JP7014985B1 - 情報処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】機器の各々に同一の内容により調整させる皮相電力に関する情報を出力する場合に比べて、機器ごとに適した調整の内容により電線における皮相電力を調整する。【解決手段】電線を識別する電線識別情報を取得する電線情報取得手段と、自装置を制御するとともに電線における皮相電力の調整が可能であり電線から配電用変圧器を介して電力を受給する機器を識別する機器識別情報を取得する機器情報取得手段と、電線における皮相電力に関する電力情報を取得する電力情報取得手段と、複数の電線のうちの何れかが皮相電力について定められた電力条件を満たす場合に、複数の機器のうちの特定の機器の各々に調整させる機器に応じた皮相電力に関する情報であって、電力情報を踏まえた情報を出力する出力手段と、を備え、特定の機器は、複数の機器のうちの、電力条件を満たす電線に係る電線識別情報に関連付けられた機器識別情報から特定される機器であることを特徴とする情報処理システム。【選択図】図7

Description

本開示は、情報処理システムに関する。
特許文献1には、配電線電圧測定値が規定電圧範囲を逸脱したと判定された場合、最適化部は、PCS管理テーブルに格納されている対象PCSの電圧-無効電力制御レベルを一つ増加させる電力系統制御システムが記載されている。
特許第6450142号公報
情報処理システムでは、電線における皮相電力を機器に調整させることがある。ここで、電線における皮相電力の調整に関して機器ごとに与える指示の内容が同一である場合、機器によっては調整の内容が適切ではない場合がある。
本開示は、機器の各々に同一の内容により調整させる皮相電力に関する情報を出力する場合に比べて、機器ごとに適した調整の内容により電線における皮相電力を調整することを目的とする。
本開示の情報処理システムは、電線を識別する電線識別情報を取得する電線情報取得手段と、自装置を制御するとともに前記電線における皮相電力の調整が可能であり当該電線から配電用変圧器を介して電力を受給する機器を識別する機器識別情報を取得する機器情報取得手段と、前記電線における皮相電力に関する電力情報を取得する電力情報取得手段と、複数の前記電線のうちの何れかが皮相電力について定められた電力条件を満たす場合に、複数の前記機器のうちの特定の機器の各々に調整させる機器に応じた皮相電力に関する情報であって、前記電力情報を踏まえた情報を出力する出力手段と、を備え、前記特定の機器は、複数の前記機器のうちの、前記電力条件を満たす前記電線に係る前記電線識別情報に関連付けられた前記機器識別情報から特定される機器であることを特徴とする情報処理システムである。この場合、機器の各々に同一の内容により調整させる皮相電力に関する情報を出力する場合に比べて、機器ごとに適した調整の内容により電線における皮相電力を調整することができる。
ここで、情報処理システムは、前記電線における皮相電力の前記機器による前記調整の能力に基づき、複数の前記機器のうちの、前記電力条件を満たす前記電線についての当該調整に用いる機器を決定する機器決定手段をさらに備えても良い。この場合、電線における皮相電力の調整に適した調整の能力を有する機器に皮相電力を調整させることができる。
また、機器決定手段は、前記能力について定められた能力条件を満たす前記機器を、前記調整に用いる機器に決定しても良い。この場合、能力条件を満たさない機器が電線における皮相電力の調整に用いられることを防止することができる。
また、能力条件は、前記能力と、前記電力条件を満たす前記電線について必要な前記調整の程度との関係から定められても良い。この場合、電力条件を満たす電線について必要な調整の程度に対して適した調整の能力を有する機器に皮相電力を調整させることができる。
また、能力条件を満たす前記機器には、前記能力が第1能力である第1機器と、当該能力が当該第1能力よりも高い第2能力である第2機器とがあり、前記機器決定手段は、前記第2機器を前記調整に用いる機器に決定し、前記第1機器を当該調整に用いる機器に決定しなくても良い。この場合、電線における皮相電力の調整の能力が高い機器を優先的に調整に用いることができる。
また、機器決定手段は、前記第1機器を前記調整に用いることなく前記第2機器を当該調整に用いる場合において、当該調整の対象になる前記電線が前記電力条件を満たさなくなる場合、当該第1機器を当該調整に用いない機器に決定しても良い。この場合、第1機器に調整のための負荷を与えることなく電線における皮相電力を改善することができる。
また、出力手段は、前記電線における皮相電力の前記機器による前記調整の能力を踏まえた前記情報を出力しても良い。この場合、機器による調整の能力に対して適した調整の内容により機器に皮相電力を調整させることができる。
また、出力手段は、前記能力と、前記電力条件を満たす前記電線について必要な前記調整の程度との関係を踏まえた前記情報を出力しても良い。この場合、電力条件を満たす電線について必要な調整の程度に対する機器の調整の能力について適した調整の内容により機器に皮相電力を調整させることができる。
また、出力手段は、前記電力条件を満たす前記電線についての前記調整に用いられる機器の数を踏まえた前記情報を出力しても良い。この場合、電線における皮相電力の調整に用いられる数に対して適した調整の内容により機器に皮相電力を調整させることができる。
また、前記電線には、前記配電用変圧器よりも電力の供給側に設けられた第1電線と、当該第1電線よりも電力の受給側であって当該配電用変圧器よりも電力の供給側に設けられた第2電線とが含まれ、前記第2電線を介して電力を受給する前記機器に係る前記機器識別情報は、前記第1電線に係る前記電線識別情報と当該第2電線に係る前記電線識別情報とに関連付けられても良い。この場合、第2電線を介して電力を受給する機器を、第2電線における皮相電力の調整のみならず、第1電線における皮相電力の調整に用いることができる。
また、前記電線には、前記第1電線よりも電力の受給側であって前記配電用変圧器よりも電力の供給側に設けられた第3電線がさらに含まれ、前記第2電線を介して電力を受給せず前記第3電線を介して電力を受給する前記機器に係る前記機器識別情報は、前記第1電線に係る前記電線識別情報と当該第3電線に係る前記電線識別情報とに関連付けられても良い。この場合、第2電線を介して電力を受給する機器、および第3電線を介して電力を受給する機器を、何れも、第1電線における皮相電力の調整に用いることができる。
また、情報処理システムは、前記電力条件を満たす複数の前記電線のうちの、皮相電力を優先的に調整する電線を決定する電線決定手段をさらに備えても良い。この場合、皮相電力の調整の必要性が高い電線から皮相電力を調整することができる。
また、前記電線には、前記配電用変圧器よりも電力の供給側に設けられた第1電線と、当該第1電線よりも電力の受給側であって当該配電用変圧器よりも電力の供給側に設けられた第2電線とが含まれ、前記電線決定手段は、前記第1電線および前記第2電線が何れも前記電力条件を満たす場合に、当該第1電線を当該第2電線よりも優先的に調整する電線に決定しても良い。この場合、電線における皮相電力の改善の効率を向上させることができる。
また、電線決定手段は、前記電力条件を満たす複数の前記電線の各々についての、前記電線における皮相電力に基づいて、皮相電力を優先的に調整する電線を決定しても良い。この場合、電線の不安定性を踏まえて、皮相電力を調整する電線を決定することができる。
また、前記電線には、前記機器から供給される電流が流れる第1電線および第2電線が含まれ、前記出力手段は、前記第1電線が前記電力条件を満たす場合に、前記第2電線における皮相電力を踏まえた前記情報を出力しても良い。この場合、第2電線における皮相電力について適した調整の内容により第1電線における皮相電力を調整することができる。
また、前記第1電線には、当該第1電線の調整に用いられる前記機器から供給される電流が、前記第2電線を経て流れても良い。この場合、第1電線における皮相電力の機器による調整において電流が流れる電線について適した調整の内容により第1電線における皮相電力を調整することができる。
また、情報処理システムは、前記第2電線の皮相電力に関する容量までの余裕に基づいて、前記第1電線における皮相電力の調整を制限する制限手段をさらに備えても良い。この場合、第1電線における皮相電力の調整を制限しない場合に比べて、第1電線における皮相電力を調整する場合において第2電線に関する不具合が発生することを抑制できる。
また、出力手段は、前記電力条件を満たす前記電線の皮相電力に関する容量までの余裕を踏まえた前記情報を出力しても良い。この場合、電力条件を満たす電線の皮相電力に関する容量までの余裕について適した調整の内容により電線における皮相電力を調整することができる。
また、出力手段は、前記機器に調整させる力率に関して前記余裕を踏まえた前記情報を出力しても良い。この場合、電力条件を満たす電線の皮相電力に関する容量に対して適した力率により電線における皮相電力を調整することができる。
第1の実施形態に係る電力制御システムの一例を示した図である。 指示サーバおよび受信サーバのハードウエアの構成を示した図である。 指示サーバの機能構成を示した図である。 電線管理テーブルを示した図である。 機器管理テーブルを示した図である。 電線決定処理の流れを示したフローチャートである。 指示出力処理の流れを示したフローチャートである。 第2の実施形態に係る電力制御システムの一例を示した図である。 発電所管理テーブルを示した図である。 電線等管理テーブルを示した図である。 第2の実施形態の機器管理テーブルを示した図である。 第2の実施形態の電線決定処理の流れを示したフローチャートである。 第2の実施形態の指示出力処理の流れを示したフローチャートである。
<第1の実施形態>
以下、添付図面を参照して実施の形態について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る電力制御システム1の一例を示した図である。
情報処理システムの一例としての電力制御システム1は、皮相電力を制御するシステムである。
電力制御システム1には、電力系統10と、複数の機器20と、複数の負荷30と、指示サーバ40と、受信サーバ50とが設けられている。
電力系統10は、電力の需要家に電力を供給するための設備が設けられているシステムである。電力系統10には、発電所11、送電線12、供給側変電所13、供給側配電線14、自動電圧調整器(SVR:Step Voltage Regulator)15、受給側変電所16、受給側配電線17、柱上変圧器18、および需要家側配電線19が設けられている。
発電所11は、発電をする設備である。発電所11としては、例えば、火力発電所、水力発電所、原子力発電所、太陽光発電所、風力発電所、地熱発電所等が挙げられる。
送電線12は、発電所11に生成された電力を構成する電流が流れる線路である。送電線12は、発電所11から供給側変電所13にわたって設けられている。
供給側変電所13は、電圧を変換する設備である。供給側変電所13は、受給側変電所16よりも、電力の供給側に設けられている。本実施形態では、電力における最も供給側に位置する設備は、発電所11である。また、電力における最も受給側に位置する設備は、機器20や負荷30等である。
供給側変電所13は、送電線12を通じて供給された電圧を変換する。供給側変電所13としては、例えば、50万Vの電圧を15.4万Vに変換する変電所、15.4万Vの電圧を6.6万Vに変換する変電所、6.6万Vの電圧を2.2万Vに変換する変電所等が挙げられる。
第1電線の一例としての供給側配電線14は、供給側変電所13に変換された電圧が印加されて生じる電流が流れる線路である。供給側配電線14は、供給側変電所13から受給側変電所16にわたって設けられている。また、供給側配電線14は、受給側配電線17よりも電力の供給側に設けられている。
SVR15は、供給側配電線14に供給される電圧を調整する。より具体的には、SVR15は、供給側配電線14に供給される電圧を検出する。そして、SVR15は、検出した電圧が予め定められた範囲でない場合に、この電圧が予め定められた範囲に収まるように、電圧を調整する。
受給側変電所16は、供給側配電線14を通じて供給された電圧を変換する設備である。そのため、受給側変電所16に設けられている変圧器(不図示)は、配電用変圧器として捉えられる。受給側変電所16としては、例えば、供給された電圧を6600Vに変換する変電所等が挙げられる。
第2電線の一例としての受給側配電線17は、受給側変電所16に変換された電圧が印加されて生じる電流が流れる線路である。受給側配電線17は、受給側変電所16から柱上変圧器18にわたって設けられている。なお、本実施形態では、供給側配電線14および受給側配電線17を特に区別することなく説明する場合、単に「電線」と称することがある。
配電用変圧器の一例としての柱上変圧器18は、受給側配電線17を通じて供給された電圧を変換する設備である。柱上変圧器18としては、例えば、6600Vの電圧を200Vに変換する変圧器や、6600Vの電圧を100Vに変換する変圧器等が挙げられる。
需要家側配電線19は、柱上変圧器18に変換された電圧が印加されて生じる電流が流れる線路である。電力系統10には、複数の需要家側配電線19が設けられている。複数の需要家側配電線19の一部は、柱上変圧器18から機器20にわたって設けられ、複数の需要家側配電線19の他の一部は、柱上変圧器18から負荷30にわたって設けられている。
また、電力系統10には、複数の電線用センサ10Sが設けられている。電線用センサ10Sは、供給側配電線14に接続されている。より具体的には、電線用センサ10Sは、供給側配電線14のうちのSVR15よりも電力の供給側の部分に接続されている。また、電線用センサ10Sは、それぞれ、電力系統10に設けられている受給側配電線17の各々に接続されている。言い換えると、電線用センサ10Sは、供給側配電線14および受給側配電線17ごとに設けられている。
電線用センサ10Sは、接続されている電線における皮相電力に関するパラメータを検出する。皮相電力に関するパラメータとは、皮相電力に影響を及ぼすパラメータである。皮相電力に関するパラメータとしては、例えば、皮相電力、無効電力、無効電圧、高調波電圧、電流、力率、予め定められた期間における皮相電力量や無効電力量等が挙げられる。皮相電力に関するパラメータとしての電流には、高調波電流が含まれる。また、高調波電圧や高調波電流としては、特定の次数の高調波電圧や高調波電流であってもよい。特定の次数としては、例えば、第5次の高調波が挙げられる。また、皮相電力に関するパラメータとしては、例えば、電流の総合高調波歪み率(THD:Total Harmonic Distortion)や電圧のTHD等が挙げられる。ここで、電流のTHDは、下記式(1)から算出される。また、電圧のTHDは、下記式(2)から算出される。
Figure 0007014985000002
上記式(1)において、Iは基本波電流である。また、Iはn次高調波電流である。
上記式(2)において、Vは基本波電圧である。また、Vはn次高調波電圧である。
電線用センサ10Sは、例えば、予め定められた時間ごとに、皮相電力に関する上記のパラメータを検出する。予め定められた時間としては、何れの時間でもよいが、例えば、60秒である。そして、電線用センサ10Sは、皮相電力に関するパラメータを検出すると、検出したパラメータが示された情報を、検出の対象である電線を識別する電線識別情報とともに、指示サーバ40へ送信する。ここで、電線用センサ10Sに検出されたパラメータが示された情報は、電線における皮相電力に関する電力情報として捉えられる。
なお、電線用センサ10Sが検出するパラメータは、一種類のパラメータに限定されない。電線用センサ10Sは、上述したパラメータのうちの複数種類のパラメータを検出してもよい。そして、検出した複数種類の各々のパラメータが示された電力情報を指示サーバ40へ送信してもよい。また、電線用センサ10Sに検出されるパラメータは、電線用センサ10Sごとに同じ種類のパラメータであっても良いし、電線用センサ10Sごとに異なる種類のパラメータであっても良い。
また、図示の例では、電力系統10に一つの供給側変電所13が示されているが、供給側変電所13の数は図示の一つには限定されない。電力系統10には、変換する電圧が同じまたは異なる二つ以上の供給側変電所13が設けられても良い。
また、図示の例では、電力系統10に一つの受給側変電所16が示されているが、受給側変電所16の数は図示の一つには限定されない。電力系統10には、変換する電圧が同じまたは異なる二つ以上の受給側変電所16が設けられても良い。
また、供給側配電線14や受給側配電線17の数は、図示の例に限定されない。電力系統10には、図示した数よりも多くの供給側配電線14や受給側配電線17が設けられてもよい。また、供給側配電線14ごとに電線用センサ10Sが設けられても良いし、受給側配電線17ごとに電線用センサ10Sが設けられても良い。
機器20は、需要家側配電線19を通じて発電所11から供給された電力を受給して消費する。また、本実施形態では、各機器20に、電力系統10に電流を供給する電流供給装置21が設けられている。電流供給装置21は、この電流供給装置21が設けられている機器20を制御するとともに、電線における皮相電力に関する上記のパラメータを調整することができる。
電流供給装置21が機器20の動作を制御する手法の一例を説明する。機器20が空気調和装置である場合において、電流供給装置21の一例としてのアクティブフィルタは、空気調和装置に設けられているインバータやコンバータ等の電力変換部の受電経路に電流を供給することにより、力率の改善や高調波の低減を図る。
電流供給装置21が機器20の動作を制御する手法の他の一例を説明する。機器20が太陽光発電装置である場合において、電流供給装置21の一例としての電力変換部は、電力系統10から受給した交流を直流に変換して自装置に供給したり、自装置において生成された直流を交流に変換して電力系統10へ供給したりする。
電線における皮相電力に関するパラメータの機器20による調整の手法の一例を説明する。電線において高調波電流が生じている場合において、機器20の電流供給装置21が、この高調波電流を打ち消す位相の電流を電線に供給することにより、電線における高調波電流を低減する。
電線における皮相電力に関するパラメータの機器20による調整の手法の他の一例を説明する。電線に無効電力が生じている場合において、機器20の電流供給装置21が電線に電流を供給することにより、電線における無効電力を低減する。
このように、本実施形態では、機器20を用いて電線における皮相電力に関するパラメータを調整する。ここで、皮相電力に関するパラメータが変化することに伴い、皮相電力も変化する。そのため、皮相電力に関する上記の各パラメータの調整は、広義には、皮相電力の調整として捉えられる。以下では、調整の対象としての皮相電力に関する各パラメータを、「皮相電力」と総称することがある。
機器20としては、例えば、電気自動車、蓄電池等が挙げられる。また、機器20としては、例えば、太陽光発電システムや風力発電システム等の再生可能エネルギーを生成するシステム等が挙げられる。さらに、機器20としては、例えば、ヒートポンプシステムが挙げられる。ヒートポンプシステムとしては、空気調和装置、内部の温度を調和するショーケース、冷蔵機、冷凍機、給湯器等の、HVAC(Heating Ventilation and Air Conditioning)システムに用いられる機器が挙げられる。
機器20は受信サーバ50から電線における皮相電力の調整の指示を受けると、受けた指示に応じて、電線における皮相電力を調整する。
なお、機器20は、上記の具体例には限定されない。機器20としては、上述の通り、電流供給装置21が設けられるものが用いられるものであれば良い。
また、本実施形態の電力制御システム1には、複数の機器用センサ20Sが設けられている。本実施形態では、機器20ごとに機器用センサ20Sが設けられている。機器用センサ20Sは、予め定められた時間ごとに、機器20の電流供給装置21から供給されている電流値を検出する。予め定められた時間としては、何れの時間でも良いが、例えば、60秒である。機器用センサ20Sは、電流値を検出すると、検出した電流値が示された電流値情報を、検出の対象である機器20を識別する機器識別情報とともに、受信サーバ50へ送信する。
負荷30は、需要家側配電線19を通じて発電所11から供給された電力を受給して消費する。
なお、図示の例では、需要家側配電線19ごとに一つの機器20または一つの負荷30が接続されているが、これに限定されない。需要家側配電線19には、複数の機器20や複数の負荷30が接続されても良い。また、電力制御システム1に設けられる機器20の数や負荷30の数は、図示の例に限定されない。電力制御システム1には、図示した数よりも多くの機器20や負荷30が需要家側配電線19に接続されても良い。
指示サーバ40は、電線における皮相電力を制御するサーバ装置である。指示サーバ40は、電線用センサ10Sから電力情報を取得すると、取得した電力情報から、電線における皮相電力を調整する必要があるか否かを判定する。そして、指示サーバ40は、皮相電力を調整する必要があると判定した場合に、機器20に応じた調整の指示を、受信サーバ50へ送信する。
受信サーバ50は、指示サーバ40から電線における皮相電力の調整について指示サーバ40から取得した指示を、機器20に与えるサーバ装置である。本実施形態では、受信サーバ50は、柱上変圧器18ごとに設けられている。一の受信サーバ50は、対応する柱上変圧器18を経て電力を受給する機器20を管理する。受信サーバ50は、機器用センサ20Sから電流値情報を取得すると、取得した電流値情報から、電線における皮相電力の調整のために機器20の電流供給装置21が供給できる電流値、単位時間あたりの電流若しくは所定時間における電流値を算出する。電線における皮相電力の調整のために機器20の電流供給装置21が供給できる電流値、単位時間あたりの電流値および所定時間における電流値を、以下では、調整可能量と称する。
受信サーバ50が機器20の調整可能量を算出する手法の一例を説明する。受信サーバ50には、機器20ごとに、機器20の電流供給装置21が供給できる電流の最大値が予め記憶されている。そして、受信サーバ50は、電流値情報を取得すると、機器20の電流供給装置21が供給できる電流の最大値から、電流値情報に示された電流値を減算した値を、この機器20の調整可能量として算出する。
受信サーバ50は、算出した調整可能量が示された可能量情報を、対象の機器20を識別する機器識別情報とともに、指示サーバ40へ送信する。また、受信サーバ50は、指示サーバ40から、電線における皮相電力の機器20による調整の指示を受信する。受信サーバ50は、指示を受信すると、受信した指示に示された機器20に対して、受信した指示を伝える。
指示サーバ40や受信サーバ50は、例えば、コンピュータにより実現される。指示サーバ40や受信サーバ50は、単一のコンピュータにより構成しても良いし、複数のコンピュータによる分散処理により実現しても良い。また、指示サーバ40や受信サーバ50は、クラウドコンピューティングにより提供される仮想的なハードウエア上にて実現しても良い。なお、以下では、指示サーバ40および受信サーバ50を特に区別することなく説明する場合、単に「サーバ」と称することがある。
本実施形態では、指示サーバ40と、各電線用センサ10Sおよび各受信サーバ50とは、ネットワーク(不図示)を介して接続されている。また、受信サーバ50と各機器用センサ20Sとは、ネットワーク(不図示)を介して接続されている。これらのネットワークは、データの送受信が可能であれば良い。また、データの送受信に用いられる通信回線は、有線であっても無線であっても良いし、電力線通信(PLC:Power Line Communication)であっても良い。また、複数のネットワークや通信回線を介して通信先に接続される構成であっても良い。
また、図示の例では、柱上変圧器18ごとに受信サーバ50が設けられているが、これに限定されない。受信サーバ50は、例えば、機器20ごとに設けられても良い。また、機器20や負荷30が設定される施設(不図示)ごとに受信サーバ50が設けられてもよい。
図2は、指示サーバ40および受信サーバ50のハードウエアの構成を示した図である。
サーバには、CPU41、ROM(Read Only Memory)42、RAM(Random Access Memory)43が設けられている。また、サーバには、ハードディスク装置などにより構成され、情報を記憶する記憶装置45が設けられている。さらに、サーバには、外部との通信を行う通信装置44(通信I/F)が設けられている。
この他、サーバには、キーボード、マウス等の情報の入力に用いられる入力用装置、液晶ディスプレイ等の表示装置が設けられている。
ROM42、記憶装置45は、CPU41により実行されるプログラムを記憶する。CPU41は、ROM42や記憶装置45に記憶されているプログラムを読み出し、RAM43を作業エリアにしてプログラムを実行する。
CPU41により、ROM42や記憶装置45に格納されたプログラムが実行されることで、後述する各機能部が実現される。
ここで、CPU41によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、サーバへ提供できる。また、CPU41によって実行されるプログラムは、インターネットなどの通信手段を用いて、サーバへ提供しても良い。
図3は、指示サーバ40の機能構成を示した図である。
指示サーバ40には、取得部401、記憶部402、決定部403、必要量算出部404、抽出部405、調整量算出部406、および送信部407が設けられている。
電力情報取得手段の一例としての取得部401は、電線用センサ10Sから、電力情報および電線識別情報を取得する。そのため、取得部401は、電線識別情報を取得する電線情報取得手段としても捉えられる。また、取得部401は、受信サーバ50から、可能量情報および機器識別情報を取得する。そのため、取得部401は、機器識別情報を取得する機器情報取得手段としても捉えられる。取得部401に取得された情報は、記憶部402に記憶される。
記憶部402は、情報を記憶する。記憶部402に記憶される情報については、後に詳述する。
電線決定手段の一例としての決定部403は、皮相電力の調整が必要な電線を決定する。決定部403は、電力情報が取得部401に取得されると、取得された電力情報に基づいて、電線における皮相電力の調整が必要であるか否かを判定する。より具体的には、決定部403は、電力情報に示されたパラメータが、予め定められた閾値に達した場合に、電線における皮相電力の調整が必要であると判定する。この閾値は、電線における皮相電力の改善が必要になる閾値として定められる。
必要量算出部404は、皮相電力の調整が必要と決定部403に決定された電線について、皮相電力の調整のために必要な電流値、単位時間あたりの電流値若しくは所定時間における電流値を算出する。皮相電力の調整のために必要な電流値、単位時間あたりの電流値および所定時間における電流値を、以下では、調整必要量と称する。必要量算出部404は、調整が必要であると決定部403に決定された電線についての電力情報に示されたパラメータと、決定部403による判定に用いられた閾値との関係から、調整必要量を算出する。
必要量算出部404が調整必要量を算出する手法の一例を説明する。電力情報に示されたパラメータと、決定部403に用いられた閾値との差が大きいほど、必要量算出部404は、調整必要量を大きく算出する。
機器決定手段の一例としての抽出部405は、電線における皮相電力の調整に用いる機器20の候補を抽出する。抽出部405は、電力制御システム1に設けられている機器20のうちの、決定部403に調整が必要であると決定された電線を通じて電力を受給する機器20を、この電線の調整に用いる機器20の候補として抽出する。
調整量算出部406は、電線における皮相電力を調整するために機器20の電流供給装置21に供給させる電流値、単位時間あたりの電流値若しくは所定時間における電流値を決定する。電線における皮相電力を調整するために機器20の電流供給装置21に供給させる電流値、単位時間あたりの電流値および所定時間における電流値を、以下では、調整量と称する。調整量算出部406は、必要量算出部404に算出された調整必要量、および機器20の調整可能量に基づいて、調整量を算出する。調整量算出部406は、算出した調整量が示された調整量情報を生成する。
出力手段の一例としての送信部407は、調整量算出部406に生成された調整量情報を、この調整量情報に係る機器20を識別する機器識別情報とともに、受信サーバ50へ送信する。
図4は、電線管理テーブルを示した図である。電線管理テーブルは、電線を管理するためのテーブルである。電線管理テーブルは、記憶部402に記憶されている。
電線管理テーブルでは、「電線」に、電線識別情報が示されている。「電線」に示された「14」は、供給側配電線14であることを意味する。また、「電線」に示された「17」は、受給側配電線17であることを意味する。また、「17」とともに付された「A」乃至「E」は、それぞれ、複数の受給側配電線17のうちの何れであるかを識別するための情報である。
また、電線管理テーブルでは、「位置」に、「電線」の電力系統10における位置に関する情報が示されている。「位置」には、「供給側」および「受給側」が示されている。「供給側」は、「受給側」よりも、電力系統10における電力の供給側であることを意味する。
また、電線管理テーブルでは、「電力情報」に、電力情報に含まれるパラメータが示されている。このパラメータは、電線用センサ10Sに検出された「電線」における皮相電力に関するパラメータである。最新の電力情報が取得部401に取得されると、この電力情報に含まれるパラメータが、対象の「電線」に関連付けられた「電力情報」に上書きされる。
また、電線管理テーブルでは、「閾値」に、「電線」における皮相電力について設定された閾値が示されている。この「閾値」は、上述の通り、電線における皮相電力の調整が必要であるか否かについての決定部403の判定に用いられる閾値である。「閾値」には、「電線」における皮相電力の調整が不要と決定部403に判定される「電力情報」の上限値を上回る値が設定されてもよいし、下限値を下回る値が設定されても良いし、両方が設定されても良い。また、「閾値」には、数値の範囲が設定されても良い。また、「閾値」には、皮相電力に関する上記のパラメータごとの閾値が設定されても良い。
閾値について、一例を説明する。決定部403による判定の対象になるパラメータが力率である場合において、閾値を、予め定められた力率とする。予め定められた力率は、何れの値であってもよいが、例えば、0.7である。この場合、対象の「電線」における「電力情報」に示された力率が0.7以下である場合、この「電線」における力率の調整が必要であると決定部403に判定される。
閾値について、他の一例を説明する。決定部403による判定の対象になるパラメータが無効電力である場合において、閾値を、予め定められた無効電力に対する所定の範囲とする。所定の範囲は、何れの範囲であってもよいが、例えば、予め定められた無効電力±10%の範囲である。この場合、対象の「電線」における「電力情報」に示された無効電力が予め定められた無効電力±10%の範囲外である場合、この「電線」における無効電力の調整が必要であると決定部403に判定される。
電線管理テーブルに示された「位置」および「閾値」は、電力制御システム1のユーザによって、「電線」ごとに予め設定される。
電線管理テーブルの内容について、一例を説明する。「電線」の「17A」から特定される受給側配電線17は、「位置」として「受給側」が設定され、「電力情報」として「P2」が示され、「閾値」として「T2」が設定されている。
図5は、機器管理テーブルを示した図である。機器管理テーブルは、機器20を管理するためのテーブルである。機器管理テーブルは、記憶部402に記憶されている。
機器管理テーブルでは、「機器」に、機器識別情報が示されている。「機器」の「20」とともに付された「A」乃至「J」は、それぞれ、複数の機器20のうちの何れであるかを識別するための情報である。
また、機器管理テーブルでは、「経由電線」に、電線識別情報が示されている。「経由電線」に示された電線識別情報は、「機器」への電力の供給において経由された電線の電線識別情報である。また、「経由電線」の「供給側」には、電線管理テーブル(図4参照)における「供給側」に関連付けられた「電線」が示されている。また、「経由電線」の「受給側」には、電線管理テーブルにおける「受給側」に関連付けられた「電線」が示されている。
機器管理テーブルでは、「経由電線」の「14」には十の「機器」が関連付けられているのに対し、「経由電線」の「17A」乃至「17E」には、それぞれ、二つの「機器」が関連付けられている。言い換えると、本実施形態では、一の受給側配電線17を経由して電力が供給される機器20の数よりも、一の供給側配電線14を経由して電力が供給される機器20の数の方が多くなっている。
機器管理テーブルに示された「経由電線」は、電力制御システム1のユーザによって予め設定される。
また、機器管理テーブルでは、「調整可能量」に、「機器」について受信サーバ50に算出された調整可能量が示されている。最新の可能量情報が取得部401に取得されると、取得された可能量情報に示された調整可能量が、対象の「機器」に関連付けられた「調整可能量」に上書きされる。
機器管理テーブルの内容について、一例を説明する。「機器」の「20A」から特定される機器20は、「経由電線」の「供給側」として「14」が設定され、「経由電線」の「受給側」として「17A」が設定され、「調整可能量」として「50」が示されている。
図6は、電線決定処理の流れを示したフローチャートである。電線決定処理は、指示サーバ40が、皮相電力を調整する対象の電線を決定する処理である。電線決定処理は、予め定められた時間ごとに行われる。予め定められた時間としては、何れの時間でも良いが、例えば60秒である。
なお、皮相電力の調整中である電線が存在する場合、この電線についての電線決定処理は行われなくても良い。
決定部403は、皮相電力を調整するか否かの判定に用いられてない最新の電力情報が存在するか否かを判定する(ステップ(以下、Sと称する)101)。より具体的には、決定部403は、電線管理テーブル(図4参照)を参照する。そして、電線管理テーブルに示された「電力情報」のうち、皮相電力を調整するか否かの判定に用いられていない電力情報が存在するか否かを判定する。
判定に用いられていない電力情報が存在しない場合(S101にてNO)、電線決定処理が終了する。
一方、判定に用いられていない電力情報が存在する場合(S101にてYES)、次のステップに進む。
決定部403は、判定に用いられていない一の電力情報に係る電線について、皮相電力の調整の要否を判定する(S102)。より具体的には、決定部403は、電線管理テーブルを参照する。そして、対象の「電線」に関連付けられた「電力情報」が、この「電線」に関連付けられた「閾値」に達しているか否かにより、「電線」における皮相電力の調整が必要であるか否かを決定する。
決定部403は、皮相電力を調整するか否かの判定に用いられていない電力情報が存在しなくなったか否かを判定する(S103)。判定に用いられていない電力情報が存在する場合(S103にてNO)、決定部403は判定に用いられていない電力情報について、ステップ102以降の処理を繰り返す。言い換えると、決定部403は、判定に用いられていない全ての電力情報について、皮相電力の調整が必要であるか否かを判定する。
一方、判定に用いられていない電力情報が存在しなくなった場合(S103にてYES)、次のステップに進む。
決定部403は、皮相電力の調整が必要であると判定した電線が存在するか否かを判定する(S104)。皮相電力の調整が必要であると判定した電線が存在しない場合(S104にてNO)、電線決定処理が終了する。
一方、皮相電力の調整が必要であると決定部403に判定された電線が存在する場合(S104にてYES)、次のステップに進む。
決定部403は、皮相電力の調整が必要であると判定した電線の数が一つであるか否かを判定する(S105)。皮相電力の調整が必要であると判定された電線の数が一つである場合(S105にてYES)、決定部403は、皮相電力の調整が必要であると判定した電線を、皮相電力を調整する対象の電線に決定する(S106)。
皮相電力の調整が必要であると決定部403に判定された電線が複数存在する場合(S105にてNO)、決定部403は、この複数の電線に、供給側配電線14が含まれているか否かを判定する(S107)。より具体的には、決定部403は、電線管理テーブルを参照する。そして、皮相電力の調整が必要であると判定した各「電線」の中に、「位置」が「供給側」である「電線」が存在するか否かにより、上記の判定をする。複数の電線に供給側配電線14が含まれている場合(S107にてYES)、決定部403は、供給側配電線14を、皮相電力を調整する対象の電線に決定する(S108)。
また、複数の電線に供給側配電線14が含まれていない場合(S107にてNO)、この複数の電線が、何れも受給側配電線17であることを意味する。この場合、決定部403は、この複数の電線の各々を、皮相電力を調整する対象に決定する(S109)。
図7は、指示出力処理の流れを示したフローチャートである。指示出力処理は、指示サーバ40が、電線における皮相電力の調整についての機器20への指示を出力する処理である。電線決定処理(図6参照)において皮相電力を調整する対象の電線が決定されると、指示出力処理が開始される。
なお、電線決定処理において、皮相電力を調整する対象の電線として複数の電線が決定された場合(図6のS109参照)、この複数の電線の各々について、指示出力処理が行われる。また、電線決定処理において皮相電力を調整する対象の電線として決定部403に決定された電線を、以下では、調整対象電線と称する。
必要量算出部404は、調整対象電線についての調整必要量を算出する(S201)。より具体的には、必要量算出部404は、電線管理テーブル(図4参照)を参照する。そして、調整対象電線についての「電力情報」と「閾値」との差に応じて、調整必要量を算出する。
抽出部405は、調整対象電線における皮相電力の調整に用いる機器20の候補を抽出する。より具体的には、抽出部405は、機器管理テーブル(図5参照)を参照する。そして、調整対象電線に係る電線識別情報が「経由電線」に関連付けられた「機器」を、調整に用いる機器20の候補として抽出する(S202)。
抽出部405による抽出の手法の例について説明する。電線識別情報が「17A」である受給側配電線17が調整対象電線である場合、抽出部405は、機器管理テーブルにおける「経由電線」に「17A」が関連付けられている「20A」および「20B」の二つの機器20を抽出する。また、電線識別情報が「14」である供給側配電線14が調整対象電線である場合、抽出部405は、機器管理テーブルにおける「経由電線」に「14」が関連付けられている「20A」乃至「20J」の各機器20を抽出する。
抽出部405は、抽出した機器20から、皮相電力の調整に用いる機器20の候補をさらに限定する。より具体的には、抽出部405は、ステップ202にて抽出した機器20のうちの、予め定められた能力条件を満たす機器20を抽出する(S203)。能力条件とは、機器20の調整可能量について定められた条件である。能力条件は、調整対象電線における皮相電力の調整に対する機器20の寄与の観点から定められる。本実施形態では、能力条件として、機器20の調整可能量が、調整対象電線についての調整必要量の予め定められた割合以上であることが定められる。予め定められた割合は、何れの割合であっても良いが、以下の例では、2%であるものとする。
抽出部405による抽出の手法の例について説明する。この例では、調整対象電線が供給側配電線14であるものとする。また、供給側配電線14についての調整必要量が「100」であるものとする。この場合、能力条件を満たす機器20は、調整必要量である「100」に対して予め定められた割合である2%を乗算して得られる「2」以上の値が調整可能量として設定されている機器20である。そのため、抽出部405は、機器管理テーブルの「調整可能量」に「2」以上の値が示されている「20A」、「20B」、「20C」、「20D」、「20E」、「20G」および「20I」の七つの機器20を抽出する。
調整量算出部406は、抽出部405に抽出された機器20の各々についての調整量を算出する。より具体的には、調整量算出部406は、予め定められた調整態様に基づいて、各機器20の調整量を算出する(S204)。本実施形態では、調整量算出部406は、抽出部405に抽出された機器20のうち、調整可能量が大きい機器20から、機器20の調整可能量に対する予め定められた調整割合を調整量として算出する。予め定められた調整割合は、何れの割合であっても良いが、以下の例では、60%であるものとする。
調整量算出部406による調整量の算出の手法の例について説明する。この例では、調整対象電線が供給側配電線14であり、調整必要量が「100」であるものとする。また、皮相電力の調整に用いられる機器20の候補として、「20A」、「20B」、「20C」、「20D」、「20E」、「20G」および「20I」(図5参照)の七つの機器20が抽出部405に抽出されているものとする。
調整量算出部406は、まず、抽出部405に抽出された七つの機器20のうちの、「調整可能量」が最も大きい「20A」および「20C」の機器20の調整量を算出する。調整量算出部406は、この二つの機器20の「調整可能量」である「50」に対して、予め定められた調整割合である60%を乗算して得られる「30」を、「20A」および「20C」機器20の調整量として算出する。次に、調整量算出部406は、「20A」および「20C」の機器20の次に「調整可能量」が大きい「20B」および「20G」の機器20の調整量を算出する。調整量算出部406は、この二つの機器20の「調整可能量」である「30」に対して60%を乗算して得られる「18」を、「20B」および「20G」の機器20の調整量として算出する。さらに、調整量算出部406は、「20B」および「20G」の機器20の次に「調整可能量」が大きい「20I」の機器20の調整量を算出する。ここで、この機器20の調整可能量である「20」に対して予め定められた調整割合を乗算して得られる値は「12」である。一方、調整必要量である「100」から、「20A」、「20C」、「20B」、および「20G」の機器20について算出した調整量の各々を減算した値は、「100-(30+30+18+18)=4」である。この場合、調整量算出部406は、「20I」の機器20の調整量として、残りの調整必要量である「4」を算出する。
なお、この例では、「20A」、「20B」、「20C」、「20G」、「20I」の機器20が、調整量算出部406に算出された調整量により調整対象電線における皮相電力を調整する場合、調整対象電線における皮相電力が改善され、調整対象電線における皮相電力が閾値に達しなくなる。この場合、抽出部405に抽出された七つの機器20のうちの「20D」および「20E」の機器20は、調整対象電線における皮相電力の調整に用いられない。
このようにすることで、電線における皮相電力の調整の能力が高い機器20を優先的に調整に用いることができる。また、「20D」および「20E」の機器20に調整のための負荷を与えることなく調整対象電線における皮相電力を改善することができる。ここで、調整量算出部406は、広義には、電線における皮相電力の調整に用いる機器20を決定する機器決定手段として捉えられる。
調整量算出部406は、各機器20の調整量を算出すると、調整対象電線における皮相電力の調整を機器20に指示するための指示情報を、調整に用いる機器20ごとに生成する。言い換えると、調整に用いられる機器20の数だけ、指示情報が生成される。また、一の機器20を指示の対象として生成された指示情報には、対象の機器20の調整量を示す情報が指示の内容として含まれる。そのため、各指示情報における指示の内容は、対象の機器20ごとに異なる。
送信部407は、調整量算出部406に生成された指示情報を、指示の対象である機器20を識別する機器識別情報とともに、指示の対象である機器20を管理する受信サーバ50へ送信する(S205)。
その後、受信サーバ50は、指示情報を受信すると、指示の対象である機器20に対して、この機器20を対象として生成された指示情報に示された調整量により調整対象電線における皮相電力を調整することを指示する。機器20は、指示を受けると、電流供給装置21を用いて、指示された調整量の電流を調整対象電線に供給する。
以上の通り、本実施形態では、決定部403は、電力情報が閾値に達した電線を、調整対象電線に決定する。また、必要量算出部404は、調整対象電線に係る電力情報に基づいて、調整必要量を算出する。また、抽出部405は、調整対象電線に係る電線識別情報に関連付けられた機器識別情報から特定される機器20の各々を、調整に用いる機器20として抽出する。そして、調整量算出部406は、必要量算出部404に算出された調整必要量に基づいて、抽出された機器20の各々の調整量を算出する。さらに、送信部407は、機器20ごとの調整量が示された各指示情報を受信サーバ50に送信する。言い換えると、送信部407は、複数の電線のうちの何れかが皮相電力について定められた電力条件を満たす場合に、複数の機器20のうちの特定の機器20に調整させる機器20に応じた皮相電力に関する指示情報であって、電力情報を踏まえた指示情報を出力する。電力条件は、例えば、電力情報が閾値に達することである。また、特定の機器20は、複数の機器20のうちの、電力条件を満たす調整対象電線に係る電線識別情報に関連付けられた機器識別情報から特定される機器20である。そして、調整に用いられる機器20は、それぞれ、受信サーバ50からの指示に応じた内容により、調整対象電線における皮相電力を調整する。
ここで、本実施形態とは異なる手法により電線における皮相電力を調整する構成も考えられる。一例としては、指示サーバ40が、電線における皮相電力の調整に用いる各機器20に対して、同一の調整量による調整を指示する構成が挙げられる。しかしながら、機器20ごとに調整可能量が異なる場合において、各機器に対して同一の調整量による調整が指示されると、調整可能量が調整量よりも小さい機器20が生じる場合がある。また、調整量が調整可能量に対して過度に小さい機器20が生じる場合がある。言い換えると、機器20によっては調整の内容が適切ではない場合がある。
これに対し、本実施形態では、機器20に応じた調整量による皮相電力の調整が各機器20に指示される。そのため、指示サーバ40が、機器20の各々に同一の内容により調整させる皮相電力に関する情報を出力する場合に比べて、機器20ごとに適した調整の内容により電線における皮相電力を調整することができる。
また、本実施形態では、抽出部405は、機器20ごとの調整可能量に基づいて、電線における皮相電力の調整に用いる機器20を抽出する。言い換えると、抽出部405は、電線における皮相電力の機器20による調整の能力に基づき、複数の機器20のうちの、電力条件を満たす電線についての調整に用いる機器20を決定する。
この場合、電線における皮相電力の調整に適した調整の能力を有する機器20に皮相電力を調整させることができる。
特に、本実施形態では、抽出部405は、能力条件を満たす機器を、電線における皮相電力の調整に用いる機器20に決定する。
この場合、能力条件を満たさない機器20が電線における皮相電力の調整に用いられることを防止することができる。
また、本実施形態では、能力条件は、調整可能量と、調整必要量との関係から定められる。言い換えると、能力条件は、機器20による調整の能力と、電力条件を満たす電線について必要な調整の程度との関係から定められる。
この場合、調整可能量と調整必要量との関係から定められた条件を満たす機器20が電線における皮相電力の調整に用いられる。そのため、調整必要量に対して適した調整可能量を有する機器20に皮相電力を調整させることができる。
また、本実施形態では、調整量算出部406は、機器20の調整可能量に基づいて機器20の調整量を算出する。そして、送信部407は、算出された調整量が指示の内容に含まれた指示情報を受信サーバ50に送信する。言い換えると、送信部407は、電線における皮相電力の機器20による調整の能力を踏まえた指示情報を出力する。
この場合、機器20の調整可能量に対して適した調整の内容により機器20に皮相電力を調整させることができる。
また、本実施形態では、「17A」の受給側配電線17を介して電力を受給する機器20に係る機器識別情報は、供給側配電線14に係る電線識別情報と「17A」の受給側配電線17に係る電線識別情報とに関連付けられる。
この場合、「17A」の受給側配電線17を介して電力を受給する機器20を、「17A」の受給側配電線17における皮相電力の調整のみならず、供給側配電線14における皮相電力の調整に用いることができる。
また、本実施形態では、「17A」の受給側配電線17を介して電力を受給せず「17B」の受給側配電線17を介して電力を受給する機器20に係る機器識別情報は、供給側配電線14に係る電線識別情報と「17B」の受給側配電線17に係る電線識別情報とに関連付けられる。
この場合、「17A」の受給側配電線17を介して電力を受給する機器20、および「17B」の受給側配電線17を介して電力を受給する機器20を、何れも、供給側配電線14における皮相電力の調整に用いることができる。
また、本実施形態では、決定部403は、電力条件を満たす電線のうちの、皮相電力を優先的に調整する電線を決定する。
この場合、皮相電力の調整の必要性が高い電線から皮相電力を調整することができる。
また、本実施形態では、決定部403は、供給側配電線14および受給側配電線17が何れも電力条件を満たす場合に、供給側配電線14を受給側配電線17よりも優先的に調整する電線に決定する。
供給側配電線14における皮相電力および受給側配電線17における皮相電力の何れも調整が必要である場合において、供給側配電線14における皮相電力が改善されると、これに伴い、受給側配電線17における皮相電力も改善されることがある。言い換えると、電力系統10における特定箇所の皮相電力が改善されると、この特定箇所における電圧が安定化する結果、特定箇所よりも電力の受給側に位置する箇所における皮相電力も改善されることがある。このように、電力系統10においてより供給側に位置する電線を、電力系統10においてより受給側に位置する電線よりも優先的に調整することにより、電線における皮相電力の改善の効率を向上させることができる。
なお、本実施形態では、供給側配電線14における皮相電力が受給側配電線17よりも優先的に機器20に調整された後、再び電線決定処理(図6参照)が行われる。このとき、受給側配電線17における皮相電力の調整が必要であると再び決定部403に決定される場合には、この受給側配電線17における皮相電力が機器20に調整される。
(変形例1)
次に、調整量算出部406が機器20の調整量を算出する手法の変形例について説明する。
図7を用いた説明では、調整量算出部406が、機器20ごとに、機器20の調整可能量に対するあらかじめ定められた調整割合を調整量として算出した。ここで、調整量算出部406による調整量の算出の手法は、上記の例に限定されない。
調整量算出部406による調整量の算出の手法の変形例について説明する。この例では、調整対象電線が供給側配電線14であり、調整必要量が「100」であるものとする。また、皮相電力の調整に用いられる機器20の候補として、「20A」、「20B」、「20C」、「20D」、「20E」、「20G」および「20I」(図5参照)の七つの機器20が抽出部405に抽出されているものとする。
調整量算出部406は、まず、抽出部405に抽出された七つの機器20のうちの、「調整可能量」が最も大きい「20A」および「20C」の機器20の調整量を算出する。調整量算出部406は、この二つの機器20の「調整可能量」である「50」を、「20A」および「20C」の機器20の調整量として算出する。また、送信部407は、「20A」および「20C」の機器20をそれぞれ対象として、調整量「50」が示された指示情報を、受信サーバ50に送信する。
この例では、「20A」および「20C」の機器20が、調整量算出部406に算出された調整量により調整対象電線における皮相電力を調整する場合、調整対象電線における皮相電力が改善され、調整対象電線における皮相電力が閾値に達しなくなる。この場合、抽出部405に抽出された七つの機器20のうちの「20B」、「20D」、「20E」、「20G」および「20I」の機器20は、調整対象電線における皮相電力の調整に用いられない。
(変形例2)
次に、調整量算出部406が機器20の調整量を算出する手法の他の変形例(変形例2)について説明する。この例では、調整対象電線が供給側配電線14であり、調整必要量が「100」であるものとする。また、皮相電力の調整に用いられる機器20の候補として、「20A」、「20B」、「20C」、「20D」、「20E」、「20G」および「20I」(図5参照)の七つの機器20が抽出部405に抽出されているものとする。
調整量算出部406は、まず、抽出部405に抽出された各機器20の調整可能量の総和を算出する。この例では、「20A」、「20B」、「20C」、「20D」、「20E」、「20G」および「20I」の機器20の調整可能量の総和は、「50+30+50+10+10+30+20=200」である。次に、調整量算出部406は、調整必要量に対して、算出した調整可能量の総和を除算する。この除算値は、「100÷200=0.5」である。そして、調整量算出部406は、各機器20の調整可能量に対して、除算値を乗算して得られる値を、各機器20の調整量として算出する。この場合、「20A」の機器20の調整量は、「50×0.5=25」である。また、同様の計算により、「20B」、「20C」、「20D」、「20E」、「20G」「20I」の各機器20の調整量として、「15」、「25」、「5」、「5」、「15」、「10」が算出される。送信部407は、各機器20を対象として、対象の機器20の調整量が示された機器20ごとの指示情報を、受信サーバ50に送信する。
ここで、調整量算出部406に算出された各機器20の調整量の総和は、「25+15+25+5+5+15+10=100」である。そのため、調整量算出部406に算出された調整量により各機器20が調整対象電線における皮相電力を調整することで、この調整対象電線における皮相電力を改善することができる。
以上の通り、本実施形態では、調整量算出部406は、機器20の調整可能量と、調整対象電線の調整必要量との関係に基づいて、各機器20の調整量を算出する。そして、送信部407は、機器20ごとの調整量が示された各指示情報を受信サーバ50に送信する。言い換えると、送信部407は、機器20による調整の能力と、電力条件を満たす調整対象電線について必要な調整の程度との関係を踏まえた指示情報を出力する。
この場合、調整必要量と調整可能量との関係を踏まえて調整量算出部406に算出された調整量による調整の指示が出力される。そのため、調整必要量に対する調整可能量について適した調整の内容により機器20に皮相電力を調整させることができる。
また、本実施形態では、調整量算出部406は、皮相電力の調整に用いられる機器20の数に基づいて、各機器20の調整量を算出する。そして、送信部407は、機器20ごとの調整量が示された各指示情報を受信サーバ50に送信する。言い換えると、送信部407は、電力条件を満たす調整対象電線についての調整に用いられる機器20の数を踏まえた指示情報を出力する。
この場合、電線における皮相電力の調整に用いられる数に対して適した調整の内容により機器20に皮相電力を調整させることができる。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態の電力制御システム1について説明する。
図8は、第2の実施形態に係る電力制御システム1の一例を示した図である。
なお、以下では、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を用いる。また、第1の実施形態と同様の構成については、説明を省略することがある。
本実施形態の電力制御システム1には、電力系統10と、複数の機器20と、複数の負荷30と、指示サーバ40と、受信サーバ50とが設けられている。
電力系統10には、発電所11と、供給側配電線14と、接続電線144と、無効電力補償装置(SVC:Static Var Compensator)60と、受給側変電所16と、受給側配電線17と、柱上変圧器18と、需要家側配電線19と、電線用センサ10Sとが設けられている。
発電所11は、電力系統10に複数設けられている。図示の例では、発電所11A乃至発電所11Fからなる六つの発電所11が設けられている。なお、発電所11A乃至発電所11Fを特に区別することなく説明する場合、単に発電所11と称する場合がある。
供給側配電線14は、電力系統10に複数設けられている。図示の例では、供給側配電線14Aおよび供給側配電線14Bからなる二つの供給側配電線14が設けられている。なお、供給側配電線14Aおよび供給側配電線14Bを特に区別することなく説明する場合、単に供給側配電線14と称する場合がある。
供給側配電線14Aには、上流側配電線141Aと、中流側配電線142Aと、下流側配電線143Aとが設けられている。また、供給側配電線14Bには、上流側配電線141Bと、中流側配電線142Bと、下流側配電線143Bとが設けられている。なお、上流側配電線141Aおよび上流側配電線141Bを特に区別することなく説明する場合、単に上流側配電線141と称することがある。また、中流側配電線142Aおよび中流側配電線142Bを特に区別することなく説明する場合、単に中流側配電線142と称することがある。また、下流側配電線143Aおよび下流側配電線143Bを特に区別することなく説明する場合、単に下流側配電線143と称することがある。
上流側配電線141、中流側配電線142、および下流側配電線143は、それぞれ異なる電線である。上流側配電線141は、供給側配電線14のうちの最も電力の供給側に設けられている。また、下流側配電線143は、供給側配電線14のうちの最も電力の受給側に設けられている。
本実施形態では、上流側配電線141Aに発電所11Aが接続されており、発電所11Aに生成された電力を構成する電流が上流側配電線141Aに流れる。また、上流側配電線141Aと中流側配電線142Aとの接続点C1に発電所11Bが接続されており、発電所11Bに生成された電力を構成する電流と、上流側配電線141Aを経た電流とが中流側配電線142Aに流れる。また、中流側配電線142Aと下流側配電線143Aとの接続点C2に発電所11Cが接続されており、発電所11Cに生成された電力を構成する電流と、中流側配電線142Aを経た電流とが下流側配電線143Aに流れる。なお、下流側配電線143Aは、接続点C2から受給側変電所16Aにわたって設けられている。
また、上流側配電線141Bに発電所11Dが接続されており、発電所11Dに生成された電力を構成する電流が上流側配電線141Bに流れる。また、上流側配電線141Bと中流側配電線142Bとの接続点C3に発電所11Eが接続されており、発電所11Eに生成された電力を構成する電流と、上流側配電線141Bを経た電流とが中流側配電線142Bに流れる。また、中流側配電線142Bと下流側配電線143Bとの接続点C4に発電所11Fが接続されており、発電所11Fに生成された電力を構成する電流と、中流側配電線142Bを経た電流とが下流側配電線143Bに流れる。なお、下流側配電線143Bは、接続点C4から受給側変電所16Cにわたって設けられている。
接続電線144は、下流側配電線143Aと下流側配電線143Bとを接続する電線である。接続電線144は、受給側変電所16Bにわたって設けられている。
SVC60は、無効電力を連続的に変化させることで無効電力を調整する設備である。図示を省略するが、SVC60には、変圧器と、進相コンデンサと、遅相リアクトルと、サイリスタとが設けられている。SVC60は、電力系統10に複数設けられている。図示の例では、SVC60A乃至SVC60Cからなる三つのSVC60が設けられている。なお、SVC60A乃至SVC60Cを特に区別することなく説明する場合、単にSVC60と称する場合がある。SVC60Aは、下流側配電線143Aにおける無効電力を調整する。また、SVC60Bは、接続電線144における無効電力を調整する。また、SVC60Cは、下流側配電線143Bにおける無効電力を調整する。
受給側変電所16は、電力系統10に複数設けられている。図示の例では、受給側変電所16A乃至受給側変電所16Cからなる三つの受給側変電所16が設けられている。なお、受給側変電所16A乃至受給側変電所16Cを特に区別することなく説明する場合、単に受給側変電所16と称する場合がある。
受給側変電所16Aは、下流側配電線143Aを通じて供給された電圧を変換する。また、受給側変電所16Bは、接続電線144を通じて供給された電圧を変換する。また、受給側変電所16Cは、下流側配電線143Bを通じて供給された電圧を変換する。
受給側配電線17は、電力系統10に複数設けられている。図示の例では、受給側配電線17A乃至受給側配電線17Cからなる三つの受給側配電線17が設けられている。なお、受給側配電線17A乃至受給側配電線17Cを特に区別することなく説明する場合、単に受給側配電線17と称する場合がある。
受給側配電線17Aには、受給側変電所16Aに変換された電圧が印加されて生じる電流が流れる。また、受給側配電線17Bには、受給側変電所16Bに変換された電圧が印加されて生じる電流が流れる。また、受給側配電線17Cには、受給側変電所16Cに変換された電圧が印加されて生じる電流が流れる。
柱上変圧器18は、電力系統10に複数設けられている。図示の例では、柱上変圧器18A乃至柱上変圧器18Cからなる三つの柱上変圧器18が設けられている。なお、柱上変圧器18A乃至柱上変圧器18Cを特に区別することなく説明する場合、単に柱上変圧器18と称する場合がある。
柱上変圧器18Aは、受給側配電線17Aを通じて供給された電圧を変換する。また、柱上変圧器18Bは、受給側配電線17Bを通じて供給された電圧を変換する。また、柱上変圧器18Cは、受給側配電線17Cを通じて供給された電圧を変換する。
需要家側配電線19は、電力系統10に複数設けられている。図示の例では、需要家側配電線19A乃至需要家側配電線19Eからなる五つの需要家側配電線19が設けられている。なお、需要家側配電線19A乃至需要家側配電線19Eを特に区別することなく説明する場合、単に需要家側配電線19と称する場合がある。
需要家側配電線19Aには、受給側変電所16Aに変換された電圧が印加されて生じる電流が流れる。また、需要家側配電線19Bには、受給側変電所16Cに変換された電圧が印加されて生じる電流が流れる。このように、需要家側配電線19は、受給側変電所16に変換された電圧が印加されて生じる電流が流れる線路であっても良い。また、需要家側配電線19Cは、柱上変圧器18Aに変換された電圧が印加されて生じる電流が流れる。また、需要家側配電線19Dは、柱上変圧器18Bに変換された電圧が印加されて生じる電流が流れる。また、需要家側配電線19Eは、柱上変圧器18Cに変換された電圧が印加されて生じる電流が流れる。
電線用センサ10Sは、電力系統10に複数設けられている。図示の例では、上流側配電線141ごと、中流側配電線142ごと、下流側配電線143ごと、接続電線144、受給側配電線17ごと、および需要家側配電線19ごとに、電線用センサ10Sが設けられている。
機器20は、電力制御システム1に複数設けられている。図示の例では、機器20A乃至機器20Oからなる15の機器20が設けられている。なお、機器20A乃至機器20Oを特に区別することなく説明する場合、単に機器20と称する場合がある。
機器20Aおよび機器20Bは、需要家側配電線19Aを通じて供給された電力を受給する。また、機器20C乃至機器20Eは、需要家側配電線19Bを通じて供給された電力を受給する。また、機器20F乃至機器20Hは、需要家側配電線19Cを通じて供給された電力を受給する。また、機器20I乃至機器20Mは、需要家側配電線19Dを通じて供給された電力を受給する。また、機器20Nおよび機器20Oは、需要家側配電線19Eを通じて供給された電力を受給する。
機器用センサ20Sは、電力制御システム1に複数設けられている。図示の例では、機器20ごとに機器用センサ20Sが設けられている。
本実施形態では、指示サーバ40と、各発電所11、各受給側変電所16、各電線用センサ10S、および各受信サーバ50とは、ネットワーク(不図示)を介して接続されている。また、受信サーバ50と各機器用センサ20Sとは、ネットワーク(不図示)を介して接続されている。
なお、電力制御システム1に設けられている各構成の数は、図示の例に限定されない。
図9は、発電所管理テーブルを示した図である。発電所管理テーブルは、発電所11を管理するためのテーブルである。発電所管理テーブルは、指示サーバ40の記憶部402(図3参照)に記憶されている。
発電所管理テーブルでは、「発電所」に、発電所を識別する発電所識別情報が示されている。「発電所」に示された「11A」乃至「11F」は、それぞれ、発電所11A乃至発電所11Fのうちの何れであるかを識別するための情報である。
また、発電所管理テーブルでは、「出力」に、「発電所」の出力値が示されている。より具体的には、「出力」には、「発電所」に生成される電力を構成する電流値が示される。
指示サーバ40は、予め定められた時間ごとに、ネットワークを通じて発電所11から出力値の情報を取得する。予め定められた時間は、何れの時間であっても良いが、例えば60秒である。指示サーバ40に取得された発電所11からの情報は、対象の「発電所」に関連付けられた「出力」に書き込まれる。なお、指示サーバ40は、供給側配電線14に対応する電線用センサ10Sから取得した電力情報から発電所11の出力値を算出し、算出した出力値を「出力」に書き込んでも良い。
また、発電所管理テーブルでは、「接続電線」に、「発電所」に接続されている電線の電線識別情報が示されている。「接続電線」は、電力制御システム1のユーザによって、「発電所」ごとに予め設定される。
発電所管理テーブルの内容について、一例を説明する。「発電所」の「11A」から特定される発電所11Aは、「出力」として「40」が示され、「接続電線」として「141A」が関連付けられている。
図10は、電線等管理テーブルを示した図である。電線等管理テーブルは、電線および受給側変電所16を管理するためのテーブルである。電線等管理テーブルは、記憶部402に記憶されている。
電線等管理テーブルでは、「電線等」に、電線識別情報または受給側変電所16を識別する変電所識別情報が示されている。「電線等」に示された「141A」および「141B」は、それぞれ、上流側配電線141Aおよび上流側配電線141Bを識別するための情報である。また、「142A」および「142B」は、それぞれ、中流側配電線142Aおよび中流側配電線142Bを識別するための情報である。また、「143A」および「143B」は、それぞれ、下流側配電線143Aおよび下流側配電線143Bを識別するための情報である。また、「144」は、接続電線144を識別するための情報である。また、「16A」乃至「16C」は、それぞれ、受給側変電所16A乃至受給側変電所16Cのうちの何れであるかを識別するための情報である。また、「17A」乃至「17C」は、それぞれ、受給側配電線17A乃至受給側配電線17Cのうちの何れであるかを識別するための情報である。
また、電線等管理テーブルでは、「供給側」に、「電線等」よりも電力の供給側において「電線等」に接続されている電線または受給側変電所16の識別情報が示されている。なお、「16A」の「電線等」における「供給側」には、下流側配電線143Aである「143A」および接続電線144である「144」が関連付けられている。また、「16B」の「電線等」における「供給側」には、接続電線144である「144」が関連付けられている。また、「16C」の「電線等」における「供給側」には、下流側配電線143Bである「143B」および接続電線144である「144」が関連付けられている。
また、電線等管理テーブルでは、「容量」に、「電線等」における電流の容量が示されている。より具体的には、「容量」には、「電線等」における短絡や発火が発生することなく「電線等」に流すことができる電流値が示されている。言い換えると、「容量」には、「電線等」における許容電流が示されている。
「供給側」および「容量」は、電力制御システム1のユーザによって予め設定される。
また、電線等管理テーブルでは、「余裕」に、「電線等」に流すことができる電流の「容量」までの余裕の値が示されている。より具体的には、「余裕」には、「容量」から、「電線等」に流れている電流値を減算した値が示される。本実施形態では、指示サーバ40の調整量算出部406(図3参照)が、「余裕」を算出する。
「容量」を算出する手法の例を説明する。調整量算出部406は、電線等管理テーブルにおいて対象の「電線等」に関連付けられた「容量」から、発電所管理テーブルにおける特定の「発電所」に関連付けられた「出力」を減算して得られた値を、「余裕」として算出する。ここで、特定の「発電所」は、対象の「電線等」または対象の「電線等」の「供給側」に示された識別情報が発電所管理テーブルの「接続電線」に関連付けられた「発電所」である。対象の「電線等」が「141A」である場合、「141A」の「容量」から、「141A」が「接続電線」として関連付けられた「発電所」である「11A」の「出力」を減算した値「70-40=30」が、「141A」の「余裕」として算出される。また、対象の「電線等」が「142A」である場合、「142A」の「容量」から、「142A」または「142A」の「供給側」である「141A」が「接続電線」として関連付けられた「発電所」である「11A」および「11B」の「出力」を減算した値「100-(40+30)=30」が、「142A」の「余裕」として算出される。
なお、調整量算出部406は、対象の「電線等」に対応する電線用センサ10Sから取得した電力情報から、「電線等」に流れている電流値を算出し、算出した電流値を「容量」から減算して得られた値を、対象の「電線等」の「余裕」に書き込んでも良い。
調整量算出部406は、予め定められた時間ごとに、各「電線等」の「余裕」を算出する。予め定められた時間は、何れの時間であっても良いが、例えば60秒である。
また、電線等管理テーブルでは、「電力情報」および「閾値」が示されている。この「電力情報」および「閾値」は、電線管理テーブル(図4参照)における「電力情報」および「閾値」と同じである。
電線等管理テーブルの内容について、一例を説明する。「電線等」の「142A」から特定される中流側配電線142Aは、「供給側」として「141A」が設定され、「容量」として「100」が設定され、「余裕」として「30」が算出され、「電力情報」として「P2」が示され、「閾値」として「T2」が設定されている。
図11は、本実施形態の機器管理テーブルを示した図である。本実施形態の機器管理テーブルは、第1の実施形態における機器管理テーブル(図5参照)に示す内容と同様の内容である。付言すると、本実施形態の機器管理テーブルにおける「経由電線」には、供給側配電線14および受給側配電線17のうちの「機器」に最も近い電線の電線識別情報が関連付けられている。
図12は、本実施形態の電線決定処理の流れを示したフローチャートである。
本実施形態の電線決定処理において、ステップ301乃至ステップ306は、第1の実施形態の電線決定処理(図6参照)におけるステップ101乃至ステップ106の処理と同一の処理である。
皮相電力の調整が必要であると決定部403に判定された電線が複数存在する場合(S305にてNO)、決定部403は、この複数の電線のうち、最も電力の供給側に設けられている電線が一つであるか否かを判定する(S307)。決定部403は、電線等管理テーブル(図10参照)を参照する。そして、複数の電線における「供給側」に示された情報を用いて、上記の判定をする。
ステップ307における判定の手法の一例を説明する。皮相電力の調整が必要であると決定部403に判定された電線が、上流側配電線141A、中流側配電線142A、および下流側配電線143Aであるものとする。この場合、最も電力の供給側に設けられている電線は、上流側配電線141Aの一つである。この場合、決定部403は、最も電力の供給側に設けられている電線が一つである(S307にてYES)と判定する。
ステップ307における判定の手法の他の一例を説明する。皮相電力の調整が必要であると決定部403に判定された電線が、上流側配電線141Aおよび上流側配電線141Bであるものとする。この場合、最も電力の供給側に設けられている電線は、上流側配電線141Aおよび上流側配電線141Bの二つである。この場合、決定部403は、最も電力の供給側に設けられている電線が一つではない(S307にてNO)と判定する。
ステップ307における判定の手法の他の一例を説明する。皮相電力の調整が必要であると決定部403に判定された電線が、中流側配電線142A、下流側配電線143A、および下流側配電線143Bであるものとする。この場合、最も電力の供給側に設けられている電線は、中流側配電線142Aの一つである。この場合、決定部403は、最も電力の供給側に設けられている電線が一つである(S307にてYES)と判定する。
最も電力の供給側に設けられている電線が一つである場合(S307にてYES)、決定部403は、最も電力の供給側に設けられている一つの電線を、皮相電力を調整する対象の電線に決定する(S308)。
また、最も電力の供給側に設けられている電線が一つではない場合、(S307にてNO)次のステップに進む。
決定部403は、皮相電力の調整が必要であると判定した複数の電線のうちの、電線に流すことができる電流の容量までの余裕の値が最も小さい電線を、皮相電力を調整する対象の電線に決定する(S309)。より具体的には、決定部403は、電線等管理テーブル(図10参照)を参照する。そして、皮相電力の調整が必要であると判定した複数の「電線等」のうちの、「余裕」が最も小さい「電線等」から特定される電線を、皮相電力を調整する対象の電線に決定する。
なお、ステップ306、ステップ308およびステップ309の何れかにおいて決定された電線における皮相電力が調整された後、皮相電力を調整する必要がある電線が残っている場合がある。これらの電線は、次以降の電線決定処理において、順次、皮相電力を調整する対象として決定され、皮相電力が調整される。
以上の通り、本実施形態では、決定部403は、各電線に流れている電流値に基づいて、複数の電線のうちの皮相電力を調整する電線を決定する。言い換えると、決定部403は、電力条件を満たす複数の電線の各々についての、電線における皮相電力に基づいて、皮相電力を優先的に調整する電線を決定する。
多数の負荷30や機器20による電力の受給の経路に用いられる電線においては、電線における電圧の変動が大きくなったり、電線に流すことができる電流の容量までの余裕が小さくなったりするなど、不安定になりやすい。この場合に、電線に流れている電流値に基づいて皮相電力を優先的に調整する電線を決定する構成であると、電線の不安定性を踏まえて、皮相電力を調整する電線を決定することができる。
図13は、本実施形態における指示出力処理の流れを示したフローチャートである。本実施形態の電線決定処理において、ステップ401は、第1の実施形態の指示出力処理(図7参照)におけるステップ201の処理と同一の処理である。
調整量算出部406は、調整対象電線に流すことができる電流の容量までの余裕に基づいて、調整量を算出する(S402)。より具体的には、調整量算出部406は、調整対象電線に流れる電流が調整対象電線の容量を超えないように、調整量を算出する。
ステップ402における算出の手法の例を説明する。以下では、上流側配電線141Aが調整対象電線であり、調整必要量が「50」である場合について説明する。
調整必要量が「50」と算出された場合、上流側配電線141Aにおける皮相電力を改善するためには、機器20を用いて上流側配電線141Aに「50」の電流を供給することが望ましい。一方で、この上流側配電線141Aに流すことができる電流の容量までの余裕の値は、「30」(図10参照)である。この場合、調整量算出部406は、ステップ402にて、調整量を「30」と算出する。
調整量算出部406は、ステップ402にて算出した調整量を踏まえて、予め定められた調整態様に基づいて各機器20の調整量を算出する(S403)。本実施形態では、調整量算出部406は、調整対象電線以外の電線に流すことができる電流の容量までの余裕に基づいて、各機器20の調整量を算出する。
調整量算出部406による調整量の算出の手法の例について説明する。以下では、上流側配電線141Aが調整対象電線であり、機器20A、機器20B、機器20F、機器20G、および機器20Hに皮相電力を調整させる場合について説明する。
ステップ402において、上流側配電線141Aの調整量は「30」と算出されている。一方、機器20から上流側配電線141Aへ電流を供給する場合、上流側配電線141Aよりも電力の受給側に設けられている中流側配電線142Aおよび下流側配電線143Aにも電流が流れる。ここで、下流側配電線143Aに流すことができる電流の容量までの余裕の値は、「20」(図10参照)である。この場合に、機器20から上流側配電線141Aへ「30」の電流を供給しようとすると、下流側配電線143Aに流すことができる電流の容量を超えることになり、下流側配電線143Aにおいて短絡や発火が発生するおそれが生じる。そのため、調整量算出部406は、機器20の調整量を「20」と算出する。この例では、調整量算出部406は、各機器20の調整可能量を踏まえて、機器20A、機器20B、機器20F、機器20G、および機器20Hの調整量を、それぞれ、「5」、「5」、「4」、「4」、「2」と算出する。
調整量算出部406は、各機器20の調整量を算出すると、調整対象電線における皮相電力の調整を機器20に指示するための指示情報を、調整に用いる機器20ごとに生成する。
送信部407は、調整量算出部406に生成された指示情報を、指示の対象である機器20を識別する機器識別情報とともに、指示の対象である機器20を管理する受信サーバ50へ送信する(S404)。
以上の通り、本実施形態では、中流側配電線142Aや下流側配電線143Aに流れている電流に基づいて、上流側配電線141Aにおける皮相電力を調整するための各機器20の調整量を算出する。そして、送信部407は、機器20ごとの調整量が示された各指示情報を受信サーバ50に送信する。言い換えると、送信部407は、第1電線が電力条件を満たす場合に、第2電線における皮相電力を踏まえた指示情報を出力する。第1電線は、例えば、上流側配電線141Aである。第2電線は、例えば、中流側配電線142Aや下流側配電線143Aである。
この場合、第2電線における皮相電力について適した調整の内容により第1電線における皮相電力を調整することができる。
特に、本実施形態では、第1電線には、第1電線の調整に用いられる機器20から供給される電流が、第2電線を経て流れる。
この場合、第1電線における皮相電力の機器20による調整において電流が流れる電線について適した調整の内容により第1電線における皮相電力を調整することができる。
また、本実施形態では、調整量算出部406は、下流側配電線143Aに流すことができる電流の容量までの余裕の値に基づいて、上流側配電線141Aの調整量を調整必要量よりも小さく算出する。言い換えると、調整量算出部406は、第2電線の皮相電力に関する容量までの余裕に基づいて、第1電線における皮相電力の調整を制限する。そのため、調整量算出部406は、電線における皮相電力の調整を制限する制限手段としても捉えられる。
この場合、第1電線の調整量を制限しない場合に比べて、第1電線における皮相電力を調整する場合において第2電線に関する不具合が発生することを抑制できる。
なお、本実施形態では、特定の電線に流すことができる電流の容量までの余裕の値が「0」である場合、この特定の電線、および、この特定の電線よりも電力の供給側に設けられている電線における皮相電力は調整されない。このように、流すことができる電流の容量までの余裕の値が「0」である特定の電線が存在する場合、電線決定処理において、この特定の電線や、特定の電線よりも電力の供給側に設けられている電線が、皮相電力を調整する対象の電線から除外されるようにしても良い。
(変形例1)
次に、調整量算出部406が機器20の調整量を算出する手法の変形例について説明する。
図13を用いて説明した指示出力処理では、調整量算出部406が、調整対象電線以外の電線に流すことができる電流の容量までの余裕に基づいて、各機器20の調整量を算出した。ここで、調整量算出部406による各機器20における調整量の算出の手法は、上記の例に限定されない。
調整量算出部406による各機器20における調整量の算出の手法の変形例について説明する。この例では、下流側配電線143Aが調整対象電線であり、下流側配電線143Aの調整量が「20」と算出され、機器20C乃至機器20E、機器20Nおよび機器20Oに皮相電力を調整させる場合について説明する。
機器20C乃至機器20E、機器20Nおよび機器20Oは、受給側変電所16C、下流側配電線143B、および接続電線144を介して、下流側配電線143Aに皮相電力を供給することができる。一方で、受給側変電所16Cに流すことができる電流の容量までの余裕の値は、下流側配電線143Aの調整量である「20」よりも小さい「15」(図10参照)である。この場合、調整量算出部406は、機器20の調整量を「15」と算出する。この例では、調整量算出部406は、各機器20の調整可能量を踏まえて、機器20C、機器20D、機器20E、機器20N、および機器20Oの調整量を、何れも、「3」と算出する。
このように、機器20が受給側変電所16を介して電線に皮相電力を供給する場合に、調整量算出部406は、3つの受給側変電所16のうちの、「余裕」(図10参照)が最も小さい受給側変電所16を踏まえて、各機器20の調整量を算出する。
なお、調整量算出部406は、3つの受給側変電所16、および、機器20から調整対象電線までの間に設けられている各電線うちの、最も小さい「余裕」を踏まえて、各機器20の調整量を算出しても良い。
(変形例2)
次に、調整量算出部406が機器20の調整量を算出する手法の他の変形例(変形例2)について説明する。この例では、下流側配電線143Aが調整対象電線であり、下流側配電線143Aの力率が1.0である場合の調整量が「16」と算出され、下流側配電線143Aにおける力率が進み力率0.7であり、機器20A、機器20B、機器20F乃至機器20Hに皮相電力を調整させる場合について説明する。
下流側配電線143Aにおける力率が進み力率0.7である場合、機器20が力率を遅れ力率0.7にして下流側配電線143Aに電流を供給することが望ましい。一方、下流側配電線143Aの力率が1.0である場合の調整量である「16」を、機器20が遅れ力率0.7により供給するためには、「16÷0.7≒23」の電流を供給する必要がある。ここで、下流側配電線143Aに流すことができる電流の容量までの余裕の値は「20」(図10参照)であり、「23」の電流は、下流側配電線143Aに流すことができる電流の容量を超えている。そのため、調整量算出部406は、機器20に電流を供給させる場合の力率を遅れ力率0.8として算出する。ここで、下流側配電線143Aの力率が1.0である場合の調整量である「16」を、機器20が遅れ力率0.8により供給するための電流値は、「16÷0.8=20」であり、下流側配電線143Aに流すことができる電流の容量の上限値に対応する。この例では、調整量算出部406は、各機器20の調整可能量を踏まえて、機器20A、機器20B、機器20F、機器20G、機器20Hの調整量を、それぞれ、「5」、「5」、「4」、「4」、「2」と算出する。
調整量算出部406は、各機器20の調整量を算出すると、調整対象電線における皮相電力の調整を機器20に指示するための指示情報を、調整に用いる機器20ごとに生成する。この場合に、各指示情報には、対象の機器20の調整量および力率「0.8」を示す情報が指示の内容として含まれる。
以上の通り、本実施形態では、調整量算出部406は、調整対象電線に流すことができる電流の容量までの余裕に基づいて、調整対象電線における皮相電力を調整するための各機器20の調整量を算出する。そして、送信部407は、機器20ごとの調整量が示された各指示情報を受信サーバ50に送信する。言い換えると、送信部407は、電力条件を満たす調整対象電線の皮相電力に関する容量までの余裕を踏まえた指示情報を出力する。
この場合、調整対象電線に流すことができる電流の容量までの余裕について適した調整の内容により調整対象電線における皮相電力を調整することができる。
また、本実施形態では、調整量算出部406は、力率を低下させて機器20に電線における皮相電力を調整させる場合に、調整対象電線に流すことができる電流の容量までの余裕の値に基づいて、力率の低下を制限して、各機器20の調整量を算出する。そして、送信部407は、機器20ごとの調整量が示された各指示情報を受信サーバ50に送信する。言い換えると、送信部407は、機器20に調整させる力率に関して、調整対象電線の皮相電力に関する容量までの余裕を踏まえた情報を出力する。
この場合、調整対象電線に流すことができる電流の容量に対して適した力率により調整対象電線における皮相電力を調整することができる。
また、本実施形態では、調整量算出部406は、調整対象電線における力率として進み力率が検出された場合には、機器20に電流を供給させる場合の力率を遅れ力率にする。さらに、調整量算出部406は、調整対象電線における力率として遅れ力率が検出された場合には、機器20に電流を供給させる場合の力率を進み力率にしても良い。言い換えると、調整量算出部406は、調整対象電線において検出された皮相電力の潮流に応じて、この潮流を機器20に調整させても良い。
(変形例3)
次に、調整量算出部406が機器20の調整量を算出する手法の他の変形例(変形例3)について説明する。この例では、下流側配電線143Bが調整対象電線であり、下流側配電線143Bの調整量が「12」と算出され、機器20F、機器20G、機器20J、機器20K、機器20Nに皮相電力を調整させる場合について説明する。
調整量算出部406は、下流側配電線143Bの調整量である「12」を、各機器20に電力が供給されるまでに経由する受給側配電線17の数である「3」により除算する。そして、得られた「4」を、受給側配電線17Aを介して電力を受給する機器20の調整量、受給側配電線17Bを介して電力を受給する機器20の調整量、受給側配電線17Cを介して電力を受給する機器20の調整量にする。この例では、調整量算出部406は、機器20F、機器20G、機器20J、機器20K、機器20Nの調整量を、それぞれ、「2」、「2」、「2」、「2」、「4」と算出する。
このように、電線における皮相電力を調整するために機器20に生じる負荷が、電線に応じて分けられるエリアごとに均一になるようにしても良い。
(変形例4)
次に、調整量算出部406が機器20の調整量を算出する手法の他の変形例(変形例4)について説明する。この例では、接続電線144が調整対象電線であり、接続電線144の調整量が「15」と算出され、機器20I、機器20J、機器20K、機器20L、機器20Mに皮相電力を調整させる場合について説明する。
調整量算出部406は、接続電線144の調整量である「15」を、調整に用いる機器20の数である「5」により除算する。そして、得られた「3」を、機器20I乃至機器20Mの各調整量として算出する。
このように、電線における皮相電力の調整において、同一の電線に接続されている各機器20に生じる負荷がそれぞれ均一になるようにしても良い。
(変形例5)
次に、調整量算出部406が機器20の調整量を算出する手法の他の変形例(変形例5)について説明する。この例では、下流側配電線143Aが調整対象電線であり、下流側配電線143Aの調整量が「10」と算出された場合について説明する。
調整量算出部406は、調整対象電線に最も近い機器20を、調整対象電線における皮相電力の調整に用いる機器20として決定する。この例では、調整量算出部406は、機器管理テーブル(図11参照)の「経由電線」に「143A」が関連付けられている「20A」および「20B」の機器20を、調整に用いる機器20に決定する。そして、調整量算出部406は、機器20Aおよび機器20Bの調整量を、何れも「5」と算出する。
このように、機器20が調整対象電線に電流を供給する場合における電力損失を低減させるために、調整対象電線に最も近い機器20に皮相電力を調整させるようにしても良い。
なお、本開示では、調整可能量、調整必要量、調整量、発電所11の出力値、電線の容量や余裕等のパラメータが電流である例を説明したが、これに限定されない。各パラメータは、皮相電力に関するパラメータとして上述した何れかのパラメータであれば良い。
また、本開示では、指示サーバ40が指示情報を受信サーバ50に送信し、受信サーバ50が、電線における皮相電力の調整を対象の機器20に指示しているが、これに限定されない。
指示サーバ40が対象の機器20に指示情報を送信し、対象の機器20は、受信した指示情報に基づいて電線における皮相電力を調整するようにしてもよい。言い換えると、指示サーバ40は、電線における皮相電力の調整を、受信サーバ50を介することなく、機器20に指示しても良い。
ここで、上記にて説明した実施形態の各々は、以下のように捉えることができる。
第1の実施形態の送信部407は、複数の電線のうちの何れかが皮相電力について定められた電力条件を満たす場合に、複数の機器20のうちの特定の機器20の各々に調整させる機器20に応じた皮相電力に関する指示情報であって、電力情報を踏まえた指示情報を出力する。また、特定の機器20は、複数の機器20のうちの、電力条件を満たす調整対象電線に係る電線識別情報に関連付けられた機器識別情報から特定される機器20である。
この場合、機器20に応じた調整量による皮相電力の調整が各機器20に指示される。そのため、指示サーバ40が、機器20の各々に同一の内容により調整させる皮相電力に関する情報を出力する場合に比べて、機器20ごとに適した調整の内容により電線における皮相電力を調整することができる。
また、第1の実施形態の抽出部405は、電線における皮相電力の機器20による調整の能力に基づき、複数の機器20のうちの、電力条件を満たす調整対象電線についての調整に用いる機器20を決定する。
この場合、電線における皮相電力の調整に適した調整の能力を有する機器20に皮相電力を調整させることができる。
特に、第1の実施形態の抽出部405は、能力条件を満たす機器を、調整に用いる機器20に決定する。
この場合、能力条件を満たさない機器20が電線における皮相電力の調整に用いられることを防止することができる。
また、能力条件は、機器20による調整の能力と、電力条件を満たす電線について必要な調整の程度との関係から定められる。
この場合、調整可能量と調整必要量との関係から定められた条件を満たす機器20が電線における皮相電力の調整に用いられる。そのため、調整必要量に対して適した調整可能量を有する機器20に皮相電力を調整させることができる。
また、能力条件を満たす機器20には、電線における皮相電力の調整の能力が第1能力である第1機器と、能力が第1能力よりも高い第2能力とがある。第1機器は、例えば、第1の実施形態における「20D」(図5参照)の機器20である。また、第2機器は、例えば、第1の実施形態における「20A」の機器20である。そして、調整量算出部406は、第2機器を調整に用いる機器20に決定し、第1機器を調整に用いる機器に決定しない。
この場合、電線における皮相電力の調整の能力が高い機器20を優先的に調整に用いることができる。
また、第1の実施形態の調整量算出部406は、第1機器を調整に用いることなく第2機器を調整に用いる場合において、調整の対象になる電線が電力条件を満たさなくなる場合、第1機器を調整に用いない機器に決定する。
この場合、第1機器に調整のための負荷を与えることなく調整対象電線における皮相電力を改善することができる。
また、第1の実施形態の送信部407は、電線における皮相電力の機器20による調整の能力を踏まえた指示情報を出力する。
この場合、機器20の調整可能量に対して適した調整の内容により機器20に皮相電力を調整させることができる。
また、第1の実施形態の送信部407は、機器20による調整の能力と、電力条件を満たす調整対象電線について必要な調整の程度との関係を踏まえた指示情報を出力する。
この場合、調整必要量と調整可能量との関係を踏まえて調整量算出部406に算出された調整量による調整の指示が出力される。そのため、調整必要量に対する調整可能量について適した調整の内容により機器20に皮相電力を調整させることができる。
また、第1の実施形態の送信部407は、電力条件を満たす調整対象電線についての調整に用いられる機器20の数を踏まえた指示情報を出力する。
この場合、電線における皮相電力の調整に用いられる数に対して適した調整の内容により機器20に皮相電力を調整させることができる。
また、第2電線を介して電力を受給する機器20に係る機器識別情報は、第1電線に係る電線識別情報と第2電線17に係る電線識別情報とに関連付けられる。第1電線は、例えば、第1の実施形態における供給側配電線14である。また、第2電線は、例えば、第1の実施形態における「17A」(図4参照)の受給側配電線17である。
この場合、第2電線を介して電力を受給する機器20を、第2電線における皮相電力の調整のみならず、第1電線における皮相電力の調整に用いることができる。
また、第2電線を介して電力を受給せず第3電線を介して電力を受給する機器20に係る機器識別情報は、第1電線に係る電線識別情報と第2電線に係る電線識別情報とに関連付けられる。第3電線は、例えば、第1の実施形態における「17B」の受給側配電線17である。
この場合、第2電線を介して電力を受給する機器20、および第3電線を介して電力を受給する機器20を、何れも、第1電線における皮相電力の調整に用いることができる。
また、第1の実施形態の決定部403は、電力条件を満たす電線のうちの、皮相電力を優先的に調整する電線を決定する。
この場合、皮相電力の調整の必要性が高い電線から皮相電力を調整することができる。
また、第1の実施形態の決定部403は、供給側配電線14および受給側配電線17が何れも電力条件を満たす場合に、供給側配電線14を受給側配電線17よりも優先的に調整する電線に決定する。
この場合、電線における皮相電力の改善の効率を向上させることができる。
また、第2の実施形態の決定部403は、電力条件を満たす複数の電線の各々についての、電線における皮相電力に基づいて、皮相電力を優先的に調整する電線を決定する。
この場合、電線の不安定性を踏まえて、皮相電力を調整する電線を決定することができる。
また、第2の実施形態の送信部407は、第1電線が電力条件を満たす場合に、第2電線における皮相電力を踏まえた指示情報を出力する。第1電線は、例えば、上流側配電線141Aである。第2電線は、例えば、中流側配電線142Aや下流側配電線143Aである。
この場合、第2電線における皮相電力について適した調整の内容により第1電線における皮相電力を調整することができる。
特に、第1電線には、第1電線の調整に用いられる機器20から供給される電流が、第2電線を経て流れる。
この場合、第1電線における皮相電力の機器20による調整において電流が流れる電線について適した調整の内容により第1電線における皮相電力を調整することができる。
また、第2の実施形態の調整量算出部406は、第2電線の皮相電力に関する容量までの余裕に基づいて、第1電線における皮相電力の調整を制限する。
この場合、第1電線の調整量を制限しない場合に比べて、第1電線における皮相電力を調整する場合において第2電線に関する不具合が発生することを抑制できる。
また、第2の実施形態の送信部407は、電力条件を満たす調整対象電線の皮相電力に関する容量までの余裕を踏まえた指示情報を出力する。
この場合、調整対象電線に流すことができる電流の容量までの余裕について適した調整の内容により調整対象電線における皮相電力を調整することができる。
また、第2の実施形態の送信部407は、機器20に調整させる力率に関して、調整対象電線の皮相電力に関する容量までの余裕を踏まえた情報を出力する。
この場合、調整対象電線に流すことができる電流の容量に対して適した力率により調整対象電線における皮相電力を調整することができる。
また、上記で説明した各構成は、上記の各実施形態に限られるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で変更できる。言い換えると、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解される。
上記にて説明した構成に限らず、上記にて説明した各構成の一部を省略したり、上記にて説明した各構成に対して他の機能を付加したりしても良い。
また、上記では、複数の実施形態を説明したが、一の実施形態に含まれる構成と他の実施形態に含まれる構成とを入れ替えたり、一の実施形態に含まれる構成を他の実施形態に付加したりしても良い。
1…電力制御システム、10…電力系統、10S…電線用センサ、11…発電所、14…供給側配電線、16…受給側変電所、17…受給側配電線、20…機器、21…電流供給装置、40…指示サーバ、50…受信サーバ

Claims (19)

  1. 電線を識別する電線識別情報を取得する電線情報取得手段と、
    自装置を制御するとともに前記電線における皮相電力の調整が可能であり当該電線から配電用変圧器を介して電力を受給する機器を識別する機器識別情報を取得する機器情報取得手段と、
    前記電線における皮相電力に関する電力情報を取得する電力情報取得手段と、
    複数の前記電線のうちの何れかが皮相電力について定められた電力条件を満たす場合に、複数の前記機器のうちの特定の機器の各々に調整させる機器に応じた皮相電力に関する情報であって、前記電力情報を踏まえた情報を出力する出力手段と、
    を備え、
    前記特定の機器は、複数の前記機器のうちの、前記電力条件を満たす前記電線に係る前記電線識別情報に関連付けられた前記機器識別情報から特定される機器であることを特徴とする情報処理システム。
  2. 前記電線における皮相電力の前記機器による前記調整の能力に基づき、複数の前記機器のうちの、前記電力条件を満たす前記電線についての当該調整に用いる機器を決定する機器決定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
  3. 前記機器決定手段は、前記能力について定められた能力条件を満たす前記機器を、前記調整に用いる機器に決定することを特徴とする請求項2記載の情報処理システム。
  4. 前記能力条件は、前記能力と、前記電力条件を満たす前記電線について必要な前記調整の程度との関係から定められることを特徴とする請求項3記載の情報処理システム。
  5. 前記能力条件を満たす前記機器には、前記能力が第1能力である第1機器と、当該能力が当該第1能力よりも高い第2能力である第2機器とがあり、
    前記機器決定手段は、前記第2機器を前記調整に用いる機器に決定し、前記第1機器を当該調整に用いる機器に決定しないことを特徴とする請求項3記載の情報処理システム。
  6. 前記機器決定手段は、前記第1機器を前記調整に用いることなく前記第2機器を当該調整に用いる場合において、当該調整の対象になる前記電線が前記電力条件を満たさなくなる場合、当該第1機器を当該調整に用いない機器に決定することを特徴とする請求項5記載の情報処理システム。
  7. 前記出力手段は、前記電線における皮相電力の前記機器による前記調整の能力を踏まえた前記情報を出力することを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
  8. 前記出力手段は、前記能力と、前記電力条件を満たす前記電線について必要な前記調整の程度との関係を踏まえた前記情報を出力することを特徴とする請求項7記載の情報処理システム。
  9. 前記出力手段は、前記電力条件を満たす前記電線についての前記調整に用いられる機器の数を踏まえた前記情報を出力することを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
  10. 前記電線には、前記配電用変圧器よりも電力の供給側に設けられた第1電線と、当該第1電線よりも電力の受給側であって当該配電用変圧器よりも電力の供給側に設けられた第2電線とが含まれ、
    前記第2電線を介して電力を受給する前記機器に係る前記機器識別情報は、前記第1電線に係る前記電線識別情報と当該第2電線に係る前記電線識別情報とに関連付けられることを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
  11. 前記電線には、前記第1電線よりも電力の受給側であって前記配電用変圧器よりも電力の供給側に設けられた第3電線がさらに含まれ、
    前記第2電線を介して電力を受給せず前記第3電線を介して電力を受給する前記機器に係る前記機器識別情報は、前記第1電線に係る前記電線識別情報と当該第3電線に係る前記電線識別情報とに関連付けられることを特徴とする請求項10記載の情報処理システム。
  12. 前記電力条件を満たす複数の前記電線のうちの、皮相電力を優先的に調整する電線を決定する電線決定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
  13. 前記電線には、前記配電用変圧器よりも電力の供給側に設けられた第1電線と、当該第1電線よりも電力の受給側であって当該配電用変圧器よりも電力の供給側に設けられた第2電線とが含まれ、
    前記電線決定手段は、前記第1電線および前記第2電線が何れも前記電力条件を満たす場合に、当該第1電線を当該第2電線よりも優先的に調整する電線に決定することを特徴とする請求項12記載の情報処理システム。
  14. 前記電線決定手段は、前記電力条件を満たす複数の前記電線の各々についての、前記電線における皮相電力に基づいて、皮相電力を優先的に調整する電線を決定することを特徴とする請求項12記載の情報処理システム。
  15. 前記電線には、前記機器から供給される電流が流れる第1電線および第2電線が含まれ、
    前記出力手段は、前記第1電線が前記電力条件を満たす場合に、前記第2電線における皮相電力を踏まえた前記情報を出力することを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
  16. 前記第1電線には、当該第1電線の調整に用いられる前記機器から供給される電流が、前記第2電線を経て流れることを特徴とする請求項15記載の情報処理システム。
  17. 前記第2電線の皮相電力に関する容量までの余裕に基づいて、前記第1電線における皮相電力の調整を制限する制限手段をさらに備えることを特徴とする請求項16記載の情報処理システム。
  18. 前記出力手段は、前記電力条件を満たす前記電線の皮相電力に関する容量までの余裕を踏まえた前記情報を出力することを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
  19. 前記出力手段は、前記機器に調整させる力率に関して前記余裕を踏まえた前記情報を出力することを特徴とする請求項18記載の情報処理システム。
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