JP7009341B2 - アルカリ水電解装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アルカリ水溶液を電気分解するアルカリ水電解装置に関する。
近年、エネルギの貯留手段や輸送手段として水素を用いることが注目され、水素を製造する水電解装置の開発が進められている。例えば、特許文献1には、複数のセル(アノード電極、カソード電極)をアルカリ水溶液中に配置し、各セルに電力を供給することでアルカリ水溶液を電気分解して水素を生成するアルカリ水電解装置(水素製造システム)が開示されている。
特開2017-179557号公報
ところで、特許文献1に開示されているようなアルカリ水電解装置では、アルカリ水溶液によって溶解しない電極を用いる必要がある。例えば、溶解しない白金系の材料を用いて電極を構成すると、装置の製造コストが上昇することになる。溶解が生じない電極として、低コストの半導体(例えば、Fe23を有する鉄材料)を用いることも考えられるが、この種の半導体は、電気分解時に酸化がなされることで、電極の反応面積を減らして水素の生成効率を下げてしまう。
また、アノード電極とカソード電極の間に存在するアルカリ水溶液は、高い拡散抵抗を有しており、電気分解時には、この拡散抵抗により過電圧が生じることで、エネルギを多量に消費することになる。すなわち、アルカリ水溶液を用いた電気分解では、この種の過電圧をも低減して、水素の生成効率を向上することが求められている。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、アルカリ水溶液に配置した電極の状態を維持しつつ過電圧を下げることで、電気分解を一層効率的且つ持続的に行うことが可能なアルカリ水電解装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の一態様は、アノード電極とカソード電極を互いに対向させてアルカリ水溶液中に配置し、前記アノード電極及び前記カソード電極に電力を供給することで電気分解を行うアルカリ水電解装置であって、前記アノード電極は、受光に基づき起電力を生じる半導体で構成されており、前記アノード電極と前記カソード電極の間隙に配置され、少なくとも前記アノード電極に向けて光を出射する光出射体と、前記間隙が連続している方向に前記光出射体を移動させる動作を繰り返すことで、前記アルカリ水溶液を撹拌する撹拌機構部と、を備える。
上記によれば、アルカリ水電解装置は、アノード電極が半導体に構成され、このアノード電極に光を出射する光出射体と、アノード電極とカソード電極の間隙が連続している方向に光出射体を移動させる撹拌機構部と、を備えることで、電気分解を効率的且つ持続的に行うことができる。すなわち、光出射体は、撹拌機構部により間隙を移動する際にアルカリ水溶液を撹拌することで、電極付近に存在する気泡を除去して電極の反応面積の減少を抑制する。また、撹拌されたアルカリ水溶液は、拡散速度を超えるイオン伝導を得て拡散抵抗による過電圧を低下させ、電気分解時のエネルギを低減する。さらに、半導体に構成されたアノード電極は、光出射体からの受光により起電力を生じ、アルカリ水溶液中に電流を流して一対の電極付近の電気化学反応を促進する。しかも、受光時にアノード電極自体が還元される一方で、非受光時にアノード電極自体が酸化するので、見かけ上はアノード電極の状態が安定的に保たれる。その結果、アルカリ水電解装置は、酸素過電圧を低くして電極の状態を維持しつつ、電気分解をより効率化することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係るアルカリ水電解装置の全体構成を概略的に示す斜視図である。 図2Aは、電解槽内の構造を概略的に示す側面断面図である。図2Bは、図2AのIIB-IIB線の断面図である。 図2AのIII-III線断面で示す光出射体とアノード電極の配置状態を示す説明図である。 光出射体が回転した際の気泡の除去を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係るアルカリ水電解装置の電解槽内の構造を概略的に示す側面断面図である。 本発明の第3実施形態に係るアルカリ水電解装置の電解槽内の構造を概略的に示す側面断面図である。 本発明の第4実施形態に係るアルカリ水電解装置の全体構成を概略的に示す斜視図である。
以下、本発明について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係るアルカリ水電解装置10は、図1に示すように、アルカリ水溶液Wを貯留する電解槽12を有し、アルカリ水電気分解方式により水素を生成する。このアルカリ水電解装置10は、例えば、水素を製造及び蓄積して、図示しない燃料電池自動車に水素を供給する水素ステーションに適用される。或いは、アルカリ水電解装置10は、施設等の蓄電システムに適用可能であり、太陽光、風力、地熱等の自然エネルギによる電力又は低価格帯の電力等から水素を製造するシステムに適用することができる。
電気分解に用いるアルカリ水溶液Wは、特に限定されるものではないが、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム水溶液等があげられる。換言すれば本実施形態において、アルカリ水電解装置10は、pH14以上の強いアルカリ性を有するアルカリ水溶液Wを使用する。勿論、アルカリ水電解装置10は、pH14より低いアルカリ性のアルカリ水溶液を使用してもよい。
アルカリ水電解装置10は、上記の電解槽12と、電解槽12の内部に配置される一対の電極14と、一対の電極14に電力を供給する電解電源16と、アルカリ水電解装置10の動作を制御する制御装置18と、を備える。また、アルカリ水電解装置10は、アルカリ水溶液Wを電解槽12に供給すると共に電解槽12のアルカリ水溶液Wを排出する(すなわち、アルカリ水溶液Wを循環させてpHを略一定に保つ)図示しない循環回路部を有する。
図1及び図2Aに示すように、アルカリ水電解装置10の電解槽12は、所定の容積の貯留空間20を有する直方形状の箱に形成されている。なお、電解槽12の形状は、特に限定されるものではなく、後述する一対の電極14の円形状(平面形状)に応じて円筒状等に形成されてもよい。
電解槽12は、貯留空間20の上側の開口を閉じる蓋体26を有する(図1中では、図の理解の容易化のために図示を省略している)。蓋体26には、電気分解により生成され上方に移動した水素を電解槽12から移送して蓄積する水素蓄積部28が接続されている。例えば、水素蓄積部28は、蓋体26の取出ポート26aに接続され水素配管30と、水素配管30に接続され水素を圧縮して蓄圧する水素タンク32とを備える。水素配管30の途上には、生成した水素から水を分離してドライ水素(製品水素)とする図示しない気液分離部が設けられていてもよい。
電解槽12の貯留空間20を囲う内壁22は、強いアルカリ性のアルカリ水溶液Wでも溶けない耐性を有するように構成される。この内壁22には、一対の電極14を保持する複数の保持部材24が設けられている。また、電解槽12の内部には、アルカリ水溶液Wの上方を覆うように水素分離膜34が設けられる。水素分離膜34は、電気分解により生成された水素と酸素の混合気体から酸素を分離して、取出ポート26aが連通する空間に水素を移動させる。
さらに、電解槽12の内壁22には、生成した水素の発火を防止する防爆構造部36が設けられる。例えば、防爆構造部36は、電気分解中に貯留空間20に生じて滞留する電子(静電気)を取り除く構造体、及びこの構造体に接続される配線等により構成することができる。
アルカリ水溶液Wを電解槽12に循環させる循環回路部は、電解槽12に連通する循環用配管、この循環用配管に設けられるポンプ及び水溶液供給部等を備える(共に不図示)。アルカリ水溶液Wは、制御装置18によるポンプの制御下に循環用配管を流動して電解槽12の貯留空間20に供給されると共に、電解槽12から循環用配管に排出される。なお、アルカリ水電解装置10は、循環回路部を備えず、電解槽12内のアルカリ水溶液Wを適宜のタイミングで交換する構成でもよい。
アルカリ水電解装置10の一対の電極14は、アノード電極40(陽極)とカソード電極42(陰極)とにより構成され、両電極ともアルカリ水溶液W中に水没するように配置される。アノード電極40とカソード電極42は、平面視で、互いに略同じ面積及び板厚を有する円板状に形成されている。
アノード電極40及びカソード電極42は、電解槽12の複数の保持部材24にそれぞれ支持されることで、貯留空間20の適宜の位置に位置決め固定される。複数の保持部材24は、内壁22から内側に突出し、アノード電極40及びカソード電極42の各外縁の周方向上の複数箇所を保持している。これによりアノード電極40の電極面40aとカソード電極42の電極面42aは、電解槽12内において相互に対向し合った状態が維持される。なお、本実施形態では、アノード電極40を下側に配置し、カソード電極42を上側に配置しているが、一対の電極14の配置は逆でもよい。また、本実施形態では、アノード電極40、カソード電極42の電極面40a、42aを共に水平方向に延在した姿勢としているが、アルカリ水電解装置10は、このような配置に限定されるものではない。例えば、電極面40a、42aが重力方向に延在する立位姿勢で固定してもよく、電極面40a、42aが水面に対して傾斜する姿勢で固定してもよい。
アノード電極40及びカソード電極42は、電解槽12内で互いに平行に配置されており、相互の電極面40a、42a(対向面)の間に間隙44を形成している。間隙44は、電極面40a、42aの面方向に沿って一定間隔で連続している。間隙44の間隔は、水素の生成効率や電解槽12の大きさ等に応じて任意に設計することが可能であり、例えば、数十μm~数mmの範囲に設定されることが好ましい。
アノード電極40及びカソード電極42の各々には、電気配線46が接続され、この電気配線46は電解電源16に接続されている。電気配線46は、アノード電極40及びカソード電極42を保持する保持部材24内や電解槽12の壁部を介して、電解槽12の外部に通じている。
このように構成されたアルカリ水電解装置10は、電解電源16から適宜の電力を供給することで、アルカリ水溶液Wの電気分解を行う。具体的には、以下の化学反応式のように、アノード電極40では、アルカリ水溶液Wの塩基から酸素、水、電子を生じさせ、カソード電極42では、アルカリ水溶液Wの水と電子から水素と塩基を生じさせる。
アノード電極40:4OH-→O2+2H2O+4e-
カソード電極42:2H2O+2e-→H2+2OH-
アルカリ水電解装置10の電解電源16は、制御装置18の制御下に、一対の電極14への電力供給と供給遮断とを切り換えると共に、制御装置18が設定した電圧値や電流値の電力を一対の電極14に供給する。制御装置18は、一対の電極14に供給する電力量を適宜調整する構成であるとよい。
そして、本実施形態に係るアルカリ水電解装置10は、一対の電極14の間隙44に光出射体48を配置している。つまり、一対の電極14の間隙44には、イオン交換膜等のイオンを移動させる触媒が設けられていない。光出射体48は、アノード電極40に光を出射すると共に、間隙44を移動することでアルカリ水溶液Wを撹拌する機能を有している。
すなわち、本実施形態に係るアルカリ水電解装置10は、アノード電極40に光を照射する光照射機構部50と、アルカリ水溶液Wを撹拌する撹拌機構部60とを有する。間隙44に配置された光出射体48は、光照射機構部50と撹拌機構部60の両方の構成を兼ねている。
また、アノード電極40は、光の受光に伴い起電力(光起電力)を生じる半導体に構成されている。詳細には、アノード電極40を構成する材料は、鉄合金又は鉄-ニッケル合金であり、且つカソード電極42との対向面(電極面40a)全体がFe23(所謂、赤サビ)で覆われている。なお、アノード電極40は、対向面に加えて反対面もFe23で覆われた構成でもよい。或いは、アノード電極40の対向面は、一部分がFe23で覆われている構成でもよい。
ここで、鉄合金又は鉄-ニッケル合金を覆うFe23は、光の受光に基づき光起電力を得るものの、化学的には不安定であり、電気分解時に光起電力を生じないFe34に遷移(酸化)しようとする。そのため、光照射機構部50は、撹拌機構部60と協働することで、アノード電極40に光を断続的(間欠的)に照射するように構成している。これにより、アノード電極40は、光出射体48からの光の受光に伴い電子を生じつつ、電極自体が還元する。その一方で、光を受光していない非受光時には酸化される。つまり、光照射機構部50(及び撹拌機構部60)は、アノード電極40の受光と非受光を交互に切り替えることで、還元反応と酸化反応を交互に行うことを実現する。これによりアノード電極40は、Fe23で覆った状態、換言すれば見かけ上において酸化及び還元が進行しない状態が継続されることになる。
なお、アノード電極40は、上記の材料に限定されるものではなく、半導体に構成されていれば同様の作用(光起電力の発生、還元及び酸化を繰り返す反応)を得ることができる。また、カソード電極42は、電気分解を実施可能な材料であれば、特に限定されるものではない。例えば、カソード電極42を構成する材料は、鉄合金又は鉄-ニッケル合金を適用し、対向面にFe23が設けられていないものを適用することができる。
アノード電極40に光を照射する光照射機構部50は、照射装置52と、中継管54を介して照射装置52に接続される軸体55と、軸体55に連結される上述の光出射体48と、を備える。
照射装置52は、光源として太陽光を利用して、中継管54、軸体55に太陽光を導くように構成される。例えば、照射装置52は、太陽光を集光するレンズ等によって構成される集光部52aを有する。なお、照射装置52は、例えば天候や時間帯等により太陽光が弱い場合に、他の光源として所定の波長の光を出力する発光ダイオード(LED)やレーザダイオード(LD)等を利用することもできる。この照射装置52は、制御装置18に接続され、制御装置18の制御下に、光の供給又は供給停止、或いは光源の切り換え等を実施する構成であるとよい。照射装置52に接続される中継管54は、中継管側光導波路54aを内部に備え、照射装置52が出射した光を軸体55に伝達する。この中継管54は、軸体55と照射装置52の配置関係に応じて、硬質且つ直線状に形成されたものでもよく、可撓性を有するものでもよい。
軸体55は、直線状且つ所定の長さの棒状に形成され、電解槽12の上方から下方に向かって垂下している。アノード電極40及びカソード電極42の中心位置には挿通孔45が設けられ、軸体55は、この挿通孔45を通して貯留空間20を延在している。軸体55は、その軸方向上の所定位置(アノード電極40とカソード電極42の間に間隙44)において、光出射体48を連結及び支持している。
軸体55の上端は、電解槽12の上方に設けられた接続部58において中継管54に接続されている。接続部58は、光を通過させつつ、中継管54に対して軸体55を回転可能に支持する軸受としての機能を有している。軸体55の下端は、電解槽12の底壁に設けられたピボット軸受59に軸支されている。そしてなお、軸体55は、ピボット軸受59に支持されず、接続部58のみに支持される構成でもよい。
軸体55の内部には、照射装置52が出力した光を光出射体48に導く軸体側光導波路56が設けられている。軸体側光導波路56(及び上述した中継管側光導波路54a)は、光ファイバと同様の原理により光を導くものを適用することができる。例えば、軸体55は、コアを構成する中実部材55aと、この中実部材55aの外周面を覆ってクラッドを構成する管状部材55bとで構成される。中実部材55aと管状部材55bは、透明性を有すると共に、相互に屈折率が異なる樹脂材料から構成される。これにより、軸体側光導波路56は、中実部材55aと管状部材55bの境界において光を全反射して、軸体55の延在方向に損失なく光を導くことができる。また、軸体側光導波路56は、光出射体48の連結部分において、光を屈曲させて光出射体48に導く屈折部57を備える。
管状部材55bは、アルカリ水溶液Wにより溶解しない樹脂材料で構成される。なお、中実部材55aや管状部材55bは、石英ガラス等により構成されてもよく、この場合、軸体55は、管状部材55bの外周面にアルカリ水溶液Wに溶解しない被覆部(不図示)で覆った構造を適用すればよい。
一方、光出射体48は、軸体55に複数(図1中では一対)連結されている。一対の光出射体48は、軸体55の同じ高さ(軸)位置から互いに反対方向、且つ軸体55の軸に対して直交方向に延在している。なお、光出射体48の設置数は、特に限定されず、1本でもよく、或いは3本以上設けられていてもよい。
光出射体48は、硬質な棒状に形成されており、アノード電極40及びカソード電極42との非接触状態を保ちながら間隙44内を直線状に延在している。各光出射体48の延在長さは、円板状のアノード電極40及びカソード電極42の半径に略一致している。
光出射体48の内部には、軸体側光導波路56から導かれた光を導く出射体側光導波路49が設けられている。図2Bに示すように、出射体側光導波路49は、上述した軸体55と同様に、透明性を有し相互に屈折率が異なる中実部材48aと管状部材48bとで構成することが可能である。また、光出射体48は、管状部材48bを収容すると共に、アノード電極40と対向しない方向への光の出射を遮断する遮蔽部材48cを有する。中実部材48a、管状部材48b、遮蔽部材48cは、アルカリ水溶液Wに溶解しない樹脂材料に構成される。
ここで、中実部材48aは、出射体側光導波路49を通る光を適切に散乱させつつ、光出射体48の延在方向に光を導くように構成される。この中実部材48aは、例えば、上述した屈折率を有する透明な樹脂材料に、不純物(散乱物質)を混ぜることで構成し得る。このように不純物を含む中実部材48a(コア)は、内部を通過する光を散乱させることで、光出射体48の延在方向と直交する方向に光を分散させる。つまり、光出射体48は、出射体側光導波路49に導かれた光を、管状部材48bの外周面から出射することが可能であり、しかも不純物が適切に分布していることで管状部材48bの延在方向に沿って略均一的な光量で出射することができる。
また、遮蔽部材48cは、断面視で角筒状に形成され、アノード電極40との対向する面を開放する一方、他の3面48c1について光を遮蔽する構造に構成されるとよい。また、遮蔽部材48cは、管状部材48bを配置した際の境界部分に光を全反射するミラー構造を有するとよい。これにより、管状部材48bの外周面から出射した光は、遮蔽部材48cの開放部48c2を介してアノード電極40に照射されるようになる。また、遮蔽部材48cは、開放部48c2以外の他の3面48c1から周囲への光の漏れを抑制することで、アノード電極40への光の間欠的な出射を促進する。すなわち、アノード電極40は、光出射体48の周辺以外が暗くなることで、非受光状態が良好に形成される。
なお、光出射体48や軸体55は、上記の構成に限定されるものではなく、アノード電極40に光を照射可能な種々の構造を適用し得る。例えば、光出射体48や軸体55は、光を通過させると共に反射面(適度な屈折率)を内周面に有する中空管に構成されてもよい。つまり中空管の空間が出射体側光導波路49や軸体側光導波路56として機能する。この場合、光出射体48は、アノード電極40と対向する中空管の面に光を透過可能な窓を備え、窓を介して出射体側光導波路49の光を出射させる構成とすればよい。
一方、アルカリ水電解装置10の撹拌機構部60は、間隙44が連続している方向に光出射体48を回転させる(動かす)ことで、アルカリ水溶液Wを撹拌する(図3及び図4も参照)。すなわち、光出射体48は、撹拌機構部60により、軸体55の軸回りに回転する動作を繰り返すように構成される。具体的には、撹拌機構部60は、駆動源62と、複数のギア等により構成される駆動伝達部64と、上述した軸体55及び光出射体48と、を含む。
駆動源62は、例えば、電力以外のエネルギにより動力を得る動力源を適用するとよい。このエネルギとしては、例えば、風力、水力、温度差、火力や焼却炉の排ガス圧等があげられ、駆動源62はこれらのエネルギに応じた動力変換機構を有し、回転力を得ればよい。なお、駆動源62は、電力により動力を得るモータ、また燃料の燃焼により動力を得る内燃機関等を適用することもできる。駆動源62は、制御装置18に接続され、制御装置18の制御下に動作の開始や停止を切り換える構成であるとよい。また、駆動伝達部64は、駆動源62の動力を適切な回転速度に変換して軸体55に伝達し、軸体55を軸回りに回転させる。軸体55は、接続部58付近において駆動伝達部64から回転駆動力が伝達されることで、全体が回転し、軸体55の下側に連結されている光出射体48を連れ回りさせる。
アルカリ水電解装置10の制御装置18は、プロセッサ、メモリ、入出力インタフェースを有するコンピュータとして構成されている。制御装置18は、メモリに記憶された図示しないプログラムを、プロセッサが読み出して実行処理することで、各装置の動作内容を設定して指令を行う。例えば、制御装置18は、アルカリ水溶液Wの電気分解の実施中に、光出射体48から光を出射しつつ、光出射体48を適宜の回転速度で回転させる制御を行う。
また、制御装置18は、一対の電極14に供給する電解電源16の電力に基づき、光出射体48(照射装置52)から出力する光の光量、及び光出射体48の回転速度を変化させる制御を行ってもよい。例えば、制御装置18は、電解電源16の電力が多くなるに連れて、光出射体48の光量及び回転速度を増加させる制御を行うことができる。
次に、上記のアルカリ水電解装置10の動作の一例について説明する。
アルカリ水電解装置10は、制御装置18による循環回路部の制御に基づき、電解槽12の貯留空間20に所定量のアルカリ水溶液Wを貯留する。制御装置18は、ユーザの設定内容に基づき電解電源16を制御して、電解電源16から一対の電極14に電力を供給し、一対の電極14によりアルカリ水溶液Wを電気分解する。この電気分解により、上述したように、アノード電極40には酸素が発生する一方で、カソード電極42には水素が発生する。また、アルカリ水電解装置10の制御装置18は、電気分解中に、光照射機構部50及び撹拌機構部60を動作させる。
すなわち、光照射機構部50は、照射装置52から中継管54に光を出力する。この光は、中継管側光導波路54aを介して軸体側光導波路56に導かれ、図2Aに示すように、軸体側光導波路56を進んだ光は、軸体側光導波路56内の屈折部57に当たって、一対の光出射体48の出射体側光導波路49に導かれる。そして、出射体側光導波路49を進む光は、各光出射体48(管状部材48b)の外周面から出射されることで、アノード電極40の電極面40aに受光される。
アノード電極40は、上述したようにFe23を有する半導体に構成されており、光の照射に基づき光起電力を生じる。この光起電力は電気化学反応に利用される。また、アノード電極40の電極面40aは、電気分解時に、光を受光していない場合に酸化反応を生じる一方で、光出射体48から光を受光した場合に還元反応を生じる。そのため、アルカリ水電解装置10は、アノード電極40を構成する半導体(Fe23)の状態を良好に維持することができる。
光出射体48からアノード電極40への光の間欠的な出射(アノード電極40の受光と非受光)は、撹拌機構部60の動作下に光出射体48が回転することによりなされる。撹拌機構部60は、制御装置18の制御下に回転数が制御されて回転し、駆動伝達部64を介してこの回転駆動力を軸体55に伝達する。これにより、軸体55に連結されている光出射体48は、水平高さ位置を保持しつつ一対の電極14の間隙44内を回転移動する。
ここで、アノード電極40の電極面40aは、電気分解時に酸素を生成することで、図3に示すように酸素が付着し易い。この酸素が付着したままであると、電極の反応面積が減少することになる。撹拌機構部60は、図4に示すように、軸体55を中心に光出射体48を回転させてアルカリ水溶液Wを撹拌することで、電極面40aに付着する気泡(酸素)を取り除くことができ、反応面積の減少を防ぐことができる。
特に、アルカリ水電解装置10は、アノード電極40の電極面40aと光出射体48との間隔を充分に小さく(例えば、1mm以下に)設定しているとよい。これにより、光出射体48は、回転時に、電極面40aに付着した気泡に直接当たることも可能となり、気泡を簡単に取り除くことができる。なお、光出射体48は、低摩擦力を有し、アノード電極40に直接接触する気泡除去部材(ブラシ等)を備えた構成でもよい。
また、光出射体48は、従来適用していたイオン交換膜を用いずに、間隙44のアルカリ水溶液Wを撹拌する。よって間隙44のアルカリ水溶液Wは、拡散速度を超えるイオン伝導を得て、拡散抵抗による過電圧を下げることができる。従って、アルカリ水電解装置10は、電気分解に要するエネルギを小さくして、水素をより効率的に得ることができる。
このように、アルカリ水電解装置10は、光照射機構部50及び撹拌機構部60によって、アルカリ水溶液Wを持続的且つ効率的に電気分解することができる。電気分解により生成された酸素及び水素は、アルカリ水溶液W中を上昇する。この際、電解槽12は、水素分離膜34の下側に設けられた防爆構造部36により静電気を除去することで、生成された水素の発火を防止する。そして、酸素及び水素は、貯留空間20の上部に配置された水素分離膜34により相互に分離し、水素分離膜34を透過した水素は、蓋体26に接続された水素配管30を介して水素タンク32に貯留される。
なお、本発明に係るアルカリ水電解装置10は、第1実施形態の構成に限定されず、発明の要旨に沿って種々の改変が可能である。以下、図5~図7を参照して、他の実施形態について説明する。なお、以降の説明において、上述の実施形態と同じ構成又は同じ機能を有する要素には、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
〔第2実施形態〕
第2実施形態に係るアルカリ水電解装置10Aは、図5に示すように、軸体55の軸方向に沿って一対の電極14(アノード電極40、カソード電極42)を複数設けた点で、第1実施形態に係るアルカリ水電解装置10と異なる。このため、アルカリ水電解装置10Aの電解槽12Aは、軸方向に並ぶ全ての電極が水没可能な適宜の深さを有するように構成される。また、アルカリ水電解装置10Aは、複数の一対の電極14に対応して(一対の)光出射体48を軸体55の軸方向に沿って複数設けた構成となっている。光出射体48の構成は、基本的に第1実施形態と同様である。
複数のアノード電極40及び複数のカソード電極42は、電気配線46を介して電解電源16に接続され、各設置箇所において隣接し合う電極間で電気分解を行う。軸方向に並ぶ複数の光出射体48は、複数の一対の電極14間に形成される各間隙44に配置され、軸体55の回転に伴い各間隙44内を回転移動する。
軸体55内の軸体側光導波路56には、軸方向上に並ぶ複数の光出射体48の各々に光を分岐して出射体側光導波路49に導く分岐部57aが設けられている。例えば、分岐部57aは、中実部材55aにおいて屈折率が適切に切り換わる境界を形成することにより構成され得る。照射装置52から出力されて軸体側光導波路56に導かれた光は、複数の分岐部57aによって各出射体側光導波路49に導かれる。そして光出射体48の外周面から出射されて、各アノード電極40の電極面40aに照射される。
以上のように、第2実施形態に係るアルカリ水電解装置10Aは、複数の一対の電極14により電気分解を行うことで、水素の生成量を大幅に高めることができる。また、電気分解時には、撹拌機構部60により回転する軸体55によって、軸方向上の複数の光出射体48が一体に回転し、各一対の電極14の間隙44に存在するアルカリ水溶液Wを撹拌する。さらに、光照射機構部50は、軸方向上の複数の光出射体48から複数のアノード電極40に向けて光を出射することで、アノード電極40に間欠的に光を供給する。これにより半導体として構成されるアノード電極40は、光起電力を得ると共に、その状態を良好に維持して、電気分解を持続的且つ効率的に行うことができる。
〔第3実施形態〕
第3実施形態に係るアルカリ水電解装置10Bは、図6に示すように、軸体55の軸方向に沿ってアノード電極40とカソード電極42を交互に備え、各電極の間に光出射体48をそれぞれ配置した点で、上述したアルカリ水電解装置10、10Aと異なる。これによりアノード電極40とカソード電極42は、相互に対向し合う両方の面を電気分解時の反応面(電極面40a、42a)として使用することができる。
光出射体48は、光照射機構部50及び撹拌機構部60により、それぞれの間隙44において光の間欠的な供給とアルカリ水溶液Wの撹拌とを行うことで、第1実施形態と同様の作用を生じさせる。従って、アルカリ水電解装置10Bは、水素の生成量をより一層高めることができ、また電解槽12B(ひいてはアルカリ水電解装置10B全体)を小型化することが可能となる。
〔第4実施形態〕
第4実施形態に係るアルカリ水電解装置10Cは、図7に示すように、一対の電極14Aの間隙44に配置される光出射体48を往復移動させる撹拌機構部60Aを備える点で、上述のアルカリ水電解装置10、10A、10Bとは異なる。また、電解槽12内に配置される一対の電極14Aは、光出射体48の往復移動方向に対応して長方形且つ平板状に形成されている。
具体的に、撹拌機構部60Aは、制御装置18により動作が制御される駆動源66と、駆動源66の動作力を直動移動力に変換するボールネジ68と、軸体55の移動をガイドするレール70と、を備える。駆動源66は、上述の動力源と同様に、風力、水力、温度差、火力や焼却炉の排ガス圧等のエネルギに応じてボールネジ68を回転させる機能を有する。これにより軸体55は、駆動源66によるボールネジ68の回転下に、一対の電極14Aの延在方向(本実施形態では長手方向)に沿って前進と後退を行う。光出射体48は、軸体55の往復に従って間隙44を往復移動する動作を繰り返すことで、アルカリ水溶液Wを撹拌してアノード電極40に付着している気泡を除去する。
また、光出射体48は、光照射機構部50によりアノード電極40に光を照射するように構成されており、撹拌機構部60Aによる往復移動に基づき、アノード電極40に対して光を間欠的に出射することができる。これにより上述したように、半導体として構成されるアノード電極40は、光起電力を得ると共に、その状態が良好に維持される。
なお、第4実施形態に係るアルカリ水電解装置10Cでも、第2及び第3実施形態と同様に、一対の電極14Aを複数配置して、複数の一対の電極14Aの各間隙44に光出射体48を配置した構成を採ることができる。また、光出射体48を往復移動する撹拌機構部60Aの構成は、図7中に示す構成に限定されるものではない。例えば、軸体55を時計回りと反時計回りに往復回転させる機構を採用して、光出射体48を自動車のワイパーのように動かす構成でもよい。
アルカリ水電解装置10、10A~10Cの他の構成例としては、光照射機構部50において、光出射体48自体にLED等の光源を備える構成としてもよい。すなわち、光照射機構部50は、光出射体48のLEDに電力を供給することでも、アノード電極40に光を出射することができる。
上記のアルカリ水電解装置10、10A~10Cの実施形態から把握し得る技術的思想について、以下に記載する。
アルカリ水電解装置10、10A~10Cは、アノード電極40とカソード電極42の間隙44が連続している方向に光出射体48を移動させる撹拌機構部60、60Aと、を備えることで、電気分解を効率的且つ安定的に行うことができる。すなわち、光出射体48は、撹拌機構部60、60Aにより間隙44を移動する際にアルカリ水溶液Wを撹拌することで、電極付近に存在する気泡(酸素、水素)を除去して電極の反応面積の減少を抑制する。また、アルカリ水溶液Wは、拡散速度を超えるイオン伝導を得て拡散抵抗による過電圧を低下させることで、電気分解時のエネルギを低減する。さらに、半導体に構成されたアノード電極40は、光出射体48から光を受光することで起電力を生じ、アルカリ水溶液W中に電流を流して一対の電極14、14A付近の電気化学反応を促進する。しかも、受光時にアノード電極40自体が還元される一方で、非受光時にアノード電極40自体が酸化するので、見かけ上はアノード電極40の状態が安定的に保たれる。その結果、アルカリ水電解装置10、10A~10Cは、酸素過電圧を低く維持しつつ、光起電力を継続して取り出すことができ、電気分解をより効率化することが可能となる。
また、アノード電極40を構成する材料は、鉄合金又は鉄-ニッケル合金であり、且つアノード電極40の表面の一部又は全部がFe23で覆われている。これにより、アルカリ水溶液Wによって溶解しない電極を低コストで製造できるので、アルカリ水電解装置10、10A~10Cの製造コストをより低廉化することができる。そして、このアノード電極40は、光起電力の発生、及び光の間欠的な供給に伴うアノード電極40自体の状態維持を良好に実現することができる。
また、撹拌機構部60、60Aは、光出射体48が間隙44に位置するように当該光出射体48を支持する軸体55を有し、光出射体48及び軸体55の内部には、アノード電極40に出射する光を導く光導波路(出射体側光導波路49、軸体側光導波路56)が設けられている。この出射体側光導波路49、軸体側光導波路56により、アルカリ水電解装置10、10A~10Cは、損失が少ない光を光出射体48に導くことができる。そのため、光出射体48は、アノード電極40とカソード電極42の間の間隙44においてアノード電極40に対して光を良好に照射することができる。
また、撹拌機構部60は、軸体55を回転させる駆動源62を有し、光出射体48は、軸体55の回転に伴い間隙44を回転移動する。これにより、光出射体48は、アノード電極40及びカソード電極42の電極面40a、42aを繰り返して通ることになり、光の間欠的な供給を簡単に行うことができる。さらに、光出射体48は、回転に伴い遠心方向に向かって気泡を導くことで、アルカリ水溶液Wをより良好に撹拌することが可能となる。
また、アノード電極40及びカソード電極42は、相互に対向し合う円板状に形成され、軸体55は、アノード電極40及びカソード電極42の中心部に位置し、光出射体48は、アノード電極40の中心部から径方向外側に向かって当該アノード電極40の半径に一致した長さで延在している。これにより、光出射体48は、撹拌機構部60の回転に伴い、アノード電極40の電極面40a全体に対向することになり、アノード電極40への光の照射を満遍なく行い、また電極面40aに付着する気泡の除去を確実に行うことができる。
そして、アノード電極40及びカソード電極42は、複数設けられ、且つ互いに隣接するように交互に配置され、光出射体48は、相互に所定間隔で隣接するアノード電極40とカソード電極42の間の各間隙44に配置される構成とすることができる。これにより、複数の箇所に設けられたアノード電極40とカソード電極42において、アルカリ水溶液Wの電気分解を行って水素の生成量を増加することができる。その結果、装置(設置スペース)の小型化が図られ、また設置コストも抑制することができる。しかも、アノード電極40とカソード電極42の各間隙44には、光出射体48がそれぞれ配置される。各光出射体48は、光を出射しつつ移動することで、各アノード電極40において光の受光による起電力の発生、及び光の間欠的な供給に伴う電極の状態維持を図ることができる。
また、アルカリ水電解装置10、10A~10Cは、アルカリ水溶液Wを貯留する電解槽12、12A、12Bを有し、電解槽12、12A、12Bは、電気分解により生じた水素及び酸素の混合気体から前記水素を分離する水素分離膜34と、水素分離膜34よりも下方側に設けられ、水素の発火を防止する防爆構造部36と、を備える。これにより、電気分解により生成された水素について、水素の発火を防ぎつつ電解槽12、12A、12Bから容易に取り出すことが可能となる。
さらに、アルカリ水電解装置10、10A~10Cは、アノード電極40とカソード電極42に電力を供給する電解電源16と、光出射体48から光を出力する光照射機構部50と、電解電源16による電力の供給時に、光照射機構部50及び撹拌機構部60、60Aを動作させて光出射体48を動かしつつアノード電極40に光を出射させる制御装置18と、を備える。これにより、制御装置18は、電気分解時に、光照射機構部50及び撹拌機構部60、60Aの動作を適切に制御して、アノード電極40における光起電力の発生、光の間欠的な供給に伴う電極の状態維持、アルカリ水溶液Wの撹拌を良好に行うことができる。
10、10A~10C…アルカリ水電解装置
12、12A、12B…電解槽 14、14A…一対の電極
18…制御装置 40…アノード電極
40a、42a…電極面 42…カソード電極
44…間隙 48…光出射体
49…出射体側光導波路 50…光照射機構部
55…軸体 56…軸体側光導波路
60、60A…撹拌機構部 W…アルカリ水溶液

Claims (8)

  1. アノード電極とカソード電極を互いに対向させてアルカリ水溶液中に配置し、前記アノード電極及び前記カソード電極に電力を供給することで電気分解を行うアルカリ水電解装置であって、
    前記アノード電極は、受光に基づき起電力を生じる半導体で構成されており、
    前記アノード電極と前記カソード電極の間隙に配置され、少なくとも前記アノード電極に向けて光を出射する光出射体と、
    前記間隙が連続している方向に前記光出射体を移動させる動作を繰り返すことで、前記アルカリ水溶液を撹拌する撹拌機構部と、を備える
    アルカリ水電解装置。
  2. 請求項1記載のアルカリ水電解装置において、
    前記アノード電極を構成する材料は、鉄合金であり、且つ前記アノード電極の表面の一部又は全部がFeで覆われている
    アルカリ水電解装置。
  3. 請求項1又は2記載のアルカリ水電解装置において、
    前記撹拌機構部は、前記光出射体を支持する軸体を有し、
    前記光出射体及び前記軸体の内部には、前記アノード電極に出射する光を導く光導波路が設けられている
    アルカリ水電解装置。
  4. 請求項3記載のアルカリ水電解装置において、
    前記撹拌機構部は、前記軸体を回転させる駆動源を有し、
    前記光出射体は、前記軸体の回転に伴い前記間隙を回転移動する
    アルカリ水電解装置。
  5. 請求項4記載のアルカリ水電解装置において、
    前記アノード電極及び前記カソード電極は、相互に対向し合う円板状に形成され、
    前記軸体は、前記アノード電極及び前記カソード電極の中心部に位置し、
    前記光出射体は、前記アノード電極の中心部から径方向外側に向かって当該アノード電極の半径に一致した長さで延在している
    アルカリ水電解装置。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載のアルカリ水電解装置において、
    前記アノード電極及び前記カソード電極は、複数設けられ、且つ互いに隣接するように交互に配置され、
    前記光出射体は、相互に所定間隔で隣接する前記アノード電極と前記カソード電極の間の各間隙に配置される
    アルカリ水電解装置。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載のアルカリ水電解装置において、
    前記アルカリ水溶液を貯留する電解槽を有し、
    前記電解槽は、
    前記電気分解により生じた水素及び酸素の混合気体から前記水素を分離する水素分離膜と、
    前記水素分離膜よりも下方側に設けられ、前記水素の発火を防止する防爆構造部と、を備える
    アルカリ水電解装置。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載のアルカリ水電解装置において、
    前記アノード電極と前記カソード電極に電力を供給する電解電源と、
    前記光出射体から光を出力する光照射機構部と、
    前記電解電源による電力の供給時に、前記光照射機構部及び前記撹拌機構部を動作させて前記光出射体を動かしつつ前記アノード電極に光を出射させる制御装置と、を備える
    アルカリ水電解装置。
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