JP7009104B2 - 繊維構造物およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、撥水性を有する繊維構造物およびその製造方法に関する。
従来、繊維構造物に撥水性を付与する方法として、フッ素化合物を繊維構造物表面に固着させる方法が一般的に用いられている。この方法によれば、高い撥水性を有し、その耐久性に優れる繊維構造物が得られる。
しかし、フッ素化合物は、環境中に排出され分解されると、パーフルオロオクタン酸(PFOA)やパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)を生成する可能性がある。このPFOAやPFOSは、環境への残留や生態への蓄積などの懸念が指摘されている。そこで、フッ素化合物またはその前駆体を用いない撥水加工技術および製品が要望されている。
例えば、特許文献1および2では、シリコーン化合物で処理された撥水性布帛が提案されている。特許文献3では、アニオン性のジハロトリアジン誘導体を用いる方法が提案されている。
国際公開第2015/083627号パンフレット 特開2015-165056号公報 特開2016-89316号公報
特許文献1~3のように非フッ素化合物を用いて繊維構造物に撥水性を付与する場合、フッ素化合物を用いた場合と比べると、初期および洗濯後の撥水性を十分に得ることができない。なお、特許文献3によれば、アニオン性のジハロトリアジン誘導体を繊維構造物に結合させ、その後にカチオン性撥水剤を、繊維構造物に結合したアニオン性基とイオン結合させることで、撥水性の耐久性が向上する。しかし、この方法は、アニオン性のジハロトリアジン誘導体と繊維構造物との結合に、反応染料の機構(共有結合)を利用している。そのため、ポリエステル繊維などの反応基をほとんどもたない繊維に適用することができず、汎用性に欠ける。
すなわち、繊維構造物に対する撥水加工には、フッ素化合物が用いられているのが現状である。
本発明は、非フッ素化合物を用いて、既存のフッ素化合物を用いた場合と同等あるいはそれ以上の撥水性を有し、その耐久性に優れる繊維構造物を提供することを目的とする。
本発明の第一の局面は、(1)第1主面、および、前記第1主面とは反対側の第2主面を備える繊維基材と、少なくとも前記第1主面の表面に形成される第1の樹脂層と、を備え、前記第1の樹脂層は、アニオン性化合物(A)と、撥水性化合物(B)と、を含み、前記アニオン性化合物(A)は、分子内に1個以上のアニオン性基を有し、前記アニオン性化合物(A)の重量平均分子量は、30,000~70,000であり、前記撥水性化合物(B)は、炭化水素化合物(b1)と化合物(b2)との反応物であり、前記炭化水素化合物(b1)は、アルキルウレタン、エチレン尿素、脂肪族カルボン酸、そのエステル化合物、脂肪族炭化水素、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリオレフィン、メチロールアミドおよびそれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種であり、前記化合物(b2)は、2官能以上のイソシアネート化合物、2官能以上のメチロール化合物およびそれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種である、繊維構造物に関する。
この繊維構造物は、既存のフッ素化合物を用いた場合と同等あるいはそれ以上の撥水性を有し、その耐久性に優れる。さらに、第1の樹脂層は、撥油性も備えるため、その表面に他の樹脂層を容易に形成することができる。
(2)前記化合物(b2)は、2官能以上の脂肪族イソシアネート化合物およびその誘導体の少なくとも一方であることが好ましい。これにより、繊維構造物の表面に第2の樹脂層を形成させる場合、第2の樹脂層との密着性は低下し難い。
(3)前記第1主面のJIS L1092に従って測定される撥水度は、4級以上であることが好ましく、かつ、JIS L0217 103に従う洗濯を20回行った後の前記撥水度は、3級以上であることが好ましい。このような撥水度を備える場合、繊維構造物は、アウトドア用途、スポーツ用途などに好ましく用いられる。
(4)さらに、繊維構造物は、第1の樹脂層の表面の少なくとも一部に形成された第2の樹脂層を備え、第2の樹脂層は、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂およびポリオレフィン樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含むことが好ましい。これにより、繊維構造物には、撥水性とともに、第2の樹脂層による種々の物性が付与される。よって、繊維構造物を、例えば、防風用途、透湿防水用途等に用いることが可能となる。
(5)第2の樹脂層は、凝固価が7~15質量%のウレタン樹脂を含むことが好ましい。これにより、第1の樹脂層と第2の樹脂層との密着性が高まる。また、第2の樹脂層の親水性が低くなるため、得られる繊維構造物の撥水性がさらに向上する。
(6)第2の樹脂層が形成された繊維構造物は、JIS L1092 A法に従って測定される耐水圧が3,000mmHO以上であり、JIS L1099 A-1法およびB-1法に従って測定される透湿度が3,000g/m/24時間以上であることが好ましい。
本発明の第二の局面は、(7)第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面と、を備える繊維基材の少なくとも前記第1主面に、第1の樹脂層を形成する工程を備え、前記第1の樹脂層を形成する工程が、少なくとも前記第1主面に、アニオン性化合物(A)を付与する第1工程と、前記アニオン性化合物(A)が付与された少なくとも前記第1主面に、炭化水素化合物(b1)および化合物(b2)を付与する第2工程と、を含み、前記アニオン性化合物(A)は、分子内に1個以上のアニオン性基を有し、前記アニオン性化合物(A)の重量平均分子量は、30,000~70,000であり、前記炭化水素化合物(b1)は、アルキルウレタン、エチレン尿素、脂肪族カルボン酸、そのエステル化合物、脂肪族炭化水素、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリオレフィン、メチロールアミドおよびそれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種であり、前記化合物(b2)は、2官能以上のイソシアネート化合物、2官能以上のメチロール化合物およびそれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種である、繊維構造物の製造方法に関する。
この製造方法により、既存のフッ素化合物を用いた場合と同等あるいはそれ以上の撥水性を有し、その耐久性に優れる繊維構造物を得ることができる。
(8)第1工程は、pH2~6の条件下で行われることが好ましい。これにより、十分な量のアニオン性化合物(A)を、繊維基材の少なくとも第1主面に付着させることができる。
(9)前記第1の樹脂層を形成する工程の後に、前記第1の樹脂層の表面の少なくとも一部に第2の樹脂層を形成する工程を行ってもよい。このとき、前記第2の樹脂層は、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂およびポリオレフィン樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む。第1の樹脂層の表面には、このような他の樹脂層(第2の樹脂層)を容易に形成することができる。
本発明によれば、既存のフッ素化合物を用いた場合と同等あるいはそれ以上の撥水性を有し、その耐久性に優れる繊維構造物を提供することができる。さらに、この繊維構造物は撥油性も備えるため、その表面に他の樹脂層を容易に形成することができる。
本実施形態に係る繊維構造物は、第1主面と、第1主面とは反対側の第2主面と、を備える繊維基材と、第1主面に形成される第1の樹脂層と、を備える。第1の樹脂層は、アニオン性化合物(A)と、炭化水素化合物(b1)および化合物(b2)の反応物である撥水性化合物(B)と、を含む。アニオン性化合物(A)は、分子内に1個以上のアニオン性基を有する。炭化水素化合物(b1)は、アルキルウレタン、エチレン尿素、脂肪族カルボン酸、そのエステル化合物、脂肪族炭化水素、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリオレフィン、メチロールアミドおよびそれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種である。また、化合物(b2)は、2官能以上のイソシアネート化合物、2官能以上のメチロール化合物およびそれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種である。
アニオン性化合物(A)と、炭化水素化合物(b1)および化合物(b2)の反応物である撥水性化合物(B)とは、繊維基材の少なくとも第1主面に付着し、第1の樹脂層を形成している。撥水性は、主に炭化水素化合物(b1)により発揮される。
負電荷を有するアニオン性化合物(A)と炭化水素化合物(b1)との間には、分子間相互作用が働く。このアニオン性化合物(A)との分子間相互作用によって、十分な量の炭化水素化合物(b1)が繊維基材に付着される。よって、繊維基材と第1の樹脂層とを備える繊維構造物の撥水性が向上する。アニオン性化合物(A)と炭化水素化合物(b1)との分子間相互作用は、それぞれの化合物の構造にもよるが、例えば、静電的な結合や引力、例えば、イオン結合、双極子相互作用、ファンデルワールス力などと呼ばれる分子間力によって生じる。
化合物(b2)は、炭化水素化合物(b1)の架橋剤(バインダー)として機能する。そのため、十分な量の炭化水素化合物(b1)は、化合物(b2)により架橋した状態で繊維基材に付着される。この炭化水素化合物(b1)が化合物(b2)により架橋した化合物が撥水性化合物(B)である。よって、繊維構造物の撥水性の耐久性が向上する。つまり、本実施形態に係る繊維構造物は、非フッ素化合物を用いるにもかかわらず、優れた撥水性を有するとともに、その耐久性に優れる。
ところで、非フッ素化合物は、一般的に十分な撥油性を示さない。そのため、有機化合物を含む樹脂配合液を用いて、非フッ素化合物により形成される樹脂層の表面に樹脂層を形成する場合、問題が生じる。例えば、樹脂配合液が繊維基材の内部へ浸透して、繊維基材の風合いが硬化したり、樹脂配合液が裏漏れしたりする。
さらに、撥水剤としてシリコーン化合物を用いる場合、後加工により、繊維構造物の表面に樹脂フィルムのラミネートあるいは転写ラベルの接着等を行うことも困難である。シリコーン化合物は離型性が高いためである。
一方、本実施形態に係る繊維構造物は、第1の樹脂層が炭化水素化合物(b1)を含むため、優れた撥油性を示す。よって、後加工に使用する溶剤あるいは分散剤として有機化合物を選択することができる。つまり、炭化水素化合物(b1)によって、繊維基材に撥水性および撥油性を付与することができる。さらに、第1の樹脂層と、その表面に形成される第2の樹脂層との密着性が向上する。化合物(b2)は、このような炭化水素化合物(b1)によって発現する撥水性、撥油性および密着性の性質を低下させることなく、これらの性質にさらに耐久性を与える。
すなわち、第1の樹脂層を備える繊維構造物は、第2の樹脂層を形成する場合に適した素材である。以下、第2の樹脂層をコーティングにより形成する際に、樹脂配合液の浸透あるいは裏漏れがないこと、および、第1の樹脂層とその表面に形成される第2の樹脂層とが密着できることを、加工適性に優れると表現する場合がある。
第1の樹脂層を備える第1主面のJIS L1092(スプレー試験)に従って測定される撥水度は、4級以上であることが好ましい。また、第1の樹脂層を備える繊維構造物を、JIS L0217 103に従って20回洗濯した後、JIS L1092(スプレー試験)に従って測定される第1の樹脂層を備える第1主面の撥水度は、3級以上であることが好ましい。
さらに、第1の樹脂層を備える第1主面のN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)に対する撥油性(撥DMF性)は、30秒以上であることが好ましく、40秒以上であることがより好ましい。ここで、撥DMF性とは、有機溶剤であるDMFを、第1の樹脂層を備える第1主面の表面に直径が5mmとなるように滴下し、繊維基材に完全に浸透するまでの時間を測定した値である。撥DMF性がこの範囲であれば、繊維構造物は、有機化合物を含む樹脂配合液によるコーティングにさらに適する。撥DMF性が上記の範囲であれば、第1の樹脂層は、他の有機溶媒に対しても撥油性を示し得る。
[繊維基材]
繊維基材は、第1主面と、第1主面とは反対側の第2主面とを備える。繊維基材の形態としては、特に限定されないが、例えば、織物、編物、不織布などが挙げられる。また、繊維基材の単位あたりの質量および厚みも特に制限されず、用途に応じて適宜設定される。繊維基材には、必要に応じて、染色、柔軟加工、帯電防止加工、難燃加工、カレンダー加工などが施されていてもよい。
繊維基材を構成する繊維の材質は、特に限定されず、繊維構造物の用途に応じて適宜選択される。材質としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド;ポリエチレンテレフタレート、トリポリメチレンテレフタレートなどのポリエステル;ポリウレタン、ポリアクリルなどの合成繊維;綿、麻、羊毛、絹などの天然繊維;レーヨン、キュプラなどの再生繊維;アセテート、トリアセテートなどの半合成繊維などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[第1の樹脂層]
第1の樹脂層は、アニオン性化合物(A)と、炭化水素化合物(b1)および化合物(b2)の反応物である撥水性化合物(B)とを含む。
[アニオン性化合物(A)]
アニオン性化合物(A)は、分子内に1個以上のアニオン性基を有する化合物である。アニオン性基としては、スルホ基、カルボキシル基、リン酸基、水酸基、メルカプト基などが挙げられる。アニオン性化合物(A)の同一分子内に含まれるアニオン性基の種類は、1種であっても2種以上であってもよい。
アニオン性化合物(A)は、ベンゼン環を有することが好ましい。これにより、アニオン性化合物(A)と繊維基材との密着性および炭化水素化合物(b1)との密着性が向上する。特に、アニオン性化合物(A)は、ベンゼン環を2個以上有することが好ましい。
アニオン性化合物(A)としては、例えば、フェノール化合物およびチオフェノール化合物が挙げられる。さらに具体的には、フェノールスルホン酸、ジヒドロキシジフェニルスルホン、ノボラック型フェノール樹脂とメタンスルホン酸との共重合体、ベンジル化フェノールスルホン酸、その他のフェノール性OH基を有する化合物、チオフェノール、さらにこれらの金属キレート化合物、あるいは、これらの誘導体とホルムアルデヒドとの縮合生成物などが挙げられる。縮合生成物の具体例としては、フェノールスルホン酸/ホルムアルデヒド縮合物、ビスフェノールS/ホルムアルデヒド縮合物、チオフェノール/ホルムアルデヒド縮合物などが挙げられる。これらの化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
なかでも、ジヒドロキシジフェニルスルホンおよびその誘導体の少なくとも一方と、ホルムアルデヒドとの縮合反応により得られる縮合生成物(以下、ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物と称する場合がある。)が好ましい。
ジヒドロキシジフェニルスルホンは、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンであってもよく、2,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンであってもよい。ジヒドロキシジフェニルスルホンの誘導体としては、アルキル化ジヒドロキシジフェニルスルホン、塩素原子などを有するハロゲン化ジヒドロキシジフェニルスルホン、およびそれらの混合物が挙げられる。なかでも、4,4’-または2,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンが好ましい。なお、ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物は、ホルムアルデヒドとしてパラホルムアルデヒドを用いて、ジヒドロキシジフェニルスルホンとパラホルムアルデヒドとを縮合反応させて得られる化合物であってもよい。
アニオン性化合物(A)の重量平均分子量は30,000~70,000である。重量平均分子量がこの範囲であると、アニオン性化合物(A)は、ゲル化が抑制されるとともに、物理的に繊維基材に吸着しやすく、強く付着できる。また、アニオン性化合物(A)が付着しても、繊維基材の風合いが損なわれ難い。アニオン性化合物(A)の重量平均分子量は30,000~50,000であることが好ましい。
アニオン性化合物(A)の付着量は、繊維基材に対して0.001~10質量%であることが好ましい。アニオン性化合物(A)の付着量がこの範囲であると、後述する炭化水素化合物(b1)の付着性が向上し、繊維基材と第1の樹脂層とを備える繊維構造物の撥水性が向上する。また、アニオン性化合物(A)が付着しても、繊維基材の風合いが損なわれ難い。さらに、繊維構造物の撥油性が向上するため、加工適性も向上する。アニオン性化合物(A)の付着量は、0.1~5質量%であることが好ましい。
アニオン性化合物(A)の繊維基材に対する付着量は、例えば、アニオン性化合物(A)を繊維基材に付着させる際に用いる処理液から算出する。具体的には、処理前および処理後の処理液の吸光度を分光光度計を用いて測定し、そのピーク強度比から処理液中のアニオン性化合物(A)の減少量を算出し、繊維基材への付着量を求める。また、アニオン性化合物(A)をパディング法により繊維基材に付与する場合には、ピックアップ率(絞り率)と処理液におけるアニオン性化合物(A)の濃度との積から、繊維基材への付着量を求める。
アニオン性化合物(A)は、イオン結合や水素結合により繊維基材に付着している。例えば、繊維基材がポリミドを含み、アニオン性化合物(A)がフェノールスルホン酸/ホルムアルデヒド縮合物を含む場合、ポリミドのアミ基と上記縮合物のスルホ基とのイオン結合により付着する。繊維基材がポリエステルおよび/または綿を含み、アニオン性化合物(A)がフェノール性OH基を有する化合物を含む場合、ポリエステルおよび/または綿の水酸基と上記化合物の水酸基との水素結合により付着していると考えられる。
[炭化水素化合物(b1)]
炭化水素化合物(b1)は、アルキルウレタン、エチレン尿素、脂肪族カルボン酸、そのエステル化合物、脂肪族炭化水素、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリオレフィン、メチロールアミドおよびそれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種である。
具体的な炭化水素化合物(b1)としては、例えば、N,N-エチレンラウリルウレタンやN,N-エチレンステアリルウレタンなどのアルキルウレタン;オクタデシルエチレン尿素などのエチレン尿素;カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノレン酸などの脂肪族カルボン酸およびそのエステル化合物;炭素数が12以上のパラフィン系炭化水素、オレフィン系炭化水素などの脂肪族炭化水素;単量体としてラウリルアクリレート、ヘキサデシルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ベヘニルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ヘキサデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソステアリルメタクリレート、ベヘニルメタクリレートなどを単量体とするポリアクリル酸エステルおよびポリメタクリル酸エステル化合物;ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン;メチロールステアリルアミドなどのメチロールアミド;ならびにそれらの誘導体が挙げられる。これらの化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
市販されている炭化水素化合物(b1)としては、「ネオシード NR-90」、「ネオシード NR-158」および「TH-44」(以上、日華化学(株)製)、「Smartrepel Hydro PM liq」および「Smartrepel Hydro CMD liq」(以上、アークロマジャパン(株)製)、「Phobotex RSH」(ハンツマンジャパン(株)製)、「メイシールド P-300C」(明成化学工業(株)製)、「ユニダイン XF-5001」(ダイキン工業(株)製)、「Zelan R3」(ケマーズ(株)製)などを用いることができる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
炭化水素化合物(b1)のイオン性は特に限定されないが、カチオン性またはノニオン性であることが好ましく、カチオン性であることがより好ましい。炭化水素化合物(b1)がカチオン性であると、アニオン性化合物(A)との分子間相互作用が、より強く働くためである。炭化水素化合物(b1)を水に分散させて用いる場合、分散させるために用いる乳化剤も、カチオン性であることが好ましい。
炭化水素化合物(b1)が化合物(b2)と反応し、化合物(b2)により架橋されることにより、撥水性化合物(B)が生じる。この撥水性化合物(B)が、繊維基材に付着される。撥水性化合物(B)中の炭化水素化合物(b1)に由来する構造部分の繊維基材に対する付着量は、0.01~10質量%であることが好ましい。炭化水素化合物(b1)に由来する構造部分の付着量がこの範囲であると、繊維基材の風合いを損ねることなく、高い撥水性が発揮される。また、撥油性(撥DMF性)もより向上する。なお、繊維基材の風合いが維持されると、第2の樹脂層を形成する場合、第1の樹脂層と第2の樹脂層との密着性はより高くなり易い。炭化水素化合物(b1)に由来する構造部分の付着量は、0.5~3質量%であることが好ましい。
炭化水素化合物(b1)に由来する構造部分の付着量は、アニオン性化合物(A)と同様に、例えば、炭化水素化合物(b1)を繊維基材に付着させる際に用いる処理液の吸光度、あるいは、ピックアップ率と炭化水素化合物(b1)の濃度との積を用いて算出する。
[化合物(b2)]
化合物(b2)は、2官能以上のイソシアネート化合物、2官能以上のメチロール化合物およびそれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物である。これらの化合物は、炭化水素化合物(b1)の種類に応じて、適宜選択される。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
2官能以上のイソシアネート化合物およびその誘導体の例としては、トリレジンジイソシキシリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4-および/または2,6-トリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添MDIなどの脂環族ジイソシアネート;ならびにそれらの化合物にメチルエチルケトンオキシム、ε-カプロラクタムなどを反応させたブロックイシアネート基含有化合物などが挙げられる。
2官能以上のメチロール化合物およびその誘導体の例としては、トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミンなどが挙げられる。メチロール化合物には、必要に応じて有機アミン化合物を触媒として併用してもよい。
なかでも、2官能以上の脂肪族イソシアネート化合物およびその誘導体の少なくとも一方が好ましい。繊維構造物の表面に第2の樹脂層を形成させる場合、第1の樹脂層と第2の樹脂層との密着性が低下し難いためである。
化合物(b2)は、炭化水素化合物(b1)の架橋剤として機能し、炭化水素化合物(b1)とともに撥水性化合物(B)として繊維基材に付着される。撥水性化合物(B)中の化合物(b2)に由来する構造部分の繊維基材に対する付着量は、特に限定されないが、炭化水素化合物(b1)の繊維基材への付着量に対して100質量%以下であることが好ましい。化合物(b2)の付着量がこの範囲であると、撥水性を低下させずに、炭化水素化合物(b1)の繊維基材の表面への密着性をさらに向上させることができる。また、繊維構造物の風合いも損なわれ難い。さらに、繊維構造物に第2の樹脂層を形成させる場合、第1の樹脂層と第2の樹脂層との密着性が高くなる。化合物(b2)に由来する構造部分の付着量は、例えば、炭化水素化合物(b1)に由来する構造部分の付着量の測定方法と同様の方法で算出することができる。
[第2の樹脂層]
第1の樹脂層の表面の少なくとも一部には、第2の樹脂層が形成されてもよい。繊維基材と第1の樹脂層とを備える繊維構造物は、加工適性に優れる。これにより、第1の樹脂層によって撥水性を付与された繊維構造物に、さらに他の物性(耐水性、透湿性など)を付与することができる。第2の樹脂層は、1層であってもよく、成分の異なる2層以上の層によって形成されていてもよい。また、第2の樹脂層は、本発明の目的を逸脱しない範囲であれば、第1の樹脂層の表面の全部に形成されてもよい。
第2の樹脂層は、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂およびポリオレフィン樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含むことが好ましい。これらの樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なかでも、皮膜強度、風合い、第1の樹脂層との密着性の観点から、アクリル樹脂および/またはウレタン樹脂が好ましく、特にウレタン樹脂が好ましい。
第2の樹脂層には、上記の樹脂の他に、酸化防止剤や耐光向上剤などの安定剤、有機充填剤、無機充填剤、架橋剤、非溶媒、滑剤、顔料、その他の添加剤、機能付与剤等を適宜添加することができる。
第2の樹脂層は、多孔質または無孔質のいずれの状態であってもよく、用途や所望の物性に応じて適宜設定することができる。繊維構造物に透湿防水性を付与する場合、例えば、第2の樹脂層は湿式凝固法によって形成された多孔質膜が好ましい。この場合、第2の樹脂層は、凝固価が7~15質量%のウレタン樹脂を含むことが好ましい。ウレタン樹脂の凝固価は7.5~14質量%であることがより好ましい。これにより、第1の樹脂層と第2の樹脂層との密着性が高まる。また、第2の樹脂層の親水性が低くなるため、得られる繊維構造物の撥水性(さらには防水性)がさらに向上する。
ここで、凝固価とは、濃度1質量%のウレタンDMF溶液25gに貧溶媒である水を攪拌しながら一定量ずつ滴下し、溶液の白濁が消えなくなるまでに要した水の滴下量(g)から計算される。凝固価は、具体的には、下記の式で算出される。
凝固価=[白濁するまでに要した水の滴下量(g)/{25(g)+白濁するまでに要した水の滴下量(g)}]×100(質量%)
第2の樹脂層の厚みは、1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましい。厚みが1μm以上であれば、第2の樹脂層の物性が発揮され易い。
第1の樹脂層と第2の樹脂層との剥離強度は、1N/2.54cm以上であることが好ましく、4N/2.54cm以上であることがより好ましい。
剥離強度の測定には、繊維構造物に形成された第2の樹脂層の表面に、幅25mmのホットメルトテープを約120℃のアイロンで接着させた試料が用いられる。上記試料が十分に冷えた後に、つかみ間隔10mm、引張速度100mm/分の条件で第2の樹脂層を試料の末端から10mm剥がし、このときの剥離強度を測定する。
第2の樹脂層が形成された繊維構造物は、JIS L1092 A法(低水圧法)に従って測定される耐水圧が3,000mmHO以上であることが好ましく、5,000mmHO以上であることがより好ましい。耐水圧がこの範囲であれば、繊維構造物は、防風用途、透湿防水用途などに好ましく適用できる。
第2の樹脂層が形成された繊維構造物のJIS L1092 A-1法およびB-1法に従って測定される透湿度は、それぞれ3,000g/m/24時間以上であることが好ましく、5,000g/m/24時間以上であることがより好ましい。A-1法における透湿度がこの範囲のとき、繊維構造物が水蒸気に接した場合、水蒸気を透過させる性能に優れる。また、B-1法における透湿度がこの範囲のとき、繊維構造物に汗などが結露して水分が付着した場合、水分を透過させる性能に優れる。すなわち、繊維構造物がA-1法およびB-1法における透湿度がともに上記範囲のとき、衣服として着用する際の蒸れ感が抑制されて、快適な着心地が得られる。
このような耐水圧および透湿度を有する繊維構造物は、カジュアル、アウトドア、スポーツ用途などの衣料品、繊維資材などに、好ましく適用される。
[繊維構造物の製造方法]
本実施形態に係る繊維構造物の製造方法は、繊維基材の少なくとも第1主面に、第1の樹脂層を形成する工程を備える。第1の樹脂層を形成する工程は、アニオン性化合物(A)を付与する第1工程と、アニオン性化合物(A)が付与された繊維基材の少なくとも第1主面に、炭化水素化合物(b1)と化合物(b2)とを付与する第2工程と、を含む。
このように、繊維基材に、まずアニオン性化合物(A)を付与し、その後、炭化水素化合物(b1)および化合物(b2)を付与することによって、アニオン性化合物(A)と、炭化水素化合物(b1)および化合物(b2)の反応物である撥水性化合物(B)とを含む第1の樹脂層が、少なくとも第1主面に強く付着された状態で形成される。
以下、本実施形態の一例を、工程ごとに説明する。
[第1工程:アニオン性化合物(A)の付与]
第1主面と第2主面とを備える繊維基材の少なくとも第1主面に、上記アニオン性化合物(A)を付与する。アニオン性化合物(A)は、例えば、溶媒に溶解させた状態で、繊維基材の少なくとも第1主面に付与される。溶媒は、水であってもよいし、エタノール、イソプロピルアルコールなどの水溶性有機化合物と水との混合物であってもよい。なかでも、取扱い性の点で、水が好ましい。
繊維基材にアニオン性化合物(A)を付与する方法としては、パディング法、コーティング法、グラビアコーティング法、スプレー法、捺染法などの連続式付与法、吸尽法などのバッチ式付与法などの手段が適用できる。
連続式付与法の場合、アニオン性化合物(A)を含む溶液(以下、アニオン化処理剤と称する。)におけるアニオン性化合物(A)の濃度は、0.01~10質量%が好ましく、0.1~3質量%がより好ましい。アニオン性化合物(A)の濃度がこの範囲であれば、繊維基材の風合いを損なうことなく、繊維基材の少なくとも第1主面に、十分な量のアニオン性化合物(A)を付着させることができる。これにより、第2工程で付与される炭化水素化合物(b1)と繊維基材との密着性が、より向上する。
連続式付与法のなかでも、簡便である点で、パディング法が好ましい。パディング法を用いる場合、ピックアップ率は、40~100%であることが好ましい。ピックアップ率がこの範囲内であれば、繊維基材の少なくとも第1主面に、ムラなく、十分な量のアニオン性化合物(A)を付着させることができる。
バッチ式付与法の場合、アニオン化処理剤におけるアニオン性化合物(A)の濃度は、0.1~20%owfが好ましく、0.5~10%owfがより好ましい。アニオン性化合物(A)の濃度がこの範囲であれば、繊維基材の風合いを損なうことなく、繊維基材の少なくとも第1主面に、十分な量のアニオン性化合物(A)を付着させることができる。
バッチ式付与法の場合、処理条件は特に限定されない。なかでも、浴比、すなわち、繊維基材とアニオン化処理剤との質量比(繊維基材:アニオン化処理剤)は、1:10~1:100が好ましく、1:20~1:50であることがより好ましい。浴比がこの範囲であれば、繊維基材の少なくとも第1主面に、ムラなく、十分な量のアニオン性化合物(A)を付着させることができる。処理温度は40~135℃程度であればよく、処理時間は10~60分程度であればよい。
また、バッチ式付与法の場合、繊維基材にアニオン性化合物(A)を付与した後、過剰に付与されたアニオン性化合物(A)を、水洗などにより除去することが好ましい。過剰なアニオン性化合物(A)を除去することにより、炭化水素化合物(b1)を付与する際、処理液中における炭化水素化合物(b1)の微粒子の凝集および沈殿が生じ難くなる。
連続式付与法、バッチ式付与法のいずれの方法であっても、アニオン化処理剤のpHは、2~6であることが好ましく、3~5であることがより好ましい。アニオン化処理剤のpHがこの範囲であれば、十分な量のアニオン性化合物(A)を、繊維基材の少なくとも第1主面に付着させることができる。アニオン化処理剤のpHの調整には、酢酸、ギ酸、硫酸アンモニウムなどを用いることができる。
アニオン性化合物(A)が付与された繊維基材は、必要に応じて乾燥処理が施され、第2工程に供される。乾燥条件は特に限定されないが、乾燥温度は100~180℃程度であればよく、乾燥時間は30秒~5分程度であればよい。
[第2工程:炭化水素化合物(b1)および化合物(b2)の付与]
アニオン性化合物(A)が付与された繊維基材の少なくとも第1主面に、上記炭化水素化合物(b1)および化合物(b2)を付与する。
炭化水素化合物(b1)および化合物(b2)は、繊維基材に一段階で付着させてもよいし、二段階に分けて付着させてもよい。後者の場合、炭化水素化合物(b1)および化合物(b2)の付着順序は特に限定されず、炭化水素化合物(b1)を先に繊維基材に付着させた後、化合物(b2)を付着させてもよいし、化合物(b2)を繊維基材に付着させた後、炭化水素化合物(b1)を付着させてもよい。
炭化水素化合物(b1)および化合物(b2)は、例えば、溶媒に溶解または分散媒に分散させた状態で、繊維基材に付与される。溶媒または分散媒としては、水であってもよいし、エタノール、イソプロピルアルコールなどの水溶性有機化合物と水との混合物であってもよい。なかでも、取扱い性の点で、水が好ましい。
繊維基材に炭化水素化合物(b1)および化合物(b2)を付与する方法としては、アニオン性化合物(A)を付与する方法と同じ方法が挙げられる。なかでも、簡便である点で、パディング法が好ましい。パディング法を用いる場合、ピックアップ率は、40~100%であることが好ましい。ピックアップ率がこの範囲内であれば、繊維基材の少なくとも第1主面に、ムラなく、十分な量の炭化水素化合物(b1)および化合物(b2)を付着させることができる。
連続式付与法の場合、炭化水素化合物(b1)を含む溶液または分散液(以下、撥水処理剤Bと称する。)、あるいは、炭化水素化合物(b1)および化合物(b2)を含む溶液または分散液(以下、単に撥水処理剤と称する。)における炭化水素化合物(b1)の濃度は、1~25質量%が好ましく、3~15質量%がより好ましい。
連続式付与法の場合、化合物(b2)を含む溶液または分散液(以下、撥水処理剤Cと称する。)、あるいは、撥水処理剤における化合物(b2)の濃度は、0.01~10質量%が好ましく、0.1~5質量%がより好ましい。
炭化水素化合物(b1)および化合物(b2)の濃度がこの範囲であれば、チョークマークやクラックマークなどを発生させることなく、繊維基材の少なくとも第1主面に、十分な量の炭化水素化合物(b1)および化合物(b2)を付着させることができる。その結果、得られる繊維構造物は、優れた撥水性および撥油性を発現することができる。また、繊維基材の風合いは損なわれ難い。さらに、第2の樹脂層を形成する場合、第1の樹脂層と第2の樹脂層との密着性が高くなり易い。
撥水処理剤Bおよび撥水処理剤C、あるいは撥水処理剤には、必要に応じて、柔軟剤、可縫製向上剤、帯電防止剤、pH調整剤、その他の添加剤、機能付与剤などを添加してもよい。
繊維基材に炭化水素化合物(b1)および化合物(b2)を付与した後、乾燥処理を施す。乾燥処理の条件は特に限定されず、適宜設定することができる。処理温度は100~180℃程度であればよく、処理時間は30秒~5分程度であればよい。この乾燥処理中に、炭化水素化合物(b1)と化合物(b2)とが熱によって反応し、撥水性化合物(B)が生成して第1の樹脂層が形成される。炭化水素化合物(b1)と化合物(b2)との反応を十分に進行させるため、必要に応じて、乾燥処理の後に、さらに熱処理を行ってもよい。また、第1の樹脂層が形成された繊維基材に、必要に応じて、着色加工やカレンダー加工を行ってもよい。
[第2の樹脂層の形成]
第1の樹脂層の表面に、第2の樹脂層が形成されてもよい。第2の樹脂層は、多孔質であってもよいし、無孔質であってもよい。
第2の樹脂層は、後述の方法により、第1の樹脂層の表面に膜状に形成される。第2の樹脂層を形成する原料樹脂は、溶媒に溶解または分散媒に分散させた状態、あるいは、熱溶融させた状態で用いられる。溶媒または分散媒としては、水、有機化合物、それらの混合物などが用いられる。
第1の樹脂層の表面に第2の樹脂層を膜状に形成する方法としては、例えば、コーティング法が挙げられる。コーティング法では、例えば、ナイフコーター、コンマコーター、ロールコーター、ダイコーター、リップコーターなどの公知の装置により、第1の樹脂層の表面に原料樹脂を含む樹脂配合液が塗布される。樹脂配合液が塗布された後、乾式成膜法または湿式成膜法による成膜が行われて、膜状の第2の樹脂層が形成される。樹脂配合液における原料樹脂の含有量は特に限定されないが、例えば、5~65質量%である。
多孔質の第2の樹脂層は、湿式製膜法や、樹脂配合液に発泡剤などの添加剤を含有させて多孔を形成させる方法などにより形成される。無孔質の第2の樹脂層は、乾式製膜法などにより形成される。
湿式製膜法により多孔質の第2の樹脂層を形成させる条件は、特に限定されない。例えば、原料樹脂がウレタン樹脂である場合、まず、ウレタン樹脂を水に可溶な極性溶媒(例えばDMF)に溶解させた樹脂配合液を、繊維基材に形成された第1の樹脂層の表面にコーティング法で塗布する。次いで、樹脂配合液が塗布された繊維基材を、水中または極性溶媒を含有する水溶液中で凝固させる。
また、第1の樹脂層の表面に第2の樹脂層を膜状に形成する方法としては、別途製膜した第2の樹脂層を、繊維構造物の第1の樹脂層に積層する方法が挙げられる。積層方法としては、例えば、転写法、熱融着、熱圧着、接着剤を用いた貼着など、公知の方法が挙げられる。
接着剤を用いる場合、接着剤は、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂およびポリオレフィン樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。なかでも、皮膜強度、風合い、第1の樹脂層との密着性の観点から、アクリル樹脂および/またはウレタン樹脂がより好ましい。
第2の樹脂層が形成された後、必要に応じて、繊維構造物に各種表面処理、エンボス加工、揉み加工などを行ってもよい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって限定されるものではない。
なお、実施例における性能の評価は、以下の方法に従った。
[評価方法]
(1)第1工程で付着したアニオン性化合物の付着量
第1工程の処理前後のアニオン化処理剤の吸光度を分光光度計を用いて測定した。処理前後のピーク強度比からアニオン化処理剤中のアニオン性化合物の処理による減少量を算出し、これを用いて、繊維基材へのアニオン性化合物の付着量を求めた。
(2)第2工程で付着した各化合物の付着量
第2工程で使用された撥水処理剤における各化合物の濃度と、第2工程におけるピックアップ率との積を用いて、繊維基材への各化合物の付着量を求めた。
(3)撥水度
JIS L1092法のスプレー試験に従い、繊維構造物の初期および洗濯20回後の撥水性を評価した。洗濯は、JIS L0217 103法に従い行った。
(4)撥DMF性
DMFを、繊維構造物の第1の樹脂層が形成された主面に直径が5mmとなるように滴下し、繊維基材に完全に浸透するまでの時間を測定した。
(5)第2の樹脂層の剥離強度
幅25mmのホットメルトテープ(サン化成(株)製)を、約120℃のアイロンで繊維構造物の第2の樹脂層の表面に接着して、試料を作製した。試料が十分に冷えた後に、第2の樹脂層を末端から10mm剥がし、このときの剥離強度を測定した。剥離は、つかみ間隔10mm、引張速度100mm/分の条件で行った。
(6)耐水圧
JIS L1092 A法 低水圧法に従い、繊維構造物の耐水圧を測定した。
(7)透湿度
JIS L1099 A-1法およびB-1法に従い、繊維構造物の透湿度を測定した。
(8)裏漏れ
第2の樹脂層の形成を行った後、繊維構造物の第2の樹脂層が形成された主面とは反対側の主面への樹脂配合液の漏れの有無を、目視にて観察した。
[実施例1]
(繊維基材の準備)
ナイロン6製のタフタ(経糸:44dtex/34f、緯糸:44dtex/34f)を、常法に従って精練した。次いで、タフタにプレセットを行った後、染色して、繊維基材を得た。
(第1工程:アニオン性化合物(A)の付与)
繊維基材に、アニオン性化合物(A)を含むアニオン化処理剤1(pHは4)を、吸尽法により付与した。繊維基材とアニオン性化合物(A)との質量比(浴比)は、1:20とした。処理温度80℃で15分間、吸尽処理を行った後、150℃で1分間、乾燥させた。
アニオン化処理剤1
アニオン性化合物(A)(ジヒドロキシジフェニルスルホン/ホルムアルデヒド縮合物、重量平均分子量40,000、オー・ジー長瀬カラーケミカル(株)製、SZ9904):3%owf
酢酸(80質量%水溶液):0.5mL/L
(第2工程:炭化水素化合物(b1)および化合物(b2)の付与)
アニオン性化合物(A)が付与された繊維基材に、炭化水素化合物(b1)および化合物(b2)を含む撥水処理剤1を、パディング法(ピックアップ率:60%)により付与した。次いで、130℃で90秒間の乾燥を行った後、170℃で60秒間の熱セットを行い、第1の樹脂層を形成した。
撥水処理剤1
炭化水素化合物(b1)((メタ)アクリル酸エステル誘導体、固形パラフィン、日華化学株(株)製、ネオシード NR-90):6質量%
化合物(b2)(N-メチロール化合物、住友化学工業(株)製、スミテックスレジン M3):0.5質量%
反応触媒(住友化学工業(株)製、スミテックス アクセローターA):0.1質量%
繊維基材に対するアニオン性化合物(A)の付着量、炭化水素化合物(b1)および化合物(b2)に由来する構造部分の付着量を、前記評価方法(1)および(2)に従い測定した。また、(3)撥水度および(4)撥DMF性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(第2の樹脂層の形成)
形成された第1の樹脂層の表面にカレンダー加工を行った。次に、樹脂配合液1を、第1の樹脂層の表面にロールオンナイフコーターで乾燥後の厚さが50μmとなるように塗布し、水中で2分間凝固させた。次いで、この凝固膜を有する繊維基材を50℃の温水に5分間浸漬させて洗浄を行い、150℃で1分間乾燥させることにより、第1の樹脂層の表面に第2の樹脂層を形成した。
樹脂配合液1
ポリウレタン樹脂溶液(固形分濃度25質量%、凝固価9.8質量%、大日精化工業(株)製、レザミン CU-4555):100部
炭酸カルシウム/ポリウレタン樹脂溶液(ポリウレタン樹脂の濃度16質量%、大日精化工業(株)製、MY-3657):20部
イソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業(株)製、コロネート L):1部
DMF:40部
第2の樹脂層が形成された繊維構造物について、(5)剥離強度、(6)耐水圧、(7)透湿度および(8)裏漏れを評価した。結果を表1に示す。
[実施例2]
繊維基材として、ポリエステル製のタフタ(経糸:56dtex/48f、緯糸:56dtex/48f)を用いて、撥水処理剤1をパディング法(ピックアップ率:40%)により付与したこと以外は、実施例1と同様にして繊維構造物を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
撥水処理剤1に替えて、以下に示す撥水処理剤2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして繊維構造物を作製し、評価した。結果を表1に示す。
撥水処理剤2
炭化水素化合物(b1)(アルキルウレタン、ケマーズ(株)製、Zelan R3):6質量%
化合物(b2)(N-メチロール化合物、住友化学工業(株)製、スミテックスレジン M3):0.5質量%
反応触媒(スミテックス アクセローターA):0.1質量%
[実施例4]
撥水処理剤1に替えて、以下に示す撥水処理剤3を用いたこと以外は、実施例1と同様にして繊維構造物を作製し、評価した。結果を表1に示す。
撥水処理剤3
炭化水素化合物(b1)(ネオシード NR-90):6質量%
化合物(b2)(脂肪族系ブロックイシシアネート化合物、日華化学(株)製、NKアシスト NY):1質量%
反応触媒(スミテックス アクセローターA):0.1質量%
[比較例1]
第1工程を省き、撥水処理剤1に替えて、以下に示すフッ素化合物を含む撥水処理剤4を用いたこと以外は、実施例1と同様にして繊維構造物を作製し、評価した。結果を表2に示す。
撥水処理剤4
フッ素系撥水撥油剤(旭硝子(株)製、アサヒガード AG-E700D):6質量%
N-メチロール化合物(スミテックスレジン M3):0.5質量%
反応触媒(スミテックス アクセローターA):0.1質量%
[比較例2]
第1工程を省いたこと以外は、実施例1と同様にして繊維構造物を作製し、評価した。結果を表2に示す。
[比較例3]
アニオン化処理剤1に替えて、以下に示すアニオン化処理剤2を用いたこと以外は、実施例2と同様にして繊維構造物を作製し、評価した。結果を表2に示す。
アニオン化処理剤2
アニオン性化合物(芳香族スルホン酸誘導体、重量平均分子量100、明成化学工業(株)製、メナ25):3%owf
酢酸(80質量%水溶液):0.5mL/L
[比較例4]
撥水処理剤1に替えて、以下に示す撥水処理剤5を用いたこと以外は、実施例1と同様にして繊維構造物を作製し、評価した。結果を表2に示す。
撥水処理剤5
炭化水素化合物(b1)(ネオシード NR-90):65質量%
化合物(b2)(N-メチロール化合物、住友化学工業(株)製、スミテックスレジン M3):0.5質量%
反応触媒(スミテックス アクセローターA):0.1質量%
[比較例5]
撥水処理剤1に替えて、以下に示すシリコーン化合物を含む撥水処理剤6を用いたこと以外は、実施例1と同様にして繊維構造物を作製し、評価した。結果を表2に示す。
撥水処理剤6
メチルハイドロジェンシリコーン(日華化学(株)製、ドライポン 600E):4質量%
化合物(b2)(スミテックスレジン M3):0.5質量%
反応触媒(日華化学(株)製、ドライポン Z-7):4質量%
Figure 0007009104000001
Figure 0007009104000002
表1に示すように、炭化水素化合物(b1)を用いた実施例1~4で得られた繊維構造物は、フッ素化合物を用いた比較例1で得られた繊維構造物と遜色のない撥水性、加工適正および透湿防水性を示した。
一方、表2に示すように、比較例2では、アニオン性化合物(A)を付与する工程を省いたため十分な撥水性が得られず、また撥DMF性が小さいため、第2の樹脂層を形成する際に樹脂配合液の裏漏れが発生した。比較例3では、用いたアニオン性化合物(A)の分子量が小さく、繊維構造物表面にアニオン性化合物(A)が十分に付着しなかった。そのため、比較例2と同様に十分な撥水性が得られず、第2の樹脂層を形成する際に樹脂配合液の裏漏れが発生した。比較例4では、過剰量の炭化水素化合物(b1)を付与したため、第2の樹脂層の密着性が低下し、十分な剥離強度が得られなかった。また、比較例5では、撥水剤としてシリコーン化合物を用いたため、その特性により十分な剥離強度が得られず、第2の樹脂層を形成する際に樹脂配合液の裏漏れが発生した。さらに、比較例4および比較例5では、耐水圧測定中に第2の樹脂層が繊維構造物から剥離するため、耐水圧を正確に測定することができなかった。
本発明は、発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態および変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態および実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
本発明の繊維構造物は、高い撥水性とその耐久性とを有し、さらに加工適正にも優れる。したがって、カジュアル、アウトドア、スポーツ用途など衣料品、繊維資材などに用いることができる。

Claims (9)

  1. 第1主面、および、前記第1主面とは反対側の第2主面を備える繊維基材と、
    少なくとも前記第1主面の表面に形成されるフッ素化合物およびシリコーン化合物を含まない第1の樹脂層と、を備え、
    前記第1の樹脂層は、
    アニオン性化合物(A)と、
    撥水性化合物(B)と、を含み、
    前記アニオン性化合物(A)は、分子内に1個以上のアニオン性基を有し、
    前記アニオン性化合物(A)の重量平均分子量は、30,000~70,000であり、
    前記撥水性化合物(B)は、炭化水素化合物(b1)と化合物(b2)との反応物であり、
    前記炭化水素化合物(b1)は、アルキルウレタン、エチレン尿素、脂肪族カルボン酸、そのエステル化合物、脂肪族炭化水素、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリオレフィン、メチロールアミドおよびそれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記化合物(b2)は、2官能以上のイソシアネート化合物、2官能以上のメチロール化合物およびそれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種である、繊維構造物。
  2. 前記化合物(b2)が、2官能以上の脂肪族イソシアネート化合物およびその誘導体の少なくとも一方である、請求項1に記載の繊維構造物。
  3. 前記第1主面のJIS L1092に従って測定される撥水度が4級以上であり、
    JIS L0217 103に従う洗濯を20回行った後の前記撥水度が3級以上である、請求項1または2に記載の繊維構造物。
  4. さらに、前記第1の樹脂層の表面の少なくとも一部に形成された第2の樹脂層を備え、
    前記第2の樹脂層が、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂およびポリオレフィン樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の繊維構造物。
  5. 前記第2の樹脂層が、凝固価が7~15質量%のウレタン樹脂を含む、請求項4に記載の繊維構造物。
  6. JIS L1092 A法に従って測定される耐水圧が、3,000mmH2O以上であり、
    JIS L1099 A-1法およびB-1法に従って測定される透湿度が、それぞれ3,000g/m2/24時間以上である、請求項4または5に記載の繊維構造物。
  7. 第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面と、を備える繊維基材の少なくとも前記第1主面に、フッ素化合物およびシリコーン化合物を含まない第1の樹脂層を形成する工程を備え、
    前記第1の樹脂層を形成する工程が、
    少なくとも前記第1主面に、アニオン性化合物(A)を付与する第1工程と、
    前記アニオン性化合物(A)が付与された少なくとも前記第1主面に、炭化水素化合物(b1)および化合物(b2)を付与する第2工程と、を含み、
    前記アニオン性化合物(A)は、分子内に1個以上のアニオン性基を有し、
    前記アニオン性化合物(A)の重量平均分子量は、30,000~70,000であり、
    前記炭化水素化合物(b1)は、アルキルウレタン、エチレン尿素、脂肪族カルボン酸、そのエステル化合物、脂肪族炭化水素、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリオレフィン、メチロールアミドおよびそれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記化合物(b2)は、2官能以上のイソシアネート化合物、2官能以上のメチロール化合物およびそれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種である、繊維構造物の製造方法。
  8. 前記第1工程が、pH2~6の条件下で行われる、請求項7に記載の繊維構造物の製造方法。
  9. 前記第1の樹脂層を形成する工程の後に、前記第1の樹脂層の表面の少なくとも一部に第2の樹脂層を形成する工程を含み、
    前記第2の樹脂層が、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂およびポリオレフィン樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む、請求項7または8に記載の繊維構造物の製造方法。
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