定のプラスチック光ファイバ素線と、それに被覆層を介して隣接するプラスチック光ファイバ素線とにおいて、当該プラスチック光ファイバ素線間に形成された被覆層の引裂き強度をいうものとする。
なお、「光ファイバ素線の外周に形成された被覆層」とは、必ずしも光ファイバ素線の外周表面に被覆層が接しているものに限定されず、被覆層と光ファイバ素線との間に他の樹脂層が介在している場合も含まれる。
上述したような特定の耐熱性を有し、かつ前記所定の引裂き強度が10N以下であると、伝送損失の抑制効果に優れたものとなる。この理由は以下のように推定される。
ケーブルを使用する際には、一般に両端にコネクタを取付けるために端部の被覆を剥ぐ必要がある。さらに2線ケーブルを使用する際には、捻じれによってコネクタが破損することを防止するために端部を引裂いて使用する。引裂き強度が10Nよりも大きい樹脂はこのコネクタ取り付け作業によって、プラスチック光ファイバ素線に何らかのダメージが残り、その結果、高温環境下で伝送損失が悪化してしまう傾向にある。
また、プラスチック光ファイバケーブル敷設時には、通常数カ所曲げられるのが通例であり、耐熱性評価時にも曲げた状態で評価されるが、曲げた状態で加熱されると、引裂き強度が10Nよりも大きい樹脂の場合、加熱され変形することによって内部のプラスチック光ファイバ素線に強い応力が発生し、コネクタ取り付け部周辺と同様に素線に何らかのダメージを与える傾向にある。
図1に、本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルの一例として、単芯2線の構造のプラスチック光ファイバケーブルの概略断面図を示す。
なお、「単芯」とは、一つのプラスチック光ファイバ素線が一つの芯を有している構造をいい、「2線」とは2本のプラスチック光ファイバ素線を具備することを言う。
図1に示すプラスチック光ファイバケーブル10は、2本のプラスチック光ファイバ素線を有する2線単芯光ファイバケーブルである。
図1に示すプラスチック光ファイバケーブル10は、内部に芯12及び13を有し、芯12及び13の外周に被覆形成された鞘層14及び15と、これら鞘層14及び15の外周に被覆形成された被覆層16とを備えている。
図1に示す構成のプラスチック光ファイバケーブルにおいて、芯12と鞘層14、芯13と鞘層15を含めて、各々プラスチック光ファイバ素線という。
そして、鞘層14及び15と、被覆層16との間に、所定の保護層(図示せず)を有していてもよく、被覆層16の外周に、さらに外被覆層(図示せず)を有していてもよい。これにより、屋外での長期的使用や接触する化学薬品等の影響から、プラスチック光ファイバ素線を一層確実に保護することができる。
図2は本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルの、他の一例である、単芯2線構造のプラスチック光ファイバケーブルの概略断面図である。
図2に示すプラスチック光ファイバケーブル20は、2本のプラスチック光ファイバ素線を有する単芯2線構造の光ファイバケーブルである。
図2のプラスチック光ファイバケーブル20は、内部に芯22及び23を有し、芯22及び23の外周に被覆形成された鞘層24及び25と、これら鞘層24及び25の外周に被覆形成された被覆層26を有し、さらに、2線間の間に渡り部28とを備えている。
この場合、芯22と鞘層24、芯23と鞘層25を含めて、各々プラスチック光ファイバ素線という。
鞘層24及び25と被覆層26の間に、所定の保護層(図示せず)を有していてもよく、被覆層26の外周に、さらに外被覆層(図示せず)を有していてもよい。これにより、屋外での長期的使用や接触する化学薬品等の影響から、プラスチック光ファイバ素線を一層確実に保護することができる。
(芯)
本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルに使用されるプラスチック光ファイバ素線は、1以上の芯を有している。
芯を構成する樹脂(以下、「芯樹脂」ともいう。)は透明樹脂であることが好ましい。
芯樹脂としては、プラスチック光ファイバの芯樹脂として公知のものを使用できる。以下に限定されるものではないが、例えば、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの中でも、透明性の観点から、好ましいのはポリメチルメタクリレート系樹脂である。
ポリメチルメタクリレート系樹脂とは、メチルメタクリレートの単独重合体、又はメチルメタクリレート成分を50質量%以上含んだ共重合体をいう。ポリメチルメタクリレート系樹脂は、メチルメタクリレートと、メチルメタクリレートと共重合可能な成分と、を含む共重合体であってもよい。
メチルメタクリレートと共重合可能な成分としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸エステル類;イソプロピルマレイミドのようなマレイミド類;アクリル酸、メタクリル酸、スチレン等が挙げられるこれらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
ポリメチルメタクリレート系樹脂の分子量は、メルトフロー(成形しやすさ)の観点から、重量平均分子量として8万~20万のものが好ましく、10万~12万がより好ましい。
本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルを構成するプラスチック光ファイバ素線が有する芯の数としては、1又は2以上であり、2以上の場合は7個以上であることが好ましく、かかる場合断面において円形配置が可能となり好ましい。
なお、プラスチック光ファイバ素線が2以上の芯を有する場合を「多芯」という。
プラスチック光ファイバ素線が多芯の場合の断面における芯の数は、製造の容易さの観点から、10000個以下が好ましく、より好ましくは19個~1000個である。
プラスチック光ファイバ素線の芯の断面の直径は、単芯の場合、100μm~3000μmが好ましく、250μm~2000μmがより好ましく、500μm~1500μmがさらに好ましい。芯の断面の直径が100μm以上であれば通過する光量を一層大きくすることができ、250μm以上であればより一層光量を大きくすることができる。また、芯の断面の直径が3000μm以下であれば、柔軟に曲げることが可能となり、2000μm以下であればより一層柔軟に曲げることが可能となる。
多芯の場合の各々の芯の断面の直径は5μm~500μmが好ましく、より好ましくは60μm~200μmである。芯の断面の直径が5μm以上であれば通過する光量を一層大きくすることができる。また、芯の断面の直径が500μm以下であれば、曲げによる透過光量の低下を一層少なくできる。
(鞘層)
鞘層は、芯の外周に被覆形成される層である。
鞘層を設けることで、鞘層と芯との界面での反射により、プラスチック光ファイバ素線が曲がっていても、当該ケーブル内を光信号が伝搬される。
鞘層は単層であっても、複数層を形成してもよい。複数層を形成する場合には内側に位置する第一の鞘層よりも外側に位置する第二の鞘層の屈折率を低くすれば、第一の鞘層を突き抜けた光の一部を第一の鞘層と第二の鞘層の界面反射により回収することが可能となるので好ましい。
鞘層を構成する樹脂(以下、「鞘樹脂」ともいう。)は、芯を構成する樹脂より屈折率が小さい樹脂であれば特に限定されず、公知のものを用いることができる。
本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルの好ましい態様としては、プラスチック光ファイバ素線が、上述した透明樹脂で形成された芯と、前記透明樹脂より屈折率の低い樹脂、例えばフッ素樹脂によって前記芯の外周に被覆形成された少なくとも1層の鞘層から構成されたものが挙げられる。
芯を構成する樹脂の屈折率が、鞘層を構成する樹脂の屈折率よりも、0.01~0.15高いことがより好ましい。
芯を構成する樹脂と鞘層を構成する樹脂の屈折率の差が小さいほど、高い周波数の信号まで伝搬させることができるがケーブルの曲げに対して脆弱となる傾向がある。
一方、芯を構成する樹脂と鞘層を構成する樹脂の屈折率の差が大きいほど、ケーブルの曲げに対して強くすることができるが、高い周波数の光は通りにくくなる傾向がある。
かかる観点から、芯を構成する樹脂と鞘層を構成する樹脂の屈折率の差を前記数値範囲とすることが好ましい。
鞘層を構成する樹脂としては、以下に限定されないが、例えば、フッ素樹脂等が挙げられる。それらの中でも好ましくは、使用する光に対する透過率の高いフッ素樹脂である。
鞘層を構成する樹脂として、フッ素樹脂を用いることにより伝送損失を一層抑えることができる。
フッ素樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、フッ化メタクリレート系重合体やポリビニリデンフロライド系樹脂等が挙げられる。
フッ化メタクリレート系重合体としては、以下に限定されるものではないが、透過率が高く耐熱性や成形性に優れるという観点から、例えば、フルオロアルキルメタクリレート、フルオロアルキルアクリレート、α-フロロ-フルオロアルキルアクリレート等のフッ素を含有するアクリレートモノマー重合体、又はメタクリレートモノマー重合体が好ましい。また、フッ素を含有する(メタ)アクリレートモノマーと、これらと共重合可能な他の成分を含む共重合体であってもよく、メチルメタクリレート等の共重合可能な炭化水素系のモノマーとの共重合体が好ましい。フッ素を含有する(メタ)アクリレートモノマーと、これと共重合可能な炭化水素系のモノマーとの共重合体とすることで、屈折率をコントロールすることができるので好ましい。
一方、ポリビニリデンフロライド系樹脂としては、以下に限定されないが、耐熱性や成形性に優れるという観点から、例えば、ビニリデンフロライドの単独重合体;ビニリデンフロライドと、テトラフロロエチレン、ヘキサフロロプロペン、トリフロロエチレン、ヘキサフロロアセトン、パーフロロアルキルビニルエーテル、クロロトリフロロエチレン、エチレン、プロピレンからなる群から選択される少なくとも1種類以上のモノマーとの共重合体;これらのビニリデンフロライド成分を含む重合体とPMMA系樹脂とのアロイ、が好ましい。
(保護層)
本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルは、前記プラスチック光ファイバ素線と、後述する被覆層との間に、所定の保護層を具備してもよい。
すなわち、当該保護層は、1本のプラスチック光ファイバ素線の鞘層の外周に被覆形成されたものであり、被覆層によってさらに被覆されるものである。本実施形態では被覆層によってさらに被覆されずに用いられる場合は、保護層ではなく被覆層であるものとする。
保護層は、必要に応じて、機械物性、耐熱性、光遮光性等の機能を、プラスチック光ファイバケーブルに付与することができるものであり、鞘層の外側に接した樹脂からなる層である。
本実施形態では、屈折率が内側の鞘層より高いか、不透明又は着色したもの(すなわち、対象とする光を反射できる程度の透明さを有しないもの)である場合は外側の鞘層ではなく保護層であるものとする。保護層の厚みに制限はないが、300μm以下であれば、プラスチック光ファイバケーブルの柔軟性が維持され好ましく、250μm以下であればより柔軟性が維持され好ましい。
保護層の材料としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリビニリデンフロライド系樹脂等が挙げられる。なお、屈折率とは、ナトリウムD線によって20℃で測定した値を用いる。
保護層は鞘層の周りを取り囲むように配置されることが好ましい。特に、保護層は、プラスチック光ファイバケーブルを側圧等の外力から保護する機能を発揮でき、かつ外部からの衝撃を緩和する効果も発揮できる。外力から保護するには十分な強度を有することが好ましく、特に引張降伏強さ(JIS K7113)が20Mpa以上であることが好ましく、25Mpa以上であることがより好ましく、30Mpa以上であることがさらに好ましい。
このような強度を持つ樹脂としては、例えば、ポリアミド12系樹脂、架橋ポリエチレン系樹脂、架橋ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。
(被覆層)
本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルにおいて、被覆層は、前記光ファイバ素線の外周に被覆形成されたもので、保護層ではないものをいい、2線間に渡り部を形成した場合は渡り部も被覆層の一部とする。
被覆層は、2線ケーブルにおける引裂き強度が10N以下となるような樹脂組成物から構成されている。
このような樹脂組成物を被覆層に用いることで、高温環境下での伝送損失の悪化が少ないプラスチック光ファイバケーブルが得られる。
引裂き強度が10N以下であると、伝送損失の悪化を抑制できる理由については、以下のように推定される。
ケーブルを使用する際には一般に両端にコネクタを取付けるために端部の被覆を剥ぐ必要がある。さらに2線ケーブルを使用する際には、捻じれによってコネクタが破損することを防止するために端部を引裂いて使用する。引裂き強度が10Nよりも大きい樹脂はこのコネクタ取り付け作業時によって、プラスチック光ファイバ素線に何らかのダメージが残り、その結果高温環境下で伝送損失が悪化してしまうと考えられる。
また、プラスチック光ファイバケーブル敷設時には通常数カ所曲げられるのが通例であり、耐熱性評価時にも曲げた状態で評価されるが、曲げた状態で加熱されると、引裂き強度の強い樹脂の場合、加熱され変形することによって内部のプラスチック光ファイバ素線に強い応力が発生し、コネクタ取り付け部周辺と同様に素線に何らかのダメージを与えている傾向にある。
このため、本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルに用いる被覆層を構成する樹脂組成物は、2線ケーブルにした際の引裂き強度が10N以下であり、好ましくは7N以下、より好ましくは5N以下、さらに好ましくは3N以下である。
上述した特性を満たせば、被覆層に使用される樹脂は特に制限はないが、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、フッ素樹脂等、及びこれらを含有する樹脂組成物が挙げられる。
プラスチック光ファイバケーブルを敷設する環境では安全性を考慮して難燃性が要求されることが多いことから、難燃性ポリエチレン樹脂組成物、塩化ビニル系樹脂、フッ化ビニリデン系樹脂が好ましく、さらには環境問題への配慮からノンハロゲン系樹脂がより好ましく、この観点から難燃性ポリエチレン系樹脂組成物がより好ましい。
難燃性ポリエチレン樹脂組成物としては、以下に限定されないが、例えば、(A)エチレン-α-オレフィン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の共重合体、(B)不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性された高密度ポリエチレン、(C)水酸化マグネシウム、及び(D)赤リンを含むものが好ましい。
さらに、難燃性を一層向上させる観点から、(E)メラミンイソシアヌレートを含むことがより好ましい。
被覆層は、プラスチック光ファイバ素線へ容易に被覆可能であるとの観点から、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、及びシリコーン樹脂からなる群より選ばれる1つ以上の樹脂を含むことが好ましい。
前記難燃性ポリエチレン樹脂組成物における(A)成分の含有量は、難燃性が維持できる範囲内であれば特に限定されないが、10~50質量%であることが好ましく、20~50質量%であることがより好ましく、30~50質量%であることがさらに好ましい。
(A)成分の含有量を前記範囲とすることにより、本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルにとって実用上十分な難燃性を維持しつつ、かつ、プラスチック光ファイバ素線の被覆において、剥離や撚れの発生を一層抑制することができる。
(A)成分としては、(A-1)エチレン-α-オレフィン共重合体、(A-2)エチ
レン-酢酸ビニル共重合体、及び(A-3)エチレン-エチルアクリレート共重合体から
なる群より選ばれる1種以上の共重合体が好ましいものとして挙げられる。それらの中で
も、(A-1)エチレン-α-オレフィン共重合体と、(A-2)エチレン-酢酸ビニル
共重合体及び/又はエチレン-エチルアクリレート共重合体と、の組み合わせがより好ま
しい。
以下、各成分について詳述する。
<(A-1)エチレン-α-オレフィン共重合体>
エチレン-α-オレフィン共重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレンと炭素数3~12のα-オレフィンとの共重合体等が挙げられる。
α-オレフィンとしては、例えば、プロピレン、ブテン-1、ヘキセン-1、4-メチル-ペンテン-1、オクテン-1、デセン-1、ドデセン-1等が挙げられる。
エチレン-α-オレフィン共重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレン-ブテン-1共重合体、エチレン-ヘキセン-1共重合体、及びエチレン-オクテン-1共重合体等が挙げられる。
これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、得られる樹脂組成物の加工性、難燃性、耐熱性等をバランスよく一層向上させる観点から、エチレン-α-オレフィン共重合体のメルトフローレート(MFR;JIS K7210(荷重2.16kg)に準拠して測定)は、0.1~50g/10分であることが好ましく、0.5~10g/10分であることがより好ましい。
また、エチレン-α-オレフィン共重合体の密度(JIS K7112に準拠して測定)は、0.91~0.96g/cm3であることが好ましく、0.92~0.95g/cm3であることがより好ましい。
エチレン-α-オレフィン共重合体は市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、商品名「ネオゼックス」、「ウルトゼックス」、「モアテック」、「エボリュー」(プライムポリマー社製)、商品名「ノバテック」、「ハーモレックス」等(日本ポリエチレン社製)等が挙げられる。
難燃性ポリエチレン樹脂組成物における(A-1)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0~50質量%であり、より好ましくは5~45質量%であり、さらに好ましくは10~20質量%である。(A-1)成分の含有量を5質量%以上とすることで、プラスチック光ファイバ素線を被覆する際の被覆層の加工性に優れる。(A-1)成分の含有量を50質量%以下とすることで、難燃性が一層向上する。
<(A-2)エチレン-酢酸ビニル共重合体>
エチレン-酢酸ビニル共重合体としては、得られる樹脂組成物の物性・加工性や難燃性を一層向上させるために、使用するエチレン-酢酸ビニル共重合体のメルトフローレート(MFR;JIS K7210(荷重2.16kg)に準拠して測定)は、0.1~50g/10分であることが好ましく、0.5~10g/10分であることがより好ましい。
また、エチレン-酢酸ビニル共重合体における酢酸ビニルモノマーの含有量は、5~45質量%であることが好ましく、10~35質量%であることがより好ましい。
エチレン-酢酸ビニル共重合体は市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、商品名「エバフレックス」(三井デュポンポリケミカル社製)、商品名「メルセン」(東ソー社製)等が挙げられる。
<(A-3)エチレン-エチルアクリレート共重合体>
エチレン-エチルアクリレート共重合体としては、得られる樹脂組成物の物性・加工性や難燃性を一層向上させるために、使用するエチレン-酢酸ビニル共重合体のメルトフローレート(JIS K7210(荷重2.16kg)に準拠して測定)は0.1~50g/10分であることが好ましく、0.5~20g/10分であることがより好ましい。
また、エチレン-エチルアクリレート共重合体におけるエチルアクリレートモノマーの含有量は、5~45質量%であることが好ましく、10~35質量%であることがより好ましい。
エチレン-エチルアクリレート共重合体は市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、商品名「レクスパール」(日本ポリエチレン社製)、商品名「エルバロイ」(三井デュポンポリケミカル社製)等が挙げられる。
被覆層を構成する前記難燃性ポリエチレン樹脂組成物が、上述した(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分等を含む場合、(A)成分としては、(A-1)エチレン-α-オレフィン共重合体と、(A-2)エチレン-酢酸ビニル共重合体及び/又は(A-3)エチレン-エチルアクリレート共重合体と、を含み、かつ、(A)成分中における(A-1)成分の含有量が5~40質量%であり、(A)成分中における(A-2)成分及び/又は(A-3)成分の含有量の総量が5~45質量%であることが好ましい。
(A)~(D)成分を併用する場合において、(A-2)成分と(A-3)成分の含有量を前記割合とすることで、実用上必要な難燃性は維持した上で、プラスチック光ファイバ素線と被覆層との密着性を一層向上させることができる。その結果、優れた難燃性を有した上で、ピストニング特性等を一層向上する傾向にあるためより好ましい。
難燃性ポリエチレン樹脂組成物中における(A-2)成分及び(A-3)成分の含有量は特に限定されないが、(A-2)成分と(A-3)成分の含有量の総量は、5~45質量%であることが好ましく、10~40質量%であることがより好ましい。
(A-2)成分及び(A-3)成分の含有量の総量が、5質量%以上であれば、得られる樹脂組成物の他の配合物に対する充填性が一層向上する。(A-2)成分及び(A-3)成分の含有量の総量が、45質量%以下であれば、得られたプラスチック光ファイバの耐熱性が一層向上する。
<(B)不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性された高密度ポリエチレン>
不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性された高密度ポリエチレン(以下、酸変性高密度ポリエチレンという場合がある。)は、高密度ポリエチレンを不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性(以下、酸変性という場合がある。)させたものである。
酸変性される前の高密度ポリエチレンは、その密度が0.935~0.975g/cm3であるポリエチレンをいう。
通常、高密度ポリエチレンの密度は、酸変性によってほとんど変化しない。よって酸変性高密度ポリエチレンの密度は、好ましくは0.935~0.975g/cm3である。
酸変性するための不飽和カルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、フマル酸、アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、メタクリル酸、ソルビン酸、クロトン酸、シトラコン酸、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸、4-メチルシクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸、4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸等の不飽和カルボン酸、及びこれらの酸無水物(例えば、無水マレイン酸、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物、4-メチルシクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物等)が挙げられる。これらの中では、無水マレイン酸が好ましい。
酸変性するための不飽和カルボン酸又はその誘導体の使用量は、変性前の高密度ポリエチレンに対して0.05~10質量%であることが好ましい。
変性方法としては、特に限定されず、公知の方法を採用することもできる。変性方法としては、例えば、溶液法、懸濁法、溶融法等が挙げられる。
溶液法の場合、例えば、無極性有機溶媒中に高密度ポリエチレンと不飽和カルボン酸又はその誘導体を投入し、さらにラジカル開始剤を添加して100~160℃の高温に加熱する方法が挙げられる。これにより、酸変性高密度ポリエチレンを得ることができる。無極性溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、テトラクロルエタン等が挙げられる。ラジカル開始剤としては、例えば、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3及びベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物等が挙げられる。
懸濁法の場合、例えば、水等の極性溶媒中に高密度ポリエチレンと不飽和カルボン酸又はその誘導体を投入し、さらにラジカル開始剤を添加し、高圧下で100℃以上の高温に加熱する方法が挙げられる。これにより酸変性高密度ポリエチレンを得ることができる。なお、ラジカル開始剤としては、具体例として上述したものを適宜使用することができる。
溶融法の場合、例えば、合成樹脂の分野において使用可能な溶融混練機(例えば、押出機、バンバリーミキサー、ニーダー等)を用いて、高密度ポリエチレン、不飽和カルボン酸又はその誘導体、及びラジカル開始剤等を溶融混練する方法が挙げられる。これにより、酸変性高密度ポリエチレンを得ることができる。
なお、得られる樹脂組成物の物性・加工性を十分満足させるために、変性前の高密度ポリエチレンのメルトフローレート(MFR;JIS K7210(荷重2.16kg)に準拠して測定)は、0.1~50g/10分であることが好ましく、0.5~10g/10分であることがより好ましい。
酸変性高密度ポリエチレンを得るための高密度ポリエチレンは、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、商品名「ノバテック」(日本ポリエチレン社製)、商品名「サンテック」(旭化成社製)等が挙げられる。そして、酸変性高密度ポリエチレンは、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、商品名「アドマー」(三井化学社製)、商品名「AMPLIFY」(ダウ・ケミカル日本社製)等が挙げられる。
本実施形態において、(B)成分である酸変性高密度ポリエチレンは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
被覆層を構成する前記難燃性ポリエチレン樹脂組成物中における(B)成分の割合は、特に限定されないが、好ましくは1~15質量%であり、より好ましくは5~10質量%である。被覆層を構成する前記難燃性ポリエチレン樹脂組成物中における(B)成分の含有量が、1質量%以上であると、本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルの耐熱性が一層向上する。被覆層を構成する前記難燃性ポリエチレン樹脂組成物中における(B)成分の含有量が15質量%以下であると、ピストニング特性が一層向上する。
<(C)水酸化マグネシウム>
水酸化マグネシウムとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、海水等から製造された合成水酸化マグネシウムや、天然産ブルーサイト鉱石を粉砕して製造された水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱石に由来するもの等が挙げられる。
(C)成分の平均粒子径は、分散性、難燃性の効果から40μm以下が好ましく、0.2μm~6μmのものがより好ましい。なお、平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置によって測定することができる。
前記難燃性ポリエチレン樹脂組成物が、(A)成分、(B)成分、(C)成分、及び(D)成分を少なくとも含有する場合、(C)成分は所定の表面処理剤により表面処理をされた水酸化マグネシウムであることが好ましい。これにより、エチレン構造等に由来する非極性の樹脂との混練性を一層向上させることができる。
表面処理剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、脂肪酸(例えば、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、ラウリン酸、カプリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸等の高級脂肪酸)、脂肪酸金属塩(上記脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩、アルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、バリウム塩、コバルト塩、錫塩、チタニウム塩、鉄塩等)、脂肪酸アミド(上記脂肪酸のアミド)、チタネートカップリング剤(イソプロピル-トリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、チタニウム(オクチルフォスフェート)オキシアセテート等)、シランカップリング剤(ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等)が挙げられる。これらの中でも、好ましい表面処理剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
水酸化マグネシウムに対する表面処理剤の処理量は、特に限定されないが、0.5~5.0質量%であることが好ましく、1.0~4.0質量%であることがより好ましく、1.5~3.5質量%であることがさらに好ましい。
表面処理剤の処理量が0.5質量%以上であると、水酸化マグネシウムの表面全体を効率的に被覆でき、かつ、相溶剤としての効果が一層向上する。一方、表面処理量が5.0質量%以下であると、経済性に優れた処理効果を得ることができる。
表面処理された水酸化マグネシウムとしては、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、商品名「キスマ」(協和化学工業社製)、商品名「マグシーズ」(神島化学工業社製)等が挙げられる。水酸化マグネシウムは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
被覆層を構成する前記難燃性ポリエチレン樹脂組成物中の(C)水酸化マグネシウムの含有量は、被覆層の難燃性が維持される程度であれば特に限定されないが、30~60質量%であることが好ましく、30~50質量%であることがより好ましく、30~40質量%であることがさらに好ましく、30~35質量%であることがさらにより好ましい。
水酸化マグネシウムの含有量が、30質量%以上であると、得られる難燃性ポリエチレン樹脂組成物の難燃性が一層向上する。(C)水酸化マグネシウムの含有量が、60質量%以下であると、得られる難燃性ポリエチレン樹脂組成物がもろくなることを防止でき、加工性や柔軟性等が一層向上する。
<(D)赤リン>
赤リンは難燃助剤等として作用することができる。
赤リンは、比較的不安定な化合物であり、発火しやすく、特に粉塵爆発を起こし易く、経時的に樹脂を劣化させやすい傾向にあるため、赤リン粒子の表面を安定化剤で被覆した赤リンを用いることが好ましい。
安定化剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、金属、金属酸化物、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
金属としては、例えば、アルミニウム、鉄、クロム、ニッケル、亜鉛、マンガン、アンチモン、ジルコニウム、チタン等が挙げられる。
金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタン等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
安定化剤は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
安定化剤の表面被覆量は、赤リン粒子に対して、金属、金属酸化物については金属として0.5~15質量%、熱硬化性樹脂としては固形分として5~30質量%の範囲に設計することが好ましい。
赤リンの平均粒子径は、樹脂への分散性、難燃助剤としての効果から50μm以下が好ましく、1μm~40μmがより好ましい。赤リンの平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置によって測定することができる。
赤リンは、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、商品名「ノーバエクセル」(燐化学工業社製)、商品名「ヒシガード」(日本化学工業社製)等が挙げられる。本実施形態において、赤リンは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態のポリエチレン樹脂組成物における(D)赤リンの含有量は、難燃性が維持できる程度であれば特に限定されないが、0.1~10質量%であることが好ましく、1~5質量%であることがより好ましい。
赤リンの含有量が0.1質量%以上であると、難燃性が一層向上する。赤リンの含有量が10質量%以下であると、得られる難燃性ポリエチレン樹脂組成物の加工性等が一層向上する。
<(E)メラミンイソシアヌレート>
プラスチック光ファイバの難燃性を一層向上させるために、上述した難燃性ポリエチレン樹脂組成物は、(E)メラミンシアヌレートをさらに含有することが好ましい。
前記(B)成分、(C)成分、(D)成分等と併用することで、難燃性を一層向上させることができる。
前記難燃性ポリエチレン樹脂組成物における(E)成分の含有量は、1~5質量%であることが好ましい。
メラミンシアヌレートは、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、堺化学工業社等から入手できる。
前記難燃性ポリエチレン樹脂組成物が、上述した(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分を含む場合、難燃性ポリエチレン樹脂組成物における(A)成分の含有量は10~50質量%であり、(B)成分の含有量は1~15質量%であり、(C)成分の含有量は30~60質量%であり、(D)成分の含有量は0.1~10質量%であることが好ましい。さらに、前記難燃性ポリエチレン樹脂組成物が(E)成分をさらに含む場合、難燃性ポリエチレン樹脂組成物における(E)成分の含有量は、1~5質量%であることが好ましい。かかる成分組成の難燃性ポリエチレン樹脂組成物は、一層優れた難燃性を有し、上述した本実施形態の種々の効果が一層向上する。
<(F)その他の成分>
本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルを構成する各部位は、本実施形態の効果を損なわない範囲で、上記した以外の他の添加剤をさらに含有してもよい。
かかる添加剤は、使用目的に応じて選択することができ、以下に限定されるものではないが、例えば、カーボンブラック等の着色剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、光安定剤、金属不活性剤、滑剤、上記した以外の難燃剤、難燃助剤、充填剤等が挙げられる。
(その他の構成)
本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルは、上記のように2以上の素線を有している。2線構造のケーブル化する方法はとくに制限はないが、2線を同時に押出被覆する方法、単線ケーブル2本を別の樹脂、接着剤等で結合する方法等が挙げられる。
また、本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルにおける断面形状に特に制限はなく、図1のように、2本の芯12、13と、当該芯の外周に形成された鞘層14、15とを有するプラスチック光ファイバ素線が、さらに被覆層16によって被覆された構成のものであってもよく、図2のように、各プラスチック光ファイバ素線が被覆層26によって被覆されており、隣接する単線のプラスチック光ファイバケーブルが、所定の樹脂によりなる渡り部28により接続された構成であってもよい。
また渡り部28の断面形状は、長さ方向に沿って均一である必要はなく引裂き強度を調整するために孔が開いていてもよく、又は厚みが変化していていもよい。
なお、図2のように、隣接する単線のプラスチック光ファイバケーブルが所定の樹脂によりなる渡り部28によって接続されている場合、隣接するプラスチック光ファイバ素線間に形成されている被覆層の引裂き強度においては、前記渡り部28も被覆層に含められるものとして測定される。
さらに、隣接するプラスチック光ファイバ素線間に形成されている被覆層の引裂き強度が10N以下であればよく、本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルの素線数は2以上であればよく、例えば、図3のプラスチック光ファイバケーブル30のように、4線の構造でもあってもよい。
<外被覆層>
本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルは、上述した被覆層を最表面層として使用することも可能であるが、その外周に、さらに、ナイロン12、ソフトナイロン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、フッ素樹脂などの熱可塑性樹脂からなる外被覆層(「外ジャケット」ともいう。)を施して、より補強した光ファイバケーブルとして用いることもできる。
また、本実施形態の光ファイバケーブルと、本実施形態以外の光ファイバケーブル、メタルケーブル、補強材等の材料を共に外被覆層で覆い、複合ケーブルすることもできる。
<線数>
本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルは、2線以上であれば線数に上限はなく、用途に応じて3線以上であってもよいが、各線の引裂き強度は各々10N以下である必要がある。
(プラスチック光ファイバケーブルの物性)
<熱収縮率>
通常プラスチック光ファイバは製造時に延伸されており、このため高温環境下で収縮を起こすものが多い。このためプラスチック光ファイバケーブルを敷設した後にこのような収縮が起こると、ケーブルの断線等を引き起こす可能性がある。
このため、本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルは105℃で1時間静置した際の収縮率(熱収縮率)が、1%以下であるものとし、好ましくは0.5%以下であり、より好ましくは0.3%以下である。
熱収縮率はプラスチック光ファイバ素線の製造方法や、保護層、被覆層によって変化するため、これらについては特に制限はないが、プラスチック光ファイバケーブルを製造した後に測定する必要がある。
前記熱収縮率は、プラスチック光ファイバケーブルを100℃以上の高温に一定時間静置(エージング)する、又はプラスチック光ファイバ素線を100℃以上の高温に一定時間静置した後に被覆し、プラスチック光ファイバケーブルを製造する等により、1%以下に制御することができる。特に、前記条件による熱収縮率が1%以下のプラスチック光ファイバ素線を被覆することで、プラスチック光ファイバケーブルを製造すると、該プラスチック光ファイバケーブルのエージングが不要になるか、必要であっても短時間のエージングで前記条件による熱収縮率を1%以下にすることができるので好ましい。
本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルは、UL VW-1規格に合格する特性
を有しているものであることが好ましい。
「UL VW-1規格」とは、燃焼試験であり、具体的には、試験用試料を垂直に保持し、20°の角度でバーナーの炎をあてて15秒間着火、15秒間休止を5回繰り返し、試験用試料の燃焼の程度を調べる試験方式である。この規格に合格するものであれば、優れた難燃性を有している。
本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルにおいて、「UL VW-1規格」に合格するものとするためには、上述したような、難燃性を有する被覆材を用いることが有効である。
〔プラスチック光ファイバケーブルの製造方法〕
本実施形態のプラスチック光ファイバケーブルの製造方法は、特に限定されず、公知の方法によって行うことができる。
例えば、公知の複合紡糸法で製造されたプラスチック光ファイバ素線の外側に、クロスヘッドダイにより熱溶融させた前記ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、及び変性フッ素樹脂からなる被覆層を形成する方法を好ましく使用することができる。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本実施形態を具体的に説明するが、本実施形態は、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、本明細書中で用いられた物性値、及び後述する〔実施例〕、〔比較例〕で評価された評価物性値は、各々、以下に示す測定方法及び評価方法によるものである。
((1)耐熱性)
10mのプラスチック光ファイバケーブルの両端約30cmを手で引き裂いたのち、Broadcom社製 2線用コネクタ、「HFBR-4516Z」を、このコネクタのデータシート記載の方法にて前記プラスチックファイバケーブルの両端に取付けた。
前記コネクタを取付けた前記プラスチック光ファイバケーブルを、φ306mmのボビンに巻きつけ、グレイテクノス製 光パワーメーター Photom205Aを用いて、2線の光量を測定したこれを「初期値」とした。
その後、両端をボビンにテープで固定し、その後、105℃の温度下で、1000hr静置後、再度、同様の方法で光量を測定し、前記「初期値」との光量の差を測定し、光量差が3dB以下である場合を合格として評価した。
((2)引裂き強度)
2線のプラスチック光ファイバケーブルを20cmにカットし、片端側から手で引き裂き、引き裂いた線の長さが合計で10cmになるまで行った。
次に、図4に示すように、万能試験機(島津製作所社製 AGS-500NX)の上側の把持部44と下側の把持部46との間隔を10cmとし、プラスチック光ファイバケーブル42の端部を、万能試験機の上下のチャックに各々固定した。
引張速度500mm/分にて、プラスチック光ファイバケーブルが完全に引き裂かれるまで引き裂き、その際の最大応力を引裂き強度とした。
10N以下を合格として評価した。
((3)加熱収縮(熱収縮率の測定))
室温条件下(23℃)で、プラスチック光ファイバケーブルを工業用カミソリで両端が平坦になるように1mに切断した後、105℃にて1時間加熱し、室温に冷却してからケーブル長を測定し、下記式により収縮率を求めた。1%以下を合格として評価した。
熱収縮率 =(1m-試験後のケーブル長)/1m ×100 (%)
〔実施例1〕
熱収縮率が0.8%であるプラスチック光ファイバ素線SHB-1000(1芯、芯材 PMMA、旭化成社製 素線径1.0mm)に、保護層としてポリアミド12樹脂(ダイセル・エボニック社製 ベスタミド N1901)を厚さ0.15mmで押出成型にて形成した、保護層付のプラスチック光ファイバ素線2本を、ポリエチレン(旭化成社製 サンテック M1920)を被覆材として用い、短径2.2mmになるように被覆層を形成して、2線プラスチック光ファイバケーブルを作製した。
上述した方法で、耐熱性、引裂き強度、熱収縮率を測定し、評価した。
評価結果を下記表1に示す。
なお、素線の熱収縮率は、上述した((3)加熱収縮(熱収縮率の測定))と同様の方法で測定した。
〔実施例2〕
被覆材としてPVC(ポリ塩化ビニル、リケンテクノス製 SMV9993S)を用いて被覆層を形成した。
その他の条件は、前記〔実施例1〕と同様にプラスチック光ファイバケーブルを作製し、同様に評価した。
〔実施例3〕
被覆材として、下記に示す組成の難燃性ポリエチレン樹脂組成物を用いた。
その他の条件は、前記〔実施例1〕と同様にプラスチック光ファイバケーブルを作製し、同様に評価した。

ポリエチレン樹脂 NUC製 DHDA-1184NTJ 15質量部
ポリエチレン樹脂 NUC製 NUC-3195 20質量部
ポリエチレン樹脂 日本ポリエチレン社製 レクスパールEEA A1150 20質量部
水酸化マグネシウム 協和化学工業社製 キスマ5A 40質量部
赤リン 協和化学工業社製 ノーバエクセル140F 5質量部
〔実施例4〕
被覆材として、PVDF(ポリフッ化ビニリデン 3M社製 PVDF31008/0003)を用いた。
その他の条件は、前記〔実施例1〕と同様にプラスチック光ファイバケーブルを作製し、同様に評価した。
参考例5〕
保護層を付けていない熱収縮率が0.8%であるプラスチック光ファイバ素線SHB-1000(1芯、芯材 PMMA、旭化成社製 素線径1.0mm)を用いた。
その他の条件は、前記〔実施例4〕と同様にプラスチック光ファイバケーブルを作製し、同様に評価した。
〔実施例6〕
保護層付プラスチック光ファイバ素線として、熱収縮率が0.8%であるプラスチック光ファイバ素線SHB-500(芯材 PMMA、旭化成社製 素線径0.5mm)に保護層としてポリアミド12樹脂(ダイセル・エボニック社製 ベスタミド N1901))を厚さ0.25mmで押出成型にて形成したものを用いた。その他の条件は、前記〔実施例1〕と同様にプラスチック光ファイバケーブルを作製し、同様に評価した。
〔実施例7〕
プラスチック光ファイバ素線として、熱収縮率が0.9%であるSHMBK-1000P(19芯 芯材PMMA、旭化成社製、 素線径 1.0mm)を用いた。その他の条件は、前記〔実施例1〕と同様にプラスチック光ファイバケーブルを作製し、同様に評価した。
〔実施例8〕
熱収縮率が2.0%であるプラスチック光ファイバ素線EB-1000(1芯、芯材 PMMA、旭化成社製 素線径1.0mm)を用いた。
その他の条件は、前記〔実施例1〕と同様にプラスチック光ファイバケーブルを作製し、その後、105℃で10時間静置して、エージング処理を施した後に〔実施例1〕と同様に評価した。
〔実施例9〕
前記〔実施例1〕と同様にプラスチック光ファイバケーブルを作製した。その後、105℃で10時間静置して、エージング処理を施した後に〔実施例1〕と同様に評価した。
〔実施例10〕
2線ではなく図3に示すような、4線の構造とした。その他の条件は、前記〔実施例1〕と同様にプラスチック光ファイバケーブルを作製し、同様に評価した。
〔比較例1〕
被覆材としてポリアミド12(PA12 ダイセル・エボニック社製 ダイアミド N1940)を用いた。その他の条件は、前記〔参考例5〕と同様にプラスチック光ファイバケーブルを作製し、同様に評価した。
〔比較例2〕
被覆材としてポリエチレン樹脂組成物(日本ポリエチレン製 レクスパールEEA A4200)を用いた。その他の条件は、前記〔参考例5〕と同様にプラスチック光ファイバケーブルを作製し、同様に評価した。
〔比較例3〕
被覆材としてポリプロピレン系樹脂(サンアロマー社製 サンアロマー PMB60W)を用いた。その他の条件は、前記〔実施例1〕と同様にプラスチック光ファイバケーブルを作製し、同様に評価した。
〔比較例4〕
熱収縮率が2.0%であるプラスチック光ファイバ素線EB-1000(1芯、芯材 PMMA、旭化成社製 素線径1.0mm)を用いた。
その他の条件は、前記〔実施例1〕と同様にプラスチック光ファイバケーブルを作製し、〔実施例1〕と同様に評価した。
Figure 0007020857000001
Figure 0007020857000002
実施例1~4、参考例5、実施例6~10は、引裂き強度が10N以下でかつ、熱収縮率が1%以下であり、これらはすべて耐熱性試験に合格した。
比較例1は熱収縮率が1%以下であったが、引裂き強度が10Nを超えており、耐熱性試験は不合格であった。
比較例2は引裂き強度は10N以下であったが、熱収縮率が1%を超えており、耐熱性試験は不合格であった。
比較例3は熱収縮率が1%以下であったが、引裂き強度が10Nを超えており、耐熱性試験は不合格であった。
比較例4は引裂き強度は10N以下であったが、熱収縮率が1%を超えており、耐熱性試験は不合格であった。
本発明のプラスチック光ファイバは、電子機器内や、機器間の通信用ケーブル、光ファイバセンサ等として産業上の利用可能性がある。
10,20,30…プラスチック光ファイバケーブル
12,13,22,23,32…芯
14,15,24,25,34…鞘層
16,26…被覆層
28…渡り部
42…2線プラスチック光ファイバケーブル
44…万能試験機の上側の把持部
46…万能試験機の下側の把持部

Claims (4)

  1. 2以上のプラスチック光ファイバ素線と、当該プラスチック光ファイバ素線の外周に形成された被覆層と、を、備えるプラスチック光ファイバケーブルであって、
    前記プラスチック光ファイバ素線は、1以上の芯と、当該芯の外周に形成された少なくとも一層の鞘層とを有しており、
    前記プラスチック光ファイバ素線と、前記被覆層との間に、保護層を有し、
    前記保護層の引張降伏強さ(JIS K7113)が、20Mpa以上であり、
    前記プラスチック光ファイバケーブルを105℃の温度条件下に1時間静置した際の収縮率が1%以下であり、
    隣接する前記プラスチック光ファイバ素線間に形成されている被覆層の引裂き強度が10N以下である、
    プラスチック光ファイバケーブル。
  2. UL VW-1規格に適合している、請求項1に記載のプラスチック光ファイバケーブル。
  3. 前記被覆層が、
    ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、及びシリコーン樹脂からなる群より選ばれる1つ以上の樹脂を含む、
    請求項1又は2に記載のプラスチック光ファイバケーブル。
  4. 前記保護層が、ポリアミド系樹脂、架橋ポリエチレン系樹脂、及びポリプロピレン系樹脂からなる群より選ばれる1つ以上の樹脂からなる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のプラスチック光ファイバケーブル。
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