JP2016211415A - 内燃機関のピストン - Google Patents

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Abstract

【課題】ピストンとシリンダボアの内壁との潤滑性を向上できる内燃機関のピストンを提供すること。【解決手段】スカート部10、11は、ピストンクラウン部9の中心軸C方向における中央部が最大外径となる中央スカート部37を有し、その円周方向中央部10c、11cからサイドウォール部12、13に向かって円周方向に曲率が大きくなるように形成される。スカート部10、11に設けられた樹脂被膜層39にはオイルを保持する複数の凹部41が形成され、凹部41は、大円部41Aと、大円部41Aを両側から挟むようにして大円部41Aから突出して配置され、大円部41Aよりも小さい面積で形成された一対の小円部41B、41Cとを含んで構成される。【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関のピストンに関し、特に、シリンダボアの内壁に対して樹脂被膜層を介して摺動するスカート部を有する内燃機関のピストンに関する。
従来、内燃機関のシリンダボアの内壁に対して往復動自在に設けられたピストンとしては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。このピストンは、ピストン本体から垂下した一対のスカート部と、一対のスカート部を互いに連結する一対のサイドウォール部と、一対のサイドウォール部に設けられ、ピストンピンを保持する一対のピストンピンボス部とを備えている。
スカート部は、熱膨張の影響を考慮してピストンの中心軸方向中央部が最大外径となるバレル状に形成されている。スカート部の表面には樹脂被膜層が形成されている。樹脂被膜層の表面全面にはオイル溜まりとなる凹部が所定の間隔で配列されており、凹部にオイルを保持することでピストンの摺動抵抗を低減している。
特許第4749398号公報
このような従来の内燃機関のピストンにあっては、スカート部がバレル形状に形成されており、ピストン本体の中心軸方向における中央部が最大外径となる部位とシリンダボアとのクリアランスが小さく、中央部に対してピストンの中心軸方向の上部および下部とシリンダボアの内壁とのクリアランスが大きくなる。
このため、ピストンの往復動時においてピストンピンから燃焼圧力の一部が負荷された後に、シリンダボアの内壁にスカート部が接触する際のスカート部の表面に面圧の高い部位と低い部位とが生じる。
面圧が高い部位に凹部を形成すると、凹部の深さの分、オイルが凹部に閉じ込められることで、シリンダボアの内壁との間にオイルが十分に供給されずに、潤滑不良を起こすおそれがある。
特に、スカート部とシリンダボアの内壁とのクリアランスが小さい部位においては、スカート部とシリンダボアの内壁との間に入り込むオイルの量が少ない。
また、スカート部とシリンダボアの内壁との接触面圧が高い部位において、スカート部とシリンダボアの内壁との間からオイルを外側に押し出す力が大きく働くため、さらにオイルの量が少なくなる。
この結果、スカート部とシリンダボアの内壁との潤滑を十分に行うことができないおそれがあり、スカート部とシリンダボアの内壁との摩擦力が増大してしまい、燃費が悪化するおそれがある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、ピストンとシリンダボアの内壁との潤滑性を向上できる内燃機関のピストンを提供することを目的とするものである。
本発明は、シリンダボアの内壁に対して往復動自在に設けられたピストン本体と、ピストン本体から垂下した一対のスカート部と、ピストンピンを保持する一対のピストンピンボス部と、一対のスカート部とを互いに接続する一対のサイドウォール部と、シリンダボアの内壁に対向する面に設けられた樹脂被膜層とを備え、スカート部が、ピストン本体の中心軸方向における中央部が最大外径となる中央スカート部と、中央スカート部の上部境界よりも上方において上部境界から中心軸に向かって外径が漸次小さくなるように湾曲する上部スカート部と、中央スカート部の下部境界よりも下方において下部境界から中心軸に向かって外径が漸次小さくなるように湾曲する下部スカート部とを有し、スカート部が、スカート部の円周方向中央部からサイドウォール部との接続部に向かって円周方向に曲率が大きくなるように形成された内燃機関のピストンであって、オイルを保持する複数の凹部を、外縁を樹脂被膜層とし、底部を樹脂被膜層が形成されていない非膜部位として形成し、凹部は、大面積部と、大面積部を両側から挟むようにして大面積部から突出して配置され、大面積部よりも小さい面積で形成された一対の小面積部とを含んだものから構成されている。
上記の本発明によれば、ピストンとシリンダボアの内壁との潤滑性を向上できる。
図1は、本発明の内燃機関のピストンの第1の実施の形態を示す図であり、内燃機関の要部構成図である。 図2は、本発明の内燃機関のピストンの第1の実施の形態を示す図であり、ピストンおよびシリンダボアを示す図である。 図3は、本発明の内燃機関のピストンの第1の実施の形態を示す図であり、車両の後方からピストンを見た図である。 図4は、本発明の内燃機関のピストンの第1の実施の形態を示す図であり、車両の下方からピストンを見た図である。 図5は、本発明の内燃機関のピストンの第1の実施の形態を示す図であり、図3のIV−IV方向矢視断面図である。 図6は、本発明の内燃機関のピストンの第1の実施の形態を示す図であり、ピストンとピストンのスカート部の曲面との位置関係を示す図である。 図7は、本発明の内燃機関のピストンの第1の実施の形態を示す図であり、凹部の構成図である。 図8は、本発明の内燃機関のピストンの第1の実施の形態を示す図であり、スカート部と、スカート部およびシリンダボアの内壁のクリアランスとの位置関係を示す図である。 図9は、本発明の内燃機関のピストンの第1の実施の形態を示す図であり、ピストンとピストンのスカート部に加わる面圧との位置関係を示す図である。 図10は、本発明の内燃機関のピストンの第1および第2の実施の形態を示す図であり、凹部を縦長配列にした場合と横長配列とした場合とにおける動圧の大きさを示す図である。 図11は、本発明の内燃機関のピストンの第1の実施の形態を示す図であり、大円部の半径と大円部の中心および小円部の中心とを結んだ距離と、オイルの膜厚との関係を示す図である。 図12は、本発明の内燃機関のピストンの第1の実施の形態を示す図であり、丸溝を有するピストンと凹部を有するピストンとにおいて、スカート部とシリンダボアの内壁との摩擦力とエンジン回転数とを示す図である。 図13は、本発明の内燃機関のピストンの第1の実施の形態を示す図であり、横長配列となる凹部が形成された樹脂被膜層を有するピストンを示す図である。 図14は、本発明の内燃機関のピストンの第1の実施の形態を示す図であり、横長配列となる凹部の構成図である。 図15は、本発明の内燃機関のピストンの第1の実施の形態を示す図であり、縦長配列となる凹部と横長配列となる凹部が形成された樹脂被膜層を有するピストンを示す図である。 図16は、本発明の内燃機関のピストンの第2の実施の形態を示す図であり、縦長配列となる凹部と縦溝とが形成された樹脂被膜層を有するピストンを示す図である。 図17は、本発明の内燃機関のピストンの第2の実施の形態を示す図であり、スカート部とシリンダボアの内壁とのクリアランスと、凹部および縦溝との位置関係を示す図である。 図18は、本発明の内燃機関のピストンの第2の実施の形態を示す図であり、ピストンが上昇した場合のオイルの流れを示す図である。 図19は、本発明の内燃機関のピストンの第2の実施の形態を示す図であり、ピストンが降下した場合のオイルの流れを示す図である。 図20は、本発明の内燃機関のピストンの他の実施の形態を示す図であり、第1、2の実施の形態の凹部と異なる形状の凹部が形成された樹脂被膜層を示す図である。 図21は、本発明の内燃機関のピストンの他の実施の形態を示す図であり、第1、2の実施の形態の凹部と異なる形状の凹部が形成された樹脂被膜層を示す図である。 図22は、本発明の内燃機関のピストンの他の実施の形態を示す図であり、第1、2の実施の形態の凹部と異なる形状の凹部が形成された樹脂被膜層を示す図である。 図23は、本発明の内燃機関のピストンの他の実施の形態を示す図であり、第1、2の実施の形態の凹部と異なる形状の凹部が形成された樹脂被膜層を示す図である。
以下、本発明に係る内燃機関のピストンの実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図15は、本発明に係る第1の実施の形態の内燃機関のピストンを示す図である。なお、図1〜図9、図13〜図15において示す左右前後方向の矢印は、運転席から見た車両の左右前後方向を表す。
まず、構成を説明する。
図1において、車両に搭載された内燃機関としてのエンジン1は、クランクケース2が一体に設けられたシリンダブロック3と、シリンダブロック3の上部に取付けられたシリンダヘッド4とを含んで構成される。
シリンダブロック3のシリンダボア6内にはピストン7が収納されており、ピストン7は、例えば、アルミニウム合金等によって構成される。ピストン7は、シリンダボア6に対して上下方向に往復動する。
ピストン7は、コネクティングロッド8を介してクランクシャフト5に連結されており、ピストン7の往復動は、コネクティングロッド8を介してクランクシャフト5の回転運動に変換される。
ここで、シリンダボア6は、気筒数に応じてエンジン1に設けられており、シリンダボア6は、4気筒であれば、エンジン1に4つ設けられている。本実施の形態では、4気筒エンジンを示しているが、気筒数は、4気筒に限定されるものではない。また、エンジン1としては、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等のエンジンから構成されてもよく、これに限定されるものでもない。
図2において、ピストン7は、シリンダボア6の内壁6aに対して往復動自在に設けられたピストンクラウン部9(図3、図4参照)と、ピストンクラウン部9から垂下した一対のスカート部10、11とを有する。ここで、本実施の形態のピストンクラウン部9は、本発明のピストン本体を構成する。
ピストン7は、スカート部10、11のそれぞれの左側10a、11aおよび右側10b、11bに接続する一対のサイドウォール部12、13と、一対のサイドウォール部12、13に設けられ、ピストンピン16(図1参照)を回転自在に保持する一対のピストンピンボス部14、15とを有する。
ピストンピン16は、円筒のピンから構成されており、ピストンピン16の中心軸C1(図3参照)は、ピストンクラウン部9の中心軸Cに対して直交する方向に延びている。
ここで、本実施の形態のスカート部10、11の左側10a、11aが、本発明のスカート部の円周方向の一方側を構成し、スカート部10、11の右側10b、11bが、本発明のスカート部の円周方向の他方側を構成する。また、左側10a、11aおよび右側10b、11bは、スカート部10、11の右端または左端から円周方向に一定の幅を有する部位である。
ピストンピンボス部14、15は、ピストンピン16が挿入されるピストンピン装着穴14A、15Aを有し、ピストンピン16は、ピストンピン装着穴14A、15Aに挿入された状態でピストンピンボス部14、15に支持される。
図1において、ピストンピン16にはコネクティングロッド8の小径部8Aが連結されており、コネクティングロッド8の大径部8Bは、クランクシャフト5に連結されている。これにより、ピストン7の往復動がコネクティングロッド8を介してクランクシャフト5の回転運動に変換される。
シリンダヘッド4には吸気ポート21が形成されており、吸気ポート21から吸入された空気は、ピストン7の上方のシリンダボア6に形成された燃焼室18に導入される。
シリンダヘッド4には排気ポート22が形成されており、燃焼室18で燃焼された排気ガスは、排気ポート22から排気される。
シリンダヘッド4には吸気カム23Aを有する吸気カム軸23と、排気カム24Aを有する排気カム軸24と、吸気カム23Aによって吸気ポート21と燃焼室18とを連通または遮断する吸気バルブ25と、排気カム24Aによって吸気ポート21と燃焼室18とを連通または遮断する排気バルブ26とが設けられている。
図2、図3において、ピストンクラウン部9の外周部にはピストンクラウン部9の上方から順に第1コンプレッションリング溝31、第2コンプレッションリング溝32およびオイルリング溝33が形成されている。
第1コンプレッションリング溝31および第2コンプレッションリング溝32には図示しない環状の第1コンプレッションリングおよび第2コンプレッションリングがそれぞれ嵌合されており、オイルリング溝33にはピストンリングとしての図示しない環状のオイルリングが嵌合されている。
第1コンプレッションリング溝31および第2コンプレッションリング溝32は、シリンダボア6の内壁6aに接触することにより、燃焼室18を密閉する機能を有する。
オイルリングは、ピストン7の往復動に伴ってシリンダボア6の内壁6aに接触することにより、シリンダボア6の内壁6aに付着しているオイルを掻き落とす機能を有する。
また、オイルリング溝33の底部には複数のオイル戻し穴34が形成されており、オイル戻し穴34は、ピストンクラウン部9のスラスト側と反スラスト側に形成され、オイルリング溝33の底部からピストン7のピストンクラウン部9の内周面に向かって開口している。
ここで、スラスト側とは、ピストン7がシリンダボア6内を降下する行程において、クランクシャフト5の回転力によってクランクシャフト5の軸線方向と直交する方向のスラスト力がシリンダボア6の内壁6aに掛かるピストン7の面である。
反スラスト側とは、ピストン7がシリンダボア6内を上昇する行程においてスラスト力と反対方向のスラスト力がシリンダボア6の内壁6aに掛かるピストン7の面である。
ピストン7とシリンダボア6との間にはコネクティングロッド8の大径部8Bに設けられたオイルジェット穴8a(図1参照)からオイルが供給される。これにより、図2に示すように、ピストン7とシリンダボア6の内壁6aとの間にはオイル35が形成される。
このため、オイル35によってピストン7が冷却されるとともに、ピストン7の外周部とシリンダボア6の内壁6aとの間が潤滑される。なお、オイル導入部材として、特に、オイルジェット穴8aに限定されるものではない。
クランクケース2の下部には図示しないオイルパンが設けられており、シリンダボア6はオイルパンに連通している。したがって、ピストン7がシリンダボア6内を上下方向に往復動するのに伴って、オイルリング溝33に嵌合されたオイルリングがシリンダボア6の内壁6aに付着したオイルを掻き落とすと、このオイルは、オイルリング溝33からオイル戻し穴34を通してピストンクラウン部9の内周面に排出され、スカート部10、11の間を通ってオイルパンに戻される。
スカート部10、11は、ピストン7の往復動時にスラスト側または反スラスト側に接触することでピストン7の首振り挙動を抑制する機能を有する。
図3に示すように、スカート部10は、ピストンクラウン部9の中心軸Cと平行に延在する長辺とピストンクラウン部9の中心軸Cと垂直方向に延在する短辺とを備えている。なお、スカート部11もスカート部10と同様に長辺と短辺を有する。
図5、図6において、スカート部10、11は、ピストンクラウン部9の中心軸C方向における中央部が最大外径となる中央スカート部37を有し、中央スカート部37は、ピストンクラウン部9の中心軸Cと平行な平面に形成されている。ここで、ピストンクラウン部9の中心軸Cは、スカート部10、11の中心軸と同一軸上にある。
スカート部10、11は、中央スカート部37の上部境界37aよりも上方に位置する上部スカート部36を有しており、上部スカート部36は、上部境界37aよりも上方において上部境界37aからピストンクラウン部9の中心軸Cに向かって外径が漸次小さくなるように湾曲している。
なお、ピストンクラウン部9の中心軸C方向において、上部境界37aは、ピストンピン16の中心軸C1よりも下方に位置するようにスカート部10、11に形成されている。
スカート部10、11は、中央スカート部37の下部境界37bよりも下方に位置する下部スカート部38を有しており、下部スカート部38は、上部境界37aよりも下方において上部境界37aからピストンクラウン部9の中心軸Cに向かって外径が漸次小さくなるように湾曲している。このようにスカート部10、11は、バレル状に形成されている。
なお、図5、図6では、説明の便宜上、スカート部10、11を極端に湾曲させて描いているが、スカート部10、11は、実際にこのように極端に湾曲していないことは言うまでもない。
図4において、スカート部10、11は、円周方向中央部10c、11cからサイドウォール部12、13との接続部に向かって、すなわち、左側10a、11aおよび右側10b、11bに向かって円周方向に曲率が大きくなるように形成されている。
ここで、円周方向中央部10c、11cは、サイドウォール部12とサイドウォール部13とを結んだスカート部10、11の円周方向の頂点である。円周方向において、スカート部10、11とシリンダボア6の内壁6aとのクリアランスは、円周方向中央部10c、11cとシリンダボア6の内壁6aとのクリアランスが最も小さい。
図2、図4において、スカート部10、11の表面には、例えば、スクリーン法により低摩擦抵抗性および高耐熱性を有する樹脂被膜層39が一定の厚みを有して形成されている(図3も参照)。樹脂被膜層39は、シリンダボア6の内壁6aに対向する中央スカート部37、上部スカート部36および下部スカート部38の表面に形成されている。
図3において、樹脂被膜層39には複数の凹部41が形成されており、凹部41は、樹脂被膜層39の厚さと同じ5μm以上20μm以下の深さを有する。図7において、凹部41は、外縁が円弧とした大円部41Aおよび小円部41B、41Cから構成されている。
大円部41Aは、半径Rの円から構成されており、小円部41B、41Cは、半径Rよりも小さい半径を有し、大円部41Aよりも面積の小さい円から構成されている。小円部41B、41Cは、大円部41Aに重なっており、小円部41B、41Cは、ピストンクラウン部9の中心軸C方向において大円部41Aを挟むようにピストンクラウン部9の中心軸C方向に設置されている。
これにより、小円部41B、41Cの一部は、大円部41Aからピストンクラウン部9の中心軸C方向外方において大円部41Aの外周部から反対方向に突出し、大円部41Aに連通する。ここで、本実施の形態の大円部41Aは、本発明の大面積部を構成し、小円部41B、41Cは、本発明の小面積部を構成する。
小円部41B、41Cの中心部C3、C4(小面積部の内接円の中心)は、大円部41Aの中心部C2(大面積部の内接円の中心)から大円部41Aの半径Rの0.5倍以上0.875倍以下の範囲に設定されており、小円部41B、41Cの中心部C3、C4と大円部41Aの中心部C2との距離Lは、大円部41Aの半径Rよりも短く形成されている。
一方、図8に示すように、バレル形状に形成されるスカート部10、11において、シリンダボア6の内壁6aとスカート部10、11の上下左右端の四隅との間のクリアランスが最も大きく、シリンダボア6の内壁6aとスカート部10、11の上下左右中央部のクリアランスが最も小さい。
スカート部10、11の上下左右端の四隅と上下左右中央部との間に位置するシリンダボア6の内壁6aとスカート部10、11のクリアランスは、シリンダボア6の内壁6aとスカート部10、11の上下左右端の四隅との間のクリアランスよりも小さく、シリンダボア6の内壁6aとスカート部10、11の上下左右中央部のクリアランスよりも大きい。
なお、スカート部10、11の上下左右端の四隅を大クリアランス領域51、スカート部10、11の上下左右中央部を小クリアランス領域52、スカート部10、11の上下左右端の四隅と上下左右中央部との間を中クリアランス領域53という。
図3に示すように、凹部41は、スカート部10の円周方向中央部10cにおいてピストンクラウン部9の中心軸Cに沿って設置されている。
凹部41は、大円部41Aおよび小円部41B、41Cの配列方向を長手方向とした場合に、長手方向がピストンクラウン部9の中心軸Cと同方向となるように設置される。すなわち、本実施の形態の凹部41は、凹部41の長手方向がピストンクラウン部9の中心軸C方向に長い縦長配列となるようにスカート部10に形成されている。
なお、スカート部11もスカート部10と同様に凹部41が形成されているため、以降は、スカート部10の凹部41について説明する。
スカート部10の単位面積当りの凹部41の設置数である設置密度は、上部スカート部36および下部スカート部38のそれぞれよりも中央スカート部37が高く、かつ、中央スカート部37の中でピストンクラウン部9の中心軸C付近が最も高い。これにより、凹部41は、小クリアランス領域52に集中して設置されることになる。
凹部41は、スカート部10の円周方向中央部10cから離れるに従って、すなわち、サイドウォール部12、13に向かうに従って設置密度が徐々に低くなる。本実施の形態のスカート部10は、円周方向中央部10c、11cからサイドウォール部12、13との接続部に向かって円周方向に曲率が大きくなるように形成されている。
これにより、凹部41は、小クリアランス領域52から大クリアランス領域51に向かうに従って、設置密度が徐々に低くなる。また、ピストンピン16の中心軸C1付近に設置される凹部41は、ピストンピン16の中心軸C1および上部境界37a、下部境界37bを挟んで設置されている。
樹脂被膜層39は、例えば、スクリーン印刷機を用いて、PAI(ポリアミドイミド)と二硫化モリブデンを主成分とする塗料をスカート部10、11に塗布したものであり、大円部41Aおよび小円部41B、41Cと同形状のマスキング処理をスカート部10、11に施すことで、凹部41をスカート部10、11の表面に付与している。これにより、オイルを保持する複数の凹部41は、外縁が樹脂被膜層とし、底部を樹脂被膜層が形成されていない非膜部位として形成される。
次に、ピストン7とシリンダボア6の内壁6aとの間に摩擦力が発生する原理を説明する。
ピストンピンボス部14、15の延びる方向と同じ領域のスカート部10、11の円周方向の領域とシリンダボア6の内壁6aとの接触圧が高くなるのは、以下の理由による。
ピストン7がシリンダボア6内を往復運動するときに、コネクティングロッド8およびピストンピン16から燃焼圧力の一部がピストン7に負荷された後に、シリンダボア6の内壁6aにスカート部10またはスカート部11が接触する際に、ピストンピンボス部14、15とピストンピン16の接触部位がスカート部10、11をシリンダボア6の内壁6aに押し付けるときの押し付け力の入力点となる。
ピストン7の往復運動によってスカート部10、11およびシリンダボア6の内壁6aとの間に発生する摩擦力は、スカート部10、11が燃焼圧力に起因する押し付け力を受けながらシリンダボア6の内壁6aを上下動することで発生する。
図9は、スカート部10、11とシリンダボア6の内壁6aとの間の面圧分布を示す図である。
本実施の形態のスカート部10、11は、ピストンピン16の中心軸C1と直交する方向のスカート部10、11の円周方向中央部10c、11cが高くなるバレル形状に形成されるとともに、円周方向中央部10c、11cからサイドウォール部12、13に向かって円周方向に曲率が大きくなるように形成されている。
これにより、中央スカート部37とシリンダボア6の内壁6aとのクリアランスが最も小さくなり、中央スカート部37からピストンクラウン部9の中心軸C方向外方で、かつ、スカート部10の円周方向中央部10cから円周方向外方に向かうに従ってシリンダボア6の内壁6aとの接触圧が小さくなる。
このため、スカート部10、11とシリンダボア6の内壁6aとのクリアランスが小さく、スカート部10、11とシリンダボア6の内壁6aとの接触面圧が高い部位の潤滑条件は、スカート部10、11とシリンダボア6の内壁6aとのクリアランスが大きく、スカート部10、11とシリンダボア6の内壁6aとの接触面圧が低い部位の潤滑条件に比べて厳しくなる。
本実施の形態のピストン7は、このような厳しい潤滑条件で好適な潤滑を行うことができるようにしたものであり、以下、ピストン7を潤滑する方法を具体的に説明する。
なお、スカート部10、11は、いずれも同様の動作を行うので、以降の説明において、スカート部10のみについて動作を説明する。また、以降の説明において、ピストン7の上流、下流という表現は、ピストン7の移動方向に対して前方が上流、後方が下流を意味する。
本実施の形態のピストン7は、スカート部10とシリンダボア6の内壁6aとのクリアランスが小さく、スカート部10とシリンダボア6の内壁6aとの接触面圧とが高い部位において、樹脂被膜層39に凹部41を形成した。
この凹部41は、大円部41Aと、大円部41Aよりも面積の小さい円から構成され、ピストンクラウン部9の中心軸C方向において大円部41Aを挟むように設置された小円部41B、41Cとを有する。これにより、ピストン7の上下動時において、凹部41によってオイルの動圧を発生することができる。すなわち、本実施の形態の凹部41は、大面積部からなる大円部41Aと、大円部41Aを両側から挟むようにして大円部41Aから突出して配置され、大円部41Aよりも小さい面積で形成された一対の小面積部からなる小円部41B、41Cとを含んで構成される。
図10は、縦長配列に設置された凹部41によって発生する動圧を示しており、オイルの動圧は、上流側から下流側に向かうに従って大きくなる。また、この動圧は、エンジン1の回転数が増大する程、大きくなる。
すなわち、ピストン7が上昇すると、上流側(燃焼室18側)から上部スカート部36とシリンダボア6の内壁6aとの間にオイルが導入される。このオイルは、上流の小円部41Bから下流の大円部41Aに導入されてオイル量が増大した後、大円部41Aから下流の小円部41Cに導入されることで、オイルが急激に絞られることで、高い動圧を発生する。
特に、摩擦境界(二つの物体の接触面)に発生する動圧の大きさは、円の内径によって異なり、動圧が大きい程、オイルの膜厚が厚くなる。
これにより、ピストン7の上昇時に、スカート部10がシリンダボア6の内壁6aから離れる方向に圧力が加わり、シリンダボア6の内壁6aに対するクリアランスが小さく、かつ、シリンダボア6の内壁6aに対する接触面圧が大きい中央スカート部37とシリンダボア6の内壁6aとの間のオイルの膜厚を厚くすることができる。
一方、ピストン7が降下すると、上流側(クランクシャフト5側)から下部スカート部38とシリンダボア6の内壁6aとの間にオイルが導入される。このオイルは、上流の小円部41Cから下流の大円部41Aに導入されてオイル量が増大した後、大円部41Aから下流の小円部41Bに導入されることで、オイルが急激に絞られて高い動圧を発生する。
これにより、ピストン7の降下時に、中央スカート部37とシリンダボア6の内壁6aとの間にオイルの膜厚を厚くすることができる。
ここで、図10において、大円部41Aおよび小円部41B、41Cの配列方向を長手方向とした場合に、長手方向がピストンクラウン部9の中心軸Cと直交するように、凹部41を横長配列とした場合の動圧特性は、縦長配列の動圧特性よりも小さい。
これは、凹部41の上流から下流に向かうに従って大円部41Aと小円部41B、41Cとの面積の変化が縦長配列の凹部41よりも小さくなるからである。
このように本実施の形態のピストン7によれば、樹脂被膜層39にオイルを保持する複数の凹部41を形成し、凹部41を、大円部41Aと、大円部41Aを両側から挟むようにして大円部41Aから突出して配置され、大円部41Aよりも小さい面積で形成された一対の小円部41B、41Cとを含んで構成した。
これにより、シリンダボア6の内壁6aとのクリアランスが小さく、かつ、シリンダボア6の内壁6aに高圧で接触する中央スカート部37とシリンダボア6の内壁6aの間のオイルの膜厚を厚くすることができ、中央スカート部37とシリンダボア6の内壁6aとの間を良好に潤滑することができる。
また、本実施の形態のピストン7によれば、小円部41B、41Cの中心部C3、C4を、大円部41Aの中心部C2から大円部41Aの半径Rの0.5倍以上0.875倍以下の範囲に設定した。
これにより、スカート部10、11とシリンダボア6の内壁6aとの間の膜厚を厚くできる。図11は、大円部41Aの半径Rおよび大円部41Aの中心部C2と小円部41B、41Cとの距離Lとオイル膜厚の厚さの関係を示す図である。
図11からも明らかなように、小円部41B、41Cの中心部C3、C4を、大円部41Aの中心部C2から大円部41Aの半径Rの0.5倍以上0.875倍以下の範囲にした場合には、この範囲外に比べてスカート部10、11とシリンダボア6の内壁6aとの間の膜厚を厚くできることが明らかである。
また、小円部41B、41Cの中心部C3、C4を、大円部41Aの中心部C2から大円部41Aの半径Rの0.5倍以上0.875倍以下の範囲に設定することにより、小円部41B、41Cの中心部C3、C4を大円部41Aの中心部C2に近づけることができる。
これにより、大円部41Aと小円部41B、41Cからなる凹部41の動圧性能を落とすことなく個々の凹部41の設置面積を小さくでき、単位面積当りの凹部41の設置数を増大できる。このため、エンジン1の回転数が低回数域であっても、大きい動圧を発生することができる。
また、本実施の形態のピストン7によれば、凹部41を、スカート部10、11の円周方向中央部10c、11cにおいてピストンクラウン部9の中心軸に沿って設置した。
スカート部10、11の円周方向中央部10c、11cは、ピストン7が上下動する際に、シリンダボア6の内壁6aと常に高い面圧で接触する部位で、かつシリンダボア6の内壁6aとのクリアランスが小さい部位である。
この部位に凹部41を設置することで、オイルの動圧を高くして、スカート部10、11の円周方向中央部10c、11cとシリンダボア6の内壁6aとの間のオイルの膜厚を厚くでき、ピストン7の上下動時に摩擦抵抗を低減できる。
特に、本実施の形態のピストン7は、凹部41の長手方向をピストンクラウン部9の中心軸Cと同方向となるように凹部41を縦長配列とすることで、凹部41を横長配列にした場合よりもオイルの動圧を高くして、スカート部10、11の円周方向中央部10c、11cとシリンダボア6の内壁6aとの間のオイルの膜厚を厚くできる。
また、本実施の形態のピストン7によれば、スカート部10の単位面積当りの凹部41の設置数である設置密度を、上部スカート部36および下部スカート部38のそれぞれよりも中央スカート部37が高く、中央スカート部37の中でピストンクラウン部9の中心軸C付近を最も高くした。
これにより、凹部41を小クリアランス領域52に集中して設置することができ、シリンダボア6の内壁6aに対するクリアランスが小さく、かつ、シリンダボア6の内壁6aに対する接触面圧が大きい中央スカート部37とシリンダボア6の内壁6aとの間のオイルの膜厚を厚くすることができる。このため、ピストン7の上下動時に摩擦抵抗をより効果的に低減できる。
また、本実施の形態のピストン7によれば、ピストンピン16の中心軸C1および上部境界37a、下部境界37bを挟んで凹部41を設置している。
これにより、スカート部10、11の中でシリンダボア6の内壁6aに対する接触面圧が高いピストンピン16の中心軸C1上の部位とシリンダボア6の内壁6aとの間において、凹部41によってオイルの動圧を高くできる。
このため、ピストンピン16の中心軸C1上の部位とシリンダボア6の内壁6aとの間のオイルの膜厚を厚くでき、スカート部10、11とシリンダボア6の内壁6aとの摩擦抵抗を低減できる。
また、本実施の形態のピストン7によれば、スカート部10の円周方向中央部10cから離れるに従って凹部41の設置密度が徐々に低くした。
これにより、スカート部10、11がオイルから受ける粘性抵抗を低減できる。すなわち、凹部41は、大きい動圧を発生させてオイルの膜厚を厚くする機能を有する。
また、スカート部10、11は、円周方向中央部10c、11cからサイドウォール部12、13との接続部に向かって円周方向に曲率が大きくなるように形成されており、スカート部10、11とシリンダボア6の内壁6aとのクリアランスは、円周方向中央部10c、11cからサイドウォール部12、13に向かうに従って大きくなる。
これにより、クリアランスが大きいスカート部10、11の左側10a、11aおよび右側10b、11bとシリンダボア6の内壁6aとの間のオイル量が多くなる。このため、このクリアランスが大きい左側10a、11aおよび右側10b、11bに凹部41を縦長配列にすると、オイル量がより一層増大して、スカート部10、11がオイルから受ける粘性抵抗が大きくなる。
したがって、スカート部10、11の円周方向中央部10cから離れるに従って凹部41の設置密度を徐々に低くすることで、クリアランスが大きいスカート部10、11の左側10a、11aおよび右側10b、11bとシリンダボア6の内壁6aとの間のオイル量が過剰になることを防止できる。この結果、スカート部10、11がオイルから受ける粘性抵抗を低減できる。
図12は、丸溝が均一に形成されている樹脂被膜層と、凹部41を有する本実施の形態の樹脂被膜層39とを用いてスカート部とシリンダボアの内壁との摩擦力を計測した実験データである。
この実験データは、ピストン単体摩擦力評価装置を用い、エンジンの回転数を代えてピストンを作動した結果得られたものである。この結果、本実施の形態の樹脂被膜層39を用いたピストン7は、従来の樹脂被膜層を用いたピストンに比べてスカート部とシリンダボアの内壁との摩擦力が平均で約20%低下したことが確認された。
なお、本実施の形態のピストン7にあっては、図13に示すように、凹部42を横長配列としてもよい。すなわち、図14において、大円部42Aおよび小円部42B、42Cの配列方向を長手方向とした場合に、図13に示すように、長手方向がピストンクラウン部9の中心軸Cと直交するように、凹部42を横長配列としてもよい。この場合には、縦長配列と同一の位置において、凹部42を90°回転させるようにして凹部42を樹脂被膜層39に形成すればよい。
凹部42が横長配列されたピストン7においては、例えば、ピストン7が上昇すると、上流側(燃焼室18側)から上部スカート部36とシリンダボア6の内壁6aとの間にオイルが導入される。
このオイルは、大円部42Aから下流の大円部42A、小円部42B、42Cに導入されてオイル量が増大した後、大円部42A、小円部42B、42Cから下流の大円部42Aに導入されることで、オイルが急激に絞られて高い動圧を発生する。
このようにしてもシリンダボア6の内壁6aとのクリアランスが小さく、かつ、シリンダボア6の内壁6aに高圧で接触する中央スカート部37とシリンダボア6の内壁6aの間のオイルの膜厚を厚くすることができ、中央スカート部37とシリンダボア6の内壁6aとの間を良好に潤滑することができる。
なお、この凹部42にあっても、小円部42B、42Cの中心部C3、C4は、大円部42Aの中心部C2から大円部42Aの半径Rの0.5倍以上0.875倍以下の範囲に設定される。
図10から明らかなように、凹部42を横長配列とした場合には、凹部41を縦長配列にしたものと比べて、凹部42の上流から下流に流れるオイルの絞り量が少なくなるので、凹部41を縦長配列にしたものと比べて発生するオイルの動圧を小さくすることができる。
この特性を利用して、縦長配列となる凹部41と横長配列となる凹部42を組み合わせてオイルの膜厚を最適化することも可能である。
例えば、図15において、スカート部10とシリンダボア6の内壁6aとのクリアランスが小さいスカート部10の円周方向中央部10cと、円周方向中央部10cの付近の上部スカート部36、中央スカート部37および下部スカート部38に設置される凹部41は、縦長配列にする。
また、スカート部10とシリンダボア6の内壁6aとのクリアランスが大きいスカート部10の円周方向中央部10cに対して左側10aおよび右側10b寄りに設置される凹部42は、横長配列にする。
上述したように、摩擦境界に発生する動圧の大きさは、円の内径によって異なり、動圧は、大きい程、オイルの膜厚が厚くなる。したがって、スカート部10とシリンダボア6の内壁6aとのクリアランスが小さい領域(小クリアランス領域52)で、スカート部10とシリンダボア6の内壁6aとの接触面圧が高い箇所には、凹部41を縦長配列とすることで、良好なオイルの膜厚を確保してスカート部10とシリンダボア6の内壁6aとの摩擦抵抗を低減できる。
一方、スカート部10とシリンダボア6の内壁6aとのクリアランスが大きい領域(大クリアランス領域51)の摩擦境界のオイルの量は、多い。これにより、摩擦境界のオイルの膜厚が厚すぎるとピストン7がオイルから粘性抵抗を受けしまうため、スカート部10とシリンダボア6の内壁6aとのクリアランスが小さい領域に設置した場合よりも低い動圧を発生させることが望ましい。
したがって、スカート部10とシリンダボア6の内壁6aとのクリアランスが大きい領域(中クリアランス領域53)では、凹部42を横長配列とすることで、凹部41、42の形状を同一形状としつつ、適度な動圧を発生させてオイルの膜厚が過剰に厚くなるのを防止できる。
これに加えて、大円部42A、小円部42B、43Cからなる大容量の凹部42に摩擦境界の余分なオイルを流入させることができる。この結果、スカート部10がオイルから受ける粘性抵抗を低減できる。
このように、スカート部10とシリンダボア6の内壁6aとのクリアランスの大きさに応じて、スカート部10に形成される凹部41を縦長配列にすることや凹部42を横長配列にすることで、スカート部10とシリンダボア6の内壁6aとの摩擦抵抗と粘性抵抗の制御を行うことができる。
ここで、エンジン1の冷機時においては、上部スカート部36および下部スカート部38が熱膨張するエンジン1の暖機時に比べてスカート部10とシリンダボア6の内壁6aとのクリアランスが増加する。
本実施の形態のピストン7によれば、凹部42を横長配列とすることで、動圧発生性能と余分なオイルを凹部42の内部に貯留して、適度に排出する排出性能を合わせ持つことができる。
これにより、エンジン1の冷機時において粘性抵抗の低減を図るために凹部42を設置する場合には、凹部42をスカート部10の最適な位置で横長配列にすれば、エンジン1の冷機時のクリアランスが大きい条件でのオイルの粘性抵抗の低減を図ることができる。
(第2の実施の形態)
図16〜図19は、本発明に係る第2の実施の形態の内燃機関のピストンを示す図である。なお、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。なお、スカート部10とスカート部11に形成される樹脂被膜層39は、同一の構成を有するので、スカート部10に形成される樹脂被膜層39について説明を行う。
図16において、樹脂被膜層39にはスカート部10の円周方向に隣接する縦溝45、46A、46B、47A、47Bが形成されており、縦溝45、46A、46B、47A、47Bは、樹脂被膜層39の厚さと同一の深さの5μm以上20μm以下の範囲の深さに形成される。
縦溝45、46A、46B、47A、47Bは、ピストンクラウン部9の中心軸Cと同方向に延びており、縦溝45、46A、46B、47A、47Bは、ピストンクラウン部9の中心軸Cと直交する方向(車幅方向)において、仮想線で示すピストンピンボス部14、15の延びる方向の範囲内に設置されている。
縦溝45、46A、46B、47A、47Bの長さは、スカート部10の円周方向中央部10c、11c側の縦溝47A、47Bが最も短く形成されており、サイドウォール部12、13側の縦溝45が最も長く形成されている。また、縦溝45と縦溝47A、47Bの間に位置する縦溝46A、46Bは、縦溝45よりも短く、かつ、縦溝47A、47Bよりも長く形成されている。
縦溝46A、46B、47A、47Bは、上部スカート部36および下部スカート部38に対応する樹脂被膜層39に形成されており、縦溝46A、46B、47A、47Bに対してスカート部10(図示していないがスカート部11)の円周方向中央部10c(11c)側に位置する中央スカート部37に対応する樹脂被膜層39には縦溝が形成されていない。
具体的には、上部スカート部36において、縦溝46A、46Bは、樹脂被膜層39の上部39aから上部スカート部36と中央スカート部37との境界である上部境界37aの直上まで延びている。
縦溝46B、47Bは、下部スカート部38において、樹脂被膜層39の下部39bから下部スカート部38と中央スカート部37との境界である下部境界37bの直下まで延びている。また、ピストンクラウン部9の中心軸C方向において、縦溝47A、47Bは、縦溝46A、46Bよりも上部境界37aおよび下部境界37bから離れている。
縦溝45は、上部スカート部36、中央スカート部37および下部スカート部38に亙って延びている。
図17に示すように、本実施の形態の縦溝45、46A、46B、47A、47Bは、スカート部10の大クリアランス領域51に対応する樹脂被膜層39に形成されている。図17では、スカート部10において、スカート部10とシリンダボア6の内壁6aとのクリアランスと、縦溝45、46A、46B、47A、47Bおよび凹部41との位置関係を示している。
縦溝47A、47Bは、スカート部10の大クリアランス領域51の中でも、スカート部10の円周方向においてスカート部10とシリンダボア6の内壁6aとのクリアランスが最も小さい部位に形成されている。
縦溝45は、スカート部10の大クリアランス領域51の中でも、スカート部10の円周方向においてスカート部10とシリンダボア6の内壁6aとのクリアランスが最も大きい部位に形成されている。
次に、縦溝45、46A、46B、47A、47Bの作用について説明する。なお、スカート部10、11は、いずれも同様の動作を行うので、以降の説明において、スカート部10のみについて動作を説明する。
上述したように、ピストンピンボス部14、15とピストンピン16の接触部位がスカート部10をシリンダボア6の内壁6aに押し付けるときの押し付け力の入力点となることにより、スカート部10とシリンダボア6の内壁6aとの間の面圧は、ピストンピンボス部14、15の延びる方向と同じ領域のスカート部10、11の円周方向の領域が高くなる。
本実施の形態のピストン7は、スカート部10、11の大クリアランス領域51に縦溝45、46A、46B、47A、47Bを設置することで、ピストン7が往復動するときに、スカート部10と大クリアランス領域51とシリンダボア6の内壁6aとの間にオイルを円滑に多く取り込むことができる。
図18に示すようにピストン7が上昇すると、上流側から上部スカート部36とシリンダボア6の内壁6aとの間にオイルが導入される。
上部スカート部36とシリンダボア6の内壁6aとの間に導入されるオイルの一部は、オイルO1で示すように、ピストンピンボス部14、15の延びる方向と同じ領域の大クリアランス領域51において縦溝46A、47Aに導入される。
縦溝46A、47Aに導入されたオイルO1は、ピストンピンボス部14、15の延びる方向の範囲内において、上部境界37aまで導かれた後に、ピストンクラウン部9の中心軸C方向における中央部が最大外径となる中央スカート部37とシリンダボア6の内壁6aとの間の中クリアランス領域53に導かれる。
スカート部10は、左端10Lから円周方向中央部10cに向かうに従ってシリンダボア6の内壁6aとスカート部10、11とのクリアランスが小さくなるので、中クリアランス領域53に導かれたオイルO1は、オイルO2に示すようにスカート部10の円周方向中央部10cに向かって移動し、この移動の過程で凹部41に導入される。
これにより、第1の実施の形態と同様に凹部41によって高い動圧を発生させることができ、潤滑条件の厳しいスカート部10の小クリアランス領域52および中クリアランス領域53とシリンダボア6の内壁6aとを潤滑することができる。
ところで、大クリアランス領域51とシリンダボア6の内壁6aとの間にはオイルが潤沢に存在するため、このオイルによる抵抗を受ける箇所になり得る。
本実施の形態のピストン7は、大クリアランス領域51とシリンダボア6の内壁6aとの間に導入されたオイルO1は、上流側の縦溝45、46A、47Aから下流側の縦溝45、46B、46Bに導かれる。これにより、余剰のオイルを縦溝45、46B、47Bから下流側に円滑に排出することができ、オイルによるピストン7の引きずり抵抗を低減できる。
一方、図19に示すようにピストン7が降下すると、上流側から下部スカート部38とシリンダボア6の内壁6aとの間にオイルが導入される。
下部スカート部38とシリンダボア6の内壁6aとの間に導入されるオイルの一部は、オイルO3で示すように、ピストンピンボス部14、15の延びる方向と同じ領域の大クリアランス領域51において縦溝46B、47Bに導入される。
縦溝46B、47Bに導入されたオイルO3は、ピストンピンボス部14、15の延びる方向の範囲内において、下部境界37bまで導かれた後に、中央スカート部37とシリンダボア6の内壁6aとの間の中クリアランス領域53に導かれる。
中クリアランス領域53に導かれたオイルO3は、オイルO4に示すようにスカート部10の円周方向中央部10cに向かって移動して、この移動の過程で凹部41に導入される。
これにより、第1の実施の形態と同様に凹部41によって高い動圧を発生させることができ、潤滑条件の厳しいスカート部10の小クリアランス領域52および中クリアランス領域53とシリンダボア6の内壁6aとを潤滑することができる。
また、大クリアランス領域51とシリンダボア6の内壁6aとの間に導入されたオイルは、上流側の縦溝45、46B、47Bから下流側の縦溝45、46A、47Aに導かれる。これにより、余剰のオイルを縦溝45、46A、47Aから下流側に円滑に排出することができ、オイルによるピストン7の引きずり抵抗を低減できる。
特に、本実施の形態のピストン7は、大クリアランス領域51の中でもスカート部10とシリンダボア6の内壁6aとのクリアランスが最も大きい部位において、上部スカート部36から下部スカート部38まで連続して延びる縦溝45を有する。
これにより、ピストン7の往復動時に、大クリアランス領域51の中でもクリアランスが大きいスカート部10とシリンダボア6の内壁6aとの間に導入されたオイルを縦溝45によって下流側に排出することができるため、より多くの量のオイルを下流側に排出できる。
一方、ピストン7とシリンダボア6の内壁6aとの間に導入されるオイルの量は、ピストン7の速度に比例する。このため、エンジン1の低回転域では、そのオイル量が少なくなり、小クリアランス領域52および中クリアランス領域53とシリンダボア6の内壁6aとの潤滑不良が懸念される。
また、エンジン1の高回転域では、大クリアランス領域51とシリンダボア6の内壁6aとの間に導入されるオイル量が多くなり、オイルによるピストン7の引きずり抵抗が増大する。
本実施の形態のピストン7では、エンジン1の低回転域では、縦溝46A、46B、47A、47Bから小クリアランス領域52および中クリアランス領域53とシリンダボア6の内壁6aとの間に十分なオイルを導入して、小クリアランス領域52および中クリアランス領域53とシリンダボア6の内壁6aとの潤滑性を向上できる。
また、エンジン1の高回転域では、大クリアランス領域51とシリンダボア6の内壁6aとの間に導入されるオイル量を縦溝45、46A、46B、47A、47Bから下流側に排出することができ、オイルによるピストン7の引きずり抵抗を低減することができる。このようにエンジン1の回転数に増減にかかわらず、スカート部10の潤滑とピストン7の引きずり抵抗の低減の両立を図ることができる。
なお、本実施の形態では、凹部41を縦長配列としているが、これに限らず、凹部42を横長配列としてもよく、縦長配列の凹部41と横長配列の凹部42とを混在させてものでもよい。
また、上記の各実施の形態において、凹部41、42および縦溝45、46A、46B、47A、47Bの深さは、5μm以上20μm以下の範囲に形成されることが好ましい。
何故なら、縦溝45、46A、46B、47A、47Bの深さが5μm以下であると、縦溝45、46A、46B、47A、47Bに沿ってオイルを流すことが困難となり、好ましくない。また、縦溝45、46A、46B、47A、47Bの深さが20μm以上であると、樹脂被膜層39の厚みが増大することで過剰なオイルの停留に繋がるため、好ましくない。
また、上記の各実施の形態において、凹部41、42は、円の組合せから構成されているが、これに限定されるものではない。
例えば、図20に示すように、凹部61を、角径の大面積部61Aと、大面積部61Aを両側から挟むようにして大面積部61Aから突出して配置され、大面積部61Aよりも小さい面積で形成された半円状の小面積部61B、61Cとを含んで構成してもよい。
また、図21に示すように、凹部62を、角径の大面積部62Aと、大面積部62Aを両側から挟むようにして大面積部62Aから突出して配置され、大面積部62Aよりも小さい面積で形成された三角形の小面積部62B、62Cとを含んで構成してもよい。
また、図22に示すように、凹部63を、角径の大面積部63Aと、大面積部63Aを両側から挟むようにして大面積部63Aから突出して配置され、大面積部63Aよりも小さい面積で形成された三角形の小面積部63B、63Cとを含んで構成し、全体的に菱形形状に形成してもよい。
さらに、図23に示すように、凹部64を、円形の大面積部64Aと、大面積部64Aを両側から挟むようにして大面積部64Aから突出して配置され、大面積部64Aよりも小さい面積で形成された円形の小面積部64B、64Cとを含んで構成してもよい。
すなわち、凹部の形状としては、凹部は、大面積部と、大面積部を両側から挟むようにして大面積部から突出して配置され、大面積部よりも小さい面積で形成された一対の小面積部とを含んで構成されるものであれば、何でもよい。
本発明の実施の形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1...エンジン(内燃機関)、6...シリンダボア、6a...内壁、7...ピストン、8...コネクティングロッド、8A...小径部、9...ピストンクラウン部(ピストン本体)、10,11...スカート部、10a,11a...左側(スカート部の円周方向の一方側)、10b,11b...右側(スカート部の円周方向の他方側)、10c...円周方向中央部、12,13...サイドウォール部、14,15...ピストンピンボス部、16...ピストンピン、36...上部スカート部、37...中央スカート部、37a...上部境界、37b...下部境界、38...下部スカート部、39...樹脂被膜層、41,42,61,62...凹部、41A,42A...大円部(大面積部)、41B,41C,42B,42C...小円部(小面積部)、61A,62A...大面積部、61B,62B,61C,62C...小面積部、C...中心軸(ピストン本体の中心軸)、C1...中心軸(ピストンピンの中心軸)

Claims (9)

  1. シリンダボアの内壁に対して往復動自在に設けられたピストン本体と、前記ピストン本体から垂下した一対のスカート部と、ピストンピンを保持する一対のピストンピンボス部と、前記一対のスカート部とを互いに接続する一対のサイドウォール部と、前記シリンダボアの内壁に対向する面に設けられた樹脂被膜層とを備え、
    前記スカート部が、前記ピストン本体の中心軸方向における中央部が最大外径となる中央スカート部と、前記中央スカート部の上部境界よりも上方において前記上部境界から前記中心軸に向かって外径が漸次小さくなるように湾曲する上部スカート部と、前記中央スカート部の下部境界よりも下方において前記下部境界から前記中心軸に向かって外径が漸次小さくなるように湾曲する下部スカート部とを有し、
    前記スカート部が、前記スカート部の円周方向中央部から前記サイドウォール部との接続部に向かって円周方向に曲率が大きくなるように形成された内燃機関のピストンであって、
    オイルを保持する複数の凹部を、外縁を前記樹脂被膜層とし、底部を樹脂被膜層が形成されていない非膜部位として形成し、
    前記凹部は、大面積部と、前記大面積部を両側から挟むようにして前記大面積部から突出して配置され、前記大面積部よりも小さい面積で形成された一対の小面積部とを含んで構成されることを特徴とする内燃機関のピストン。
  2. 前記大面積部および前記小面積部は、外縁を円弧としたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のピストン。
  3. 前記小面積部の内接円の中心は、前記大面積部の内接円の中心から前記大面積部の内接円の半径の0.5倍以上0.875倍以下の範囲に設定されることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のピストン。
  4. 前記凹部は、前記スカート部の円周方向中央部において前記ピストン本体の中心軸に沿って設置されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の内燃機関のピストン。
  5. 前記スカート部の単位面積当りの前記凹部の設置数である設置密度は、前記上部スカート部および前記下部スカート部のそれぞれよりも前記中央スカート部が高く、かつ、前記中央スカート部の中で前記ピストン本体の中心軸付近が最も高いことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の内燃機関のピストン。
  6. 前記ピストンピンは、前記ピストン本体の中心軸と直交する中心軸を有し、
    前記凹部は、前記ピストンピンの中心軸を挟んで設置されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の内燃機関のピストン。
  7. 前記大面積部および小面積部の配列方向を前記凹部の長手方向とした場合に、前記スカート部の円周方向中央部と前記中央スカート部に設置される凹部は、長手方向が前記ピストン本体の中心軸と同方向となるように設置されることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の内燃機関のピストン。
  8. 前記大面積部および小面積部の配列方向を前記凹部の長手方向とした場合に、前記スカート部の円周方向中央部に対してスカート部の円周方向の一方側寄りおよび他方側寄りに設置される凹部は、長手方向が前記ピストンピンの中心軸と同方向となるように設置されることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の内燃機関のピストン。
  9. 前記凹部は、前記スカート部の円周方向中央部から離れるに従って設置密度が徐々に低くなることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の内燃機関のピストン。
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