JP7019567B2 - 不凍タンパク質を含む口腔ケア製品及び方法 - Google Patents
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Description
a) AFP;
b) 経口的に許容可能な担体
を含み、ここでAFPは、上記組成物中に、組成物の総重量の0.01重量%~3重量%の量で存在する、上記口腔ケア組成物に関する。例えば、本開示は以下のものを提供する:
1.1. AFPが昆虫AFPである、組成物1。
1.2. AFPが配列番号2のポリペプチド配列を有する、組成物1。
1.3. AFPが植物AFPである、組成物2。
1.4. AFPが配列番号3のポリペプチド配列を有する、組成物2。
1.5. AFPが魚AFPである、組成物3。
1.6. AFPが配列番号1のポリペプチド配列を有する、組成物3。
1.7. フッ化物を含む、任意の前述の組成物。
1.8. AFPが、例えばリン酸バッファーを用いてほぼ中性又はわずかに塩基性のpH(例えばpH7~8)に中和されている、任意の前述の組成物。
1.9. AFPが、殺生物剤(例えば塩化セチルピリジニウム(CPC))を有効濃度(例えば濾液の0.1重量%)で含む、任意の前述の組成物。
1.10. AFPが、組成物中に、組成物の総重量の0.01重量%~3重量%、例えば組成物の総重量の0.01重量%~2重量%(例えば約0.02重量%、約0.1重量%、約0.5重量%、又は約2重量%)の量で存在する、任意の前述の組成物。
1.11. 組成物が有効量のフッ化物を含む、任意の前述の組成物。
1.12. 100ppm~2500ppm、例えば250ppm~750ppmの量のフッ化物、例えば約500ppmのフッ化物を含む、任意の前述の組成物。
1.13. 例えば酸化亜鉛、クエン酸亜鉛、乳酸亜鉛、リン酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、アミノ酸との亜鉛錯体、及び前述のいずれかの混合物から選択される経口的に許容可能な亜鉛塩又は酸化物を含み、例えば亜鉛の量が、亜鉛イオンの重量で計算して0.1重量%~3重量%、例えば約1~約2重量%である、任意の前述の組成物。
1.14. 経口的に許容可能な第一スズ塩、例えばSnF2又はSnCl2を含む、任意の前述の組成物。
1.15. 組成物が、マウスリンス、練り歯磨き、歯磨きジェル、歯磨き粉、非研磨ゲル、ムース、フォーム、マウススプレー及びタブレット、例えば歯磨剤(例えば練り歯磨き又はマウスリンス)から選択される形態である、任意の前述の組成物。
1.16. 組成物が、研磨剤、pH改変剤、界面活性剤、発泡調整剤、増粘剤、粘度改質剤、湿潤剤、抗歯石剤又は歯石抑制剤、甘味料、香味料び着色料から選択される1種以上の薬剤をさらに含む、任意の前述の組成物。
1.17. 組成物が練り歯磨きである、任意の前述の組成物。
1.18. 1種以上の可溶性リン酸塩塩を含む任意の前述の組成物であって、例えば「可溶性リン酸塩塩」が、25℃で少なくとも1g/100mlの水中溶解度を有する経口的に許容可能なリン酸塩塩を意味し;例えば1種以上の可溶性リン酸塩塩がピロリン酸塩及び/又はポリリン酸塩(例えばトリポリリン酸塩)のナトリウム塩及び/又はカリウム塩であり;例えば1種以上の可溶性リン酸塩塩が、ピロリン酸四ナトリウム(TSPP)、トリポリリン酸ナトリウム(STPP)又はTSPPとSTPPの組み合わせを含み;例えば1種以上の可溶性リン酸塩塩が、組成物の1~20重量%、例えば2~8重量%(例えば約5重量%)の量で存在する、上記組成物。
1.19. フッ化物が、フッ化第一スズ、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、フッ化アミン(例えば、N'-オクタデシルトリメチレンジアミン-N,N,N'-トリス(2-エタノール)-ジヒドロフルオリド)、フッ化アンモニウム、フッ化チタン、ヘキサフルオロ硫酸塩、及びそれらの組み合わせから選択される塩により提供される、任意の前述の組成物。
1.20. 例えばグリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、キシリトール、及びそれらの混合物から選択される湿潤剤を含む(例えば、組成物の少なくとも30重量%、例えば40~50重量%のグリセリンを含む)歯磨剤である、任意の前述の組成物。
1.21. 例えばアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤並びにそれらの混合物から選択される1種以上の界面活性剤を含む歯磨剤である任意の前述の組成物であって、例えば、歯磨剤基剤が、アニオン性界面活性剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムエーテル及びそれらの混合物から選択される界面活性剤)を、例えば組成物の約0.3重量%~約4.5重量%の量で(例えば組成物の1~2重量%のラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を)含む、上記組成物。
1.22. 両性イオン性界面活性剤、例えばベタイン界面活性剤(例えばコカミドプロピルベタイン)を、例えば組成物の約0.1重量%~約4.5重量%の量で(例えば組成物の0.5~2重量%のコカミドプロピルベタインを)含む歯磨剤である、任意の前述の組成物。
1.23. 粘度改質量の、1種以上の多糖ガム(例えばキサンタンガム又はカラギーナン)、シリカ増粘剤、及びそれらの組み合わせを含む歯磨剤である、任意の前述の組成物。
1.24. ガムストリップ又はフラグメントを含む歯磨剤である、任意の前述の組成物。
1.25. 香味料、香料及び/又は着色料を含む、任意の前述の組成物。
1.26. 有効量の1種以上の抗細菌剤を含む歯磨剤である任意の前述の組成物であって、例えば、ハロゲン化ジフェニルエーテル(例えばトリクロサン)、ハーブ抽出物及びエッセンシャルオイル(例えば、ローズマリー抽出物、茶抽出物、モクレン抽出物、チモール、メントール、ユーカリプトール、ゲラニオール、カルバクロール、シトラール、ヒノキトール、カテコール、サリチル酸メチル、没食子酸エピガロカテキン、エピガロカテキン、没食子酸、ミスワク(miswak)抽出物、シーバックソーン抽出物)、ビスグアニド防腐剤(例えば、クロロヘキシジン、アレキシジン又はオクテニジン)、第四級アンモニウム化合物(例えば、塩化セチルピリジニウム(CPC)、塩化ベンザルコニウム、塩化テトラデシルピリジニウム(TPC)、塩化N-テトラデシル-4-エチルピリジニウム(TDEPC))、フェノール性防腐剤、ヘキセチジン、オクテニジン、サングイナリン、ヨウ化ポビドン、デルモピノール、サリフルオル、金属イオン類(例えば、亜鉛塩類(例えばクエン酸亜鉛)、第一スズ塩類、銅塩類、鉄塩類)、サングイナリン、プロポリス及び酸素化剤(例えば、過酸化水素、緩衝された過酸化ホウ酸ナトリウム又は緩衝された過酸化炭酸ナトリウム)、フタル酸及びその塩、モノパーサル酸(monoperthalic acid)並びにその塩及びエステル、ステアリン酸アスコルビル、オレオイルサルコシン(oleoyl sarcosine)、硫酸アルキル、スルホコハク酸ジオクチル、サリチルアニリド、臭化ドミフェン、デルモピノール、オクタピノール及び他のピペリジン誘導体、ニシン(nicin)調製物、亜塩素酸塩塩;及び前述のいずれかの混合物から選択される抗細菌剤を含む(例えばトリクロサン又は塩化セチルピリジニウムを含む)、上記組成物。
1.27. 例えば、過酸化物、金属亜塩素酸塩類、過ホウ酸塩類、過炭酸塩類、過酸類、次亜塩素酸塩類、及びそれらの組み合わせ;例えば、過酸化水素又は過酸化水素源、例えば過酸化尿素又は過酸化物塩若しくは過酸化物錯体(例えば、過酸化リン酸塩、過酸化炭酸塩、過ホウ酸塩、過酸化ケイ酸塩、又は過硫酸塩の塩など;例えば、過酸化リン酸カルシウム、過ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム過酸化物、過酸化リン酸ナトリウム、及び過硫酸カリウム)からなる群から選択される美白剤を含む歯磨剤である、任意の前述の組成物。
1.28. 細菌の付着を妨げるか又は予防する薬剤(例えばソルブロール又はキトサン)を含む歯磨剤である、任意の前述の組成物。
1.29. 例えば、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、乳酸カルシウム、及びそれらの組み合わせから選択される可溶性カルシウム塩を含む歯磨剤である、任意の前述の組成物。
1.30. 生理学的に又は経口的に許容可能なカリウム塩(例えば硝酸カリウム又は塩化カリウム)を、象牙質の感受性を低下させるのに有効な量で含む歯磨剤である、任意の前述の組成物。
1.31. アニオン性ポリマー(例えば合成アニオン性ポリマー性ポリカルボキシレート)を含む歯磨剤である任意の前述の組成物であって、例えば、上記アニオン性ポリマーが、無水マレイン酸又はマレイン酸の、別の重合可能なエチレン性不飽和モノマーとの1:4~4:1コポリマーから選択され;例えば上記アニオン性ポリマーが、約30,000~約1,000,000(例えば約300,000~約800,000)の平均分子量(M.W.)を有するメチルビニルエーテル/無水マレイン酸(PVM/MA)コポリマーであり、例えば上記アニオン性ポリマーが、組成物の約1~5重量%(例えば約2重量%)である、上記組成物。
1.32. ブレスフレッシュナー、香料又は香味料を含む歯磨剤である、任意の前述の組成物。
1.33. 組成物のpHがほぼ中性(例えば約pH7)である、任意の前述の組成物。
1.34. 酸侵食を低減及び阻止し、歯を清浄し、細菌が生成したバイオフィルム及びプラークを低減し、歯肉炎を低減し、齲歯及び虫歯の形成を阻止し、象牙質の過敏性を低減するために使用するための、任意の前述の組成物。
1.35. 歯のエナメル質侵食の低減、阻止又は修復において使用するための、任意の前述の組成物。
1.36. 歯のエナメル質の再石灰化の促進において使用するための、任意の前述の組成物。
1.37. フッ化物の虫歯予防効果の増強において使用するための、任意の前述の組成物。
a) AFP;
b) 場合により有効量のフッ化物;
c) 経口的に許容可能な担体
を含む歯磨剤であって、例えばAFPの量が0.01重量%~2重量であり、例えばフッ化物が100ppm~1000ppm(例えば約500ppm)の量で存在する、上記歯磨剤である。
a) AFP
b) 経口的に許容可能な担体
を含む口腔ケア組成物であって、AFPが組成物中に、組成物の総重量の0.01重量%~3重量%の量で存在する上記組成物を歯に適用するステップを含む、上記方法を提供する。例えば、本開示は以下を提供する:
1.1. AFPが昆虫AFPである、方法1。
1.2. AFPが配列番号2のポリペプチド配列を有する、方法1。
1.3. AFPが植物AFPである、方法2。
1.4. AFPが配列番号3のポリペプチド配列を有する、方法2。
1.5. AFPが魚AFPである、方法3。
1.6. AFPが配列番号1のポリペプチド配列を有する、方法3。
1.7. AFPがフッ化物を含む、任意の前述の方法。
1.8. 部分的に加水分解された 植物タンパク質が、例えばリン酸バッファーを用いてほぼ中性又はわずかに塩基性のpH(例えばpH7~8)に中和されている、任意の前述の方法。
1.9. AFPが、殺生物剤(例えば、塩化セチルピリジニウム(CPC))を有効濃度(例えば濾液の0.1重量%)で含む、任意の前述の方法。
1.10. AFPが、組成物中に、組成物の総重量の0.01重量%~3重量%、例えば組成物の総重量の0.01重量%~2重量%(例えば約0.02重量%、約0.1重量%、約0.5重量%又は約2重量%)の量で存在する、任意の前述の方法。
1.11. 組成物が有効量のフッ化物を含む、任意の前述の組成物。
1.12. フッ化物の量が、100ppm~1000ppm(例えば約500ppmのフッ化物)である、任意の前述の方法。
1.13. 組成物が、マウスリンス、練り歯磨き、歯磨きジェル、歯磨き粉、非研磨ゲル、ムース、フォーム、マウススプレー及びタブレットから選択される形態である、任意の前述の方法。
1.14. 組成物が、研磨剤、pH改変剤、界面活性剤、発泡調整剤、増粘剤、粘度改質剤、湿潤剤、抗歯石剤又は歯石抑制剤、甘味料、香味料及び着色料から選択される1種以上の薬剤をさらに含む、任意の前述の方法。
1.15. 組成物が歯磨剤(例えば練り歯磨き)である、任意の前述の方法。
1.16. 組成物が、組成物1又は2又は3(以下参照)(上記参照)のいずれかから選択される、任意の前述の方法。
1.17. 歯牙侵食(例えばエナメル質の侵食)を低減、阻止又は修復するための方法であって、例えば、組成物が歯牙侵食を有するか又は歯牙侵食を有するリスクが上昇していると同定された患者の歯に適用される上記方法である、任意の前述の方法。
1.18. 歯の再石灰化(例えばエナメル質の再石灰化)を促進するための方法であって、例えば、組成物が脱灰を有すると同定された患者の歯に適用される上記方法である、任意の前述の方法。
1.19. フッ化物の虫歯予防効果を増強するための方法であって、例えば組成物が、齲歯の初期兆候(例えば初期エナメル質齲蝕)を有するか、又は活発な齲歯を有するか、又は齲歯のリスクが上昇していると同定された患者の歯に適用される上記方法である、任意の前述の方法。
1.20. 組成物が有効量のフッ化物を含む、及び/又は方法が、有効量のフッ化物を含む口腔ケア製品、有効量のフッ化物を含むマウスリンス又は練り歯磨きの投与をさらに含む、方法1.15。
a) 水性バッファー溶液(例えばリン酸バッファー溶液)を用いた希釈によりAFPを中和して、ほぼ中性又はわずかに塩基性のpH(例えばpH7~8)を有する溶液を得るステップ;
b) a)の溶液生成物を濾過及び遠心分離してAFPを含む濾液を得るステップ;
c) フッ化物(例えば、フッ化物を含有する経口的に許容可能な塩、例えばフッ化ナトリウム又はモノフルオロリン酸ナトリウムの形態のフッ化物)、及び場合により殺生物剤(例えば、有効量(例えば濾液の0.01~1重量%、例えば約0.1重量%)の塩化セチルピリジニウム)を、b)の濾液生成物に添加するステップ;
d) c)の生成物を経口的に許容可能な担体の成分に混合して、AFPを組成物の総重量の0.01重量%~3重量%の量で含む口腔ケア組成物を得るステップ
を含む、上記方法を提供する。
好ましい実施形態(1つ又は複数)の以下の記載は、単に例示的な性質のものであり、決して本発明、その利用、又は用途を限定することを意図するものではない。
不凍タンパク質(AFP)は、特定の脊椎動物、植物、真菌及び細菌などの生物の氷点下環境における生存を可能とする、それらの生物由来のタンパク質である不凍タンパク質(AFP)を意味する。AFPは、氷構造タンパク質とも呼ばれる。AFPは小さな氷の結晶に結合し、生物に致命的となり得る氷の成長および再結晶化を阻害する。AFPの共通の特徴は、融点と凝固点間の差である温度ヒステリシスである。AFPを固体の氷と液体の水の間の界面に添加すると、熱力学的に有利な氷の結晶の成長を阻害する。氷の成長は、水が接触可能な氷表面を覆うAFPによって動力学的に阻害される。温度ヒステリシスは、ナノリットル浸透圧計を用いて実験室中で容易に測定される。
BM 82 (配列番号1)、
BM 80(配列番号2)、
BM 83(配列番号3)
を有するAFPである。
配列番号4 IDDYTRA
配列番号5 HPPLHHA
配列番号6 SPSTHWK
配列番号7 GSPATAA
配列番号8 GKVQAQS
配列番号9 YPVTPSI
配列番号10 IPTLPSS
配列番号11 YQGASEN
配列番号12 EHITTSN
配列番号13 RILITIP
配列番号14 IPITNLR
配列番号15 TTSTRHI
配列番号16 NERALTL
配列番号17 MQTVEVT
配列番号18 SWGTQTD
配列番号19 TLPASSV
を有する小ペプチド配列であり得る。
本明細書中で使用される「経口的に許容可能な担体」との表現は、意図される量及び濃度における経口用途に安全且つ許容可能な物質(例えば従来の練り歯磨き及びマウスウォッシュ中に見られるような物質)から作製される担体を示す。このような物質としては、水、又は湿潤剤(例えばグリセリン、ソルビトール、キシリトールなど)を含有し得る他の溶媒が挙げられる。一部の態様において、「経口的に許容可能な担体」という用語は、加水分解された植物タンパク質及びフッ化物を除く、口腔ケア組成物の全ての成分を包含する。他の態様において、この用語は、AFP、及び/又は任意の他の機能的成分を口腔に送達する役割を果たす不活性な(inert又はinactive)成分を指す。
ウシの歯を切り取り、研磨し磨いて、およそ体積3mm x 3mm x 2mmを有するエナメル質ブロックを得る。エナメル質の厚さは約1~2mmであり、象牙質の厚さは約1mmである。エナメル質表面上で全ての測定値を採る。
実施例1に記載されるとおりにエナメル質ブロックを作成する。酸腐食は、エナメル質ブロックを1%クエン酸溶液(pH3.8)中に15分間配置することによって達成される。500nm深さにおけるナノ硬度及びヤング率を、腐食の前及び後に測定する。腐食したエナメル質ブロックを、20μMの濃度のAFP(配列番号20)の溶液と共に30分間インキュベートし(2ml溶液/ブロック)、その後、実施例1に記載されるAS溶液と共に22~24時間インキュベートする。AFPとのインキュベーション及びASとのインキュベーションのステップをさらに2回繰り返し、その後エナメル質ブロックをDI水ですすいで空気乾燥させる。処理されたエナメル質ブロックのナノ硬度及びヤング率を500nm深さで測定し、AFPのエナメル質修復効果を評価する。実験の陽性対照として、500ppmフッ化物溶液を使用する。結果は、表2及び表3に示される。
実施例1に記載されるとおりにエナメル質ブロックを作製する。微小硬度は、ヌープダイヤモンド圧子及び50g負荷を備えたMicromet 6020微小硬度テスター(Buehler社、レイクブラフ、イリノイ州、米国)を用いて測定する。少なくとも300のヌープ硬度(KH)を有するブロックを選択する。このブロックを、30%リン酸中に15秒間浸漬することによって腐食させる。ブロックの左側及び右側のKHを測定する。続いて、ブロックの右側をテープで覆い、その後にブロックを、それぞれ実施例1に記載されるとおりに中和されたAFPの20mg/ml溶液で2期間(1期間は30分)処理する。(ブロックの右手側のテープは、タンパク質溶液に対するこの右手側の曝露を防ぎ、内部対照としての役割を果たす)。2回の処理の間及び2回目の処理の後、このブロックをDI水で2回(1回につき5分、500PRM)洗浄する。その後、テープを取り除き、ブロックをAS溶液(0.2mM MgCl2、1mM CaCl2.H2O、20mM HEPESバッファー、4mM KH2PO4、16 mM KCl、4.5 mM NH4Cl、300ppm NaF、0.05重量% NaN3、pH7(1M NaOHで調整))中で7日間インキュベートする。エナメル質ブロックをDI水ですすぎ、すすいだブロックを空気乾燥させた後、再び微小硬度を測定する。パーセントとしての表面微小硬度回復(SMHL、再石灰化%)を、((微小硬度修復-微小硬度腐食)/(微小硬度無傷-微小硬度腐食))*100として計算する。微小硬度アッセイの結果は、表4に示される。
以下、本発明の実施形態を示す。
(1)歯牙侵食を修復若しくは阻止し又は防止若しくは予防し、歯の再石灰化を促進し、及び/あるいはフッ化物の虫歯予防効果を増強する方法であって、
a) AFP;
b) 経口的に許容可能な担体
を含む口腔ケア組成物を歯に適用するステップを含み、ここでAFPは該組成物中に、該組成物の総重量の0.01重量%~3重量%の量で存在する、前記方法。
(2)前記AFPが、配列番号2に示されるポリペプチド配列、又は配列番号2に示されるポリペプチド配列から出発して全アミノ酸の5%以下の置換、挿入又は欠失から生じ且つ出発タンパク質(配列番号2)の生物学的特性の少なくとも50%を依然として有するポリペプチド配列を有する、(1)に記載の方法。
(3)前記AFPが、配列番号1に示されるポリペプチド配列、又は配列番号1に示されるポリペプチド配列から出発して全アミノ酸の5%以下の置換、挿入又は欠失から生じ且つ出発タンパク質(配列番号1)の生物学的特性の少なくとも50%を依然として有するポリペプチド配列を有する、(1)に記載の方法。
(4)前記AFPが、配列番号3に示されるポリペプチド配列、又は配列番号3に示されるポリペプチド配列から出発して全アミノ酸の5%以下の置換、挿入又は欠失から生じ且つ出発タンパク質(配列番号3)の生物学的特性の少なくとも50%を依然として有するポリペプチド配列を有する、(1)に記載の方法。
(5)前記AFPが、配列番号4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19から形成される群より選択されるハイドロキシアパタイト結合ペプチドに結合している、(1)に記載の方法。
(6)前記AFPが、AFPのホモマー又はヘテロマーであり、且つ配列番号4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19から形成される群より選択されるハイドロキシアパタイト結合ペプチドに結合している、(1)に記載の方法。
(7)前記口腔ケア組成物が有効量のフッ化物をさらに含む、(1)に記載の方法。
(8)AFPが、前記組成物中に、前記組成物の総重量の0.01重量%~3重量%の量で存在する、(1)~(7)のいずれか1に記載の方法。
(9)前記組成物が歯磨剤である、(1)~(8)のいずれか1に記載の方法。
(10)以下:
a) ほぼ中性又はわずかに塩基性のpHに中和されているAFP;
b) 有効量のフッ化物、及び
c) 経口的に許容可能な担体
を含む歯磨剤。
(11)歯のエナメル質侵食の修復又は阻止、歯のエナメル質の再石灰化の促進、及び/あるいはフッ化物の虫歯予防効果の増強において使用するための、
a) AFP;
b) 場合により有効量のフッ化物;
c) 経口的に許容可能な担体
を含む口腔ケア組成物であって、ここでAFPは該組成物中に、該組成物の総重量の0.01重量%~3重量%の量で存在する、前記口腔ケア組成物。
(12)歯牙侵食を修復又は阻止し、歯の再石灰化を促進し、及び/あるいはフッ化物の虫歯予防効果を増強するための口腔ケア組成物の製造における、AFPの使用。
(13)AFPを含む口腔ケア製品の作製方法であって、以下:
a) 水性バッファー溶液を用いた希釈によりAFP溶液を中和して、ほぼ中性又はわずかに塩基性のpHを有する溶液を得るステップ;
b) a)の溶液生成物を濾過及び遠心分離してAFPを含む濾液を得るステップ;
c) フッ化物及び場合により殺生物剤をb)の濾液生成物に添加するステップ;
d) c)の生成物を経口的に許容可能な担体の成分に混合するステップ
を含む、前記方法。
(14)AFPを含む口腔ケア組成物であって、該口腔ケア組成物が、(13)に記載の方法により得られるか又は得ることができる、前記口腔ケア組成物。
(15)チューインガム組成物であって、
a) ガムベース、
b) 香味料、
c) 甘味料、及び
d) 該チューインガム組成物の約0.01重量%~約0.5重量%のAFP
を含む、前記チューインガム組成物。
Claims (10)
- 歯への適用を含む、歯牙侵食を修復若しくは阻止し又は防止若しくは予防し、歯の再石灰化を促進し、及び/あるいはフッ化物の虫歯予防効果を増強するための、
a) 配列番号2、20又は21に示されるポリペプチド配列を有する不凍タンパク質(AFP);
b) 経口的に許容可能な担体
を含む口腔ケア組成物であって、前記AFPは該組成物中に、該組成物の総重量の0.01重量%~3重量%の量で存在する、前記口腔ケア組成物。 - 前記口腔ケア組成物がフッ化物をさらに含む、請求項1記載の組成物。
- 前記組成物が歯磨剤である、請求項1又は2記載の組成物。
- 以下:
a) ほぼ中性又はわずかに塩基性のpHに中和されている、配列番号2、20又は21に示されるポリペプチド配列を有する不凍タンパク質(AFP);
b) フッ化物、及び
c) 経口的に許容可能な担体
を含む歯磨剤。 - 歯のエナメル質侵食の修復又は阻止、歯のエナメル質の再石灰化の促進、及び/あるいはフッ化物の虫歯予防効果の増強において使用するための、
a) 配列番号2、20又は21に示されるポリペプチド配列を有する不凍タンパク質(AFP);
b) 経口的に許容可能な担体
を含む口腔ケア組成物であって、前記AFPは該組成物中に、該組成物の総重量の0.01重量%~3重量%の量で存在する、前記口腔ケア組成物。 - 前記口腔ケア組成物がフッ化物をさらに含む、請求項5記載の組成物。
- 歯牙侵食を修復又は阻止し、歯の再石灰化を促進し、及び/あるいはフッ化物の虫歯予防効果を増強するための口腔ケア組成物の製造における、配列番号2、20又は21に示されるポリペプチド配列を有する不凍タンパク質(AFP)の使用。
- 配列番号2、20又は21に示されるポリペプチド配列を有する不凍タンパク質(AFP)を含む口腔ケア製品の作製方法であって、以下:
a) 水性バッファー溶液を用いた希釈により前記AFP溶液を中和して、ほぼ中性又はわずかに塩基性のpHを有する溶液を得るステップ;
b) a)の溶液生成物を濾過及び遠心分離して前記AFPを含む濾液を得るステップ;
c) フッ化物をb)の濾液生成物に添加するステップ;
d) c)の生成物を経口的に許容可能な担体の成分に混合するステップ
を含む、前記方法。 - ステップc)において、殺生物剤をさらにb)の濾液生成物に添加する、請求項8記載の方法。
- チューインガム組成物であって、
a) ガムベース、
b) 香味料、
c) 甘味料、及び
d) 該チューインガム組成物の約0.01重量%~約0.5重量%の配列番号2、20又は21に示されるポリペプチド配列を有する不凍タンパク質(AFP)
を含む、前記チューインガム組成物。
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