JP2012238525A - 光電気化学セルおよびそれを用いたエネルギーシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】水素生成反応の効率を向上させ、さらに、生成した水素を容易に採取できる光電気化学セルおよびそれを用いたエネルギーシステムを提供する。
【解決手段】本発明の光電気化学セル100は、一端が第1の空間3下部、他端が酸素(または水素)ガス供給部15に接続された酸素(または水素)ガス導入管10と、第1の空間3上部に接続された酸素(または水素)ガス排出管11と、一端が第2の空間4下部、他端が水素(または酸素)ガス供給部16に接続された水素(または酸素)ガス導入管12と、第2の空間4上部に接続された水素(または酸素)ガス排出管13と、を有する。半導体光電極6の表面、対極7の表面および筐体1内壁に付着した気泡を速やかに除去することで水の光分解効率を向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光を用いて水を水素と酸素とに分解することにより水素ガスを得ることを目的とした、光電気化学セルおよびそれを用いたエネルギーシステムに関するものである。
従来、光触媒として機能する半導体材料の利用方法として、半導体材料に光を照射することにより、水を分解して水素を生成すること又は電気エネルギーを生成することが知られている(例えば、特許文献1〜2参照)。
特許文献1には、太陽電池を構成するシリコン基板を再利用することを特徴とする、水分解用半導体光電極を用いた、水素生成モジュールが開示されている。この水素生成モジュールは、シリコン基板の一方の面には光触媒層を、他方の面には金属電極を形成した水分解用半導体光電極と、対極と、前記半導体光電極を保持する保持部材と、前記保持部材を収容し、かつ断面が液体を導入可能なように略凹形状である容器と、前記容器の上端を塞ぐ透明蓋板と、で構成されており、前記半導体光電極は、前記容器と前記蓋板との間に挟持されている。特許文献1には、ポンプにより加圧された水または電解質水溶液が、前記半導体光電極と前記蓋板との間に供給されることが記載されている。前記半導体光電極と前記蓋板との間でオーバーフローした水または電解質水溶液は、水素生成モジュール上部に設けられた排水口から回収され、再び利用される。
特許文献2には、集積型光電気化学電池とそのシステムが開示されている。この光電気化学電池は、半導体光電極と、電解液と、電解液を閉じ込める容器と、照射光を透過する最上層被膜と、酸化および還元反応のために容器を二つの区画に分離する機構と、で構成されている。特許文献2には、光化学電池へ電解液を供給する端子アダプタを備えている光電気化学システム、ならびに、光電気化学電池から酸素および水素の気泡と混合した電解液を収集する機構を有している光電気化学システムが開示されている。
特開2006−104571号公報 特表2006−508253号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている水素生成モジュールの場合、水または電解質水溶液はモジュール上部から供給され、オーバーフローした溶液がモジュール上部から排出される構成である。そのため、半導体光電極と蓋板との間隙に存在する溶液、とりわけ間隙の下部に存在する溶液は十分に流通せず滞留する。光照射によって半導体光電極表面および対極表面で生成した酸素および水素の気泡の一部は、前記両電極表面および前記蓋板表面に付着するが、これら表面近傍での溶液の流速が不十分であるため、付着した気泡は水流によって押し流されることなくこれら表面に留まり続ける。両電極表面に気泡が付着し続ければ、両電極表面と水または電解質水溶液との接触が阻害されるため、水を光分解する効率が著しく低下する。また、蓋板表面に気泡が付着し続ければ、蓋板を通過する光が散乱され半導体光電極表面まで届く光量が減少するため、このことも水の光分解効率を低下させる一因となる。
特許文献2に開示されている集積型光電気化学電池とそのシステムは、電解液が光電気化学電池の下側に設けられた端部アダプタから供給されるとともに上側に設けられた端部アダプタから除去され、循環する構成を有する。この電解液の流速を増大させることにより、半導体光電極表面で生成した気泡を効率的に取り除けることが記載されている。しかしながら、電解液を循環させて電極表面に水流を起こすだけでは、電極表面や前記最上層被膜に付着した気泡を取り除くには不十分である。これらの表面に気泡が残存することが原因で水の光分解効率が低下する理由については、前述した通りである。
そこで本発明は、上記従来の問題点を鑑み、光触媒による水の分解反応を利用して水素を生成する光電気化学セルおよびそれを用いたエネルギーシステムとして、半導体光電極表面、対極表面および筐体内壁に付着した気泡を速やかに除去することで水の光分解効率を向上させた光電気化学セルおよびそれを用いたエネルギーシステムを提供することを課題とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明に係る光電気化学セルは、少なくとも光が照射される面が透光性を有する筐体と、前記筐体内部の空間を、第1の空間および第2の空間に分けるセパレータと、前記第1の空間内に配置され、導電性基板上に形成された半導体光電極と、前記第2の空間内に配置された対極と、前記半導体光電極と前記対極との間を接続する電気的接続部とを有し、前記第1の空間内および前記第2の空間内に水を含む電解液を有し、一端が前記第1の空間下部、他端が酸素(または水素)ガス供給部に接続された酸素(または水素)ガス導入管と、前記第1の空間上部に接続された酸素(または水素)ガス排出管と、一端が前記第2の空間下部、他端が水素(または酸素)ガス供給部に接続された水素(または酸素)ガス導入管と、前記第2の空間上部に接続された水素(または酸素)ガス排出管と、を有し、前記半導体光電極に光を照射することにより水を分解して水素および酸素を生成する。
本発明の光電気化学セルは、半導体光電極が配置された第1の空間において、下部に酸素(または水素)ガスの導入管を、上部に酸素(または水素)ガスの排出管を設けることで、第1の空間内の水または電解液中を下から上方向へ酸素(または水素)ガスが流通する機能を有する。また、対極が配置された第2の空間において、下部に水素(または酸素)ガス導入管を、上部に水素(または酸素)ガス排出管を設けることで、第2の空間内の水または電解液中を下から上方向へ水素(または酸素)ガスが流通する機能を有する。その結果、半導体光電極表面、対極表面および筐体内壁に付着した酸素および水素の気泡は、ガス導入管から導入された酸素ガスおよび水素ガスと一体となって空間の上部へ浮上する。これにより、前記半導体光電極表面、前記対極表面および前記筐体内壁に付着した気泡を速やかに除去することで水の光分解効率を向上させることができる。
本発明の実施の形態1に係る光電気化学セルの構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態2に係る光電気化学セルの構成のうち、第1の空間側のみを示した概略図である。 本発明の実施の形態3に係る光電気化学セルの構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態4に係る光電気化学セルの構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態5に係るエネルギーシステムの構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態6に係るエネルギーシステムの構成を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は一例であり、本発明は以下の実施の形態に限定されない。また、以下の実施の形態では、同一部材に同一の符号を付して、重複する説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1の光電気化学セルについて、図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態の光電気化学セルの構成を示す概略図である。
本実施の形態の光電気化学セル100は、少なくとも光が照射される面が透光性を有する筐体1を有する。筐体1内部の空間を2つに分けるように、筐体1の光が照射される面とほぼ平行になる向きにセパレータ2が設けられる。セパレータ2で隔てられた第1の空間3および第2の空間4と、第1の空間内において、筐体1の光が照射される面とほぼ平行になる向きに導電性基板5が設けられている。導電性基板5上に半導体光電極6が形成されている。第2の空間内には、対極7が設けられる。電気的接続部8は、半導体光電極6と対極7との間を電気的に接続する。水を含む電解液9は、第1の空間内および第2の空間内に存在する。酸素(または水素)ガス導入管10は、一端が第1の空間3の下部、他端が酸素(または水素)ガス供給部15に接続されている。酸素(または水素)ガス排出管11は、第1の空間3の上部に接続されている。水素(または酸素)ガス導入管12は、一端が第2の空間4の下部、他端が水素(または酸素)ガス供給部16に接続されている。水素(または酸素)ガス排出管13は、第2の空間4の上部に接続されている。
光電気化学セル100に照射される光の進行方向に沿って説明すると、光電気化学セル100には、光を照射する側から、透光性を有する筐体1の一方の面、電解液9、半導体光電極6、導電性基板5、セパレータ2、対極7、電解液9、筐体1の他方の面が、この順に配置されている。半導体光電極6とセパレータ2は互いに接していても離れていてもよい。また、対極7とセパレータ2は互いに接していても離れていてもよい。セパレータ2は、第1の空間内の電解液9と第2の空間内の電解液9との間でイオンのやり取りを行わせる役割を担う。そのため、セパレータ2の少なくとも一部分は、第1および第2の空間内の電解液9と接している。
次に、光電気化学セル100の各構成について、具体的に説明する。
筐体1の光が照射される面には、電解液9に対する耐腐食性および絶縁性を有し、可視光領域の光、さらに望ましくは可視光領域の周辺波長を含む光が透過する材料を用いる。その材料としては、例えば、ガラスおよび樹脂が挙げられる。筐体1のその他の面の材料については、電解液9に対する耐腐食性および絶縁性を有していればよく、光を透過する性質を持つ必要は無い。その材料としては、前述のガラス、樹脂に加えて、表面を耐腐食・絶縁加工した金属等を用いることができる。
セパレータ2は、電解液9中の電解質を透過させ、かつ、電解液9中の酸素ガスおよび水素ガスの透過を抑制する機能を有する。セパレータ2の材料としては、例えば、高分子固体電解質等の固体電解質が挙げられる高分子固体電解質としては、ナフィオン(登録商標)等のイオン交換膜が挙げられる。
導電性基板5には、導電性を有する基板、もしくは導電性を有する材料を表面に成膜した基板を用いる。導電性基板5としては、例えば、白金板、酸化インジウムスズ(ITO)ガラスおよびフッ素ドープ酸化スズ(FTO)ガラスが挙げられる。
半導体光電極6は、n型半導体もしくはp型半導体によって形成されている。半導体光電極6がn型半導体によって形成されていれば、半導体光電極6からは酸素が、対極7からは水素が生成する。逆に、半導体光電極6がp型半導体であれば、半導体光電極6からは水素が、対極7からは酸素が生成する。半導体光電極6は、光照射によって電子が励起して水を分解する必要がある。そのため、伝導帯のバンドエッジ準位が水素イオンの標準還元電位である0eV以下であり、かつ、価電子帯のバンドエッジ準位が水の標準酸化電位である1.23eV以上である半導体によって形成されていることが好ましい。このような半導体としては、チタン、ジルコニウム、バナジウム、タンタル、ニオブ、タングステン、鉄、銅、亜鉛、カドミウム、ガリウム、インジウムおよびゲルマニウムの酸化物、酸窒化物および窒化物の単体、これらの複合酸化物、酸窒化物および窒化物、これらにアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオンを添加したものが、好適に用いられる。また、伝導帯のバンドエッジ準位が水素イオンの標準還元電位0eV以下の物質からなる膜と、価電子帯のバンドエッジ準位が水の標準酸化電位1.23eV以上の物質からなる膜とを互いに接合した積層膜も、有効に用いられる。一例として、例えばWO/ITO/Si積層膜等が好適に用いられる。
対極7には、導電性を有し、半導体光電極6がn型半導体である場合には水素生成反応に、p型半導体である場合には酸素生成反応に活性な材料を用いる。対極7に材料としては、水の電気分解用の電極として一般的に用いられるカーボンおよび貴金属が挙げられる。具体的には、カーボン、白金、白金担持カーボン、パラジウム、イリジウム、ルテニウムおよびニッケル等を採用できる。
電気的接続部8には、一般的な金属導線を用いることができる。
第1の空間内および第2の空間内に入れられた電解液9は、水を含む電解液であればよく、酸性であっても中性であっても塩基性であってもよい。例えば、硫酸、塩酸、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム等が好適に用いられる。
ガス導入管10および12、ガス排出管11および13には、電解液9に対する耐腐食性および絶縁性を有する材料が用いられる。具体的には、ガラス、樹脂表面を耐腐食・絶縁加工した金属等を用いることができる。
酸素(または水素)ガス導入管10は、一端が第1の空間3の下部、他端が酸素(または水素)ガス供給部15に接続されている。これによって、酸素(または水素)ガス供給部15から空間3の下部に酸素(または水素)ガスを導入できる。電解液9に対する耐腐食性および絶縁性を有する材料が用いられる。具体的には、ガラス、樹脂表面を耐腐食・絶縁加工した金属等を用いることができる。
酸素(または水素)ガス供給部15は、酸素(または水素)ボンベや生成した酸素(または水素)を循環させる機構等である。
酸素(または水素)ガス排出管11は、第1の空間3の上部に接続されている。これによって、第1の空間3から、前述のように供給した酸素(または水素)ガスおよび半導体光電極6上で生成した酸素(または水素)ガスを排出できる。酸素(または水素)ガス導入管10と同様の材料を用いることが好ましい。
水素(または酸素)ガス導入管12は、一端が前記第2の空間4の下部、他端が水素(または酸素)ガス供給部16に接続されている。これによって、水素(または酸素)ガス供給部16から第2の空間4の下部に水素(または酸素)ガスを導入できる。酸素(または水素)ガス導入管10と同様の材料を用いることが好ましい。
水素(または酸素)ガス供給部16は、水素(または酸素)ボンベや生成した水素(または酸素) を循環させる機構等である。
水素(または酸素)ガス排出管13は、第2の空間4の上部に接続されている。これによって、第2の空間4から、前述のように供給した水素(または酸素)ガスおよび対極7上で生成した水素(または酸素)ガスを排出できる。酸素(または水素)ガス導入管10と同様の材料を用いることが好ましい。
次に、光電気化学セル100の動作について、半導体光電極6がn型半導体である場合に即して説明する。
光電気化学セル100では、筐体1および第1の空間内に入れられた電解液9を透過した光が、半導体光電極6に入射する。半導体光電極6が光を吸収して電子の光励起が起こり、半導体光電極6において伝導帯に電子が、価電子帯に正孔がそれぞれ生じる。このとき、半導体光電極6と電解液9の接触により、半導体光電極6の表面(電解液9との界面)近傍にはバンドベンディングが生じているため、光照射によって生じた正孔は、バンドベンディングに従って、半導体光電極6の表面(電解液9との界面)側に移動する。この正孔が半導体光電極6の表面で水分子を酸化して酸素が生成する(下記反応式(1))。一方、伝導帯に生じた電子は導電性基板5側に移動する。導電性基板5に移動した電子は、電気的接続部8を介して対極7側に移動する。対極7の内部を移動して対極7鏡面(電解液9との界面)に到達した電子は、対極7の表面でプロトンを還元して水素が生成する。
4h+2HO → O↑+4H (1)
4e+4H → 2H↑ (2)
従来の光電気化学セルでは、光照射により生成した酸素および水素の気泡の一部が、半導体光電極表面および対極表面に付着する。付着した気泡は、両電極表面と電解液との接触を阻害するため、両電極表面上で起こる水分解反応の効率を低下させる。また、生成した気泡の一部は、光が照射される側の筐体内壁にも付着する。その結果、照射光は筐体の光が照射される面上で散乱され、半導体光電極まで到達する光量が減少する。このこともまた、光電気化学セルの水分解反応の効率を低下させる一因となる。この気泡付着による効率低下を改善する方法として、光電気化学セル内の電解液を流通させることが既に提案されている(特許文献1および2)。電解液が光電気化学セル内で流速を持つことにより、両電極表面および筐体内壁に付着した気泡のうち大きなものは電解液に洗い流され除去される。
しかしながら、微小気泡(例えば、直径が0.1mm〜3.0mm)は両電極表面および筐体内壁に留まり続け、除去することが困難である。これは、気泡の構成要素である酸素および水素が疎水性であることに原因がある。疎水性である気泡は、電解液よりも疎水性を持つ両電極表面および筐体内壁との方が親和性が高く、気泡と両電極表面および筐体内壁とが接している面積が大きいほど、気泡の付着力も大きくなる。一方、気泡は流速を持った電解液中に存在するため、浮力および電解液が押し流す力を受ける。このとき、(付着力)>(浮力+押し流す力)であれば気泡は留まり続け、(付着力)<(浮力+押し流す力)であれば気泡は接触面から除去される。気泡の付着力は、気泡が両電極表面および筐体内壁と接している面積に比例する。を、気泡の単位体積あたりで考えると、微小な気泡ほど面積が大きい。これに対して、気泡にかかる浮力は気泡の体積に比例する。また、気泡を電解液が押し流す力は、電解液の流速ベクトルと垂直な面に気泡の形を射影したときの面積に比例する。以上をまとめると、気泡が大きくなればなるほど、その体積に比例する浮力の効果が他の力に対して突出して大きくなるため、気泡が接触面から除去されやすくなる。逆に言えば、微小気泡ほど付着力の効果がより大きいため、接触面に付着したまま留まり続けやすい。
これに対して本実施の形態に係る光電気化学セル100では、酸素ガス導入管10から第1の空間内に酸素ガスを、水素ガス導入管12から第2の空間内に水素ガスを、それぞれ強制的かつ間欠的に導入し、酸素ガス排出管11から第1の空間内の酸素ガスを、水素ガス排出管13から第2の空間内の水素ガスを、それぞれ排出する。導入管から第1の空間および第2の空間内に導入した巨大な酸素気泡17および水素気泡18は疎水性であるため、浮力に従って上昇しながら半導体光電極6表面、対極7表面および筐体1内壁に付着した微小気泡と一体化する。一体化した巨大な気泡は前述の理由により(付着力)<(浮力+押し流す力)であるので、どこにも付着することなく第1の空間および第2の空間内を上昇し、最終的にガス排出管11および13から排出される。なお、本願明細書で巨大な気泡とは、電極表面に付着する微小気泡のうち最大のものと比較して十分大きい(例えば直径が2倍〜300倍)ものをいう。この巨大な気泡の好適な直径は、次に示す3つの条件によって決定される。まず、前述の気泡の付着の観点から言えば、巨大な気泡が両電極表面および筐体内壁に付着することの無いような大きさでなければならない。筐体内壁に用いるガラス板を水平に対して45°の角度に傾けて水中に沈め、鉛直方向下側の面に様々な大きさの気泡を付着させる実験を行った。その結果、直径3.0mm以上の大きさの気泡はガラス面を伝って浮上していったが、それ以下の大きさの気泡はガラス面に付着してとどまった。このことから、本発明の光電気化学セルに導入する巨大な気泡の直径は3.0mm以上であることが求められる。次に、「両電極表面および筐体内壁に付着した微小気泡の除去」という機能面から考えれば、巨大な気泡は第1および第2の空間内を上昇する際に、電極表面と筐体内壁との両方に接触している必要がある。そのため、巨大な気泡の直径をD、電極表面と筐体内壁との間隔をAとしたとき、D>Aを満たさなければならない。好ましくは、D>2Aであれば、十分に微小気泡の除去を行うことができる。さらに、両電極表面と電解液との接触という観点から考える。本発明の光電気化学セルは、両電極表面と電解液との間で化学反応が進行することで、水素ガスおよび酸素ガスが生成する。従って、効率的にガスが生成するためには、両電極表面と電解液とが常に十分に接触している必要がある。ところが、ここに両者の接触を著しく妨げるほど過剰に巨大な気泡が存在すると、光電気化学セルとしての反応効率が低下するという問題が生じる。上記反応効率の低下分は、「ある瞬間に巨大な気泡を導入してから次に導入するまでの時間」に対する、「導入した巨大な気泡が電極上のある点を通過するのに要する時間」の比率によって算出される。上記通過時間は気泡の大きさに比例するため、このことから巨大な気泡の直径の上限値が設定される。実用上、巨大な気泡の直径Dと電極表面と筐体内壁との間隔Aとの関係がD<10Aであれば、上記時間比率が1%を下回り、反応効率低下分をほとんど無視することができる。以上をまとめると、巨大な気泡の好適な直径Dは、「D≧3.0mmかつA(好ましくは2A)≦D≦10A」であることが導かれる。気泡の大きさは、ガス導入管と第1の空間または第2の空間との接続部分においてガスが通過する孔径の大きさや、ガス流通速度等によって制御することができる。その結果、半導体光電極6表面、対極7表面および筐体1内壁に付着した微小気泡は効率的に除去される。これにより、光電気化学セル100の水分解反応の効率は、従来の光電気化学セルよりも向上する。
なお、本実施の形態での光電気化学セル100の動作について、半導体光電極6がp型半導体である場合は、前述のn型半導体の場合に即した説明において、酸素と水素を入れ替えることにより説明される。本願明細書では、例えば、「酸素(または水素)ガス導入管」のように表記して、半導体光電極がn型半導体である場合と、p型半導体である場合の両方を示している。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の光電気化学セルについて、図2を用いて説明する。図2は、本実施の形態の光電気化学セルの構成のうち、第1の空間側のみを示した概略図である。
本実施の形態の光電気化学セル200は、仕切り板20が追加されている点、ガス導入管10および12が途中で複数に分岐している点、ガス排出管11および13が途中で複数に分岐している点以外は、実施の形態1の光電気化学セル100と同様の構成を有する。そのため、ここでは、仕切り板20、ガス導入管10および12、ガス排出管11および13についてのみ説明する。
光電気化学セル200には、第1の空間3および第2の空間4に、仕切り板20が配置されている。仕切り板20は、その周囲の一部が半導体光電極6もしくは対極7と接しており、周囲の他の部分が筐体1の内壁に接合されている。このような構成により、仕切り板20は筐体1の内壁とほぼ垂直、かつ、長手側の辺が光電気化学セル200の下から上向きになる位置に固定される。仕切り板20を配置することにより、第1の空間3および第2の空間4は、光電気化学セル200の下から上向きに細長い短冊状に区切られる。なお、図2では、仕切り板20と光電気化学セル200のその他の構成部材との位置関係を分かりやすく示すために、半導体光電極6側のみを簡略化して示しているが、本実施の形態では、対極7側にも同様に仕切り板20が配置されている。
仕切り板20は、電解液、酸素ガスおよび水素ガスを透過しない機能を有し、電解液9に対する耐腐食性と絶縁性を有する材料によって形成される。仕切り板20のうち、特に第1の空間3に配置されるものに関しては、照射光が当たるため、さらに好ましくは前述の機能に加えて透光性を有する材料によって形成される。例えば、ガラス、樹脂、表面を耐腐食・絶縁加工した金属等が利用できる。
ガス導入管10および12は、実施の形態1の光電気化学セル100のそれと同様の材料によって形成される。ガス導入管10および12は、筐体1に達する手前で複数に分岐する。分岐した先は、第1の空間3および第2の空間4において仕切り板20によって区切られた各区画にそれぞれ接続されている。
ガス排出管11および13は、前述した光電気化学セル200のガス導入管10および12と同様の材料によって形成され、同様の構造を有する。筐体1との接続構造も同様である。
次に、光電気化学セル200の動作について説明する。光電気化学セル200の動作は、仕切り板20が追加されている点、ガス導入管10および12が途中で複数に分岐している点、ガス排出管11および13が途中で複数に分岐している点以外は、実施の形態1で示した光電気化学セル100の場合と同じである。そのため、ここでは、仕切り板20、ガス導入管10および12、ガス排出管11および13に関係する動作についてのみ説明する。
ガス導入管10および12内の酸素および水素は、導入管の途中で複数に分岐し、第1の空間3および第2の空間4において仕切り板20によって区切られた各区画にそれぞれ間欠的に送られる。前記各区画内ではそれぞれ独立に、巨大な酸素気泡および水素気泡が浮力に従って上昇し、半導体光電極6表面、対極7表面および筐体1内壁に付着した微小気泡と一体化する。一体化した巨大な気泡は前述の理由により(付着力)<(浮力)であるので、どこにも付着することなく第1の空間および第2の空間を上昇する。その結果、半導体光電極6表面、対極7表面および筐体1内壁に付着した微小気泡は効率的に除去される。ガス排出管11および13から排出された酸素および水素は、排出管の途中で集合し、さらに排出管の先へと送られる。このような構成にすることにより、ガス導入管10および12の酸素および水素は、全ての区画にもれなく送り込まれる。また、仕切り板20を設けることで、巨大な酸素気泡および水素気泡は第1の空間3および第2の空間4を光電気化学セル200の下から上向きにまっすぐ上昇する。以上の結果、導入した巨大な酸素気泡および水素気泡は、半導体光電極6表面、対極7表面および筐体1内壁全体をまんべんなく通過し、付着気泡をより効率的に除去することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3の光電気化学セルについて、図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態の光電気化学セルの構成を示す概略図である。
本実施の形態の光電気化学セル300は、酸素ガスおよび水素ガスの循環機構および貯蔵機構が追加されている点以外は、実施の形態1の光電気化学セル100と同様の構成を有する。そのため、ここでは、酸素ガスおよび水素ガスの循環機構および貯蔵機構についてのみ説明する。
光電気化学セル300には、酸素(または水素)ガス循環ライン21、水素(または酸素)ガス循環ライン23、酸素(または水素)ガス貯蔵部22、水素(または酸素)ガス貯蔵部24、コンプレッサ25および流量制御器26が設けられている。
酸素(または水素)ガス循環ライン21、水素(または酸素)ガス循環ライン23、酸素(または水素)ガス貯蔵部22、水素(または酸素)貯蔵部24は、大気圧以下の圧力において酸素ガスおよび水素ガスが透過せず、かつ吸着しない機能を有する材料によって形成される。例えば、ガラス、樹脂、金属等が利用できる。
酸素(または水素)ガス循環ライン21は、途中にコンプレッサ25を挟んで酸素(または水素)ガス導入管10と酸素(または水素)ガス排出管11とを接続するように配置されている。水素(または酸素)ガス循環ライン23は、途中にコンプレッサ25を挟んで水素(または酸素)ガス導入管12と水素(または酸素)ガス排出管13とを接続するように配置されている。ガス循環ライン21および23は、照射光14が半導体光電極6に入射することを阻害する位置でなければ、光電気化学セル300の周囲のどの位置に配置されていてもよい。
酸素(または水素)ガス貯蔵部22は、酸素(または水素)ガス循環ライン21の途中で流量制御器26から分岐した位置に設けられている。水素(または酸素)ガス貯蔵部24は、水素(または酸素)ガス循環ライン23の途中で流量制御器26から分岐した位置に設けられている。ガス貯蔵部22および24は、照射光14が半導体光電極6に入射することを阻害する位置でなければ、光電気化学セル300の周囲のどの位置に配置されていてもよい。
流量制御器26は、ガス循環ライン21および23を流通するガスのうち、必要量をガス貯蔵部22および24に流入させる機能、および、ガス貯蔵部22および24に貯蔵されたガスのうち、必要量をガス循環ライン21および23に流出される機能を有する。
次に、光電気化学セル300の動作について説明する。光電気化学セル300の動作は、ガス循環ライン21および23、ガス貯蔵部22および24、コンプレッサ25、および流量制御器26が追加されている点以外は、実施の形態1で示した光電気化学セル100の場合と同じである。そのため、ここでは、ガス循環ライン21および23、ガス貯蔵部22および24、コンプレッサ25、および流量制御器26に関係する動作についてのみ説明する。
ガス貯蔵部22および24に貯蔵された酸素ガスおよび水素ガスは、コンプレッサ25が作動することにより、ガス循環ライン21および23を通って、ガス導入管10および12から、第1の空間および第2の空間内に間欠的に導入される。導入された巨大な酸素気泡および水素気泡は、半導体光電極6表面、対極7表面および筐体1内壁に付着した微小気泡と一体化しながら上昇し、ガス排出管11および13から排出され、ガス循環ライン21および23に戻る。このとき、ガス排出管11および13から排出された酸素ガスおよび水素ガスの量は、ガス導入管10および12から導入された量よりも、光照射による酸素ガスおよび水素ガス生成量の分だけ増加している。光電気化学セル300では、流量制御器26が作動することにより、増加分のガスが、ガス貯蔵部22および24に取り込まれる。光電気化学セル300を総じて捉えれば、一定量の酸素ガスおよび水素ガスが間欠的に循環し、光照射によって生成した分の水素ガスおよび酸素ガスが貯蔵されていくことになる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4の光電気化学セルについて、図4を用いて説明する。図4は、本実施の形態の光電気化学セルの構成を示す概略図である。
本実施の形態の光電気化学セル400は、電解液の循環機構および水(または電解液)の補充機構が追加されている点以外は、実施の形態1の光電気化学セル100と同様の構成を有する。そのため、ここでは、電解液の循環機構および水(または電解液)の補充機構についてのみ説明する。
光電気化学セル400には、第1の空間用電解液循環ライン27、第2の空間用電解液循環ライン29、第1の空間用電解液貯蔵部28、第2の空間用電解液貯蔵部30、ポンプ31および水(または電解液)導入管32が設けられている。
電解液循環ライン27および29、電解液貯蔵部28および30、ならびに水導入管32は、電解液9に対する耐腐食性を有する材料によって形成される。例えば、ガラス、樹脂、表面を耐腐食・絶縁加工した金属等が利用できる。
第1の空間用電解液循環ライン27は、途中に電解液貯蔵部28を挟んで、第1の空間の最下部近傍と最上部近傍とを接続するように配置されている。第2の空間用電解液循環ライン29は、途中に電解液貯蔵部30を挟んで、第2の空間の最下部近傍と最上部近傍とを接続するように配置されている。
水(または電解液)導入管32は、電解液循環ライン27における電解液貯蔵部28と第1の空間への接続部との間、および、電解液循環ライン29における電解液貯蔵部30と第2の空間への接続部との間に設けられている。水(または導入管)32は、水(または電解液)を必要に応じて、電解液循環ライン27および29に流入させる機能を有する。
ポンプ31は、電解液循環ライン27における電解液貯蔵部28出口近傍、電解液循環ライン29における電解液貯蔵部30出口近傍、および各水導入管32の途中に設けられている。
次に、光電気化学セル400の動作について説明する。光電気化学セル400の動作は、第1の空間用電解液循環ライン27、第2の空間用電解液循環ライン29、第1の空間用電解液貯蔵部28、第2の空間用電解液貯蔵部30、ポンプ31および水(または電解液)導入管32が追加されている点以外は、実施の形態1で示した光電気化学セル100の場合と同じである。そのため、ここでは、第1の空間用電解液循環ライン27、第2の空間用電解液循環ライン29、第1の空間用電解液貯蔵部28、第2の空間用電解液貯蔵部30、ポンプ31および水(または電解液)導入管32に関係する動作についてのみ説明する。
電解液貯蔵部28および30に貯蔵された電解液9は、ポンプ31が作動することにより、電解液循環ライン27および29を通って、第1の空間および第2の空間に導入される。導入された電解液9は、第1の空間および第2の空間最上部近傍の電解液循環ライン27および29入口から排出され、電解液貯蔵部28および30に戻る。これにより、第1の空間および第2の空間には、電解液9の下から上方向への流れが発生する。この電解液の流れは、巨大な酸素気泡17および水素気泡18を光電気化学セル400の下から上方向へ強制的に押し流す。その結果、巨大気泡による半導体光電極6表面、対極7表面および筐体1内壁に付着した微小気泡の除去がより効率的に行われる。
光電気化学セル400において光照射により水が分解した分だけ、第1の空間および第2の空間の電解液に含まれる水の量が減少するため、水導入管32から電解液循環ライン27および29に、前記減少分だけ水が補充される。これにより、光電気化学セル400内の電解液9の濃度が一定に保たれる。また、必要に応じて、水導入管32より電解液9の補充も行われる。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5のエネルギーシステムについて、図5を用いて説明する。図5は、本実施の形態のエネルギーシステムの構成を示す概略図である。
本実施の形態のエネルギーシステム500は、実施の形態1の光電気化学セル100と同様の構成を有する光電気化学セル19と、水素ガス循環ライン23と、コンプレッサ25と、流量制御器26と、水素ガス貯蔵部33と、水素ガス供給部34、燃料電池35と、によって構成されている。
本実施の形態のエネルギーシステム500のうち、光電気化学セル19、水素ガス循環ライン23、コンプレッサ25、流量制御器26および水素ガス貯蔵部33の材料および構成については、実施の形態3で示した光電気化学セル300と同様であるため、ここでは説明を省略し、水素ガス貯蔵部33から燃料電池35まで水素ガスが送られる部分についてのみ説明する。
水素ガス供給部34は、大気圧以下の圧力において水素ガスが透過せず、かつ吸着しない機能を有する材料によって形成される。例えば、ガラス、樹脂、金属等が利用できる。
燃料電池35は、水素を負極活物質とする一般的な燃料電池を採用することが可能である。例えば、固体高分子形燃料電池、りん酸形燃料電池、溶融炭酸塩形燃料電池、固体酸化物形燃料電池、アルカリ電解質形燃料電池等が利用できる。
水素ガス供給部34は、水素ガス貯蔵部33と燃料電池35とを接続している。
次に、エネルギーシステム500の動作について説明する。エネルギーシステム500の動作のうち、光電気化学セル19、水素ガス循環ライン23、コンプレッサ25、流量制御器26および水素ガス貯蔵部33については、実施の形態3で示した光電気化学セル300と同様であるため、ここでは説明を省略し、水素ガス供給部34および燃料電池35に関係する動作についてのみ説明する。
水素ガス貯蔵部33に貯蔵された水素ガスは、燃料電池35の作動状況に応じて、水素ガス供給部34を通って燃料電池35に供給される。燃料電池35には水素ガス以外に、正極活物質を含んだガス、例えば空気等、が送られ、燃料電池35において発電と給湯が行われる。消費された水素ガスは、水等として燃料電池35から排出される。以上の結果、照射光の光エネルギーを光電気化学セル19で水素エネルギーに変換し、さらに必要に応じて燃料電池35で電気エネルギーに変換することができるエネルギーシステムが提供される。
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6のエネルギーシステムについて、図6を用いて説明する。図6は、本実施の形態のエネルギーシステムの構成を示す概略図である。
本実施の形態のエネルギーシステム600は、実施の形態1の光電気化学セル100と同様の構成を有する光電気化学セル19と、酸素ガス循環ライン21と、水素ガス循環ライン23と、コンプレッサ25と、流量制御器26と、水素ガス貯蔵部33と、水素ガス供給部34と、燃料電池35と、酸素ガス貯蔵部36と、酸素ガス供給部37と、によって構成されている。
本実施の形態のエネルギーシステム600のうち、光電気化学セル19、酸素ガス循環ライン21、水素ガス循環ライン23、コンプレッサ25、流量制御器26、水素ガス貯蔵部33および酸素ガス貯蔵部36の材料および構成については、実施の形態3で示した光電気化学セル300と同様であるため、説明を省略する。水素ガス供給部34および燃料電池35の材料および構成については、実施の形態5で示した光電気化学セル500と同様であるため、説明を省略する。ここでは、酸素ガス貯蔵部36から燃料電池35まで酸素ガスが送られる部分についてのみ説明する。
酸素ガス供給部37は、大気圧以下の圧力において酸素ガスが透過せず、かつ吸着しない機能を有する材料によって形成される。例えば、ガラス、樹脂、金属等が利用できる。
酸素ガス供給部37は、酸素ガス貯蔵部36と燃料電池35とを接続している。
次に、エネルギーシステム600の動作について説明する。エネルギーシステム600の動作のうち、光電気化学セル19、酸素ガス循環ライン21、水素ガス循環ライン23、コンプレッサ25、流量制御器26、水素ガス貯蔵部33および酸素ガス貯蔵部36については、実施の形態3で示した光電気化学セル300と同様であるため、説明を省略する。水素ガス供給部34および燃料電池35については、実施の形態5で示した光電気化学セル500と同様であるため、説明を省略する。ここでは、酸素ガス貯蔵部36および酸素ガス供給部37に関係する動作についてのみ説明する。
酸素ガス貯蔵部36に貯蔵された酸素ガスは、燃料電池35の作動状況に応じて、酸素ガス供給部37を通って燃料電池35に供給される。燃料電池35には負極活物質として水素ガスが、正極活物質として酸素ガスが送られ、燃料電池35において発電と給湯が行われる。消費された水素ガスと酸素ガスは反応して水となり、燃料電池35から排出される。本実施の形態のエネルギーシステム600は純酸素ガスを利用して燃料電池を作動させるため、空気等を利用する実施の形態5のエネルギーシステム500と比較して、燃料電池のエネルギー変換効率が著しく高いエネルギーシステムが提供される。
本発明の光電気化学セルおよびそれを用いたエネルギーシステムは、光の照射による水素生成反応の効率を向上させることができるので、燃料電池等への水素供給源として好適に利用できる。
1 筐体
2 セパレータ
3 第1の空間
4 第2の空間
5 導電性基板
6 半導体光電極
7 対極
8 電気的接続部
9 電解液
10 酸素(または水素)ガス導入管
11 酸素(または水素)ガス排出管
12 水素(または酸素)ガス導入管
13 水素(または酸素)ガス排出管
14 照射光
15 酸素(または水素)ガス供給部
16 水素(または酸素)ガス供給部
17 酸素気泡
18 水素気泡
19 光電気化学セル
20 仕切り板
21 酸素(または水素)ガス循環ライン
22 酸素(または水素)ガス貯蔵部
23 水素(または酸素)ガス循環ライン
24 水素(または酸素)ガス貯蔵部
25 コンプレッサ
26 流量制御器
27 第1の空間用電解液循環ライン
28 第1の空間用電解液貯蔵部
29 第2の空間用電解液循環ライン
30 第2の空間用電解液貯蔵部
31 ポンプ
32 水(または電解液)導入管
33 水素ガス貯蔵部
34 水素ガス供給部
35 燃料電池
36 酸素ガス貯蔵部
37 酸素ガス供給部
100,200,300,400 光電気化学セル
500,600 光電気化学セルを用いたエネルギーシステム

Claims (6)

  1. 少なくとも光が照射される面が透光性を有する筐体と、
    前記筐体内部の空間を、第1の空間および第2の空間に分けるセパレータと、
    前記第1の空間内に配置され、導電性基板上に形成された半導体光電極と、
    前記第2の空間内に配置された対極と、
    前記半導体光電極と前記対極との間を接続する電気的接続部とを有し、
    前記第1の空間内および前記第2の空間内に水を含む電解液を有し、
    一端が前記第1の空間下部、他端が酸素(または水素)ガス供給部に接続された酸素(または水素)ガス導入管と、前記第1の空間上部に接続された酸素(または水素)ガス排出管と、
    一端が前記第2の空間下部、他端が水素(または酸素)ガス供給部に接続された水素(または酸素)ガス導入管と、前記第2の空間上部に接続された水素(または酸素)ガス排出管と、を有する、
    光電気化学セル。
  2. 前記第1の空間および前記第2の空間に、
    仕切り板が配置され、
    前記仕切り板の周囲の一部が半導体光電極もしくは対極と接し、
    周囲の他の部分が筐体の内壁に接合されている、
    請求項1に記載の光電気化学セル。
  3. 酸素ガス循環ライン、及び水素ガス循環ラインが前記光電気化学セルに接続され、
    前記酸素ガス循環ラインの途中に、第1のコンプレッサ、酸素ガス貯蔵部および第1の流量制御器を備え、
    前記水素ガス循環ラインの途中に、第2のコンプレッサ、酸素ガス貯蔵部および第2の流量制御器を備えた、
    請求項1または2に記載の光電気化学セル。
  4. 前記第1の空間の電解液を循環させる第1の電解液循環ライン、
    及び前記第2の空間の電解液を循環させる第2の電解液循環ラインが、前記光電気化学セルに接続され、
    前記第1の電解液循環ラインの途中に、第1の電解液貯蔵部及びポンプを備え、
    前記第1の電解液貯蔵部には、電解液を導入するための第1の電解液導入管が接続されており、
    前記第2の電解液循環ラインの途中に、第2の電解液貯蔵部及びポンプを備え、
    前記第2の電解液貯蔵部には、電解液を導入するための第2の電解液導入管が接続されている、
    請求項1〜3のいずれかに記載の光電気化学セル。
  5. 前記光電気化学セルと、
    前記光電気化学セルで生成した水素ガスの貯蔵部と、
    燃料電池と、
    前記水素ガス貯蔵部から前記燃料電池への水素ガス供給部とを有する、
    請求項1〜4のいずれかに記載の光電気化学セルを用いたエネルギーシステム。
  6. 前記光電気化学セルで生成した酸素ガスの貯蔵部と、
    前記酸素ガス貯蔵部から前記燃料電池への酸素ガス供給部とを有する、
    請求項5に記載の光電気化学セルを用いたエネルギーシステム。
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