JP7014986B1 - 電力制御システムおよび機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】機器における電力の容量に関する指標とは無関係に複数の調整の対象を機器に調整させる場合に比べて、機器に適した調整の内容により複数の調整の対象を機器に調整させる。【解決手段】電線における皮相電力に関する複数の調整の対象を機器に調整させる電力制御システムであって、電力制御システムは、電線における皮相電力に関する電力情報を取得する電力情報取得手段と、機器における電力の容量に関する容量情報を取得する容量情報取得手段と、電力情報および容量情報に基づき、電線における複数の調整の対象の各々についての機器による調整の関係を決定する決定手段と、を備える。【選択図】図8

Description

本開示は、電力制御システムおよび機器に関する。
特許文献1には、電圧値演算手段で得られた差電圧に基づいて、振幅が目標値となるように基本波無効電流指令値を調整する基本波無効電流制御手段、及び高調波抑制電流値と基本波無効電流指令値から高調波補償電流値を演算する電流値演算手段を備えて構成されていることを特徴とするアクティブフィルタが記載されている。
特許文献2には、高調波の発生と電圧変動が顕著となるタイミングが同時ではないことに着目し、電力変換のためのスイッチング周波数を高調波抑制時と電圧安定化時とで切り替えることが記載されている。
特許文献3には、複数の電流出力回路毎に設けられ、対応する出力電流指令値に基づいて、対応する電流出力回路の出力電流を制御する複数の電流制御部が記載されている。
特開2004-336870号公報 特開2006-223023号公報 特開2018-207662号公報
電線における皮相電力に関する複数の調整の対象を機器に調整させることがある。ここで、機器における電力の容量に関する指標とは無関係に複数の調整の対象を機器に調整させると、機器に適さない内容による調整がされることがある。
本開示は、機器における電力の容量に関する指標とは無関係に複数の調整の対象を機器に調整させる場合に比べて、機器に適した調整の内容により複数の調整の対象を機器に調整させることを目的とする。
本開示の電力制御システムは、電線における皮相電力に関する複数の調整の対象を機器に調整させる電力制御システムであって、前記電線における皮相電力に関する電力情報を取得する電力情報取得手段と、前記機器における電力の容量に関する容量情報を取得する容量情報取得手段と、前記電力情報および前記容量情報に基づき、前記電線における前記複数の調整の対象の各々についての前記機器による調整の関係を決定する決定手段と、
を備える電力制御システムである。この場合、機器における電力の容量に関する指標とは無関係に複数の調整の対象を機器に調整させる場合に比べて、機器に適した調整の内容により複数の調整の対象を機器に調整させることができる。
ここで、電力制御システムは、前記容量情報に基づき、前記複数の調整の対象の少なくとも一つの前記機器による調整を制限する制限手段をさらに備えてもよい。この場合、機器による調整が制限されない場合に比べて、機器に不具合が生じることを抑制できる。
また、前記制限手段は、前記複数の調整の対象の各々の関係に基づき、前記制限をしてもよい。この場合、複数の調整の対象の各々の関係に関わらず機器による調整が制限される場合に比べて、制限の対象として適さない調整の対象の調整が制限されることを抑制できる。
また、前記複数の調整の対象には、前記電線における力率と、前記電線における高調波とが含まれ、前記制限手段は、前記力率が予め定められた制限条件を満たす場合、前記高調波の調整よりも当該力率の調整に対して前記制限をしてもよい。この場合、電線における力率に応じて、機器による調整の制限が優先して適用される対象を定めることができる。
また、前記複数の調整の対象には、前記電線における力率が含まれ、前記制限手段は、前記力率が予め定められた緩和条件を満たす場合、当該力率の調整の制限を緩和してもよい。この場合、電線における力率の機器による調整が制限される場合において、電線における力率に応じて、調整の制限の程度を定めることができる。
また、前記決定手段は、前記関係を、電線における複数の調整の対象の各々についての機器による調整の関係を記憶する記憶手段に記憶されている内容に基づいて決定してもよい。この場合、複数の調整の対象の各々についての調整の関係を決定するための決定手段の処理の負荷を小さくすることができる。
また、前記機器は、前記電線とは異なる電路における皮相電力に関する調整の対象の調整が可能であり、前記決定手段は、前記容量情報に基づき、前記電線における前記調整の対象と、前記電路における前記調整の対象とについての前記機器による調整の関係を決定してもよい。この場合、機器における電力の容量に関する指標とは無関係に複数の電線における調整の対象を機器に調整させる場合に比べて、機器に適した調整の内容により電線および電路における調整の対象を機器に調整させることができる。
また、前記機器は、前記電線を介して供給される電力を受給し、前記電路は、前記電線よりも電力の受給側に設けられ、前記電路における前記調整の対象には、前記電線における前記複数の調整の対象の何れとも異なる特定の対象があってもよい。この場合、機器における電力の容量に関する指標とは無関係に電線および電路における調整の対象を機器に調整させる場合に比べて、機器に適した調整の内容により、電線および電路に応じて異なる複数の調整の対象を機器に調整させることができる。
また、前記決定手段は、前記特定の対象が前記機器に調整される場合、前記電線よりも前記電路が優先して調整されるように当該電線と当該電路とについての前記関係を決定し、当該特定の対象が当該機器に調整されない場合、当該電路よりも当該電線が優先して調整されるように当該関係を決定してもよい。この場合、電路における特定の対象が調整されるか否かに応じて、優先して調整される電線または電路を定めることができる。
また、他の観点から捉えると、本開示の機器は、電線における皮相電力に関する複数の調整の対象を調整する機器であって、前記電線における皮相電力に関する電力情報を取得する取得手段と、前記電力情報および前記機器における電力の容量に関する情報に基づき、前記電線における前記複数の調整の対象の各々についての調整の関係を決定する決定手段と、を備える機器である。この場合、機器における電力の容量に関する指標とは無関係に複数の調整の対象を機器に調整させる場合に比べて、機器に適した調整の内容により複数の調整の対象を機器に調整させることができる。
本実施形態に係る電力制御システムの一例を示した図である。 制御サーバおよび管理サーバのハードウエアの構成を示した図である。 HPSの機能構成を示した図である。 制御サーバの機能構成を示した図である。 電線管理テーブルを示した図である。 関係管理テーブルを示した図である。 HPS管理テーブルを示した図である。 調整量算出処理の流れを示したフローチャートである。
以下、添付図面を参照して実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る電力制御システム1の一例を示した図である。
電力制御システム1は、皮相電力を制御するシステムである。
電力制御システム1には、電力系統10と、複数の電力消費施設20と、制御サーバ30と、管理サーバ40とが設けられている。
電力系統10は、電力の需要家に電力を供給するための設備が設けられているシステムである。電力系統10には、発電所11、送電線12、供給側変電所13、供給側配電線14、自動電圧調整器(SVR:Step Voltage Regulator)15、受給側変電所16、受給側配電線17、柱上変圧器18、および需要家側配電線19が設けられている。
発電所11は、発電をする設備である。発電所11としては、例えば、火力発電所、水力発電所、原子力発電所、太陽光発電所、風力発電所、地熱発電所等が挙げられる。
送電線12は、発電所11に生成された電力を構成する電流が流れる線路である。送電線12は、発電所11から供給側変電所13にわたって設けられている。
供給側変電所13は、電圧を変換する設備である。供給側変電所13は、受給側変電所16よりも、電力の供給側に設けられている。本実施形態では、電力における最も供給側に位置する設備は、発電所11である。また、電力における最も受給側に位置する設備は、電力消費施設20である。
供給側変電所13は、送電線12を通じて供給された電圧を変換する。供給側変電所13としては、50万Vの電圧を15.4万Vに変換する変電所、15.4万Vの電圧を6.6万Vに変換する変電所、6.6万Vの電圧を2.2万Vに変換する変電所等が挙げられる。
電路の一例としての供給側配電線14は、供給側変電所13に変換された電圧が印加されて生じる電流が流れる線路である。供給側配電線14は、供給側変電所13から受給側変電所16にわたって設けられている。また、供給側配電線14は、受給側配電線17よりも電力の供給側に設けられている。
SVR15は、供給側配電線14に供給される電圧を調整する。より具体的には、SVR15は、供給側配電線14に供給される電圧を検出する。そして、SVR15は、検出した電圧が予め定められた範囲でない場合に、この電圧が予め定められた範囲に収まるように、電圧を調整する。
受給側変電所16は、供給側配電線14を通じて供給された電圧を変換する設備である。受給側変電所16としては、例えば、供給された電圧を6600Vに変換する変電所等が挙げられる。
電路の一例としての受給側配電線17は、受給側変電所16に変換された電圧が印加されて生じる電流が流れる線路である。受給側配電線17は、受給側変電所16から柱上変圧器18にわたって設けられている。
柱上変圧器18は、受給側配電線17を通じて供給された電圧を変換する設備である。柱上変圧器18としては、例えば、6600Vの電圧を200Vに変換する変圧器や、6600Vの電圧を100Vに変換する変圧器等が挙げられる。
需要家側配電線19は、柱上変圧器18に変換された電圧が印加されて生じる電流が流れる線路である。電力系統10には、複数の需要家側配電線19が設けられている。より具体的には、需要家側配電線19は、電力消費施設20ごとに設けられている。各需要家側配電線19は、柱上変圧器18から電力消費施設20にわたって設けられている。
以上の通り、電力系統10は、電力消費施設20の外側に設けられている系統であって、生成された電力を電力の需要家に配るための系統である。
また、電力系統10には、複数の電線用センサ10Sが設けられている。電線用センサ10Sは、供給側配電線14に接続されている。より具体的には、電線用センサ10Sは、供給側配電線14のうちのSVR15よりも電力の供給側の部分に接続されている。また、電線用センサ10Sは、それぞれ、受給側配電線17の各々に接続されている。言い換えると、電線用センサ10Sは、供給側配電線14および受給側配電線17ごとに設けられている。
電線用センサ10Sは、接続されている供給側配電線14または受給側配電線17における皮相電力に関するパラメータを検出する。皮相電力に関するパラメータとは、皮相電力に影響を及ぼすパラメータである。皮相電力に関するパラメータとしては、例えば、皮相電力、無効電力、無効電圧、高調波電圧、電流、力率、予め定められた期間における皮相電力量や無効電力量等が挙げられる。皮相電力に関するパラメータとしての電流には、高調波電流が含まれる。また、高調波電圧や高調波電流としては、高次の高調波電圧や高次の高調波電流が挙げられる。高次としては、予め定められた次数よりも高い高調波の次数が挙げられる。また、予め定められた次数は、例えば、第13次である。また、高調波電圧や高調波電流としては、低次の高調波電圧や低次の高調波電流が挙げられる。低次としては、予め定められた次数以下の次数が挙げられる。
また、皮相電力に関するパラメータとしては、例えば、電流の総合高調波歪み率(THD:Total Harmonic Distortion)や電圧のTHD等が挙げられる。ここで、電流のTHDは、下記式(1)から算出される。また、電圧のTHDは、下記式(2)から算出される。
Figure 0007014986000002
上記式(1)において、Iは基本波電流である。また、Iはn次高調波電流である。
上記式(2)において、Vは基本波電圧である。また、Vはn次高調波電圧である。
電線用センサ10Sは、例えば、予め定められた時間ごとに、皮相電力に関する上記のパラメータを検出する。なお、電線における皮相電力に関するパラメータを、以下では、電力情報と称することがある。電力情報としては、電線における皮相電力に関するパラメータが示された情報が挙げられる。また、電力情報は、電線における電流の波形が示された情報であってもよい。また、予め定められた時間としては、何れの時間でもよいが、例えば、1時間である。そして、電線用センサ10Sは、電力情報を検出すると、検出した電力情報を、検出の対象である電線を識別する電線識別情報とともに、管理サーバ40へ送信する。
なお、図示の例では、電力系統10に一つの供給側変電所13が示されているが、供給側変電所13の数は図示の一つには限定されない。電力系統10には、変換する電圧が同じまたは異なる二つ以上の供給側変電所13が設けられても良い。
また、図示の例では、電力系統10に一つの受給側変電所16が示されているが、受給側変電所16の数は図示の一つには限定されない。電力系統10には、変換する電圧が同じまたは異なる二つ以上の受給側変電所16が設けられても良い。
また、供給側配電線14や受給側配電線17の数は、図示の例に限定されない。電力系統10には、図示した数よりも多くの供給側配電線14や受給側配電線17が設けられてもよい。この場合において、供給側配電線14ごとに電線用センサ10Sが設けられても良いし、受給側配電線17ごとに電線用センサ10Sが設けられても良い。
電力消費施設20は、需要家側配電線19を通じて発電所11から供給された電力を受給して消費する施設である。各電力消費施設20は、受電設備201と、施設内電線202と、施設内電線用センサ20Sとを備える。
電路の一例としての受電設備201は、電力系統10から供給された電力を受給する。また、受電設備201は、受給した電力における電圧を、電力消費施設20内の設備にて用いられる電圧に変換する。受電設備201としては、配電盤や分電盤等が挙げられる。
電路の一例としての施設内電線202は、受電設備201に受給された電力を構成する電流が流れる線路である。施設内電線202は、受電設備201から、電力消費施設20内にて電力を消費する各機器にわたって設けられている。なお、本実施形態では、供給側配電線14、受給側配電線17および施設内電線202を特に区別することなく説明する場合、単に「電線」と称することがある。
施設内電線用センサ20Sは、例えば、予め定められた時間ごとに、施設内電線202における皮相電力に関する電力情報を検出する。予め定められた時間としては、何れの時間でもよいが、例えば、1時間である。そして、施設内電線用センサ20Sは、電力情報を検出すると、検出した電力情報を、検出の対象である施設内電線202を識別する電線識別情報とともに、制御サーバ30へ送信する。
なお、電線用センサ10Sや施設内電線用センサ20Sが検出する電力情報は、皮相電力に関する一種類のパラメータに限定されない。電線用センサ10Sや施設内電線用センサ20Sは、上述したパラメータのうちの複数種類のパラメータを検出してもよい。そして、検出した複数種類の各々のパラメータが示された電力情報を制御サーバ30や管理サーバ40へ送信してもよい。また、検出の対象になるパラメータの種類ごとに電線用センサ10Sや施設内電線用センサ20Sが設けられてもよい。
また、各電力消費施設20には、複数のヒートポンプシステム(HPS:Heat Pump System)21と、負荷22とが設けられている。
機器の一例としてのHPS21は、電力系統10から受給した電力を用いて、温度や湿度を調整する。HPS21による調整の対象としては、電力消費施設20内の空間の温度や湿度が挙げられる。また、HPS21による調整の対象としては、電力消費施設20に設けられている液体の温度が挙げられる。
また、本実施形態のHPS21は、電流を供給することができる。HPS21は、電流を供給することで、このHPS21における皮相電力に関する上記のパラメータを調整する。さらに、HPS21は、電線に電流を供給することができる。HPS21は、電線に電流を供給することで、この電線における皮相電力に関する上記のパラメータを調整する。
電線における皮相電力に関するパラメータのHPS21による調整の手法の一例を説明する。電線に特定の次数の高調波電流が生じている場合において、HPS21が、この特定の次数の高調波電流を打ち消す位相の電流を電線に供給することにより、電線における特定の次数の高調波電流を低減する。
電線における皮相電力に関するパラメータのHPS21による調整の手法の他の一例を説明する。電線に無効電力が生じている場合において、HPS21が電線に電流を供給することにより、電線における無効電力を低減する。また、電線における無効電力の減少に伴い、電線における力率が向上する。
このように、本実施形態では、HPS21を用いて電線における皮相電力に関するパラメータを調整する。また、HPS21は、電線の調整と同様の手法により、HPS21における皮相電力に関するパラメータを調整する。ここで、皮相電力に関するパラメータが変化することに伴い、皮相電力も変化する。そのため、皮相電力に関する上記の各パラメータの調整は、広義には、皮相電力の調整として捉えられる。以下では、調整の対象としての皮相電力に関する各パラメータを、「皮相電力」と総称することがある。
HPS21としては、温度や湿度を調整するシステム等が挙げられる。より具体的には、HPS21としては、例えば、空気調和装置、内部の温度を調和するショーケース、冷蔵機、冷凍機、給湯器等、HVAC(Heating Ventilation and Air Conditioning)システムに用いられる機器が挙げられる。
HPS21は、制御サーバ30から電線における皮相電力の調整を指示されると、受けた指示に応じて電線に電流を供給することで、この電線における皮相電力を調整する。
負荷22は、需要家側配電線19を通じて発電所11から供給された電力を受給して消費する。
また、本実施形態では、各電力消費施設20に、HPSセンサ21Sが設けられている。HPSセンサ21Sは、HPS21から供給されている電力、電力量若しくは所定時間における電力量を検出する。なお、電力、電力量および所定時間における電力量を特に区別することなく説明する場合、単に「電力」と総称することがある。
HPSセンサ21Sは、例えば、予め定められた時間ごとに、HPS21から供給されている電力を検出する。予め定められた時間としては、何れの時間でもよいが、例えば、1時間である。また、HPS21から供給されている電力が示された情報としてHPSセンサ21Sに検出された情報を、以下では、供給情報と称することがある。HPSセンサ21Sは、供給情報を検出すると、検出した供給情報を、検出の対象であるHPS21を識別するHPS識別情報とともに、制御サーバ30へ送信する。
なお、図示の例では、需要家側配電線19ごとに一つの電力消費施設20が設けられているが、これに限定されない。需要家側配電線19ごとに、複数の電力消費施設20が設けられても良い。また、電力消費施設20に設けられるHPS21の数や負荷22の数は、図示の例に限定されない。電力消費施設20には、図示した数よりも多くのHPS21や負荷22が設けられてもよい。また、HPS21や負荷22が設けられていない電力消費施設20が設けられてもよい。また、電力消費施設20には、HPS21とは異なる機器が設けられてもよい。
制御サーバ30は、HPS21の動作を制御するサーバ装置である。より具体的には、制御サーバ30は、電線における皮相電力を調整するためのHPS21の動作を制御する。制御サーバ30は、管理サーバ40から電力情報を取得すると、取得した電力情報に基づいて、電線における皮相電力を調整するか否かを決定する。そして、電線における皮相電力を調整すると決定した場合、調整の対象である電線における皮相電力を、HPS21に調整させる。
また、本実施形態では、電線における皮相電力に関する複数の調整の対象をHPS21に調整させる。電線における皮相電力に関する調整の対象とは、電線における皮相電力に関する上記のパラメータのうちの、調整の対象として定められたパラメータである。
制御サーバ30は、HPS21における電力の容量に関する指標に基づいて、電線における皮相電力に関する複数の調整の対象のHPS21による調整を制御する。また、制御サーバ30は、複数の調整の対象の各々の関係に基づいて、この複数の調整の対象のHPS21による調整を制御する。
管理サーバ40は、電力情報を管理するサーバ装置である。管理サーバ40は、電線用センサ10Sから電力情報を取得すると、取得した電力情報を、この電力情報の対象である電線を識別する電線識別情報とともに、制御サーバ30へ送信する。
管理サーバ40や制御サーバ30は、例えば、コンピュータにより実現される。管理サーバ40や制御サーバ30は、単一のコンピュータにより構成しても良いし、複数のコンピュータによる分散処理により実現しても良い。また、管理サーバ40や制御サーバ30は、クラウドコンピューティングにより提供される仮想的なハードウエア上にて実現しても良い。なお、以下では、管理サーバ40および制御サーバ30を特に区別することなく説明する場合、単に「サーバ」と称することがある。
本実施形態では、制御サーバ30と、各電力消費施設20に設けられている各機器および管理サーバ40とは、ネットワーク(不図示)を介して接続されている。また、管理サーバ40と、各電線用センサ10Sとは、ネットワーク(不図示)を介して接続されている。これらのネットワークは、データの送受信が可能であれば良い。また、データの送受信に用いられる通信回線は、有線であっても無線であっても良いし、電力線通信(PLC:Power Line Communication)であっても良い。また、複数のネットワークや通信回線を介して通信先に接続される構成であっても良い。
また、制御サーバ30や管理サーバ40の数は、図示の例に限定されない。電力制御システム1には、二つ以上の制御サーバ30や二つ以上の管理サーバ40が設けられても良い。また、制御サーバ30は、例えば、電力消費施設20ごとに設けられても良い。
図2は、制御サーバ30および管理サーバ40のハードウエアの構成を示した図である。
サーバには、CPU31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33が設けられている。また、サーバには、ハードディスク装置などにより構成され、情報を記憶する記憶装置35が設けられている。さらに、サーバには、外部との通信を行う通信装置34(通信I/F)が設けられている。
この他、サーバには、キーボード、マウス等の情報の入力に用いられる入力用装置、液晶ディスプレイ等の表示装置が設けられている。
ROM32、記憶装置35は、CPU31により実行されるプログラムを記憶する。CPU31は、ROM32や記憶装置35に記憶されているプログラムを読み出し、RAM33を作業エリアにしてプログラムを実行する。
CPU31により、ROM32や記憶装置35に格納されたプログラムが実行されることで、後述する各機能部が実現される。
ここで、CPU31によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、サーバへ提供できる。また、CPU31によって実行されるプログラムは、インターネットなどの通信手段を用いて、サーバへ提供しても良い。
図3は、HPS21の機能構成を示した図である。
HPS21には、調整部211と、電力変換装置212と、受電経路213と、アクティブフィルタ(AF:Active Filter)214とが設けられている。
調整部211は、温度や湿度を調整する。調整部211には、受給した電力を用いて動作するモータ(不図示)が設けられている。また、調整部211には、熱交換器(不図示)が設けられており、この熱交換器を通じて、電力消費施設20内の空気や液体が熱交換される。
電力変換装置212は、インバータ(不図示)およびコンバータ(不図示)を有する。電力変換装置212は、電力系統10から受電した電力を、インバータおよびコンバータを用いて、特定の電圧および特定の周波数からなる電力に変換する。特定の電圧および特定の周波数とは、調整部211に設けられているモータの動作に必要な電圧および周波数である。電力変換装置212は、変換した電力を、調整部211に供給する。
受電経路213は、HPS21において電力変換装置212が受ける電力が通る経路である。
AF214は、電力変換装置212の受電経路213に対して、電力変換装置212と電気的に並列して接続されている。AF214は、電力変換装置212の受電経路213に電流を供給することで、この受電経路213における皮相電力を調整する。
また、AF214は、電線に電流を供給することで、この電線における皮相電力を調整する。
なお、HPSセンサ21S(図1参照)によって検出される対象の電力は、AF214から供給されている電力である。
また、図3ではHPS21の機能構成を示したが、電線における皮相電力の調整に用いられる機器は、HPS21に限定されない。
電線における皮相電力の調整に用いられる機器は、電線に電流を供給できる機器であればよい。電線に電流を供給できる機器としては、電力変換装置を有する機器等が挙げられる。より具体的には、電線に電流を供給できる機器としては、インバータおよびコンバータの少なくとも一方が設けられている電力変換装置を有する機器等が挙げられる。また、電力変換装置を有する機器としては、電気自動車や蓄電池等が挙げられる。また、電力変換装置を有する機器としては、太陽光発電システムや風力発電システム等の再生可能エネルギーを生成するシステム等が挙げられる。
図4は、制御サーバ30の機能構成を示した図である。
制御サーバ30には、取得部301と、記憶部302と、対象決定部303と、必要量算出部304と、抽出部305と、可能量算出部306と、調整量算出部307と、送信部308とが設けられている。
電力情報取得手段の一例としての取得部301は、制御サーバ30に送信された情報や制御サーバ30に入力された情報を取得する。一例を挙げると、取得部301は、管理サーバ40や施設内電線用センサ20Sから制御サーバ30に送信された電力情報を取得する。また、取得部301は、HPSセンサ21Sから送信された供給情報を取得する。また、取得部301は、各HPS21のAF214が供給できる電力の容量に関する情報を、各HPS21から取得する。AF214が供給できる電力の容量とは、AF214が供給できる最大の電力である。また、電力の容量に関する情報を、以下では、容量情報と称することがある。そのため、取得部301は、容量情報を取得する容量情報取得手段としても捉えられる。容量情報としては、AF214が供給できる電力の容量が示された情報が挙げられる。なお、電力制御システム1のユーザが、各HPS21に係る容量情報を制御サーバ30に入力することにより、容量情報が取得部301に取得されてもよい。取得部301に取得された情報は、記憶部302に記憶される。
記憶手段の一例としての記憶部302は、情報を記憶する。記憶部302に記憶される情報については、後に詳述する。
対象決定部303は、HPS21に調整させる対象を決定する。より具体的には、対象決定部303は、HPS21に調整させる対象の電線を決定する。対象決定部303は、取得部301に取得された電力情報に基づいて、この電力情報に係る電線における皮相電力を調整する必要があるか否かを決定する。なお、皮相電力を調整する必要があると対象決定部303に決定された対象の電線を、以下では、調整対象電線と称することがある。また、対象決定部303は、調整対象電線について、皮相電力に関する何れのパラメータをHPS21に調整させるかを決定する。言い換えると、対象決定部303は、調整対象電線において調整が必要な対象の種類を特定する。対象決定部303は、調整対象電線に係る電力情報に基づいて、調整対象電線における皮相電力に関するパラメータのうちの、HPS21に調整させる対象のパラメータを決定する。なお、調整対象電線における皮相電力に関するパラメータのうちの、調整の対象として対象決定部303に決定されたパラメータを、以下では、調整対象と称することがある。
必要量算出部304は、調整対象の改善のために調整対象電線に供給することが必要な電力を算出する。調整対象の改善のために調整対象電線に供給することが必要な電力を、以下では、調整必要量と称することがある。必要量算出部304は、調整対象電線に係る電力情報に基づいて、調整必要量を算出する。また、調整対象が複数存在する場合、必要量算出部304は、各調整対象について、調整必要量を算出する。
抽出部305は、調整対象電線の調整に用いるHPS21を抽出する。抽出部305は、電力制御システム1に設けられているHPS21のうちの、調整対象電線を通じて電力を受給するHPS21を、この調整対象電線の調整に用いるHPS21として抽出する。
可能量算出部306は、電線における皮相電力を調整するためにHPS21のAF214が供給できる電力を算出する。電線における皮相電力を調整するためにHPS21のAF214が供給できる電力を、以下では、調整可能量と称することがある。可能量算出部306は、HPS21に係る容量情報および供給情報に基づいて、調整可能量を算出する。
決定手段の一例としての調整量算出部307は、調整対象を調整するために調整対象電線に供給する電力を算出する。調整対象を調整するために調整対象電線に供給する電力を、以下では、調整量と称することがある。また、調整量算出部307は、調整対象が複数存在する場合に、この複数の調整対象の各々について、調整量を算出する。この場合に、調整量算出部307は、必要量算出部304に算出された調整必要量、可能量算出部306に算出された調整可能量、および、複数の調整対象の各々の関係に基づいて、各調整対象についての調整量を算出する。さらに、調整量算出部307は、算出した調整量に基づいて、調整対象を調整するためにAF214から供給させる電力を算出する。なお、調整対象を調整するためにAF214から供給させる電力を、以下では、供給量と称することがある。
送信部308は、調整量算出部307に算出された供給量が示された情報を、各HPS21へ送信する。より具体的には、送信部308は、供給量が示された情報を、この供給量による電力の供給先である調整対象電線を識別する電線識別情報とともに、この供給量による電力を供給する対象のHPS21へ送信する。
図5は、電線管理テーブルを示した図である。電線管理テーブルは、電線を管理するためのテーブルである。電線管理テーブルは、制御サーバ30の記憶部302に記憶されている。
電線管理テーブルでは、「電線」に、電線識別情報が示されている。「電線」に示された「14」は、供給側配電線14であることを意味する。また、「電線」に示された「17」は、受給側配電線17であることを意味する。また、「17」とともに付された「A」および「B」は、それぞれ、複数の受給側配電線17のうちの何れであるかを識別するための情報である。また、「電線」に示された「202」は、施設内電線202であることを意味する。また、「202」とともに付された「A」乃至「F」は、複数の施設内電線202のうちの何れであるかを識別するための情報である。
また、電線管理テーブルでは、「電力情報」に、電線用センサ10Sまたは施設内電線用センサ20Sに検出された電力情報が示されている。最新の電力情報が取得部301に取得されると、この電力情報が、対象の「電線」に関連付けられた「電力情報」に上書きされる。
また、電線管理テーブルでは、「閾値」に、「電線」における皮相電力について設定された閾値が示されている。この「閾値」は、電線における皮相電力の調整が必要であるか否かについての対象決定部303の判定に用いられる閾値である。「閾値」には、「電線」における皮相電力の調整が不要と対象決定部303に判定される「電力情報」の上限値が設定されてもよいし、上限値を上回る値が設定されてもよい。また、「閾値」には、「電線」における皮相電力の調整が不要と対象決定部303に判定される「電力情報」の下限値が設定されてもよいし、下限値を下回る値が設定されても良い。また、「閾値」には、「電線」における皮相電力の調整が不要と対象決定部303に判定される「電力情報」の値の範囲が設定されても良い。また、「閾値」には、「電線」における皮相電力の調整が必要と対象決定部303に判定される「電力情報」の値の範囲が設定されても良い。また、「閾値」には、皮相電力に関する上記のパラメータごとの閾値が設定されても良い。
本実施形態では、各「閾値」には、少なくとも、低次の高調波電流について設定された閾値、高次の高調波電流について設定された閾値、および力率について設定された閾値が示されている。また、低次の高調波電流について設定された閾値として、第5次の高調波電流について設定された閾値と、第7次の高調波電流について設定された閾値と、低次のうちの第5次および第7次とは異なる次数の高調波電流について設定された閾値とが設けられている。
電線管理テーブルの内容について、一例を説明する。「電線」の「17A」から特定される受給側配電線17は、「電力情報」として「P2」が示され、「閾値」として「T2」が示されている。
図6は、関係管理テーブルを示した図である。関係管理テーブルは、複数の調整対象についてのHPS21による調整の関係を管理するためのテーブルである。関係管理テーブルは、制御サーバ30の記憶部302に記憶されている。
関係管理テーブルでは、「電線」に、電線の種類が示されている。「電線」に示された「14」は、供給側配電線14であることを意味する。また、「電線」に示された「17」は、受給側配電線17であることを意味する。また、「電線」に示された「202」は、施設内電線202であることを意味する。
また、関係管理テーブルでは、「調整対象」に、調整対象の種類が示されている。「調整対象」に示された「低次高調波」は、調整対象が低次の高調波電流であることを意味する。また、「調整対象」に示された「力率」は、調整対象が力率であることを意味する。
また、「202」の「電線」に関連付けられた「調整対象」には、「高次高調波」が示されている。「高次高調波」は、調整対象が高次の高調波電流であることを意味する。
また、「14」および「17」の「電線」に関連付けられた「低次高調波」には、「要調整次数」および「他の次数」が示されている。「要調整次数」は、低次の高調波電流としての次数のうちの、調整の必要性が「他の次数」よりも高いものとして定められた次数である。また、本実施形態では、要調整次数は、第5次および第7次であるものとする。また、「他の次数」は、低次の高調波電流としての次数のうちの、「要調整次数」とは異なる次数である。
なお、「要調整次数」として、低次の高調波電流としての次数のうちの、第5次および第7次とは異なる次数が定められてもよい。
また、「14」および「17」の「電線」に関連付けられた「力率」には、「要調整力率」および「他の力率」が示されている。「要調整力率」は、調整の必要が「他の力率」よりも高いものとして定められた力率である。また、本実施形態では、要調整力率は、75%未満の力率である。また、「他の力率」は、「要調整力率」とは異なる力率である。
なお、「要調整力率」として、75%未満の力率とは異なる力率が定められてもよい。
なお、本実施形態では、「14」および「17」の「電線」の「調整対象」には、「高次高調波」が設けられていない。
本実施形態では、HPS21等、電力消費施設20に設けられている機器に起因して、高調波が発生することがある。また、電力消費施設20において発生した高調波は、電力消費施設20内に留まるのみならず、電力系統10へ伝播することがある。ここで、高次の高調波電流は、低次の高調波電流に比べて、電力消費施設20から電力系統10へ伝播しにくくなっている。そのため、本実施形態では、供給側配電線14や受給側配電線17においては、高次の高調波電流が調整対象として定められていない。一方で、電力消費施設20においては、電力消費施設20に設けられている機器が、高次の高調波電流の影響を受けるおそれがある。そのため、施設内電線202における高次の高調波電流が、調整対象として定められている。
ただし、「14」および「17」の「電線」の「調整対象」にも、「高次高調波」が設けられてもよい。
また、本実施形態では、「202」の「電線」の「調整対象」である「低次高調波」には、「要調整次数」および「他の次数」が設けられていない。また、「202」の「電線」の「調整対象」である「力率」には、「要調整力率」および「他の力率」が設けられていない。
ただし、「202」の「電線」の「調整対象」である「低次高調波」にも、「要調整次数」および「他の次数」が設けられてもよい。また、「202」の「電線」の「調整対象」である「力率」にも、「要調整力率」および「他の力率」が設けられてもよい。
また、関係管理テーブルでは、「優先順位」に、各「調整対象」の調整についての優先の順位が示されている。本実施形態では、関係管理テーブルに示された「調整対象」のうちの、「優先順位」に示されている値が小さい「調整対象」ほど、優先して調整される。
本実施形態では、「優先順位」が「1」である「調整対象」として、「14」の「電線」における「低次高調波」の「要調整次数」が定められている。また、「優先順位」が「2」である「調整対象」として、「14」の「電線」における「力率」の「要調整力率」が定められている。また、「優先順位」が「3」である「調整対象」として、「202」の「電線」における「高次高調波」が定められている。また、「優先順位」が「4」である「調整対象」として、「14」の「電線」における「低次高調波」の「他の次数」が定められている。また、「優先順位」が「5」である「調整対象」として、「14」の「電線」における「力率」の「他の力率」が定められている。また、「優先順位」が「6」である「調整対象」として、「17」の「電線」における「低次高調波」の「要調整次数」が定められている。また、「優先順位」が「7」である「調整対象」として、「17」の「電線」における「力率」の「要調整力率」が定められている。また、「優先順位」が「8」である「調整対象」として、「17」の「電線」における「低次高調波」の「他の次数」が定められている。また、「優先順位」が「9」である「調整対象」として、「17」の「電線」における「力率」の「他の力率」が定められている。また、「優先順位」が「10」である「調整対象」として、「202」の「電線」における「低次高調波」が定められている。また、「優先順位」が「11」である「調整対象」として、「202」の「電線」における「力率」が定められている。
関係管理テーブルの各「調整対象」および各「優先順位」は、電力制御システム1のユーザによって入力される。
関係管理テーブルに示された「調整対象」についてのHPS21による調整の関係について、具体的に説明する。
供給側配電線14における「調整対象」は、受給側配電線17における「調整対象」よりも優先して調整されるように定められている。
受給側配電線17における皮相電力に問題が生じていることに起因して、問題が生じている受給側配電線17に接続されている供給側配電線14における皮相電力にも問題が発生することがある。この場合であっても、HPS21を用いた調整により供給側配電線14における皮相電力が改善されると、供給側配電線14のみならず、問題が生じている受給側配電線17における皮相電力も改善されることがある。一例を挙げると、供給側配電線14における力率が改善されることに伴い、受給側配電線17における力率も改善されることがある。また、他の一例を挙げると、供給側配電線14における特定の次数の高調波電流が低減されることに伴い、この特定の次数の受給側配電線17における高調波電流も低減されることがある。言い換えると、特定の調整対象電線における皮相電力が改善されると、この特定の調整対象電線よりも電力の受給側に設けられている設備における皮相電力も改善されることがある。そこで、本実施形態では、受給側配電線17の皮相電力よりも、供給側配電線14における皮相電力の方が、優先して調整されるように定められている。
また、本実施形態では、関係管理テーブルに示された「調整対象」のうちの、供給側配電線14における「要調整次数」である低次の高調波電流が最も優先して調整されるように定められている。
本実施形態では、「要調整次数」の高調波電流は、「他の次数」の高調波電流に比べて、電力系統10に影響を及ぼしやすい高調波電流として定められている。そこで、各「調整対象」の中でも、「要調整次数」の高調波電流が、最も優先して調整されるように定められている。
また、本実施形態では、電線における力率よりも電線における高調波の方が優先して調整されるように定められている。一例を挙げると、供給側配電線14における「他の力率」よりも、供給側配電線14における「他の次数」の「低次高調波」の方が優先して調整されるように定められている。また、他の一例を挙げると、受給側配電線17における「他の力率」よりも、受給側配電線17における「他の次数」の「低次高調波」の方が優先して調整されるように定められている。
本実施形態では、電線における力率よりも、電線における高調波電流の方が、電線に影響を及ぼしやすいものとして定められている。そこで、電線における力率よりも、電線における高調波の方が、優先して調整されるように定められている。
また、本実施形態では、受給側配電線17における「低次高調波」や「力率」よりも、施設内電線202における「高次高調波」の方が優先して調整されるように定められている。言い換えると、施設内電線202における「高次高調波」が調整される場合には、受給側配電線17における皮相電力よりも施設内電線202における皮相電力の方が優先して調整されるように定められている。
施設内電線202における高次の高調波電流が調整される場合、この調整に用いることができるHPS21は、調整の対象である施設内電線202が設けられている電力消費施設20内のHPS21に限られる。一方で、受給側配電線17における皮相電力が調整される場合、この調整に用いることができるHPS21は、調整の対象である受給側配電線17を介して電力を受給する複数の電力消費施設20内の各HPS21である。言い換えると、施設内電線202における高次の高調波電流の調整に用いられるHPS21は、他のHPS21による調整の代替が利きにくい。そこで、本実施形態では、受給側配電線17における皮相電力よりも、施設内電線202における高次の高調波電流の方が、優先して調整されるように定められている。このようにすることで、施設内電線202における高次の高調波電流の調整に用いることができるHPS21が、受給側配電線17等の電線の調整に用いられることによって、施設内電線202における高次の高調波電流が調整されなくなることを抑制している。
また、本実施形態では、施設内電線202における「低次高調波」や「力率」よりも、受給側配電線17における「低次高調波」や「力率」の方が優先して調整されるように定められている。言い換えると、施設内電線202における「高次高調波」が調整されない場合には、施設内電線202における皮相電力よりも受給側配電線17における皮相電力の方が優先して調整されるように定められている。
受給側配電線17における低次の高調波電流や力率が改善されることに伴い、この受給側配電線17を介して電力を受給する電力消費施設20の施設内電線202における低次の高調波電流や力率も改善される場合がある。この場合、施設内電線202における低次の高調波電流や力率を調整するためにHPS21から施設内電線202に電力を供給させる必要がなくなる。そのため、本実施形態では、施設内電線202における高次の高調波電流が調整されない場合には、施設内電線202における皮相電力よりも、受給側配電線17における皮相電力の方が、優先して調整されるように定められている。
また、本実施形態では、電線における「他の次数」の「低次高調波」よりも電線における「要調整力率」の方が優先して調整されるように定められている。一例を挙げると、供給側配電線14における「他の次数」の「低次高調波」よりも供給側配電線14における「要調整力率」の方が優先して調整されるように定められている。また、他の一例を挙げると、受給側配電線17における「他の次数」の「低次高調波」よりも受給側配電線17における「要調整力率」の方が優先して調整されるように定められている。
電線における力率が低下すると、電力系統10から電力消費施設20へ電力を供給するために電線へ送ることが必要な電力が大きくなる。また、この場合に、電線における電力の容量を超えた電力が電線に送られると、電線に不具合が生じるおそれがある。そこで、本実施形態では、電線における力率が「要調整力率」まで低下した場合には、電線における「他の次数」の「低次高調波」よりも、電線における「要調整力率」の方が優先して調整されるように定められている。この場合、電線における力率の低下に起因して電線に不具合が生じることが抑制される。
図7は、HPS管理テーブルを示した図である。HPS管理テーブルは、HPS21を管理するためのテーブルである。HPS管理テーブルは、制御サーバ30の記憶部302に記憶されている。
HPS管理テーブルでは、「HPS」に、HPS識別情報が示されている。「HPS」の「21」とともに付された「A」乃至「L」は、それぞれ、複数のHPS21のうちの何れであるかを識別するための情報である。
また、HPS管理テーブルでは、「経由電線」に、電線識別情報が示されている。「経由電線」に示された電線識別情報は、電力系統10から「HPS」への電力の供給において経由された電線の電線識別情報である。また、「経由電線」には、「受給側配電線」および「施設内電線」が示されている。「受給側配電線」の「17」とともに付された「A」および「B」は、それぞれ、複数の受給側配電線17のうちの何れであるかを識別するための情報である。また、「施設内電線」の「202」とともに付された「A」乃至「F」は、それぞれ、複数の施設内電線202のうちの何れであるかを識別するための情報である。
電力制御システム1のユーザは、HPS21ごとに、HPS21への電力の供給において経由された電線の電線識別情報を、制御サーバ30に入力する。取得部301は、制御サーバ30に入力された電線識別情報を取得すると、対象の「電線」に関連付けられた「経由電線」に電線識別情報を書き込む。
また、HPS管理テーブルでは、「調整可能量」に、「HPS」について可能量算出部306に算出された調整可能量が示されている。
可能量算出部306による調整可能量の算出の手法について、一例を説明する。可能量算出部306は、「HPS」から供給されている電力を、「HPS」における電力の容量から減算した値を、調整可能量として算出する。なお、「HPS」から供給されている電力は、「HPS」に係る供給情報から特定される値である。また、「HPS」における電力の容量は、「HPS」に係る容量情報から特定される値である。
可能量算出部306は、予め定められた時間ごとに、調整可能量を算出する。予め定められた時間は、何れの時間であってもよいが、例えば、1時間である。また、可能量算出部306は、算出した調整可能量を、対象の「HPS」に関連付けられた「調整可能量」に書き込む。
HPS管理テーブルの内容について、一例を説明する。「21A」から特定される「HPS」には、「経由電線」として「17A」の「受給側配電線」および「202A」の「施設内電線」が関連付けられ、「調整可能量」として「30」が関連付けられている。
図8は、調整量算出処理の流れを示したフローチャートである。調整量算出処理は、制御サーバ30が調整量を算出する処理である。本実施形態では、予め定められた時間ごとに調整量算出処理が開始される。予め定められた時間は、何れの時間であってもよいが、例えば、1時間である。
対象決定部303は、電線における皮相電力の調整が必要であるか否かを判定する(ステップ(以下、「S」と称する)101)。対象決定部303は、電線管理テーブル(図5参照)を参照する。そして、電線管理テーブルにおいて判定の対象である「電線」に関連付けられた「電力情報」と、この「電線」に関連付けられた「閾値」との比較により、「電線」における皮相電力の調整が必要であるか否かを判定する。なお、ステップ101の判定に用いられていない電力情報が複数存在する場合、対象決定部303は、電力情報ごとに、ステップ101の判定をする。また、電線管理テーブルの「閾値」に、皮相電力に関する複数の種類のパラメータに係る閾値が設けられている場合、対象決定部303は、パラメータの種類ごとに、ステップ101の判定をする。
皮相電力の調整が必要な電線が存在しないと対象決定部303に判定された場合(S101にてNO)、調整量算出処理が終了する。この場合、電線における皮相電力のHPS21による調整はされない。
一方、皮相電力の調整が必要であると対象決定部303に判定された電線が存在する場合(S101にてYES)、次のステップに進む。
対象決定部303は、調整対象が複数存在するか否かを判定する(S102)。複数の電線の各々について調整対象が存在する場合、対象決定部303は、調整対象が複数存在すると判定する。また、一の電線について調整対象が複数存在する場合、対象決定部303は、調整対象が複数存在すると判定する。
調整対象が一つであると対象決定部303に判定された場合(S102にてNO)、必要量算出部304は、一の調整対象についての調整必要量を算出する。
調整必要量の必要量算出部304による算出の手法の一例を説明する。必要量算出部304は、電線管理テーブル(図5参照)において、調整対象電線に関連付けられた「電力情報」から特定される調整対象のパラメータと、この調整対象に係る「閾値」との差が大きいほど、調整必要量を大きく算出する。
また、調整量算出部307は、必要量算出部304に算出された調整必要量を、調整対象についての調整量に決定する。さらに、決定した調整量が調整対象電線に供給されるように、調整に用いられるHPS21の供給量を決定する(S103)。
一方、調整対象が複数存在すると対象決定部303に判定された場合(S102にてYES)、必要量算出部304は、各調整対象についての調整必要量を算出する。さらに、必要量算出部304は、算出した各調整必要量の合計値を算出する(S104)。
可能量算出部306は、調整対象の調整に用いられる各HPS21についての調整可能量の合計値を算出する(S105)。
調整量算出部307は、調整可能量の合計値が、調整必要量の合計値以上であるか否かを判定する(S106)。
調整可能量の合計値が調整必要量の合計値以上であると調整量算出部307に判定された場合(S106にてYES)、調整量算出部307は、各調整対象について必要量算出部304に算出された調整必要量を、各調整対象についての調整量に決定する(S107)。また、調整量算出部307は、決定した調整量が調整対象電線に供給されるように、調整に用いられるHPS21の供給量を決定する(S108)。
また、調整可能量の合計値が調整必要量の合計値未満であると調整量算出部307に判定された場合(S106にてNO)、調整量算出部307は、複数の調整対象のうちの少なくとも一つの調整対象のHPS21による調整を制限する。この場合に、調整量算出部307は、調整対象の調整について関係管理テーブルに示された優先順位に基づいて、各調整対象についての調整量を決定する(S109)。ここで、調整量算出部307は、関係管理テーブルに示された優先順位が低い調整対象のHPS21による調整を制限する。また、調整量算出部307は、決定した調整量が調整対象電線に供給されるように、調整に用いられるHPS21の供給量を決定する(S110)。
次に、調整量算出処理(図8参照)において調整量が算出される例を説明する。
以下では、調整対象が、「202A」の施設内電線202における高次の高調波電流、「17A」の受給側配電線17における「他の次数」である低次の高調波電流、および、「17A」の受給側配電線17における「他の力率」の三つであるものとする。また、施設内電線202における高次の高調波電流の調整必要量が「20」であり、受給側配電線17における「他の次数」である低次の高調波電流の調整必要量が「40」であり、受給側配電線17における「他の力率」の調整必要量が「60」であるものとする。
対象決定部303は、電線における皮相電力の調整が必要であると判定し(S101にてYES)、また、調整対象が複数存在すると判定する(S102にてYES)。
必要量算出部304は、各調整対象についての調整必要量の合計値を算出する(S104)。上述した例において、必要量算出部304は、調整必要量の合計値を、「20+40+60=120」と算出する(S104)。
可能量算出部306は、調整に用いられるHPS21についての調整可能量の合計値を算出する(S105)。上述の通り、調整対象電線は、「202A」の施設内電線202および「17A」の受給側配電線17である。この場合、抽出部305は、HPS管理テーブル(図7参照)の「経由電線」に何れかの調整対象電線に係る電線識別情報が関連付けられている「HPS」を、調整に用いるHPS21として抽出する。上述した例においては、抽出部305は、調整対象電線である「17A」および「202A」の少なくとも一方が関連付けられている「21A」、「21B」、「21C」、「21D」、「21E」および「21F」のHPS21を、調整に用いるHPS21として抽出する。また、可能量算出部306は、HPS管理テーブル(図7参照)に示された「調整可能量」から、調整に用いられるHPS21についての調整可能量の合計値を、「30+20+15+15+10+10=100」と算出する(S105)。
調整量算出部307は、調整可能量の合計値が、調整必要量の合計値未満であると判定する(S106にてNO)。
調整量算出部307は、関係管理テーブル(図6参照)に示された「優先順位」に基づいて、各調整対象についての調整量を決定する(S109)。
上述した例では、三つの調整対象のうちの、関係管理テーブルにおいて最も高い「優先順位」が関連付けられている「調整対象」は、「202」の「電線」の「高次高調波」である。この場合、調整量算出部307は、三つの調整対象のうちの、「202A」の施設内電線202における高次の高調波電流を、最も優先して調整する。より具体的には、「202A」の施設内電線202における高次の高調波電流についての調整量を、調整必要量である「20」に決定する。
また、三つの調整対象のうちの、関係管理テーブルにおいて二番目に高い「優先順位」が関連付けられている「調整対象」は、「17」の「電線」の「他の次数」である。この場合、調整量算出部307は、「17A」の受給側配電線17における「他の次数」である低次の高調波電流についての調整量を、調整必要量である「40」に決定する。
可能量算出部306に算出された調整可能量の合計値である「100」から、「202A」における高次の高調波電流についての調整量と、「17A」における「他の次数」である低次の高調波電流についての調整量とを減算した値は、「100-(20+40)=40」である。一方で、三つの調整対象のうちの、関係管理テーブルにおいて最も低い「優先順位」が関連付けられた「調整対象」である「17A」における「他の力率」についての調整必要量は、上述の通り、「60」である。この場合、調整量算出部307は、「17A」の受給側配電線17における「他の力率」についての調整量を、「40」に決定する。言い換えると、調整量算出部307は、「17A」の受給側配電線17における「他の力率」についてのHPS21による調整を制限する。
また、調整量算出部307は、決定した各調整量が調整対象電線に供給されるように、調整に用いられるHPS21の供給量を決定する(S110)。
上述した例では、調整量算出部307は、「21A」のHPS21について、「202A」における「高次高調波」の調整のための供給量を「20」にし、また、「17A」における「他の次数」の調整のための供給量を「10」にして、合計の供給量を「30」に決定する。また、調整量算出部307は、「21B」のHPS21についての供給量を、「17A」における「他の次数」の調整のための供給量である「20」に決定する。また、調整量算出部307は、「21C」のHPS21について、「17A」における「他の次数」の調整のための供給量を「10」にし、また、「17A」における「他の力率」の調整のための供給量を「5」にして、合計の供給量を「15」に決定する。また、また、調整量算出部307は、「21D」のHPS21についての供給量を、「17A」における「他の力率」の調整のための供給量である「15」に決定する。また、調整量算出部307は、「21E」および「21F」のHPS21についての供給量を、ともに、「17A」における「他の力率」の調整のための供給量である「10」に決定する。
このようにして、各調整対象のHPS21による調整の関係が定められる。
制御サーバ30の送信部308は、調整に用いられるHPS21に対して、調整対象電線における皮相電力の調整を指示する。この場合に、送信部308は、調整量算出部307に決定された供給量が示された供給量情報、電力の供給先である電線を識別する電線識別情報、および調整対象の種類を識別する対象識別情報を送信する。また、一のHPS21に複数の調整対象電線における皮相電力を調整させる場合、送信部308は、この一のHPS21に対して、調整対象電線ごとに、供給量情報、電線識別情報、および対象識別情報を送信する。また、一のHPS21に一の調整対象電線における複数の調整対象を調整させる場合、送信部308は、この一のHPS21に対して、調整対象ごとに供給量情報および対象識別情報を送信する。
HPS21は、送信部308から、調整対象電線における皮相電力の調整の指示を受けるとともに、供給量情報、電線識別情報、および対象識別情報を取得する。この場合、HPS21は、電線識別情報から特定される調整対象電線に対して、供給量情報から特定される電力の供給に必要な電流を供給する。より具体的には、HPS21は、対象識別情報から特定される調整対象を調整するための波形からなる電流を、調整対象電線に供給する。
以上の通り、本実施形態では、対象決定部303は、電力情報に基づいて、調整対象を決定する。また、必要量算出部304は、電力情報に基づいて、調整対象についての調整必要量を算出する。また、可能量算出部306は、容量情報に基づいて、HPS21についての調整可能量を算出する。また、調整量算出部307は、調整対象が複数存在する場合に、必要量算出部304に算出された調整必要量、および可能量算出部306に算出された調整可能量に基づいて、複数の調整対象についての調整量を決定する。すなわち、本実施形態では、対象決定部303、必要量算出部304、可能量算出部306、および調整量算出部307は、電力情報および容量情報に基づき、調整対象電線における複数の調整対象の各々についてのHPS21による調整の関係を決定する。
この場合、複数の調整対象の各々について容量情報に基づいて決定された調整量により、複数の調整対象の各々がHPS21に調整される。そのため、HPS21における電力の容量に関する指標を踏まえて、複数の調整対象をHPS21に調整させることができる。
特に、複数の調整対象をHPS21に調整させる場合、単一の調整対象をHPS21に調整させる場合に比べて供給量が大きくなりやすいところ、本実施形態では、容量情報に基づいて複数の調整対象の各々についてのHPS21による調整の関係が決定される。この場合、HPS21における電力の容量に関する指標とは無関係に複数の調整対象をHPS21に調整させる場合に比べて、HPS21に適した調整の内容により複数の調整対象をHPS21に調整させることができる。
また、本実施形態では、調整量算出部307は、容量情報に基づき、複数の調整対象の少なくとも一つのHPS21による調整を制限する。そのため、調整量算出部307は、調整対象のHPS21による調整を制限する制限手段としても捉えられる。
HPS21による調整が制限されないと、HPS21が供給できる最大の電力よりも大きい供給量による調整がHPS21に指示される場合がある。この場合において、HPS21が指示された供給量の電力を供給しようとすると、HPS21に生じる負荷が大きくなり、HPS21に不具合が生じるおそれがある。そこで、本実施形態では、容量情報に基づいてHPS21による調整を制限することで、HPS21による調整が制限されない構成に比べて、HPS21に不具合が生じることを抑制している。
特に、本実施形態では、複数の調整対象の各々の関係に基づき、HPS21による調整の制限をする。一例を挙げると、複数の調整対象の調整について定められた優先関係に基づいて、HPS21による調整の制限をする。
この場合、複数の調整対象の各々の関係に係わらずHPS21による調整が制限される場合に比べて、制限の対象として適さない調整対象の調整が制限されることを抑制できる。
また、本実施形態では、複数の調整対象には、調整対象電線における力率と、調整対象電線における高調波とが含まれる。そして、調整量算出部307は、調整対象電線における力率が予め定められた制限条件を満たす場合、調整対象電線における高調波の調整よりも調整対象電線における力率の調整に対してHPS21による調整の制限をする。制限条件としては、調整対象電線における力率が、関係管理テーブル(図6参照)の「調整対象」に示された「他の力率」に該当することが挙げられる。
この場合、調整対象電線における力率に応じて、HPS21による調整の制限が優先して適用される対象を定めることができる。
なお、調整対象電線における高調波の調整よりも調整対象電線における力率の調整に対してHPS21による調整の制限をすることには、調整対象電線における高調波の調整を制限しないことも含まれる。
また、本実施形態では、調整量算出部307は、複数の調整対象の各々についてのHPS21による調整の関係を、電線における複数の調整対象の各々についてのHPS21による調整の関係を記憶する記憶部302に記憶されている内容に基づいて決定する。一例を挙げると、調整量算出部307は、複数の調整対象の各々についての調整の関係を、記憶部302に記憶されている関係管理テーブル(図6参照)における「優先順位」に基づいて決定する。
この場合、複数の調整対象の各々についての調整の関係を決定するための調整量算出部307の処理の負荷が小さくなる。
また、本実施形態では、調整量算出部307は、容量情報に基づき、一の調整対象電線における調整対象と、この一の調整対象電線とは異なる他の調整対象電線における調整対象についてのHPS21による調整の関係を決定する。
この場合、HPS21における電力の容量に関する指標とは無関係に複数の調整対象電線における調整対象をHPS21に調整させる場合に比べて、HPS21に適した調整の内容により複数の調整対象電線における調整対象をHPS21に調整させることができる。
また、本実施形態では、調整対象電線としての施設内電線202は、調整対象電線としての受給側配電線17よりも電力の受給側に設けられている。そして、施設内電線202における調整対象には、受給側配電線17における複数の調整対象の何れとも異なる特定の対象がある。特定の対象としては、高次の高調波電流が挙げられる。
この場合、HPS21における電力の容量に関する指標とは無関係に複数の調整対象電線における調整対象をHPS21に調整させる場合に比べて、HPS21に適した調整の内容により、調整対象電線に応じて異なる複数の調整対象をHPS21に調整させることができる。
次に、調整量算出処理(図8参照)において調整量が算出される他の例を説明する。
以下では、調整対象が、「17B」の受給側配電線17における「要調整次数」(図6参照)である低次の高調波電流、「17B」の受給側配電線17における「他の次数」である低次の高調波電流、「17B」の受給側配電線17における「要調整力率」、および「202D」の施設内電線202における「力率」の四つであるものとする。また、受給側配電線17における「要調整次数」である低次の高調波電流の調整必要量が「40」であり、受給側配電線17における「他の次数」である低次の高調波電流の調整必要量が「20」であるものとする。さらに、受給側配電線17における「要調整力率」の調整必要量が「70」であり、施設内電線202における力率の調整必要量が「20」であるものとする。
対象決定部303は、電線における皮相電力の調整が必要であると判定し(S101にてYES)、また、調整対象が複数存在すると判定する(S102にてYES)。
必要量算出部304は、各調整対象についての調整必要量の合計値を算出する(S104)。上述した例において、必要量算出部304は、調整必要量の合計値を、「40+20+70+20=150」と算出する。
可能量算出部306は、調整に用いられるHPS21についての調整可能量の合計値を算出する(S105)。上述の通り、調整対象電線は、「17B」の受給側配電線17および「202D」の施設内電線202である。この場合、抽出部305は、調整対象電線を通じて電力を受給する「21G」、「21H」、「21I」、「21J」、「21K」および「21L」のHPS21を、調整に用いるHPS21として抽出する。また、可能量算出部306は、HPS管理テーブル(図7参照)に示された「調整可能量」から、調整に用いられるHPS21についての調整可能量の合計値を、「30+30+10+10+10+10=100」と算出する。
調整量算出部307は、調整可能量の合計値が、調整必要量の合計値未満であると判定する(S106にてNO)。
調整量算出部307は、関係管理テーブル(図6参照)に示された優先順位に基づいて、各調整対象についての調整量を決定する(S109)。
上述した例では、四つの調整対象のうちの、関係管理テーブルにおいて最も高い「優先順位」が関連付けられている「調整対象」は、「17」の「電線」の「要調整次数」である。この場合、調整量算出部307は、四つの調整対象のうちの、「17B」の受給側配電線17における「要調整次数」である低次の高調波電流を、最も優先して調整する。より具体的には、「17B」の受給側配電線17における「要調整次数」である低次の高調波電流についての調整量を、調整必要量である「40」に決定する。
可能量算出部306に算出された調整可能量の合計値である「100」から、「17B」の受給側配電線17における「要調整次数」である低次の高調波電流についての調整量を減算した値は、「100-40=60」である。一方で、四つの調整対象のうちの、関係管理テーブルにおいて二番目に高い「優先順位」が関連付けられている「調整対象」である「17」における「要調整力率」についての調整必要量は、上述の通り、「70」である。この場合、調整量算出部307は、「17B」における「要調整力率」についての調整量を、調整必要量である「70」に対して制限された値である「60」に決定する。また、調整量算出部307は、四つの調整対象のうちの、「17B」における「他の次数」である低次の高調波電流の調整量、および、「202D」における「力率」の調整量を、ともに「0」に決定する。
なお、調整対象が、「17B」における「要調整力率」ではなく、「17B」における「他の力率」である場合、この「他の力率」は、関係管理テーブルにおける「優先順位」が、「17B」における調整対象である「他の次数」よりも低い。この場合、「17B」における「他の力率」の調整は、「17B」における「他の次数」の調整よりも制限される。言い換えると、「17B」における調整対象が「要調整力率」である場合には、「17B」における調整対象が「他の力率」である場合に比べて、調整の制限が緩和される。
調整量算出部307は、決定した調整量が調整対象電線に供給されるように、調整に用いられるHPS21の供給量を決定する(S110)。
上述した例では、調整量算出部307は、「21G」のHPS21についての供給量を、「17B」における「要調整次数」である低次の高調波電流の調整のための供給量である「30」に決定する。また、調整量算出部307は、「21H」のHPS21について、「17B」における「要調整次数」の調整のための供給量を「10」にするとともに、「17B」における「要調整力率」の調整のための供給量を「20」にして、合計の供給量を「30」に決定する。また、調整量算出部307は、「21I」、「21J」、「21K」、「21L」のHPS21についての供給量を、ともに、「17B」における「要調整力率」の調整のための供給量である「10」に決定する。
このようにして、各調整対象のHPS21による調整の関係が定められる。
以上の通り、本実施形態では、調整量算出部307は、調整対象電線における力率が予め定められた緩和条件を満たす場合、調整対象電線における力率の調整の制限を緩和する。緩和条件としては、調整対象電線における力率が、関係管理テーブル(図6参照)の「調整対象」に示された「要調整力率」に該当することが挙げられる。
この場合、調整対象電線における力率のHPS21による調整が制限される場合において、調整対象電線における力率に応じて、調整の制限の程度を定めることができる。
また、本実施形態では、調整量算出部307は、施設内電線202における高次の高調波電流がHPS21に調整される場合、受給側配電線17よりも施設内電線202が優先して調整されるように受給側配電線17と施設内電線202とについての調整の関係を決定する。さらに、調整量算出部307は、施設内電線202における高次の高調波電流がHPS21に調整されない場合、施設内電線202よりも受給側配電線17が優先して調整されるように受給側配電線17と施設内電線202とについての調整の関係を決定する。
この場合、施設内電線202における高次の高調波電流が調整されるか否かに応じて、優先して調整される調整対象電線を定めることができる。
なお、本開示では、受給側配電線17における調整対象よりも、供給側配電線14における調整対象の方が優先して調整されることを説明したが、これに限定されない。
供給側配電線14における調整対象よりも、受給側配電線17における調整対象の方が優先して調整されるようにしてもよい。
また、本開示では、供給側配電線14や受給側配電線17における複数の調整対象の何れとも異なる施設内電線202における調整対象が、高次の高調波電流であることを説明したが、これに限定されない。供給側配電線14や受給側配電線17における複数の調整対象の何れとも異なる施設内電線202における調整対象は、皮相電力に関して上述したパラメータのうちの、力率および高調波電流とは異なる何れのパラメータであってもよい。
また、複数の調整対象の各々についてのHPS21による調整の関係は、関係管理テーブルに示した例に限定されない。
一例を挙げると、関係管理テーブルに示された各「調整対象」のうちの、施設内電線202における「高次高調波」が最も優先して調整されるように定められてもよい。
また、本開示では、受給側配電線17における調整対象よりも、施設内電線202における高次の高調波電流の方が優先して調整されるように定められていることを説明した。ここで、施設内電線202における高次の高調波電流が調整される場合、調整量算出部307は、施設内電線202における高次の高調波電流の調整に用いることができるHPS21が、この施設内電線202の調整以外の調整に用いられないようにしてもよい。
また、本開示では、制御サーバ30の調整量算出部307が、調整対象のHPS21による調整を制限することを説明した。ここで、調整対象のHPS21による調整を制限することには、調整対象の改善に必要な電力よりも小さい電力をHPS21に供給させることが含まれる。言い換えると、調整対象のHPS21による調整を制限することは、必要量算出部304に算出された結果に比べて調整量を制限することに限定されない。また、調整対象のHPS21による調整を制限することには、調整対象をHPS21に調整させないことも含まれる。
また、調整対象のHPS21による調整を制限することには、調整対象のHPS21による調整の時間を制限することも含まれる。時間の制限の一例としては、調整の制限が適用されない調整対象と、調整の制限が適用される調整対象とをHPS21に調整させる場合において、制限が適用されない調整対象をHPS21に調整させた後に、制限が適用される調整対象をHPS21に調整させることが挙げられる。言い換えると、調整対象のHPS21による調整を制限することには、調整対象についての調整量を制限することのみならず、調整対象のHPS21による調整を何れかの態様により制限することが含まれる。
また、本開示では、調整量算出部307が、複数の調整対象の各々についてのHPS21による調整の関係を決定することを説明した。ここで、調整量算出部307は、複数の電線や電路における複数の調整対象についての調整の関係を決定してもよいし、一の電線における複数の調整対象についての調整の関係を決定してもよい。また、調整量算出部307は、複数の調整対象についての一のHPS21による調整の関係を決定してもよいし、複数の調整対象についての複数のHPS21による調整の関係を決定してもよい。言い換えると、複数の調整対象の調整に用いるHPS21の数は、一つであってもよいし、複数であってもよい。
また、本開示では、容量情報は、HPS21のAF214が供給できる最大の電力が示された情報であることを説明したが、これに限定されない。
容量情報は、HPS21のAF214が供給できる残りの電力が示された情報であってもよい。言い換えると、容量情報は、AF214についての調整可能量が示された情報であってもよい。このように、容量情報は、HPS21における電力の容量に関する情報であれば、何れの情報であってもよい。
また、本開示では、制御サーバ30が、調整対象電線および調整対象を決定し、また、調整必要量を算出しているが、これに限定されない。
管理サーバ40が、調整対象電線および調整対象を決定し、また、調整必要量を算出してもよい。より具体的には、管理サーバ40が、電線用センサ10Sや施設内電線用センサ20Sから電力情報を取得し、取得した電力情報に基づいて、調整対象電線および調整対象を決定してもよい。また、管理サーバ40が、電力情報に基づいて、調整対象についての調整必要量を算出してもよい。そして、管理サーバ40は、算出した調整必要量を示す情報と、調整対象電線を識別する電線識別情報と、調整対象を識別する対象識別情報とを含む情報を、電線における皮相電力に関する電力情報として、制御サーバ30に送信してもよい。
また、本開示では、電力制御システム1に管理サーバ40および制御サーバ30が設けられていることを説明したが、これに限定されない。電力制御システム1に設けられる一のサーバが、管理サーバ40および制御サーバ30の機能を有してもよい。そして、この一のサーバが、調整対象の決定、複数の調整対象についての調整の関係の決定、および、電線における皮相電力の調整のHPS21への指示をしてもよい。
また、本開示では、制御サーバ30が、電線における皮相電力の調整をHPS21に指示することを説明したが、これに限定されない。制御サーバ30とは異なる他のサーバが、電線における皮相電力の調整の指示を制御サーバ30から受け、受けた指示をHPS21に送ってもよい。
また、本開示では、関係管理テーブルは、制御サーバ30の記憶部302に記憶されていることを説明したが、これに限定されない。
関係管理テーブルは、制御サーバ30とは異なる他のサーバ装置の記憶手段に記憶されてもよい。この場合に、制御サーバ30は、他のサーバ装置の記憶手段に記憶されている関係管理テーブルに示された内容に基づいて、複数の調整対象の調整の関係を決定してもよい。
また、本開示では、HPS21による皮相電力の調整の対象になる電線が、供給側配電線14、受給側配電線17、および施設内電線202であることを説明したが、これに限定されない。
HPS21による皮相電力の調整の対象になる電線は、送電線12や、需要家側配電線19であってもよい。
また、本開示では、電力消費施設20においては、施設内電線202における皮相電力が調整対象として定められているが、これに限定されない。
電力消費施設20に設けられている受電設備201における皮相電力に関するパラメータが、調整対象として定められてもよい。
また、本開示では、調整対象として、関係管理テーブル(図6参照)に示したパラメータが例示されているが、これに限定されない。
調整対象は、皮相電力に関して上述した何れのパラメータであってもよい。
また、本開示では、容量、調整必要量、調整可能量、調整量、供給量等のパラメータが電力である例を説明したが、これに限定されない。各パラメータは、皮相電力に関して上述した何れかのパラメータであればよい。
また、本開示では、調整量算出部307は、複数の調整対象の調整について定められた優先の順位に基づいて、複数の調整対象の調整の関係を決定することを説明したが、これに限定されない。
調整量算出部307は、複数の調整対象について定められた調整の割合に基づいて、複数の調整対象の調整の関係を決定してもよい。一例を挙げると、施設内電線202における高次の高調波電流についての調整量と、受給側配電線17における力率についての調整量との割合が、2:1に定められてもよい。そして、調整量算出部307は、予め定められた調整量の割合に従って、施設内電線202における高次の高調波電流についての調整量と、受給側配電線17における力率についての調整量とを決定してもよい。言い換えると、調整量算出部307が複数の調整対象についての調整の関係を決定する手法は、調整の優先の順位に基づいて決定する手法のみならず、何れの手法であってもよい。
また、本開示では、制御サーバ30が、HPS21の動作を制御する構成としたが、これに限定されない。
例えば、HPS21が制御サーバ30の機能を有してもよい。言い換えると、HPS21に、各種の機能を実現するためのCPU31(図2参照)、ROM32、RAM33、通信装置34、記憶装置35が設けられてもよい。また、このHPS21が、制御サーバ30の取得部301、記憶部302、対象決定部303、必要量算出部304、抽出部305、可能量算出部306、調整量算出部307、送信部308等の機能を備えてもよい。そして、HPS21が、電力情報を取得し、取得した電力情報に基づいて、調整対象を決定してもよい。また、HPS21が、容量情報を取得し、電力情報および容量情報に基づいて、複数の調整対象の各々についてのHPS21による調整の関係を決定してもよい。また、HPS21が、複数の調整対象についての調整の優先関係を決定してもよいし、HPS21における皮相電力のHPS21による調整を制限してもよい。
ここで、上記にて説明した実施形態の各々は、以下のように捉えることができる。
本実施形態の電力制御システム1の対象決定部303、必要量算出部304、可能量算出部306、および調整量算出部307は、電力情報および容量情報に基づき、調整対象電線における複数の調整対象の各々についてのHPS21による調整の関係を決定する。
この場合、HPS21における電力の容量に関する指標を踏まえて、複数の調整対象をHPS21に調整させることができる。そのため、HPS21における電力の容量に関する指標とは無関係に複数の調整対象をHPS21に調整させる場合に比べて、HPS21に適した調整の内容により複数の調整対象をHPS21に調整させることができる。
また、本実施形態では、調整量算出部307は、容量情報に基づき、複数の調整対象の少なくとも一つのHPS21による調整を制限する。
この場合、HPS21による調整が制限されない構成に比べて、HPS21に不具合が生じることを抑制できる。
また、本実施形態では、調整量算出部307は、複数の調整対象の各々の関係に基づき、制限をする。
複数の調整対象の各々の関係に係わらずHPS21による調整が制限される場合に比べて、制限の対象として適さない調整対象の調整が制限されることを抑制できる。
また、本実施形態では、調整量算出部307は、調整対象電線における力率が予め定められた制限条件を満たす場合、高調波の調整よりも力率の調整に対して制限をする。
この場合、調整対象電線における力率に応じて、HPS21による調整の制限が優先して適用される対象を定めることができる。
また、本実施形態では、調整量算出部307は、調整対象電線における力率が予め定められた緩和条件を満たす場合、調整対象電線における力率の調整の制限を緩和する。
調整対象電線における力率のHPS21による調整が制限される場合において、調整対象電線における力率に応じて、調整の制限の程度を定めることができる。
また、本実施形態では、調整量算出部307は、複数の調整対象についてのHPS21による調整の関係を、調整対象電線における複数の調整対象の各々についてのHPS21による調整の関係を記憶する記憶部302に記憶されている内容に基づいて決定する。
この場合、複数の調整対象の各々についての調整の関係を決定するための調整量算出部307の処理の負荷が小さくなる。
また、本実施形態では、調整量算出部307は、容量情報に基づき、調整対象電線における調整対象と、電路における調整対象とについてのHPS21による調整の関係を決定する。
この場合、HPS21における電力の容量に関する指標とは無関係に複数の調整対象電線における調整対象をHPS21に調整させる場合に比べて、HPS21に適した調整の内容により複数の調整対象電線における調整対象をHPS21に調整させることができる。
また、本実施形態では、電路における調整対象には、供給側配電線14や受給側配電線17における調整対象の何れとも異なる特定の対象がある。
この場合、HPS21における電力の容量に関する指標とは無関係に複数の調整対象電線における調整対象をHPS21に調整させる場合に比べて、HPS21に適した調整の内容により、調整対象電線に応じて異なる複数の調整対象をHPS21に調整させることができる。
また、本実施形態では、調整量算出部307は、特定の対象がHPS21に調整される場合、受給側配電線17よりも電路が優先して調整されるように受給側配電線17と電路とについての関係を決定し、特定の対象がHPS21に調整されない場合、電路よりも受給側配電線17が優先して調整されるように関係を決定する。
この場合、施設内電線202における高次の高調波電流が調整されるか否かに応じて、優先して調整される調整対象電線を定めることができる。
また、他の観点から捉えると、本実施形態のHPS21は、電力情報およびHPS21における電力の容量に関する情報に基づき、調整対象電線における複数の調整対象の各々についての調整の関係を決定する。
この場合であっても、HPS21における電力の容量に関する指標を踏まえて、複数の調整対象をHPS21に調整させることができる。そのため、HPS21における電力の容量に関する指標とは無関係に複数の調整対象をHPS21に調整させる場合に比べて、HPS21に適した調整の内容により複数の調整対象をHPS21に調整させることができる。
また、上記で説明した各構成は、上記の実施形態に限られるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で変更できる。言い換えると、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解される。
上記にて説明した構成に限らず、上記にて説明した各構成の一部を省略したり、上記にて説明した各構成に対して他の機能を付加したりしても良い。
1…電力制御システム、10…電力系統、10S…電線用センサ、11…発電所、14…供給側配電線、16…受給側変電所、17…受給側配電線、19…需要家側配電線、20…電力消費施設、21S…HPSセンサ、21…HPS、30…制御サーバ、40…管理サーバ、214…AF

Claims (10)

  1. 電線における皮相電力に関する複数の調整の対象を機器に調整させる電力制御システムであって、
    前記電線における皮相電力に関する電力情報を取得する電力情報取得手段と、
    前記機器における電力の容量に関する容量情報を取得する容量情報取得手段と、
    前記電力情報および前記容量情報に基づき、前記電線における前記複数の調整の対象の各々についての前記機器による調整の関係を決定する決定手段と、
    を備える電力制御システム。
  2. 前記容量情報に基づき、前記複数の調整の対象の少なくとも一つの前記機器による調整を制限する制限手段をさらに備える請求項1記載の電力制御システム。
  3. 前記制限手段は、前記複数の調整の対象の各々の関係に基づき、前記制限をすることを特徴とする請求項2記載の電力制御システム。
  4. 前記複数の調整の対象には、前記電線における力率と、前記電線における高調波とが含まれ、
    前記制限手段は、前記力率が予め定められた制限条件を満たす場合、前記高調波の調整よりも当該力率の調整に対して前記制限をすることを特徴とする請求項2記載の電力制御システム。
  5. 前記複数の調整の対象には、前記電線における力率が含まれ、
    前記制限手段は、前記力率が予め定められた緩和条件を満たす場合、当該力率の調整の制限を緩和することを特徴とする請求項2記載の電力制御システム。
  6. 前記決定手段は、前記関係を、電線における複数の調整の対象の各々についての機器による調整の関係を記憶する記憶手段に記憶されている内容に基づいて決定することを特徴とする請求項1記載の電力制御システム。
  7. 前記機器は、前記電線とは異なる電路における皮相電力に関する調整の対象の調整が可能であり、
    前記決定手段は、前記容量情報に基づき、前記電線における前記調整の対象と、前記電路における前記調整の対象とについての前記機器による調整の関係を決定することを特徴とする請求項1記載の電力制御システム。
  8. 前記機器は、前記電線を介して供給される電力を受給し、
    前記電路は、前記電線よりも電力の受給側に設けられ、
    前記電路における前記調整の対象には、前記電線における前記複数の調整の対象の何れとも異なる特定の対象があることを特徴とする請求項7記載の電力制御システム。
  9. 前記決定手段は、前記特定の対象が前記機器に調整される場合、前記電線よりも前記電路が優先して調整されるように当該電線と当該電路とについての前記関係を決定し、当該特定の対象が当該機器に調整されない場合、当該電路よりも当該電線が優先して調整されるように当該関係を決定することを特徴とする請求項8記載の電力制御システム。
  10. 電線における皮相電力に関する複数の調整の対象を調整する機器であって、
    前記電線における皮相電力に関する電力情報を取得する取得手段と、
    前記電力情報および前記機器における電力の容量に関する情報に基づき、前記電線における前記複数の調整の対象の各々についての調整の関係を決定する決定手段と、
    を備える機器。
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