JP6619716B2 - 樹脂発泡シート、樹脂複合体、樹脂複合体の製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、樹脂複合体の芯材に広く利用されているアクリル系発泡体やスチレン系発泡体は熱変形温度が低いため繊維強化樹脂材と熱接着させる際に熱変形を生じやすいという問題を有している。
また、これらの発泡体を芯材とした樹脂複合体は、使用時に高温に晒されると変形が生じやすいという問題を有している。
即ち、従来の樹脂複合体は耐熱性が十分優れたものにはなっていないという課題を有する。
そこで本発明は、耐熱性に優れた樹脂複合体を提供することを課題としている。
(ポリアミド系樹脂発泡シート1)
ポリアミド系樹脂発泡シート1を構成しているポリアミド系樹脂としては、例えば、PA6、PA6,6、PA10、PA11、PA12、PA6,12、PA12,12、PA4,6、PA6,T、PA6,I、PA9,T、PA5M,Tなどが挙げられる。ポリアミド系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。ポリアミド系樹脂は、例えば、ジアミン、ジカルボン酸、ω−アミノ−ω’カルボン酸の重縮合物であってもよい。又ポリアミド系樹脂は環状ラクタムの開環重合物であってもよい。
ポリアミド系樹脂発泡シート1中のポリアミド系樹脂の含有量は、耐衝撃性及び耐熱性の観点から、60質量%以上100質量%以下が好ましく、75質量%以上100質量%以下がより好ましく、85質量%以上100質量%以下がさらに好ましい。
平均弦長t(mm)=60/(気泡数×写真の倍率)・・・(1)
写真の拡大倍率=
スケールバー実測値(mm)/スケールバーの表示値(mm)・・・(2)
D(mm)=t/0.616・・・(3)
平均気泡径(mm)=(DMD×DTD×DVD)1/3・・・(4)
DMD:MDの気泡径(mm)
DTD:TDの気泡径(mm)
DVD:VDの気泡径(mm)
該連続気泡率は、以下のようにして測定することができる。
連続気泡率(%)=
100×(見掛け体積−空気比較式比重計測定体積)/見掛け体積
なお、このような傾向は、繊維強化樹脂材の樹脂が熱可塑性樹脂である場合よりも熱硬化性樹脂である場合に顕著となる。
発泡シートの結晶化度は、15%以上であることがさらに好ましく、20%以上であることが特に好ましい。
なお、ポリアミド系樹脂は、ポリエステル系樹脂に比べて結晶化速度が早い。
そのため、ポリアミド系樹脂発泡シート1は、押出シート化時に結晶化が進行しきった状態となる。
一方、ポリエステル系樹脂発泡シートは、押出シート化時には結晶化できる成分が残っている状態であるため、該結晶化度を高めるためには「ヒートセット」と呼ばれる発泡シートを加熱処理する方法が広く行なわれる。
ポリアミド系樹脂発泡シートは、このようなヒートセットの手間を省略することができる点においても好適である。
ポリアミド系樹脂発泡シート(発泡層)から約50mgの試料を採取する。該試料を(株)三菱化学アナリテック社製カールフィッシャー水分測定装置CA−200及び水分気化装置VA−236Sにセットして水分量を測定する。測定時の陽極液、陰極液にはそれぞれ(株)エーピーアイ コーポレーション製アクアミクロンAX、アクアミクロンCXUを使用する。測定温度は230℃とする。キャリアガスは窒素を用い、その流量は250mL/minとする。発泡シートからの試料の採取、及び、水分量の測定は3回実施する。また、試料を入れない容器だけでのブランク試験を2回実施し、得られた水分量の平均値を求める。試料を測定して得られた水分量の値からブランク試験で得られた水分量の値を差し引いて試料の水分量を算出する。該水分量を試料の当初質量で除して発泡層の水分含有量を確認することができる。なお、水分含有量は、3回の測定の算術平均値として求める。
具体的には、(a1)ポリアミド系樹脂を押出機に供給して化学発泡剤又は物理発泡剤などの発泡剤や気泡核剤の存在下にて溶融混練し押出機から押出発泡させてポリアミド系樹脂発泡シートを製造する方法(押出発泡法)、(a2)ポリアミド系樹脂及び化学発泡剤を押出機に供給して化学発泡剤の分解温度未満にて溶融混練し押出機から発泡性樹脂シートを製造し、この発泡性樹脂シートを発泡させてポリアミド系樹脂発泡シートを製造する方法などが挙げられる。
気泡核剤としては、例えばタルク、マイカ、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、炭酸水素ナトリウム、ガラスビーズ等の無機化合物;ポリテトラフルオロエチレン、アゾジカルボンアミド、炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物等の有機化合物;窒素等の不活性ガスなどが挙げられる。これらの中でも、無機化合物ではタルク、有機化合物ではポリテトラフルオロエチレンが気泡微細化に効果が高いため好ましい。また、ポリテトラフルオロエチレンは分散させた際にフィブリル状になることで樹脂の溶融張力が上がるようになるものが特に好ましい。気泡核剤の添加量は、樹脂成分100質量部あたり、0.01質量部以上15質量部以下が好ましい。
本実施形態の樹脂複合体Aに用いられる繊維強化樹脂材2は、強化繊維に樹脂を含浸させてなるものである。含浸させた樹脂は、強化繊維同士を結着させるのに有効に作用する。これにより、繊維強化樹脂材2の機械的強度を向上させ、樹脂複合体Aの機械的強度を向上させることができる。
熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、マレイミド樹脂、ビニルエステル樹脂、シアン酸エステル樹脂、マレイミド樹脂とシアン酸エステル樹脂とを予備重合した樹脂などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、耐衝撃性又は耐薬品性に優れていることから、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂には、硬化剤、硬化促進剤などの添加剤が含有されていてもよい。なお、熱硬化性樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
樹脂複合体Aの製造方法としては、特に限定されず、例えば、繊維材と繊維材に含浸された樹脂とを有する繊維強化樹脂材をポリアミド系樹脂発泡シート1の表面(片面又は両面)に積層して積層体を製造した後、積層体を加熱し、この加熱環境下において積層体をポリアミド系樹脂発泡シート1の厚み方向に押圧することによって、ポリアミド系樹脂発泡シート1で構成された樹脂発泡層の表面に繊維強化樹脂材2で構成された繊維強化樹脂層を積層一体化させる方法が挙げられる。
即ち、本実施形態の樹脂複合体Aの製造方法では、繊維と樹脂とを含む繊維強化樹脂材と、発泡層を有する樹脂発泡シートとを一体化して樹脂複合体を作製する。
そして、本実施形態の樹脂複合体Aの製造方法では、前記発泡層がポリアミド系樹脂組成物で形成された前記樹脂発泡シートと、前記繊維強化樹脂材とを加熱条件下で接着させて一体化させる接着工程を実施する。
また、強化用繊維に樹脂を含浸させる具体的な方法としては、例えば、(c1)強化用繊維を樹脂中に浸漬する方法、(c2)強化用繊維に樹脂を塗布する方法、及び(c3)繊維基材上に樹脂を含むシートを積層した後にこれらを加熱加圧する方法などが挙げられる。
上述の如くして製造された積層体を加熱した金型や赤外線ヒータなどで加熱しながら積層体をその厚み方向に押圧する。積層体の加熱によって、繊維強化樹脂材及びポリアミド系樹脂発泡シート1が加熱される。積層体の加熱によって、繊維強化樹脂材に含まれている樹脂を軟化させて流動性を有する状態とし、必要に応じて、繊維強化樹脂材及びポリアミド系樹脂発泡シート1を所望形状に成形する。樹脂が熱硬化性樹脂を含む場合、熱硬化性樹脂を軟化させて硬化させることなく流動性を有する状態とする。熱硬化性樹脂は、加熱によって熱硬化する前に流動性を有する状態となるので、この流動性を有する状態を維持するように温度制御する。樹脂が熱可塑性樹脂を含む場合、熱可塑性樹脂が流動性を有する状態となるように温度制御する。
そのため、前記接着工程の前には、ポリアミド系樹脂発泡シート1の水分含有量を所定以下(例えば、6質量%以下)に調整する水分調整工程を実施することが好ましい。
また、前記接着工程の前には、この水分調整工程の要否判断や条件設定のため、ポリアミド系樹脂発泡シート1の水分量を測定する水分含有量測定工程を実施することが好ましい。
即ち、樹脂複合体Aの見掛け密度は、樹脂複合体Aの総質量を樹脂複合体Aの見掛け上の体積で除して求められる。
(製造例1)
ポリアミド系樹脂として、ポリアミド6(ユニチカ社製、商品名「A1030BRT」; 密度1.13g/cm3)を用意した。
該ポリアミド6は、予め100℃にて4時間以上除湿乾燥を行って使用した。
この樹脂(ポリアミド6)100質量部に対し、スチレン・無水マレイン酸共重合体(CRAY VALLEY社製、商品名「SMA1000P」)が0.4質量部、タルク粉末のポリエチレンテレフタレート(PET)によるマスターバッチ(タルク40%、PET 60% ; テラボウ社製、商品名「PET−F40−1」)が2.5質量部となるように配合し、これらの配合物をタンブラーミキサーにて混合した。
直径70mmの円環状スリットで、且つ、スリット幅が0.6mmのサーキュラーダイを単軸押出機(口径65mm、L/D=34)の先端にセットし、さらにこのサーキュラーダイの押出方向前方に円筒状の冷却用マンドレル(直径206mm、長さ300mm)を配置した。
該冷却用マンドレル内に冷却を循環させるとともに前記押出機を所定の温度に設定し、該押出機のホッパーに前記配合物を供給して押出機内で溶融混練した。
また、押出機バレルの途中から発泡剤としてブタンを圧入し前記溶融混練物に加えてさらに溶融混練を実施した。
押出時の樹脂温度を240℃に設定し、前記サーキュラーダイのダイスリットから溶融状態のポリアミド系樹脂組成物を吐出量40kg/hにて押出発泡させ、円筒状の発泡体を形成させた。
この円筒状の発泡体を前記冷却用マンドレルによって拡径し、該冷却用マンドレルよりもさらに下流側に配した引取機によって引き取らせた。
そして、冷却用マンドレルの外周面を前記発泡体の内周面に摺接させて発泡体を冷却するとともに冷却用マンドレルの下流側において該円筒状発泡体を押出方向に沿って切断した。
そして、円筒状発泡体を平坦な帯状にして前記引取機によりロール状に巻き取らせた。
得られた発泡シートの坪量は600g/m2、厚みは2.0mm、巾は640mm、密度は0.30g/cm3、平均気泡径は430μm、連続気泡率は7.0%であった。 また、得られた発泡シートは、製造直後に水分含有量を測定したところ、該水分含有量は0.30質量%であった。
前記引取機の引取速度を大きくした以外は、製造例1と同様にして発泡シート得た。
得られた発泡シートの坪量は400g/m2、厚みは1.5mm、巾は640mm、見掛け密度は0.27g/cm3、平均気泡径は430μm、連続気泡率は9.6%であった。
また、得られた発泡シートは、製造直後に水分含有量を測定したところ、該水分含有量は0.35質量%であった。
原料として、ポリアミド66(ユニチカ社製、商品名「E2046」; 密度1.14g/cm3)100質量部に対し、スチレン・無水マレイン酸共重合体(CRAY VALLEY社製、商品名「SMA1000P」)を1.2質量部、タルク粉末のポリエチレンテレフタレート(PET)によるマスターバッチ(タルク40%、PET 60% ; テラボウ社製、商品名「PET−F40−1」)を2.5質量部とした配合物を用いたこと以外は製造例1と同様にして発泡シート得た。
得られた発泡シートの坪量は580g/m2、厚みは2.3mm、巾は640mm、密度は0.25g/cm3、平均気泡径は400μm、連続気泡率は9.3%であった。
また、得られた発泡シートは、製造直後に水分含有量を測定したところ、該水分含有量は0.29質量%であった。
前記引取機の引取速度を大きくした以外は、製造例3と同様にして発泡シート得た。
得られた発泡シートの坪量は410g/m2、厚みは1.4mm、巾は640mm、密度は0.29g/cm3、平均気泡径は350μm、連続気泡率は11.4%であった。
また、得られた発泡シートは、製造直後に水分含有量を測定したところ、該水分含有量は0.31質量%であった。
原料として、ポリエチレンテレフタレート(三井化学社製、商品名「SA-135」; 密度1.40g/cm3)を100質量部、無水ピロメリット酸を0.2質量部、タルク粉末のポリエチレンテレフタレート(PET)によるマスターバッチ(タルク40%、PET 60% ; テラボウ社製、商品名「PET−F40−1」)を2.5質量部とした配合物を用いたこと以外は製造例1と同様にして発泡シート得た。
得られた発泡シートの坪量は600g/m2、厚みは2.1mm、巾は640mm、密度は0.29g/cm3、平均気泡径は350μm、連続気泡率は8.8%であった。
また、得られた発泡シートは、製造直後に水分含有量を測定したところ、該水分含有量は0.19質量%であった。
前記引取機の引取速度を小さくし、サーキュラーダイのスリット幅を0.8mmとした以外は、製造例5と同様にして発泡シート得た。
得られた発泡シートの坪量は900g/m2、厚みは3.2mm、巾は640mm、密度は0.28g/cm3、平均気泡径は380μm、連続気泡率は10.4%であった。
また、得られた発泡シートは、製造直後に水分含有量を測定したところ、該水分含有量は0.22質量%であった。
炭素繊維からなる綾織の織物から形成された繊維基材に、熱硬化性樹脂として未硬化のエポキシ樹脂(ガラス転移温度:121℃)を40質量%含浸させた繊維強化樹脂材(CFRP、三菱レイヨン社製 商品名「パイロフィルプリプレグ TR3523 381GMP」、目付:200g/m2、厚み:0.23mm)を2枚用意した。
この繊維強化樹脂材を縦500×横500mmの平面正方形状に裁断した。
そして、繊維強化樹脂材はそれらの経糸の長さがなす角度が90°となるように重ね合わせた。
上記とは別に、上記と同一の繊維強化樹脂材を2枚用意し、2枚の繊維強化樹脂材を上記と同様の要領で重ね合わせた。
発泡シートとして、製造例1にて得られた発泡シートを準備した。
発泡シートは500mm×500mmに裁断し、温度23℃、相対湿度50%の条件下で168時間放置した後、調湿のための装置(乾燥機、恒温恒湿機)を用いて調湿した。
調湿後の発泡シートの結晶化度は20.6%、水分含有量は5.11質量%であった。
図3に示すように、発泡シート1xの両表面に2組の繊維強化樹脂材2xを重ね合わせて積層体LBを作製した。
さらに、繊維強化樹脂材2xの両表面に離型フィルムSH(ポリプロピレン製フィルム、東レ株式会社製 商品名「トレファン」、厚み:50μm)を積層した。
次に、プレス機に設置した平板成形用の金型HP(縦600mm×横600mm)の間に前記積層体LBを配設し、金型HPを型締めすることによって、プレス成形し、発泡シート1xと繊維強化樹脂材2xとを加熱環境下において加圧して一体化させることで、樹脂複合体を作製した。
この時、金型の型締め後のクリアランス(すなわち、樹脂複合体の設計厚み(t1))を2.5mmとした。
なお、プレス成形の詳細条件としては、下記のとおりである。
前記積層体が140℃となるように金型温度を保持し、繊維強化樹脂材に含まれているエポキシ樹脂が硬化することなく流動性を保持するように制御した。
その後、前記積層体を140℃で保持して、繊維強化材に含有されている未硬化のエポキシ樹脂を硬化させて、繊維強化樹脂材と発泡シートとを硬化したエポキシ樹脂で結着、固定させることで、発泡シートの両面に繊維強化樹脂層を形成させた(硬化工程)。
この硬化工程に要した時間(T1)は300秒であった。
その後、金型を開放し、発泡層の両面に繊維強化樹脂層が形成された樹脂複合体を得た。
金型開放後、樹脂複合体の発泡層は僅かに二次発泡した。
得られた樹脂複合体の全体の厚み(t2)は2.6mmであり、その内、発泡層の厚みは1.9mmであった。
得られた樹脂複合体の密度は0.74g/cm3であった。得られた樹脂複合体の厚み(t2)と樹脂複合体の設計厚み(t1)の比(t2/t1)は1.04であった。
発泡シートとして、製造例1にて得られた発泡シートを500mm×500mmに裁断し、温度23℃、相対湿度50%の条件下で168時間放置したものを用いた。
その際、発泡シートの結晶化度は21.3%、水分含有量は3.80質量%であった。
上記発泡シートを用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂複合体を作製した。
発泡シートとして、製造例1にて得られた発泡シートを500mm×500mmに裁断したものを用いた。該発泡シートは、温度23℃、相対湿度50%の条件下で168時間放置した後、調湿のための装置(乾燥機、恒温恒湿機)を用いて調湿した。
調湿後の発泡シートの結晶化度は23.0%、水分含有量は1.82質量%であった。
上記発泡シートを用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂複合体を作製した。
発泡シートとして、製造例1にて得られた発泡シートを500mm×500mmに裁断したものを用いた。該発泡シートは、温度23℃、相対湿度50%の条件下で168時間放置した後、調湿のための装置(乾燥機、恒温恒湿機)を用いて調湿した。
但し、調湿後の発泡シートの結晶化度は23.2%、水分含有量は1.20質量%であった。
上記発泡シートを用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂複合体を作製した。
発泡シートとして、製造例2にて得られた発泡シートを500mm×500mmに裁断し、温度23℃、相対湿度50%の条件下で168時間放置したものを用いた。
調湿後の発泡シートの結晶化度は21.8%、水分含有量は3.63質量%であった。
上記の発泡シートを用いたことと、金型の型締め後のクリアランス(樹脂複合体の設計厚み(t1))を2.0mmとした以外は実施例1と同様にして樹脂複合体を作製した。
発泡シートとして、製造例2にて得られた発泡シートを500mm×500mmに裁断したものを用いた。該発泡シートは、温度23℃、相対湿度50%の条件下で168時間放置した後、調湿のための装置(乾燥機、恒温恒湿機)を用いて調湿した。
調湿後の発泡シートの結晶化度は22.7%、水分含有量は1.43質量%であった。
上記の発泡シートを用いたこと以外は実施例5と同様にして樹脂複合体を作製した。
発泡シートとして、製造例3にて得られた発泡シートを500mm×500mmに裁断し、温度23℃、相対湿度50%の条件下で168時間放置したものを用いた。
調湿後の発泡シートの結晶化度は23.1%、水分含有量は2.48質量%であった。
上記発泡シートを用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂複合体を作製した。
発泡シートとして、製造例4にて得られた発泡シートを500mm×500mmに裁断し、温度23℃、相対湿度50%の条件下で168時間放置したものを用いた。
調湿後の発泡シートの結晶化度は21.8%、水分含有量は2.62質量%であった。
上記発泡シートを用いたこと以外は実施例5と同様にして樹脂複合体を作製した。
発泡シートとして、製造例1にて得られた発泡シートを500mm×500mmに裁断したものを用いた。該発泡シートは、温度23℃、相対湿度50%の条件下で168時間放置した後、調湿のための装置(乾燥機、恒温恒湿機)を用いて調湿した。
調湿後の発泡シートの結晶化度は21.2%、水分含有量は6.37質量%であった。
上記発泡シートを用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂複合体を作製した。
発泡シートとして、実施例9と同様のものを用いた。
比較例1とは異なり、硬化工程後に金型の温度を30℃まで冷却した(冷却工程)。
この冷却工程に要した時間(T2)は600秒であった。すなわち、樹脂複合体を作製する際の、硬化工程と冷却工程に要した時間の合計(T1+T2)は900秒であった。冷却工程後、金型を開放し、樹脂複合体を得た。
発泡シートとして、製造例5にて得られた発泡シートを500mm×500mmに裁断し、温度23℃、相対湿度50%の条件下で168時間放置したものを用いた。
調湿後の発泡シートの結晶化度は6.0%、水分含有量は0.53質量%であった。
上記の発泡シートを用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂複合体を作製した。
比較例1の発泡シートを用いたこと以外は実施例10と同様にして樹脂複合体を作製した。
発泡シートとして、製造例6にて得られた発泡シートを500mm×500mmに裁断し、温度23℃、相対湿度50%の条件下で168時間放置したものを用いた。
調湿後の発泡シートの結晶化度は8.2%、水分含有量は0.60質量%であった。
上記の発泡シートを用いたことと、金型の型締め後のクリアランス(設計厚み(t1))を3.0mmとした以外は実施例1と同様にして樹脂複合体を作製した。
なお、表中の結晶化度は、以下のようにして求めた値である。
但し、サンプリング方法・温度条件に関しては以下のように行った。
示差走査熱量計装置 DSC7000X型(株式会社 日立ハイテクサイエンス製)を用いアルミニウム製測定容器の底にすきまのないよう試料を約5.5mg充てんして蓋をし、窒素ガス流量20mL/minのもと−80℃で2分間保持し、速度10℃/minで−80℃から290℃まで昇温した時のDSC曲線を得た。
その時の基準物質はアルミナを用いた。
ここで算出される結晶化度とは、融解ピークの面積から求められる融解熱量(Qm)(J/g)と結晶化ピークの面積から求められる結晶化熱量(Qc)(J/g)の差(QmーQc)を発泡シートの主成分を構成する樹脂の完全結晶の理論融解熱量(ΔHf)(J/g)で除して求められる値である。
融解熱量(Qm)及び結晶化熱量(Qc)は装置付属の解析ソフトを用いて算出した。
具体的には、融解熱量(Qm)は図4および図5に示すように、融解ピークP1において、低温側のベースラインからDSC曲線が離れる点Aと、そのDSC曲線が再び高温側のベースラインへ戻る点Bとを結ぶ直線L1と、DSC曲線に囲まれる部分から算出した。
但し、発泡シートの水分含有量が多い場合は、水分の蒸発に伴う吸熱ピークP2が100℃付近に観測されることがあり、そのピークは結晶化度の算出において無視した。
結晶化熱量(Qc)は図5に示すように結晶化ピークP3において、低温側のベースラインからDSC曲線が離れる点Cと、そのDSC曲線が再び高温側のベースラインへ戻る点Dとを結ぶ直線L2と、DSC曲線に囲まれる部分の面積から算出した。
但し、図4に示すように、昇温過程に結晶化ピークがみられない場合、結晶化熱量(Qc)(J/g)は0とした。
即ち、結晶化度は次式より求めた。
結晶化度(%)=(Qm(J/g)-Qc(J/g))/ΔHf(J/g)×100
なお、ポリアミド系樹脂の完全結晶の理論融解熱量(ΔHf)は、樹脂の種類によって異なるものの概ねその値は200〜300J/gである(ΔHfの参考値、PA6:230J/g、PA11:244J/g、PA12:245J/g、PA66:226J/g、PA69:257J/g、PA610:254J/g、PA612:258J/g・・・)。
また、ポリエチレンテレフタレートの完全結晶の理論融解熱量(ΔHf)は、140.1J/gである。
また、上記の表より、水分含有量が少ない事例では、いずれも樹脂複合体の設計厚み(t1)に対して実際に得られた樹脂複合体の全体の厚み(t2)の比(t2/t1)が1に近く、寸法精度に優れていることが分かる。
また、これらは樹脂複合体を得るために要した時間、すなわち成形合計時間(T1+T2)が、水分含有量が多い事例に比べて短いことから生産性に優れていることが分かる。
一方、水分含有量が多い事例は、(t2/t1)が1に比べて大きくなっており、寸法精度に劣っていることが分かる。あるいは、水分含有量が多い事例は、寸法精度が優れていたとしても複合体製造時に冷却工程が導入されており、成形合計時間(T1+T2)が水分含有量が少ない事例に比べて大きくなっていることから、生産性に劣るものと判断できる。
2,2x 繊維強化樹脂材
SH 離型フィルム
HP (平板成形用)金型
A 樹脂複合体
LB 積層体
Claims (5)
- 繊維と樹脂とを含む繊維強化樹脂材と、発泡層を有する樹脂発泡シートとが一体化されている樹脂複合体の形成に用いられ、
前記発泡層がポリアミド系樹脂組成物で形成され、
前記繊維強化樹脂材との前記一体化が加熱条件下で実施される樹脂複合体の形成に用いられる樹脂発泡シートであり、
前記発泡層の平均気泡径が400μm以上800μm以下で、連続気泡率が9.6%以下である樹脂発泡シート。 - 前記発泡層の水分含有量が6質量%以下である請求項1に記載の樹脂発泡シート。
- 繊維と樹脂とを含む繊維強化樹脂材と、発泡層を有する樹脂発泡シートとが一体化されている樹脂複合体であって、
前記樹脂発泡シートとして請求項1又は2記載の樹脂発泡シートが用いられている樹脂複合体。 - 繊維と樹脂とを含む繊維強化樹脂材と、発泡層を有する樹脂発泡シートとを一体化して樹脂複合体を作製する樹脂複合体の製造方法であって、
前記発泡層がポリアミド系樹脂組成物で形成され、且つ、平均気泡径が400μm以上800μm以下で、連続気泡率が9.6%以下である前記樹脂発泡シートと、前記繊維強化樹脂材とを加熱条件下で接着させて一体化させる接着工程を実施する樹脂複合体の製造方法。 - 前記接着工程では、前記発泡層の水分含有量が6質量%以下の樹脂発泡シートを用いる請求項4記載の樹脂複合体の製造方法。
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JP2016190017A JP6619716B2 (ja) | 2016-09-28 | 2016-09-28 | 樹脂発泡シート、樹脂複合体、樹脂複合体の製造方法 |
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