JP3212541B2 - 超音波探傷装置及び超音波探傷方法 - Google Patents

超音波探傷装置及び超音波探傷方法

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JP3212541B2 JP18245097A JP18245097A JP3212541B2 JP 3212541 B2 JP3212541 B2 JP 3212541B2 JP 18245097 A JP18245097 A JP 18245097A JP 18245097 A JP18245097 A JP 18245097A JP 3212541 B2 JP3212541 B2 JP 3212541B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種プラントの配
管や容器等の傷を非破壊で検査する超音波探傷装置及び
超音波探傷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種プラント等の配管や容器とい
った構造物の内部に超音波を伝播させることにより非破
壊で探傷検査を行う超音波探傷装置が広く用いられてい
る。従来の超音波探傷装置の全体構成を図4に示す。通
常は、一定の走査速度で超音波プローブを動かし、予め
設定した範囲について決められた計測ピッチで探傷波形
信号の記録を行いながら検査を行っていく。精密な超音
波探傷を行う場合、垂直探触子を用いて細かい走査ピッ
チで探傷を行い、受信信号を記録し、その記録した受信
波形より傷の寸法等の評価を行う。以下、その構成及び
動作を説明する。
【0003】まず、条件入力部1に超音波探傷に当たり
必要な条件、例えば2軸走査治具7の駆動条件、位置監
視部11の監視条件、A/D変換器10の変換条件、走
査範囲等を入力する。この入力された探傷条件を表す信
号は制御部4に出力される。制御部4は、入力された探
傷条件を示す信号に基づいて、走査治具制御部5,位置
監視部11,A/D変換器10に各機器の制御信号を送
る。走査治具制御部5は、入力された制御信号に基づい
て走査治具駆動部6を制御する。
【0004】走査治具駆動部6は与えられた条件に従っ
て一定の走査ピッチでプローブ8の取り付けられた2軸
走査治具7をX軸,Y軸方向に駆動する。従って、プロ
ーブ8は図示しない被検体表面上を2軸走査治具7の駆
動に伴いX軸,Y軸方向に動く。
【0005】2軸走査治具7の動きを示す位置信号は、
走査治具駆動部6,走査治具制御部5を介して制御部
4,位置監視部11に出力される。この位置信号を受け
取った位置監視部11は位置信号を監視する。すなわ
ち、条件入力部1で設定され、制御部4を介して受け取
った位置監視条件に示された測定位置と位置信号の示す
2軸走査治具7の現在位置が一致する毎に、取込み信号
をA/D変換器10及び制御部4に出力する。
【0006】一方、プローブ8に電気的に接続されたパ
ルサ・レシーバ9は、プローブ8内の垂直探触子の超音
波の送受信を行う。すなわち、パルサ・レシーバ9の駆
動信号により、超音波プローブ8内の垂直探触子は励振
され、超音波を発生する。発生した超音波は図示しない
被検体中を伝播し、傷などの反射源で反射する。この反
射超音波は再び垂直探触子で受信され、電気信号に変換
されてパルサ・レシーバ9に出力される。パルサ・レシ
ーバ9は、励振したタイミングと同期したトリガと、受
け取った受信信号とをA/D変換器10に出力する。
【0007】A/D変換器10は、位置監視部11から
の取込み信号を受け取った後、パルサ・レシーバ9の最
初のトリガに同期してアナログの受信信号を取り込み、
デジタルデータに変換して制御部4に出力する。
【0008】制御部4は、位置監視部11から受け取っ
た取込み信号に合わせて走査治具制御部5から位置信号
を、A/D変換器10からはデジタルデータに変換され
た受信信号を取り込み、記録部3に記録するとともに、
処理経過及び処理結果を表示部2に出力する。表示部2
はこの処理経過等を表示する。
【0009】以上説明した探傷動作を、条件入力部1に
て設定された走査範囲における検査が終了するまで繰り
返し行い、走査範囲の全計測点において超音波の受信信
号波形を記録する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の超音波探傷
装置において精密探傷を行い、超音波の受信波形を記録
する場合には、予め他の検査方法で検査記録範囲を定め
るための検査を行うか、傷の有無に関わらず最初に決め
た検査範囲全体を細かいピッチで検査を行い、受信波形
の記録を行う必要があった。
【0011】予め他の検査方法で検査範囲を定めるため
の検査を行う場合、同じ場所を複数回検査する手間を要
する問題がある他、検査において別の走査治具を用いる
場合が多く、超音波プローブ位置決めの精度が各走査治
具の違い等でずれる場合があり、必要な検査範囲を検査
するため安全を見越して十分に広い範囲を検査する必要
があり、傷のない部分でも波形データを記録しなければ
ならない問題があった。
【0012】一方、最初に設定した検査範囲全体を精密
探傷で検査する場合には、1計測点につき一定時間の信
号の変化をデータとして取り込み・記録する必要がある
ことから、傷がなくても検査結果として膨大なデータ量
の波形データを記録しなければならない不具合があっ
た。
【0013】そして、これら波形データを記録するに
は、一定時間の計測時間およびデータの転送やアナログ
からデジタルへの変換及びデータの記録のための時間を
要するため、計測ピッチが細かいことも相まって、走査
治具による超音波プローブの移動速度を遅くして走査す
る必要があり、全体の検査時間が長くかかる等の問題が
あった。
【0014】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、その目的とするところは、傷のある部分のみ
精密な検査を行うことができ、検査時間の短縮及び記録
データの低減をはかり得る超音波探傷装置及び超音波探
傷方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の超音波探傷装置
は、斜角探触子とこの斜角探触子の検査位置よりも走査
方向に向かって後方位置を検査する垂直探触子とを併せ
持つ複合プローブと、前記斜角探触子の超音波の送受信
を行う第1のパルサ・レシーバと、前記垂直探触子の超
音波の送受信を行う第2のパルサ・レシーバと、前記複
合プローブを走査速度の変更信号に基づいて斜角探触子
及び垂直探触子による各測定モードに対応した走査速度
で走査する走査治具と、前記走査治具の位置を監視し、
モード切替え信号に基づいて走査速度の変更信号及び波
形取込み信号を出力する位置監視部と、前記第1のパル
サ・レシーバの受信した第1の超音波探傷信号に基づい
て受信信号レベルを検出するゲート回路と、この検出さ
れた受信信号レベルに基づいて判定された傷の有無に応
じて測定モードを切り替えるモード切替え信号を出力す
るモード切替判定部と、前記第2のパルサ・レシーバの
受信した第2の超音波探傷信号を波形取込み信号に同期
してA/D変換するA/D変換器と、前記波形取込み信
号に同期してA/D変換された第2の超音波探傷信号を
記録する記録部とを具備してなることを特徴とする。
【0016】また、本発明の超音波探傷方法は、走査治
具に取り付けられ、斜角探触子とこの斜角探触子の検査
位置よりも走査方向に向かって後方位置を検査する垂直
探触子とを併せ持つ複合プローブを用いた超音波探傷方
法において、前記斜角探触子により超音波探傷を行い第
1の超音波探傷信号を受信するステップと、この第1の
超音波探傷信号に基づいて受信信号レベルを検出するス
テップと、この検出された受信信号レベルに基づいて傷
の有無を判定し、傷があると判定した場合に斜角探触子
による測定モードから垂直探触子による測定モードに切
り替え、前記走査治具の走査速度を遅くするステップ
と、前記垂直探触子の受信した第2の超音波探傷信号を
A/D変換するステップと、前記A/D変換された第2
の超音波探傷信号を記録するステップとを具備してなる
ことを特徴とする。
【0017】なお、本発明の超音波探傷方法の望ましい
形態は、以下の通りである。走査治具の走査速度を遅く
した場合に受信信号レベルに基づいて傷の有無を判定
し、傷が無いと判定した場合に垂直探触子による測定モ
ードから斜角探触子による測定モードに切り替え、走査
治具の走査速度を速くする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の一実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態
に係る超音波探傷装置の全体構成を示す図である。図1
に示すように本超音波探傷装置は、斜角探触子31と垂
直探触子32を内蔵する複合プローブ21と、この複合
プローブ21が取り付けられ、このプローブ21を被検
体表面上で走査させるための2軸走査治具7と、2軸走
査治具7を駆動する走査治具駆動部6と、走査治具駆動
部6を制御する外部からの速度可変機能付の走査治具制
御部5を具備する。
【0019】複合プローブ21の詳細な構成を図2に示
す。複合プローブ21内には斜角探触子31及び垂直探
触子32が並列に配置されている。これら両探触子3
1,32はそれぞれ接触媒質33を介して被検体34表
面に接しており、垂直探触子32から斜角探触子31に
向かう方向に走査される。垂直探触子32は被検体34
表面に対して垂直方向に超音波を伝播させ、被検体34
内の傷等の反射源で反射する。この反射波は同一の経路
を辿って垂直探触子32で受信される。また、斜角探触
子31は被検体34表面に対して複合プローブ21の走
査方向に入射角θで超音波を入射し、傷等の反射源で反
射した反射超音波を再び斜角探触子31で受信すること
により超音波探傷が行われる。
【0020】このように両探触子31,32の超音波伝
播経路は異なるため、被検体34中の同じ箇所に各探触
子31,32からの超音波が入射するときの複合プロー
ブ21の位置は、一定距離だけずれることとなる。この
一定距離のずれは、被検体34中の検査対象部位、複合
プローブ21に組み込む斜角探触子31の超音波の入射
角度θ、両探触子31,32の配置等から幾何学的に固
有値として求めることができる。
【0021】条件入力部1には、観測者により超音波探
傷に当たり必要とされる種々の測定条件、例えば2軸走
査治具7の駆動条件、位置監視部11の監視条件、A/
D変換器10の変換条件、走査範囲等が入力される。
【0022】制御部4は、条件入力部1に入力された測
定条件を示す信号に基づいて、走査治具制御部5,位置
監視部11,A/D変換器10,モード切替判定部24
に各機器の制御信号を送る。
【0023】走査治具制御部5は制御部4から送られた
走査ピッチ等の条件及び後述する位置監視部11の速度
指令に従い、走査治具駆動部6を制御する。走査治具駆
動部6は走査治具制御部5から入力された制御信号に基
づいて2軸走査治具7を駆動する。2軸走査治具7は走
査治具駆動部6の駆動に従ってX軸,Y軸方向に移動
し、その腕部に取り付けられた複合プローブ21は図示
しない被検体表面上をX軸,Y軸方向に走査される。ま
た、2軸走査治具7の走査位置を示す位置信号は、走査
治具駆動部6,走査治具制御部5を介して制御部4,位
置監視部11に出力される。
【0024】位置監視部11は走査治具制御部5から送
られた位置信号より複合プローブ21の位置を監視し、
複合プローブ21の走査速度を与えるものである。斜角
探触子31による検査時においては、複合プローブ21
が設定された計測ピッチで移動する毎に、ゲート回路2
3及び制御部4に取込み信号を出力する。
【0025】後述するモード切り替え判定部24からの
モード切替え信号を受け、この切替え信号を受けた時間
から予め設定された垂直探触子32と斜角探触子31の
検査部位のずれ量、すなわち超音波の入射位置のずれ分
だけ複合プローブ21が移動すると、斜角探触子31で
傷を検出した部位に垂直探触子32の検査位置がくる。
【0026】そして、斜角探触子31での検査モードか
ら垂直探触子32での検査モードに切り替えるため、複
合プローブ21の走査速度が垂直探触子32で行われる
超音波探傷に最適な波形取り込み時の遅い速度となるよ
うに速度指令を走査治具制御部5に出力する。この速度
指令により、斜角探触子31を用いた超音波探傷での走
査速度と垂直探触子32を用いた超音波探傷での走査速
度との切り替えが行われる。
【0027】さらに、位置監視部11は速度指令で走査
速度を遅くした後は、複合プローブ21が予め設定され
た受信波形取り込み時の一定ピッチを移動する毎に、A
/D変換器10及び制御部4に波形取り込み用の取込み
信号を出力する。このとき、ゲート回路23及び制御部
4には、検査モードの切り替え前と変わることなく、最
初と同じピッチを複合プローブが移動する毎に、取込み
信号を出力し続ける。
【0028】位置監視部11は、上記と逆の場合で垂直
探触子32を用いる受信波形取り込みの検査モードか
ら、最初に行われていた斜角探触子31を用いる検査モ
ードへの切替え信号をモード切替判定部24から受けた
場合、上記と同様に切替え信号を受けてから予め設定さ
れた垂直探触子32と斜角探触子31の検査部位のずれ
量だけ複合プローブ21が移動すると、元の斜角探触子
31用の速い走査速度となるように速度指令を走査治具
制御部5に出力するとともに、A/D変換器10及び制
御部4への波形取り込み用の取込み信号の出力を停止す
る。
【0029】複合プローブ21に内蔵された各探触子3
1,32には、それを励振・駆動するパルサ・レシーバ
22およびパルサ・レシーバ9が接続される。これらパ
ルサ・レシーバ22,9は対応する探触子31,32を
励振及び駆動して超音波を発生させるものである。通
常、超音波探触子はパルサ・レシーバ9,22により一
定の繰り返し周波数で励振・駆動されており、計測タイ
ミングとの同期は計測器毎でとっている。
【0030】また、これらパルサ・レシーバ9,22
は、被検体内の反射源で反射し、各探触子31,32で
受信され電気信号に変換された受信信号を受け取り、こ
の受信信号及び各探触子31,32の励振・駆動するタ
イミングと同期したトリガをパルサ・レシーバ22はゲ
ート回路23に、パルサ・レシーバ9はA/D変換器1
0に出力する。
【0031】ゲート回路23は斜角探触子31の受信し
た超音波の受信信号からそのピークエコーレベル及びビ
ーム路程を検出するものである。以下、ゲート回路23
の受け取った受信信号波形を示す図3を用いて説明す
る。図3において、横軸は時間、縦軸は受信信号レベル
である。
【0032】図3に示すように、パルサ・レシーバ22
を介して受け取った受信信号は被検体中にある傷等で反
射すると高いレベルが得られる。この受信信号波形に対
して時間軸方向に一定の範囲のゲートを設定する。この
ゲート範囲は、検査部位から反射エコーが戻ってくる時
間帯に設定される。位置監視部11からの取込み信号を
受けた後でパルサ・レシーバ22から最初に入力された
トリガに同期してこのゲート範囲内の時間における受信
信号のみからそのピークエコーレベルを測定する。
【0033】得られたピークエコーレベルを示す時間は
ビーム路程として検出される。なお、この設定ゲートに
ついては条件入力部1にその設定条件を入力可能であ
り、入力された設定条件は制御部4を介してゲート回路
23に送られる。
【0034】モード切替判定部24は、ゲート回路23
からのゲート信号出力に基づいて斜角探触子31及び垂
直探触子32それぞれの検査モードの切替を行うもので
ある。具体的には、モード切替判定部24はゲート回路
23の信号出力としてピークエコーレベルとビーム路程
が得られるが、得られたピークエコーレベルを予め条件
入力部1で設定したしきい値と比較する。ピークエコー
レベルがしきい値を超えない場合、検査部位に傷は無い
ものと判定し、切替え信号は出力せずに最初の検査モー
ド、すなわち斜角探触子31による検査モードで検査が
行われる。
【0035】一方、ピークエコーレベルがしきい値を超
えた場合には検査部位に傷があるものと判定し、検査部
位を詳細に検査すべく、斜角探触子31による検査モー
ドから垂直探触子32による検査モードに切り替える切
替え信号を位置監視部11に出力する。
【0036】さらに、垂直探触子32による検査中にピ
ークエコーレベルがしきい値を超えなくなった場合、検
査部位に傷が無くなったものと判定し、走査を迅速に行
うべく斜角探触子31による検査モードに切り替える切
替え信号を位置監視部11に出力する。
【0037】A/D変換器10は、垂直探触子32の受
信した超音波の受信信号をデジタルデータに変換するも
のである。このデータ変換は、上記ゲート回路23と同
様のタイミングにより行われる。すなわち、位置監視部
11からの波形取り込み用の取込み信号を受けた後、パ
ルサ・レシーバ9の最初に入力されたトリガに同期して
アナログの受信信号を取り込み、予め設定されたサンプ
リングレートでデジタルデータに変換する。
【0038】なお、このサンプリングレートについては
条件入力部1にその設定条件を入力可能であり、入力さ
れた設定条件は制御部4を介してA/D変換器10に送
られる。
【0039】また、これら検査条件、検査経過、検査結
果等の測定データは、制御部4に接続された表示部2及
び記録部3で表示及び記録される。これら測定データの
表示及び記録は、制御部4に入力された位置監視部11
からの取込み信号に同期して行われる。すなわち、制御
部4がゲート回路23及びA/D変換器10からのそれ
ぞれのゲート信号出力や波形データを取込み信号に同期
して取り込み、これらを表示部2及び記録部3に表示及
び記録する。
【0040】上記実施形態に係る超音波探傷装置の動作
を説明する。まず、検査対象となる被検体に、複合プロ
ーブ21を取り付けた2軸走査治具7を設置する。そし
て、条件入力部1に検査範囲や計測ピッチ等の検査条件
を入力する。入力された検査条件は、制御部4によって
走査治具制御部5,位置監視部11,モード切替判定部
24,ゲート回路23,ゲート回路23にそれぞれ出力
される。
【0041】条件入力部1により設定された条件に従っ
て被検体の検査を開始する。最初は、複合プローブ21
内の斜角探触子31のみを用いて探傷検査を行ってい
く。走査治具制御部5の制御によって走査治具駆動部6
が駆動され、走査治具7が動き、取り付けられた複合プ
ローブ21が検査範囲を設定された計測ピッチ毎に順に
移動する。
【0042】複合プローブ21の走査位置を示す位置信
号は走査治具駆動部6を介して走査治具制御部5に取り
込まれる。走査治具制御部5は、取り込んだ位置信号を
位置監視部11及び制御部4に出力する。
【0043】位置監視部11は位置信号を取り込み、複
合プローブ21が設定された計測ピッチ移動する毎にゲ
ート回路23及び制御部4に取込み信号を出力する。一
方、パルサ・レシーバ22は斜角探触子31を励振・駆
動し、被検体内に超音波を発生させるとともに、被検体
内から反射し斜角探触子31に受信された信号を受け取
っている。そして、斜角探触子31を励振・駆動するタ
イミングと同期したトリガと受信信号をゲート回路23
に出力する。
【0044】ゲート回路23では、位置監視部11から
の取込み信号を受けた後、パルサ・レシーバ22から次
々に入力されたトリガと受信信号波形を取り込み、予め
設定されたゲート時間範囲で、時系列データである波形
信号を処理し、ピークエコーレベルとビーム路程の値を
求め、モード切替判定部24並びに制御部4に出力す
る。
【0045】モード切替判定部24はゲート信号出力に
基づいて斜角探触子31の検査モードから垂直探触子3
2の検査モードに切り替えるか否かの判定を行う。すな
わち、ゲート信号出力に含まれるピークエコーレベルを
予め条件入力部1で設定されたしきい値と比較する。比
較の結果、ピークエコーレベルがしきい値を超えない場
合には検査部位に傷が無いものと判定し、モード切替え
信号は出力されず、そのまま斜角探触子31の検査モー
ドで複合プローブ21の移動毎に繰り返しゲート信号出
力の記録を行われ、探傷走査が続けられる。
【0046】一方、ピークエコーレベルがしきい値を超
えた場合には検査部位に傷があるものと判定し、検査部
位を詳細に検査すべく、斜角探触子31による検査モー
ドから垂直探触子32による検査モードに切り替える切
替え信号を位置監視部11に出力する。
【0047】位置監視部11はモード切替判定部24か
らの垂直探触子32へのモード切替え信号を受け、その
信号入力から斜角探触子31と垂直探触子32の検査部
位のずれ分だけ複合プローブ21が移動したタイミング
に複合プローブ21の走査速度を垂直探触子32使用時
の速度に落とすべく、速度指令を走査治具制御部5に出
力する。
【0048】走査治具制御部5は位置監視部11からの
速度指令に基づいて走査治具駆動部6の駆動速度を下げ
る。走査治具駆動部6の駆動速度が下がると複合プロー
ブ21は垂直探触子32による精密探傷時の走査速度と
なる。
【0049】また、位置監視部11は速度指令の出力と
同時に波形取り込み用の取込み信号をA/D変換器10
に出力する。A/D変換器10はこの取込み信号を受け
て垂直探触子32からの受信信号の取り込みを開始す
る。すなわち、垂直探触子32により被検体表面に対し
て垂直方向に被検体中に伝播した超音波は傷で反射して
再び垂直探触子32で受信される。受信された反射超音
波は電気信号に変換されてパルサ・レシーバ9を介して
受信信号としてA/D変換器10に出力される。この受
信信号の出力の際、パルサ・レシーバ9の励振・駆動の
タイミングと同期したトリガがA/D変換器10に出力
される。
【0050】A/D変換器10はこのトリガに同期して
時系列データであるアナログの受信信号を取り込み、予
め設定されたサンプリングレートでデジタルデータに変
換する。そして、デジタルデータに変換された波形デー
タは制御部4に出力される。
【0051】制御部4はゲート回路23からのゲート信
号出力の取り込み記録を続ける一方、位置監視部11か
らの波形取り込み用の取込み信号を受けて走査治具制御
部5から位置信号を取り込む。また、この位置信号の取
り込みとともにゲート回路23からデジタル値に変換さ
れた波形信号が出力されるのを待って取り込み、記録部
3に検査条件と一緒に記録する。また、検査モード等の
途中経過を表示部2に出力表示させる。
【0052】上記垂直探触子32による精密探傷作業中
においても斜角探触子31による粗計測は続けられてお
り、斜角探触子31のみによる探傷作業時と同様にゲー
ト回路23により受信信号が取り込まれている。この受
信信号の取り込み作業中、ゲート回路23のゲート信号
出力であるピークエコーレベルが再びしきい値を超えな
くなったとき、モード切替判定部24は垂直探触子32
による検査モードから斜角探触子31による検査モード
に切り替えるため、切替え信号を位置監視部11に出力
する。また、この切替え信号と同時にA/D変換器10
及び制御部4への波形取り込み用の取込み信号の出力を
停止する。
【0053】位置監視部11はこの切替え信号を受けた
後、斜角探触子31と垂直探触子32の検査部位のずれ
分だけ複合プローブ21が位置信号より移動したことを
確認したタイミングに、複合プローブ21が斜角探触子
31による粗計測用の高速走査モードに切り替えるべく
速度指令を走査治具制御部5に出力する。
【0054】この速度指令に基づいて、上記速度を落と
す場合と同様の信号処理により複合プローブ21は探傷
開始時と同様高速の走査速度となる。そして、探傷開始
時と同様斜角探触子31のみによる探傷走査が行われ
る。
【0055】以上の動作を条件入力部1に予め入力され
た検査範囲が終了するまで繰り返し行う。こうすること
により、斜角探触子31による探傷結果をゲート回路2
3でゲート信号出力として求め、このゲート信号出力を
もとに受信波形取り込みの必要、すなわち、被検体中の
検査部位における傷の有無を自動的に判断し、必要最小
限の範囲のみ垂直探触子32による受信波形信号を取り
込むことができる。
【0056】このように、斜角探触子31と垂直探触子
32を持った複合プローブ21で走査・探傷を行い、斜
角探触子31で検出した傷の存在する範囲についてのみ
垂直探触子32による超音波探傷の受信信号波形を記録
する。従って、記録する受信波形データのデータ量を低
減でき、また検査時間を短縮できる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明の超音波探傷
装置及び超音波探傷方法によれば、斜角探触子による超
音波探傷により検出された受信信号レベルに基づいて走
査治具の測定モードが切り替えられ、垂直探触子の受信
信号はこの測定モードの切替と同時に出力される波形取
り込み信号の出力に同期してA/D変換され、記録され
る。従って、傷のある部分のみ受信波形データを取り込
むため、記録するデータ量を低減することができる。
【0058】また、斜角探触子と垂直探触子によるそれ
ぞれの測定モードに応じた走査速度により複合プローブ
が走査され、測定が行われるため、走査速度を遅くする
範囲が傷のある部分に限定することができ、傷がない場
合や少ない場合に検査時間を短縮することができる。
【0059】さらに、複合プローブを用いて傷のある部
分で自動的に斜角探触子による検査モードから垂直探触
子による切り替え、受信波形データ取り込みを行うた
め、予め他の手法で傷の有無を検査する必要や、走査治
具の違いによる超音波探触子の位置ずれの補正等の作業
を行う必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る超音波探傷装置の全
体構成を示す図。
【図2】同実施形態における複合プローブの全体構成を
示す横断面図。
【図3】同実施形態におけるゲート回路に入力される受
信信号の信号波形を示す図。
【図4】従来の超音波探傷装置の全体構成を示す図。
【符号の説明】
1 条件入力部 2 表示部 3 記録部 4 制御部 5 走査治具制御部 6 走査治具駆動部 7 2軸走査治具 9,22 パルサ・レシーバ 10 A/D変換器 11 位置監視部 21 複合プローブ 23 ゲート回路 24 モード切替判定部 31 斜角探触子 32 垂直探触子 33 接触媒質 34 被検体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 29/00 - 29/28

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 斜角探触子とこの斜角探触子の検査位置
    よりも走査方向に向かって後方位置を検査する垂直探触
    子とを併せ持つ複合プローブと、 前記斜角探触子の超音波の送受信を行う第1のパルサ・
    レシーバと、 前記垂直探触子の超音波の送受信を行う第2のパルサ・
    レシーバと、 前記複合プローブを走査速度の変更信号に基づいて斜角
    探触子及び垂直探触子による各測定モードに対応した走
    査速度で走査する走査治具と、 前記走査治具の位置を監視し、モード切替え信号に基づ
    いて走査速度の変更信号及び波形取込み信号を出力する
    位置監視部と、 前記第1のパルサ・レシーバの受信した第1の超音波探
    傷信号に基づいて受信信号レベルを検出するゲート回路
    と、 この検出された受信信号レベルに基づいて判定された傷
    の有無に応じて測定モードを切り替えるモード切替え信
    号を出力するモード切替判定部と、 前記第2のパルサ・レシーバの受信した第2の超音波探
    傷信号を波形取込み信号に同期してA/D変換するA/
    D変換器と、 前記波形取込み信号に同期してA/D変換された第2の
    超音波探傷信号を記録する記録部とを具備してなること
    を特徴とする超音波探傷装置。
  2. 【請求項2】 走査治具に取り付けられ、斜角探触子と
    この斜角探触子の検査位置よりも走査方向に向かって後
    方位置を検査する垂直探触子とを併せ持つ複合プローブ
    を用いた超音波探傷方法において、 前記斜角探触子により超音波探傷を行い第1の超音波探
    傷信号を受信するステップと、 この第1の超音波探傷信号に基づいて受信信号レベルを
    検出するステップと、 この検出された受信信号レベルに基づいて傷の有無を判
    定し、傷があると判定した場合に斜角探触子による測定
    モードから垂直探触子による測定モードに切り替え、前
    記走査治具の走査速度を遅くするステップと、 前記垂直探触子の受信した第2の超音波探傷信号をA/
    D変換するステップと、 前記A/D変換された第2の超音波探傷信号を記録する
    ステップとを具備してなることを特徴とする超音波探傷
    方法。
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