JP7010753B2 - 積層体及びその製造方法、包装体、並びに複合体 - Google Patents

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Description

本発明は、発泡粒子と未硬化状態の熱硬化性樹脂とを含む複合粒子を用いた積層体及びその製造方法、包装体、並びに複合体に関する。
従来、建築物、輸送媒体など様々な構造体の構成素材において、軽量で強度に優れる素材が求められている。特に車、航空機等の構造部材においては、CO排出量の低減及び低燃費化をより改善するために、軽量化が進められている。
この軽量化の手段の一つとして、炭素繊維と熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂とを一体化した複合材料である、炭素繊維複合材料の利用が進んでいる。
さらに、前記炭素繊維複合材料の更なる軽量化の手法として、発泡体と炭素繊維複合材料との複合化についても検討が進んでいる。例えば特許文献1には、強度がより改良された複合成形体を提供することを目的として、脂肪族ポリエステル系樹脂発泡粒子と、該発泡粒子間に形成された強化繊維を含む熱硬化性樹脂硬化物とが固着一体化された複合成形体が開示されている。
特許第5952979号公報
しかしながら、特許文献1に示される複合成形体は、例えば、強化繊維との複合化において、発泡粒子と強化繊維を含む熱硬化性樹脂組成物とを混合して混合物を得、前記混合物が常温において固体状ないし半固体状の未硬化状発泡粒子集合体を形成して、型内で該未硬化状発泡粒子集合体を加熱、硬化させるため、複雑な形状を有する型でも容易に成形が可能であるという観点及び取扱性の観点からは課題を残すものであった。
本発明が解決しようとする課題は、軽量で、強度に優れる複合体が得られる積層体を製造することができ、複雑な形状でも容易に成形が可能である積層体の製造方法、複雑な形状でも、軽量で、強度に優れる複合体が得られる積層体、該積層体の包装体、並びに軽量で、強度に優れる複合体を提供することである。
本発明は、以下に記載の<1>~<8>を提供する。
<1> 熱可塑性樹脂発泡粒子の表面に、未硬化状態の熱硬化性樹脂を介して強化繊維が付着している複合粒子を、成形型内に充填し、加熱し、互いに接着させて、前記複合粒子間に連通した空隙を有する複合粒子成形体を得る工程と、
前記複合粒子成形体の少なくとも一部の表面に強化繊維シート材を積層し、接着する工程と、
を含む、積層体の製造方法。
<2> 成形型内に強化繊維シート材を配置し、熱可塑性樹脂発泡粒子の表面に未硬化状態の熱硬化性樹脂を介して強化繊維が付着している複合粒子を、前記強化繊維シート材表面に接するように、前記成形型内に充填する工程と、
前記複合粒子及び前記強化繊維シート材を加熱して、前記複合粒子を互いに接着させて前記複合粒子間に連通した空隙を有する複合粒子成形体を得るとともに、前記複合粒子と前記強化繊維シート材とを接着させて前記複合粒子成形体の少なくとも一部の表面に前記強化繊維シート材が積層された積層体を形成する工程を含む、積層体の製造方法。
<3> 前記熱可塑性樹脂発泡粒子と前記未硬化状態の熱硬化性樹脂とを混合して、前記発泡粒子が前記未硬化状態の熱硬化性樹脂で被覆された被覆物を形成した後、前記被覆物に強化繊維を付着させて、前記複合粒子を製造する工程を含む、<1>又は<2>に記載の積層体の製造方法。
<4> 前記複合粒子成形体の空隙率が3~40体積%である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の積層体の製造方法。
<5> 前記複合粒子成形体を形成している未硬化状態の熱硬化性樹脂を加熱硬化させる工程を含む、<1>~<4>のいずれか1つに記載の積層体の製造方法。
<6> 熱可塑性樹脂発泡粒子の表面に前記未硬化状態の熱硬化性樹脂を介して強化繊維が付着した複合粒子が互いに接着してなる複合粒子成形体の少なくとも一部の表面に、強化繊維シート材が積層接着されており、前記複合粒子成形体は、前記複合粒子間に連通した空隙を有する、積層体。
<7> <6>に記載の積層体が熱可塑性樹脂フィルムで覆われ、減圧包装された包装体。
<8> <6>に記載の積層体の前記空隙に熱硬化性樹脂が充填された複合体。
本発明によれば、複雑な形状でも、軽量で、強度に優れる複合体が得られる積層体を製造することができ、成形容易性に優れる積層体の製造方法、軽量で、強度に優れる複合体が得られる積層体、該積層体の包装体、並びに軽量で、強度に優れる複合体を提供することができる。
<<積層体の製造方法>>
本発明の積層体の製造方法は、熱可塑性樹脂発泡粒子の表面に、未硬化状態の熱硬化性樹脂を介して強化繊維が付着している複合粒子の成形体の少なくとも一部の表面に強化繊維シート材が積層されている積層体の製造方法であって、第1の製造方法と第2の製造方法とがある。
第1の製造方法は、熱可塑性樹脂発泡粒子の表面に、未硬化状態の熱硬化性樹脂を介して強化繊維が付着している複合粒子を、成形型内に充填し、加熱し、互いに接着させて、複合粒子間に連通した空隙を有する複合粒子成形体を得る工程(複合粒子成形体製造工程)と、複合粒子成形体の少なくとも一部の表面に強化繊維シート材を積層し、接着する工程(強化繊維シート材接着工程)とを含む積層体の製造方法である。
第2の製造方法は、成形型内に強化繊維シート材を配置し、熱可塑性樹脂発泡粒子の表面に未硬化状態の熱硬化性樹脂を介して強化繊維が付着している複合粒子を成形型内に充填する工程(同時充填工程)と、複合粒子及び強化繊維シート材を加熱して、複合粒子を互いに接着させて複合粒子間に連通した空隙を有する複合粒子成形体を得るとともに、複合粒子と強化繊維シート材とを接着させて、複合粒子成形体の少なくとも一部の表面に強化繊維シート材を積層された積層体を成形する工程(同時接着工程)を含む積層体の製造方法である。
以下、特に記載しない限り、「本発明の積層体の製造方法」は、第1の製造方法と第2の製造方法を含む。
本発明の積層体の製造方法に用いる複合粒子は、熱可塑性樹脂発泡粒子の表面に未硬化状態の熱硬化性樹脂を介して強化繊維が付着している。したがって、複合粒子を、成形型内に充填するときに、複合粒子同士が互着し難く、複合粒子を容易に金型等に充填して成形することができる。そのため、最終成型品の形状を自由に設定しやすく、複雑な形状を有する積層体を作製できる。
また、複合粒子を接着させてなる複合粒子成形体は、従来の強化繊維複合成形体よりも、成形体内において強化繊維を均一且つ高濃度で分散させることも可能となり、強度に優れる。
更に、未硬化状態の熱硬化性樹脂を加熱硬化させた場合には、複合粒子間に連通した空隙を有する複合粒子成形体は、耐熱性及び耐圧性に優れ、例えば、4~6MPaというようなHP-RTM(High-Pressure Resin Transfer Molding)成形等のハイサイクル成形の成型温度及び成形圧力に耐えることができる。
本発明の積層体の製造方法により、複合粒子成形体の少なくとも一部の表面に強化繊維シート材を備えた積層体が得られ、この積層体に、RTM型等を用いて、例えば熱硬化性樹脂を注入し、積層体の空隙に熱硬化性樹脂を含浸させ、硬化させれば、軽量で、強度に優れる複合体が得られる。
以下、本発明の積層体の製造方法で用いる複合粒子、本発明の積層体の製造方法の各工程、積層体、包装体、及び複合体について、詳細に説明する。
<複合粒子>
本発明において、複合粒子は、熱可塑性樹脂発泡粒子の表面に未硬化状態の熱硬化性樹脂を介して、多数の強化繊維が付着している。
まず、複合粒子を構成する熱可塑性樹脂発泡粒子、強化繊維等について詳細に説明する。
〔熱可塑性樹脂発泡粒子〕
熱可塑性樹脂発泡粒子を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。熱可塑性樹脂の中でも、ポリオレフィン系樹脂及びポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂が好ましい。
ポリエステル系樹脂としては、芳香族ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリエステル系樹脂が挙げられる。
芳香族ポリエステル系樹脂は、芳香族ジカルボン酸成分とジオール成分とを含むポリエステルである。芳香族ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等が挙げられる。
脂肪族ポリエステル系樹脂は、その主鎖に脂肪族エステルを主成分として含むものである。その脂肪族エステルの主鎖中の含有割合は、少なくとも60モル%、好ましくは80~100モル%、より好ましくは90~100モル%である。脂肪族ポリエステル系樹脂には、ヒドロキシ酸重縮合物、ラクトンの開環重合物及び多価アルコール成分と多価カルボン酸成分との重縮合体等が包含される。ヒドロキシ酸重縮合物としてはポリ乳酸、ヒドロキシ酪酸の重縮合物等が挙げられる。ラクトンの開環重合物としてはポリカプロラクトン、ポリプロピオラクトン等が挙げられる。多価アルコール成分と多価カルボン酸成分との重縮合体としては、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンサクシネート等が挙げられる。これらの中でも、熱硬化性樹脂の硬化時の発熱による発泡粒子の減容を防止する観点からは、ポリ乳酸系樹脂が好ましい。
ポリ乳酸系樹脂は、乳酸に由来する成分単位を50モル%以上含むポリマーであることが好ましい。ポリ乳酸としては、例えば(a)乳酸の重合体、(b)乳酸と他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸とのコポリマー、(c)乳酸と脂肪族多価アルコールと脂肪族多価カルボン酸とのコポリマー、(d)乳酸と脂肪族多価カルボン酸とのコポリマー、(e)乳酸と脂肪族多価アルコールとのコポリマー、(f)これら(a)~(e)のいずれかの組合せによる混合物等が包含される。ポリ乳酸には、ステレオコンプレックスポリ乳酸、ステレオブロックポリ乳酸と呼ばれるものも包含される。乳酸の具体例としては、L-乳酸、D-乳酸、DL-乳酸又はそれらの環状2量体であるL-ラクチド、D-ラクチド、DL-ラクチド又はそれらの混合物が挙げられる。なお、ポリ乳酸系樹脂には、本発明の効果を阻害しない範囲内で、他の熱可塑性樹脂などを混合することができる。
上記(b)における他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸等が挙げられる。
上記(c)及び(e)における脂肪族多価アルコールとしては、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット等が挙げられる。
上記(c)及び(d)における脂肪族多価カルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水コハク酸、無水アジピン酸、トリメシン酸、プロパントリカルボン酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられる。
ポリ乳酸系樹脂は、好ましくは結晶性を有する。ポリ乳酸系樹脂が結晶成分を有することにより、複合粒子の製造時に、発泡粒子が減容したり、発泡粒子が熱収縮を起こして、複合粒子成形体にヒケが生じたりしてしまうことを防止し、また、抑制することができる。
結晶化が進んだポリ乳酸系樹脂発泡粒子を得る方法としては、ポリ乳酸系樹脂の結晶化度が調整できる限り、特にその方法は限定されないが、例えば、発泡工程において加熱処理を行い、ポリ乳酸系樹脂の結晶化を進行させて発泡粒子を得る方法、発泡粒子を65℃以上の雰囲気下で熱処理する方法が挙げられる。なお、発泡粒子を熱処理する温度は66~80℃が好ましく、67~75℃が更に好ましい。また、熱処理時間は8時間以上とすることが好ましい。
また、ポリオレフィン系樹脂としては、オレフィン成分を50重量%以上含有する樹脂であることが好ましい。具体的には、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を混合して使用してもよい。
ポリアミド系樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリアミド共重合体等が挙げられる。
ポリアミドとしては、ジアミンとカルボン酸との重縮合により得られる、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリヘキサメチレンドデカミド、ポリテトラメチレンアジパミド等、ラクタムの開環重合により得られるポリカプロアミド等が挙げられる。
ポリアミド共重合体としては、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレン、カプロラクタム/ヘキサメチレンアミノアジピン酸/ラウリルラクタム、カプロラクタム/ラルリルラクタム共重合体が挙げられる。
熱可塑性樹脂発泡粒子を構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度及び融解温度の少なくともいずれかは、複合粒子の耐熱性の観点から、好ましくは60℃以上、より好ましくは100℃以上、更に好ましくは120℃以上であり、そして、熱可塑性発泡粒子の生産性の観点から、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下である。
熱可塑性樹脂発泡粒子を構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、熱可塑性樹脂発泡粒子を脱泡せずに、JIS K7121-1987により熱流束示差走査熱量測定にて得られるDSC曲線の中間点ガラス転移温度として求める。なお、熱可塑性樹脂のガラス転移温度を求め場合は、JIS K7121-1987の「3.試験片の状態調節(3)」に記載の『一定の熱処理を行った後、ガラス転移温度を測定する場合』に準拠して熱可塑性樹脂片をDSC装置の容器に入れ、200℃まで10℃/分にて昇温して加熱溶解させ、直ちに0℃まで10℃/分にて冷却する状態調整を行ったものを試験片とする。
熱可塑性樹脂発泡粒子を構成する熱可塑性樹脂の融解温度の測定は、熱可塑性樹脂発泡粒子を脱泡せずに、JIS K7121-1987に準拠し、熱流束示差走査熱量測定により測定される値である。具体的には、JIS K7121-1987の「3.試験片の状態調節(2)」の条件(但し、冷却速度10℃/分)により試験片を状態調整した試験片を使用して、10℃/分にて昇温することにより融解ピークを得、得られた融解ピークの頂点の温度を融点とする。但し、融解ピークが2つ以上現れる場合は、最も面積の大きな融解ピークの頂点の温度を融点とする。
熱可塑性樹脂発泡粒子としては、熱可塑性樹脂の樹脂粒子を発泡させて発泡粒子を得たものの他、発泡ストランド、発泡成形体及び押出発泡体の粉砕物等が挙げられる。さらに、該発泡粒子としては、発泡粒子内に貫通孔からなる空隙を有する、特開平08-108441号公報等に記載の、筒状形状の発泡粒子を使用することもできる。なお、筒状形状の発泡粒子を用いた場合には、熱硬化性樹脂は、少なくとも発泡粒子の外面側に付着する。
なお、樹脂粒子の形状は、円柱状、球状、角柱状、楕円球状、円筒状等を採用することができる。かかる樹脂粒子を発泡して得られる発泡粒子は、発泡前の樹脂粒子形状に略対応した形状、上記の円柱状、球状、角柱状、楕円球状、円筒状等に対応した発泡粒子となる。
発泡粒子の平均粒径は、好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上であり、そして、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下である。上記範囲内であれば、複合成形体の強度の向上に好適である。なお、発泡粒子の平均粒径は、少なくとも100個以上の発泡粒子の最大外形寸法として測定される値の平均値である。
さらに、本発明に用いられる発泡粒子としては、発泡層のみからなる単層の発泡粒子だけではなく、多層構造の発泡粒子を用いることができる。なお、多層構造の発泡粒子とは、具体的には、発泡した芯層と、該芯層を被覆する被覆層とからなる発泡粒子が例示できる。また、被覆層は発泡状態であっても非発泡状態であってもよい。
前記多層構造の発泡粒子としては、例えば、結晶構造を有するポリ乳酸樹脂を芯層に用いることが好ましく、結晶化しない或いはほとんど結晶化しないポリ乳酸樹脂(以下、併せて低結晶性ポリ乳酸系樹脂という)を被覆層に用いることが好ましい。低結晶性ポリ乳酸系樹脂は、熱硬化性樹脂に溶解又は膨潤しやすい特性を有することから、被覆層のポリ乳酸系樹脂が低結晶性であると、熱硬化性樹脂液体原料との親和性が高くなる。一方、結晶構造を有するポリ乳酸系樹脂は、熱硬化性樹脂液体原料に対して溶解しにくく、また、膨潤され難いことから、芯層のポリ乳酸樹脂が結晶構造を有していると、発泡粒子の形状が維持され易くなる。上記のようなポリ乳酸系樹脂発泡粒子は、例えば、特開2012-025869号公報に記載の方法により調製することができる。
本発明における複合粒子に用いられる発泡粒子の嵩密度は、好ましくは10kg/m以上、より好ましくは20kg/m以上、更に好ましくは30kg/m以上であり、そして、好ましくは250kg/m以下、より好ましくは200kg/m以下、更に好ましくは150kg/m以下である。上記範囲内であれば、軽量化効果が高い上に、独立気泡構造を形成しやすく、より強度に優れる複合粒子を提供できる。
なお、発泡粒子の嵩密度は、次のようにして求めることができる。メスシリンダー等の容器内に自由落下によって発泡粒子を充填した後、容器を振動させ、その体積が恒量に達したときの目盛りを読んで発泡粒子の嵩体積を求める。容器内に充填された発泡粒子の全重量を該嵩体積で割算することにより発泡粒子の嵩密度を求める。
発泡粒子の1個当りの重量(粒子重量)は、発泡粒子の独立気泡率を高く維持する観点から、好ましくは0.1mg以上、より好ましくは0.5mg以上であり、さらに好ましくは0.8mg以上である。そして、好ましくは20mg以下、より好ましくは5mg以下である。
なお、粒子重量は、100個の粒子を無作為に選び、選んだ100個の粒子をまとめて重量を測定し、測定した重量を100で割り算した値を算出し、平均粒子重量とする。
発泡粒子としては、例えば、ポリ乳酸系樹脂発泡体である株式会社ジェイエスピー製の商品名「LACTIF(登録商標)」のうち、嵩密度が15~200kg/mである発泡粒子等が例示される。また、特公昭53-1313号公報、国際公開第2012/086305号、特開2012-025869号公報等を参照して、発泡粒子を得ることもできる。
〔強化繊維〕
本発明において、
複合粒子に用いる強化繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、セラミックス繊維、スチール繊維、ステンレス(SUS)繊維、アルミニウム繊維、ホウ素繊維及びこれらの2以上の併用が例示される。これらの中で高強度性、汎用性、経済性等の観点から、ガラス繊維、炭素繊維、ビニロン繊維が特に好ましい。なお、熱硬化性樹脂と複合化した場合に、強度を向上させることができる。
本発明において、複合粒子の、前記熱硬化性樹脂と前記強化繊維との重量比は、5:95~95:5であることが好ましい。上記重量比は熱硬化性樹脂が硬化した際の強度付与及び強化繊維の脱落の観点から、30:70~85:25であることが好ましく、50:50~75:25であることがさらに好ましい。なお、熱硬化性樹脂層の強化繊維含有率は、JIS K7075-1991 7-(2)(硝酸分解法)に準拠した方法で測定することができる。上記方法により、複合粒子中の、発泡粒子の重量と熱硬化性樹脂層の重量、熱硬化性樹脂層中の強化繊維の重量を算出することができ、上記の操作を複合粒子10個について測定し、その平均値を強化繊維の含有割合とする。したがって、複合粒子中の、発泡粒子の重量比率、熱硬化性樹脂の重量比率、及び強化繊維の重量比率が算出できる。
複合粒子に用いる強化繊維の平均長さ(L)は、0.05mm以上1mm以下が好ましい。上記範囲内であれば、例えば、熱硬化性樹脂と複合化した場合に繊維の絡み合いが生じやすく耐衝撃性能が向上し、繊維の均一分散がより容易となる。
複合粒子に用いる強化繊維における平均繊維長(L)と繊維直径(D)の比(L/D)は、好ましくは2以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは10以上であり、そして、その上限は100以下が好ましい。上記範囲内であれば、機械的特性の向上効果が高くなり、特に耐衝撃性に優れた複合成形体を形成することができる。
なお、強化繊維の繊維長と繊維直径は、電子顕微鏡で観察することにより測定することができる。なお、平均値として母数を500以上として繊維長と繊維直径を算出する。
強化繊維シート材の強化繊維についても、同様に測定し、また、同様に算出する。
本発明においては、強化繊維に加えて無機充填剤を熱硬化性樹脂層に含有させることができる。無機充填剤しては、ガラス粉体のほか、一般的に無機フィラーと呼ばれるものでシリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、酸化ベリリウム、軽石、タルク、カオリン、マイカ、セリサイト、ほう砂、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム及びこれらの2以上の併用が例示される。これらの中でも、シリカ、酸化マグネシウムが好ましい。
無機充填剤の比表面積としては、強化繊維と発泡粒子との接着性の観点から、20m/g以上であることが好ましく、50m/g以上であることがより好ましい。比表面積の上限に特に制限はないが、入手容易性の観点からは、500m/g以下であることが好ましい。比表面積は、不活性気体の低温低湿物理吸着によるBET法で求めることができる。
特に、無機充填剤が、200m/gのヒュームドシリカ及び酸化マグネシウムからなる場合には、熱硬化性樹脂を高粘度化でき、強化繊維との接着性をより向上させることができる。また、熱硬化性樹脂の流動性が低下する為、熱硬化性樹脂が複合粒子の表面に浸出し難くなり、強化繊維の添加量が少ない場合においても複合粒子の流動性を確保することができる。
これらの無機充填剤は、熱硬化性樹脂100重量部に対し、好ましくは5~150重量部、より好ましくは10~100重量部混合される。これらの無機充填剤は、硬化前の熱硬化性樹脂液体原料に充分に分散させておくことが好ましい。
〔熱硬化性樹脂〕
熱硬化性樹脂は未硬化状態であり、硬化剤と反応して硬化し得る樹脂である。
熱硬化性樹脂が未硬化状態であるとは、硬化が進んでいない状態であるAステージ状態のみならず、硬化が進み始めているが、完全に硬化していない状態(半硬化状態)であるBステージ状態も含む。上記Aステージ状態、及びBステージ状態は、JIS K6900-1994で定義される。なお、熱硬化性樹脂が硬化状態であるか未硬化状態であるかの確認は、JIS K7122-1987に記載されている熱流束示差走査熱量測定法に準拠して行い、熱硬化性樹脂層の硬化発熱ピークが観測される場合には未硬化状態であると判断することができる。上記観点から、熱硬化性樹脂層の硬化発熱ピークが110~180℃で観測されることが好ましく、120~160℃で観測されることがさらに好ましい。また、硬化発熱ピークの熱量は3J/g以上であることが好ましく、5J/g以上であることがさらに好ましい。なお、上記硬化発熱ピークが他の樹脂のピークと重複する場合には、その分を差し引くことで算出することができる。
本発明において、複合粒子を構成する熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ビニルエステル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ユリア系樹脂、メラミン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ウレタン系樹脂等が例示される。これらの中でも、発泡粒子を構成する熱可塑性樹脂との接着性に優れる観点から、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂のうちの1種、又は2種以上の組合せが好ましく、不飽和ポリエステル系樹脂から構成されることが更に好ましい。
不飽和ポリエステル系樹脂としては、不飽和多価カルボン酸と多価アルコ-ルとから得られる縮合生成物をビニルモノマーに溶解させて得られる不飽和ポリエステル樹脂が好ましい。不飽和多価カルボン酸としては、無水マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、無水フタル酸、イソフタル酸等を例示できる。多価アルコールとしてはエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等を例示できる。ビニルモノマーとしては、スチレン系モノマー等を例示できる。
エポキシ系樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ系樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ系樹脂;脂環式エポキシ系樹脂;グリシジルエーテル型エポキシ系樹脂;グリシジル化アミン型エポキシ系樹脂;ハロゲン化エポキシ系樹脂;或いは、グリシジル化ポリエステル、グリシジル化ポリウレタン、グリシジル化アクリル等のエポキシ基含有モノマーもしくはオリゴマーの付加重合体等が挙げられる。これらのエポキシ系樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
ビニルエステル系樹脂(エポキシアクリレート系樹脂と呼ばれることもある)としては、原料のエポキシ化合物を、アクリル酸又はメタクリル酸を用いてエステル化し、その反応物に重合性モノマーを付加重合させて得られる樹脂が挙げられる。原料のエポキシ化合物には、ノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ化合物等を用いることができるが、高い強度を得る観点からビスフェノールA型エポキシ化合物から製造されるビニルエステル樹脂が好適に用いられる。
〔熱硬化性樹脂層〕
本発明において、複合粒子は、熱可塑性樹脂発泡粒子の表面に未硬化状態の熱硬化性樹脂を介して、多数の強化繊維が付着している。このような構成により、複合粒子同士の互着を防ぐことができる。前記熱硬化性樹脂中には、さらに強化繊維を含有することが、複合粒子の強度の観点から好ましく、特に、熱硬化性樹脂中の強化繊維は熱硬化性樹脂中に包埋されて存在することが好ましい。
なお、熱可塑性樹脂発泡粒子の表面に被覆された未硬化状態の熱硬化性樹脂と、前記熱硬化性樹脂に付着した強化繊維とを併せて、熱硬化性樹脂層ということがある。具体的には、前記熱硬化性樹脂層は、熱硬化性樹脂が硬化された際には、強化繊維で強化された繊維強化プラスチック(FRP)層として機能する。本発明における複合粒子において、熱硬化性樹脂層は発泡粒子の表面を被覆している。
発泡粒子を被覆する熱硬化性樹脂層においては、強化繊維が、樹脂層の厚み方向中央部よりも樹脂層の外表面側に多く存在していることが好ましい。熱硬化性樹脂は、発泡粒子の表面に被覆されており、実質的に未硬化の状態であるAステージ状態、又は常温において固体状ないし半固体状を示し、一般に「Bステージ」と呼ばれる形態である(以下において「Bステージ品」、又は「Bステージ材料」ということがある。)ことが好ましく、取扱性の観点からBステージ状態であることが好ましい。また、本発明における複合粒子においては、上述の強化繊維による傾斜構造が熱硬化性樹脂層に形成されているので、複合粒子の流動性が向上している。なお、熱硬化性樹脂層の外表面の少なくとも一部には、露出した強化繊維による凹凸が形成されていることが好ましい。このような構成により、さらに複合粒子同士の互着を防ぐことができる。
同様の観点から、熱硬化性樹脂層の外表面には、少なくとも一部の強化繊維が露出していることが好ましい。強化繊維が熱硬化性樹脂層の外表面に露出していることで、複合粒子同士の互着をより効率的に防ぐことができる。なお、露出している強化繊維は、個々の強化繊維の中の一部分でも熱硬化性樹脂層の外表面から露出していればよい。
熱硬化性樹脂層は、熱硬化性樹脂と反応して硬化物を生成し得る硬化剤を含むことが好ましい。硬化剤としては、熱硬化性樹脂と反応して硬化し、硬化物を生成し得るものであれば特に制限されるものではない。例えばエポキシ樹脂の硬化剤として、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物等の酸無水物、ノボラック型フェノール樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のフェノール樹脂、無水フタル酸誘導体、ジシアンジアミド、イミダゾール化合物、アルミニウムキレート、BFのようなルイス酸のアミン錯体等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上混合して用いることができる。
熱硬化性樹脂として不飽和ポリエステル系樹脂を使用する場合は、硬化剤(重合開始剤)として過酸化物を用いることが好ましい。過酸化物としては、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド、パーオキシパーベンゾエート、パーオキシケタール、ジクミルパーオキシド等の有機過酸化物を好ましく用いることができる。これらの過酸化物は単独で又は2以上の混合物として用いることができる。過酸化物に加えて連鎖移動剤を使用してもよい。
硬化剤の添加量は、熱硬化性樹脂を効率的に硬化させる観点から、熱硬化性樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.3重量部以上であり、そして、好ましくは20重量部以下、より好ましくは10重量部以下である。
熱硬化性樹脂層は、本発明の目的を阻害しない範囲において、増量剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難然剤、防カビ剤、可塑剤、カップリング剤、電気伝導性フィラー、磁性体フィラー、熱伝導性フィラー、帯電防止剤、弾性微粒子等の改質剤を必要に応じて含有してもよい。特に難燃性を得るためには難燃剤を含有することが好ましい。
特に、本発明において、複合粒子は、熱可塑性樹脂発泡粒子の表面に前記強化繊維及び未硬化状態の熱硬化性樹脂を含む熱硬化性樹脂層が形成されており、個々の粒子として存在している。これに対して、従来の、発泡粒子と熱硬化性樹脂と強化繊維との複合体では、集合体として形成されたものであり、複合粒子の流動性に乏しいものとなる。例えば、複合粒子の、傾斜法による安息角は、30~60°であることが好ましく、35~55°であることがさらに好ましい。上記安息角の測定は、例えば、筒井理学機器株式会社製の、三輪式筒回転法の安息角測定器を用いる等して測定することができる。
複合粒子の平均粒径は、複合粒子を金型に充填して最終成型品の形状を自由に設定する観点から、好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上であり、そして、好ましくは10mm以下、より好ましくは6mm以下、更に好ましくは5mm以下である。複合粒子の平均粒径は、発泡粒子の測定方法により測定することができる。
複合粒子における熱硬化性樹脂層の厚みは、機械的強度及び発泡成形性の観点から、好ましくは4μm以上、より好ましくは20μm以上、更に好ましくは100μm以上であり、そして、好ましくは1000μm以下、より好ましくは800μm以下、更に好ましくは300μm以下である。熱硬化性樹脂層の厚みは、(各複合粒子の平均粒径-原料の発泡粒子の平均粒径)/2より、熱硬化性樹脂層の厚みを算出することができる。
なお、複合粒子の平均粒径に対する、熱硬化性樹脂層の厚みの比は、0.01~0.2であることが好ましい。上記範囲内であれば、熱硬化性樹脂層が脱落することなく、複合粒子の表面に熱硬化性樹脂層が積層され、良好な複合粒子を形成できる。上記観点から、該比は、0.015~0.15であることが好ましく、0.02~0.1であることがさらに好ましい。
複合粒子の嵩密度は、好ましくは30kg/m以上、より好ましくは45kg/m以上、更に好ましくは60kg/m以上であり、そして、好ましくは700kg/m以下、より好ましくは500kg/m以下、更に好ましくは300kg/m以下である。上記範囲内であれば、複合粒子は、軽量性に優れると共に強度にも優れる。複合粒子の嵩密度は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
また、複合粒子の見掛け密度は、好ましくは50kg/m以上、より好ましくは80kg/m以上、そして、好ましくは、700kg/m以下、さらに好ましくは500kg/m以下である。
(複合粒子1個当たりの強化繊維の含有量)
本発明において、複合粒子は、強化繊維の含有量が、複合粒子1個当たり、0.2mg~10mgであることが好ましい。上記範囲内であれば、複合粒子の流動性が向上するとともに、複合粒子から得られる硬化物の強度にも優れるものとなる。上記観点から、該含有量は、0.5mg~8mgであることが好ましく、1mg~5mgであることがさらに好ましい。
(複合粒子の組成)
本発明において、複合粒子は、発泡粒子の重量(X)に対する、熱硬化性樹脂層の重量の比が0.3~8であることが好ましい。より好ましくは、0.5~7であり、さらに好ましくは1~6である。上記範囲内であれば、複合粒子は発泡粒子部分と熱硬化性樹脂層部分のバランスに優れ、発泡粒子の表面により均一な熱硬化性樹脂層を形成することができる。
また、本発明において、複合粒子は、発泡粒子の重量(X)に対する、被覆している熱硬化性樹脂の重量(Y)の比(Y/X)が、0.3~3であることが好ましい。より好ましくは、0.5~2.5であり、さらに好ましくは0.6~2である。また、発泡粒子の重量(X)に対する強化繊維の重量(Z)の比(Z/X)は、0.1~8であることが好ましく、0.2~5であることがより好ましく、0.5~3であることがさらに好ましい。上記範囲内であれば、複合粒子は発泡粒子からの強化繊維の脱落が発生し難く、硬化物となっても強度にさらに優れるものとなる。
<複合粒子の製造方法>
本発明の積層体の製造方法は、複合粒子を製造する工程(複合粒子製造工程)を含んでいてもよい。
複合粒子製造工程では、熱可塑性樹脂発泡粒子と未硬化状態の熱硬化性樹脂とを混合して、発泡粒子が未硬化状態の熱硬化性樹脂で被覆された被覆物を形成した後、被覆物に強化繊維を付着させる。
より具体的には、例えば、熱可塑性樹脂発泡粒子と未硬化状態の熱硬化性樹脂とを混合して、発泡粒子が未硬化状態の熱硬化性樹脂で被覆された被覆物を形成する工程(1)、及び該被覆物と強化繊維とを混合することにより、熱硬化性樹脂に強化繊維を付着させ、発泡粒子の表面に強化繊維及び未硬化状態の熱硬化性樹脂を含む熱硬化性樹脂層を形成する工程(2)を含む製造方法により製造することができる。以下、各工程について詳細に説明する。なお、工程(1)における熱硬化性樹脂に強化繊維を別途含有させておくこともできる。
前記工程(1)では、まず、熱硬化性樹脂と硬化剤(重合開始剤)とを撹拌等により混合し、均一に分散させ、熱硬化性樹脂混合液を調製する。
次いで、発泡粒子と熱硬化性樹脂混合液とを混合、または発泡粒子に熱硬化性樹脂混合液を塗布し、発泡粒子表面に熱硬化性樹脂混合液を被覆(コーティング)して被覆物を形成する。なお、発泡粒子と熱硬化性樹脂混合液との混合は、混合運動で発泡粒子の切断、破壊等を伴わないように、プロシェアミキサー、ヘンシェルミキサー等のバッチ型ミキサー、又はモーノポンプ、スクリューポンプ等の連続型ミキサーを用いて混合することが好ましい。なお、複合粒子の強度をさらに向上させたい場合などにおいては、熱硬化性樹脂に強化繊維が含有されていてもよい。
前記工程(2)では、工程(1)で得られた被覆物を強化繊維と混合する。
工程(1)で得られた被覆物において、発泡粒子表面に被覆された熱硬化性樹脂混合液は未硬化状態であり、該被覆物と強化繊維とを混合することで、発泡粒子表面に被覆された熱硬化性樹脂混合液に強化繊維が付着し、複合粒子の表面側に、特に強化繊維を多く含む熱硬化性樹脂層が形成される。本発明においては、予め熱硬化性樹脂混合液に強化繊維を含有させるのではなく、熱硬化性樹脂混合液で被覆した発泡粒子被覆物に、強化繊維を後工程で付着させることによって、複合粒子の最表面に強化繊維を偏在させることで、複合粒子の流動性を向上させている。
なお、本発明において、複合粒子は、最終的に、複合粒子の最表面において、強化繊維を多く含有するように形成することができればよい。例えば、前記工程(1)と工程(2)を繰り返し、工程(2)を最終的に経ることによって、熱硬化性樹脂層において、強化繊維が樹脂層の厚み方向中央部よりも該樹脂層の外表面側に多く存在させつつ、複合粒子に含有される強化繊維の含有量を調整することもできる。
<複合粒子成形体製造工程>
第1の製造方法における複合粒子成形体製造工程では、既述の複合粒子を、成形型内に充填し、加熱し、互いに接着させて、複合粒子間に連通した空隙を有する複合粒子成形体(「プリフォーム成形体」と称することがある)を得る。
隣接する複合粒子の接着は、伝熱加熱して接着する方法、蒸気等の加熱媒体により加熱して接着する方法、又は接着剤を用いて接着する方法が挙げられ、特に複合粒子に付着した未硬化状態又は半硬化状態の熱硬化性樹脂を利用して加熱して接着する方法等により行うことができる。また、上記の方法と、成形型を用いて加圧又は、圧縮する方法を組み合わせて複合粒子成形体を得ることが好ましい。
複合粒子成形体は、複数の複合粒子を成形型内で成形してなる複合粒子成形体であり、複合粒子を出発原料として、複合粒子を構成する熱硬化性樹脂層が未硬化状態または半硬化状態である複合粒子成形体である。
例えば、閉鎖し得る成形型内に一定の隙間を設けつつ、金型キャビティー内に、未硬化状の、複数の複合粒子を充填して、型閉めした後、加圧するとともに熱硬化性樹脂が完全硬化しない程度に加熱を行うことで複合粒子同士を接着させて複合粒子成形体を成形(クラッキング成形)できる。このような複合粒子成形体には、複合粒子間に存在する間隙を有するものとなる。なお、複合粒子成形体は、型内成形体として、複合粒子を成形型に充填して成形してなる成形体であることが好ましい。
複合粒子成形体の成形の際には、複合粒子が充填される成形型内の体積は、複合粒子成形体の体積の、1.01倍から2.0倍として調整するのが好ましく、より好ましくは1.05倍から1.8倍で調整するのが好ましい。そして、成形時には、目的とする成形体寸法まで圧縮するとともに、加熱により熱硬化性樹脂層の流動性を向上させることで、複合粒子同士が接着し、成形体を形成することが可能となる。したがって、上記範囲内であれば、型の形状を忠実に再現するとともに、複合粒子が扁平状に潰れる可能性が少なく、硬化後の物性の異方性を生じる恐れがなく、特に好ましい。
なお、複合粒子の接着のメカニズムとしては、チクソトロピー性を有する、Aステージ又はBステージ状態の未硬化の熱硬化性樹脂が、複合粒子成形体の成形時における加熱と圧縮により流動し、隣接する複合粒子の熱硬化性樹脂と接触することにより複合粒子成形体の形状を形成すると考えられる。
複合粒子の成形時の加熱は、型の内部の空間温度が40℃から200℃が好ましく80℃から150℃が好ましい。40℃以上であることで、成形型内部の空間温度を一定のタイミングで均一に加温し易くなる。また、200℃以下であることで、生産上のエネルギーロスを抑制し、均一加熱のための付帯設備規模を抑えることができる。加熱する時間は10秒から30分が好ましく、1分から20分がさらに好ましい。上記範囲内であれば、複合粒子を均一に加熱することができ、複合粒子成形体の強度均一性、空隙率均一性等に優れる。
複合粒子成形体の空隙率は、後述する複合体を製造する際の熱硬化性樹脂の含浸性の観点から、3体積%から40体積%が好ましく5体積%から30体積%が好ましい。複合粒子成形体の空隙率を大きくすると、熱硬化性樹脂の含浸量が増え、複合体の強度を高めることができる。一方、複合粒子成形体の空隙率を小さくすると、熱硬化性樹脂の含浸量が抑えられ、複合体の耐熱性を高めることができる。
複合粒子成形体の空隙率は、成形の際に充填される複合粒子の量を計量して充填することにより制御することができる。また、事前の計量の代わりに予め金型にクラッキング機構を設けておくことで、そのクラッキング量を制御することで型空間体積を制御し、設定した型空間に複合粒子を満充填することで、容易に空隙率を制御することができる。なお、上記空隙率とは、空隙率をX、見かけ体積をY、成型体中の空隙部分を除いた真の体積をZ(真の体積Zは成形体をアルコール等の液体中に沈めたときに増量した体積を測定することによって知ることができる)としたときに、次の式によって算出されるものである。X〔%〕=〔(Y-Z)/Y〕×100
また、複合粒子成形体の作製後は、温度と湿度の管理は適切な環境で保管することが好ましい。高温環境下で保管する場合は、複合粒子成形体に残存するBステージ状態の樹脂が硬化する恐れがあり好ましくない。保管温度は-100℃から80℃、さらに好ましくは-30℃から40℃が好ましい。上記範囲内であれば、低温脆化をおこすことなく、またBステージ状態の樹脂が硬化する恐れがない。また、湿度は相対湿度で80%以下が好ましく50%以下が好ましい。上記範囲内であれば、樹脂製品を保管する環境としては好ましく、製品品質上は特段の問題とならないことが知られている。
複合粒子成形体の形状は、特に制限されない。既述のように、本発明における複合粒子は、熱可塑性樹脂発泡粒子の表面に未硬化状態の熱硬化性樹脂を介して強化繊維が付着しているため、複合粒子を型内に充填するときに、複合粒子同士が互着しにくく、成形する形状の自由度が高い。よって、複合粒子成形体の形状は、一般的な平板状、ブロック状等の矩形体に限らず、最終製品の用途、目的等に合わせた様々な形状にすることができる。
前記複合粒子成形体の成形体密度は、50~300kg/mが好ましい。上記範囲内であれば、特に軽量性に優れるものとなる。上記観点から、前記成形体密度は、100~250kg/mであることがより好ましく、120~200kg/mであることがさらに好ましい。
<強化繊維シート材接着工程>
第1の製造方法における強化繊維シート材接着工程では、複合粒子成形体の少なくとも一部の表面に強化繊維シート材を積層し、接着する。
上記工程を経ることで、軽量で、強度に優れる複合体が得られる積層体を製造することができる。
既述のように、積層体を構成する複合粒子成形体は、複合粒子を出発原料として、熱硬化性樹脂層が未硬化状態または半硬化状態であり、複合粒子成形体が有する空隙に熱硬化性樹脂を注入して、空隙中の熱硬化性樹脂を硬化し、硬化性樹脂層を硬化することにより、軽量で、強度の高い複合体を得ることができる。すなわち、本発明の積層体の製造方法により製造される積層体は、複合体の前駆体(以下、複合プリフォームということがある)として機能する。
強化繊維シート材の接着位置は、複合粒子成形体の表面であれば、特に制限されず、例えば、複合粒子成形体の形状が、平板である場合は、平板の片面でも両面でもよい。ただし、得られた積層体の空隙に熱硬化性樹脂を含浸させ、硬化させた複合体を得易いように、複合粒子成形体の表面の全てを覆わずに、強化繊維シート材を積層接着することもできる。複合粒子成形体の形状が、平板である場合は、生産性の観点から、複合粒子成形体の片面に強化繊維シート材を積層し、接着することが好ましい。
また、本発明の積層体の製造方法は、複合粒子成形体製造工程と、強化繊維シート材接着工程とを、それぞれ別々に行ってもよいし、同一の型を用いて同時に行ってもよい。
生産性を上げる観点から、複合粒子成形体製造工程と、強化繊維シート材接着工程とを同時に行うことが好ましい。
第2の製造方法では、同時充填工程と、同時接着工程とを有することにより、複合粒子成形体の製造と、複合粒子成形体への強化繊維シート材の接着とを同時に行うことができる。
具体的には、同時充填工程では、成形型内に強化繊維シート材を配置し、熱可塑性樹脂発泡粒子の表面に未硬化状態の熱硬化性樹脂を介して強化繊維が付着している複合粒子を成形型内に充填する。また、同時接着工程では、複合粒子及び強化繊維シート材を加熱して、複合粒子を互いに接着させて、複合粒子間に連通した空隙を有する複合粒子成形体を得るとともに、複合粒子と強化繊維シート材とを接着させて、複合粒子成形体の少なくとも一部の表面に強化繊維シート材を積層した積層体を成形する。
例えば、複合粒子成形体を得る型の凹型内に、予め強化繊維シート材を敷いておき、その強化繊維シート材の上に、複合粒子を充填し、加熱し、互いに接着させて、複合粒子成形体の成形と、複合粒子成形体への強化繊維シート材の接着を同時に行うことができる。
第2の製造方法の同時充填工程と同時接着工程における成形条件は、第1の製造方法の複合粒子成形体製造工程と同様である。既述のように、複合粒子成形体製造工程では、複合粒子成形体の成形時における加熱と圧縮により、Bステージ状態の未硬化の熱硬化性樹脂が流動して粒子表面に染み出し、隣接する複合粒子の熱硬化性樹脂と接触し、複合粒子同士が接着する。同時接着工程においても、複合粒子及び強化繊維シート材の加熱及び圧縮により、Bステージ状態の未硬化の熱硬化性樹脂が流動して粒子表面に染み出し、隣接する複合粒子の熱硬化性樹脂と接触し、複合粒子同士が接着する。同時接着工程は、複合粒子同士の接着と同時に、複合粒子に接する強化繊維シート材が、複合粒子表面に存在する熱硬化性樹脂により、複合粒子とより強固に接着することができると考えられる。
第1の製造方法において、強化繊維シート材接着工程を、複合粒子成形体製造工程の後に行う場合は、複合粒子成形体の表面に強化繊維シート材を積層すればよい。例えば、複合粒子成形体に粘着剤または接着剤を付与して、強化繊維シート材を複合粒子成形体に接着してもよいし、熱プレス機により、複合粒子成形体に強化繊維シート材を圧着してもよい。
また、複合粒子成形体を構成する複合粒子の熱硬化性樹脂層が半硬化状であれば、複合粒子成形体上に強化繊維シート材を配置して圧縮した際に、複合粒子表面に染み出る熱硬化性樹脂により、複合粒子成形体と強化繊維シート材とが接着する。
強化繊維シート材を複合粒子成形体に積層させる際には、例えば、直方体形状の積層体を得る場合には、上下方向に開閉する金型を用い、その凹型を下面とした場合に、下面側の成形型面に強化繊維シート材を敷くことが好ましい。なお、強化繊維シート材は、直方体の側面部分にも覆われるように敷いておくことができる。その後、強化繊維シート材の上に、第1の製造方法においては、複合粒子成形体を配置し、第2の製造方法においては、複合粒子を凹部型内に充填する。そして、型を閉めた後、型温度を初期温度から昇温し30~150℃とするとともに、0.01~5MPaのプレス圧力をかけて成形を行う。1~60分間、加熱圧縮後に、型を開いて、積層体を取り出すことによって、積層体が得られる。この際予め30~150℃の任意温度に金型内面を温めておき、複合粒子を充填し成形することができる。成形は複合粒子間の接着を促すことを目的とするとするが、複合粒子間の接着は一般的にコーティングされている増粘しているが実質的に未硬化の樹脂が加温による粘度低下で流動性を得る効果及び複合粒子相互間でプレス圧の変化でより流動性を得ることにより複合粒子表層の強化繊維層を介して接着することにより達せられると考えられる。
また、曲面を有する複合樹脂成形体に積層する場合には、強化繊維シート材をプリカットすることが好ましい。
〔強化繊維シート材〕
強化繊維シート材接着工程で用いる強化繊維シート材は、強化繊維を用いた織物、強化繊維の不織布状のシート、強化繊維のロービング繊維、チョップドストランドマット、チョップドストランドマット等が挙げられる。
強化繊維シート材に用いられる強化繊維の種類は、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、セラミックス繊維、スチール繊維、ステンレス(SUS)繊維、アルミニウム繊維、ホウ素繊維及びこれらの2以上の併用が例示される。これらの中で高強度性、汎用性、経済性等の観点から、ガラス繊維、炭素繊維、ビニロン繊維が特に好ましい。
複合粒子が含有する強化繊維の種類と、複合粒子成形体に接着する強化繊維シート材の種類は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
強化繊維シート材は強化繊維からなるシート材であってもよいし、強化繊維に、上記強化繊維以外の繊維を混ぜたシート材であってもよいが、複合体の強度を高める観点から、強化繊維からなるシート材であることが好ましい。
強化繊維シート材は、ロービングまたは連続繊維で織られる織物であってもよい。織物は一般的には横糸と縦糸を用いた平織、綾織りなどで提供される。また、ニットで代表されるような編み物であってもよい。強化繊維シート材の単位面積当たりの重量は強度を支配する因子として重要であり、織物、編物、不織布形状など問わずに20g/m~1200g/mの強化繊維シート材を使用するのが好ましい。さらには、100g/m~1000g/mであることが好ましく、150g/m~600g/mであることがさらに好ましい。また、強化繊維シート材は複数枚を重ねて使用しても同様な効果が期待できる。複数層を使用する理由としては、特に成形品の曲面などに追従させる場合は可撓性が要求されることから複数層を配置し成形に供することも可能である。更には不織布構造を有するチョップドストランドマットでもよいが、シート材の選定はその最終製品の要求性能、加工性能、使用する樹脂との相性、コストによって選定されるべきである。
強化繊維シート材は、市販品を用いてもよく、例えば、ガラス繊維(GF)の強化繊維シート材としては、チョップドストランドマット(CSM)#450、セントラル硝子株式会社製、商品名「ECM450-501」;炭素繊維(CF)の強化繊維シート材としては、東レ株式会社製、商品名「トレガクロスCO6343」等を用いることができる。
本発明の積層体の製造方法は、未硬化状態の熱硬化性樹脂を加熱硬化する工程を含んでいてもよい。
当該工程は、複合成形体を得る際であっても、複合粒子成形体を得た後であって、複合粒子成形体に強化繊維シート材を積層し、接着する前に行ってもよいし、複合粒子成形体に強化繊維シート材を積層接着し、積層体を製造した後に行ってもよい。
未硬化状態の熱硬化性樹脂は、80℃から450℃で、好ましくは100℃から150℃で加熱すればよい。未硬化状態の熱硬化性樹脂を完全に加熱硬化させて、Cステージ状態とすることで、点接着で接着している複合粒子同士の接着が強固になり、積層体の剛性を上げることができる。なお、「Cステージ状態」は、JIS K6900-1994で定義される
なお、複合体の成形前に熱硬化性樹脂層が硬化されている場合には、より均一に硬化物層が形成されることになるので、耐熱性及び耐圧性に優れ、HP-RTM(High-Pressure Resin Transfer Molding)成形等のハイサイクル成形の成型温度及び成形圧力に耐えることができる。
<<積層体(複合プリフォーム)>>
以上のようにして得られる本発明の積層体は、熱可塑性樹脂発泡粒子の表面に、未硬化状態の熱硬化性樹脂を介して強化繊維が付着した複合粒子が互いに接着してなる複合粒子成形体の少なくとも一部の表面に、強化繊維シート材が積層接着されており、複合粒子成形体は、複合粒子間に連通した空隙を有する。
すなわち、本発明の積層体は、既述の本発明における複合粒子が互いに接着した複合粒子成形体と、強化繊維シート材とを有し、複合粒子成形体の少なくとも一部の表面に強化繊維シート材が積層接着されている。また、本発明の積層体が備える複合粒子成形体は、複合粒子間に連通した空隙を有する。なお、複合粒子成形体は、未硬化状態の熱硬化性樹脂を介して強化繊維が付着した複合粒子が互いに接着してなるので、複合粒子を構成する熱硬化性樹脂が未硬化状態であっても、硬化状態であってもよい。
<<包装体>>
本発明の包装体は、本発明の積層体が熱可塑性樹脂フィルムで覆われ、減圧包装されてなる。
積層体が熱可塑性樹脂フィルムで覆われ、減圧包装されることで、積層体を構成する複合粒子成形体の複合粒子同士が未硬化状態の熱硬化性樹脂を介して点接着している場合でも、輸送時の衝撃等により、積層体の型崩れを防止することができる。
積層体を覆う熱可塑性樹脂フィルムは、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂等のフィルムが挙げられる。使用するフィルムは、一定程度のガスバリア性と、簡単に密閉できるよう一定程度のヒートシール性を有していることが好ましい。
一定程度のガスバリア性とは、少なくとも1日以上包装の真空度を常圧よりも低く維持する特性を有することをいい、好ましくは6か月以上包装内真空度を維持する特性を有するのが好ましい。ヒートシールは熱可塑性プラスチックの熱可逆性を利用した分子間接合技術であり、ヒートシールの完成にはヒートシーラント(溶着層)に適正な加熱を行うことが好ましい。
一定程度のヒートシール性とは、適切且つ低温での加熱による溶融性と短時間での作業完了を達することができ、且つ均一な加熱を達せられる特性を有することをいう。中でも、フィルム強度とガスバリアの観点から、ポリエチレン/ナイロン複層及びポリエチレン/PVOH複層のバリアフィルムが好ましい。ヒートシール原理は均一で長持ちすれば特に限定されるものではないが、利便性の点からインパルスシーラー、ヒートバーシーラーなどが用いられる。接着層の易接着性を確保するためにアド層としてヒートシールを補助するホットメルト接着剤などを併用することもできる。
本発明の包装体は、例えば、熱可塑性樹脂フィルムを袋状に成形した外装体に、本発明の積層体を収容し、減圧包装して密閉することにより得られる。減圧包装する際には4.00×10Pa以下に減圧することが好ましく、1.33×10Pa以下とすることがより好ましい。
<<複合体(樹脂複合品)>>
本発明の複合体は、本発明の積層体の空隙に熱硬化性樹脂が充填されている。
積層体の空隙に熱硬化性樹脂が充填されて、複合体に熱硬化性樹脂が内包されていることで、軽量でありながら、複合体の強度を高くすることができる。
既述のように、複合体の強度は、積層体の空隙率(より詳しくは、積層体が備える複合粒子成形体の空隙率)に依存し、空隙率が大きく、空隙に充填される熱硬化性樹脂の量が多いほど、強度が高くなる。一方、積層体の空隙率が小さいと、複合体中の熱硬化性樹脂の重量割合が抑えられ、複合体の耐熱性が高くなる。
従って、熱硬化性樹脂の充填量の異なる複合体を、厚み方向に組み合わせれば、厚み方向に、強度に傾斜を持たせた製品を得ることができる。
熱硬化性樹脂としては、上述の複合粒子を作製した際に用いる熱硬化性樹脂を用いることができる。例えば複合粒子製造工程の工程(1)の説明で記載した熱硬化性樹脂混合液を金型内に注入し、積層体(複合プリフォーム)に熱硬化性樹脂混合液を含浸させた後、室温中で80~450℃にて30~180分間硬化させて、樹脂複合品を得ることができる。
積層体(複合プリフォーム)に充填される熱硬化性樹脂の量は、複合体を構成する積層体の空隙率に依存する。既述のように、積層体を構成する複合粒子成形体の空隙率は、好ましくは3~40体積%であり、当該範囲に対応する量で、複合体は熱硬化性樹脂が充填される。
本発明の複合体は、例えば、積層体を構成する複合粒子成形体の空隙に、注型樹脂として未硬化状態の熱硬化性樹脂を含浸させ、硬化させることにより得られる。熱硬化性樹としては、前記した複合粒子の熱硬化性樹脂層に用いることができる熱硬化性樹脂を用いることができる。なお、複合体に用いられる熱硬化性樹脂は、複合粒子が有するものと同種の熱硬化性樹脂を用いることもできれば、異種のものを用いることもできる。
このように、上記複合プリフォーム(積層体)を、熱硬化性樹脂を用いたFRP(Fiber Reinforced Plastics)成形体の芯材として利用し、複合体を形成することができる。
なお、FRP成形においてこの複合プリフォームを使用する場合には、例えば、以下のようにして成形品を作製することができる。上記のようにして成形された複合プリフォームを成形型内に入れた後、成形型内に熱硬化性樹脂と硬化剤とが混合された熱硬化性樹脂混合液を充填する。この際、複合プリフォームに形成された成形体の空隙の内部にまで該熱硬化性樹脂混合液が含浸される。その後、成形型を加熱して、熱硬化性樹脂が硬化することによって複合体が得られる。上記の構造により、より剛性の高い成形体を得ることができる。
本発明の複合粒子を用いた複合プリフォームは、強化繊維が複合粒子一つ一つの表面に存在しており、この複合粒子同士が接着して複合プリフォームが形成されているので、強化繊維が複合プリフォーム全体に均等に存在している。さらに、該複合プリフォームは型内成形により形成できるので、形状の自由度が高く、様々な形状に適用が可能である点で優れるものである。
特に、本発明で用いる複合粒子は、上記のように成形型内での圧縮と加熱によって、型に充填した時点ではそれぞれが独立して存在している複合粒子同士が、接着して一体成形体として複合プリフォームとなる。この複合プリフォームは個々の発泡粒子の表面に、強化繊維を含む熱硬化性樹脂層を有した複合粒子からなる成形体であるため、出来上がった複合プリフォームは立体的に強化繊維が均一に分布していることとなる。また、複合プリフォームはBステージ状態又はCステージ状態であることが好ましい。そしてこの複合プリフォームを使用してFRP成形を行う場合には、成形型に複合プリフォームを挿入し、熱硬化性樹脂と硬化剤とが混合された熱硬化性樹脂混合液を型内に流し込んでFRP成形が簡単に完了する。また、強化繊維の量は複合粒子の表面に存在する強化繊維量を調整することで任意に調整可能であり、複合プリフォームに含有される強化繊維の含有率を50重量%以上の高含有量とすることが、本発明における複合粒子を用いることにより容易となる。
なお、本発明の複合体は、例えば、前記積層体を前記強化繊維シート材が表面側となるように複数積み重ねて芯材とし、未硬化状態の熱硬化性樹脂を前記芯材に含浸して固化させて形成することもできる。2つ以上の積層体を、強化繊維シート材が表面側となるように配置して芯材として用い、複合体を形成することで、全面を強化繊維シート材で被覆させることができる。また、特性の異なる2つ以上の積層体を組み合わせることで、厚み調整、種々の用途に合わせた傾斜構造を形成できる。
従来では、強化繊維シート材が上下面を覆う形状の芯材を一工程で製造することは困難であった。本発明では、前記強化繊維シート材が表面側となるように、片面に強化繊維シート材が接着された積層体を複数積み重ねて芯材を形成した場合、複合体を形成する工程を簡略化することが可能となる。また、複合樹脂成形体において、密度の異なる複合樹脂成形体を組み合わせた場合には、片面側で強度を保ちつつ、他方面側では軽量性、断熱性などの異なる特性を担保させることができる。
次に、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。
<製造に用いた成分>
1.原料粒子の製造に用いた成分
(1)ポリ乳酸樹脂PLA-1:結晶性ポリ乳酸樹脂、ユニチカ株式会社製「テラマックTP-4000E」(融点:163℃、MFR(190℃/2.16kgf):4.6g/10min、ビカット軟化温度:157℃)
(2)ポリ乳酸樹脂PLA-2:低結晶性ポリ乳酸樹脂、ユニチカ株式会社製「テラマックTP-4001E」(融点:なし、MFR(190℃/2.16kgf):6.0g/10min、ビカット軟化温度58℃)
2.複合粒子の製造に用いた成分
(1)熱硬化性樹脂液体原料r1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、DIC株式会社製、商品名「Epicron 850」、エポキシ当量:190(g/eq.)
(2)硬化剤h1:アミン系硬化剤、三菱ガス化学株式会社製、商品名「1,3-BAC(1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン)」、活性水素当量:35.6(g/eq.)
(3)強化繊維(短繊維)f1:ガラス繊維(GF)、セントラル硝子株式会社製、商品名「ミルドファイバー EFK80-31/T」平均長さ80μm、径13μm、L/D:6.2
(4)強化繊維(短繊維)f2:炭素繊維(CF)、ゾルテック(Zoltek)社製、商品名「RMF150」、平均長さ:150μm、径13μm、L/D:11.5
3.複合プリフォーム(積層体)の製造に用いた成分
(1)強化繊維シート材s1:ガラス繊維(GF)のシート材;ガラスマット(チョップドストランドマット(CSM)#450、セントラル硝子株式会社製、商品名「ECM450―501」)、250mm×250mmあたり31.5g、坪量450g/m
(2)強化繊維シート材s2:炭素繊維(CF)のシート材;東レ株式会社製、商品名「トレカ(登録商標)クロス CO634」、250mm×250mmあたり12.4g、坪量198g/m
(3)強化繊維シート材s3:ガラス繊維(GF)のシート材;ガラスマット(チョップドストランドマット(CSM)#300、セントラル硝子株式会社製、商品名「ECM300―501」)、250mm×250mmあたり18.75g、坪量300g/m
<複合粒子(プリフォームビーズ)の製造>
1.原料粒子の製造
内径65mmの芯層形成用押出機および内径30mmの被覆層形成用押出機の出口側に多層ストランド形成用の共押出用ダイを付設した押出装置を用いた。
芯層形成用押出機にポリ乳酸樹脂PLA-1(結晶性ポリ乳酸樹脂)を供給し、被覆層形成用押出機にポリ乳酸樹脂PLA-2(低結晶性ポリ乳酸樹脂)を供給し、溶融混練した。その溶融混練物を前記の共押出用ダイに、芯層供給量/被覆層供給量=90/10の重量比で導入してダイ内で合流して押出機先端に取り付けた口金の細孔から、芯層の外周面に被覆層が積層された多層ストランドとして共押出し、共押出されたストランドを水冷し、ペレタイザーで重量が略2mgとなるように切断し、乾燥して円柱状の多層樹脂粒子を得た。
次に、前記多層樹脂粒子を用いてポリ乳酸系樹脂発泡粒子を作製した。
まず、前記のようにして得られた多層樹脂粒子1kgを、分散媒としての水3Lと共に撹拌機を備えた5Lの密閉容器内に仕込み、更に分散媒中に、分散剤、界面活性剤を有効成分量として0.01重量部添加した。次いで、撹拌下で140℃まで昇温し、密閉容器内に発泡剤としての二酸化炭素を、圧力が2.8MPa(G)(ゲージ圧を意味する。以下同じ)になるまで圧入し、その温度で15分間保持した。次いで、発泡温度まで昇温し、圧力が3.0MPa(G)になるまで二酸化炭素を圧入し、発泡温度145℃で15分間保持した。その後、二酸化炭素にて背圧を加えながら内容物を大気圧下に放出して、嵩密度38kg/m、平均粒径3.3mmのポリ乳酸系樹脂発泡粒子(原料粒子)を得た。
なお、得られた発泡粒子は70℃の雰囲気下で8時間熱処理を行った。
2.未硬化状の複合粒子の製造
(1)複合粒子b1の製造
手順1(Resin Blend)
内容積が200mLのポリプロピレン(PP)製ビーカーに、未硬化状の熱硬化性樹脂液体原料r1を50g、硬化剤h1を9.5g、それぞれ計量し、撹拌して熱硬化性樹脂混合液を調製した。
手順2(Coating)
次いで、内容積が約20Lのポリエチレン製袋に、原料粒子28g(結晶化度調整済)(表中の「プリフォームビーズ」欄の「ビーズ量」)を投入し、手順1で得た熱硬化性樹脂混合液28g(表中の「プリフォームビーズ」欄の「樹脂量」)を投入し、原料粒子の表面が樹脂混合液で均一に被覆されるように混合した。
手順3(Particulation)
次いで、強化繊維f1(ガラス繊維)14gを2回に分割して(合計28g)、ポリエチレン製袋に投入した後に、添加剤としてフュームドシリカ粉体(ヒュームドシリカ、エボニック インダストリーズAG社製、商品名「Aerosil 200CF」)10gを投入し、混合して粒子状複合ビーズを得た。
手順4(Classified)
得られた粒子状の複合ビーズは、目開き2mmの金属製のメッシュ(東京スクリーン株式会社製)で篩にかけ、発泡粒子に付着しなかった強化繊維を除去し、未硬化状の複合粒子b1(Bステージ品、「BSTGビーズ」とも表記する)を得た。
得られた未硬化状の複合粒子b1の、嵩密度は85kg/mであり、見掛け密度は155kg/mであった。また、BSTGビーズをDSC測定したところ、103℃を頂点とする硬化発熱ピーク(50~130℃までの発熱量8.6J/g)が観測され、複合粒子b1の熱硬化性樹脂層はBステージ状態であることが確認された。また、複合粒子b1の、発泡粒子と熱硬化性樹脂と強化繊維との重量比率は、41:33:26であり、平均粒径は3mmであり、熱硬化性樹脂層の厚みは63μmであった。
なお、複合粒子b1の製造に用いた原料粒子として発泡粒子、熱硬化性樹脂混合液、強化繊維及び添加剤の量は、表中の「プリフォームビーズ」欄の「ビーズ量」、「樹脂量」、「短繊維量」及び「添加剤量」の各欄に示した。複合粒子b2についても同様である。
(2)複合粒子b2の製造
複合粒子1の製造の手順2と手順3を、次の手順2、3に変更した他は、同様にして、複合粒子2を製造した。
手順2(Coating)
内容積が約20Lのポリエチレン製袋に、原料粒子39g(結晶化度調整済)を投入し、複合粒子b1の製造の手順1で得た熱硬化性樹脂混合液41gを投入し、原料粒子の表面が熱硬化性樹脂混合液で均一に塗布されるように混合した。
手順3(Particulation)
次いで、強化繊維f2(炭素繊維)20gを2回に分割して、ポリエチレン製袋に投入した後に、添加剤としてフュームドシリカ粉体(ヒュームドシリカ、エボニック インダストリーズAG社製、商品名「Aerosil 200CF」)16gを投入し粒子状複合ビーズを得た。
得られた未硬化状の複合粒子b2の、嵩密度は85kg/mであり、見掛け密度は155kg/mであった。また、BSTGビーズをDSC測定したところ、103℃を頂点とする硬化発熱ピーク(50~130℃までの発熱量8.6J/g)が観測され、複合粒子b2の熱硬化性樹脂層はBステージ状態であることが確認された。また、複合粒子b2の、発泡粒子と熱硬化性樹脂と強化繊維との重量比率は、42:20:38であり、平均粒径は3.5mmであり、熱硬化性樹脂層の厚みは66μmであった。
<原料粒子及び複合粒子の物性測定方法>
原料粒子の嵩密度、複合粒子の嵩密度、複合粒子の見掛け密度、原料粒子の平均粒径、複合粒子の平均粒径及び複合粒子の熱硬化性樹脂層の硬化状態は、次のようにして確認した。
(原料粒子と複合粒子の嵩密度)
原料粒子と複合粒子、それぞれについて、粒子を24時間風乾させた後、粒子を1Lメスシリンダー内の1Lの標線位置まで充填して計量し、嵩体積1Lの粒子の質量(単位:g)を小数点第1位まで秤量した。そして、単位換算を行うことにより、嵩密度(単位:kg/m)を求めた。
(複合粒子の見掛け密度)
予め重量W(g)を秤量した嵩体積約50mLの複合粒子を100mLの水を入れた200mLのメスシリンダーに金網等を使用して沈め、水位が上昇した分の体積V(mL)を読み取った。W/Vを求めて単位換算を行うことにより複合粒子の見掛け密度(kg/m)を算出した。
(原料粒子と複合粒子の平均粒径)
光学顕微鏡にて、原料粒子又は複合粒子を観察し、各粒子の長径及び短径を調べた。各々100個の粒子を観察し、粒子の最大外形寸法として測定される値の平均値として、粒子の平均粒径を求めた。
(複合粒子の熱硬化性樹脂層の硬化状態)
複合粒子の熱硬化性樹脂の未硬化状態の確認方法は、JIS K7122-1987に記載されている熱流束示差走査熱量測定法に準拠して、1~4mgの複合粒子を0℃から200℃まで、10℃/分で昇温してDSC曲線を得た。ここで熱硬化性樹脂層に由来する硬化発熱ピークが確認できたものは未硬化状態と判断した。
〔実施例1〕
1-1.複合プリフォームの作製
複合粒子b1を93.8g秤量し、金型を閉鎖しつつ、クラッキングを17.6mmとった状態で、縦250mm×横250mm×厚み10mmの平板金型に、複合粒子b1を空送して充填フィーダーから充填し、厚み方向に76体積%圧縮した後、70℃で15分加熱処理(ヒートプレス)を行った。このヒートプレスにより、複合粒子b1は互いに接着され、半硬化状のプリフォーム成形体1が得られた。この半硬化状のプリフォーム成形体1に対して、強化繊維シート材s1(ガラス繊維)を両面に1枚ずつ積層させて、複合プリフォーム(積層体)1を得た。
1-2.包装体の作製
プリフォーム成形体1および複合プリフォーム(積層体)1を富士インパルス株式会社製の卓上型ノズル式脱気シーラーを用いて真空包装を行った。包装方法としては、縦400mm×横300mm×厚み0.07mmの真空包装用フィルムの中にプリフォーム成形体1および複合プリフォーム(積層体)1を入れた状態で真空吸引を行い、-80kPa(G)の減圧状態で真空包装用フィルムを熱溶着して真空包装体を得た。
2.樹脂複合品(複合体)の製造
(1)注型樹脂の調製
不飽和ポリエステル樹脂「日本ユピカ株式会社製、商品名:6424」を100重量部、硬化剤としてメチルエチルケトンパーオキサイド「日油株式会社製、商品名:パーメックN」を1.0重量部、硬化促進剤として「日本ユピカ株式会社製、商品名:PR-M」を0.5重量部、混合した熱硬化性樹脂混合液を作製した。
(2)積層体への注型樹脂の含浸及び硬化
積層体1を、RTM型にセットし、熱硬化性樹脂混合液274gを金型内に注入し、複合プリフォーム1に熱硬化性樹脂混合液を含浸させた。室温中で20分常温硬化させて成形を完了し離型した。離型後、複合成形品は80℃のドライオーブンにて60分後硬化をかけ、樹脂複合品1を得た。
〔実施例2~3〕
1.複合プリフォーム2~3の作製
複合粒子b1を、表1の「複合プリフォーム」欄の「プリフォームビーズ量」欄に示す量だけ秤量し、縦250mm×横250mm×厚み10mmの平板金型に充填した。次いで、充填物を厚み方向に、表1の「複合プリフォーム」欄の「圧縮率」欄に示す圧縮率で、圧縮した後、70℃で15分加熱処理(ヒートプレス)を行った。このヒートプレスにより、複合粒子b1は互いに接着され、半硬化状のプリフォーム成形体2~3が得られた。この半硬化状のプリフォーム成形体2~3に対して、強化繊維シート材s1(ガラス繊維)を両面に1枚ずつ積層させて、複合プリフォーム(積層体)2~3を得た。
〔実施例4〕
1.複合プリフォーム4の作製
複合粒子b1を、表1の「複合プリフォーム」欄の「プリフォームビーズ量」欄に示す量だけ秤量し、縦250mm×横250mm×厚み10mmの平板金型に充填した。次いで、充填物を厚み方向に、表1の「複合プリフォーム」欄の「圧縮率」欄に示す圧縮率で、圧縮した後、70℃で15分加熱処理(ヒートプレス)を行った。このヒートプレスにより、複合粒子b1は互いに接着され、半硬化状のプリフォーム成形体4が得られた。この半硬化状のプリフォーム成形体4に対して、強化繊維シート材s3(ガラス繊維)を両面に1枚ずつ積層させて、複合プリフォーム(積層体)4を得た。
〔実施例5〕
1.複合プリフォーム5の作製
複合粒子b1を、表1の「複合プリフォーム」欄の「プリフォームビーズ量」欄に示す量だけ秤量し、縦250mm×横250mm×厚み10mmの平板金型に充填した。次いで、充填物を厚み方向に、表1の「複合プリフォーム」欄の「圧縮率」欄に示す圧縮率で、圧縮した後、70℃で15分加熱処理(ヒートプレス)を行った。このヒートプレスにより、複合粒子b1は互いに接着され、半硬化状のプリフォーム成形体5が得られた。この半硬化状のプリフォーム成形体5に対して、強化繊維シート材s3(ガラス繊維)を両面に2枚ずつ積層させて、複合プリフォーム(積層体)5を得た。
2.樹脂複合品の製造
複合プリフォーム2~5を、RTM型にセットし、複合プリフォーム1の製造で調製した熱硬化性樹脂混合液を、表1の「樹脂複合品」欄の「注型樹脂量」欄に示す量だけ金型内に注入し、複合プリフォーム2~5に熱硬化性樹脂混合液を含浸させた。室温中で20分常温硬化させて成形を完了し離型した。離型後、複合成形品は80℃のドライオーブンにて60分後硬化をかけ、樹脂複合品2~5を得た。
〔実施例6〕
1.複合プリフォームの作製
複合粒子b2を115.6g秤量し、縦250mm×横250mm×厚み10mmの平板金型に充填し、厚み方向に118体積%圧縮した後、70℃で15分加熱処理(ヒートプレス)を行った。このヒートプレスにより、複合粒子b2は互いに接着され、半硬化状のプリフォーム成形体6が得られた。この半硬化状のプリフォーム成形体6に対して、強化繊維シート材s2(炭素繊維)を両面に1枚ずつ積層させて、複合プリフォーム6を得た。
2.樹脂複合品の製造
複合プリフォーム6を、RTM型にセットし、複合プリフォーム1の製造で調製した熱硬化性樹脂混合液59gを金型内に注入し、複合プリフォーム6に熱硬化性樹脂混合液を含浸させた。室温中で20分常温硬化させて成形を完了し離型した。離型後、複合成形品は80℃のドライオーブンにて60分後硬化をかけ、樹脂複合品6を得た。
〔実施例7〕
1.複合プリフォームの作製
複合粒子b2を95.6g秤量し、縦250mm×横250mm×厚み10mmの平板金型に充填し、厚み方向に80体積%圧縮した後、70℃で15分加熱処理(ヒートプレス)を行った。このヒートプレスにより、複合粒子b2は互いに接着され、半硬化状のプリフォーム成形体7が得られた。この半硬化状のプリフォーム成形体7に対して、強化繊維シート材s2(炭素繊維)を両面に1枚ずつ積層させて、複合プリフォーム7を得た。
2.樹脂複合品の製造
複合プリフォーム7を、RTM型にセットし、複合プリフォーム1の製造で調製した熱硬化性樹脂混合液274gを金型内に注入し、複合プリフォーム7に熱硬化性樹脂混合液を含浸させた。室温中で20分常温硬化させて成形を完了し離型した。離型後、複合成形品は80℃のドライオーブンにて60分後硬化をかけ、樹脂複合品7を得た。
〔実施例8〕
1.複合プリフォームの作製
複合粒子b2を82.9g秤量し、縦250mm×横250mm×厚み10mmの平板金型に充填し、厚み方向に56体積%圧縮した後、70℃で15分加熱処理(ヒートプレス)を行った。このヒートプレスにより、複合粒子b2は互いに接着され、半硬化状のプリフォーム成形体8が得られた。この半硬化状のプリフォーム成形体8対して、強化繊維シート材s2(炭素繊維)を両面に1枚ずつ積層させて、複合プリフォーム8を得た。
2.樹脂複合品の製造
複合プリフォーム8を、RTM型にセットし、複合プリフォーム1の製造で調製した熱硬化性樹脂混合液307gを金型内に注入し、複合プリフォーム8に熱硬化性樹脂混合液を含浸させた。室温中で20分常温硬化させて成形を完了し離型した。離型後、複合成形品は80℃のドライオーブンにて60分後硬化をかけ、樹脂複合品8を得た。
〔実施例9〕
1.複合プリフォームの作製
複合プリフォーム1の製造において、半硬化状のプリフォーム成形体1に対して、強化繊維シート材s1(ガラス繊維)を片面に1枚積層させた他は同様にして、複合プリフォーム9を得た。
2.樹脂複合品(複合体)の製造
樹脂複合品1の製造において、複合プリフォーム1の代わりに複合プリフォーム9を用いた他は同様にして、樹脂複合品9を得た。
〔比較例1〕
1.複合プリフォームの作製
複合プリフォーム1の製造において、半硬化状のプリフォーム成形体1に対して、強化繊維シート材s1を積層しなかった他は同様にして、複合プリフォーム(積層体)101を得た。
2.樹脂複合品(複合体)の製造
複合プリフォーム101を、RTM型にセットし、複合プリフォーム1の製造で調製した熱硬化性樹脂混合液169gを金型内に注入し、複合プリフォーム101に熱硬化性樹脂混合液を含浸させた。室温中で20分常温硬化させて成形を完了し離型した。離型後、複合成形品は80℃のドライオーブンにて60分後硬化をかけ、樹脂複合品101を得た。
〔比較例2〕
ポリエチレンフィルムの上に50mm程度に切断したガラス繊維(チョップドストランド)191gを略均等に蒔き、その上から不飽和ポリエステル系樹脂、硬化剤、増粘剤、内部離型剤、及び充填剤を混合した樹脂ペースト388gをチョップドストランド上に流し込み均一に含浸させた後、上面にポリエチレンフィルムを被せながら均等なクリアを設けたロールを通過させ略均等な厚みに成形した。次いで両面をフィルムで被服したシート状の物をロール状に巻き取ったのちに100℃、10分の条件で加熱し増粘させSMC(Sheet Molding Compound)の原反を得た。これを、比較例2の樹脂複合品102とした。
〔比較例3〕
ガラスマット〔強化繊維シート材s3、1枚あたり18.8g〕を4枚積層し、積層体103を得た。
次いで、注型樹脂として、不飽和ポリエステル樹脂「日本ユピカ株式会社製、商品名:4183PT-2」を100重量部、硬化剤としてメチルエチルケトンパーオキサイド「日油株式会社製、商品名:パーメックN」を1.0重量部、硬化促進剤として「日本ユピカ株式会社製、商品名:PR-M」を0.5重量部の混合溶液を調製した。
得られた混合溶液164gを、ハンドレイアップ成形にて積層体103に含浸させ硬化しGFRP(Glass Fiber Reinforced Plastics)単板を得た。これを、比較例3の樹脂複合品103とした。
<プリフォーム成形体、複合プリフォーム、及び樹脂複合品の物性測定>
(プリフォーム成形体の空隙率測定方法)
温度23℃、相対湿度50%の環境下で24時間以上放置したプリフォーム成形体から外形寸法が25mm×10mm×50mmの直方体サンプルを作製し、該サンプルの外形寸法より嵩体積を求めた。次いで該サンプルを温度23℃の概ね50mLのエタノールの入った内容積100mLのガラス製メスシリンダー中に金網などの道具を使用して沈め、軽い振動等を与えることにより発泡粒子間に存在している空気を脱気した。そして、金網などの道具の体積を考慮して、水位上昇分より読みとられる該サンプルの真の体積(cm)を測定した。求められたサンプルの嵩体積(cm)と真の体積(cm)から、次式により空隙率(%)を求めた。
空隙率(%)=(サンプルの嵩体積(cm)-サンプルの真の体積(cm))/サンプルの嵩体積(cm)×100
結果は、表1~2の「複合プリフォーム」欄の「プリフォーム成形体 空隙率」欄に示した。
(プリフォーム成形体、複合プリフォーム、及び樹脂複合品の密度算出方法)
サンプルの外形寸法より体積H(リットル)を求め、サンプルの重量W(g)を体積Hで割算した値をサンプルの密度[kg/m]とした。なお、樹脂複合品の重量は、表1~2の「樹脂複合品」欄の「樹脂複合品重量」欄に示した。
プリフォーム成形体の密度の結果は、表1~2の「複合プリフォーム」欄の「プリフォーム成形体 密度」欄に示した。
複合プリフォームの密度の結果は、表1~2の「複合プリフォーム」欄の「複合プリフォーム 密度」欄に示した。
樹脂複合品の密度の結果は、表1~2の「樹脂複合品」欄の「樹脂複合品密度」欄に示した。
<樹脂複合品の評価>
実施例1~9及び比較例1の樹脂複合品、比較例2のSMC板、並びに比較例3のGFRP単板の各成形板について、JISK7171(2006)に準拠して、具体的には以下の方法で1mmたわみ曲げ荷重と最大曲げ荷重を測定した。
室温23℃、湿度50%の恒室内で、各成形板を24時間以上放置した後、支点間距離64mm、圧子の半径R5.0mm、支持台の半径R2.0mm、試験速度10mm/min、室温23℃、湿度50%の条件で、(株)島津製作所製のオートグラフAGS-10kNG試験機によりたわみ-曲げ荷重カーブ(SSカーブ)を測定した。
前記SSカーブの最大曲げ荷重(最大降伏点)(N)及びたわみ量1mmの時の曲げ荷重(1mmたわみ曲げ荷重(N))を測定し、5点以上の測定値の平均値を測定結果として採用した。
また、各測定結果を成形板の重量で割った、重量あたりの最大曲げ荷重(N/g)及び重量あたりの1mmたわみ曲げ荷重(N/g)を算出した。
Figure 0007010753000001
Figure 0007010753000002
表1及び2からわかるように、実施例の樹脂複合品は、軽量でありながら、1mmたわみ曲げ荷重と最大曲げ荷重は共に大きくなった。特に、強化繊維及び強化繊維シート材として、それぞれ炭素繊維を用いた実施例6の樹脂複合品は、全実施例及び全比較例の中でも最軽量であるにも関わらず、1mmたわみ曲げ荷重が大きく、重量あたりの1mmたわみ曲げ荷重は最大となり、強度の高い樹脂複合品となった。
本発明で用いる複合粒子は、複合粒子同士が固着し難く、複合粒子を金型等に充填することができ、最終成型品の形状を自由に設定しやすく、成形性に優れる。また、複合粒子成形体に強化繊維シート材を接着して得られる積層体(複合プリフォーム)は、空隙率の制御により、熱硬化性樹脂を含浸して得られる複合体の強度を制御することができる。

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂発泡粒子の表面に未硬化状態の熱硬化性樹脂を介して強化繊維が付着している複合粒子を、成形型内に充填し、加熱し、互いに接着させて、前記複合粒子間に連通した空隙を有するとともに前記複合粒子の熱硬化性樹脂が未硬化又は半硬化状態である複合粒子成形体を得る工程と、
    前記複合粒子成形体の少なくとも一部の表面に強化繊維シート材を積層し、前記複合粒子成形体と前記強化繊維シート材とを圧縮して接着する工程とを含む、積層体の製造方法。
  2. 成形型内に強化繊維シート材を配置し、熱可塑性樹脂発泡粒子の表面に未硬化状態の熱硬化性樹脂を介して強化繊維が付着している複合粒子を、前記強化繊維シート材表面に接するように前記成形型内に充填する工程と、
    前記複合粒子及び前記強化繊維シート材を加熱して、前記複合粒子を互いに接着させて前記複合粒子間に連通した空隙を有し且つ前記複合粒子の熱硬化性樹脂が未硬化又は半硬化状態である複合粒子成形体を得るとともに、前記複合粒子と前記強化繊維シート材とを圧縮して接着させて前記複合粒子成形体の少なくとも一部の表面に前記強化繊維シート材が積層された積層体を形成する工程を含む、積層体の製造方法。
  3. 前記熱可塑性樹脂発泡粒子と前記未硬化状態の熱硬化性樹脂とを混合して、前記発泡粒子が前記未硬化状態の熱硬化性樹脂で被覆された被覆物を形成した後、前記被覆物に強化繊維を付着させて、前記複合粒子を製造する工程を含む、請求項1又は2に記載の積層体の製造方法。
  4. 前記複合粒子成形体の空隙率が3~40体積%である、請求項1~3のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。
  5. 前記複合粒子成形体を形成している前記未硬化状態の熱硬化性樹脂を加熱硬化させる工程を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の積層体の製造方法。
  6. 熱可塑性樹脂発泡粒子の表面に未硬化状態の熱硬化性樹脂を介して強化繊維が付着した複合粒子が互いに接着してなり、前記複合粒子の熱硬化性樹脂が未硬化又は半硬化状態である複合粒子成形体の少なくとも一部の表面に、強化繊維シート材が積層接着されてなる積層体であり、前記複合粒子成形体は、前記複合粒子間に連通した空隙を有する、積層体。
  7. 請求項6に記載の積層体が熱可塑性樹脂フィルムで覆われ、減圧包装された包装体。
  8. 請求項6に記載の積層体の前記空隙に、熱硬化性樹脂が充填されている複合体。
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