JP7011554B2 - エレベータロープ検査装置及びエレベータロープ検査方法 - Google Patents
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Description
上記課題を解決する本発明の請求項2に係るエレベータロープ検査装置は、前記摩耗箇所は、前記撮影画像に対して2値化処理を施すことにより検出されることを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項4に係るエレベータロープ検査装置は、前記画像処理部は、前記ラベル間が素線切れと判定するときは警報を発することを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項6に係るエレベータロープ検査装置は、前記カメラから出力された撮影画像を収録する画像収録部を更に備えることを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項8に係るエレベータロープ検査方法は、前記摩耗箇所は、前記撮影画像に対して2値化処理を施すことにより検出されることを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項10に係るエレベータロープ検査方法は、前記ラベル間が素線切れと判定するときは警報を発することを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項11に係るエレベータロープ検査方法は、前記カメラとして、ラインセンサカメラ又はエリアカメラを使用することを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項12に係るエレベータロープ検査方法は、前記カメラから出力された撮影画像を収録することを特徴とする。
また、ロープ素線の破断を計測に加えて、摩耗箇所の領域を摩耗量として検出できるという効果も奏する。
カメラとして、高速に撮影可能なラインセンサカメラを用いると、エレベータ高速昇降時においても、画像撮影が可能になるという効果も奏する。また、色情報が計測可能なエリアカメラを使用すると、事後的な確認が容易になるという利点がある。
計測機器としてカメラを用いることで、複数本のエレベータロープ素線の破断、摩耗痕を一度に計測することが可能である。
そこで、本発明では、まず画像からロープ素線の表面摩耗状態を計測し、次にその情報を用いてロープの素線破断計測を行うことで、事前のデータ取得が必要ない素線破断の検査装置とした。
本実施例のエレベータロープ検査装置は、図1に示すように、ロープRを撮影する1台のラインセンサカメラ10と、このラインセンサカメラ10から出力された撮影画像が入力される計測装置20から構成される。
ラインセンサカメラ10は、多数の画素(ピクセル)を一列(1ライン)に配置した高速に撮影可能なカメラであり、ライン方向は、ロープRの太さ方向である水平方向である。
本実施例では、高速に撮影可能なラインセンサカメラ10を用いることで、エレベータ高速昇降時においても、画像撮影が可能になる。
画像処理部22は、後述する通り、ロープ素線の摩耗痕、素線切れの検査を行うための画像解析を実行する。
計測装置20には、エンコーダ等の位置・速度検出手段30からの位置・速度検出信号が撮影開始トリガ信号として入力される一方、位置・速度検出手段30から位置・速度検出信号がエレベータコントローラ40へ入力される。位置・速度検出手段30は、エレベータ巻上機に設けられている。
計測装置20にエレベータコントローラ40等からエレベータの位置信号を撮影開始トリガ信号として入力し、エレベータ位置とカメラの撮影ラインの同期を行っても良い。エレベータ位置として、ロープRの位置を使用することができる。
ロープ素線の摩耗は、稼働に伴いロープRの表面が削れる現象であり、素線の摩耗が進行することで素線破断が生じる。
このようなロープRをラインセンサカメラ10で撮影した場合、摩耗により表面が削れて、金属反射する箇所は、削れていない他の表面に比較して明るく撮影される。
摩耗と破断の両方が生じているロープRを撮影した撮影画像に対して上記2値化処理を施した結果を図3に示す。
図3に示すように、ロープRの表面には、摩耗により表面が削れて白く見える部分が摩耗箇所として複数検出されている。
そして、ストランドを構成する素線に破断が生じている箇所は、破断した箇所を中心にしてその上下に摩耗箇所が生じると考えられる。
つまり、図3に示すように、ロープRの下部に存在する二つの摩耗箇所の隙間は暗く撮影されていることから、ロープ素線の破断が生じている一方、ロープRの上部には1つの摩耗箇所しか存在しないため、ロープ素線の破断は発生していないと考えられるのである。
破断検出では、画像処理部22は、先程検出した摩耗箇所に対してラベリング処理を行う。ラベリング処理では、検出した摩耗痕を識別するためにラベル付を行う。
即ち、図4に示すように、ロープRの下部に存在するラベル2,3の隙間は細く暗く撮影されていることから、ロープ素線の破断が生じている一方、ロープRの上部にはラベル1しか存在しないため、ロープ素線の破断は発生していないと判定する。
つまり、図4のロープRの下部に存在するラベル2,3の間の距離が一定の閾値未満であれば、ラベル2,3の間の隙間は破断と判定し、ラベル2,3の間の距離が一定の閾値以上であれば、ラベル2,3の間の隙間は破断ではなく、ラベル2,3は摩耗痕として判定する。
ここで、ラベル間の距離とは、任意のラベル間の距離の意味である。
上記例では、ロープRの下部に存在するラベル2,3の間の距離を閾値と比較したが、ロープRの上部に存在するラベル1とロープRの下部に存在するラベル2,3との間の距離を閾値と比較し、閾値以上であれば、ラベル1とラベル2,3との間にはロープ素線の破断は発生していないと判定する。
先ず、エレベータコントローラ40から取得した位置情報を用いて、カメラ撮像周期を変動させることで、ロープRの撮影ピッチを一定に撮影する。この撮影ピッチを一定にして、ラインセンサカメラ10で連続撮影し、撮影画像を計測装置20の入力とする(ステップS1)。
次に、入力した画像からロープRの位置を検出するためにロープの外径(エッジ)を検出する(ステップS2)。
例えば、図中でロープRの画像を横方向に走査し、黒部分から白部分に変化する箇所又は白部分から黒部分に変化する箇所が、ロープの外径である。ロープRの表面は、ストランドによる規則的な凹凸形状であることから、ストランドの太さに基づきロープRの位置が求められる。
この時、算出したエッジに対して移動平均法を用いることでエッジに含まれる撮像ノイズの除去も行うことができる。
引き続き、画像から検出したロープRの撮影画像に対して2値化処理を行う(ステップS3)。この時、摩耗が進行している箇所は白、それ以外は黒として検出される。即ち、白の部分は、摩耗箇所である。
その後、ステップS3で検出した摩耗箇所についてラベリングによるラベル付けを行う(ステップS4)。ラベリングの際に、ロープRの位置に基づいて、摩耗箇所の重心の位置を示す座標と共に、摩耗箇所の領域を記録する。
そして、ラベル同士の距離が一定の閾値未満なら素線破断、以上なら摩耗痕として判定する(ステップS5)。
更に、ステップS5で、素線破断として判定したときは、警報を発する(ステップS6)。警報に応じて、点検整備を行えるので、安全性が高まる。警報を発する手段としてスピーカ(図示省略)が計測装置20に内蔵されている。
その後、ロープRの所定長又は全長について撮影が終了しているか否か判定し(ステップS7)、撮影が終了しているときは、全ての工程を終了する(ステップS8)。
撮影が終了していない場合は、新しく撮影した撮影画像を入力して(ステップS9)、新しく撮影した撮影画像に対しても、ステップS1~ステップS6を繰り返す。
本実施例のエレベータロープ検査装置は、実施例1で使用したラインセンサカメラ10に代えてエリアカメラ11を使用するものである。
その他の構成は前述した実施例1と同様であり、同様な作用効果を奏する。
10 ラインセンサカメラ
11 エリアカメラ
20 計測装置
21 画像収録部
22 画像処理部
30 速度・位置検出手段
40 エレベータコントローラ
R エレベータロープ(ロープ)
Claims (12)
- 1又は複数本のエレベータロープを撮影するカメラと、前記カメラから出力された撮影画像を画像処理する画像処理部とを備えるエレベータロープ検査装置において、
前記画像処理部は、前記撮影画像から摩耗箇所を検出し、
前記摩耗箇所に対してラベルを付けるラベリング処理を行い、
前記ラベリング処理で付されたラベル間の距離を測定し、その距離が一定値未満の場合には、前記ラベル間が素線切れと判定することを特徴とするエレベータロープ検査装置。 - 前記摩耗箇所は、前記撮影画像に対して2値化処理を施すことにより検出されることを特徴とする請求項1記載のエレベータロープ検査装置。
- 前記画像処理部は、ラベリング処理の際に、前記摩耗箇所に対して連続番号を付すると共に、前記摩耗箇所の位置を示す座標と共に前記摩耗箇所の領域を摩耗量として記録することを特徴とする請求項1又は2記載のエレベータロープ検査装置。
- 前記画像処理部は、前記ラベル間が素線切れと判定するときは警報を発することを特徴とする請求項1,2又は3記載のエレベータロープ検査装置。
- 前記カメラとして、ラインセンサカメラ又はエリアカメラを使用することを特徴とする請求項1,2,3又は4記載のエレベータロープ検査装置。
- 前記カメラから出力された撮影画像を収録する画像収録部を更に備えることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載のエレベータロープ検査装置。
- 1又は複数本のエレベータロープをカメラで撮影し、前記カメラから出力された撮影画像を画像処理するエレベータロープ検査方法において、
前記画像処理においては、前記撮影画像から摩耗箇所を検出し、前記摩耗箇所に対してラベルを付けるラベリング処理を行い、
前記ラベリング処理で付されたラベル間の距離を測定し、その距離が一定値未満の場合には、前記ラベル間が素線切れと判定することを特徴とするエレベータロープ検査方法。 - 前記摩耗箇所は、前記撮影画像に対して2値化処理を施すことにより検出されることを特徴とする請求項7記載のエレベータロープ検査方法。
- 前記ラベリング処理の際に、前記摩耗箇所に対して連続番号を付すると共に、前記摩耗箇所の位置を示す座標と共に前記摩耗箇所の領域を摩耗量として記録することを特徴とする請求項7又は8記載のエレベータロープ検査方法。
- 前記ラベル間が素線切れと判定するときは警報を発することを特徴とする請求項7,8又は9記載のエレベータロープ検査方法。
- 前記カメラとして、ラインセンサカメラ又はエリアカメラを使用することを特徴とする請求項7,8,9又は10記載のエレベータロープ検査方法。
- 前記カメラから出力された撮影画像を収録することを特徴とする請求項7,8,9,10又は11記載のエレベータロープ検査方法。
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