JPH06273398A - デジタル式超音波探傷器の校正条件の自動設定方法とその探傷器および試験片 - Google Patents

デジタル式超音波探傷器の校正条件の自動設定方法とその探傷器および試験片

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JPH06273398A
JPH06273398A JP5082497A JP8249793A JPH06273398A JP H06273398 A JPH06273398 A JP H06273398A JP 5082497 A JP5082497 A JP 5082497A JP 8249793 A JP8249793 A JP 8249793A JP H06273398 A JPH06273398 A JP H06273398A
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Takao Natori
孝夫 名取
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JUST KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 固体材の斜角探傷時の超音波探傷器校正の際
に、試験片からのエコ−測定デ−タをプログラミングし
た処理手順により自動設定するデジタル式超音波探傷器
校正条件の自動設定方法と自動検査装置およびその試験
片を得る。 【構成】 側面部に2つの貫通穴を有し、上下探傷面に
超音波探触子を走査して遅延時間と探傷屈折角及び入射
点を求める専用試験片を用い、事前工程で試験環境条件
値とJIS規定標準試験片との対比換算値と選択した公
称屈折角前後の微少角度差毎の距離振幅特性曲線群を設
定し、試験片の測定工程1から、遅延時間、屈折角と前
記曲線群から探傷屈折角に最近似の1曲線を選択して探
傷感度を、工程2から、貫通穴よりの波形立ち上がり時
間に基づいて入射点を求め、それら測定デ−タをプログ
ラミングした対話式処理手順により自動設定処理を図る
ようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体材から成る被測定
物の表面または内部の傷を、超音波探触子(以下、単に
探触子と称する)で表面走査して探傷する非破壊検査を
行う超音波探傷器の校正を、試験片を手探傷で行う検査
技術に係わり、特に校正のための条件設定を逐次的、か
つ自動的に行えるように、その校正操作を簡易化した、
デジタル式超音波探傷器の校正条件の自動設定方法と、
この自動設定を可能とするデジタル式超音波探傷器およ
びその試験片に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼の溶接部の表面ないし内部状態を超音
波探傷法によって行う非破壊試験方法は、日本工業規格
JIS−Z 3060に詳細に記載されると共に、被測
定物の非破壊試験の探傷工程に入る前に、試験条件を設
定すべきこと、また試験方法に用いる超音波探傷器の校
正操作についても、JIS−Z 2344とその付属書
1に規定されて周知である。上記資料には、試験者、作
業者は超音波試験の経験が充分ある者が、人工の特有の
穴、溝、切り欠き(以下、人工傷と称する)を基準点に
持つ特別の形状を有した標準試験片(例えばSTB−A
1ないし−A3等)や対比試験片(例えばRB−4ない
し−A8等)(以下、標準試験片等と称する)を用い
て、超音波探傷器校正のための探傷条件を設定すること
としており、その校正作業は、決められた探傷走査を繰
り返し、屈折角の測定用表示目盛の読み取りや、探触子
に付ける入射点のマ−ク付けを、熟練者が表示器に現れ
るエコ−と合わせて視認しながら手作業で行い、4時間
毎に校正を繰り返すこと、また測定範囲の調整は、±1
%の精度で行うとすることなどが、試験条件の前提とし
て記載されている。なおエコ−は、超音波が反射して受
信されたもので、通常、反射波の波形の意を含んで表現
する。
【0003】そして縦軸にエコ−高さ(以下、振幅値と
称する)H、横軸にエコ−の位置(以下、路程と称す
る)Wとする距離振幅特性曲線を描ける目盛板を備えた
測定用ブラウン管(以下、表示器と称する)を設ける超
音波探傷器の感度調整や測定範囲の設定を、標準試験片
等を用いる校正測定によって行い、記録し、その校正に
より定めた条件の下で計算や図表によって欠陥位置及び
欠陥寸法の大きさを求めるべきものとされている。
【0004】図8に、JIS規定の標準試験片(STB
−A1等)を探触子で走査して校正し(図(A))、探
傷走査(図(B))する従来技術のデジタル式超音波探
傷器の構成(図(C))とその操作の概要を示す。ここ
で符号を同等の部位、部品については、本発明における
符号と同一のものを用いるとすると、メモリ21に接続
する中央処理装置(以下、CPUと称する)22が、イ
ンタ−フェイス23を介して同期制御部24、表示制御
部25及びアナログ/デジタル変換装置(以下、A/D
変換装置と称する)26のそれぞれに連絡し、その各々
はそれぞれ同順で送信部、表示器及び受信部に接続し
て、デジタル式超音波探傷器30を構成し、かつ前記受
信部と前記送信部とに接続する探触子20が、試験片1
0を手探傷走査して、校正操作を行い、その後に目的部
材の探傷走査を行う。このデジタル式超音波探傷器30
は、液晶またはプラズマから成る表示器にデジタル表示
をし、キ−入力によって数値設定するもので、内蔵のメ
モリ21を特に用いないで、前記探傷工程を手探傷と表
示器上のエコ−の視認とにより行う。また、従来のデジ
タル式超音波探傷器30を、自動探傷装置(図示せず)
に内設して使用する場合は、前記目的部材の探傷工程操
作用の探触子動作制御(自動探傷の場合)やデ−タ収録
ソフトのソフトウエアを組み込んだフロッピ−・ディス
ケットを、付属するコンピュ−タに差し込んで行うもの
である(例えば、ポ−タブル・デジタル超音波探傷器
「EPOCH」、日本パナメトリクス(株)製)。な
お、自動探傷とは、手探傷に代えて自動化した機構によ
って探触子を探傷面上に走査させる探傷を指す。
【0005】上記した従来の校正工程における操作は、
試験片10の上下に設ける探傷面を手探傷で探触子20
を走査して、一つの探傷面から円弧状端面より反射し
て、表示器に現れるエコ−のピ−ク最大時における、探
触子20に刻設した入射点ガイド目盛り位置を操作者4
0が視認して、その入射点として求め、かつ表示器の時
間軸の調整を行い、前記他の探傷面から試験片10に設
けた人工傷より反射するエコ−から、屈折角を求める操
作である。そして求めたデ−タを校正条件として記録
し、試験片10に代えて行う被測定物の探傷面の検査測
定結果と対比して、計算又は図表を用いて探傷工程にお
ける検査結果を得ている。なおここに使用する斜角探触
子は、一般にアクリル材料からなるくさび状の遅延材
(通称「くさび」)の斜め部分に超音波を発受信する振
動板または振動子を固着する構造となっており、くさび
の裏面を試験片に押し付けることにより、試験片内に超
音波が入射される。前記くさびは、探傷中に試験片に押
し付けて走査されることにより時に片減りし易く、また
保持する手の体温や周囲の気温によりその温度が影響を
受け、その結果くさびの温度から決まるくさび内の音速
と、試験片の温度から決まる試験片内の音速とともに、
探触子より発信される超音波の屈折角に影響を与える。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のデジタル式
超音波探傷器を、探触子及び標準試験片等を用いて行う
校正操作は、アナログ式手段を使用することを前提とし
たJIS規定に添っているので、試験片に探触子を手探
傷走査し、表示器と探触子を交互に視認しながら、超音
波探傷器の調整つまみを操作して、読み取りと記録を繰
り返えして校正条件を設定するので、熟練を要しかつ時
間がかかる。さらに表示器に映るエコ−は瞬時に現れま
た消えるものなので、その読み取り記録または記憶によ
って条件設定を行う操作には非常に個人差が介入するも
のであった。また、その校正操作が余りにも煩瑣である
ために、探触子の片減りや温度変化に対応してJISで
定める4時間毎に行うべき再校正を省いたり、デジタル
式超音波探傷器30のメモリ21に、前回行った校正条
件を記憶させたたまま次回操作に再使用し、新規の校正
条件の設定を省略して探傷工程に入るという、不都合な
実務が生じていた。
【0007】本発明は、この従来のアナログ式手段を前
提とする校正操作方法を改めて、デジタル式超音波探傷
器の機能を充分に活用した、デジタル処理による校正操
作ができるようにし、特にプログラム化された手順に従
って、探傷器の表示器面上に表示する対話応答式のメッ
セ−ジに導かれる操作によって、JIS規定と同レベル
あるいはそれ以上の精度の校正が、熟練を必要とするこ
となく、また個人差が介入する恐れの無いデジタル式超
音波探傷器の校正条件の自動設定方法と試験片の手探傷
走査で自動設定を可能とするデジタル式超音波探傷器お
よびその試験片を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の、斜角探傷時に
探触子の走査により非破壊検査を行うデジタル式超音波
探傷器の校正条件を、試験片を手探傷走査で自動設定す
る方法は、事前工程と二つの測定工程から成り、ほぼ平
板形直方体に相対する二つの探傷面と、側面に時間軸の
ゼロ点調整と屈折角及び入射点を算出可能とする二つの
貫通穴を有する試験片を使用し、事前工程で、音速値及
び探触子の受発信部から遠い貫通穴までの超音波の往復
伝搬時間を包括する読み取り時間と、該読み取り時間範
囲をほぼ三分する二つの読み取り時間とを含む試験環境
条件と、試験片とJIS規定標準試験片等との対比換算
値と、選択した公称屈折角前後の微少角度差毎の距離振
幅特性曲線群とを設定してメモリに記憶させた後、試験
片に対し探触子走査を行い、一つの探傷面に対する第1
測定で、エコ−の遅延時間と屈折角を算出し、かつ前記
曲線群から屈折角に最も近似する屈折角の距離振幅特性
曲線の一つを選択、表示すると共に、該選択曲線から探
傷感度を設定、記憶し、他の探傷面に対する第2測定
で、貫通穴よりのエコ−を記憶し、該エコ−の立ち上が
り時間を読み取り、記憶して、入射点の算出、表示を行
う前記工程を、表示器に表示して応答する対話式に進め
るプログラミング処理を行うものである。
【0009】また、本発明の上記方法によるデジタル式
超音波探傷器は、校正条件のデジタル設定を可能とする
アナログ/デジタル変換装置(以下、A/D変換装置と
いう)と、該A/D変換装置に接続して信号処理を行う
CPUと、少なくとも自動的に校正条件を設定可能のソ
フトウエアと校正及び探傷用の選択した公称屈折角前後
の微少角度差毎の距離振幅特性曲線群とを常駐させたメ
モリとを含んで構成されるものである。
【0010】また、本発明のデジタル式超音波探傷器の
校正条件の自動設定に使用する試験片は、ほぼ平板形直
方体の上下二面のそれぞれに探触子の走査ガイドを設け
て、探触子の時間軸のゼロ点調整と屈折角を測定する側
を探傷面Aとし、その相対する側を入射点を測定する探
傷面Bとする上下二面の、それぞれの走査ガイドの端部
に対して探触子のストッパを配設すると共に、試験片の
側面に、探傷面Aからの探触子走査測定によって公称屈
折角が測定可能の位置と、探傷面Bのストッパでの探触
子固定位置測定によって入射点が測定可能の位置とに、
二つの所定大きさの貫通穴を穿設したものである。
【0011】
【作用】かかる技術手段によれば、本発明方法を組み込
んだデジタル式超音波探傷器の校正は、本発明の試験片
を探触子で手探傷する時に、表示器に示す対話式の案内
に操作者が応答することにより、校正手探傷走査時のエ
コ−ピ−ク時立ち上がりの時間やそのエコ−高さなどの
読み取り操作を自動化して、機械側の前記探傷器が数値
として読み取り、操作者の視認による読み取りや記憶な
どを介在させることもなく、前記探傷器のメモリに常駐
する自動校正ソフトによって所要の算出、設定、記憶、
対比などの校正測定の工程を順序よく瞬時に、かつ逐次
的に行う。また本発明の試験片と標準試験片等との特性
を対比する校正測定により、同一条件下でのそれぞれの
エコ−高さを求め、該両高さから算出した換算値によっ
て、試験片を手探傷走査する超音波探傷器の校正条件の
JIS規定に準拠した自動設定を、デジタル式超音波探
傷器に適用することとなる。さらに所要の前記操作を記
憶し、後刻の確認時に表示器に再現する。
【0012】
【実施例】以下、図面に示す、本発明の実施例について
説明する。図1ないし図3は、本発明に使用する試験片
を説明するもので、図1は、その試験片の要部を示す
図、図2は、同じくその正面及び背面図、そして図3
は、本発明の試験片に対する探触子の走査手順を説明す
る側面図である。
【0013】試験片10には、材料温度と材料中の音速
との関係が明白となっている材質を使用する。その全体
形状は、探触子を走査して、上面3をA面、下面6をB
面とする探傷面の奥行きDを25mm、上下二面の実質
探傷面距離である厚さH45.5mm、および長さW1
50mmの、ほぼ平板形直方体である。この奥行きと厚
さの寸法は、超音波の横波が奥行きを伝搬する時間と、
同じく縦波が厚さを伝搬する時間を同じにしている。な
お厚さ45.5mmを利用すると、縦波用の垂直探触子
を使用して、横波の音速設定が自動的に可能になる。さ
らに該垂直探触子に温度センサを組み込んで、設定した
音速と温度を後に説明するデジタル式超音波探傷器のC
PUへ入力し、温度補償時のそれぞれの音速を前記探傷
器のメモリに記憶させておくことにより、探傷時におい
てもリアルタイムの温度補正を可能にする。試験片10
の上面3の長手一側には、探触子20のフラットバ−形
状の走査ガイド4をネジ止め固定し、該走査ガイドの内
側端部には、所定スペ−スを介して探触子20の走査停
止用のストッパ5をネジ止め固定する。下面6は、長手
方向を中断する段差を形成し、その凹面部分を探傷面B
として、上面の走査ガイド4と他側のB面位置長手方向
に走査ガイド7をネジ止め固定する。そして該走査ガイ
ドの内側端部に対面する、所定スペ−スを介した前記段
差の凸面部分の端部を探触子20の走査停止用のストッ
パ8としている。前記段差の境界の谷部は、入射点の正
確な測定が算出出来るように、後述の形状を定めてい
る。走査ガイド4、7は、それぞれの探傷面上を前後走
査する探触子20の向きが、常に一定を保つように補助
する。ここで溝13は、前記探触子をストッパ8に正置
できるように、入り角に生ずる曲面を除くために形成す
る。なお、試験片10における上記以外の寸法は、a=
15.3±0.05、b=30.3±0.05、c=1
5.2±0.05、d=32.0±0.05、e=3
9.2、f=19.2、g=2.0、h=2.0、g′
=2.0、h′=2.0、i=7.0、j=5.0、k
=30.0、l=4.0、m=4.0(各単位、mm)
である。
【0014】ここに示す試験片は、斜角探傷用として、
標準試験片STB−A3に対応するもので、選定の公称
屈折角を70°としている。ストッパ5の固定位置は、
探触子20が該ストッパを越えて前方を走査すれば、校
正条件設定を妨げるエコ−が現出する境界位置に定め
る。またストッパ8の位置は、探傷面Bにおいて探触子
20の走査を行う場合に、後述する貫通穴2よりのエコ
−が屈折角70°に近似して生じるように、図1(B)
に示すd寸法が定まる位置に決めている。なお11a、
11bは、上面3の長手他側角部にネジ止め固定した隅
部材、また12は同じく、後述する下面6の隅部材で、
それぞれ試験片の姿勢を正しく立たせるための脚であ
る。
【0015】試験片10の側面9には、上面3、すなわ
ち探傷面Aに近く、かつ下面6、すなわち探傷面Bのス
トッパ8から遠い位置に貫通穴1を、また下面6側によ
り近く、かつストッパ8に近い位置に貫通穴2を設け
る。貫通穴1、2の位置は図1(B)の、aないしdに
示す位置に高精度に加工して定める。貫通穴1、2は、
探傷面Aの3に探触子20を移動、走査したとき、その
穴の中心が、貫通穴1では、屈折角70°で反射する位
置が、標準試験片の人工傷、穴径4mm、深さ4mmの
標準穴の反射する位置と同一の深さ位置になるようにほ
ぼ定め、貫通穴2では、同じく貫通穴1の深さ位置の2
倍の反射位置になるように定める。両貫通穴1、2の大
きさは、JISに規定する試験片の人工傷(穴径4m
m、深さ4mm)が探傷時に示すエコ−高さに近似する
エコ−高さを、本発明の試験片で得ることのできる口径
1.7mmとしている。
【0016】図4ないし図6は、本発明方法を説明する
もので、図4は、デジタル式超音波探傷器の校正条件の
自動条件設定の事前準備の手順を説明するフロ−チャ−
ト、図5は、同じく、自動条件設定の測定手順1を説明
するフロ−チャ−ト、図6は、同じく、自動条件設定の
測定手順2を説明するフロ−チャ−トである。
【0017】本発明方法では、デジタル式超音波探傷器
校正のため、上記した試験片10を用いて、事前準備の
後、自動条件設定の、主として屈折角算出用の第1測定
を測定手順1によって、また入射点算出用の第2測定を
測定手順2によって行う。事前準備において、まず試験
片温度またはその雰囲気温度から音速値C(4桁。単
位、m/秒)を自動設定する。該設定には、前記温度か
ら換算した音速値Cを手入力するか、前記した垂直探触
子を使用した音速設定によって自動設定する。なお、こ
こに記載しない温度センサ−付き斜角探触子により探触
子温度を信号化して入力し、便宜的にプログラム処理の
中で温度換算し音速値Cを自動設定しても良い。そして
探触子の振動子から遠い貫通穴2までの超音波の往復伝
搬時間を包括する読み取り時間T(単位、μ sec)を自
動設定すると共に、表示器上の読み取り時間範囲をほぼ
三分する二つの読み取り時間、T1 ≒34.、T2 ≒6
0.を自動設定する。
【0018】次に、測定で得るエコ−高さが表示器内の
指定高さになるようにデジタル式超音波探傷器の感度V
(単位、dB)の調整を行う。はじめに感度予備設定値
(V0 dB)を暫定的感度値として自動設定する。次い
で試験片10の貫通穴1と前記標準試験片の人工傷とを
屈折角70°の斜角探触子で探傷した場合のエコ−高さ
の差をdB値に換算して予め求めた、感度第1調整値V
1 の設定を、0.1dB単位で手入力する。最後に公称
屈折角70°±2.0°の範囲で0.5°の微小角度差
毎にエコ−を得る距離振幅特性曲線の測定を行い、該特
性曲線群の設定を行って事前準備を終了する。
【0019】次に自動条件設定の屈折角算出用の測定手
順1では、条件入力のために表示器画面上で探触子や試
験片板厚の選択などを対話応答式プログラムに従い、手
入力した上で、自動検査装置を入力値の保持、設定を行
うストレ−ジ機能に自動設定する。そして試験片10の
探傷面Aの探傷を行う。この際の探傷走査のスタ−トと
終了は手入力で行うが、それ以外の各段階は自動操作と
なる。次に測定による前記A面からの取得エコ−の処理
を行い、エコ−の立ち上がり時間T(単位、μsec)の
読み取りから、エコ−の遅延時間Tのゼロ点の調整を行
う。そして前記取得エコ−中から、事前準備で設定した
読み取り時間T内のエコ−のT1 (≒34.)、T2
(≒60.)近傍にピ−クを示すエコ−の立ち上がり時
間を、それぞれT3 、T4 として読み取る。そして両立
ち上がり時間から、遅延時間T5 を、T5 =2×T3 −
T4 式により算出し、設定する。
【0020】そして上記により読み取り、また設定した
値より、次式によって屈折角θ1 を算出し、これを表示
器画面に表示する。 θ1 =cos-1[15÷{(T3 −T5 )×1/2×
音速値C}] 次に、超音波のビ−ム路程の読み取り易い必要最小限の
測定範囲を、屈折角と試験片の厚さから調整、設定す
る。さらに、屈折角θ1 から、予め設定してある0.5
°刻みの68.0°ないし72.0°の9個の屈折角θ
の内、近似の角度に相当する距離振幅特性曲線を呼び出
し、選択した距離振幅特性曲線1として画面表示する。
【0021】次に試験片から得た前記T3 値を持つエコ
−の振幅値H1 (単位、%)と、選択した距離振幅特性
曲線1のH線の(T3 −T5 )に相当する振幅値H2 と
から、次式によって感度第2調整値V2 を算出する。 V2 =20×Log(H2 ÷H1 ) さらに前記感度予備設定値V0 を、前記感度第1調整値
V1 と感度第2調整値V2 とで、次式により調整して探
傷感度V3 に設定する。 V3 =V0 +V1 +V2 以上により、測定手順1を終わり、図6に示す測定手順
2へ移行する。
【0022】測定手順2では、試験片10を天地返しし
て探傷面Bの探傷を行う。すなわち探傷面Bのストッパ
8に探触子20を押し付けて固定し、図3に示す[3]
の状態で、貫通穴2よりのエコ−をキ−入力し、以下、
自動操作によって該入力波形のエコ−の立ち上がり時間
T6 を読み取り、該T6 から、次式より反射屈折角θ2
を算出する。 θ2 =cos-1{14.9÷(T6 × 1/2 × 音速
値C)} 該反射屈折角θ2 から、入射点N(単位、mm)を N =14.9 × tanθ2 −31.2 の式から求め、算出した入射点Nを小数点第1位を四捨
五入表示して、測定手順を終わる。以上によって校正測
定における全ての自動条件設定の工程を終了し、探傷工
程へ移行可能になる。
【0023】図7は、本発明のデジタル式超音波探傷器
を説明すると共に、その工程毎の操作を模式的に示し、
(A)は校正工程における操作図、(B)は探傷工程に
おける操作図、(C)はデジタル式超音波探傷器の構成
図である。
【0024】本発明のデジタル式超音波探傷器は、本発
明方法を実施するための探傷器であって、探触子20に
接続するデジタル式超音波探傷器30の構成は、メモリ
21以外は、前記した従来のデジタル式超音波探傷器の
構成と変わらない。すなわちメモリ21に接続して信号
処理を行うCPU22が、インタ−フェイス23を介し
て同期制御部24、表示制御部25及び校正条件のデジ
タル設定を可能とするA/D変換装置26のそれぞれに
連絡し、その各々はそれぞれ送信部、表示器及び受信部
に接続して、デジタル式超音波探傷器30を構成する。
メモリ21には、上記した本発明方法を実施可能の校正
及び探傷用の選択した公称屈折角前後の微少角度差毎の
距離振幅特性曲線群と、探傷操作を補助し、少なくとも
自動的に校正条件を設定可能の操作手順設定用ソフトと
を含むソフトウエア31を常駐させて構成する。併せて
該ソフトウエアの常駐によっても、通常のCPU22の
処理操作が円滑に行くようなシステム管理が行われる。
【0025】上記した方法、試験片構造および装置構成
において、図3ないし図7を参照して、本発明の校正条
件設定の操作を説明すれば、試験片10の上面の探傷面
Aで、手探傷によって探触子20を図3に示すように状
態[1]より状態[2]のようにして行う、3〜5回の
繰り返し前後走査により、貫通穴1を人工傷として得る
エコ−から、時間軸のゼロ点調整の上、エコ−の遅延時
間T5 と屈折角θを求め、またA面探傷走査後に試験片
10を天地代えし、下面の探傷面Bのストッパ8に探触
子20を状態[3]のように押しつけて行う1回の定点
測定によって、貫通穴2よりのエコ−から入射点を求め
る。以上はメモリ21に常駐のソフトウエア31によっ
て表示器に示す対話応答式のメッセ−ジに従って行うも
ので、操作者40は表示器のみを見るだけで、読み取り
や記録ないし記憶の必要なく、デジタル式超音波探傷器
30に取り込まれた測定信号デ−タは、デジタル信号化
し、CPU22を介してメモリ21のセ−ブ部分に一旦
記憶すると共に、プログラム化した逐次手順に従って算
出、設定、記憶、対比の諸処理を進め、または出力し
て、本発明方法が定める設定工程の確認を行う。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明のデジタル式超音波
探傷器の校正条件の自動設定方法とその自動設定が出来
るデジタル式超音波探傷器および試験片とは、探触子を
手探傷で探傷面に走査してデジタル式超音波探傷器に取
り組まれる測定デ−タを、探傷工程ばかりでなく校正工
程においても、探傷器に内蔵するメモリに常駐した専用
ソフトと支援特性曲線およびプログラム化した逐次手順
に従って、数値化して機械側で読み取り、記憶、算出、
設定などの処理を行うので、従来のように校正条件設定
作業に作業者の視認、それによる確認・記憶に依存する
必要がなく、瞬時処理を可能とする上に、表示器画面に
現わした対話式に示す手順に操作者が応答して工程を進
めるようにしたことで、熟練度の必要のなく、煩瑣な作
業ともならず、短縮した時間でJIS規定と同等または
それ以上のレベルの精度の校正ができ、また校正工程を
省略する間違った検査実務を起こすこともなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の試験片を説明する図で、(A)は探傷
面A面を示す上面図、(B)は側面図、(C)は探傷面
B面を示す上面図である。
【図2】同じく、(A)は試験片の正面図、(B)は背
面図である。
【図3】本発明の試験片に対する探触子の走査手順を説
明する側面図である。
【図4】本発明方法の、自動条件設定の事前準備の手順
を説明するフロ−チャ−トである。
【図5】同じく、自動条件設定の測定手順1を説明する
フロ−チャ−トである。
【図6】同じく、自動条件設定の測定手順2を説明する
フロ−チャ−トである。
【図7】本発明のデジタル式超音波探傷器とその操作を
説明する図で、(A)は校正工程における操作図、
(B)は探傷工程における操作図、(C)はデジタル式
超音波探傷器の構成図である。
【図8】従来技術のデジタル式超音波探傷器とその操作
を説明する図で、(A)は校正工程における操作図、
(B)は探傷工程における操作図、(C)は超音波探傷
器の構成図である。
【符号の説明】
1、2 貫通穴 3 探傷面A、試験片の上面 4 A面の走査ガイド 5 A面のストッパ 6 探傷面B、試験片の下面 7 B面の走査ガイド 8 B面のストッパ 9 試験片の側面 10 試験片 11a、11b、12 隅部材 13 溝 20 超音波探触子 21 メモリ 22 中央処理装置 23 インタ−フェ−ス 24 同期制御部 25 表示制御部 26 アナログ/デジタル変換装置 30 デジタル式超音波探傷器 31 操作手順設定用ソフトウエア 40 操作者 [1]、[2]、[3] 探触子の状態 D、F、U 視線 S 探触子の走査方向

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体材の探傷面を、斜角探傷時に、超音
    波探触子(20)で走査して非破壊検査を行うデジタル
    式超音波探傷器(30)の校正条件を、試験片(10)
    を手探傷走査で自動設定する方法であって、事前工程と
    二つの測定工程から成り、ほぼ平板形直方体において相
    対する二つの探傷面A、Bと、側面に時間軸のゼロ点調
    整と屈折角及び入射点を算出可能とする二つの貫通穴
    (1)、(2)を有する試験片(10)を使用し、事前
    工程で、音速値(C)、及び超音波探触子(20)の受
    発信部から遠い貫通穴(2)までの超音波の往復伝搬時
    間を包括する読み取り時間Tと、該読み取り時間範囲を
    ほぼ三分する二つの読み取り時間T1 、T2 とを含む試
    験環境条件と、試験片(10)とJIS規定標準試験片
    との対比換算値と、選択した公称屈折角前後の微少角度
    差毎の距離振幅特性曲線群とを設定して、メモリ(2
    1)に記憶させた後、試験片(10)に対し探触子走査
    を行い、探傷面Aに対する第1測定で、エコ−の遅延時
    間(T)と屈折角(θ)を算出し、かつ前記曲線群から
    屈折角(θ)に最も近似する屈折角の距離振幅特性曲線
    の一つを選択、表示すると共に、該選択曲線から探傷感
    度(V)を設定、記憶し、探傷面Bに対する第2測定
    で、貫通穴(2)よりのエコ−を記憶し、該エコ−の立
    ち上がり時間を読み取り、記憶して、入射点の算出、表
    示を行う前記工程を、表示器に表示して応答する対話式
    に進めるプログラミング処理としたことを特徴とするデ
    ジタル式超音波探傷器の校正条件の自動設定方法。
  2. 【請求項2】 固体材の探傷面を、斜角探傷時に、超音
    波探触子(20)で走査して非破壊検査を行う探傷器の
    校正条件を、試験片(10)を手探傷走査で自動設定を
    可能とするデジタル式超音波探傷器(30)であって、
    デジタル設定を可能とする、超音波送受信信号のアナロ
    グ/デジタル変換装置(26)と、該アナログ/デジタ
    ル変換装置に接続して信号処理を行う中央処理装置(2
    2)と、少なくとも自動的に校正条件を設定可能のソフ
    トウエアと校正及び探傷用の選択した公称屈折角前後の
    微少角度差毎の距離振幅特性曲線群とを常駐させたメモ
    リ(21)とを含んで構成することを特徴とするデジタ
    ル式超音波探傷器。
  3. 【請求項3】 固体材の探傷面を、斜角探傷時に、超音
    波探触子(20)で走査して、非破壊検査を行うデジタ
    ル式超音波探傷器(30)の校正条件を手探傷走査で行
    う自動設定用の試験片(10)であって、ほぼ平板形直
    方体の上下二面(3)、(6)に超音波探触子(20)
    の走査ガイド(4)、(7)を設けて探傷面A、Bと
    し、走査ガイド(4)、(7)の端部に対して超音波探
    触子(20)のストッパ(5)、(8)を配設すると共
    に、試験片(10)の側面(9)に、探傷面Aからの超
    音波探触子(20)走査測定によって時間軸のゼロ点調
    整と公称屈折角が測定可能の位置と、探傷面Bのストッ
    パ(8)での超音波探触子(20)固定測定によって入
    射点が測定可能の位置とに、二つの所定大きさの貫通穴
    (1)、(2)を穿設したことを特徴とするデジタル式
    超音波探傷器の校正条件の自動設定に使用する試験片。
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