JP6619716B2 - 樹脂発泡シート、樹脂複合体、樹脂複合体の製造方法 - Google Patents

樹脂発泡シート、樹脂複合体、樹脂複合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂複合体に関する。
省エネルギーの観点から、近年、自動車、航空機、鉄道車両などの分野においては、軽量性に劣る金属材料の代わりに、繊維強化樹脂材などの高強度素材と、樹脂発泡シートなどの軽量芯材とを複合化させてなる樹脂複合体を用いることが検討されている(下記特許文献1参照)。
特開2005−313613号公報
この種の樹脂複合体には、耐熱性が求められており、高温環境下でも変形などを生じさせないことが求められている。
しかしながら、樹脂複合体の芯材に広く利用されているアクリル系発泡体やスチレン系発泡体は熱変形温度が低いため繊維強化樹脂材と熱接着させる際に熱変形を生じやすいという問題を有している。
また、これらの発泡体を芯材とした樹脂複合体は、使用時に高温に晒されると変形が生じやすいという問題を有している。
即ち、従来の樹脂複合体は耐熱性が十分優れたものにはなっていないという課題を有する。
そこで本発明は、耐熱性に優れた樹脂複合体を提供することを課題としている。
本発明は、繊維と樹脂とを含む繊維強化樹脂材と、発泡層を有する樹脂発泡シートとが一体化されている樹脂複合体の形成に用いられ、前記発泡層がポリアミド系樹脂組成物で形成され、前記繊維強化樹脂材との前記一体化が加熱条件下で実施される樹脂複合体の形成に用いられる樹脂発泡シートを提供する。
本発明は、繊維と樹脂とを含む繊維強化樹脂材と、発泡層を有する樹脂発泡シートとが一体化されている樹脂複合体であって、前記樹脂発泡シートとして上記のような樹脂発泡シートが用いられている樹脂複合体を提供する。
本発明は、繊維と樹脂とを含む繊維強化樹脂材と、発泡層を有する樹脂発泡シートとを一体化して樹脂複合体を作製する樹脂複合体の製造方法であって、前記発泡層がポリアミド系樹脂組成物で形成された前記樹脂発泡シートと、前記繊維強化樹脂材とを加熱条件下で接着させて一体化させる接着工程を実施する樹脂複合体の製造方法を提供する。
本発明によれば、耐熱性に優れた樹脂複合体が提供される。
本発明の樹脂複合体の一例を示す概略断面図である。 ポリアミド系樹脂発泡シートの平均気泡径を測定する要領を示した模式図である。 積層体を平板成形用の金型間に配設してプレス成形する様子を示した模式図である。 ポリアミド系樹脂発泡シートのDSC曲線を示した模式図である。 ポリエチレンテレフタレート発泡シートのDSC曲線を示した模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態の樹脂複合体は、繊維強化樹脂材と樹脂発泡シートとが一体化されたものである。本実施形態の繊維強化樹脂材は繊維と樹脂とを含むシート体である。本実施形態の樹脂発泡シートは発泡層を有し、該発泡層がポリアミド系樹脂組成物で形成されたものである。本実施形態の樹脂発泡シートは積層構造を有していない単一構造のものである。従って、本実施形態の繊維強化樹脂材は繊維強化樹脂材でできた繊維強化樹脂層と、前記樹脂発泡シートによって形成された発泡層とを備えている。後段において詳述するが、本実施形態の樹脂複合体は、前記繊維強化樹脂材と前記樹脂発泡シートとが加熱条件下で一体化されて形成されたものである。
図1に示すように本実施形態の樹脂複合体Aは、ポリアミド系樹脂組成物で形成された樹脂発泡シート1(以下「ポリアミド系樹脂発泡シート1」ともいう)と、樹脂発泡シート1に積層されてポリアミド系樹脂発泡シート1と一体化された繊維強化樹脂材2とを有する。即ち、繊維強化樹脂層は、ポリアミド系樹脂発泡シートで形成された樹脂発泡層に密着している。本実施形態の樹脂複合体Aは、ポリアミド系樹脂発泡シート1が耐熱性に優れているため、熱変形等が生じにくくなっている。
以下、樹脂複合体Aについて詳細に説明する。
(ポリアミド系樹脂発泡シート1)
ポリアミド系樹脂発泡シート1を構成しているポリアミド系樹脂としては、例えば、PA6、PA6,6、PA10、PA11、PA12、PA6,12、PA12,12、PA4,6、PA6,T、PA6,I、PA9,T、PA5M,Tなどが挙げられる。ポリアミド系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。ポリアミド系樹脂は、例えば、ジアミン、ジカルボン酸、ω−アミノ−ω’カルボン酸の重縮合物であってもよい。又ポリアミド系樹脂は環状ラクタムの開環重合物であってもよい。
上記ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、フェニレンジアミン、メタキシリレンジアミン、などが挙げられる。
上記ジカルボン酸としては、例えば、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、フマル酸、フタル酸、キシリレンジカルボン酸などが挙げられる。
上記ω−アミノ−ω’カルボン酸としては、例えば、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などが挙げられる。
上記環状ラクタムとしては、例えば、ε−カプロラクタム、ω−エナントラクタム、ω−ラウリルラクタムなどが挙げられる。
ポリアミド系樹脂発泡シート1中のポリアミド系樹脂の含有量は、耐衝撃性及び耐熱性の観点から、60質量%以上100質量%以下が好ましく、75質量%以上100質量%以下がより好ましく、85質量%以上100質量%以下がさらに好ましい。
ポリアミド系樹脂発泡シート1は、上記ポリアミド系樹脂以外に、例えば、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂などの樹脂をさらに含むことができる。
ポリカーボネート樹脂としては、例えば、ジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、ジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体が挙げられる。代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類などが挙げられる。
変性ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、例えば、ポリフェニレンエーテルとポリスチレン系樹脂との混合物、ポリフェニレンエーテルにスチレン系モノマーをグラフト共重合してなる変性ポリフェニレンエーテル、この変性ポリフェニレンエーテルとポリスチレン系樹脂との混合物、フェノール系モノマーとスチレン系モノマーとを銅(II)のアミン錯体などの触媒存在下で酸化重合させて得られるブロック共重合体、このブロック共重合体とポリスチレン系樹脂との混合物などが挙げられる。なお、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、分岐状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、これら重合体の架橋体等のポリエチレン系樹脂、プロピレン単独重合体、プロピレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテンランダム共重合体等のポリプロピレン系樹脂などが挙げられる。なお、ポリオレフィン系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
熱可塑性ポリエステル樹脂としては、例えば、ジカルボン酸と二価アルコールとが、縮合反応を行った結果得られた高分子量の線状ポリエステルが挙げられる。熱可塑性ポリエステル樹脂としては、例えば、芳香族ポリエステル樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂が挙げられる。
芳香族ポリエステル樹脂とは、芳香族ジカルボン酸成分とジオール成分とを含むポリエステルであり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどが挙げられる。芳香族ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。なお、芳香族ポリエステル樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
芳香族ポリエステル樹脂は、芳香族ジカルボン酸成分及びジオール成分以外に、例えば、トリメリット酸などのトリカルボン酸、ピロメリット酸などのテトラカルボン酸などの三価以上の多価カルボン酸やその無水物を含有していてもよい。芳香族ポリエステル樹脂は、グリセリンなどのトリオール、ペンタエリスリトールなどのテトラオールなどの三価以上の多価アルコールを構成成分として含有していてもよい。
芳香族ポリエステル樹脂は、使用済のペットボトルなどから回収、再生したリサイクル材料を用いることもできる。芳香族ポリエステル樹脂は、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT樹脂)などと混合させて用いてもよい。
脂肪族ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリ乳酸系樹脂が挙げられる。ポリ乳酸系樹脂としては、乳酸がエステル結合により重合した樹脂を用いることができ、商業的な入手容易性及びポリ乳酸系樹脂粒子への発泡性付与の観点から、D−乳酸(D体)及びL−乳酸(L体)の共重合体、D−乳酸又はL−乳酸のいずれか一方の単独重合体、D−ラクチド、L−ラクチド及びDL−ラクチドからなる群から選択される1又は2以上のラクチドの開環重合体が好ましい。なお、ポリ乳酸系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリ乳酸系樹脂は、成形工程及び得られる樹脂複合体の物性に影響を与えない限り、乳酸以外の単量体成分として、例えば、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸などの脂肪族ヒドロキシカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水コハク酸、無水アジピン酸、トリメシン酸、プロパントリカルボン酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸などの脂肪族多価カルボン酸;エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリットなどの脂肪族多価アルコールなどを含有していてもよい。
ポリ乳酸系樹脂は、成形工程及び得られる樹脂複合体の物性に影響を与えない限り、アルキル基、ビニル基、カルボニル基、芳香族基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基などのその他の官能基を含んでいてもよい。ポリ乳酸系樹脂はイソシアネート系架橋剤などによって架橋されていてもよく、エステル結合以外の結合手により結合していてもよい。
ポリアミド系樹脂発泡シート1は、架橋剤をさらに含むことができる。架橋剤としては、公知のものが用いられ、例えば、無水ピロメリット酸などの酸二無水物、無水マレイン酸とビニルモノマーとの共重合物、多官能エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物などが挙げられる。これら架橋剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。ポリアミド系樹脂発泡シート1中に含まれる架橋剤の含有量は、成形性の観点から、0.05質量%以上10質量%以下が好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上3質量%以下がさらに好ましい。
ポリアミド系樹脂発泡シート1の平均気泡径は、10μm以上1000μm以下が好ましく、100μm以上800μm以下がより好ましく、150μm以上500μm以下がさらに好ましい。
ポリアミド系樹脂発泡シート1の平均気泡径は、次の試験方法にて測定することができる。図2に示すように、ポリアミド系樹脂発泡シート1をその幅方向の中央部において押出方向(MD:Machine Direction)に沿い且つ発泡シート面に対して垂直な面αで切断し、切断面を走査型電子顕微鏡で18〜30倍(場合によっては200倍)に拡大して撮影し、拡大写真Aを得る。なお、拡大写真Aの大きさとしては、A4用紙の大きさの1/4程度の大きさとする。
ポリアミド系樹脂発泡シート1を幅方向(TD:Transverse Direction)に沿い且つ発泡シート面に対して垂直な面βで切断し、切断面を走査型電子顕微鏡で18〜30倍(場合によっては200倍)に拡大して撮影し、拡大写真Bを得る。なお、拡大写真Bの大きさとしては、A4用紙の大きさの1/4程度の大きさとする。
ポリアミド系樹脂発泡シート1をMD及びTDに直交する面γで切断し、切断面を走査型電子顕微鏡で18〜30倍(場合によっては200倍)に拡大して撮影し、拡大写真Cを得る。なお、拡大写真Cの大きさとしては、A4用紙の大きさの1/4程度の大きさとする。
上記走査型電子顕微鏡での拡大倍率は、印刷した写真上に長さ60mmの直線を描いた時に、この直線上に存在する気泡の数が5〜12個程度となるように調整する。
ポリアミド系樹脂発泡シート1の任意の2箇所において拡大写真A〜Cをそれぞれ撮影し、拡大写真A〜Cをそれぞれ2枚ずつ得る。
なお、走査型電子顕微鏡としては、日立ハイテクノロジーズ社から商品名「S−3400N」にて市販されている走査型電子顕微鏡を用いることができる。
拡大写真Aにおいて、MD及びVD(写真上においてMDに直交するシートの厚み方向)のそれぞれに平行な長さ60mmの直線を任意の箇所にて描き、この直線上にある気泡数から気泡の各方向における平均弦長(t)を下記式(1)により算出する。但し、試験片の厚みが薄く、VDに60mm長さ分の気泡数を数えられない場合は、30mm分の気泡数を数えて60mm分の気泡数に換算する。直線はできる限り気泡の全体が直線上にのるように描く。直線上に部分的にしかのらない気泡も1個として気泡数に含める。

平均弦長t(mm)=60/(気泡数×写真の倍率)・・・(1)
拡大写真Bにおいて、TD及びVD(写真上においてTDに直交するシートの厚み方向)のそれぞれに平行な長さ60mmの直線を任意の箇所にて描き、この直線上にある気泡数から気泡の各方向における平均弦長(t)を上記式(1)により算出する。
拡大写真Cにおいて、MD及びTDのそれぞれに平行な長さ60mmの直線を任意の箇所にて描き、この直線上にある気泡数から気泡の各方向における平均弦長(t)を上記式(1)により算出する。
写真の拡大倍率は写真上のスケールバーを1/100mmまで計測し、下記式(2)により求める。なお、スケールバーとしては、例えば、ミツトヨ社から商品名「デジマチックキャリパ」にて市販されているものを用いることができる。

写真の拡大倍率=
スケールバー実測値(mm)/スケールバーの表示値(mm)・・・(2)
そして、次式(3)によりMD、TD、及び、VDの各方向における気泡径Dを算出する。

D(mm)=t/0.616・・・(3)
得られたMDの気泡径(DMD)、TDの気泡径(DTD)、VDの気泡径(DVD)に基づいて下記式(4)によりポリアミド系樹脂発泡シート1の平均気泡径を算出する。なお、MDの気泡径DMDは、上記算出した二つのMDの気泡径の相加平均値である。TDの気泡径DTDは、上記算出した二つのTDの気泡径の相加平均値である。VDの気泡径DVDは、上記算出した二つのVDの気泡径の相加平均値である。

平均気泡径(mm)=(DMD×DTD×DVD1/3・・・(4)

MD:MDの気泡径(mm)
TD:TDの気泡径(mm)
VD:VDの気泡径(mm)
樹脂複合体Aを構成しているポリアミド系樹脂発泡シート1は、連続気泡率が60%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましく、40%以下であることが特に好ましい。この連続気泡率は、通常、5%以上である。
該連続気泡率は、以下のようにして測定することができる。
ポリアミド系樹脂発泡シート1から、縦25mm×横25mmのシート状サンプルを複数枚切り出す。 切り出したサンプルを空間があかないよう重ね合わせて厚み25mmとして、試験片を得る。得られた試験片の外寸を、ミツトヨ社製「デジマチックキャリパ」を用いて、1/100mmまで測定し、見掛けの体積(cm)を求める。次に、空気比較式比重計1000型(東京サイエンス社製)を用いて、1−1/2−1気圧法により試験片の体積(cm)を求める。下記式により連続気泡率(%)を計算し、5つの試験片の連続気泡率の平均値を求める。なお、試験片は、JIS K7100−1999 記号23/50、2級の環境下で16時間保管した後、JIS K7100−1999 記号23/50、2級の環境下で測定する。空気比較式比重計は、標準球(大28.96cc 小8.58cc)にて補正を行って用いる。

連続気泡率(%)=
100×(見掛け体積−空気比較式比重計測定体積)/見掛け体積
樹脂複合体Aを構成しているポリアミド系樹脂発泡シート1の厚みは、0.1mm以上5mm以下が好ましく、0.3mm以上4mm以下がより好ましい。即ち、樹脂複合体Aは、ポリアミド系樹脂発泡シート1が最も薄い部位でも当該ポリアミド系樹脂発泡シート1の厚みが0.1mm以上になっていることが好ましい。また、樹脂複合体Aは、ポリアミド系樹脂発泡シート1が最も厚い部位でも当該ポリアミド系樹脂発泡シート1の厚みが5mm以下になっていることが好ましい。
樹脂複合体Aを構成しているポリアミド系樹脂発泡シート1の坪量は、100g/m以上1000g/m以下が好ましく、150g/m以上800g/m以下がより好ましい。
樹脂複合体Aを構成しているポリアミド系樹脂発泡シート1の発泡倍率は、1.2倍以上10倍以下が好ましく、1.5倍以上8倍以下がより好ましい。
樹脂複合体Aを構成しているポリアミド系樹脂発泡シート1の引張破断点伸度は、50%以上250%以下が好ましく、80%以上200%以下がより好ましく、90%以上180%以下が特に好ましい。
なお、ポリアミド系樹脂発泡シート1の引張破断点伸度(伸び)は、日本工業規格(JIS)K6767:1999「発泡プラスチック−ポリエチレン−試験方法」記載の方法に準拠して測定する。具体的には、試験片を温度23±2℃、相対湿度50±5%の環境下に16時間以上に亘って保持した後、温度23±2℃、相対湿度50±5%の環境下にて測定を行う。テンシロン万能試験機及び万能試験機データ処理ソフトを用いて、引張速度が500mm/分、つかみ具間隔が100mm、試験片がダンベル形タイプ1(ISO1798:2008規定)の条件下にて測定する。但し、伸びは、試験前のつかみ具間の距離と、試験片の切断時のつかみ具間の距離との差に基づいて求めるものとする。試験片を5個用意し、各試験片の引張破断点伸度の相加平均値をポリアミド系樹脂発泡シート1の引張破断点伸度とする。なお、テンシロン万能試験機としては、オリエンテック社から商品名「UCT−10T」にて市販されている試験機を用いる。データ処理ソフトとしては、ソフトブレーン社から商品名「UTPS−237S」にて市販されているものを用いる。
ポリアミド系樹脂発泡シート1の接触角は、30°以上90°以下が好ましく、40°以上85°以下がより好ましく、50°以上80°以下がさらに好ましい。ポリアミド系樹脂発泡シート1は、通常、端面において気泡が開口している。又、ポリアミド系樹脂発泡シート1は、気泡膜に小さな破れが生じるなどして表面においても気泡が開口している場合がある。そのため前記接触角が小さすぎると、繊維強化樹脂材2で繊維強化樹脂層を形成させる際に繊維強化樹脂材中の樹脂が前記開口を通じてポリアミド系樹脂発泡シート1側に移行し易くなる。樹脂の移行によって繊維強化樹脂層の樹脂が不足した状態になってしまうと強度に優れた樹脂複合体Aを得ることが難しくなる。接触角が大きすぎると、繊維強化樹脂材2とポリアミド系樹脂発泡シート1との接着性が低下し、樹脂複合体Aに衝撃力が加わった場合に、繊維強化樹脂材2がポリアミド系樹脂発泡シート1の表面から剥離するおそれがある。その場合耐衝撃性に優れた樹脂複合体Aを得ることが難しくなる。
なお、このような傾向は、繊維強化樹脂材の樹脂が熱可塑性樹脂である場合よりも熱硬化性樹脂である場合に顕著となる。
なお、ポリアミド系樹脂発泡シート1の接触角は、JIS R3257:1999「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」の静滴法に準拠した測定方法で得られた接触角θ値を意味する。ポリアミド系樹脂発泡シート1の接触角は、原則的に、ポリアミド系樹脂発泡シート1を鏡面加工したプレスプレートを用いて熱プレスするなどして表面平滑なテストピースを作製し、該テストピースを使って測定する。ポリアミド系樹脂発泡シートそのものをテストピースとする場合、ポリアミド系樹脂発泡シート1の表裏から幅50mm×長さ150mmの平面長方形状のテストピースを2個ずつ(合計4個)切り出して測定に用いる。固液界面解析装置を用いて液滴法により測定する。ただし、ポリアミド系樹脂発泡シートそのものをテストピースとした場合は、一般的には、その表面状態の影響を受けて実際の接触角よりも大きな値が観測される。測定に用いる滴下液は蒸留水で液量は1μLとする。接触角は、滴下液を滴下した直後に測定する。接触角の計算はθ/2法により算出する。試験数は、試験片ごとに10回とし、全ての接触角の測定値の相加平均値をポリアミド系樹脂発泡シート1の接触角とする。状態調節及び試験環境は温度20±2℃、湿度65±5%、16時間以上とする。なお、固液界面解析装置としては、協和界面科学社から商品名「DropMaster300」にて市販されている装置を用いる。接触角の計算は、協和界面科学社から商品名「DropMaster300」にて市販されている固液界面解析装置に付属しているソフト「FAMAS」を用いて行う。
樹脂複合体Aを構成しているポリアミド系樹脂発泡シート1の見掛け密度は、0.1g/cm3以上1.1g/cm3以下が好ましく、0.1g/cm3以上0.6g/cm以下がより好ましい。なお、ポリアミド系樹脂発泡シート1の見掛け密度は、JIS K7222に準拠して測定された値をいう。
繊維強化樹脂材2との一体化時における発泡シートの過度な2次発泡を抑制し、寸法精度の高い樹脂複合体Aを得る上において、発泡シートの結晶化度は10%以上であることが好ましい。
発泡シートの結晶化度は、15%以上であることがさらに好ましく、20%以上であることが特に好ましい。
なお、ポリアミド系樹脂は、ポリエステル系樹脂に比べて結晶化速度が早い。
そのため、ポリアミド系樹脂発泡シート1は、押出シート化時に結晶化が進行しきった状態となる。
一方、ポリエステル系樹脂発泡シートは、押出シート化時には結晶化できる成分が残っている状態であるため、該結晶化度を高めるためには「ヒートセット」と呼ばれる発泡シートを加熱処理する方法が広く行なわれる。
ポリアミド系樹脂発泡シートは、このようなヒートセットの手間を省略することができる点においても好適である。
ポリアミド系樹脂発泡シート1は、その発泡層の水分含有量が6質量%以下であることが好ましい。ポリアミド系樹脂発泡シート1は、水分量が多いと加熱されて寸法変化する場合がある。また、水分量が多いとポリアミド系樹脂発泡シート1が水の沸点(100℃)以上の温度に加熱された際に水分が発泡剤として働き、厚みが増大することがある。そのため、ポリアミド系樹脂発泡シート1は、繊維強化樹脂材2と加熱環境下で一体化される前の段階で水分含有量が6質量%以下であることが好ましい。即ち、繊維強化樹脂材2と一体化する時点でポリアミド系樹脂発泡シート1(発泡層)の水分含有量が6質量%を超えていると、出来上がる樹脂複合体Aの寸法が予定していたものとは異なるおそれがあるため、ポリアミド系樹脂発泡シート1(発泡層)の水分含有量は6質量%以下であることが好ましい。ポリアミド系樹脂発泡シート1(発泡層)の水分含有量は、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがさらに好ましい。なお、ポリアミド系樹脂発泡シート1(発泡層)の水分含有量は、ゼロとするのは難しく、通常、0.1質量%以上とされる。但し、該ポリアミド系樹脂発泡シート1の水分は、繊維強化樹脂材2との一体化の際にポリアミド系樹脂発泡シート1の内部に適度な圧力を発生させて繊維強化樹脂材2との密着性を向上させるのに寄与する。このため該ポリアミド系樹脂発泡シート1の水分含有量は、0.5質量%以上であることが好ましく、1.0質量%以上であることがより好ましい。ポリアミド系樹脂発泡シート1の水分含有量は、以下のようにして測定されうる。
(水分含有量測定方法)
ポリアミド系樹脂発泡シート(発泡層)から約50mgの試料を採取する。該試料を(株)三菱化学アナリテック社製カールフィッシャー水分測定装置CA−200及び水分気化装置VA−236Sにセットして水分量を測定する。測定時の陽極液、陰極液にはそれぞれ(株)エーピーアイ コーポレーション製アクアミクロンAX、アクアミクロンCXUを使用する。測定温度は230℃とする。キャリアガスは窒素を用い、その流量は250mL/minとする。発泡シートからの試料の採取、及び、水分量の測定は3回実施する。また、試料を入れない容器だけでのブランク試験を2回実施し、得られた水分量の平均値を求める。試料を測定して得られた水分量の値からブランク試験で得られた水分量の値を差し引いて試料の水分量を算出する。該水分量を試料の当初質量で除して発泡層の水分含有量を確認することができる。なお、水分含有量は、3回の測定の算術平均値として求める。
次に、ポリアミド系樹脂発泡シート1の製造方法について説明する。ポリアミド系樹脂発泡シート1の製造方法としては、公知の製造方法を用いることができる。
具体的には、(a1)ポリアミド系樹脂を押出機に供給して化学発泡剤又は物理発泡剤などの発泡剤や気泡核剤の存在下にて溶融混練し押出機から押出発泡させてポリアミド系樹脂発泡シートを製造する方法(押出発泡法)、(a2)ポリアミド系樹脂及び化学発泡剤を押出機に供給して化学発泡剤の分解温度未満にて溶融混練し押出機から発泡性樹脂シートを製造し、この発泡性樹脂シートを発泡させてポリアミド系樹脂発泡シートを製造する方法などが挙げられる。
化学発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ヒドラゾイルジカルボンアミド、重炭酸ナトリウムなどが挙げられる。なお、化学発泡剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
物理発泡剤は、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサンなどの飽和脂肪族炭化水素、ジメチルエーテルなどのエーテル類、塩化メチル、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、モノクロロジフルオロメタンなどのフロン、二酸化炭素、窒素などが挙げられ、ジメチルエーテル、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、二酸化炭素が好ましく、プロパン、ノルマルブタン、イソブタンがより好ましく、ノルマルブタン、イソブタンが特に好ましい。なお、物理発泡剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリアミド系樹脂発泡シート1の平均気泡径は、例えば、気泡核剤の量を調整することによって制御することができる。
気泡核剤としては、例えばタルク、マイカ、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、炭酸水素ナトリウム、ガラスビーズ等の無機化合物;ポリテトラフルオロエチレン、アゾジカルボンアミド、炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物等の有機化合物;窒素等の不活性ガスなどが挙げられる。これらの中でも、無機化合物ではタルク、有機化合物ではポリテトラフルオロエチレンが気泡微細化に効果が高いため好ましい。また、ポリテトラフルオロエチレンは分散させた際にフィブリル状になることで樹脂の溶融張力が上がるようになるものが特に好ましい。気泡核剤の添加量は、樹脂成分100質量部あたり、0.01質量部以上15質量部以下が好ましい。
ポリアミド系樹脂発泡シート1の引張破断点伸度は、例えば、ポリアミド系樹脂発泡シート1の水分含有量の調節や、ポリアミド系樹脂発泡シート1の気泡径の調節や、ポリアミド系樹脂発泡シート1の架橋度の調節によって制御することができる。
本実施形態のポリアミド系樹脂発泡シート1は、飽和脂肪族炭化水素を発泡剤として用い、繊維強化樹脂材2と一体化されるまで該発泡剤を含有していることが好ましい。
本実施形態の樹脂複合体Aは、ポリアミド系樹脂発泡シート1の表面に、(好ましくは両面に、)繊維強化樹脂材2が積層一体化されている。なお、図1では、ポリアミド系樹脂発泡シート1の両面に繊維強化樹脂材2、2を積層一体化してなる樹脂複合体Aを示しているが、本実施形態の樹脂複合体Aは、このような実施態様に限定されるものではなく、その構造を用途に応じて適宜変更できる。本実施形態の樹脂複合体Aは、ポリアミド系樹脂発泡シート1の片面にのみ繊維強化樹脂材2が積層一体化されてなるものであってもよい。
(繊維強化樹脂材2)
本実施形態の樹脂複合体Aに用いられる繊維強化樹脂材2は、強化繊維に樹脂を含浸させてなるものである。含浸させた樹脂は、強化繊維同士を結着させるのに有効に作用する。これにより、繊維強化樹脂材2の機械的強度を向上させ、樹脂複合体Aの機械的強度を向上させることができる。
繊維強化樹脂材2を構成している強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、チラノ繊維、玄武岩繊維、セラミックス繊維などの無機繊維;ステンレス繊維やスチール繊維などの金属繊維;アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール(PBO)繊維などの有機繊維;ボロン繊維などが挙げられる。強化繊維は、一種単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。なかでも、強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維及びアラミド繊維が好ましく、炭素繊維がより好ましい。これらの強化繊維は、軽量であるにも関わらず優れた機械的強度を有している。
強化繊維は、所望の形状に加工された繊維基材として用いられることが好ましい。繊維基材としては、織物、編物、不織布、及び繊維を一方向に引き揃えた繊維束(ストランド)を糸で結束(縫合)してなる面材などが挙げられる。織物の織り方としては、平織、綾織、朱子織などが挙げられる。また、糸としては、ポリアミド樹脂糸やポリエステル樹脂糸などの樹脂糸、及びガラス繊維糸などのステッチ糸が挙げられる。
繊維基材は、一枚の繊維基材のみを単層として用いても、複数枚の繊維基材を積層して積層体として用いてもよい。複数枚の繊維基材を積層した積層体としては、(b1)一種のみの繊維基材を複数枚用意し、これらの繊維基材を積層した積層体、(b2)複数種の繊維基材を用意し、これらの繊維基材を積層した積層体、(b3)繊維を一方向に引き揃えた繊維束(ストランド)を糸で結束(縫合)してなる面材を複数枚用意し、これらの面材を繊維束の繊維方向が互いに相違した方向を指向するように重ね合わせ、重ね合わせた面材同士を糸で一体化(縫合)してなる積層体などが用いられる。なお、糸としては、ポリアミド樹脂糸やポリエステル樹脂糸などの樹脂糸、及びガラス繊維糸などのステッチ糸が挙げられる。
上記(b1)及び(b2)の積層体の場合、各織物を構成している経糸(緯糸)の長さ方向が織物の平面方向からみて放射状に配列されていることが好ましい。織物を二枚重ね合わせる場合に1枚目の織物と2枚目の織物とで繊維の方向が90度異なるように配置することが好ましく、織物を三枚以上重ね合わせる場合には繊維の方向が45度ずつ異なるように配置することが好ましい。
上記(b3)の積層体は、各面材を構成している繊維束の繊維の長さ方向が面材の平面方向からみて放射状に配列されていることが好ましい。
強化繊維に含浸させる樹脂としては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂の何れが用いられてもよいが、熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。
熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、マレイミド樹脂、ビニルエステル樹脂、シアン酸エステル樹脂、マレイミド樹脂とシアン酸エステル樹脂とを予備重合した樹脂などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、耐衝撃性又は耐薬品性に優れていることから、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂には、硬化剤、硬化促進剤などの添加剤が含有されていてもよい。なお、熱硬化性樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、熱可塑性エポキシ樹脂、アミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、サルファイド系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリアミド系樹脂発泡シート1との接着性に優れていることから、熱可塑性樹脂としては、ポリアミド系樹脂、熱可塑性エポキシ樹脂が好ましい。なお、熱可塑性樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
熱可塑性エポキシ樹脂としては、エポキシ化合物同士の重合体又は共重合体であって直鎖構造を有する重合体や、エポキシ化合物と、このエポキシ化合物と重合し得る単量体との共重合体であって直鎖構造を有する共重合体が挙げられる。具体的には、熱可塑性エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、長鎖脂肪族型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂が好ましい。なお、熱可塑性エポキシ樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
熱可塑性ポリウレタン樹脂としては、ジオールとジイソシアネートとを重合させて得られる直鎖構造を有する重合体が挙げられる。ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールなどが挙げられる。ジオールは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。ジイソシアネートとしては、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートが挙げられる。ジイソシアネートは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。なお、熱可塑性ポリウレタン樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリアミド系樹脂としては、ポリアミド系樹脂発泡シート1の形成材料と同様のものが用いられうる。なお、ポリアミド系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。これらの中でも、繊維強化樹脂材2を形成するポリアミド樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド12が好ましい。
繊維強化樹脂材2中における強化用繊維の含有量は、30質量%以上80質量%以下が好ましく、30質量%以上60質量%以下がより好ましい。強化用繊維の含有量が少なすぎると、繊維強化樹脂材2の曲げ弾性率などの機械的強度が低下して、樹脂複合体Aの耐衝撃性などの機械的強度を十分に向上させることができないおそれがある。強化用繊維の含有量が多すぎると、強化用繊維同士の結着性や、繊維強化樹脂材2とポリアミド系樹脂発泡シート1との接着性が不十分となり、樹脂複合体Aの機械的強度を十分に向上させることができないおそれがある。
繊維強化樹脂材2で形成される繊維強化樹脂層の厚みは、0.02mm以上2mm以下が好ましく、0.05mm以上1mm以下がより好ましい。厚みが上記範囲内である繊維強化樹脂材層を備えた樹脂複合体Aは、軽量であるにも関わらず機械的強度に優れたものとなる。
繊維強化樹脂材2で形成される繊維強化樹脂層の目付は、50g/m2以上4000g/m2以下が好ましく、100g/m2以上1000g/m2以下がより好ましい。目付が上記範囲内である繊維強化樹脂材層を備えた樹脂複合体Aは、軽量であるにも関わらず機械的強度に優れたものとなる。
本実施形態においては、耐熱性に優れたポリアミド系樹脂発泡シート1の表面に繊維強化樹脂材2が積層一体化されることで耐熱性に優れた樹脂複合体Aが提供される。
次に、本実施形態の樹脂複合体Aの製造方法について説明する。
樹脂複合体Aの製造方法としては、特に限定されず、例えば、繊維材と繊維材に含浸された樹脂とを有する繊維強化樹脂材をポリアミド系樹脂発泡シート1の表面(片面又は両面)に積層して積層体を製造した後、積層体を加熱し、この加熱環境下において積層体をポリアミド系樹脂発泡シート1の厚み方向に押圧することによって、ポリアミド系樹脂発泡シート1で構成された樹脂発泡層の表面に繊維強化樹脂材2で構成された繊維強化樹脂層を積層一体化させる方法が挙げられる。
即ち、本実施形態の樹脂複合体Aの製造方法では、繊維と樹脂とを含む繊維強化樹脂材と、発泡層を有する樹脂発泡シートとを一体化して樹脂複合体を作製する。
そして、本実施形態の樹脂複合体Aの製造方法では、前記発泡層がポリアミド系樹脂組成物で形成された前記樹脂発泡シートと、前記繊維強化樹脂材とを加熱条件下で接着させて一体化させる接着工程を実施する。
繊維強化樹脂材2は、強化用繊維に予め樹脂を含浸させておいても、ポリアミド系樹脂発泡シートと積層体を構成する際に強化用繊維に樹脂を含浸させてもよい。
また、強化用繊維に樹脂を含浸させる具体的な方法としては、例えば、(c1)強化用繊維を樹脂中に浸漬する方法、(c2)強化用繊維に樹脂を塗布する方法、及び(c3)繊維基材上に樹脂を含むシートを積層した後にこれらを加熱加圧する方法などが挙げられる。
なお、繊維基材、又は樹脂が含浸されている繊維基材を含む繊維強化樹脂材は市販されているものを用いることができる。繊維基材は、例えば、三菱レイヨン社から商品名「パイロフィル」にて市販されている。また、熱硬化性樹脂が含浸されている繊維基材を含む繊維強化樹脂材は、例えば、三菱レイヨン社から商品名「パイロフィルプリプレグ」にて市販されている。熱可塑性樹脂が含浸されている繊維基材を含む繊維強化樹脂材は、長瀬ケムテック社から商品名「NNGF60−03s」、一村産業社から商品名「CF−SS」、BOND LAMINATES社から商品名「TEPEX」などが市販されている。
樹脂複合体Aを作製する接着工程は、上記積層体を用いて以下のような要領で作製できる。
上述の如くして製造された積層体を加熱した金型や赤外線ヒータなどで加熱しながら積層体をその厚み方向に押圧する。積層体の加熱によって、繊維強化樹脂材及びポリアミド系樹脂発泡シート1が加熱される。積層体の加熱によって、繊維強化樹脂材に含まれている樹脂を軟化させて流動性を有する状態とし、必要に応じて、繊維強化樹脂材及びポリアミド系樹脂発泡シート1を所望形状に成形する。樹脂が熱硬化性樹脂を含む場合、熱硬化性樹脂を軟化させて硬化させることなく流動性を有する状態とする。熱硬化性樹脂は、加熱によって熱硬化する前に流動性を有する状態となるので、この流動性を有する状態を維持するように温度制御する。樹脂が熱可塑性樹脂を含む場合、熱可塑性樹脂が流動性を有する状態となるように温度制御する。
繊維強化樹脂材に含まれている樹脂が熱硬化性樹脂を含む場合には、熱硬化性樹脂を硬化させることによって強化繊維同士を結着させて繊維強化樹脂層が構成されるとともに繊維強化樹脂材2に含まれている硬化した熱硬化性樹脂によって樹脂発泡層と繊維強化樹脂層とが一体化されて樹脂複合体Aが形成される。
積層体の繊維強化樹脂材に含有されている未硬化の熱硬化性樹脂を硬化させるための加熱温度は、プレス時の積層体の加熱温度と同一であってもよいし変化させてもよいが、熱硬化性樹脂の硬化を促進するために積層体の加熱温度をプレス時の積層体の加熱温度よりも上昇させることが好ましい。
繊維強化樹脂材に含まれている樹脂が熱可塑性樹脂を含む場合には、熱硬化性樹脂を含んでいる場合と異なり上述の硬化の工程は必要なく、前記積層体を加熱した後は、繊維強化樹脂材を冷却して繊維強化樹脂材2とすることができる。この場合も、繊維強化樹脂材2の熱可塑性樹脂の作用によって、繊維強化樹脂材2とポリアミド系樹脂発泡シート1とが一体化される。
このとき、前記のようにポリアミド系樹脂発泡シート1の水分含有量が低いことで水分によるポリアミド系樹脂発泡シートの2次発泡が抑制される。そのため、作製される樹脂複合体Aを設計通りの寸法に仕上げることができる。また、ポリアミド系樹脂発泡シート1に僅かながら水分が含有されていることで繊維強化樹脂材2と一体化させるべく加熱されたポリアミド系樹脂発泡シート1は、内部の圧力が向上して、押圧力に対して高い反力を発生させることができ繊維強化樹脂材2との密着性が向上される。また、このことにより繊維強化樹脂材2によって形成される繊維強化樹脂層に余分な樹脂が残留することも抑制できる。さらに、ポリアミド系樹脂発泡シート1に炭化水素系発泡剤が残留していると繊維強化樹脂材2と一体化させるべく加熱されたポリアミド系樹脂発泡シート1は、炭化水素系発泡剤による可塑化作用で繊維強化樹脂材2との密着性が向上されうる。
そのため、前記接着工程の前には、ポリアミド系樹脂発泡シート1の水分含有量を所定以下(例えば、6質量%以下)に調整する水分調整工程を実施することが好ましい。
また、前記接着工程の前には、この水分調整工程の要否判断や条件設定のため、ポリアミド系樹脂発泡シート1の水分量を測定する水分含有量測定工程を実施することが好ましい。
なお、ポリアミド系樹脂発泡シート1と繊維強化樹脂材2の熱可塑性樹脂との積層一体化には、樹脂同士の熱融着のほか、双方の樹脂と接着性を持つ公知の接着剤を予め塗布する等、公知の方法にて使用し積層一体化させることもできる。この場合、接着力を増強させるために、公知の下地処理剤を合わせて使用してもよい。
樹脂複合体Aを製造する方法としては、繊維強化樹脂材が熱硬化性樹脂の場合、ハンドレイアップ法や、オートクレーブ法、加熱プレス法、RTM法、VaRTM法など、公知の成形方法を採用できる。この内、成形性に乏しい繊維強化樹脂材を使用しても外観の良好な樹脂複合体Aを得ることができるので、マッチモールド方式による加熱プレス成形法が好ましい。また、繊維強化樹脂材が熱可塑性樹脂の場合、加熱した成形型でプレスする方法や、予め加熱した積層体を成形型でプレスする方法など公知の熱可塑性樹脂シートの熱成形方法を採用できる。この内、成形性に乏しい繊維強化樹脂材を使用しても外観の良好な樹脂複合体Aを得ることができるので、マッチモールド方式による熱成形が好ましい。
このようにして得られる樹脂複合体Aは、圧縮強度、曲げ強度、耐衝撃性などの機械的強度及び軽量性に優れているため、自動車、航空機、鉄道車輛又は船舶などの輸送機器分野、家電分野、情報端末分野、風力発電用部材分野、産業機械分野、医療機器分野、家具の分野などの広範な用途に用いることができ、特に自動車部品(天井パネル、ボンネット、アンダーカバー、床パネル、ドアパネルなど)、家電機器用部品(筺体など)として好適に用いることができる。
樹脂複合体Aの見掛け密度は、0.3g/cm3以上1.5g/cm3以下が好ましく、0.5g/cm3以上1.3g/cm3以下がより好ましい。見掛け密度は低すぎると、樹脂複合体Aの耐衝撃性が低下することがあり、高すぎると、樹脂複合体Aの軽量性が損なわれることがある。なお、樹脂複合体Aの見掛け密度は、JIS K7222に準拠して測定された値をいう。
即ち、樹脂複合体Aの見掛け密度は、樹脂複合体Aの総質量を樹脂複合体Aの見掛け上の体積で除して求められる。
本実施形態において、本発明の樹脂複合体を上記のように例示しているが、本発明の樹脂複合体は、上記例示に限定されるものではなく、上記において直接的に記載していないような事項であっても、本発明の効果を著しく損ねない技術事項についてはこれを採用することが可能である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものでない。
(発泡シートの製造方法)
(製造例1)
ポリアミド系樹脂として、ポリアミド6(ユニチカ社製、商品名「A1030BRT」; 密度1.13g/cm)を用意した。
該ポリアミド6は、予め100℃にて4時間以上除湿乾燥を行って使用した。
この樹脂(ポリアミド6)100質量部に対し、スチレン・無水マレイン酸共重合体(CRAY VALLEY社製、商品名「SMA1000P」)が0.4質量部、タルク粉末のポリエチレンテレフタレート(PET)によるマスターバッチ(タルク40%、PET 60% ; テラボウ社製、商品名「PET−F40−1」)が2.5質量部となるように配合し、これらの配合物をタンブラーミキサーにて混合した。
直径70mmの円環状スリットで、且つ、スリット幅が0.6mmのサーキュラーダイを単軸押出機(口径65mm、L/D=34)の先端にセットし、さらにこのサーキュラーダイの押出方向前方に円筒状の冷却用マンドレル(直径206mm、長さ300mm)を配置した。
該冷却用マンドレル内に冷却を循環させるとともに前記押出機を所定の温度に設定し、該押出機のホッパーに前記配合物を供給して押出機内で溶融混練した。
また、押出機バレルの途中から発泡剤としてブタンを圧入し前記溶融混練物に加えてさらに溶融混練を実施した。
押出時の樹脂温度を240℃に設定し、前記サーキュラーダイのダイスリットから溶融状態のポリアミド系樹脂組成物を吐出量40kg/hにて押出発泡させ、円筒状の発泡体を形成させた。
この円筒状の発泡体を前記冷却用マンドレルによって拡径し、該冷却用マンドレルよりもさらに下流側に配した引取機によって引き取らせた。
そして、冷却用マンドレルの外周面を前記発泡体の内周面に摺接させて発泡体を冷却するとともに冷却用マンドレルの下流側において該円筒状発泡体を押出方向に沿って切断した。
そして、円筒状発泡体を平坦な帯状にして前記引取機によりロール状に巻き取らせた。
得られた発泡シートの坪量は600g/m、厚みは2.0mm、巾は640mm、密度は0.30g/cm、平均気泡径は430μm、連続気泡率は7.0%であった。 また、得られた発泡シートは、製造直後に水分含有量を測定したところ、該水分含有量は0.30質量%であった。
(製造例2)
前記引取機の引取速度を大きくした以外は、製造例1と同様にして発泡シート得た。
得られた発泡シートの坪量は400g/m、厚みは1.5mm、巾は640mm、見掛け密度は0.27g/cm、平均気泡径は430μm、連続気泡率は9.6%であった。
また、得られた発泡シートは、製造直後に水分含有量を測定したところ、該水分含有量は0.35質量%であった。
(製造例3)
原料として、ポリアミド66(ユニチカ社製、商品名「E2046」; 密度1.14g/cm)100質量部に対し、スチレン・無水マレイン酸共重合体(CRAY VALLEY社製、商品名「SMA1000P」)を1.2質量部、タルク粉末のポリエチレンテレフタレート(PET)によるマスターバッチ(タルク40%、PET 60% ; テラボウ社製、商品名「PET−F40−1」)を2.5質量部とした配合物を用いたこと以外は製造例1と同様にして発泡シート得た。
得られた発泡シートの坪量は580g/m、厚みは2.3mm、巾は640mm、密度は0.25g/cm、平均気泡径は400μm、連続気泡率は9.3%であった。
また、得られた発泡シートは、製造直後に水分含有量を測定したところ、該水分含有量は0.29質量%であった。
(製造例4)
前記引取機の引取速度を大きくした以外は、製造例3と同様にして発泡シート得た。
得られた発泡シートの坪量は410g/m、厚みは1.4mm、巾は640mm、密度は0.29g/cm、平均気泡径は350μm、連続気泡率は11.4%であった。
また、得られた発泡シートは、製造直後に水分含有量を測定したところ、該水分含有量は0.31質量%であった。
(製造例5)
原料として、ポリエチレンテレフタレート(三井化学社製、商品名「SA-135」; 密度1.40g/cm)を100質量部、無水ピロメリット酸を0.2質量部、タルク粉末のポリエチレンテレフタレート(PET)によるマスターバッチ(タルク40%、PET 60% ; テラボウ社製、商品名「PET−F40−1」)を2.5質量部とした配合物を用いたこと以外は製造例1と同様にして発泡シート得た。
得られた発泡シートの坪量は600g/m、厚みは2.1mm、巾は640mm、密度は0.29g/cm、平均気泡径は350μm、連続気泡率は8.8%であった。
また、得られた発泡シートは、製造直後に水分含有量を測定したところ、該水分含有量は0.19質量%であった。
(製造例6)
前記引取機の引取速度を小さくし、サーキュラーダイのスリット幅を0.8mmとした以外は、製造例5と同様にして発泡シート得た。
得られた発泡シートの坪量は900g/m、厚みは3.2mm、巾は640mm、密度は0.28g/cm、平均気泡径は380μm、連続気泡率は10.4%であった。
また、得られた発泡シートは、製造直後に水分含有量を測定したところ、該水分含有量は0.22質量%であった。
(実施例1)
炭素繊維からなる綾織の織物から形成された繊維基材に、熱硬化性樹脂として未硬化のエポキシ樹脂(ガラス転移温度:121℃)を40質量%含浸させた繊維強化樹脂材(CFRP、三菱レイヨン社製 商品名「パイロフィルプリプレグ TR3523 381GMP」、目付:200g/m、厚み:0.23mm)を2枚用意した。
この繊維強化樹脂材を縦500×横500mmの平面正方形状に裁断した。
そして、繊維強化樹脂材はそれらの経糸の長さがなす角度が90°となるように重ね合わせた。
上記とは別に、上記と同一の繊維強化樹脂材を2枚用意し、2枚の繊維強化樹脂材を上記と同様の要領で重ね合わせた。
発泡シートとして、製造例1にて得られた発泡シートを準備した。
発泡シートは500mm×500mmに裁断し、温度23℃、相対湿度50%の条件下で168時間放置した後、調湿のための装置(乾燥機、恒温恒湿機)を用いて調湿した。
調湿後の発泡シートの結晶化度は20.6%、水分含有量は5.11質量%であった。
図3に示すように、発泡シート1xの両表面に2組の繊維強化樹脂材2xを重ね合わせて積層体LBを作製した。
さらに、繊維強化樹脂材2xの両表面に離型フィルムSH(ポリプロピレン製フィルム、東レ株式会社製 商品名「トレファン」、厚み:50μm)を積層した。
次に、プレス機に設置した平板成形用の金型HP(縦600mm×横600mm)の間に前記積層体LBを配設し、金型HPを型締めすることによって、プレス成形し、発泡シート1xと繊維強化樹脂材2xとを加熱環境下において加圧して一体化させることで、樹脂複合体を作製した。
この時、金型の型締め後のクリアランス(すなわち、樹脂複合体の設計厚み(t1))を2.5mmとした。
なお、プレス成形の詳細条件としては、下記のとおりである。
前記積層体が140℃となるように金型温度を保持し、繊維強化樹脂材に含まれているエポキシ樹脂が硬化することなく流動性を保持するように制御した。
その後、前記積層体を140℃で保持して、繊維強化材に含有されている未硬化のエポキシ樹脂を硬化させて、繊維強化樹脂材と発泡シートとを硬化したエポキシ樹脂で結着、固定させることで、発泡シートの両面に繊維強化樹脂層を形成させた(硬化工程)。
この硬化工程に要した時間(T1)は300秒であった。
その後、金型を開放し、発泡層の両面に繊維強化樹脂層が形成された樹脂複合体を得た。
金型開放後、樹脂複合体の発泡層は僅かに二次発泡した。
得られた樹脂複合体の全体の厚み(t2)は2.6mmであり、その内、発泡層の厚みは1.9mmであった。
得られた樹脂複合体の密度は0.74g/cmであった。得られた樹脂複合体の厚み(t2)と樹脂複合体の設計厚み(t1)の比(t2/t1)は1.04であった。
(実施例2)
発泡シートとして、製造例1にて得られた発泡シートを500mm×500mmに裁断し、温度23℃、相対湿度50%の条件下で168時間放置したものを用いた。
その際、発泡シートの結晶化度は21.3%、水分含有量は3.80質量%であった。
上記発泡シートを用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂複合体を作製した。
(実施例3)
発泡シートとして、製造例1にて得られた発泡シートを500mm×500mmに裁断したものを用いた。該発泡シートは、温度23℃、相対湿度50%の条件下で168時間放置した後、調湿のための装置(乾燥機、恒温恒湿機)を用いて調湿した。
調湿後の発泡シートの結晶化度は23.0%、水分含有量は1.82質量%であった。
上記発泡シートを用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂複合体を作製した。
(実施例4)
発泡シートとして、製造例1にて得られた発泡シートを500mm×500mmに裁断したものを用いた。該発泡シートは、温度23℃、相対湿度50%の条件下で168時間放置した後、調湿のための装置(乾燥機、恒温恒湿機)を用いて調湿した。
但し、調湿後の発泡シートの結晶化度は23.2%、水分含有量は1.20質量%であった。
上記発泡シートを用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂複合体を作製した。
(実施例5)
発泡シートとして、製造例2にて得られた発泡シートを500mm×500mmに裁断し、温度23℃、相対湿度50%の条件下で168時間放置したものを用いた。
調湿後の発泡シートの結晶化度は21.8%、水分含有量は3.63質量%であった。
上記の発泡シートを用いたことと、金型の型締め後のクリアランス(樹脂複合体の設計厚み(t1))を2.0mmとした以外は実施例1と同様にして樹脂複合体を作製した。
(実施例6)
発泡シートとして、製造例2にて得られた発泡シートを500mm×500mmに裁断したものを用いた。該発泡シートは、温度23℃、相対湿度50%の条件下で168時間放置した後、調湿のための装置(乾燥機、恒温恒湿機)を用いて調湿した。
調湿後の発泡シートの結晶化度は22.7%、水分含有量は1.43質量%であった。
上記の発泡シートを用いたこと以外は実施例5と同様にして樹脂複合体を作製した。
(実施例7)
発泡シートとして、製造例3にて得られた発泡シートを500mm×500mmに裁断し、温度23℃、相対湿度50%の条件下で168時間放置したものを用いた。
調湿後の発泡シートの結晶化度は23.1%、水分含有量は2.48質量%であった。
上記発泡シートを用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂複合体を作製した。
(実施例8)
発泡シートとして、製造例4にて得られた発泡シートを500mm×500mmに裁断し、温度23℃、相対湿度50%の条件下で168時間放置したものを用いた。
調湿後の発泡シートの結晶化度は21.8%、水分含有量は2.62質量%であった。
上記発泡シートを用いたこと以外は実施例5と同様にして樹脂複合体を作製した。
(実施例9)
発泡シートとして、製造例1にて得られた発泡シートを500mm×500mmに裁断したものを用いた。該発泡シートは、温度23℃、相対湿度50%の条件下で168時間放置した後、調湿のための装置(乾燥機、恒温恒湿機)を用いて調湿した。
調湿後の発泡シートの結晶化度は21.2%、水分含有量は6.37質量%であった。
上記発泡シートを用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂複合体を作製した。
(実施例10)
発泡シートとして、実施例9と同様のものを用いた。
比較例1とは異なり、硬化工程後に金型の温度を30℃まで冷却した(冷却工程)。
この冷却工程に要した時間(T2)は600秒であった。すなわち、樹脂複合体を作製する際の、硬化工程と冷却工程に要した時間の合計(T1+T2)は900秒であった。冷却工程後、金型を開放し、樹脂複合体を得た。
(比較例1)
発泡シートとして、製造例5にて得られた発泡シートを500mm×500mmに裁断し、温度23℃、相対湿度50%の条件下で168時間放置したものを用いた。
調湿後の発泡シートの結晶化度は6.0%、水分含有量は0.53質量%であった。
上記の発泡シートを用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂複合体を作製した。
(比較例2)
比較例1の発泡シートを用いたこと以外は実施例10と同様にして樹脂複合体を作製した。
(比較例3)
発泡シートとして、製造例6にて得られた発泡シートを500mm×500mmに裁断し、温度23℃、相対湿度50%の条件下で168時間放置したものを用いた。
調湿後の発泡シートの結晶化度は8.2%、水分含有量は0.60質量%であった。
上記の発泡シートを用いたことと、金型の型締め後のクリアランス(設計厚み(t1))を3.0mmとした以外は実施例1と同様にして樹脂複合体を作製した。
実施例および比較例で使用した発泡シート、繊維強化樹脂材、ならびに樹脂複合体の成形条件と得られた複合体の詳細について、それぞれ表に示す。
なお、表中の結晶化度は、以下のようにして求めた値である。
(結晶化度) 結晶化度は、JIS K7122:1987および2012「プラスチックの転移熱測定方法」に記載されている方法で測定した。
但し、サンプリング方法・温度条件に関しては以下のように行った。
示差走査熱量計装置 DSC7000X型(株式会社 日立ハイテクサイエンス製)を用いアルミニウム製測定容器の底にすきまのないよう試料を約5.5mg充てんして蓋をし、窒素ガス流量20mL/minのもと−80℃で2分間保持し、速度10℃/minで−80℃から290℃まで昇温した時のDSC曲線を得た。
その時の基準物質はアルミナを用いた。
ここで算出される結晶化度とは、融解ピークの面積から求められる融解熱量(Qm)(J/g)と結晶化ピークの面積から求められる結晶化熱量(Qc)(J/g)の差(QmーQc)を発泡シートの主成分を構成する樹脂の完全結晶の理論融解熱量(ΔHf)(J/g)で除して求められる値である。
融解熱量(Qm)及び結晶化熱量(Qc)は装置付属の解析ソフトを用いて算出した。
具体的には、融解熱量(Qm)は図4および図5に示すように、融解ピークP1において、低温側のベースラインからDSC曲線が離れる点Aと、そのDSC曲線が再び高温側のベースラインへ戻る点Bとを結ぶ直線L1と、DSC曲線に囲まれる部分から算出した。
但し、発泡シートの水分含有量が多い場合は、水分の蒸発に伴う吸熱ピークP2が100℃付近に観測されることがあり、そのピークは結晶化度の算出において無視した。
結晶化熱量(Qc)は図5に示すように結晶化ピークP3において、低温側のベースラインからDSC曲線が離れる点Cと、そのDSC曲線が再び高温側のベースラインへ戻る点Dとを結ぶ直線L2と、DSC曲線に囲まれる部分の面積から算出した。
但し、図4に示すように、昇温過程に結晶化ピークがみられない場合、結晶化熱量(Qc)(J/g)は0とした。
即ち、結晶化度は次式より求めた。

結晶化度(%)=(Qm(J/g)-Qc(J/g))/ΔHf(J/g)×100

なお、ポリアミド系樹脂の完全結晶の理論融解熱量(ΔHf)は、樹脂の種類によって異なるものの概ねその値は200〜300J/gである(ΔHfの参考値、PA6:230J/g、PA11:244J/g、PA12:245J/g、PA66:226J/g、PA69:257J/g、PA610:254J/g、PA612:258J/g・・・)。
また、ポリエチレンテレフタレートの完全結晶の理論融解熱量(ΔHf)は、140.1J/gである。
本発明では、樹脂発泡層がポリアミド系樹脂組成物で形成された樹脂複合体が得られるため耐熱性に優れた樹脂複合体が得られる。
また、上記の表より、水分含有量が少ない事例では、いずれも樹脂複合体の設計厚み(t1)に対して実際に得られた樹脂複合体の全体の厚み(t2)の比(t2/t1)が1に近く、寸法精度に優れていることが分かる。
また、これらは樹脂複合体を得るために要した時間、すなわち成形合計時間(T1+T2)が、水分含有量が多い事例に比べて短いことから生産性に優れていることが分かる。
一方、水分含有量が多い事例は、(t2/t1)が1に比べて大きくなっており、寸法精度に劣っていることが分かる。あるいは、水分含有量が多い事例は、寸法精度が優れていたとしても複合体製造時に冷却工程が導入されており、成形合計時間(T1+T2)が水分含有量が少ない事例に比べて大きくなっていることから、生産性に劣るものと判断できる。
1,1x ポリアミド系樹脂発泡シート
2,2x 繊維強化樹脂材
SH 離型フィルム
HP (平板成形用)金型
A 樹脂複合体
LB 積層体

Claims (5)

  1. 繊維と樹脂とを含む繊維強化樹脂材と、発泡層を有する樹脂発泡シートとが一体化されている樹脂複合体の形成に用いられ、
    前記発泡層がポリアミド系樹脂組成物で形成され、
    前記繊維強化樹脂材との前記一体化が加熱条件下で実施される樹脂複合体の形成に用いられる樹脂発泡シートであり、
    前記発泡層の平均気泡径が400μm以上800μm以下で、連続気泡率が9.6%以下である樹脂発泡シート。
  2. 前記発泡層の水分含有量が6質量%以下である請求項1に記載の樹脂発泡シート。
  3. 繊維と樹脂とを含む繊維強化樹脂材と、発泡層を有する樹脂発泡シートとが一体化されている樹脂複合体であって、
    前記樹脂発泡シートとして請求項1又は2記載の樹脂発泡シートが用いられている樹脂複合体。
  4. 繊維と樹脂とを含む繊維強化樹脂材と、発泡層を有する樹脂発泡シートとを一体化して樹脂複合体を作製する樹脂複合体の製造方法であって、
    前記発泡層がポリアミド系樹脂組成物で形成され、且つ、平均気泡径が400μm以上800μm以下で、連続気泡率が9.6%以下である前記樹脂発泡シートと、前記繊維強化樹脂材とを加熱条件下で接着させて一体化させる接着工程を実施する樹脂複合体の製造方法。
  5. 前記接着工程では、前記発泡層の水分含有量が6質量%以下の樹脂発泡シートを用いる請求項4記載の樹脂複合体の製造方法。
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