JP7019567B2 - 不凍タンパク質を含む口腔ケア製品及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、不凍タンパク質を含む口腔ケア製品及び方法に関する。
歯のエナメル質は、歯冠を被覆する石灰化物質の薄く硬い層である。歯のエナメル質の主要なミネラル成分は、結晶形態のリン酸カルシウムであるハイドロキシアパタイトである。歯のエナメル質の化学的侵食は、酸性食品及び飲料、又は胃逆流から生じる胃酸に対する歯の曝露から生じ得る。歯のエナメル質の侵食は、象牙質細管の曝露の増加に起因する歯の感受性の増加、及びより黄色い歯の外観につながる象牙質の可視性の増加をもたらし得る。唾液ペリクル(歯上に堆積した唾液糖タンパク質の薄層)は、侵食性の曝露に対する歯の保護において不可欠である。結果として、口内乾燥症を経験する人々は、より酸侵食損傷を受けやすい。
エナメル質侵食の予防を補助するために開発された既存の方法は、遊離フッ化物源を口腔ケア組成物に組み込むステップを含む。フッ化物は、ハイドロキシアパタイトより低いpHで溶解するため酸損傷に対してより耐性のフルオロアパタイトの形成を通して、エナメル質に対する損傷を低下させる。同様に、より酸耐性のミネラル層を形成することによってエナメル質表面を保護するため、第一スズ塩も歯磨き製剤に組み込まれていた。エナメル質表面をコーティング及び保護するポリマーも報告されている。
酸は、齲蝕原性細菌を含むプラークが糖質を代謝する場合も口腔内で生成される。プラークはプロトン動態及びエナメル質を通じたミネラル拡散を抑制するバリアーを形成するため、プラーク酸は齲蝕病変を引き起こす。歯磨き製剤中へのフッ化物イオンの組み込みは、プラーク酸の影響を軽減するための最も一般的な方法である。フッ化物は脱灰の速度を低下させ、再石灰化を増強する。リン酸カルシウム塩を安定化させ、又はプラークpHを制御して再石灰化を増強するための幾つかのアプローチが開発されている。
歯上における非細菌及び細菌産生酸の影響を軽減するための方法が開発されているが、酸侵食及び細菌の酸の影響からエナメル質を有効に修復する改善された口腔ケア組成物を提供する必要性が依然として存在する。
本発明者らは、不凍タンパク質(AFP)が歯牙侵食の影響の修復又は軽減、歯の再石灰化の促進、及びフッ化物の虫歯予防効果の増強において有効であることを予想外に見出した。
例えば、一実施形態において、AFPは、バッファー(例えばNa2HPO4バッファーなどのリン酸バッファー(1.5mM)及びCaCl2(2.5mM))中で希釈してほぼ中性又はわずかに塩基性のpH(例えば、pH7~8、例えば約pH7.5)を有する緩衝化溶液を提供し、この溶液を濾過及び遠心分離してAFPを含む濾液を得ることにより、好適な経口的に許容可能な担体の成分と共に製剤に調製される。この濾液に、殺生物剤(例えば0.1%の塩化セチルピリジニウム)及びフッ化物を添加し得る。次いで、AFPを経口的に許容可能な担体の成分、例えば練り歯磨き又はマウスウォッシュベースと組み合わせて、歯牙侵食の影響を修復又は軽減し、歯の再石灰化を促進し、フッ化物の虫歯予防効果を増強するための口腔ケア組成物を提供することができる。
従ってこの開示は、口腔ケア組成物(組成物1又は2又は3)(例えば歯磨剤)であって:
a) AFP;
b) 経口的に許容可能な担体
を含み、ここでAFPは、上記組成物中に、組成物の総重量の0.01重量%~3重量%の量で存在する、上記口腔ケア組成物に関する。例えば、本開示は以下のものを提供する:
1.1. AFPが昆虫AFPである、組成物1。
1.2. AFPが配列番号2のポリペプチド配列を有する、組成物1。
1.3. AFPが植物AFPである、組成物2。
1.4. AFPが配列番号3のポリペプチド配列を有する、組成物2。
1.5. AFPが魚AFPである、組成物3。
1.6. AFPが配列番号1のポリペプチド配列を有する、組成物3。
1.7. フッ化物を含む、任意の前述の組成物。
1.8. AFPが、例えばリン酸バッファーを用いてほぼ中性又はわずかに塩基性のpH(例えばpH7~8)に中和されている、任意の前述の組成物。
1.9. AFPが、殺生物剤(例えば塩化セチルピリジニウム(CPC))を有効濃度(例えば濾液の0.1重量%)で含む、任意の前述の組成物。
1.10. AFPが、組成物中に、組成物の総重量の0.01重量%~3重量%、例えば組成物の総重量の0.01重量%~2重量%(例えば約0.02重量%、約0.1重量%、約0.5重量%、又は約2重量%)の量で存在する、任意の前述の組成物。
1.11. 組成物が有効量のフッ化物を含む、任意の前述の組成物。
1.12. 100ppm~2500ppm、例えば250ppm~750ppmの量のフッ化物、例えば約500ppmのフッ化物を含む、任意の前述の組成物。
1.13. 例えば酸化亜鉛、クエン酸亜鉛、乳酸亜鉛、リン酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、アミノ酸との亜鉛錯体、及び前述のいずれかの混合物から選択される経口的に許容可能な亜鉛塩又は酸化物を含み、例えば亜鉛の量が、亜鉛イオンの重量で計算して0.1重量%~3重量%、例えば約1~約2重量%である、任意の前述の組成物。
1.14. 経口的に許容可能な第一スズ塩、例えばSnF2又はSnCl2を含む、任意の前述の組成物。
1.15. 組成物が、マウスリンス、練り歯磨き、歯磨きジェル、歯磨き粉、非研磨ゲル、ムース、フォーム、マウススプレー及びタブレット、例えば歯磨剤(例えば練り歯磨き又はマウスリンス)から選択される形態である、任意の前述の組成物。
1.16. 組成物が、研磨剤、pH改変剤、界面活性剤、発泡調整剤、増粘剤、粘度改質剤、湿潤剤、抗歯石剤又は歯石抑制剤、甘味料、香味料び着色料から選択される1種以上の薬剤をさらに含む、任意の前述の組成物。
1.17. 組成物が練り歯磨きである、任意の前述の組成物。
1.18. 1種以上の可溶性リン酸塩塩を含む任意の前述の組成物であって、例えば「可溶性リン酸塩塩」が、25℃で少なくとも1g/100mlの水中溶解度を有する経口的に許容可能なリン酸塩塩を意味し;例えば1種以上の可溶性リン酸塩塩がピロリン酸塩及び/又はポリリン酸塩(例えばトリポリリン酸塩)のナトリウム塩及び/又はカリウム塩であり;例えば1種以上の可溶性リン酸塩塩が、ピロリン酸四ナトリウム(TSPP)、トリポリリン酸ナトリウム(STPP)又はTSPPとSTPPの組み合わせを含み;例えば1種以上の可溶性リン酸塩塩が、組成物の1~20重量%、例えば2~8重量%(例えば約5重量%)の量で存在する、上記組成物。
1.19. フッ化物が、フッ化第一スズ、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、フッ化アミン(例えば、N'-オクタデシルトリメチレンジアミン-N,N,N'-トリス(2-エタノール)-ジヒドロフルオリド)、フッ化アンモニウム、フッ化チタン、ヘキサフルオロ硫酸塩、及びそれらの組み合わせから選択される塩により提供される、任意の前述の組成物。
1.20. 例えばグリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、キシリトール、及びそれらの混合物から選択される湿潤剤を含む(例えば、組成物の少なくとも30重量%、例えば40~50重量%のグリセリンを含む)歯磨剤である、任意の前述の組成物。
1.21. 例えばアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤並びにそれらの混合物から選択される1種以上の界面活性剤を含む歯磨剤である任意の前述の組成物であって、例えば、歯磨剤基剤が、アニオン性界面活性剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムエーテル及びそれらの混合物から選択される界面活性剤)を、例えば組成物の約0.3重量%~約4.5重量%の量で(例えば組成物の1~2重量%のラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を)含む、上記組成物。
1.22. 両性イオン性界面活性剤、例えばベタイン界面活性剤(例えばコカミドプロピルベタイン)を、例えば組成物の約0.1重量%~約4.5重量%の量で(例えば組成物の0.5~2重量%のコカミドプロピルベタインを)含む歯磨剤である、任意の前述の組成物。
1.23. 粘度改質量の、1種以上の多糖ガム(例えばキサンタンガム又はカラギーナン)、シリカ増粘剤、及びそれらの組み合わせを含む歯磨剤である、任意の前述の組成物。
1.24. ガムストリップ又はフラグメントを含む歯磨剤である、任意の前述の組成物。
1.25. 香味料、香料及び/又は着色料を含む、任意の前述の組成物。
1.26. 有効量の1種以上の抗細菌剤を含む歯磨剤である任意の前述の組成物であって、例えば、ハロゲン化ジフェニルエーテル(例えばトリクロサン)、ハーブ抽出物及びエッセンシャルオイル(例えば、ローズマリー抽出物、茶抽出物、モクレン抽出物、チモール、メントール、ユーカリプトール、ゲラニオール、カルバクロール、シトラール、ヒノキトール、カテコール、サリチル酸メチル、没食子酸エピガロカテキン、エピガロカテキン、没食子酸、ミスワク(miswak)抽出物、シーバックソーン抽出物)、ビスグアニド防腐剤(例えば、クロロヘキシジン、アレキシジン又はオクテニジン)、第四級アンモニウム化合物(例えば、塩化セチルピリジニウム(CPC)、塩化ベンザルコニウム、塩化テトラデシルピリジニウム(TPC)、塩化N-テトラデシル-4-エチルピリジニウム(TDEPC))、フェノール性防腐剤、ヘキセチジン、オクテニジン、サングイナリン、ヨウ化ポビドン、デルモピノール、サリフルオル、金属イオン類(例えば、亜鉛塩類(例えばクエン酸亜鉛)、第一スズ塩類、銅塩類、鉄塩類)、サングイナリン、プロポリス及び酸素化剤(例えば、過酸化水素、緩衝された過酸化ホウ酸ナトリウム又は緩衝された過酸化炭酸ナトリウム)、フタル酸及びその塩、モノパーサル酸(monoperthalic acid)並びにその塩及びエステル、ステアリン酸アスコルビル、オレオイルサルコシン(oleoyl sarcosine)、硫酸アルキル、スルホコハク酸ジオクチル、サリチルアニリド、臭化ドミフェン、デルモピノール、オクタピノール及び他のピペリジン誘導体、ニシン(nicin)調製物、亜塩素酸塩塩;及び前述のいずれかの混合物から選択される抗細菌剤を含む(例えばトリクロサン又は塩化セチルピリジニウムを含む)、上記組成物。
1.27. 例えば、過酸化物、金属亜塩素酸塩類、過ホウ酸塩類、過炭酸塩類、過酸類、次亜塩素酸塩類、及びそれらの組み合わせ;例えば、過酸化水素又は過酸化水素源、例えば過酸化尿素又は過酸化物塩若しくは過酸化物錯体(例えば、過酸化リン酸塩、過酸化炭酸塩、過ホウ酸塩、過酸化ケイ酸塩、又は過硫酸塩の塩など;例えば、過酸化リン酸カルシウム、過ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム過酸化物、過酸化リン酸ナトリウム、及び過硫酸カリウム)からなる群から選択される美白剤を含む歯磨剤である、任意の前述の組成物。
1.28. 細菌の付着を妨げるか又は予防する薬剤(例えばソルブロール又はキトサン)を含む歯磨剤である、任意の前述の組成物。
1.29. 例えば、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、乳酸カルシウム、及びそれらの組み合わせから選択される可溶性カルシウム塩を含む歯磨剤である、任意の前述の組成物。
1.30. 生理学的に又は経口的に許容可能なカリウム塩(例えば硝酸カリウム又は塩化カリウム)を、象牙質の感受性を低下させるのに有効な量で含む歯磨剤である、任意の前述の組成物。
1.31. アニオン性ポリマー(例えば合成アニオン性ポリマー性ポリカルボキシレート)を含む歯磨剤である任意の前述の組成物であって、例えば、上記アニオン性ポリマーが、無水マレイン酸又はマレイン酸の、別の重合可能なエチレン性不飽和モノマーとの1:4~4:1コポリマーから選択され;例えば上記アニオン性ポリマーが、約30,000~約1,000,000(例えば約300,000~約800,000)の平均分子量(M.W.)を有するメチルビニルエーテル/無水マレイン酸(PVM/MA)コポリマーであり、例えば上記アニオン性ポリマーが、組成物の約1~5重量%(例えば約2重量%)である、上記組成物。
1.32. ブレスフレッシュナー、香料又は香味料を含む歯磨剤である、任意の前述の組成物。
1.33. 組成物のpHがほぼ中性(例えば約pH7)である、任意の前述の組成物。
1.34. 酸侵食を低減及び阻止し、歯を清浄し、細菌が生成したバイオフィルム及びプラークを低減し、歯肉炎を低減し、齲歯及び虫歯の形成を阻止し、象牙質の過敏性を低減するために使用するための、任意の前述の組成物。
1.35. 歯のエナメル質侵食の低減、阻止又は修復において使用するための、任意の前述の組成物。
1.36. 歯のエナメル質の再石灰化の促進において使用するための、任意の前述の組成物。
1.37. フッ化物の虫歯予防効果の増強において使用するための、任意の前述の組成物。
組成物1又は2又は3の特に新規な実施形態は、
a) AFP;
b) 場合により有効量のフッ化物;
c) 経口的に許容可能な担体
を含む歯磨剤であって、例えばAFPの量が0.01重量%~2重量であり、例えばフッ化物が100ppm~1000ppm(例えば約500ppm)の量で存在する、上記歯磨剤である。
なおさらなる実施形態において、本発明の口腔ケア組成物は、ガムベース、香味料、甘味料及びAFPを含むチューインガムである。ガムベースは約4.8%~約90%存在し、香味料は約0.1%~約10%存在し、甘味料は約0.1%~約95%存在し、AFPは約0.01%~約0.5%存在する。
一態様において、本開示は、歯牙侵食の修復若しくは阻止又は防止若しくは予防、再石灰化の促進、及び/あるいはフッ化物の虫歯予防効果の増強において使用するための;例えば方法1(以下参照)による以下の方法のいずれかにおいて使用するための、組成物1又は2又は3(以下参照)のいずれかを提供する。
別の態様において、本開示は、歯牙侵食を修復又は阻止し、歯の再石灰化を促進し、及び/あるいはフッ化物の虫歯予防効果を増強する方法(方法1又は2又は3)であって、組成物、例えば組成物1又は2又は3(以下参照)のいずれか、例えば:
a) AFP
b) 経口的に許容可能な担体
を含む口腔ケア組成物であって、AFPが組成物中に、組成物の総重量の0.01重量%~3重量%の量で存在する上記組成物を歯に適用するステップを含む、上記方法を提供する。例えば、本開示は以下を提供する:
1.1. AFPが昆虫AFPである、方法1。
1.2. AFPが配列番号2のポリペプチド配列を有する、方法1。
1.3. AFPが植物AFPである、方法2。
1.4. AFPが配列番号3のポリペプチド配列を有する、方法2。
1.5. AFPが魚AFPである、方法3。
1.6. AFPが配列番号1のポリペプチド配列を有する、方法3。
1.7. AFPがフッ化物を含む、任意の前述の方法。
1.8. 部分的に加水分解された 植物タンパク質が、例えばリン酸バッファーを用いてほぼ中性又はわずかに塩基性のpH(例えばpH7~8)に中和されている、任意の前述の方法。
1.9. AFPが、殺生物剤(例えば、塩化セチルピリジニウム(CPC))を有効濃度(例えば濾液の0.1重量%)で含む、任意の前述の方法。
1.10. AFPが、組成物中に、組成物の総重量の0.01重量%~3重量%、例えば組成物の総重量の0.01重量%~2重量%(例えば約0.02重量%、約0.1重量%、約0.5重量%又は約2重量%)の量で存在する、任意の前述の方法。
1.11. 組成物が有効量のフッ化物を含む、任意の前述の組成物。
1.12. フッ化物の量が、100ppm~1000ppm(例えば約500ppmのフッ化物)である、任意の前述の方法。
1.13. 組成物が、マウスリンス、練り歯磨き、歯磨きジェル、歯磨き粉、非研磨ゲル、ムース、フォーム、マウススプレー及びタブレットから選択される形態である、任意の前述の方法。
1.14. 組成物が、研磨剤、pH改変剤、界面活性剤、発泡調整剤、増粘剤、粘度改質剤、湿潤剤、抗歯石剤又は歯石抑制剤、甘味料、香味料及び着色料から選択される1種以上の薬剤をさらに含む、任意の前述の方法。
1.15. 組成物が歯磨剤(例えば練り歯磨き)である、任意の前述の方法。
1.16. 組成物が、組成物1又は2又は3(以下参照)(上記参照)のいずれかから選択される、任意の前述の方法。
1.17. 歯牙侵食(例えばエナメル質の侵食)を低減、阻止又は修復するための方法であって、例えば、組成物が歯牙侵食を有するか又は歯牙侵食を有するリスクが上昇していると同定された患者の歯に適用される上記方法である、任意の前述の方法。
1.18. 歯の再石灰化(例えばエナメル質の再石灰化)を促進するための方法であって、例えば、組成物が脱灰を有すると同定された患者の歯に適用される上記方法である、任意の前述の方法。
1.19. フッ化物の虫歯予防効果を増強するための方法であって、例えば組成物が、齲歯の初期兆候(例えば初期エナメル質齲蝕)を有するか、又は活発な齲歯を有するか、又は齲歯のリスクが上昇していると同定された患者の歯に適用される上記方法である、任意の前述の方法。
1.20. 組成物が有効量のフッ化物を含む、及び/又は方法が、有効量のフッ化物を含む口腔ケア製品、有効量のフッ化物を含むマウスリンス又は練り歯磨きの投与をさらに含む、方法1.15。
別の実施形態において、本開示は、歯牙侵食の修復又は阻止、再石灰化の促進、及び/あるいはフッ化物の虫歯予防効果の増強のための(例えば方法1又は2又は3(以下参照)のいずれかにおける)口腔ケア組成物(例えば組成物1又は2又は3(以下参照)のいずれかによる口腔ケア組成物)の製造における、AFPの使用を提供する。
別の態様において、本開示は、口腔ケア製品(例えば、歯牙侵食を修復又は阻止し、歯の再石灰化を促進し、及び/あるいはフッ化物の虫歯予防効果を増強するために有用な口腔ケア製品(例えば、組成物1又は2又は3(以下参照)のいずれかによる製品))の作製方法(方法4)であって、以下:
a) 水性バッファー溶液(例えばリン酸バッファー溶液)を用いた希釈によりAFPを中和して、ほぼ中性又はわずかに塩基性のpH(例えばpH7~8)を有する溶液を得るステップ;
b) a)の溶液生成物を濾過及び遠心分離してAFPを含む濾液を得るステップ;
c) フッ化物(例えば、フッ化物を含有する経口的に許容可能な塩、例えばフッ化ナトリウム又はモノフルオロリン酸ナトリウムの形態のフッ化物)、及び場合により殺生物剤(例えば、有効量(例えば濾液の0.01~1重量%、例えば約0.1重量%)の塩化セチルピリジニウム)を、b)の濾液生成物に添加するステップ;
d) c)の生成物を経口的に許容可能な担体の成分に混合して、AFPを組成物の総重量の0.01重量%~3重量%の量で含む口腔ケア組成物を得るステップ
を含む、上記方法を提供する。
例えば、本開示は、AFPを含む口腔ケア組成物(例えば組成物1又は2又は3(以下参照)のいずれかによる組成物)であって、上記口腔ケア組成物が、方法4(以下参照)の工程により得られるか又は得ることができる、上記口腔ケア組成物を提供する。
本発明のさらなる利用可能領域は、本明細書中以降に提供される詳細な説明から明らかとなるであろう。詳細な説明及び具体的な実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すが、例示のみを目的とすることが意図されており、本発明の範囲を限定することは意図されていないことが理解されるべきである。
AFPの存在下及び不存在下の氷晶形成を示す(「水」は、AFPを含まない蒸留水を意味する)。 粗さアッセイを用いた低濃度及び高濃度のBM80の修復効果を示す。 ナノインデンテーションを用いたAFPの修復効果(ナノ硬度)を示す。 ナノインデンテーションを用いたAFPの修復効果(ヤング率を使用)を示す。 微小硬度を用いたAFPの修復効果を示す。
詳細な説明
好ましい実施形態(1つ又は複数)の以下の記載は、単に例示的な性質のものであり、決して本発明、その利用、又は用途を限定することを意図するものではない。
本明細書全体を通して、範囲は、その範囲内にある各値及び全ての値の記載の省略表現として用いられる。範囲内の任意の値を範囲の終端として選択することができる。さらに、本明細書中で引用される全ての参考文献は、それらの全体を参照することにより本明細書中に組み込まれる。本開示中の定義と引用される参考文献中の定義に矛盾がある場合は、本開示がコントロールする。
別段に特定されない限り、本明細書中の他の場所において表現される全てのパーセント及び量は、重量パーセントを指すと理解されるべきである。所与の量は、その物質の活性重量に基づく。
不凍タンパク質(AFP)
不凍タンパク質(AFP)は、特定の脊椎動物、植物、真菌及び細菌などの生物の氷点下環境における生存を可能とする、それらの生物由来のタンパク質である不凍タンパク質(AFP)を意味する。AFPは、氷構造タンパク質とも呼ばれる。AFPは小さな氷の結晶に結合し、生物に致命的となり得る氷の成長および再結晶化を阻害する。AFPの共通の特徴は、融点と凝固点間の差である温度ヒステリシスである。AFPを固体の氷と液体の水の間の界面に添加すると、熱力学的に有利な氷の結晶の成長を阻害する。氷の成長は、水が接触可能な氷表面を覆うAFPによって動力学的に阻害される。温度ヒステリシスは、ナノリットル浸透圧計を用いて実験室中で容易に測定される。
異なる生物に由来する、AFPの共通のコンセンサス配列は存在しない(Crit Rev Biotechnol. 2008; 28: 57-82., Properties, potentials, and prospects of antifreeze proteins, Venketesh S1, Dayananda C.; Journal of Experimental Biology 2015; 218: 1846-1855., Animal ice-binding (antifreeze) proteins and glycolipids: an overview with emphasis on physiological function, John G Duman)。
本発明に有用なのは、例えばマクロゾアルセス・アメリカヌス(macrozoarces americanus)などの魚由来のAFP、又はロリウム・ペレネ(lolium perenne)などの植物由来のAFPである。好ましいAFPは昆虫由来のAFPである。2種類の既知のタイプの昆虫AFP、テネブリオ(Tenebrio)AFP及びデンドロイデス(Dendroides)AFP(いずれも異なる昆虫科のAFP)が存在する。これらは互いに類似し、約8.3kD~12.5kDの、様々な数の12マー反復又は13マー反復から成る。特に好ましい昆虫由来のAFPは、コリストネウラ・フミフェラナ(choristoneura fumiferana)由来のAFPである。
特に好ましいAFPは、以下のポリペプチド配列:
BM 82 (配列番号1)、
BM 80(配列番号2)、
BM 83(配列番号3)
を有するAFPである。
本発明の特に好ましい実施形態は、配列番号1、2、3に示されるポリペプチド配列を有するタンパク質である。少なくとも1個、2個、10個以下、好ましくは5個のアミノ酸の置換、挿入又は欠失から生じるタンパク質もまた、特に好ましい実施形態である。特に好ましいのは、配列番号1、2、3に示されるポリペプチド配列から出発して全アミノ酸の1%以下、3%以下、5%以下が置換又は欠失されており、且つ出発タンパク質の生物学的特性の少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%を依然として有するタンパク質である。ここで「タンパク質の生物学的特性」は温度ヒステリシスを意味する。
AFPは、好ましくはAFPのアミノ末端又はカルボキシ末端部分で融合パートナーに連結することもできる。融合パートナーは、例えば、AFPの精製に有用なhisタグ(6~10個のhis残基の配列)などの小ペプチド配列であり得る。配列番号1、2又は3は、例えば、それらのカルボキシ末端にhis6タグを有する。
融合パートナーはまた、核酸レベルでの制限エンドヌクレアーゼの認識部位の新たな創出又は不活性化の結果である、AFPのアミノ末端及び又はカルボキシ末端における数個の付加アミノ酸であってもよい。
またAFPは、好ましくはAFPのアミノ末端部分又はカルボキシ末端部分において融合パートナーに連結されていてもよい。融合パートナーは、例えば、ハイドロキシアパタイト結合ペプチドなどの小ペプチド配列、好ましくは、配列番号4~配列番号19に開示されるペプチド配列:
配列番号4 IDDYTRA
配列番号5 HPPLHHA
配列番号6 SPSTHWK
配列番号7 GSPATAA
配列番号8 GKVQAQS
配列番号9 YPVTPSI
配列番号10 IPTLPSS
配列番号11 YQGASEN
配列番号12 EHITTSN
配列番号13 RILITIP
配列番号14 IPITNLR
配列番号15 TTSTRHI
配列番号16 NERALTL
配列番号17 MQTVEVT
配列番号18 SWGTQTD
配列番号19 TLPASSV
を有する小ペプチド配列であり得る。
ハイドロキシアパタイト結合ペプチドに連結しているAFPの好ましい実施形態は、配列番号4と配列番号2の融合である配列番号20、及び配列番号10と配列番号2の融合である配列番号21である。
本発明の意味におけるAFPは、複数コピー(すなわち多量体)のAFPが共に融合していること、例えば同一構造(すなわちホモマー)又は異なる構造(すなわちヘテロマー)を有する2つ又は3つのAFPが「スーパーAFP」を形成することも意味し得る。例えば、魚由来のAFPが昆虫由来のAFPと共に融合していてもよく、又は2つの同一の魚AFPが共に融合していてもよい。
本発明の意味におけるAFPは、AFPが非ペプチド分子(例えば医薬、ビタミン又は香味料)に連結していることも意味し得る。これにより、AFP部分を介して非ペプチド分子を歯エナメル質に対して標的化することができる。AFPへの非ペプチド分子の連結は、例えば、AFPのアミノ酸の側鎖(例えば、Ser若しくはThrのOH、又はCys若しくはMetのSH、又はAsp若しくはGluのCOOH、又はLys若しくはArgのNH2)との反応により可能である。この化学的連結は「恒久的」連結(すなわち、唾液により加水分解されない連結)であってもよく、又は「不安定な」連結(すなわち、唾液により切断されやすい連結)であってもよい。
AFPは、氷晶形成、さらにまた氷晶の形にも影響を及ぼすが、これは、顕微鏡で、AFPの存在下で形成された氷晶を、AFPの不存在下で形成された氷晶と比較したときに見ることができる。生理活性AFPが存在する場合、氷晶は、AFPの不存在下で形成された結晶の丸い、液滴様の外観と比較して、鋭い外観を有する。このことは、AFPの生物学的活性を決定するために用いることもできる。
図1の、AFPの存在下及び不存在下の氷晶形成を参照されたい(「水」は、AFPを含まない蒸留水を意味する)。
AFPは、公知のペプチド合成法(例えばMerrifieldによる固相合成法)により化学的に製造することができる。
しかし、特に有用なのは、AFP(及び所望の場合は1つ以上の融合パートナー)をコードする核酸配列(特にDNA配列)が、組み合わせられた核酸配列の遺伝子発現が宿主生物中で所望のタンパク質を生成するような方法で組み合わせられる、遺伝子的製造方法である。
ここでの好適な宿主生物(産生生物)は、原核生物(古細菌を含む)又は真核生物、特に細菌類(ハロバクテリウム綱及びメタノコックス綱を含む)、真菌類、昆虫細胞、植物細胞及び哺乳動物細胞、特に好ましくは大腸菌(Escherichia coli)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzea)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、シュードモナス種(Pseudomonas spec.)、ラクトバシレン(Lactobacillen)、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、トリコデルマ・リーセイ(Torichoderma reesei)、SF9(又は関連細胞)、及びその他の生物であり得る。
本発明はさらに、調節核酸配列の遺伝子制御下で本発明のポリペプチドをコードする核酸配列を含む発現構築物、及びまた前記発現構築物の少なくとも1つを含むベクターに関する。
好ましいのは、特定のコーディング配列の5’上流にプロモーターを、3’下流にターミネーター配列を、また適切であればさらなる慣用の調節エレメントも含む(いずれの場合も前記コーディング配列に機能的に連結されている)、かかる本発明の構築物である。
「機能的連結」は、プロモーター、コーディング配列、ターミネーター及び、適切な場合、さらなる調節エレメントの(それぞれの調節エレメントが、コーディング配列の発現に関して意図される用途によるその機能を満たし得るような方法での)連続的配置を意味する。
機能的に連結され得る配列の例は、標的化配列、及びまたエンハンサー、ポリアデニル化シグナルなどである。さらなる調節エレメントは、選択可能マーカー、増幅シグナル、複製起点などを含む。好適な調節配列の例は、Goeddel, Gene Expression Technology: Methods in Enzymology 185, Academic Press, San Diego, CA (1990)に記載されている。
これらの調節配列に加えて、これらの配列の天然の調節が実際の構造遺伝子の上流に依然として存在していてもよく、適切な場合、これらの調節配列は、天然の調節がオフにされて上記遺伝子の発現が増加するように遺伝子的に改変されている。
好ましい核酸構築物は、プロモーターに機能的に連結されており、増加させるべき核酸配列の発現を可能とする、既に言及した1つ以上のエンハンサー配列も有利に含む。さらなる有利な配列(例えばさらなる調節エレメント又はターミネーター)が、DNA配列の3'末端に挿入されていてもよい。
本発明の核酸は、構築物中に1つ以上のコピーで存在し得る。構築物は、適切であれば、構築物の選択のため、なおさらなるマーカー(例えば抗生物質耐性又は栄養要求性を相補する遺伝子)を含み得る。
本発明の方法に有利な調節配列の例は、cos、tac、trp、tet、trp-tet、Ipp、lac、Ipp-lac、laclq-T7、T5、T3、gal、trc、ara、rhaP(rhaPBAD)、SP6、ラムダ-PR又はラムダ-Pプロモーターなどのプロモーター中に存在し、これらはグラム陰性細菌中で有利に用いられる。有利な調節配列のさらなる例は、グラム陽性プロモーターamy及びSP02、酵母又は真菌のプロモーターADC1、MFアルファ、AC、P-60、CYC1、GAPDH、TEF、rp28、ADH中に存在する。調節用の人工プロモーターを使用することも可能である。
宿主生物中で発現させるため、核酸構築物は、例えば遺伝子が宿主中で最適に発現されることを可能にするプラスミド又はファージなどのベクターに有利に挿入される。プラスミド及びファージだけでなく、「ベクター」は、当業者に公知の任意の他のベクター(すなわち、例えばSV40、CMV、バキュロウイルス及びアデノウイルスなどのウイルス、トランスポゾン、ISエレメント、ファスミド、コスミド、並びに直鎖又は環状DNA及びまたアグロバクテリウム系)も意味する。
これらのベクターは、宿主生物中で自律的に複製してもよいし、染色体的に複製されてもよい。これらのベクターは、本発明の別の実施形態を構成する。好適なプラスミドの例は、大腸菌のpLG338、pACYC184、pBR322、pUC18、pUC19、pKC30、pRep4、pHS1、pKK223-3、pDHE19.2、pHS2、pPLc236、pMBL24、pLG200、pUR290、pIN-III’’3-B1、tgt11若しくはpBdCl、ストレプトマイセス属(Streptomyces)のpIJ101、pIJ364、pIJ702若しくはpIJ361、バチルス属(Bacillus)のPUB110、pC194若しくはpBD214、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)のpSA77若しくはpAJ667、真菌類のpALS1、pIL2若しくはpBB116、酵母菌の2アルファ、pAG-1、YEp6、YEp13若しくはpEMBLYe23、又は植物のpLGV23、pGHIac+、pBIN19、pAK2004若しくはpDH51である。前記プラスミドは、可能なプラスミドの小選択である。さらなるプラスミドは当業者に周知であり、例えば、Cloning Vectors (Pouwels P.H.ら編 Elsevier, Amsterdam-New York-Oxford, 1985, ISBN 0 444 904018)の本に見出し得る。
有利なことに、上記の核酸構築物は、存在する他の遺伝子を発現させる目的のため、選択される宿主生物及び遺伝子に応じた最適な発現について選択される、発現を増加させるための3’及び/又は5’末端調節配列もさらに含む。
これらの調節配列は、遺伝子及びタンパク質発現が特異的に発現されることを可能にすることが意図される。これは、宿主生物に応じて、例えば、遺伝子が誘導後にのみ発現又は過剰発現されることを意味する場合もあれば、直ぐに発現及び/又は過剰発現されることを意味する場合もある。
これに関連して、調節配列又は調節因子は、好ましくは導入遺伝子の遺伝子発現に有益な影響を及ぼし、これにより上記遺伝子発現を増加させることができる。このようにして、調節エレメントは、プロモーター及び/又はエンハンサーなどの強力な転写シグナルを用いることにより、転写レベルで有利に増強させることができる。しかし、それだけではなく、例えばmRNA安定性を高めることによって翻訳を増強することも可能である。
ベクターの別の実施形態において、本発明の核酸構築物又は本発明の核酸を含むベクターも、直鎖DNAの形態で微生物に好都合に導入され、異種組換え又は相同組換えにより宿主生物のゲノムに組み込まれ得る。前記直鎖DNAは、直鎖化ベクター(例えばプラスミド)で構成されていてもよいし、本発明の核酸構築物又は核酸のみで構成されていてもよい。
生物中の異種遺伝子の最適な発現を達成するため、その生物において用いられる特異的コドン使用頻度に従って核酸配列を改変することが有利である。コドン使用頻度は、当該生物の他の既知遺伝子のコンピューター分析に基づいて容易に決定することができる。
本発明の発現カセットは、好適なプロモーターを、好適なコーディングヌクレオチド配列及びターミネーターシグナル又はポリアデニル化シグナルに融合させることにより作製される。この目的のため、例えば、T. Maniatis, E.F. Fritsch及びJ. Sambrook, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY (1989)、さらにまたT.J. Silhavy, M.L. Berman及びL.W. Enquist, Experiments with Gene Fusions, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY (1984)、及びAusubel, F.M.ら, Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing Assoc. and Wiley Interscience (1987)に記載されているような、よく知られた組換え技術及びクローニング技術が用いられる。
好適な宿主生物における発現のため、組換え核酸構築物又は遺伝子構築物は、遺伝子が宿主中で最適に発現されることを可能にする宿主特異的ベクターに有利に挿入される。ベクターは当業者に周知であり、例えば「Cloning Vectors」(Pouwels P.H.ら, Elsevier編、Amsterdam-New York-Oxford、1985)中に見出だし得る。
本発明のベクターは組換え微生物を作製するために使用することが可能であり、この組換え微生物は、例えば少なくとも1つの本発明のベクターで形質転換され、本発明のポリペプチドの産生に使用され得る。有利には、上記の本発明の組換え構築物は好適な宿主系に導入されて発現される。ここでは、前記核酸を特定の発現系において発現させるため、当業者に公知の一般的なクローニング法及びトランスフェクション法、例えば、共沈殿、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、レトロウイルストランスフェクションなどを用いることが好ましい。好適な系は、例えば、Current Protocols in Molecular Biology, F. Ausubelら, Wiley Interscience編, New York 1997、又はSambrookら Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989に記載されている。
本発明によれば、相同組み換え微生物を作製することも可能である。この目的のため、本発明の遺伝子又はコーディング配列の少なくとも1つの断片を含むベクターが作製され、このベクターには、適切であれば、本発明の配列を改変する(例えば機能的に破壊する)ために少なくとも1つのアミノ酸欠失、付加又は置換が導入されている(ノックアウトベクター)。導入される配列は、例えば、関連微生物由来の相同体であってもよいし、哺乳動物源、酵母源又は昆虫源に由来するものであってもよい。相同組換えに用いられるベクターは、相同組換え中に内在性遺伝子が変異するか、又は幾つかの他の方法で改変されるが依然として機能的タンパク質をコードするように代替的に設計され得る(例えば、上流調節領域が内在性タンパク質の発現を改変するように改変されていてもよい)。本発明の遺伝子の改変断片は、相同組換えベクター中にある。相同組換えのための好適なベクターの構築は、例えば、Thomas, K.R.及びCapecchi, M.R. (1987) Cell 51: 503に記載されている。
任意の原核生物又は真核生物は、原理上、本発明の核酸又は核酸構築物のための組換え宿主生物として用いるのに適している。有利に用いられる宿主生物は、細菌、真菌又は酵母などの微生物である。グラム陽性細菌又はグラム陰性細菌、好ましくはエンテロバクテリアセアエ科(Enterobacteriaceae)、シュードモナダセアエ科(Pseudomonadaceae)、リゾビアセアエ科(Rhizobiaceae)、ストレプトミセタセアエ科(Streptomycetaceae)又はノカルディアセアエ科(Nocardiaceae)の細菌、特に好ましくはエシェリキア属(Escherichia)、シュードモナス属(Pseudomonas)、ストレプトマイセス属(Streptomyces)、ノカルディア属(Nocardia)、ブルクホルデリア属(Burkholderia)、サルモネラ属(Salmonella)、アグロバクテリウム属(Agrobacterium)、又はロドコッカス属(Rhodococcus)の細菌が有利に用いられる。
宿主生物に応じて、本発明の方法において使用される生物は、当業者に公知の方法で増殖又は培養される。微生物は、通常、通常は糖の形態の炭素源、通常は有機窒素源の形態の窒素源(例えば酵母抽出物、又は硫酸アンモニウムなどの塩)、微量元素(例えば鉄、マンガン、マグネシウム塩)、さらに適切な場合はビタミンを含む液体培地中で、0~100℃、好ましくは10~60℃の温度で、酸素を供給しながら増殖させる。ここで栄養液体のpHは、固定値に維持されていてもよいし、維持されていなくてもよい(すなわち増殖中に調節される)。増殖は、バッチ様、半バッチ様又は連続的に行うことができる。栄養は、発酵の開始時点で最初に導入されてもよいし、後で半連続的又は連続的に供給されてもよい。酵素は、実施例に記載される方法を用いて生物から単離することもできるし、粗抽出物として反応に用いることもできる。
本発明はさらに、本発明のポリペプチド又はそれらの機能的な、生物学的に活性な断片を組換え的に生産する方法に関し、この方法は、ポリペプチド産生微生物を培養するステップ、適切であれば前記ポリペプチドの発現を誘導し、これらを培養液から単離するステップを含む。このようにして、所望の場合はポリペプチドを工業的スケールで生産することもできる。公知の方法により組換え微生物を培養及び発酵することができる。例えば、TB培地又はLB培地中で、20~40℃の温度及びpH6~9で、細菌を増殖させることができる。好適な培養条件は、例えば、T. Maniatis, E.F. Fritsch及びJ. Sambrook, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY (1989)に詳細に記載されている。
ポリペプチドが培養培地中に分泌されない場合、細胞はその後破壊され、生産物はタンパク質を単離する公知の方法により溶解物から単離される。細胞は、場合によって、高周波超音波により、高圧により(例えばフレンチプレッシャーセル中で)、オスモリシスにより、界面活性剤、溶菌酵素又は有機溶媒の作用により、ホモジナイザーを用いることにより、あるいは上記に挙げた方法の幾つかの組み合わせによって破壊することもできる。
ポリペプチドは、Q-セファロースクロマトグラフィーなどの分子篩クロマトグラフィー(ゲル濾過)、イオン交換クロマトグラフィー及び疎水性クロマトグラフィーなどの公知のクロマトグラフィー法を用いて、さらにまた限外濾過法、結晶化法、塩析法、透析法及びネイティブゲル電気泳動法などの他の慣用の方法を用いて精製することができる。好適な方法は、例えば、Cooper, F.G., Biochemische Arbeitsmethoden [元の標題:The tools of biochemistry], Verlag Water de Gruyter, Berlin, New York、又はScopes, R., Protein Purification, Springer Verlag, New York, Heidelberg, Berlinに記載されている。
組換えタンパク質を単離するため、特定のヌクレオチド配列によってcDNAを伸長させ、これにより例えば精製を容易にする変更されたポリペプチド若しくは融合タンパク質をコードする、ベクター系又はオリゴヌクレオチドを用いることが有利であり得る。このような好適な修飾の例は、アンカーとして機能する「タグ」(例えば、ヘキサヒスチジンアンカーとして知られる修飾)、又は抗体に抗原として認識され得るエピトープである(例えば、Harlow, E.及びLane, D., 1988, Antibodies: A Laboratory Manual. Cold Spring Harbor (N.Y.) Press中に記載される)。さらなる好適なタグは、例えば、HA、カルモジュリン-BD、GST、MBD;キチン-BD、ストレプトアビジン-BD-Aviタグ、Flagタグ、T7等である。これらのアンカーは、タンパク質を、例えば、クロマトグラフィーカラムに導入しておくことができる固体支持体(例えばポリマーマトリクスなど)、若しくはマイクロタイタープレート、又は任意の他の支持体に付着させるために使用することができる。対応する精製プロトコルは、アフィニティータグの商業的供給者から入手することができる。
一部の実施形態において、AFPは、組成物中に、組成物の総重量の0.01重量%~3重量%の量で存在する。一部の実施形態において、AFPは、組成物中に、組成物の総重量の0.01重量%~3重量%、又は0.01重量%~2重量%、又は0.02重量%~1重量%の量で存在する。他の実施形態において、AFPは、組成物中に、組成物の総重量の0.01重量%~1重量%、又は0.021重量%~0.5重量%の量で存在する。さらなる実施形態において、AFPは、組成物中に、組成物の総重量の0.05重量%~3重量%、又は0.05重量%~2重量%、又は0.05重量%~1重量%の量で存在する。
経口的に許容可能な担体及び任意選択成分
本明細書中で使用される「経口的に許容可能な担体」との表現は、意図される量及び濃度における経口用途に安全且つ許容可能な物質(例えば従来の練り歯磨き及びマウスウォッシュ中に見られるような物質)から作製される担体を示す。このような物質としては、水、又は湿潤剤(例えばグリセリン、ソルビトール、キシリトールなど)を含有し得る他の溶媒が挙げられる。一部の態様において、「経口的に許容可能な担体」という用語は、加水分解された植物タンパク質及びフッ化物を除く、口腔ケア組成物の全ての成分を包含する。他の態様において、この用語は、AFP、及び/又は任意の他の機能的成分を口腔に送達する役割を果たす不活性な(inert又はinactive)成分を指す。
本発明において使用するための経口的に許容可能な担体としては、例えば、マウスリンス又はマウスウォッシュ、練り歯磨き、歯磨きジェル、歯磨き粉、ロゼンジ、ガム、ビーズ、可食ストリップ、タブレットなどの作製において用いられる従来の及び公知の担体が挙げられる。担体は、相互の及び組成物の他の成分との適合性について選択されなければならない。
以下の非限定的な例が提供される。練り歯磨き組成物において、担体は、典型的には、組成物の重量で主要分画を占める水/湿潤剤系である。あるいは、練り歯磨き組成物の担体成分は、水、1種以上の湿潤剤、及びAFP以外の他の機能的成分を含み得る。マウスリンス製剤又はマウスウォッシュ製剤において、担体は、典型的には、AFPが溶解又は分散している水/アルコール液体混合物である。溶解可能なロゼンジにおいて、担体は、典型的には口腔内でゆっくりと溶解する固体マトリックス物質を含む。チューインガムにおいて、担体は、典型的にはガムベースを含むが、可食ストリップにおいては、担体は、典型的には1種以上のフィルム形成ポリマーを含む。
本明細書において提供される口腔ケア組成物は、研磨剤、pH改変剤、界面活性剤、発泡調整剤、増粘剤、粘度改質剤、湿潤剤、抗歯石剤又は歯石抑制剤、甘味料、香味料、着色料及び保存料から選択される1種以上の付加的成分をさらに含み得る。これらの成分もまた、担体物質と考えることができる。非限定的な例は以下に提供される。
一実施形態において、本発明の組成物は、例えば、光沢剤として有用な少なくとも1種の研磨剤を含む。任意の経口的に許容可能な研磨剤を使用することができるが、研磨剤の種類、粉末度(粒径)及び量は、組成物の通常の使用中に歯のエナメル質が過剰に摩耗されないように選択されなければならない。好適な研磨剤としては、限定するものではないが、シリカ(例えばシリカゲルの形態)、水和シリカ又は沈降シリカ、アルミナ、不溶性リン酸塩、炭酸カルシウム、樹脂性研磨剤(例えば尿素-ホルムアルデヒド縮合生成物)などが挙げられる。不溶性リン酸塩の中でも、研磨剤として有用なのは、オルトリン酸塩、ポリメタリン酸塩及びピロリン酸塩である。例示的な例は、オルトリン酸二カルシウム二水和物、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸[ベータ]-カルシウム、リン酸三カルシウム、ポリメタリン酸カルシウム及び不溶性ポリメタリン酸ナトリウムである。1種以上の研磨剤が、本発明の口腔ケア組成物中に、組成物の総重量の1重量%~5重量%の量で、任意選択で存在する。研磨剤の平均粒径は、存在する場合、一般的には0.1~30μm、好ましくは5~15μmである。
さらなる実施形態において、本発明の口腔ケア組成物は、例えば、発泡及び炭酸ガスの放出により歯及び歯肉に「清浄感」を与えるために有用な少なくとも1種の重炭酸塩の塩を含む。任意の経口的に許容可能な重炭酸塩を使用することが可能であり、例えば、限定するものではないが、アルカリ金属重炭酸塩、例えば重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウム、重炭酸アンモニウムなどが挙げられる。1種以上の重炭酸塩の塩が、組成物の1重量%~10重量%の総量で、任意選択で存在する。
なおさらなる実施形態において、本発明の口腔ケア組成物は、少なくとも1種のpH改変剤を含む。このような薬剤としては、例えば、pHを低下させる酸性化剤、pHを上昇させる塩基性化剤及びpHを所望の範囲内に制御するバッファー剤が挙げられる。例えば、pH2~10、又は様々な例示的実施形態においてはpH2~8、3~9、4~8、5~7、6~10、又は7~9を与えるために、酸性化剤、塩基性化剤及びバッファー剤から選択される1種以上の化合物を包含することができる。任意の経口的に許容可能なpH改変剤を使用することが可能であり、例えば、限定するものではないが、カルボン酸、リン酸及びスルホン酸、酸塩(例えば、クエン酸一ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、リンゴ酸一ナトリウム)、アルカリ金属水酸化物(例えば水酸化ナトリウム)、炭酸塩(例えば炭酸ナトリウム)、重炭酸塩、ホウ酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩(例えば、リン酸一ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸塩の塩)、イミダゾールなどが挙げられる。1種以上のpH改変剤が、経口的に許容可能なpH範囲内に組成物を維持するために有効な総量で、任意選択で存在する。
なおさらなる実施形態において、本発明の組成物は、例えば、本組成物及びその中に含有される成分に高められた安定性を提供し、洗浄作用を通して歯の表面の清浄を助け、撹拌の際に(例えば、本発明の歯磨剤組成物を用いたブラッシング中に)泡を提供するために有用な少なくとも1種の界面活性剤を含む。任意の経口的に許容可能な界面活性剤、例えばアニオン性の界面活性剤、非イオン性の界面活性剤又は両性の界面活性剤などを使用することができる。好適なアニオン性界面活性剤としては、例えば、限定するものではないが、C8-20硫酸アルキルの水溶性塩、C8-20脂肪酸のスルホン化モノグリセリド、サルコシン酸塩、タウリン酸塩などが挙げられる。好適な非イオン性界面活性剤としては、例えば、限定するものではないが、ポロキサマー、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、脂肪アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、第三級アミン、酸化物、第三級ホスフィンオキシド、ジアルキルスルホキシドなどが挙げられる。好適な両性界面活性剤は、限定するものではないが、カルボキシレート、スルフェート、スルホネート、ホスフェート又はホスホネートなどのアニオン性基を有するC8-20脂肪族第二級及び第三級アミンの誘導体である。好適な例は、ココアミドプロピルベタインである。1種以上の界面活性剤が、組成物の総重量の0.01重量%~10重量%、例えば、0.05重量%~5重量%、又は0.1重量%~2重量%の総量で、任意選択で存在する。
なおさらなる実施形態において、本発明の口腔ケア組成物は、例えば、撹拌の際に組成物により生成される泡の量、厚さ又は安定性を増加させるために有用な少なくとも1種の発泡調整剤を含む。任意の経口的に許容可能な発泡調整剤、例えば、限定するものではないが、ポリエチレングリコール(PEG)などを使用することができる。1種以上のPEGが、組成物の総重量の0.1重量%~10重量の総量で、任意選択で存在する。
なおさらなる実施形態において、本発明の口腔ケア組成物は、例えば、組成物に所望の稠度及び/又は口当たりを与えるために有用な少なくとも1種の増粘剤を含む。任意の経口的に許容可能な増粘剤、例えば、限定するものではないが、カルボマー(カルボキシビニルポリマー)、カラギーナン、セルロース性ポリマー(例えばヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)及びそれらの塩)、天然ガム(例えばカラヤガム、キサンタンガム、アラビアガム及びトラガカント)、コロイド性ケイ酸マグネシウムアルミニウム、コロイド性シリカなどを使用することができる。1種以上の増粘剤が、組成物の総重量の0.01重量%~15重量%の総量で、任意選択で存在する。
なおさらなる実施形態において、本発明の組成物は、例えば、成分の沈降又は分離を阻害するため、又は液体組成物の撹拌の際の成分の再分散を促進するために有用な少なくとも1種の粘度改質剤を含む。任意の経口的に許容可能な粘度改質剤、例えば、限定するものではないが、鉱油、ワセリン、クレイ、シリカなどを使用することができる。1種以上の粘度改質剤が、組成物の総重量の0.01重量%~10重量%の総量で、任意選択で存在する。
なおさらなる実施形態において、本発明の口腔ケア組成物は、空気に曝露された際の練り歯磨きの硬化を防止するために使用し得る少なくとも1種の湿潤剤を含む。任意の経口的に許容可能な湿潤剤、例えば、限定するものではないが、多価アルコール(例えばグリセリン)、ソルビトール、キシリトール又は低分子量PEGなどを使用することができる。ほとんどの湿潤剤は、甘味料としても機能する。1種以上の湿潤剤が、組成物の総重量の1重量%~50重量%の総量で、任意選択で存在する。
なおさらなる実施形態において、本発明の口腔ケア組成物は、組成物の味を高める少なくとも1種の甘味料を含む。任意の経口的に許容可能な天然甘味料又は人工甘味料、例えば、限定するものではないが、デキストロース、スクロース、マルトース、デキストリン、マンノース、キシロース、リボース、フルクトース、レブロース、ガラクトース、コーンシロップ、部分的に加水分解されたデンプン、水素化デンプン加水分解物、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、イソマルト、アスパルテーム、ネオテーム、サッカリン及びそれらの塩、ジペプチドベースの強甘味料、シクラメートなどを使用することができる。1種以上の甘味料が、組成物の総重量の0.005重量%~5重量%の総量で、任意選択で存在する。
なおさらなる実施形態において、本発明の口腔ケア組成物は、組成物の味を高める少なくとも1種の香味料を含む。任意の経口的に許容可能な天然香味料又は合成香味料、例えば、限定するものではないが、バニリン、セージ、マジョラム、パセリ油、スペアミント油、シナモン油、ウインターグリーン油(メチルサリシレート)、ペパーミント油、クローブ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、柑橘油、果実油及び精油などを使用することができる。香味料の範囲内には、口内に香り及び/又は他の感覚作用(例えば冷却作用又は加温作用など)を提供する成分も包含される。このような成分としては、例示的に、メントール、メンチルアセテート、メンチルラクテート、ショウノウ、ユーカリ油、ユーカリプトール、オイゲノール、カッシア、オキサノン、α-イリソン、チモール、リナロール、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド、N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミン、N,2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタンアミド、3-(1-メントキシ)-プロパン-1,2-ジオール、シンナムアルデヒドグリセロールアセタール(CGA)、メントングリセロールアセタール(MGA)などが挙げられる。1種以上の香味料が、組成物の総重量の0.01重量%~5重量%の総量で、任意選択で存在する。
なおさらなる実施形態において、本発明の口腔ケア組成物は、少なくとも1種の着色料を含む。着色料は、多くの機能を果たし得る。これらの機能としては、例えば、歯の表面に白又明色のコーティングを提供すること、歯の表面上の組成物が有効に接触した位置を示すこと、及び/又は消費者に対する魅力を高めるために組成物の外観を改変することが挙げられる。任意の経口的に許容可能な着色料、例えば、限定するものではないが、タルク、マイカ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、シリカ、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、第二鉄アンモニウムフェロシアン化物、マンガンバイオレット、チタン化マイカ、オキシ塩化ビスマスなどを使用することができる。1種以上の着色料が、組成物の総重量の0.001重量%~20重量%の総量で、任意選択で存在する。
なおさらなる実施形態において、本発明の口腔ケア組成物は保存料を含む。保存料は、パラベン、ソルビン酸カリウム、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、ポリアミノプロピルビグアニド、カプリル酸、安息香酸ナトリウム及び塩化セチルピリジニウムから選択することができる。一部の実施形態において、保存料は、組成物の総重量の約0.001~約1重量%の濃度で存在する。
以下の実施例は、本発明の組成物及びそれらの使用を説明する。例示される組成物は説明のためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1 - 表面粗さ
ウシの歯を切り取り、研磨し磨いて、およそ体積3mm x 3mm x 2mmを有するエナメル質ブロックを得る。エナメル質の厚さは約1~2mmであり、象牙質の厚さは約1mmである。エナメル質表面上で全ての測定値を採る。
エナメル質ブロックの表面粗さは、酸腐食の前後に測定する。酸腐食は、エナメル質ブロックを、表面粗さ(Sq)が100~200に達するまで1%クエン酸溶液(pH3.8)中に配置することによって達成される。このSq値を、腐食したエナメル質の表面粗さとして記録する。(Sqは、基本的には測定される表面の二乗平均平方根高さとして(算術平均高さと対比して)ISO 25178に規定される標準測定であり、従ってSqは、測定領域内の中心面に由来するプロファイルの全絶対距離の平均に対応し、Sqが高い場合は表面上により明らかな山頂及び谷底が存在する(すなわち表面が比較的粗い)ことを意味し、Sqが低い場合は表面が比較的滑らかであることを意味する)。Na2HPO4バッファー(1.5mM)及びCaCl2(2.5mM)を用いて、AFPを最終濃度に希釈する。pH7.5に中和した後、溶液を濾過して遠心分離する。その後、酸腐食したエナメル質ブロックを、処理されたAFPを5.5μM又は55μM(1ブロック当たり2ml溶液)の濃度で含む溶液と共に60分間インキュベートする。
60分間のインキュベーション期間後、エナメル質ブロックを人工唾液(AS)溶液(0.4g NaCl、0.4g KCl、0.8g CaCl2、0.69g NaH2PO4、1g尿素、1リットル蒸留水;pH 7(1M NaOHを用いて調整))中で22時間インキュベートする。次いで、2回目のAFPによるエナメル質ブロックの処理を行い、再び人工唾液と共に22時間インキュベートする。その後、ブロックを脱イオン(DI)水ですすぎ、空気乾燥させた後、それらの表面粗さを測定する。実験の陰性対照として、0.5%PBSで処理したエナメル質ブロックを使用する。結果は表1に示される。%修復は、(未処理の)酸腐食したエナメル質の表面粗さに対する、タンパク質処理により達成される表面粗さ(Sq)の%低下を表す。
Figure 0007019567000001
図2の、粗さアッセイを用いた低濃度及び高濃度のBM80の修復効果を参照されたい。
表1に示されるとおり、AFP(配列番号2)は、5.5μM、55μMのそれぞれの濃度において、酸腐食したエナメル質ブロックの表面粗さの低減に有効である。
実施例2 - ナノインデンテーション
実施例1に記載されるとおりにエナメル質ブロックを作成する。酸腐食は、エナメル質ブロックを1%クエン酸溶液(pH3.8)中に15分間配置することによって達成される。500nm深さにおけるナノ硬度及びヤング率を、腐食の前及び後に測定する。腐食したエナメル質ブロックを、20μMの濃度のAFP(配列番号20)の溶液と共に30分間インキュベートし(2ml溶液/ブロック)、その後、実施例1に記載されるAS溶液と共に22~24時間インキュベートする。AFPとのインキュベーション及びASとのインキュベーションのステップをさらに2回繰り返し、その後エナメル質ブロックをDI水ですすいで空気乾燥させる。処理されたエナメル質ブロックのナノ硬度及びヤング率を500nm深さで測定し、AFPのエナメル質修復効果を評価する。実験の陽性対照として、500ppmフッ化物溶液を使用する。結果は、表2及び表3に示される。
Figure 0007019567000002
Figure 0007019567000003
図3の、ナノインデンテーションを用いたAFPの修復効果(ナノ硬度)を参照されたい。
図4の、ナノインデンテーションを用いたAFPの修復効果(ヤング率を使用)を参照されたい。
表2及び3に見られるとおり、AFPは、酸腐食したエナメル質の修復において有効である。
実施例3 - 微小硬度
実施例1に記載されるとおりにエナメル質ブロックを作製する。微小硬度は、ヌープダイヤモンド圧子及び50g負荷を備えたMicromet 6020微小硬度テスター(Buehler社、レイクブラフ、イリノイ州、米国)を用いて測定する。少なくとも300のヌープ硬度(KH)を有するブロックを選択する。このブロックを、30%リン酸中に15秒間浸漬することによって腐食させる。ブロックの左側及び右側のKHを測定する。続いて、ブロックの右側をテープで覆い、その後にブロックを、それぞれ実施例1に記載されるとおりに中和されたAFPの20mg/ml溶液で2期間(1期間は30分)処理する。(ブロックの右手側のテープは、タンパク質溶液に対するこの右手側の曝露を防ぎ、内部対照としての役割を果たす)。2回の処理の間及び2回目の処理の後、このブロックをDI水で2回(1回につき5分、500PRM)洗浄する。その後、テープを取り除き、ブロックをAS溶液(0.2mM MgCl2、1mM CaCl2.H2O、20mM HEPESバッファー、4mM KH2PO4、16 mM KCl、4.5 mM NH4Cl、300ppm NaF、0.05重量% NaN3、pH7(1M NaOHで調整))中で7日間インキュベートする。エナメル質ブロックをDI水ですすぎ、すすいだブロックを空気乾燥させた後、再び微小硬度を測定する。パーセントとしての表面微小硬度回復(SMHL、再石灰化%)を、((微小硬度修復-微小硬度腐食)/(微小硬度無傷-微小硬度腐食))*100として計算する。微小硬度アッセイの結果は、表4に示される。
Figure 0007019567000004
図5の微小硬度を用いたAFPの修復効果を参照されたい。
表4から、全てのAFPが、酸腐食したエナメル質ブロックのエナメル質表面の再石灰化において有効であることが理解できる。全ての微小硬度試験について、右/内部対照側(こちら側も人工唾液に浸漬され、人工唾液に由来する修復をある程度受けた)に由来する再石灰化パーセントが上記の結果から差し引かれるため、上記のデータはAFPの示差的効果を示すことに留意されたい。
本発明の特定の実施形態が例示及び記載されているが、当業者には、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく種々の変更及び改変を行い得ることが明らかであろう。
以下、本発明の実施形態を示す。
(1)歯牙侵食を修復若しくは阻止し又は防止若しくは予防し、歯の再石灰化を促進し、及び/あるいはフッ化物の虫歯予防効果を増強する方法であって、
a) AFP;
b) 経口的に許容可能な担体
を含む口腔ケア組成物を歯に適用するステップを含み、ここでAFPは該組成物中に、該組成物の総重量の0.01重量%~3重量%の量で存在する、前記方法。
(2)前記AFPが、配列番号2に示されるポリペプチド配列、又は配列番号2に示されるポリペプチド配列から出発して全アミノ酸の5%以下の置換、挿入又は欠失から生じ且つ出発タンパク質(配列番号2)の生物学的特性の少なくとも50%を依然として有するポリペプチド配列を有する、(1)に記載の方法。
(3)前記AFPが、配列番号1に示されるポリペプチド配列、又は配列番号1に示されるポリペプチド配列から出発して全アミノ酸の5%以下の置換、挿入又は欠失から生じ且つ出発タンパク質(配列番号1)の生物学的特性の少なくとも50%を依然として有するポリペプチド配列を有する、(1)に記載の方法。
(4)前記AFPが、配列番号3に示されるポリペプチド配列、又は配列番号3に示されるポリペプチド配列から出発して全アミノ酸の5%以下の置換、挿入又は欠失から生じ且つ出発タンパク質(配列番号3)の生物学的特性の少なくとも50%を依然として有するポリペプチド配列を有する、(1)に記載の方法。
(5)前記AFPが、配列番号4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19から形成される群より選択されるハイドロキシアパタイト結合ペプチドに結合している、(1)に記載の方法。
(6)前記AFPが、AFPのホモマー又はヘテロマーであり、且つ配列番号4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19から形成される群より選択されるハイドロキシアパタイト結合ペプチドに結合している、(1)に記載の方法。
(7)前記口腔ケア組成物が有効量のフッ化物をさらに含む、(1)に記載の方法。
(8)AFPが、前記組成物中に、前記組成物の総重量の0.01重量%~3重量%の量で存在する、(1)~(7)のいずれか1に記載の方法。
(9)前記組成物が歯磨剤である、(1)~(8)のいずれか1に記載の方法。
(10)以下:
a) ほぼ中性又はわずかに塩基性のpHに中和されているAFP;
b) 有効量のフッ化物、及び
c) 経口的に許容可能な担体
を含む歯磨剤。
(11)歯のエナメル質侵食の修復又は阻止、歯のエナメル質の再石灰化の促進、及び/あるいはフッ化物の虫歯予防効果の増強において使用するための、
a) AFP;
b) 場合により有効量のフッ化物;
c) 経口的に許容可能な担体
を含む口腔ケア組成物であって、ここでAFPは該組成物中に、該組成物の総重量の0.01重量%~3重量%の量で存在する、前記口腔ケア組成物。
(12)歯牙侵食を修復又は阻止し、歯の再石灰化を促進し、及び/あるいはフッ化物の虫歯予防効果を増強するための口腔ケア組成物の製造における、AFPの使用。
(13)AFPを含む口腔ケア製品の作製方法であって、以下:
a) 水性バッファー溶液を用いた希釈によりAFP溶液を中和して、ほぼ中性又はわずかに塩基性のpHを有する溶液を得るステップ;
b) a)の溶液生成物を濾過及び遠心分離してAFPを含む濾液を得るステップ;
c) フッ化物及び場合により殺生物剤をb)の濾液生成物に添加するステップ;
d) c)の生成物を経口的に許容可能な担体の成分に混合するステップ
を含む、前記方法。
(14)AFPを含む口腔ケア組成物であって、該口腔ケア組成物が、(13)に記載の方法により得られるか又は得ることができる、前記口腔ケア組成物。
(15)チューインガム組成物であって、
a) ガムベース、
b) 香味料、
c) 甘味料、及び
d) 該チューインガム組成物の約0.01重量%~約0.5重量%のAFP
を含む、前記チューインガム組成物。

Claims (10)

  1. 歯への適用を含む、歯牙侵食を修復若しくは阻止し又は防止若しくは予防し、歯の再石灰化を促進し、及び/あるいはフッ化物の虫歯予防効果を増強するための、
    a) 配列番号2、20又は21に示されるポリペプチド配列を有する不凍タンパク質(AFP);
    b) 経口的に許容可能な担体
    を含む口腔ケア組成物であって、前記AFPは該組成物中に、該組成物の総重量の0.01重量%~3重量%の量で存在する、前記口腔ケア組成物。
  2. 前記口腔ケア組成物がフッ化物をさらに含む、請求項1記載の組成物。
  3. 前記組成物が歯磨剤である、請求項1又は2記載の組成物。
  4. 以下:
    a) ほぼ中性又はわずかに塩基性のpHに中和されている、配列番号2、20又は21に示されるポリペプチド配列を有する不凍タンパク質(AFP);
    b) フッ化物、及び
    c) 経口的に許容可能な担体
    を含む歯磨剤。
  5. 歯のエナメル質侵食の修復又は阻止、歯のエナメル質の再石灰化の促進、及び/あるいはフッ化物の虫歯予防効果の増強において使用するための、
    a) 配列番号2、20又は21に示されるポリペプチド配列を有する不凍タンパク質(AFP);
    b) 経口的に許容可能な担体
    を含む口腔ケア組成物であって、前記AFPは該組成物中に、該組成物の総重量の0.01重量%~3重量%の量で存在する、前記口腔ケア組成物。
  6. 前記口腔ケア組成物がフッ化物をさらに含む、請求項5記載の組成物。
  7. 歯牙侵食を修復又は阻止し、歯の再石灰化を促進し、及び/あるいはフッ化物の虫歯予防効果を増強するための口腔ケア組成物の製造における、配列番号2、20又は21に示されるポリペプチド配列を有する不凍タンパク質(AFP)の使用。
  8. 配列番号2、20又は21に示されるポリペプチド配列を有する不凍タンパク質(AFP)を含む口腔ケア製品の作製方法であって、以下:
    a) 水性バッファー溶液を用いた希釈により前記AFP溶液を中和して、ほぼ中性又はわずかに塩基性のpHを有する溶液を得るステップ;
    b) a)の溶液生成物を濾過及び遠心分離して前記AFPを含む濾液を得るステップ;
    c) フッ化物をb)の濾液生成物に添加するステップ;
    d) c)の生成物を経口的に許容可能な担体の成分に混合するステップ
    を含む、前記方法。
  9. ステップc)において、殺生物剤をさらにb)の濾液生成物に添加する、請求項8記載の方法。
  10. チューインガム組成物であって、
    a) ガムベース、
    b) 香味料、
    c) 甘味料、及び
    d) 該チューインガム組成物の約0.01重量%~約0.5重量%の配列番号2、20又は21に示されるポリペプチド配列を有する不凍タンパク質(AFP)
    を含む、前記チューインガム組成物。
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