JP4955359B2 - 超音波探傷装置及び超音波探傷方法 - Google Patents

超音波探傷装置及び超音波探傷方法 Download PDF

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Description

本発明は、超音波探傷装置及び超音波探傷方法に係り、特に、超音波探触子に構成手段を有する超音波探傷装置及び超音波探傷方法に関する。
超音波探傷は、被検体の健全性を確認するために様々な産業分野で実施されている。超音波を用いた欠陥探傷は、超音波が欠陥で反射する現象を利用して行われる。この探傷においては、超音波を送信及び受信する超音波探触子(または送信用超音波探触子及び受信用超音波探触子)を被検体の表面に配置し、超音波探触子から送信した超音波の反射エコーをその超音波探触子で受信する。受信した反射エコーの信号処理により、所定の高さ以上の反射エコーの有無に基づいて、被検体内における欠陥の有無を判定する。また、反射エコーの反射源の位置に基づいて、欠陥の位置及び寸法が求められる。
超音波による板厚測定は、板の表面に配置された超音波探触子から送信された超音波が板の裏面で反射する性質を利用し、その裏面で反射された反射エコーを超音波探触子で受信することによって行われる。超音波の発信から反射エコーの受信までに要した時間に基づいて、板厚が求められる。
上記のような超音波検査においては、反射エコーの感度及び時間軸の校正が行われる。感度の校正は、基準となる擬似欠陥から、所定のレベルの反射エコーを検出するための校正である。時間軸の校正は、超音波の発信から、既知の反射源で反射した反射エコーの受信までに掛かる時間を超音波伝播距離に換算するための校正である。
特許文献1は、斜角探傷用電子走査式探触子を記述している。この探触子は、楔体の1つの傾斜面に複数の超音波振動子を設置し、他の傾斜面を反射防止面とし、さらに、この反射防止面の一端で探傷方向前面に、被検体の横波音速及び横波超音波の屈折角を求めるために用いる反射面を形成している。
特許文献2は、超音波探傷装置を記載し、さらに、標準試験片を用いた反射エコーの感度及び時間軸の校正について説明する。特許文献3は、超音波探傷において、校正時に人工欠陥を用いることにより屈折角度の選定及び検査感度の設定等を行うことを記載している。特許文献4は、内外面に人工疵を設けた試験片により、反射エコーの高さを調整することについて言及する。特許文献5は、超音波探傷において、校正用試験片を用いた時間軸の校正について説明する。
特開平10−227775号公報 特開平6−138106号公報 特開2006−71420号公報 特開平5−119027号公報 特開2001−124747号公報
特許文献1は、超音波探触子の楔体に超音波を反射する反射面を形成することによって、校正用の振動子を別に設けることなく、簡単に被検体の横波音速及び横波超音波の屈折角を求めることができる。しかしながら、特許文献1は、反射エコーの感度の校正及び時間軸の校正については、一切言及していない。
特許文献2ないし5は、人工欠陥を形成した標準試験片を用いて反射エコーの感度または時間軸の校正を行っている。このため、それらの校正は、超音波探触子を被検体から外した状態で行う必要がある。特許文献1も、特許文献2ないし5に記載されたように標準試験片を用いて反射エコーの感度及び時間軸の校正を行っていると思われる。
超音波探傷装置は、超音波探触子を被検体(例えば配管)に取り付けた状態での継続的な検査(例えば、被検体に生じているひびまたは減肉部の進展度合いの継続的な監視、またはアクセスが困難な狭隘部の検査等)にも用いられる。このような継続的な検査において、標準試験片を用いてそれらの校正を行っていたのでは、校正のたびに、超音波探触子を被検体から取り外し、それを被検体に取り付ける作業を行わなければならない。特に、狭隘部においては、その作業は困難を極め、非常に面倒である。
本発明の目的は、被検体に設置した状態で時間軸の校正データを得ることができる超音波探傷装置及び超音波探傷方法を提供することにある。
上記した目的を達成する本発明の特徴は、超音波探触子が、楔体、この楔体に設けられて超音波を送信する少なくとも1つの振動子、楔体に設けられ校正部材、及び振動子から、楔体が向き合う被検体への超音波の送信と、振動子から校正部材への超音波の送信とを切り替える切替え手段を有し、校正部材が振動子からの超音波を反射する時間軸校正手段を有することにある。
超音波探触子に設けられた校正部材が時間軸校正手段、及び振動子から、楔体が向き合う被検体への超音波の送信と、振動子から校正部材への超音波の送信とを切り替える切替え手段を有しているので、超音波探触子を被検体に設置した状態で、振動子からの超音波を送信する方向を変えることによって、時間軸の校正データを得ることができる。
好ましくは、校正部材は、さらに、振動子からの超音波を反射する感度校正手段を有していることが望ましい。超音波探触子に設けられた校正部材が感度校正手段を有しているので、超音波探触子を被検体に設置した状態で感度の校正データを得ることができる。
本発明によれば、被検体に超音波探触子を設置した状態において時間軸の校正データを得ることができる。
本発明の実施例を、図面を用いて以下に説明する。
本発明の一実施例である実施例1の超音波探傷装置を、図1を用いて以下に説明する。本実施例の超音波探傷装置1は、超音波探触子2及び送受信処理装置15を備える。超音波探触子2は、被検体16に向き合う楔体4、複数の圧電素子(振動子)3、及び校正部材5を有する。超音波探触子2は、フェーズドアレイ探触子である。複数の圧電素子3は楔体4の傾斜面に設置される。校正部材5は、楔体4に設けられており、楔体4に形成された、被検体16に対向する面14に対する垂線と直交する方向に伸びている。校正部材5は楔体4と同じ材料で構成されている。校正部材5は、感度校正手段7,8及び時間軸校正手段9を有する。感度校正手段7は校正部材5に設けられた例えば貫通孔であり、感度校正手段8は校正部材5の先端部で校正部材5の下面側に形成されたスリットである。校正部材5の上面には、段差部10A,10B,10Cがそれぞれ形成されている。これらの段差部の形成によって、校正部材5は先端部に向かって厚みが段階的に減少する。遮音材11が段差部10A,10B,10Cに接触して校正部材5に取り付けられる。遮音材12は校正部材5の先端に取り付けられる。遮音材13は校正部材5の下面に取り付けられる。段差部10A,10B,10Cの、圧電素子3側の各角部9A,9B,9C、及び遮音材12の、校正部材5と接触している上面の角部9Dは、時間軸校正手段9を構成している。送受信処理装置15はそれぞれの圧電素子3に接続される。感度校正手段7,8及び角部9A,9B,9C,9Dは、超音波の反射源である。
超音波探傷装置1は、被検体(例えば、プラントの配管)16に生じているひび17の進展を監視するために、ひび(またはき裂)17の近くにおいて被検体16の表面に常時設置されている。超音波探触子2の面14と被検体16との間には、接触媒質19が存在する。被検体16の肉厚はTである。接触媒質19としては、超音波探触子2の使用環境、使用条件に応じて、水、マシン油、グリセリン及び軟性金属等の超音波伝播特性の高い物質を採用する。そのひび17は被検体16の超音波検査によって発見されたものである。超音波探傷装置1は、送受信処理装置15からの励起指令によって該当する圧電素子3をそれぞれ励起し、各圧電素子3から収束点18に収束するように被検体16に超音波を送信する。その励起信号に基づいて各圧電素子3から送信される各超音波の送信開始時間を制御することによって、各圧電素子3から送信された各超音波の合成波の被検体16への入射角を任意に替えたり、各超音波が収束される収束点18を任意の位置に設定することができる。各圧電素子3から送信された各超音波は、面14及び接触媒質19を介して被検体16に入射される。ひび17の進展の監視は、上記した励起指令に基づいて各圧電素子3から送信される超音波を走査することにより、例えば、収束点18を扇形状にスキャンするセクタースキャン法により行われる。
本実施例では、ひび17の進展を監視している状態において、例えば、定期的に、または必要に応じて、反射エコーの感度の校正及び時間軸の校正を、超音波探触子を被検体16に設置したままで行う。このとき、送受信処理装置15は、収束点18が校正部材5内に位置するように励起指令を各圧電素子3に出力する。したがって、各圧電素子3からの超音波は、面14の方ではなく校正部材5に向かって送信される。
反射エコーの感度校正には、感度校正手段7,8を利用する。感度校正手段7である貫通孔及び感度校正手段8であるスリットは、校正部材5における位置が分かっている。圧電素子3から感度校正手段7,8までの各距離も予め定まっている。感度校正時には、収束点18が感度校正手段7,8の位置になるように励起指令に基づいて各圧電素子3から超音波を送信する。各感度校正手段7,8からのそれぞれの反射エコーは、各圧電素子3で受信される。各圧電素子3で受信された各反射エコーの信号は、送受信処理装置15に入力される。送受信処理装置15は、感度校正手段7,8のそれぞれについて各圧電素子3で受信した各反射エコーの高さを求める。得られたこれらの反射エコーの高さのデータは、感度校正用のデータであり、送受信処理装置15の記憶装置(図示せず)に記憶される。
時間軸の校正には、時間軸校正手段9を利用する。時間軸校正手段9を構成する各角部9A,9B,9C,9Dの位置は予め定められている。時間軸校正時には、収束点18が各角部9A,9B,9C,9Dの位置になるように励起指令に基づいて各圧電素子3から超音波がそれぞれ送信される。各角部9A,9B,9C,9Dからのそれぞれの反射エコーは、各圧電素子3で受信される。各圧電素子3で受信された各反射エコーの信号は、送受信処理装置15に入力される。送受信処理装置15は、それぞれの圧電素子3について、圧電素子3から超音波が送信された時間を基準とし、各角部9A,9B,9C,9Dからのそれぞれの反射エコーを受信するまでに要した各時間を求める。得られた各時間の1/2の時間が時間軸校正用のデータである。これらの時間軸校正用のデータも、送受信処理装置15の記憶装置(図示せず)に記憶される。楔体4、校正部材5及び被検体16の材質が同じである場合には、上記した各時間軸校正用のデータを補正する必要はない。しかしながら、楔体4及び校正部材5の材質が被検体16の材質と異なる場合には、楔体4及び校正部材5内での音速と被検体16内での音速の違いを考慮して、上記した各時間軸校正用のデータを補正する必要がある。
超音波を、圧電素子3から被検体16への送信状態から、校正時における圧電素子3から校正部材5への送信状態に切替える制御は、送受信処理装置15によって行われる。後者の送信状態から前者の送信状態への切替え制御も、送受信処理装置15によって行われる。送受信処理装置15は、それらの送信状態を切替える励起指令を各圧電素子3に出力する。超音波の送信方向を被検体16と構成部材5の間で切り替えるために励起信号を出力している送受信処理装置15は、超音波の送信方向を切り替える切替え装置として機能している。
ひび17の監視時において、各圧電素子3によって受信された各反射エコーを入力した送受信処理装置15は、それらの反射エコーの高さを上記記憶装置に記憶している該当する感度補正用データを用いて補正する。送受信処理装置15は、上記記憶装置に記憶している該当する時間軸補正用データを用いて、各圧電素子3が反射エコーを受信するまでに掛かる時間を伝播距離に換算するための時間軸を補正する。
本実施例は、き裂の進展を監視するために超音波探触子2を被検体16に設置した状態においても、反射エコーの感度の校正データ及び時間軸の校正データを得ることができる。このため、これらの校正データを得るために、超音波探触子2を被検体16から取り外す必要はない。本実施例は、それらの校正データを得るために、圧電素子3からの超音波の送信方向を切替えるだけでよく、極めて短時間に校正データを得ることができる。このような本実施例は、超音波探触子2Aを被検体16に設置した状態で実質的に連続して長期間に亘ってひび17の進展を精度良く監視することができる。超音波探傷装置1は、狭隘部におけるひびの監視を長期に亘って監視する場合にも適用することができる。また、それらの校正データを得るために超音波探触子(校正部材5を備えていない)を被検体16から取り外した場合には、標準試験片を用いた校正データの取得後において、再度、その超音波探触子を被検体に取り付ける必要がある。本実施例は、このような作業を行う必要はない。
超音波を用いた被検体16の点検作業及び超音波探傷装置1を用いたひびの監視の例を、図2を用いて具体的に説明する。
まず、点検作業を行う対象のプラントの運転を停止する(ステップ31)。プラントに設けられた配管(被検体)の点検箇所において、配管から保温材を取り外す(ステップ32)。配管の超音波探傷を超音波探傷装置を用いて実施する(ステップ33)。超音波探触子の圧電素子で受信した反射エコーの信号に基づいて、被検体16にひび17が存在するかを判定する(ステップ34)。この判定が「NO」の場合には、配管に保温材を取り付けて(ステップ35)、プラントの運転を開始する(ステップ36)。その判定が「YES」の場合には、受信した反射エコーの信号を用いてひび17の寸法を求める(ステップ37)。ひび17の寸法が許容値以上かを判定し(ステップ38)、この判定が「YES」の場合には、配管の、ひび17が存在する部分を補修し(ステップ39)、保温材を補修部分に取り付ける(ステップ40)。その後、プラントの運転を再開する(ステップ41)。ステップ38の判定が「NO」の場合には、監視用の超音波探傷装置1の超音波探触子2を配管に設置する(ステップ42)。その後、配管に保温材を取り付け(ステップ43)、プラントを再起動する(ステップ44)。前述したように、超音波探傷装置1を用いてひび17の進展を監視する(ステップ45)。この監視の期間において、前述した各校正データの取得が行われる。その監視時において、得られたひび17の寸法が許容値以上かを判定する(ステップ46)。この判定が「NO」の場合には、ステップ45,46が継続して行われる。ステップ46の判定が「YES」の場合には、プラントが停止され(ステップ47)、保温材が取り外され(ステップ48)、配管の、ひび17の部分に対する補修が行われる(ステップ49)。
なお、超音波探触子2を被検体16の表面に長期間に亘って設置し、ひび17の進展を監視する場合には、超音波探触子2の設置面における接触媒質19が被検体16の振動及び熱によって劣化する。これにより、接触媒質19における超音波の伝播特性が変化する可能性がある。したがって、超音波探触子2を被検体16の表面に設置時において、被検体16の、超音波探触子2を設置した面とは反対側の面からの反射エコー(以下、底面エコーという)のエコー高さを記録し、定期的にその高さを監視するとよい。
時間軸の校正のみを行う場合には、校正部材5から感度校正手段7,8を取り除くとよい。
本発明の他の実施例である実施例2の超音波探傷装置を、図3を用いて以下に説明する。本実施例の超音波探傷装置1Aは、超音波探傷装置1において、楔体4と校正部材5を分離し、楔体4と校正部材5の間に接触媒質層20を設けたものである。本実施例においては、楔体4と校正部材5は、図示されていないが、超音波の操作に影響を与えない部分で、例えば、ボルト及びナットを用いて結合されている。接触媒質層20に用いられる接触媒質は接触媒質19と同じ物質である。超音波探傷装置1Aは、上記下以外の構成が超音波探傷装置1と同じである。超音波探傷装置1Aも、図2に示すひびの監視に適用することができる。
本実施例は、実施例1で生じる効果を得ることができる。本実施例は、さらに、接触媒質層20を設けているため、接触媒質19の劣化状態を反映した感度校正用のデータ及び時間軸校正用のデータを得ることができる。このため、本実施例は、実施例1よりも得られるそれらの校正データの精度をより向上させることができる。
本発明の他の実施例である実施例3の超音波探傷装置を、図4を用いて以下に説明する。本実施例の超音波探傷装置1Bは、実施例2の超音波探傷装置1Aに、回転体21及びモーター22を付加した構成を有する。回転体21は、楔体4と同じ材質である。さらに、超音波探傷装置1Aの複数の圧電素子3は、超音波探傷装置1Bでは単一の圧電素子3Aになっている。回転体21は、楔体4に形成された断面が円形の貫通孔に挿入されており、回転可能に楔体4に設けられる。回転体21は、楔体4に設けられたモーター22によって回転される。圧電素子3Aは、回転体21に設置され、回転体の中心を通る直線上に配置される。送受信処理装置15は、圧電素子3Aに接続される。
回転体21が回転されることによって、圧電素子3Aが回転され、圧電素子3Aからの超音波を送信する方向を変えることができる。ひび17の監視時においては、回転体21が、圧電素子3Aからの超音波が被検体16に向かって送信されるように回転される。ひび17からの反射エコーも圧電素子3Aで受信される。校正時においては、回転体21が、圧電素子3Aからの超音波が校正部材5に向かって送信されるように回転される。回転体21を回転させるためのモーター22の駆動制御は、送受信処理装置15にて行われる。
本実施例も、実施例1で生じる効果を得ることができる。本実施例は、圧電素子の回転機構(回転体21及びモーター22)を設けているため、圧電素子3Aを単一化することができる。超音波探傷装置1Aも、図2に示すひびの監視に適用することができる。
本発明の他の実施例である実施例4の超音波探傷装置を、図5を用いて以下に説明する。前述の超音波探傷装置1,1A,1Bがひびの監視に用いられるのに対して、本実施例の超音波探傷装置1Cは、被検体16に生じる減肉部の監視に用いられる。超音波探傷装置1Cは、超音波探触子2A及び送受信処理装置15を備える。超音波探触子2Aも、フェーズドアレイ探触子である。超音波探触子2Aは、楔体4、複数の圧電素子3及び校正部材5Aを有する。複数の圧電素子3は、楔体4の傾斜面に設けられる。各圧電素子3は送受信処理装置15にそれぞれ接続される。校正部材5Aは、楔体4に設けられており、楔体4に形成された、被検体16に対向する面14に対する垂線と直交する方向に伸びる校正部材5Aを有する。校正部材5Aは楔体4と同じ材料で構成されている。校正部材5Aは、時間軸校正手段9Eを有する。校正部材5Aの上面には段差部10Dが、校正部材5Aの下面には段差部10Eがそれぞれ形成されている。これらの段差部の形成によって、校正部材5Aは先端部に向かって厚みが段階的に減少する。段差部10D,10Eの、圧電素子3側の各角部9F,9G、及び校正部材5Aの先端9Hは、時間軸校正手段9Eを構成する。
配管において、減肉が生じやすい箇所は、コンピュータを用いた流動解析により推定することができる。このように推定された箇所で、被検体16である、プラントの配管の外面に超音波探触子2Aを設置する。楔体4と被検体16の間には接触媒質19が介在している。圧電素子3からの超音波が面14及び接触媒質19を通って被検体16に送信される。被検体16に減肉部が生じている場合には、その減肉部で反射された反射エコーが各圧電素子3によって受信される。各圧電素子3から出力された反射エコーの信号が送受信処理装置15に入力される。送受信処理装置15は、それらの信号に基づいて、被検体16に生じている減肉部を検出し、減肉部の位置等を求める。
超音波探傷装置1Cは、被検体16に生じた減肉部の監視に用いられる。減肉部の監視に用いられる超音波探傷装置1Cの超音波探触子2Aは、感度校正手段が不要である。超音波探傷装置1Cにおける時間軸の校正データの取得について説明する。超音波探触子2Aを被検体16に設置した状態で時間軸の校正データを得るためには、各圧電素子3からの超音波が校正部材5Aに向かって送信されるように、各圧電素子3の励起が励起指令によって制御される。
本実施例における時間軸の校正には、時間軸校正手段9Eを利用する。時間軸校正時には、収束点18が角部9F,9G及び先端9Hの位置になるように励起指令に基づいて各圧電素子3から超音波がそれぞれ送信される。角部9F,9G及び先端9Hからの各反射エコーは、各圧電素子3で受信される。各圧電素子3で受信された各反射エコーの信号は、送受信処理装置15に入力される。送受信処理装置15は、実施例1と同様に、各時間軸校正用のデータを求める。これらの時間軸校正用のデータも、送受信処理装置15の記憶装置(図示せず)に記憶される。
減肉部の監視時において、各圧電素子3によって受信された各反射エコーを入力した送受信処理装置15は、各反射エコーに対して上記記憶装置に記憶している該当する時間軸補正用データを用いて、各圧電素子3が反射エコーを受信するまでに掛かる時間を伝播距離に換算するための時間軸を補正する。
本実施例は、減肉部の進展を監視するために超音波探触子2Aを被検体16に設置した状態においても、時間軸の校正データを得ることができる。このため、本実施例も、その校正データを得るために、超音波探触子2Aを被検体16から取り外す必要はなく、圧電素子3からの超音波の送信方向を切替えるだけでよい。本実施例は、極めて短時間に時間軸の校正データを得ることができる。このような本実施例は、超音波探触子2Aを被検体16に設置した状態で長期間に亘って減肉部の進展を精度良く監視することができる。
プラントの配管(被検体)を対象にした、超音波探傷装置1を用いた減肉監視の例を、図6を用いて具体的に説明する。まず、配管における減肉の監視箇所を選定する(ステップ51)。配管において、減肉が生じやすい箇所が流動解析により推定される。選定された監視箇所における保温材を配管から取り外す(ステップ52)。保温材を取り外した位置で、超音波探傷装置1の超音波探触子2を配管に設置する(ステップ53)。その設置後、保温材を配管に取り付け(ステップ54)、プラントを起動する(ステップ55)。配管に生じている減肉部での配管の肉厚を測定する(ステップ56)。超音波探触子2の圧電素子3から超音波を被検体16に送信し、配管に生じている減肉部からの反射エコーを圧電素子3で受信する。送受信処理装置15が、入力した反射エコーの信号に基づいて、減肉部における配管の肉厚を求める。得られた肉厚が許容値以上かを判定する(ステップ57)。この判定が「YES」の場合には、ステップ56及び57を繰り返す。ステップ57の判定が「NO」である場合には、プラントの運転を停止する(ステップ58)。減肉部付近の保温材を配管から取り外し(ステップ59)、減肉部の補修を行う(ステップ60)。
本発明の他の実施例である実施例5の超音波探傷装置を、図7を用いて以下に説明する。本実施例の超音波探傷装置1Dも、被検体16に生じる減肉部の監視に用いられる。超音波探傷装置1Dは、超音波探触子2Aの楔体4に、超音波探傷装置1Bと同様に、回転体21及びモーター22を設置している。回転体21には単一の圧電素子3Aが設けられている。本実施例も、実際例4で生じる効果を得ることができる。また、本実施例は、実施例3と同様に、圧電素子を単一化することができる。
本発明の好適な一実施例である実施例1の超音波探傷装置の構成図である。 超音波を用いた被検体の点検作業及び図1に示す超音波探傷装置を用いたひびの監視における作業及び処理を示すフローチャートである。 本発明の他の実施例である実施例2の超音波探傷装置の構成図である。 本発明の他の実施例である実施例3の超音波探傷装置の構成図である。 本発明の他の実施例である実施例4の超音波探傷装置の構成図である。 超音波を用いた被検体の点検作業及び図5に示す超音波探傷装置を用いたひびの監視における作業及び処理を示すフローチャートである。 本発明の他の実施例である実施例5の超音波探傷装置の構成図である。
符号の説明
1,1A,1B,1C,1D…超音波探傷装置、2,2A…超音波探触子、3,3A…圧電素子、4…楔体、5,5A…校正部材、7,8…感度校正手段、9,9E…時間軸校正手段、10A,10B,10C,10D,10E…段差部、15…送受信処理装置、16…被検体、20…接触媒質層、21…回転体、22…モーター。

Claims (8)

  1. 超音波探触子を有する超音波探傷装置において、
    前記超音波探触子が、楔体、前記楔体に設けられて超音波を発生する少なくとも1つの振動子、前記楔体に設けられ校正部材、及び前記振動子から、前記楔体が向き合う被検体への前記超音波の送信と、前記振動子から前記校正部材への前記超音波の送信とを切り替える切替え手段を有し、
    前記校正部材は前記振動子からの超音波を反射する時間軸校正手段を有することを特徴とする超音波探傷装置。
  2. 前記校正部材は前記振動子からの超音波を反射する感度校正手段を有している請求項1記載の超音波探傷装置。
  3. 前記振動子が設けられた回転体を前記楔体に設けている請求項1または請求項2に記載の超音波探傷装置。
  4. 前記楔体と前記校正部材が同じ材質である請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の超音波探傷装置。
  5. 前記楔体と前記校正部材の間に、接触媒質層を介在させている請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の超音波探傷装置。
  6. 前記時間軸校正手段が前記楔体に形成された複数の段差部のそれぞれの角部である請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の超音波探傷装置。
  7. 超音波を発生する少なくとも1つの振動子を有する超音波探触子を被検体に設置した状態で、前記振動子からの前記超音波を前記被検体に入射する超音波探傷方法において、
    前記超音波探触子を前記被検体に設置した状態で、前記振動子からの前記超音波を前記超音波探触子に設けられた校正部材に入射し前記校正部材に形成された時間軸校正手段で反射された前記超音波の反射エコーを前記振動子で受信し、
    前記振動子から前記被検体への前記超音波の送信と、前記振動子から前記校正部材への前記超音波の送信を切り替えることを特徴とする超音波探傷方法。
  8. 前記超音波探触子を前記被検体に設置した状態で、前記振動子からの前記超音波を前記超音波探触子に設けられた校正部材に入射されて前記校正部材に形成された感度校正手段で反射された前記超音波の反射エコーを前記振動子で受信する請求項7に記載の超音波探傷方法。
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