JP2020030996A - プラズマ照射装置、ノズル洗浄装置 - Google Patents

プラズマ照射装置、ノズル洗浄装置 Download PDF

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悠 長原
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Abstract

【課題】ノズルが使用可能な状態および使用不能な状態のいずれか一方であることを容易に確認することができるプラズマ照射装置およびノズル洗浄装置を提供する。【解決手段】プラズマ照射装置は、本体内に位置するプラズマ発生部12を有し、プラズマ発生部12にて発生したプラズマおよびプラズマによって生じる活性ガスの少なくとも一方をノズル1から吐出する照射器具10と、ノズル1に設けられノズル1が使用可能な使用可能状態およびノズル1が使用不能な使用不能状態のいずれか一方であることを記憶する記憶部51と、本体に設けられ記憶部51に記憶された使用可能状態および使用不能状態のいずれか一方の読み取り並びに記憶部51に使用可能状態および使用不能状態のいずれか一方の書込みを行う第1の読取書込部52と、ノズル1に設けられ使用可能状態および使用不能状態のいずれか一方を表示する表示部53と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、プラズマ照射装置およびノズル洗浄装置に関する。
歯科治療や創傷等の患部にプラズマやプラズマによって発生した活性ガスを照射して患部の治癒を図るプラズマ照射装置が知られている。プラズマ照射装置としては、プラズマジェット照射装置(例えば、特許文献1参照)および活性ガス照射装置(例えば、特許文献2参照)がある。プラズマジェット照射装置は、プラズマおよびプラズマによって発生した活性種をノズルから吐出し、被照射物に照射する。活性ガス照射装置は、プラズマによって発生した活性種を含む活性ガスをノズルから吐出し、被照射物に噴射する。
特許第5441066号公報 特開2017−50267号公報
このようなプラズマ照射装置は、使用を繰り返すにつれて、被照射物に起因する汚れがノズルに付着するため、プラズマ照射装置からノズルを取り外して、洗浄済みの清浄なノズルと交換する必要がある。取り外されたノズルは、洗浄されて、再利用される。しかしながら、ノズルの洗浄状態を目視にて確認することが難しい場合がある。そのため、誤って、洗浄していないノズルをプラズマ照射装置に取り付けて、使用するという事態が生じることが考えられる。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、ノズルが使用可能な状態およびノズルが使用不能な状態のいずれか一方であることを容易に確認することができるプラズマ照射装置およびノズル洗浄装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係るプラズマ照射装置は、本体、前記本体の先端から突出するノズルおよび前記本体内に位置するプラズマ発生部を有し、前記プラズマ発生部にて発生したプラズマおよび前記プラズマによって生じる活性ガスの少なくとも一方を前記ノズルから吐出する照射器具と、前記ノズルに設けられ、前記ノズルが使用可能な使用可能状態および前記ノズルが使用不能な使用不能状態のいずれか一方であることを記憶する記憶部と、前記本体に設けられ、前記記憶部に記憶された前記使用可能状態および前記使用不能状態のいずれか一方の読み取り、並びに、前記記憶部に前記使用可能状態および前記使用不能状態のいずれか一方の書込みを行う第1の読取書込部と、前記ノズルに設けられ、前記使用可能状態および前記使用不能状態のいずれか一方を表示する表示部と、を備える。
本発明に係るノズル洗浄装置は、本発明に係るプラズマ照射装置を構成するノズルを洗浄するノズル洗浄装置であって、前記ノズルを洗浄する洗浄部と、前記ノズルを嵌合する嵌合部と、前記嵌合部に設けられ、前記記憶部に記憶された前記使用可能状態および前記使用不能状態のいずれか一方の読み取り、および、前記記憶部に前記使用可能状態および前記使用不能状態のいずれか一方の書込みを行う第2の読取書込部と、を備える。
本発明によれば、ノズルが使用可能な状態およびノズルが使用不能な状態のいずれか一方であることを容易に確認することができるプラズマ照射装置およびノズル洗浄装置を提供することができる。
本発明の一実施形態のプラズマ照射装置を示す模式図である。 本発明の一実施形態のプラズマ照射装置を構成する照射器具の部分断面図である。 図2の照射器具のx−x断面図である。 本発明の一実施形態のプラズマ照射装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態のノズル洗浄装置を示す模式図である。
本発明のプラズマ照射装置およびノズル洗浄装置の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[プラズマ照射装置]
本発明のプラズマ照射装置は、プラズマ発生部とノズルと温度測定部とを備えたものであれば、プラズマジェット照射装置であってもよく、活性ガス照射装置であってもよい。
プラズマジェット照射装置は、プラズマを発生させる。プラズマジェット照射装置は、発生したプラズマと活性種とを被照射物に直接照射する。活性種は、プラズマ中の気体またはプラズマ周辺の気体とプラズマとが反応して生成される。活性種としては、活性酸素種、活性窒素種等を例示できる。活性酸素種としては、ヒドロキシルラジカル、一重項酸素、オゾン、過酸化水素、スーパーオキシドアニオンラジカル等を例示できる。活性窒素種としては、一酸化窒素、二酸化窒素、ペルオキシナイトライト、過酸化亜硝酸、三酸化二窒素等を例示できる。
活性ガス照射装置は、プラズマを発生させる。活性ガス照射装置は、活性種を含む活性ガスを被照射物に照射する。活性種は、プラズマ中の気体またはプラズマ周辺の気体とプラズマとが反応して生成される。
以下、本発明のプラズマ照射装置の一実施形態について説明する。
本実施形態のプラズマ照射装置は、活性ガス照射装置である。
図1および図2に示すように、本実施形態のプラズマ照射装置100は、照射器具10(インスツルメント)と、供給ユニット20と、ガス管路30と、電気配線40と、記憶部51と、第1の読取書込部52と、表示部53と、を備える。
照射器具10は、照射器具10内で発生した活性ガスを吐出する。供給ユニット20は、照射器具10に電気およびプラズマ発生用ガスを供給する。ガス管路30は、照射器具10と供給ユニット20を接続している。電気配線40は、照射器具10と供給ユニット20を接続している。記憶部51は、照射器具10のノズル1に設けられている。第1の読取書込部52は、照射器具10の本体(カウリング2)に設けられている。表示部53は、照射器具10のノズル1に設けられている。
(照射器具)
図2は、照射器具10における軸線に沿う断面を示す部分断面図である。図3は、図2の照射器具のx−x断面図である。
照射器具10は、長尺状のカウリング2と、カウリング2の先端から突出するノズル1と、カウリング2内に位置するプラズマ発生部12と、カウリング2の外周面に設けられた操作スイッチ9(操作部)と、を備える。
カウリング2は、胴体部2bと、胴体部2bの先端を塞ぐヘッド部2aとを備える。
胴体部2bは、管軸O1方向に延びる円筒状の部材である。胴体部2bは、円筒形に限らず、四角筒、六角筒、八角筒等の多角筒形でもよい。
胴体部2bの材料としては、特に限定されないが、絶縁性を有する材料が好ましい。胴体部2bは、電気絶縁性の材料のみで形成されてもよいし、電気絶縁性の材料とその表面に金属材料の層を有する多層構造でもよい。絶縁性の材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を例示できる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)等を例示できる。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂等を例示できる。金属材料としては、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス鋼等を例示できる。
胴体部2bの大きさは、特に制限はなく、手指で把持しやすい大きさとすることができる。
ヘッド部2aは、先端に向かい漸次窄んでいる。すなわち、ヘッド部2aは、円錐形である。ヘッド部2aは、円錐形に限らず、四角錘、六角錘、八角錘等の多角錘形であってもよい。
ヘッド部2aは、先端に嵌合孔2cを有している。嵌合孔2cは、ノズル1を受け入れる孔である。ノズル1は、ヘッド部2aに着脱可能になっている。ヘッド部2aは、管軸O1方向に延びる第1の活性ガス流路7を内部に有している。管軸O1は、胴体部2bの管軸である。
カウリング2には、例えば、ヘッド部2aにおける嵌合孔2cの近傍に、ノズル1に設けられている記憶部51に記憶されたノズル1が使用可能な使用可能状態およびノズル1が使用不能な使用不能状態のいずれか一方であることの読み取り、並びに、記憶部51に前記の使用可能状態および前記の使用不能状態のいずれか一方であることの書込みを行う第1の読取書込部52が設けられている。
第1の読取書込部52は、特に制限はなく、ICチップやRFIDタグに情報の読み取りおよび書込みを行う一般的な読取書込装置を例示できる。
ヘッド部2aの材料は、特に制限はなく、絶縁性を有していてもよいし、絶縁性を有していなくてもよい。ヘッド部2aの材料としては、耐摩耗性、耐腐食性に優れる材料が好ましい。
耐摩耗性、耐腐食性に優れる材料としては、ステンレス鋼等の金属を例示できる。ヘッド部2aと胴体部2bとの材料は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
ヘッド部2aの大きさは、プラズマ照射装置100の用途等を勘案して決定できる。例えば、プラズマ照射装置100が口腔内用治療器具である場合、ヘッド部2aの大きさは、口腔内に挿入できる大きさが好ましい。
ノズル1は、嵌合孔2cに嵌合する台座部1bと、台座部1bから突出する照射管1cと、を備える。台座部1bと照射管1cとは一体になっている。ノズル1は、その内部に、第2の活性ガス流路8を有している。ノズル1は、先端に照射口1aを有している。第2の活性ガス流路8と第1の活性ガス流路7とは、連通している。
ノズル1には、例えば、台座部1bに、ノズル1が使用可能状態およびノズル1が使用不能状態のいずれか一方であることを記憶する記憶部51が設けられている。
記憶部51は、特に制限はなく、ICチップ単体、あるいは、ICチップおよびICチップに接続されたアンテナを有する一般的なRFIDタグ等を例示できる。
ノズル1が使用可能な使用可能状態とは、ノズル1が洗浄済みである状態、ノズル1の使用時間(洗浄後にヘッド部2aに取り付けてから、ノズル1を使用した累積時間)が設定した範囲内である状態、ノズル1の使用回数が設定した範囲内である状態等であることを示す。
ノズル1が使用不能な使用不能状態とは、ノズル1が未洗浄である状態、ノズル1の使用時間(洗浄後にヘッド部2aに取り付けてから、ノズル1を使用した累積時間)が設定した範囲を超えた状態、ノズル1の使用回数が設定した範囲を超えた状態等であることを示す。
また、ノズル1には、例えば、照射管1cに、ノズル1が使用可能状態およびノズル1が使用不能状態のいずれか一方であることを表示する表示部53が設けられている。
表示部53は、記憶部51に記憶されたノズル1が使用可能状態およびノズル1が使用不能状態のいずれか一方に基づいて、その状態を表示する。
表示部53は、特に制限はなく、機械的または電気的にノズル1が使用可能状態およびノズル1が使用不能状態のいずれか一方であることを示すものを例示できる。機械的な表示部としては、異なる2種類のプレート(使用可能状態のプレート、使用不能状態のプレート)によって表示するもの等を例示できる。電気的な表示部としては、液晶表示部、有機EL表示部、電気泳動表示部等を例示できる。
また、ノズル1には、記憶部51に記憶されたノズル1が使用可能状態およびノズル1が使用不能状態のいずれか一方であることに基づいて、表示部53に表示するノズル1が使用可能状態およびノズル1が使用不能状態のいずれか一方であることを指示するための指示部が設けられている。
ノズル1の材料は、特に制限はなく、絶縁性を有してもよいし、導電性を有してもよい。ノズル1の材料としては、耐摩耗性、耐腐食性に優れる材料が好ましい。耐摩耗性、耐腐食性に優れる材料としては、ステンレス鋼等の金属を例示できる。
ノズル1における照射管1c内の流路の長さ(すなわち、距離L2)は、プラズマ照射装置100の用途等を勘案して、適宜決定できる。
照射口1aの開口径は、例えば、0.5mm〜5mmであることが好ましい。開口径が上記下限値以上であると、活性ガスの圧力損失を抑制できる。開口径が上記上限値以下であると、照射する活性ガスの流速を高めて、患部の治癒等を促進できる。
照射管1cは、管軸O1に対して屈曲している。
照射管1cの管軸O2と管軸O1とのなす角度θは、プラズマ照射装置100の用途等を勘案して決定できる。
プラズマ発生部12は、管状誘電体3と、内部電極4と、外部電極5と、を備える。
管状誘電体3と内部電極4と外部電極5とは、管軸O1を中心として同心円状に位置している。
内部電極4の外周面と外部電極5の内周面とは、管状誘電体3を挟んで互いに対向している。
管状誘電体3は、管軸O1方向に延びる円筒状の部材である。管状誘電体3は、管軸O1方向に延びるガス流路6を内部に有している。第1の活性ガス流路7とガス流路6とは連通している。なお、管軸O1は、管状誘電体3の管軸と同じである。
管状誘電体3の材料としては、公知のプラズマ装置に使用する誘電体材料を適用できる。管状誘電体3の材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、合成樹脂等を例示できる。管状誘電体3の誘電率は低いほど好ましい。
管状誘電体3の内径Rは、内部電極4の外径dを勘案して、適宜決定できる。内径Rは、後述する距離sを所望の範囲とするように決定する。
内部電極4は、管軸O1方向に延びる略円柱状の部材である。内部電極4は、管状誘電体3の内部に位置し、管状誘電体3の内面と離間している。
内部電極4は、管軸O1方向に延びる軸部と、軸部の外周面のねじ山とを備える。軸部は、中実でもよいし、中空でもよい。軸部は中実が好ましい。軸部が中実であれば、加工が容易であり、かつ機械的な耐久性を高められる。内部電極4のねじ山は、軸部の周方向に周回する螺旋状のねじ山である。内部電極4の形態は、雄ねじと同様の形態である。
内部電極4は、外周面にねじ山を有することで、ねじ山先端部の電界が局所的に強くなり、放電開始電圧が低くなる。このため、低電力でプラズマを生成し、維持できる。
なお、内部電極4は、外周面にねじ山等の凹凸を有しなくてもよい。すなわち、内部電極4は、外周面に凹凸を有しない円柱の部材でもよい。
内部電極4の外径dは、プラズマ照射装置100の用途(すなわち、照射器具10の大きさ)等を勘案して、適宜決定できる。プラズマ照射装置100が口腔内用治療器具である場合、外径dは、0.5mm〜20mmであることが好ましく、1mm〜10mmであることがより好ましい。外径dが上記下限値以上であると、内部電極4を容易に製造できる。加えて、外径dが上記下限値以上であると、内部電極4の表面積が大きくなり、プラズマをより効率的に発生して、治癒等をより促進できる。外径dが上記上限値以下であると、照射器具10を過度に大きくすることなく、プラズマをより効率的に発生し、治癒等をより促進できる。
内部電極4のねじ山の高さhは、内部電極4の外径dを勘案して、適宜決定できる。
内部電極4のねじ山のピッチpは、内部電極4の長さや外径d等を勘案して、適宜決定できる。ピッチpは、0.2mm〜3.0mmであることが好ましく、0.2mm〜2.5mmであることがより好ましく、0.2mm〜2.0mmであることがさらに好ましい。
内部電極4の材料は、導電材であれば特に制限はなく、公知のプラズマ装置の電極に使用する金属を適用できる。内部電極4の材料としては、ステンレス鋼、銅、タングステン等の金属、カーボン等を例示できる。
内部電極4としては、JIS B 0205:2001のメートルねじの規格品(M2、M2.2、M2.5、M3、M3.5等)、JIS B 2016:1987のメートル台形ねじの規格品(Tr8×1.5、Tr9×2、Tr9×1.5等)、JIS B 0206:1973のユニファイ並目ねじの規格品(No.1−64UNC、No.2−56UNC、No.3−48UNC等)等と同等の仕様が好ましい。これらの規格品と同等の仕様であれば、コスト面で優位である。
内部電極4の外面と管状誘電体3の内面との距離sは、0.05mm〜5mmであることが好ましく、0.1mm〜1mmであることがより好ましい。距離sが上記下限値以上であると、所望量のプラズマ発生用ガスを容易に通流できる。距離sが上記上限値以下であると、プラズマをさらに効率的に発生し、活性ガスの温度を低くできる。
内部電極4と外部電極5とが対向している領域の長さL3は、1mm〜50mmであることが好ましく、3mm〜40mmであることがより好ましく、5mm〜30mmであることがさらに好ましい。長さL3が上記下限値以上であれば、プラズマの発生個所を増やして、より効率的にプラズマを発生できる。長さL3が上記上限値以下であれば、活性ガスの温度の上昇をより良好に抑制できる。本実施形態において、長さL3は、外部電極5の長さと等しい。
なお、外部電極5は、管軸O1方向に2つ以上に分かれていてもよい。外部電極5が管軸O1方向に分かれている場合、長さL3は、内部電極4と、2つの外部電極の後端から先端までとが対向している領域の長さであり、2つの外部電極の間の距離を含むものとする。
外部電極5は、管状誘電体3の外周面に沿って周回する環状の電極である。外部電極5は、管状誘電体3の外周面の一部に存在する。
外部電極5の材料は、導電材であれば特に制限はなく、公知のプラズマ装置の電極に使用する金属を適用できる。外部電極5の材料としては、ステンレス鋼、銅、タングステン等の金属、カーボン等を例示できる。
内部電極4と外部電極5とが対向している領域の先端Q1からヘッド部2aの先端Q2までの距離L1と、先端Q2から照射口1aまでの距離L2との合計(すなわち、内部電極4と外部電極5とが対向している領域から照射口1aまでの道のり)は、プラズマ照射装置100に求める大きさや、照射した活性ガスが当たる面(被照射面)における温度等を勘案して適宜決定する。距離L1と距離L2の合計が長ければ、被照射面の温度を低くできる。距離L1と距離L2の合計が短ければ、活性ガスのラジカル密度がさらに高くなり、被照射面における清浄化、賦活化、治癒等の効果がさらに高くなる。なお、先端Q2は、管軸O1と管軸O2との交点である。
操作スイッチ9は、使用者が操作することによって、ノズル1からの活性ガスの吐出を開始するための電気信号を発信する。
操作スイッチ9は、例えば、押釦である。操作スイッチ9が押釦である場合、操作スイッチ9は、使用者が押釦を1回押したときに電気信号を1回だけ発信する構成を有してもよく、使用者が押釦を押し続けている間、電気信号を発信し続ける構成を有してもよい。
(供給ユニット)
図4は、プラズマ照射装置100の概略構成を示すブロック図である。
供給ユニット20は、給電部60と、ガス調整部70と、ガス供給源80と、制御部90と、これらを収容する筐体21とを備える。
筐体21は、ガス供給源80を離脱可能に収容する。これにより、筐体21に収容されたガス供給源80内のガスがなくなったとき、ガス供給源80を交換できる。
給電部60は、照射器具10の操作スイッチ9、プラズマ発生部12および供給ユニット20内の各構成要素に電気を供給する。
給電部60は、プラズマ発生部12の内部電極4と外部電極5との間に印加する電圧および周波数を調整できる。
給電部60は、例えば、100Vの家庭用電源等の電源(図示略)と接続されている。
ガス調整部70は、ガス供給源80とガス管路30とを接続するガス配管75を備える。ガス配管75には、電磁弁71、圧力レギュレータ73、流量コントローラ74(流量調整部)および圧力センサ72が取り付けられている。
電磁弁71は、開閉の切り替えによって、ガス供給源80から照射器具10へのプラズマ発生用ガスの供給の開始および停止を切り替える。図示例では、電磁弁71は、弁開度が調節できる構成ではなく、開閉の切り替えのみができる構成である。なお、電磁弁71は、弁開度が調節できる構成であってもよい。
圧力レギュレータ73は、電磁弁71とガス供給源80との間に配置される。圧力レギュレータ73は、ガス供給源80から電磁弁71に向かうプラズマ発生用ガスの圧力を低下(プラズマ発生用ガスを減圧)させる。
流量コントローラ74は、電磁弁71とガス管路30との間に配置される。流量コントローラ74は、電磁弁71を通過したプラズマ発生用ガスの流量(単位時間当たりの供給量)を調整する。流量コントローラ74は、プラズマ発生用ガスの流量を、例えば、3L/minに調整する。
圧力センサ72は、ガス供給源80内の圧力(残圧)を計測する。圧力センサ72は、圧力レギュレータ73とガス供給源80との間(圧力レギュレータ73よりも一次側)を通過するプラズマ発生用ガスの圧力(一次圧)を、ガス供給源80の圧力として計測する。圧力センサ72としては、例えば、キーエンス社のAP−V80シリーズ(具体的には、例えば、AP−15S)等を採用できる。
ガス配管75のガス供給源80側の端部には、継手76が設けられている。継手76には、ガス供給源80が着脱可能に装着されている。ガス供給源80を継手76に着脱させることで、ガス調整部70を筐体21に固定したまま、ガス供給源80を交換できる。この場合、交換前のガス供給源80、交換後のガス供給源80のいずれについても共通のガス調整部70を使用できる。なお、ガス調整部70は、ガス供給源80に固定され、ガス供給源80と一体的に筐体21から離脱可能であってもよい。
ガス供給源80は、プラズマ発生部12にプラズマ発生用ガスを供給する。ガス供給源80は、内部にプラズマ発生用ガスが収容された耐圧容器である。ガス供給源80は、筐体21内に配置されたガス調整部70に対して着脱可能に装着されている。
制御部90には、電磁弁71、圧力センサ72、流量コントローラ74、給電部60および照射器具10の操作スイッチ9が電気的に接続されている。
制御部90は、電磁弁71、流量コントローラ74および給電部60を制御する。
制御部90は、情報処理装置を用いて構成される。すなわち、制御部90は、バスで接続されたCPU(Central Processor Unit)、メモリおよび補助記憶装置を備える。制御部90は、プログラムを実行することによって動作する。
制御部90には、照射器具10の操作スイッチ9が電気配線40を介して電気的に接続されている。使用者が操作スイッチ9を操作することによって、操作スイッチ9から制御部90に電気信号が送られる。制御部90が操作スイッチ9からの電気信号を受け付けると、制御部90は、電磁弁71、流量コントローラ74および給電部60を作動させる。
操作スイッチ9が押釦であり、使用者が押釦を1回押したときに電気信号を1回だけ発信する場合は、制御部90は、例えば、以下のように電磁弁71、流量コントローラ74および給電部60を制御する。
制御部90が操作スイッチ9からの電気信号を受け付けると、制御部90が、電磁弁71を所定時間、開放して電磁弁71を通過したプラズマ発生用ガスの流量を流量コントローラ74に調整させる。また、制御部90が、給電部60を制御して内部電極4と外部電極5との間に電圧を所定時間、印加する。その結果、ガス供給源80からプラズマ発生部12に一定量のプラズマ発生用ガスが供給され、ノズル1から活性ガスが所定時間(例えば、数秒から数十秒程度)、継続して吐出される。
操作スイッチ9が押釦であり、使用者が押釦を押し続けている間、電気信号を発信し続ける場合は、制御部90は、例えば、以下のように電磁弁71、流量コントローラ74および給電部60を制御する。
操作スイッチ9からの電気信号を制御部90が受け付けている間、制御部90が、電磁弁71を開放して電磁弁71を通過したプラズマ発生用ガスの流量を流量コントローラ74に調整させる。また、制御部90が、給電部60を制御して内部電極4と外部電極5との間に電圧を印加する。その結果、使用者が操作スイッチ9を押し続けている間、ガス供給源80からプラズマ発生部12にプラズマ発生用ガスが供給され、ノズル1から活性ガスが継続して吐出される。
(ガス管路)
ガス管路30は、供給ユニット20から照射器具10にプラズマ発生用ガスを供給する経路である。ガス管路30は、照射器具10の管状誘電体3の後端部に接続している。ガス管路30の材料は特に制限はなく、公知のガス管に用いる材料を適用できる。ガス管路30の材料としては、樹脂製の配管、ゴム製のチューブ等を例示でき、可撓性を有する材料が好ましい。
(電気配線)
電気配線40は、供給ユニット20の給電部60から照射器具10のプラズマ発生部12に電気を供給する第1の電気配線40Aを備える。また、電気配線40は、照射器具10の操作スイッチ9と供給ユニット20の制御部80とを電気的に接続する第2の電気配線40Bを備える。
電気配線40の材料は特に制限はなく、公知の電気配線に用いる材料を適用できる。電気配線40の材料としては、絶縁材料で被覆した金属導線等を例示できる。
(使用方法)
次に、プラズマ照射装置100の使用方法を説明する。
例えば、医師等の使用者は、照射器具10を持って移動させ、ノズル1を後述する被照射物に向ける。この状態で操作スイッチ9を押し、供給ユニット20のガス供給源80からガス調整部70およびガス管路30を介して照射器具10のプラズマ発生部12にプラズマ発生用ガスを供給し、供給ユニット20の給電部60から照射器具10のプラズマ発生部12に電気を供給する。
プラズマ発生部12に供給したプラズマ発生用ガスは、管状誘電体3の後端部から管状誘電体3の内空部に流入する。プラズマ発生用ガスは、電圧を印加した内部電極4と外部電極5とが対向する位置において電離し、プラズマになる。
本実施形態においては、内部電極4と外部電極5とが、プラズマ発生用ガスの流れる方向と直交する向きに対向している。内部電極4の外周面と外部電極5の内周面とが対向する位置で発生したプラズマは、ガス流路6と、第1の活性ガス流路7と、第2の活性ガス流路8とをこの順に通流する。この間、プラズマは、ガス組成を変化しつつ通流し、ラジカル等の活性種を含む活性ガスとなる。
生じた活性ガスは、ノズル1の照射口1aから吐出される。吐出された活性ガスは、照射口1a近傍の気体の一部をさらに活性化して活性種を生成する。これらの活性種を含む活性ガスを被照射物に照射する。
被照射物としては、例えば、細胞、生体組織、生物個体等を例示できる。
生体組織としては、各器官(内臓等)、体表や体腔の内面を覆う上皮組織、歯周組織(歯肉、歯槽骨、歯根膜、セメント質等)、歯、骨等を例示できる。活性ガスの照射によって処理可能な疾患および症状としては、例えば、歯肉炎、歯周病等の口腔内の疾患、皮膚の創傷等を例示できる。
生物個体としては、哺乳類(ヒト、犬、猫、豚等)、鳥類、魚類等を例示できる。
プラズマ発生用ガスとしては、例えば、希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン等)、窒素、酸素、空気等を例示できる。これらのガスは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
プラズマ発生用ガスは、窒素を主成分とすることが好ましい。ここで、窒素を主成分とするとは、プラズマ発生用ガスにおける窒素の含有量が50体積%超であることをいう。
すなわち、プラズマ発生用ガスにおける窒素の含有量は、50体積%超であることが好ましく、70体積%以上であることがより好ましく、80体積%〜100体積%であることがさらに好ましく、90体積%〜100体積%であることが特に好ましい。プラズマ発生用ガス中の窒素以外のガス成分としては、例えば、酸素、希ガス等を例示できる。
プラズマ照射装置100が口腔内用治療器具である場合、管状誘電体3に導入するプラズマ発生用ガスの酸素濃度は、1体積%以下が好ましい。酸素濃度が上限値以下であると、オゾンの発生を低減できる。
管状誘電体3に導入するプラズマ発生用ガスの流量は、1L/min〜10L/minであることが好ましい。管状誘電体3に導入するプラズマ発生用ガスの流量が上記下限値以上であると、被照射物における被照射面の温度の上昇を抑制しやすい。プラズマ発生用ガスの流量が上記上限値以下であると、被照射物の清浄化、賦活化または治癒をさらに促進できる。
内部電極4と外部電極5との間に印加する交流電圧は、5kVpp以上20kVpp以下であることが好ましい。ここで、交流電圧を表す単位「Vpp(Volt peak to peak)」は、交流電圧波形の最高値と最低値との電位差である。
なお、内部電極4が外周面に凹凸を有しない円柱の部材である場合、内部電極4と外部電極5との間に印加する交流電圧は、10kVpp以上であることが好ましい。外周面に凹凸を有さない内部電極4を用いる場合、外周面に凹凸を有する内部電極4を用いる場合に比べて、内部電極4と外部電極5との間に印加する交流電圧を高める必要がある。
印加する交流電圧が上記上限値以下であると、発生するプラズマの温度を低く抑えられる。印加する交流電圧が上記下限値以上であると、さらに効率的にプラズマを発生できる。
内部電極4と外部電極5との間に印加する交流の周波数は、0.5kHz以上20kHz未満であることが好ましく、1kHz以上15kHz未満であることがより好ましく、2kHz以上10kHz未満であることがさらに好ましく、3kHz以上9kHz未満であることが特に好ましく、4kHz以上8kHz未満であることが最も好ましい。交流の周波数が上記上限値以下であると、発生するプラズマの温度を低く抑えられる。交流の周波数が上記下限値以上であると、さらに効率的にプラズマを発生できる。
ノズル1の照射口1aから照射する活性ガスの温度は、50℃以下であることが好ましく、45℃以下であることがより好ましく、40℃以下であることがさらに好ましい。ノズル1の照射口1aから照射する活性ガスの温度が上記上限値以下であると、被照射面の温度を40℃以下にしやすい。被照射面の温度を40℃以下にすることで、被照射部分が患部である場合にも、患部への刺激を低減できる。ノズル1の照射口1aから照射する活性ガスの温度の下限値は、特に制限はなく、例えば、10℃である。活性ガスの温度は、照射口1aにおける活性ガスの温度を熱電対で測定した値である。
照射口1aから被照射面までの距離(照射距離)は、例えば、1.0mm〜10mmであることが好ましい。照射距離が上記下限値以上であると、被照射面の温度を低くし、被照射面への刺激をさらに緩和できる。照射距離が上記上限値以下であると、治癒等の効果をさらに高められる。
照射口1aから1mm以上10mm以下の距離で離れた位置の被照射面の温度は、40℃以下が好ましい。被照射面の温度が40℃以下であると、被照射面への刺激を低減できる。被照射面の温度の下限値は特に制限はないが、例えば、10℃である。
被照射面の温度は、内部電極4と外部電極5との間に印加する交流電圧、照射する活性ガスの吐出量、内部電極4と外部電極5とが対向している領域の先端Q1から照射口1aまでの道のり等の組み合わせで調節できる。被照射面の温度は、熱電対を用いて測定できる。
活性ガスに含まれる活性種としては、ヒドロキシルラジカル、一重項酸素、オゾン、過酸化水素、スーパーオキシドアニオンラジカル、一酸化窒素、二酸化窒素、ペルオキシナイトライト、過酸化亜硝酸、三酸化二窒素等を例示できる。活性ガスに含まれる活性種の種類は、例えば、プラズマ発生用ガスの種類等によって調節できる。
活性ガス中におけるヒドロキシルラジカルの密度(ラジカル密度)は、0.1μmol/L〜300μmol/Lであることが好ましく、0.1μmol/L〜100μmol/Lであることがより好ましく、0.1μmol/L〜50μmol/Lであることがさらに好ましい。ラジカル密度が上記下限値以上であると、細胞、生体組織および生物個体から選ばれる被照射物の清浄化、賦活化または異常の治癒を促進しやすい。ラジカル密度が上記上限値以下であると、被照射面への刺激を低減できる。
ラジカル密度は、例えば、以下の方法で測定できる。
DMPO(5,5−ジメチル−1−ピロリン−N−オキシド)0.2mol/L溶液0.2mLに対して、活性ガスを30秒間照射する。この際、照射口1aから液面までの距離を5.0mmとする。活性ガスを照射した溶液について、電子スピン共鳴(ESR)法を利用してヒドロキシルラジカル濃度を測定し、これをラジカル密度とする。
活性ガス中における一重項酸素の密度(一重項酸素密度)は、0.1μmol/L〜300μmol/Lであることが好ましく、0.1μmol/L〜100μmol/Lであることがより好ましく、0.1μmol/L〜50μmol/Lであることがさらに好ましい。一重項酸素密度が上記下限値以上であると、細胞、生体組織および生物個体等の被照射物の清浄化、賦活化または異常の治癒を促進しやすい。上記上限値以下であると、被照射面への刺激を低減できる。
一重項酸素密度は、例えば、以下の方法で測定できる。
TPC(2,2,5,5−テトラメチル−3−ピロリン−3−カルボキサミド)0.1mol/L溶液0.4mLに対して、活性ガスを30秒間照射する。この際、照射口1aから液面までの距離を5.0mmとする。活性ガスを照射した溶液について、電子スピン共鳴(ESR)法を利用して一重項酸素濃度を測定し、これを一重項酸素密度とする。
照射口1aから吐出する活性ガスの流量は、1L/min〜10L/minであることが好ましい。
照射口1aから吐出する活性ガスの流量が上記下限値以上であると、活性ガスが被照射面に作用する効果を充分に高められる。照射口1aから吐出する活性ガスの流量が上記上限値以下であると、活性ガスの被照射面の温度が過度に高まることを防止できる。加えて、被照射面が濡れている場合には、被照射面の急速な乾燥を防止できる。さらに、被照射面が患部である場合には、患者への刺激を抑制できる。プラズマ照射装置100において、照射口1aから吐出する活性ガスの流量は、管状誘電体3へのプラズマ発生用ガスの供給量で調節できる。
プラズマ照射装置100によって生じる活性ガスは、外傷や異常の治癒を促進する効果を有する。活性ガスを細胞、生体組織または生物個体に照射することによって、その被照射部分の清浄化、賦活化、またはその被照射部分の治癒を促進できる。
外傷や異常の治癒を促進する目的で活性ガスを照射する場合、その照射頻度、照射回数および照射期間は特に制限はない。例えば、1L/min〜5.0L/minの照射量で活性ガスを患部に照射する場合、1日1回〜5回、毎回10秒〜10分、1日〜30日間、等の照射条件が、治癒を促進する観点から好ましい。
本実施形態のプラズマ照射装置100は、特に口腔内用治療器具、歯科用治療器具として有用である。また、本実施形態のプラズマ照射装置100は、動物治療用器具としても好適である。
本実施形態のプラズマ照射装置100では、ノズル1に設けられている表示部53により、ノズル1が使用可能状態およびノズル1が使用不能状態のいずれか一方であることを確認することができる。
例えば、洗浄済みの清浄な状態のノズル1は、ノズル1に設けられている記憶部51に、ノズル1の洗浄装置に設けられた第2の読取書込装置により、ノズル1が使用可能状態であることが記憶されている。また、記憶部51に記憶されている使用可能状態であることに基づいて、ノズル1に設けられている表示部53は、ノズル1が使用可能状態であることを表示する。なお、ノズル1が未洗浄の場合には、ノズル1に設けられている記憶部51に、ノズル1の洗浄装置に設けられた第2の読取書込装置により、ノズル1が使用不能状態であることが記憶されている。また、記憶部51に記憶されている使用不能状態であることに基づいて、ノズル1に設けられている表示部53は、ノズル1が使用可能状態であることを表示する。
洗浄済みのノズル1を、カウリング2に取り付けると、ノズル1に設けられている記憶部51に記憶されている使用可能状態を、カウリング2に設けられている第1の読取書込部52が読み取り、ノズル1が洗浄済みであることを確認するとともに、ノズル1に設けられている表示部53が、ノズル1が使用可能状態であることの表示を継続する。
また、第1の読取書込部52は、ノズル1の使用時間(洗浄後にヘッド部2aに取り付けてから、ノズルを使用した累積時間)や、ノズル1の使用回数に関する情報を、ノズル1に設けられている記憶部51に書き込む。そのノズル1の使用時間や使用回数に関する情報に基づいて、ノズル1に設けられている表示部53は、ノズルの交換時期の目安となる、残りの使用可能時間や使用可能回数を表示することもできる。ノズル1の使用時間が設定した範囲を超えた場合や、ノズル1の使用回数が設定した範囲を超えた場合には、第1の読取書込部52は、ノズル1に設けられている記憶部51に、ノズル1が使用不能状態であることを書き込む。そして、ノズル1に設けられている表示部53が、ノズル1が使用不能状態であることを表示する。
なお、目視にて、明らかにノズル1が汚れていることが確認された場合には、カウリング2からノズルを取り外して、ノズル1を洗浄する。
(作用機序)
以上説明した本実施形態のプラズマ照射装置100にあっては、ノズル1に記憶部51が設けられ、カウリング2に記憶部51にノズル1が使用可能状態およびノズル1が使用不能状態のいずれか一方であることの読み取り、並びに、記憶部51に前記の使用可能状態および前記の使用不能状態のいずれか一方であることの書込みを行う第1の読取書込部52が設けられ、ノズル1にノズル1が使用可能状態およびノズル1が使用不能状態のいずれか一方であることを表示する表示部53が設けられているため、ノズル1が使用可能状態および使用不能状態のいずれか一方であることを容易に確認することができる。
[ノズル洗浄装置]
以下、本発明のノズル洗浄装置の一実施形態について説明する。
本実施形態のノズル洗浄装置は、上述の実施形態のプラズマ照射装置を構成するノズルを洗浄するノズル装置である。
図5に示すように、本実施形態のノズル洗浄装置200は、洗浄部210と、嵌合部220と、第2の読取書込部230と、を備える。
洗浄部210は、ノズル1を洗浄する。嵌合部220は、ノズル1を嵌合し、洗浄部210内の所定位置にノズル1を配置する。第2の読取書込部230は、ノズル1に設けられた記憶部51に、ノズル1が使用可能状態およびノズル1が使用不能状態のいずれか一方であることの読み取り、並びに、記憶部51に前記の使用可能状態および前記の使用不能状態のいずれか一方であることの書込みを行う。
洗浄部210は、ノズル1を洗浄することができるものであれば、特に制限はなく、超音波洗浄機等を例示できる。
本実施形態のノズル洗浄装置200では、洗浄部210として、超音波洗浄機を例示する。
洗浄部210は、ノズル1を洗浄するための洗浄液300を収容する洗浄槽211と、洗浄槽211内の洗浄液300およびノズル1に超音波を照射する振動子212と、を備える。
嵌合部220は、ベース部221と、ベース部221の一端に設けられ、ノズル1の台座部1bを嵌合する嵌合孔222と、を備える。
第2の読取書込部230は、嵌合部220の嵌合孔222の近傍に設けられている。
第2の読取書込部230は、特に制限はなく、ICチップやRFIDタグに情報の読み取りおよび書込みを行う一般的な読取書込装置を例示できる。
次に、ノズル洗浄装置200を用いたノズルの洗浄方法を説明する。
プラズマ照射装置100の照射器具10から取り外されたノズル1を、嵌合部220の嵌合孔222に嵌合する。
次いで、洗浄部210の洗浄槽211の所定位置に、ノズル1を嵌合した嵌合部220を固定して、洗浄槽211内の洗浄液300にノズル1を浸漬する。
次いで、振動子212を振動させて、洗浄槽211内の洗浄液300およびノズル1に超音波を照射して、ノズル1を洗浄する。
超音波の周波数や、超音波を照射する時間は、特に制限はなく、ノズル1の汚れの度合い等に応じて適宜調整される。
次いで、洗浄が済んだノズル1に設けられた記憶部51に、嵌合部220に設けられた第2の読取書込部230により、ノズル1が使用可能状態であることが記憶される。また、記憶部51に記憶されている使用可能状態に基づいて、ノズル1に設けられている表示部53は、ノズル1が使用可能状態であることを表示する。さらに、洗浄済みのノズル1を、カウリング2に取り付けると、ノズル1に設けられている記憶部51に記憶されている使用可能状態を、カウリング2に設けられている第1の読取書込部52が読み取り、ノズル1が洗浄済みであることを確認するとともに、ノズル1に設けられている表示部53が、ノズル1が使用可能状態であることの表示を継続する。
以上説明した本実施形態のノズル洗浄装置200にあっては、ノズル1を洗浄する洗浄部210と、ノズル1を嵌合する嵌合部220と、嵌合部220に設けられ、ノズル1に設けられた記憶部51にノズル1が使用可能状態およびノズル1が使用不能状態のいずれか一方であることの読み取り、並びに、記憶部51に前記の使用可能状態および前記の使用不能状態のいずれか一方であることの書込みを行う第1の読取書込部52と、を備えるため、ノズル1が使用可能状態および使用不能状態のいずれか一方であることを容易に確認することができる。
<他の実施形態>
なお、本発明は、上記の実施形態に限定するものではない。
操作スイッチ9が、上記の実施形態と異なっていてもよい。例えば、照射器具10に操作スイッチ9を設けることに代えて、供給ユニット20に足踏みペダルを設けてもよい。
この場合、足踏みペダルを操作部とし、例えば使用者が足踏みペダルを踏んだときに、供給源80からプラズマ発生用ガスをプラズマ発生部12に供給する構成を採用すること等ができる。
上述の本実施形態の内部電極4の形状は、ねじ状である。しかしながら、内部電極は、外部電極との間にプラズマを発生できれば、内部電極の形状は限定されない。
内部電極は、表面に凹凸を有してもよいし、表面に凹凸を有しなくてもよい。内部電極としては、外周面に凹凸を有する形状が好ましい。
例えば、内部電極の形状は、コイル状でもよいし、外周面に突起、穴、貫通孔が複数形成された棒形状または筒形状でもよい。内部電極の断面形状は、特に限定されず、例えば、真円形、楕円形等の円形、四角形、六角形等の多角形を例示できる。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
本発明のプラズマ照射装置は、口腔内の治療、歯科の治療、動物の治療等の用途に有用である。活性ガスの照射によって処理可能な疾患および症状としては、例えば、歯肉炎、歯周病等の口腔内の疾患、皮膚の創傷等を例示できる。
本発明の治療方法は、生体組織の治癒促進に有効である。本発明の治療方法は、ヒトのみならず、ヒトを除く動物の治療にも有効である。
1 ノズル
10 照射器具
12 プラズマ発生部
40 電気配線
51 記憶部
52 第1の読取書込部
53 表示部
100 プラズマ照射装置
200 ノズル洗浄装置
210 洗浄部
220 嵌合部
230 第2の読取書込部

Claims (2)

  1. 本体、前記本体の先端から突出するノズルおよび前記本体内に位置するプラズマ発生部を有し、前記プラズマ発生部にて発生したプラズマおよび前記プラズマによって生じる活性ガスの少なくとも一方を前記ノズルから吐出する照射器具と、
    前記ノズルに設けられ、前記ノズルが使用可能な使用可能状態および前記ノズルが使用不能な使用不能状態のいずれか一方であることを記憶する記憶部と、
    前記本体に設けられ、前記記憶部に記憶された前記使用可能状態および前記使用不能状態のいずれか一方の読み取り、並びに、前記記憶部に前記使用可能状態および前記使用不能状態のいずれか一方の書込みを行う第1の読取書込部と、
    前記ノズルに設けられ、前記使用可能状態および前記使用不能状態のいずれか一方を表示する表示部と、を備えるプラズマ照射装置。
  2. 請求項1に記載のプラズマ照射装置を構成するノズルを洗浄するノズル洗浄装置であって、
    前記ノズルを洗浄する洗浄部と、
    前記ノズルを嵌合する嵌合部と、
    前記嵌合部に設けられ、前記記憶部に記憶された前記使用可能状態および前記使用不能状態のいずれか一方の読み取り、および、前記記憶部に前記使用可能状態および前記使用不能状態のいずれか一方の書込みを行う第2の読取書込部と、を備えるノズル洗浄装置。
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