JP7016779B2 - プラズマ式治療装置 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、外力が加わっても、プラズマ発生部が破損しにくいプラズマ式治療装置を目的とする。
<1>内部に収容室を有するカウリングと、プラズマを発生するプラズマ発生部と、前記プラズマ及び前記プラズマによって発生した活性ガスの何れか一方又は両方を含む噴射ガスを吐出するノズルとを備える照射器具を備え、
前記プラズマ発生部は、前記収容室内に位置し、
前記プラズマ発生部と前記カウリングとの間に、前記プラズマ発生部に接する衝撃緩衝体を備える、プラズマ式治療装置。
<2>前記衝撃緩衝体は、エラストマー成形体及び樹脂発泡体の双方又はいずれか一方である、<1>に記載のプラズマ式治療装置。
<3>歯科用である、<1>又は<2>に記載のプラズマ式治療装置。
<4>前記照射器具は、手持ち操作用である、<1>~<3>のいずれかに記載のプラズマ式治療装置。
プラズマ式治療装置は、プラズマジェット照射装置であってもよく、活性ガス照射装置であってもよい。
活性ガス照射装置は、プラズマを発生させる。活性ガス照射装置は、活性種を含む活性ガスを被照射物に照射する。活性種は、プラズマ中の気体又はプラズマ周辺の気体とプラズマとが反応して生成される。
プラズマジェット照射装置において、噴射ガスはプラズマと活性種とを含む。
活性ガス照射装置において、噴射ガスは活性ガスである。
本実施形態のプラズマ式治療装置は、活性ガス照射装置である。
図1に示すように、本実施形態の活性ガス照射装置100は、照射器具10(インスツルメント)と、供給ユニット20と、ガス管路30と、電気配線40とを備える。
照射器具10は、照射器具10内で発生した活性ガスを吐出する。本実施形態の照射器具10は、手指で把持して使用する手持ち操作用の器具である。供給ユニット20は、照射器具10に電気及びプラズマ発生用ガスを供給する。ガス管路30は、照射器具10と供給ユニット20とを接続している。電気配線40は、照射器具10と供給ユニット20とを接続している。本実施形態において、ガス管路30と電気配線40とは、各々独立しているが、ガス管路30と電気配線40とは一体でもよい。
供給ユニット20は、プラズマ発生ガスの供給源(不図示)と接続されている。また、供給ユニット20は、プラズマ発生ガスの供給源を内蔵してもよい。プラズマ発生ガスの供給源は、例えば、ガスボンベ等である。
供給ユニット20は、例えば、100Vの家庭用電源等の電源(図示略)と接続されている。
照射器具10は、長尺状のカウリング2と、カウリング2の先端から突出するノズル1と、カウリング2内に位置するプラズマ発生部12と、プラズマ発生部12とカウリング2との間に位置する衝撃緩衝体14と、カウリング2の外周面に設けられた操作スイッチ9(操作部)とを備える。
胴体部2bは、管軸O1方向に延びる円筒状の部材である。胴体部2bは、円筒形に限らず、四角筒、六角筒、八角筒等の多角筒形でもよい。
胴体部2bは、内部に収容室13を有する。
なお、カウリング2の後端は、胴体部2bの一部で塞がれていてもよいし、他の部材で塞がれていてもよい。この場合、ヘッド部2aと胴体部2bと前記他の部材とで囲われた空間が収容室13となる。
絶縁性の材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を例示できる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂(ABS樹脂)等を例示できる。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂等を例示できる。
金属材料としては、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス鋼等を例示できる。
胴体部2bの大きさは、特に制限はなく、手指で把持しやすい大きさとすることができる。
ヘッド部2aは、先端に嵌合孔2cを有している。嵌合孔2cは、ノズル1を受け入れる孔である。ノズル1は、ヘッド部2aに着脱可能になっている。ヘッド部2aは、管軸O1方向に延びる第一の活性ガス流路7を内部に有している。管軸O1は、胴体部2bの管軸である。
ヘッド部2aの大きさは、活性ガス照射装置100の用途等を勘案して決定できる。例えば、活性ガス照射装置100が口腔内用治療器具である場合、ヘッド部2aの大きさは、口腔内に挿入できる大きさが好ましい。
照射口1aの開口径は、例えば、0.5~5mmが好ましい。開口径が上記下限値以上であると、活性ガスの圧力損失を抑制できる。開口径が上記上限値以下であると、照射する活性ガスの流速を高めて、患部の治癒等を促進できる。
照射管1cは、管軸O1に対して屈曲している。
照射管1cの管軸O2と管軸O1とのなす角度θは、活性ガス照射装置100の用途等を勘案して決定できる。
衝撃緩衝体14は、胴体部2bの内周面とプラズマ発生部12とに接している。即ち、衝撃緩衝体14は、胴体部2bとプラズマ発生部12との間を埋めている。本実施形態において、衝撃緩衝体14は、プラズマ発生部12の外周の全面を覆い、収容室13の内面に接している。
管状誘電体3と内部電極4と外部電極5とは、管軸O1を中心として同心円状に位置している。
内部電極4の外周面と外部電極5の内周面とは、管状誘電体3を挟んで互いに対向している。
管状誘電体3の材料がガラス、セラミックスの場合、照射器具10に外力が加わると、管状誘電体3が破損しやすい。本発明は、照射器具10に外力が加わった時に、衝撃緩衝体14によって、プラズマ発生部12の管状誘電体3等に伝わる力を緩和できる。
内部電極4は、管軸O1方向に延びる軸部と、軸部の外周面のねじ山とを備える。軸部は、中実でもよいし、中空でもよい。軸部は中実が好ましい。軸部が中実であれば、加工が容易であり、かつ機械的な耐久性を高められる。内部電極4のねじ山は、軸部の周方向に周回する螺旋状のねじ山である。内部電極4の形態は、雄ねじと同様の形態である。
内部電極4は、外周面にねじ山を有することで、ねじ山先端部の電界が局所的に強くなり、放電開始電圧が低くなる。このため、低電力でプラズマを生成し、維持できる。
なお、内部電極4は、外周面にねじ山等の凹凸を有しなくてもよい。即ち、内部電極4は、外周面に凹凸を有しない円柱の部材でもよい。
内部電極4のねじ山のピッチpは、内部電極4の長さや外径d等を勘案して適宜決定できる。ピッチpは、0.2~2.5mmが好ましく、0.2~2.0mmがより好ましい。
エラストマーは、熱硬化性エラストマー、熱可塑性エラストマーのいずれでもよい。
熱硬化性エラストマーは、例えば、天然ゴム、合成ゴム等の加硫ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等である。
熱可塑性エラストマーは、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ウレタン系エラストマー等である。
衝撃緩衝体14の厚さTは、0.1~5mmが好ましく、0.5~3mmがより好ましい。厚さTが上記下限値以上であれば、外力がプラズマ発生部12に伝わるのをさらに緩和できる。厚さTが上記上限値以下であれば、照射器具10が過度に大きくなるのを抑制しやすい。
操作スイッチ9は、例えば、押釦である。操作スイッチ9が押釦である場合、操作スイッチ9は、使用者が押釦を1回押したときに電気信号を1回だけ発信する構成を有してもよく、使用者が押釦を押し続けている間、電気信号を発信し続ける構成を有してもよい。
電気配線40は、照射器具10の内部電極4、外部電極5及び操作スイッチ9に接続している。電気配線40の材料は特に制限はなく、公知の電気配線に用いる材料を適用できる。電気配線40の材料としては、絶縁材料で被覆した金属導線等を例示できる。
被照射物としては、例えば、細胞、生体組織、生物個体等を例示できる。
生体組織としては、各器官(内臓等)、体表や体腔の内面を覆う上皮組織、歯周組織(歯肉、歯槽骨、歯根膜、セメント質等)、歯、骨等を例示できる。活性ガスの照射によって処理可能な疾患及び症状としては、例えば、歯肉炎、歯周病等の口腔内の疾患、皮膚の創傷等を例示できる。
生物個体としては、哺乳類(ヒト、犬、猫、豚等)、鳥類、魚類等を例示できる。
プラズマ発生部12に供給したプラズマ発生用ガスは、管状誘電体3の後端部から管状誘電体3の内空部に流入する。プラズマ発生用ガスは、電圧を印加した内部電極4と外部電極5とが対向する位置において電離し、プラズマになる。
プラズマ発生用ガスは、窒素を主成分とすることが好ましい。ここで、窒素を主成分とするとは、プラズマ発生用ガスにおける窒素の含有量が50体積%超であることをいう。
即ち、プラズマ発生用ガスにおける窒素の含有量は、50体積%超が好ましく、70体積%以上がより好ましく、80~100体積%がさらに好ましく、90~100体積%が特に好ましい。プラズマ発生用ガス中の窒素以外のガス成分としては、例えば、空気、酸素、希ガス等を例示できる。
プラズマ発生ガスは、窒素を主成分とすることで、被照射物の清浄化、賦活化又は治癒をより促進できる。加えて、窒素を主成分とすることで、プラズマ発生ガス中の酸素を低減して、活性ガス中のオゾンを低減できる。活性ガス照射装置100を口腔内の治療に用いる場合、活性ガス中のオゾンを低減することが好ましい。
従来のプラズマ発生部では、窒素を含むプラズマ発生ガスを用いると、プラズマを発生しにくかった。本実施形態においては、外周面にらせん状の凸条(ねじ山)を備える(即ち、らせん状の溝を備える)内部電極を用いるため、容易にプラズマを発生できる。
被照射面の温度は、内部電極4と外部電極5との間に印加する交流電圧、照射する活性ガスの吐出量、外部電極5の先端中心Q1から照射口1aまでの道のり等の組み合わせで調節できる。被照射面の温度は、熱電対を用いて測定できる。
DMPO(5,5-ジメチル-1-ピロリン-N-オキシド)0.2mol/L溶液0.2mLに対して、活性ガスを30秒間照射する。この際、照射口1aから液面までの距離を5.0mmとする。活性ガスを照射した溶液について、電子スピン共鳴(ESR)法を利用してヒドロキシルラジカル濃度を測定し、これをラジカル密度とする。
TPC(2,2,5,5-テトラメチル-3-ピロリン-3-カルボキサミド)0.1mol/L溶液0.4mLに対して、活性ガスを30秒間照射する。この際、照射口1aから液面までの距離を5.0mmとする。活性ガスを照射した溶液について、電子スピン共鳴(ESR)法を利用して一重項酸素濃度を測定し、これを一重項酸素密度とする。
照射口1aから吐出する活性ガスの流量が上記下限値以上であると、活性ガスが被照射面に作用する効果を充分に高められる。照射口1aから吐出する活性ガスの流量が上記上限値以下であると、活性ガスの被照射面の温度が過度に高まることを防止できる。加えて、被照射面が濡れている場合には、被照射面の急速な乾燥を防止できる。さらに、被照射面が患部である場合には、患者への刺激を抑制できる。活性ガス照射装置100において、照射口1aから吐出する活性ガスの流量は、管状誘電体3へのプラズマ発生用ガスの供給量で調節できる。
本実施形態のプラズマ式治療装置は、プラズマ発生部12に接する衝撃緩衝体14を備える。このため、落下等によって照射器具10に外力が加わった時に、衝撃緩衝体14によって、プラズマ発生部12の管状誘電体3等に伝わる力を緩和して、プラズマ発生部12の破損を防止できる。
本発明の第二の実施形態に係るプラズマ式治療装置について、図面を参照して説明する。
本実施形態のプラズマ式治療装置は、活性ガス照射装置である。
本実施形態の活性ガス照射装置は、照射器具10に代えて照射器具10aを備える点で、第一の実施形態と相違し、その他の構成は第一の実施形態と同じである。
照射器具10aは、長尺状のカウリング2と、カウリング2の先端から突出するノズル1と、カウリング2内に位置するプラズマ発生部12と、プラズマ発生部12とカウリング2との間に位置する衝撃緩衝体14aと、カウリング2の外周面に設けられた操作スイッチ9(操作部)とを備える。
本実施形態の照射器具10aは、衝撃緩衝体14に代えて衝撃緩衝体14aを備える点で、第一の実施形態の照射器具10と異なる。
図4に示すように、2以上の衝撃緩衝体14aは、管軸O1方向に並んで、列を形成している。図5に示すように、2以上の衝撃緩衝体14aからなる4つ列は、管軸O1を中心として、90°間隔で環状に位置している。
また、2以上の衝撃緩衝体14aは、全てが樹脂発泡体又はエラストマー成形体のいずれかでもよいし、樹脂発泡体の衝撃緩衝体14aとエラストマー成形体の衝撃緩衝体14aとの組み合わせでもよい。あるいは、2以上の衝撃緩衝体14aは、樹脂成形体の衝撃緩衝体14aと、バネの衝撃緩衝体14aとの組み合わせでもよい。
衝撃緩衝体14aの高さT1は、例えば、0.1~5mmが好ましく、0.5~3mmがより好ましい。高さT1が上記下限値以上であれば、外力がプラズマ発生部12に伝わるのをさらに緩和できる。高さT1が上記上限値以下であれば、照射器具10が過度に大きくなるのを抑制しやすい。
衝撃緩衝体14aの幅W1は、例えば、1~10mmが好ましく、3~5mmがより好ましい。幅W1が上記下限値以上であれば、外力がプラズマ発生部12に伝わるのをさらに緩和できる。幅W1が上記上限値以下であれば、胴体部2bとプラズマ発生部12との間の空隙の中に、衝撃緩衝体14aを設置しやすい。
本発明の第三の実施形態に係るプラズマ式治療装置について、図面を参照して説明する。
本実施形態のプラズマ式治療装置は、活性ガス照射装置である。
本実施形態の活性ガス照射装置は、照射器具10に代えて照射器具10bを備える点で第一の実施形態と相違し、その他の構成は第一の実施形態と同じである。
本実施形態の照射器具10bは、衝撃緩衝体14に代えて先端衝撃緩衝体114aと後端衝撃緩衝体114bとを備える点で、第一の実施形態の照射器具10と異なる。
後端衝撃緩衝体114bは、プラズマ発生部12の後端に設けられている。後端衝撃緩衝体114bは、プラズマ発生部12の後端(即ち、管状誘電体3の後端縁)で、管状誘電体3とカウリング2との間に位置し、かつ双方に接している。
先端衝撃緩衝体114aの素材としては、樹脂発泡体及びエラストマー成形体の双方又はいずれか一方が挙げられる。先端衝撃緩衝体114aは、全てが樹脂発泡体又はエラストマー成形体のいずれかでもよいし、樹脂発泡体とエラストマー成形体との組み合わせでもよい。樹脂発泡体とエラストマー成形体との組み合わせとしては、発泡樹脂層とエラストマー層とを有する積層物を例示できる。
後端衝撃緩衝体114bの素材は、先端衝撃緩衝体114aの素材と同様である。後端衝撃緩衝体114bの素材は、先端衝撃緩衝体114aの素材と同じでもよく、異なってもよい。
本実施形態では、先端衝撃緩衝体114aと後端衝撃緩衝体114bとの双方が、胴体部2bに接している。しかしながら、本発明はこれに限定されず、先端衝撃緩衝体114aがヘッド部2aに接していてもよい。あるいは、後端衝撃緩衝体114bが、胴体部2bの後端を塞ぐ他の部材に接していてもよい。即ち、各衝撃緩衝体は、収容室13の内面に接していればよい。
なお、本発明のプラズマ式治療装置は、衝撃緩衝体を備える照射器具を備えればよく、上述の実施形態に限定されない。
内部電極は、表面に凹凸を有してもよいし、表面に凹凸を有しなくてもよい。内部電極としては、外周面に凹凸を有する形状が好ましい。
内部電極の形状は、例えば、コイル状でもよいし、外周面に突起、穴、貫通孔が複数形成された棒形状又は筒形状でもよい。内部電極の断面形状としては、例えば、真円形、楕円形等の円形、四角形、六角形等の多角形を例示できる。
本発明の治療方法は、生体組織の治癒促進に有効である。本発明の治療方法は、ヒトのみならず、ヒトを除く動物の治療にも有効である。
Claims (4)
- 内部に収容室を有するカウリングと、プラズマを発生するプラズマ発生部と、前記プラズマ及び前記プラズマによって発生した活性ガスの何れか一方又は両方を含む噴射ガスを吐出するノズルとを備える照射器具を備え、
前記プラズマ発生部は、前記収容室内に位置し、
前記プラズマ発生部と前記カウリングとの間に、前記プラズマ発生部に接する衝撃緩衝体を備え、
前記衝撃緩衝体は、前記照射器具に外力が加わった時に、前記プラズマ発生部に伝わる力を緩和する、プラズマ式治療装置。 - 前記衝撃緩衝体は、エラストマー成形体及び樹脂発泡体の双方又はいずれか一方である、請求項1に記載のプラズマ式治療装置。
- 歯科用である、請求項1又は2に記載のプラズマ式治療装置。
- 前記照射器具は、手持ち操作用である、請求項1~3のいずれか一項に記載のプラズマ式治療装置。
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