JPH06138106A - 超音波探傷装置 - Google Patents

超音波探傷装置

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JPH06138106A
JPH06138106A JP4284240A JP28424092A JPH06138106A JP H06138106 A JPH06138106 A JP H06138106A JP 4284240 A JP4284240 A JP 4284240A JP 28424092 A JP28424092 A JP 28424092A JP H06138106 A JPH06138106 A JP H06138106A
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JP
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echo
time
standard test
ultrasonic
test piece
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Application number
JP4284240A
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English (en)
Inventor
Akira Murayama
章 村山
Hidekazu Horigome
秀和 堀籠
Akio Onimaru
昭夫 鬼丸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Tokimec Inc
Original Assignee
Tokimec Inc
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 超音波探触子4,38を用いて欠陥を探傷す
る場合に、表示器26に表示されるエコーの感度と時間
軸とを自動的に校正する。 【構成】 互いに異なる時間帯に分割する複数のゲート
からなるマルチゲート回路30を設け、エコー比較選択
部32で超音波探触子を標準試験片19に当接した状態
で走査(移動)させる過程で各ゲートから出力される最
大エコー及び経過時間を検出し、遅延時間算出部33で
最大エコーの経過時間から楔内(シュー)遅延時間Δt
を算出し、時間軸自動校正部29で楔内(シュー)遅延
時間に基づいて時間軸の零点調整を行う。屈折角算出部
36で、最大エコーの経過時間tmからビーム路程を求
め、このビーム路程及び標準試験片の形状から屈折角θ
を算出する。さらに、感度自動校正部25で最大エコー
のエコー高さが規定エコー高さに一致するように受信信
号bの感度調整を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波探触子を用いて
鋼板等の被試験体に対して超音波を入射して欠陥等に起
因して発生する反射波(エコー)を検出する超音波探傷
装置に係わり、特に、表示器に表示されるエコー波形の
時間軸校正及び感度校正を自動的に実施する超音波探傷
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板等の被測定体内に存在する欠陥を検
出する携帯型の超音波探傷装置は例えば図10に示すよ
うに構成されている。
【0003】超音波探傷装置1に信号ケーブル2を介し
て被測定体3に当接される超音波探触子4が接続されて
いる。周知のように、超音波探触子4には垂直探触子と
斜角探触子とがあるが、斜角探触子を用いた場合を説明
する。
【0004】超音波探触子4内においては、超音波の送
信と受信とを行う1枚の振動子5が楔6を介して被測定
体3の取付面3aに対して傾斜する方向に配置されてい
る。この振動子5の両側に取付けられた電極7a,7b
がコネクタ8aおよび信号ケーブル2を介して超音波探
傷装置1のコネクタ8bに接続される。
【0005】超音波探傷装置1内の送信回路9から信号
ケーブル2を介してパルス信号を振動子5の両端に取付
けられた電極7a,7b間に印加すると、振動子5から
超音波10が被測定体3の取付面3aに対して入射角i
で入射する。この超音波10は取付面3aにおいて屈折
角θで屈折されて、被測定体3の内部へ斜め方向に送出
される。
【0006】被測定体3内を斜め方向に伝播される超音
波10は例えば被測定体3の反対面(底面)で反射され
る。ここで、被測定体3の内部に欠陥11が存在する
と、この欠陥11で超音波10が反射されるので、反射
された超音波10は振動子5に入射する。振動子5に入
射した欠陥11に起因する反射波(エコー)は電気信号
に変換されて受信信号として信号ケーブル2を介して超
音波探傷装置1の受信回路12で受信される。
【0007】受信回路12は受信信号を検波して増幅
し、表示器13へ送出する。受信回路12にて検波され
た受信信号には楔6に対する入射面で反射された反射波
に起因する送信パルスTと前記欠陥11に起因する欠陥
エコーFとが含まれる。表示器13はこの送信パルスT
と欠陥エコーFとを表示する。
【0008】超音波10が振動子5から送出されてから
欠陥11にて反射されて再度振動子5に入射するまでに
要する経過時間が求まると、超音波10の被測定体3内
の伝播速度(音速)および超音波10の伝播方向は既知
であるので、欠陥位置(深さ)Xが特定される。また、
欠陥エコーFの波形高(エコー高さ)より欠陥規模もあ
る程度推定される。
【0009】表示器13に表示された欠陥エコーFから
欠陥位置(X)及び欠陥規模を定量的に把握するために
は、表示器13に表示された欠陥エコーFを含む受信信
号の深さX方向を示す時間軸と欠陥規模を示す縦軸(感
度)を事前に校正しておく必要がある。また、斜角探傷
を用いる場合においては、超音波の伝播方向を示す屈折
角θも事前に求めておく必要がある。
【0010】超音波探傷装置1の操作パネル14におけ
る表示器13の周囲には、図11に示すように、深さX
方向の測定範囲を設定する測定範囲切換スイッチ15,
超音波10の伝搬速度を設定する音速設定つまみ16,
時間軸(横軸)の零点位置を設定するパルス位置設定つ
まみ17,縦軸(感度)を設定する3個の感度調節つま
み18等が配設されていてる。そして、これらのスイッ
チ及び各つまみを用いて時間軸及び縦軸の校正を行う。
【0011】具体的には、試験員が例えば図3や図4に
示すJIS Z2345に記載されたSTB−A1又は
STB−A2等の標準試験片19,41や既知の試験片
を使用して、図12に示すように、2個以上のエコーを
表示器13に表示し、これらのエコーを観察しながら、
音速設定つまみ16やパルス位置設定つまみ17,感度
調節つまみ18等で調整する。
【0012】例えば図12に示す垂直探傷手法の場合
は、片手で超音波探触子4を標準試験片19の指定され
た取付面に固定し、もう一方の手で前述した各つまみ1
6,17,18や切換スイッチ15を調整する。
【0013】さらに、鋼板や鋼管の溶接部の探傷によく
用いられる斜角探傷手法の場合は、使用する図10に示
す斜角探触子の入射点や超音波の屈折角等の測定も必要
となる。この場合も上述した垂直探傷手法の場合と同様
に、斜角探触子を標準試験片19の取付面に当接した状
態で、斜角探触子を取付面上で走査(移動)させて、そ
の移動過程で基準欠陥からの反射エコーが最大になる斜
角探触子の位置を表示器13の画面上から求め、目視で
確認した後、その斜角探触子の入射点と屈折角θを、標
準試験片と探触子との幾何学的相対位置より求める。ま
た欠陥規模を把握するための感度校正の場合も、前述と
同様に探触子を移動させながら前述した感度調節つまみ
18を操作する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た調整作業を行う必要がある超音波探傷装置において
も、まだ解消すべき次のような課題があった。
【0015】超音波探傷の測定結果に大きな影響を及ぼ
す要因である時間軸(測定範囲)の校正,屈折角θや入
射点の測定,探傷感度の校正等はいずれも片方の手で探
触子を走査(移動)し、もう一方の手で、各つまみ,切
換スイッチを調整するという複雑で難易度の高い作業で
あるので、この作業に熟練した試験員しか実施できな
い。また、試験員はそのままの姿勢で読取った目視結果
に基づいて処理される。これらの不都合点を具体的に記
述すると下記のようになる。
【0016】(1) 探触子と標準試験片との間には、多
くの場合、音響伝達媒体として油が介在されているため
に、滑りやすく、探触子の固定状態を維持するのに熟練
を要する。
【0017】(2) 表示器前面の保護板とブラウン管と
の間に隙間が存在するので、表示器13に表示された測
定結果を目視で確認した場合、視野による誤差が生じ易
い。さらに、接触子の入射点の目盛と標準試験片の刻印
目盛との斜視による誤差等が生じ易い。 (3) 両手を使用して調整するために、試験員の注意力
が分散され、測定精度にバラツキが生じる懸念がある。
【0018】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、探触子を標準試験片の取付面上を移動させ
た時に探触子から順次得られる受信信号に含まれるエコ
ーのうちの最大エコー及びその経過時間を検出すること
によって、表示器の時間軸及び感度を自動的に校正で
き、試験員の技量に起因する調整操作の不正確さや屈折
角等の測定誤差を除去でき、たとえこの装置の取扱いに
不慣れな試験員であっても、常に一定水準以上の校正精
度が得られ、かつ校正作業能率を大幅に向上できる超音
波探傷装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に本発明は、超音波探触子に一定周期でパルス信号を送
出して被試験体内に超音波を入射させ、欠陥に起因する
反射波に対応する超音波探触子の出力を受信して、受信
信号に含まれるエコーを表示器に表示する超音波探傷装
置において、
【0020】受信信号を互いに異なる時間帯に分割する
複数のゲートからなるマルチゲート回路と、超音波探触
子を標準試験片に当接した状態で超音波探触子と標準試
験片との相対位置を変化させる過程でマルチゲート回路
の各ゲートから出力される各エコーのうちの最大エコー
におけるエコー高さ及びパルス信号送出時刻からの経過
時間を検出するエコー比較選択部と、エコー比較選択部
で検出された最大エコーの経過時間から楔内の伝搬時間
も含んだ楔内(シュー)遅延時間を算出する遅延時間算
出部と、遅延時間算出部で算出された楔内(シュー)遅
延時間で表示器における時間軸の零点調整を行う時間軸
自動校正部と、エコー比較選択部で検出された最大エコ
ーの経過時間からビーム路程(伝播距離)を求め、ビー
ム路程及び標準試験片の形状から超音波の屈折角を算出
する屈折角算出部と、エコー比較選択部で検出された最
大エコーのエコー高さが規定エコー高さに一致するよう
に受信信号の感度調整を行う感度自動校正部とを備えた
ものである。
【0021】
【作用】先ず、このように構成された超音波探傷装置に
おいて時間軸及び感度が自動校正できる動作原理を説明
する。
【0022】例えばJIS規格に定められている標準試
験片には規定形状の円弧部,円形孔が形成されている。
したがって、超音波探触子を標準試験片の取付面に当接
した状態で一定周期でパルス信号を印加すると、超音波
探触子から円弧部,円形孔等にて反射された超音波に起
因して受信信号としてエコーが現れ、表示器に表示され
る。
【0023】そして、超音波探触子を標準試験片の取付
面に当接した状態で、超音波探触子と標準試験片との相
対位置を変化させると、前記各形状における超音波が当
接する位置が順次移動していく。同時に、探触子の振動
子から超音波が標準試験片内に入射してから反射されて
再度振動子へ入射するまでの経過時間が変化する。その
結果、受信信号として現れる各エコーのエコー高さと該
当エコーが現れる時間、すなわち経過時間が順次変化し
ていく。
【0024】前記各形状に対して超音波が直角に当接し
た場合には最大エコーを示す。標準試験片に形成された
円形孔(標準疵)の寸法は既知であるので、その最大エ
コーのエコー高さを既知寸法の円形孔に対応する規定エ
コー高さに自動校正できる。また、その時点における標
準試験片内の超音波当接位置と探触子の位置との位置関
係が一義的に定まるので、標準試験片内における超音波
のビーム路程が定まる。標準試験片内における超音波の
速度は材質や伝搬モードで一定値に定まるので、超音波
が探触子内の振動子から出力されて実際に標準試験片に
達する間での時間、すなわち楔内(シュー)遅延時間を
算出することが可能である。この楔内(シュー)遅延時
間が求まると受信信号における時間軸の零点調整が可能
となる。
【0025】さらに、標準試験片STB−A1又はST
B−A3の屈折角測定位置に探触子を当接し、標準試験
片の所定位置を走査した時の最大エコーの標準試験片内
の円形孔と探触子の位置との位置関係が一義的に定まる
ので、屈折角θも自動的に定まる。なお、最大エコーを
検出する手法として受信信号が通過する時間帯が互いに
異なる値に設定された複数のゲートからなるマルチゲー
ト回路を用いている。
【0026】このように、超音波探触子を標準試験片に
接触させた状態で標準試験片上を走査することによっ
て、最大エコーとその時のパルス信号送出時刻からの経
過時間を検出し、これによって、時間軸及び感度が自動
校正でき、さらに屈折角θが算出できる。
【0027】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を用いて説明す
る。
【0028】図1は実施例の超音波探傷装置の概略構成
を示すブロック図である。図10に示す従来の超音波探
傷装置と同一部分には同一符号が付してある。したがっ
て、重複する部分の詳細説明は省略されている。なお、
実施例装置においては図10の従来装置と同様に斜角探
傷法に適用した場合について説明する。
【0029】同期発生回路20から出力されるトリガ信
号cに同期して、パルス発生回路21にて発生された一
定周期を有したパルス信号は送信回路22で増幅され
る。送信回路22で増幅されたパルス信号aは信号ケー
ブルを介して超音波探触子4へ入力される。この超音波
探触子4は図10に示した従来の超音波探触子と同一構
成である。すなわち、パルス信号aが振動子5の電極7
a,7bに印加されると、所定の振動周波数を有する超
音波10が被試験体3内へ入射される。
【0030】超音波10は被試験体3の底面で反射され
ると共に、欠陥11が存在すると、この欠陥11にて反
射されて、再度振動子5へ入射され、電気信号に変換さ
れて、受信回路23へ入力される。この受信回路23は
超音波探触子4の出力信号を直流検波(包絡線検波)し
て、受信信号bとして次の増幅回路24へ送出する。増
幅回路24は受信信号bを感度自動校正部25によって
指定された増幅率α1で増幅して、例えばブラウン管等
の表示器26のY軸(縦軸)端子に印加する。
【0031】同期発生回路20から出力されるトリガ信
号cは鋸歯状波信号発生回路27へ入力される。鋸歯状
波信号発生回路27はトリガ信号入力に同期する鋸歯状
波信号を出力する。鋸歯状波信号発生回路27から出力
された鋸歯状波信号は次の時間軸増幅回路28で増幅さ
れた後、時間軸遅延回路29で零点位置が調整されたの
ち、表示器26の時間軸(X軸)端子へ印加される。し
たがって、表示器26には受信信号bに含まれるエコー
が表示される。
【0032】増幅回路24から出力された受信信号bは
マルチゲート回路30へ入力される。マルチゲート回路
30は、例えば図2に示すように、受信信号bをクロッ
ク信号発生回路30cから入力されるクロック信号によ
って順番に1番からn番までの各出力端子に分配してい
くマルチプレクサ回路30aと、1番からn番までの各
出力端子に接続されたn個のピークホールド回路30b
とで構成されている。
【0033】クロック信号発生回路30cには図1に示
す例えばコンピュータからなる制御部31からゲート幅
tw とトリガ信号cの入力時刻からの遅延時間を示す起
点時間ts が入力される。したがって、入力された受信
信号bは、起点時間ts 経過した時点からゲート幅tw
づつずれた時間に分割されて1番からn番の各端子を介
して各ピークホールド回路30bへ分散されて入力され
る。すなわち、マルチプレクサ回路30aと各ピークホ
ールド回路30bとでn個のゲートを構成する。
【0034】ピークホールド回路30bにピークホール
ドされたエコーのトリガ信号c、すなわち超音波探触子
4に印加されるパルス信号の発生時刻からの経過時間t
が1番からn番までのゲート番号Nから特定できる。 t=ts +N・tW
【0035】各ピークホールド回路30bに保持された
各エコーのピーク値、すなわち各エコー高さは次の比較
選択部32へ入力される。なお、各ピークホールド回路
30bに記録された各エコーのピーク値は次のトリガ信
号cに同期してクリアされる。
【0036】比較選択部32は、マルチゲート回路30
の各ピークホールド回路30bから出力された各エコー
のエコー高さ比較して、最大エコー高さを抽出する。同
時に、該当最大エコーのゲート番号Nから算出される経
過時間tm を得る。最大エコー高さは感度自動校正部2
5へ送出され、最大エコーの経過時間tm は遅延時間算
出部33及び屈折角算出部36へ送出される。
【0037】遅延時間算出部33は最大エコーの経過時
間tm 及び標準試験片19の形状データに基づいて超音
波が振動子5から標準試験片19の取付面に達するまで
の時間を示す楔内(シュー)遅延時間Δtを算出する。
算出された楔内(シュー)遅延時間Δtは一旦遅延時間
記憶部34へ格納される。
【0038】遅延時間記憶部34に記憶された楔内(シ
ュー)遅延時間Δtは時間遅延回路29へ送出される。
時間軸遅延回路29は楔内(シュー)遅延時間Δtだけ
表示器26の時間軸を原点方向へ移動させる零点調整を
実行する。また、遅延時間記憶部34に記憶された楔内
(シュー)遅延時間Δtは欠陥位置算出部35及び屈折
角算出部36へ入力される。
【0039】欠陥位置算出部35は、通常の被試験体3
に対する探傷動作モード時において、受信信号bに含ま
れる欠陥に起因する欠陥エコーFの経過時間tから楔内
(シュー)遅延時間Δtを減算した経過時間(t−Δ
t)に基づいて欠陥位置Xを算出して表示器26に表示
する。
【0040】また、屈折角算出部36は、自動校正動作
モード時において、最大エコーの経過時間tm ,楔内
(シュー)遅延時間Δt及び標準試験片19の形状デー
タを用いて屈折角θを算出して表示器26に表示する。
【0041】校正項目・測定項目入力部37は、この超
音波探傷装置の動作モードを設定したり、各種の測定項
目を指定する機能を有する。例えば、動作モードにおい
ては通常の探傷動作モードと自動校正動作モードとが選
択可能である。
【0042】さらに、各動作モードにおける垂直探触子
又は斜角探触子の選択、自動校正動作モード時における
基準試験片19の種類の選択、斜角探触子における公称
屈折角の選択,測定項目の選択等が切換設定可能であ
る。さらに、測定項目においては、時間軸校正,屈折角
θの測定,探傷感度校正,欠陥位置測定,基準エコー高
さ選択、欠陥エコー高さ測定等を選択できる。
【0043】前記制御部31は、校正項目・測定項目入
力部37の設定内容に従って、時間軸増幅回路28へ増
幅率α2 を設定すると共に、各部に対して起動指令を送
出する。
【0044】次に、この超音波探傷装置の校正に用いる
JIS規格に定められたSTB−A1、STB−A2.
STB−N1の形状を図3及び図4を用いて説明する。
STB−A1の標準試験片19は図3(a)(b)及び
図4(b)に示すように、半径R=100mmの円弧部1
9aと直径D=50mmの円形孔19cが形成されてい
る。また、STB−A2の標準試験片41の上面には直
径4mm,深さ4mmの円形孔41aを含む多数の円形孔が
刻設されている。さらに、STB−N1の標準試験片4
1の下面の中央に1個の円形孔42aが刻設されてい
る。
【0045】そして、図3(a)は斜角型の超音波探触
子4の楔内(シュー)遅延時間Δtを測定する場合にお
ける超音波探触子4の当接位置を示し、図3(b)は同
一超音波探触子4における屈折角θを測定する場合にお
ける当接位置を示し、さらに、図4(a)は同一超音波
探触子4におけるφ4×4円形孔を基準とした感度校正
を行う場合における当接位置を示す。
【0046】また、図4(b)は垂直型の超音波探触子
38における時間軸校正を行う場合における超音波探触
子38の当接位置を示し、図4(c)は同一超音波探触
子38における感度校正を行う場合における当接位置を
示す。このように構成された超音波探傷装置の制御部3
1は図5及び図6の流れ図に従って受信信号bの感度及
び時間軸の自動校正処理を実施する。
【0047】図5の流れ図が開始され、校正項目・測定
条件入力部27から試験員の入力操作によって、探触子
の型,標準試験片の型が入力され、P1において、校正
項目・測定条件入力部27から時間軸校正が指定される
と、P2において、マルチゲート回路30に起点時間t
s ,ゲート幅tW を設定する。
【0048】すなわち、図3(a)における超音波探触
子4が標準試験片19の円弧部19aの曲率中心Pに位
置したと仮定すると、図7(b)に示すように、受信信
号bには送信パルスTと円弧部19aで反射された反射
エコーBが現れる。図7(a)に示すようにパスル信号
出力時刻から反射エコーBの発生時刻までの経過時間t
は、超音波探触子4における楔内(シュー)の超音波の
経路L0 と音速V1 及び標準試験片19の半径Rと音速
Vとで示される。 t=2L0 /V1 +2R/V
【0049】経過時間tの最短時間は経路L0 =0の時
に生じるので、起点時間tS は音速Vと半径Rとで一義
的に定まる。実施例においては、音速をV=3230m/s
に設定して、起点時間tS =61.9msを得ている。
【0050】次に、ゲート幅tw においては、一般に超
音波探触子4の楔内(シュー)の経路L0 は7〜30mm
の範囲に入るので、L0 =40mmとしてゲート幅tW =
2L0 /V1 =29.3msに設定している。但し、V1
は楔6内における音速である。したがって、図8に示す
ように、受信信号bはゲート幅tw づつ通過時間がずれ
た各ゲートを通過する。起点時間ts とゲート幅tw は
超音波探触子4及び標準試験片19が定まれば一義的に
定まる値である。
【0051】図5のP3において、試験員が超音波探触
子4を図3(a)に示すように、STB−A1の標準試
験片19に当接した状態で一方方向に走査(移動)させ
ると、図9に示すように、受信信号bには、送信パルス
Tと100Rからの反射エコーBが現われる。超音波探
触子4は移動しているので、100Rからの反射エコー
Bのエコー高さと経過時間tは順次ずれて行く。経過時
間tが異なると、100Rからの反射エコーBが入力さ
れるゲートが異なる。各ゲート幅tW は十分狭いので、
100Rからの反射エコーBの経過時間tが特定され
る。
【0052】図5のP4において、比較選択部32を起
動して、最大の100Rからの反射エコーBを特定し、
該当反射エコーBの経過時間tm を算出する。最大10
0Rからの反射エコーB発生時においては、超音波探触
子4は円弧部19aの曲率半径中心位置Pに位置してい
るので、標準試験片19内における超音波のビーム路程
は正確に2Rとなる。したがって、この時点における経
過時間tm から楔内(シュー)遅延時間ΔTが算出され
る。 ΔT=tm −(2R/V) また、時間軸の増幅率α2 は、標準試験片19内の音速
Vが既知であるので、一義的に定まる(P5)。時間軸
の増幅率α2 及び楔内(シュー)遅延時間Δtを時間増
幅回路28及び時間遅延回路29へ設定することによっ
て、時間軸校正が終了する(P6)。
【0053】なお、最大エコーが検出されたゲート番号
Nを記憶しておき、次に同一条件で超音波探触子4を再
度走査(移動)させて記憶されたゲート番号のゲートに
エコーが検出された時点で例えばランプ等を点灯させ
る。すると、ランプが点灯された時点の標準試験片19
上の入射点が超音波探触子4の側面に表記された目盛り
から読取ることが可能である。
【0054】次に、図5のP6において、屈折角θの測
定が指定された場合、すでに時間軸の校正が終了してい
ることを確認する。例えば、P7にて公称屈折角70度
が指定されると、超音波探触子4を図3(b)に示すよ
うにSTB−A1の標準試験片19に当接する。そし
て、円形孔19cに超音波10を当接させる場合におけ
る起点時間tS1とケード幅tw1をマルチゲート回路30
に設定する(P8)。
【0055】前述と同様に超音波探触子4を標準試験片
19に当接した状態で移動させる(P9)と、前述と同
様にマルチゲート回路30の各ゲートから円形孔19c
に起因する多数のエコーが出力される。そして、この各
エコーのうちの最大エコー発生時においては、図3
(b)に示すように、超音波探触子4から出力される超
音波10が円形孔19cの中心方向に向く。この時点の
ビーム路程Wは、最大エコーの経過時間tm と先に求め
た楔内(シュー)遅延時間Δtと標準試験片19内の音
速Vとで算出できる(P10,P11)。また、円形孔
19cの形状及び取付面からの距離L1 は既知であるの
で、超音波10の屈折角θは次式で求まる(P12)。 θ= cos-1[L1 /(W+D/2)]
【0056】次に、図6のP13において、受信信号b
の感度校正が指定された場合、試験員は測定範囲スイッ
チで試験範囲を設定する(P14)。次に、試験員は超
音波探触子4を、図4(a)に示すように、超音波10
が底面で反射されたのちに円形孔41a方向を向くよう
にSTB−A2の標準試験片19の上面に当接する。そ
して、制御部31は感度自動校正部25を起動する。さ
らに、制御部31は円形孔19bに超音波10を当接さ
せる場合における起点時間tS2とゲート幅tw2をマルチ
ゲート回路30に設定する(P15)。
【0057】前述と同様に超音波探触子4を標準試験片
19に当接した状態で走査(移動)させる(P16)
と、前述と同様にマルチゲート回路30の各ゲートから
円形孔19bに起因する複数のエコーが出力される。そ
して、このエコーのうちの最大エコー高さHm を検出す
る(P17)。
【0058】そして、この最大エコー高さHm と円形孔
41aに対して予め設定されている規定エコー高さHs
との差ΔHを算出する(P18)。この差ΔHが0.5
dB以上の場合(P19)、感度自動校正部25から増
幅回路24に出力されている増幅率α1 を差ΔHが減少
する方向にΔα1 だけ変更する(P20)。
【0059】その後、P16へ戻り、再度ゲイン調整を
行う。なお、この再調整処理は自動的に実行する。そし
て、再度最大エコー高さHm を検出する。P19にて、
差ΔHが0.5dB以下に低下すると、受信信号bの感
度調整が終了したので、例えば終了ランプ等で試験員に
報知する(P21)。次に、図4(b)に示すような垂
直型の超音波探触子38を用いて探傷を実施する場合に
おける校正手順を説明する。垂直探触子においては、屈
折角θを求める必要がないので、時間軸校正と感度校正
を行えばよい。
【0060】時間軸校正の場合、図4(b)に示すよう
に、超音波探触子38を超音波10がSTB−A1の標
準試験片19の底面に当接するように取付ける。この場
合、超音波探触子38を走査(移動)させる必要はな
い。そして、この状態で得られる一つのエコー、すなわ
ち最大エコーの経過時間tm を検出して、楔内(シュ
ー)遅延時間ΔTを算出する。また、垂直型の探触子の
場合の音速V2 (=5900m/s )から時間軸の増幅率α2
を算出して、時間遅延回路29及び時間軸増幅回路28
へ設定することによって、時間軸の校正を終了する。
【0061】次に感度校正の場合は、図4(c)に示す
ように、超音波探触子38を超音波10が円形孔42a
に当接するようにSTB−N1の標準試験片42の上面
の中心位置に取付ける。そして、斜角型の探触子と同様
に、超音波探触子38を走査(移動)させることによっ
て、増幅回路24の増幅率α1 を最適値に設定する。し
たがって、垂直型の超音波探触子38を用いて探傷する
場合においても、時間軸及び感度を自動校正することが
可能である。
【0062】このように構成された携帯型の超音波探傷
装置であれば、試験員は校正項目・測定項目入力部37
を介して校正項目,測定項目を入力して、校正,測定項
目に応じて、図3(a),(b),及び図4(a),
(b),(c)に示すように超音波探触子4,38を各
標準試験片19,41,42に当接して走査(移動)さ
せると、自動的に時間軸のゲイン及び零点調整、屈折角
の算出,受信信号の感度校正が実施される。
【0063】したがって、作業員は一方の手で超音波探
触子4,38を走査(移動)させながら他方の手で操作
パネル14に設けられた各つまみを操作する必要ないの
で、校正作業能率が大幅に向上する。
【0064】また、試験員が表示器26に表示されたエ
コーのエコー高さや,経過時間tを目視で読取る必要な
いので、斜め方向から読取ることに起因する読取誤差
や、人為的な読取ミスを事前に防止できる。したがっ
て、校正精度を向上でき、ひいては超音波探傷装置全体
の探傷精度を向上できる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように本発明の超音波探傷
装置によば、探触子を標準試験片の取付面上を移動させ
た時に探触子から順次得られる受信信号に含まれるエコ
ーのうちの最大エコー及びその受信タイミングを検出
し、その検出値から楔内(シュー)遅延時間やビーム路
程長さを算出している。したがって、これらの値に基づ
いて表示器の時間軸及び感度を自動的に校正でき、試験
員の技量に起因する調整操作の不正確さや屈折角や入射
点等の測定誤差を除去でき、たとえこの装置の取扱いに
不慣れな試験員であっても、常に一定水準以上の校正精
度が得られ、かつ校正作業能率を大幅に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係わる超音波探傷装置の
概略構成を示すブロック図、
【図2】 同実施例装置のマルチゲート回路を示す図、
【図3】 超音波探触子の標準試験片に対する取付状態
を示す図、
【図4】 同じく超音波探触子の標準試験片に対する取
付状態を示す図、
【図5】 同実施例装置の動作を示す流れ図、
【図6】 同じく同実施例装置の動作を示す流れ図、
【図7】 受信信号に含まれる送信パルスとエコーとの
時間関係を示す図、
【図8】 各ゲートの受信信号の通過時間帯を示す図、
【図9】 各ゲートで検出される各エコーを示す図、
【図10】 従来の超音波探傷装置を示す模式図、
【図11】 一般的な超音波探傷装置の操作パルを示す
図、
【図12】 一般的な超音波探傷装置の校正手順を示す
図。
【符号の説明】
3…被試験体、4,38…超音波探触子、5…振動子、
6…楔、10…超音波、11…欠陥、19,41,42
…標準試験片、20…同期発生回路、21…パルス発生
回路、22…送信回路、23…受信回路、24…増幅回
路、25…感度自動校正部、26…表示器、28…時間
軸増幅回路、29…時間遅延回路、30…マルチゲート
回路、31…制御部、32…比較選択部、33…遅延時
間算出部、34…遅延時間記憶部、35…欠陥位置算出
部、36…屈折角算出部、37…校正項目。測定条件入
力部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鬼丸 昭夫 東京都大田区南蒲田2丁目16番46号 株式 会社トキメック内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波探触子に一定周期でパルス信号を
    送出して被試験体内に超音波を入射させ、欠陥に起因す
    る反射波に対応する前記超音波探触子の出力を受信し
    て、受信信号に含まれるエコーを表示器に表示する超音
    波探傷装置において、 前記受信信号を互いに異なる時間帯に分割する複数のゲ
    ートからなるマルチゲート回路と、前記超音波探触子を
    標準試験片に当接した状態で前記超音波探触子と標準試
    験片との相対位置を変化させる過程で前記マルチゲート
    回路の各ゲートから出力される各エコーのうちの最大エ
    コーにおけるエコー高さ及びパルス信号送出時刻からの
    経過時間を検出するエコー比較選択部と、このエコー比
    較選択部で検出された最大エコーの経過時間から楔内
    (シュー)遅延時間を算出する遅延時間算出部と、この
    遅延時間算出部で算出された楔内(シュー)遅延時間で
    前記表示器における時間軸の零点調整を行う時間軸自動
    校正部と、前記エコー比較選択部で検出された最大エコ
    ーの経過時間からビーム路程を求め、このビーム路程及
    び前記標準試験片の形状から前記超音波の屈折角を算出
    する屈折角算出部と、前記エコー比較選択部で検出され
    た最大エコーのエコー高さが規定エコー高さに一致する
    ように前記受信信号の感度調整を行う感度自動校正部と
    を備えた超音波探傷装置。
JP4284240A 1992-10-22 1992-10-22 超音波探傷装置 Pending JPH06138106A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008082864A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Hitachi Ltd 超音波探傷装置及び超音波探傷方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008082864A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Hitachi Ltd 超音波探傷装置及び超音波探傷方法

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