JP2013165593A - 発電制御装置、発電制御方法、発電制御プログラム及び発電制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】需要家間の不公平感を軽減しつつ、逆潮流による電圧上昇を改善できる発電制御技術を提供する。
【解決手段】配電系統の系統電圧値と、配電系統に接続された太陽光発電装置6の出力電力値とに基づいて、配電系統に接続された蓄電装置7の充放電を制御する充放電制御部81を有する。充放電制御部81は、系統電圧値が所定のしきい値未満であれば、太陽光発電装置6及び蓄電装置7の総出力上限値を一定とし、系統電圧値が所定のしきい値以上から大きくなるに従って、所定の傾きで総出力上限値を低減させる総出力上限決定部21と、総出力上限値と太陽光発電装置6の出力電力値に基づいて、蓄電装置7の充放電指令値を算出する充放電指令値演算部81aとを有する。しきい値及び傾きの少なくとも一方が、変電所からの距離に応じて設定されている。
【選択図】図1
【解決手段】配電系統の系統電圧値と、配電系統に接続された太陽光発電装置6の出力電力値とに基づいて、配電系統に接続された蓄電装置7の充放電を制御する充放電制御部81を有する。充放電制御部81は、系統電圧値が所定のしきい値未満であれば、太陽光発電装置6及び蓄電装置7の総出力上限値を一定とし、系統電圧値が所定のしきい値以上から大きくなるに従って、所定の傾きで総出力上限値を低減させる総出力上限決定部21と、総出力上限値と太陽光発電装置6の出力電力値に基づいて、蓄電装置7の充放電指令値を算出する充放電指令値演算部81aとを有する。しきい値及び傾きの少なくとも一方が、変電所からの距離に応じて設定されている。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、たとえば、太陽光発電装置のような再生可能エネルギーによる発電装置が供給する電力を制御する技術に関する。
近年では、太陽光発電装置の普及が進み、多数の需要家がそれぞれの太陽光発電装置を、変電所からの配電系統に接続する場合が増えてきている。需要家は、太陽光発電装置が発電した電力のうち、消費しない余剰電力については、電力会社に売るという売電ができる。
需要家が売電する場合、太陽光発電装置が発電した有効電力は、配電系統に送られる。このため、売電のために送られる電力は、需要家から変電所へ向かう逆潮流となる。もし、発電量が消費電力を大幅に上回り、過度の逆潮流が生じた場合、配電系統の電圧は大きく上昇する。このような電圧上昇を抑える方法としては、以下の2つがある。
(a) 配電系統へ出力する有効電力を抑制することにより、逆潮流となる電力量を減少させて、系統電圧を低下させる。
(b) 配電系統へ遅相無効電力を供給することにより、系統電圧を低下させる。
(b) 配電系統へ遅相無効電力を供給することにより、系統電圧を低下させる。
なお、(a)を行うために、単純に、系統電圧が所定値以上の場合に、配電系統に電力を出力しないことにより、逆潮流量を減少させることができる。また、出力しない電力は、蓄電装置に充電することができる。
上記のように、系統電圧が所定値以上となった場合には、出力電力の抑制や蓄電装置への充電により対処できる。ところで、配電系統の電圧上昇分は、配電線のインピーダンスと、配電線を流れる電流の積で求めることができる。つまり、配電系統の電圧上昇は、配電線のインピーダンスに比例する。このため、変電所からの距離が遠く、配電線が長いと、電圧が上昇しやすい。一方、変電所からの距離が近く、配電線が短いと、電圧が上昇し難い。
すると、変電所から遠方の需要家は、電圧が上昇しやすいめ、出力電力の抑制や蓄電装置への充電という制約を受けやすい。逆に、変電所近傍の需要家は、電圧が上昇し難いため、出力電力の抑制や蓄電装置への充電という制約を受け難い。このため、各需要家の位置によって、売電できる電力量に不公平感が生じることになる。
本発明の実施形態は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、需要家間の不公平感を軽減しつつ、逆潮流による系統電圧の上昇を改善できる発電制御技術を提供することを目的とする。
上記のような目的を達成するため、本発明の実施形態は、以下のような技術的特徴を有する。
(1)変電所に接続された配電系統から検出され、外部から入力された系統電圧値と、前記配電系統に接続された発電装置から検出され、外部から入力された出力電力値とに基づいて、前記配電系統に接続された蓄電装置の充放電を制御する充放電制御部を有する。
(2)前記充放電制御部は、前記系統電圧値が所定のしきい値未満であれば、前記発電装置及び前記蓄電装置の出力電力値を合わせた総出力上限値を一定とし、前記系統電圧値が所定のしきい値以上から大きくなるに従って、所定の傾きによる比例関係に基づいて、前記総出力上限値を低減させる総出力上限決定部を有する。
(3)前記充放電制御部は、前記総出力上限決定部により決定された総出力上限値と、前記発電装置の出力電力値に基づいて、前記蓄電装置の充放電指令値を算出する充放電指令値演算部を有する。
(4)前記発電装置及び前記蓄電装置から前記配電系統に供給する出力電力値の上昇が、前記配電系統の系統電圧値の上昇に与える影響の度合いに応じて、前記所定のしきい値及び前記傾きの少なくとも一方が設定されている。
(1)変電所に接続された配電系統から検出され、外部から入力された系統電圧値と、前記配電系統に接続された発電装置から検出され、外部から入力された出力電力値とに基づいて、前記配電系統に接続された蓄電装置の充放電を制御する充放電制御部を有する。
(2)前記充放電制御部は、前記系統電圧値が所定のしきい値未満であれば、前記発電装置及び前記蓄電装置の出力電力値を合わせた総出力上限値を一定とし、前記系統電圧値が所定のしきい値以上から大きくなるに従って、所定の傾きによる比例関係に基づいて、前記総出力上限値を低減させる総出力上限決定部を有する。
(3)前記充放電制御部は、前記総出力上限決定部により決定された総出力上限値と、前記発電装置の出力電力値に基づいて、前記蓄電装置の充放電指令値を算出する充放電指令値演算部を有する。
(4)前記発電装置及び前記蓄電装置から前記配電系統に供給する出力電力値の上昇が、前記配電系統の系統電圧値の上昇に与える影響の度合いに応じて、前記所定のしきい値及び前記傾きの少なくとも一方が設定されている。
なお、他の態様として、上記の各部の機能をコンピュータ又は電子回路により実現する方法及びコンピュータに実行させるプログラムとして捉えることもできる。
[A.第1の実施形態]
[1.構成]
本実施形態の構成を、図1を参照して説明する。
[1−1.配電系統]
まず、各需要家に設置された発電制御システム5−1、5−2…は、それぞれ配電系統に接続されている。この配電系統は、配電線3−1、3−2…、柱上変圧器4−1、4−2…を有している。
[1.構成]
本実施形態の構成を、図1を参照して説明する。
[1−1.配電系統]
まず、各需要家に設置された発電制御システム5−1、5−2…は、それぞれ配電系統に接続されている。この配電系統は、配電線3−1、3−2…、柱上変圧器4−1、4−2…を有している。
配電線3−1、3−2…は、変電所低圧側母線1と、各発電制御システム5−1、5−2…の間で電力を送受電するための送電線である。柱上変圧器4−1、4−2…は、その高圧側が各配電線3−1、3−2…に接続され、低圧側が各発電制御システム5−1、5−2…に接続された変圧器である。
このように、配電系統に接続された複数の発電制御システム5−1、5−2…は、それぞれ変電所からの距離が異なっている。なお、以下の説明では、各配電線3−1、3−2…、各発電制御システム5−1、5−2…、各柱上変圧器4−1、4−2…を区別しない場合には、配電線3、発電制御システム5、柱上変圧器4として説明する。
[1−2.発電制御システム]
発電制御システム5は、太陽光発電装置6、蓄電装置7、電力検出器11、電圧検出器12、発電制御装置8を有している。
発電制御システム5は、太陽光発電装置6、蓄電装置7、電力検出器11、電圧検出器12、発電制御装置8を有している。
太陽光発電装置6は、太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換する太陽光パネルを備えた発電装置である。この太陽光発電装置6は、図示はしないが、電力変換装置及び昇圧チョッパを有している。電力変換装置は、太陽光パネルからの直流電力を交流電力に変換して出力する装置である。この電力変換装置は、一般的には、PCS(パワーコンディショナー)として構成されている。昇圧チョッパは、太陽光パネルにおいて発電された直流電力の昇圧を行う装置である。
蓄電装置7は、柱上変圧器4の低圧側に接続され、充電及び放電の双方を行うことが可能な蓄電池(二次電池)を備えた装置である。この蓄電装置7は、図示はしないが、電力変換装置及び双方向チョッパを有している。電力変換装置は、蓄電池に入出力される電力の直交変換を行う装置である。双方向チョッパは、蓄電池に対する充電時と放電時の双方向の電流を制御するとともに、電圧の昇降圧を行う装置である。なお、蓄電装置の蓄電量を示す値を、SOC値とする。
電力検出器11は、柱上変圧器4の低圧側と太陽光発電装置6との間に接続され、太陽光発電装置6の出力電力値を検出する装置である。電圧検出器12は、柱上変圧器4の低圧側に接続され、配電系統の電圧である系統電圧を検出する装置である。電力検出器11、電圧検出器12及び蓄電装置7は、後述するように、発電制御装置8に接続されている。
[1−3.発電制御装置]
発電制御装置8は、逆潮流による系統電圧の上昇を抑えるために、蓄電装置7を制御する装置である。このため、発電制御装置8は、電圧上昇抑制制御装置としても捉えることができる。より具体的には、発電制御装置8は、電力検出器11及び電圧検出器12からの出力値、蓄電装置7のSOC値に基づいて、充放電指令値PBrefと無効電力指令値QBrefを、蓄電装置7に与える装置である。この発電制御装置8は、充放電制御部81、無効電力制御部82を有している。
発電制御装置8は、逆潮流による系統電圧の上昇を抑えるために、蓄電装置7を制御する装置である。このため、発電制御装置8は、電圧上昇抑制制御装置としても捉えることができる。より具体的には、発電制御装置8は、電力検出器11及び電圧検出器12からの出力値、蓄電装置7のSOC値に基づいて、充放電指令値PBrefと無効電力指令値QBrefを、蓄電装置7に与える装置である。この発電制御装置8は、充放電制御部81、無効電力制御部82を有している。
(充放電制御部)
充放電制御部81は、充放電指令値PBrefを演算して出力する処理部である。この充放電制御部81は、総出力上限決定部21、充電上限決定部24、放電上限決定部25、充放電指令値演算部81aを有している。
充放電制御部81は、充放電指令値PBrefを演算して出力する処理部である。この充放電制御部81は、総出力上限決定部21、充電上限決定部24、放電上限決定部25、充放電指令値演算部81aを有している。
総出力上限決定部21は、電圧検出器12の出力である系統電圧値VTに基づいて、総出力上限値を決定する処理部である。この総出力上限決定部21に設定される入出力特性の一例を、図2に示す。
この図2に示すように、総出力上限決定部21は、電圧検出器12から入力された系統電圧値VTが、所定のしきい値であるVs1未満の場合には、出力値である総出力上限値Pmaxが、一定のPPVmaxとなるように設定されている。PPVmaxは、たとえば、太陽光発電装置6の最大有効電力出力値(設計値)である。
そして、総出力上限決定部21は、系統電圧値VТがVs1以上の場合、VТが増大するに従って、総出力上限値PmaxがPPVmax〜0へと減少するように設定されている。ここで、VТがVs1以上の場合には、VТと総出力上限値Pmaxとは、所定の傾きによる比例関係にある。
そして、上記のしきい値及び傾きの少なくとも一方は、各太陽光発電システム1の太陽光発電装置6及び蓄電装置7の出力電力の上昇が、配電線3の系統電圧値VТの上昇に与える影響の度合いを基準として設定されている。
この影響の度合いは、上記のように、変電所からの各発電制御装置8までの距離に応じて異なる。より具体的には、配電系統における配電線3の長さによって異なる。配電線3の長さの相違は、インピーダンスの相違に対応する。このため、上記の基準は、たとえば、以下の(1)〜(3)のいずれかに応じて設定することが考えられる。
(1) 変電所からの距離
(2) 変電所からの配電線の長さ
(3) 変電所からの配電線のインピーダンス
(2) 変電所からの配電線の長さ
(3) 変電所からの配電線のインピーダンス
なお、(1)〜(3)は、それぞれの値を基準として用いることができる。ただし、これらの値をそのまま基準として用いなくてもよく、これらの値は、必ずしも正確でなくでもよい。つまり、これらの値は、各発電制御装置8における上記の影響の度合いの相違を相対的に反映していればよい。
たとえば、配電線3の長さは、配電線3、変電所低圧側母線1から柱上変圧器4までの配電線3の長さと考えることができる。この長さの値を基準としてもよいし、各発電制御装置8におけるこの長さの相違を反映するパラメータを求め、このパラメータを基準としてもよい。これは、変電所からの距離、配電線のインピーダンスについても同様である。
このような設定は、後述するように、系統電圧値VТの上昇による出力電力の制限を受けやすかった変電所から遠い需要家と、出力電力制限を受けにくかった変電所から近い需要家との不公平の是正に寄与する。
充電上限決定部24は、蓄電装置7のSOC値に基づいて、充電上限を決定する処理部である。この充電上限決定部24の入出力特性の一例を、図3に示す。図3に示すように、充電上限決定部24は、SOC値が、所定のしきい値であるCLim1未満の場合、充電制限値PLmが−PBmaxとなるように設定されている。ここで、PBmaxは蓄電装置7の最大有効電力出力値(設計値)である。PBmaxがマイナスであることは、充電を意味する。
また、充電上限決定部24は、SOC値がCLim1より大きい場合には、SOC値が増大するのに比例して、充電制限値PLmが−PBmax〜0に変化するように設定されている。この設定は、蓄電装置7の蓄電量がしきい値以下の場合には、最大値までの充電を許容し、蓄電量がしきい値より大きくなると、充電量を減少させる制御につながる。
放電上限決定部25は、蓄電装置7のSOC値に基づいて、放電上限を決定する処理部である。この放電上限決定部25の入出力特性の一例を、図4に示す。図4に示すように、放電上限決定部25は、SOC値が所定のしきい値であるDLim1以上の場合、放電制限値PUmがPBmaxとなるように設定されている。
また、放電上限決定部25は、SOC値がDLim1より小さい場合、SOC値が減少するのに比例して、放電制限値PUmがPBmax〜0に変化するように設定されている。この設定は、蓄電装置7の蓄電量がしきい値以上の場合には、最大値までの放電を許容し、蓄電量がしきい値より小さくなると、放電量を減少させる制御につながる。
充放電指令値演算部81aは、総出力上限値Pmax、充電制限値PLm、放電制限値PUmに基づいて、充放電指令値PBrefを演算する処理部である。
この充放電指令値演算部81aは、減算器22−1、リミッタ23、ローパスフィルタ26を有している。減算器22−1は、総出力上限決定部21の出力である総出力上限値Pmaxから、電力検出器11の出力である太陽光発電出力値PPVの減算を行う処理部(減算部)である。これは、総出力から太陽光発電分を差し引いた値が、蓄電池の充放電量を決定する主要な要素となることを意味する。
リミッタ23は、充電上限決定部24の出力である充電制限値PLmを下限値、放電上限決定部25の出力である放電制限値PUmを上限値として、減算器22−1の出力に制限をかける処理部(制限部)である。
より具体的には、リミッタ23は、以下のように制限処理を行う。
(1) SOC>CLim1ならば、上限値がPBmax、下限値が−PBmax〜0となる。このため、充電が制限され、放電は最大値まで可能となる。
(2) DLim1≦SOC≦CLim1ならば、上限値がPBmax、下限値が−PBmaxとなる。このため、充電及び放電が最大値まで可能となる。
(3) SOC<DLim1ならば上限値がPBmax〜0、下限値が−PBmaxとなる。このため、放電が制限され、充電は最大値まで可能となる。
(2) DLim1≦SOC≦CLim1ならば、上限値がPBmax、下限値が−PBmaxとなる。このため、充電及び放電が最大値まで可能となる。
(3) SOC<DLim1ならば上限値がPBmax〜0、下限値が−PBmaxとなる。このため、放電が制限され、充電は最大値まで可能となる。
ローパスフィルタ26は、リミッタ23の出力から高域周波数の信号を遮断するフィルタである。このローパスフィルタ26は、リミッタ23の出力値の変化を緩やかにする機能を有する。このローパスフィルタ26の出力が、充放電指令値PBrefとなる。
(無効電力制御部)
無効電力制御部82は、無効電力指令値QBrefを演算して出力する処理部である。この無効電力制御部82は、最大値保持部27、電圧指令決定部28、無効電力上限演算部29、無効電力指令値演算部82aを有している。
無効電力制御部82は、無効電力指令値QBrefを演算して出力する処理部である。この無効電力制御部82は、最大値保持部27、電圧指令決定部28、無効電力上限演算部29、無効電力指令値演算部82aを有している。
最大値保持部27は、電力検出器11の出力に基づいて、太陽光発電装置6の有効電力出力値PPVの一定期間内の最大値を保持する処理部である。電圧指令決定部28は、最大値保持部27の出力に基づいて、電圧指令を決定する処理部である。
この電圧指令決定部28の入出力特性の一例を、図5に示す。電圧指令決定部28は、最大値保持部27の出力値に比例して、Vs2〜Vs1(Vs2>Vs1)までの数値を、電圧指令値VTrefとして出力するように設定されている。なお、この例では、電圧指令決定部29の入出力特性は、総出力上限決定部21の入出力特性の入出力を逆にしたものであり、両者の斜線部は方向が相違するだけで、同じ形状である。
無効電力上限演算部29は、充放電指令値演算部81aの出力である充放電指令値PBrefに基づいて、無効電力上限値QUmを演算する処理部である。無効電力上限値QUmは、以下の式(1)により求めることができる。
つまり、蓄電装置7の定格容量(皮相電力)SBを、PBmaxと等しいものとすれば、無効電力上限値QUmは、充放電指令値PBrefが小さいほど大きくなる。また、無効電力上限値QUmは、充放電指令値PBrefが大きいほど小さくなる。
無効電力指令値演算部82aは、系統電圧値VТ、電圧指令値VTref、無効電力上限値QUmに基づいて、無効電力指令値を演算する処理部である。この無効電力指令値演算部82aは、減算器22−2及び制御器30を有している。
減算器22−2は、電圧検出器12の出力である系統電圧値VTから、電圧指令決定部28の出力である電圧指令値VTrefを減算する処理部(減算部)である。
制御器30は、減算器22−2の出力値を無効電力上限演算部29の出力である無効電力上限値QUmに基づいて制限し、無効電力指令値QBrefを出力する処理部(制限部)である。
なお、図示はしないが、発電制御装置8は、記憶部、入力部、出力部を有している。記憶部は、演算式、パラメータ、基準、しきい値、傾き、計測及び処理タイミング、期間等、上記の各部の処理に必要な各種の設定に関する情報を記憶する処理部である。
入力部は、発電制御装置8の処理に必要な情報の入力、処理の選択や指示を入力する処理部である。この入力部には、ネットワークからの入力を受け付けるインタフェース等も含まれる。出力部は、発電制御装置8における各種のパラメータ、処理結果等を、ユーザが認識可能となるように出力する処理部である。
[2.作用]
以上のような本実施形態の発電制御処理を説明する。
[2−1.処理の概要]
まず、本実施形態の処理の概要を説明する。本実施形態は、系統電圧値VТが所定のしきい値以上になると、太陽光発電装置6と蓄電装置7の有効電力合計値を制限することにより、系統電圧の上昇を抑える動作を行う。つまり、系統電圧値VТが高くなり過ぎた場合には、有効電力合計値を、総出力上限値Pmaxと等しくなるように制御する。
以上のような本実施形態の発電制御処理を説明する。
[2−1.処理の概要]
まず、本実施形態の処理の概要を説明する。本実施形態は、系統電圧値VТが所定のしきい値以上になると、太陽光発電装置6と蓄電装置7の有効電力合計値を制限することにより、系統電圧の上昇を抑える動作を行う。つまり、系統電圧値VТが高くなり過ぎた場合には、有効電力合計値を、総出力上限値Pmaxと等しくなるように制御する。
太陽光発電装置6の有効電力が、総出力上限値Pmaxより大きいときには、系統電圧値VТの上昇の要因となっている可能性が高い。このため蓄電装置7による充電で逆潮流を減らして、電圧上昇の改善に貢献する。
太陽光発電装置6の有効電力が、総出力上限値Pmaxより小さいときには、系統電圧の上昇の要因となっている可能性は低い。このため、逆潮流を減らすために充電していた電力を放電する。放電することで、系統電圧の上昇が悪化する場合には、総出力上限値Pmaxが下がるので、結果的に放電量は抑制される。
本実施形態が、同一配電線3に複数設置される場合、それぞれの太陽光発電装置6及び蓄電装置7の出力電力の上昇が、配電線3の系統電圧値VТの上昇に与える影響の度合いが異なる。そこで、この影響の度合いに応じて、各発電制御装置8における総出力上限決定部21の入出力特性に差を付ける。
たとえば、図6に示すように、総出力上限決定部21の入出力特性の傾きを、変電所からの距離が遠いほど垂直に近づける。これは、しきい値Vs1を、右方向に移動させることで可能となる。若しくは、図7に示すように、変電所からの距離が遠いほど、しきい値Vs1及びVs2を右方向に平行移動させる。
同様に、電圧指令決定部28の入出力特性の傾きを、変電所からの距離が遠いほど水平に近づける。これは、しきい値Vs1を、上方向に移動させることで可能となる。若しくは、変電所からの距離が遠いほど、しきい値Vs1及びVs2を上方向に平行移動させる。
上記のように、逆潮流による電圧上昇は、配電線のインピーダンスと配電線を流れる電流の積で決まる。変電所から遠い配電線3の末端では、配電線3のインピーダンスが大きく、変電所近傍よりも逆潮流で電圧が上昇しやすい。このため、上記のように、変電所から遠い発電制御装置8の総出力上限決定部21及び電圧指令決定部28の入出力特性を変えれば、逆潮流抑制の負担が、変電所に近い需要家に近づく。
[2−2.系統電圧上昇に応じて出力を制限する処理]
次に、系統電圧上昇により有効電力出力を制限する場合の処理について説明する。総出力上限決定部21は、系統電圧値VT>Vs1の場合、系統電圧値VTに応じて、総出力上限値Pmaxを減少させる。
次に、系統電圧上昇により有効電力出力を制限する場合の処理について説明する。総出力上限決定部21は、系統電圧値VT>Vs1の場合、系統電圧値VTに応じて、総出力上限値Pmaxを減少させる。
PPV>Pmax、すなわち、総出力上限値Pmaxが、電力検出器11により検出される太陽光発電出力値PPVより小さくなると、減算器22−1の出力値は、負となる。
(蓄電量が少ない場合)
ここで、蓄電装置7のSOC値が少なく、SOC≦CLim1、すなわち、SOC値がCLim1以下の場合、充電上限決定部24は、充電制限値PLmを−PBmaxとする。このため、リミッタ23の下限値は−PBmaxとなり、減算器22−1の出力値が、リミッタ23の出力値となる。
ここで、蓄電装置7のSOC値が少なく、SOC≦CLim1、すなわち、SOC値がCLim1以下の場合、充電上限決定部24は、充電制限値PLmを−PBmaxとする。このため、リミッタ23の下限値は−PBmaxとなり、減算器22−1の出力値が、リミッタ23の出力値となる。
このリミッタ23の出力値の変化を、ローパスフィルタ26で緩やかにした信号が充放電指令値PBrefとなる。このため、充放電指令値PBrefも負値となる。このように、PBref<0の場合には、蓄電装置7は充電状態となる。よって、太陽光発電装置6と蓄電装置7の有効電力出力の合計値は減少するので、配電系統へ逆流する有効電力(逆潮流)も減少する。
逆潮流が減少すれば、配電線のインピーダンスと、配電線を流れる電流の積で求められる電圧上昇分も減少するので、系統電圧VTは低下する。
(蓄電量が多い場合)
一方、蓄電装置7のSOC値が多く、SOC>CLim1、すなわち、SOC値がCLim1より大きい場合、充電上限決定部24は、SOC値に応じて、充電制限値PLmを−PBmax〜0の値とする。このため、リミッタ23の下限値は−PBmax〜0となり、減算器22−1の出力値が制限される。
一方、蓄電装置7のSOC値が多く、SOC>CLim1、すなわち、SOC値がCLim1より大きい場合、充電上限決定部24は、SOC値に応じて、充電制限値PLmを−PBmax〜0の値とする。このため、リミッタ23の下限値は−PBmax〜0となり、減算器22−1の出力値が制限される。
ローパスフィルタ26の出力である充放電指令値PBrefも、−PBmax〜0の値となる。このため、蓄電装置7の充電量が小さくなる。これによりSOC値が上限値に達することが回避される。
[2−3.系統電圧低下に応じて出力を開放する処理]
次に、系統電圧低下により有効電力出力を開放する場合の処理について説明する。総出力上限決定部21は、太陽光発電出力値PPVの減少、その他の要因により、系統電圧VTが低下した場合、つまり、系統電圧VТ≦Vs1の場合、総出力上限値Pmaxを、PPVmaxとする。
次に、系統電圧低下により有効電力出力を開放する場合の処理について説明する。総出力上限決定部21は、太陽光発電出力値PPVの減少、その他の要因により、系統電圧VTが低下した場合、つまり、系統電圧VТ≦Vs1の場合、総出力上限値Pmaxを、PPVmaxとする。
PPV≦Pmax、すなわち、総出力上限値Pmaxが、電力検出器11により検出される太陽光発電出力値PPV以上となると、減算器22−1の出力値は正となる。
(蓄電量が多い場合)
蓄電装置7のSOC値が多く、SOC≧DLim1、すなわち、SOC値がDLim1以上の場合、放電上限決定部25は、放電制限値PUmをPBmaxとする。このため、リミッタ23の上限値はPBmaxとなり、減算器22−1の出力値が、リミッタ23の出力値となる。
蓄電装置7のSOC値が多く、SOC≧DLim1、すなわち、SOC値がDLim1以上の場合、放電上限決定部25は、放電制限値PUmをPBmaxとする。このため、リミッタ23の上限値はPBmaxとなり、減算器22−1の出力値が、リミッタ23の出力値となる。
このリミッタ23の出力値の変化を、ローパスフィルタ26で緩やかにした信号が充放電指令値PBrefとなる。このため、充放電指令値PBrefも正値となる。このように、PBref≧0の場合には、蓄電装置7は放電状態となる。よって、蓄電装置7は、系統電圧VTを下げるために充電していた電力を、放電する。
これにより、太陽光発電装置6の発電電力の供給タイミングを、発電時とは異なるタイミングに移動させる、いわばタイムシフトが可能となる。また、SOC値が、限度まで増加する可能性を低減できる。
(蓄電量が少ない場合)
蓄電装置7の放電により蓄電量が減少し、SOC<DLim1、すなわち、SOC値がDLim1未満になると、放電上限決定部25は、放電制限値PUmをPBmax〜0の値とする。このため、リミッタ23の上限値はPBmax〜0となり、減算器22−1の出力値が制限される。
蓄電装置7の放電により蓄電量が減少し、SOC<DLim1、すなわち、SOC値がDLim1未満になると、放電上限決定部25は、放電制限値PUmをPBmax〜0の値とする。このため、リミッタ23の上限値はPBmax〜0となり、減算器22−1の出力値が制限される。
ローパスフィルタ26の出力である充放電指令値PBrefもPBmax〜0の値となる。このため、蓄電装置7の放電量が小さくなる。これによりSOC値が下限値に達することが回避される。
[2−4.無効電力の供給量の決定処理]
さらに、無効電力の供給量の決定処理について説明する。最大値保持部27は、太陽光発電出力値PPVの、所定の期間内の最大値を保持する。そして、電圧指令決定部28は、この最大値に応じた電圧指令値VTrefを出力する。
さらに、無効電力の供給量の決定処理について説明する。最大値保持部27は、太陽光発電出力値PPVの、所定の期間内の最大値を保持する。そして、電圧指令決定部28は、この最大値に応じた電圧指令値VTrefを出力する。
この電圧指令値VТrefは、図5に示したVs1〜Vs2の間のいずれかの値となる。ここで、系統電圧VТが高く、VT>VTrefであれば、減算器22−2の出力値は正(非0)となる。
一方、無効電力上限演算部29は、ローパスフィルタ26の出力である充放電指令値PBrefに基づいて、無効電力上限値QUmを演算する。無効電力上限値QUmは、電力変換装置の定格容量未満であれば、正(非0)となる。つまり、制御器30の上限値が正(非0)となる。制御器30は、減算器22−2の出力値と無効電力上限値QUmに基づいて、無効電力指令値QBrefを出力する。
無効電力上限値QUm>0であれば、無効電力指令値QBref>0となる。このため、蓄電装置7は無効電力指令値QBrefに応じて、遅相(インダクティブな)無効電力を供給する。このような無効電力の供給により、系統電圧VTが低下する。
無効電力上限値QUmは、無効電力上限演算部29の出力であり、上記の式(1)で求められる。このため、蓄電装置7の定格容量(皮相電力)SBをPBmaxと等しいものとすれば、充放電指令値PBrefが小さいほど、無効電力上限値QUmは大きくなる。
したがって、充放電量が少ない状態では、無効電力による電圧上昇の改善が図られる。特に、SOC>CLim1で十分な充電ができない(PBrefが0に近い)場合には、逆潮流を減少させる代わりに、無効電力の供給によって、系統電圧の改善を図ることができる。
電圧指令決定部28は、太陽光発電出力値PPVが大きいほど、電圧指令値VTrefを下げる。このため、太陽光発電出力値PPVが大きく逆潮流も大きくなる可能性が高いときに、遅相無効電力出力が大きくなる特性となる。
[3.効果]
以上のような本実施形態によれば、総出力上限決定部21と電圧指令決定手段28の特性を系統電圧の上昇に影響を与える度合いに応じた設定としている。このため、太陽光発電装置6の有効電力の出力増加に伴って、逆潮流が増加して系統電圧が上昇した場合に、逆潮流抑制の負担が変電所から遠い需要家に集中することを防止できる。
以上のような本実施形態によれば、総出力上限決定部21と電圧指令決定手段28の特性を系統電圧の上昇に影響を与える度合いに応じた設定としている。このため、太陽光発電装置6の有効電力の出力増加に伴って、逆潮流が増加して系統電圧が上昇した場合に、逆潮流抑制の負担が変電所から遠い需要家に集中することを防止できる。
また、系統電圧が上昇した場合、併設する蓄電装置7に充電することで逆潮流を減少させ、電圧上昇を改善することができる。そして、太陽光発電装置6の有効電力の出力が減少した際には、蓄電装置7から放電することで、電圧上昇改善のために充電した有効電力を配電系統に供給できる。
さらに、蓄電装置7の充放電量が小さいときは、遅相無効電力を供給することで、系統電圧の上昇を抑制できる。
[B.第2の実施形態]
[1.構成]
本実施形態の構成を、図8のブロック図を参照して説明する。本実施形態は、基本的には、第1の実施形態と同様の構成を有している。このため、第1の実施形態と同一の構成については説明を省略する。
[1.構成]
本実施形態の構成を、図8のブロック図を参照して説明する。本実施形態は、基本的には、第1の実施形態と同様の構成を有している。このため、第1の実施形態と同一の構成については説明を省略する。
本実施形態においては、電力変換装置15が、太陽光発電装置6及び蓄電装置7とは独立して設けられている。電力変換装置15は、太陽光発電装置6及び蓄電装置7で共通である。
太陽光発電装置6は、第1の実施形態と同様に、太陽光パネル13及び昇圧チョッパ14を有している。この太陽光発電装置6は、電力検出器11−2を介して、電力変換装置15に接続されている。電力検出器11−2は、昇圧チョッパ14から出力される直流電力を検出する検出器である。電力検出器11−2の出力は、減算器22−1及び最大値保持部27に入力される。
蓄電装置7は、電力変換装置15に接続されている。この蓄電装置7は、第1の実施形態と同様に、蓄電池16及び双方向チョッパ17を有している。双方向チョッパ17の制御回路には、充放電制御部81の出力である有効電力指令値PBrefが入力される。双方向チョッパ17は、制御回路に与えられた有効電力指令値PBrefに応じた電力の入出力を制御する。
電力変換装置15は、太陽光パネル13の直流電力と蓄電池16の直流電力をまとめて交流電力に変換して配電系統に出力する。電力変換装置15は、電力検出器11−3を介して、柱上変圧器4−1の低圧側に接続されている。電力検出器11−3の出力は、無効電力上限演算部29に入力される。
電力変換装置15には、制御器30からの無効電力指令値QBrefが入力される。電力変換装置15は、無効電力指令値QBrefに応じた無効電力を出力する。
[2.作用]
以上のような本実施形態の発電制御処理を説明する。なお、上記の第1の実施形態と同様の処理については、説明を簡略化する。昇圧チョッパ14または双方向チョッパ17の有効電力出力が増加すると、直流電圧は上昇する。一方、双方向チョッパ17が蓄電池16への充電状態となれば、直流電圧は低下する。
以上のような本実施形態の発電制御処理を説明する。なお、上記の第1の実施形態と同様の処理については、説明を簡略化する。昇圧チョッパ14または双方向チョッパ17の有効電力出力が増加すると、直流電圧は上昇する。一方、双方向チョッパ17が蓄電池16への充電状態となれば、直流電圧は低下する。
このため、電力変換装置15が、直流電圧を一定にするように有効電力を出力する動作は、昇圧チョッパ14と双方向チョッパ17の合計出力と等しい有効電力を出力することと、概ね等価である。この昇圧チョッパ14と双方向チョッパ17の合計出力は、太陽光パネル13と蓄電池16の有効電力出力の合計と等しい。
本実施形態では、第1の実施形態の電力検出器11が、電力検出器11−2に相当する。つまり、電力検出器11−2で得られた太陽光発電装置6の有効電力出力を、減算器22−1と最大値保持部27の入力としている。
また、本実施形態では、電力検出器11−3の出力を、無効電力制御部82に入力している。つまり、第1の実施形態における蓄電装置7の有効電力指令値PBrefの代わりに、電力変換装置15の有効電力出力を計測する電力検出器11−3の出力を、無効電力上限演算部29に入力している。
第1の実施形態と同様に、電圧上昇によってPmaxが下がって、PPV>Pmaxとなれば、PBrefは負値となる。蓄電池16のSOC値が少ない場合には、蓄電池16は充電状態となり、SOC値が多い場合には、蓄電池16への充電量は小さくなる。これにより、電力変換装置15から配電系統への有効電力は減少し、系統電圧VTの上昇を抑制できる。
有効電力出力を計測する電力検出器11−2と、電力変換装置15の有効電力出力を計測する電力検出器11−3を新たに設置し、昇圧チョッパ14の有効電力出力増加に伴う電力変換装置15の有効電力出力増加、すなわち逆潮流増加で電圧上昇した場合、双方向チョッパ17を介して蓄電池16に充電することで逆潮流を減少させ、電圧上昇を抑制できる
また、最大値保持部27は、電力検出器11−2からの有効電力出力に基づいて、所定の期間の最大値を保持する。そして、第1の実施形態と同様に、最大値に基づいて、電圧指令決定部28が電圧指令値VТrefを出力する。一方、電力変換装置15の有効電力出力である検出器11−3の出力値が、無効電力上限演算部29に入力され、無効電力上限値QUmが演算される。
電圧検出器12からの系統電圧VТ、電圧指令決定部28からの電圧指令値VТrefに基づいて、減算器22−2による減算が行われる。そして、減算器22−2の出力値と、無効電力上限演算部29からの無効電力上限値QUmに基づいて、制御器30が、電力変換装置15への無効電力指令値QBrefを出力する。
無効電力上限演算部29の出力値は、電力変換装置15の定格容量未満であれば、無効電力上限演算部29の出力値は正(非0)となる。つまり、制御器30の上限値が正(非0)となるので、電力変換装置15から遅相無効電力が配電系統に供給されて、電圧上昇を抑制できる。
[3.効果]
以上のような本実施形態によれば、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、太陽光パネル13と蓄電池16を直流回路で接続し、電力変換装置15を共通化したため、装置全体のコスト、設置スペースを節約することができる。
以上のような本実施形態によれば、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、太陽光パネル13と蓄電池16を直流回路で接続し、電力変換装置15を共通化したため、装置全体のコスト、設置スペースを節約することができる。
[C.第3の実施形態]
[1.構成]
本実施形態の構成を、図9のブロック図を参照して説明する。本実施形態は、基本的には、第1の実施形態と同様の構成を有している。このため、第1の実施形態と同一の構成については説明を省略する。
[1.構成]
本実施形態の構成を、図9のブロック図を参照して説明する。本実施形態は、基本的には、第1の実施形態と同様の構成を有している。このため、第1の実施形態と同一の構成については説明を省略する。
本実施形態においては、発電制御システム5内に、電力を消費する負荷18が設置されている。また、太陽光発電装置6の有効電力出力と負荷18の消費電力の合計値が計測できる位置に、電力検出器11−4が設けられている。
つまり、太陽光発電装置6及び負荷18は、電力検出器11−4を介して、柱上変圧器4−1の低圧側に接続されている。電力検出器11−4の出力は、第1の実施形態の電力検出器11と同様に、減算器22−1と最大値保持部27に入力される。
[2.作用]
以上のような本実施形態の発電制御処理を説明する。なお、上記の第1の実施形態と同様の処理については、説明を簡略化する。電力検出器11−4においては、太陽光発電装置6の有効電力出力と負荷18の消費電力の合計値PTOが計測される。
以上のような本実施形態の発電制御処理を説明する。なお、上記の第1の実施形態と同様の処理については、説明を簡略化する。電力検出器11−4においては、太陽光発電装置6の有効電力出力と負荷18の消費電力の合計値PTOが計測される。
充放電指令値演算部81aが演算する充放電指令値PBrefは、総出力上限決定部21の出力である総出力上限値Pmaxと、電力検出器11−4の出力値PTOとの差分に基づく値となる。
このため、太陽光発電装置6の有効電力出力より負荷18の消費電力が大きい場合と、消費電力が小さい場合とで、蓄電装置7の充電の有無が変わる。つまり、負荷18の消費電力が大きい場合には、蓄電装置7に充電されることはない。
一方、負荷18の消費電力が小さく、かつ、太陽光発電装置6の有効電力出力と負荷18の消費電力の合計(逆潮流方向を正とする)が、総出力上限値Pmaxより大きい場合は、蓄電装置7に充電される。
このように、負荷18の消費電力が大きければ充電されないため、充電される機会が減る。よって、SOC>CLim1となって充電量が制限され、逆潮流を減少させて電圧上昇を抑制する本来の動作ができなくなる可能性を低減できる。
[3.効果]
本実施例によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また、家庭用、工業用、産業用等の負荷が存在する環境に適用することにより、より現実に即したシステムを構築することができる。
本実施例によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また、家庭用、工業用、産業用等の負荷が存在する環境に適用することにより、より現実に即したシステムを構築することができる。
[D.他の実施形態]
本実施形態は、上記のような態様には限定されない。
(1)需要家の数、種類は特定のものに限定されない。上記の説明では、便宜上、柱上変圧器に1つの需要家としたが、その数を限定するものではない。また、需要家は一般家庭でも大口需要家でもよい。大口需要家の場合は柱上変圧器ではなく、受電変圧器が用いられる。
本実施形態は、上記のような態様には限定されない。
(1)需要家の数、種類は特定のものに限定されない。上記の説明では、便宜上、柱上変圧器に1つの需要家としたが、その数を限定するものではない。また、需要家は一般家庭でも大口需要家でもよい。大口需要家の場合は柱上変圧器ではなく、受電変圧器が用いられる。
(2)総出力上限決定部、充電上限決定部、放電上限決定部、電圧指令決定部における入出力特性、しきい値、傾きの具体的な設定も、上記の実施形態には限定されない。これらの設定を、インターネット等のネットワークを介して、入力部から入力されたデータに基づいて、設定できる構成としてもよい。これにより、系統切り替えなどで、需要家ごとの発電制御装置の設定を変更する必要があった場合に、容易に対応できる。
たとえば、系統切り替えにより、変電所からの配電線の長さが変わった場合には、インピーダンスが変わるため、設定を変更することが望ましい。この場合、系統の構成は変電所側において管理されているため、変電所若しくは上位の管理組織側から、ネットワークを介して、設定の変更を行うことができれば便利である。
(3)発電制御装置の全部若しくは一部は、コンピュータを所定のプログラムで制御することによって実現できる。この場合のプログラムは、コンピュータのハードウェアを物理的に活用することで、上記のような各部の処理を実現するものである。上記の各部の処理を実行する方法、プログラム及びプログラムを記録した記録媒体も、実施形態の一態様である。
また、ハードウェアで処理する範囲、プログラムを含むソフトウェアで処理する範囲をどのように設定するかは、特定の態様には限定されない。たとえば、上記の各部のいずれかを、それぞれの処理を実現する回路として構成することも可能である。
さらに、発電制御装置を構成する各部は、共通のコンピュータにおいて実現してもよいし、ネットワークで接続された複数のコンピュータによって実現してもよい。
(4)記憶部としては、メモリ、ハードディスク、光ディスク等、現在もしくは将来において利用可能なあらゆる記憶媒体を使用できる。すでに情報が記憶された記憶媒体を、読み取り装置に装着することにより、記憶内容を各種の処理に利用可能となる態様でもよい。
さらに、記憶部には、一時的な記憶領域として使用されるレジスタ、メモリ等も含まれる。したがって、上記の各部の処理のために一時的に記憶される記憶領域であっても、記憶部として捉えることができる。キュー、スタック等も、記憶部を利用して実現可能である。
(5)実施形態に用いられる情報の具体的な内容、値は自由であり、特定の内容、数値には限定されない。実施形態において、しきい値に対する大小判断、一致不一致の判断等において、以上、以下として値を含めるように判断するか、より大きい、上回る、より小さい、未満、下回るとして値を含めないように判断するかも自由である。
(6)発電装置は、太陽光発電装置には限定されない。再生可能エネルギーにより発電をする発電装置であれば、他の発電装置であっても適用可能である。たとえば、風力発電装置、波力発電装置、潮力発電装置、地熱発電装置等も適用可能である。ただし、複数の需要家が配電系統に接続され、互いの不公平感を是正する必要があるという観点からは、太陽光発電装置が適している。
(7)本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
3、3−1、3−2…配電線
4、4−1、4−2…柱上変圧器
5、5−1、5−2…発電制御システム
6…太陽光発電装置
7…蓄電装置
8…発電制御装置
11−1、11−2、11−3、11−4…電力検出器
12…電圧検出器
13…太陽光パネル
14…昇圧チョッパ
15…電力変換装置
16…蓄電池
17…双方向チョッパ
18…負荷
21…総出力上限決定部
22−1、22−2…減算器
24…充電上限決定部
25…放電上限決定部
26…ローパスフィルタ
27…最大値保持部
28…電圧指令決定部
29…無効電力上限演算部
30…制御器
81…充放電制御部
81a…充放電指令値演算部
82…無効電力制御部
82a…無効電力指令値演算部
4、4−1、4−2…柱上変圧器
5、5−1、5−2…発電制御システム
6…太陽光発電装置
7…蓄電装置
8…発電制御装置
11−1、11−2、11−3、11−4…電力検出器
12…電圧検出器
13…太陽光パネル
14…昇圧チョッパ
15…電力変換装置
16…蓄電池
17…双方向チョッパ
18…負荷
21…総出力上限決定部
22−1、22−2…減算器
24…充電上限決定部
25…放電上限決定部
26…ローパスフィルタ
27…最大値保持部
28…電圧指令決定部
29…無効電力上限演算部
30…制御器
81…充放電制御部
81a…充放電指令値演算部
82…無効電力制御部
82a…無効電力指令値演算部
Claims (14)
- 変電所に接続された配電系統から検出され、外部から入力された系統電圧値と、前記配電系統に接続された発電装置から検出され、外部から入力された出力電力値とに基づいて、前記配電系統に接続された蓄電装置の充放電を制御する充放電制御部を有し、
前記充放電制御部は、
前記系統電圧値が所定のしきい値未満であれば、前記発電装置及び前記蓄電装置の出力電力値を合わせた総出力上限値を一定とし、前記系統電圧値が所定のしきい値以上から大きくなるに従って、所定の傾きによる比例関係に基づいて、前記総出力上限値を低減させる総出力上限決定部と、
前記総出力上限決定部により決定された総出力上限値と、前記発電装置の出力電力値に基づいて、前記蓄電装置の充放電指令値を算出する充放電指令値演算部と、
を有し、
前記発電装置及び前記蓄電装置から前記配電系統に供給する出力電力値の上昇が、前記配電系統の系統電圧値の上昇に与える影響の度合いを基準として、前記所定のしきい値及び前記傾きの少なくとも一方が設定されていることを特徴とする発電制御装置。 - 前記基準は、前記変電所からの距離に応じて設定されていることを特徴とする請求項1記載の発電制御装置。
- 前記基準は、前記変電所からの配電系統における配電線の長さに応じて設定されていることを特徴とする請求項1記載の発電制御装置。
- 前記基準は、前記変電所からの配電系統における配電線のインピーダンスに応じて設定されていることを特徴とする請求項1記載の発電制御装置。
- 前記充放電指令値演算部は、前記総出力上限決定部から出力された総出力上限値と、前記発電装置の出力電力値との差分を求める減算部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の発電制御装置。
- 前記蓄電装置から検出され、外部から入力された蓄電量に基づいて、充電量の上限値を決定する充電上限決定部と、
前記蓄電量に基づいて、放電量の上限値を決定する放電上限決定部と、
を有し、
前記充放電指令値演算部は、前記減算部の出力値を、前記充電量の上限値及び前記放電量の上限値に基づいて制限する制限部を有することを特徴とする請求項5記載の発電制御装置。 - 前記発電装置には負荷が接続され、
前記発電装置の出力電力値が、前記発電装置の有効電力値と負荷の消費電力値との合計値であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の発電制御装置。 - 前記系統電圧値及び前記充放電指令値に基づいて、前記配電系統へ供給する無効電力を制御する無効電力制御部を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の発電制御装置。
- 前記系統電圧値と、前記発電装置及び前記蓄電装置の出力電力値を合わせた総出力電力値とに基づいて、前記配電系統へ供給する無効電力を制御する無効電力制御部を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の発電制御装置。
- 変電所に接続された配電系統から検出され、外部から入力された系統電圧値と、前記配電系統に接続された前記発電装置から検出され、外部から入力された出力電力値とに基づいて、前記配電系統に接続された蓄電装置の充放電を制御するように、コンピュータ又は電子回路に設定された充放電制御部が、
前記系統電圧値が所定のしきい値未満であれば、前記発電装置及び前記蓄電装置の出力電力値を合わせた総出力上限値を一定とし、前記系統電圧値が所定のしきい値以上から大きくなるに従って、所定の傾きで前記総出力上限値を低減させる総出力上限決定処理と、
前記総出力上限決定処理により決定された総出力上限値と、前記発電装置の出力電力値に基づいて、前記蓄電装置の充放電指令値を算出する充放電指令値算出処理と、
を実行し、
前記発電装置及び前記蓄電装置から前記配電系統に供給する出力電力値の上昇が、前記配電系統の系統電圧値の上昇に与える影響の度合いを基準として、前記所定のしきい値及び前記傾きの少なくとも一方が設定されていることを特徴とする発電制御方法。 - 外部から入力された系統電圧値と、前記配電系統に接続された前記発電装置から検出され、外部から入力された出力電力値とに基づいて、前記配電系統に接続された蓄電装置の充放電を制御するように、コンピュータに設定された充放電制御部に、
前記系統電圧値が所定のしきい値未満であれば、前記発電装置及び前記蓄電装置の出力電力値を合わせた総出力上限値を一定とし、前記系統電圧値が所定のしきい値以上から大きくなるに従って、所定の傾きで前記総出力上限値を低減させる総出力上限決定処理と、
前記総出力上限決定処理により決定された総出力上限値と、前記発電装置の出力電力値に基づいて、前記蓄電装置の充放電指令値を算出させる充放電指令値算出処理と、
を実行させ、
前記発電装置及び前記蓄電装置から前記配電系統に供給する出力電力値の上昇が、前記配電系統の系統電圧値の上昇に与える影響の度合いを基準として、前記所定のしきい値及び前記傾きの少なくとも一方が設定されていることを特徴とする発電制御プログラム。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載の発電制御装置を有し、
前記発電装置からの出力電力値を検出する電力検出器と、
前記配電系統の系統電圧値を検出する電圧検出器と、
を有することを特徴とする発電制御システム。 - 請求項7記載の発電制御装置を有し、
前記発電装置及び前記負荷の出力電力値をまとめて検出する電力検出器を有することを特徴とする発電制御システム。 - 請求項9記載の発電制御装置を有し、
前記発電装置及び前記蓄電装置をまとめて前記配電系統に接続する電力変換装置と、
前記電力変換装置からの出力電力値を前記総出力電力値として検出する電力検出器と、
を有することを特徴とする発電制御システム。
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2012
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