JP2016140164A - 双方向インバータおよびそれを用いた蓄電システム - Google Patents

双方向インバータおよびそれを用いた蓄電システム Download PDF

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Abstract

【課題】蓄電システムにおいて、蓄電池の過充電・過放電を防ぎながら、ハンチングを起こさない蓄電池の最大限の充放電の利用を実現する。
【解決手段】蓄電池5および直流電源6を含む直流系4と交流系1との間で力行・回生の制御を行うインバータ制御部11を含む。可変式力行リミッタ10Aは電力指令値Pipに対する可変力行リミット値Lpowを最適力行リミット値BLpowに応じて変更する。可変式回生リミッタ10Bは電力指令値Pipに対する可変回生リミット値Lregを最適回生リミット値BLregに応じて変更する。最適力行リミット値決定手段20は運転状況変化に応じてリアルタイムに連続変化する最適力行リミット値BLpowを決定する。最適回生リミット値決定手段30は運転状況変化に応じてリアルタイムに連続変化する前記最適回生リミット値BLregを決定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、蓄電システム用の双方向インバータおよびそれを用いた蓄電システムに関する。
図9は従来の蓄電システムの基本構成図である。図9に示すように、双方向インバータYの交流入出力側が電力系統2と負荷3とを結ぶ交流系電力線(以下、単に「交流系」という)1に接続され、双方向インバータYの直流入出力側が直流系電力線(以下、単に「直流系」という)4を介して蓄電池5に接続されている。
交流系1において電力系統2から供給されるのが受電電力P1であり、交流系1から負荷3に供給するのが負荷電力P2であり、交流系1から電力系統2に供給されるのが逆潮流電力P8である。双方向インバータYに対してその交流系1側から取り込まれるのが力行電力P3であり、双方向インバータYから交流系1側へ送り出されるのが回生電力P7である。また、直流系4から蓄電池5へ供給されるのが充電電力P4であり、蓄電池5から直流系4へ供給されるのが放電電力P5である。
この蓄電システムは、双方向インバータYの直流側に蓄電池5が接続されているが、太陽光発電装置などの直流電源は接続されていない一般的な蓄電システムである。このような蓄電システムにおいて、双方向インバータYの力行(powering operation)・回生(regenerative operation)の制御には、一般的に次の2通りの制御手法が用いられる。
(1)交流系1側の電力を制御したい場合の例として、蓄電池残量SOC(State of Charge)が所定の範囲内(例えば、10〜90%等)に収まるようにしつつ、双方向インバータYにおいてピークシフトやピークカットなど必要に応じた力行・回生出力を行う。一般に、真のSOCは充放電中には直接観測することができない。このため、充放電電流を積算してSOCを算出しているが、このように算出したSOCは正確な値ではなく、確実に過充電・過放電を防止する制御を行うことはできない。そのため、充放電電流に代えて蓄電池電圧を観測することにより過充電・過放電を防止している。具体的には、力行運転中に蓄電池電圧Vbatが充電禁止電圧VCupp(図示せず)に達したときに充電を停止し、回生運転中に放電禁止電圧VDlow(図示せず)に達したときに放電を停止する。
また、より高度なシステムでは、図10に示すように、充電電力P4の指令値について何段階かのステップを設け、段階的にリミット電力を変化させる(図10は上限値可変の場合)。この場合、充電の進行に伴って蓄電池電圧Vbatが上昇している状態で、充電電力P4(≒力行電力P3)を1ステップ分段階的に低下させる(時刻t41)。すると、それに応じた蓄電池5の内部抵抗の作用によって蓄電池電圧Vbatもステップ状に低下する。充電電力P4の指令値を段階的に変化させるのは、過充電を防ぎながら目標SOC(充放電していないときの蓄電池電圧に相関するが、充放電時には正確な値が分からない)に近付けるため、力行運転を停止させてしまうのではなく、ステップ状に低下後も引き続き充電を行わせるためである。したがって、蓄電池残量SOCは勾配を緩やかにした状態で引き続き上昇していく。このような動作が時間経過とともに何回か繰り返され(時刻t42,t43)、充電電力P4が何段階かにわたってステップ状に低下し、蓄電池電圧Vbatもステップ状に急低下と上昇再開とを繰り返す。
このように(1)の方式では、蓄電池電圧Vbatを監視しながら、出力できるときには出力し、出力できないときには停止するか、あるいは段階的に出力を絞る。その結果として、蓄電池5における過充電に至らない範囲で充電を行うことが可能となっている。しかし、充電禁止電圧に達したときに充電を停止する制御の場合、目標SOCに達する前に充電が停止することになるため、蓄電池容量を有効に活用することができない。また、段階的にリミット電力を変化させる制御の場合、蓄電池容量はより有効に活用できるものの、充電電力P4の指令値設定に、段階的制御ゆえの複雑さが伴うとともに、充電電力P4のふらつきが避けられない。
回生運転の場合は、図10の波形図をちょうど横軸周りに反転したような形態で推移し、こんどは放電電力P5や回生電力P7について、上記と同様の問題が生じる。
(2)蓄電池電圧Vbatの値を正確にコントロールしたい場合には、CCCV(C onstant Current Constant Voltage:定電流定電圧)方式による制御を行う。これは、蓄電池電圧Vbatを監視し、目標電圧(一般的にSOCと相関する)に達すると、充放電電流を絞ることにより、その一定電圧を維持するものである。この場合は、蓄電池電圧Vbatを一定化するコントロールが中心(専従)となるため、ピークシフトやピークカットなど交流系1側での所望する力行電力P3や回生電力P7の値についての正確なコントロールができなくなってしまう。なお、ピークシフト運転とは、電力系統から負荷への給電状態において、指定した時刻に蓄電池を充電・放電する運転形態をいう。ロードレベリングのため、例えば充電時刻を夜間に設定し、放電時刻を昼間に設定することで、深夜電力を有効利用でき、また、昼間受電電力を削減できる。また、ピークカット運転とは、負荷の消費電力が設定値を超えたときに、その超過分の電力を蓄電池からの放電によってまかなう運転形態をいう。
図11は、図9の蓄電システムにおいて、その双方向インバータYと蓄電池5を結ぶ直流系4に対してさらに太陽光発電装置等の直流電源6が追加接続された従来の蓄電システムを示す。この直流電源が接続された蓄電システムにおいて、交流系1側の力行電力P3や回生電力P7をコントロールしつつ、蓄電池5の過充電・過放電を防ぎ、なおかつ蓄電池5の最大限の充放電(ハンチングを起こさないで上限・下限一杯までの蓄電池残量SOCの最大限活用)を実現しようとすれば、次のような問題点が生じる。
〔1〕直流電源が接続されていないシステムにおいては、蓄電池5において放電禁止電圧VDlowまでの放電が行われたときに、引き続き蓄電池電圧Vbatを利用するようにするには、双方向インバータYにて力行して充電するしかない。しかし、一方、直流電源6が接続されているシステムでは、双方向インバータYで力行しなくても直流電源6の発電電力P6によって蓄電池5を充電することができるため、再度の放電が可能になる。つまり、双方向インバータYを断続的に回生し続けることが可能である。
この場合に、図12に示すように、回生による放電が発電による充電を上回っていると、蓄電池電圧Vbatが次第に低下し、放電禁止電圧VDlowに達すると(時刻t51)、回生を停止する。すると、発電による充電で蓄電池電圧Vbatが再び上昇を開始する。充電の結果、蓄電池電圧Vbatが上昇して放電禁止解除電圧VDuppに達すると(時刻t52)、再び回生を開始する。以上の動作が繰り返されると、蓄電池電圧Vbatの上下動変化に伴って回生電力P7にハンチングが生じることになる。したがって、このような回生電力P7のハンチングを防止・軽減するには、放電再開の判定にヒステリシスや動作遅延を適切に設ける必要がある。しかしながら、システム全体における様々で複雑な変動に対応できるようにする設定はきわめてむずかしいものとなり、ハンチング発生の抑制に関して実際的な解決は困難なものとなっている。その原因は、しきい値判定の結果に応じて制御の態様を切り替えるのであるが、その切り替えが繰り返されるためである。このように上記した目的を実現しようとすれば、制御態様がハンチングを起こすなど不安定になる一方で、ハンチングを防止するには様々な制御要素の追加が必要となり、制御態様の複雑化が避けられないものとなっている。
〔2〕直流電源が接続されていない蓄電システムでは、充電禁止電圧VCuppまで充電した後は、次に放電したいときまで双方向インバータYは停止しておいたとしても特に問題は生じない。しかし、直流電源6が接続されている蓄電システムにおいては、双方向インバータYを停止させると、発電電力P6を無駄にしてしまう。すなわち、双方向インバータYの停止状態で直流電源6が発電をしているときに、蓄電池5が満充電でなければ、その発電電力P6を蓄電池5に蓄積できるが、蓄電池5が満充電であれば、その発電電力P6を利用することができない。そこで、発電電力P6を無駄にしたくない場合は、何らかの方法で双方向インバータYを継続動作させて直流電源による発電電力P6を回生する必要があるが、そのためには特別な対策を必要とする。
図13に示すように、発電電力P6によって蓄電池電圧Vbatが上昇している過程において、蓄電池電圧Vbatが充電禁止電圧VCuppに達すると(時刻t61)、回生電力P7の出力が再開される。そこでは、発電電力P6と同じ量の電力を回生するが、変換損失があるために蓄電池電圧Vbatが微減しだす。そして、蓄電池電圧Vbatが充電禁止解除電圧VClowまで低下すると(時刻t62)、回生電力P7の出力が再び停止され、結果、発電電力P6によって蓄電池電圧Vbatが上昇を再開する。すなわち、以上の動作が繰り返されるため、回生電力P7にハンチングが生じることになる。したがって、このような回生電力P7のハンチングを防止・軽減するには、〔1〕の場合と同様に、放電再開の判定にヒステリシスや動作遅延を適切に設ける必要がある。しかしながら、回生開始の判定や回生電力P7の設定値について、上記と同様に、システム全体における様々で複雑な変動に対応するのはきわめてむずかしく、ハンチング発生の抑制に関して実際的な解決は困難となっている。
〔3〕蓄電池電圧Vbatを正確にコントロールして、放電禁止電圧VDlowまで放電し、かつ充電禁止電圧VCuppまで充電するには、CCCV(定電流定電圧)制御を用いれば良い。しかしながら、そうすると、上記のとおり交流側の電力をコントロールすることが不可能になる。
具体的な動作例を図14で説明する。簡略のため何段かのステップを経て充放電電力を絞る制御ではなく、閾値を超えたときに充放電を停止する制御を仮定するが、本質的には同様である。直流電源6で発電しながら双方向インバータYの回生運転モードにおいて発電電力P6よりも大きな一定の回生電力P7を出力させる。そして、蓄電池電圧Vbatの検出値が漸減している状態で、放電禁止電圧VDlowに達すると(時刻t71)、双方向インバータYが回生運転自体をいったん完全に停止させる。その結果、回生電力P7は急減してゼロレベルとなる。すると、内部抵抗の作用により蓄電池電圧Vbatの検出値が急上昇し、すでに回生運転が停止していることから直流電源6からの充電により蓄電池電圧Vbatの検出値は次第に上昇することになる。そして、蓄電池電圧Vbatの検出値が放電禁止解除電圧VDuppにまで上昇すると(時刻t72)、それまで停止させられていた回生運転が再開され、回生電力P7が希望電力値まで急上昇するとともに、蓄電池電圧Vbatの検出値が急速に低下する。再び蓄電池電圧Vbatの検出値が放電禁止電圧VDlowまで達すると(時刻t73)、回生運転が再びいったん完全に停止され、蓄電池電圧Vbatの検出値は反転して急上昇する。以上のような動作を繰り返すため、回生電力P7にハンチングが生じてしまう。また、応答反応に適切なヒステリシスを設けていなければ、時刻t71の直後において、蓄電池電圧Vbatの検出値が放電禁止電圧VDlowと放電禁止解除電圧VDuppとの間での両者間を繰り返し行き来するようなハンチングを起こすこともある。また、放電禁止解除電圧VDuppを高めに設定して適切なヒステリシスをもたせたとしても、ハンチングの周期を長くする効果があるものの、ハンチング自体を防ぐことはできない。このようなハンチングは、蓄電池電圧Vbatの検出値を放電禁止電圧VDlowや放電禁止解除電圧VDuppのしきい値と比較判定した結果に反応して動作モードを瞬間的かつ明示的に切り替えていることに起因する。
以上のように、従来手法では、各部の電圧状態の検出値、電流状態の検出値をそれぞれの比較基準のしきい値と比較して、判定条件に該当すると、動作モードの切り替え、すなわちデジタル的な切り替え制御を行っていた。加えて、過充電・過放電を防止しながら蓄電池の最大限の充放電を利用するには、システム全体を考慮したヒステリシスや動作遅延を適切に設ける必要があるが、このような設定は現実的に困難で実際上、解決が図られている状況にはなかった。
本発明はこのような事情に鑑みて創作したものであり、太陽光発電等の直流電源が接続された蓄電システムにおいて、蓄電池の過充電・過放電を防ぎながら、蓄電池の最大限の充放電の利用を可能にすることを目的としている。
本発明は、次の手段を講じることにより上記の課題を解決する。
本発明による蓄電システム用の双方向インバータは、
電力系統および負荷と接続される交流系と蓄電池および直流電源と接続される直流系との間で力行・回生の制御を行うインバータ制御部を含む双方向インバータであって、
電力指令値に対する可変力行リミット値を最適力行リミット値に応じて変更可能な可変式力行リミッタ、および、前記電力指令値に対する可変回生リミット値を最適回生リミット値に応じて変更可能な可変式回生リミッタを有する力行・回生電力リミット制御手段と、
前記交流系側および前記直流系側における運転状況変化を反映する検出値に対応して前記可変力行リミット値と前記可変回生リミット値で定まる範囲内に収まるようにして求められたリアルタイムに連続変化する前記最適力行リミット値を決定し、その最適力行リミット値を前記可変式力行リミッタにフィードバックする最適力行リミット値決定手段と、
前記交流系側および前記直流系側における運転状況変化を反映する検出値に対応して前記可変力行リミット値と前記可変回生リミット値で定まる範囲内に収まるようにして求められたリアルタイムに連続変化する前記最適回生リミット値を決定し、その最適回生リミット値を前記可変式回生リミッタにフィードバックする最適回生リミット値決定手段とを備え、
前記最適力行リミット値および前記最適回生リミット値によりリミットされた前記電力指令値を前記インバータ制御部に送出することを特徴とする。
上記の構成においては、力行・回生電力リミット制御手段における可変式力行リミッタに対して最適力行リミット値決定手段から与えられる最適力行リミット値によって可変力行リミット値をリアルタイムに最適状態に変更するとともに、可変式回生リミッタに対して最適回生リミット値決定手段から与えられる最適回生リミット値によって可変回生リミット値をリアルタイムに最適状態に変更し、得られた最終電力指令値をインバータ制御部に送出する。ここでフィードバック信号として与える最適力行リミット値と最適回生リミット値はいずれもシビアに限界(ぎりぎり)まで絞り込まれ、しかも連続的に変化するものである。それゆえに、蓄電池を上限・下限の一杯まで充放電しても制御動作はハンチングを起こすことがなく、蓄電池の過充電・過放電を防ぎながらも、最大限の充放電を実現することが可能になる。よって、蓄電池に対するシームレスで安定的な力行制御および回生制御を他の各種の電力からの干渉なく実現することが可能となる。
上記の構成において、さらに次のように構成する好ましい態様がある。
前記最適力行リミット値決定手段については、充電禁止電圧に対する蓄電池電圧の検出値の偏差に対して上下限リミットをかけた結果の第1のリミット値と、双方向インバータからの力行電力の指令値に対して上限リミットをかけた結果の1つ以上の第2のリミット値とのうちから最小のリミット値を選択し、前記最適力行リミット値として出力するように構成された態様が好ましい。
前記最適回生リミット値決定手段については、放電禁止電圧に対する蓄電池電圧の検出値の偏差に対して上下限リミットをかけた結果の第4のリミット値と、双方向インバータからの回生電力の指令値に対して下限リミットをかけた結果の1つ以上の第5のリミット値とのうちから最大のリミット値を選択し、前記最適回生リミット値として出力するように構成された態様が好ましい。
この態様の構成において、充電禁止電圧に対する蓄電池電圧の検出値の偏差に対して上下限リミットをかけた結果の第1のリミット値は、主として、蓄電池の過充電を防止するために使用される。また、双方向インバータからの力行電力の指令値に対して上限リミットをかけた結果の第2のリミット値は、力行電力が以下の電力値を超えないようにするために使用される。具体的には、蓄電池に対する充電電力が蓄電池の最大充電電力値を超えないようにしたり、電力系統からの受電電力が最大受電電力値を超えないようにするために使用される。
また、放電禁止電圧に対する蓄電池電圧の検出値の偏差に対して上下限リミットをかけた結果の第4のリミット値は、主として、蓄電池の過放電を防止するために使用される。また、双方向インバータからの回生電力の指令値に対して下限リミットをかけた結果の第5のリミット値は、回生電力が以下の電力値を超えないようにするために使用される。具体的には、電力系統への逆潮流電力が逆潮流制限電力値を超えないようにするために使用される。
すなわち、充電禁止電圧に対する蓄電池電圧の偏差に対してリミットをかけるので、蓄電池における過充電を防止できる。また、放電禁止電圧に対する蓄電池電圧の偏差に対してリミットをかけるので、蓄電池における過放電を防止できる。
上記の構成において、さらに次のように構成する好ましい態様がある。
前記最適力行リミット値決定手段については、
充電禁止電圧と蓄電池電圧の検出値との偏差を算出する第1の減算手段と、
前記第1の減算手段の出力に対して上下限リミットをかけて第1のリミット値候補を出力する第1のリミッタと、
最大充電電力値と発電電力の検出値との偏差を算出する第2の減算手段と、
前記第2の減算手段の出力に対して上限リミットをかけて第2のリミット値候補を出力する第2のリミッタと、
最大受電電力値と負荷電力の検出値との偏差を算出する第3の減算手段と、
前記第3の減算手段の出力に対して上限リミットをかけて第3のリミット値候補を出力する第3のリミッタと、
前記第1ないし第3のリミット値候補のうちから最小のものを選択し、前記最適力行リミット値として出力する最小値選択手段とを有するように構成された態様が好ましい。
また、前記最適回生リミット値決定手段については、
放電禁止電圧と蓄電池電圧の検出値との偏差を算出する第4の減算手段と、
前記第4の減算手段の出力に対して上下限リミットをかけて第4のリミット値候補を出力する第4のリミッタと、
逆潮流制限電力値と負荷電力の検出値との偏差を算出する第5の減算手段と、
前記第5の減算手段の出力に対して下限リミットをかけて第5のリミット値候補を出力する第5のリミッタと、
前記第4ないし第5のリミット値候補のうちから最大のものを選択し、前記最適回生リミット値として出力する最大値選択手段とを有するように構成された態様が好ましい。
最小値選択手段、最大値選択手段はそれぞれ複数のリミット値候補から最小のもの、最大のものを選択し、得られた結果の最適力行リミット値、最適回生リミット値とする。複数のリミット値候補はそれぞれリアルタイムに連続的に生成される。あるリミット値候補と別のリミット値候補とがその大小関係においてクロッシングして、最小のものあるいは最大のものが、あるリミット値候補から別のリミット値候補へと切り替わる場合、切り替わりポイントの前後にわったって最小のものあるいは最大のものはそれぞれ連続したもの(シームレスに繋がったもの)となる(図8参照)。
それゆえに、上記と同様に、蓄電池を上限・下限の一杯まで充放電しても制御動作はハンチングを起こすことがなく、蓄電池の過充電・過放電を防ぎながらも、最大限の充放電を実現することが可能になり、蓄電池に対するシームレスで安定的な力行制御および回生制御を他の各種の電力からの干渉なく実現することが可能となる。
本発明による蓄電システムは、上記のいずれかの双方向インバータが電力系統および負荷に繋がる交流系と蓄電池および直流電源に繋がる直流系との間に介在された構成を有するものである。
本発明によれば、蓄電システム全体における様々で複雑な変動に対して、蓄電池を上限・下限の一杯まで充放電を可能にしながら、蓄電池の過充電・過放電を防ぎ、従来技術のような双方向インバータ出力のステップ的な変動をなくして、制御動作のハンチングを防止することができる。すなわち、従来技術のような、しきい値判定の結果に応じた制御態様の切り替えゆえに起こるハンチングを防止するための様々な制御要素の追加や、過充電・過放電を防止するための切り替え制御を不要化できる。
本発明の双方向インバータが適用された蓄電システムの基本構成図 本発明の双方向インバータの基本的な構成の一例を示す基本構成図 図2の構成において最適力行リミット値決定手段と最適回生リミット値決定手段の構成をより詳しく示した構成図 図3の構成において最適力行リミット値決定手段と最適回生リミット値決定手段の構成をさらに詳しく示した実施例の構成図 本発明の実施例の蓄電システム用の双方向インバータの回生運転の動作を示す波形図 本発明の実施例の蓄電システム用の双方向インバータの回生運転の動作を示す波形図 本発明の実施例の蓄電システム用の双方向インバータにおいて課題を解決するときの動作を示す波形図 本発明の実施例の蓄電システム用の双方向インバータにおいて課題を解決するときの動作を示す波形図 従来の直流電源なしタイプの蓄電システムの基本構成図 従来例の力行運転の動作を示す波形図 直流電源が追加接続された従来の蓄電システムの基本構成図 図11に対応する従来例の回生運転の動作を示す波形図 図11に対応する従来例の回生運転の動作を示す波形図 図11に対応する従来例の課題を示す波形図
以下、本発明にかかる、直流電源が接続された蓄電システム用の双方向インバータおよび当該双方向インバータを適用した蓄電システムにつき、その実施の形態を説明する。
図1は本発明の双方向インバータが適用された、直流電源が接続された蓄電システムの概略構成図、図2は本発明の双方向インバータの基本的な構成の一例を示す基本構成図である。
図1において、1は電力系統2および負荷3と接続される交流系、4は蓄電池5および直流電源6と接続される直流系、Xは交流系1と直流系4との間で力行・回生の制御を行う双方向インバータである。直流電源6について、ここでは一例として独立に制御される太陽光発電装置を2つ含むものとして構成されている。それぞれの太陽光発電装置は太陽電池と昇圧チョッパとを含むものとなっている。ただし、直流電源6としては、太陽光発電装置以外の直流電源でもよい。また、その個数は任意であり、また複数種類のものを組み合わせてもかまわない(詳しくは後述する)。図11に示す構成の直流電源が接続された蓄電システムに適用してもよい。
交流系1は電力系統2から受電電力P1を受電し、負荷3に対して負荷電力P2として供給する。力行運転モードにおいて、双方向インバータXは交流系1の電力を交流−直流変換した上で直流系4側に供給する。このとき、交流系1から送り込まれる電力が力行電力P3である。双方向インバータXによって直流系4側に力行された電力は、蓄電池5に対して充電電力P4として供給される。回生運転モードにおいて、双方向インバータXは蓄電池5からの放電を行わせ、直流系4上に発生する放電電力P5を直流−交流変換した上で交流系1側に供給する。また、双方向インバータXは直流電源6によって生起された発電電力P6を直流−交流変換した上で交流系1側に供給する。この回生運転モードで交流系1側にもたらされる電力が回生電力P7である。交流系1において回生電力P7が電力系統2に送出されるときは、その電力は逆潮流電力P8となる。
双方向インバータXの構成を示す図2において、双方向インバータXは、交流系1と直流系4との間に介在される前述のインバータ制御部11のほか、このインバータ制御部11をコントロールするための構成要素として、力行・回生電力リミット制御手段10と最適力行リミット値決定手段20と最適回生リミット値決定手段30とを備えている。
力行・回生電力リミット制御手段10は、可変式力行リミッタ10Aと可変式回生リミッタ10Bを有している。図示例では可変式力行リミッタ10Aが前段に位置し、可変式回生リミッタ10Bが後段に位置しているが、その逆の位置関係であってもよい。
可変式力行リミッタ10Aは、電力指令値Pipと最適力行リミット値BLpowとを入力とする。最適力行リミット値BLpowは、交流系1および直流系4における運転状況変化をリアルタイムに反映するもので、電力指令値Pipに対する力行リミットを前記の運転状況変化に即してリアルタイムに最適化制御する機能(可変力行リミット値Lpowの最適化調整機能)を有している。最適力行リミット値BLpowは最適力行リミット値決定手段20で生成される。最適力行リミット値決定手段20が行う力行リミットの最適化については、双方向インバータXの設計段階で運転モードの切り替えに応じて自動化されているのでもよいし、あるいはユーザーが任意に指示を与えることができるようにしてもよい。可変式力行リミッタ10Aは、交流系1および直流系4における運転状況変化をリアルタイムに反映しながら、最適力行リミット値BLpowに応じて電力指令値Pipに対する可変力行リミット値Lpowを変更する。すなわち、運転状況が定常状態であれば、上限値(upper limit)である可変力行リミット値Lpowは、単位法表記(基準値に対する相対値での表記)で1.0[p.u.](per-unit)となるが、定常状態から外れるときには1.0[p.u.]よりも小さいレベル(状況に応じて値が異なる)に変更する。また、1.0[p.u.]よりも大きいときは、強制的に1.0[p.u.]に固定化する。これにより、運転状況において過大(大き過ぎ)と判断されると、その上限値を小さい方に押さえ込んで、過剰な応答性すなわちハンチングを抑制する。
一方、可変式回生リミッタ10Bは、可変式力行リミッタ10Aからの電力指令値Pip′と最適回生リミット値BLregとを入力とする。最適回生リミット値BLregは、交流系1および直流系4における運転状況変化をリアルタイムに反映するもので、電力指令値Pip′に対する回生リミットを前記の運転状況変化に即してリアルタイムに最適化制御する機能(可変回生リミット値Lregの最適化調整機能)を有している。最適回生リミット値BLregは最適回生リミット値決定手段30で生成される。最適回生リミット値決定手段30が行う回生リミットの最適化については、双方向インバータXの設計段階で運転モードの切り替えに応じて自動化されているのでもよいし、あるいはユーザーが任意に指示を与えることができるようにしてもよい。可変式回生リミッタ10Bは、交流系1および直流系4における運転状況変化をリアルタイムに反映しながら、最適回生リミット値BLregに応じて電力指令値Pip′に対する可変回生リミット値Lregを変更する。すなわち、運転状況が定常状態であれば、下限値(lower limit)である可変回生リミット値Lregは−1.0[p.u.]となるが、定常状態から外れるときには−1.0[p.u.]よりも大きいレベル(状況に応じて値が異なる)に変更する。また、−1.0[p.u.]よりも小さいときは、強制的に−1.0[p.u.]に固定化する。これにより、電力指令値Pipが運転状況において過小(小さ過ぎ)と判断されると、その下限値を小さい方に押さえ込んで、過剰な応答性すなわちハンチングを抑制する。
次に、上記のように構成された本実施の形態の直流電源が接続された蓄電システム用の双方向インバータXの動作を説明する。
結論を先に述べると、この双方向インバータXによれば、動作態様の遷移を、シームレスに(途切れのない状態で/一貫性・統一性のある状態で)行うことが可能となる。動作態様に変化を生じさせるのであるが、その都度のしきい値判定とそれに伴う何らかの制御信号のデジタル的な(動作態様が別のモードに変わるような)切り替えを行う必要がなく、その都度穏やかな遷移をもって動作態様がシームレスに変化していく。よって、ハンチングを防止することができる。
最終的にインバータ制御部11に送り込むこととなる最終電力指令値Popを生成するところの力行・回生電力リミット制御手段10における制御は、その可変式力行リミッタ10Aによって電力指令値Pipに対する力行リミット値(上限値)Lpowを変更し、その可変式回生リミッタ10Bによって電力指令値Pipに対する回生リミット値(下限値)Lregを変更するものであるが、その変更制御に用いる最適力行リミット値BLpowおよび最適回生リミット値BLregはそれぞれ最適力行リミット値決定手段20および最適回生リミット値決定手段30で生成される。
可変式力行リミッタ10A、可変式回生リミッタ10Bは電力指令値Pipに対する可変力行リミット値Lpow、可変回生リミット値Lregを互いに独立的に変更するものであるから、換言すれば、単に出入り口の開口率を大きくしたり小さくしたりするだけの遷移にすぎないから(図8参照)、デジタル的な(動作態様が別のモードに変わるような)切り替えを行う従来技術とは違って、本質的にシームレス(連続的)で穏やかな変化のもとに電力指令値Pipに対するリミット制御の上限値・下限値を切り替える。
蓄電池5の過充電、過放電の防止を図ったり蓄電池残量SOCの最大限活用を図ったりするための制御要素には様々なものがあるが、とりわけ重要な制御要素は、蓄電池電圧Vbatの指令値、電力系統2および負荷3と接続される交流系1から双方向インバータXを介して蓄電池5へ送出する力行電力P3の指令値、蓄電池5および直流電源6と接続される直流系4から双方向インバータXを介して交流系1へ送出する回生電力P7の指令値である。これらの指令値はリアルタイムに検出されるフィードバック制御のための各種の検出信号に基づいて調整される。電力指令値Pipは、そのようなリアルタイムに調整された信号に応答して調整されることが肝要である。つまり、電力指令値Pipが入力されると、それに対してリアルタイムに上下限のリミット値が設定される。
すなわち、電力指令値Pipをそのままインバータ制御部11に送出するのではなく、力行・回生電力リミット制御手段10を介在させる。この力行・回生電力リミット制御手段10において、入力されてくる電力指令値Pipに対して、可変式力行リミッタ10Aおよび可変式回生リミッタ10Bにて上下限リミットが設定され、得られた最終電力指令値Popをインバータ制御部11に送出するのである。
上記の構成において、最適力行リミット値決定手段20は、双方向インバータXによる力行制御動作について希望の動作特性を実現するために、最大力行・回生電力値の範囲内で検出値に対応して求められた最適力行リミット値BLpowを生成する。ここで、最適力行リミット値BLpowをどのように生成するかについては特に問わない。直流電源が接続された蓄電システムの態様に応じて様々な制御モードがあるが、各々の必要に応じて適宜に定めればよい。そして、その最適力行リミット値BLpowを力行・回生電力リミット制御手段10における可変式力行リミッタ10Aにフィードバックする。
一方、最適回生リミット値決定手段30は、双方向インバータXによる回生制御動作について希望の動作特性を実現するために、最大力行・回生電力値の範囲内で検出値に対応して求められた最適回生リミット値BLregを生成する。ここで、最適回生リミット値BLregをどのように生成するかについては特に問わない。直流電源が接続された蓄電システムの態様に応じて様々な制御モードがあるが、各々の必要に応じて適宜に定めればよい。そして、その最適回生リミット値BLregを力行・回生電力リミット制御手段10における可変式回生リミッタ10Bにフィードバックする。
上記の最適力行リミット値BLpowと最適回生リミット値BLregのフィードバックは、互いに独立したものであり、原則的にはタイミング的に別個に起こるものであるが、状況によっては同時に起こることもある。
上記のように本発明実施例の直流電源が接続された蓄電システム用の双方向インバータXは、
(1)可変力行リミット値Lpowを変更可能な可変式力行リミッタ10Aと可変回生リミット値Lregを変更可能な可変式回生リミッタ10Bを有する力行・回生電力リミット制御手段10
(2)検出値に対応して求められた最適力行リミット値BLpowを可変式力行リミッタ10Aにフィードバックする最適力行リミット値決定手段20
(3)検出値に対応して求められた最適回生リミット値BLregを可変式回生リミッタ10Bにフィードバックする最適回生リミット値決定手段30
を備えている。
これにより、従来技術の場合のようなデジタル的な閾値比較での判定と動作モードのデジタル的な切り替えとは異なり、双方向インバータXの前後の交流系1や直流系4における運転状況変化に対してリアルタイムに応答可能な最適力行リミット値BLpowおよび最適回生リミット値BLregを生成し、その生成した最適力行リミット値BLpowおよび最適回生リミット値BLregをそれぞれ力行・回生電力リミット制御手段10の可変式力行リミッタ10A、可変式回生リミッタ10Bにフィードバックする。その結果、可変式力行リミッタ10Aにおいては、その可変力行リミット値Lpowが最適力行リミット値BLpowに設定され、電力指令値Pipは交流系1や直流系4における現在の状況にリアルタイムで即応して最適力行リミット値BLpowでリミット設定されることになる。また、可変式回生リミッタ10Bにおいては、その可変回生リミット値Lregが最適回生リミット値BLregに設定され、電力指令値Pipは最適な交流系1や直流系4における現在の状況にリアルタイムで即応して可変回生リミット値Lregでリミット設定されることになる。
その結果として、直流電源が接続された蓄電システムにおいて、蓄電池5の過充電・過放電を防ぎながら、蓄電池5の最大限の充放電を実現することが可能になる。
図3は図2の構成において最適力行リミット値決定手段20と最適回生リミット値決定手段30の構成をより詳しく示した構成図である。
図3に示すように、最適力行リミット値決定手段20は、減算手段41、PI制御部51、リミッタ61、力行電力レベル調整手段60a、最小値選択手段71を備えている。減算手段41は充電禁止電圧VCuppと蓄電池電圧Vbatの検出値との偏差ΔV1 を算出する機能を有している。PI制御部51は偏差ΔV1 に対してPI制御(比例・積分制御)を実行する機能を有している。リミッタ61はPI制御で得られた値ΔV1 ′に対して最大力行・回生電力値の上限値および下限値でリミット設定を行い、得られたリミット値候補Lp1を最小値選択手段71に送出する機能を有している。このリミット値候補Lp1は主として蓄電池5の過充電を防止するために使用される。力行電力レベル調整手段60aは、直流系4への出力電力に関する交流系1側での力行電力P3についてレベルを制限したい値Paに対してリミッタ62′において最大力行・回生電力値の上限値および下限値でリミット設定を行い、得られたリミット値候補Lp2′を最小値選択手段71に送出する機能を有している。このリミット値候補Lp2′は力行電力P3が最大力行電力値を超えないようにするために使用される。例えば、蓄電池5に対する充電電力P4が最大充電電力値を超えないようにしたり、電力系統2からの受電電力が最大受電電力値を超えないようにするために使用される。最小値選択手段71は、複数のリミット値候補Lp1,Lp2′のうちから最小のものを選択し(図8(a),(b)参照)、最適力行リミット値BLpowとして可変式力行リミッタ10Aに送出する機能を有している。
最適回生リミット値決定手段30は、減算手段44、PI制御部52、リミッタ64、回生電力レベル調整手段60b、最大値選択手段72を備えている。減算手段44は放電禁止電圧VDlowと蓄電池電圧Vbatの検出値との偏差ΔV4 を算出する機能を有している。PI制御部52は偏差ΔV4 に対してPI制御を実行する機能を有している。リミッタ64はPI制御で得られた値ΔV4 ′に対して最大力行・回生電力値の上限値および下限値でリミットをかけ、得られたリミット値候補Lr4を最大値選択手段72に送出する機能を有している。このリミット値候補Lr4は主として蓄電池5の過放電を防止するために使用される。回生電力レベル調整手段60bは、直流電源6からの出力電力に関する交流系1側での回生電力P7についてレベルを制限したい値Pbに対してリミッタ65′において最大充電電力値の上限値および下限値でリミットをかけ、得られたリミット値候補Lr5′を最大値選択手段72に送出する機能を有している。このリミット値候補Lr5′は回生電力P7が最大回生電力値を超えないようにするために使用される。あるいは、電力系統2への逆潮流電力P8が逆潮流制限電力値を超えないようにするために使用される。最大値選択手段72は、複数のリミット値候補Lr4,Lr5′のうちから最大のものを選択し(図8(c),(d)参照)、最適回生リミット値BLregとして可変式回生リミッタ10Bに送出する機能を有している。
なお、直流電源6としては、太陽光発電装置のほか、風力発電装置や水力発電装置など再生可能エネルギーを利用して発電するもの、あるいはディーゼルエンジン発電機、あるいは燃料電池、マイクロガスタービン発電機などで生成された交流電力を整流するものなどであってもよい。その使用個数は単数または任意の複数であり、同じ方式の組み合わせ、異なる方式の組み合わせであってもかまわない。
以下、上記構成の本発明の直流電源が接続された蓄電システム用の双方向インバータにつき、その実施の形態を具体的な実施例のレベルで詳しく説明する。
図4は図3の構成において最適力行リミット値決定手段20と最適回生リミット値決定手段30の構成をさらに詳しく示した構成図、すなわち、力行電力レベル調整手段60aと回生電力レベル調整手段60bの構成をより詳しく示した構成図である。
図4に示すように、最適力行リミット値決定手段20は、第1の減算手段41、PI制御部51、第1のリミッタ61、第2の減算手段42、第2のリミッタ62、第3の減算手段43、第3のリミッタ63、最小値選択手段71を備えている。第1の減算手段41は充電禁止電圧VCuppと蓄電池電圧Vbatの検出値との偏差ΔV1 を算出する機能を有している。第1のリミッタ61はPI制御部51の出力ΔV1 ′に対して上下限リミットを設定し第1のリミット値候補Lp1を出力する機能を有している。第2の減算手段42は最大充電電力値PCmaxと直流電源6からの発電電力P6の検出値PC との偏差ΔP2 を算出する機能を有している。第2のリミッタ62は第2の減算手段42の出力ΔP2 に対して上限リミットを設定し第2のリミット値候補Lp2を出力する機能を有している。第3の減算手段43は最大受電電力値PFmaxと負荷電力P2の検出値PF との偏差ΔP3 を算出する機能を有している。第3のリミッタ63は第3の減算手段43の出力ΔP3 に対して上限リミット設定し第3のリミット値候補Lp3を出力する機能を有している。最小値選択手段71は、第1ないし第3のリミット値候補Lp1〜Lp3のうちから最小のものを選択し、最適力行リミット値BLpowとして出力する機能を有している。
最適回生リミット値決定手段30は、第4の減算手段44、PI制御部52、第4のリミッタ64、第5の減算手段45、第5のリミッタ65、最大値選択手段72を備えている。第4の減算手段44は放電禁止電圧VDlowと蓄電池電圧Vbatの検出値との偏差ΔV4 を算出する機能を有している。第4のリミッタ64はPI制御部52の出力ΔV4 ′に対して上下限リミットを設定し第4のリミット値候補Lr4を出力する機能を有している。第5の減算手段45は逆潮流制限電力値PGlimと負荷電力P2の検出値PG との偏差ΔP5 を算出する機能を有している。第5のリミッタ65は第5の減算手段45の出力ΔP5 に対して上限リミットを設定し第5のリミット値候補Lr5を出力する機能を有している。最大値選択手段72は、第4ないし第5のリミット値候補Lr4〜Lr5のうちから最大のものを選択し、最適回生リミット値BLregとして出力する機能を有している。
第1のリミッタ61でリミット上限値の「1.0」とリミット下限値の「−1.0」は、蓄電池電圧Vbatに関しての偏差ΔV1 において正負の領域(力行運転および回生運転)での最大値と最小値に対応している。ここで、第1のリミッタ61でマイナスの回生側(「−1.0」)がある理由は、太陽電池Gによる発電がされている状態で力行するときに蓄電池5の過充電を防止するためには力行電力をゼロまで絞るだけでなく、回生する必要があるからである。なお、正値は力行運転(充電)に対応し、負値は回生運転(放電)に対応している。「0.0」は充電も放電も行わないことを意味する。
第2のリミッタ62でリミット上限値の「1.0」とリミット下限値の「0.0」は、発電電力P6に関しての偏差ΔP2 において正の領域(力行運転)での最大値と最小値に対応している。ここで、第2のリミッタ62にマイナスの回生側(「−1.0」)がない理由は、最大充電電力が発電電力P6よりも大きいと仮定していることによる。「0.0」は充電も放電も行わないことを意味する。
第3のリミッタ63でリミット上限値の「1.0」とリミット下限値の「0.0」は、負荷電力P2の偏差ΔP3 に関しての偏差ΔP3 において正の領域(力行運転)での最大値と最小値に対応している。「0.0」は充電も放電も行わないことを意味する。
第4のリミッタ64でリミット上限値の「0.1」とリミット下限値の「−1.0」は、蓄電池電圧Vbatに関しての偏差ΔV4 において負の領域(回生運転)およびわずかな正の領域(力行運転)での最大値と最小値に対応している。負値は回生運転(放電)に対応し、正値は力行電力(充電)に対応している。「0.1」は、蓄電池5の自己放電に起因する完全放電あるいは負値へのシフトを抑えるための補充電の意である。「0.0」は充電も放電も行わないことを意味する。
第5のリミッタ65でリミット上限値の「0.0」とリミット下限値の「−1.0」は、負荷電力P2に関しての偏差ΔP5 において負の領域(回生運転)での最大値と最小値に対応している。「0.0」は充電も放電も行わないことを意味する。
第1のリミッタ61と第4のリミッタ64とは蓄電池電圧Vbatと基準値との偏差にかかわるものであるが、第1のリミッタ61では「−1.0」〜「1.0」で、第4のリミッタ64では「−1.0」〜「0.1」となっていて非対称であるが、それは、蓄電池5においては充電電力P4と放電電力P5との双方向電力であるのに対し、直流電源6においては発電電力P6の一方向電力となっていることに起因する。
最適力行リミット値決定手段20において、第1のリミッタ61は、充電禁止電圧VCuppに対する蓄電池電圧Vbatの検出値の偏差ΔV1 に応じた信号を上下限リミットして第1のリミット値候補Lp1を出力する。第2のリミッタ62は、最大充電電力PCmaxと発電電力P6の検出値PC との偏差ΔP2 に応じた信号を上限リミットして第2のリミット値候補Lp2を出力する。第3のリミッタ63は、最大受電電力値PFmaxと負荷電力P2の検出値PF との偏差ΔP3 に応じた信号を上限リミットして第3のリミット値候補Lp3を出力する。そして、最小値選択手段71は、第1ないし第3のリミット値候補Lp1〜Lp3のうち最小のものを選択し、最適力行リミット値BLpowとして力行・回生電力リミット制御手段10における可変式力行リミッタ10Aにフィードバックする。
一方、最適回生リミット値決定手段30において、第4のリミッタ64は、放電禁止電圧VDlowと蓄電池電圧Vbatの検出値との偏差ΔV4 に応じた信号を上下限リミットして第4のリミット値候補Lr4を出力する。第5のリミッタ65は、逆潮流制限電力値PGlimと負荷電力P2の検出値との偏差ΔP5 に応じた信号を下限リミットして第5のリミット値候補Lr5を出力する。ここで、逆潮流する方向をマイナス方向としているので、回生電力P7の上限値(絶対値)は、逆潮流制限電力値PGlimと負荷電力P2との合算(和)となる。
そして、最大値選択手段72は、第4ないし第5のリミット値候補Lr4〜Lr5のうち最大のものを選択し、最適回生リミット値BLregとして力行・回生電力リミット制御手段10における可変式回生リミッタ10Bにフィードバックする。
次に、図4のように構成された直流電源を接続した蓄電システム用の双方向インバータXの動作を説明する。
図5は直流電源6が運転状態にあって発電電力P6が生起し、なおかつ双方向インバータXにおいて回生運転が実行され、回生電力P7が生起している状態を起点とする波形図である。この図は、図12に示した従来例のようなハンチングが生じていないことを表している。
図5に示すように、蓄電池5が放電中で蓄電池電圧Vbatの検出値が低下し、これに伴って蓄電池残量SOCも低下しているとする。この段階で発電電力P6および回生電力P7は一定値を保持している(時刻t0〜t1)。蓄電池電圧Vbatの検出値が低下中に放電禁止電圧VDlowに達すると(時刻t1)、最適回生リミット値決定手段30において第4の減算手段44の出力偏差ΔV4 がゼロとなり、PI制御部52の出力値ΔV4 ′もゼロになり、第4のリミッタ64から出力される第4のリミット値候補Lr4もゼロになる。その結果、蓄電池電圧Vbatの検出値が一定値に落ち着くとともに蓄電池5からの放電電力P5がなくなり、また蓄電池残量SOCも一定値に落ち着くように漸減し、発電電力P6が一定であっても回生電力P7は次第に滑らかに減少していく。別言すると、回生電力P7をゆっくりと絞りながら蓄電池電圧Vbatの検出値が一定となるように制御している。すなわち、従来例の場合のようなハンチングが防止されている。また、蓄電池5における過放電も防止されている。一定時間が経過すると、発電電力P6によって回生電力P7がまかなわれる状態に安定する。双方向インバータXにおける変換ロスのため、回生電力P7は発電電力P6よりわずかに小さいものとなり、蓄電池5の充放電はゼロに収束する。それが時刻t2以降の動作波形となる。従来例に従うとハンチングを引き起こす訳であるが、本発明実施例においては、上述の動作メカニズムにより、回生電力P7の不足分を発電電力P6によって補うため、ハンチングは生じさせないですんでいる。蓄電池5に対する充放電がゼロ制御となるため、蓄電池電圧Vbatの検出値は一定値に安定化する。この挙動はいわゆる定電流定電圧充電(CCCV充電)に相当する。
図6は直流電源6が運転状態にあって発電電力P6が生起し、なおかつ双方向インバータXにおいて回生運転は行われておらず、回生電力P7がゼロレベルとなっている状態を起点とする波形図である。この図は、図13に示した従来例のようなハンチングが生じていないことを表している。
図6に示すように、蓄電池5が充電中で蓄電池電圧Vbatの検出値が上昇し、これに伴って蓄電池残量SOCも上昇しているとする。この段階で発電電力P6および回生電力P7は一定値を保持している(時刻t10〜t11)。蓄電池電圧Vbatの検出値が上昇中に充電禁止電圧VCuppに達すると(時刻t11)、最適力行リミット値決定手段20において第1の減算手段41の出力偏差ΔV1 がゼロを下回り、PI制御部51の出力値ΔV1 ′がゼロ未満となり、第1のリミッタ61から出力される第1のリミット値候補Lr1もゼロ未満になる。その結果、蓄電池電圧Vbatの検出値が一定値に落ち着く。蓄電池5は充電禁止電圧VCuppを維持しながら、回生電力P7が出力されるようになり、回生電力P7が緩やかに上昇していく(時刻t11以降)。また蓄電池残量SOCも一定値に落ち着くように漸増し、発電電力P6が一定であっても回生電力P7は次第に滑らかに増加していく。別言すると、回生電力P7をゆっくりと増やしながら蓄電池電圧Vbatの検出値が一定となるように制御している。すなわち、従来例の場合のようなハンチングが防止されている。また、蓄電池5における過充電も防止されている。一定時間が経過すると、発電電力P6によって回生電力P7がまかなわれる状態に安定し、ハンチングは生じさせないですんでいる。蓄電池5に対する充放電がゼロ制御となるため、蓄電池電圧Vbatの検出値は一定値に安定化する。この挙動はいわゆる定電流定電圧充電(CCCV充電)に相当する。
図7はある時刻から回生電力P7を増加させる運転モードを示す。回生運転を行っていることから蓄電池電圧Vbatの検出値が漸次的に低下している過程にあって、時刻t21において、回生電力P7を増やす指令を行ったとする。すると、蓄電池5が有する内部抵抗のために蓄電池電圧Vbatの検出値が急激に低下することになるが、もしその低下過程で放電禁止電圧VDlowを達したら(時刻t22)、蓄電池電圧Vbatの検出値は従来例の図14の反転上昇とは異なり、放電禁止電圧VDlowを保ったまま推移する。よって、過放電に陥ることなく、過放電直前までの可能な限りの出力を実現することが可能となっている。時刻t22以降の回生電力P7の状態遷移は緩やかで漸近的な状態遷移とすることができる。従来技術の場合には、回生運転の瞬時停止という動作態様の劇的な変化をしていた(図14参照)のに対して、本発明実施例では、回生電力P7に漸次的な低下を伴いつつも、回生電力P7の低下動作は緩やかなものであり、回生運転自体は継続される。これ以降の状態遷移は交流系1および直流系4における状況変化の如何にもよるが、直流電源6による発電電力P6が増加して回生電力P7を賄うことができるようになるなど好条件が揃うようになれば、回生電力P7は破線で示すように漸減から漸増に反転推移して希望電力値まで増加させることも可能である。つまり、従来技術のようにしきい値と比較判定した結果に反応して動作モードを瞬間的かつ明示的に切り替える制御形態をとらなくて済み、双方向インバータXの制御動作のハンチングを防止できる。ここで、シームレスな状態遷移がポイントである。また、蓄電池5の過充電・過放電を防ぎながらも、最大限の充放電を実現できる。つまり、電力消費の無駄を極力回避することができる。
図8は最適力行リミット値決定手段20および最適回生リミット値決定手段30の動作を示す波形図である。
図8(a)は最小値選択手段71が第1ないし第3の3つのリミット値候補Lp1〜Lp3のうちから最小のものを選択する様子を示す。選択された結果が太い実線で表した最適力行リミット値BLpowである。なお、選択された結果が分かりやすいように、選択された結果の下方に太い実線を表しており、実際にはLp1〜Lp3の値で制御されている。一例であるが、時刻t31までは第1のリミット値候補Lp1が最小であり、時刻t31〜t33でも時刻t33〜t34でも第1のリミット値候補Lp1が最小であり、時刻t34〜t35では第2のリミット値候補Lp2が最小であり、時刻t35〜t38でも第2のリミット値候補Lp2が最小であり、時刻t38以降では第3のリミット値候補Lp3が最小である。これら各時間区画での最小値どうしをシームレスに繋いだのが最適力行リミット値BLpowとなる。
図8(b)は最適力行リミット値BLpowの正領域の有効波高値を示す。
図8(c)は最大値選択手段72が第1ないし第2の2つのリミット値候補Lr4〜Lr5のうちから最大のものを選択する様子を示す。選択された結果が太い実線で表した最適回生リミット値BLregである。なお、選択された結果が分かりやすいように、選択された結果の上方に太い実線を表しており、実際にはLp1〜Lp3の値で制御されている。一例であるが、時刻t32までは第4のリミット値候補Lr4が最大であり、時刻t32〜t36では第5のリミット値候補Lr5が最大であり、時刻t36〜t37では第4のリミット値候補Lr4が最大であり、時刻t37以降では第5のリミット値候補Lr5が最大である。これら各時間区画での最大値どうしをシームレスに繋いだのが最適回生リミット値BLregとなる。
図8(d)は最適回生リミット値BLregの負領域の有効波高値を示す。
図8(e)は図8(b)の正領域の有効波高値をもつ最適力行リミット値BLpowと図8(d)の負領域の有効波高値をもつ最適回生リミット値BLregを合成した最適化力行・回生リミット値BLを示す。この最適化力行・回生リミット値BLは全体として力行・回生電力リミット制御手段10における電力指令値Pipに対する総合的な上下限リミット制御動作を司る。最適化力行・回生リミット値BLは正領域から負領域にわたる有効全体波高値を伴っている。個々のタイミングにおける有効全体波高値は連続的に推移する。また、有効全体波高値における上限値ポイントはその位置をリアルタイムに変化させている。同様に、有効全体波高値における下限値ポイントはその位置をリアルタイムに変化させている。上限値ポイントの変化と下限値ポイントの変化とは互いに独立している。
このような機能により、交流系1および直流系4における運転状況変化をリアルタイムに反映しながら、蓄電池5に対するシームレスで安定的な力行制御および回生制御を実現することが可能となっている。
以上のように、力行・回生電力リミット制御手段10における可変式力行リミッタ10Aに対して検出系から与える最適力行リミット値BLpowによって上限リミットをリアルタイムに実行するとともに、可変式回生リミッタ10Bに対して検出系から与える最適回生リミット値BLregによって下限リミットをリアルタイムに実行し、得られた最終電力指令値Popをインバータ制御部11に送出する。ここでフィードバック信号として与える最適力行リミット値BLpowと最適回生リミット値BLregはいずれもシビアに限界まで絞り込まれたものである。それゆえに、蓄電池5を上限・下限の一杯まで充放電しても双方向インバータXの制御動作はハンチングを起こすことがなく、蓄電池5の過充電・過放電を防ぎながらも、最大限の充放電を実現することが可能になる。よって、蓄電池5に対する力行制御および回生制御を他の各種の電力からの干渉なく実現することが可能となる。
本発明は、蓄電システムにおいて、蓄電池の過充電・過放電を防ぐとともに、ハンチング防止や過充電・過放電防止のための様々な制御要素の追加やステップ的な切り替え制御を不要としながら、蓄電池システム全体における様々で複雑な変動に対して、回生運転や力行運転にハンチングを起こさないで状態の蓄電池残量の最大限活用を実現する技術として有用である。
1 交流系
2 電力系統
3 負荷
4 直流系
5 蓄電池
6 直流電源
10 力行・回生電力リミット制御手段
10A 可変式力行リミッタ
10B 可変式回生リミッタ
11 インバータ制御部
20 最適力行リミット値決定手段
30 最適回生リミット値決定手段
41 第1の減算手段
42 第2の減算手段
43 第3の減算手段
44 第4の減算手段
45 第5の減算手段
60a 力行電力レベル調整手段
60b 回生電力レベル調整手段
61 第1のリミッタ
62 第2のリミッタ
63 第3のリミッタ
64 第4のリミッタ
65 第5のリミッタ
71 最小値選択手段
72 最大値選択手段
BLpow 最適力行リミット値
BLreg 最適回生リミット値
pow 可変力行リミット値
reg 回生リミット値
p1 第1のリミット値候補
p2 第2のリミット値候補
p3 第3のリミット値候補
r4 第4のリミット値候補
r5 第5のリミット値候補
P1 受電電力
P2 負荷電力
P3 力行電力
P4 充電電力
P5 放電電力
P6 発電電力
P7 回生電力
P8 逆潮流電力
ip 電力指令値
Cmax 最大充電電力値
Fmax 最大受電電力値
Glim 逆潮流制限電力値
Dupp 放電禁止解除電圧(蓄電池電圧上限値)
bat 蓄電池電圧
Dlow 放電禁止電圧(蓄電池電圧下限値)
X 双方向インバータ

Claims (4)

  1. 電力系統および負荷と接続される交流系と蓄電池および直流電源と接続される直流系との間で力行・回生の制御を行うインバータ制御部を含む双方向インバータであって、
    電力指令値に対する可変力行リミット値を最適力行リミット値に応じて変更可能な可変式力行リミッタ、および、前記電力指令値に対する可変回生リミット値を最適回生リミット値に応じて変更可能な可変式回生リミッタを有する力行・回生電力リミット制御手段と、
    前記交流系側および前記直流系側における運転状況変化を反映する検出値に対応して前記可変力行リミット値と前記可変回生リミット値で定まる範囲内に収まるようにして求められたリアルタイムに連続変化する前記最適力行リミット値を決定し、その最適力行リミット値を前記可変式力行リミッタにフィードバックする最適力行リミット値決定手段と、
    前記交流系側および前記直流系側における運転状況変化を反映する検出値に対応して前記可変力行リミット値と前記可変回生リミット値で定まる範囲内に収まるようにして求められたリアルタイムに連続変化する前記最適回生リミット値を決定し、その最適回生リミット値を前記可変式回生リミッタにフィードバックする最適回生リミット値決定手段とを備え、
    前記最適力行リミット値および前記最適回生リミット値によりリミットされた前記電力指令値を前記インバータ制御部に送出することを特徴とする双方向インバータ。
  2. 前記最適力行リミット値決定手段は、充電禁止電圧に対する蓄電池電圧の検出値の偏差に対して上下限リミットをかけた結果の第1のリミット値と、双方向インバータからの力行電力の指令値に対して上限リミットをかけた結果の1つ以上の第2のリミット値とのうちから最小のリミット値を選択し、前記最適力行リミット値として出力するように構成され、
    前記最適回生リミット値決定手段は、放電禁止電圧に対する蓄電池電圧の検出値の偏差に対して上下限リミットをかけた結果の第4のリミット値と、双方向インバータからの回生電力の指令値に対して下限リミットをかけた結果の1つ以上の第5のリミット値とのうちから最大のリミット値を選択し、前記最適回生リミット値として出力するように構成されている請求項1に記載の双方向インバータ。
  3. 前記最適力行リミット値決定手段は、
    充電禁止電圧と蓄電池電圧の検出値との偏差を算出する第1の減算手段と、
    前記第1の減算手段の出力に対して上下限リミットをかけて第1のリミット値候補を出力する第1のリミッタと、
    最大充電電力値と発電電力の検出値との偏差を算出する第2の減算手段と、
    前記第2の減算手段の出力に対して上限リミットをかけて第2のリミット値候補を出力する第2のリミッタと、
    最大受電電力値と負荷電力の検出値との偏差を算出する第3の減算手段と、
    前記第3の減算手段の出力に対して上限リミットをかけて第3のリミット値候補を出力する第3のリミッタと、
    前記第1ないし第3のリミット値候補のうちから最小のものを選択し、前記最適力行リミット値として出力する最小値選択手段とを有し、
    前記最適回生リミット値決定手段は、
    放電禁止電圧と蓄電池電圧の検出値との偏差を算出する第4の減算手段と、
    前記第4の減算手段の出力に対して上下限リミットをかけて第4のリミット値候補を出力する第4のリミッタと、
    逆潮流制限電力値と負荷電力の検出値との偏差を算出する第5の減算手段と、
    前記第5の減算手段の出力に対して下限リミットをかけて第5のリミット値候補を出力する第5のリミッタと、
    前記第4ないし第5のリミット値候補のうちから最大のものを選択し、前記最適回生リミット値として出力する最大値選択手段とを有している請求項1に記載の双方向インバータ。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の双方向インバータが電力系統および負荷に繋がる交流系と蓄電池および直流電源に繋がる直流系との間に介在されている蓄電システム。
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