JP7013797B2 - 情報処理装置及びプログラム - Google Patents

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本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
スキャナで読み込まれた画像データやパーソナルコンピュータ(PC)上のアプリケーションで作成された文書データを管理する文書管理装置・ソフトウエアが存在している。例えば、出願人が提供するDocuWorks(商標)や、AdobeSystems社のAdobe Acrobat(商標)等のドキュメントハンドリングソフトウェアが、その一例である。この種の文書管理装置は、紙文書をスキャンすることで得られたイメージデータのファイル(例えばビットマップ形式、TIFF形式、JPEG形式)や、ワードプロセッサやスプレッドシート等の各種アプリケーションで作成されたアプリケーションファイルを取り込んで、管理することができる。また、文書管理装置の管理下にあるフォルダに対して、OS(オペレーティングシステム)が提供するコピー&ペースト機能を用いて文書ファイルをコピーすることも行われている。
特許文献1に開示された情報処理装置は、その上で1以上のアプリケーションが動作し、コピー元アプリケーションが汎用共有メモリへのコピーを指令したコピーデータを取得し、該コピーデータに対し、入力装置を介した操作パターンから解釈されるライフタイムを設定して、記憶領域に保存するコピー操作監視部と、上記記憶領域に保存される1以上のコピーデータの中から選択されたペースト候補を表示装置に表示する表示部と、入力装置を介した確定操作に対応して、記憶領域から読み込んだペースト候補をペースト先アプリケーションへ渡すペースト操作監視部と、ライフタイムが切れて残存が許容されなくなったデータを記憶領域から消去する消去部とを含む。
特許文献2に開示された装置は、1回の特定操作で、過去に選択指示(コピー指示)したデータがコンテキスト依存メニュー内で表示されるようにし、ユーザがそのときの画面上の作業領域の近辺で過去のコピー内容を確認できるようにする。またそのデータを選択することで貼付操作(ペースト)が実行できるようにすることで、非常に簡易に、かつ間違いなくペーストできるようにする。記憶部に順次記憶されたデータのうちで、最新のコピーデータを、コンテキスト依存メニュー内の先頭項目として表示させる。
特開2012-133620号公報 特開2006-338458号公報
特定記憶領域の外部にある文書をその特定記憶領域にコピーする場合に、通常のコピー&ペーストのスキームを用いると、コピー操作とペースト操作という複数の操作が必要であり、操作が煩雑である。
本発明は、コピー&ペーストよりも簡潔な操作で特定記憶領域へ文書をコピーできるようにすることを目的とする。
請求項1に係る発明は、オブジェクトに対する処理の選択肢を表示する処理選択肢画面を提示する提示手段であって、前記オブジェクトが文書である場合に、コピー&ペースト処理のための一時記憶領域に前記オブジェクトをコピーする第1コピー処理と、文書管理装置の管理下の特定記憶領域に前記オブジェクトをコピーする第2コピー処理と、を選択肢として含んだ前記処理選択肢画面を提示する提示手段、を含み、前記特定記憶領域は、内部にフォルダを含むことが禁止された領域であり、前記処理選択肢画面に対応する前記オブジェクトがフォルダである場合、選択肢として前記第1コピー処理は含むが前記第2コピー処理は含まない前記処理選択肢画面をユーザに提示する、情報処理装置である。
請求項に係る発明は、前記提示手段は、前記特定記憶領域に対してフォルダを格納する指示に対応する処理として、当該フォルダを前記特定記憶領域に格納する代わりに、当該フォルダ内の文書を前記特定記憶領域に格納する処理を行う旨の設定がなされている場合には、前記処理選択肢画面に対応する前記オブジェクトがフォルダである場合でも、選択肢として前記第1コピー処理と前記第2コピー処理の両方を含む前記処理選択肢画面をユーザに提示する、請求項に記載の情報処理装置である。
請求項に係る発明は、前記特定記憶領域は、前記文書管理装置の管理下にあるフォルダのうち作業スペースとして予め確保されたフォルダであり、前記作業スペースには文書を保存することは許可されるが、フォルダの保存は許可されない、請求項1又は2に記載の情報処理装置である。
請求項に係る発明は、前記文書管理装置の管理下にあるフォルダのうち、前記特定記憶領域とするフォルダの設定をユーザから受け付ける手段、を更に含む、請求項1又は2に記載の情報処理装置である。
請求項係る発明は、コンピュータを、オブジェクトに対する処理の選択肢を表示する処理選択肢画面を提示する提示手段であって、前記オブジェクトが文書である場合に、コピー&ペースト処理のための一時記憶領域に前記オブジェクトをコピーする第1コピー処理と、文書管理装置の管理下の特定記憶領域に前記オブジェクトをコピーする第2コピー処理と、を選択肢として含んだ前記処理選択肢画面を提示する提示手段、として機能させるためのプログラムであって、前記特定記憶領域は、内部にフォルダを含むことが禁止された領域であり、前記処理選択肢画面に対応する前記オブジェクトがフォルダである場合、選択肢として前記第1コピー処理は含むが前記第2コピー処理は含まない前記処理選択肢画面をユーザに提示する、ことを特徴とするプログラムである。
請求項1、又はに係る発明によれば、コピー&ペーストよりも簡潔な操作で特定記憶領域へ文書をコピーできるようにすることができる。
さらに、フォルダを含むことが禁止された特定記憶領域に対してフォルダをコピーする指示が行われることを防止することができる。
請求項に係る発明によれば、特定記憶領域に対してフォルダ内の文書を格納するという方式を用いて、特定記憶領域に対するフォルダのコピーの指示を受け付けることができる。
請求項に係る発明によれば、作業スペースに対する文書のコピーに対して、コピー&ペーストよりも簡潔な操作を用いることが可能になる。
請求項に係る発明によれば、ユーザが設定したフォルダに対する文書のコピーに対して、コピー&ペーストよりも簡潔な操作を用いることが可能になる。
実施形態の文字認識処理制御が適用される文書管理システムの概略構成を例示する図である。 文書管理システムが提供する文書管理画面の例を示す図である。 文書のアイコンに対してメニュー項目「作業スペースにコピー」を含むコンテキストメニューを表示した文書管理画面を例示する図である。 新たな文書がコピーされた後の作業スペースを示した文書管理画面を例示する図である。 フォルダのアイコンに対するコンテキストメニュー(メニュー項目「作業スペースにコピー」は含まれない)を表示した文書管理画面を例示する図である。 フォルダを作業スペースにコピーする操作を行った場合に表示されるエラー通知画面の例を示す図である。 フォルダを作業スペースにコピーする操作を行った場合に表示される問合せ画面の例を示す図である。 別の例においてフォルダを作業スペースにコピーする操作を行った場合に表示される問合せ画面の例を示す図である。 文書管理システムの起動時に開くフォルダの設定画面の例を示す図である。 文書管理システムの起動時の表示制御の手順の例を示す図である。 文書管理システムの終了中に作業スペースに文書が登録された後、文書管理システムが起動された時に表示される文書管理画面の例を示す図である。 文書についての情報ビューを表示した文書管理画面の例を示す図である。 文書ペイン上に開かれた作業スペース内の各文書のアイコンの表示に、各文書のコピー元の場所の情報を反映させた文書管理画面を例示する図である。 文書についての情報ビューにコピー元の場所としてインターネット上のURLを表示した文書管理画面の例を示す図である。 文書のアイコンをコピー元の場所に応じてグルーピングして表示する文書管理画面を例示する図である。 コピー元の場所(フォルダ)を開くメニュー項目を含んだ文書のコンテキストメニューを表示した文書管理画面を例示する図である。 作業スペース内の文書と、その中の文書のコピー元のフォルダの文書とをそれぞれ一覧表示した文書管理画面を例示する図である。 作業スペースのコンテキストメニューとしてメニュー項目「片付ける」を含んだものを表示する文書管理画面を例示する図である。 片付け処理部による作業スペースの片付け処理の手順を例示する図である。 片付けダイアログの表示例を示す図である。 片付け処理の後に表示される文書管理画面を例示する図である。 片付けフォルダについてメニュー項目を含んだ文書「作業スペースに戻す」を含んだコンテキストメニューを表示した文書管理画面を例示する図である。 片付け処理部による片付けフォルダの戻し処理の手順を例示する図である。 片付けフォルダの戻し処理の際に表示するダイアログを例示する図である。 作業スペースとクラウドの同期を指示するボタンを含んだ文書管理画面を例示する図である。 文書管理画面に片付けフォルダを開いた状態では、クラウド側との同期ボタンが表示されないことを示す図である。 同期処理部が表示する問合せ画面を例示する図である。 自動同期の設定を含む作業スペースについての設定画面を例示する図である。 同期処理の手順を例示する図である。 一括同期画面を例示する図である。 不整合の状態毎のアクションの判定テーブルを例示する図である。 一括同期画面の別の例を示す図である。
<システムの概要>
図1に、本発明に係る文書管理システム10の概略構成を例示する。文書管理システム10は、例えば出願人の提供するDocuWorks(商標)や、AdobeSystems社のAdobe Acrobat(商標)のように、登録された文書ファイルに対する閲覧、編集、注釈付け(色付きマーカー、付箋、スタンプ等の付加)等の処理機能を提供するソフトウエアである。このソフトウエアは、PC(パーソナルコンピュータ)又はサーバ等のコンピュータで実行されることにより、文書管理システム10の機能を実現する。文書管理システム10は、PCにインストールされた個人用のシステムであってもよいし、リモートのユーザに対して文書ハンドリングサービスを提供するサーバとして構築されていてもよい。
文書管理システム10は、機能モジュールとして、文書取り込み部12、文書処理部14、UI処理部16、設定管理部18、片付け処理部20、同期処理部22を含んでいる。
文書取り込み部12は、文書管理システム10の外部で生成された文書(ファイル)を文書管理システム10内に取り込む(すなわち登録する)ための処理を担う。取り込まれる文書には、ワードプロセッサや表計算等のアプリケーションソフトウエアで生成された当該アプリケーション固有のデータ形式のファイル(アプリケーションファイルと呼ぶ)、スキャナやデジタルカメラ等により生成されたビットマップ、TIFF、JPEG等のイメージデータ形式のイメージファイル等がある。また、文書管理システム10が取り込む文書には、動画ファイルやマルチメディアファイル等が含まれてもよい。文書取り込み部12により取り込まれた文書ファイルは、文書管理システム10の管理下にあるフォルダのうちのいずれか(例えばユーザが指定又は事前設定したもの)に格納される。文書取り込み部12は、アプリケーションファイルをそのまま文書ファイルとして取り込むか、文書管理システム10が用いる特定のデータ記述言語で記述された文書ファイルへと変換する。変換に用いられるデータ記述言語は、PDL(ページ記述言語)、又は、ページ記述言語のように文書(画像)の見た目を記述可能な他の種類の言語(PDFのデータ形式もその一例)である。このデータ記述言語で記述される文書ファイルには、テキスト、ベクターグラフィックス(ベクター表現で記述された図形)、連続階調イメージ(ビットマップ、TIFF、JPEG等のデータ形式のもの)等の複数種類のオブジェクトが含まれ得る。
例えば、ユーザが、ファイルシステム(例えばマイクロソフト社のエクスプローラ)のGUI(グラフィカルユーザインタフェース)画面に表示された文書管理システム10の外にあるフォルダ内の文書のアイコンを、ドラッグ&ドロップ操作で文書管理システム10のGUI画面(図2参照)のフォルダアイコンや文書ペイン120内にドロップすると、文書取り込み部12がその文書をPDL等の文書ファイルへと変換し、ドロップ先のフォルダに格納する。また、ユーザは、アプリケーションから、文書管理システム10向けの仮想プリンタ(文書取り込み部12、又はこれと同機能を持つ別のプログラム)を呼び出し、そのアプリケーションの取り扱う文書をその仮想プリンタに出力してもよい。仮想プリンタは、その文書を、文書管理システム10内で取り扱うPDL等の文書ファイルに変換し、文書管理システム10内の指定されたフォルダに保存する。
なお、文書管理システム10の管理下にあるフォルダ(後述する作業スペースもその一つ)は、文書管理システム10からアクセスするものであり、OSのファイルシステムからアクセスすることは想定されていない。それらフォルダに対して文書の追加や削除等の操作を行うためには、基本的には文書管理システム10を起動する。ただし、後述する「作業スペースにコピー」アプリケーション24を介した作業スペース等への文書格納は、その例外であり、文書管理システム10が起動していないときに、作業スペース等に文書を格納する機能を持つ。
文書処理部14は、文書管理システム10の管理下にフォルダ、及びフォルダ内の文書ファイルについて、ユーザの指示する処理を実行する。例えば、ユーザから文書ファイルの閲覧が指示された場合には、文書処理部14はその文書ファイルを開き、文書ファイルのページの画像を画面表示する。また、文書処理部14は、ユーザからの指示に応じて、開いた文書ファイルに対する注釈の追加や削除等を行う。また、文書処理部14は、文書の「ばらし」及び「束ね」の機能を有する。ばらし処理とは、1つの文書ファイルを、指定されたページ以前のページからなる第1の文書ファイルと、その指定ページの次のページ以降のページからなる第2の文書ファイルとに分割する処理である。また、束ね処理とは、ユーザが指定した複数の文書ファイルを束ねて1つの文書ファイルにする処理である。束ね後の文書ファイルは、束ねる前の第1の文書ファイルのページ群と第2の文書ファイルのページ群とを併せ持ったファイルとなる。また、文書処理部14は、ユーザフォルダ116やその子孫フォルダについて、当該フォルダの子孫フォルダを作成する指示をユーザから受け付ける。
UI処理部16は、文書ファイルの操作のためのUI(ユーザインタフェース)画面を提供し、その画面に対するユーザの操作を受け付ける。UI処理部16は、例えば、図2に例示する文書管理画面100を生成し、文書管理システム10がインストールされたコンピュータの表示装置に表示する(文書管理画面100については後で詳述)。
例示した文書管理画面100は、フォルダペイン110、文書ペイン120、操作ボタン領域130を含む。
フォルダペイン110は、文書管理システム10の管理下にあるフォルダ群のツリー構造を表示する領域である。表示されるツリーのルート(根)は、文書管理システム10自体(図2ではアイコン112として示す)である。図示例では、ルートの直下には、作業スペース114、ユーザフォルダ116及びリンクフォルダという2つのフォルダがある。作業スペース114は、ユーザが現在実行中の作業のための文書群を保持するフォルダである。作業スペース114については、後で更に詳しく説明する。ユーザフォルダ116は、文書管理システム10のユーザが用いる文書群を整理して保存するために用いられるフォルダである。ユーザフォルダ116内には子フォルダや孫フォルダといった下位のフォルダ群を階層的に作成することができる。ユーザは、自ら決めた整理体系に従って必要な子孫フォルダを作成し、文書を適切なフォルダに格納する。リンクフォルダは、文書管理システム10の管理の外にあるフォルダへのリンクであり、このリンクフォルダを「開く」と、リンク先のフォルダ内の子孫フォルダがフォルダペイン110に表示される。
文書ペイン120には、フォルダペイン110内でユーザが選択したフォルダ内の文書ファイルのアイコン122群が列挙表示される。この例では、文書ファイルのアイコン122は、それぞれ当該文書ファイルの最初のページのサムネイル画像である。アイコン122に対して、クリック操作等の「開く」操作を行うことで、そのアイコン122に対応する文書を開き、その内容を画面に表示したり、その内容についての編集(例えば、追記、削除、変更等)を行ったりすることができる。また例えば、ユーザは、ある文書ファイルのアイコンをドラッグ&ドロップ操作により別の文書ファイルのアイコンに重ねることで、それら2つの文書ファイルの束ね処理を指示することができる。また、図示省略した文書管理画面100上のメニューや、アイコンに対するマウスの右クリック等の操作で呼び出されるコンテキストメニューから、文書ファイルに行う処理を選択することもできる。なお、コンテキストメニューとは、当該メニューに対応するオブジェクト(この場合は文書)に対する処理の選択肢をメニュー項目として列挙して表示した画面のことである。
操作ボタン領域130は、文書ペイン120に表示されたフォルダやそのフォルダ中の文書(アイコン122)に対する各種の操作を示すボタン134~138を表示する領域である。図示例では、操作ボタン領域130には、文書ペイン120内の選択された文書を印刷する印刷ボタン、作業スペース(後述)への文書のコピーを指示するボタン134、作業スペースの一時的な片付け(後述)を指示する片付けボタン136、作業スペース内の文書のコピー元のフォルダを開くための「元の場所」ボタン138等が表示されている。
図1の説明に戻ると、設定管理部18は、文書管理システム10の各種設定項目の入力を受け付け、入力された設定項目の値を保持する。設定管理部18が管理する設定項目の例として、文書管理システム10の起動時に文書管理画面100の文書ペイン120に表示するフォルダ、作業スペースとクラウドシステム上の対応フォルダとの同期についての設定などがある。
片付け処理部20は、作業スペース内の文書群を一時的に片付ける処理を行う。片付け処理部20の機能については、後で詳しく説明する。
同期処理部22は、作業スペースとクラウドシステム上の対応フォルダとの同期のための処理を実行する。この処理については、後で詳しく説明する。
以上、文書管理システム10の概要を説明した。次に、このシステムの各種の特徴について説明する。
<作業スペース>
上述したように、文書管理システム10は、ユーザが現在取り組んでいる作業に用いる文書群のためのフォルダである作業スペース114を用意している。作業スペースは、そのユーザの仕事場(例えば机の上)のメタファーであり、現在取組中の作業全体が一目でわかること、すなわち作業の一覧性を目的としている。これは、ユーザフォルダ116やその中の子孫フォルダからなる階層構造が、文書群の整理整頓を目的としているのと対照的である。
作業の一覧性を確保するために、作業スペース114内には文書(ファイル)のみが格納される。すなわち、作業スペース114は、子孫のフォルダ群からなる階層的な構造を内包しない。仮に作業スペース114が内部にフォルダの階層構造を持ってしまうと、現在の作業に用いられる全文書を1つの文書ペイン120上に並べて一覧に供することができない。この場合、作業スペース114の全容を把握するには、階層間の移動操作が必要になる。これに対し、作業スペース114は、文書のみからなるフラットな構造なので、階層間の行き来を必要とせず、文書ペイン120上ですべての文書のアイコン(サムネイル等)群を一覧できる。
作業スペース114は一時的な作業場として用い、文書の保管はユーザフォルダ116内の階層的なフォルダ群により整理して行うという使い分けを行う。
<作業スペースへの文書の登録>
作業スペース114への文書の登録(保存)は、既存のフォルダ内にある文書に対して「作業スペース114にコピー」の操作を行うことで実現される。
図3に例示する文書管理画面100では、文書ペイン120上に文書管理システム10のユーザフォルダ116内のあるフォルダ(フォルダ名「ABCプロジェクト」)内の文書のアイコン122が一覧表示されている。そして、その中のある文書(名称「△△提案書」)に対するマウスの右クリック等の特定操作により、その文書に対するコンテキストメニュー124が呼び出されている。このコンテキストメニュー124内には、「開く」(文書を開いて内容を表示する)、「切り取り」、「コピー」128、「削除」、「名前の変更」、「印刷」等といった一般的な操作項目の他に「作業スペースにコピー」126という操作項目が含まれる。ユーザが「作業スペースにコピー」126の実行をクリック操作等により指示すると、文書処理部14は、その文書(ファイル)のコピーを作成し、そのコピーを作業スペース114内に保存する。この操作の後、作業スペース114を開くと、図4に示すように、文書ペイン120内に作業スペース114内の文書のアイコンが一覧表示される。
仮に、従来の一般的な「コピー」128の操作項目を選んだ場合、その文書は、クリップボード(OSが用意しているコピー(又は切り取り)したデータの一時的な記憶領域)に記憶されるのみである。したがって、その文書を作業スペース114にコピーするには、その「コピー」128の実行の後、更に、クリップボード上のその文書のコピーを、作業スペース114に対して「貼り付け」(ペースト)する操作が必要になる。このように、従来の操作項目「コピー」128を利用する場合、ユーザは、コピーの操作と貼り付けの操作とで、合計2回の操作を少なくとも行う必要があった。
これに対して、操作項目「作業スペースにコピー」126の場合は、ワンタッチで、すなわちその操作項目を選ぶという1回の操作だけで、対象の文書を作業スペース114内にコピーすることができる。
また、「作業スペースにコピー」126と同様の操作は、文書ペイン120内の文書を選択した後、操作ボタン領域130内の「作業スペースにコピー」ボタン134を押下することでも実行可能である。
また、文書管理システム10に取り込み可能なデータ形式の各々について、OSが管理しているそのデータ形式に対応するコンテキストメニューに対して「作業スペースにコピー」というメニュー項目を追加してもよい。このメニュー項目には、当該文書管理システム10と同じコンピュータにインストールされている「作業スペースにコピー」アプリケーション24が対応付けられている。このアプリケーション24は、文書管理システム10が起動していないときにも読み出し可能である。ユーザが、OSのファイルシステムのGUI画面に表示された文書アイコンからコンテキストメニューを呼び出し、そのメニュー内の項目「作業スペースにコピー」を選択して実行すると、OSは、「作業スペースにコピー」アプリケーション24を起動し、その文書のパス名を渡す。起動されたその「作業スペースにコピー」アプリケーション24は、そのパス名が示す文書のコピーを作成し、作業スペースに保存する。なお、もしその文書のデータ形式が文書管理システム10内部のデータ形式(PDL形式等)と異なる場合はそのコピーのデータ形式をその内部のデータ形式に変更した後、作業スペースに保存してもよい。このようにすることで、文書管理システム10の管理下にない文書(すなわち文書管理システム10をルートとするフォルダツリーに属さないフォルダ内の文書)についても、上述と同様に一つの操作で、文書を作業スペースにコピーすることが可能になる。
また、ワードプロセッサ等の文書を生成又は編集するアプリケーションが表示している文書をアプリケーションのUIから作業スペースへ登録できるようにしてもよい。これには、例えば、そのアプリケーションの印刷指示のUIに対して、印刷先の選択肢として「文書管理システムの作業スペース」を登録し、その選択肢に対して、「作業スペースにコピー」アプリケーション24と同様の処理を行う仮想プリンタを対応付けておけばよい。ユーザは、そのワードプロセッサ等のアプリケーションに表示されている文書を作業スペースに登録したい場合、このアプリケーションの印刷指示画面を呼び出し、印刷先として「文書管理システムの作業スペース」を選択して印刷実行を指示すればよい。
また、以上の例では、文書を作業スペースに登録する際に用いるコンテキストメニューやコピーボタン等のUIを例示したが、文書管理システム10内の作業スペース以外のフォルダに対して、同様のUIで文書を登録できるようにしてもよい。この場合、設定管理部18に対して、コンテキストメニューの操作項目「作業スペースにコピー」126や操作ボタン領域130内の「作業スペースにコピー」ボタン134に対応付けるコピー先のフォルダを設定したり、変更したりできるようにしてもよい。この場合、コンテキストメニューの操作項目「作業スペースにコピー」126の中の「作業スペース」の文字列を、設定されたコピー先フォルダの名称に変更してもよい。
以上では、作業スペース外のフォルダの文書を作業スペース内にコピーする場合の例を示したが、コピー以外、例えば移動(この場合、当該文書は元のフォルダから削除される)等の登録方法により、作業スペースに文書を登録してもよい。
<作業スペース内に階層的なフォルダ構造を持たせないための仕組み>
前述のように作業スペースは階層構造を持たない。階層構造を持たない作業スペースを維持するための仕組みを以下に説明する。
例えば、オペレーティングシステム(OS)が用いているファイルシステム内に作成したフォルダを作業スペース114として用いる場合、その作業スペース114に階層構造を持たせないために、文書処理部14は、作業スペース114に対しては、子孫フォルダの作成指示をユーザから受け付けない。例えば、フォルダペイン110内の作業スペース114のアイコンに対する特定操作(例えばマウスの右クリック)で呼び出されるコンテキストメニュー上に、フォルダの新規作成の指示のためのメニュー項目を表示しない。また、文書ペイン120に作業スペースを開いているときに、その作業スペース上(文書アイコン以外の部分)で呼び出すコンテキストメニューにも、フォルダの新規作成の項目を表示しない。
また、図5に例示するように、フォルダペイン110内のフォルダからマウスの右クリック等の操作で呼び出されるコンテキストメニュー140には「作業スペースにコピー」の項目は含めない。これにより、フォルダがワンタッチ操作で作業スペースにコピーされることはない。このコンテキストメニュー140には「コピー」142の項目が含まれるが、その項目がユーザに選択された場合に実行されるのは、そのフォルダ(内部に文書や子孫フォルダを含み得る)をクリップボードにコピーする処理である。仮に、クリップボードにコピーしたフォルダに対して、作業スペースにペーストする操作を行ったとしても、文書処理部14は、作業スペースにペーストされようとしているオブジェクトがフォルダであることを検知すると、一つの例では、そのペーストを禁止する。このとき、文書処理部14は、UI処理部16を介して、図6に例示するエラー通知画面200を表示する。このエラー通知画面200には、フォルダは作業スペースにコピーできないことを示すエラーメッセージ202が表示される。
同様に、文書管理システム10の管理下にないフォルダについても、コンテキストメニューには「作業スペースにコピー」アプリケーション24を呼び出すメニュー項目を含めない。また、そのようなフォルダを、クリップボードを介して作業スペースにコピーしようとしても、文書処理部14はフォルダがコピーされようとしていることを検知し、そのコピーを禁止する。
また、文書ペイン120内に開いた作業スペース内に、作業スペースの外のフォルダをドラッグ&ドロップ操作でコピー又は移動しようとしたとしても、作業スペースを管理している文書処理部14は、それを禁止する。すなわち、文書処理部14は、その操作により作業スペースに保存されようとしているオブジェクトがフォルダであることを検知すると、その保存を禁止し、例えば前述のエラー通知画面200(図6)を画面表示する。
以上では、作業スペースへのフォルダのコピーを禁止することで、作業スペース内に階層構造が持ち込まれないようにした。別の例として、ユーザがフォルダを作業スペースにコピーする操作を行った場合に、文書処理部14は、そのフォルダの内部の文書を取り出して作業スペースにコピーしてもよい。ここで、作業スペースにコピーする文書は、そのフォルダに直接含まれるもののみに限定してもよいし、そのフォルダとその子孫のフォルダに含まれる文書すべてとしてもよい。いずれの場合も、コピーの対象として選択されたフォルダ自体やそのフォルダの子孫のフォルダは作業スペースにはコピーされず、作業スペース内は文書のみとなる。
文書処理部14は、ユーザからフォルダを作業スペースにコピーする操作を受けると、図7に例示するように、フォルダ内の文書(ファイル)のみをコピーするかどうかを問い合わせるメッセージ212を表示した問合せ画面210を、UI処理部16を介して表示してもよい。ユーザが問合せ画面210内のOKボタンを押下すると、文書処理部14は、そのフォルダ内の各文書のコピーを作成し、それらコピーを文書管理システム10のデータ形式に変換した後、作業スペースに保存(貼り付け)する。ユーザが取り消しボタンを押下した場合は、文書処理部14は、そのフォルダを作業スペースにコピーする処理を取りやめる。
また、ユーザがフォルダを作業スペースにコピーする操作を行った場合に、コピーを実行せずにエラー通知画面200を表示する(「フォルダコピー禁止」)か、そのフォルダ内の文書のみをコピーするか(「フォルダ内の文書をコピー」)を、ユーザが設定管理部18に対して設定できるようにしてもよい。また、そのフォルダ内の文書のみをコピーするケースについて、そのフォルダに直接含まれる文書のみをコピーするか、そのフォルダとその子孫のフォルダに含まれるすべての文書をコピーするかを、設定管理部18に設定できるようにしてもよい。また、上述の「フォルダ内の文書をコピー」が設定管理部18に設定されている場合には、フォルダに対して開くコンテキストメニューに項目「作業スペースへコピー」を表示し、上述の「フォルダコピー禁止」が設定されている場合にはそのコンテキストメニューに項目「作業スペースへコピー」を表示しないよう、コンテキストメニューの表示を制御してもよい。
また、文書処理部14は、フォルダを作業スペースにコピーするユーザの指示に応じて、フォルダ内の文書群を取り出して作業スペースにコピーした場合に、文書管理画面100の文書ペイン120に表示する作業スペースにて、それらコピーした文書群が同じフォルダに由来することを示す表示を行ってもよい。この表示の例を図8に示す。図8の例は、元々文書Aが保存されていた作業スペースに対し、注文書フォルダ118をコピーした場合の例である。文書ペイン120には、今回新たに作業スペースに加わった文書B、C、Dのアイコンが、元々存在した文書Aのアイコンよりも強調して(すなわちより目立ちやすい表示態様で。図示例では輪郭線を強調している)表示されている。また、それら文書B、C、Dのアイコンは、共通の表示態様(例えば輪郭線が同じ色)となっており、これによりそれら3つの文書が同じフォルダからコピーしたものであることが表現されている。また、それら3つの文書のアイコンには、注文書フォルダからのその文書のパス名を表すファイル名が付随して表示されている。図示例では、例えば、文書Bは注文書フォルダに直接含まれるファイルなのに対し、文書Dは注文書フォルダの直下の「201710」という名称のフォルダに含まれるファイルである。また、図8の表示では、文書Dのアイコンが文書B及びCのアイコンより下に表示されることで、文書Dが文書B及びCよりも下位のフォルダに属していることが表現されている。
<起動時の表示>
次に、文書管理システム10を起動した時に表示される文書管理画面100の表示について説明する。
設定管理部18には、この起動直後の文書管理画面100の文書ペイン120に開かれるフォルダを設定できる。この起動時に開くフォルダの設定を受け付ける設定画面300を図9に例示する。この例では、選択肢欄302において、起動時に開くフォルダを、ユーザフォルダ、文書管理システム10を前回終了した時点で開いていたフォルダ、及び作業スペースの3つの選択肢欄302から選ぶことが可能である。文書管理システム10は、次に説明する例外ケースを除いた通常の場合は、起動時に文書ペイン120に開くフォルダを、その設定に従って決定する。
一方、前述の例外ケースとは、文書管理システム10が終了中(すなわち文書管理システム10が非稼働状態である期間)の間に、作業スペースに文書が登録された場合である。上述したように、本実施形態では,文書管理システム10が終了中であっても、ファイルシステムのUI上の文書のコンテキストメニューから「作業スペースにコピー」アプリケーション24を呼び出したり、ワードプロセッサ等の文書を生成、編集するアプリケーションから印刷先を作業スペースとする仮想プリンタに印刷指示を行ったりすることで、文書を作業スペースに登録することができる。このように、文書管理システム10が終了中に文書が作業スペースに登録された場合、ユーザは作業スペース上でその文書を用いて作業を行う意図を持っている可能性が高い。しかし、起動時に開くフォルダの設定が作業スペース以外のフォルダである場合、文書管理システム10の起動直後に開かれるフォルダは作業スペースではない。したがって、その作業スペース内の新規の登録文書を確認するには、作業スペースを開く操作を行う必要がある。
そこで、本実施形態では、文書管理システム10が終了中(すなわち、文書管理システム10が実行されていない、すなわち稼働していない期間)の間に作業スペースに文書が登録された場合、起動時に開くフォルダの設定によらず、文書管理システム10の起動時に作業スペースを文書ペイン120に開く。この起動時の表示制御の手順の例を、図10に示す。
図10の手順では、文書管理システム10が起動された際、まずUI処理部16は、文書管理システム10の前回の終了後に作業スペースに登録された文書の有無を調べる(S10)。S10での調査は、例えば、UI処理部16が、文書管理システム10の終了中に文書を作業スペースに登録する機能を持つプログラム(例えば「作業スペースにコピー」アプリケーション24及び仮想プリンタ)に対して、終了中の期間に文書を登録したかどうかを問い合わせることで行う。そのプログラム(すなわち、そのプログラムをコンピュータに実行させることで実現される仮想的な処理装置のこと)は、作業スペースに文書を登録した時刻の情報を含むログを記録しており、UI処理部16からの問合せに応じて、最後に作業スペースに文書を登録した時刻を返す。UI処理部16は、そのプログラムから応答された時刻が、文書管理システム10の前回の終了時刻(これは文書管理システム10が記録している)と現時刻との間であれば、文書管理システム10が終了中に作業スペースに登録された文書があったと判定する。あるいは逆にUI処理部16が、文書管理システム10の前回の終了時刻を含む問合せをそのプログラムに送り、そのプログラムがその終了時刻以降に文書を登録したか否かを応答してもよい。また、UI処理部16が、そのアプリケーションに問合せを行う代わりに、そのプログラムが記録したログを参照することで、その判定を行ってもよい。あるいは、そのプログラムが、作業スペースに文書を格納(コピー等)するとフラグを「格納あり」を示す値にセットし、文書管理システム10の起動時に、UI処理部16が、そのフラグを参照することで文書管理システム10が非稼働中の作業スペースへの文書格納の有無を判定し、そのフラグをリセットするようにしてもよい。また更に別の例として、文書管理システム10が、前回の終了時点での作業スペース内の文書のリストを記憶し、このリストと、今回起動した時点で作業スペースにある文書とを照合することで、終了中に作業スペースに新たに追加された文書の有無を判定してもよい。
S10の調査で、文書管理システム10の終了中に作業スペースに追加された文書があると判定した場合(S12)、UI処理部16は、文書ペイン120に作業スペース内の文書群を表示した文書管理画面100を表示する(S14)。一方、S12で文書管理システム10の終了中に作業スペースに追加された文書がないと判定した場合、UI処理部16は、設定管理部18内の「起動時に開くフォルダ」の設定に対応するフォルダを文書ペイン120に開いた文書管理画面100を表示する(S16)。
図11に、文書管理システム10の起動時にS14の処理により表示された、文書ペイン120に作業スペース内の文書群を表示した文書管理画面100を例示する。この例は、文書管理システム10の前回の終了時に「△△提案書」という名前の文書のみが存在していた作業スペースに対して、その終了の期間中に新たに「△△追加資料」という名前の文書が登録された後、文書管理システム10が起動した際に表示される文書管理画面100である。この例では、文書ペイン120内の新たに登録された文書「△△追加資料」のアイコンを、既存の文書「△△提案書」のアイコンと異なる表示態様で表示している。特に新たに登録された文書のアイコンは、既存の文書のアイコンよりも目立つ表示態様で表示する。
また、前述した図8の文書管理画面100のように、起動時に開く文書管理画面100に、文書管理システム10が終了中に作業スペースに登録された各文書のコピー元のフォルダの情報を反映してもよい。すなわち、図8の例では、作業スペースに新たに登録された各文書のアイコンに対して、その文書のコピー元の文書のパスの情報を含んだファイル名を付随して表示している。また、各文書のアイコンの上からの並び順で、新規に登録された文書の属するフォルダの階層を表現している。
なお、図10の手順では、文書管理システム10の終了中に作業スペースに文書が登録された場合には、その後文書管理システム10が起動したときの文書管理画面100上で必ず作業スペースを開いたが、これは一つの例である。この代わりに、終了中に作業スペースに文書が登録した後の文書管理システム10の起動時の文書管理画面100に開くフォルダを作業スペースとするか、起動時に開くフォルダの設定に従うのかを、ユーザが設定管理部18に設定してもよい。
以上の例では、文書管理システム10が終了中に、作業スペースに登録された文書があった場合の、文書管理システム10の起動時の動作を説明したが、作業スペース以外のフォルダについて同様の動作を行うようにしてもよい。この場合、この動作の対象とするフォルダをユーザが設定管理部18に設定しておく。文書管理システム10は、起動時に、自分の終了中にそのフォルダに文書が追加されたことが判明すると、表示する文書管理画面100の文書ペイン120にそのフォルダを開く。
<作業スペース内の文書の元の場所の表示>
作業スペースは、例えば整理整頓のための階層構造のフォルダ群に保存された文書をコピーし、そのコピーした文書を用いて作業することを想定した仮想的な仕事場である。その作業にあたって、ユーザは、作業スペース内の文書のコピー元の場所(フォルダ)の情報が必要になる場合がある。例えば、添削対象の文書を模範文書と比べながら添削していく作業において、模範文書群を収容したフォルダから今回の模範文書を、添削対象の文書を収容するフォルダから今回の対象の文書を、それぞれ作業スペースにコピーした場合を考える。この場合、作業スペース上の各文書が模範文書か添削対象の文書かをユーザが判断する際、それら各文書のコピー元の場所の情報が分かると役に立つ。また、作業スペース内の文書のコピー元のフォルダ内の他の文書を参照する必要が生じる場合もある。
そこで、文書管理システム10は、作業スペースにコピーした文書に対して、コピー元の文書の保存場所の情報を属性として追加する。すなわち、作業スペースに対して文書をコピーする機能を持つ処理部(例えば、文書管理システム10が稼働中に文書を作業スペースに登録する文書処理部14、又は文書管理システム10の終了中に文書を作業スペースに登録することが可能な「作業スペースにコピー」アプリケーション24)は、あるフォルダ内の文書を作業スペースに対してコピーする際、その文書の属性情報に、例えば「元の場所」という名前の属性項目として、そのコピー元の文書のパス名を追加する。これにより、作業スペース上の文書に対して、「元の場所」属性を用いた処理が可能になる。
例えば、UI処理部16は、図12に例示するように、文書ペイン120上に開かれた作業スペース内のユーザの選択した文書の属性情報の表示指示を受けた場合に、その属性情報を示した情報ビュー150を表示する。この情報ビュー150内には、その文書が格納されている「場所」152(例えばその文書のパス名)の他に、その文書の「元の場所」154の値が表示される。
またUI処理部16は、文書ペイン120上に開いた作業スペース内の各文書について、それぞれ「元の場所」を反映させた表示を行ってもよい。図13にそのような表示の一例を示す。この例では、文書ペイン120上に開いた作業スペース内の各文書のアイコン162A~162Fの表示態様を、「元の場所」毎に区別している。例えば、文書B、C、Dは「元の場所」のフォルダが同じなので、それら3つの文書のアイコン162B、162C、162Dの表示態様(例えばアイコンやその輪郭の色、線の太さ、明るさ等)が同じであり、その表示態様は、「元の場所」のフォルダが異なる文書Aのアイコン162Aや文書E及びFのアイコン162E及び162Fの表示態様とは異なっている。
また、図13の例では、各文書のアイコンに対して、その文書の「元の場所」を反映したファイル名を付随して表示している。例えば文書Aは、文書管理システム10の管理下のユーザフォルダ内の注文書フォルダの月別サブフォルダの1つからコピーしたものであるが、その文書Aのアイコン162Aのファイル名表示は、文書管理システム10(「文書管理」)からその月別サブフォルダ内のその文書A(コピー元)までのパスを表す文字列となっている。また、例示は省略したが、文書管理システム10の管理下にない、ローカルの他のフォルダから作業スペースにコピーした文書については、ファイル名表示にはその文書のコピー元のフルパスを表す文字列が表示される。
また、作業スペースには、文書管理システム10がインストールされているコンピュータの外にあるリモートのサーバ上のファイルをコピーすることもできる。図13に例示した文書管理画面100は、インターネット上にある文書保管機能を持つクラウドサービス119を、文書管理システム10にマウントして利用している状態を示している。アイコン162E及び162Fは、そのクラウドサービス119内のフォルダにある文書E及びFのコピーを表している。ここで、文書E及びFの実体はそのコンピュータ内に一時ファイルとして存在しているが、アイコン162E及び162Fには、それをユーザに意識させないよう、文書E及びFのコピー元のURL(Uniform Resource Locator)を表すファイル名表示が付されている。なお、文書E及びFについて、図12と同様の情報ビュー150を表示する場合、図14に示すように、元の場所154aの欄には、そのURLが表示される。
また、UI処理部16は、図15に示すように、文書ペイン120上に展開した作業スペース内の文書のアイコンを、コピー元のフォルダが同じ文書毎にグループ分けして表示してもよい。図示例では、コピー元のフォルダが同じ文書のアイコン162が、グルーピングのための枠164で囲まれた領域に配列されている。また図示例では、枠164の入れ子構造により、各文書が属するフォルダの階層を表現している。例えば、図15の表示は、文書Bが枠164aにより表されるあるフォルダaに保存されており、文書C及びDがそのフォルダaの下位の別のフォルダb(枠164bで表される)に保存されていることを表現している。
またUI処理部16は、作業スペース内の文書の「元の場所」のフォルダを開いて、そのフォルダ内にある文書群を表示する機能を有する。例えば、図16には、文書ペイン120上に展開した作業スペース内で、ユーザがある文書のアイコン162にカーソルを合わせて(すなわちその文書を選択して)マウスの右クリック操作等によりコンテキストメニュー170を表示させた状態を示している。このコンテキストメニュー170には「元の場所を開く」というメニュー項目172が含まれている。ユーザがこのメニュー項目を選択すると、UI処理部16は、図17に例示するように、その文書の「元の場所」(その文書のコピー元が保存されているフォルダ)内の文書群のアイコンが表示される。図17の例では、文書ペイン120が上下に二分割され、下側のペイン120bには作業スペースが、上側のペイン120aには「元の場所」が表示される。図示例では、ペイン120aには、「元の場所」に保存されている3つの文書のアイコンが表示されている。ユーザは、ペイン120aにある文書を開いて閲覧したり、ペイン120a内の文書をドラッグ&ドロップ操作で下側のペイン120b(作業スペース)にコピーしたりすることができる。また、「元の場所」を開いている間、下側のペイン120bの作業スペース内の文書のうち、その「元の場所」に対応する文書のアイコン(すなわち「元の場所」を開く対象として選択された文書)を、作業スペース内の他の文書のアイコンと識別可能な表示態様(例えば色や明るさ等を変えることで強調表示)に表示してもよい。これにより、開かれている「元の場所」が作業スペース内のどの文書に対応するものかということをユーザに知らせる。
また、ペイン120a内の「元の場所」の文書のうち、その「元の場所」に対応する下側のペイン120b内の文書と同名の文書(すなわちコピー元の文書)のアイコンを、「元の場所」の中の他の文書のアイコンと識別可能な表示態様で表示してもよい。
また、作業スペース中のある文書についてコンテキストメニュー170等から「元の場所」を上側のペイン120aに開いた場合、今そのペイン120aに開いている「元の場所」のフォルダを「元の場所」属性として持つ作業スペース(下側のペイン120b)中の文書のアイコンを、「元の場所」属性がそれ以外の値であるアイコン群と識別可能な表示形態で表示してもよい。これにより、ユーザは、作業スペース内で注目先として選んだ文書と「元の場所」が同じ文書を作業スペース(下側のペイン120b)内で把握できる。作業スペース内で、ユーザが注目している文書と同じ「元の場所」から来た文書が把握できれば、ユーザの作業の参考になる。
また、このようにユーザが選んだ文書と同じ「元の場所」属性を持つ文書のアイコンを作業スペース内でそれら以外の文書と識別可能に表示する場合に、最初に「元の場所」を開く操作をした作業スペース中の文書のアイコンと、「元の場所」を属性として持つその他の作業スペース中の文書群のアイコンとを、下側のペイン120b内で互いに識別可能な表示形態で表示してもよい。すなわち、この例では、最初に「元の場所」を開く操作をした作業スペース中の文書のアイコンを、「元の場所」が同じ他の文書のアイコンと区別できるように表示するのである。これにより、ユーザは元々注目していた文書(「元の場所」を開く操作の対象)を、他の文書(特に「元の場所」が共通する他の文書)と識別できる。「元の場所」を開いて行う一連の作業は、主作業を中断して行うサブ作業のような位置づけであることが多いと考えられる。この例のように(最初に)開く操作をした文書を他の文書と識別できるようにマーク付けすることで、ユーザが元の主作業に円滑に戻るための案内が提供できる。
ユーザは、例えば、作業スペース内の文書を用いる作業の遂行中に、その文書の「元の場所」にある他の文書を参考にしたり、その他の文書を作業のために使用したりする必要が生じた場合、この「元の場所」を開くという機能を用いる。また、この上側のペイン120aに表示された文書のアイコンをクリック等の「開く」操作を行うことで、「元の場所」にある文書を開いてその内容を表示することもできる。
また、「元の場所」が文書管理システム10の管理下にないフォルダである場合、文書管理システム10は、OSのファイルシステムのUI(例えばWindows(登録商標)のエクスプローラ(商標))を呼び出し、そのUIの画面上で「元の場所」のフォルダを開いてもよい。もちろん、この場合も、図17の例と同様、文書管理画面100内に生成したペイン又はウインドウに「元の場所」を開いてもよい。
また、「元の場所」が、文書管理システム10からネットワーク経由で接続されるリモートのコンピュータ内にある場合も、同様に、文書管理システム10は、「元の場所」のフォルダの情報を取得し、画面に表示する。
なお、操作ボタン領域130内のボタン138は、「元の場所」を開く操作を呼び出すためのボタンである。ユーザは、このボタン138を押下し、対象となる文書を作業スペース内から選択することで、上述と同様に、その文書の「元の場所」のフォルダを画面上に開くことができる。
また、UI処理部16は、作業スペース内の文書を「元の場所」に書き戻す指示を受け付ける。書き戻しは、「元の場所」にある同名の文書への上書きであってもよいし、新たな名前を付けて「元の場所」のフォルダに書き込む処理であってもよい。UI処理部16は、文書管理画面100の文書ペイン120やフォルダペイン110に表示された、作業スペース内の文書のアイコンから呼び出したコンテキストメニューに、例えば「元の場所に上書き」及び「名前を付けて元の場所に保存」といったメニュー項目を表示し、前者が選ばれたらその文書を「元の場所」の同名文書に上書きし、後者が選ばれたらその文書の名前の入力を受け付け、その文書をその名前で「元の場所」に保存する。
以上の例では、作業スペース内の文書の「元の場所」属性として、その文書のコピー元の文書のパス名を記録したが、パス名全部ではなく、そのパス名から末尾の文書名を除いたもの(すなわちコピー元の文書の属するフォルダのパス)を「元の場所」属性としてもよい。この場合でも、コピー元の文書までの特定を要しないサービスであれば、提供できる。
以上の例では、他のフォルダから作業スペース内に登録された文書について、元の場所の情報を記録し、その情報に応じた各種のサービスを提供した。しかし、作業スペース以外のフォルダについて同様の取扱を行ってもよい。この場合、この「元の場所」サービスの対象とするフォルダをユーザが設定管理部18に設定しておく。文書管理システム10は、この設定が示すフォルダに、他のフォルダから文書が登録された場合、その文書の属性に「元の場所」の情報を記録する。
<作業スペースの一時的な片付け>
ユーザが作業スペースを用いて作業を行っている途中で、より優先される他の作業を文書管理システム10上で実行する必要が出てきた場合を考える。この場合、作業スペースにある現在の作業のための文書群をいったんどこかに片付けて(退避させて)作業スペースを空け、空いた作業スペースに新たな作業のための文書群を置くことができると作業効率がよい。また、割り込んだ作業が完了した後、その前に片付けた文書群を作業スペースに再度展開し、中断した作業が再開できると便利である。以下では、文書管理システム10が有するこのような作業の一時的な片付けの機能について説明する。
UI処理部16は、図18に示すように、文書ペイン120上に作業スペース114を開いた状態で、その文書ペイン120の地の部分(文書のアイコン122がない領域)に対してマウスの右クリック等の特定の操作が行われると、作業スペースについてのコンテキストメニュー180を表示する。コンテキストメニュー180には、メニュー項目「片付ける」182が含まれる。ユーザは、このメニュー項目「片付ける」を選択することで、現在の作業スペース内の文書の一時的な片付けを指示する。また、ユーザは、操作ボタン領域130内のボタン136を押下することでも、作業スペース114に現在保持されている文書群の一時的な片付けを指示することができる。
片付けの指示があると、片付け処理部20(図1参照)が起動する。片付け処理部20は、例えば図19に示す手順を実行する。この手順では、片付け処理部20は、まずUI処理部16を介して画面上に片付けダイアログ400(図20参照)を表示する(S20)。片付けダイアログ400には、作業スペース内の文書群の片付け先として新たに作成するフォルダの名前を入力することを要請するメッセージ402と、その名前の入力欄404とが表示される。最初に表示されたときの入力欄404には、予め設定された命名規則に従って生成されたデフォルトの名前(例えば現在の日付と時刻を示す文字列)が表示されている。ユーザは、必要に応じ、入力欄404内の名前を自分の希望するものに変更する。入力欄404に表示された名前の片付けフォルダを生成し、そのフォルダに文書群を片付けると判断した場合、ユーザはOKボタンを押下する。一方、片付けを取りやめる場合には、取り消しボタンを押下する。なお、片付け処理部20は、片付けダイアログ400の入力欄404に入力された名前と同名の片付けフォルダが既に存在する場合には、その名前で片付けフォルダを直ちに作成することはせず、入力欄404に入力された名前の変更をユーザに促す。そして、既存の片付けフォルダと異なる名前が入力された場合に、その名前で片付けフォルダを新規に生成する。
片付け処理部20は、ユーザがOK又は取り消しのいずれのボタンを押下したかを判定し(S22)、取り消しボタンが押下された場合は、処理を終了する。
OKボタンが押下された場合、片付け処理部20は、文書管理システム10の管理下にあるフォルダの階層構造の中で、作業スペース114の直下に、入力欄404内の名前を持つ新たなフォルダ(片付けフォルダ)を作成する(S24)。そして、片付け処理部20は、作業スペース内にあるすべての文書を、S24で作成した片付けフォルダに移動する(S26)。すなわち、それら文書を片付けフォルダに保存し、作業スペースからそれら文書を削除する。
この例では、片付けフォルダは作業スペースのサブフォルダ(子フォルダ)であり、これは作業スペースが内部に子フォルダを持たないという原則の例外である。片付けフォルダは、文書の整理整頓のための階層構造を構成するフォルダとは異なり、作業スペースの一時的な退避先という限定された役割を持ったフォルダであり、この例ではこのような片付けフォルダのみ、作業スペースの下位に配置することを認めている。なお、文書の整理整頓のための階層構造をなすフォルダとは異なり、片付けフォルダが作業スペースの「下位」であることには特段の意味はない。片付けフォルダが作業スペース内の文書群の片付け先であることが片付けフォルダの属性情報等に示されるのであれば、片付けフォルダは、作業スペースの下位に配置されていなくてもよい。
この片付け処理の結果、表示される文書管理画面100は例えば図21に示すものとなる。図21の文書管理画面100では、フォルダペイン110内の作業スペース114のアイコンの直下の階層に、片付けフォルダ115のアイコンが表示されている。また、文書ペイン120に表示されている作業スペースには、文書のアイコンが存在しない。
なお、第1の作業の文書群を第1の片付けフォルダに片付けた後に、作業スペースを用いて第2の作業を開始し、第2の作業の実行中に、更に別の作業を行う必要がでてきた場合、作業スペースにある第2の作業のための文書群を更に片付けることとなる。この場合、片付け処理部20は、作業スペースの直下の階層に第1の片付けフォルダとは別の第2の片付けフォルダを作成し、このフォルダに現在の作業スペース内の文書群を移動(退避)する。このように、片付けフォルダは複数作成することができる。
片付けフォルダ115は、あくまで作業スペースを用いて行っていた作業のための文書群を一時的に退避する退避先であり、片付けフォルダ115を用いて作業することは禁止される。これは、文書群を用いた作業は作業スペースで行うという原則を明確にするためである。
仮に、片付けフォルダを文書ペイン120に開いて編集や文書の追加、削除等の操作を受け付けると、作業スペースと片付けフォルダの区別が曖昧になり、実質的に複数の作業スペースが存在することになる。これを認めた場合、ユーザは、現在取り組んでいる作業が作業スペースのものなのか、いずれの片付けフォルダのものなのかを常に意識しなければならなくなる。例えば、ユーザが、片付けフォルダを開いてその中の文書を用いて作業を実行している途中でいったんその作業を中断し、文書管理システム10を終了したあと、その作業のために使う新たな文書を見つけたとする。その新たな文書を作業に用いる場合、ユーザは、例えば、文書管理システム10を起動し、中断前に開いていた片付けフォルダを特定して開き、その文書をその片付けフォルダに保存する必要がある。中断前に開いていた片付けフォルダを特定するためには、ユーザは、その片付けフォルダが直近の作業に用いていたものだと言うことを記憶していなければならない。また、中断した作業に用いる新たな文書を、文書管理システム10を開かずに、例えば「作業スペースにコピー」アプリケーション24等を用いて作業スペースにコピーすることも考えられるが、中断前に作業していたのが片付けフォルダであれば、その文書を作業スペース(これはその片付けフォルダとは別の作業のためのものである)にコピーするのは誤りである。かといって、コピー先とする作業スペース又は片付けフォルダをユーザに指定させるのでは、文書管理システム10を開いてから中断前の片付けフォルダに文書をコピーする場合と同様、ユーザの記憶が試されることとなる。
これに対し、作業は作業スペースで行うこととし、片付けフォルダは作業の場として利用できない(すなわち編集等が認められない)よう制御すれば、そのような問題は解消乃至軽減される。
文書処理部14は、片付けフォルダ115を文書ペイン120上に開く操作や、片付けフォルダ115内の文書を開く操作は受け付けてもよい。これは、例えば片付けフォルダの内容をユーザが確認するために利用可能である。しかし、片付けフォルダを作業に利用できないようにするために、片付けフォルダ115内の文書の内容を変更する操作(編集や削除等)や、片付けフォルダ115への新たな文書を追加したり、片付けフォルダ115から文書を削除したりする操作は許可しない。例えば、ユーザが、文書をドラッグ&ドロップ操作で片付けフォルダ115にドロップした場合、文書処理部14は、そのドロップ操作を受け付けず、代わりに、UI処理部16を介して、片付けフォルダへの文書の追加が禁止されていることを示すエラー画面(図示省略)を表示する。また、文書処理部14は、文書ペイン120上に開かれた片付けフォルダ内の文書を開く操作をユーザが行った場合、その文書を読み取り専用(編集不可)の状態で画面上に開く。
作業スペースは内容を変更する操作を受け付けるという意味で「アクティブ」であるのに対し、内容を変更する操作が許可されない片付けフォルダは、「非アクティブ」な作業スペースと捉えてもよい。
次に、一時的に片付けた作業の再開について説明する。すなわち、以下では、割り込んだ第2の作業が終了した後、その前に片付けた第1の作業の文書群を再度作業スペースに展開して、第1の作業を再開する場合について説明する。この場合、ユーザは、図22に示すように、文書管理画面100のフォルダペイン110の中から、作業を再開したい片付けフォルダ115のコンテキストメニュー190を開く。このコンテキストメニュー190には、「作業スペースに戻す」というメニュー項目192が含まれる。ユーザが、そのメニュー項目「作業スペースに戻す」をクリック操作等で選択すると、片付け処理部20は、その片付けフォルダ内の文書を作業スペースに戻すための処理を実行する。図23に、この処理の手順を例示する。
図23の処理手順では、片付け処理部20は、片付けフォルダを作業スペースに戻す指示を受けた場合、まず作業スペース内に現在文書が存在するか否かを判定する(S30)。作業スペース内に現在文書が存在しない場合、片付け処理部20は、その片付けフォルダ内の全文書を作業スペースに移動し(S40)、移動が完了した後、その片付けフォルダを削除する(S42)。
S30で、作業スペース内に現在文書が存在すると判定した場合、作業スペース内の文書群を保全する必要がある。この場合、片付け処理部20は、現在の作業スペース内の文書を退避する片付けフォルダを生成し、そのフォルダにそれら文書群を移動する。すなわち、片付け処理部20は、図24に例示する片付け戻しのダイアログ410を画面に表示する(S32)。このダイアログ410には、片付けフォルダ内の文書を作業スペースに戻すために、現在の作業スペース内の文書を片付ける必要があることを示すメッセージと、そのための新たな片付けフォルダの名前の入力を促すメッセージ412と、その名前の入力欄414とが含まれる。この入力欄414には、図20の片付けダイアログ400の入力欄404と同様、デフォルトの名前が表示されており、ユーザは、これを自分の希望する名前に変更することもできる。入力欄414に表示された名前の片付けフォルダを生成し、そのフォルダに作業スペース内の文書群を片付けると判断した場合、ユーザはOKボタンを押下する。一方、この片付けを取りやめる場合には、取り消しボタンを押下する。
片付け処理部20は、ユーザがOK又は取り消しのいずれのボタンを押下したかを判定し(S34)、取り消しボタンが押下された場合は、処理を終了する。この場合、ユーザが戻しの対象に選んだ片付けフォルダも、作業スペースも現状のまま維持される。
OKボタンが押下された場合、片付け処理部20は、作業スペース114の直下のレベルに、入力欄414内の名前を持つ新たな片付けフォルダを作成し(S36)、現在作業スペース内にあるすべての文書をその片付けフォルダに移動する(S38)。これにより、作業スペースは空になる。この後、片付け処理部20は、戻す対象に選択された片付けフォルダ内のすべての文書を作業スペースに移動させる(S40)。これにより、作業スペース内には、それまでその片付けフォルダ内にあった文書群が保持され、その片付けフォルダは空になる。片付け処理部20は、空になったその片付けフォルダを削除する(S42)。
なお、作業スペース内の文書は、その文書のアイコンの作業スペース上での位置(すなわち文書ペイン120の座標系における、それら文書のアイコンが配置される座標)の情報を属性として持っている。作業スペースから片付けフォルダに片付けられた文書でもその属性は維持される。片付けフォルダを作業スペースに戻すと、各文書のアイコンは、文書ペイン120上でその属性の示す位置に配置される。
以上の例では、片付けフォルダに対して、その内容を変更する操作、すなわち片付けフォルダに対する文書の追加や削除、片付けフォルダ内の文書の編集等、を禁止するという制約を課したが、ユーザの希望に応じてその制約のうちの一部又は全部を解除できるようにしてもよい。例えば、設定管理部18に対して、片付けフォルダに対する操作の設定情報を持たせ、ユーザがその設定情報内の各操作(例えば片付けフォルダに対する文書の追加、削除、片付けフォルダ内の文書の編集)の可否を選択できるようにしてもよい。
以上の例では、現在の作業を中断して新たな作業を始める場合、片付け指示により作業スペース内の文書群を新たに生成した片付けフォルダに移動して作業スペースを空けたが、この代わりに、その作業スペースを非アクティブ状態に変更し、新たな作業のための新たな作業スペースを生成し、その新たな作業スペースをアクティブ状態としてもよい。この場合、文書管理システム10は、保持する複数の作業スペースのうち選ばれた1つをアクティブ状態とし、他の作業スペースは非アクティブ状態として管理する。文書管理システム10は、アクティブ状態の作業スペースについては、文書の追加や削除、編集等、作業スペースの内容を変更する操作を許可するが、非アクティブ状態の作業スペースについては、作業スペースの内容を変更する操作を許可しない。UI処理部16は、複数の作業スペースのうち、アクティブ状態の作業スペースを文書管理画面100のフォルダペイン110内の作業スペース114として取り扱い、非アクティブ状態の作業スペースをフォルダペイン110内の片付けフォルダ115として取り扱う。
また、作業スペース以外のフォルダに対して、上述と同様の一時的な片付けの処理を適用してもよい。
<作業スペースの同期>
文書管理システム10内の作業スペースを、他のコンピュータ内の作業スペースに該当するフォルダと同期する処理について説明する。ここで、2つのフォルダ(作業スペースもフォルダの一種)の同期とは、2つのフォルダが保持する文書の集合が互いに一致するようにする処理である。すなわち、同期した2つのフォルダにおいては、一方のフォルダに保持される文書は他方のフォルダにも保持され、一方のフォルダに保持されるが他方のフォルダには保持されない文書は存在しない。また、それら2つのフォルダに保持される同じ文書は、ファイル名だけでなく、その内容も、その最終更新日時も一致する。
このような作業スペースの同期は、例えば次のような場合に利用される。例えば、複数のユーザが各々のコンピュータ内の作業スペースに同じ文書を入れ、各自がそれぞれ自分のコンピュータの作業スペース内の文書を用いて作業を進めることで、擬似的な共同作業を実現する場合がその一例である。また、同一のユーザがあるときは第1の場所にあるコンピュータで作業し、別のときには第2の場所のコンピュータで同じ作業を行う場合に、それら2つのコンピュータ内の作業スペースを同期することが必要となる。また、共同作業の場合も、同一ユーザが時を変えて異なるコンピュータで同一作業を行う場合も、第1のコンピュータ内の作業スペースを、インターネット上にあるクラウドサービス等のサーバ内の作業スペース対応のフォルダにいったん同期した後、そのサーバ上のフォルダから第2のコンピュータの作業スペースに同期するという運用もあり得る。以下では、あるコンピュータ内の文書管理システム10の作業スペースを、クラウドサービス上の対応フォルダに同期する場合を例にとって説明する。
この例では、図25に例示するように、文書管理システム10のフォルダ構造に対し、ユーザが利用するクラウドサービス119のフォルダ構造がマウントされている。クラウドサービス119内には、その文書管理システム10を利用しているユーザ(仮に「ユーザA」という名前とする)のためのフォルダ119aが設けられ、このフォルダ119a内に作業スペース119bが設けられている。作業スペース119b(実体は、インターネット上のクラウドサービス内にある)は、文書管理システム10内のそのユーザAの作業スペースに対応するフォルダであり、この作業スペースと同期するために設けられている。図示の例では、フォルダの階層構造において、作業スペース114の下位には片付けフォルダ115が存在している。
また、操作ボタン領域130には、同期ボタン139が設けられている。同期ボタン139は、文書管理システム10内の作業スペースと、クラウドサービス119内の作業スペースフォルダとの同期の実行を指示するためのボタンである。
図25の例では、文書管理画面100の文書ペイン120には、作業スペースが開かれている。この状態では、操作ボタン領域130内の片付けボタン136、「元の場所」ボタン138及び同期ボタン139はアクティブ状態(すなわちユーザが選択できる状態)であり、「作業スペースにコピー」ボタン134は選択不可状態(コントラストの低い表示であり、ユーザはこの操作を選択できない)である。また、文書ペイン120内には、作業スペース用のツールボックス500が表示され、このツールボックス500内には、片付けボタン502、「元の場所」ボタン504及び同期ボタン506が含まれる。これらボタン502~506は、操作ボタン領域130内の同名のボタンと同じ役割である。(なお、図4等を用いて説明した例においても、作業スペースを表示した文書ペイン120内に、同様の作業スペース用のツールボックス500を表示してもよい。)
この例では、ユーザは、文書ペイン120上に作業スペース114を開いた状態で、同期ボタン139又は506を押下(例えばマウスのクリック操作等で選択)することで、その作業スペース114とクラウドサービス119内の作業スペース119bと同期させることができる。すなわち、同期ボタン139等の押下に応じて同期処理部22(図1参照)が起動され、その同期処理部22が、文書管理システム10内の作業スペース114と、クラウドサービス119内の作業スペース119bと、が持つ文書の集合が一致するように、それら両者間での文書のコピーや、文書の削除等を行う(詳細は、この後の項目「同期時の不整合の解決」にて例示する)。
また図示は省略するが、フォルダペイン110の作業スペース114のアイコンに対して呼び出したコンテキストメニュー上に、クラウドと同期するためのメニュー項目を表示し、このメニュー項目の選択により同期を実行してもよい。
同期処理部22がこの作業スペース114と作業スペース119bとの同期処理の際に同期するのは、作業スペース114及び119bの中の文書のみである。作業スペース114及び119b内にサブフォルダ(すなわち片付けフォルダ)があったとしても、同期処理部22は、作業スペースを同期する際に、サブフォルダを自動的に同期することは原則行わない。これにより、作業スペースの同期の際の文書管理システム10とクラウドサービスとの間の通信量の削減を図る。
図26に、片付けフォルダ115を文書ペイン120上に開いた状態の文書管理画面100を例示する。片付けフォルダ115を開いた状態では、操作ボタン領域130内の「作業スペースにコピー」ボタン134、片付けボタン136、「元の場所」ボタン138及び同期ボタン139は選択不可状態であり、作業スペース用のツールボックス500に該当するツールボックスも表示されない。したがって、片付けフォルダ115については、少なくともワンタッチのボタン操作でクラウドサービス側と同期することはできない。なお、片付けフォルダ115のアイコンや文書ペイン120から呼び出されるコンテキストメニュー上に、クラウドと同期するためのメニュー項目を表示し、このメニュー項目の選択により片付けフォルダ115をクラウドサービス側と同期できるようにしてもよい。
以上に説明したように、片付けフォルダ115は、原則、作業スペースがクラウドサービス側と同期される際に、クラウドサービス側と同期されることはない。ただし、ユーザが作業スペースの同期を指示した際、同期処理部22が、片付けフォルダを同時に同期するかどうかユーザに問い合わせてもよい。この問合せのために同期処理部22が表示する問合せ画面600の例を図27に示す。この問合せ画面600には、これからクラウド側と同期する作業スペースと同時に同期処理を行う片付けフォルダの選択を促すメッセージ602と、選択対象である片付けフォルダのリストの表示欄604が含まれる。表示欄604には、作業スペースに含まれる片付けフォルダの名前が列挙される。リスト内の片付けフォルダの名前の左側にはチェックボックスが表示されており、ユーザはこのチェックボックスにチェックマークを入れることで、同期する片付けフォルダを選択する。片付けフォルダの数が多く、表示欄604にその全部を表示できない場合は、表示欄604の端部のスクロールバー606により表示範囲をスクロールする。ここで、表示欄604に表示するリスト内の片付けフォルダの並びを、例えば片付けフォルダの生成日時が新しい順としてもよい。このようにすれば、問合せ画面600を開いた時には、生成日時が最も新しい片付けフォルダが表示欄604の最も上に表示され、以下、生成日時が新しい順に他の片付けフォルダが下に並ぶ。
ユーザは、作業スペースと同時に同期したい片付けフォルダがあれば、チェックボックスにチェックマークを入れて選択の意思表示を行い、その後OKボタンを押下する。これにより、同期処理部22は、作業スペースと、選択された片付けフォルダを、クラウドサービス側の対応フォルダとそれぞれ同期する。
以上の例では、作業スペースの同期をユーザの指示に応じて実行したが、この代わりに例えば定期的なタイミング等に自動的に同期を実行するようにしてもよい。例えば、文書管理システム10を起動したときに、自動的に同期を行ってもよい。
また、この自動同期について、ユーザの設定を受け付けるようにしてもよい。図28に、自動同期の設定を含む作業スペースについての設定画面700を例示する。設定画面700には、作業スペースの自動同期についての設定欄702と、片付けフォルダの自動同期についての設定欄704が含まれる。作業スペースの自動同期についての設定欄702では、自動同期をしないという選択肢と、自動同期をするという選択肢とがラジオボタンで選択可能であり、後者の選択肢については、自動同期を行うタイミングがチェックボックス付きで列挙され、それら各タイミングのうち1以上を選択可能となっている。作業スペースの自動同期のタイミングの選択肢としては、文書の追加や削除のように作業スペースに変化が生じたタイミング、定期的なタイミングが挙げられており、後者については定期的なタイミング同士の間隔が設定可能となっている。また、片付けフォルダの自動同期についての設定欄704には、自動同期をしないという選択肢と、その片付けフォルダを生成したときに自動同期をするという選択肢の2つがラジオボタンで選択可能となっている。なお、図28に例示した選択肢はあくまで例示的なものであり、例えば別の選択肢があってもよい。
以上に説明したように、この例では、作業スペースはワンタッチ操作でクラウドサービス側と同期できるが、片付けフォルダのクラウドサービス側との同期は、認められないか、又は認められる場合でも作業スペースの場合よりも複雑な操作(例えばコンテキストメニューを呼び出して選択)を必要とする。また、自動同期のタイミングも、片付けフォルダは作業スペースよりも限られている。
なお、作業スペースと片付けフォルダとを用いる代わりに、上述したアクティブ状態の作業スペースと非アクティブ状態の作業スペースを用いる方式でも、同様の同期制御を適用可能である。この場合、アクティブ状態の作業スペースを以上の同期処理における作業スペースとして取り扱い、非アクティブ状態の作業スペースを以上の同期処理における片付けフォルダとして扱えばよい。
<同期時の不整合の解決>
次に、文書管理システム10内の作業スペース114とクラウドサービス側の対応フォルダ(作業スペース119b)との同期処理について更に詳しく説明する。
この同期処理のために、同期処理部22は、同期管理ファイルを管理している。同期管理ファイルには、前回の同期を行った時点での、作業スペース114及びクラウドサービス側の対応フォルダ内の各文書の更新日時が記録されている。同期処理部22は、同期を実行する毎に、その同期の完了後の作業スペース及びクラウドサービス側の対応フォルダ内の各文書の更新日時を調べ、これに応じて同期管理ファイルを更新する。
同期処理部22は、同期処理を実行する際、この同期管理ファイルを参照することで、文書管理システム10の作業スペース及びクラウドサービスの対応フォルダ内の文書の追加、削除、更新を検出する。
図29に、同期処理部22が実行する同期処理の手順を例示する。この手順では、同期処理部22は、まず、文書管理システム10の作業スペース内に存在する文書のリスト、及び同期相手であるクラウドサービスの対応フォルダに存在する文書のリストを取得する(S50)。
次に同期処理部22は、S50で取得した作業スペースの文書リスト及び対応フォルダの文書リストと、同期管理ファイルとの照合を行う(S52)。この照合では、例えば、作業スペースの文書リストにある文書が、同期管理ファイルには記録されていない場合、その文書は前回の同期の後作業スペースに追加された文書であると判定できる。また例えば、同期管理ファイルに記録されている文書が作業スペースの文書リストにない場合には、その文書が作業スペースから削除されたと判定できる。また、作業スペースの文書リスト内の文書の更新日時が同期管理ファイルに記録された同じ文書の更新日時より後であれば、作業スペース内のその文書が更新されたと判定できる。クラウドサービス側の対応フォルダ内の文書についても、同様の判定を行う。
次に同期処理部22は、S52で判明した作業スペースに追加された文書をクラウドサービス側の対応フォルダにアップロードし、同様にクラウドサービス側の対応フォルダに追加されたと判明した文書を作業スペースにダウンロードする(S54)。また、同期管理ファイルに記録された文書が、作業スペース又はクラウドサービスの一方では更新されたが、他方では更新されていないと判明した場合、同期処理部22は、その更新を他方に反映してもよい。例えば作業スペース内の文書が更新され、クラウドサービス側の同じ文書が更新されていない場合、作業スペース内のその文書をクラウドサービス側の対応フォルダ内の同じ文書に上書きする。
次に同期処理部22は、S52で得た情報に基づき、作業スペース及びクラウド側の対応フォルダにおける文書の削除や更新によるそれら両者間での文書の不整合をリストアップし、それら各不整合についてユーザから解決方法の指定を受け付けるための一括同期画面を生成する(S56)。
ここで抽出する不整合は、ユーザに判断を求める必要があるものに限られる。例えば、S54で処理した、作業スペース及びクラウド側の対応フォルダの一方に追加された文書や、一方では更新され他方では更新されていない文書は、広義には不整合であるが、これらについては追加された文書や更新された文書を優先すべきことが明らかであり、ユーザの判断を求める必要はない。また、同期管理ファイルに記録されている文書が、作業スペース及びクラウド側の対応フォルダの両方から削除されている場合、その文書はユーザにとって不要なものであることは明らかであり、同期の際にユーザに判断を求めなくてよい。
S56で抽出される不整合には、以下のケースがある。一つは、作業スペース及びクラウドサービス側の対応フォルダのうちの一方から文書が削除されたが、他方にはその文書が残っているケースである。このケースでは、ユーザが残っている文書を利用したい場合があるので、ユーザにその不整合(一方のみ削除)の解決方法を問い合わせる。また第2のケースは、同じ文書が作業スペース及びクラウド側の対応フォルダの両方で更新されているケースである。このケースは競合状態と呼ぶ。競合状態のケースでは、どちらの更新を有効とするか(すなわち、この同期でどちらを採用するか)をユーザに問い合わせる。一括同期画面は、これらのケースに該当する不整合のそれぞれについて、ユーザから解決方法の選択を受け付けるよう構成されている。一括同期画面については後で説明を行う。
次に同期処理部22は、その一括同期画面を表示し、ユーザから、個々の不整合についての解決方法(アクション)の選択を受け付ける(S58)。そして、それら不整合をユーザの選択した解決方法で解決する(S59)。この不整合の解決(及びS54の処理)により、作業スペースとクラウドサービス側の対応フォルダとの同期が実現される。
以上、同期処理の手順の例を説明した。次に、S58で表示される一括同期画面800の例を、図30を参照して説明する。この一括同期画面800には、ユーザに処置を求めるメッセージ、作業スペース優先ボタン802、クラウド優先ボタン804、及び不整合リスト810が含まれる。
不整合リスト810には、S56で抽出された不整合がリストアップされている。この不整合リスト810には、個々の不整合ごとに、その不整合が検出された文書の文書名(ファイル名)、その不整合の「状態」の説明文、及びその不整合を解決するためのアクション(解決方法)の項目が含まれる。アクションの項目は、プルダウンメニューとして構成されており、このメニューにはその不整合「状態」の解決のためのアクションの選択肢が列挙されている。ユーザは、そのプルダウンメニューから、当該不整合を解決するためのアクションを選択できる。
作業スペース優先ボタン802は、不整合リスト810のすべての不整合について、作業スペース側の文書を優先するアクションを選択するためのボタンである。またクラウド優先ボタン804は、不整合リスト810のすべての不整合について、クラウドサービス側の対応フォルダ内の文書を優先するアクションを選択するためのボタンである。
図31に、不整合の「状態」ごとの判定テーブルを例示する。このテーブルには、「状態」毎に、プルダウンメニューから選択できるアクションの選択肢と、作業スペース優先ボタン802、クラウド優先ボタン804が押下されたときにそれら選択肢のうちのいずれが選択されるかが示されている。例えば、作業スペースから文書が削除されたという不整合状態(同じ文書はクラウド側には残存)については、選択できるアクションの選択肢には、クラウド上のその文書も削除するというアクションと、クラウドからその文書を作業スペースに復帰する(すなわちクラウドのその文書を作業スペースにダウンロードする)というアクションがある。そして、それらアクションの選択肢のうち、作業スペース優先ボタン802、クラウド優先ボタン804がそれぞれ押下された時に選ばれる方に、丸印が示されている。例えば、作業スペース優先ボタン802が押下された場合には、クラウド上のその文書を削除するというアクションが選択され、クラウド優先ボタン804が押下された場合には、クラウドから作業スペースにその文書を復帰するというアクションが選択される。
一括同期画面800上の作業スペース優先ボタン802が押下されると、同期処理部22は、不整合リスト810内の各文書に対応するアクションのプルダウンメニューを、図31の判定テーブルで作業スペース優先ボタン802が押下されたときの選択肢を選んだ状態に変更する。また、クラウド優先ボタン804ボタンが押下されると、同期処理部22は、不整合リスト810内の各文書に対応するアクションのプルダウンメニューを、図31の判定テーブルでクラウド優先ボタン804が押下されたときの選択肢を選んだ状態に変更する。作業スペース優先ボタン802、クラウド優先ボタン804で不整合のある各文書についてのアクションの選択肢を一括で選んだ後、個々の文書についてプルダウンメニューでアクションを選択し直すことも可能である。また、再度作業スペース優先ボタン802、クラウド優先ボタン804により一括選択をし直すことも可能である。
ユーザが、一括同期画面800上でOKボタンを押下すると、不整合リスト810内の各文書についてそのとき選択されているアクションが、その文書に適用される同期処理(不整合解決)のアクションとなる。同期処理部22は、それら各文書について、そのアクションを実行する。
また、図30に例示した一括同期画面800において、個々の不整合の文書のアクションのプルダウンメニューに対応づけて、選択の固定を受け付ける選択固定手段(例えばGUIボタン)を設けてもよい。ユーザの指示に応じてこの選択固定手段により選択肢が固定された不整合文書のプルダウンメニューは、作業スペース優先ボタン802及びクラウド優先ボタン804が押下された場合にも、選択状態が変化しない(すなわち固定された選択肢が維持される)。
また、図32に示すように、一括同期画面800に示す不整合の種類のうち、ローカル(文書管理システム10)側とクラウドサービス側との更新の競合については、ローカルとクラウド側のそれぞれの更新時刻を表示してもよい。このような更新時刻の表示は、ローカルとクラウド側のどちらの更新を採用するかをユーザが判断する際の参考情報となる。なお、更新時刻が新しい方を同期処理部22が自動的に選択するという処理も考えられるが、ユーザがあえて更新が古い方を選択したい場合もあるので、この例ではユーザに判断を求めている。
また、図30及び図31の例では、更新の競合が生じている文書についてのアクションの選択肢として、作業スペース及びクラウド側の対応フォルダのどちらかの文書で他方を上書きするという2つの選択肢があった。これに加えて、競合の場合の選択肢に、「リネームして両方を保存」という選択肢を加えてもよい。この選択肢は、作業スペースが持つ当該競合に係る文書をリネーム(名前変更)し、そのリネームした文書をクラウド側にアップロードすると共に、クラウド側の競合に係る文書(リネームされていない)を自分の側にダウンロードするという処理である。あくまで一例であるが、リネームの方法としては、例えば元の文書名の後ろに特定の区切り文字(例えばハイフン)と通し番号(これまでに同文書名に付加した番号と重ならないもの)を付加する方法を用いてもよい。また、作業スペース側の文書をリネームする代わりにクラウド側の文書をリネームしてもよい。また、作業スペースとクラウド側の文書のうち、特定の基準に従って選ばれた方(例えば更新日時が古い方)をリネームすることとしてもよい。この選択肢の同期処理によれば、競合に係る文書の作業スペース及びクラウド側の両方のバージョンが、一方をリネームすることで、作業スペース及びクラウド側の両方に保存されることになる。
以上に例示した文書管理システム10、「作業スペースにコピー」アプリケーション24は、例えば、コンピュータにそれら各装置の機能を表すプログラムを実行させることにより実現される。ここで、コンピュータは、例えば、ハードウエアとして、CPU等のマイクロプロセッサ、ランダムアクセスメモリ(RAM)およびリードオンリメモリ(ROM)等のメモリ(一次記憶)、HDD(ハードディスクドライブ)を制御するHDDコントローラ、各種I/O(入出力)インタフェース、ローカルエリアネットワークなどのネットワークとの接続のための制御を行うネットワークインタフェース等が、たとえばバスを介して接続された回路構成を有する。また、そのバスに対し、例えばI/Oインタフェース経由で、CDやDVDなどの可搬型ディスク記録媒体に対する読み取り及び/又は書き込みのためのディスクドライブ、フラッシュメモリなどの各種規格の可搬型の不揮発性記録媒体に対する読み取り及び/又は書き込みのためのメモリリーダライタ、などが接続されてもよい。上に例示した各機能モジュールの処理内容が記述されたプログラムがCDやDVD等の記録媒体を経由して、又はネットワーク等の通信手段経由で、ハードディスクドライブ等の固定記憶装置に保存され、コンピュータにインストールされる。固定記憶装置に記憶されたプログラムがRAMに読み出されCPU等のマイクロプロセッサにより実行されることにより、上に例示した機能モジュール群が実現される。
10 文書管理システム、12 文書取り込み部、14 文書処理部、16 UI処理部、18 設定管理部、20 片付け処理部、22 同期処理部、24 「作業スペースにコピー」アプリケーション、100 文書管理画面、110 フォルダペイン、112 アイコン、114 作業スペース、116 ユーザフォルダ、119 クラウドサービス、120 文書ペイン。

Claims (5)

  1. オブジェクトに対する処理の選択肢を表示する処理選択肢画面を提示する提示手段であって、前記オブジェクトが文書である場合に、コピー&ペースト処理のための一時記憶領域に前記オブジェクトをコピーする第1コピー処理と、文書管理装置の管理下の特定記憶領域に前記オブジェクトをコピーする第2コピー処理と、を選択肢として含んだ前記処理選択肢画面を提示する提示手段、
    を含み、
    前記特定記憶領域は、内部にフォルダを含むことが禁止された領域であり、
    前記処理選択肢画面に対応する前記オブジェクトがフォルダである場合、選択肢として前記第1コピー処理は含むが前記第2コピー処理は含まない前記処理選択肢画面をユーザに提示する、情報処理装置。
  2. 前記提示手段は、前記特定記憶領域に対してフォルダを格納する指示に対応する処理として、当該フォルダを前記特定記憶領域に格納する代わりに、当該フォルダ内の文書を前記特定記憶領域に格納する処理を行う旨の設定がなされている場合には、前記処理選択肢画面に対応する前記オブジェクトがフォルダである場合でも、選択肢として前記第1コピー処理と前記第2コピー処理の両方を含む前記処理選択肢画面をユーザに提示する、請求項に記載の情報処理装置。
  3. 前記特定記憶領域は、前記文書管理装置の管理下にあるフォルダのうち作業スペースとして予め確保されたフォルダであり、前記作業スペースには文書を保存することは許可されるが、フォルダの保存は許可されない、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
  4. 前記文書管理装置の管理下にあるフォルダのうち、前記特定記憶領域とするフォルダの設定をユーザから受け付ける手段、を更に含む、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
  5. コンピュータを、
    オブジェクトに対する処理の選択肢を表示する処理選択肢画面を提示する提示手段であって、前記オブジェクトが文書である場合に、コピー&ペースト処理のための一時記憶領域に前記オブジェクトをコピーする第1コピー処理と、文書管理装置の管理下の特定記憶領域に前記オブジェクトをコピーする第2コピー処理と、を選択肢として含んだ前記処理選択肢画面を提示する提示手段、
    として機能させるためのプログラムであって、
    前記特定記憶領域は、内部にフォルダを含むことが禁止された領域であり、
    前記処理選択肢画面に対応する前記オブジェクトがフォルダである場合、選択肢として前記第1コピー処理は含むが前記第2コピー処理は含まない前記処理選択肢画面をユーザに提示する、ことを特徴とするプログラム
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