JP7008887B2 - 劣化状態判定装置、劣化状態検査システム、及び、劣化状態検査方法 - Google Patents

劣化状態判定装置、劣化状態検査システム、及び、劣化状態検査方法 Download PDF

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Description

この発明は、2つの部材間に挟み込まれた弾性樹脂の劣化状態を判定する劣化状態判定装置、劣化状態検査システム、及び、劣化状態検査方法に関する。
従来、2つの部材間に弾性樹脂を挟み込むようにした構造体が提供されている。このような構造体を用いた場合、弾性樹脂の劣化状態を非破壊で検査したいという要求があった。非破壊検査では、超音波が多く用いられている。特許文献1には、複数枚積層された金属板のスポット溶接部の良否を、超音波を用いて判定する技術が開示されている。
特開昭61-155953号公報
特許文献1に開示された技術は、金属板間の境界部位に対応する中間エコーの有無及び大小により、スポット溶接部の良否を判定している。境界部位に隙間が発生した場合、中間エコーが発生する。この中間エコーは、金属板間の隙間において、多重反射した後、金属板を透過したものが検出される。中間エコーが金属板間の隙間において多重反射した場合、中間エコーの振幅の減衰は小さい。
ここで、2つの部材間に挟み込まれた弾性樹脂が劣化した場合、2つの部材と弾性樹脂との間に隙間が生じる。従って、2つの部材間に挟み込まれた弾性樹脂の劣化状態を判定する場合、その隙間を検出すれば良く、例えば、特許文献1に開示された技術を用いることが考えられる。
2つの部材間に挟み込まれた弾性樹脂の劣化状態を、特許文献1に開示された技術を用いて判定する場合、2つの部材と弾性樹脂との間の隙間に対応する中間エコーを検出する必要がある。この中間エコーは、2つの部材と弾性樹脂との間の隙間において、多重反射した後、弾性樹脂を透過したものが検出される。このように、中間エコーは、弾性樹脂の表面に対して多重反射するため、当該弾性樹脂によってその振幅が大きく減衰されてから検出されることになる。従って、2つの部材間に挟み込まれた弾性樹脂の劣化状態を、特許文献1に開示された技術を用いて判定する場合、中間エコーを明確に受信することは、困難となる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、2つの部材間に挟み込まれた弾性樹脂の劣化状態を非破壊で判定することができる劣化状態判定装置を提供することを目的とする。
この発明に係る劣化状態判定装置は、弾性樹脂を挟み込んだ2つの部材のうちの一方の部材の表面から入射され、2つの部材のうちの他方の部材の表面から出射された超音波の波形を示す信号を取得する取得部と、取得部が取得した超音波のうち、弾性樹脂を透過しなかった超音波の振幅と、弾性樹脂を透過した超音波の振幅とに基づいて、弾性樹脂の劣化状態を判定する判定部とを備えるものである。
この発明によれば、2つの部材間に挟み込まれた弾性樹脂の劣化状態を非破壊で判定することができる。
実施の形態1に係る劣化状態判定装置の判定対象となる構造体の外観斜視図である。 実施の形態1に係る劣化状態判定装置の判定対象となる構造体の縦断面図である。 実施の形態1に係る劣化状態検査システムに適用される劣化状態判定装置の構成を示すブロック図である。 図4Aは弾性樹脂が劣化していない場合の超音波の透過を示す図である。図4Bは弾性樹脂が劣化していない場合の超音波の振幅を示す図である。 図5Aは弾性樹脂が劣化している場合の超音波の透過を示す図である。図5Bは弾性樹脂が劣化している場合の超音波の振幅を示す図である。 劣化していない弾性樹脂を対象とした透過波実験結果を示す図である。 劣化している弾性樹脂を対象とした透過波実験結果を示す図である。 実施の形態1に係る劣化状態判定装置の動作を示すフローチャートである。 図9A及び図9Bは実施の形態1に係る運転者監視装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 実施の形態2に係る劣化状態検査システムの構成を示す図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
実施の形態1に係る劣化状態判定装置40について、図1から図9を用いて説明する。
先ず、実施の形態1に係る劣化状態判定装置40の判定対象(検査対象)となる構造体10について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、実施の形態1に係る劣化状態判定装置40の判定対象となる構造体10の外観斜視図である。図2は、実施の形態1に係る劣化状態判定装置40の判定対象となる構造体10の縦断面図である。なお、劣化状態判定装置40は、図3に図示されており、その詳細については、後述する。
図1及び図2に示すように、構造体10は、配管11と配管12とを、ボルト14及びナット15を用いて、互いにフランジ接合させたものである。配管11,12は、例えば、金属で形成されている。配管11は、フランジ11aを有している。フランジ11aは、配管11の一端に設けられている。配管12は、フランジ12a及び環状溝12bを有している。フランジ12aは、配管12の一端に設けられている。環状溝12bは、フランジ12aの接触面に形成されている。なお、フランジ12aの接触面は、フランジ11aの接触面と接触するである。
環状溝12bには、弾性樹脂13が嵌め込まれている。この弾性樹脂13は、例えば、ゴム製のガスケット又はパッキン等のシール部材であり、環状をなしている。また、弾性樹脂13は、配管11,12の径方向方(以下、単に、径方向と称す)において、フランジ11a,12aを貫通したボルト14よりも径方向内側に配置されている。弾性樹脂13の高さは、環状溝12bの深さを超える値となっている。これにより、弾性樹脂13は、環状溝12bに嵌め込まれた際に、当該環状溝12bから突出した状態となる。
そして、フランジ11aとフランジ12aとは、弾性樹脂13を挟み込んだ状態で、ボルト14及びナット15を用いて接合されている。このとき、弾性樹脂13は、フランジ11a,12aの周方向全域において、当該フランジ11a,12a間を密閉している。
互いに接合された配管11,12には、気体又は液体等の流体が流れている。配管11,12は、フランジ11a,12a同士をボルト14及びナット15によって締め付けるだけでは、流体のフランジ11a,12a間からの漏れを防ぐことが難しいため、当該フランジ11a,12a間に、弾性樹脂13を挟み込んでいる。
環状溝12bに嵌め込まれた弾性樹脂13は、フランジ11a,12a同士が配管11,12の軸方向(以下、単に、軸方向と称す)において突き合わされることにより、当該軸方向において弾性変形する。これにより、弾性樹脂13は、フランジ11aを押圧することになり、フランジ11a,12a間の隙間は、密閉される。この結果、流体は、配管11,12を流れても、フランジ11a,12a間から漏出することはない。
しかしながら、弾性樹脂13は、年月が経つと、徐々に劣化していく。このように、弾性樹脂13は、劣化してくると、徐々に硬化して、その弾性力が失われていく。このような、弾性樹脂13の劣化は、フランジ11aと弾性樹脂13との間の接触状態、及び、フランジ12aと弾性樹脂13との間の接触状態に悪影響を与え、流体の漏れを発生させるおそれがある。これにより、フランジ11a,12aからの流体漏れを防止するためには、弾性樹脂13の劣化を非破壊で検査することが必要とされる。
次に、実施の形態1に係る劣化状態判定装置40及びこれを備えた劣化状態検査システムについて、図3から図5を用いて説明する。図3は、実施の形態1に係る劣化状態検査システムに適用される劣化状態判定装置40の構成を示すブロック図である。図4Aは、弾性樹脂13が劣化していない場合の超音波の透過を示す図である。図4Bは、弾性樹脂13が劣化していない場合の超音波の振幅を示す図である。図5Aは、弾性樹脂13が劣化している場合の超音波の透過を示す図である。図5Bは、弾性樹脂13が劣化している場合の超音波の振幅を示す図である。
なお、図3、図4A、及び、図5Aは、ボルト14、ナット15、及び、流路を省略した図となっている。更に、図4A及び図5Aは、送受信器30を省略した図となっている。また、図4B及び図5Bにおいては、縦軸は振幅を示しており、横軸は時間を示している。
図3に示すように、実施の形態1に係る劣化状態検査システムは、送信用探触子21、受信用探触子22、及び、送受信器30を備えている。
送信用探触子21は、フランジ11aに取り付けられている。また、送信用探触子21は、超音波を放射するための超音波放射面21aを有している。この超音波放射面21aは、フランジ11aの表面に当接されている。なお、フランジ11aの表面とは、上記フランジ11aの接触面の反対側に位置する面のことである。
送信用探触子21は、送受信器30から出力された励振信号を受信すると、超音波放射面21aから超音波を放射する。そして、超音波放射面21aから放射された超音波は、フランジ11aの表面を介して、フランジ11a,12aの内部及び弾性樹脂13の内部を伝搬する。
受信用探触子22は、送信用探触子21と対となって、フランジ12aに取り付けられている。即ち、送信用探触子21と受信用探触子22とは、フランジ11a,12a間に挟み込まれた弾性樹脂13を軸方向両側から挟み込むように配置されている。また、受信用探触子22は、超音波を受信するための超音波受信面22aを有している。この超音波受信面22aは、フランジ12aの表面に当接されている。なお、フランジ12aの表面とは、上記フランジ12aの接触面の反対側に位置する面のことである。
受信用探触子22は、送信用探触子21から放射された超音波を、超音波受信面22aによって受信する。更に、受信用探触子22は、その受信した超音波を、当該超音波の波形を示す波形信号に変換して、送受信器30に出力する。
また、弾性樹脂13は、超音波透過面13a,13bを有している。超音波透過面13aは、超音波放射面21aと軸方向において対向しており、超音波放射面21aから放射された超音波が透過する面となっている。超音波放射面21aは、超音波透過面13a,13bの一端(内周端)を跨ぐように配置されている。一方、超音波透過面13bは、超音波受信面22aと軸方向において対向しており、弾性樹脂13の内部を伝搬してきた超音波が透過する面となっている。超音波受信面22aは、超音波透過面13a,13bの一端(内周端)を跨ぐように配置されている。
なお、図3の例では、超音波放射面21aは、超音波透過面13aの一端(内周端)のみを跨ぐと共に、超音波受信面22aは、超音波透過面13bの一端(内周端)のみを跨いでいるが、超音波放射面21aは、超音波透過面13aの他端(外周端)のみを跨ぐと共に、超音波受信面22aは、超音波透過面13bの他端(外周端)のみを跨いでも構わない。
これにより、超音波放射面21aから放射された超音波の一部は、フランジ11a及びフランジ12aを順に透過した後、超音波受信面22aで受信される透過波、及び、フランジ11a、弾性樹脂13、及び、フランジ12aを順に透過した後、受信用探触子22で受信される透過波となる。
以下の説明では、図4A及び図5Aに示すように、超音波が、フランジ11a及びフランジ12aのみを順に透過した後、超音波受信面22aに到達する経路を、第1伝搬経路61と称する。即ち、第1伝搬経路61は、超音波が弾性樹脂13を透過しない伝搬経路である。また、超音波が、フランジ11a、弾性樹脂13、及び、フランジ12aを順に透過した後、受信用探触子22に到達する経路を、第2伝搬経路62と称する。即ち、第2伝搬経路62は、超音波が弾性樹脂13を透過する伝搬経路である。
送受信器30は、送信部31、受信部32、及び、劣化状態判定装置40を有している。
送信部31は、送信用探触子21に対して、励振信号を出力し、当該送信用探触子21から超音波を放射させる。
受信部32は、受信用探触子22から出力された波形信号を受信し、この受信した波形信号に対応した受信信号を劣化状態判定装置40に出力する。
劣化状態判定装置40は、フランジ11a,12aと弾性樹脂13との間の隙間に対応する超音波の中間エコーを用いるのではなく、上記2つの伝搬経路61,62をそれぞれ伝搬してきた超音波の振幅を用いることにより、弾性樹脂13の劣化状態を非破壊で判定するものである。この劣化状態判定装置40は、取得部41及び判定部42を有している。
取得部41は、受信部32から出力された受信信号を取得する。また、取得部41は、取得した受信信号を、判定部42に出力する。
判定部42は、取得部41から出力された受信信号を受信し、受信用探触子22が受信した超音波のうち、弾性樹脂13を透過しなかった超音波の振幅と、弾性樹脂13を透過した超音波の振幅とに基づいて、弾性樹脂13の劣化状態を判定する。
具体的には、図4Aから図5Bに示すように、判定部42は、取得部41から出力された受信信号を解析して、受信用探触子22によって受信された2つの超音波のうち、第1伝搬経路61を伝搬してきた超音波の振幅と、第2伝搬経路62を伝搬してきた超音波の振幅とを特定する。そして、判定部42は、第1伝搬経路61を伝搬してきた超音波の振幅と、第2伝搬経路62を伝搬してきた超音波の振幅とを比較して、弾性樹脂13の劣化状態を判定する。判定部42は、例えば、上記2つの振幅を、それらの差分又は比率を用いて比較する。
なお、判定部42は、第1伝搬経路61を伝搬してきた超音波の波形と、第2伝搬経路62を伝搬してきた超音波の波形とを、表示器(図示省略)に表示しても良い。また、判定部42は、判定結果を表示器に表示しても良い。
ここで、弾性樹脂材料内を伝搬する超音波の音速は、金属材料内を伝搬する超音波の音速よりも遅くなる。従って、第2伝搬経路62を伝搬した超音波は、第1伝搬経路61を伝搬した超音波よりも、時間的に遅く受信される。これにより、判定部42は、第1ゲート期間71及び第2ゲート期間72を設定している。第1ゲート期間71は、第1伝搬経路61を伝播した超音波の振幅を検出するための期間である。第2ゲート期間72は、第2伝搬経路62を伝播した超音波の振幅を検出するための期間である。
判定部42は、フランジ11aの厚さ、フランジ12aの厚さ、及び、超音波の音速に基づいて、第1ゲート期間71の開始時刻を設定する。また、判定部42は、フランジ11aの厚さ、フランジ12aの厚さ、弾性樹脂13の厚さ、及び、超音波の音速に基づいて、第2ゲート期間72の開始時刻を設定する。更に、判定部42は、超音波の周波数、送信用探触子21の帯域幅、及び、受信用探触子22の帯域幅に基づいて、第1ゲート期間71の長さ、及び、第2ゲート期間72に長さを設定する。
第1伝搬経路61を伝搬する超音波は、フランジ11a,12aのみを透過するため、弾性樹脂13の劣化状態に対応しないものである。第1ゲート期間71で検出された超音波の振幅は、送信用探触子21とフランジ11aとの間の接触状態、及び、受信用探触子22とフランジ12aとの間の接触状態に応じて変化する。
一方、第2伝搬経路62を伝搬する超音波は、フランジ11a,12a及び弾性樹脂13を伝播するため、弾性樹脂13の劣化状態に対応するものである。第2ゲート期間72で検出された超音波の振幅は、フランジ11aと弾性樹脂13との間の接触状態、及び、フランジ12aと弾性樹脂13との間の接触状態に応じて変化する。即ち、弾性樹脂13が劣化した場合、フランジ11aと弾性樹脂13との間、及び、フランジ12aと弾性樹脂13との間のうち、少なくともいずれか一方に、隙間が生じるため、第2ゲート期間72で検出された超音波の振幅は、小さくなる。
また、第2ゲート期間72で検出された超音波の振幅は、第1ゲート期間71で検出された超音波の振幅と同様に、送信用探触子21とフランジ11aとの間の接触状態、及び、受信用探触子22とフランジ12aとの間の接触状態に応じて変化する。これにより、判定部42は、第1ゲート期間71で検出された超音波の振幅と、第2ゲート期間72で検出された超音波の振幅とを比較することによって、フランジ11aと弾性樹脂13との間の接触状態、及び、フランジ12aと弾性樹脂13との間の接触状態を求めることができ、更に、この求めた結果に基づいて、弾性樹脂13の劣化状態を判定することができる。
図4A及び図4Bでは、弾性樹脂13が劣化していない状態となっており、第2ゲート期間72で検出された超音波の振幅は、第1ゲート期間71で検出された超音波の振幅よりも大きくなっている。即ち、判定部42は、第2ゲート期間72で検出された超音波の振幅が第1ゲート期間71で検出された超音波の振幅がよりも大きい場合、フランジ11aと弾性樹脂13との間、及び、フランジ12aと弾性樹脂13との間に、隙間が生じていないと判断する。この結果、判定部42は、弾性樹脂13を劣化していないと判定する。
これに対して、図5A及び図5Bでは、弾性樹脂13が劣化している状態となっており、第2ゲート期間72で検出された超音波の振幅は、第1ゲート期間71で検出された超音波の振幅よりも小さくなっている。即ち、判定部42は、第2ゲート期間72で検出された超音波の振幅が第1ゲート期間71で検出された超音波の振幅がよりも小さい場合、フランジ11aと弾性樹脂13との間、及び、フランジ12aと弾性樹脂13との間の少なくともいずれか一方に、隙間が生じていると判断する。この結果、判定部42は、弾性樹脂13を劣化していると判定する。
なお、ここで、説明した超音波の振幅とは、第1ゲート期間71及び第2ゲート期間72における絶対値の最大値のことである。
次に、判定部42の判定方法について、図7及び図8を用いて検証する。図6は、劣化していない弾性樹脂13を対象とした透過波実験結果を示す図である。図7は、劣化している弾性樹脂13を対象とした透過波実験結果を示す図である。なお、図7及び図8においては、縦軸は超音波(透過波)の振幅を示しており、横軸は時間を示している。
図6及び図7に示した結果が得られた透過波実験では、送信用探触子21及び受信用探触子22の周波数を、2MHzとしている。また、以下の説明では、第1ゲート期間71で検出された超音波の振幅をA1とし、第2ゲート期間72で検出された超音波の振幅を、A2とする。
図6に示すように、劣化していない弾性樹脂13を対象とした透過波実験結果は、振幅A1<振幅A2となっている。また、図7に示すように、劣化している弾性樹脂13を対象とした透過波実験結果は、振幅A1>振幅A2となっている。従って、上述した判定部42の判定方法は、弾性樹脂13の劣化状態を正しく判定することができる方法である。
ここで、判定部42は、弾性樹脂13の劣化状態を判定する場合、上述したように、振幅A1と振幅A2との大小関係を用いる他に、振幅A1と振幅A2との振幅比を用いても良い。
具体的には、判定部42は、振幅比(A2/A1)が予め設定された閾値を超える場合、弾性樹脂13を劣化していないと判定し、振幅比が閾値を超えない場合、弾性樹脂13を劣化していると判定する。
例えば、図6に示した透過波実験結果では、(A2/A1)≒2.6となっており、図7に示した透過波実験結果では、(A2/A1)≒0.67となっている。このとき、判定部42は、閾値を「1.0」と予め設定しておけば、弾性樹脂13の劣化状態を判定することができる。
次に、劣化状態判定装置40の動作について、図8を用いて説明する。図8は、実施の形態1に係る劣化状態判定装置40の動作を示すフローチャートである。
図8に示すように、ステップST11において、取得部41は、フランジ11aの表面から入射され、フランジ12aの表面から出射された超音波の波形を示す受信信号を、取得する。
ステップST12において、判定部42は、取得部41が取得した超音波のうち、弾性樹脂13を透過しなかった超音波の振幅と、弾性樹脂13を透過した超音波の振幅とに基づいて、当該弾性樹脂13の劣化状態を判定する。これにより、劣化状態判定装置40の動作は、終了する。
次に、劣化状態判定装置40のハードウェア構成について、図9を用いて説明する。図9A及び図9Bは、実施の形態1に係る劣化状態判定装置40のハードウェア構成の一例を示す図である。
図9Aに示す如く、劣化状態判定装置40は、コンピュータにより構成されており、当該コンピュータは、プロセッサ51及びメモリ52を有している。メモリ52には、当該コンピュータを取得部41及び判定部42として機能させるためのプログラムが記憶されている。メモリ52に記憶されているプログラムをプロセッサ51が読み出して実行することにより、取得部41及び判定部42の機能が実現される。
また、図9Bに示す如く、劣化状態判定装置40は、処理回路53により構成されても良い。この場合、取得部41及び判定部42の機能が処理回路53により実現されても良い。
更に、劣化状態判定装置40は、プロセッサ51、メモリ52、及び、処理回路53により構成されても良い(不図示)。この場合、取得部41及び判定部42の機能のうちの一部の機能がプロセッサ51及びメモリ52により実現されて、残余の機能が処理回路53により実現されるものであっても良い。
プロセッサ51は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は、DSP(Digital Signal Processor)を用いたものである。
メモリ52は、例えば、半導体メモリ又は磁気ディスクを用いたものである。より具体的には、メモリ52は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、SSD(Solid State Drive)、又は、HDD(Hard Disk Drive)等を用いたものである。
処理回路53は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System-on-a-Chip)、又は、システムLSI(Large-Scale Integration)を用いたものである。
以上、実施の形態1に係る劣化状態判定装置40は、弾性樹脂13を挟み込んだ2つのフランジ11a,12aのうちのフランジ11aの表面から入射され、その2つのフランジ11a,12aのうちのフランジ12aの表面から出射された超音波の波形を示す信号を取得する取得部41と、取得部41が取得した超音波のうち、弾性樹脂13を透過しなかった超音波の振幅と、弾性樹脂13を透過した超音波の振幅とに基づいて、当該弾性樹脂13の劣化状態を判定する判定部42を備える。これにより、劣化状態判定装置40は、2つのフランジ11a,12a間に挟み込まれた弾性樹脂13の劣化状態を非破壊で判定することができる。
また、実施の形態1に係る劣化状態検査システムは、弾性樹脂13を挟み込んだ2つのフランジ11a,12aのうちのフランジ11aの内部に超音波を放射する送信用探触子21と、送信用探触子21によって放射された超音波を、2つのフランジ11a,12aのうちのフランジ12aを介して、受信する受信用探触子22と、送信用探触子21に対して、励振信号を出力する送信部31と、受信用探触子22から、波形信号を受信する受信部32と、受信部32から波形信号に対応した受信信号を受信し、受信用探触子22が受信した超音波のうち、弾性樹脂13を透過しなかった超音波の振幅と、弾性樹脂13を透過した超音波の振幅とに基づいて、当該弾性樹脂13の劣化状態を判定する判定部42とを備える。これにより、劣化状態検査システムは、2つのフランジ11a,12a間に挟み込まれた弾性樹脂13の劣化状態を非破壊で判定することができる。
更に、劣化状態検査システムは、送信用探触子21及び受信用探触子22を、弾性樹脂13の一端を跨ぐように配置させている。これにより、劣化状態検査システムは、超音波が弾性樹脂13を透過しない第1伝搬経路61と、超音波が弾性樹脂13を透過する第2伝搬経路62とを、設定することができるので、弾性樹脂13の劣化状態を適切に判定することができる。
実施の形態2.
実施の形態2に係る劣化状態検査システムについて、図10を用いて説明する。なお、図10は、ボルト14、ナット15、送受信器30、及び、流路を省略した図となっている。
実施の形態2に係る劣化状態検査システムは、実施の形態1に係る劣化状態検査システムに対して、送信用探触子21及び受信用探触子22に替えて、送信用探触子26及び受信用探触子27を備えたものである。送信用探触子26及び受信用探触子27は、弾性樹脂13の両端を跨ぐように配置されている。
送信用探触子26は、超音波を放射するための超音波放射面26aを有している。この超音波放射面26aは、超音波透過面13a,13bの一端(内周端)及び他端(外周端)を跨ぐように配置されている。また、受信用探触子27は、超音波を受信するための超音波受信面27aを有している。この超音波受信面27aは、超音波透過面13a,13bの一端(内周端)及び他端(外周端)を跨ぐように配置されている。即ち、超音波放射面26aの長さは、超音波透過面13a,13bの径方向長さよりも長い。また、超音波受信面27aの長さは、超音波透過面13a,13bの径方向長さよりも長い。
これにより、判定部42は、2つの第1伝搬経路61と、1つの第2伝搬経路62を設定することができる。即ち、弾性樹脂13を透過しない超音波は、当該弾性樹脂13の一端側及び他端側を通過する。
また、判定部42は、弾性樹脂13の劣化状態を判定する場合、弾性樹脂13を透過しなかった2つの超音波の振幅、又は、その2つの超音波の振幅のうちのいずれか一方の振幅を使用する。
以上、実施の形態2に係る劣化状態検査システムは、送信用探触子26及び受信用探触子27を、弾性樹脂13の両端を跨ぐように配置させている。これにより、劣化状態検査システムは、超音波が弾性樹脂13を透過しない第1伝搬経路61と、超音波が弾性樹脂13を透過する第2伝搬経路62とを、設定することができるので、弾性樹脂13の劣化状態を適切に判定することができる。
なお、本願発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは、各実施の形態における任意の構成要素の変形、もしくは、各実施の形態における任意の構成要素の省略が可能である。
この発明に係る劣化状態判定装置は、弾性樹脂を透過しなかった超音波の振幅と、弾性樹脂を透過した超音波の振幅とを使用して、弾性樹脂の劣化状態を判定することができ、2つの部材間に挟み込まれた弾性樹脂の劣化状態を判定する劣化状態判定装置等に用いるのに適している。
10 構造体、11 配管、11a フランジ、12 配管、12a フランジ、12b 環状溝、13 弾性樹脂、13a,13b 超音波透過面、14 ボルト、15 ナット、21,26 送信用探触子、21a,26a 超音波放射面、22,27 受信用探触子、22a,27a 超音波受信面、30 送受信器、31 送信部、32 受信部、40 劣化状態判定装置、41 取得部、42 判定部、51 プロセッサ、52 メモリ、53 処理回路、61 第1伝搬経路、62 第2伝搬経路、71 第1ゲート期間、72 第2ゲート期間、A1,A2 振幅。

Claims (5)

  1. 弾性樹脂を挟み込んだ2つの部材のうちの一方の部材の表面から入射され、前記2つの部材のうちの他方の部材の表面から出射された超音波の波形を示す信号を取得する取得部と、
    前記取得部が取得した超音波のうち、前記弾性樹脂を透過しなかった超音波の振幅と、前記弾性樹脂を透過した超音波の振幅とに基づいて、前記弾性樹脂の劣化状態を判定する判定部とを備える
    ことを特徴とする劣化状態判定装置。
  2. 弾性樹脂を挟み込んだ2つの部材のうちの一方の部材の内部に超音波を放射する送信用探触子と、
    前記送信用探触子によって放射された超音波を、前記2つの部材のうちの他方の部材を介して、受信する受信用探触子と、
    前記送信用探触子に対して、励振信号を出力する送信部と、
    前記受信用探触子から、波形信号を受信する受信部と、
    前記受信部から波形信号に対応した受信信号を受信し、前記受信用探触子が受信した超音波のうち、前記弾性樹脂を透過しなかった超音波の振幅と、前記弾性樹脂を透過した超音波の振幅とに基づいて、前記弾性樹脂の劣化状態を判定する判定部とを備える
    ことを特徴とする劣化状態検査システム。
  3. 前記送信用探触子及び前記受信用探触子は、
    前記弾性樹脂の一端を跨ぐように配置される
    ことを特徴とする請求項2記載の劣化状態検査システム。
  4. 前記送信用探触子及び前記受信用探触子は、
    前記弾性樹脂の両端を跨ぐように配置される
    ことを特徴とする請求項2記載の劣化状態検査システム。
  5. 弾性樹脂を挟み込んだ2つの部材のうちの一方の部材の表面から入射され、前記2つの部材のうちの他方の部材の表面から出射された超音波の波形を示す信号を取得し、
    取得した超音波のうち、前記弾性樹脂を透過しなかった超音波の振幅と、前記弾性樹脂を透過した超音波の振幅とに基づいて、前記弾性樹脂の劣化状態を判定する
    ことを特徴とする劣化状態検査方法。
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