JP7015470B2 - 内燃機関用ピストン - Google Patents
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Description
課題を解決するために、他の一態様に係る内燃機関用ピストンは、内燃機関のシリンダ壁のシリンダ中心軸線に沿って配置されるピストン中心軸線を有し、かつ前記シリンダ壁の内部でピストン中心軸線方向に上下動可能となるように構成される内燃機関用ピストンであって、ピストン径方向にて互いに対向するように配置される2つのスカートを備え、各スカートが、前記シリンダ壁と向かい合う外周面を有し、前記外周面が、ピストン径方向にて、前記スカートのピストン周方向の中心又は中央領域から前記スカートのピストン周方向の両側縁に向かうに従って、前記ピストン中心軸線との距離を減少させるように形成され、各スカートが、上側領域と、該上側領域に対して前記ピストン下方に隣接する胴体領域と、該胴体領域に対して前記ピストン下方に隣接する下側領域とを有し、前記外周面が、前記上側領域にて、ピストン上方からピストン下方に向かうに従って前記ピストン中心軸線との距離を増加させるように形成され、前記胴体領域にて、前記ピストン上方から前記ピストン下方にわたって前記ピストン中心軸線との距離を略一定にするように形成され、かつ前記下側領域にて、前記ピストン上方から前記ピストン下方に向かうに従って前記ピストン中心軸線との距離を減少させるように形成され、樹脂を用いて構成される被膜層が前記外周面上に形成され、前記被膜層が、該被膜層を凹ませるか又は貫通すると共に粒状に形成される複数の粒状部と、前記被膜層を凹ませるか又は貫通すると共にピストン上下方向に沿って配置され、かつ互いにピストン上下方向に間隔を空けている上側及び下側スリットを有する2つのスリット対とを含み、前記被膜層が、前記内燃機関の稼働状態にて前記シリンダ壁と接触する接触部を含み、前記複数の粒状部が前記接触部に配置され、前記2つのスリット対が、それぞれ前記接触部に対してピストン周方向の両側に配置され、すべての前記粒状部が前記接触部の中心区域に配置され、前記接触部の外周縁をそれに沿って八角形状に形成された仮想外周縁によって定義した場合にて、前記中心区域が、前記ピストン周方向にて、前記ピストン上下方向にて互いに対向する前記仮想外周縁の上端辺及び下端辺の一方に対応する範囲を占め、かつ前記ピストン上下方向にて、前記ピストン周方向にて互いに対向する前記仮想外周縁の両側端辺の一方に対応する範囲を占める。
第1実施形態に係るピストンについて説明する。図1及び図2に示すように、ピストン1は、シリンダ壁Cの中心軸線(シリンダ中心軸線)c1に沿って配置されるピストン中心軸線Lを有する。かかるピストン1は、シリンダ壁Cの内部でピストン中心軸線Lに沿った方向(以下、「ピストン中心軸線方向」という)に往復動可能に構成される。さらに、図1に示すように、ピストン1は、ピストンピンPを用いてコネクティングロッドRに取り付けられる。
スカート3の詳細について説明する。図1及び図3~図5に示すように、各スカート3は、ピストン径方向にてシリンダ壁Cと向き合う外周面3aを有する。スカート3はまた、その周方向中心3bからその周方向両側に向かう一定の範囲を占める中央領域11と、それぞれ中央領域11からピストン周方向の両側縁3cに向かって延びる2つの側方領域12とを有する。中央領域11及び2つの側方領域12は、スカート3をピストン周方向に区分した領域となっている。
図3~図5を参照して、被膜層16の接触部19及びクリアランス部20の詳細について説明する。被膜層16のピストン周方向の形状について、内燃機関の稼働状態で、被膜層16は、中央領域11と、2つの側方領域12におけるスカート3の周方向中心3b側の部分とにおいてシリンダ壁Cに接触するようになっている。接触部19は、ピストン周方向にて、このような中央領域11と、2つの側方領域12におけるスカート3の周方向中心3b側の部分とに対応して位置する。その一方で、内燃機関の稼働状態で、被膜層16は、2つの側方領域12におけるスカート3の両側縁3c側の部分にてシリンダ壁Cに接触しないようになっている。クリアランス部20のピストン径方向の両側方区域20aは、それぞれ、このような2つの側方領域12におけるスカート3の両側縁3c側の部分に対応して位置する。
粒状部17及びスリット対18の配置について説明する。図3に示すように、各スカート3において、複数の粒状部17は被膜層16の接触部19に配置される。特に、すべての粒状部17が接触部19に配置されるとよい。2つのスリット対18は、それぞれ、接触部19に対してピストン周方向の両側に配置される。具体的には、2つのスリット対18は、それぞれ、クリアランス部20の両側方区域20aに配置される。
第2実施形態に係るピストンについて説明する。図7に示すように、本実施形態に係るピストン31は、複数の粒状部32の配置を除いて、第1実施形態と同様に構成される。そのため、本実施形態に係るピストン31の構成要素は、第1実施形態に係るピストン1の構成要素と同様の符号を用いて説明する。
第3実施形態に係るピストンについて説明する。図8に示すように、本実施形態に係るピストン41は、複数の粒状部42の配置を除いて、第1実施形態と同様に構成される。そのため、本実施形態に係るピストン41の構成要素は、第1実施形態に係るピストン1の構成要素と同様の符号を用いて説明する。
C シリンダ壁、c1 中心軸線(シリンダ中心軸線)
Claims (4)
- 内燃機関のシリンダ壁のシリンダ中心軸線に沿って配置されるピストン中心軸線を有し、かつ前記シリンダ壁の内部でピストン中心軸線方向に上下動可能となるように構成される内燃機関用ピストンであって、
ピストン径方向にて互いに対向するように配置される2つのスカートを備え、
各スカートが、前記シリンダ壁と向かい合う外周面を有し、
前記外周面が、ピストン径方向にて、前記スカートのピストン周方向の中心又は中央領域から前記スカートのピストン周方向の両側縁に向かうに従って、前記ピストン中心軸線との距離を減少させるように形成され、
各スカートが、上側領域と、該上側領域に対して前記ピストン下方に隣接する胴体領域と、該胴体領域に対して前記ピストン下方に隣接する下側領域とを有し、
前記外周面が、前記上側領域にて、ピストン上方からピストン下方に向かうに従って前記ピストン中心軸線との距離を増加させるように形成され、前記胴体領域にて、前記ピストン上方から前記ピストン下方にわたって前記ピストン中心軸線との距離を略一定にするように形成され、かつ前記下側領域にて、前記ピストン上方から前記ピストン下方に向かうに従って前記ピストン中心軸線との距離を減少させるように形成され、
樹脂を用いて構成される被膜層が前記外周面上に形成され、
前記被膜層が、該被膜層を凹ませるか又は貫通すると共に粒状に形成される複数の粒状部と、前記被膜層を凹ませるか又は貫通すると共にピストン上下方向に沿って配置され、かつ互いにピストン上下方向に間隔を空けている上側及び下側スリットを有する2つのスリット対とを含み、
前記被膜層が、前記内燃機関の稼働状態にて前記シリンダ壁と接触する接触部を含み、
前記複数の粒状部が前記接触部に配置され、
前記2つのスリット対が、それぞれ前記接触部に対してピストン周方向の両側に配置され、
前記接触部が、前記複数の粒状部を前記ピストン上方及び下方にそれぞれ分配するように、前記接触部の前記ピストン上下方向の中央位置に略一致する下端位置と、前記中央位置から前記ピストン上方に離れた上端位置との間にて平滑に形成される平滑部を有し、
前記平滑部は、前記平滑部に対して前記ピストン上方又は下方において隣接する前記粒状部間の前記ピストン上下方向の最大距離よりも大きな距離で形成され、
各スリット対の上側及び下側スリットが、それぞれ、前記平滑部に対して前記ピストン上方及び下方に位置し、かつ前記ピストン上下方向に並んでいる、内燃機関用ピストン。 - 前記複数の粒状部のうち、前記ピストン上方において前記平滑部と隣接し、かつ前記ピストン周方向において各スリット対の前記上側スリットに隣接する前記粒状部は、前記上側スリットと前記ピストン周方向で重なるように配置される、請求項1に記載の内燃機関用ピストン。
- 各スカートのピストン周方向の両側縁が、前記ピストン上方から前記ピストン下方に向かうに従って、このスカートのピストン周方向の長さを増加させるように傾斜している、請求項1又は2に記載の内燃機関用ピストン。
- 内燃機関のシリンダ壁のシリンダ中心軸線に沿って配置されるピストン中心軸線を有し、かつ前記シリンダ壁の内部でピストン中心軸線方向に上下動可能となるように構成される内燃機関用ピストンであって、
ピストン径方向にて互いに対向するように配置される2つのスカートを備え、
各スカートが、前記シリンダ壁と向かい合う外周面を有し、
前記外周面が、ピストン径方向にて、前記スカートのピストン周方向の中心又は中央領域から前記スカートのピストン周方向の両側縁に向かうに従って、前記ピストン中心軸線との距離を減少させるように形成され、
各スカートが、上側領域と、該上側領域に対して前記ピストン下方に隣接する胴体領域と、該胴体領域に対して前記ピストン下方に隣接する下側領域とを有し、
前記外周面が、前記上側領域にて、ピストン上方からピストン下方に向かうに従って前記ピストン中心軸線との距離を増加させるように形成され、前記胴体領域にて、前記ピストン上方から前記ピストン下方にわたって前記ピストン中心軸線との距離を略一定にするように形成され、かつ前記下側領域にて、前記ピストン上方から前記ピストン下方に向かうに従って前記ピストン中心軸線との距離を減少させるように形成され、
樹脂を用いて構成される被膜層が前記外周面上に形成され、
前記被膜層が、該被膜層を凹ませるか又は貫通すると共に粒状に形成される複数の粒状部と、前記被膜層を凹ませるか又は貫通すると共にピストン上下方向に沿って配置され、かつ互いにピストン上下方向に間隔を空けている上側及び下側スリットを有する2つのスリット対とを含み、
前記被膜層が、前記内燃機関の稼働状態にて前記シリンダ壁と接触する接触部を含み、
前記複数の粒状部が前記接触部に配置され、
前記2つのスリット対が、それぞれ前記接触部に対してピストン周方向の両側に配置され、
すべての前記粒状部が前記接触部の中心区域に配置され、
前記接触部の外周縁をそれに沿って八角形状に形成された仮想外周縁によって定義した場合にて、前記中心区域が、前記ピストン周方向にて、前記ピストン上下方向にて互いに対向する前記仮想外周縁の上端辺及び下端辺の一方に対応する範囲を占め、かつ前記ピストン上下方向にて、前記ピストン周方向にて互いに対向する前記仮想外周縁の両側端辺の一方に対応する範囲を占める、内燃機関用ピストン。
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