JP7010558B2 - 架橋フッ素樹脂チューブの製造方法、架橋フッ素樹脂チューブ及び熱回復物品 - Google Patents

架橋フッ素樹脂チューブの製造方法、架橋フッ素樹脂チューブ及び熱回復物品 Download PDF

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Description

本発明は、架橋フッ素樹脂チューブの製造方法、架橋フッ素樹脂チューブ及び熱回復物品に関する。
テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂は、耐熱性、易滑性、機械的強度等に優れている。そのため、今日では、これらのフッ素樹脂を含む熱収縮チューブの使用が検討されている。
しかしながら、上記フッ素樹脂のうち、PFA及びFEPは、溶融粘度が低いため、融点以上に加熱すると溶融変形し、所望の形状を維持し難い。そのため、今日ではこれらのフッ素樹脂に融点以下の温度下で放射線を照射することが提案されている(特許文献1、非特許文献1参照)。
特開2016-135862号公報
今村均:成形加工,29(9),336(2017)
しかしながら、上記公報に記載の方法を用いた場合、フッ素樹脂の架橋が進行しないか又は不十分となるため、成形品の耐摩耗性を十分に高め難い。つまり、従来の方法によると、所望の形状を維持しつつ、フッ素樹脂の架橋を促進し、耐摩耗性を高めることは困難である。
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、耐摩耗性が十分に高い架橋フッ素樹脂チューブを製造可能な架橋フッ素樹脂チューブの製造方法、並びに耐摩耗性が十分に高い架橋フッ素樹脂チューブ及び熱回復物品の提供を課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係る架橋フッ素樹脂チューブの製造方法は、フッ素樹脂を含む樹脂組成物を筒状体の内面に塗布する塗布工程と、上記塗布工程後の筒状体に低酸素雰囲気下かつ上記フッ素樹脂の融点以上の温度で放射線を照射する照射工程と、上記照射工程後に上記筒状体から成形体を分離する分離工程とを備え、上記フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体又はテトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体であり、上記筒状体が、内面側の表層にアルミ又はニッケルを含む。
上記課題を解決するためになされた本発明の他の一態様に係る架橋フッ素樹脂チューブは、架橋されたフッ素樹脂を主成分とし、上記フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体又はテトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体であり、熱収縮率が30%以上である。
上記課題を解決するためになされた本発明の他の一態様に係る熱回復物品は、当該架橋フッ素樹脂チューブと、当該架橋フッ素樹脂チューブの少なくとも片面に積層されるプライマー層とを備える。
本発明の架橋フッ素樹脂チューブの製造方法は、耐摩耗性が十分に高い架橋フッ素樹脂チューブを製造することができる。また、本発明の架橋フッ素樹脂チューブ及び熱回復物品は耐摩耗性が十分に高い。
本発明の一実施形態に係る架橋フッ素樹脂チューブの製造方法を示すフロー図である。 図1の架橋フッ素樹脂チューブの製造方法の塗布工程を示す模式的斜視図である。 図1の架橋フッ素樹脂チューブの製造方法の照射工程を示す模式的斜視図である。 図1の架橋フッ素樹脂チューブの製造方法の分離工程を示す模式的平面図である。 図1の架橋フッ素樹脂チューブの製造方法と異なる実施形態に係る架橋フッ素樹脂チューブの製造方法を示すフロー図である。 本発明の一実施形態に係る架橋フッ素樹脂チューブを示す模式的斜視図である。 本発明の一実施形態に係る熱回復物品を示す模式的斜視図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
本発明の一態様に係る架橋フッ素樹脂チューブの製造方法は、フッ素樹脂を含む樹脂組成物を筒状体の内面に塗布する塗布工程と、上記塗布工程後の筒状体に低酸素雰囲気下かつ上記フッ素樹脂の融点以上の温度で放射線を照射する照射工程と、上記照射工程後に上記筒状体から成形体を分離する分離工程とを備え、上記フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体又はテトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体であり、上記筒状体が、内面側の表層にアルミ又はニッケルを含む。
当該架橋フッ素樹脂チューブの製造方法は、筒状体の内面にテトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体又はテトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体を塗布した状態で、上記筒状体に低酸素雰囲気下かつ上記フッ素樹脂の融点以上の温度で放射線を照射することで、上記フッ素樹脂を十分に架橋することができる。また、当該架橋フッ素樹脂チューブの製造方法は、上記筒状体が内面側の表層にアルミ又はニッケルを含むので、上記フッ素樹脂の架橋後にこのフッ素樹脂を融点以下に冷却することで、架橋された上記フッ素樹脂を含む成形体(チューブ体)を上記筒状体から分離することができる。従って、当該架橋フッ素樹脂チューブの製造方法は、耐摩耗性が十分に高い架橋フッ素樹脂チューブを製造することができる。
上記筒状体の内面の算術平均粗さRaの上限としては100μmが好ましい。このように、上記筒状体の内面の算術平均粗さRaを上記上限以下とすることによって、上記分離工程で上記筒状体から成形体を容易に分離することができる。
上記フッ素樹脂の372℃におけるメルトフローレートとしては0.5g/10min以上が好ましい。このように、上記フッ素樹脂の372℃におけるメルトフローレートが上記下限以上であることによって、上記樹脂組成物の塗布性を高めることができる。
当該架橋フッ素樹脂チューブの製造方法は、上記分離工程後の上記成形体を拡径する拡径工程と、上記拡径工程後の上記成形体を冷却する冷却工程とをさらに備えるとよい。このように、上記分離工程後の上記成形体を拡径する拡径工程と、上記拡径工程後の上記成形体を冷却する冷却工程とをさらに備えることによって、熱収縮率の高い架橋フッ素樹脂チューブを容易かつ確実に製造することができる。
また、本発明の他の一態様に係る架橋フッ素樹脂チューブは、架橋されたフッ素樹脂を主成分とし、上記フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体又はテトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体であり、熱収縮率が30%以上である。
当該架橋フッ素樹脂チューブは、架橋されたテトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体又はテトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体を主成分としているので耐摩耗性が十分に高い。
当該架橋フッ素樹脂チューブの350℃における貯蔵弾性率としては1.0×10Pa以上が好ましい。このように、350℃における貯蔵弾性率が上記下限以上であることによって、当該架橋フッ素樹脂チューブの寸法安定性を十分に高めることができる。
当該架橋フッ素樹脂チューブの限界PV値としては200MPa・m/min以上が好ましい。このように、限界PV値が上記下限以上であることによって、当該架橋フッ素樹脂チューブの耐摩耗性をより高めることができる。
当該架橋フッ素樹脂チューブの光線透過率の下限としては90%が好ましい。当該架橋フッ素樹脂チューブは、耐熱性に優れるため、例えば近紫外LED、レーザー照明素子等の照明部材の保護チューブとして用いることができる。この場合、光線透過率が上記下限以上であることによって、上記照明部材の光量の低下を十分に抑えることができる。
また、本発明の他の一態様に係る熱回復物品は、当該架橋フッ素樹脂チューブと、当該架橋フッ素樹脂チューブの少なくとも片面に積層されるプライマー層とを備える。
当該熱回復物品は、当該架橋フッ素樹脂チューブを備えるので耐摩耗性が十分に高い。
なお、本発明において、「融点」とは、JIS-K7121:2012「プラスチックの転移温度測定方法」に準拠して示差走査熱量計(DSC)により測定される融点ピーク温度をいう。「算術平均粗さRa」とは、JIS-B0601:2001に準じてカットオフ値(λc)0.25mm、評価長さ(l)10mmで測定される値を意味する。「主成分」とは、質量換算で最も含有割合の高い成分をいい、例えば含有量が50質量%以上の成分をいう。「熱収縮率」とは、350℃で加熱した収縮後の直径を基準とする加熱前の直径からの変化率をいう。「光線透過率」とは、厚さ1mmのシート体においてJIS-K7375:2008「プラスチック-全光線透過率及び全光線反射率の求め方」に準拠して測定された波長400nmの光の透過率をいう。「メルトフローレート」とは、押出し形プラストメータを用い、JIS-K-7210:2014に準拠して、荷重21.6kgの条件で測定される値をいう。「貯蔵弾性率」とは、粘弾性体に正弦的振動ひずみを与えたときの、応力及びひずみの関係を表わす複素弾性率を構成する一項(実数項)であり、粘弾性測定器(DMS)により測定される値をいう。「限界PV値」とは、JIS-K7218:1986「プラスチックの滑り摩耗試験方法」に準拠し、速度を25m/minで一定とした条件及び荷重を10MPaで一定とした条件の2つの条件で測定した測定値のうち、低い方の測定値をいう。具体的には、試験片上に相手材としての金属(S45C)製の円筒(外径/内径=11.5/7.4)を載せ、ドライの潤滑条件下で所定の荷重(面圧:P)を加えた状態で、試験片を所定の速度(回転速度:V)で回転させ、円筒に生じる反動トルクにより動摩擦係数を測定する。このとき、速度(V)及び荷重(P)の一方を一定とし、他方を変化させることで求められる低い方の測定値(急激な摩耗が発生するP・V値)をいう。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の好適な実施形態について、以下に図面を参照しつつ説明する。
[第一実施形態]
<架橋フッ素樹脂チューブの製造方法>
当該架橋フッ素樹脂チューブの製造方法は、図1に示すように、フッ素樹脂を含む樹脂組成物を筒状体の内面に塗布する塗布工程と、上記塗布工程後の筒状体に低酸素雰囲気下かつ上記フッ素樹脂の融点以上の温度で放射線を照射する照射工程と、上記照射工程後に上記筒状体から成形体を分離する分離工程とを備える。上記フッ素樹脂は、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)又はテトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)である。また、上記筒状体は、内面側の表層にアルミ又はニッケルを含む。なお、「内面側の表層」とは、内面側の最表面に露出する層をいう。
当該架橋フッ素樹脂チューブの製造方法は、上記筒状体の内面に上記フッ素樹脂(PFA又はFEP)を塗布した状態で、上記筒状体に低酸素雰囲気下かつ上記フッ素樹脂の融点以上の温度で放射線を照射することで、上記フッ素樹脂を十分に架橋することができる。当該架橋フッ素樹脂チューブの製造方法は、上記フッ素樹脂を融点以上の温度に加熱しつつ、上記筒状体の外面側から放射線を照射することで、上記筒状体を透過した放射線を上記フッ素樹脂に照射するものである。当該架橋フッ素樹脂チューブの製造方法は、上記塗布工程で塗布した樹脂組成物の外面側を上記筒状体で支持した状態で上記フッ素樹脂に放射線を照射するので、上記樹脂組成物全体としてチューブ形状を維持しつつ上記フッ素樹脂を十分に架橋することができる。また、当該架橋フッ素樹脂チューブの製造方法は、上記筒状体が内面側の表層にアルミ又はニッケルを含むので、上記フッ素樹脂を架橋後に融点以下に冷却することで、架橋された上記フッ素樹脂を含む成形体(チューブ体)を上記筒状体から分離することができる。つまり、上記フッ素樹脂の線膨張係数は上記筒状体の形成材料の線膨張係数よりも大きいので、上記フッ素樹脂を架橋後に融点以下に冷却することで上記筒状体及び上記成形体の熱収縮率の相違を利用して上記成形体を上記筒状体から容易に分離することができる。従って、当該架橋フッ素樹脂チューブの製造方法は、耐摩耗性が十分に高い架橋フッ素樹脂チューブを製造することができる。
(塗布工程)
図2に示すように、上記塗布工程では、筒状体1の内面にPFA又はFEPを含む樹脂組成物を塗布する。上記塗布工程では、筒状体1の内面に略均等な厚さで上記樹脂組成物を塗布することが好ましい。これにより、上記樹脂組成物は、外径が筒状体1の内径と等しいチューブ状の塗膜2に形成される。
〈筒状体〉
筒状体1は金属を主成分とする。上記金属としては、例えばアルミ、ステンレス鋼等が挙げられる。筒状体1の形状としては、筒状である限り特に限定されるものではなく、例えば円筒状、多角筒状等が挙げられる。また、筒状体1としては、軸方向に沿って径が変化するものや、有底筒状のものを用いることも可能である。
筒状体1は、放射線の透過量が等しくなるよう略均一な厚さに形成されることが好ましい。筒状体1の平均厚さとしては、必要な強度を保ちつつ放射線を適切に透過可能である限り特に限定されるものではなく、例えば100μm以上1000μm以下とすることができる。
筒状体1は、上述のように、内面側の表層にアルミ又はニッケルを含む。筒状体1は、内面側の表層の全面にアルミ又はニッケルを含むことが好ましい。筒状体1は、内面側の表層にアルミ又はニッケルを含むことで、上記フッ素樹脂を架橋して得られる成形体を容易に分離することができると考えられる。筒状体1の内面側の表層がアルミを含む例としては、例えば筒状体1全体をアルミ製とする構成や、ステンレス鋼等、他の金属製の本体の内面にアルミ層を形成する構成が挙げられる。また、筒状体1の内面側の表層がニッケルを含む例としては、例えば筒状体1全体をニッケル製とする構成や、ステンレス鋼等、他の金属製の本体の内面にアルカリ電解研磨処理を施す構成が挙げられる。上記本体の内面にアルカリ電解研磨処理を施すことで、上記本体の表層においてニッケルが濃縮され、上記成形体との分離性が高められると考えられる。
筒状体1の内面の算術平均粗さRaの上限としては、100μmが好ましく、50μmがより好ましく、20μmがさらに好ましい。上記算術平均粗さRaが上記上限を超えると、後述する分離工程において成形体を筒状体1から分離するのが容易でなくなるおそれがある。一方、筒状体1の内面の算術平均粗さRaは、小さい程好ましく、その下限としては特に限定されるものではなく、0μmであってもよい。
〈樹脂組成物〉
上記樹脂組成物は、上記フッ素樹脂としてPFA及びFEPのいずれか一方のみを含んでいてもよく、PFA及びFEPを共に含んでいてもよい。また、上記フッ素樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲において、他の共重合性モノマーに由来する重合単位を含んでいてもよい。上記他の共重合性モノマーに由来する重合単位の含有割合の上限としては、上記フッ素樹脂を構成する全重合単位に対して、例えば3モル%である。
上記フッ素樹脂の372℃におけるメルトフローレート(MFR)の下限としては、0.5g/10minが好ましく、10g/10minがより好ましく、15g/10minがさらに好ましい。上記MFRが上記下限に満たないと、上記樹脂組成物の塗布性が不十分となるおそれがある。なお、上記MFRの上限としては、特に限定されないが、筒状体1の内面に容易かつ確実に塗膜を形成できる観点から、例えば35g/10minとすることができる。
上記樹脂組成物は、上記フッ素樹脂を均一に分散させるための分散剤を含んでいてもよい。上記分散剤としては、例えば水及び乳化剤の混合液、水及びアルコールの混合液、水及びアセトンの混合液、水、アルコール及びアセトンの混合溶液等が挙げられる。
上記分散剤を除く上記樹脂組成物における上記フッ素樹脂の含有量の下限としては、60質量%が好ましく、85質量%がより好ましく、98質量%がさらに好ましい。また、上記含有量は100質量%であることが特に好ましい。上記含有量が上記下限に満たないと、耐熱性、易滑性、機械的強度等が不十分となるおそれがある。
上記樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、他のフッ素樹脂や、他の任意成分等を含んでいてもよい。上記他のフッ素樹脂としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン-エチレン共重合(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、フルオロオレフィン-ビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン-テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体等が挙げられる。また、上記任意成分としては、例えば着色剤、導電材、放熱材、蛍光剤、反射剤等が挙げられる。
〈塗布方法〉
上記塗布工程における塗布方法としては、例えば筒状体1を軸方向が鉛直方向となるように配置し、上記フッ素樹脂の粉体を上記分散剤に均一に分散させた樹脂組成物(ディスパージョン)を筒状体1の上方から垂らす方法や、上記ディスパージョン中に筒状体1を浸漬する方法が挙げられる。
(照射工程)
上記照射工程では、図3に示すように、筒状体1の内面に塗膜2が形成された状態で、低酸素雰囲気下かつ上記フッ素樹脂の融点以上の温度で、筒状体1の外面側から放射線を照射する。これにより、上記照射工程では上記分散媒を蒸発させると共に上記フッ素樹脂を架橋させる。その結果、上記フッ素樹脂樹を硬化してなるチューブ状の成形体が得られる。なお、上記樹脂組成物がPFA及びFEPを共に含む場合、上記照射工程では、PFA及びFEPのうち融点の高い方(PFA)の融点以上の温度で放射線を照射することが好ましい。
上記照射工程における具体的な放射線の照射温度は、上記フッ素樹脂がPFA(融点:304℃以上310℃以下)である場合、310℃以上であり、上記フッ素樹脂がFEP(融点:270℃)である場合、270℃以上である。上記照射工程における放射線の照射温度の下限としては、上記融点より5℃高い温度が好ましい。一方、上記照射温度の上限としては、上記融点よりも50℃高い温度が好ましく、上記融点よりも20℃高い温度がより好ましい。上記温度下で放射線を照射することで、上記フッ素樹脂の主鎖の切断を抑制しつつ、分子間の架橋を促進できる。
上記照射工程における酸素濃度の上限としては、100体積ppmが好ましく、10体積ppmがより好ましく、5体積ppmがさらに好ましい。上記酸素濃度が上記上限を超えると、上記フッ素樹脂の分解が生じるおそれがある。
上記放射線としては、例えばγ線、電子線、X線、中性子線、高エネルギーイオン線等の電離放射線が挙げられる。また、電離性放射線の照射線量の下限としては、10kGyが好ましく、70kGyがより好ましく、260kGyがさらに好ましい。上記照射線量が上記下限より小さいと、上記フッ素樹脂の架橋反応が十分進行しないおそれがある。一方、上記照射線量の上限としては、照射量が不必要に多くなることを防止する点から、例えば2000kGyが好ましく、1200kGyがより好ましく、400kGyがさらに好ましい。
(分離工程)
上記分離工程では、図4に示すように、上記照射工程で形成された成形体3を筒状体1から分離する。上記分離工程では、上記照射工程によって上記フッ素樹脂の融点以上に加熱した温度を上記フッ素樹脂の融点未満に冷却し、上記フッ素樹脂の線膨張係数と筒状体1の形成金属の線膨張係数との相違を利用して成形体3を筒状体1から分離する。具体的には、上記分離工程では、上記照射工程で上記フッ素樹脂の融点以上に加熱した温度を上記フッ素樹脂の融点未満に冷却することで、成形体3の径を筒状体1の径に対して相対的に縮径させ、成形体3を筒状体1から分離する。
上記分離工程における冷却温度としては、例えば10℃以上30℃以下とすることができる。
なお、上記分離工程では、基材を薬品等で溶解させたり、分解させることで成形体3を分離する方法を採用することも可能である。
[第二実施形態]
図5の架橋フッ素樹脂チューブの製造方法は、フッ素樹脂を含む樹脂組成物を筒状体の内面に塗布する塗布工程と、上記塗布工程後の筒状体に低酸素雰囲気下かつ上記フッ素樹脂の融点以上の温度で放射線を照射する照射工程と、上記照射工程後に上記筒状体から成形体を分離する分離工程と、上記分離工程後の上記成形体を拡径する拡径工程と、上記拡径工程後の上記成形体を冷却する冷却工程とを備える。当該架橋フッ素樹脂チューブの製造方法は、上記フッ素樹脂がPFA又はFEPであり、上記筒状体が内面側の表層にアルミ又はニッケルを含む。当該架橋フッ素樹脂チューブの製造方法の塗布工程、照射工程及び分離工程としては、図1の架橋フッ素樹脂チューブの製造方法の塗布工程、照射工程及び分離工程と同様である。つまり、当該架橋フッ素樹脂チューブの製造方法は、図1の分離工程の後工程として、拡径工程及び冷却工程を備える。そのため、以下では、拡径工程及び冷却工程についてのみ説明する。
当該架橋フッ素樹脂チューブの製造方法は、上記分離工程後に拡径工程及び冷却工程をさらに備えるので、熱収縮率の高い架橋フッ素樹脂チューブを容易かつ確実に製造することができる。
(拡径工程)
上記拡径工程は、例えば上記分離工程で分離された成形体3が通過する内部空間を有する略円筒状の公知のサイジング管(不図示)を用いて行うことが可能である。上記拡径工程では、例えば上記内部空間を減圧しつつ、上記サイジング管内を通過する成形体3内に気体を供給する。これにより、上記拡径工程では、成形体3の外径を上記サイジング管の内径まで拡径することができる。
(冷却工程)
上記冷却工程では、上記拡径工程で拡径された成形体3を冷却固定する。これにより、冷却固定後の成形体3が図6の架橋フッ素樹脂チューブ11として構成される。上記冷却工程による冷却固定後の架橋フッ素樹脂チューブ11の径は、上記拡径工程による拡径後の径と略等しい。上記冷却工程における冷却源としては、例えば水、冷風、冷媒等が挙げられる。
<架橋フッ素樹脂チューブ>
図6の架橋フッ素樹脂チューブ11は、当該架橋フッ素樹脂チューブの製造方法によって得られる。当該架橋フッ素樹脂チューブ11は、架橋されたフッ素樹脂を主成分とし、上記フッ素樹脂がPFA又はFEPであり、熱収縮率が30%以上である。
当該架橋フッ素樹脂チューブ11は、架橋されたPFA又はFEPを主成分としているので耐摩耗性が十分に高い。
また、当該架橋フッ素樹脂チューブ11は、上記フッ素樹脂が十分に架橋されているため、上記拡径工程で十分に拡径することができ、これにより熱収縮率を30%以上とすることができる。当該架橋フッ素樹脂チューブ11は、熱収縮率が上記下限以上であることによって、異形状に収縮することが容易であり、種々の形状の部材を適切に被覆することができる。
当該架橋フッ素樹脂チューブ11の熱収縮率の下限としては、50%が好ましく、95%がより好ましい。上記熱収縮率が下限以上であることによって、異形状に収縮することがより容易となる。なお、上記熱収縮率の上限としては、特に限定されるものではないが、上述の拡径工程を容易かつ確実に行う観点から、例えば300%とすることができる。
当該架橋フッ素樹脂チューブ11の350℃における貯蔵弾性率の下限としては、1.0×10Paが好ましく、1.2×10Paがより好ましい。上記貯蔵弾性率が上記下限に満たないと、当該架橋フッ素樹脂チューブ11の寸法安定性が不十分となるおそれがある。一方、当該架橋フッ素樹脂チューブ11の350℃における貯蔵弾性率の上限としては、特に限定されないが、例えば1.0×10Paとすることができる。
当該架橋フッ素樹脂チューブ11の限界PV値の下限としては、200MPa・m/minが好ましく、500MPa・m/minがより好ましく、800MPa・m/minがさらに好ましい。上記限界PV値が上記下限に満たないと、当該架橋フッ素樹脂チューブ11の耐摩耗性が不十分となるおそれがある。一方、当該架橋フッ素樹脂チューブ11の限界PV値の上限としては、特に限定されないが、例えば1000MPa・m/minとすることができる。
当該架橋フッ素樹脂チューブ11の光線透過率の下限としては、90%が好ましく、95%がより好ましい。当該架橋フッ素樹脂チューブ11は、上記照射工程による放射線の照射によって上記フッ素樹脂の結晶が細分化され、これにより光線透過率を高めることができる。また、当該架橋フッ素樹脂チューブ11は、耐熱性に優れるため、例えば近紫外LED、レーザー照明素子等の照明部材の保護チューブとして用いることができる。この場合、上記光線透過率が上記下限に満たないと、上記照明部材の光量が不十分となるおそれがある。なお、上記光線透過率の上限としては、特に限定されるものではなく、例えば100%とすることができる。
[第三実施形態]
<熱回復物品>
図7の熱回復物品21は、図6の架橋フッ素樹脂チューブ11と、架橋フッ素樹脂チューブ11の少なくとも片面に積層されるプライマー層22とを備える。当該熱回復物品21は、架橋フッ素樹脂チューブ11の外周面にプライマー層22が積層されている。プライマー層22は架橋フッ素樹脂チューブ11の外周面の全面に積層されることが好ましい。当該熱回復物品21は、架橋フッ素樹脂チューブ11とプライマー層22との2層体である。
当該熱回復物品21は当該架橋フッ素樹脂チューブ11を備えるので耐摩耗性が十分に高い。
(プライマー層)
プライマー層22は架橋フッ素樹脂チューブ11と被着対象物品(不図示)との間に配設され、防水性及び架橋フッ素樹脂チューブ11と被着対象物品との密着性を高める。つまり、プライマー層22は、架橋フッ素樹脂チューブ11と被着対象物品とを接着する接着剤層である。プライマー層22の主成分としては、例えばPFA、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアミド等の合成樹脂が挙げられる。上記合成樹脂は、電離性放射線の照射等によって架橋されていてもよい。また、プライマー層22は、粘度特性改良剤、劣化抑制剤、難燃剤、滑材、着色剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、粘着剤等の添加剤を含んでもよい。
当該熱回復物品21は、プライマー層22を備えるので、金属製、ゴム製等の被着対象物品に架橋されたフッ素樹脂を主成分とする架橋フッ素樹脂チューブ11を容易かつ確実に被着させることができる。より詳しく説明すると、従来の方法によると、被着対象物品に架橋フッ素樹脂チューブを被覆した後にフッ素樹脂を架橋させる必要があったため、加熱温度に被着対象物品が耐えられない等の理由から所望の被着体を得ることが困難であった。これに対し、当該熱回復物品21は、フッ素樹脂が予め架橋されているので、被着対象物品の品質の低下を抑制しつつ、架橋フッ素樹脂チューブ11を被着対象物品に容易かつ確実に被着させることができる。特に、当該熱回復物品21は、プライマー層22が架橋フッ素樹脂チューブ11の外周面に積層されているので、架橋フッ素樹脂チューブ11を被着対象物品の内周面に容易かつ確実に積層することができる。
<製造方法>
当該熱回復物品21の製造方法は、架橋フッ素樹脂チューブ11にプライマー層22を積層する積層工程を備える。
上記積層工程は、架橋フッ素樹脂チューブ11の少なくとも片面にプライマー層22を形成するためのプライマー層形成用組成物を塗布する塗布工程と、上記塗布工程後の上記プライマー層形成用組成物を焼成する焼成工程とを有する。
当該熱回復物品の製造方法は、耐摩耗性が十分に高い当該熱回復物品21を容易かつ確実に製造することができる。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば上記拡径工程及び冷却工程の具体的手順は特に限定されるものではない。また、当該架橋フッ素樹脂チューブの製造方法は、上記冷却工程による冷却後に成形体を巻き取る巻取り工程を有していてもよい。
当該熱回復物品において、上記プライマー層は必ずしも架橋フッ素樹脂チューブの外周面に積層される必要はなく、架橋フッ素樹脂チューブの内周面に積層されてもよい。また、上記プライマー層は、架橋フッ素樹脂チューブの両面に積層されてもよい。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例]
[No.1]
上述の塗布工程として、平均厚さ200μm、平均内径30mm、内面のJIS B0601:2013に規定する最大高さ粗さRz1μmであるアルミ箔(1050)パイプの内面に粉体状のPFA(三井デュポンフロロケミカル社製「MP102」)を静電粉体塗装した。上記PFAの融点は310℃、372℃におけるMFRは20g/10minであった。次に、上記PFAを350℃で20分間焼成した後、上述の照射工程として、酸素濃度5体積ppm以下の低酸素雰囲気下で330℃に加熱し、株式会社NHVコーポレーション製の電子線加速装置を用いて上記アルミパイプの外面側から電子線を照射した。照射条件は、加速電圧1160kV、照射量300kGyとした。続いて、上述の分離工程として、25℃まで冷却し、アルミ及びPFAの線膨張係数の相違を利用して上記筒状体の内面に形成されたチューブ状の成形体を分離した。これにより、平均厚さ180μm、内径30mmの架橋されたPFAを主成分とする架橋フッ素樹脂チューブを製造した。
[比較例]
[No.2]
上述の照射工程を行わなかった以外はNo.1と同様にして架橋フッ素樹脂チューブを製造した。
[No.3]
上記照射工程における加熱温度を200℃とし、電子線の照射量を50kGyとした以外はNo.1と同様にして架橋フッ素樹脂チューブを製造した。
<架橋フッ素樹脂チューブの品質>
(貯蔵弾性率)
No.1からNo.3の架橋フッ素樹脂チューブを、長さ20mm、幅10mmの矩形状に切断した試験片を作成した。これらの試験片を、粘弾性測定器(DMS)(アイティー計測制御社の「DVA-200」)を用い、窒素雰囲気下において、測定温度範囲25℃~400℃、昇温速度10℃/min、歪み振幅5μm、測定周波数1Hz、最小張力9.8mN、力振幅初期値29.4mNで測定した。350℃における貯蔵弾性率の測定結果を表1に示す。
(限界PV値)
No.1~No.3の架橋フッ素樹脂チューブから試験片を切り出し、この試験片を未架橋のPFAを50μmの厚さで積層した厚さ2mmのアルミ板(3003)に330℃で熱融着させた後、スラスト摩耗試験機にセットして限界PV値を求めた。相手材としては、材質がS45C、リング寸法(外径/内径)がΦ11.5/Φ7.4の円筒を用いた。限界PV値の測定結果を表1に示す。
Figure 0007010558000001
(熱収縮率)
No.1の架橋フッ素樹脂チューブを320℃の温度下で内圧を0.1MPa加え、内径を60mmに拡径し(拡径工程)、拡径直後に水冷することにより(冷却工程)、拡径状態で固定した。この拡径された架橋フッ素樹脂チューブを350℃で加熱すると、内径が31mmまで収縮した。
(熱回復物品)
上述の冷却工程後の架橋フッ素樹脂チューブを350℃で加熱し、内径30mmのアルミパイプの外周面に被覆した。この被覆後の架橋フッ素樹脂チューブの外周面に、PES及びPFAを1:1の割合で含有するプライマー層形成用組成物を塗布したうえ、330℃で20分間焼成し、架橋フッ素樹脂チューブの外周面にプライマー層が積層された熱回復物品を製造した。この熱回復物品は、架橋フッ素樹脂チューブ及びプライマー層が熱融着されており、両者間の25℃における剥離強度は10N/cmであった。
(被着体)
上記熱回復物品をアルミパイプから引き抜き、内径40mmのSUS304製のパイプの内周面に配設したうえ、内面側に350℃の空気を加えて膨張させた。これにより、プライマー層とSUS304製のパイプとが接着し、このパイプと架橋フッ素樹脂チューブとがプライマー層を介して接着された被着体が得られた。
[評価結果]
表1に示すように、No.1の架橋フッ素樹脂チューブはフッ素樹脂が十分に架橋されているので、限界PV値及び350℃における貯蔵弾性率がNo.2及びNo.3の架橋フッ素樹脂チューブよりも大きい。このことから、No.1の架橋フッ素樹脂チューブは、優れた耐摩耗性及び寸法安定性を有していることが分かる。
また、上述のように、No.1の架橋フッ素樹脂チューブは、高い熱収縮率を有している。さらに、No.1の架橋フッ素樹脂チューブを用いた熱回復物品は、架橋フッ素樹脂チューブ及びプライマー層間の剥離強度が高く、密着性に優れる被着体が得られている。
以上のように、本発明に係る架橋フッ素樹脂チューブの製造方法は、耐摩耗性が十分に高い架橋フッ素樹脂チューブを製造することができるので、OA機器や、照明部材等に好適に用いられる架橋フッ素樹脂チューブの製造方法として適している。
1 筒状体
2 塗膜
3 成形体
11 架橋フッ素樹脂チューブ
21 熱回復物品
22 プライマー層

Claims (7)

  1. フッ素樹脂を含む樹脂組成物を筒状体の内面に塗布する塗布工程と、
    上記塗布工程後の筒状体に低酸素雰囲気下かつ上記フッ素樹脂の融点以上の温度で放射線を照射する照射工程と、
    上記照射工程後に上記筒状体から成形体を分離する分離工程と
    を備え、
    上記フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体又はテトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体であり、
    上記筒状体が、内面側の表層にアルミ又はニッケルを含む架橋フッ素樹脂チューブの製造方法。
  2. 上記筒状体の内面の算術平均粗さRaが100μm以下である請求項1に記載の架橋フッ素樹脂チューブの製造方法。
  3. 上記フッ素樹脂の372℃におけるメルトフローレートが0.5g/10min以上である請求項1又は請求項2に記載の架橋フッ素樹脂チューブの製造方法。
  4. 上記分離工程後の上記成形体を拡径する拡径工程と、
    上記拡径工程後の上記成形体を冷却する冷却工程と
    をさらに備える請求項1、請求項2又は請求項3に記載の架橋フッ素樹脂チューブの製造方法。
  5. 架橋されたフッ素樹脂を主成分とし、
    上記フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体又はテトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体であり、
    熱収縮率が30%以上であり、
    350℃における貯蔵弾性率が1.0×10 Pa以上であり、かつ限界PV値が200MPa・m/min以上である架橋フッ素樹脂チューブ。
  6. 光線透過率が90%以上である請求項5に記載の架橋フッ素樹脂チューブ。
  7. 請求項5又は請求項に記載の架橋フッ素樹脂チューブと、この架橋フッ素樹脂チューブの少なくとも片面に積層されるプライマー層とを備える熱回復物品。
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