JP7016184B2 - microRNA-21を標的とした変形性関節症による疼痛の緩和 - Google Patents

microRNA-21を標的とした変形性関節症による疼痛の緩和 Download PDF

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Description

本発明は、変形性関節症による疼痛の緩和薬に関する。
変形性関節症(osteoarthritis: OA)は有病率が高く、慢性に経過する疾患である。平成25年の国民生活基礎調査によると介護保険における要支援者の介護が必要になった主な原因の1位は関節の痛みであり、国民の自覚症状でも手足の関節の痛みが上位となっている。変形性関節症の疼痛緩和のための薬物療法として非ステロイド性抗炎症薬やアセトアミノフェン、オピオイドなどが用いられるが、有効性が不十分であるために人工関節置換術などの手術療法を必要とする症例が増加傾向である。また既存の薬物療法では急性の有害作用を有するものが多く、慢性使用に伴う有害作用もあるため、新たな鎮痛薬の開発が望まれている。変形性関節症における痛みの原因はいまだ明らかでなく、新たな鎮痛薬の開発のために変形性関節症における痛みの原因究明が必要である。
近年、種々の疾患に伴う疼痛におけるmicroRNAの重要性が報告されてきているが、変形性関節症の痛みにおけるmicroRNAの働きに関する報告はほとんどない。
最近の研究では、細胞外microRNA が細胞内にあるToll様受容体(Toll like receptor; TLR)7に結合後、様々な生理作用を示すことが報告されている。TLR7は、痛みなどの感覚機能に関係している小径の脊髄後根神経節(DRG)ニューロン(知覚神経)に発現しており、疼痛制御に関与していることが知られている。
特許文献1(US 9267139 B2)では、筋骨格疾患の一例として変形性関節症を例示し、治療方法として、miRNAに着目し、miR-29b-1の発現を低減あるいは制御する方法を開示している。しかし、29歳~41歳の患者の骨髄由来間葉系幹細胞(BMSCs)に比し64歳~73歳の患者のBMSCsで変化しているmicroRNAを調べているに留まり、適応疾患もおそらく関係のありそうな疾患を考えうる限り書いたに過ぎず、microRNAの発現に関与する薬剤(microRNA 阻害薬等)が痛みを制御するかどうかはおろか、microRNAの発現に関与する薬剤が実際にmicroRNAの発現を変化させるかさえ確認していない。更に、変形性関節症の治療というのが、軟骨変性の治療か痛みの治療かは明確に記載されていない。
特許文献2(WO 2013/151058)は、miR-140の発現を制御することにより、変形性関節症や椎間板変性症のような軟骨変性疾患の治療方法を開示しているが、これは、変形性関節症の痛みの治療薬ではなく、軟骨の分化を制御することにより、変形性関節症を治療するものである。軟骨の変性は疼痛と相関しないという多くの報告が存在し、本発明とは根本的に異なるものである。
特許文献3(特表2012-504651号公報)は、TLR3の活性を抑制することにより、炎症状態を治療する方法に関するものであり、その一態様として変形性関節症が列記されているが、あくまで、列記されているに過ぎない。
特許文献4(特表2011-502170号公報)は、変形性関節症疾患の治療または予防のためにTLR4拮抗薬を使用している。TLR4が活性化すると、炎症性サイトカインの放出が増加するため、炎症反応によって変形性関節症疾患の発症と結びついているという発明であるが、TLR7、8、9には着目していない。
特許文献5(特表2016-512561号公報)は、痛みを軽減するためにTLR4拮抗薬に注目した発明である。対象疾患として、変形性関節症が挙げられているが、TLR7、8、9には着目していない。また、下背部痛、外陰部痛、三叉神経痛、片頭痛などについて試験を行っているが、変形性関節症については、何ら試験を行っていない。
TLR拮抗薬といっても、受容体の種類や作用部位が異なれば、全く別のものである。
米国特許第9267139号明細書 国際公開第2013/151058号 特表2012-504651号公報 特表2011-502170号公報 特表2016-512561号公報
本発明の目的は、変形性関節症における痛みの一因を明確にするとともに、変形性関節症の痛みを緩和する治療薬の開発に寄与することにある。
変形性関節症による痛みは、軟骨変性ではなく、滑膜炎と相関することが報告されている。そこで本発明者らは、痛みに関連すると考えられているmicroRNAが滑膜において発現上昇した場合には、そのmicroRNAが原因となり痛みが発生すると仮説を立てた。
本発明者らは、ラットの変形性関節症モデルを用いて仮説を検証し、変形性関節症において、滑膜でmicroRNAの発現が上昇し、その一部が関節腔内へ放出され他の細胞に作用し、疼痛に関与することを見出した。また、数多くあるmicroRNAのうちmicroRNA-21(miR-21)が変形性関節症の疼痛に関与することを見出した。
また、最近の研究では、細胞外microRNA が細胞内にあるTLR7に結合後、様々な生理作用を示すことが報告されている。
そこで、miRNA-21阻害薬のみならず、TLR拮抗薬の変形性関節症における疼痛を緩和する効果を確認し、これらの化合物が変形性関節症の疼痛を緩和する効果を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1] miR-21阻害薬を有効成分として含む変形性関節症による疼痛の緩和薬。
[2] miR-21阻害薬が、関節液中のmiR-21に結合し機能阻害する、[1]の変形性関節症による疼痛の緩和薬。
[3] miR-21阻害薬がmiR-21に結合し機能阻害する核酸である、[1]または[2]の変形性関節症による疼痛の緩和薬。
[4] miR-21阻害薬が、配列番号1で表される塩基配列の全部または連続した一部配列に相補的な配列を含む配列からなる核酸である、[1]~[3]のいずれかの変形性関節症による疼痛の緩和薬。
[5] TLR拮抗薬を有効成分として含む変形性関節症による疼痛の緩和薬。
[6] TLR拮抗薬がTLR7、TLR8またはTLR9の拮抗薬である、[5]の変形性関節症による疼痛の緩和薬。
[7] TLR拮抗薬がTLR7またはTLR8の拮抗薬である、[6]の変形性関節症による疼痛の緩和薬。
[8] TLR拮抗薬がTLR8の拮抗薬である、[7]の変形性関節症による疼痛の緩和薬。
[9] TLR拮抗薬が、inhibitoryオリゴデオキシヌクレオチドである、[5]~[8]のいずれかの変形性関節症による疼痛の緩和薬。
[10] [1]~[4]のいずれかのmiR-21阻害薬を有効成分として含む変形性関節症による疼痛の緩和薬と[5]~[9]のいずれかのTLR拮抗薬を有効成分として含む変形性関節症による疼痛の緩和薬とを組合せた、変形性関節症による疼痛の緩和薬。
本明細書は本願の優先権の基礎となる日本国特許出願番号2018-44744号の開示内容を包含する。
miR-21阻害薬またはTLR拮抗薬を変形性関節症患者の関節内に投与することにより、変形性関節症による疼痛を長期的に緩和することができる。また、miR-21阻害薬とTLR拮抗薬を組合せて投与することにより変形性関節症による疼痛の緩和に相乗的な効果が得られることが期待される。
変形性関節症動物モデルにおけるACLT術後のPAMの経過(A)およびvon Frey testの経過(B)を示す図である。 変形性関節症動物モデルであるACLTモデルでの、術後14日目の膝関節の滑膜におけるマイクロアレイによるmicroRNAの発現量を示す図である。 変形性関節症動物モデルにおける滑膜(A)および関節液(B)のmiR-21の発現量を定量的PCRにより測定した結果を示す図である。 miR-21注射後の疼痛閾値の変化を示す図である。 miR-21誘因性の疼痛に対するTLR拮抗薬の疼痛緩和効果を示す図である。 変形性関節症モデルラットにmiR-21阻害薬(S-TuD)を注射したときの疼痛緩和効果を示す図である。図6AはPAMの結果を、図6Bはvon Frey testの結果を示す。 変形性関節症モデルラットにmiR-21阻害薬(IDT(登録商標)miRNA Inhibitor)を注射したときの疼痛緩和効果を示す図である。図7AはPAMの結果を、図7Bはvon Frey testの結果を示す。 変形性関節症モデルラットにTLR拮抗薬を注射したときの疼痛緩和効果を示す図である。図8AはPAMの結果を、図8Bはvon Frey testの結果を示す。 変形性関節症動物モデルにおけるACLT術後56日までのPAMの経過(A)およびvon Frey testの経過(B)を示す図である。 変形性関節症動物モデルによるmiR-21の発現を示す図である。図10Aは滑膜における発現量を示し、図10Bは関節液における発現量を示す。 miR-21放出組織の確認の結果を示す図である。 miR-21投与により疼痛が発生することを示す図である。 関節内に分布している感覚神経におけるTLR7の発現を示す図である。 マクロファージ様滑膜細胞(滑膜A細胞)のマーカーであるCD11bとTLR7に対する蛍光免疫染色像を示す図である。 線維芽細胞様滑膜細胞(滑膜B細胞)のマーカーであるThy-1とTLR7に対する蛍光免疫染色像を示す図である。 ヒト滑膜・関節液におけるmiR-21発現量を示す図である。 TLR7、8、9拮抗薬による疼痛の緩和の効果を示す図である。 TLR7特異的拮抗薬による疼痛の緩和の効果(PAM)を示す図である。 TLR7特異的拮抗薬による疼痛の緩和の効果(von Frey test)を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、miR-21の阻害薬またはTLR7、8および9拮抗薬を有効成分とする、変形性関節症による疼痛の緩和薬である。
変形性関節症は、慢性の関節炎を伴う関節疾患であり、滑膜炎が生じることで関節に痛みや腫れを引き起こす。変形性関節症は、膝関節、股関節、足関節、足趾関節、肩関節、肘関節、手関節、手指関節、脊椎椎間関節等に発症する。
変形性関節症モデル動物において、滑膜および関節液中でmiR-21が増加している。miR-21は滑膜の細胞において発現上昇すると考えられ、発現したmiR-21が細胞外に放出され、他の細胞に作用することで変形性関節症の疼痛に関与すると考えらえる。従って、変形性関節症痛患者において、miR-21の活性を阻害することにより疼痛を緩和することができる。
また、最近の研究では、細胞外microRNA が細胞内にあるTLR7に結合後、様々な生理作用を示すことが報告されている。TLR7は、痛みなどの感覚機能に関係している小径の脊髄後根神経節(DRG)ニューロン(知覚神経)に発現しており、疼痛制御に関与していることが知られている。細胞外に放出されたmicroRNAが細胞内のTLR7(Toll-like receptor-7)に結合し、疼痛を誘発している可能性があり、疼痛患者において、TLR7拮抗薬により疼痛を緩和することができる。
すなわち、本発明はmiR-21阻害薬を有効成分として含む変形性関節症の疼痛の緩和薬であり、また、TLR7、8および9拮抗薬を有効成分として含む変形性関節症の疼痛の緩和薬である。
さらに、本発明はmiR-21阻害薬とTLR7、8および9拮抗薬を組合せて含む変形性関節症の疼痛の緩和薬である。
miR-21阻害薬
本発明において、miR-21阻害薬は、miR-21の発現を阻害するものも、miR-21のサイレンシング機能を阻害するものも含み、miR-21に結合し最終的にmiR-21の活性および機能を阻害し得る。miR-21阻害薬をmiR-21活性阻害薬ともいう。
miR-21(has-miR-21-5p)は、UAGCUUAUCAGACUGAUGUUGA(配列番号1)で表される22塩基の配列からなる。
配列番号1で表される配列に相補的な配列を含む配列からなる核酸は、miR-21に結合し、miR-21の活性を阻害し得る。配列番号1で表される配列に相補的な配列を含む配列からなる核酸は、Micro RNA Binding Site(MBS)を有し、MBS部分がmiR-21に結合する。すなわち、miR-21阻害薬として、配列番号1で表される塩基配列の全部または連続した一部配列に相補的な配列を含む配列からなる核酸が挙げられる。該核酸は配列番号1で表される配列に対して、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも97%、さらに好ましくは少なくとも98%、さらに好ましくは少なくとも99%、特に好ましくは100%の相補性を有する。miRNAの配列に相補的な核酸の塩基長は、5~50塩基、好ましくは6~24塩基、さらに好ましくは8~22塩基である。例えば、配列番号1で表される配列に対して100%相補的な配列は、UCAACAUCAGUCUGAUAAGCUA(配列番号2)で表される。
核酸はDNAでもRNAでもよい。また、核酸を構成するヌクレオチドは、天然のヌクレオチドでも、修飾されたヌクレオチドでも、人工のヌクレオチドでもよく、これらの組合せであってもよい。miR-21阻害薬は、好ましくは阻害薬である核酸とmiR-21との二本鎖複合体の熱安定性を改善するように修飾されている。
修飾体として、一部または全部の塩基が修飾された核酸が挙げられ、例えば、少なくとも1つは、修飾されていてもよく、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、あるいは100%の塩基が修飾されていてもよい。修飾された塩基として、5-メチルシトシン、5-フルオロシトシン、5-ブロモシトシン、若しくは5-ヨードシトシン;5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-ヨードウラシル、若しくは5-ヒドロキシウラシル;2-チオチミン;N6-メチルアデニン若しくは8-ブロモアデニン;並びにN2-メチルグアニン若しくは8-ブロモグアニン等が挙げられる。
また、修飾体として、一部または全部の糖部分が修飾された核酸が挙げられ、例えば、少なくとも1つは、修飾されていてもよく、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、あるいは100%の塩基が修飾されていてもよい。ヌクレオチドの糖の化学構造に対して任意の物質を付加し、または置換した構造を有する核酸が挙げられる。修飾された糖を含むことにより、ヌクレアーゼ耐性が増加する。修飾された糖の例としては、例えば、二環式糖、5'-ビニル、5'-メチル、4'-S、2'-F、2'-OCH3(2'-メトキシ若しくは2'-O-メチル基)、および2'-O(CH2)2OCH3置換基等が挙げられる。二環式糖部分を含む核酸は、架橋核酸(bridged nucleotide; BNA)と呼び、このような、核酸として、メチレンオキシ(4'-CH2-O-2')架橋を有する糖(LNA(商標)、2',4'-BNA)、エチレンオキシ(4'-(CH2)2-O-2')架橋を有する糖(ENA)、4'-CH(CH3)-O-2'架橋を有する糖(cEt、constrained ethyl)、4'-CH(CH2OCH3)-O-2'架橋を有する糖(cMOE、constrained MOE)、アミド架橋を有する糖(AmNA、Amido-bridged nucleic acid)等が挙げられる。
さらに、核酸のリン酸ジエステル結合の一部または全部が修飾されていてもよく、例えば、少なくとも1つは、修飾されていてもよく、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、あるいは100%の結合が修飾されていてもよい。そのような結合の修飾として、ホスホロチオエート結合、ホスホロジチオエート結合、ホスホロジアミデート結合およびホスホロアミデート結合等が挙げられる。これらの修飾された結合は、天然に存在する結合よりもヌクレアーゼ耐性が高い。
さらに、核酸は、ペプチド核酸、モルホリノ核酸などのヌクレオチド模倣体を含んでもよい。
miR-21阻害薬として作用する核酸は、少なくとも1つの上記の修飾ヌクレオチドを含んでよい。例えば、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、あるいは100%の修飾ヌクレオチドを含んでいてもよい。修飾ヌクレオチドは、修飾されたリン酸ジエステル結合、修飾糖部分および/または修飾核酸塩基を含み得る。
miR-21阻害薬として作用する核酸のリン酸ジエステル結合の少なくとも1つは、修飾されていてもよく、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、あるいは100%の結合が修飾されていてもよい。
miR-21阻害薬として作用する核酸の糖部分の少なくとも1つは修飾されていてもよい。例えば、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、あるいは100%の糖部分が修飾されていてもよい。
さらに、miR-21阻害薬として作用する核酸の塩基の少なくとも1つは、修飾核酸塩基であってよい。例えば、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、あるいは100%の塩基が修飾されていてもよい。
miR-21阻害薬として作用する核酸は、一本鎖構造を有していても、二本鎖構造を有していてもよい。
miR-21阻害薬として作用する核酸の具体例として、S-TuD(スタッド)(Synthetic Tough Decoy)、IDT(登録商標) miRNA inhibitor等が挙げられる。
S-TuDは、2'-O-Methyl RNAを主構成成分とする2本鎖RNAであり、Micro RNA Binding Site (MBS)がRISC複合体化した成熟miRNAに特異的に結合し、miRNA活性を低濃度でも強力に阻害する。S-TuDについては、WO2017/047097、WO2010/047216等に記載されている。S-Tudは、株式会社ジーンデザインより入手することができる。
IDT(登録商標) miRNA inhibitorは、2-O-MetとZENという特殊修飾を有するオリゴヌクレオチドであり、Lennox KA, et al. , Mol Ther Nucleic Acids. 2, e117 (2013)等に記載されている。IDT(登録商標) miRNA inhibitorは、Integrated DNA Technologiesより入手することができる。
上記のオリゴヌクレオチドであるmiR-21活性阻害薬は、公知の化学合成法や酵素的転写法により合成することができる。化学合成法として、ホスホロチオエート法、ホスホロアミダイト法、ホスホトリエステル法等が挙げられる。酵素的転写法として、RNAポリメラーゼを用いた方法が挙げられる。
TLR拮抗薬
TLR拮抗薬は、TLR7、TLR8、TLR9のいずれかに作用し、これらの作用を阻害する。従って、TLR拮抗薬として、TLR7、TLR8およびTLR9のいずれかの作用を阻害することがわかっている化合物を用いることができる。TLR7およびTLR8はイミダゾキノリン等の低分子化合物や1本鎖RNAをリガンドとし、TLR9は非メチル化CpGDNAをリガンドとし、これらのリガンドと類似した構造を有する化合物がTLRに結合すると、TLRとリガンドの結合を阻害し、TLR拮抗薬として作用する。TLR拮抗薬をTLRアンタゴニストあるいはTLR阻害薬とも呼ぶ。
TLR拮抗薬の中でもTLR8拮抗薬が好ましい。後記の実施例6のように、TLRのうち一本鎖RNAは齧歯類ではTLR7が認識するが、ヒトではTLR8が認識する。一本鎖RNAの中でもmiR-21に関してこれを支持する報告が多い(Heil F et al. Science. 2004;303(5663), 1526-1529:M. Fabbri et al., RNA Biology 10:2, 169-174; February 2013: X. Chen et al., RNA(2013), 19:737-739: M. Fabbri et al., PNAS, E2110-E2116, published online July 2, 2012) 。従って、ヒトにおいてはTLR8拮抗薬が疼痛緩和作用を持つことは明らかである。
種々の化合物がTLR拮抗薬として作用することがわかっており、本発明においては公知のTLR拮抗薬を用いることができる。TLR拮抗薬は、例えば、Barrat FJ et al., J Exp Med. 2005;202(8),1131-1139: Hennessy EJ et al., Nat Rev Drug Discov. 2010;9(4),293-307.: Wu YW et al., Acta Pharmacol Sin. 2015;36(12):1395-1407.: Ferreira TP et al., Front Immunol. 2016;7,95.等に記載されている。TLR拮抗薬の例として、IRS-954、DV1179、IMO-3100、IMO-8400、INH-ODN-24888、VTX-763、TMX-302、IMO-92003、hydroxychloroquine、CPG-523644等が挙げられる。
具体的には、TLRに結合しTLRシグナリングを低下させるポリヌクレオチドが挙げられ、そのようなポリヌクレオチドとして、以下に示すポリヌクレオチドが挙げられる。TLRはCpGモチーフを有するDNAに結合し複合体を形成しシグナリングが促進される。TLRシグナリングを低下させるポリヌクレオチドはCpGモチーフを有するDNAよりTLRに強力に結合し、TLRの活性化を阻害する。これらのポリヌクレオチドをinhibitoryオリゴデオキシヌクレオチド(iODN)と呼ぶことがある。
5'-CTATCT[2OMeG][2OMeU][5MedC][7deazadG]TTCTCT[2OMeG][2OMeU]-3'(配列番号3)
配列番号3において、「2OMeG」は2'-O-メチルグアノシンを、「2OMeU」は2'-O-メチルウリジンを、「5Med」は5-メチル-2'-デオキシシチジンを、「7deazadG」は7-デアザ-2'-デオキシグアノシンを示す。
5'-TGCTTGCAAGCTTGCAAGCA-3'(IRS661)(配列番号4)
5'-TGCTCCTGGAGGGGTTGT-3’(IRS954)(配列番号5)
5'-TCCTGGCGGGGAAGT-3'(INH-ODN-24888(iODN2088))(配列番号6)
5'-TTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGG-3’(iODN(ttaggg)4)(配列番号7)
5'-TGCTCCTGGAGGGGTTGT-3’(Dual-iODN)(配列番号8)
上記のポリヌクレオチド中のヌクレオチドは天然のヌクレオチドでも、修飾されたヌクレオチドでも、人工のヌクレオチドでもよく、これらの組合せでもよい。修飾されたヌクレオチドには、上記のものが含まれる。また、核酸のリン酸ジエステル結合の一部または全部が修飾されていてもよく、そのような結合の修飾として、ホスホロチオエート結合、ホスホロジチオエート結合、ホスホロジアミデート結合およびホスホロアミデート結合等が挙げられる。
また、クロロキン(4-アミノキノリン)、ヒドロキシクロロキン、キナクリン(9-アミノアクリジン)、キナゾリン誘導体、シクロヘキセン誘導体等の低分子化合物が挙げられる。そのような化合物として、DV1179、IMO-3100、IMO-8400、VTX-763、TMX-302、IMO-92003、hydroxychloroquine、CPG-523644以下の化合物が挙げられる。
3-(1-(1-(4-((6-amino-8-hydroxy-2-(2-methoxyethoxy)-9H-purin-9-yl)methyl)phenyl)-1-oxo-5,8,11,14,17,20-hexaoxa-2-azadocosan-22-yl)-1H-1,2,3-triazol-4-yl) propanoic acid(TMX-302)
硫酸ヒドロキシクロロキン
Figure 0007016184000001
クロロキン
Figure 0007016184000002
キナクリン
Figure 0007016184000003
2-[4-(4-メチル-1-ピペラジニル)フェニル]-N-[2-(4-モルホリニル)エチル]-4-(6,7-ジメトキシ-キナゾリンアミン)(CPG-52364)
Figure 0007016184000004
変形性関節症による疼痛を緩和するために、miR-21阻害薬とTLR拮抗薬を併用することにより相乗的な効果を発揮することが期待できる。この際、miR-21阻害薬の少なくとも1つとTLR拮抗薬の少なくとも1つを併用すればよい。本発明は、miR-21阻害薬とTLR拮抗薬を組合せた、変形性関節症による疼痛を緩和するための組合せ製剤または組合せキットを包含する。さらに、本発明は、TLR拮抗薬と併用されるmiR-21阻害薬を含む変形性関節症による疼痛の緩和薬を包含し、miR-21阻害薬と併用されるTLR拮抗薬を含む変形性関節症による疼痛の緩和薬を包含する。miR-21阻害薬とTLR拮抗薬は、同時に投与しても、別々に投与してもよい。また、順次に投与してもよく、投与順は、miR-21阻害薬が先でもよいし、TLR拮抗薬が先でもよい。
本発明のmiR-21の活性阻害薬またはTLR拮抗薬を含む変形性関節症による疼痛の緩和薬の投与経路は限定されず、緩和薬が関節に到達できる限り、経口、吸入、注射(静脈注射、皮下注射、皮内注射、筋肉注射、関節腔内注射)、経皮(外用)、経鼻、経粘膜、鼻腔内、気管内等の経路により投与することができる。この中でも、変形性関節症患者の関節内へ注射による投与が好ましい。関節内への投与とは関節腔内への投与をいう。
本発明のmiR-21の活性阻害薬またはTLR拮抗薬を含む変形性関節症による疼痛の緩和薬の剤形は限定されないが、好ましくは液剤、乳剤、懸濁液、溶液剤、注射剤、錠剤、顆粒剤、噴霧剤、カプセル剤、シロップ剤、座剤、軟膏、テープ剤等である。本発明の変形性関節症による疼痛の緩和薬は、製剤分野において通常用いられる薬理学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着香剤、着色剤、甘味剤、矯味剤、懸濁化剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、補助剤、防腐剤、緩衝剤、安定剤、コーティング剤等を含んでいてもよい。担体、賦形剤としては、例えば、乳糖、デンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、結晶セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、グリセリン、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム等が挙げられ、結合剤としてはポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、エチルセルロース、アラビアゴム、シエラック、白糖等が挙げられる。注射用の水性液としては、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液などが使用され、適当な溶解補助剤、例えばアルコール、プロピレングリコールなどのポリアルコール、非イオン性界面活性剤などと併用してもよい。油性液としては、ゴマ油、大豆油などが使用され、溶解補助剤としては安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。担体等を含む変形性関節症による疼痛の緩和薬中の有効成分であるmiR-21の活性阻害薬またはTLR拮抗薬中の含有量は、剤形によるが、通常、1~50重量%程度である。
本発明のmiR-21の活性阻害薬またはTLR拮抗薬を含む変形性関節症による疼痛の緩和薬は、治療上有効量を投与すればよい。治療上の有効量は、患者の病態の重篤度、性別、年齢、体重等によって適宜変更することができる。例えば、miR-21の活性阻害薬については、1回の投与で、患者の体重1kgあたり約1μg~約2000mg、さらに好ましくは約10μg~約1000mg、さらに好ましくは約100μg~約500mgを投与すればよく、TLR拮抗薬については、1回の投与で、患者の体重1kgあたり約0.1μg~約2000mg、好ましくは約1μg~約1000mg、さらに好ましくは約10μg~約500mgを投与すればよい。投与は1日1~数回、例えば4~6回に分けて投与することができ、数日または数週間に1回の割合で間欠的に投与してもよい。
本発明の変形性関節症による疼痛の緩和薬は、いかなる動物の変形性関節症による疼痛の緩和に使用できる。特に、ヒト、サル、ウシ、ヒツジ、ウマ、イヌ、ネコ等哺乳類の変形性関節症による疼痛の緩和に好適に使用することができる。
本発明を以下の実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
本発明者は、変形性関節症による痛みは、軟骨変性ではなく、滑膜炎と相関することが報告されているため、痛みに関連すると考えられているmicroRNAが滑膜において発現上昇した場合には、そのmicroRNAが原因となり痛みが発生すると仮説を立てた。
(1)変形性関節症モデルラットを用いた確認
本発明者はラットの変形性関節症モデルを用いて、仮説を確認することとした。
現在までに薬物誘発性の変形性関節症動物モデルがよく利用されているが、必ずしもヒトの病態を反映していない。ヒトでは前十字靭帯(anterior cruciate ligament; ACL)を断裂した患者では、経年的に変形性関節症を発症することが報告されている。このことを模した動物モデルであり鎮痛薬の効能評価に用いられるACL transection(ACLT)モデルラットを利用し、後記の参考例1の検討を行った。このACLモデルラットにおける痛覚過敏を評価し、sham surgery(偽手術)群に比し疼痛閾値が低下していることから、変形性関節症モデルラットとして使用できることを確認した。
(2)microRNAの発現確認
変形性関節症の疼痛は関節病変ではなく滑膜炎と相関することが報告されていることから、滑膜におけるmicroRNAの発現上昇が変形性関節症の疼痛に関与している可能性が考えられる。
microRNAは従来知られている細胞内における翻訳抑制作用の他に、積極的に細胞外へ放出されて近傍の細胞に影響を与えることが示されてきている。従って、microRNAの一部が関節腔内へ放出され、他の細胞に作用することで変形性関節症の痛みへ関与しているのではないかと仮説を立てた。
関節腔内の細胞外microRNAをターゲットにすることは、核酸医薬を局所投与することにより全身作用を回避できるのみでなく、核酸の細胞内移行を必要としないため、ドラッグデリバリーの観点から有効性の検証可能性が高い。従って、次世代医薬品としての開発も期待される。
そこで、後記の参考例2において、疼痛発症後の膝関節の滑膜においてmicroRNAの発現変化をmicroarrayにより網羅的に解析し、複数のmicroRNAが増加することを確認した。
(3)microRNA-21発現部位の確認
後記の参考例3の検討を行い、滑膜および関節液のquantitative polymerase chain reaction(定量的PCR)で、microRNA-21(miR-21)の発現が増加していることを確認した。
(4)変形性関節症の痛みの原因の確認
後記の参考例1~3の結果により、変形性関節症の疼痛患者では、miR-21の発現が増えることが明らかになったことから、miR-21の発現を抑制できれば、疼痛が緩和されることが予測される。
そこで、後記の参考例4において、miR-21を正常ラットの膝に関節腔内投与することによって、疼痛が増大することを確認した。
(5)miR-21を原因とする疼痛の改善方法の確認
最近の研究では、細胞外microRNAが細胞内にあるTLR7に結合後、様々な生理作用を示すことが報告されている。TLR7は、痛みなどの感覚機能に関係している小径の脊髄後根神経節(DRG)ニューロン(知覚神経)に発現しており、疼痛制御に関与していることが知られている。このように細胞外microRNA が痛みに関与していることを示唆する論文は散見されるものの、細胞外microRNA が知覚神経の活性化を介して、直接痛みを誘発するかどうかは不明である。
そこで、後記の実施例1において、miR-21とともにTLR拮抗薬を同時に注射することで、この痛覚過敏を改善させることを確認した。
miR-21とともにTLR拮抗薬を同時に投与することで、痛覚過敏が緩和されたことから、変形性関節症のようなmiR-21が増加して起こる疼痛には、TLR7、TLR8、TLR9に結合することができるTLR拮抗薬が疼痛緩和薬として利用できることが分かった。
今回、TLR拮抗薬として作製した核酸は、TLR7、8、9 のいずれにも作用するため、TLR7、8、9 それぞれの機能を阻害する物質であれば、同様の効果を表すことが予測される。つまり、現在知られているIRS-954、DV1179、IMO-3100、IMO-8400、INH-ODN-24888、VTX-763、TMX-302、IMO-92003、hydroxychloroquine、CPG-523644でも同様の効果を示す可能性がある。
(6)miR-21阻害薬による疼痛緩和効果の確認
後記の実施例2において、miR-21の機能を阻害するS-TuDを関節内に投与したところ、ACLTモデルラットに生じた疼痛を長期的に緩和した。
また、後記の実施例3において同じくmiR-21阻害薬として知られているIDT miRNA Inhibitorを関節内に投与したところ、同様にACLTモデルラットに生じた疼痛を長期的に緩和した。
miR-21阻害薬には様々な種類があるが、一般的に知られているものであれば、使用することができる。
(7)TLR拮抗薬による疼痛緩和効果の確認
後記の実施例4において、miR-21 阻害薬と同様にTLR 拮抗薬でも鎮痛作用が得られることを確認した。
[参考例1] 変形性関節症動物モデルによる痛覚変化の確認
ヒトでは前十字靭帯を断裂した患者では、経年的に変形性関節症を発症することが報告されている。そのため、この患者を模した動物モデルであり鎮痛薬の効能評価に用いられるACLTモデルラットと、sham surgery(偽手術)群を用いて、経時的な痛覚の変化を評価することとした。
痛覚の評価には、膝関節を徐々に圧迫していった時に声を出して鳴いた際の圧力を計測するPressure Application Measurement(PAM)と、モデルラットの足底に細くて柔らかいフィラメントから、太くて硬いフィラメントまで順にタッチして、ラットが逃避行動を5回中3回以上示したフィラメントサイズを反応閾値(g)として評価するvon Frey testを用いた。
PAMとvon Frey testでは、いずれも閾値を示す縦軸の数値が低くなると、痛みに敏感になっていることを示す。
図1AにACLT術後のPAMの経過を示し、図1BにACLT術後のvon Frey testの経過を示す。
ACLTモデルラットでは、PAMではACLT後14日目以降に、von Frey testにおいてはACLT術後7日目から28日目で有意に痛覚の閾値が低下しており、痛覚過敏となっていることが分かった。
[参考例2] 変形性関節症動物モデルによるmiR-21の発現の確認
参考例1でACLTモデルラットでは、ACLT術後14日目の段階で痛覚過敏になっていることから、疼痛を発症していると考え、ACLT術後14日目のACLTモデルラットとsham surgery群の膝関節の滑膜においてmicroRNAの発現変化をマイクロアレイにより網羅的に解析した。その結果、複数のmicroRNAが増加することを確認した。このうち最も発現量が多く、増加率の高かったmiR-21に注目することにした。
尚、念のため、miR-21と米国特許第9267139号明細書および国際公開第2013/151058号で例示されたmiR-29b-1、miR-140のデータを比較した。結果を図2に示す。
国際公開第2013/151058号で示されているmiR-140についてはmiR-140-3p、miR-140-5pのいずれか分からないが、いずれも滑膜では上昇していた。国際公開第2013/151058号によると軟骨のmiR-140の減少が変形性膝関節症を引き起こすとのことなので、矛盾した結果である。またいずれのmicroRNAも発現量はmiR-21に比べて極めて少ない。以上から米国特許第9267139号明細書および国際公開第2013/151058号で示されたmiR-29b-1、miR-140が、変形性関節症における痛みに関与するかは不明である。
[参考例3] 変形性関節症動物モデルによるmiR-21発現部位の確認
ACLT術後14日目のACLTモデルラット群とsham surgery群の滑膜および関節液におけるmiR-21の発現量を定量的PCRで確認したところACLTモデル群で有意に発現が増加していた。図3に滑膜(A)および関節液中(B)のmiR-21の発現量を示す。
以上より、変形性関節症のモデルラットの滑膜・関節液では、miR-21の発現が増えることから、miR-21の発現を抑制できれば、疼痛が緩和されることが予測される。
[参考例4] miR-21の投与による効果
正常ラットの膝の関節腔内にmiR-21またはコントロールとしてmiR-21の塩基配列のうちTLRによって認識されるために重要な部分の1塩基を変更したmutant miRNA(5'-UAGCUUAUCAGACUGAUGUGGA-3')(配列番号10)を注射し、von Frey testで痛覚の評価を行ったところ、miR-21投与群では注射後1時間で有意に痛覚過敏が生じたが、mutant miRNA投与群では、痛覚の閾値に大きな変化がないことが分かった。図4に結果を示す。
つまり、膝関節腔内のmiR-21が増加することにより、疼痛が発生することが分かった。
[実施例1] TLR 7、 8、 9 拮抗薬による効果
正常ラットの膝の関節腔内にmiR-21とユーロフィンジェノミクス株式会社に注文して作製したTLR 7、 8、 9 拮抗薬(CTATCT[2OMeG][2OMeU][5MedC][7deazadG]TTCTCT[2OMeG][2OMeU])(配列番号3)を同時に注射した後、von Frey testで痛覚の評価を行ったところ、control核酸(CTATCTCACCTTCTCTGT)(配列番号9)を投与した場合と比べて、有意に痛覚過敏を改善させた。結果を図5に示す。
以上から、miR-21による関節痛のメカニズムの少なくとも一部としてTLR 7、 8、 9があり、TLR7、 8、 9 拮抗薬は、miR-21によって引き起こされる痛覚過敏を抑制することができることが分かった。
[実施例2] ACLTモデルラットへのmiR-21阻害薬の投与実験(1)
ACLT術後14日目のACLTモデルラットの膝関節腔内にmiR-21の機能を阻害するS-TuD(株式会社ジーンデザインより入手)を注射し、痛覚の評価を行ったところ、PAMでは投与後7、14、21日目、von Frey testでは投与後7、14日目の疼痛閾値を有意に緩和させた。図6AにPAMの結果を、図6Bにvon Frey testの結果を示す。
疼痛発症後、1回miR-21阻害薬を関節内に注射投与することで、継続的に疼痛緩和効果があることが分かる。
[実施例3] ACLTモデルラットへのmiR-21阻害薬の投与実験(2)
ACLT術後14日目のACLTモデルラットの膝の関節腔内にmiR-21阻害薬であるIDT(登録商標)miRNA Inhibitor(Integrated DNA Technologies(IDT)より入手)を注射し、PAM、von Frey testで痛覚の評価を行った。S-TuDの時と同様に、投与後に疼痛閾値が緩和したことが分かる。図7AにPAMの結果を、図7Bにvon Frey testの結果を示す。
このことにより、miR-21阻害薬であれば、疼痛閾値が緩和することが予測される。
[実施例4] ACLTモデルラットへのTLR 拮抗薬の投与実験
ACLT術後14日目のACLTモデルラットの膝の関節腔内にTLR7、8、9 拮抗薬を注射で投与し、痛覚の評価を行ったところ、PAMでは投与後7、14、21日目、von Frey testでは投与後7、14日目の疼痛閾値を有意に緩和させた。図8AにPAMの結果を、図8Bにvon Frey testの結果を示す。
以上の実施例から、疼痛発症後、1回、関節内に注射投与することで、継続的に疼痛緩和効果があることが分かる。実施例1と合わせて、miR-21の情報伝達経路の下流を阻害することでも変形性関節症に対する鎮痛効果を得ることが可能であった。
[参考例5] 変形性関節症動物モデルの痛覚変化の確認(参考例1よりも長期に調査)
図9AにACLT術後のPAMの結果、図9BにACLT術後のvon Frey testの経過を示す。
参考例1はACLT後28日までのデータであったが、さらにACLT後56日まで調査を行った。PAMでは術後14日目から56日目までACLT施行群で有意に疼痛の閾値が低下していた。von Frey testでは術後14日目から28日目までACLT施行群で有意に疼痛の閾値が低下しており、術後35日から56日目もACLT群で閾値が低い傾向を認めた。
[参考例6] 変形性関節症動物モデルによるmiR-21の発現の確認(ACLT術後42日目)
参考例3に加えて、ACLT術後42日目のACLTモデルラット群とSham Surgery群の滑膜(A)および関節液(B)におけるmiR-21の発現量を定量的PCRで確認したところ、ACLTモデル群で有意に発現が増加していた。図10では参考例3の結果も含め、散布図で結果を示した。
[参考例7] miR-21放出組織の確認
関節液のmiR-21の由来を調査するために、正常ラットの滑膜と軟骨を24時間培養し、培養液中に放出されたmiR-21量を定量的PCRで調べた。図11で示すように滑膜の方が約270倍多くmiR-21を放出していた。
[参考例8] miR-21投与による効果(PAMでの評価)
von Frey testで疼痛を評価した参考例4に加えて、miR-21の関節腔投与後の疼痛をPAMでも評価した。図12のようにmiR-21投与群では投与1時間後に疼痛の閾値が低下した。一方mutant(miR-21から1塩基を変更した核酸)投与群では閾値に大きな変化はなかった。
つまり関節腔内のmiR-21が増加することにより、疼痛が発生することが分かった。
[参考例9] TLR7の発現
関節内の細胞外miR-21が作用するTLR7を発現している標的細胞を調べるために、関節内に分布している感覚神経の細胞体を逆行性トレーサーであるDiIの関節腔内投与により標識し、TLR7が存在するかを蛍光免疫染色で確認した。図13に結果を示す。図13(A)はDiIによる染色、図13(B)はTLR7に対する免疫化学染色、図13(C)は(A)と(B)の2つを重ね合せた染色像を示す。DiIで標識された細胞の約26.7%はTLR7を発現していた。
また図14はマクロファージ様滑膜細胞(滑膜A細胞)のマーカーであるCD11bとTLR7に対する蛍光免疫染色像であり、マクロファージ様滑膜細胞にTLR7が発現することが分かった。図15は線維芽細胞様滑膜細胞(滑膜B細胞)のマーカーであるThy-1とTLR7に対する蛍光免疫染色像であり、線維芽細胞様滑膜細胞にもTLR7が発現していることがわかった。
これらによって、miR-21の作用部位が関節内にあることを示すことができた。
[参考例10] ヒト滑膜・関節液におけるmiR-21発現の確認
動物モデルと同様にヒトの滑膜・関節液中でもmiR-21が増加しているかを調査した。日本医科大学付属病院整形外科・リウマチ外科を受診した20歳以上の患者のうち(1)外来診察室で膝関節穿刺を受ける変形性膝関節症(Kellgren-Lawrence分類 グレード3以上)の患者で痛みのVisual Analog Score(VAS、100点満点で点数が高いほど痛みが強い)が50mm未満の患者、(2)変形性関節症を有さない膝関節鏡視下手術を受ける患者で痛みのVASが50mm未満の患者、(3)変形性関節症に対して片側人工膝関節置換術を受ける患者について、(1)~(3)の関節液、(2)・(3)の滑膜を採取し、miR-21量を調べた。
VASは、100mmの線の左端を「痛みなし」、右端を「最悪の痛み」とした場合、患者の痛みの程度を表すところに印を付けてもらうものである(がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン(2010年版)。
各群のKnee Injury and Osteoarthritis Outcome Score Pain(KOOS Pain、100点満点で点数が低いほど痛みが強い)および痛みのVASについても検討を行った。
表1のように(3)群では他の群に比べて痛みが強かった。図16Aのように関節液でのmiR-21の発現は(1)群、(2)群に比べて(3)群で増加しており、(3)群では(1)群に比べて約50倍の発現を認めた。また図16Bのように滑膜でのmiR-21の発現は(2)群に比べて(3)群で約1.5倍増加していた。つまり関節液、滑膜ともに痛みの強い変形性関節症でmiR-21の発現が増加していた。
Figure 0007016184000005
[実施例5] TLR7、8、9拮抗薬による効果(PAMでの評価)
von Frey testでmiR-21とTLR7、8、9拮抗薬を同時に関節内投与した実施例1に加えて、注射後の疼痛をPAMでも評価した。図17で示すように、miR-21と同時にTLR7、8、9拮抗薬を投与した群では、miR-21と対照薬を投与した群に比べて投与1時間後に疼痛の閾値が有意に高かった。
つまりmiR-21関節腔内投与による疼痛はTLR7、8、9拮抗薬で緩和されることが分かった。
[実施例6] TLR7特異的拮抗薬による効果
TLR7、8、9拮抗薬を用いた実施例1および5と同様の実験を、TLR7特異的拮抗薬を用いて行った。miR-21と同時にTLR7特異的拮抗薬を投与した群では、miR-21と対照薬を投与した群に比べて、投与1時間後にPAMおよびvon Frey testのいずれの試験でも疼痛の閾値が有意に高かった。図18はPAMの結果を、図19はvon Frey testの結果を示す。
つまりmiR-21関節腔内投与による疼痛はTLR7特異的拮抗薬で緩和されることが分かった。Heil F et al. Science. 2004;303(5663), 1526-1529で明らかにされたように、TLRのうち一本鎖RNAは齧歯類ではTLR7が認識するが、ヒトではTLR8が認識する。そのため本発明の結果から、ヒトではTLR8拮抗薬が疼痛緩和作用を持つと考えられる。
本発明は、変形性関節症による疼痛の緩和に利用することができる。
配列番号1~9 合成
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願はそのまま引用により本明細書に組み入れられるものとする。

Claims (4)

  1. 配列番号1で表される塩基配列の全部または連続した一部配列に相補的な配列を含む配列からなる核酸であるmiR-21阻害薬を有効成分として含む変形性関節症による疼痛の緩和薬。
  2. 配列番号1で表される塩基配列の全部または連続した一部配列に相補的な配列を含む配列からなる核酸が、S-TuD及び2-O-MetとZENで修飾されたオリゴヌクレオチドであるIDT(登録商標)miRNA inhibitorからなる群から選択される、請求項1に記載のmiR-21阻害薬を有効成分として含む変形性関節症による疼痛の緩和薬。
  3. 配列番号3で表される配列からなる化合物であるTLR7、TLR8またはTLR9の拮抗薬を有効成分として含む変形性関節症による疼痛の緩和薬。
  4. 請求項1又は2に記載のmiR-21阻害薬を有効成分として含む変形性関節症による疼痛の緩和薬と請求項3に記載のTLR拮抗薬を有効成分として含む変形性関節症による疼痛の緩和薬とを組合せた、変形性関節症による疼痛の緩和薬。
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