JP6988240B2 - 超音波装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波装置に関するものである。
超音波装置から超音波を射出して被測定物までの距離を測定する装置が活用されている。超音波装置では超音波素子が被測定物に向けて超音波を発信する。被測定物で反射した超音波の一部は超音波素子に戻り、受信できる。このとき、超音波素子は反射した超音波を受信する。超音波装置は超音波を発信してから受信するまでの時間に超音波の速度を乗算して2で除算する演算を行い、超音波素子と被測定物との間の距離を求める。
このような超音波装置が特許文献1に開示されている。それによると、超音波の速度は気温、気圧、湿度等により変化する。そこで、超音波素子との距離が自明の反射部を用意する。そして、超音波素子と反射部との間を超音波が進行する時間を検出する。これにより、超音波の速度を検出できる。次に、超音波素子と被測定物との間を超音波が進行する時間を検出する。これにより、超音波素子と被測定物との間の距離を精度良く検出できる。
この超音波装置では、超音波素子から円錐形の範囲に超音波が発信され、その円錐形の範囲のなかに反射部が設置されていた。また、超音波素子を2つ、反射部を2つそれぞれ備えていた。これにより、1つの超音波素子が発信した超音波は2つの反射部で反射して他方の超音波素子が受信し、超音波が2つの超音波素子の間を進行する距離を長くした。
特開平6−118167号公報
特許文献1の超音波装置は超音波素子から円錐形の範囲に超音波が発信していた。従って、超音波装置が測定する円錐形の測定範囲内に反射部を設置する必要があった。また、超音波素子と反射部との距離は所定の距離が必要であり、超音波素子と反射部との距離が短いと測定精度が低下する。
従って、反射部は超音波素子から被測定物に向かって所定の距離だけ離れた場所に設置されていた。超音波装置を被測定物に接近させると被測定物が反射部と干渉する。そのため、超音波装置が測定可能な範囲のうち超音波素子に近い場所と超音波素子との間の距離は超音波素子と反射部との間の距離より長い距離に限定されていた。そこで、超音波素子と反射部との距離を短くできる超音波装置が望まれていた。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例にかかる超音波装置は、超音波を発信して反射した超音波を受信する複数の超音波素子が配列した超音波アレイと、前記超音波素子から所定の距離離れた位置に配置され、前記超音波素子が発信した超音波を反射する反射部と、超音波が前記超音波アレイと前記反射部との間を進行した第1の時間を測定するタイマーと、前記超音波素子及び前記タイマーと接続された制御部と、を備え、前記制御部は、前記超音波素子が発信する超音波の位相を制御して各前記超音波素子が発信する超音波が合成された合成波の進行方向を制御し、各前記超音波素子が発信する超音波が同相のときに前記合成波が進行する方向を第1方向とするとき、前記合成波を前記第1方向と交差する方向に進行させて前記合成波を前記反射部に照射し、前記タイマーの測定結果に基づき超音波の速度を算出することを特徴とする。
本適用例によれば、超音波装置は超音波アレイ、反射部、タイマー及び制御部を備えている。超音波アレイには複数の超音波素子が配列している。この超音波素子は超音波を発信し反射した超音波を受信する。反射部は超音波素子から所定の距離離れた位置に配置されている。そして、超音波素子が発信した超音波を反射部が反射する。超音波が超音波アレイと反射部との間を進行する時間をタイマーが測定する。超音波素子及びタイマーは制御部と接続されている。そして、タイマーは超音波の移動時間を測定し、制御部はタイマーの測定結果に基づき超音波の速度を算出する。
各超音波素子が超音波を発信し、発信された超音波が合成されて合成波になる。制御部は超音波素子が発信する超音波の位相を制御することにより、合成波の進行方向を制御する。各超音波素子が発信する超音波が同相のときに合成波が進行する方向が第1方向である。制御部は合成波を第1方向と交差する方向に進行させる。そして、合成波の進行先には反射部が位置するので合成波は反射部を照射する。合成波は反射部で反射して進行方向が変わり、超音波アレイに向かって進行する。
超音波の進行方向が第1方向と交差する角度が大きくなる程、第1方向における超音波アレイと反射部との距離を短くできる。そして、超音波装置は超音波アレイが超音波を合成波にして発信する。従って、超音波アレイでなく1つの超音波素子から発信するときに比べて、超音波の進行方向と第1方向とがなす角度を大きくできる。その結果、超音波アレイと反射部との距離を短くできる。
[適用例2]
上記適用例にかかる超音波装置において、前記超音波アレイの一方の端から発信された前記合成波を前記反射部が前記超音波アレイの他方の端に向けて反射することを特徴とする。
本適用例によれば、超音波アレイは一方の端から合成波を反射部に向けて発信する。そして、反射部は超音波アレイの他方の端に向けて合成波を反射する。このとき、超音波アレイが発信した場所に向けて反射部が合成波を反射するときに比べて、合成波が進行する距離を長くできる。合成波が進行する距離が長い方が短いときに比べてSN比を良くすることができる。従って、精度良く超音波の速度を測定できる。
[適用例3]
上記適用例にかかる超音波装置において、前記反射部は複数の場所に設置され、前記反射部は前記超音波アレイから発信された前記合成波を複数回反射させた後で前記超音波アレイに向けて反射することを特徴とする。
本適用例によれば、反射部は複数の場所に設置されている。そして、反射部は超音波アレイから発信された合成波を複数回反射させた後で超音波アレイに向けて反射する。つまり、複数の反射部間を合成波が進行する。これにより、合成波が進行する距離を長くできる。合成波が進行する距離が長い方が短いときに比べてSN比を良くすることができる。従って、精度良く超音波の速度を測定できる。
[適用例4]
上記適用例にかかる超音波装置において、前記超音波素子が並ぶ第2方向において前記反射部は前記超音波アレイと対向する場所の外側に位置し、前記超音波アレイの中央の中央点から前記第1方向に伸びる線を第1方向線とし、前記中央点を通って前記第2方向に伸びる線を第2方向線とし、前記第1方向線と所定の境界線角度θで交差する線を境界線とするとき、前記反射部は前記境界線と前記第2方向線との間に位置し、前記境界線角度θは、超音波の音速をc、超音波の周波数をf、前記超音波アレイにおける前記超音波素子のピッチをpとするとき、θ=arcsin(c/(f・p)−1)であることを特徴とする。
本適用例によれば、反射部は超音波素子が並ぶ第2方向において超音波アレイと対向する場所の外側に位置する。超音波装置が超音波を照射する被測定物は超音波アレイの第1方向に配置される。このとき、反射部は超音波アレイと被測定物との間の場所には設置されていない。従って、超音波アレイから被測定物に向けて超音波を確実に照射できる。
第1方向線は超音波アレイの中央から第1方向に伸びる線である。そして、境界線は第1方向線と所定の境界線角度θで交差する線である。超音波の音速をc、超音波の周波数をf、超音波アレイの超音波素子のピッチをpとするとき、境界線角度θは次式で示される。θ=arcsin(c/(f・p)−1)。
超音波アレイが合成波を進行させる方向が境界線より第1方向線側にあるとき、合成波の波数が複数であるときにもピークを1つに限定できる。反射部は境界線と第2方向線との間に位置しているので、反射部は境界線より第1方向線側にない。従って、境界線より第1方向線側の被測定物に対してピークを1つに限定した合成波を確実に照射できる。
[適用例5]
上記適用例にかかる超音波装置において、前記タイマーは、超音波が前記超音波アレイと被測定物との間を進行した第2の時間を測定し、前記制御部は、前記反射部を反射させた超音波から算出した前記超音波の速度と、前記第2の時間と、を用いて前記超音波アレイと被測定物との距離を測定することを特徴とする。
本適用例によれば、タイマーは超音波アレイから発信された合成波が被測定物に反射して超音波アレイに到着する時間を測定する。そして、制御部は超音波アレイと被測定物との距離を測定する。このとき、超音波の速度には反射部を反射させた超音波から算出した速度を用いている。従って、超音波装置は被測定物に接触することなく精度良く超音波アレイと被測定物との距離を測定できる。
[適用例6]
上記適用例にかかる超音波装置において、前記超音波アレイは前記超音波素子がマトリックス状に配置されていることを特徴とする。
本適用例によれば、超音波アレイは超音波素子がマトリックス状に配置されている。従って、超音波アレイは合成波を2次元方向に発信できる。その結果、超音波装置は超音波アレイの中央と超音波アレイに対して所定の2次元方向に位置する被測定物との距離を測定できる。
[適用例7]
本適用例にかかる超音波装置は、超音波を発信して反射した超音波を受信する複数の超音波素子が配列した超音波アレイと、前記超音波素子から所定の距離離れた位置に配置され、前記超音波素子が発信した超音波を反射する反射部と、超音波が前記超音波アレイと前記反射部との間を進行した第1の時間を測定するタイマーと、を備え、前記反射部は、前記超音波素子が並ぶ第2方向において前記超音波アレイと対向する場所の外側に位置し、前記超音波アレイの中央の中央点から前記第2方向と直交する第1方向に伸びる線を第1方向線とし、前記中央点を通って前記第2方向に伸びる線を第2方向線とし、前記第1方向線と所定の境界線角度θで交差する線を境界線とするとき、前記反射部は前記境界線と前記第2方向線との間に位置し、前記境界線角度θは、超音波の音速をc、超音波の周波数をf、前記超音波アレイにおける前記超音波素子のピッチをpとするとき、θ=arcsin(c/(f・p)−1)であることを特徴とする。
本適用例によれば、超音波装置は超音波アレイ、反射部、及びタイマーを備えている。超音波アレイには複数の超音波素子が配列している。この超音波素子は超音波を発信し反射した超音波を受信する。反射部は超音波素子から所定の距離離れた位置に配置されている。そして、超音波素子が発信した超音波を反射部が反射する。超音波が超音波アレイと反射部との間を進行する時間をタイマーが測定する。超音波の移動距離は既知なのでタイマーの測定結果に基づき超音波の速度を算出できる。
各超音波素子が発信する超音波は合成されて合成波になる。超音波素子が発信する超音波は位相を調整することにより、合成波を所定の方向に進行させることができる。各超音波素子が発信する超音波が同相のときに合成波が進行する方向は超音波素子が並ぶ方向と直交する第1方向である。合成波は第1方向と交差する方向に進行する。そして、合成波の進行先には反射部が位置するので合成波は反射部を照射する。合成波は反射部で反射して進行方向が変わり、超音波アレイに向かって進行する。
超音波の進行方向が第1方向と交差する角度が大きくなる程、第1方向における超音波アレイと反射部との距離を短くできる。そして、超音波アレイは超音波を合成波にして発信する。従って、超音波アレイでなく1つの超音波素子から発信するときに比べて、超音波の進行方向と第1方向とがなす角度を大きくできる。その結果、超音波アレイと反射部との距離を短くできる。
反射部は超音波素子が並ぶ第2方向において超音波アレイと対向する場所の外側に位置する。超音波アレイが超音波を照射する被測定物は超音波アレイの第1方向に配置される。このとき、反射部は超音波アレイと被測定物との間の場所には設置されていない。従って、超音波アレイから被測定物に向けて超音波を確実に照射できる。
第1方向線は超音波アレイの中央から第1方向に伸びる線である。そして、境界線は第1方向線と所定の境界線角度θで交差する線である。超音波の音速をc、超音波の周波数をf、超音波アレイの超音波素子のピッチをpとするとき、境界線角度θは次式で示される。θ=arcsin(c/(f・p)−1)。
超音波アレイが合成波を進行させる方向が境界線より第1方向線側にあるとき、合成波が複数の波数からなるときにも音圧のピークを1つに限定できる。反射部は境界線と第2方向線との間に位置しているので、反射部は境界線より第1方向線側にない。従って、境界線より第1方向線側の被測定物に対してピークを1つに限定した合成波を確実に照射できる。
第1の実施形態に係わる超音波装置の構造を示す概略斜視図。 超音波プローブの構成を示す模式側断面図。 合成波の形成を説明するための模式図。 合成波の形成を説明するための模式図。 超音波プローブの測定範囲を説明するための模式図。 被測定物と超音波プローブとの距離を測定する方法を説明するための模式図。 被測定物と超音波プローブとの距離を測定する方法を説明するための模式図。 超音波アレイの断面構造を示す模式側断面図。 超音波素子の構造を示す模式平面図。 超音波アレイの構造を示す模式平面図。 超音波装置の電気制御ブロック図。 測定方法のフローチャート。 第2の実施形態に係わる超音波の集音方法を説明するための模式図。 グレーティングローブを説明するための模式図。 反射部を設置する範囲を説明するための模式図。 グレーティングローブの発生を説明するための図。 第3の実施形態に係わる超音波の進路を説明するための模式図。 第4の実施形態に係わる超音波の進路を説明するための模式図。 第5の実施形態に係わる超音波の進路を説明するための模式図。 第6の実施形態に係わる超音波の進路を説明するための模式図。
以下、実施形態について図面に従って説明する。
尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
(第1の実施形態)
本実施形態では、超音波装置と、この超音波装置を用いて距離を測定する、距離測定方法との特徴的な例について、図に従って説明する。第1の実施形態にかかわる超音波装置について図1〜図12に従って説明する。図1は、超音波装置の構造を示す概略斜視図である。図1に示すように、超音波装置1は超音波プローブ2及び本体部3を備え、超音波プローブ2と本体部3とはフラットケーブル4により電気的に接続されている。
超音波プローブ2は有底角筒状の筐体5を備えている。筐体5の厚み方向をZ方向とする。Z方向からみるとき、筐体5は正方形である。この正方形の隣り合う2辺が伸びる方向をX方向及びY方向とする。X方向、Y方向及びZ方向は互いに直交する方向になっている。
筐体5の内部には底の部分に超音波素子基板6が設置され、超音波素子基板6には超音波アレイ7が設置されている。超音波アレイ7では複数の超音波素子がマトリックス状に配列されている。超音波素子は超音波を発信して反射した超音波を受信する。超音波素子基板6は平板状である。超音波アレイ7を構成する各超音波素子が発信する超音波が同相のときに合成波が進行する方向を第1方向8とする。第1方向8はZ方向と同じ方向であり、超音波素子が並ぶ方向と直交する。筐体5内部で筒の部分には反射部9が設置されている。反射部9は超音波素子から所定の距離離れた位置に配置されている。そして、反射部9は超音波素子が発信した超音波を反射する。
本体部3の外観は長方形の板状であり、本体筐体10に入力装置11及び表示装置12が設置されている。入力装置11はプッシュスイッチであり、操作者が電源のオンオフ、測定開始、初期設定等の各種の指示をするためのスイッチである。表示装置12は測定結果や測定に係わる情報を表示する装置である。表示装置12には液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ、表面電界ディスプレイを用いることができる。
本体筐体10の内部には制御部13が設置されている。制御部13は超音波アレイ7の制御、表示装置12の制御等各種の制御の他、各種の演算を行う。
図2は超音波プローブの構成を示す模式側断面図であり、図1のAA線に沿う面側から見た図である。図2に示すように、超音波プローブ2では筐体5の内部の底面5aに超音波素子基板6が設置されている。筐体5では+Z方向側の部分が内側に突出している。そして、突出した部分に反射部9が設置されている。反射部9は超音波素子基板6の方向を向いて配置されている。
超音波装置1は被測定物との距離を測定するまえに超音波14の進行速度を測定する。超音波14の速度は温度、気圧、湿度等により変動する。そして、被測定物との距離を精度良く測定するためには超音波14の正確な速度を測定する必要がある。
超音波14の速度を測定するとき、既知の距離を超音波14が進行するのにかかる時間を測定する。そして、既知の距離をこの測定した時間で除算することで超音波14の速度を測定する。
制御部13が超音波アレイ7に超音波14を発信させる場所を発信点7aとする。発信点7aから発信された超音波14は反射部9で反射して超音波アレイ7に到達する。超音波14が到達する超音波アレイ7上の場所を到達点7bとする。発信点7aは既知であり、超音波14が進行する進路及び到達点7bも既知である。従って、発信点7aから到達点7bの間を超音波14が進行する進路の距離は既知である。制御部13は発信点7aと到達点7bとの間を進行するのにかかる時間を測定する。そして、制御部13は、超音波14が進行する進路の距離をこの測定した時間で除算することにより超音波14の速度を算出する。
制御部13は発信点7aの複数の超音波素子から超音波14を発信させる。このとき、制御部13は超音波素子が発信する超音波14の位相を制御する。そして、各超音波素子が発信する超音波14が合成された合成波15の進行方向を制御部13が制御する。制御部13は合成波15を第1方向8と交差する方向に進行させて合成波15を反射部9に照射する。
合成波15は反射部9で反射して進行方向が変わり、超音波アレイ7に向かって進行する。合成波15の進行方向が第1方向8と交差する角度が大きくなる程、第1方向8における超音波アレイ7と反射部9との距離を短くできる。そして、超音波プローブ2では超音波アレイ7が超音波14を合成波15にして発信する。従って、超音波アレイ7でなく1つの超音波素子から発信するときに比べて、超音波14の進行方向と第1方向とがなす角度を大きくできる。その結果、超音波アレイ7と反射部9との距離を短くできる。
超音波アレイ7の一方の端にある発信点7aから発信された合成波15を反射部9が超音波アレイ7の他方の端にある到達点7bに向けて反射する。このとき、超音波アレイ7が発信した発信点7aに向けて反射部9が合成波15を反射するときに比べて、合成波15が進行する距離を長くできる。合成波15の進行する距離は長い方が短いときに比べてSN比(signal−noise ratio)を良くすることができる。従って、精度良く超音波14の速度を測定できる。
図3は合成波の形成を説明するための模式図である。図3に示すように、超音波素子基板6上には超音波素子16が並べて設置され超音波アレイ7を形成している。超音波素子16はX方向においてもY方向においても等間隔で配列している。超音波アレイ7のうち8個の超音波素子16から超音波14を発信する例を説明する。尚、合成波15を形成する超音波素子16の個数は特に限定されない。
超音波アレイ7には図中右側から第1素子16a〜第8素子16hの超音波素子16が並んでいる。第1素子16a〜第8素子16hは超音波アレイ7の配列の一部である。制御部13はまず第1素子16aから第1超音波14aを発信させる。次に、一定の時間間隔をあけて第2超音波14b〜第8超音波14hを発信する。第1超音波14a〜第8超音波14hの各超音波14は半径が等速度で広がるように円を描いて進行する。
第1超音波14aから第8超音波14hまで順に発信された後で、所定の時間が経た後の状態は次のようになっている。第1超音波14aは1番先に発信されたので、第1素子16aから最も離れた場所に到達する。第8超音波14hは1番後に発信されたので、第8素子16hに近い場所に到達する。
そして、第1超音波14a〜第8超音波14hは発信元からの距離が徐々に短くなっている。そして、第1素子16a〜第8素子16hは直線に沿って並んでいる。このとき、第1超音波14a〜第8超音波14hの接線が直線になって進行する。この接線が合成波15である。合成波15の進行方向を合成波方向15aとする。合成波方向15aと第1方向8が成す進行角度15bは超音波素子16の間隔が短い程大きくなる。そして、進行角度15bは各超音波素子16が超音波14を発信する間隔が長くなる程大きくなる。
超音波素子16の間隔は一定に設定されている。制御部13は各超音波素子16が超音波14を発信する間隔を調整することにより進行角度15bを制御する。超音波アレイ7から反射部9に向かって超音波14を発信するとき、制御部13は各超音波素子16が超音波14を発信する間隔を調整する。超音波アレイ7に対する反射部9の位置は既定の位置である。従って、制御部13は超音波アレイ7から反射部9に向けて確実に超音波14を発信できる。
図4は合成波の形成を説明するための模式図である。図4に示すように、超音波素子基板6の表面は平面であり、超音波素子16は超音波素子基板6の表面に沿って配置されている。超音波素子16が並ぶ方向を第2方向17とする。被測定物が超音波プローブ2の第1方向8側に位置し、被測定物と超音波プローブ2との距離を測定するときには複数の超音波素子16から同時に合成波15を発信する。このとき、合成波15は第2方向17と平行な波になり第1方向8に進行する。
図5は超音波プローブの測定範囲を説明するための模式図である。図5に示すように、被測定物18と超音波プローブ2との距離を測定するときには超音波アレイ7が被測定物18に向かって合成波15を発信する。合成波15は被測定物18で反射し、反射波21となって超音波アレイ7に受信される。
超音波アレイ7の+X方向側の端から第1方向8に向かう線を+X側端線22とする。同じく、超音波アレイ7の−X方向側の端から第1方向8に向かう線を−X側端線23とする。被測定物18と超音波アレイ7との距離を測定するために、超音波アレイ7から第1方向8に合成波15を発信する。このとき、合成波15は+X側端線22と−X側端線23との間を進行する。
+X側端線22と−X側端線23との間は合成波15及び反射波21が通過する第1測定領域24である。+X方向の反射部9は+X側端線22の+X方向側に位置する。また、−X方向の反射部9は−X側端線23の−X方向側に位置する。つまり、反射部9は超音波アレイ7と対向する場所の外側に位置する。従って、合成波15が第1方向8に進行するときに反射部9が合成波15及び反射波21を遮らないようにすることができる。
図6及び図7は被測定物と超音波プローブとの距離を測定する方法を説明するための模式図である。図6に示すように超音波アレイ7に対して第1方向8より−X方向側の方向に被測定物18が位置する。制御部13は+X方向側の超音波素子16から超音波14を発信し、順次、超音波14を発信する超音波素子16を−X方向側に移動させる。このように超音波素子16を駆動することにより超音波アレイ7は−X方向側に向けて合成波15を発信する。尚、超音波アレイ7は一部の超音波素子16から超音波14を発信する。そして、超音波14が反射部9を照射しない場所の超音波素子16から超音波14を発信する。
超音波アレイ7から発信された合成波15は被測定物18で反射し、反射波21となって超音波アレイ7に受信される。制御部13は超音波14を発信してから受信するまでの時間に超音波の速度を乗算し、さらに、2で除算して超音波素子16と被測定物18との間の距離を演算して求める。
超音波アレイ7に対して第1方向8より+X方向側の方向に被測定物18が位置する場合もある。このとき制御部13は−X方向側の超音波素子16から超音波14を発信し、順次、超音波14を発信する超音波素子16を+X方向側に移動させる。この方法により、超音波アレイ7は+X方向側に向けて合成波15を発信する。
図7に示すように超音波アレイ7に対して第1方向8より−Y方向側の方向に被測定物18が位置する。制御部13は+Y方向側の超音波素子16から超音波14を発信し、順次、超音波14を発信する超音波素子16を−Y方向側に移動させる。このように超音波素子16を駆動することにより超音波アレイ7は−Y方向側に向けて合成波15を発信する。尚、超音波アレイ7は一部の超音波素子16から超音波14を発信する。そして、超音波14が反射部9を照射しない場所の超音波素子16から超音波14を発信する。
超音波アレイ7から発信された合成波15は被測定物18で反射し、反射波21となって超音波アレイ7に受信される。制御部13は超音波14を発信してから受信するまでの時間に超音波の速度を乗算し、さらに、2で除算して超音波素子16と被測定物18との間の距離を演算して求める。
超音波アレイ7に対して第1方向8より+Y方向側の方向に被測定物18が位置する場合もある。このとき制御部13は−Y方向側の超音波素子16から超音波14を発信し、順次、超音波14を発信する超音波素子16を+Y方向側に移動させる。この方法により、超音波アレイ7は+Y方向側に向けて合成波15を発信する。
図8は超音波アレイの断面構造を示す模式側断面図である。図8に示すように、超音波アレイ7は超音波吸収板28を備え、超音波吸収板28に重ねて超音波素子基板6が設置されている。超音波吸収板28は筐体5に接着されている。超音波素子基板6はベース基板29を備え、ベース基板29は超音波素子基板6の中では超音波吸収板28側に位置している。ベース基板29には等間隔に開口部29aが設置されている。ベース基板29の材質には、例えば、シリコンを用いることができる。そして、開口部29aはシリコン基板をエッチングして形成される。
ベース基板29の+Z方向側には振動膜30が設置されている。振動膜30は、例えば、SiO2層とZrO2層との2層構造により構成される。振動膜30はメンブレンともいう。振動膜30の上には第1電極31が設置されている。第1電極31はY方向に伸びる第1配線32により接続されている。第1電極31の上には圧電体層33が設置されている。さらに、圧電体層33の上には第2電極34が設置されている。第2電極34はX方向に伸びる第2配線35により接続されている。
振動膜30、第1電極31、圧電体層33及び第2電極34等により超音波素子16が構成されている。そして、超音波アレイ7には超音波素子16がマトリックス状に配置されている。第1電極31、第1配線32、第2電極34及び第2配線35は金属膜であり、本実施形態では、例えば、アルミニウムと白金の2層構造になっている。
圧電体層33には、例えば、PZT(ジルコン酸チタン酸鉛)、チタン酸鉛(PbTiO3)、ジルコン酸鉛(PbZrO3)、チタン酸鉛ランタン((Pb、La)TiO3)等を用いることができる。本実施形態では、例えば、圧電体層33にPZTを用いている。
圧電体層33は、第1電極31と第2電極34との間に電圧が印加されることで、面内方向に伸縮する。従って、圧電体層33に電圧を印加すると、開口部29a側に凸となる撓みが生じ、振動膜30を撓ませる。圧電体層33に交流電圧を印加することで、振動膜30が膜厚方向に対して振動し、この振動膜30の振動により超音波が第1方向8に発信される。圧電体層33に印加される駆動電圧は、例えばピークからピークで10〜30Vであり、周波数は例えば100kHz〜10MHzである。
超音波素子16は、発信された超音波が対象物で反射されて戻ってくる超音波の反射波を受信する受信素子としても動作する。超音波14の反射波により振動膜30が振動し、この振動によって圧電体層33に応力が加わり、第1電極31と第2電極34との間に電圧が発生する。この電圧を受信信号として取り出すことができる。
第1配線32、圧電体層33、第2電極34及び第2配線35を覆って絶縁膜36が設置されている。絶縁膜36はアルミナ等の材料で形成される。さらに、絶縁膜36を覆って内部音響整合部37が設置されている。
内部音響整合部37の第1方向8側には第1導電膜38が設置されている。第1導電膜38の材質は銅である。銅は電気抵抗が小さいので、効率良く電磁波ノイズを吸収できる。尚、ベース基板29〜第1導電膜38までが超音波素子基板6に属している。
第1導電膜38の第1方向8側には音響整合部41が設置されている。そして、音響整合部41の第1方向8側には保護部42が設置されている。保護部42は超音波素子16を保護して汚れが超音波素子16に付着することを抑制する。音響整合部41は内部音響整合部37とともに超音波素子16と保護部42の間の音響インピーダンスの不整合を緩和する役割を果たす。内部音響整合部37及び音響整合部41にはシリコーン樹脂等が用いられる。
詳しくは、内部音響整合部37及び音響整合部41はシリコーン樹脂系の接着剤が用いられる。内部音響整合部37では接着剤が硬化することで絶縁膜36と第1導電膜38とを接着させ、硬化した接着剤が内部音響整合部37として機能する。音響整合部41では接着剤が硬化することで第1導電膜38と保護部42とを接着させ、硬化した接着剤が音響整合部41として機能する。
図9は超音波素子の構造を示す模式平面図である。図9に示すように、四角形の圧電体層33の+Z方向側に第2配線35が設置されている。第2配線35はX方向に伸びる配線である。圧電体層33の−Z方向側に第1配線32が設置されている。第1配線32はY方向に伸びる配線である。そして、第1方向8から見て第1配線32と第2配線35とが交差する領域の第1配線32が第1電極31である。第1方向8から見て第1配線32と第2配線35とが交差する領域の第2配線35が第2電極34である。
従って、第1電極31と第1配線32とは一体になった導電膜である。第2電極34と第2配線35とは一体になった導電膜である。第1電極31と第2電極34とは圧電体層33を挟んで対向した配置になっている。
図10は超音波アレイの構造を示す模式平面図であり、超音波素子基板6を第1方向8からみた図である。図を見やすくするために、超音波アレイ7には超音波素子16が8行8列の配置になっている。図10に示すように、超音波アレイ7では超音波素子16がマトリックス状に配置されている。
第1配線32はY方向に並ぶ8つの第1電極31と接続してY方向に伸びている。第1配線32の両端には第1端子43が設置されている。第1配線32が8本設置されているので、第1端子43も片側に8個設置されている。第2配線35はX方向に並ぶ8つの第2電極34と接続してX方向に伸びている。第2配線35の両端には第2端子45が設置されている。第2配線35が8本設置されているので、第2端子45も片側に8個設置されている。
第1端子43及び第2端子45は絶縁膜36、内部音響整合部37及び第1導電膜38に覆われておらず、露出している。そして、第1端子43及び第2端子45はフラットケーブル4と接続されている。第1端子43のうちの1つの電極と第2端子45のうちの1つの電極とを選択して駆動波形を入力することにより選択した場所の超音波素子16から超音波14を発信できる。超音波アレイ7が超音波14を受信するときには第1端子43のうちの1つの電極と第2端子45のうちの1つの電極とを選択して電極間の電圧を検出することにより選択した場所の超音波素子16が受信した超音波14を検出できる。
超音波アレイ7は超音波素子16がマトリックス状に配置されている。そして、制御部13は1つの第1端子43及び1つの第2端子45を選択して所定の場所の超音波素子16から超音波14を発信する。次に、所定の時間をおいて順次複数の超音波素子16から超音波14を発信することにより超音波アレイ7は合成波15を発信する。超音波アレイ7では超音波素子16がX方向とY方向との2方向に配列しているので、超音波アレイ7は合成波15を2次元方向に発信できる。その結果、超音波装置1は超音波アレイ7の中央と対向する場所の被測定物18に加え、超音波アレイ7に対して±X方向及び±Y方向に位置する被測定物18との距離を測定できる。
超音波素子16の第1方向8側には第1導電膜38が設置されている。第1導電膜38は総ての超音波素子16を覆っている。さらに、第1導電膜38は第1配線32、第2配線35のほとんど総てを覆っている。従って、第1方向8側から超音波素子16に向かう電磁波ノイズは第1導電膜38に到達して吸収される。そして、第1導電膜38は超音波素子16、第1配線32及び第2配線35に電磁波ノイズが到達することを抑制する。
超音波素子基板6の四隅には第1導電膜端子38aが設置されている。第1導電膜38は第1導電膜端子38a及びフラットケーブル4を介して本体部3のシヤーシグラウンドと接続されている。
図11は超音波装置の電気制御ブロック図である。図11において、超音波装置1は超音波装置1の動作を制御する制御部13を備えている。そして、制御部13はプロセッサーとして各種の演算処理を行うCPU46(中央演算処理装置)と、各種情報を記憶する記憶部としてのメモリー47を備えている。表示装置12、入力装置11及びプローブ駆動部48は入出力インターフェイス49及びデータバス50を介してCPU46に接続されている。
プローブ駆動部48は超音波プローブ2を駆動する装置である。プローブ駆動部48はCPU46の指示信号を入力する。指示信号は合成波15を発信する位置、方向、音波の強度等の情報を含んでいる。プローブ駆動部48は指示信号を入力する。そして、指示信号に基づいて所定の場所の超音波素子16を所定のタイミングで駆動する。さらに、超音波アレイ7が反射波21を受信するとき、プローブ駆動部48は反射波21を受信した場所の超音波素子16が出力する電気信号を入力する。そして、入力した電気信号をデジタル信号に変換してCPU46に出力する。
超音波プローブ2は時間を測定するタイマー59を備えている。超音波アレイ7及びタイマー59は制御部13と接続されている。タイマー59は超音波14が超音波アレイ7と反射部9との間を進行した時間を測定する。超音波14が超音波アレイ7と反射部9との間を進行した時間を第1の時間とする。そして、反射波21が到達点7bに到達するときタイマー59は第1の時間を測定してCPU46に出力する。第1の時間は時間データ53としてメモリー47に記憶される。
タイマー59は、超音波14が超音波アレイ7と被測定物18との間を進行した時間を測定する。超音波14が超音波アレイ7と被測定物18との間を進行した時間を第2の時間とする。そして、反射波21が超音波アレイ7に到達するときタイマー59は第2の時間を測定してCPU46に出力する。第2の時間も時間データ53としてメモリー47に記憶される。なお、本実施例ではタイマー59は超音波プローブ2側に備わっているが、それに限定されず、制御部13側に備わっていても良い。
メモリー47は、RAM、ROM等といった半導体メモリーや、ハードディスクといった外部記憶装置を含む概念である。メモリー47は超音波装置1の動作の制御手順や距離測定の演算手順が記述されたプログラム51を記憶する。他にも、メモリー47は測定した超音波14の速度等のデータである速度データ52を記憶する。他にも、メモリー47は発信点7aから発信された超音波14が到達点7bに到着する間に経過した時間等のデータである時間データ53を記憶する。時間データ53には第1の時間、第2の時間が含まれる。他にも、メモリー47は超音波アレイ7と被測定物18の距離のデータである距離データ54を記憶する。他にも、メモリー47はCPU46のためのワークエリアやテンポラリーファイル等として機能する記憶領域やその他各種の記憶領域を備える。
CPU46は、メモリー47内に記憶されたプログラム51に従って、超音波プローブ2から超音波を発信し、超音波の反射波を基に超音波プローブ2と被測定物18との距離を演算して表示装置12に表示するものである。本体部3は表示装置12及びCPU46を搭載した制御部13を備えたコンピューターとして機能する。プログラム51が動作するCPU46は具体的な機能実現部としてプローブ制御部55を有する。制御部13では超音波素子16が発信する超音波14の位相をプローブ制御部55が制御して、各超音波素子16が発信する超音波14が合成された合成波15の進行方向を制御する。
他にも、CPU46は速度測定部56を有し、速度測定部56は超音波14の速度を測定する機能を有する。速度測定部56は発信点7aから超音波14を発信する指示をプローブ制御部55に出力する。速度測定部56はタイマー59から超音波14の移動にかかった移動時間を入力する。発信点7a、反射部9及び到達点7bの位置は既知であり、発信点7aから反射部9を経て到達点7bに至る間の移動距離も既知になっている。次に、速度測定部56は移動距離を移動時間で除算して超音波14の速度を算出する。このように、制御部13では速度測定部56がタイマー59の測定結果に基づき超音波14の速度を算出する。速度測定部56が算出した超音波14の速度のデータは速度データ52としてメモリー47に記憶される。
他にも、CPU46は距離測定部61を有する。制御部13では距離測定部61が超音波アレイ7と被測定物18との距離を測定する機能を有する。距離測定部61は超音波アレイ7から超音波14を発信する指示をプローブ制御部55に出力する。そして、発信された超音波14は被測定物18に到達して反射する。反射した超音波14の一部は反射波21として超音波アレイ7に向かって進行する。
反射波21が超音波アレイ7に到達するとき超音波プローブ2では超音波14が超音波アレイ7と被測定物18との間を進行した第2の時間をタイマー59が測定する。制御部13では距離測定部61が反射部9を反射させた超音波14から算出した超音波14の速度と、第2の時間と、を用いて超音波アレイ7と被測定物18との距離を測定する。詳しくは、第2の時間に超音波14の速度を乗算し2で除算して超音波アレイ7と被測定物18との距離を算出する。
距離測定部61が測定した超音波アレイ7と被測定物18との距離のデータは距離データ54としてメモリー47に記憶される。従って、超音波装置1は被測定物18に接触することなく精度よく超音波アレイ7と被測定物18との距離を測定できる。
他にも、CPU46は表示制御部64を有する。表示制御部64は超音波アレイ7と被測定物18との間の距離を表示装置12に表示する制御を行う。他にも、表示制御部64は装置の状態の表示や測定に関する情報を表示する制御を行う。
次に上述した超音波装置1の測定方法について図12にて説明する。図12は、測定方法のフローチャートである。図12のフローチャートにおいて、ステップS1は速度測定工程に相当する。この工程は超音波14の速度を測定する工程である。次にステップS2に移行する。ステップS2は距離測定工程である。この工程は、超音波アレイ7と被測定物18との間の距離を測定する工程である。次にステップS3に移行する。ステップS3は終了判断工程である。測定を継続するとき、ステップS2に移行する。測定を終了するとき測定工程を終了する。
次に、図2及び図5を用いて、図12に示したステップと対応させて測定方法を詳細に説明する。図2はステップS1の速度測定工程に対応する図である。ステップS1では、まず、速度測定部56が発信点7aから超音波14を発信する指示をプローブ制御部55に出力する。そして、プローブ制御部55はプローブ駆動部48に超音波アレイ7を駆動させる。
図2に示すように、超音波アレイ7は発信点7aから反射部9に向けて合成波15を発信させる。超音波アレイ7は複数の超音波素子16が発信する超音波14の位相を調整して第1方向8と交差する方向に合成波15を発信する。合成波15の発信と同時にタイマー59は時間計測を開始する。そして、反射部9に到達した合成波15の一部は超音波アレイ7上の到達点7bに向かって進行する。次に、合成波15が到達点7bに到達する。
反射波21が到達点7bに到達するときタイマー59は超音波14が発信点7aから到達点7bまで進行するのにかかった時間である第1の時間を測定する。タイマー59は第1の時間をプローブ駆動部48に出力する。プローブ駆動部48は第1の時間を時間データ53としてメモリー47に記憶する。続いて、速度測定部56は移動距離を第1の時間で除算して超音波14の速度を算出する。速度測定部56が測定した超音波14の速度のデータは速度データ52としてメモリー47に記憶される。
図5はステップS2の距離測定工程に対応する図である。ステップS2では、まず、距離測定部61が超音波アレイ7から超音波14を発信する指示をプローブ制御部55に出力する。そして、プローブ制御部55はプローブ駆動部48に超音波アレイ7を駆動させる。
超音波アレイ7は発信点7aから被測定物18に向けて合成波15を発信させる。超音波アレイ7は複数の超音波素子16が発信する超音波14の位相を調整して所定の方向に合成波15を発信する。合成波15の発信と同時にタイマー59は時間計測を開始する。そして、発信された超音波14は被測定物18に到達して反射する。反射した超音波14の一部は反射波21として超音波アレイ7に向かって進行する。次に、反射波21が超音波アレイ7に到達する。
反射波21が超音波アレイ7に到達するときタイマー59は超音波14が発信されてから受信されるまでの時間である第2の時間を測定する。第2の時間は超音波14が超音波アレイ7と被測定物18との間を往復移動するのにかかった時間である。タイマー59は第2の時間をプローブ駆動部48に出力する。プローブ駆動部48は第2の時間を時間データ53としてメモリー47に記憶する。続いて、距離測定部61は第2の時間に超音波14の速度を乗算し2で除算して超音波アレイ7と被測定物18との距離を算出する。そして、表示制御部64が表示装置12に超音波アレイ7と被測定物18との距離を表示する。
ステップS3の終了判断工程では測定を継続するか否かの判断を行う。測定を継続すると判断したときにはステップS2に移行して測定を継続する。測定を終了すると判断したときは測定する工程を終了する。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、超音波装置1は超音波アレイ7、反射部9、タイマー59及び制御部13を備えている。超音波アレイ7には複数の超音波素子16が配列している。この超音波素子16は超音波14を発信し反射した超音波14を受信する。反射部9は超音波素子16から所定の距離離れた位置に配置されている。反射部9は超音波素子16が発信した超音波14を反射する。超音波14が超音波アレイ7と反射部9との間を進行する時間をタイマー59が測定する。超音波素子16及びタイマー59は制御部13と接続されている。そして、タイマー59は超音波14の移動時間を測定し、制御部13はタイマー59の測定結果に基づき超音波14の速度を算出する。
各超音波素子16が超音波14を発信し、発信された超音波14が合成されて合成波15になる。制御部13は超音波素子16が発信する超音波14の位相を制御することにより、合成波15の進行方向を制御する。各超音波素子16が発信する超音波14が同相のときに合成波15が進行する方向が第1方向8である。プローブ制御部55は合成波15を第1方向8と交差する方向に進行させる。そして、合成波15の進行先には反射部9が位置するので合成波15は反射部9を照射する。合成波15は反射部9で反射して進行方向が変わり、超音波アレイ7に向かって進行する。
超音波14の進行方向が第1方向8と交差する角度が大きくなる程、第1方向8における超音波アレイ7と反射部9との距離を短くできる。そして、超音波装置1は超音波アレイ7が超音波14を合成波15にして発信する。従って、超音波アレイ7でなく1つの超音波素子16から超音波14を発信するときに比べて、超音波14の進行方向と第1方向8とがなす角度を大きくできる。その結果、超音波アレイ7と反射部9との距離を短くできる。
(2)本実施形態によれば、超音波アレイ7は一方の端に位置する発信点7aから合成波15を反射部9に向けて発信する。そして、反射部9は超音波アレイ7の他方の端に位置する到達点7bに向けて反射する。このとき、超音波アレイ7が発信した発信点7aに向けて反射部9が合成波15が反射するときに比べて、合成波15が進行する距離を長くできる。合成波15が進行する距離を長い方が短いときに比べてSN比を良くすることができる。従って、精度良く超音波14の速度を測定できる。
(3)本実施形態によれば、超音波装置1は距離測定部61を備えている。タイマー59は超音波アレイ7から発信された合成波15が被測定物18に反射して超音波アレイ7に到着する時間を測定する。そして、制御部13では距離測定部61が超音波アレイ7と被測定物18との距離を算出する。このとき、超音波14の速度には反射部9を反射させた超音波14から算出した速度を用いている。従って、超音波装置1は被測定物18に接触することなく超音波アレイ7と被測定物18との距離を精度良く測定できる。
(4)本実施形態によれば、超音波アレイ7は超音波素子16がマトリックス状に配置されている。従って、超音波アレイ7は合成波15を2次元方向に発信できる。その結果、超音波装置1は超音波アレイ7の中央と対向する場所の被測定物18に加え、超音波アレイ7に対して±X方向及び±Y方向に位置する被測定物18との距離を測定できる。
(第2の実施形態)
次に、超音波装置の一実施形態について図13〜図16を用いて説明する。図13は超音波14の集音方法を説明するための模式図である。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、合成波15が平面波でなく、超音波14が集音点に集中する点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
すなわち、本実施形態では、図13に示すように、超音波素子基板6から離れた集音点67を設定する。そして、集音点67から各超音波素子16までの距離を算出し、超音波14の速度で除算する。この演算により、各超音波素子16から発信した超音波14が集音点67に到達するまでの時間が算出される。そして、各超音波素子16が発信する超音波14が同時に集音点67を通過するように各超音波素子16が超音波14を発信する時刻を調整する。以上の制御をプローブ制御部55が行う。
予め、超音波アレイ7と被測定物18との概略の距離がわかっているときには、被測定物18に超音波14を集音させることができる。その結果、被測定物18で反射する反射波21の強度を強くすることができる。反射波21を強くすることで、超音波素子16はSN比の良い信号を捉えることができる。また、超音波14の波数を1つでなく複数にすることにより超音波アレイ7は反射波を確実に受信できる。
図14はグレーティングローブを説明するための模式図である。図14において、音圧分布68は超音波アレイ7から発信される超音波14の音圧の分布の例である。音圧分布68では第3方向69の音圧が高くなっている。第3方向69の音圧はプローブ駆動部48が各超音波素子16から発信される超音波14の位相を調整して形成された音圧である。
第3方向69とは別に第4方向70に音圧が高い分布が形成されている。第4方向70の音圧は第3方向69の音圧より低い。超音波アレイ7から複数の波数の超音波14を発信するとき、超音波14の干渉により第4方向70に音圧の高くなる場所が形成される。この第4方向70の音圧分布をグレーティングローブという。第4方向70に被測定物18があるときには、不要な反射波21が超音波アレイ7に向かって進行する虞がある。この不要な反射波21は超音波アレイ7と被測定物18との間の距離を測定するときのノイズとなる可能性がある。
図15は反射部を設置する範囲を説明するための模式図である。図15に示すように、被測定物18と超音波プローブ2との距離を測定するときには超音波アレイ7が被測定物18に向かって合成波15を発信する。この合成波15は集音点67が被測定物18の表面の近くに設定されている。合成波15は被測定物18で反射し、反射波21となって超音波アレイ7に受信される。
超音波アレイ7の中央の場所を中央点25とする。超音波アレイ7が非対称の形状のときには超音波アレイ7の重心となる点を中央点25とする。中央点25から第1方向8に伸びる線を第1方向線26とする。また、中央点25を通って第2方向17に伸びる線を第2方向線27とする。
第1方向線26と所定の境界線角度71で交差する線を境界線72とする。そして、境界線角度71をθ、超音波14の音速をc、超音波14の周波数をf、超音波アレイ7における超音波素子16のピッチをpとするとき、θ=arcsin(c/(f・p)−1)となっている。このとき、反射部9は境界線72と第2方向線27との間に位置する。
図16はグレーティングローブの発生を説明するための図である。図16において、横軸は第1方向8と第3方向69とがなす角度を示している。縦軸はグレーティングローブの音圧を示している。そして、音圧分布線73は第3方向69が変わるときに第4方向70に発信するグレーティングローブの音圧を示している。
音圧分布線73はシミュレーションにて算出した結果を示す。シミュレーションの演算条件は超音波14の速度が347m/s、超音波14の周波数が0.5MHz、超音波14の波長が694μm、超音波素子16のピッチが400μmになっている。このとき、境界線角度71は47.3度である。
音圧分布線73が示すように、第1方向8と第3方向69とがなす角度が境界線角度71より小さいときグレーティングローブの音圧は零である。つまり、グレーティングローブは発信しない。そして、第1方向8と第3方向69とがなす角度が境界線角度71を越えて大きくなるに従って、グレーティングローブの音圧が大きくなる。
超音波アレイ7が合成波15を発信する方向を境界線72より第1方向線26側にする。そして、合成波15を構成する超音波14が複数の波数からなるとき、合成波15のピークを1つに限定できる。このとき、図14の音圧分布68で第4方向70に向かって音圧が高くなる部分が発生せずに、音圧が高い方向を第3方向69だけにすることができる。図15において、反射部9は境界線72と第2方向線27との間に位置しているので、反射部9は境界線72より第1方向線26側にない。従って、境界線72より第1方向線26側の被測定物18に対してピークを1つに限定した合成波15を確実に照射できる。
(第3の実施形態)
次に、超音波装置の一実施形態について図17を用いて説明する。図17は超音波の進路を説明するための模式図である。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、合成波15が反射部9で2回反射する点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。すなわち、本実施形態では、図17に示すように、反射部9が複数の場所に設置されている。超音波アレイ7の−X方向側の端に発信点7aが設定されている。制御部13は発信点7aの複数の超音波素子16から超音波14を発信させる。このとき、プローブ制御部55は超音波素子16が発信する超音波14の位相を制御する。プローブ制御部55は合成波15を第1方向8と交差する方向に進行させて合成波15を−X方向側の反射部9に照射する。
合成波15は反射部9で反射して進行方向が変わり、+X方向側の反射部9に向かって進行する。合成波15は+X方向側の反射部9で反射して進行方向が変わり、超音波アレイ7に向かって進行する。このように、反射部9は超音波アレイ7から発信された合成波15を複数回反射させた後で超音波アレイ7の到達点7bに向けて反射する。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、反射部9は複数の場所に設置されている。そして、反射部9は超音波アレイ7から発信された合成波15を複数回反射させた後で超音波アレイ7に向けて反射する。つまり、複数の反射部9間を合成波15が進行する。これにより、合成波15が進行する距離を長くできる。合成波15が進行する距離が長い方が短いときに比べてSN比を良くすることができる。従って、精度良く超音波14の速度を測定できる。
(第4の実施形態)
次に、超音波装置の一実施形態について図18を用いて説明する。図18は超音波の進路を説明するための模式図である。本実施形態が第3の実施形態と異なるところは、合成波15が反射部9で3回反射する点にある。すなわち、本実施形態では、図18に示すように、反射部9が複数の場所に設置されている。超音波アレイ7の+X方向側且つ−Y方向側の端に発信点7aが設定されている。制御部13は発信点7aの複数の超音波素子16から超音波14を発信させる。このとき、プローブ制御部55は超音波素子16が発信する超音波14の位相を制御する。プローブ制御部55は合成波15を第1方向8と交差する方向に進行させて合成波15を+X方向側の反射部9に照射する。
合成波15は+X方向側の反射部9で反射して進行方向が変わり、−X方向側の反射部9に向かって進行する。合成波15は−X方向側の反射部9で反射して進行方向が変わり、+X方向側の反射部9に向かって進行する。次に、合成波15は超音波アレイ7に向かって進行する。このように、反射部9は超音波アレイ7から発信された合成波15を複数回反射させた後で超音波アレイ7の到達点7bに向けて反射する。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、反射部9は複数の場所に設置されている。そして、反射部9は超音波アレイ7から発信された合成波15を複数回反射させた後で超音波アレイ7に向けて反射する。つまり、複数の反射部9の間を合成波15が進行する。これにより、合成波15が進行する距離を長くできる。合成波15が進行する距離が長い方が短いときに比べてSN比を良くすることができる。従って、精度良く超音波14の速度を測定できる。
(第5の実施形態)
次に、超音波装置の一実施形態について図19を用いて説明する。図19は超音波の進路を説明するための模式図である。本実施形態が第4の実施形態と異なるところは、合成波15が±X方向側の反射部9と±Y方向側の反射部9とで反射する点にある。すなわち、本実施形態では、図19に示すように、反射部9が複数の場所に設置されている。超音波アレイ7の−X方向側に発信点7aが設定されている。制御部13は発信点7aの複数の超音波素子16から超音波14を発信させる。このとき、プローブ制御部55は超音波素子16が発信する超音波14の位相を制御する。プローブ制御部55は合成波15を第1方向8と交差する方向に進行させて合成波15を−X方向側の反射部9に照射する。
合成波15は−X方向側の反射部9で反射して進行方向が変わり、+Y方向側の反射部9に向かって進行する。合成波15は+Y方向側の反射部9で反射して進行方向が変わり、+X方向側の反射部9に向かって進行する。そして、+X方向側の反射部9から−X方向側の反射部9、−Y方向側の反射部9、+X方向側の反射部9の順に反射する。次に、合成波15は超音波アレイ7の到達点7bに向かって進行する。このように、反射部9は超音波アレイ7から発信された合成波15を複数回反射させた後で超音波アレイ7の到達点7bに向けて反射する。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、反射部9は複数の場所に設置されている。そして、反射部9は超音波アレイ7から発信された合成波15を複数回反射させた後で超音波アレイ7に向けて反射する。つまり、複数の反射部9間を合成波15が進行する。これにより、合成波15が進行する距離を長くできる。合成波15が進行する距離が長い方が短いときに比べてSN比を良くすることができる。従って、精度良く超音波14の速度を測定できる。
(第6の実施形態)
次に、超音波装置の一実施形態について図20を用いて説明する。図20は超音波の進路を説明するための模式図である。本実施形態が第2の実施形態と異なるところは、超音波アレイの配列が1次元となっている点にある。すなわち、本実施形態では、図20に示すように、超音波装置75の超音波プローブ76は有底筒状の筐体77を備えている。筐体77の底面77aにはX方向に伸びる超音波素子基板78が設置されている。超音波素子基板78上には超音波アレイ79が設置されている。超音波アレイ79は超音波素子16がX方向に並ぶ1次元の配列になっている。従って、超音波アレイ79が発信する超音波14からなる合成波15は±X方向に進行できる。
筐体77は超音波素子基板78を向く±X方向側の面に反射部9が設置されている。超音波アレイ79の−X方向側に発信点79aが設定されている。制御部13は発信点79aの複数の超音波素子16から超音波14を発信させる。このとき、プローブ制御部55は超音波素子16が発信する超音波14の位相を制御する。プローブ制御部55は合成波15を第1方向8と交差する方向に進行させて合成波15を−X方向側の反射部9に照射する。
合成波15は−X方向側の反射部9で反射して進行方向が変わり、+X方向側の反射部9に向かって進行する。合成波15は+X方向側の反射部9で反射して進行方向が変わる。次に、合成波15は超音波アレイ79の到達点79bに向かって進行する。そして、到達点79bでは超音波アレイ79が合成波15を受信する。
(1)本実施形態によれば、超音波アレイ79は1次元の配列になっている。このときにも、超音波アレイ79は超音波14の進行方向を第1方向8と交差させる。そして、第1方向8において超音波アレイ79と反射部9との距離を短くできる。その結果、超音波アレイ79と反射部9との距離を短くできる。
尚、本実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により種々の変更や改良を加えることも可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
前記第1の実施形態では、超音波プローブ2と本体部3とが分かれていた。超音波プローブ2は本体部3と接触していても良い。さらに、超音波プローブ2と本体部3とが一体になっても良い。被測定物18との距離を測定し易い形態にしても良い。
(変形例2)
前記第1の実施形態では、超音波アレイ7から+Z方向に超音波14を発信した。他にも、X方向を向く超音波アレイ7及びY方向を向く超音波アレイ7を組み合わせて、3次元方向の距離を測定する超音波装置にしても良い。この超音波装置は3方向の距離を計測できる。
(変形例3)
前記第1の実施形態では、内部音響整合部37、第1導電膜38、音響整合部41、保護部42が設置されていたが、それらのうち少なくとも1つを省略しても良い。例えば、電磁ノイズが小さい環境で使用する用途のときには第1導電膜38を省略しても良い。第1導電膜38を設置する工程を減らすことができるので、生産性良く超音波装置1を製造することができる。また、空気中への超音波送受信において、内部音響整合部37、第1導電膜38、音響整合部41、を省略することで、振動板の変位量を大きくでき、送受信感度を高くできる場合がある。この場合、保護部42は、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などを用いることができる。
(変形例4)
前記第1の実施形態では、保護部42の+Z方向側の面は平坦な面になっていた。保護部42の+Z方向側を凸レンズにしても良い。超音波14を容易に集音させることができる。
(変形例5)
前記第2の実施形態では、合成波15の波数は複数であった。合成波15の波数は1つでも良い。このときにも、超音波アレイ7と被測定物18との距離を精度良く測定できる。
(変形例6)
前記第1の実施形態では、合成波15が進行する第1方向8は+Z方向であった。この方向とは逆に、−Z方向側に合成波15が進行する構成にしてもよい。つまり、振動膜30から開口部29aを通って−Z方向側に超音波14が発信される構成にしてもよい。超音波アレイ7が設置される超音波プローブ2の構造に合わせて合成波15が進行する方向を設定できる。
1,75…超音波装置、7,79…超音波アレイ、8…第1方向、9…反射部、13…制御部、14…超音波、15…合成波、16…超音波素子、17…第2方向、18…被測定物、25…中央点、26…第1方向線、27…第2方向線、59…タイマー、71…境界線角度、72…境界線。

Claims (6)

  1. 超音波を発信して反射した超音波を受信する複数の超音波素子が配列した超音波アレイ
    と、
    前記超音波素子から所定の距離離れた位置に配置され、前記超音波素子が発信した超音
    波を反射する反射部と、
    超音波が前記超音波アレイと前記反射部との間を進行した第1の時間を測定するタイマ
    ーと、
    前記超音波素子及び前記タイマーと接続された制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記超音波素子が発信する超音波の位相を制御して各前記超音波素子が発信する超音波
    が合成された合成波の進行方向を制御し、
    各前記超音波素子が発信する超音波が同相のときに前記合成波が進行する方向を第1方
    向とするとき、前記合成波を前記第1方向と交差する方向に進行させて前記合成波を前記
    反射部に照射し、
    前記タイマーの測定結果に基づき超音波の速度を算出し、
    前記超音波素子が並ぶ第2方向において前記反射部は前記超音波アレイと対向する場所
    の外側に位置し、
    前記超音波アレイの中央の中央点から前記第1方向に伸びる線を第1方向線とし、
    前記中央点を通って前記第2方向に伸びる線を第2方向線とし、
    前記第1方向線と所定の境界線角度θで交差する線を境界線とするとき、
    前記反射部は前記境界線と前記第2方向線との間に位置し、
    前記境界線角度θは、超音波の音速をc、超音波の周波数をf、前記超音波アレイにお
    ける前記超音波素子のピッチをpとするとき、
    θ=arcsin(c/(f・p)−1)
    であることを特徴とする超音波装置。
  2. 請求項1に記載の超音波装置であって、
    前記超音波アレイの一方の端から発信された前記合成波を前記反射部が前記超音波アレ
    イの他方の端に向けて反射することを特徴とする超音波装置。
  3. 請求項1に記載の超音波装置であって、
    前記反射部は複数の場所に設置され、
    前記反射部は前記超音波アレイから発信された前記合成波を複数回反射させた後で前記
    超音波アレイに向けて反射することを特徴とする超音波装置。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の超音波装置であって、
    前記タイマーは、超音波が前記超音波アレイと被測定物との間を進行した第2の時間を
    測定し、
    前記制御部は、前記反射部を反射させた超音波から算出した前記超音波の速度と、前記
    第2の時間と、を用いて前記超音波アレイと被測定物との距離を測定することを特徴とす
    る超音波装置。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の超音波装置であって、
    前記超音波アレイは前記超音波素子がマトリックス状に配置されていることを特徴とす
    る超音波装置。
  6. 超音波を発信して反射した超音波を受信する複数の超音波素子が配列した超音波アレイ
    と、
    前記超音波素子から所定の距離離れた位置に配置され、前記超音波素子が発信した超音
    波を反射する反射部と、
    超音波が前記超音波アレイと前記反射部との間を進行した第1の時間を測定するタイマ
    ーと、を備え、
    前記反射部は、前記超音波素子が並ぶ第2方向において前記超音波アレイと対向する場
    所の外側に位置し、
    前記超音波アレイの中央の中央点から前記第2方向と直交する第1方向に伸びる線を第
    1方向線とし、
    前記中央点を通って前記第2方向に伸びる線を第2方向線とし、
    前記第1方向線と所定の境界線角度θで交差する線を境界線とするとき、
    前記反射部は前記境界線と前記第2方向線との間に位置し、
    前記境界線角度θは、超音波の音速をc、超音波の周波数をf、前記超音波アレイにお
    ける前記超音波素子のピッチをpとするとき、
    θ=arcsin(c/(f・p)−1)
    であることを特徴とする超音波装置。
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