JP2016187947A - ビーズ発泡成形体の製造方法、ビーズ発泡成形体、樹脂複合体の製造方法、及び、樹脂複合体 - Google Patents

ビーズ発泡成形体の製造方法、ビーズ発泡成形体、樹脂複合体の製造方法、及び、樹脂複合体 Download PDF

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Abstract

【課題】成形型の形状をビーズ発泡成形体に十分に反映させること。
【解決手段】
発泡性樹脂ビーズを袋に収容した状態で成形してビーズ発泡成形体を形成させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ビーズ発泡成形体の製造方法、ビーズ発泡成形体、樹脂複合体の製造方法、及び、樹脂複合体に関する。
従来、“発泡スチロール”などと呼ばれるビーズ発泡成形体が広く用いられている。
ビーズ発泡成形体は、従来、生鮮食品や弁当などを保温状態で搬送するための容器や家電製品を梱包する際の緩衝材として広く利用されている。
この種のビーズ発泡成形体は、発泡剤を含んだ発泡性樹脂粒子を成形型内で加熱発泡させて樹脂発泡粒子とし、成形型内の成形空間を樹脂発泡粒子で充満させて樹脂発泡粒子どうしを熱融着させる方法で作製されている。
前記のようなビーズ発泡成形体としては、従来、ポリスチレン系樹脂やポリオレフィン系樹脂で形成されたものが広く用いられている。
近年、ビーズ発泡成形体を様々な樹脂によって作製することが行われるようになっており、ポリエステル系樹脂製のビーズ発泡成形体やエンジニアリングプラスチックス製のビーズ発泡成形体などが各種用途に利用されている。
ところで、近年、FRPなどと呼ばれる繊維強化樹脂材が、軽量で且つ高い機械的強度を有していることから、その需要を拡大させている。
そして、該繊維強化樹脂材で樹脂発泡体を被覆した樹脂複合体は、強度と軽量性とが要求される構造材などに利用されている。(下記特許文献1参照)
特開平9−314713号公報
樹脂複合体の芯材として用いられる樹脂発泡体は、通常、押出発泡シートやビーズ発泡成形体などである。
この内、ビーズ発泡成形体は、発泡性の樹脂粒子を型内成形することで得られることから複雑な形状のものが容易に得られる。
しかし、ビーズ発泡成形体は、作製する際に成形型内の成形空間全体に発泡性樹脂粒子が行き渡らないと成形型の形状が十分反映されずに穴や欠けなどの欠損が形成されるおそれがある。
従って、ビーズ発泡成形体は、成形に際して発泡性樹脂粒子に良好な流動性を発揮させることが良好な外観を得る上で有利となる。
ところで、樹脂複合体或いはビーズ発泡成形体は、リブのような線状突起を備えさせることにより強度の向上を図ることができる。
この場合、成形面に凹部を有する成形型を用いてビーズ発泡成形体を製造することになるが、ビーズ発泡成形体の製造時には、このような成形型の凹部に発泡性樹脂粒子がスムーズに侵入しないことが原因となって欠損が生じる場合がある。
また、欠損が生じないまでも、当該部位において発泡性樹脂粒子どうしの融着が不十分なものになるおそれがある。
そして、樹脂複合体は、欠損が形成されたビーズ発泡成形体を芯材にすると外観良好なものとならないおそれがあるとともに芯材と繊維強化樹脂材との間に隙間が生じて強度が十分なものにならないおそれがある。
このようなことから、ビーズ発泡成形体は、成形時における発泡性樹脂粒子の流動性を向上させて成形型の形状を十分反映させることが強く求められている
なお、成形型の形状を十分反映させることは、繊維強化樹脂材とともに樹脂複合体の形成に用いられるビーズ発泡成形体においてのみ要望される事項ではなく、ビーズ発泡成形体に広く共通して求められる事柄である。
しかしながら成形型の形状を十分反映させることが可能なビーズ発泡成形体の製造方法については十分に確立されていない。
本発明は、このような点に着目してなされたもので成形型の形状をビーズ発泡成形体に十分に反映させることが容易なビーズ発泡成形体の製造方法を提供し、外観と強度とに優れた樹脂複合体を提供することを課題としている。
上記課題を解決するための本発明に係るビーズ発泡成形体の製造方法は、発泡剤を含む発泡性樹脂粒子を互いに熱融着させてビーズ発泡成形体を作製するビーズ発泡成形体の製造方法であって、雄型と雌型とを備え、作製するビーズ発泡成形体の形状に対応する成形空間が前記雄型と前記雌型との型締時に形成される成形型と、前記発泡性樹脂粒子と、前記発泡性樹脂粒子を収容可能な袋と、を用い、前記雄型と前記雌型とが型締されていない状態で前記発泡性樹脂粒子と前記袋とを前記成形型内に収容させ、且つ、該成形型内において前記発泡性樹脂粒子が前記袋に収容された状態にさせる収容工程と、該収容工程後に前記雄型と前記雌型とを型締状態にさせる型締工程と、該型締工程後に前記発泡性樹脂粒子を加熱し、該発泡性樹脂粒子を発泡させるとともに互いに熱融着させる熱融着工程と、を実施してビーズ発泡成形体を作製するビーズ発泡成形体の製造方法である。
本発明に係るビーズ発泡成形体は、上記のような製造方法によって作製されるものである。
上記課題を解決するための本発明に係る樹脂複合体の製造方法は、樹脂と繊維とを含む繊維強化樹脂材と、少なくとも一部が樹脂発泡体で形成された芯材と、を備え、該芯材が前記繊維強化樹脂材で被覆されてなる樹脂複合体で、且つ、該芯材を形成する前記樹脂発泡体がビーズ発泡成形体である樹脂複合体を作製するための樹脂複合体の製造方法であって、雄型と雌型とを備え、作製する樹脂複合体の形状に対応する成形空間が前記雄型と前記雌型との型締時に形成される成形型と、前記ビーズ発泡成形体を形成するための複数の発泡性樹脂粒子と、シート状の前記繊維強化樹脂材と、前記発泡性樹脂粒子を収容可能な袋と、を用い、前記繊維強化樹脂材、前記発泡性樹脂粒子、及び、前記袋を、前記雄型と前記雌型とが型締されていない状態で前記成形型内に収容させ、且つ、該成形型内において前記発泡性樹脂粒子が前記袋に収容され、該袋が前記繊維強化樹脂材で被覆された状態にさせる収容工程と、該収容工程後に前記雄型と前記雌型とを型締状態にさせる型締工程と、該型締工程後に前記発泡性樹脂粒子を加熱し、該発泡性樹脂粒子を発泡させるとともに互いに熱融着させる熱融着工程と、を実施し、前記発泡性樹脂粒子で形成されたビーズ発泡成形体と、該ビーズ発泡成形体を覆う前記袋とを備えた芯材を形成させるとともに該芯材を前記繊維強化樹脂材で被覆させる樹脂複合体の製造方法である。
本発明に係る樹脂複合体は、上記のような製造方法によって作製されるものである。
本発明のビーズ発泡成形体の製造方法及び樹脂複合体の製造方法においては、発泡性樹脂粒子を袋に収容させた状態でビーズ発泡成形体の形成に用いる。
袋内に収容された発泡性樹脂粒子は、成形時に良好なる流動性を発揮する。
例えば、成形面に凹部を有する成形型を用いて凸部を有するビーズ発泡成形体を形成させる場合などにおいても発泡性樹脂粒子を袋に収容させることで型締に際して前記袋が成形型の凹部に侵入する形で膨化するため、この袋の侵入に同伴させる形で発泡性樹脂粒子を凹部に侵入させることができる。
従って、本発明においてはビーズ発泡成形体に成形型の形状を十分反映させることができる。
一形態の樹脂複合体を示した概略斜視図。 繊維強化樹脂材(下シート)の形状を示した概略平面図。 一形態の樹脂複合体の製造方法を示した概略図。 一形態の樹脂複合体の製造方法を示した概略図。 一形態の樹脂複合体の製造方法を示した概略図。 一形態の樹脂複合体の製造方法を示した概略図。 一形態の樹脂複合体の内部構造を示した概略断面図。 他形態の樹脂複合体を示した概略斜視図。 他形態の樹脂複合体の概略断面図(図8のI−I線矢視断面図)。 他形態の樹脂複合体を作製するための成形型の概略断面図。 他形態の樹脂複合体の製造方法を説明するための概略断面図。 図11の一部(破線S部)を拡大して示した拡大断面図。
以下に本発明の第1の実施の形態について図を参照しつつ説明する。
なお、図1は、本発明の樹脂複合体の一態様を例示した概略斜視図である。
図に示すように、本実施形態の樹脂複合体Aは、逆四角錐台(逆切頭四角錐)形状を有し、その上面側には逆四角錐台形状の凹入部Aaが形成されている。
言い換えると、本実施形態の樹脂複合体Aは、凹入部Aaの底部たる平面視矩形の部位を底面部とする角型トレー形状を有しており、前記底面部の外周縁から外広がりに立ち上がる矩形枠状の周側壁部を備えた形状を有している。
なお、以下においては、図1における横方向(矢印Xの方向)を“横方向”、“幅方向”、又は、“左右方向”と称し、奥行き方向(矢印Yの方向)を“縦方向”、“長さ方向”、又は、“前後方向”と称する場合がある。
また、以下においては、この横方向Xと奥行き方向Yとに平行する平面に沿った方向を“水平方向”と称し、前記平面に対して直交する方向(矢印Zの方向)を“厚み方向”、“上下方向”、“高さ方向”又は“垂直方向”などと称する場合がある。
本実施形態の樹脂複合体Aは、芯材A1と、該芯材A1の表面に積層された繊維強化樹脂材A2とを有している。
本実施形態の樹脂複合体Aは、ビーズ発泡成形体A11と該ビーズ発泡成形体A11を覆う袋A12とによって形成された芯材A1を備え、該芯材A1の表面全体を覆うシート状の繊維強化樹脂材A2(以下、「FRPシートA2」ともいう)を備えている。
該芯材A1を形成するビーズ発泡成形体A11は、発泡性樹脂粒子を発泡させてなる樹脂発泡粒子どうしが一体化されたもので、該芯材は、前記ビーズ発泡成形体全体が前記袋によって覆われたものとなっている。
該芯材を覆うFRPシートA2は、樹脂と繊維とを含有するものである。
本実施形態の樹脂複合体Aには、2枚のFRPシートA2が備えられており、ビーズ発泡成形体A11を上側から覆う第1のFRPシートA2a(以下「上シートA2a」ともいう)と、ビーズ発泡成形体A11を下側から覆い、ビーズ発泡成形体A11の矩形状の底面と該底面の4つの辺から逆台形状となって立ち上がる4つの側面とを覆う第2のFRPシートA2b(図2参照、以下「下シートA2b」ともいう)とが備えられている。
前記芯材A1を形成しているビーズ発泡成形体A11は、発泡剤を含んだ発泡性樹脂粒子を用いた型内成形が実施されて作製されたもので、複数の発泡性樹脂粒子どうしを成形型内で加熱して発泡させるとともに互いに熱融着させて作製されたものである。
即ち、ビーズ発泡成形体A11は、発泡性樹脂粒子を発泡させてなる複数の樹脂発泡粒子からなり、互いに熱融着した複数の樹脂発泡粒子によって構成されている。
前記ビーズ発泡成形体A11は、当該ビーズ発泡成形体のみならず樹脂複合体に優れた強度を発揮させる上においてその熱融着率が60%以上であることが好ましい。
なお、ビーズ発泡成形体A11の熱融着率とは、樹脂発泡粒子がどのような割合で熱融着しているかを示すもので下記の要領で測定される値をいう。
まず、ビーズ発泡成形体に、カッターナイフを用いて深さ約2mmの切込線を入れる。
しかる後、ビーズ発泡成形体を切込線に沿って手で二分割し、この分割断面を目視観察する。
この分割断面において、全ての樹脂発泡粒子の数(a)と、樹脂発泡粒子どうしが熱融着界面で破断することなく樹脂発泡粒子自体が破断した数(b)とを数える。
そして、下記式に基づいてビーズ発泡成形体の熱融着率を算出する。

熱融着率(%)=100×b/a
本実施形態の芯材A1は、このビーズ発泡成形体A11と、該ビーズ発泡成形体A11を覆う前記袋A12とが熱融着によって一体化されている。
本実施形態の樹脂複合体Aは、FRPシートA2に含まれている樹脂の接着力により当該FRPシートA2とビーズ発泡成形体A11を覆う袋A12とが接着されている。
前記ビーズ発泡成形体A11を形成するための発泡性樹脂粒子としては、熱可塑性樹脂を主成分とするものが好ましい。
発泡性樹脂粒子を構成する熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂などが挙げられ、熱融着性や袋A12などとの接着性を勘案すると熱可塑性ポリエステル樹脂及びポリフェニレンエーテル系樹脂が好ましい。なお、熱可塑性樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
熱可塑性ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸と二価アルコールとが、縮合反応を行った結果得られる高分子量の線状ポリエステルである。熱可塑性ポリエステル樹脂としては、例えば、芳香族ポリエステル樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂が挙げられる。
芳香族ポリエステル樹脂とは、芳香族ジカルボン酸成分とジオール成分とを含むポリエステルであり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどが挙げられ、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。なお、芳香族ポリエステル樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
なお、芳香族ポリエステル樹脂は、芳香族ジカルボン酸成分及びジオール成分以外に、例えば、トリメリット酸などのトリカルボン酸、ピロメリット酸などのテトラカルボン酸などの三価以上の多価カルボン酸やその無水物、グリセリンなどのトリオール、ペンタエリスリトールなどのテトラオールなどの三価以上の多価アルコールなどを構成成分として含有していてもよい。
また、芳香族ポリエステル樹脂は、使用済のペットボトルなどから回収、再生したリサイクル材料を用いることもできる。
ポリエチレンテレフタレートは架橋剤によって架橋されていてもよい。架橋剤としては、公知のものが用いられ、例えば、無水ピロメリット酸などの酸二無水物、多官能エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物などが挙げられる。なお、架橋剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリエチレンテレフタレートを架橋剤によって架橋する場合には、押出機にポリエチレンテレフタレートと共に架橋剤を供給すればよい。押出機に供給する架橋剤の量は、少なすぎると、ポリエチレンテレフタレートの溶融時の溶融粘度が小さくなりすぎて、発泡時に破泡し易いものになる場合があり、多すぎると、ポリエチレンテレフタレートの溶融時の溶融粘度が大きくなりすぎて、良好な発泡をさせることが困難となることがある。従って、押出機にポリエチレンテレフタレートと共に供給する架橋剤の量は、ポリエチレンテレフタレート100質量部に対して0.01〜5質量部が好ましく、0.1〜1質量部がより好ましい。
脂肪族ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリ乳酸系樹脂が挙げられる。
ポリ乳酸系樹脂としては、乳酸がエステル結合により重合した樹脂を用いることができ、商業的な入手容易性及びポリ乳酸系樹脂発泡粒子への発泡性付与の観点から、D−乳酸(D体)及びL−乳酸(L体)の共重合体、D−乳酸又はL−乳酸のいずれか一方の単独重合体、D−ラクチド、L−ラクチド及びDL−ラクチドからなる群から選択される1又は2以上のラクチドの開環重合体が好ましい。なお、ポリ乳酸系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリ乳酸系樹脂は、乳酸以外の単量体成分として、例えば、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸などの脂肪族ヒドロキシカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水コハク酸、無水アジピン酸、トリメシン酸、プロパントリカルボン酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸などの脂肪族多価カルボン酸;エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリットなどの脂肪族多価アルコールなどを含有していてもよい。
ポリ乳酸系樹脂は、アルキル基、ビニル基、カルボニル基、芳香族基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基、アミノ基、ニトリル基、ニトロ基などのその他の官能基を含んでいてもよい。ポリ乳酸系樹脂はイソシアネート系架橋剤などによって架橋されていてもよく、エステル結合以外の結合手により結合していてもよい。
ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、例えば、ポリフェニレンエーテルとポリスチレン系樹脂との混合物、ポリフェニレンエーテルにスチレン系モノマーをグラフト共重合してなる変性ポリフェニレンエーテル、この変性ポリフェニレンエーテルとポリスチレン系樹脂との混合物、フェノール系モノマーとスチレン系モノマーとを銅(II) のアミン錯体などの触媒存在下で酸化重合させて得られるブロック共重合体、このブロック共重合体とポリスチレン系樹脂との混合物などが挙げられる。なお、ポリフェニレンエーテル系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2、6−ジエチルフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2,6−ジクロロフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジブロモフェニレン−1、4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−クロロ−6−メチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−イソプロピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジ−n−プロピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−ブロモ−6−メチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−クロロ−6−ブロモフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−クロロ−6−エチルフェニレン−1,4−エーテル)などが挙げられる。ポリフェニレンエーテル系樹脂の重合度は、通常、10〜5000のものが用いられる。
アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル系モノマーを重合させることによって製造される。なお、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルの何れか一方又は双方を意味する。
(メタ)アクリル系モノマーとしては、特に限定されず、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
また、アクリル系樹脂は、上記(メタ)アクリル系モノマー以外にこれと共重合可能なモノマー成分を含有していてもよい。このようなモノマーとしては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸アミド、マレイン酸イミドなどが挙げられる。
ポリスチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、ジメチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレンなどのスチレン系モノマーをモノマー単位として含む単独重合体又は共重合体、スチレン系モノマーと、このスチレン系モノマーと共重合可能な一種又は二種以上のビニルモノマーとをモノマー単位として含む共重合体などが挙げられ、スチレン系モノマーと、このスチレン系モノマーと共重合可能な一種又は二種以上のビニルモノマーとをモノマー単位として含む共重合体が好ましく、メタクリル酸及び/又はメタクリル酸メチルと、スチレン系モノマーとをモノマー単位として含む共重合体がより好ましい。なお、ポリスチレン系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
スチレン系モノマーと共重合可能なビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなど)のアクリル系モノマー、無水マレイン酸、アクリルアミドなどが挙げられる。
これらの中で、スチレン系モノマーと共重合可能なビニルモノマーとしては、アクリル系モノマーが好ましく、メタクリル酸、メタクリル酸メチルがより好ましい。
これらの中でもビーズ発泡成形体は、ポリエステル系樹脂製又はアクリル系樹脂製であることが好ましい。
また、発泡性樹脂粒子を構成している熱可塑性樹脂のガラス転移温度と、繊維強化樹脂材に含まれている樹脂のガラス転移温度との差は、60℃以下が好ましく、20℃以下がより好ましい。
該発泡性樹脂粒子は、その製造方法などが特に限定されるものではなく、例えば、(1)熱可塑性樹脂を押出機内に供給して物理発泡剤の存在下にて溶融混練して押出機に取り付けたノズル金型から熱可塑性樹脂押出物を押出発泡させながら切断した後に冷却して製造する方法、(2)熱可塑性樹脂を押出機内に供給して物理発泡剤の存在下にて溶融混練して押出機に取り付けたノズル金型から押出発泡してストランド状の熱可塑性樹脂押出物を製造し、この熱可塑性樹脂押出物を所定間隔毎に切断して製造する方法、(3)熱可塑性樹脂を押出機内に供給して物理発泡剤の存在下にて溶融混練して押出機に取り付けた環状ダイ又はTダイから押出発泡して発泡シートを製造し、この発泡シートを切断することによって製造する方法、(4)熱可塑性樹脂を押出機内に供給して物理発泡剤の存在下にて溶融混練して押出機に取り付けたノズル金型から熱可塑性樹脂押出物を押出し、切断しながら冷却して製造する方法、(5)熱可塑性樹脂を押出機内に供給して溶融混練して押出機に取り付けたノズル金型から押出してストランド状の熱可塑性樹脂押出物を製造し、この熱可塑性樹脂押出物を所定間隔毎に切断して粒子を製造し、この粒子に公知の要領で発泡剤を含浸させて製造する方法、(6)熱可塑性樹脂を押出機内に供給して溶融混練して押出機に取り付けた環状ダイ又はTダイから押出してシートを製造し、このシートを切断することによって粒子を製造し、この粒子に公知の要領で発泡剤を含浸させて製造する方法、(7)公知の要領で熱可塑性樹脂からなる粒子を製造し、この粒子に公知の要領で発泡剤を含浸させて製造する方法などによって得られたものを採用することができる。
該発泡性樹脂粒子は、無発泡状態のものであっても発泡状態のものであってもよい。
また、上記のようにして作製された後に、ビーズ発泡成形体の形成前に一旦加熱して予備発泡させたものであっても良い。
前記発泡性樹脂粒子に含有させる物理発泡剤は、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサンなどの飽和脂肪族炭化水素やそのハロゲン化物、二酸化炭素、窒素などが挙げられ、ジメチルエーテル、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、二酸化炭素が好ましく、プロパン、ノルマルブタン、イソブタンがより好ましく、ノルマルブタン、イソブタンが特に好ましい。なお、物理発泡剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性樹脂粒子を得る方法としては、例えば、耐圧密閉容器中に水と樹脂粒子とを供給し、樹脂粒子を水中に分散させた後、耐圧密閉容器中に物理発泡剤を圧入して、樹脂粒子に加圧された物理発泡剤を接触させて、樹脂粒子に発泡剤を含浸させる方法などが挙げられる。
このようなビーズ発泡成形体A11とともに芯材を構成する袋A12は、樹脂フィルム製のものや繊維素材製のものが挙げられる。
該袋A12は、発泡性樹脂粒子とともに内包する空気を、芯材の形成に際して排気できるようになっていることが好ましく、通気性を有していることが好ましい。
袋A12の通気性については、該袋を通気性を有していない樹脂フィルム製とする場合、該樹脂フィルムに1以上の穴を開けることで発揮させることができる。
なお、袋A12に良好な通気性を発揮させるには、複数の穴を開けることが好ましい。
また、袋A12の一部又は全部を不織布などの通気性を有する繊維シートによって形成させることで当該袋に良好な通気性を発揮させることができる。
該袋A12は、FRPシートA2の継ぎ目やFRPシートA2によって覆われない部分に通気性が付与されていることが好ましく、当該部分に前記穴が形成されていたり、当該部分が繊維シートで形成されていることが好ましい。
前記袋A12を樹脂フィルム製とする場合、ビーズ発泡成形体A11やFRPシートA2との接着性を考慮するとポリエステル系樹脂製であるか、又は、ポリアミド系樹脂製であることが好ましい。
前記袋A12を繊維シートで形成させる場合、該繊維シートの繊維は、ポリエステル系樹脂繊維、ポリアミド系樹脂繊維、セルロース系繊維などの有機繊維であっても炭素繊維などの無機繊維であってもよい。
この袋A12を形成する繊維シートとしては、例えば、不織布などの短繊維製のものや、織物、編物などの連続繊維製のものが挙げられる。
織物である場合、織り方としては、平織、綾織、朱子織などが挙げられる。
編物である場合、編み方としては、緯編、経編が挙げられる。
なかでも適度な伸縮性を有する点において、袋A12の素材としては、ポリエステル系樹脂繊維からなる経編の編物が好ましい。
該経編としては、トリコット、ラッセルなどが挙げられる。
なかでも、袋A12の素材としては、ハーフトリコットが好ましい。
該袋A12は、その厚みが0.1μm以上1mm以下であることが好ましい。
このような袋A12を用いることで、前記芯材A1を軽量性と強度とに優れたものとすることができる。
該芯材A1とともに樹脂複合体Aを形成するFRPシートA2は、連続繊維によって形成された織布、連続繊維によって形成された編地、UD(Uni Direction)などと呼ばれる連続繊維を一方向に引き揃えたシート状物、及び、短繊維からなる不織布を基材シートとし、この基材シートに樹脂を含浸・担持させたシートで形成させることができる。
また、FRPシートA2は、短繊維と樹脂との混和物をシート状に成形したものを採用しても良い。
FRPシートA2に含有させる繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、チラノ繊維、玄武岩繊維、ステンレス繊維、スチール繊維などの無機繊維;アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサドール(PBO)繊維などの有機繊維;ボロン繊維などが挙げられる。繊維は、一種単独で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。なかでも、FRPシートA2に含有させる繊維は、炭素繊維、ガラス繊維及びアラミド繊維の内の何れかであることが好ましく、炭素繊維であることがより好ましい。
前記FRPシートA2の基材シートは、前記のように織物、編物、不織布、及び繊維を一方向に引き揃えた繊維束(ストランド)を糸で結束(縫合)してなる面材などとすることができる。
織物の織り方としては、平織、綾織、朱子織などが挙げられる。
また、前記糸としては、ポリアミド樹脂糸やポリエステル樹脂糸などの合成樹脂糸、及びガラス繊維糸などのステッチ糸が挙げられる。
FRPシートA2は、基材シートを単独で備えていても良く、複数の基材シートを積層した積層基材を備えていてもよい。
積層基材としては、(1)一種のみの基材シートを複数枚用意し、これらを積層したもの、(2)複数種の基材シートを用意し、これらを積層したものが挙げられる。
積層基材は、一つの基材シートの繊維方向と、該基材シートに積層される他の基材シートの繊維方向とが揃っていても、交差していても良い。
該基材シートに担持させてFRPシートA2を形成させる樹脂としては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂の何れも用いることができ、熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。
熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、マレイミド樹脂、ビニルエステル樹脂、シアン酸エステル樹脂、マレイミド樹脂とシアン酸エステル樹脂とを予備重合した樹脂などが挙げられる。
該熱硬化性樹脂は、耐熱性、衝撃吸収性、耐薬品性に優れていることから、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂が好ましい。
前記熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えば、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、熱可塑性エポキシ樹脂、アミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、サルファイド系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられる。
該熱可塑性樹脂は、接着性に優れていることから、ポリエステル系樹脂、熱可塑性エポキシ樹脂が好ましい。
なお、FRPシートA2は、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を一種単独で含有させる必要は無く、これらを二種以上併用してもよい。
また、1種類以上の熱硬化性樹脂と1種類以上の熱可塑性樹脂とを混合して基材シートに担持させたものをFRPシートA2としてもよい。
前記エポキシ樹脂としては、エポキシ化合物同士の重合体又は共重合体であって直鎖構造を有する重合体や、エポキシ化合物と、このエポキシ化合物と重合し得る単量体との共重合体であって直鎖構造を有する共重合体が挙げられる。
具体的には、エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、長鎖脂肪族型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂などが挙げられる。
前記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂が好ましい。
前記ポリウレタン樹脂としては、ジオールとジイソシアネートとを重合させて得られる直鎖構造を有する重合体が挙げられる。
ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールなどが挙げられる。
ジオールは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ジイソシアネートとしては、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートが挙げられる。
ジイソシアネートは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
樹脂複合体AにおけるFRPシートA2は、樹脂の含有量が20〜70質量%であることが好ましく、30〜60質量%であることがより好ましい。
樹脂複合体AにおけるFRPシートA2は、その厚みが、0.02〜2mmであることが好ましく、0.05〜1mmがより好ましい。
樹脂複合体AにおけるFRPシートA2は、その目付が、50〜4000g/mであることが好ましく、100〜1000g/mであることがより好ましい。
本実施形態の樹脂複合体は、上記のように樹脂と繊維とを含む繊維強化樹脂材(FRPシート)と、少なくとも一部が樹脂発泡体で形成された芯材と、を備えており、該芯材が前記繊維強化樹脂材で被覆されたものである。
また、本実施形態の樹脂複合体は、上記のように芯材を形成する前記樹脂発泡体がビーズ発泡成形体であり、以下のような方法によって作製され得る。
本実施形態の樹脂複合体Aの製造方法では、例えば、(a)下側形成材加熱工程、(b)粒子載置工程(図3参照)、(c)仮賦形工程(図4参照)、(d)上側形成材載置工程(図5参照)、(e)収容工程、(f)型締工程(図6参照)、(g)コアバック工程、(h)再型締工程、及び(i)熱融着工程などの工程が実施される。
(a)下側形成材加熱工程
本実施形態における下側形成材加熱工程とは、下シートA2bを仮賦形可能な温度に加熱する工程である。
前記下シートA2bは、後述する仮賦形工程において、金型に沿って円滑に且つ正確に仮賦形(熱成形)されるべく、図2に示したように切り込み部11を形成しておいてもよい。
図2においては、図1に示した樹脂複合体に適した下シートA2bを例示しているため四つの角部に切り込み部11を設けた態様を示しているが、このような例示に限定されることなく下シートA2bの形状は製造する樹脂複合体の形状に応じて適宜変更可能である。
後述する粒子載置工程は、この下側形成材加熱工程の開始前や完了後に行ってもよく、この下側形成材加熱工程と同時並行してもよい。
この工程における“仮賦形可能な温度”とは、通常、下シート中の樹脂が熱硬化性樹脂である場合においてはその発熱ピーク温度であり、前記樹脂が非晶性の熱可塑性樹脂である場合においてはガラス転移温度で、結晶性の熱可塑性樹脂である場合はその発熱ピーク温度である。
なお、下シートA2bの温度とは、該下シートA2bの表面温度をいう。
下シートA2bに熱硬化性樹脂が含まれている場合、該熱硬化性樹脂は、その発熱ピーク温度が低すぎると、発泡性樹脂粒子の発泡力が不足し、FRPシートA2と芯材A1とが十分強固に一体化されないことがあり、前記発熱ピーク温度が高すぎると、下シート上に載置した発泡性樹脂粒子が不測に発泡を開始して所望形状の樹脂複合体が得られ難くなる場合がある。
このことから発熱ピーク温度は、120〜180℃が好ましく、130〜150℃がより好ましい。
下シートに熱可塑性樹脂が含まれている場合、該熱可塑性樹脂は、そのガラス転移温度が低すぎると、発泡性樹脂粒子の発泡力が不足し、繊維強化樹脂層と芯材とが十分強固に一体化されないことがあり、前記ガラス転移温度が高すぎると、下シート上に載置した発泡性樹脂粒子が不測に発泡を開始して所望形状の樹脂複合体が得られ難くなる場合がある。
このことからガラス転移温度は、90〜140℃が好ましく、100〜130℃がより好ましい。
樹脂のガラス転移温度や発熱ピーク温度は、示差走査熱量計装置を用いて下記の要領で測定された温度をいう。
なお、示差走査熱量計装置としては、例えば、エスアイアイナノテクノロジー社から商品名「DSC6220型」にて市販されている示差走査熱量計装置を用いることができる。
また、示差走査熱量測定は、アルミニウム製測定容器の底にすきまのないよう試料を約6mg充てんし、基準物質としてアルミナを用いて、窒素ガス流量を20mL/分とした条件のもとで測定することができる。
なお、熱硬化性樹脂のガラス転移温度を測定する場合には熱硬化性樹脂を予め硬化させる必要がある。
熱硬化性樹脂の硬化温度はJIS K7121:1987において測定される発熱ピーク温度±10℃が目安とされる。
熱硬化性樹脂の硬化時間は60分間が目安とされ、硬化後の熱硬化性樹脂の発熱ピークをJIS K7121:1987に準拠して測定した際に、発熱ピークが観察されなければ、硬化が完了されたとみなせ、この硬化後の熱硬化性樹脂を用いて、後述する要領で熱硬化性樹脂のガラス転移温度を測定する。
なお、上述した熱硬化性樹脂の硬化温度の目安となる発熱ピーク温度の詳細な測定方法は、下記の通りである。
熱硬化性樹脂の発熱ピーク温度は、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」に記載されている方法で測定する。
但し、温度条件に関しては以下の通りである。
熱硬化性樹脂の発熱ピーク温度とは、示差走査熱量測定で試料を30℃から220℃まで速度5℃/分で昇温させた際の1回目昇温時のピークトップの温度を読みとった値である。
熱硬化性樹脂のガラス転移温度は、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」における規格9.3「ガラス転移温度の求め方」に準拠して測定された温度とする。
具体的には、ガラス転移温度(中間点)は、前記の示差走査熱量計装置を用い、試料を20℃/分の昇温速度で30℃から200℃まで昇温して200℃にて試料を10分間に亘って保持し、その後、試料を装置から速やかに取出して25±10℃まで冷却した後、装置内で、流量20mL/分の窒素ガス流の下、20℃/分の昇温速度で試料を200℃まで再度、昇温した時に得られるDSC曲線よりガラス転移温度(中間点)を算出することにより求められる。
熱可塑性樹脂のガラス転移温度及び発熱ピーク温度は、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」に記載されている方法で測定する。
具体的には、ガラス転移温度は、前記の示差走査熱量計装置を用い、試料を30℃から−40℃まで降温した後に10分間に亘って保持した後、試料を−40℃から290℃まで昇温(1st Heating)し、290℃に10分間に亘って保持した後に290℃から−40℃まで降温(Cooling)し、さらに10分間に亘って保持した後に−40℃から290℃まで昇温(2nd Heating)した時に得られるDSC曲線より算出する。
なお、全ての昇温速度及び降温速度は10℃/分で行い、得られた曲線の変曲点をガラス転移温度とし、発熱ピークトップの温度を発熱ピーク温度とする。
下側形成材加熱工程における下シートA2bの加熱温度は、低すぎると下側金型(雌型120)の成形面121に沿って当該下シートA2bを円滑に仮賦形することができない場合があり、高すぎると、熱硬化性樹脂の硬化が過度に進行してしまう虞れや、下シート上に載置した発泡性樹脂粒子が不測に発泡を開始する虞れがある。
従って、下シートA2bに熱硬化性樹脂が含まれている場合、シート材の加熱温度は、(熱硬化性樹脂の発熱ピーク温度−50℃)〜(熱硬化性樹脂の発熱ピーク温度+50℃)とすることが好ましい。
また、下シートA2bに非晶性の熱可塑性樹脂が含まれている場合、前記加熱温度は、(非晶性熱可塑性樹脂のガラス転移温度−40℃)〜(非晶性熱可塑性樹脂のガラス転移温度+40℃)とすることが好ましい。
そして、下シートA2bに結晶性の熱可塑性樹脂が含まれている場合、前記加熱温度は、(結晶性熱可塑性樹脂の発熱ピーク温度−40℃)〜(結晶性熱可塑性樹脂の発熱ピーク温度+40℃)とすることが好ましい。
このようにして下側形成材加熱工程においては、下シートA2bに優れた流動性や柔軟性が発揮されるように温度制御する。
下側形成材加熱工程において、下シートA2bの加熱方法としては、下側金型4を加熱し、該下側金型4によって下シートA2bを加熱する方法や、別途用意した赤外線ヒータなどの汎用の加熱手段を用いて下シートA2bを加熱する方法が挙げられる。
(b)粒子載置工程
前記粒子載置工程は、図3に示したように下シートA2bの上に発泡性樹脂粒子11xを載置する工程である。
粒子載置工程は、前記のように下シートA2bを加熱開始前、加熱完了後、又は、加熱途中において行われ得る。
該工程では、複数の発泡性樹脂粒子11xを袋12xに収容して下シートA2bの上に載置する。
このとき袋12xには、発泡性樹脂粒子11xとともに空気を内包させることが好ましい。
下シートA2bに含まれる樹脂と発泡性樹脂粒子11xを覆う袋12xとの接着性が発揮され易い点において、粒子載置工程は、袋12xに収容した発泡性樹脂粒子11xを下シートA2bの加熱開始後に下シート上に載置する方法で実施することが好ましく、該発泡性樹脂粒子11xの載置は、下シートA2bを仮賦形可能な温度に加熱する途中に行うことが好ましい。
下シートA2bの上に発泡性樹脂粒子11xを載置する方法としては、特に限定されず、例えば、下シート1の外周縁部を上方に屈曲させた上で発泡性樹脂粒子11xを載置する方法などが挙げられる。
当該工程において下シートA2bの上に載置する、発泡性樹脂粒子の量は、少な過ぎると、後述する熱融着工程において、発泡性樹脂粒子どうしの一体化が不十分となるおそれがある。
従って、発泡性樹脂粒子の量は、前記熱融着工程での加熱温度で発泡性樹脂粒子11xを発泡させた際の見掛け体積の増加量が雄型110と雌型120とを型締した際にこれらの間に形成される成形空間の1.5倍以上3倍以下となるように設定することが好ましい。
成形型内に収容させる発泡性樹脂粒子11xの量や発泡性樹脂粒子11xを加熱する温度と成形空間の内容積との関係が上記のようになるかどうかは下記の要領にて確認することができる。
まず、発泡性樹脂粒子の充填率を下記式に基づいて算出する。

充填率(%)=
100×(発泡性樹脂粒子のかさ体積)/(成形空間の内容積)
なお、かさ体積は、JIS K6911:1995年「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して測定する。
そして、かさ体積50cmに相当する発泡性樹脂粒子を試料として秤量する。
次に、発泡性樹脂粒子を熱融着工程での加熱温度で10分加熱して体積増加率を求める。
具体的には、予め熱融着工程での加熱温度に加熱にされたオーブン中に試料を10分間に亘って放置して発泡させて樹脂発泡粒子を得た後、該樹脂発泡粒子のかさ体積を測定し、体積増加率を算出する。

体積増加率(%)=100×(発泡後の粒子のかさ体積−50)/50
そして、発泡性樹脂粒子11xを発泡させた際の見掛け体積の増加量が前記成形空間100aの何倍の倍率になるかは、下記式に基づいて算出することができる。

倍率=(充填率(%))×(体積増加率(%))/10000
そして、前記倍率を1.5倍以上3.0倍以下とすることで作製される樹脂複合体Aを外形精度に優れたものとすることができる。
なお、下シートA2bと、発泡性樹脂粒子11xを収容した袋12xとの間に接着性樹脂を介在させておいてもよい。
接着性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂や、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリイミドフィルムなどの熱可塑性樹脂が挙げられ、得られる樹脂複合体の機械的強度に優れていることから、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂が好ましい。
なお、接着性樹脂としては、例えば、GH−CRAFT社から商品名「NB−102HC50−0.06」にて市販されている熱硬化性エポキシ樹脂(硬化温度:130℃)などが挙げられる。
(c)仮賦形工程
仮賦形工程は、下シートA2bを雌型120の成形面121に沿う形に仮賦形する工程である。
本実施形態での仮賦形工程においては、粒子載置工程によって下シート上に載置した発泡性樹脂粒子11xの質量を利用して下シートA2bを撓ませ雌型120に沿って仮賦形させるような方法を採用することができる。
また、仮賦形工程は、下シートA2bを雌型120に向かって吸引することによって実施することも可能である。
さらには、仮賦形工程は、発泡性樹脂粒子11xの質量を利用しつつ下シートA2bを雌型120に向かって吸引することによって実施することもできる。
この仮賦形工程は、下シートA2bを何ら把持、拘束していない状態で実施することが好ましい。
仮賦形工程において、雌型120は加熱されていることが好ましい。
雌型120が加熱されていることによって、仮賦形可能な温度に加熱された下シートA2bの成形性を良好な状態に維持することができる。
雌型120の加熱温度は、下シートに含まれている樹脂が熱硬化性樹脂である場合、(該熱硬化性樹脂の発熱ピーク温度−10℃)〜(該熱硬化性樹脂の発熱ピーク温度+10℃)が好ましい。
なお、雌型120の加熱温度とは、仮賦形される下シートと接触する金型表面の温度、即ち、成形型の成形面121の表面温度をいう。
成形型の成形面とは、上下金型(雄型110及び雌型120)を型締した時に形成される成形空間を画定している面をいう。
(d)上側形成材載置工程
本実施形態における上側形成材載置工程とは、図5に示すように、上シートA2aを下シート上に載置した袋12xの上に載置する工程である。
前記の下シートA2bと同様に上シートA2aも予め所定形状となるように外形加工を施しておくことができる。
また、載置する上シートA2aは、予め仮賦形していても良い。
なお、上シートA2aと袋12xとの間にも下シートA2bと同様に接着性樹脂を介在させることができる。
(e)収容工程
本実施形態における収容工程とは、FRPシートA2(上下シートA2a,A2b)、発泡性樹脂粒子11x、及び、袋12xを、雄型110と雌型120とが型締されていない状態で成形型内に収容させ、且つ、該成形型内において発泡性樹脂粒子11xが袋12xに収容され、該袋12xが前記FRPシートA2で被覆された状態にする工程である。
この収容工程は、具体的には、例えば、樹脂複合体Aの凹入部Aaに対応した逆四角錐台形状の突起を有する雄型110を用い、FRPシートA2、発泡性樹脂粒子11x、及び、袋12xをセットした雌型120に前記雄型110を型締状態となるように接近させ、該雄型110の突起によってFRPシートA2、発泡性樹脂粒子11x、及び、袋12xを成形型内に押し込む方法で実施することができる。
(f)型締工程
本実施形態における型締工程とは、前記雄型110と前記雌型120とを型締状態にさせる工程である。
該工程は、前記収容工程において雄型を用いてFRPシートA2、発泡性樹脂粒子11x、及び、袋12xを成形型内に押し込む動作に引き続き、雄型110を雌型120に接近させることによって実施することができる。
このとき、まずはじめに雄型110と雌型120とによって受ける圧力によって、袋12xの全体形状が成形空間に対応した形状へと変化する。
そして、この袋12xの形状変化に追従して発泡性樹脂粒子11xが流動するため、当該工程では成形空間の隅々にまで発泡性樹脂粒子11xを行き渡らせることができる。
(g)コアバック工程
本実施形態のコアバック工程とは、型締状態を解除し、雄型110と雌型120とを僅かに離間させる工程である。
ここでは、雄型110と雌型120との圧力による発泡性樹脂粒子11xの拘束が緩和される。
従って、前記型締工程において、成形空間に十分対応した形で発泡性樹脂粒子11xが移動をしなかった場合でも、当該コアバック工程と後段の再型締工程とを実施することで、再び発泡性樹脂粒子11xを流動化させて成形空間の隅々にまで発泡性樹脂粒子11xを行き渡らせることができる。
(h)再型締工程
本実施形態の再型締工程とは、操作自体は型締工程と同じである。
本実施形態においては、コアバック工程で説明したような効果を発揮させるべく、前記コアバック工程と当該再型締工程とを交互に繰り返してそれぞれ1回以上ずつ実施することが好ましい。
(i)熱融着工程
本実施形態の熱融着工程とは、成形空間に収容した発泡性樹脂粒子11xを加熱し、該発泡性樹脂粒子11xを発泡させるとともに互いに熱融着させる工程である。
該工程では、発泡性樹脂粒子11xで形成されたビーズ発泡成形体A11と、該ビーズ発泡成形体A11を覆う前記袋A12とを備えた芯材A1が形成されるとともに該芯材A1を前記FRPシートA2で被覆する。
該工程では、雄型110、及び、雌型120の型締状態を維持し、発泡性樹脂粒子の発泡力を利用して発泡性樹脂粒子どうしを熱融着させるとともに該発泡性樹脂粒子によって形成されるビーズ発泡成形体A11袋A12とを熱融着させる。
また、該工程では、発泡性樹脂粒子の発泡力を利用して芯材A1とFRPシートA2との間に高い圧力を生じさせてこれらを接着させる。
ここでFRPシートA2に担持されていた余分な樹脂は、前記圧力によって排除されるため該工程後のFRPシートA2は、繊維密度が高く、硬質で強度に優れたものとなる。
なお、袋12xとして編物や不織布などの繊維シート製のものを採用した場合、この余分な樹脂を当該繊維シートに含浸させることができる。
なお、上シートA2aに含まれている樹脂が熱硬化性樹脂である場合の発熱ピーク温度、前記樹脂が非晶性の熱可塑性樹脂である場合のガラス転移温度、及び、前記樹脂が結晶性の熱可塑性樹脂である場合の発熱ピーク温度と上側金型(雄型110)の加熱温度との関係は、下シートA2bと雌型120の加熱温度との関係と同様である。
雄型110の加熱温度とは、成形される上シートA2aと接触する成形面111の表面温度を意味する。
該工程では、上下のFRPシートA2a,A2bの端部は何ら把持されていないことが好ましく、このように、FRPシートA2a,A2bをフリーにしておくことで、これらを円滑に所望形状に成形することができる。
該熱融着工程後は、雄型110、雌型120を開型状態とし、樹脂複合体Aを取り出せばよい。
そのことにより図1に示すような樹脂複合体Aを得ることができる。
このように本実施形態の製造方法によれば、成形型の形状が十分に反映された樹脂複合体Aを得ることができ、外形精度に優れた樹脂複合体Aを得ることができる。
従って、このような製造方法によって繰返し生産される樹脂複合体は、品質にバラツキの少ないものとなる。
なお、発泡性樹脂粒子を成形型内の細部にまで行き渡らせることが出来て成形型の形状が十分に反映された樹脂複合体Aを得ることができるという効果は、成形型の成形面に細かな凹凸が形成されている場合に顕著なものとなる。
この点について、以下に第2の実施形態を示して説明する。
(第2の実施形態)
本実施形態においては、扁平な矩形板状のビーズ発泡成形体と該ビーズ発泡成形体を覆う袋とによって形成された芯材を備え、該芯材の上下両面にシート状の繊維強化樹脂材(以下、「FRPシート」ともいう)が積層されてなる樹脂複合体を作製する場合を例にして本発明の実施形態を説明する。
該芯材を形成するビーズ発泡成形体は、発泡性樹脂粒子を発泡させてなる樹脂発泡粒子どうしが一体化されたもので、該芯材は、前記ビーズ発泡成形体全体が前記袋によって覆われたものとなっている。
該芯材を上下から覆う前記繊維強化樹脂材は、樹脂と繊維とを含有するものである。
本実施形態の樹脂複合体は、図8に示すように全体形状が矩形板状であり、上面側に線状の突起を有している。
該線状突起は、補強用リブとして機能させるべく樹脂複合体に備えられている。
なお、以下においては、図8における矢印X〜Zについては、図1における意味と同じである。
図8及び図9に示すように本実施形態の樹脂複合体Aは、厚み方向中央部を構成する芯材A1と、該芯材A1を上下から挟む繊維強化樹脂材A2(FRPシートA2)とを有している。
本実施形態の樹脂複合体Aは、上方に向けて突出する線状突起Abを上面側に有している。
該線状突起Abは、直線状で樹脂複合体Aの幅方向中央部を通る形で長さ方向に沿って延在している。
該線状突起Abは、樹脂複合体Aの長さ方向に直交する平面での断面形状が矩形状で上端部を上方に向けて円弧状に張り出させた形状となっている。
該線状突起Abは、ビーズ発泡成形体を構成する発泡樹脂粒子複数個分の横幅を有するとともに発泡樹脂粒子複数個分の高さを有する。
本実施形態の芯材A1は、ビーズ発泡成形体A11と、該ビーズ発泡成形体A11の全体を一様に覆う袋A12とで形成されている。
前記芯材A1は、樹脂複合体Aの線状突起Abに対応した線状突起21を有している。
本実施形態の樹脂複合体Aは、前記FRPシートA2として、該芯材A1を上面側から覆うFRPシートA2a(上シートA2a)と、前記芯材3を下面側から覆うFRPシートA2b(下シートA2b)との2枚のシートを備えている。
前記芯材A1の線状突起21は、前記上シートA2aで被覆されており、樹脂複合体Aの線状突起Abに比べ、前記上シートA2bの厚み分だけ細くなっている。
芯材A1は、前記のようにビーズ発泡成形体A11と袋A12とによって形成されており、該ビーズ発泡成形体A11には芯材A1の線状突起21に比べ、前記袋A12の厚み分だけ細い線状突起が形成されている。
前記芯材A1を形成しているビーズ発泡成形体A11は、発泡剤を含んだ発泡性樹脂粒子を用いた型内成形が実施されて作製されたもので、複数の発泡性樹脂粒子どうしを成形型内で加熱して発泡させるとともに互いに熱融着させて作製されたものである。
即ち、ビーズ発泡成形体A11は、発泡性樹脂粒子を発泡させてなる複数の樹脂発泡粒子からなり、互いに熱融着した複数の樹脂発泡粒子によって構成されている。
本実施形態の樹脂複合体は、上記のように樹脂と繊維とを含む繊維強化樹脂材(FRPシート)と、少なくとも一部が樹脂発泡体で形成された芯材と、を備えており、該芯材が前記繊維強化樹脂材で被覆されたものである。
また、本実施形態の樹脂複合体は、上記のように芯材を形成する前記樹脂発泡体がビーズ発泡成形体であり、以下のような方法によって作製され得る。
本実施形態の樹脂複合体Aの作製に際しては、図10に示したように雄型110と雌型120とを備えた成形型100が用いられる。
該成形型100は、雄型110と雌型120との型締時において樹脂複合体Aの形状に対応した成形空間100aを雄型110と雌型120との間に形成するものである。
即ち、成形型100には、樹脂複合体Aの線状突起Abの逆形状となる凹部が形成されている。
本実施形態においては、該凹部は、雄型110に設けられた条溝110aとなっている。
該条溝110aの開口幅は、従来の方法においては発泡性樹脂粒子を十分に侵入させることが難しく、成形空間の隅々にまで発泡性樹脂粒子を行き渡らせ易いという本実施形態に係る効果がより顕著に発揮され得る点において、発泡性樹脂粒子の平均粒子径の2倍以上、10倍以下であることが好ましい。
なお、発泡性樹脂粒子の平均粒子径とは、無作為に採取した数十の発泡性樹脂粒子の平均体積を求め、同体積を有する真球の直径を意味する。
本実施形態の樹脂複合体Aの作製に際しては、第1の実施形態と同様に複数の発泡性樹脂粒子11xを用いてビーズ発泡成形体A11を形成させる。
さらに、本実施形態の樹脂複合体Aの作製に際して発泡性樹脂粒子11xを収容する袋A12xと2枚のFRPシートA2a,A2bとを用い点も第1の実施形態と同じである。
本実施形態の樹脂複合体Aの製造方法においては、図11に示すように、FRPシートA2a,A2b、発泡性樹脂粒子11x、及び、袋12xを前記成形型100の内部に収容する収容工程を実施する。
該収容工程においては、FRPシートA2a,A2b、発泡性樹脂粒子11x、及び、袋12xのそれぞれを、所定の状態となるように成形型内に収容させる。
具体的には、発泡性樹脂粒子11xは、前記袋12xに収容させた状態で成形型内に収容させる。
また、該袋12xは、FRPシートA2a,A2bで被覆された状態となるように成形型内に収容させる。
そして、このときこれらは前記雄型110と前記雌型120とが型締されていない状態で前記成形型100の内部に収容させる。
このとき前記袋12xには発泡性樹脂粒子11xとともに空気を内包させ、該袋12xと前記FRPシート2ax,2bxとの合計体積が型締時における前記成形空間100aの体積を超えた状態にさせておくことが好ましい。
なお、該収容工程は、例えば、袋12xに発泡性樹脂粒子11xを予め収容させたものを用意しておき、成形型を開型状態にして、この発泡性樹脂粒子11xaxを収容した袋12xをFRPシートA2a,A2bとともに成形型内に収容させる方法で実施することができる。
また、成形型が成形空間に発泡性樹脂粒子を導入させるための貫通孔を雄型か雌型かの何れかに有する場合であれば、単に、袋12xとFRPシートA2a,A2bとだけを成形型内にセットしておき、雌型と雄型とを閉じた後で袋12xに発泡性樹脂粒子を収容させることも可能である。
即ち、袋12xの口を成形型内における前記貫通孔の開口部に当てた状態にさせておけば、成形型を閉じた状態であっても外部から前記貫通孔を通じて袋内に発泡性樹脂粒子を供給させることができるため、このような方法で収容工程を実施することもできる。
次いで、前記雄型と前記雌型とを型締状態にさせる型締工程を実施する。
このとき図12に示すように袋12xが雄型110と雌型120との間で圧縮され、該袋内で空気の移動が起こる。
袋内の空気は、成形型100から受ける圧力が低い部分に集合する。
即ち、本実施形態においては、袋12xは、内部の空気の圧力によって前記条溝110aにおいて膨化し、その表面に積層されたにFRPシートA2aを条溝110aの奥に向かって侵入させる。
そして、条溝110aの開口部周辺の袋12xが条溝内に引き込まれることになり、該袋A12xの移動に同伴される形で発泡性樹脂粒子11xが条溝110aに侵入する。
成形面に凹部を有する成形型を用いてビーズ発泡成形体を作製する場合、前記凹部に発泡性樹脂粒子をスムーズに侵入させることが難しい場合があるが、本実施形態においては、袋の移動に同伴させる形で発泡性樹脂粒子を凹部に誘引させることができる。
このことにより成形型の凹部によって形成されるビーズ発泡成形体の突部に欠損が出来てしまったり、該突部における熱融着が不十分となったりすることを抑制することができる。
このような効果をより顕著に発揮させる上において、前記型締工程後には、前記のようにコアバック工程と、再型締工程とを交互に繰り返して実施することが好ましい。
前記型締工程でのFRPシートA2aの条溝110aへの侵入が十分なものではなかったとしても、コアバック工程と再型締工程とをそれぞれ1回以上実施することによりFRPシートA2aを条溝110aにより深く侵入させることができる。
同様に、前記型締工程での発泡性樹脂粒子11xの条溝110aへの侵入が十分なものではなかったとしても、コアバック工程と再型締工程とをそれぞれ1回以上実施することによって多くの発泡性樹脂粒子11xを条溝110aに侵入させることができる。
このようにして成形型100の成形面に対してFRPシートA2a,A2bの追従性を向上させるとともに成形空間100aの隅々にまで発泡性樹脂粒子11xaxを行き渡らせた後は、発泡性樹脂粒子11xを加熱し、該発泡性樹脂粒子11xを発泡させるとともに互いに熱融着させる熱融着工程を実施する。
該熱融着工程では、発泡性樹脂粒子11xaxを加熱発泡させてビーズ発泡成形体A11を構成する樹脂発泡粒子とし、該樹脂発泡粒子どうしが熱融着によって一体化されてなるビーズ発泡成形体A11を袋A12と一体化させて芯材A1を形成せる。
そして、熱融着工程では、この芯材A1とFRPシートA2a,A2bとを接着させて樹脂複合体Aを形成させる。
なお、第1、第2の実施形態では樹脂複合体を作製する場合を例示しているが、FRPシートを成形型に収容させることなく、単にビーズ発泡成形体を成形型で形成させる場合においても上記のような効果を発揮させることができる。
即ち、作製するビーズ発泡成形体の形状に対応する成形空間が雄型と雌型との型締時に形成される成形型と、複数の発泡性樹脂粒子と、該発泡性樹脂粒子を収容可能な袋とを用い、前記雄型と前記雌型とが型締されていない状態で前記発泡性樹脂粒子と前記袋とを前記成形型内に収容させ、且つ、該成形型内において前記発泡性樹脂粒子が前記袋に収容された状態にする収容工程と、該収容工程後に前記雄型と前記雌型とを型締状態にさせる型締工程と、該型締工程後に前記発泡性樹脂粒子を加熱し、該発泡性樹脂粒子を発泡させるとともに互いに熱融着させる熱融着工程とを実施してビーズ発泡成形体を作製する場合においても、成形型の形状が十分に反映されたビーズ発泡成形体を得られる点においては樹脂複合体を作製する場合と同じである。
また、型締工程後、熱融着工程前にコアバックと再型締とを交互に1回以上繰り返すことによって発揮される効果は、ビーズ発泡成形体を作製する場合においても発揮され得る。
さらに、通気性を有する袋を用いることによる効果についても樹脂複合体を作製する場合のみならずビーズ発泡成形体を作製する場合においても発揮され得る。
上記においては、作製する樹脂複合体やビーズ発泡成形体が特定の形状を有する場合を例示しているが、本発明において作製される樹脂複合体やビーズ発泡成形体は、その形状が特に限定されるものではない。
即ち、本発明の樹脂複合体の製造方法、並びに、ビーズ発泡体の製造方法は、上記例示に何等限定されるものではない。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本実施例に何ら限定されるものでない。
(実施例1〜8、比較例1)
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET、イーストマンケミカル社製 商品名「EASTER−EN099」、ガラス転移温度:80℃、発熱ピーク温度(融点):238.5℃)100質量部に対して、イソブタン35質量%及びノルマルブタン65質量%からなるブタンを表1に示した量だけ含有し且つ表1に示した発泡倍率だけ予備発泡させてなる発泡性樹脂粒子を用意した。
該発泡性樹脂粒子の見掛け密度(かさ体積)及び熱融着工程での加熱温度で10分加熱した際の体積増加率を表1に示した。
次に、用意した発泡性樹脂粒子を袋(中興化成工業社製 商品名アミティー 樹脂:ポリ乳酸 厚み:0.03mm)に充填した。
次に、炭素繊維からなる綾織の織物である基材シート(三菱レイヨン社製 商品名「パイロフィルプリプレグ TR3523−395GMP」、目付:200g/m、厚み:0.23mm)を2枚用意した。
基材シートに熱硬化性樹脂として未硬化のエポキシ樹脂(ガラス転移温度:121℃、発熱ピーク温度:138℃)を含浸担持させたFRPシートを用意した。
該FRPシートにおけるエポキシ樹脂の含有量は40質量%とした。
2枚のFRPシートをそれらの経糸の長さ方向が互いに90°の角度をなすように重ね合わせて積層シートとした。同様の要領で積層シートを更に一枚作製した。
前記の第1の実施形態において例示したような成形型110,120を用い、図1に示したような樹脂複合体を作製した。
雌型120を表1に示した温度に加熱、保持した。なお、熱融着工程後に冷却されるまで雌型120を表1に示した温度に維持した。しかる後、雌型120の成形面120を跨いだ状態となるように下シートA2bを雌型120上に配設した。
次に、下シートA2bの上に発泡性樹脂粒子を充填した袋を載置した。
なお、発泡性樹脂粒子の充填率、及び、発泡性樹脂粒子を発泡させた際の見掛け体積の増加量の成形空間に対する倍率(充填率×体積増加率)は表1に示した通りであった。
下シートA2bは、雌型120によって加熱さして軟化状態とし、載置した発泡性樹脂粒子の重さによって雌型120の成形面121に沿った形に仮賦形させた。
続いて、上シートA2aを袋の上に載置した。しかる後、雄型110を、1分間に5回コアバックと再型締とを繰返して成形空間の隅々にまで発泡性樹脂粒子を行き渡らせてから、成形型100を完全に型締めして発泡性樹脂粒子を加熱し、発泡させ、ビーズ発泡成形体を形成させるとともに該ビーズ発泡成形体が袋で覆われた芯材A1を形成させた。
また、このとき芯材A1を形成させるとともに該芯材A1にFRPシートA2a,A2bを接着させて樹脂複合体を形成させた。
また、このときFRPシートA2a,A2bに含まれていたエポキシ樹脂を熱硬化させた。
なお、該工程におけるFRPシートA2a,A2bの加熱温度を表1(FRPシート温度)に記載した。
得られた樹脂複合体Aは、芯材を構成する樹脂発泡粒子どうしが強固に熱融着していた。
また、得られた樹脂複合体Aは、該芯材A1とFRPシートA2との接着性にも優れるものであった。
しかも、得られた樹脂複合体Aは、細部にまで成形型の形状が反映されており、外観美麗なものであった。
得られた樹脂複合体Aについて、芯材を構成している樹脂発泡粒子同士の熱融着率、外観、及び、芯材と繊維強化プラスチック層との接着面積当たりの剥離強度を上記又は下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。なお、表1において、「芯材を構成している樹脂発泡粒子同士の熱融着率」は単に「樹脂発泡粒子同士の熱融着率」と、「芯材とFRPシートとの接着面積当たりの剥離強度」は単に「剥離強度」と表した。
(外観)
樹脂複合体の凹凸部において、FRPシートの総面積(S0)、及び、FRPシートに繊維が表面露出している部分の総面積(S1)を算出し、下記式に基づいて、繊維の露出度を算出した。
樹脂複合体の外観について、繊維の露出度に基づいて下記基準にて判断した。なお、樹脂複合体が得られなかった場合は「×」とした。

繊維の露出度(%)=100×S1/S0

◎・・・繊維の露出度が5%未満であった。
○・・・繊維の露出度が5%以上で10%未満であった。
△・・・繊維の露出度が10%以上で且つ20%未満であった。
×・・・繊維の露出度が20%以上であった。
(実施例2)
表1に示すように発泡性樹脂粒子の発泡倍率、及び、該発泡性樹脂粒子の成形型への充填率を異ならせていること以外は、実施例1と同様に樹脂複合体を作製し、実施例1と同様に評価した。
(実施例3)
表1に示すように繊維強化樹脂材を以下のようなものに変更し、熱融着工程の温度条件を変更したこと以外は実施例2と同様に樹脂複合体を作製し、実施例1と同様に評価した。
(繊維強化樹脂材)
ガラス繊維(日東紡績社製 商品名「WE181D」)からなる朱子織の織物から形成された基材シート(長瀬ケムテック社製 商品名「NNGF60−03s」、目付:300g/m、厚み:0.3mm)を2枚積層したものにビスフェノールA型エポキシ樹脂(非晶性で熱可塑性を有するエポキシ樹脂(ガラス転移温度:97℃))、を含浸させた繊維強化樹脂材。
基材シートは、縦280mm×横200mmの平面長方形状。
エポキシ樹脂40質量%含有品。
(実施例4)
表1に示すように発泡性樹脂粒子を以下のような樹脂製で発泡倍率が20倍のものに変更したこと以外はこれまでの実施例と同様に樹脂複合体を作製し、評価した。
(発泡性樹脂粒子)
PSジャパン社製スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体樹脂(耐熱PS:スチレン単量体含有量84質量%、メタクリル酸単量体含有量11質量%、メタクリル酸メチル単量体含有量5質量%、商品名「MM290」、ガラス転移温度:125℃)を混合ブタン(イソブタン35質量:ノルマルブタン65質量%)で発泡させたもの。
(実施例5)
表1に示すように発泡性樹脂粒子の成形型への充填率を異ならせていること以外はこれまでの実施例と同様に樹脂複合体を作製し、評価した。
(実施例6)
表1に示すように発泡性樹脂粒子を収容する袋を、下記に示す素材のものに変更したこと以外はこれまでの実施例と同様に樹脂複合体を作製し、評価した。
(袋の素材)
厚み0.1mmのポリエチレンテレフタレート繊維編地(ハーフトリコット、井上ニット社製)
(実施例7)
表1に示すように発泡性樹脂粒子を収容する袋の厚みを変更したこと以外はこれまでの実施例と同様に樹脂複合体を作製し、評価した。
(実施例8)
表1に示すように発泡性樹脂粒子を収容する袋を、下記に示す素材のものに変更したこと以外はこれまでの実施例と同様に樹脂複合体を作製し、評価した。
(袋の素材)
厚み0.02mmのポリエチレン樹脂フィルム(万代社製、食品保存用袋)
(比較例1)
発泡性樹脂粒子を袋に収容させなかった(袋を用いなかった)こと以外はこれまでの実施例と同様に樹脂複合体を作製し、評価した。
Figure 2016187947
以上のことからも本発明によれば樹脂発泡体と繊維強化樹脂材との間に優れた接着性を有する樹脂複合体が得られることがわかる。
A 樹脂複合体
A1 芯材
A11 ビーズ発泡成形体
A12 袋
A2 繊維強化樹脂材
11x 発泡性樹脂粒子
12x 袋
100 成形型
100a成形空間
110 雄型
120 雌型

Claims (13)

  1. 発泡剤を含む発泡性樹脂粒子を互いに熱融着させてビーズ発泡成形体を作製するビーズ発泡成形体の製造方法であって、
    雄型と雌型とを備え、作製するビーズ発泡成形体の形状に対応する成形空間が前記雄型と前記雌型との型締時に形成される成形型と、
    前記発泡性樹脂粒子と、
    前記発泡性樹脂粒子を収容可能な袋と、を用い、
    前記雄型と前記雌型とが型締されていない状態で前記発泡性樹脂粒子と前記袋とを前記成形型内に収容させ、且つ、該成形型内において前記発泡性樹脂粒子が前記袋に収容された状態にさせる収容工程と、
    該収容工程後に前記雄型と前記雌型とを型締状態にさせる型締工程と、
    該型締工程後に前記発泡性樹脂粒子を加熱し、該発泡性樹脂粒子を発泡させるとともに互いに熱融着させる熱融着工程と、を実施してビーズ発泡成形体を作製するビーズ発泡成形体の製造方法。
  2. 前記型締工程後、且つ、前記熱融着工程前に、
    前記雄型と前記雌型とを離間させるコアバック工程と、前記雄型と前記雌型とを再度型締する再型締工程とを交互に1回以上実施する請求項1記載のビーズ発泡成形体の製造方法。
  3. 前記袋が通気性を有している請求項1又は2記載のビーズ発泡成形体の製造方法。
  4. 通気性を有する前記袋が、複数の穴が開けられた樹脂フィルム製である請求項3記載のビーズ発泡成形体の製造方法。
  5. 通気性を有する前記袋が、一部又は全部が繊維編物で形成された袋である請求項3記載のビーズ発泡成形体の製造方法。
  6. 請求項1乃至5記載のビーズ発泡成形体の製造方法によって作製されたビーズ発泡成形体。
  7. 樹脂と繊維とを含む繊維強化樹脂材と、少なくとも一部が樹脂発泡体で形成された芯材と、を備え、
    該芯材が前記繊維強化樹脂材で被覆されてなる樹脂複合体で、且つ、該芯材を形成する前記樹脂発泡体がビーズ発泡成形体である樹脂複合体を作製するための樹脂複合体の製造方法であって、
    雄型と雌型とを備え、作製する樹脂複合体の形状に対応する成形空間が前記雄型と前記雌型との型締時に形成される成形型と、
    前記ビーズ発泡成形体を形成するための複数の発泡性樹脂粒子と、
    シート状の前記繊維強化樹脂材と、
    前記発泡性樹脂粒子を収容可能な袋と、を用い、
    前記繊維強化樹脂材、前記発泡性樹脂粒子、及び、前記袋を、前記雄型と前記雌型とが型締されていない状態で前記成形型内に収容させ、且つ、該成形型内において前記発泡性樹脂粒子が前記袋に収容され、該袋が前記繊維強化樹脂材で被覆された状態にさせる収容工程と、
    該収容工程後に前記雄型と前記雌型とを型締状態にさせる型締工程と、
    該型締工程後に前記発泡性樹脂粒子を加熱し、該発泡性樹脂粒子を発泡させるとともに互いに熱融着させる熱融着工程と、を実施し、
    前記発泡性樹脂粒子で形成されたビーズ発泡成形体と、該ビーズ発泡成形体を覆う前記袋とを備えた芯材を形成させるとともに該芯材を前記繊維強化樹脂材で被覆させる樹脂複合体の製造方法。
  8. 前記型締工程後、且つ、前記熱融着工程前に、
    前記雄型と前記雌型とを離間させるコアバック工程と、前記雄型と前記雌型とを再度型締する再型締工程とを交互に1回以上実施する請求項7記載の樹脂複合体の製造方法。
  9. 前記収容工程で成形型内に収容させる発泡性樹脂粒子の量、及び、前記熱融着工程で発泡性樹脂粒子を加熱する温度を、該温度で発泡性樹脂粒子を発泡させた際の見掛け体積の増加量が前記成形空間の1.5倍以上3倍以下となるように設定する請求項7又は8記載の樹脂複合体の製造方法。
  10. 前記袋の厚みが0.1μm以上1mm以下である請求項7乃至9の何れか1項に記載の樹脂複合体の製造方法。
  11. 前記ビーズ発泡成形体が、ポリエステル系樹脂製又はアクリル系樹脂製である請求項7乃至10の何れか1項に記載の樹脂複合体の製造方法。
  12. 前記ビーズ発泡成形体の熱融着率が60%以上である請求項7乃至11の何れか1項に記載の樹脂複合体の製造方法。
  13. 請求項7乃至12記載の樹脂複合体の製造方法により製造された樹脂複合体。
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