以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1は、走行しながら対地作業(耕耘等)と共に苗の植え付け(移植)を行うことができる作業機1を示している。作業機1は、走行体1Aと、走行体1Aの後部に装着された対地作業装置1Bを有する。対地作業装置1Bは、走行体1Aの後部に昇降可能に装着された第1対地作業機2と、第1対地作業機2の後部に昇降可能に装着された第2対地作業機3とを備えている。
本実施形態では、走行体1Aとして走行車両であるトラクタを例示している。また、第1対地作業機2としてロータリ耕耘機を例示している。また、第2対地作業機として圃場に苗植え付ける移植機を例示している。以下、走行体をトラクタ1Aといい、第1対地作業機をロータリ耕耘機2といい、第2対地作業機を移植機3という。
なお、走行体1Aは、トラクタには限定されず、他の走行車両であってもよい。また、第1対地作業機2は、ロータリ耕耘機に限定されることはなく、圃場に対して作業をする機械であればよい。例えば、第1対地作業機2は、圃場に畝を立てる畝立て機であってもよい。また、ロータリ耕耘機2は、センタードライブ式のロータリ耕耘機を例示しているが、サイドドライブ式のロータリ耕耘機であってもよい。
図1は、作業機1の側面図を示す。実施形態において特に断らない限り、トラクタ1Aの運転席5に着座した運転者の前側(図1の左側)を前方、運転者の後側(図1の右側)を後方、運転者の左側(図1の手前側)を左方、運転者の右側(図1の奥側)を右方として説明する。
また、トラクタ1Aの前後方向K1(図1参照)に直交する方向である水平方向K2(図2参照)を機幅方向として説明する。
トラクタ1Aの機幅方向中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向を機幅外方として説明する。言い換えれば、機幅外方とは、機幅方向K2であってトラクタ1Aの機幅方向中央部から離れる方向のことである。トラクタ1Aの機幅方向右部、或いは、左部から中央部へ向かう方向を機幅内方として説明する。即ち、機幅内方とは、機幅方向外方とは反対の方向である。言い換えれば、機幅内方とは、機幅方向K2であってトラクタ1Aの機幅方向中央部に近づく方向である。
図1に示すように、トラクタ1Aは、車体6と、車体6の前部に装着された前輪7F及び車体6の後部に装着された後輪7Rを含む走行装置7とを有する。車体6は、原動機(駆動源)E1と、原動機E1の後部に連結された動力伝達ケースT1とを有する。
原動機E1は、例えば、ディーゼルエンジンである。また、原動機E1は、ガソリンエンジン、LPGエンジン又は電動モータであってもよいし、エンジン及び電動モータを有するハイブリッド型であってもよい。
動力伝達ケースT1は、クラッチを内蔵したクラッチハウジング、変速装置を内蔵したミッションケース、差動装置を内蔵したデフケース等を直結して構成されている。
車体6の後部には、運転席6が搭載されていると共に、原動機E1の動力を取り出す動力取出軸(所謂PTO軸)22が後方突出状に装備されている。即ち、走行体1Aは、原動機E1の動力を取り出す動力取出軸22を有する。運転席5の前方には、ステアリングホイール8が設けられている。また、トラクタ1Aは、前部にバッテリB1を搭載している。
図4は、原動機E1の動力を動力取出軸22及び走行装置7に伝達する動力伝達装置4を示している。
動力伝達装置4は、主推進軸4aと、主変速部4bと、副変速部4cと、シャトル部4dと、PTOクラッチ4eと、PTO推進軸4fとを有する。
主推進軸4aには、原動機E1からの動力がクラッチを介して断続可能に伝達される。主変速部4bは、複数のギア及び当該ギアの接続を変更するシフタを有し、複数のギアの接続(噛合)をシフタで適宜変更することによって、主推進軸4aから入力された回転を変更して出力する(変速する)。副変速部4cは、主変速部4bと同様に、複数のギア及び当該ギアの接続を変更するシフタを有し、複数のギアの接続(噛合)をシフタで適宜変更することによって、主変速部4bから入力された回転を変更して出力する(変速する)。シャトル部4dは、副変速部4cからの回転動力を正転(前進回転)状態で又は逆転(後進回転)させて出力軸4gに伝達する。出力軸4gに伝達された動力は、後輪デフ装置4hを経て後輪7Rに伝達される。出力軸4gに伝達された動力は、前輪7Fにも伝達される場合がある。即ち、原動機E1は、走行装置7を駆動する。
PTOクラッチ4eは、主推進軸4aからの回転動力を断続可能にPTO推進軸4fに伝達する。PTO推進軸4fに伝達された原動機E1からの回転動力は、ギア等を介して動力取出軸22に伝達される。したがって、トラクタ1Aの車速を、原動機E1の回転数の変更によって変化させることで動力取出軸22の回転が車速に連動する。
図1に示すように、ロータリ耕耘機2は、トラクタ1Aの後部に三点リンク機構9等の装着機構を介して昇降可能に装着されている。三点リンク機構9は、トップリンク9Aとロワーリンク9Bとを有し、車体6の後部に装着されている。車体6の後部には、上下揺動可能なリフトリンク10Aが設けられ、リフトリンク10Aはリフトロッド10Bを介してロワーリンク9Bに連結されている。リフトリンク10Aは、車体6の後上部に設けられた油圧装置10Cによって昇降駆動され、リフトリンク10Aが上下動することでロワーリンク9Bが上げ下げされる。これにより、ロータリ耕耘機2が昇降する。
図5、図6に示すように、ロータリ耕耘機2は、ロータリ機枠11を有する。ロータリ機枠11は、伝動ケース12と、前サポートフレーム13Fと、後サポートフレーム13Rと、左サイドフレーム15Lと、右サイドフレーム15Rとを有する。伝動ケース12は、ロータリ耕耘機2の機幅方向K2の略中央部に位置している。前サポートフレーム13Fは、伝動ケース12の前方に、機幅方向K2に延伸して配置されている。後サポートフレーム13Rは、伝動ケース12の後方に、機幅方向K2に延伸して配置されている。前サポートフレーム13F及び後サポートフレーム13Rは、伝動ケース12に連結されている。左サイドフレーム15Lは、前サポートフレーム13Fと後サポートフレーム13Rの左端同士を連結している。右サイドフレーム15Rは、前サポートフレーム13Fと後サポートフレーム13Rの右端同士を連結している。ロータリ機枠11には、三点リンク機構9が連結される装着フレーム14が取り付けられている。
伝動ケース12の下部には、機幅方向K2の軸心を有する回転軸16が機幅方向K2の一方及び他方に突出状に設けられている。回転軸16の外周には、ブラケットを介して多数の耕耘爪17が固定されている。回転軸16が軸心回りに図5の矢印X1方向に回転することにより、耕耘爪17が圃場を耕起(耕耘)すると共に耕起した土壌を後方の後部カバー19Bへと放擲する。これら回転軸16及び耕耘爪17は、圃場を耕耘する耕耘部18を構成している。
耕耘部18の上方は、上部カバー19Aで覆われている。耕耘部18の後方は、後部カバー19Bで覆われている。後部カバー19Bは、上端がロータリ機枠11に枢軸19Cを介して機幅方向K2の軸心回りに回転自在に枢支されていて上下揺動自在である。後部カバー19Bは、弾圧装置20で下方に付勢されている。弾圧装置20は、バネの力で後部カバー19Bを下方に付勢する装置である。したがって、後部カバー19Bは、耕耘部18で耕耘した跡を整地する。
なお、作業機1は、耕耘部18で耕耘した土壌に溝を切ることで畝を形成する培土器を備えていてもよい。この場合、後部カバー19Bは、畝の上面を形成する。
図5に示すように、伝動ケース12の上部の前部には、ロータリ耕耘機2に動力を取り入れる入力軸(所謂PIC軸)21が設けられている。この入力軸21は、ジョイント(ユニバーサルジョイント)J1によって動力取出軸22に連動連結されている(図1参照)。したがって、動力取出軸22からジョイントJ1を介して入力軸21に動力が伝達される。言い換えると、動力取出軸22からロータリ耕耘機(第1対地作業機)2に動力が伝達される。
図7、図9に示すように、入力軸21の後部には、第1ギア(ベベルギア)G1が設けられている。第1ギアG1は、第2ギア(ベベルギア)G2に噛合している。第2ギアG2は、機幅方向K2の軸心を有する第1伝動軸S1に設けられている。第1伝動軸S1には、第3ギア(平歯車)G3が設けられている。第3ギアG3は、該第3ギアG3の下方に位置する第4ギア(平歯車)G4に噛合している。第4ギアG4は、該第4ギアG4の下方に位置する第5ギア(平歯車)G5に噛合している。第5ギアG5は、回転軸16に設けられている。したがって、入力軸21に伝達された動力は第1~第5ギアG1~G5を介して回転軸16に伝達され、該回転軸16が図5の矢印X1方向に回転する。
図7、図8、図9に示すように、第1伝動軸S1に伝達された動力は、第1伝動機構(チェーン巻掛伝動機構)23Aを介して伝動ケース12の上部に設けられた第2伝動軸S2に伝達される。第2伝動軸S2の一端部(右端部)には、第6ギアG6が設けられている。この第6ギアG6は、第2伝動軸S2と一体回転する。また、第6ギアG6は、第2伝動軸S2の回転数を計測するためのパルス検出ギアである。第2伝動軸S2の回転数を計測することで、原動機のE1の回転数を算出することができる。
図8に示すように、第6ギアG6の近傍には、該第6ギアG6の凹凸を検出することによりパルス状の信号を出力する(パルスを発生させる)パルスセンサ25が設けられている。パルスセンサ25は、例えば、磁気抵抗素子式の回転センサが採用される。パルスセンサ25は、制御装置26に接続されており、発生したパルスは制御装置26に入力される。制御装置26は、パルスセンサ25からの信号に基づいて(信号処理を行って)第2伝動軸S2の回転数を計測する。第2伝動軸S2の回転数を計測することで、原動機E1の回転数を算出することができ、原動機E1の回転数から作業機1の移動量を算出することができる。制御装置26は、CPUやEEPROMなどを備えたマイクロコンピュータを利用して構成してある。
図8に示すように、第2伝動軸S2の他端部(左端部)には、電磁クラッチ24が設けられている。この電磁クラッチ24は、第2伝動軸S2に伝達された動力を第3伝動軸S3に断続可能に伝達する。この第3伝動軸S3に伝達された動力は、図9に示す動力伝達系統を介して移植機3に伝達され、該移植機3が駆動される(具体的には、移植機3に装備された後述する植付具64及び苗供給装置38A~38Cが駆動される)。
図8、図10に示すように、電磁クラッチ24は、制御装置26に接続されており、該制御装置26によって制御される。電磁クラッチ24は、制御装置26からのクラッチ切断信号によって切断された後、制御装置26からのクラッチ接続信号によって接続される。即ち、電磁クラッチ24は、制御装置26からの指令信号によって所要時間だけ切断される。なお、電磁クラッチ24を切断せずに(植付具64及び苗供給装置38A~38Cの駆動を止めないで)、連続的に移植機3を駆動させる場合もある。
また、制御装置26には、株間設定器27が接続されている。この株間設定器27は、植付具64で植え付けられる苗の植付け間隔(株間)を設定(変更)する装置である。株間設定器27は、例えば、ダイヤル式の操作部材を有し、該操作部材の操作位置(回転位置)によって苗の株間を設定可能である。また、制御装置26は、電磁クラッチ24の切断時間をコントロールする株間設定部26aを有する。この株間設定部26aは、パルスセンサ25及び株間設定器27からの信号を取得し、株間設定器27で設定した株間の設定値と、パルスセンサ25によって得られる作業機1の移動量とに基づいて、電磁クラッチ24の切断時間を設定する。これにより、苗を設定した株間に精度よく植え付けることができる。
植付け作業時においては、アクセルペダル、アクセルレバー等のアクセル操作部材によってトラクタ1Aの車速を変える。トラクタ1Aの車速を原動機E1の回転のみで変化させることにより、植付具64及び苗供給装置38A~38Cの駆動が車速に連動する。植付具64の駆動(動作)が車速と連動することにより、車速の変化に伴って植付具64の軌跡が変化するのを防止することができ、延いては、植付具64によって植え付けられる苗の植付姿勢が悪化するのを防止することができる。
図10に示すように、制御装置26は、例えば、トラクタ1AのバッテリB1に接続され、該バッテリB1から電力が供給される。
次に、図8、図9を参照して、第3伝動軸S3から移植機3に至る動力伝達系統を説明する。
第3伝動軸S3に伝達された動力は、第2伝動機構(チェーン巻掛伝動機構)23Bを介して第4伝動軸S4に伝達される。第4伝動軸S4には、ウォーム30が設けられ、ウォーム30はウォームホイール31に噛合している。ウォームホイール31は、第5伝動軸S5に設けられ、第5伝動軸S5はトルクリミッタ(第1トルクリミッタという)33を介して出力軸32に連結されている。したがって、第4伝動軸S4に伝達された動力は、ウォーム30、ウォームホイール31、第5伝動軸S5及び第1トルクリミッタ33を介して出力軸32に伝達される。出力軸32には、ジョイント(ユニバーサルジョイント)J2が接続されている。このジョイントJ2を介して移植機3に原動機E1からの動力が伝達される。
なお、トルクリミッタは、ウォーム30から後述する植付昇降機構139に至る動力伝達経路に少なくも1つ設けられていればよい。
原動機E1からの動力をウォーム30を介して移植機3に伝達することにより、ウォームのセルフロック機能(ウォームホイールからウォームを回すことができない状態)によって、植付具64のシャクリ(植付具64が停止位置(上死点位置)の手前で停止し逆転すること)の発生を防止することができる。
第1トルクリミッタ33は、移植機3側に過負荷がかかると第5伝動軸S5から出力軸32への動力の伝達(トルク伝達)を遮断する。
図7、図8に示すように、ウォーム30、ウォームホイール31及び第1トルクリミッタ33は、伝動ケース12の上部前側に設けられたケーシング28に内蔵され、第2伝動機構23B及び電磁クラッチ24は、ケーシング28の左側方に位置する伝動カバー29によって覆われている。
次に、移植機3について説明する。
図2、図3、図9に示すように、移植機3は、複数の移植ユニット(第1~第3移植ユニット36A~36C)を有する。第1移植ユニット36Aは、移植機3の機幅方向K2の一側部(左側部)に設けられている。第2移植ユニット36Bは、移植機3の機幅方向K2の他側部(右側部)に設けられている。第3移植ユニット36Cは、第1移植ユニット36Aと第2移植ユニット36Bとの間(移植機3の機幅方向K2の中央部)に設けられている。
第1移植ユニット36Aは、1つの機枠(第1機枠という)37Aと、1つの苗供給装置(第1苗供給装置という)38Aと、複数の植付装置(第1植付装置という)39Aと、植付装置39Aの数に対応した数の覆土装置(第1覆土装置という)40Aを有する。第1苗供給装置38A、第1植付装置39A及び第1覆土装置40Aは、第1機枠37Aに搭載されている。
第2移植ユニット36Bは、1つの機枠(第2機枠という)37Bと、1つの苗供給装置(第2苗供給装置という)38Bと、複数の植付装置(第2植付装置という)39Bと、植付装置39Bの数に対応した数の覆土装置(第2覆土装置という)40Bを有する。第2苗供給装置38B、第2植付装置39B及び第2覆土装置40Bは、第2機枠37Bに搭載されている。
第3移植ユニット36Cは、1つの機枠(第3機枠という)37Cと、1つの苗供給装置(第3苗供給装置という)38Cと、複数の植付装置(第3植付装置という)39Cと、植付装置39Cの数に対応した数の覆土装置(第3覆土装置という)40Cを有する。第3苗供給装置38C、第3植付装置39C及び第3覆土装置40Cは、第3機枠37Cに搭載されている。
以下において、第1機枠37A、第2機枠37B及び第3機枠37Cを纏めて機枠37ともいう。また、第1苗供給装置38A、第2苗供給装置38B及び第3苗供給装置38Cを纏めて苗供給装置38ともいう。また、第1植付装置39A、第2植付装置39B及び第3植付装置39Cを纏めて植付装置39ともいう。第1覆土装置40A、第2覆土装置40B及び第3覆土装置40Cを纏めて覆土装置40ともいう。
苗供給装置38は、植付装置39に対して苗(ソイルブロック苗等)を供給する装置である。植付装置39は、苗供給装置38から供給される苗を圃場に植え付ける装置であり、原動機E1の動力によって昇降し、苗を保持して下降すると共に圃場に突入して苗を植え付ける植付具64を有する。覆土装置40は、植え付けた苗の根本部分に土寄せして覆土すると共に、苗の根本部分を鎮圧する装置である。
図9に示すように、複数の第1植付装置39Aは、左の第1植付装置39ALと右の第1植付装置39ARとを含む。複数の第1覆土装置40Aは、第1植付装置39ALに対応する左の第1覆土装置40ALと、第1植付装置39ARに対応する第1覆土装置40ALとを含む。また、複数の第2植付装置39Bは、左の第2植付装置39BLと右の第2植付装置39BRとを含む。複数の第2覆土装置40Bは、第2植付装置39BLに対応する左の第2覆土装置40BLと、第2植付装置39BRに対応する第2覆土装置40BLとを含む。また、複数の第3植付装置39Cは、左の第3植付装置39CLと右の第3植付装置39CRとを含む。複数の第3覆土装置40Cは、第3植付装置39CLに対応する左の第3覆土装置40CLと、第3植付装置39CRに対応する第3覆土装置40CLとを含む。
なお、移植ユニットは、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。また、移植ユニットは、複数設けられる必要はなく、1つであってもよい。即ち、移植機3は、少なくとも、1つの移植ユニットを有していればよい。したがって、移植機3は、少なくとも1つの苗供給装置を有していればよい。また、植付装置は、1つの移植ユニットに対して少なくとも1つ設けられていればよい。即ち、移植機3は、少なくとも1つの植付装置(植付具)を有していればよい。
図2、図3に示すように、移植機3は、ロータリ耕耘機2の後部に作業機連結機構41を介して昇降可能に連結されている。また、移植機3は、ロータリ耕耘機2と移植機3とにわたって設けられた昇降駆動装置42によって昇降駆動される。
図11に示すように、作業機連結機構41は、移植機3が取り付けられるツールバー43と、ツールバー43をロータリ耕耘機3に昇降可能に連結する連結リンク機構44とを有する。
ツールバー41は、角パイプによって形成され、後サポートフレーム13Rの後方に機幅方向K2に延伸して設けられている。ツールバー41に移植機3が装着されている。詳しくは、ツールバー43に第1移植ユニット36A(第1機枠37A)と、第2移植ユニット36B(第2機枠37B)と、第3移植ユニット36C(第3機枠37C)とが取り付けられている。また、第1移植ユニット36A、第2移植ユニット36B及び第3移植ユニット36Cは、ツールバー41に機幅方向K2に位置調整可能に取り付けられている。
連結リンク機構44は、第1側部リンク44Aと、第2側部リンク44Bと、中央リンク44Cとを有する。第1側部リンク44Aは、後サポートフレーム13Rとツールバー43の左端部同士を連結している。第2側部リンク44Bは、後サポートフレーム13Rとツールバー43の右端部同士を連結している。中央リンク44Cは、伝動ケース12とツールバー43の中央部とを連結している。
図12、図13に示すように、第1側部リンク44Aは、リンク47と、リンク47の一端部(前端部)が枢支される前ブラケット48と、リンク47の他端部(後端部)が枢支される後ブラケット48とを有する。リンク47の前端部には、ボス47aが固定され、リンク47の後端部には、ボス47bが固定されている。前ブラケット48は、後サポートフレーム13R上に機幅方向K2で対向配置されて固定された第1板48a及び第2板48bを有する。第1板48aと第2板48bとの間に、ボス47aが配置され、該ボス47aは、枢軸50Fを介して前ブラケット48に機幅方向K2の軸心回りに回転自在に支持されている。上記リンク47は、ロータリ耕耘機2に機枠37を昇降可能に連結するリンクである。
図12、図13、図14に示すように、後ブラケット48は、機幅方向K2で対向して配置された第1板部49a及び第2板部49bと、第1板部49a及び第2板部49bの上部同士を連結する第3板部49cとを有する。第1板部49aと第2板部49bとの間に、ボス47bが配置され、該ボス47bは、枢軸50Rを介して後ブラケット49に機幅方向K2の軸心回りに回転自在に支持されている。第3板部49cは、Uボルト等を有する固定具51によってツールバー43に取り付けられている。
第2側部リンク44Bは、第1側部リンク44Aと同様に構成されているので、説明を省略する。
図15、図16に示すように、中央リンク44Cは、機幅方向K2で対向して配置されたリンク52及びリンク53と、リンク52及びリンク53の一端部(前端部)が枢支される前ブラケット54と、リンク52及びリンク53の他端部(後端部)が枢支される後ブラケット55とを有する。
リンク52の一端部(前端部)には、ボス52aが固定され、リンク52の他端部(後端部)には、ボス52bが固定されている。リンク53の一端部(前端部)には、ボス53aが固定され、リンク53の他端部(後端部)には、ボス53bが固定されている。
前ブラケット54は、伝動ケース12の上壁12aに固定されている。前ブラケット54は、機幅方向K2で対向して配置された第1側壁54a及び第2側壁54bと、第1側壁54a及び第2側壁54bの前端部同士を連結する前壁54cとを有する。第1側壁54aと第2側壁54bとの間に、ボス52a及びボス53aが配置され、該ボス52a及びボス53aは、枢軸56Fを介して前ブラケット54に機幅方向K2の軸心回りに回転自在に支持されている。
後ブラケット55は、第1部材58と、第2部材57とを有する。第1部材58は、第1側壁58aと、第2側壁58bと、第1側壁58aと第2側壁58bの前部の上端同士を連結する上壁58cとを有する。第1部材58は、ツールバー43の前面及び下面に固定されている。第2部材57は、第1側壁57aと、第2側壁57bと、第1側壁57aと第2側壁57bの前端及び上下端同士を連結する連結壁57cとを有する。第1側壁57aは、上下中途部が第1側壁58aにボルト固定され、第2側壁57bは、上下中途部が第2側壁58bにボルト固定されている。
第2部材57は、上部に第1側壁57aと第2側壁57bとを貫通する支持筒60が固定され、この支持筒60に枢軸56Rが機幅方向K2の軸心回りに回転自在に支持されている。枢軸56Rの左部には、ボス52bが回転自在に嵌められ、枢軸56Rの右部には、ボス53bが回転自在に嵌められている。また、第2部材は、下部に第1側壁57aと第2側壁57bとにわたって支軸63が設けられている。
上記構成の作業機連結機構41にあっては、リンク47が枢軸50F回りに上下に揺動すると共に、リンク52及びリンク53が枢軸56F回りに上下に揺動することで、移植機3が平行状に上下動(昇降)する。
図15、図16に示すように、昇降駆動装置42は、昇降シリンダ(油圧アクチュエータ)C1を有する。昇降シリンダC1は、シリンダ本体C1aと、ピストンロッドC1bとを有する油圧シリンダで構成されている。ピストンロッドC1bの先端部には、連結部材62の基部が取り付けられている。連結部材62の先端部は、連結壁57cを挿通して第1側壁57aと第2側壁57bの間に位置している。シリンダ本体C1aのボトム側には、ボス59aが設けられ、連結部材62の先端部には、ボス59bが設けられている。ボス59aは、枢軸56Fに回転自在に支持され、ボス59bは、支軸63に回転自在に支持されている。
昇降シリンダC1を伸長させる(ピストンロッドC1bをシリンダ本体C1aから進出させる)と、リンク47、リンク52及びリンク53が下方に揺動し、移植機3(機枠37)が下降する。また、昇降シリンダC1を収縮させる(ピストンロッドC1bを後退させる)と、リンク47、リンク52及びリンク53が上方に揺動し、移植機3(機枠37)が上昇する。
図17に示すように、昇降駆動装置42は、昇降シリンダC1を制御する電磁弁71を有する。電磁弁71は、中立位置71aと、上昇位置71bと、下降位置71cとに切り替え可能な3位置方向切替弁である。また、電磁弁71は、制御装置26に接続された第1ソレノイド71d及び第2ソレノイド71eを有する。また、電磁弁71は、昇降シリンダC1のシリンダ本体C1aに接続されると共に、油圧ポンプP1及び作動油タンク72に接続されている。
制御装置26から第1ソレノイド71dに上昇指令信号が発信されると、第1ソレノイド71dが励磁されて電磁弁71が上昇位置71bに切り替えられる。これにより、作動油がシリンダ本体C1aのロッド側に供給され、昇降シリンダC1が収縮して機枠37が上昇する。また、制御装置26から第2ソレノイド71eに下降指令信号が発信されると、第2ソレノイド71eが励磁されて電磁弁71が下降位置71cに切り替えられる。これにより、作動油がシリンダ本体C1aのボトム側に供給され、昇降シリンダC1が伸長して機枠37が下降する。
なお、昇降駆動装置42は、電動シリンダ(電動アクチュエータ)又は電動油圧シリンダ(電動油圧アクチュエータ)で構成されていてもよい。電動シリンダは、電気駆動のシリンダであって、例えば、電動モータによってボールネジを軸心回りに回転させてボールねじナットを移動させ、このボールねじナットの移動によってロッドを進退させるシリンダである。電動油圧シリンダは、例えば、電動モータ、オイルタンク、油圧ポンプ、バルブ、油圧シリンダ等を一体化したアクチュエータであり、電動モータの回転によって油圧ポンプが回転すると共にバルブが切り替えられて油圧シリンダが作動するシリンダである。
次に、図18、図19、図20を参照して移植機3の機枠37について説明する。
第1機枠37A、第2機枠37B、第3機枠37Cは、構成が同じであるので、これらの内の1つの機枠について説明し、他の機枠についての説明は省略する。
機枠37は、メインフレーム65と、連結ブラケット61とを有する。第1機枠37Aのメインフレーム65に苗供給装置38A、植付装置39A及び覆土装置40A等が搭載され、第2機枠37Bのメインフレーム65に苗供給装置38B、植付装置39B及び覆土装置40B等が搭載され、第3機枠37Cのメインフレーム65に苗供給装置38C、植付装置39C及び覆土装置40C等が搭載される。
連結ブラケット61は、メインフレーム65をツールバー43に連結する部材である。連結ブラケット61は、ツールバー43の上面に機幅方向K2に移動可能に当接する取付壁61aと、取付壁61aの左端から上方に延出された一側壁61bと、取付壁61aの右端から上方に延出された他側壁61cとを有する。取付壁61aは、Uボルト等を有する固定具77によってツールバー43に固定されている。したがって、固定具77を緩めることにより、機枠37の機幅方向K2の位置が変更(調整)可能である。
メインフレーム65は、角パイプで形成された複数のフレーム材(第1フレーム材65a~第20フレーム材65t)を有する。第1フレーム材65aは、メインフレーム65の上部の左部を構成しており、前後方向K1に延伸して配置されている。第2フレーム材65bは、メインフレーム65の上部の右部を構成しており、前後方向K1に延伸して配置されている。第3フレーム材65cは、第1フレーム材65aと第2フレーム材65bの前部同士を連結している。第4フレーム材65d及び第5フレーム材65eは、第1フレーム材65aと第2フレーム材65bの後部同士を連結している。第4フレーム材65dは、第5フレーム材65eの前方に位置している。第6フレーム材65fは、メインフレーム65の上部で且つ機幅方向K2の中央部に配置されている。第6フレーム材65fは、第3フレーム材65c~第5フレーム材65eより下方で前後方向K1に延伸して配置されている。第7フレーム材65gは、第6フレーム材65fの下方に平行状に配置されている。第8フレーム材65hは、第6フレーム材65fの前端部下面と第7フレーム材65gの前端部とを連結している。第9フレーム材65i及び第10フレーム材65jは、第6フレーム材65fと第7フレーム材65gとを後部において連結している。第9フレーム材65iは、第10フレーム材65jの前方に位置している。
第11フレーム材65kは、第1フレーム材65aと第6フレーム材65fとの間に位置していて、第3フレーム材65cから下方に延出している。第12フレーム材65wは、第2フレーム材65aと第6フレーム材65fとの間に位置していて、第3フレーム材65cから下方に延出している。第11フレーム材65kと第12フレーム材65wとの間に連結ブラケット61が配置されている。連結ブラケット61の一側壁61bが第11フレーム材65kに固定され、他側壁61cが第12フレーム材65wに固定されている。
第13フレーム材65mは、第1フレーム材65aの中央部の後方寄りの部位から下方に延出している。第14フレーム材65nは、第1フレーム材65aの後端部から下方に延出している。第15フレーム材65oは、第2フレーム材65bの後部から下方に延設されている。第16フレーム材65pは、第2フレーム材65bの後端部から下方に延出している。第17フレーム材65qは、第14フレーム材65nと第16フレーム材65pの下端部同士を連結している。第18フレーム材65rは、第6フレーム材65fの前部から下方に延出している。第19フレーム材65s及び第20フレーム材65tは、第12フレーム材65wの下部から後方に延出している。第19フレーム材65sは第20フレーム材65tの上方に位置している。
第8フレーム材65hと第11フレーム材65kとの下部間に第1取付板65uが固定されている。第19フレーム材65s及び第20フレーム材65tと第18フレーム材65rとにわたって第2取付板65vが固定されている。第1取付板65uに第1植付フレーム78Lがボルト固定され、第2取付板65vに第2植付フレーム78Rがボルト固定されている。
なお、第1植付フレーム78L及び第2植付フレーム78Rは、機幅方向K2に位置調整可能に取り付けられていてもよい。
図11に示すように、作業機1は、作業機連結機構41から後方に延びていて移植機3の後部を支持する保持フレーム66を有する。
図21、図22に示すように、保持フレーム66は、複数のサポート杆(第1サポート杆67L、第2サポート杆67R)と、該サポート杆67L、67Rの後部に設けられた保持杆69とを有する。
なお、サポート杆は、少なくとも1つ設けられていればよい。また、保持杆69は、一本の部材で構成される必要はなく、複数の部材を連結して構成されていてもよい。
第1サポート杆67Lは、第3機枠37Cの左側方に配置されている。第1サポート杆67Lは、横部材68Aと、縦部材68Bとを有する。横部材68Aは、前端部が、ツールバー43の上面に固定(連結)され、ツールバー43から後方に延びている。横部材68Aは、第1機枠37A~第3機枠37Cの後部にまで延びていると共に、後端部は、第1機枠37A~第3機枠37Cの後端より前方に位置している。縦部材68Bは、上端部が横部材68Aの後端部の下面に固定されていて該横部材68Aの後端部から下方に延びている。
第2サポート杆67Rは、第3機枠37Cの右側方に配置されている。第2サポート杆67Rも、第1サポート杆67Lと同様の横部材68A及び縦部材68Bを有する。
保持杆69は、第1機枠37A~第3機枠37Cの後部下方に配置されている。また、保持杆69は、第1機枠37Aの左端部から第2機枠37Bの右端部にわたって設けられており、第1サポート杆67L及び第2サポート杆67Rの縦部材68Bの下端に固定されている。また、保持杆69は、第7フレーム材65gの下面に当接している。言い換えると、第7フレーム材65g(機枠37)は、保持杆69上に機幅方向K2に移動可能に載置されている。保持杆69は、各機枠37A~37Cの第7フレーム材65gにUボルト等を有する固定具70によって固定されている。この固定具70を外すことにより、第1機枠37A~第3機枠37Cが保持杆69上を機幅方向K2に移動可能(スライド可能)である。また、固定具70は、保持杆69上の複数の位置で第7フレーム材65gを固定することが可能である。なお、保持杆69は、第7フレーム材65gに固定されなくてもよい。
本実施形態では、第1機枠37A~第3機枠37Cの後部を保持フレーム66によって支持することにより、第1機枠37A~第3機枠37Cの振動を抑制でき、植付け深さを安定させることができると共に第1機枠37A~第3機枠37Cの相互高さを一致させることができる。また、第1機枠37A~第3機枠37Cの組付け時や位置調整時において、保持杆69上を滑らせることにより組付け時や位置調整時の労力を低減することができる。
ここで、覆土装置40について説明する。
第1覆土装置40A、第2覆土装置40B、第3覆土装置40Cの構造は、同様に構成されるので、第1覆土装置40Aを説明し、第2覆土装置40B、第3覆土装置40Cの構造の説明は省略する。
また、第1覆土装置40ALと第1覆土装置40ARの構成は同様に構成されるので、第1覆土装置40ALの構造を説明し、第1覆土装置40ARの構造の説明は省略する。
図23、図24、図25に示すように、第1覆土装置40ALは、複数の覆土輪(左の覆土輪81L、右の覆土輪81R)と、覆土輪81L及び覆土輪81Rを支持する覆土フレーム82とを有する。
覆土輪81L及び覆土輪81Rは、植付具64の後方の圃場上面を回転し、植え付けた苗の根本部分に土寄せして覆土すると共に、苗の根本部分を鎮圧する。
覆土フレーム82は、取付部材83と、複数の縦支持部材(左の縦支持部材84L、右の縦支持部材84R)と、複数のホイルブラケット(左のホイルブラケット85L、右のホイルブラケット85R)と、複数の連結リンク(左の連結リンク86L、右の連結リンク86R)と、複数のスプリング(付勢部材)87とを有する。
取付部材83は、第1部材83Aと、第2部材83Bと、第1支軸83Cと、第2支軸83Dとを有する。第1部材83Aは、覆土輪81Rの上方に位置している。また、第1部材83Aは、第9フレーム材65iと第13フレーム材65mとにわたって設けられた取付プレート88に高さ調整可能に取り付けられている。第2部材83Bは、覆土輪81Lの上方に位置し、第1部材83Aの下部の側方(左側方)に間隔をおいて配置されている。第1支軸83Cは、第1部材83Aの下部と第2部材83Bの上部とにわたって設けられている。第2支軸83Dは、第1支軸83Cの下方に位置し、第1部材83Aの下部と第2部材83Bの下部とにわたって設けられている。
縦支持部材84Lは、第2部材83Bの後方に配置されている。縦支持部材84Lの上部には、第3支軸89Aと、該第3支軸89Aの下方に位置する第4支軸89Bとが設けられている。縦支持部材84Rは、第1部材83Aの後方に配置されている。縦支持部材84Rの上部には、第5支軸90Aと、該第5支軸90Aの下方に位置する第6支軸90Bとが設けられている。
ホイルブラケット85Lは、縦支持部材84Lの下部に取り付けられ、該ホイルブラケット85Lに覆土輪81Lが回転自在に取り付けられている。ホイルブラケット85Rは、縦支持部材84Rの下部に取り付けられ、該ホイルブラケット85Rに覆土輪81Rが回転自在に取り付けられている。
連結リンク86Lは、第1支軸83Cと第3支軸89Aとにわたって設けられた上リンク91Aと、第2支軸83Dと第4支軸89Bとにわたって設けられた下リンク91Bとを有する。連結リンク86Rは、第1支軸83Cと第5支軸90Aとにわたって設けられた上リンク92Aと、第2支軸83Dと第6支軸90Bとにわたって設けられた下リンク92Bとを有する。連結リンク86L及び連結リンク86Rは、平行リンクであり、また、後方に行くに従って下方に移行する傾斜状とされている。
覆土輪81Lと覆土輪81Rは、それぞれ独立して上下動自在である。
スプリング87は、引張りコイルバネによって構成され、本実施形態では4本設けられている。2本のスプリング87は、第2支軸83Dと第3支軸89Aとにわたって設けられ、他の2本のスプリング87は、第2支軸83Dと第5支軸90Aとにわたって設けられている。スプリング87は、覆土輪81L、81Rを下方に付勢している。
以上の構成の第1覆土装置40ALにあっては、覆土輪81Lが連結リンク86Lによって上下動可能に支持されると共に覆土輪81Rが連結リンク86Rによって上下動可能に支持され、且つ覆土輪81L及び覆土輪81Rはスプリング87によって接地方向に付勢されている。したがって覆土輪81L及び覆土輪81Rは圃場の凹凸に追従して上下動する。
なお、覆土装置は、植付装置を機幅方向K2に位置調整可能とした場合、これに対応して機幅方向K2に位置調整可能に構成される。
図24に示すように、移植機3は、機枠37の対地高さを検出する高さ検出機構93を有する。対地高さは、図3に示すように、苗が植え付けられる植付面W1に対する機枠37の下端の相対高さH1である。植付面W1は、ロータリ耕耘機2の後部カバー19Bで整地される圃場表面であり、圃場に畝が形成される場合は、植付面W1は畝の上面である。高さ検出機構93は、第1覆土装置40A、第2覆土装置40B、第3覆土装置40Cのいずれに設けられていてもよい。ここでは、第1覆土装置40Aに設けられた場合を例に説明する。
高さ検出機構93は、検知部材94と、第1連結リンク95と、第1角度センサ73とを有する。検知部材94は、圃場の凹凸に追従して上下動する部材である。本実施形態では、覆土輪81L又は覆土輪81Rである。
第1連結リンク95は、検知部材94を機枠37に上下動可能に連結する部材である。本実施形態では、第1連結リンク95は、検知部材94が覆土輪81Lである場合は、連結リンク86Lであり、検知部材94が覆土輪81Rである場合は、連結リンク86Rである。
第1角度センサ73は、第1連結リンク95の回転角を検出するセンサである。第1角度センサ73は、例えば、ポテンショメータで構成されている。また、第1角度センサ73は、取付部材83に取り付けられている。
高さ検出機構93は、第1角度センサ73(ポテンショメータの回転軸)に一端部が取り付けられた検出アーム97と、この検出アーム97の他端部と第1連結リンク95とを連動連結する連動リンク98とを有する。連動リンク98は、例えば、第3支軸89A或いは第5支軸90Aに連結される。
検知部材94が圃場の凹凸に追従して上下動すると、第1連結リンク95が上下に揺動すると共に連動リンク98を介して検出アーム97が上下に揺動する。この検出アーム97の揺動を第1角度センサ73が検出することにより、第1連結リンク95の回転角が検出される。これにより、機枠37の対地高さH1の変化を検出することができる。
図26、図27に示すように、作業機1は、ロータリ耕耘機2に機枠37を昇降可能に連結する第2連結リンク101と、第2連結リンク101の回転角を検出する第2角度センサ74とを有する。第2連結リンク101は、本実施形態では、第1側部リンク44Aのリンク47である。第2連結リンク101は、第2側部リンク44Bのリンク47であってもよいし、中央リンク44Cのリンク52又はリンク53であってもよい。
第2角度センサ74は、例えば、ポテンショメータで構成されている。また、第2角度センサ74は、前ブラケット48の側方に配置されていると共に後サポートフレーム13R上に立設された取付ブラケット99に取り付けられている。
第2角度センサ74(ポテンショメータの回転軸)には、連動アーム100の一端部が連結されている。連動アーム100の他端は、第2連結リンク101に一体回転可能に取り付けられている。
第2連結リンク101が、上下に揺動すると、第2連結リンク101と共に連動アーム100が上下に揺動する。この連動アーム100の揺動を第2角度センサ74が検出することにより、第2連結リンク101の回転角が検出される。
図17に示すように、第1角度センサ73及び第2角度センサ74は、制御装置26に接続されている。
また、制御装置26には、高さ設定部材75が接続されている。この高さ設定部材75は、機枠37の対地高さH1を所望の対地高さ(設定対地高さという)に設定(決定)するための操作部材であって、例えば、回転ダイヤル式の操作部材で構成される。この高さ設定部材75によって、設定対地高さを設定操作することで、植付具64によって植え付けられる苗の植付け深さを設定することができる。また、高さ設定部材75によって設定した設定対地高さを、該高さ設定部材75によって変更することにより、苗の植付け深さを変更することができる。
設定対地高さは、第1角度センサ73で検出される第1連結リンク95の回転角と第2角度センサ74で検出される第2連結リンク101の回転角とから決定される。
制御装置26は、高さ設定部26bと、高さ制御部26cとを有する。
高さ設定部26bは、高さ設定部材75からの信号を取得し、機枠37の対地高さH1を高さ設定部材75で決めた設定対地高さに設定する。また、高さ設定部26bは、高さ設定部材75で設定対地高さを変更操作すると、昇降駆動装置42を駆動して、機枠37の対地高さH1を変更した設定対地高さにする。
高さ制御部26cは、第1角度センサ73で検出した第1連結リンク95の回転角に基づいて機枠37の対地高さH1を設定対地高さにすべく昇降駆動装置42を制御する。言い換えると、制御装置26は、機枠37の対地高さH1が設定対地高さになるように、高さ検出機構93の検出結果に基づいてロータリ耕耘機2に対して機枠37を昇降制御する。
以上のように、制御装置26は、圃場の凹凸に追従して機枠37を昇降させるべく昇降駆動装置42を制御する。
具体的には、機枠37の対地高さH1が設定対地高さである状態から検知部材94が圃場上面に追従して上動する、即ち、機枠37の対地高さH1が設定対地高さより相対的に低くなると、機枠37の対地高さH1が設定対地高さになるように昇降駆動装置42を駆動して(昇降シリンダC1を収縮させて)、機枠37を上動させる。また、機枠37の対地高さH1が設定対地高さである状態から検知部材94が圃場上面に追従して下動する、即ち、機枠37の対地高さH1が設定対地高さより相対的に高くなると、機枠37の対地高さH1が設定対地高さになるように昇降駆動装置42を駆動して(昇降シリンダC1を伸長させて)機枠37を下動させる。
トラクタ1Aの後部に装着したロータリ耕耘機2とは独立して、移植機3を圃場の凹凸に応じて昇降制御することにより、苗の植付精度をよくすることができる。
次に、原動機E1からの動力を苗供給装置38及び植付装置39に伝達する動力伝達機構105について説明する。
図9、図28、図29に示すように、第3機枠37Cの前部には、機幅方向K2の中央部に位置する取入軸103が設けられ、この取入軸103にジョイントJ2が連結されている。取入軸103は、後部に第7ギア(ベベルギア)G7を有している。第7ギアG7は、後ブラケット55の第2部材57に取り付けられたギアケース106内において第8ギア(ベベルギア)G8に噛合している。第8ギアG8は、第6伝動軸S6に一体回転可能に取り付けられている。第6伝動軸S6に伝達された動力は、第3伝動機構(チェーン巻掛伝動機構)23Cを介して主軸107に伝達される。第3伝動機構23Cは、第6伝動軸S6と一体回転する駆動スプロケット108aと、主軸107と一体回転する従動スプロケット108bと、駆動スプロケット108aと従動スプロケット108bとにわたって巻掛けられたチェーン180cとを有して構成されている。
主軸107は、第1機枠37A、第3機枠37B及び第2機枠37Cにわたって設けられている。この主軸107は、複数の軸及び軸同士を連動連結するカップリング等によって構成され、各機枠37A~37Cの機幅方向K2の位置調整に対応して伸縮可能である。主軸107から各移植ユニット36A~36Cの苗供給装置38及び植付装置39に動力が伝達される。
詳しくは、主軸107に伝達された動力は、第4伝動機構(ベベルギア伝動機構)23D及び第5伝動機構(チェーン巻掛伝動機構)23Eを介して第1苗供給装置38Aに動力が伝達され、第6伝動機構(ベベルギア伝動機構)23F及び第7伝動機構(チェーン巻掛伝動機構)23Gを介して第2苗供給装置38Bに動力が伝達され、第8伝動機構(ベベルギア伝動機構)23H及び第9伝動機構(チェーン巻掛伝動機構)23Iを介して第3苗供給装置38Cに動力が伝達される。
また、主軸107に伝達された動力は、トルクリミッタ(第2トルクリミッタという)109Aを介して筒軸(第1筒軸という)110Aに動力が伝達され、トルクリミッタ(第3トルクリミッタという)109Bを介して筒軸(第2筒軸という)110Bに動力が伝達され、トルクリミッタ(第4トルクリミッタという)109Cを介して筒軸(第3筒軸という)110Cに動力が伝達される。
第1筒軸110Aに伝達された動力は、第10伝動機構23Jを介して左の第1植付装置39ALに伝達され、且つ第11伝動機構23K、回転軸(第1回転軸という)111A、第12伝動機構23Lを介して右の第1植付装置39ARに伝達される。第2筒軸110Bに伝達された動力は、第13伝動機構23Mを介して左の第2植付装置39BLに伝達され、且つ第14伝動機構23N、回転軸(第2回転軸という)111B、第15伝動機構23Pを介して右の第2植付装置39BRに伝達される。第3筒軸110Cに伝達された動力は、第16伝動機構23Qを介して左の第3植付装置39CLに伝達され、且つ第17伝動機構23R、回転軸(第3回転軸という)111C、第18伝動機構23Sを介して右の第3植付装置39CRに伝達される。
回転軸111A~111Cは、原動機E1の動力によって軸心回りに駆動する。
図30に示すように、第4トルクリミッタ109Cは、ハブ112と、スプリング(付勢バネ)113と、バネ受け114と、噛み合い部115とを有する。ハブ112は、スプライン嵌め合い等によって主軸107に結合されている。即ち、ハブ112は、主軸107に一体回転可能で且つ軸心方向に移動可能に嵌められている。スプリング113は、例えば、コイルスプリングによって形成され、ハブ112とバネ受け114との間に介在されている。バネ受け114は、主軸107に嵌められており、ハブ112から離れる方向の移動が規制されている。噛み合い部115は、ハブ114に設けられた係合歯と、第3筒軸110Cに設けられた噛合歯との噛み合いによって構成されている。スプリング113の付勢力によって噛み合い部115が噛合していると、主軸107から第3筒軸110Cへ動力が伝達される。第3植付装置39CL、第3植付装置39CRの少なくとも一方に過負荷が作用すると、該過負荷は第3筒軸110Cに作用し、これにより、スプリング113の付勢力に抗してハブ114が移動し噛み合い部115が外れる。これにより、主軸107から第3筒軸110Cへの動力の伝達(トルク伝達)が遮断される。
第2トルクリミッタ109A及び第3トルクリミッタ109Bも第4トルクリミッタ109Cと同様に構成されているので、第2トルクリミッタ109A及び第3トルクリミッタ109Bの構造の説明を省略する。また、第1トルクリミッタ33も第3トルクリミッタ109Bと同様に構成される。
第1植付装置39AL、第1植付装置39ARの少なくとも一方に過負荷が作用すると、噛み合い部115が外れ、主軸107から第1筒軸110Aへの動力の伝達が遮断され、第2植付装置39BL、第2植付装置39BRの少なくとも一方に過負荷が作用すると、噛み合い部115が外れ、主軸107から第2筒軸110Bへの動力の伝達が遮断される。
また、第1トルクリミッタ33も第4トルクリミッタ109Cと同様に構成される。苗供給装置38に過負荷がかかると、第1トルクリミッタ33の噛み合い部の噛み合いが外れ、第5伝動軸S5から出力軸32への動力の伝達が遮断される。
次に、植付装置39について説明する。
第1植付装置39A、第2植付装置39B及び第3植付装置39Cは、同様に構成されるので、図29、図31に図示した第3植付装置39Cの構造を説明し、第1植付装置39A及び第2植付装置39Bについての構造の説明は省略する。また、左の第3植付装置39CLと右の第3植付装置39CLとは、左右対称に構成されている他は、同様に構成されるので、共通部分の説明を省略して説明する。
図29、図31に示すように、第3植付装置39CLと第3植付装置39CRとは、機幅方向K2で並べて配置されていると共に、前後方向K1において異なる位置に配置されている。第3植付装置39CLは、移植フレーム78Lに取り付けられ、第3植付装置39CRは、移植フレーム78Rに取り付けられている。
第3植付装置39CLは、植付具64と、植付昇降機構139とを有する。第3植付装置39CRは、第3植付装置39CLと同様に、植付具64と、植付昇降機構139とを有する。
以下、第3植付装置39CLにおける植付具64を植付具64CLと称し、第3植付装置39CRにおける植付具64を植付具64CRと称することがある。また、第3植付装置39CLにおける植付昇降機構139を植付昇降機構139CLと称し、第3植付装置39CRにおける植付昇降機構139を植付昇降機構139CRと称することがある。
植付具64は、圃場(畝)に苗を植え付ける部材である。植付具64は先端が下方に向いたくちばし状を呈し(図34参照)、前構成体140と後構成体141を有している。植付具64は、前構成体140と後構成体141とが前後方向K1で離反及び近接することにより開閉自在とされている(図29参照)。なお、前構成体140と後構成体141とは引張りバネによって閉じる方向に付勢されている。
図29に示すように、第16伝動機構23Qは、第3筒軸110Cと一体回転する駆動スプロケット116Lと、第1植付フレーム78Lに支軸118Lを介して支持された従動スプロケット117Lと、駆動スプロケット116Lと従動スプロケット117Lとにわたって巻掛けられたチェーン119Lとを有する。この第16伝動機構23Qによって第2筒軸110Cから支軸118Lに動力が伝達されて、支軸118Lが回転する。
第18伝動機構23Sは、第3回転軸111Cと一体回転する駆動スプロケット116Rと、第2植付フレーム78Rに支軸118Rを介して支持された従動スプロケット117Rと、駆動スプロケット116Rと従動スプロケット117Rとにわたって巻掛けられたチェーン119Rとを有する。この第18伝動機構23Sによって第3回転軸111Cから支軸118Rに動力が伝達されて、支軸118Rが回転する。
第10伝動機構23J、第13伝動機構23Mは、第16伝動機構23Qと同様に構成される。また、第1移植ユニット36Aでは、第10伝動機構23Jの駆動スプロケット116Lは第1筒軸110Aと一体回転し、第10伝動機構23Jによって第1筒軸110Aから第1植付装置39Aの支軸118Lに動力が伝達される。また、第2移植ユニット36Bでは、第13伝動機構23Mの駆動スプロケット116Lは第2筒軸110Bと一体回転し、第13伝動機構23Mによって第2筒軸110Bから第2植付装置39Bの支軸118Lに動力が伝達される。
第12伝動機構23L、第15伝動機構23Pは、第18伝動機構23Sと同様にこれにより、構成される。また、第1移植ユニット36Aでは、第12伝動機構23Lの駆動スプロケット116Rは第1回転軸111Aと一体回転し、第12伝動機構23Lによって第1回転軸111Aから第1植付装置39Aの支軸118Rに動力が伝達される。また、第2移植ユニット36Bでは、第15伝動機構23Pの駆動スプロケット116Rは第2回転軸111Bと一体回転し、第15伝動機構23Pによって第2回転軸111Bから第2植付装置39Bの支軸118Rに動力が伝達される。
図29、図30に示すように、植付昇降機構139は、植付具64を支持して、当該植付具64を昇降させる装置である。詳しくは、植付昇降機構139CLは植付具64CLを昇降させる装置であり、植付昇降機構139CRは植付具64CRを昇降させる装置である。
植付昇降機構139は、第1ケース120と、第2ケース121と、取付部材122とを有する。植付昇降機構139Lの第1ケース120は、第1植付フレーム78Lに支軸118Lを介して回転自在に支持されている。植付昇降機構139Rの第1ケース120は、第2植付フレーム78Rに支軸118Rを介して回転自在に支持されている。第2ケース121は、第1ケース120の遊端側に回転自在に支持されている。取付部材122は、第2ケース121に支持されている。取付部材122に植付具64が支持されている。
図34に示すように、回転軸111C及び駆動スプロケット116Rが矢印Y3方向に回転すると、支軸118Rが矢印Y1方向に回転する。同様に、駆動スプロケット116Lが矢印Y3に回転すると、支軸118Lが矢印Y1方向に回転する。支軸118R(118L)が矢印Y1方向に回転すると第1ケース120も同行回転する。第1ケース120及び第2ケース121内には、第1ケース120が矢印Y1方向に回転すると、第1ケース120の回転に連動して第2ケース121が第1ケース120とは逆方向(矢印Y2方向)に回転するように(図34~図35参照)動力伝達装置が設けられている。
また、第1ケース120及び第2ケース121が回転されることにより、取付部材122が前後に移動しながら上下に平行移動して、植付具64が、図34に示す楕円状の軌跡A1を描いて上下運動(昇降)する。
図34に示すように、植付具64には、上昇した位置(上死点位置)で苗が落下供給される。このとき植付具64は閉じた状態であって、該植付具64の内部に苗N1が収容され且つ保持される。その後、植付具64は、図35、図36に示すように、苗N1を保持して下降すると共に下部が圃場F1に突入する。また、植付具64は、圃場F1に突入した際に開き、圃場F1に植穴F2を形成すると共に開いた状態で苗N1を下方に落下して放出する。これにより、圃場F1に苗N1が植え付けられる。
上記構成の植付装置39にあっては、回転軸111C(111A、111B)が一回転すると支軸118Rも一回転し、支軸118Rが一回転すると植付具64が上下に一往復する。
上述の通り、第3植付装置39CLと第3植付装置39CRとは、機幅方向K2に並んで、前後方向K1において異なる位置に配置されている。これによって、一つの移植ユニットによって、畝に苗を千鳥状に2条植えする(機幅方向K2で隣接する苗の一方を他方に対して前後一方に位置ずれして植え付ける)ようにしている。
本実施形態では、左と右の植付具64が同時に昇降する。また、植付具64が停止する際には、左と右の植付具64が上死点位置で停止する。
図9に示すように、移植機3は、複数のアシスト装置151を有する。複数のアシスト装置151は、第1移植ユニット36Aに設けられた第1アシスト装置151Aと、第2移植ユニット36Bに設けられた第2アシスト装置151Bと、第3移植ユニット36Cに設けられた第3アシスト装置151Cとを含む。アシスト装置151は、植付具64の昇降動作をアシストする装置である。
なお、アシスト装置151は、移植ユニットの数に対応した数設けられる。即ち、移植ユニットが1つの場合、アシスト装置151も1つである。したがって、移植機3は、少なくとも1つのアシスト装置151を有する。
第1アシスト装置151A、第2アシスト装置151B及び第3アシスト装置151Cは、同様に構成されるので、図28、図29に図示した第3アシスト装置151Cについて説明し、第1アシスト装置151A、第2アシスト装置151Bの構造については説明を省略する
図32、図33に示すように、アシスト装置151は、アシストスプリング152と、スプリング作動機構153とを有する。
アシストスプリング152は、圧縮スプリング(詳しくは、圧縮コイルスプリング)で構成されている。また、アシストスプリング152は、植付具64を上昇させる方向に付勢している。
スプリング作動機構153は、植付具64を昇降させる動力(原動機E1の動力)によって動作し、植付具64が下降する際にアシストスプリング152を圧縮すると共に植付具64が上昇する際にアシストスプリング152を伸長させる機構である。
スプリング作動機構153は、回転軸111Cに一体回転可能に設けられた回転部材154を有する。なお、第1アシスト装置151Aの回転部材154は、回転軸111Aに設けられ、第2アシスト装置151Bの回転部材154は、回転軸111Bに設けられる。回転部材154は、回転軸111Cに一体回転可能に設けられているので、植付具64が上下に一往復する間に一回転する。
回転部材154は、回転軸111Cの一端側に設けられ、第1部材154aと、第2部材154bとを有する。第1部材154aは、回転軸111Cにスプライン嵌め合い等によって結合されて該回転軸111Cと一体回転する。第1部材154aは、回転軸111Cの軸心を中心とする円形状に形成されている。第2部材154bは、第1部材154aにボルト等によって固定されていると共に、第1部材154aから径方向外方に突出している。この第2部材154bの突出端側に支軸158が取り付けられている。
図32、図33に示すように、スプリング作動機構153は、可動杆155と、ホルダ156と、規制具157とを有する。
可動杆155は、丸棒材によって形成され、支軸158の後方に前後方向に配置されている。可動杆155の一端部(前端側)に、ベアリングによって構成されたボス159が設けられている。ボス159は、支軸158に回転自在に嵌められている。したがって、可動杆155の一端部は、回転部材154における回転中心から偏倚した部位に枢支されている。
ホルダ156は、第4フレーム材65dの下面に固定されたホルダブラケット160に回転自在に取り付けられている。ホルダ156には、可動杆155の後部が挿通される貫通孔156aが形成されている。貫通孔156aは、ホルダ156の回転軸心と直交する方向に形成されていて、該ホルダ156は、可動杆155を軸心方向に移動可能に支持している。回転部材154が一回転する間に、植付具64が上下に一往復すると共に可動杆155が軸心方向に一往復移動する。即ち、可動杆155は、植付具64が上下に一往復する動作に伴って軸心方向に一往復移動する。
規制具157は、筒状に形成されていて、ホルダ156と可動杆155の一端部(ボス159)との間に設けられると共に可動杆155の外側に軸心方向に移動可能に嵌められている。規制具157は、該規制具157及び可動杆155を貫通するピン161によって可動杆155に軸心方向移動不能に取り付けられている。即ち、規制具157は、可動杆155に一体移動可能に取り付けられている。可動杆155に形成され且つピン161を挿通するピン孔162は、可動杆155の軸心方向に間隔をあけて複数形成されている。したがって、規制具157の取付位置は、可動杆155の軸心方向に位置変更可能である。
アシストスプリング152は、規制具157とホルダ156との間に介在されている。また、アシストスプリング152に可動杆155が挿通されている。アシストスプリング152の一端部(前端部)は、規制具157に設けられたバネ受け163に当接し、アシストスプリング152の他端部(後端部)は、ホルダに設けられたバネ受け164に当接している。したがって、アシストスプリング152の付勢力Z1は、可動杆155が回転部材154の突出端部(可動杆155の連結部分)を押圧する方向に作用する(図34参照)。
図34は、植付具64が上下動範囲の上死点に位置している状態を示している。このとき、ボス159は、回転軸111Cの前方に位置していると共に可動杆155の軸心155aは回転軸111Cの軸心及び支軸158の軸心の延長線と直交状である。したがって、このとき、アシストスプリング152の付勢力Z1は、植付具64に作用していない。
この上死点の位置から、回転軸111Cの回転により回転部材154がY3方向に回転すると、図35に示すように、植付具64が下降すると共に、回転部材154の突出端部が回転軸111Cの上方側を後方側に回転して可動杆155を後方に移動させる。可動杆155が後方に移動すると、規制具157がホルダ156に接近する方向に移動し、アシストスプリング152が圧縮する。したがって、アシストスプリング152は、植付具64が下降する際に規制具157がホルダ156に接近する方向に移動することで圧縮する。このときアシストスプリング152の付勢力Z1は、回転軸111Cの回転方向Y3とは逆の方向に作用し、植付具64を上昇させる方向に作用する。これにより、植付具64が自由落下によって該植付具64を駆動する力よりも早く動くのを防止することができる。これにより、植付具64が上下動範囲の下死点で停滞、振動するのを防止することができる。また、植付具64が下死点位置で停滞、振動することにより苗をつまみ上げることを防止することができる。これにより、植付姿勢をよくするために、植付具64の先端(下端)を狭くすることができる。
図36に示すように、植付具64が上下動範囲の下死点に位置している状態では、可動杆155の軸心155aは回転軸111Cの軸心及び支軸158の軸心の延長線と直交状である。したがって、このとき、アシストスプリング152の付勢力Z1は、植付具64に作用していない。即ち、アシストスプリング156は、植付具64が上死点位置から下死点位置に移動する間、圧縮される。
図37に示すように、下死点位置から植付具64が上昇すると、回転部材154の突出端部が回転軸111Cの下方側を前方側に回転して可動杆155を前方に移動させる。可動杆155が前方に移動すると、規制具157がホルダ156から離れる方向に移動し、アシストスプリング152が伸長する。したがって、アシストスプリング152は、植付具64が上昇する際に規制具157がホルダ156から離れる方向に移動することで伸長する。アシストスプリング152は、植付具64が下死点位置から上死点位置に移動する間、伸長する。
アシストスプリング152の付勢力Z1は、植付具64が上昇する際には、回転軸111Cの回転方向Y3に作用する。これにより、アシストスプリング152が植付具64の上昇をアシストし、植付具64を上死点で止めるときにおいて、苗の受け渡し改善のため、上死点の手前で電磁クラッチ24を切断しても、植付具64が上死点まで惰性で動ききらずに逆転するという事態を防止することができる。
また、従来のように、植付具を引張りスプリングで上方に持ち上げているものにあっては、上死点位置では植付具にほとんど荷重が加わっていないが、アシストスプリング152を圧縮スプリングによって構成すると共に回転軸111Cによって回転する回転部材154を付勢するように構成することにより、植付具64の上死点位置で大きなスプリング荷重が得られる。また、アシスト装置151を、植付具64を駆動する動力伝達系統の途中に設けることにより、コンパクトにまとめることができる。
なお、本実施形態の移植機3は、植付具64を上死点位置で停止させるための機構(植付具停止機構)を有している。
図33、図38に示すように、作業機1は、植付具64の位置とアシストスプリング152の伸縮状態(圧縮状態)との関係を調整する調整部166を有する。調整部166は、回転軸111Cの他端側に設けられている。
第1移植ユニット36Aでは、調整部166は回転軸111Aの他端側に設けられ、第2移植ユニット36Bでは、調整部166は回転軸111Bの他端側に設けられる。
調整部166は、回転軸111C、111A、111B(回転軸111という)とスプライン嵌め合い等によって結合されて一体回転する第1伝動部材167と、第1伝動部材167に連結されて一体回転すると共に植付昇降機構139に動力を伝達する第2伝動部材である駆動スプロケット116Rとを有する。
第1伝動部材167に、駆動スプロケット(第2伝動部材)116Rが複数のボルト168a~168cによって取り付けられている。ボルト168aは、駆動スプロケット116Rに形成されたボルト挿通穴169aを挿通して第1伝動部材167に形成されたネジ穴170aに螺合している(ねじ込まれている)。ボルト168bは、駆動スプロケット116Rに形成されたボルト挿通穴169bを挿通して第1伝動部材167に形成されたネジ穴170bに螺合している。ボルト168cは、駆動スプロケット116Rに形成されたボルト挿通穴169cを挿通して第1伝動部材167に形成されたネジ穴170cに螺合している。
各ボルト挿通穴169a~169cは、回転軸111の軸心を中心とする円弧状の長穴に形成されている。したがって、ボルト168a~168cを緩めることにより、第1伝動部材167に対して駆動スプロケット116Rを回転軸111C回りに回転させることができる。即ち、駆動スプロケット116Rは、第1伝動部材167に対して回転軸111の軸心回りの回転位置が位置調整可能である。第1伝動部材167に対して駆動スプロケット116Rを回転させることにより、可動杆155の位置は変更することなく、植付具64の位置が変更する。したがって、第1伝動部材167に対して駆動スプロケット116Rを回転軸111回りに位置調整することにより、植付具64の位置とアシストスプリング152の圧縮状態との関係を調整することができる。
図39、図40に示すように、植付装置39は、土落とし具125と、中間ホッパ126とを有する。
土落とし具125は、植付フレーム78L(78R)に上端部が前後に揺動可能に枢支された支持杆127の下端に取り付けられている。支持杆127には、ブラケット部材128を介して回転自在なローラ129が設けられ、ローラ129は、第1ケース120に固定されたカム環130の外周に当接している。支持杆と植付フレーム78L(78R)とにわたって引張りバネ131が設けられ、このバネ131は、ローラ129がカム環130の外周に当接する方向に支持杆127を付勢している。
図39~図42に示すように、中間ホッパ126は、植付具64に向けて落下されて供給される苗の中継を行う部材である。中間ホッパ126は、ホッパ本体132と、ステー133とを有する。ホッパ本体132は、ゴム製であり、上端及び下端が開口状の筒状に形成されている。ホッパ本体132は、側面視で下方に行くに従って先窄まりとなる截頭円錐形に形成されている。ホッパ本体132の上端は前後方向K1に長い長円形に形成され、ホッパ本体132の下端は円形状に形成されている。ホッパ本体132は、植付具64の上方に配置され、下端部が植付具64の上部に挿入されている。ホッパ本体132の下部には、複数のスリット132aが形成されている。スリット132aは、ホッパ本体132の下端から上方に向けて形成され、且つホッパ本体132の周方向に間隔をおいて形成されている。これにより、ホッパ本体132の下部がのれん状とされている。
ステー133は、板金製であり、本体取付部133aと、ステー取付部133bとを有する。本体取付部133aは、ホッパ本体132の上端部を囲む環状に形成されている。本体取付部133aに、ホッパ本体132の上端部が取り付けられている。ステー取付部133bは、本体取付部133aから下方に延出されており、取付部材122に固定された取付プレート134に取り付けられている。
図43に示すように、土落とし具125は、カム環130が第1ケース120と一体回転し且つローラ129がカム環130の外周上を転動することで前後に揺動する。また、土落とし具125は、植付具64が上死点位置から下死点位置に移動する間は、植付具64と干渉しない位置に位置し、植付具64が下死点位置から上昇する際に、上方から植付具64内に侵入して植付具64内の土を落とす。
また、土落とし具125は、植付具64内に侵入する際、中間ホッパ126の下部を通る。従来、中間ホッパは板金製であり、土落とし具125が通る穴が形成されている。この穴から苗が落ちる場合がある。本実施形態では、中間ホッパ126に土落とし具125が通る穴がなく、苗が落ちるのを抑制することができる。また、ホッパ本体132の下部がのれん状となっているので、土落とし具125が通過することができる。また、ホッパ本体132がゴム製であるので、他の部材との干渉を考慮せずに設計でき、苗がつまらないように大きなホッパを形成することができる。また、ホッパ本体132がゴム製であるので、加工も容易である。
次に、苗供給装置38について説明する。
図3に示すように、第1苗供給装置38Aは、第1植付装置39Aの上方に配置され、第2苗供給装置38Bは、第2植付装置39Bの上方に配置され、第3苗供給装置38Cは、第3植付装置39Bの上方に配置されている。
苗供給装置38は、下方に位置する植付具64に苗を落下させて供給する装置である。
図44に示すように、第3苗供給装置38Cは、第1苗供給装置38A及び第2苗供給装置38Bに比べて前後方向に長い。第3苗供給装置38Cの前部は、第1苗供給装置38A及び第2苗供給装置38Bと前後方向において同じ位置に位置しており、第3苗供給装置38Cの後部は、第1苗供給装置38A及び第2苗供給装置38B(第1移植ユニット36A及び第2移植ユニット36B)よりも後方に突出している。
第1苗供給装置38Aと、第2苗供給装置38Bと、第3苗供給装置38Cとは、前後長さが異なる以外、構成が同じであるので、図45~図47に第3苗供給装置38Cの構造を図示して説明し、第1苗供給装置38A、第2苗供給装置38Bの説明は省略する。
図45、図46に示すように、第3苗供給装置38Cは、第3機枠37Cに支持される装置フレーム176を有する。同様に、第1苗供給装置38Aも第1機枠37Aに支持される装置フレームを有し、第2苗供給装置38Bも第2機枠37Bに支持される装置フレームを有する。
図44、図46に示すように、苗供給装置38は、苗が投入される多数の供給カップ171、172を有する。多数の供給カップは、多数の第1供給カップ171と、多数の第2供給カップ172とを含む。第1供給カップ171と第2供給カップ172とは、前後方向K1に延設されたループ状の移送経路Pに沿って配置されている。
詳しくは、第1供給カップ171と第2供給カップ172とは、平面視で前後方向K1に長い長円形を呈するようにループ状に並べて配置されている。また、第1供給カップ171と第2供給カップ172とは、長円形の移送経路Pに沿って交互に配置されている。
図46に示すように、第1供給カップ171と第2供給カップ172は、移送機構177によって移送経路R1に沿って矢印Y4方向に間欠的に移送される。移送機構177は、第1回転体178と、第2回転体179と、索体180とを有する。第1回転体178及び第2回転体179はスプロケットによって構成され、索体180は、第1回転体178と第2回転体179とにわたって巻掛けられた無端状のチェーンによって構成されている。第1回転体178及び第2回転体179は、装置フレーム176に縦軸心(上下方向に延伸する軸心)回りに回転自在に支持されている。第1供給カップ171及び第2供給カップ172は、索体180の外周側に索体180に沿って配置されている。第1回転体178は、第9伝動機構23Iを介して動力が伝達されて回転し、これにより、索体180、第1供給カップ171及び第2供給カップ172が矢印Y4方向に移動する。
なお、第1苗供給装置38Aの第1回転体178の第1回転体178には、第5伝動機構23Eを介して動力が伝達され、第2苗供給装置38Bの第1回転体178には、第7伝動機構23Gを介して動力が伝達される。
図48に示すように、第1供給カップ171は、投入される苗N1を収容する収容部181aと、索体180に取り付けられる取付部182aと、収容部181aの下端の開口を塞ぐ蓋183とを有する。第2供給カップ172も、同様に、収容部181bと、取付部182bと、蓋183bとを有する。蓋183a、183bは、収容部181a、181bの下部にヒンジによって枢支されていて、収容部181a、181bの下端開口を開閉自在としている。蓋183a、183bが閉じていることにより、収容部181a、181b内に苗N1が保持可能であり、蓋183a、183bが開くことにより、収容部181a、181bから下方に苗N1が排出可能である。
図47に示すように、第1供給カップ171の蓋183aは、第1係合部184aを有する。第2供給カップ172の蓋183bは、第2係合部184bを有する。第1係合部184aは、供給カップ171、172の移送経路R1(索体180)の内周側に突出している。第2係合部184bは、供給カップ171、172の移送経路R1(索体180)の外周側に突出している。
図46に示すように、第1供給カップ171は、移送経路R1の左側で蓋183aが開く。符号D1で示す位置が、第1供給カップ171の蓋183aが開く第1開放位置(機幅方向一方側の開放位置)である。第2供給カップ172は、移送経路R1の右側で蓋183bが開く。符号D2で示す位置が、第2供給カップ172の蓋183が開く第2開放位置(機幅方向他方側の開放位置)である。
また、第1開放位置D1及び第2開放位置D2は、植付具64に苗を落下させて供給する位置である苗落とし位置である。即ち、苗供給装置38は、移送経路R1の前後方向の中途部に、植付具64に苗を落下させて供給する位置である苗落とし位置を有する。
第1開放位置D1と第2開放位置D2とは、前後方向K1において異なる位置に設定されている。本実施形態では、第2開放位置D2が第1開放位置D1に対して後方に位置ずれしている。第2開放位置D2が第1開放位置D1に対して後方に位置ずれしているのに対応して、各移植ユニットにおける右の植付装置が左の植付装置に対して後方に位置ずれしている。
図47に示すように、苗供給装置38は、供給カップ171、172の開放位置を設定する(第1開放位置D1、第2開放位置D2を設定可能な)設定部材185を有する。設定部材185は、複数の規制杆(第1規制杆186a~第4規制杆186d)を含んでいる。
第1規制杆186aは、第1開放位置D1及び第2開放位置D2の前方側において、蓋183a、183bの下面に当接する。したがって、第1規制杆186aは、第1開放位置D1及び第2開放位置D2の前方側において、蓋183a、183bの開きを規制する。第2規制杆186bは、第1開放位置D1及び第2開放位置D2の後方側において、蓋183a、183bの下面に当接する。したがって、第2規制杆186bは、第1開放位置D1及び第2開放位置D2の後方側において、蓋183a、183bの開きを規制する。
第3規制杆186cは、第1開放位置D1の左側に位置し、第1開放位置D1にある蓋183bの第2係合部184bに当接する。これによって、第1開放位置D1における蓋183bの開きを規制する。また、第1開放位置D1における蓋183aの開きを許容する。第4規制杆186dは、第2開放位置D2の左側に位置し、第2開放位置D2にある蓋183aの第1係合部184aに当接する。これによって、第2開放位置D2における蓋183aの開きを規制する。また、第2開放位置D2における蓋183bの開きを許容する。
図48に示すように、第1開放位置D1の下方には、植付具64が位置しており、蓋183aが開いて苗N1が落下すると、中間ホッパ126を介して植付具64に苗N1が供給される。また、第2開放位置D2の下方にも、植付具64が位置しており、蓋183bが開いて苗N1が落下すると、中間ホッパ126を介して植付具64に苗N1が供給される。
図44に示すように、作業機1は、移植機3に対して作業をする作業者U1用の(作業者U1が座るための)複数の椅子187A~187Fを有している。複数の椅子は、複数の前方椅子(第1前方椅子187A、第2前方椅子187B)と、複数の側方椅子(第1側方椅子187C~第4側方椅子187F)とを含む。
第1前方椅子187Aは、第1苗供給装置38Aの前方に配置され、第2前方椅子187Bは、第2苗供給装置38Bの前方に配置されている。第1側方椅子187Cは、第1苗供給装置38Aの左側方に配置され、第2側方椅子187Dは、第2苗供給装置38Bの右側方に配置されている。第3側方椅子187Eは、第3苗供給装置38Cの後部の左側方に配置され、第4側方椅子187Fは、第3苗供給装置38Cの後部の右側方に配置されている。
第1前方椅子187Aに座る作業者U1と第1側方椅子187Cに座る作業者U1とで第1苗供給装置38Aの供給カップ171、172に苗を供給する。第2前方椅子187Bに座る作業者U1と第2側方椅子187Dに座る作業者U1とで第2苗供給装置38Bの供給カップ171、172に苗を供給する。第3側方椅子187Eに座る作業者U1と第4側方椅子187Fに座る作業者U1とで第3苗供給装置38Cの供給カップ171、172に苗を供給する。
図45に示すように、第1前方椅子187Aと第2前方椅子187B(作業者U1)の前方には、苗供給台188が設けられている。また、同様に、第1側方椅子187C~第4側方椅子187Fの各椅子の前方にも苗供給台が設けられている。苗供給台188は、多数の苗を有する苗トレイを置くことができる。作業者U1は、この苗供給台188に置いた苗トレイから供給カップ171、172に苗を供給することができる。
図44、図45に示すように、第3苗供給装置38Cの上方に苗トレイ189を置くことのできる苗載せ台190が設けられている。苗載せ台190上には、複数の苗トレイ189(本実施形態では、4枚の苗トレイ189)を置くことができる。
作業者U1は、苗載せ台190上の苗トレイ189から苗を供給カップ171、172に苗を供給することができる。苗載せ台190は、第3苗供給装置38Cの上方に設けられているので、即ち、中央の苗供給装置の上方に設けられているので、第1前方椅子187A、第2前方椅子187B、第1側方椅子187C~第4側方椅子187Fの各椅子に着座した作業者U1が、苗載せ台190上の苗トレイ189から苗を取ることができる。即ち、苗載せ台190は、各椅子に着座した作業者U1が苗載せ台190上の苗トレイ189から苗を取ることのできる位置に配置されている。
作業者U1は、苗供給台188上の苗トレイの苗がなくなると、苗載せ台190上の苗トレイ189の苗を供給カップ171、172に供給することができる。即ち、苗載せ台190は、予備の苗トレイが載置される台である。また、苗供給台188上の苗トレイの苗がなくなると、空の苗トレイを苗載せ台190上の苗トレイと交換してもよい。また、各作業者U1の前方に位置する苗供給台188を設けないで、苗載せ台190を各作業者共通の苗供給台としてもよい。
なお、ロータリ耕耘機2の前部の側方に補給用の苗トレイを収容可能なコンテナ等の収容容器(図示省略)を設け、苗供給台188又は苗載せ台190上の空の苗トレイを、収容容器内の苗が収容された苗トレイと交換できるようにすることができる。この苗トレイの交換は、第1前方椅子187A、第2前方椅子187Bに着座した作業者U1が行う。
第3苗供給装置38Cは、第1苗供給装置38A及び第2苗供給装置よりも後方に長く形成されており、後部が苗載せ台190から後方に突出している。第3側方椅子187E及び第4側方椅子187Fに着座した作業者U1は、この苗載せ台190から後方に突出する部分に在る供給カップ171、172に苗を供給することができる。言い換えると、苗載せ台190は、第3苗供給装置38Cの前部から前後方向K1の中途部にわたって設けられている。また、苗載せ台190の前部は、第3苗供給装置38Cから前方に突出している。また、苗載せ台190は、第3苗供給装置38Cから右方及び左方に突出している。以上のように、苗載せ台190は、第3苗供給装置38Cの上方を前部から中途部にわたって覆っている。
また、植付作業を始めるときには、第1開放位置D1及び第2開放位置D2に位置する供給カップ171、172に苗が入っていなければならない。苗載せ台190が第3苗供給装置38Cの上方に設けると、苗載せ台190の下方に位置する供給カップ171、172に苗が投入できないということが考えられる。そこで、図44、図49に示すように、苗載せ台190には、供給カップ171、172に苗を供給することの可能な開口部191が形成されている。この開口部191は、移送経路R1に沿って形成されている。詳しくは、開口部191は、苗載せ台190の下方に対応する移送経路R1の部分に沿って形成されていて、平面視で後方に開放状のU字形に形成されている。作業者U1は、植付作業を始める前に、苗載せ台190の下方に在る供給カップ171、172に、開口部191を介して苗を投入することができる。苗を投入した後に、苗載せ台190上に、苗を有する苗トレイ189を載置する。
図49に示すように、苗載せ台190は、前枠部190aと、後枠部190bと、前枠部190aと後枠部190bの左端同士を連結する第1側枠部190cと、前枠部190aと後枠部190bの右端同士を連結する第2側枠部190dとで形成される矩形の枠部を有する。また、この枠部の下端に苗トレイ189が載置され且つ開口部191が形成された底板190eが設けられている。この底板190eは、例えば、パンチングメタルで形成される。
図45、図46に示すように、苗載せ台190の前部には、複数の前支柱(第1前支柱190f、第2前支柱190g)が設けられている。また、苗載せ台190の後部には、複数の後支柱(第1後支柱190h、第2後支柱190i)が設けられている。第1前支柱190fは、苗載せ台190の左側に設けられ、ツールバー43上に固定されている。第2前支柱190gは、苗載せ台190の右側に設けられ、ツールバー43上に固定されている。第1後支柱190hは、苗載せ台190の左側に設けられ、装置フレーム176に固定されている。第2後支柱190iは、苗載せ台190の右側に設けられ、装置フレーム176に固定されている。
図2、図3に示すように、作業機1は、ロータリ耕耘機2に取り付けられた取付体196と、この取付体196に上下動可能に連結されるシートフレーム197とを有する。
取付体196は、第1側枠材196Aと、第2側枠材196Bと、連結枠材196Cとを有する。第1側枠材196Aは、ロータリ耕耘機2の下部の左側方に配置され、ロータリ耕耘機2に取り付けられている。第2側枠材196Bは、ロータリ耕耘機2の下部の右側方に配置され、ロータリ耕耘機2に取り付けられている。第1側枠材196A及び第2側枠材196Bは、ロータリ耕耘機2の前端部から後方に向けて延在している。第1側枠材196A及び第2側枠材196Bの後部は、ロータリ耕耘機2から後方に突出して、移植機3の前部側方に位置している。連結枠材196Cは、後サポートフレーム13Rの後方側に機幅方向K2に沿って配置され、第1側枠材196Aと第2側枠材196Bとを連結している。
図3に示すように、連結枠材196Cに、シート支持部材198を介して第1前方椅子187Aが支持されている。また、第2前方椅子187Bもシート支持部材198を介して連結枠材196Cに支持されている。
図50、図51に示すように、シートフレーム197は、椅子が取り付けられるフレームである。具体的には、シートフレーム197には、第1側方椅子187C~第4側方椅子187Fが取り付けられる。
シートフレーム197は、フレーム本体199と、フレーム連結機構200と、複数の車輪(第1車輪206A~第5車輪206E)とを有する。
フレーム本体199に複数の椅子が取り付けられる。フレーム本体199は、移植機3の左側方(一側方)に配置された第1フレーム部201と、移植機3の右側方(他側方)に配置された第2フレーム部202と、第1フレーム部201と第2フレーム部202の後部同士を連結する第3フレーム部203とを有する。第1フレーム部201及び第2フレーム部202は、角パイプ材で形成されている。第1フレーム部201は、第1側枠材196Aの後方に前後方向に延伸するように配置されている。第2フレーム部202は、第2側枠材196Bの後方に前後方向に延伸するように配置されている。
第3フレーム部203は、移植機3の後方に機幅方向K2に延伸するように配置されている。第3フレーム部203は、複数の角パイプ材(第1部材203A、第2部材203B、第3部材203C)で構成されている。第2部材203Aは、左端部が第1フレーム部201の後部に連結されている。第2部材203Bは、右端部が第2フレーム部202の後部に連結されている。第3部材203Cは、第1部材203Aと第2部材203Bとを連結している。第3部材203Cは、機幅方向K2に位置調整可能である。
図50、図51に示すように、第1フレーム部201にシート支持部材204Aを介して第1側方椅子187Cが取り付けられている。第1側方椅子187Cは、シート支持部材204Aに機幅方向K2に位置調整可能に取り付けられている。第2フレーム部202にシート支持部材204Bを介して第2側方椅子187Dが取り付けられている。第2側方椅子187Dは、シート支持部材204Bに機幅方向K2に位置調整可能に取り付けられている。
第3フレーム部203の第3部材203Cの左部に、シート支持部材204Cを介して第3側方椅子187Eが取り付けられている。第3側方椅子187Eは、シート支持部材204Cに前後方向K1に位置調整可能に取り付けられている。第3部材203Cの右部に、シート支持部材204Dを介して第4側方椅子187Fが取り付けられている。第4側方椅子187Fは、シート支持部材204Dに前後方向K1に位置調整可能に取り付けられている。
フレーム連結機構200は、フレーム本体199を取付体196に上下動可能に連結する機構である。フレーム連結機構200は、第1機構200Aと、第2機構200Bとを有する。第1機構200Aは、第1側枠材196Aに第1フレーム部201を連結している。第2機構200Bは、第2側枠材196Bに第2フレーム部202を連結している。第1機構200A及び第2機構200Bは、平行リンク機構で構成されている。
第1機構200A及び第2機構200Bは、同様の構造であるので、第1機構200Aの構造を詳細に説明し、第2機構200Bの詳細説明は省略する。
図52、図53に示すように、第1機構200Aは、2枚の前プレート207A、207Bと、2枚の後プレート208A、208Bと、前プレート207A、207Bと後プレート208A、208Bとに連結された2つのリンク209A、209Bとを有する。
前プレート207Aは、第1側枠材196Aの後端部の機幅外方側の側面に固定され、前プレート207Bは、第1側枠材196Aの後端部の機幅内方側の側面に固定されている。後プレート208Aは、第1フレーム部201の前端部の機幅外方側の側面に固定され、後プレート208Bは、第1フレーム部201の前端部の機幅内方側の側面に固定されている。リンク209Aは、前部が前プレート207A、207Bの間に機幅方向K2の軸心回りに回転自在に枢支され、後部が後プレート208A、208Bの間に機幅方向K2の軸心回りに回転自在に枢支されている。リンク209Bは、リンク209Aの下方に配置され、前部が前プレート207A、207Bの間に機幅方向K2の軸心回りに回転自在に枢支され、後部が後プレート208A、208Bの間に機幅方向K2の軸心回りに回転自在に枢支されている。
第2機構200Bも、第1機構200Aと同様に、前プレート207A、207Bと、後プレート208A、208Bと、リンク209A、209Bとを有する。
フレーム本体199は、第1機構200A及び第2機構200Bによって、平行状に上下動可能である。
複数の車輪(第1車輪206A~第5車輪206E)は、例えば、タイヤによって構成され、接地してフレーム本体199を支持する。したがって、シートフレーム197は、ロータリ耕耘機2及び移植機3に対して圃場の凹凸に追従して上下動する。
図50、図51に示すように、第1車輪206Aは、第1フレーム部201の後部に車輪支持部材210Aを介して取り付けられている。第1車輪206Aは、車輪支持部材210Aに高さ調整可能に取り付けられている。
第2車輪206Bは、第2フレーム部202の後部に車輪支持部材210Bを介して取り付けられている。第2車輪206Bは、車輪支持部材210Bに高さ調整可能に取り付けられている。
第3車輪206Cは、第3フレーム部203の中途部(中央部)に車輪支持部材210Cを介して取り付けられている。第3車輪206Cは、車輪支持部材210Cに高さ調整可能に取り付けられている。第3車輪206Cは、第3側方椅子187Eと第4側方椅子187Fとの間に設けられている。
第4車輪206Dは、第1フレーム部201の前部に車輪支持部材210Dを介して取り付けられている。第4車輪206Dは、車輪支持部材21DCに高さ調整可能に取り付けられている。第4車輪206Dは、第1側方椅子187Cの前方に設けられている。
第5車輪206Eは、第2フレーム部202の前部に車輪支持部材210Eを介して取り付けられている。第5車輪206Eは、車輪支持部材210Eに高さ調整可能に取り付けられている。第5車輪206Eは、第2側方椅子187Dの前方に設けられている。
図50、図51に示すように、作業機1は、シートフレーム197を持ち上げる持上げ機構211を有する。持上げ機構211は、揺動部材213と、揺動アクチュエータ214と、リンク部材215とを有する。取付体196は、持上げ機構211が取り付けられる支持フレーム212を有する。
図54、図55に示すように、支持フレーム212は、アーム部材212Aと、縦部材212Bとを有する。アーム部材212Aは、前部が連結枠材196Cに連結されていて連結枠材196Cから後方に突出している。アーム部材212Aの前部の下面には、取付プレート216が固定され、この取付プレート216は、Uボルトを有する固定具217によって連結枠材196Cに取り付けられている。縦部材212Bは、アーム部材212Aの後端に、上下方向の中途部が固定されている。
揺動部材213は、前部が縦部材212Bの上部に機幅方向K2の軸心回りに回転自在に枢支されて、上下に揺動可能である。したがって、揺動部材213は、取付体196に上下に揺動可能に取り付けられている。
揺動アクチュエータ214は、本実施形態では、電動シリンダである。なお、揺動アクチュエータ214は、油圧シリンダであってもよいし、電動油圧シリンダであってもよい。
揺動アクチュエータ214のシリンダ本体214aのボトム側は、縦部材212Bの下部に固定のステー218aに機幅方向K2の軸心回りに回転自在に枢支されている。揺動アクチュエータ214のピストンロッド214bは、揺動部材213の前部に固定のステー218bに機幅方向K2の軸心回りに回転自在に枢支されている。ピストンロッド214b進退させることにより、揺動部材213が上下に揺動する。即ち、揺動アクチュエータ214は、取付体196に取り付けられていて揺動部材213を上下に揺動させる
リンク部材215は、揺動部材213とシートフレーム197とにわたって設けられている。具体的には、リンク部材215は、上部が揺動部材213の後部に機幅方向K2の軸心回りに回転自在に枢支されていて、揺動部材213の後部から下方に突出状とされている。また、リンク部材215の下部には、長手方向に長い長穴220が形成されている。この長穴220に、第3フレーム部203に固定のステー219に設けられた係合ピン221が挿通している。
上記の持上げ機構211にあっては、作業時において、シートフレーム197が上下動すると、図55に示すように、係合ピン221が長穴220内を移動することで、シートフレーム197の上下動が許容される。また、作業機1をトラック等に積み込む際やトラック等から降ろす際などにおいては、図56に示すように、揺動アクチュエータ214のピストンロッド214bをシリンダ本体214aから進出(揺動アクチュエータ214を伸長)させることにより、リンク部材215がロータリ耕耘機2及び移植機3とは独立して上動する。リンク部材215が上動すると、係合ピン221が長穴220の下端に当接する。この係合ピン221が長穴220の下端に当接した状態で、さらにリンク部材215が上動することで、シートフレーム197を持上げ(引き上げ)ることができる。したがって、リンク部材215は、作業時においてシートフレーム197の上下動を許容し、且つ、移植機3とは独立して上動することでシートフレーム197を引き上げる(上昇させる)ことが可能である。
次に、他の実施形態、変形例について説明する。
図57~図61は、他の実施形態に係る対地作業装置1Bを示している。
この実施形態にあっても、対地作業装置1Bは、ロータリ耕耘機2と移植機3とを有し、ロータリ耕耘機2は、トラクタ1Aに昇降可能に装着され、移植機3はロータリ耕耘機2に昇降可能に装着されている。
図57、図58に示すように、ロータリ耕耘機2の後部には、左の培土器(リッジャー)226Lと右の培土器(リッジャー)226Rとが設けられている。したがって、この対地作業装置1Bは、ロータリ耕耘機2で耕耘した土壌に培土器226L及び培土器226Rで溝を形成することで1畝を形成する作業機である。畝の上面は、後部カバー19Bで形成される。なお、2畝以上を形成するようにしてもよい。
移植機3は、第1移植ユニット36Aと第2移植ユニット36Bとの2つの移植ユニットを有する。第1移植ユニット36A及び第2移植ユニット36Bは、図1~図56に係る実施形態と同様に構成されている。なお、移植ユニットは、1つであってもよいし、3つ以上設けられていてもよい。
作業機1は、対地作業装置1B(移植機3)に対して作業する作業者U1が座る複数の椅子を有する。複数の椅子は、複数の前方椅子(第1前方椅子187A、第2前方椅子187B)と、複数の後方椅子(第1後方椅子187G、第2後方椅子187H)である。第1前方椅子187Aは、第1移植ユニット36Aの前方に設けられ、第2前方椅子187Bは、第2移植ユニット36Bの前方に設けられている。また、第1後方椅子187Gは、第1移植ユニット36Aの後方に設けられ、第2後方椅子187Hは、第2移植ユニット36Bの後方に設けられている。
言い換えると、機幅方向K2で並べて設けられた第1苗供給装置38A及び第2苗供給装置38Bを有する移植機2において、第1前方椅子187Aは、第1苗供給装置38Aの前方に設けられ、第2前方椅子187Bは、第2苗供給装置38Bに前方に設けられている。また、第1後方椅子187Gは、第1苗供給装置38Aの後方に設けられ、第2後方椅子187Hは、第2苗供給装置38Bの後方に設けられている。
なお、移植ユニットが一つである場合は、前方椅子及び後方椅子は、それぞれ1つづつ設けられる。即ち、前方椅子は、少なくとも1つ設けられ、後方椅子も、少なくとも1つ設けられる。
苗供給装置38の前後に作業者U1が座る椅子を設けることにより、作業機1(対地作業装置1B)の機幅方向K2の幅を減少させる(狭くする)ことができ、圃場間の移動が容易になると共にトラック輸送の際の輸送が容易(有利)になる。また、第1開放位置D1(苗落とし位置)及び第2開放位置D2(苗落とし位置)が、供給カップ171、172の移送経路R1の前後方向中途部に位置するので、即ち、苗を落とす位置が目の前にないので、供給カップ171、172への苗の供給作業が容易になる。また、前の作業者U1と後の作業者U1の作業が統一されるため、作業者U1の交代が容易になる。
図57に示すように、第1前方椅子187A及び第2前方椅子187Bは、取付体196の連結枠材196Cにシート支持部材198を介して取り付けられている。図57、図58に示すように、第1後方椅子187G及び第2後方椅子187Hは、シートフレーム197のフレーム本体199に取り付けられている。詳しくは、第1後方椅子187Gは、シート支持部材227Aを介して第3フレーム部203に取り付けられている。第2後方椅子187Hは、シート支持部材227Bを介して第3フレーム部203に取り付けられている。
上記一実施形態に比べ、フレーム本体199の第1フレーム部201及び第2フレーム部202は、前後長さが短く、フレーム連結機構200の第1機構200A及び第2機構200Bは、前後方向に長く形成されている。フレーム本体199は、苗供給装置38の後方に配置されている。また、上記一実施形態と同様に、フレーム本体199は、機幅方向K2に長く形成されている。このフレーム本体199における機幅方向K2の一側部(左側部)に第1車輪296Aが設けられ、フレーム本体199における機幅方向K2の他側部(右側部)に第2車輪206Bが設けられている。第3車輪206Cは、フレーム本体199における機幅方向K2の中途部(中央部)に設けられている。言い換えると、第3車輪206Cは、第1後方椅子187Gと第2後方椅子187Hとの間に配置されている。
また、この他の実施形態では、リンク部材215は、作業機連結機構41とシートフレーム197とにわたって設けられている。図57、図59に示すように、本実施形態では、リンク部材215は、ツールバー43と、フレーム連結機構200の上側のリンク209Aとにわたって設けられている。また、本実施形態では、複数本のリンク部材215(第1リンク部材215A、第2リンク部材215B)を有する。
なお、リンク部材215は、1本であってもよい。言い換えると、少なくとも一本のリンク部材215を有していればよい。また、リンク部材215は、シートフレーム197と、移植機3と共に昇降する部材又は移植機3とにわたって設けられていればよい。
図58に示すように、第1リンク部材215Aは、第1側枠材196A及び第1機構200Aの機幅内方に配置されている。第2リンク部材215Bは、第2側枠材196B及び第2機構200Bの機幅内方に配置されている。
図58~図60に示すように、第1リンク部材215Aの前端部(上端部)は、ツールバー43の後面に固定されたブラケット部材228Aに枢軸229Aを介して機幅方向K2の軸心回りに回転自在に枢支されている。第2リンク部材215Bの上部(前部)は、ツールバー43の後面に固定されたブラケット部材228Bに枢軸229Bを介して機幅方向K2の軸心回りに回転自在に枢支されている。
係合ピン221は、第1機構200Aのリンク209Aと、第2機構200Aのリンク209Aとに機幅内方に突出状に設けられている。左の係合ピン221は、第1リンク部材215Aの長穴220に挿通され、右の係合ピン221は、第2リンク部材215Bの長穴220に挿通されている。
なお、係合ピン221は、フレーム本体199に設けられていてもよい。また、リンク部材215の前端部は、機枠37に枢支されていてもよい。
この他の実施形態にあっては、作業時において、シートフレーム197が上下動すると、係合ピン221が長穴220内を移動することで、シートフレーム197の上下動が許容される。また、作業機1をトラック等に積み込む際やトラック等から降ろす際などにおいて、図59の仮想線、図61に示すように、ツールバー43を上昇させて移植機3を持ち上げると、リンク部材215が上動すると共に係合ピン221が長穴220の下端に当接し、且つ係合ピン221が長穴220の下端に当接した状態でリンク部材215が上動することで、シートフレーム197を持上げ(引き上げ)ることができる。
以上のように、リンク部材215は、作業時においてシートフレーム197の上下動を許容し、且つ昇降駆動装置42によって移植機3を持ち上げる際に、第2対地作業機の上昇に伴って上動してシートフレーム197を引き上げることができる。
その他の構成は、図1~図56に記載の一実施形態の作業機1と同様に構成される。
図62~図73は、植付け深さの自動調整システムの他の例を示している。
図62、図63は、機枠37の対地高さを検出する検出機構231を示している。
検出機構231は、圃場の凹凸に追従して上下動する検出部材232と、検出部材232の上下動に連動して回転するカム233と、カム233に係合する第1リミットスイッチ234、第2リミットスイッチ235及び第3リミットスイッチ236とを有する。
検知部材231は、本実施形態では、覆土輪81L、81Rである。検知部材231は、機枠37に上下揺動自在に支持された支持フレーム237の後部に取り付けられている。支持フレーム237は、前部に機幅方向K2の軸心を有する筒状のボス238が設けられている。このボス238は、機枠37に設けられた支持杆239に支持されている。支持杆239は、機幅方向K2に延伸する軸心を有し、第7フレーム材65gから下方に延出する支持プレート240に固定されている。ボス238は、支持杆239の外側に、軸心回りに回転自在で且つ機幅方向K2に移動可能に嵌められている。これにより、支持フレーム237が上下に揺動可能であると共に、機幅方向K2に位置調整可能である。支持フレーム237が上下に揺動することにより、検出部材232が上下動可能である。ボス238は、機幅方向K2の任意の位置で支持杆239に固定具によって固定可能である。
図62、図65、図66に示すように、機枠37には、取付プレート243が設けられている。取付プレート243は、第9フレーム材65iと第13フレーム材65mとにわたって設けられていると共に第13フレーム材65mから左方に突出している。取付プレート243は、縦壁243aと、縦壁243aの上部から後方に延出する上壁243bと、縦壁243aの下部から後方に延出する下壁243cとを有する。
図67、図68、図69に示すように、縦壁243aには、支持部材244が取り付けられている。支持部材244は、第1部材245と、第2部材246とを有する。第1部材245は、縦壁243aに複数のボルト247等によって固定された取付壁245aと、取付壁245aの左端から後方に延出された第1支持壁245bと、取付壁245aの右端から後方に延出された第2支持壁245cとを有する。縦壁243aに形成されたボルト挿通孔は機幅方向K2に長く形成されている。したがって、第1部材245(支持部材244)は、機幅方向K2に位置調整可能とされている。第2部材246は、第1支持壁245bと第2支持壁245cとにわたって設けられている。第2部材246は、第1支持壁245b及び第2支持壁245cに機幅方向K2の軸心回りに回転自在に支持されている。第2部材246は、後部に、平坦面に形成された取付面246aを有し、且つ上部に平坦面に形成された当接面246bを有する。第2部材246は、上下方向に貫通する挿通穴246cを有する。
図67に示すように、支持部材244には、検出部材232の上下動に伴って上下動する可動部材248が上下動可能に支持されている。可動部材248は、ロッド部材242と、係合部材249とを有する。ロッド部材242は、第2部材246の挿通穴246cを上下方向に移動可能に挿通している。
図64に示すように、ロッド部材242の下端部は、支持フレーム237の後部に設けられた取付ステー241に機幅方向K2の軸心回りに回転自在に支持されている。したがって、ロッド部材242は、検出部材232の上下動に伴って上下動する。
係合部材249は、ロッド部材242と共に上下動することで、後述するアーム部233bをカム支軸255回りに揺動させるべくアーム部233bに係合する。
図67、図68に示すように、係合部材249は、筒部材251と、係合軸252とを有する。筒部材251は、ロッド部材242に上下方向移動可能に嵌められている。また、筒部材252は、固定ネジ250によってロッド部材242に取り付けられている。したがって、固定ネジ250を緩めることにより、ロッド部材242に対して筒部材252が上下位置調整可能である。係合軸252は、筒部材251に径方向外方(右方)に突出状に設けられている。
図67、図68に示すように、支持部材244には、取付部材253が取り付けられている。取付部材253は、カム取付部253aと、第1スイッチ取付部253bと、第2スイッチ取付部253cと、第3スイッチ取付部253dと、取付壁部253eとを有する。第1スイッチ取付部253bは、カム取付部253aから上方に延出している。第2スイッチ取付部253cは、カム取付部253aから下方に延出している。第3スイッチ取付部253dは、カム取付部253aから後方に延出している。取付壁部253eは、第2スイッチ取付部253cの下部から左方に延出している。
カム取付部253aの右面には、支持筒254が固定され、支持筒254には、カム233に固定されたカム支軸255が機幅方向K2の軸心回りに回転自在に支持されている。第1スイッチ取付部253bには、第1リミットスイッチ234が取り付けられ、第2スイッチ取付部253cには、第2リミットスイッチ235が取り付けられ、第3スイッチ取付部253dには、第3リミットスイッチ236が取り付けられている。カム233、第1スイッチ取付部253b、第2リミットスイッチ235及び第3スイッチ取付部253dは、取付部材253の機幅方向K2の同じ側(左側)に配置されている。取付壁部253eは、第2部材246の取付面246aにボルト等によって取り付けられている。
カム233は、カム支軸255によってカム取付部253aに回転自在に支持されたカム本体部233aと、該カム本体部233aと一体回転するアーム部233bとを有する。
カム本体部233aは、カム支軸255を中心とする円板状に形成され、外周部に、径方向外方に突出した第1押圧部233c、第2押圧部233d及び第3押圧部233eを有する。
第1押圧部233cは、第1リミットスイッチ234を押圧する部位である。詳しくは、第1押圧部233cは、第1リミットスイッチ234の接触子234aを押圧する部位である。第2押圧部233dは、第2リミットスイッチ235を押圧する部位である。詳しくは、第2押圧部233dは、第2リミットスイッチ235の接触子235aを押圧する部位である。第3圧部233eは、第3リミットスイッチ236を押圧する部位である。詳しくは、第3押圧部233eは、第3リミットスイッチ236の接触子236aを押圧する部位である。
アーム部233bは、カム本体部233aから前方側に突出して、筒部材251の側方(右側方)に位置している。アーム部233bは、長手方向に形成された係合穴233fを有する。係合穴233fには、係合軸252が挿通している。
上記検出機構231にあっては、図67に示す状態が中立状態であり、このとき、第1リミットスイッチ234、第2リミットスイッチ235及び第3リミットスイッチ236は、カム233に押圧されていない。即ち、第1リミットスイッチ234、第2リミットスイッチ235及び第3リミットスイッチ236は、OFF状態である。
この中立状態から、検出部材232が上動すると、これに連動してロッド部材242が上動する。すると、図71に示すように、ロッド部材242と共に筒部材251が上動し、係合軸252がアーム部を押し上げ、カム233が矢印a1方向(一方向)に回転する。カム233が一方向a1に回転すると、第1押圧部233cが第1リミットスイッチ234を押圧する。これにより、第1リミットスイッチ234がONされて検出部材232の上動を検出する。
また、図67の中立状態から、検出部材232が下動すると、ロッド部材242が下動する。すると、図72に示すように、ロッド部材242と共に筒部材251が下動し、係合軸252がアーム部を引き下げ、カム233が矢印a2方向(一方向の反対側である他方向)に回転する。カム233が他方向a2に回転すると、第2押圧部233dが第2リミットスイッチ235を押圧する。これにより、第2リミットスイッチ235がONされて検出部材232の下動を検出する。
また、第2押圧部233dが第2リミットスイッチ235を押圧している状態(図72に示す状態)で、さらに検出部材232が下動すると、図73に示すように、筒部材251下動し、係合軸252がアーム部を引き下げ、カム233がさらに他方向a2に回転する。すると、第3押圧部233eが第3リミットスイッチ236を押圧し、第3リミットスイッチ236がONされる。したがって、第3リミットスイッチ236は、第2押圧部233dが第2リミットスイッチ235を押圧している状態で、さらに検出部材232が下動したことを検出する。これにより、例えば、作業機1を旋回する時などにおいて、機枠37を上昇させたときに、機枠37の急激な上昇(過度の上昇)を検出する。また、このとき、筒部材251が第2部材246の当接面246bに当接し、検出部材232の下動が規制される。
図70は、昇降駆動装置42を制御する制御装置26(制御回路)を示している。制御装置26は、第1リミットスイッチ234、第2リミットスイッチ235、第3リミットスイッチ236、第1リレー256、第2リレー257を有する。第1リミットスイッチ234、第2リミットスイッチ235は、常開形の接点を有するスイッチであり、第3リミットスイッチ236は常閉形の接点を有するスイッチである。第1リレー256及び第2リレー257は、コイル及び該コイルが励磁されることで閉じる接点を有する常開形のリレーである。第1リミットスイッチ234と第1リレー256は、直列状に接続され、第2リミットスイッチ235と第3リミットスイッチ236と第2リレー257とは、直列状に接続されている。
図17、図70~図73を参照して、機枠37の自動高さ調整(苗の植付け深さ自動調整)について説明する。
機枠37が設定対地高さに在る状態から、検出部材232が上動してカム233が一方向a1に回転し、第1リミットスイッチ234がONすると、該第1リミットスイッチ234の接点が閉じ、第1リレー256が励磁状態となる。第1リレー256が励磁されると、該第1リレー256の接点が閉じ、図17に示す昇降駆動装置42の第1ソレノイド71dに上昇指令信号が送られる。言い換えると、第1リミットスイッチ234の接点が閉じると共に第1リレー256の接点が閉じると、第1リレー256から昇降駆動装置42へ第1電流e1が流れ、該第1リレー256からの第1電流e1によって第1ソレノイド71dが通電される。これにより、電磁弁71が中立位置71aから上昇位置71bに切り替えられ、昇降シリンダC1が収縮して機枠37が上昇する。一方、機枠37が上昇すると、カム233が他方向a2に回転する。そして、機枠37が設定対地高さに戻ると、カム233が中立位置に戻り、第1リミットスイッチ234がOFFすると共に電磁弁71が中立位置71aに戻り、機枠37が停止する。
機枠37が設定対地高さに在る状態から、検出部材232が下動してカム233が他方向a2に回転し、第2リミットスイッチ235がONすると、該第2リミットスイッチ235の接点が閉じ、第2リレー257が励磁状態となる。第2リレー257が励磁されると、該第2リレー257の接点が閉じ、昇降駆動装置42の第2ソレノイド71eに上昇指令信号が送られる。言い換えると、第2リミットスイッチ235の接点が閉じると共に第2リレー257の接点が閉じると、第2リレー257から昇降駆動装置42へ第2電流e2が流れ、該第2リレー257からの第2電流e2によって第2ソレノイド71eが通電される。これにより、電磁弁71が中立位置71aから下昇位置71cに切り替えられ、昇降シリンダC1が伸長して機枠37が下昇する。一方、機枠37が下昇すると、カム233が一方向a1に回転する。そして、機枠37が設定対地高さに戻ると、カム233が中立位置に戻り、第2リミットスイッチ235がOFFすると共に電磁弁71が中立位置71aに戻り、機枠37が停止する。
上記の制御によって、機枠37が設定した対地高さに自動調整されて、苗の植付け深さが設定した深さに自動調整される。
また、第2リミットスイッチ235がONした状態から、さらに検出部材232が下動してカム233が他方向a2に回転し、第3リミットスイッチ236がONすると、該第3リミットスイッチ236の接点が開き、第2リレー257が非励磁状態となる。第2リレー257が非励磁状態となると、第2ソレノイド71eへの上昇指令信号の送信が停止する。言い換えると、昇降駆動装置42(第2ソレノイド71e)への第2電流e2の供給(通電)が停止する。これにより、電磁弁71が中立位置71aに戻り、機枠37が停止する。
例えば、枕地で作業機1を旋回する時には、対地作業装置1B(ロータリ耕耘機2及び移植機3)を持ち上げて旋回する。このとき、第2リミットスイッチがONされたままであると、機枠37が下降し続けることとなるが、このようなときに、第3リミットスイッチ236の接点が開くことにより、機枠37は停止する。即ち、旋回時など、機枠37を急激に上昇させるときには、機枠37は下降し続けなく、停止する。
また、上記検出機構231にあっては、固定ネジ250を緩めて筒部材251をロッド部材242に対して上下に移動し、任意の移動位置で固定ネジ250を締め付けて固定することにより、機枠37の設定対地高さを変更することができる。即ち、筒部材251を上方に移動させると、カムが一方向a1に回転して、第1リミットスイッチ234がONし、機枠37が上昇する。また、筒部材251を下方に移動させると、カムが他方向a2に回転して、第2リミットスイッチ235がONし、機枠37が下降する。これにより、機枠37の設定対地高さを変更することができる。
また、植付装置の機幅方向K2の位置を調整して、苗の条間調整する場合、覆土輪である検出部材232も植付装置の位置調整に対応して機幅方向K2の位置を調整しなければならない。このようなときに、ボルト237を緩めて取付プレート243に対して支持部材244を機幅方向K2に移動させると、検出部材232と共に、支持部材244、可動部材248及び取付部材253が機幅方向K2に移動され、検出機構231を苗の条間調整に容易に対応させることができる。
図74は、他の形式の植付装置39にアシスト装置151を採用した例を示している。植付装置39以外の構成は、上記の一実施形態と同様に構成される。
この図74に示す植付装置39にあっては、植付具64を昇降可能に支持する植付昇降機構261は、リンク機構によって構成されている。
植付昇降機構261は、機枠37に固定の植付フレーム260に上部が枢支された第1揺動リンク262A及び第2揺動リンク262Bと、該第1揺動リンク262A及び第2揺動リンク262Bの下部に枢支された揺動体263と、この揺動体263に前部が枢支されていて後上方へ延びる第3揺動リンク264A及び第4揺動リンク264Bと、該第3揺動リンク264A及び第4揺動リンク264Bの後部に枢支されたプレート部材265とを有する。
プレート部材265に取付部材122が取り付けられ、取付部材122に植付具64が開閉可能に取り付けられている。第3揺動リンク264Aは回転アーム266によって植付駆動軸267に連結されている。
植付駆動軸267が回転することにより、第1揺動リンク262A及び第2揺動リンク262Bが前後に揺動すると共に第3揺動リンク264A及び第4揺動リンク264Bが上下に揺動することで、植付具64が略楕円状の軌跡A1を描くように昇降する。
また、植付装置39は、植付具64を開閉する開閉機構268を有する。開閉機構268は、植付具64が下死点位置まで下降して圃場に突入した際に、植付具64を開き、植付具64が下死点位置から上死点位置に上昇する間に植付具64を閉じる。
アシスト装置151の可動杆155の先端部のボス159は、プレート部材265に支軸158を介して枢支されている。可動杆155の基部側が挿通されるホルダ156は、揺動体263に固定されたホルダブラケット160に回転可能に取り付けられている。アシスト装置151のその他の構成は、図32、図33に示すアシスト装置151と同様に構成される。
この図74に示す植付装置39にあっても、スプリング作動機構153は、植付昇降機構261の揺動動作(植付具64を昇降させる動力)によって動作してアシストスプリング(圧縮スプリング)152を伸縮させる。詳しくは、スプリング作動機構153は、植付具64が下降する際にアシストスプリング152を圧縮すると共に植付具64が上昇する際にアシストスプリング152を伸長させる。
図75は、複数の電磁クラッチ(第1クラッチ269A、第2クラッチ269B)によって植付装置39及び苗供給装置38へ伝達される動力の切断時間を制御するようにした移植機3を示している。移植機3は、トラクタ1Aに装着されたロータリ耕耘機2に昇降可能に装着されていてもよいし、トラクタ1Aに直接昇降可能に装着されていてもよい。
図75に示すように、移植機3は、複数の主軸(第1主軸270A、第2主軸270B)を有する。第1主軸270Aには、動力源271の動力が巻掛け伝動機構272、第1入力軸273A、第1クラッチ269Aを介して動力が伝達される。第2主軸270Bには、動力源271の動力が巻掛伝動機構272、第2入力軸273B、第2クラッチ269Bを介して動力が伝達される。
動力源271は、トラクタ1Aの原動機(エンジン)であってもよいし、移植機3等に装備される電動モータ等であってもよい。
移植機3は、機幅方向K2に並設された複数の植付装置(39A1~39A3、39B1~39B3)を有する。言い換えると、移植機3(作業機1)は、機幅方向K2に並設された複数の植付具64を有する。また、移植機3は、機幅方向K2に並設された複数の苗供給装置(38A1~38A3、38B1~38B3)を有する。苗供給装置38は、各植付装置39に対応した数、設けられている。
植付装置39A1~39A3は、第1主軸270Aから動力が伝達されて昇降駆動され、苗供給装置38A1~38A3は、第1主軸270Aから動力が伝達されて駆動される。
植付装置39B1~39B3は、第2主軸270Bから動力が伝達されて昇降駆動され、苗供給装置38B1~38B3は、第2主軸270Bから動力が伝達されて駆動される。
以上のように、第1クラッチ269Aは、機幅方向K2で隣接する植付具64のうちの一方に伝達される動力を断続し、第2クラッチ269Bは、隣接する植付具64のうちの他方に伝達される動力を断続する。
また、各植付装置39(植付具64)は、機幅方向K2に一列状に並べて配置されていてもよいし、機幅方向K2で隣接する植付装置39(植付具39)が前後方向K1において位置ずれするように設けられていてもよい。
その他の構成は、上記一実施形態と同様に構成される。
この図75に示す移植機3にあっては、全ての植付具64を上下動範囲の上死点位置で停止させることができ、上死点位置での苗の受け渡しが安定的に行える。また、隣接する植付具への動力伝達の切断時間は、別々に設定することができるので、隣接する植付条の進行方向の間隔を任意に調整可能である。即ち、機幅方向K2で隣り合う苗の前後方向の距離(間隔)を自由に変えることができる。また、隣接する植付条ごとに株間を変更することができる。
図76も、上記と同様、複数の電磁クラッチによって植付装置39及び苗供給装置38へ伝達される動力の切断時間を制御するようにした移植機3を示している。
図76に示す移植機3では、複数の電磁クラッチは、複数の第1クラッチ(269A1~269A3)と、複数の第2クラッチ(269B1~269B3)とを有する。
駆動源271の動力は、巻掛伝動機構277を介して主軸270に伝達される。主軸270に伝達された動力は、巻掛伝動機構264A1を介して軸275A1に伝達され、巻掛伝動機構264A2を介して軸275A2に伝達され、巻掛伝動機構264A3を介して軸275A3に伝達される。また、軸275A1に伝達された動力は、巻掛伝動機構274B1を介して軸275B1に伝達され、軸275A2に伝達された動力は、巻掛伝動機構274B2を介して軸275B2に伝達され、軸275A3に伝達された動力は、巻掛伝動機構274B3を介して軸275B3に伝達される。
軸275A1に伝達された動力は、第1クラッチ269A1を介して駆動軸276A1に断続可能に伝達され、軸275A2に伝達された動力は、第1クラッチ269A2を介して駆動軸276A2に断続可能に伝達され、軸275A3に伝達された動力は、第1クラッチ269A3を介して駆動軸276A3に断続可能に伝達される。駆動軸276A1から苗供給装置38A1及び植付装置39A1に動力が伝達され、駆動軸276A2から苗供給装置38A2及び植付装置39A2に動力が伝達され、駆動軸276A3から苗供給装置38A3及び植付装置39A3に動力が伝達される。
また、軸275B1に伝達された動力は、第2クラッチ269B1を介して駆動軸276B1に断続可能に伝達され、軸275B2に伝達された動力は、第2クラッチ269B2を介して駆動軸276B2に断続可能に伝達され、軸275B3に伝達された動力は、第2クラッチ269B3を介して駆動軸276B3に断続可能に伝達される。駆動軸276B1から苗供給装置38B1及び植付装置39B1に動力が伝達され、駆動軸276B2から苗供給装置38B2及び植付装置39B2に動力が伝達され、駆動軸276B3から苗供給装置38B3及び植付装置39B3に動力が伝達される。
その他の構成は、上記一実施形態と同様に構成される。
図77は、他の実施形態に係る電磁クラッチ24の制御系統、移植機3の動力伝達系統を示すブロック図を示している。
この実施形態では、電動モータ278の動力によって、移植機3(苗供給装置38A~38C及び植付具64)が駆動する。したがって、電動モータ278は、植付具64を昇降させると共に苗供給装置38A~38Cを作動させる動力を発生する駆動モータである。電動モータ278は、例えば、移植機3の機枠37に取り付けられる。また、電動モータ278は、例えば、トラクタ1AのバッテリB1に接続され、該バッテリB1から電力が供給される。
電動モータ278の回転動力は、ギア、スプロケット等を有する動力伝達装置280Aを介して電磁クラッチ24に伝達されると共に、該電磁クラッチ24からウォーム30に動力が断続可能に伝達される。ウォーム30に伝達された動力は、ギア、スプロケット等を有する動力伝達装置280Bを介して移植機3に伝達される。
また、電動モータ278は、制御装置26に接続され、該制御装置26によって回転数の制御が行われる。制御装置26は、例えば、トラクタ1AのバッテリB1に接続され、該バッテリB1から電力が供給される。制御装置26には、トラクタ1Aの車速又は移動量を検出する検出センサ279が接続されている。検出センサ279は、例えば、トラクタ1Aに装備された車速センサ、又はトラクタ1Aの走行距離を測定する距離センサ(回転センサ)を採用できる。制御装置26は、検出センサ279によって検出された車速又は移動量に連動して電動モータ(駆動モータ)278の回転数を制御する。これにより、植付具64の動作を車速に連動させることができる。
また、制御装置26には、株間設定器27が接続されている。株間設定器27は、上述の一実施形態と同様である。また、制御装置26は、株間設定部26aと速度規制部26dとを有する。株間設定部26aは、検出センサ279及び株間設定器27からの信号を取得し、株間設定器27で設定した株間の設定値と、検出センサ279によって得られる作業機1の移動量とに基づいて、電磁クラッチ24の切断時間を設定する。これにより、苗を設定した株間に植え付けることができる。
速度規制部26dは、車速が、植付具64の昇降速度の駆動限界を超過させる速度となる場合に、昇降速度を駆動限界以下の所定速度に制御する。もしくは、速度規制部26dは、車速が、植付具64の昇降速度の駆動限界を超過させる速度となる場合に、植付具64を停止させる。植付具64の動作を停止させるには、例えば、電磁クラッチ24を切断する。これにより、植付装置39の破損を防止することができる。
図77の実施形態において、設定した株間を得るために、電動モータ278を断続運転させるようにしてもよい。即ち、電動モータ278を停止させ、その停止時間によって植え付けられる苗の株間を設定するようにしてもよい。したがって、この場合、株間設定部26aは、電動モータ(駆動モータ)278の切断時間を設定することにより植え付けられる苗の株間を設定する。また、この場合、電磁クラッチ30は設けなくてもよい。
図77に示すように、電動モータ278で移植機3を駆動するものにあっては、植付ユニット36が多数設けられると、動力が不足することが考えられる。この場合、図78に示すように、駆動モータを油圧モータ281で構成することで、大きい動力を得ることができ、植付ユニット36の多数化に対応することができる。また、トラクタ1Aからロータリ耕耘機2に伝達される動力を分岐して移植機3に伝達するようにしたものにあっては、植付速度に合わせてロータリ耕耘機2の回転軸16の回転数も変化するため、耕耘部18の砕土性能に影響を及ぼすが、駆動モータで移植機3を駆動することにより、植付速度に関係なく、回転軸16の回転数を決定することができる。
図78に示す実施形態は、例えば、油圧モータ281の回転数を制御する流量調整弁284を有する。流量調整弁284は、制御装置26に接続され、制御装置26は、検出センサ279によって検出された車速又は移動量に連動して流量調整弁284を制御し、油圧モータ281に供給される油圧の流量を調整する。この油圧モータ281に供給される油圧の流量の調整により、トラクタ1Aの車速又は移動量に連動して、油圧モータ281の回転数を制御する。
流量調整弁284に対する油圧の供給は、例えば、トラクタ1A以外に装備される油圧ポンプである油圧供給源283によって行われる。この油圧ポンプは、駆動源282の動力によって駆動される。この油圧ポンプを駆動する駆動源282として、動力取出軸(PTO軸)22、原動機(エンジン)E1、電動モータ等が考えられる。また、流量調整弁284に対する油圧の供給は、トラクタ1Aに設けられた油圧取出部(油圧供給源283)であってもよい。この場合、油圧取出部から取り出される油圧は、トラクタ1Aに装備された油圧ポンプで発生する油圧である。
また、油圧供給源283としては、トラクタ1Aに装備された補助コントロールバルブであってもよい。この場合、流量調整弁284は、不要であり、補助コントロールバルブで油圧モータ281の回転数が制御され、補助コントロールバルブは制御装置26によって制御される。
この図78に示す実施形態にあっても、電磁クラッチ24を設けずに、駆動モータ285を断続運転することにより、設定した株間に苗を植え付けるようにしてもよい。
図78に示す実施形態のその他の構成は、図77に示す実施形態と同様に構成される。
図79に示す実施形態は、図78の実施形態における油圧モータ281に代えて、静油圧無段変速機(HST:Hydro Static Transmission)284によって移植機3を駆動するようにした実施形態を示す。
HST284は、HSTポンプ284aとHSTモータ284bとを有する。HSTポンプ284aは、駆動モータ285の動力によって駆動される。駆動モータ285は、油圧モータ又は電動モータ等で構成される。駆動モータ285が油圧モータの場合、例えば、流量調整弁284又は補助コントロールバルブ283から油圧が供給されて回転駆動される。駆動モータ285が電動モータの場合、電動モータはバッテリB1に接続され、例えば、バッテリB1から電力が供給され、電動モータが回転駆動される。
HSTポンプ284aは、例えば、斜板形可変容量ポンプで構成され、一対の変速用油路によりHSTモータ284bと閉回路接続されている。そして、HSTポンプ284aからの吐出油によって、HSTモータ284bが駆動されて回転する。HSTモータ284bの回転動力は、動力伝達装置280Aを介して電磁クラッチ24に伝達されると共に、該電磁クラッチ24からウォーム30に動力が断続可能に伝達される。
図79に示す実施形態は、HSTポンプ284aの回転を制御するアクチュエータ286を有する。アクチュエータ286は、制御装置26及びHST284(HSTポンプ284a)に接続されている。制御装置26は、検出センサ279によって検出された車速又は移動量に連動してアクチュエータ286を制御し、且つアクチュエータ286によってHSTポンプ284aの斜板を制御する。HSTポンプ284aの斜板を制御することにより、トラクタ1Aの車速又は移動量に連動して、HSTポンプ284bの回転数を制御する。
本実施形態にあっては、アクチュエータ286は、HSTポンプ284aに電気的に接続され、該アクチュエータ286でHSTポンプ284aを電子制御して回転させる。なお、アクチュエータ286で直接的にHSTポンプ284aの斜板を変更するようにしてもよい。
この図79に示す実施形態にあっても、電磁クラッチ24を設けずに、駆動モータ285を断続運転することにより、設定した株間に苗を植え付けるようにしてもよい。
図79に示す実施形態のその他の構成は、図78に示す実施形態と同様に構成される。
図80は、株間の手動調整機能を示すブロック図である。
図80に示すように、作業機1は、設定した株間の微調整操作をする株間調整スイッチ288を有する。株間調整スイッチ288は、図80に示す基準位置から異なる2方向(矢印b1方向(一方向)、矢印b2方向(他方向))に手動で操作可能なスイッチである。株間調整スイッチ288は、例えば、ロータリスイッチによって構成される。株間調整スイッチ288は、制御装置26に接続されており、制御装置26は、株間調整スイッチ288からの信号を取得する。
株間調整スイッチ288は、外周部に直線状の指示部288aを有する。株間調整スイッチ288の周囲には、指示部288aが指し示す複数の目盛り(第1目盛り289a~第5目盛り289e)が形成されている。
第1目盛り289aは、株間調整スイッチ288の基準位置で指示部288aが一致する目盛りである。第1目盛り289aは、平地(水平圃場)での作業時に合わせる目盛りである。
第2目盛り289bは、第1目盛り289aと一方向b1において隣接する。第3目盛り298cは、第2目盛り289bと一方向b1において隣接する。第2目盛り289b及び第3目盛り298cは、下り傾斜での作業時(傾斜地を下りながら作業を行う時)に指示部288aを合わせる目盛りである。
第4目盛り289dは、第1目盛り289aと他方向b2において隣接する目盛りである。第5目盛り289eは、第4目盛り289dと他方向b2において隣接する。第4目盛り289d及び第5目盛り289eは、上り傾斜での作業時(傾斜地を上りながら作業を行う時)に指示部288aを合わせる目盛りである。
制御装置26には、株間設定器27が接続されていると共に、株間設定器27で設定した株間を表示する表示部290が接続されている。また、制御装置26には、パルスセンサ25が接続されている。株間設定器27及びパルスセンサ25は、上記一実施形態で説明した通りである。また、制御装置26は、上記一実施形態と同様に株間設定部26aを有する。
株間調整スイッチ288の指示部288aを第1目盛り289aに合わせると、株間設定部26aが電磁クラッチ24を制御し、株間設定器27で設定した株間で苗が植え付けられる。詳しくは、制御装置26は、電磁クラッチ24を切断した時点からパルスセンサ25が発信するパルス数をカウントし、カウントしたパルス数が株間設定器27で設定されたパルス数に達すると、電磁クラッチ24を接続させる信号を発信する。株間設定器27が、パルス数を設定及び変更することで、株間設定部26aが、電磁クラッチ24の切断時間を設定及び変更する。これにより、株間の設定及び変更をすることができる。
制御装置26は、株間調整スイッチ288の操作に基づいて、実際の株間を、設定された株間に一致させるように補正する補正部(第1補正部という)26eを有する。
下り傾斜での作業時にあっては、作業機1が進行方向に引っ張られるため、スリップ率が小さくなり、実際の株間が長くなる傾向にある。この下り傾斜での作業時にあっては、例えば、指示部288aを、小さい傾斜のときには第2目盛り289bに合わせ、該傾斜よりも大きい傾斜のときには第3目盛り289cに合わせる。
株間の調整を具体的に説明すると、指示部288aを第2目盛り289bに合わせると、例えば、第1補正部26eは、株間設定器27で設定されたパルス数から1パルスを引き算し、この引き算されたパルス数に達すると電磁クラッチ24を接続する。また、指示部288aを第3目盛り289cに合わせると、例えば、第1補正部26eは、株間設定器27で設定されたパルス数から2パルスを引き算し、この引き算されたパルス数に達すると電磁クラッチ24を接続する。
以上のように、株間調整スイッチ288を、第2目盛り289b又は第3目盛り289cに合わせた場合に、電磁クラッチ24の切断時間は、株間設定器27で設定された切断時間よりも短くなる。言い換えると、第1補正部は26e、株間調整スイッチ288を一方向b1に操作した際の操作量に応じて、電磁クラッチ24の切断時間を株間設定部26aで設定された切断時間よりも短くする。これにより、下り傾斜での植付作業において、苗を、設定した株間で植え付けることができる又は設定した株間に近い株間で植え付けることができる。
また、上り傾斜での作業時にあっては、作業機1が進行方向とは逆方向に引っ張られるため、スリップ率が大きくなり、実際の株間が短くなる傾向にある。この上り傾斜での作業時には、指示部288aを、小さい傾斜のときには第4目盛り289dに合わせ、大きい傾斜のときには第5目盛り289eに合わせる。
具体的には、指示部288aを第4目盛り289dに合わせると、例えば、第1補正部26eは、株間設定器27で設定されたパルス数から1パルスを足し算し、この足し算されたパルス数に達すると電磁クラッチ24を接続する。また、指示部288aを第5目盛り289eに合わせると、例えば、第1補正部26eは、株間設定器27で設定されたパルス数から2パルスを足し算し、この足し算されたパルス数に達すると電磁クラッチ24を接続する。
以上のように、株間調整スイッチ288を、第4目盛り289d又は第5目盛り289eに合わせた場合に、電磁クラッチ24の切断時間は、株間設定器27で設定された切断時間よりも長くなる。言い換えると、第1補正部26eは、株間調整スイッチ288を他方向b2に操作した際の操作量に応じて、電磁クラッチ24の切断時間を株間設定部26aで設定された切断時間よりも長くする。これにより、上り傾斜での植付作業において、苗を、設定した株間で植え付けることができる又は設定した株間に近い株間で植え付けることができる。
また、表示部290に表示される株間を変更させることなく、株間の調整が行える。
また、第1補正部26eによる電磁クラッチ24の切断時間の制御は、以下に説明するように、スリップ率によって行ってもよい。
下り傾斜での作業時においては、スリップ率が平地でのスリップ率より小さくなって、実際の株間が長くなる傾向にある。また、上り傾斜での作業時においては、スリップ率が平地でのスリップ率より大きくなって、実際の株間が短くなる傾向にある。したがって、スリップ率が小さくなると電磁クラッチ24の切断時間を短くし、スリップ率が大きくなると電磁クラッチ24の切断時間を長くすることで、傾斜地での作業時において、実際の株間を設定した株間に一致又は近づけられる。
制御装置26には、スリップ率に対応する電磁クラッチ24の切断時間が記憶されている。詳しくは、傾斜地での作業時におけるスリップ率を考慮して算出された電磁クラッチ24の切断時間であって、傾斜地において実際の株間が株間設定器27で設定した株間になるような切断時間が記憶されている。例えば、下り傾斜での作業で且つ小さい傾斜のときのスリップ率に対応する電磁クラッチ24の切断時間(第1切断時間)と、下り傾斜での作業で且つ大きい傾斜のときのスリップ率に対応する電磁クラッチ24の切断時間(第2切断時間)と、上り傾斜での作業で且つ小さい傾斜のときのスリップ率に対応する電磁クラッチ24の切断時間(第3切断時間)と、上り傾斜での作業で且つ大きい傾斜のときのスリップ率に対応する電磁クラッチ24の切断時間(第4切断時間)とが記憶されている。
株間調整スイッチ288を第2目盛り289bにあわせると、第1補正部26eは、第1切断時間で電磁クラッチ24を制御し、株間調整スイッチ288を第3目盛り289cにあわせると、第1補正部26eは、第2切断時間で電磁クラッチ24を制御する。また、株間調整スイッチ288を第4目盛り289dにあわせると、第1補正部26eは、第3切断時間で電磁クラッチ24を制御し、株間調整スイッチ288を第3目盛り289cにあわせると、第1補正部26eは、第4切断時間で電磁クラッチ24を制御する。
図81は、株間の自動調整機能を示すブロック図である。
図81に示すように、作業機1は、当該作業機1の水平に対する傾斜角度及び傾斜方向(例えば、作業機1の前傾角度)を検出する角度センサ291を有する。角度センサ291は、制御装置26に接続されている。制御装置26は、角度センサ291の検出値(作業機1の傾斜角度及び傾斜方向)を取得する。
制御装置26は、角度センサ291の検出値に基づいて、実際の株間を、設定された株間に一致させるように補正する補正部(第2補正部という)26fを有する。第2補正部26fは、下り傾斜における作業では、角度センサ291が検出した作業機1の傾斜角度に応じて(自動で)、電磁クラッチ24の切断時間を、株間設定器27で設定された切断時間よりも短くし、上り傾斜における作業では、角度センサ291が検出した作業機1の傾斜角度に応じて(自動で)、電磁クラッチ24の切断時間を、株間設定器27で設定された切断時間よりも長くする。
例えば、下り傾斜における作業において、作業機1が小さい傾斜であるときには、第2補正部26fは、株間設定器27で設定されたパルス数から1パルスを引き算し、この引き算されたパルス数に達すると電磁クラッチ24を接続させる。また、下り傾斜における作業において、作業機1が大きい傾斜であるときには、第2補正部26fは、株間設定器27で設定されたパルス数から2パルスを引き算し、この引き算されたパルス数に達すると電磁クラッチ24を接続させる。
また、上り傾斜における作業において、作業機1が小さい傾斜であるときには、第2補正部26fは、株間設定器27で設定されたパルス数から1パルスを足し算し、この足し算されたパルス数に達すると電磁クラッチ24を接続させる。また、上り傾斜における作業において、作業機1が大きい傾斜であるときには、第2補正部26fは、株間設定器27で設定されたパルス数から2パルスを足し算し、この足し算されたパルス数に達すると電磁クラッチ24を接続させる。
また、第2補正部26fによる電磁クラッチ24の切断時間の制御は、スリップ率によって自動で行ってもよい。
即ち、下り傾斜における作業において、作業機1が小さい傾斜であるときには、第2補正部26fは、第1切断時間で電磁クラッチ24を制御し、また、下り傾斜における作業において、作業機1が大きい傾斜であるときには、第2補正部26fは、第2切断時間で電磁クラッチ24を制御する。
また、上り傾斜における作業において、作業機1が小さい傾斜であるときには、第2補正部26fは、第3切断時間で電磁クラッチ24を制御し、また、上り傾斜における作業において、作業機1が大きい傾斜であるときには、第4切断時間で電磁クラッチ24を制御する。
図81に示す実施形態では、制御装置26に接続された切替スイッチ292を有する。切替スイッチ292は、第2補正部26fによる株間の自動調整機能をオンオフするスイッチである。言い換えると、切替スイッチ292は、角度センサ291の検出結果に基づく電磁クラッチ24の切断時間の制御を行わせる場合と、角度センサ291の検出結果に基づく電磁クラッチ24の切断時間の制御を行わせない場合とを選択的に切り替えるスイッチである。これにより、不要なときには、株間の自動調整機能を使用しないようにすることできる。
本実施形態の作業機1は、以下に記載する効果を奏する。
作業機1は、駆動源(エンジンE1)の動力によって昇降し、苗を保持して下降すると共に圃場に突入して苗を植え付ける植付具64と、植付具64を上昇させる方向に付勢する圧縮スプリング152と、植付具64を昇降させる動力によって動作し、植付具64が下降する際に圧縮スプリング152を圧縮すると共に植付具64が上昇する際に圧縮スプリング152を伸長させるスプリング作動機構153と、を備えている。
この構成によれば、植付具64の下降時に圧縮スプリング152が圧縮することにより、植付具64に、自由落下の抵抗となる力を十分に作用させることができる。また、植付具64の上昇時に圧縮スプリング152が伸長することにより、植付具64に、持ち上げる力を十分に作用させることができる。これにより、植付具64の昇降動作を良好に行わせることができる。
また、スプリング作動機構153は、植付具64が上下に一往復する動作に伴って軸心方向に一往復移動する可動杆155と、可動杆155を軸心方向に移動可能に支持するホルダ156と、可動杆155に一体移動可能に取り付けられる規制具157とを有し、圧縮スプリング152は、規制具157とホルダ156との間に介在されていて、植付具64が下降する際に規制具157がホルダ156に接近する方向に移動することで圧縮すると共に植付具64が上昇する際に規制具157がホルダ156から離れる方向に移動することで伸長する。
この構成によれば、圧縮スプリング152を安定的に作動させることができる。
また、スプリング作動機構153は、植付具64が上下に一往復する間に一回転する回転部材154を有し、可動杆155の一端部は、回転部材154における回転中心から偏倚した部位に枢支され、規制具157は、可動杆155における一端部とホルダ156との間に取り付けられる。
この構成によれば、スプリング作動機構153を簡単な構造で構成することができる。
また、規制具157は、可動杆155の軸心方向に位置変更可能に取り付けられる。
この構成によれば、圧縮スプリング152の付勢力を容易に変更することができる。
また、植付具64の位置と圧縮スプリング152の伸縮状態との関係を調整する調整部166を備えている。
この構成によれば、植付具64の位置に対する圧縮スプリング152の圧縮と伸長との切替位置を調整することができる。
また、植付具64を昇降可能に支持する植付昇降機構139と、駆動源の動力を植付昇降機構139に伝達する動力伝達機構105と、を備え、動力伝達機構105は、駆動源の動力によって軸心回りに駆動する回転軸111A~111Cを有し、回転軸111A~111Cの軸心回りの一回転で、植付具64が上下に一往復すると共に圧縮スプリング152が伸縮し、調整部166は、回転軸111A~111Cと一体回転する第1伝動部材167と、第1伝動部材167に連結されて一体回転すると共に植付昇降機構139に動力を伝達する第2伝動部材(駆動スプロケット116R)であって、第1伝動部材167に対して回転軸111A~111Cの軸心回りの回転位置が位置調整可能である第2伝動部材とを有する。
この構成によれば、植付具64の位置と圧縮スプリング152の伸縮状態との関係を調整する構造を簡単に構成することがでできる。
また、植付具64を昇降可能に支持するリンク機構で構成された植付昇降機構139を備え、スプリング作動機構153は、植付昇降機構139の揺動動作によって動作して圧縮スプリング152を伸縮させる。
この構成によれば、植付具64を昇降可能に支持するリンク機構で構成された植付昇降機構139を備えた植付装置において、植付具64の昇降動作を良好に行わせることができる。
また、作業機1は、圃場の凹凸に追従して上下動する検出部材232と、検出部材232の上下動に連動して回転するカム233であって、第1押圧部233c及び第2押圧部233dを有するカム233と、カム233が一方に回転した際に第1押圧部233cによって押圧されて検出部材232の上動を検出する第1リミットスイッチ234と、カム233が他方に回転した際に第2押圧部233dによって押圧されて検出部材232の下動を検出する第2リミットスイッチ235と、を備えている。
この構成によれば、検出部材232の上下動を検出する機構の構造の簡素化を図ることができる。
また、検出部材232の上下動を、カム233とリミットスイッチによって行っているので、検出部材232の機体幅方向の位置調整に対して構造の複雑化を招くことなく容易に対応できる。
また、検出部材232の下動を検出するリミットスイッチであって、第2リミットスイッチ235とは異なる第3リミットスイッチ236を備え、カム233は、他方に回転した際に、第2押圧部233dが第2リミットスイッチ235を押圧している状態で、さらに検出部材232が下動したことを検出すべく第3リミットスイッチ236を押圧する第3押圧部233eを有する。
この構成によれば、第3リミットスイッチ236によって検出部材232の急激な下動を検出することができる。
また、検出部材232の上下動に伴って上下動する可動部材248を備え、カム233は、当該カム233を支持するカム支軸255回りに回転可能なカム本体部233aであって、第1押圧部233c、第2押圧部233d及び第3押圧部233eを有するカム本体部233aと、カム本体部233aと一体回転するアーム部233bとを有し、アーム部233bは、可動部材248と係合し、可動部材248の上下動に伴ってカム支軸255回りに揺動する。
この構成によれば、カム233とリミットスイッチによる検出部材232の上下動の検出機構を簡単に構成することができる。
また、可動部材248は、検出部材232の上下動に伴って上下動するロッド部材242と、ロッド部材242と共に上下動することでアーム部233bをカム支軸255回りに揺動させるべくアーム部233bに係合する係合部材249とを有し、係合部材249は、ロッド部材242に上下方向に位置調整可能に取り付けられる。
この構成によれば、カム233とリミットスイッチとの相対位置を調整することができ、これによって、検出部材232の上下同位置の検出位置の調整を行うことができる。
また、昇降制御可能な機枠37と、機枠37に昇降可能に支持され、且つ下降する際に圃場に突入して苗を植え付ける植付具64と、第1押圧部233cが第1リミットスイッチ234を押圧した際に機枠37を上昇制御し、第2押圧部233dが第2リミットスイッチ235を押圧した際に機枠37を下降制御し、第3押圧部233eが第3リミットスイッチ236を押圧した際に機枠37の下降を停止させる制御装置26と、を備えている。
この構成によれば、苗の植付け深さを一定に保つように自動調整することができる。また、作業機1を旋回させる時などにおいて、機枠37を急激に上昇させると、検出部材232が機枠37に対して相対的に下方に離れるが、この検出部材232の相対的な下降を第2リミットスイッチ235が検出し続けることによって機枠37が下降し続けるのを防止することができる。
また、検出部材232が取り付けられる支持フレーム212であって、機枠37に、上下揺動可能で且つ機枠37の幅方向である機幅方向K2に位置調整可能に取り付けられた支持フレーム212と、第1リミットスイッチ234、第2リミットスイッチ235、第3リミットスイッチ236及びカム233が取り付けられた取付部材253と、機枠37に機幅方向K2に位置調整可能に取り付けられていて、取付部材253が取り付けられた支持部材244と、を備え、可動部材248は、支持フレーム212に取り付けられると共に支持部材244に上下動可能に支持されている。
この構成によれば、検出部材232を機幅方向K2に位置調整する際に、支持フレーム212と共に第1リミットスイッチ234、第2リミットスイッチ235、第3リミットスイッチ236、カム233、取付部材253及び支持部材244を機幅方向K2に一体的に移動させることができる。
また、機枠37を昇降駆動する昇降駆動装置42を備え、制御装置26は、第1リミットスイッチ234に接続され且つ第1リミットスイッチ234が第1押圧部233cによって押圧された際に接点が閉じる第1リレー256と、第2リミットスイッチ235に接続され且つ第2リミットスイッチ235が第2押圧部233dによって押圧された際に接点が閉じる第2リレー257とを有し、且つ、第1リレー256からの第1電流e1によって機枠37を上昇させるべく昇降駆動装置42を起動し、第2リレー257からの第2電流e2によって機枠37を下降させるべく昇降駆動装置42を起動すると共に、第3リミットスイッチ236が第3押圧部233eによって押圧された際に第2リレー257の接点を開いて昇降駆動装置42への第2電流e2の供給を停止する。
この構成によれば、カム233とリミットスイッチとリレーによって、マイコンを使わないで、機枠37の昇降制御を行うことができ、機枠37の昇降システムを安価に構成することができる。
また、昇降駆動装置42は、電動アクチュエータ又は電動油圧アクチュエータを有する装置であるか、或いは、制御装置26によって制御されて作動油の方向を切り替える電磁弁71と、電磁弁71からの作動油によって駆動されて機枠37を昇降駆動する油圧アクチュエータC1とを有する装置であってもよい。
また、作業機1は、走行体1Aと、走行体1Aの後部に昇降可能に装着されたロータリ耕耘機2と、を備え、機枠37は、ロータリ耕耘機2に昇降可能に装着されていてもよい。
また、作業機1は、走行装置7と、走行装置7を駆動する原動機E1と、原動機E1の動力を取り出す動力取出軸22とを有する走行体1Aと、走行体1Aに装着されていて、動力取出軸22から動力が伝達される第1対地作業機(ロータリ耕耘機2)と、第1対地作業機に装着される第2対地作業機(移植機3)であって、動力取出軸22から第1対地作業機を介して伝達される動力によって昇降し且つ下降する際に圃場に突入して苗を植え付ける少なくとも1つの植付具64を有する第2対地作業機と、植付具64に伝達される動力を断続可能な少なくとも1つの電磁クラッチ24、291A、291Bと、電磁クラッチの切断時間を設定することにより植え付けられる苗の株間を設定する株間設定部を有する制御装置26と、を備えている。
この構成によれば、走行体1Aの原動機E1の動力を取り出す動力取出軸22から第1対地作業機を介して伝達される動力によって植付具64を昇降駆動させるようにしているので、植付具64の昇降動作を車速に連動させることができる。これにより、車速が変わっても、植付具64に伝達される動力を断続する電磁クラッチの切断時間を設定することで設定された株間に植え付けることができる。
また、作業機1は、走行体1Aと、走行体1Aに装着された第1対地作業機と、第1対地作業機に装着される第2対地作業機であって、昇降し且つ下降する際に圃場に突入して苗を植え付ける少なくとも1つの植付具64を有する第2対地作業機と、植付具64を昇降させる動力を発生する駆動モータ278と、駆動モータ278から植付具64に伝達される動力を断続可能な少なくとも1つの電磁クラッチ24と、走行体1Aの車速又は移動量を検出する検出センサ279と、検出センサ279によって検出された車速又は移動量に連動して駆動モータ278の回転数を制御する制御装置26と、を備え、制御装置26は、電磁クラッチ24の切断時間を設定することにより植え付けられる苗の株間を設定する株間設定部26aを有する。
この構成によれば、植付具64の昇降動作を車速に連動させることができる。これにより、車速が変わっても、植付具64に伝達される動力を断続する電磁クラッチ24の切断時間を設定することで設定された株間に植え付けることができる。
また、作業機1は、走行体1Aと、走行体1Aに装着された第1対地作業機と、第1対地作業機に装着される第2対地作業機であって、昇降し且つ下降する際に圃場に突入して苗を植え付ける少なくとも1つの植付具64を有する第2対地作業機と、植付具64を昇降させる動力を発生する駆動モータ278と、走行体1Aの車速又は移動量を検出する検出センサ279と、検出センサ279によって検出された車速又は移動量に連動して駆動モータ278の回転数を制御する制御装置26と、を備え、制御装置26は、駆動モータ278の停止時間を設定することにより植え付けられる苗の株間を設定する株間設定部26aを有する。
この構成によれば、植付具64の昇降動作を車速に連動させることができる。これにより、車速が変わっても、植付具64に伝達される動力を断続する駆動モータ278の停止時間を設定することで設定された株間に植え付けることができる。
また、作業機1は、走行体1Aと、走行体1Aに装着された第1対地作業機と、第1対地作業機に装着される第2対地作業機であって、昇降し且つ下降する際に圃場に突入して苗を植え付ける少なくとも1つの植付具64を有する第2対地作業機と、動力を発生する駆動モータ278と、駆動モータ278の動力によって駆動されるHSTポンプ284aと、HSTポンプ284aの吐出油によって駆動されて植付具64を昇降させる動力を発生するHSTモータ284bと、HSTモータ284bから植付具64に伝達される動力を断続可能な少なくとも1つの電磁クラッチ24と、走行体1Aの車速又は移動量を検出する検出センサ279と、検出センサ279によって検出された車速又は移動量に連動してHSTポンプ284aの斜板を変化させることでHSTモータ284bの回転数を制御する制御装置26と、を備え、制御装置26は、電磁クラッチ24の切断時間を設定することにより植え付けられる苗の株間を設定する株間設定部26aを有する。
この構成によれば、植付具64の昇降動作を車速に連動させることができる。これにより、車速が変わっても、植付具64に伝達される動力を断続する電磁クラッチ24の切断時間を設定することで設定された株間に植え付けることができる。
また、作業機1は、走行体1Aと、走行体1Aに装着された第1対地作業機と、第1対地作業機に装着される第2対地作業機であって、昇降し且つ下降する際に圃場に突入して苗を植え付ける少なくとも1つの植付具64を有する第2対地作業機と、動力を発生する駆動モータ278と、駆動モータ278の動力によって駆動されるHSTポンプ284aと、HSTポンプ284aの吐出油によって駆動されて植付具64を昇降させる動力を発生するHSTモータ284bと、走行体1Aの車速又は移動量を検出する検出センサ279と、検出センサ279によって検出された車速又は移動量に連動してHSTポンプ284aの斜板を変化させることでHSTモータ284bの回転数を制御する制御装置26と、を備え、制御装置26は、駆動モータ278の停止時間を設定することにより植え付けられる苗の株間を設定する株間設定部26aを有する。
この構成によれば、植付具64の昇降動作を車速に連動させることができる。これにより、車速が変わっても、植付具64に伝達される動力を断続する駆動モータ278の停止時間を設定することで設定された株間に植え付けることができる。
また、植付具64を昇降可能に支持する植付昇降機構139と、電磁クラッチ24からの動力を植付昇降機構139に伝達するウォーム30と、を備えている。
この構成によれば、ウォーム30のセルフロック機能によって、植付具64のシャクリ(植付具64が停止位置(上死点位置)の手前で停止し逆転すること)の発生を防止することができる。
また、植付具64を昇降可能に支持する植付昇降機構139と、駆動モータ278からの動力を植付昇降機構139に伝達するウォーム30と、を備えている。
この構成によれば、ウォーム30のセルフロック機能によって、植付具64のシャクリの発生を防止することができる。
また、電磁クラッチ24及びウォーム30は第1対地作業機に設けられ、植付昇降機構139は、第2対地作業機に設けられていてもよい。
また、ウォーム30から植付昇降機構139に至る動力伝達経路に設けられた少なくも1つのトルクリミッタ(第1トルクリミッタ33、第2トルクリミッタ109A~第4トルクリミッタ109C)を備えている。
この構成によれば、植付昇降機構139に過負荷が作用した際に、トルクリミッタによって植付昇降機構139への動力伝達が切断され、植付昇降機構139の破損を防止することができる。
また、制御装置26は、車速が、植付具64の昇降速度の駆動限界を超過させる速度となる場合に、昇降速度を駆動限界以下の所定速度に制御する、もしくは植付具64を停止させる速度規制部26dを有する。
この構成によれば、植付具64を昇降させる植付昇降機構139の保護を図ることができる。
また、作業機1は、当該作業機1の幅方向である機幅方向K2に並設された複数の植付具64と、複数の電磁クラッチと、を備え、複数の電磁クラッチは、機幅方向K2で隣接する植付具64のうちの一方に伝達される動力を断続する少なくも1つの第1クラッチ269Aと、隣接する植付具64のうちの他方に伝達される動力を断続する少なくも1つの第2クラッチ269Bとを含む。
この構成によれば、全ての植付具64を上下動範囲の上死点位置で停止させることができ、上死点位置での苗の受け渡しが安定的に行える。また、隣接する植付具64への動力伝達の切断時間は、別々に設定することができるので、隣接する植付条の進行方向の間隔を任意に調整可能である。即ち、機幅方向K2で隣り合う苗の前後方向の距離(間隔)を自由に変えることができる。また、隣接する植付条ごとに株間を変更することができる。
また、作業機1は、異なる2方向に操作可能な株間調整スイッチ288を備え、制御装置26は、株間調整スイッチ288を操作した際の操作量に応じて、2方向のうちの一方向b1に操作したときに株間設定部26aによって設定された切断時間を短くすると共に2方向のうちの他方向b2に操作したときに株間設定部26aによって設定された切断時間を長くする第1補正部26eを有する。
この構成によれば、例えば、傾斜地での植付作業において、苗の株間を設定した株間に一致させることができる、または、設定した株間に近い株間で苗を植え付けることができる。
また、作業機1は、当該作業機1の水平に対する傾斜角度及び傾斜方向を検出する角度センサ291を備え、制御装置26は、角度センサ291で検出された傾斜角度に応じて、下り傾斜での作業のときに株間設定部26aによって設定された切断時間を短くすると共に上り傾斜での作業のときに株間設定部26aによって設定された切断時間を長くする第2補正部26fを有する。
この構成によれば、例えば、傾斜地での植付作業において、苗の株間を設定した株間に一致させることができる、または、設定した株間に近い株間で苗を植え付けることができる。
また、第2補正部26fによる自動株間調整機能をオンオフする切替スイッチ292を備えている。
この構成によれば、不要なときは、自動株間調整機能を使用しないようにすることができる。
また、駆動モータ278は、電動モータ又は油圧モータで構成されていてもよい。
また、作業機1は、圃場を走行する走行体1Aと、走行体1Aの後部に装着された第1対地作業機と、第1対地作業機の後部に昇降可能に装着された機枠37と、機枠37に昇降可能に支持され且つ下降する際に圃場に突入して苗を植え付ける植付具64と、圃場を転動して植付具64で植え付けられた苗を覆土する覆土輪81L、81Rと、機枠37の対地高さを検出する高さ検出機構93とを有する第2対地作業機と、機枠37の対地高さが予め設定した設定対地高さになるように、高さ検出機構93の検出結果に基づいて第1対地作業機に対して機枠37を昇降制御する制御装置26と、を備えている。
この構成によれば、高さ検出機構93及び制御装置26によって、第1対地作業機とは独立して第2対地作業機の対地高さの制御が行える。これにより、第2対地作業機の対地高さの制御を精度よく行える。
また、高さ検出機構93は、圃場の凹凸に追従して上下動する検知部材94と、検知部材94を機枠37に上下動可能に連結する第1連結リンク95と、第1連結リンク95の回転角を検出する第1角度センサ73とを有する。
この構成によれば、第2対地作業機の対地高さの検出を容易に行うことができる。
また、第1対地作業機に機枠37を昇降可能に連結する第2連結リンク101と、第2連結リンク101の回転角を検出する第2角度センサ74と、機枠37を昇降駆動する昇降駆動装置42と、を備え、制御装置26は、第1連結リンク95の回転角と第2連結リンク101の回転角とから決定される設定対地高さを設定する高さ設定部と、第1角度センサ73で検出した第1連結リンク95の回転角に基づいて機枠37の対地高さを設定対地高さにすべく昇降駆動装置42を制御する高さ制御部26cとを有する。
この構成によれば、設定対地高さの設定を容易に行うことができる。
また、検知部材94は、覆土輪81L、81Rで構成されていてもよい。
また、第1対地作業機は、走行体1Aに昇降可能に装着されたロータリ耕耘機2であってもよい。
また、作業機1は、走行体1Aの後部に装着される第1対地作業機と、第1対地作業機の後部に昇降可能に装着される第2対地作業機と、第2対地作業機に対して作業をする作業者U1が座る椅子187A~187Fと、椅子187A~187Fが取り付けられるシートフレーム197であって、第1対地作業機及び第2対地作業機に対して上下動するシートフレーム197と、作業時においてシートフレーム197の上下動を許容し、且つ、第2対地作業機とは独立して又は第2対地作業機の上昇に連動して上動することでシートフレーム197を引き上げることの可能なリンク部材215と、を備えている。
この構成によれば、リンク部材215によってシートフレーム197を引き上げることができる。これにより、作業機1の傾斜移動の際などにおけるシートフレーム197の干渉を防止することができる。また、リンク部材215は、作業時においてシートフレーム197の上下動を許容するので、椅子187A~187Fを圃場の凹凸に追従して上下動させることができる。
また、第1対地作業機に取り付けられていてシートフレーム197が上下動可能に連結される取付体196と、取付体196に上下に揺動可能に取り付けられた揺動部材213と、取付体196に取り付けられていて揺動部材213を上下に揺動させる揺動アクチュエータ214と、を備え、リンク部材215は、揺動部材213とシートフレーム197とにわたって設けられている。
この構成によれば、第2対地作業機とは独立してシートフレーム197を引き上げることができる。
また、リンク部材215は、シートフレーム197と、第2対地作業機と共に昇降する部材又は第2対地作業機とにわたって設けられている。
この構成によれば、第2対地作業機の上昇に連動してシートフレーム197を引き上げることができる。
また、リンク部材215は、長穴220を有し、シートフレーム197は、長穴220を挿通する係合ピン221を有し、作業時において係合ピン221が長穴220内を移動することでシートフレーム197の上下動が許容され、且つ、リンク部材215が上動する際に係合ピン221が長穴220の下端に当接することでシートフレーム197が引き上げ可能である。
この構成によれば、簡単な構成で、作業時においてシートフレーム197の上下動を許容することができると共に、リンク部材215が上動する際にシートフレーム197を引き上げることができる。
また、シートフレーム197は、椅子187A~187Fが取り付けられるフレーム本体199と、フレーム本体199を取付体196に上下動可能に連結するフレーム連結機構200と、フレーム本体199を支持する複数の車輪(第1車輪206A~第5車輪206E)とを有する。
この構成によれば、シートフレーム197を圃場の凹凸に追従して上下動させることができる。
また、フレーム本体199は、第2対地作業機の一側方に配置された第1フレーム201と、第2対地作業機の他側方に配置された第2フレーム202と、第1フレーム201と第2フレーム202の後部同士を連結する第3フレーム203とを有し、複数の車輪は、第1フレーム201の後部側を支持する第1車輪206Aと、第2フレーム202の後部側を支持する第2車輪206Bと、第3フレーム203の中途部を支持する第3車輪206Cとを含む。
この構成によれば、片側の一つの車輪が脱輪してもシートフレーム197を支えることができる。
また、第2対地作業機を第1対地作業機に昇降可能に連結する作業機連結機構41と、第2対地作業機を昇降駆動する昇降駆動装置42と、を備え、第2対地作業機は、作業機連結機構41に連結されて昇降駆動装置42によって昇降される機枠37と、機枠37に昇降可能に支持され且つ下降する際に圃場に突入して苗を植え付ける植付具64と、圃場の凹凸に追従して機枠37を昇降させるべく昇降駆動装置42を制御する制御装置26とを有する。
この構成によれば、第1対地作業機に対して第2対地作業機を昇降制御することにより、苗の植付精度を向上させることができる。
また、作業機1は、作業機連結機構41から後方に延びていて第2対地作業機の後部を支持する保持フレーム66を備えている。
この構成によれば、第2対地作業機の後部を支持することができ、第2対地作業機の振動を防止することができる。
また、作業機連結機構41は、機枠37が取り付けられるツールバー43と、ツールバー43を第1対地作業機に昇降可能に連結する連結リンク機構44とを有し、第2対地作業機は、ツールバー43に対して機幅方向K2に位置調整可能であり、保持フレーム66は、ツールバー43に連結されると共に該ツールバー43から後方に延びるサポート杆67L、67Rと、サポート杆67L、67Rの後部に設けられていて第2対地作業機を機幅方向K2に移動可能に支持する保持杆69とを有する。
この構成によれば、ツールバー43に対する機枠37の取り付けの労力を低減することができると共に、組み付け高さの誤差を低減させることができる。
また、作業機1は、走行体1Aと、走行体1Aの後部に装着された対地作業装置1Bであって、苗を収容する多数の供給カップ171、172を前後方向K1に延設されたループ状の移送経路R1に沿って移送する苗供給装置38と、苗供給装置38の下方に設けられ且つ苗供給装置38から供給された苗を圃場に植え付ける植付具64とを有する対地作業装置1Bと、対地作業装置1Bに対して作業する作業者U1が座る複数の椅子と、を備え、複数の椅子は、苗供給装置38の前方に設けられた少なくとも1つの前方椅子187A、187Bと、苗供給装置38の後方に設けられた少なくとも1つの後方椅子187G、187Hとを含む。
作業者U1が座るための椅子を苗供給装置38の前後に設けることにより、作業機1の幅を狭くすることができ、移動の際や輸送の際に有利である。
また、苗供給装置38は、移送経路R1の前後方向K1の中途部に、植付具64に苗を落下させて供給する位置である苗落とし位置D1、D2を有する。
この構成によれば、苗を落とす位置が目の前にないので、供給カップ171、172への苗の供給作業が容易になる。また、前の作業者U1と後の作業者U1の作業が統一されるため、作業者U1の交代が容易になる。
また、対地作業装置1Bは、走行体1Aの後部に装着された第1対地作業機と、第1対地作業機の後部に装着された第2対地作業機とを有し、第2対地作業機は、苗供給装置38及び植付具64を有し、複数の椅子は、第2対地作業装置1Bに対して作業する作業者U1が座る椅子であってもよい。
また、第1対地作業機に取り付けられた取付体196と、苗供給装置38の後方に配置されていて後方椅子を支持すると共に取付体196に上下動可能に連結されたフレーム本体199を有するシートフレーム197と、フレーム本体199を支持する複数の車輪(第1車輪296A~第3車輪296C)と、を備えている。
この構成によれば、シートフレーム197を圃場の凹凸に追従して容易に上下動させることができる。
また、作業機1は、フレーム本体199は、当該作業機1の幅方向である機幅方向K2に長く形成され、複数の車輪は、フレーム本体199における機幅方向K2の一側部に設けられた第1車輪206Aと、フレーム本体199における機幅方向K2の他側部に設けられた第2車輪206Bと、フレーム本体199における機幅方向K2の中途部に設けられた第3車輪206Cとを含む。
この構成によれば、片側の一つの車輪が脱輪してもシートフレーム197を支えることができる。
また、取付体196は、第1対地作業機の機幅方向K2の一側方に設けられた第1側枠材196Aと、第1対地作業機の機幅方向K2の他側方に設けられた第2側枠材196Bと、第1側枠材196Aと第2側枠材196Bとを連結する連結枠材196Cとを有し、シートフレーム197は、フレーム本体199を取付体196に上下動可能に連結するフレーム連結機構200とを有し、フレーム連結機構200は、苗供給装置38の機幅方向K2の一側方に配置されていてフレーム本体199の機幅方向K2の一側部を第1側枠材196Aに連結する第1機構200Aと、苗供給装置38の機幅方向K2の他側方に配置されていてフレーム本体199の機幅方向K2の他側部を第2側枠材196Bに連結する第2機構200Bとを含む。
この構成によれば、第2対地作業機との干渉を考慮することなくシートフレーム197を設けることができる。
また、第2対地作業機を第1対地作業機に昇降可能に連結する作業機連結機構41と、第2対地作業機を昇降駆動する昇降駆動装置42と、作業機連結機構41又は第2対地作業機と、シートフレーム197とにわたって設けられたリンク部材215と、を備え、リンク部材215は、作業時においてシートフレーム197の上下動を許容し、且つ昇降駆動装置42によって第2対地作業機を持ち上げる際に、第2対地作業機の上昇に伴って上動してシートフレーム197を引き上げる。
この構成によれば、第2対地作業機を持ち上げと連動してシートフレーム197を引き上げることができ、至便である。
また、作業機連結機構41は、第2対地作業機が取り付けられるツールバー43と、ツールバー43を第1対地作業機に昇降可能に連結する連結リンク機構44とを有し、リンク部材215は、上部がツールバー43に枢支され、且つ下部に長穴220を有し、フレーム連結機構200は、長穴220を挿通する係合ピン221を有し、作業時において係合ピン221が長穴220内を移動することでシートフレーム197の上下動が許容され、且つ、昇降駆動装置42によって第2対地作業機を持ち上げられてリンク部材215が上動する際に係合ピン221が長穴220の下端に当接することでシートフレーム197が引き上げ可能である。
この構成によれば、簡単な構成で、作業時においてシートフレーム197の上下動を許容することができると共に、第2対地作業機と一緒にリンク部材215が上動する際にシートフレーム197を引き上げることができる。これにより、作業機1の傾斜移動の際などにおけるシートフレーム197の干渉を防止することができる。
また、苗供給装置38は、機幅方向K2で並べて配置された第1苗供給装置38及び第2苗供給装置38を有し、複数の椅子は、複数の前方椅子(第1前方椅子187A、第2前方椅子187B)及び複数の後方椅子(第1後方椅子187G、第2後方椅子187H)を含み、複数の前方椅子は、第1苗供給装置38の前方に設けられた第1前方椅子187Aと、第2苗供給装置38の前方に設けられた第2前方椅子187Bとを含み、複数の後方椅子は、第1苗供給装置38の後方に設けられた第1後方椅子187Gと、第2苗供給装置38の後方に設けられた第2後方椅子187Hとを含み、第1車輪206Cは、第1後方椅子187Gと第2後方椅子187Hとの間に配置されていてもよい。
また、作業機1は、苗を収容する多数の供給カップ171、172をループ状の移送経路R1に沿って移送する苗供給装置38と、苗供給装置38の下方に設けられ且つ苗供給装置38から供給された苗を圃場に植え付ける植付具64と、苗供給装置38の上方に設けられていて、苗を収容した苗トレイ189が載置可能な苗載せ台190と、を備え、苗載せ台190は、供給カップ171、172に苗を供給することの可能な開口部191を有する。
この構成によれば、苗供給装置38の上方に設けた苗載せ台190上に苗トレイ189を載置することにより、苗供給装置38の供給カップ171、172に対して苗の供給作業が容易に行える。
また、苗載せ台190に、苗を供給カップ171、172に供給することの可能な開口部191を設けることにより、苗載せ台190上に苗トレイ189を載置する前に供給カップ171、172に苗を供給することができ、これにより、植付け作業開始前に、供給カップ171、172に予め苗を供給しておくことができる。
また、移送経路R1は、前後方向K1に延設されたループ状であって、後部が苗載せ台190から後方に突出している。
この構成によれば、苗供給装置38の上方に苗載せ台190を設けても、苗供給装置38の後部において、供給カップ171、172に対する苗の供給を行うことができる。また、苗供給装置38の後部側に作業者U1が座る椅子を設けることができる
また、開口部191は、苗載せ台190の下方に対応する移送経路R1の部分の形状に沿って形成されている。
この構成によれば、開口部191を必要最小限の大きさに形成することができ、苗トレイ189の載置部分を広くすることができる。
また、苗を収容する多数の供給カップ171、172をループ状の移送経路R1に沿って移送する苗供給装置38と、苗供給装置38の下方に設けられ且つ苗供給装置38から供給された苗を圃場に植え付ける植付具64とを具備した複数の移植ユニット(第1移植ユニット36A~第3移植ユニット36C)と、苗供給装置38の上方に設けられていて、苗を収容した苗トレイ189が載置可能で且つ供給カップ171、172に苗を供給することの可能な開口部191を有する苗載せ台190と、作業者U1が座る複数の椅子と、を備え、苗載せ台190は、各椅子に着座した作業者U1が該苗載せ台190上の苗トレイ189から苗を取ることのできる位置に配置されている。
この構成によれば、各椅子に着座した作業者U1が苗載せ台190上の苗トレイ189から苗を取ることができる。
また、複数の移植ユニットは、当該作業機1の幅方向である機幅方向K2の一側部に位置する第1移植ユニット36Aと、機幅方向K2の他側部に位置する第2移植ユニット36Bと、機幅方向K2における第1移植ユニット36Aと第2移植ユニット36Bとの間に位置する第3移植ユニットユニット36Cとを含み、苗載せ台190は、第3移植ユニット36Cの苗供給装置38の上方に設けられている。
この構成によれば、第1移植ユニット36Aに対して苗の供給作業をする作業者U1と、第2移植ユニット36Bに対して苗の供給作業をする作業者U1と、第3移植ユニット36Cに対して苗の供給作業をする作業者U1とが苗を取ることのできる位置に苗載せ台190を設けることができる。
また、第3移植ユニット36Cの苗供給装置38の後部は、第1移植ユニット36A及び第2移植ユニット36Bより後方に突出しており、複数の椅子は、第1移植ユニット36Aの前方に配置された第1前方椅子187Aと、第2移植ユニット36Bの前方に配置された第2前方椅子187Bと、第1移植ユニット36Aの側方であって第3移植ユニット36Cが配置された側方とは反対側の側方に配置された第1側方椅子187Cと、第2移植ユニット36Bの側方であって第3移植ユニット36Cが配置された側方とは反対側の側方に配置された第2側方椅子187Dと、第3移植ユニット36Cの後部の側方で且つ第1移植ユニット36Aの後方に配置された第3側方椅子187Eと、第3移植ユニット36Cの後部の側方で且つ第2移植ユニット36Bの後方に配置された第4側方椅子187Fと、を含む。
この構成によれば、第1移植ユニット36Aの後方及び第2移植ユニット36Bの後方に、第3移植ユニット36Cに対して苗の供給作業を行う作業者U1が座る椅子をコンパクトに配置することができる。
また、作業者U1が供給カップ171、172に苗を供給するために苗トレイ189を載置する苗供給台188を備え、苗載せ台190には、予備の苗トレイ189が載置される。
この構成によれば、予備の苗トレイ189が載置される苗載せ台190を作業者U1から近い位置に設けることができ、苗供給台188の苗トレイ189の苗がなくなった際に、苗載せ台190から容易に苗を取ることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。