JP7141383B2 - 寸法測定システム及び寸法測定方法 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された技術では、撮影画像に含まれる、寸法が既知のマーカーをブレーキライニングに設置して、そのマーカーを参照して画像のスケール補正を行い、測定対象であるブレーキライニングの寸法を測定するようにしている。
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、昇降機のブレーキドラムの周囲に配置されるブレーキライニングの寸法を測定する寸法測定システムであって、ブレーキライニングを撮影した撮影画像から、最大曲率を有する楕円形又は円形を認識することでブレーキドラムを検出すると共に、昇降機が備えるブレーキドラムの既知の寸法情報により撮影画像を補正し、補正した撮影画像からブレーキライニングの領域を示す円弧を検出する処理部と、処理部が撮影画像から検出したブレーキライニングの領域に基づいて、ブレーキライニングの寸法を算出する測定部と、を備える。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
[ブレーキライニング寸法測定作業の概要]
図1は、本例のシステムでブレーキライニングの寸法を測定する作業の概要を示す。
図1は、昇降機の一例であるエレベーターのブレーキ2を示す。ブレーキ2は、乗りかごが接続されたロープの巻上機(不図示)のブレーキドラム23Aを備える。このブレーキドラム23Aの中心軸23Bは、巻上機の回転軸に接続されており、巻上機の回転に連動してブレーキドラム23Aが回転する。
それぞれのブレーキライニング21A,21Bは、アーム22A,22Bに取り付けられている。
なお、図1では、ブレーキ2が作動している状態を示している。図1に示すようにブレーキ2が作動している状態では、ブレーキライニング21A,21Bがブレーキドラム23Aに押し付けられている。ブレーキ2が作動しているときには、ブレーキドラム23Aとブレーキライニング21A,21Bとの間に隙間がない状態になっている。
なお、図1に示す例では、ブレーキドラム23Aを正面(真横)から見た状態で示しているが、端末装置1での撮影時には、必ずしもこのようにブレーキドラム23Aと正対して正面に写るように撮影する必要はなく、斜めから撮影してもよい。
図2は、端末装置1の構成を示す。
図2に示す端末装置1は、ブレーキライニング21A,21Bの寸法を測定する機能から見た構成を示す。
端末装置1は、撮影部11、表示部12、処理部13、補正部14、測定部15、保存部16、通信部17、画像データベース部18、及び仕様データベース部19を備える。
表示部12には、撮影部11で撮影した画像が表示される。また、保存部16に保存された測定結果などの情報も、表示部12に表示される。
(1)画像のn値化処理
(2)画像の数値化情報の出力
(3)曲線、円及び楕円の認識
(4)図形曲率の算出
(5)補正部14で指示された補正方法による補正処理
(6)曲線、円及び楕円の中心点の算出
これらの画像処理の具体的な例については後述する。この処理部13で画像処理が行われた結果の画像や情報が、測定部15に送られる。
測定部15は、処理部13で画像処理を行った画像を対象として目標寸法を算出する。保存部16には、撮影部11で得た撮影画像と、処理部13にて画像処理で得た画像と、測定部15で得られた測定結果が記録される。
図3は、端末装置1のハードウェア構成例を示す。
スマートフォンやタブレット端末などの情報処理端末(コンピュータ装置)として構成される端末装置1は、バスにそれぞれ接続されたCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)1aと、ROM(Read Only Memory)1bと、RAM(Random Access Memory)1cとを備える。さらに、端末装置1は、不揮発性ストレージ1dと、ネットワークインタフェース1eと、入力部1fと、撮影部11と、表示部12とを備える。
RAM1cには、演算処理の途中に発生した変数やパラメータ等が一時的に書き込まれる。
ネットワークインタフェース1eには、例えば、NIC(Network Interface Card)などが用いられる。ネットワークインタフェース1eは、外部(例えば図1に示すデータサーバ3)と各種情報の送受信を行う。
入力部1fは、この端末装置1の所持者である作業員が画面のタッチ操作などで入力した情報の入力処理を行う。
表示部12は、CPU1aの制御で作成された画像や、撮影部11で得られた撮影画像などを表示する。
以下、図4~図6を参照し、本例におけるブレーキライニングの寸法(厚み)の計測手順を説明する。
図4は、本例の端末装置1で昇降機のブレーキライニングの寸法を計測する手順を示すフローチャートである。
まず、作業員は、撮影前の準備作業として、端末装置1に、作業中の昇降機のブレーキ2の情報を入力する(ステップS1)。ここでは、事前に端末装置1に保存された仕様データベース部19から、作業中の昇降機のブレーキ2についての仕様の情報を読み出す。ここで、昇降機のブレーキ2についての仕様の情報には、ブレーキ2の形式、ブレーキを構成するドラム23Aなどの部材の寸法の情報が含まれる。この仕様の情報は、例えば作業員が作業を行う現場が端末装置1に登録されたとき、その現場に設置された昇降機のブレーキ2の仕様を、補正部14(図2)で自動的に読み出すようにしてもよい。
図5は、撮影画像内のブレーキ2を、n段階の画像とした一例を示す。このn段階の画像では、図5に示すように、ブレーキドラム23Aの箇所と、ブレーキライニング21A,21Bの箇所と、アーム22a,22bの箇所とが、それぞれ別の色に色付けされた画像に変換されている。例えばブレーキドラム23Aとアーム22A,22Bの色はグレー、ブレーキライニング21A,21Bの色はブルーにする。
これらの処理を行った上で、処理部13は、ステップS1で取得した仕様でのドラムの寸法(直径d0)を用いて、画像に対する単位ピクセル当たりの寸法を算出し、ブレーキドラムの円心Cと直径d1を出力する。(ステップS5)。
このステップS6のブレーキライニングの検出処理は、ブレーキライニング21A,21Bとアーム22A,22Bとブレーキドラム23Aとで明るさが異なることを利用して行われる。
さらに、処理部13は、認識されたブレーキライニング21A,21Bの境界線を表す曲率の異なる2つの曲線を取り出し、円心を算出する(ステップS7)。ここでは、2つの曲線の直径をd2、d3(d2<d3)とする。2つの直径d2、d3の内で、値が小さい直径d2は、ブレーキドラム23Aの直径d1と等しい。
ブレーキドラム23Aの上には、円心Cを通過する複数の直線L1,L2,・・・,LN(Nは任意の整数)が設定される。このとき、それぞれの直線L1~LNは、ブレーキライニング21A,21Bが配置された領域を通過するように設定される。
その上で、例えば各直線L1~LNと、ブレーキライニング21A,21Bの領域の内周側及び外周側の交点を得、両交点の差をブレーキライニング21A,21Bの寸法(厚さ)とする。
例えば、直線L1とブレーキライニング21Aの境界との交点D,Eを得ると共に、直線L1とブレーキライニング21Bの境界との交点F,Gを得る。そして、長さDEがブレーキライニング21Aの寸法になり、長さFGがブレーキライニング21Bの寸法になる。
なお、本発明は、上述した実施の形態例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。例えば、上述した実施の形態例では、昇降機としてエレベーターのブレーキに適用した例を説明したが、本発明は、エスカレーターなどのその他の昇降機が備えるブレーキに適用してもよい。
また、上述した実施の形態例では、ドラム式ブレーキのブレーキライニングの寸法測定の例を説明したが、別の構造のブレーキの場合にも、同様にブレーキライニングなどの消耗部品の寸法測定を行うことができる。
また、寸法測定処理を行うプログラム等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、光ディスク等の記録媒体に置くことができる。
Claims (7)
- 昇降機のブレーキドラムの周囲に配置されるブレーキライニングの寸法を測定する寸法測定システムであって、
前記ブレーキライニングを撮影した撮影画像から、最大曲率を有する楕円形又は円形を認識することで前記ブレーキドラムを検出すると共に、前記昇降機が備える前記ブレーキドラムの既知の寸法情報により前記撮影画像を補正し、補正した撮影画像から前記ブレーキライニングの領域を示す円弧を検出する処理部と、
前記処理部が撮影画像から検出した前記ブレーキライニングの領域に基づいて、前記ブレーキライニングの寸法を算出する測定部と、を備える
寸法測定システム。 - 前記処理部での撮影画像の補正は、最大曲率を有する楕円形を円形に変換する処理を含む
請求項1に記載の寸法測定システム。 - 前記処理部は、撮影画像の明るさの分布から前記ブレーキライニングの領域を示す円弧を検出する
請求項1に記載の寸法測定システム。 - 前記測定部は、前記ドラムの中心を通過する任意の方向に直線を引き、その直線と前記ブレーキライニングの領域との交点から前記ブレーキライニングの寸法を算出する
請求項1に記載の寸法測定システム。 - 前記測定部は、前記直線を複数設定し、それぞれの前記直線と前記ブレーキライニングの領域との交点から、前記ブレーキライニングの複数箇所の寸法を算出する
請求項4に記載の寸法測定システム。 - 前記測定部が測定した複数箇所の寸法の内の最小値又は平均値が、基準となる閾値以下であるとき、前記ブレーキライニングの交換を通知する
請求項5に記載の寸法測定システム。 - 昇降機のブレーキドラムの周囲に配置されるブレーキライニングの寸法を測定する寸法測定方法であって、
前記ブレーキライニングを撮影した撮影画像から、最大曲率を有する楕円形又は円形を認識することで前記ブレーキドラムを検出するブレーキドラム検出処理と、
前記昇降機が備える前記ブレーキドラムの既知の寸法情報により前記撮影画像を補正する補正処理と、
前記補正処理で補正した撮影画像から前記ブレーキライニングの領域を示す円弧を検出するブレーキライニング検出処理と、
前記ブレーキライニング検出処理で検出した前記ブレーキライニングの領域に基づいて、前記ブレーキライニングの寸法を算出する測定処理と、を含む
寸法測定方法。
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