JP2020163809A - 繊維強化シート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】反りが少なく、機械強度に優れた長尺の繊維強化シート及びその製造方法を提供する。【解決手段】材部に対し、炭素繊維と熱可塑性樹脂を含む少なくとも1つのリブ部を備え、前記リブ部が、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体からなるスキン部と、熱可塑性樹脂からなるコア部とを備える、繊維強化シートであって、コア部の樹脂発泡倍率が1.05倍〜2.0倍である繊維強化シート。【選択図】図1

Description

本発明は、炭素繊維束を含む繊維強化シートに関する。
一般に、繊維強化シートでは、強化繊維束中に樹脂を含浸させ、樹脂と強化繊維とを一体化させることで、高い性能を発現している。
強化繊維束中に含浸される樹脂としては、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂等が挙げられる。高分子量の熱硬化性樹脂や、一般の熱可塑性樹脂の溶融粘度は高い。溶融粘度が高い樹脂を強化繊維束中に含浸させることは容易ではない。このため、繊維強化シートを各種の形状に成形することは容易ではなく、特に大型の繊維強化シートを成形することは容易ではない。
下記の特許文献1には、樹脂未含浸部からなる基材部に、少なくとも1つのリブ部を備え、該リブ部が、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体からなる表層と、熱可塑性樹脂からなるコア部とを備える繊維強化シートが開示されている。更に段落110には軽量化のために、芯部の樹脂に気泡を備えていてもよいことが開示されている。
国際公開第2017−056683号公報
本発明者等は、検討の結果、特許文献1に記載された繊維強化シートを用いて、リブ長さが1m以上の繊維強化シートを押出成形で製造しようとした際に、コア部に含まれる熱可塑性樹脂の収縮によって発生する張力によって、繊維強化シートの長手方向に反りが発生するという問題や、反りによって基材とコア部との密着性が不十分となり機械強度が低下してしまうという問題を見いだした。
本発明の目的は、上記課題に鑑み、反りが少なく、機械強度に優れた長尺の繊維強化シート及びその製造方法を提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討の結果、コア部に含まれる熱可塑性樹脂の収縮量に相当する量の発泡倍率とすることで、発泡熱可塑性樹脂を用いることによる機械特性の低下を抑制しつつ、繊維強化シートの反りを改善できることを見いだした。即ち、本発明の要旨は下記の通りである。
[1]基材部に対し、炭素繊維と熱可塑性樹脂を含む少なくとも1つのリブ部を備え、
前記リブ部が、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体からなるスキン部と、
熱可塑性樹脂からなるコア部とを備える、繊維強化シートであって、
前記コア部の樹脂発泡倍率が1.05倍〜2.0倍である、繊維強化シート。
[2]前記基材部が、樹脂未含浸繊維束部又は樹脂を含浸していない表面を有する樹脂部分含浸部を含む、[1]の繊維強化シート。
[3]前記基材部が、ガラスマット層又はガラスロービング層の何れかの層を含む、[1]または[2]の繊維強化シート。
[4]前記基材部が、不飽和ポリエステル樹脂を部分含浸されている[1]〜[3]の何れかの繊維強化シート。
[5]前記コア部の熱可塑性樹脂に、中空のアクリル粒子を含む、[1]〜[4]の何れかの繊維強化シート。
[6]前記スキン部の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体が、一方向性連続繊維を含むプリプレグシートである、[1]〜[5]の何れかの繊維強化シート。
[7]前記リブ部の幅が0.3〜2cmであり、高さが0.3〜7cmであり、長さが10cm以上である、[1]〜[6]の何れかの繊維強化シート。
[8]前記リブ部の長手方向垂直断面形状において、リブ部の頂点が湾曲形状である、[1]〜[7]の何れかの繊維強化シート。
[9]繊維強化シートを製造する方法であって、
炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体と、
熱可塑性樹脂100重量部に対し、発泡剤を0.1〜4質量部含む熱可塑性樹脂組成物と、
基材部と、
を押出成形して、前記基材部の表面に少なくとも1つの凸状部を形成することを含む、繊維強化シートの製造方法。
[10]押出成形時の金型温度が200〜240℃である、[9]の繊維強化シートの製造方法。
[11]前記第1保護層形成溶液が、変性シリコーン樹脂およびエポキシ硬化剤を含む第1液剤と、エポキシ樹脂および変性シリコーン重合触媒を含む第2液剤とからなり、前記第1液剤と前記第2液剤とを混合して第1保護層形成溶液を調製する工程を含む、[7]〜[10]いずれかの表面保護方法。
本発明の繊維強化シートは成形体に反りがなく、基材とリブ部との接着強度に優れるため、風車等の構造物の仕切り部材(シアウェブ)等に好ましく用いられる。
また、基材部が接着剤との界面接着強度に優れる素材の場合は、コンクリート構造物、金属構造物、樹脂構造物に、繊維強化シートを接着することで、対象物の機械強度を向上させることができる。
より具体的には、既存建築物の柱や壁面に本発明の繊維強化シートを接着することで耐震性を向上させることや、船、電車、自動車等の構造部に繊維強化シートを接着することで、従来の構造部材よりも軽量化することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る繊維強化シートを示す正面断面図である。 図2は、本発明の第1の実施形態に係る繊維強化シートを示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明を実施する好ましい形態の一例について説明する。ただし、下記の実施形態は本発明を説明するための例示であり、本発明は下記の実施形態に何ら限定されるものではない。
<1.繊維強化シート>
図1は、繊維強化シート1の一実施形態を説明するための図である。図1に示すように、繊維強化シート1は、シート状の基材部10と、基材部10上に設けられた複数のリブ部11とを有している。そして、リブ部11は表面側のスキン部12に被覆されたコア部13から構成されている。
図2は、繊維強化シートの斜視図である。複数のリブ部11は、基材部10に沿った第1方向d1に配列されている。各リブ部11は、第1方向d1に直交して基材部10に沿った第2方向d2に直線状に延在している。即ち、繊維強化シート1の長手方向(第1方向d1)に対して垂直な方向に、線状のリブ部11が延在するように繊維強化シート1が形成されている。したがって、配列方向に隣り合う二つのリブ部11の間に、リブ部11が存在しない基材部10からなる層が存在する。
本発明の繊維強化シートの長さは特に限定されないが、長い程反りが発生しやすい観点から通常10cm以上、好ましくは50cm以上、より好ましくは100cm以上、更に好ましくは200cm以上であり、一方上限は通常50m以下、好ましくは10m以下、より好ましくは5m以下である。
<2.基材部>
本発明の繊維強化シート1において、基材部10の厚みは、特に限定されないが、通常2.0cm以下であることが好ましく、より好ましくは1.0cm以下、特に好ましくは0.5cm以下である。なお、基材部10の厚みが均一でないときは、基材部全体の平均厚みを厚みとする。
本発明の基材部10は、リブ部と接着出来る材料であれば特に限定されない。例えば、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を含む樹脂シート;鉄、アルミ等の金属シート;ガラスシート、ガラス繊維や炭素繊維からなる繊維状基材;等が挙げられ、リブ部に用いられる熱可塑性樹脂との接着強度の観点から繊維状基材が好ましく、コスト面からガラス繊維を含む繊維状基材がより好ましい。また、基材部10は1層であっても2層以上であってもよい。
例えば、ガラス繊維を含む繊維状基材の形態としては、サフェースマット、ガラスマット、ガラスクロス、ロービングクロスの何れでもよく、熱可塑性樹脂との接着性の観点から織物構造を備えるガラスクロス又はロービングクロスが好ましく、ロービングクロスがより好ましい。
本発明の基材部10は、リブ部との接着性及び基材部の機械強度の観点から、ガラス繊維層が2層以上含まれていてもよく、ガラスクロス層とロービングクロス層を少なくとも備えることがより好ましい。リブ部と接触する層にガラスクロス層を備えることが更に好ましい。また、外観やガラス繊維の飛散性(皮膚刺激性)を低減するために、3層以上の構成とした上で、ガラスロービング層の両面をガラスクロス層としてもよい。
本発明の基材部10は、樹脂に含浸されていてもよいし、未含浸部を備えていてもよいが、基材部をコンクリートや、金属、樹脂からなる構造部材に接着するためには、基材部10は樹脂未含浸部を備えることが好ましく、基材部10のリブ部11を備える面の反対面が樹脂未含浸であることがより好ましく、リブ部との接着面及び繊維層の接着面以外の箇所で樹脂が含浸していない状態が更に好ましい。
基材部が樹脂に含浸されている場合、用いる樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂や、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられ、ガラス繊維との接着材の観点からポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂が好ましく用いられ、ポリエステル系樹脂がより好ましく、不飽和ポリエステル系樹脂が更に好ましい。
<3.リブ部>
本発明の繊維強化シート1において、基材部10上に設けられたリブ部11の高さは、繊維強化シート1が第2方向d2に折れ曲がらない高さであることが好ましい。具体的には通常0.3cm以上、好ましくは0.8cm以上、より好ましくは1.2cm以上、特に好ましくは2.0cm以上であり、上限は特に限定されないが通常7cm以下、好ましくは5.1cm以下、より好ましくは4.0cm以下、更に好ましくは3.0cm以下である。
リブ部11の高さが上記範囲であると、繊維強化シート1が第2方向d2に対して垂直方向への応力に対し、高い曲げ強度を備える。なお、リブ部11の高さとは、リブ部12が存在しない基材部10の表面から、リブ部11の頂点部に存在するスキン部12の表面までを測定した長さである。
また、リブ部11の幅は、リブ部の高さに合わせて任意に調整することが出来るが、通常0.3cm以上、好ましくは0.5cm以上、より好ましくは0.8cm以上、特に好ましくは1.0cm以上であり、上限は特に限定されないが通常5.0cm以下、好ましくは3.0cm以下、より好ましくは2.0cm以下である。
リブ部11の幅が上記範囲であると、繊維強化シート1が第2方向d2に対して垂直方向への応力に対し、高い曲げ強度を備える。なお、リブ部11の幅とは、リブ部12が存在しない基材部10の表面から、リブ部11の頂点部に存在するスキン部12の表面までを測定した長さである。
また、リブ部11の長さは、長い程反りが発生しやすい観点から通常10cm以上、好ましくは50cm以上、より好ましくは100cm以上、更に好ましくは200cm以上であり、一方上限は通常50m以下、好ましくは10m以下、より好ましくは5m以下である。
押出成形で製造する場合は、実質的に長さの上限はなく、目的とする用途に応じて切断すればよい。
<4.スキン部>
本発明のリブ部11はスキン部12とコア部13を備え、外層がスキン部12、芯層がコア部13であることが好ましい。スキン部13は炭素繊維と熱可塑性樹脂を含む炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体からなり、炭素繊維に熱可塑性樹脂が含浸されたプリプレグシートであることが好ましい。
(4.1炭素繊維)
本発明のスキン部13に用いる炭素繊維としては、例えば、PAN系炭素繊維、PITCH系炭素繊維などが挙げられ、PAN系炭素繊維が好ましく用いられる。炭素繊維の平均径は、4μm以上が好ましく、6μm以上がより好ましい。また、炭素繊維の平均径は、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。なお、本発明において、平均径とは、ランダムに選択した100個の炭素繊維の繊維径の相加平均値である。また、繊維径とは、繊維の長さ方向に直交する方向に沿った断面において、この断面(略円形)の直径のことをいう。
各炭素繊維は、一般的に単繊維(フィラメント)であり、また、炭素繊維は複数集まって炭素繊維束(トウ)を構成する。好ましくは炭素繊維束を用いることが好ましい。
各炭素繊維束を構成している炭素繊維の本数(ストランド一本あたりに含まれるフィラメントの数)は、通常1000本以上、好ましくは3000本以上、より好ましくは12000本以上、更に好ましくは24000本以上であり、一方上限は特に限定されないが、通常100000本以下、好ましくは50000本以下、より好ましくは48000本以下、特に好ましくは30000本以下である。
一般に炭素繊維束のフィラメント数が増える程、フィラメントあたりの機械物性及び樹脂の含浸性も低下する傾向にあるが、同様に炭素繊維束の重量あたりの価格も低下するため、用途に応じて適切なフィラメント数の炭素繊維束を選択することができる。
炭素繊維束を用いる場合、一方向連続繊維を用いる場合は、48000本以上100000本以下が、織物の炭素繊維束を用いる場合は12000本以上48000本以下が好ましく用いられる。
炭素繊維束は、様々な形態で使用されてもよい。例えば、複数の繊維束が一方向に配向されてなる一方向連続繊維(UniDirection繊維)、複数の繊維束が織られて形成された織物、繊維束が編まれて形成された編物、複数の繊維束と熱可塑性樹脂繊維からなる不織布などの形態で使用されるとよい。これらの中では、一方向連続繊維及び織物が好ましく、縦横方向に高い機械物性を持つ織物がより好ましい。織物は、平織、綾織及び朱子織などで織られればよく、等方性を備える平織又は綾織りが好ましい。また、編物としては、各繊維配向方向に繊維が直進性をもった形で配置されるノンクリンプファブリックが好ましい。
また、炭素繊維織物の場合の目付は、通常20〜800g/m2であり、100〜40g/m2が好ましい。炭素繊維束の目付が20g/m2以上であると、本発明の開繊炭素繊維束より形成された繊維強化複合材料の機械的強度が向上する。また、炭素繊維束の目付が800g/m2以下であると、炭素繊維間にマトリックス樹脂を均一に含浸させることができ、繊維強化複合材料の機械的強度が向上する。目付は、より好ましくは150〜300g/m2である。
(4.2熱可塑性樹脂)
スキン部12に含まれる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、芳香族ポリエーテルケトンなどが挙げられ、繊維間に含浸する際に影響する粘度と機械物性のバランスがよいポリオレフィン系樹脂や、粘度が高いが耐薬品性に優れる塩化ビニル樹脂、耐熱性に芳香族ポリエーテルケトンが好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂が挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体などが挙げられる。プロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体の何れであってもよい。なお、プロピレンと共重合されるオレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィンなどが挙げられる。
芳香族ポリエーテルケトンとしては、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン等が挙げられ、ポリエーテルエーテルケトンが耐熱性と機械物性の観点から好ましく用いられる。
(4.3炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体)
炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体は、上記した炭素繊維と、熱可塑性樹脂とを含み、炭素繊維を熱可塑性樹脂で含浸したプリプレグシートであることが好ましい。これらプリプレグシートは積層して用いてもよい。
炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体中に含まれる炭素繊維の配向は、一方向性の炭素繊維のみであってもよいし、1方向性炭素繊維を含むプリプレグを配向が異なる方向に並べた上で積層してもよいし、織物のように2軸に配向している炭素繊維を用いてもよい。
炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体における、炭素繊維の含有量は10〜70体積%が好ましく、20〜60体積%がより好ましく、30〜50体積%が更に好ましい。繊維強化複合材料において、マトリックス樹脂の含有量は、30〜90体積%が好ましく、40〜80体積%が好ましく、30〜60体積%が更に好ましい。
熱可塑性樹脂を炭素繊維に含浸させる方法は、特に限定されない。例えば、溶融樹脂をシートダイなどを用いてフィルム状に押出し、炭素繊維に積層した後に、加熱しながら圧縮することにより熱可塑性樹脂を炭素繊維に含浸させる方法(フィルム含浸法)や、ダイから熱可塑性樹脂と炭素繊維を一度に引き抜く押出成形方法などが挙げられ、生産性の観点からフィルム含浸法が好ましく用いられる。
(5.コア部)
本発明のコア部13は、発泡倍率が1.05倍〜2.0倍の発泡熱可塑性樹脂からなる。発泡倍率は、1.1倍以上が好ましく、1.15倍以上がより好ましい、一方上限は1.8倍以下が好ましく、1.6倍以下がより好ましく、1.5倍以下が更に好ましく、1,3倍以下が特に好ましい。
コア部に含まれる樹脂の発泡倍率が上記範囲であると、リブ部の機械強度を保持したまま、コア部の樹脂収縮による反りや基板との接着性低下を抑制することができる。
本発明のコア部を構成する熱可塑性樹脂は、繊維強化シートの機械強度、特に繊維強化シートの長尺方向(巻き取りおよび巻き出し方向)と垂直の方向の機械強度を向上させる機能を有するものであるため、適度な強度を有している材料から構成されることが好ましく、成形性や加工性の観点からは、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。また熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂を用いることができ、機械強度の観点からポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポロプロピレン系樹脂がより好ましい。
本発明の発泡倍率のコア部13を製造する方法としては、公知の発泡成形方法であれば特に限定されないが、ガス発泡や発泡剤を加えた後に加熱する方法が挙げられ、発泡倍率を微細に制御できる観点から、発泡剤を含む熱可塑性樹脂組成物を加熱し、発泡熱可塑性樹脂とする方法が好ましい。
発泡剤としては、熱分解によってガス化する熱分解性発泡剤や、低沸点化合物を熱可塑性バルーン材に導入した熱膨張性中空粒子等が挙げられ、均一な気泡が得られる観点から熱膨張性中空粒子が好ましく用いられる。
発泡剤を含む熱可塑性樹脂組成物中の発泡剤の含有量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、通常0.1質量部以上、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上であり、一方上限は通常4質量部以下、好ましくは3質量部以下、より好ましくは2質量部以下、更に好ましくは1.5質量部以下である。発泡剤含有量を上記範囲とすることで、得られる発泡性樹脂組の発泡倍率を本願規定の範囲に制御しやすくなる。
<6.繊維強化シートの製造方法>
上記繊維強化シートの成形方法としては、熱可塑性樹脂を用いる場合の方法として、加熱により樹脂を軟化させた状態でロールフォーミング成形を行う方法や、押出成形を行う方法、整形後に曲げ加工を行う方法等が挙げられる。長尺品の製造が可能という点で押出成形法が好ましく用いられる。
押出成形法の例として、スキン部13を金型内でリブ形状に成形した後、スキン部にコア部となる樹脂を充填させる。コア部となる樹脂は押出混練機を用いて、樹脂を連続的に射出することができる。そして、スキン部13とコア部11を押出成形金型内で加熱し一体とした後に、基材部とリブ部とを接触させて融着する方法が挙げられる。
これら金型から排出された繊維強化シートは冷却しながら、押出物を引き取ることで、長尺成形品を得ることができる。
コア部とスキン部を押出成形金型内で一体化する方法を用いる場合の金型温度は、通常200度以上、好ましくは205度以上であり、一方上限は通常240度以下、好ましくは230度以下、より好ましくは220度以下である。
金型温度が上記範囲であると、スキン部とリブ部の接着強度が向上するとともに、樹脂の収縮が低減され、結果として得られる繊維強化シートの反りが低減される傾向にある。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、これらの例により本発明が限定されるものではない。
<原料>
(スキン部)
[炭素繊維]
CF:台湾プラスチックス社製 商品名「TC−35 12K」(PAN系炭素繊維束、フィラメント数:24000本、UD繊維)
[繊維強化熱可塑性樹脂複合体]
CFプリプレグ:CFにポリプロピレン樹脂を含浸させたUDプリプレグ
(コア部)
[熱可塑性樹脂]
PP:プライムポリマー社製E111G(ホモポリプロピレン樹脂)
[発泡粒子]
AD:積水化学社製アドバンセルEM P501E1(シェル部:アクリルニトリル、コア部:低沸点炭化水素)
(基材部)
GF基材:北陸ファイバーグラス社製RC800(ガラスロービングクロス)
<評価方法>
(発泡倍率)
発泡樹脂のみを採取し、比重計でかさ比重を測定し、未発泡の樹脂との比重差から発泡倍率を計算した。
(反り量)
地面に対して平行な定盤上にリブ部の長さ3.1mの繊維強化シートを、リブ部が下面になるように置き、定盤からリブ部の間の空間が、垂直方向に最大となる地点の距離をハイドゲージで測定した。この結果を反り量とした。
(曲げ剛性)
480mmのリブ数1本の繊維強化シートを作成し、リブ部頂点を下側に向けた状態で3点曲げ試験を実施した。試験条件は下記の通りである。
支点間距離:400mm
中央圧子 降下速度:5.0mm/min
中央圧子 半径:75mmR
(リブ重量)
繊維強化シートから1mのリブを基材部毎切り出し、重量計で測定した。
[実施例1]
スキン層となるCFプリプレグ3層を積層し、リブ頂点が下面となるような形状に型枠を用いて成形した後、225度に設定した押出成形金型内に導入した。次に金型内で、前記スキン層が充填されるように、PP100重量部にAD1重量部を含む樹脂組成物を200度にて上部から射出し続けた。
そして、押出成形金型から排出されたリブ部材が冷却される前に、リブ部材の頂点と反対面とGF基材と接触させ続けることで、リブ部とGF基材とを融着した。
上記押出成形行程を連続的に行うことで、長尺の繊維強化シートを製造することができた。
得られた繊維強化シートを、上述の通り曲げ剛性、リブ重量、反り量を評価し、表1に示す。また、射出時点の発泡樹脂を別途採取し、発泡倍率を評価した。
[実施例2]
押出成形金型温度を210度に変更した以外は実施例1と同様に繊維強化シートを製造した。得られた繊維強化シートの反り量を評価し、表1に示す。また、射出時点の発泡樹脂を別途採取し、発泡倍率を評価した。
[比較例1]
コア部に相当する樹脂組成物にADを添加しなかった以外は実施例1と同様に繊維強化シートを製造した。
[比較例2]
コア部に相当する樹脂組成物のAD添加量を5部とした以外は実施例1と同様に繊維強化シートを製造した。得られた繊維強化シートを、上述の通り曲げ剛性、リブ重量、反り量を評価し、表1に示す。また、射出時点の発泡樹脂を別途採取し、発泡倍率を評価した。
比較例1と、比較例2との対比から、リブ重量の軽減効果が見込まれる程度にコア部を発泡させると、曲げ剛性が大幅に低下することがわかった。また、比較例1、実施例1との対比から、微発泡樹脂をコア部に用いた繊維強化シートは曲げ剛性を十分に保ちながら反り量を大幅に低減出来ることがわかった。
そして、同じ微発泡樹脂をコア部に用いた繊維強化シートであっても、金型温度を制御することで、更なる反り量の低減効果が得られることがわかった。
上記結果から、微発泡樹脂をコア部に用いることで、成形後の樹脂の収縮を発泡部分が吸収し、繊維強化シートの反りを低減することが出来たと考える。
1 繊維強化シート
11 リブ部
12 スキン部
13 コア部

Claims (10)

  1. 基材部に対し、炭素繊維と熱可塑性樹脂を含む少なくとも1つのリブ部を備え、
    前記リブ部が、炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体からなるスキン部と、
    熱可塑性樹脂からなるコア部とを備える、繊維強化シートであって、
    前記コア部の樹脂発泡倍率が1.05倍〜2.0倍である、繊維強化シート。
  2. 前記基材部が、樹脂未含浸繊維束部又は樹脂を含浸していない表面を有する樹脂部分含浸部を含む、請求項1に記載の繊維強化シート。
  3. 前記基材部が、ガラスマット層又はガラスロービング層の何れかの層を含む、請求項1又は2に記載の繊維強化シート。
  4. 前記基材部が、不飽和ポリエステル樹脂を部分含浸されている、請求項1〜3の何れか1項に記載の繊維強化シート。
  5. 前記コア部の熱可塑性樹脂に、中空のアクリル粒子を含む、請求項1〜4の何れか1項に記載の繊維強化シート。
  6. 前記スキン部の炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体が、一方向性連続繊維を含むプリプレグシートである、請求項1〜5の何れか1項に記載の繊維強化シート。
  7. 前記リブ部の幅が0.3〜2cmであり、高さが0.3〜7cmであり、長さが10cm以上である、請求項1〜6の何れか1項に記載の繊維強化シート。
  8. 前記リブ部の長手方向垂直断面形状において、リブ部の頂点が湾曲形状である、請求項1〜7の何れか1項に記載の繊維強化シート。
  9. 繊維強化シートを製造する方法であって、
    炭素繊維強化熱可塑性樹脂複合体と、
    熱可塑性樹脂100重量部に対し、発泡剤を0.1〜4質量部含む熱可塑性樹脂組成物と、
    基材部と、
    を押出成形して、前記基材部の表面に少なくとも1つの凸状部を形成することを含む、繊維強化シートの製造方法。
  10. 押出成形時の金型温度が200〜240℃である、請求項9に記載の繊維強化シートの製造方法。
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