JP5009523B2 - 超音波プローブ並びに検査方法及びシステム - Google Patents

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Description

本発明は、一般に、産業用構成部品の超音波浸漬試験方法ならびにシステムに関し、特に、超音波浸漬検査において試験速度を増すために、結合媒体中の未減衰音を減少することに関する。
超音波試験は、産業用構成部品を試験するのに望ましい検査技法である。しかし、従来の超音波浸漬検査技法の場合、試験されるべき部品に超音波エネルギーを結合するために使用されている結合媒体の中で残響する未減衰音が存在するために、処理能力に限界がある。図1は、超音波浸漬試験の従来のA走査(振幅対時間)表示を示す。図1に示されるように、試験領域を越えて、いくつかのエコーが発生しており、それらのエコーは、未減衰音によって起こる。そのため、従来の浸漬超音波走査においては、次の超音波パルスが入射する前にエコーを減衰させるために、2つの超音波パルスの間隔を相対的に長くする必要がある。図2は、第1の超音波パルスが許容レベルまで減衰する前に、第2の超音波パルスが発生した場合の超音波浸漬試験の従来のA走査表示を示す。図2に示されるように、エコーは、きず検出の正確さを損なう。一般に、被検体の内部の欠陥が原因となって発生するエコーと、未減衰音により引き起こされるエコーとを識別する方法がないため、未減衰音により発生されるエコーの存在は、欠陥として解釈され、その結果、きずがあるという誤った表示がなされてしまう。未減衰音と関連するエコーの現象は、一般に、「ラップアラウンド」又は「ゴースティング」と呼ばれる。未減衰音と関連する雑音を減少するために、従来の超音波浸漬試験は、例えば、毎秒500パルス(500パルス/s)程度の相対的に低いパルス繰り返し周波数(prf)で実行される。低いprfを採用しなければならないため、従来の技法を使用した場合、典型的な航空機エンジン部品の検査に4時間もかかることがある。
米国特許第6,591,680号公報 米国特許第6,789,427号公報 米国特許第6,792,808号公報
従って、超音波浸漬試験に際して未減衰音を減少することが望ましいであろう。更に、超音波浸漬検査技法を使用して、産業用構成部品を検査するために必要な時間を短縮することが望ましいであろう。
本発明の1つの面は、部品を検査する方法であり、方法は、物質速度cを有する結合媒体の中に部品を浸漬することと、少なくとも1つの変換器を有する超音波プローブを結合媒体の中に浸漬することとを含む。超音波プローブは、音響速度c及び約2.5×10Rayls未満の音響インピーダンスを有する凸レンズを有する。方法は、部品の内部に向かって方向付けられた超音波パルスを発生するために変換器を励起することと、変換器を受信要素として使用してエコー信号を発生することとを更に含む。
本発明の別の面は、結合媒体を使用して部品を試験するための超音波検査システムである。超音波検査システムは、超音波プローブを含み、超音波プローブは、(a)励起されたとき、結合媒体を通して、部品の内部に向かって方向付けられた超音波パルスを発生し、複数のエコー信号を発生するように構成された少なくとも1つの変換器要素と、(b)約2.5×10Rayls未満の音響インピーダンスを有する凸レンズとを有する。凸レンズは、前記変換器要素の各々に超音波結合される。超音波検査システムは、少なくとも約1,000Hzのパルス繰り返し周波数(prf)で、変換器要素に複数の信号励起パルスを供給するように構成されたパルサ/受信器と、prfに走査増分を乗算した値に等しい走査速度で、超音波プローブによって部品を走査するように構成されたスキャナとを更に含む。
本発明の更に別の面は、物質速度cを有する結合媒体の中で産業用構成部品を浸漬検査するための超音波プローブである。超音波プローブは、励起されたとき、結合媒体を通して、産業用構成部品の内部に向かって方向付けられた超音波パルスを発生し、複数のエコー信号を発生するように構成された少なくとも1つの変換器要素を含む。超音波プローブは、約2.5×10Rayls未満の音響インピーダンス及び少なくとも約4のF#を有する凸レンズを更に含む。凸レンズは、変換器要素の各々に超音波結合される。
本発明の上記の特徴、面及び利点並びにその他の特徴、面及び利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むことにより、更によく理解されるであろう。図面を通して、同じ図中符号は、同じ部分を示す。
図3を参照して、本発明の超音波検査システム30の一実施形態を説明する。図示されるように、超音波検査システム30は、結合媒体22を使用して、産業用構成部品10などの部品10を試験するように構成される。結合媒体22の一例は水であり、産業用構成部品10は、例えば、ファンディスクのような航空機エンジン部品を含む。図示されるように、超音波検査システム30は、超音波プローブ20を含む。超音波プローブ20は、励起されたとき、結合媒体22を通して、部品10の内部に向かって方向付けられた超音波パルスを発生し、複数のエコー信号を発生するように構成された少なくとも1つの変換器要素12を含む。超音波プローブ20は、約2.5×10Rayls未満の音響インピーダンスを有する少なくとも1つの凸レンズ14を更に含む。1Raylは、1立方メートル当たり1ニュートン‐秒(Ns/m)に等しい。凸レンズ14は、各変換器要素に超音波結合される。ここで使用される用語「凸レンズ」は、平凸レンズを含む。
図3の実施形態の場合、パルサ/受信器回路(又は送信器)32は、少なくとも約1,000Hzのパルス繰り返し周波数(prf)で、変換器要素12に複数の信号励起パルスを供給するように構成される。スキャナ34は、prfに走査増分を乗算した値に等しい走査速度で、超音波プローブ20によって部品10を走査するように構成される。サンプル走査増分は、0.02インチである。例えば、図6に示されるように、超音波プローブ20を部品10に対していくつかの位置へ移動するために、超音波プローブ20は、例えば、電気機械スキャナ34のキャリッジに装着されてもよい。あるいは、スキャナ34は、固定超音波プローブ20に対して部品10を移動するように構成されてもよい。部品の幾何学的形状及び所望の検査方式に応じて、直線走査、円筒形走査又は円形走査のいずれかが採用されればよい。更に、変換器要素12により発生されるエコー信号は、パルサ/受信器回路(又は受信器)により受信された後、図3に示されるコンピュータ38、収集ソフトウェア40及び表示装置41などの処理モジュール、記憶モジュール及び表示モジュールにより更に処理、格納及び/又は処理されてもよい。図3の実施形態においては、コンピュータ38は、アナログ/デジタル(A/D)変換器42を介してパルサ/受信器32に接続される。
図7及び図8を参照して、本発明の別の実施形態による超音波検査システム50を説明する。この実施形態においては、超音波プローブは、例えば、図7に示されるようなアレイ26を形成する複数の変換器要素12を具備する。凸レンズ14は、各々の変換器要素を覆うように延出し、パルサ/受信器32は、各々の変換器要素に別個の励起信号パルスを印加するように構成される。パルサ/受信器32は、例えば、図8に示されるように、マルチプレクサ46を介して変換器要素12に結合されてもよい。例えば、変換器要素がN個あり、位相チャネルがM個存在する場合、N個の変換器要素をM個のパルサ/受信器回路32に結合するために、N×Mマルチプレクサ46が使用されてもよい。この例の場合、M個のパルサ/受信器回路32に遅延及び和ビーム整形器44を接続するために、M個のA/D変換器42が使用される。ビーム整形器44は、コンピュータ38に接続される。
更に特定された実施形態によれば、凸レンズ14の音響インピーダンスは、約2.0×10Rayls未満である。更に特定すると、凸レンズ14の音響インピーダンスは、約1.5×10Rayls未満である。先に述べた通り、従来の超音波試験技法においては、超音波エネルギーを部品10に結合するために使用されている結合媒体22の中で残響する未減衰音が存在するため、通常、長い検査時間が必要である。超音波プローブ20は、結合媒体22とのインピーダンス整合を改善することにより、未減衰音を減少するという利点を有する。
一般に、結合媒体22からの超音波エネルギーを吸収する凸レンズ14の能力は、主に、凸レンズ14と結合媒体22とのインピーダンス整合によって決まる。ここで使用される用語「音響インピーダンス」は、超音波速度と密度の積である。特に、第1の物質と第2の物質との境界面における反射係数Rは、次の式により定義される。
R = (Z−Z)/(Z+Z
式中、Zは、第1の物質の音響インピーダンスであり、Zは、第2の物質の音響インピーダンスである。
前述のように、水は、典型的な結合媒体22である。室温における水の音響インピーダンスは、約1.5×10Raylsである。従来の工業用レンズ材料の典型的な音響インピーダンス値は、約3.0×10Rayls〜約4.5×10Raylsの範囲である。約4.5×10Raylsの音響インピーダンスを有する従来のレンズ材料の例の場合、反射係数はR=0.5(すなわち、50%)である。これは、従来の工業用レンズの場合、音圧の50パーセント(50%)がレンズの表面から反射されることを意味する。
これに対し、凸レンズ14の材料の一例は、室温加硫(RTV)材料であり、その例には、シリコーンが含まれる。凸レンズ14のRTV材料の一例は、約1.38×10Raylsの音響インピーダンスを有し、結合媒体22として水が採用される場合、この値は、R=0.042(すなわち、4.2%)の反射係数に相当する。レンズと結合媒体の境界面18における凸レンズ14による超音波エネルギーの吸収が増すと、その結果、結合媒体22中に存在する超音波エネルギーは、相応して減少する。このように未減衰音が減少することにより、きず検出を妨げずに、例えば、1,000Hz程度の従来より高いprfの使用が可能になるので、好都合である。図5は、ウォーターパス倍数の減衰が増し、それに対応して、試験速度が速くなることを示す。
図4を参照して、凸レンズ14の散乱特性を説明する。図4は、従来の工業用凹レンズと、凸レンズ14との相違を示す。図4に示されるように、従来の凹レンズは、入射音波16を結合媒体22に戻し、集束する。その結果、レンズの表面18で、複数の多重反射が起こる(すなわち、ウォーターパス倍数)。これに対し、凸レンズ14は、凸レンズ14の表面18から反射される複数の音波16を散乱させるように構成されることが望ましい。音波16を超音波プローブ20から離間するように散乱させることにより、凸レンズ14は、超音波プローブ20により検出されるウォーターパス倍数の数を更に減少し、それに対応して、試験速度を増すことができる。
超音波エネルギーを散乱させるレンズの能力は、主に、レンズの幾何学的形状によって決まる。凸レンズ14の第1の機能は、超音波エネルギーを集束することであり、その焦点特性は、所定の試験に合わせてあらかじめ規定されるため、レンズと結合媒体の境界面18における散乱を強化するために、レンズの幾何学的形状を任意に変更することは不可能である。しかし、凸レンズ14の音響速度cは、所望の焦点特性と散乱特性を同時に実現するための補助手段となる。特に、ある特定の焦点特性を得るために使用されるレンズの幾何学的形状は、レンズ材料の音響速度cによって決まり、レンズメーカーの下記の式により決定される。
r = f(1―c/c
式中、rは、レンズの曲率半径であり、fは、所望の焦点距離である。前述のように、cは、結合媒体22の音響速度であり、cは、レンズ材料の音響速度である。工業用浸漬検査に使用される従来のレンズの場合、典型的なレンズ材料の音響速度cは、毎秒3キロメートル(3.0km/s)である。結合媒体22として水が使用される場合(c=1.5km/s)、この例の従来のレンズでは、レンズの式は、r=0.5fとなる。曲率半径rと焦点距離fの関係は正であるので、この例の従来のレンズは凹レンズである。
逆に、凸レンズ14は、結合媒体22の物質速度cより遅い音響速度cを有するのが望ましい。例えば、RTV材料の一例は、毎秒約1キロメートル(1.0km/s)の音響速度cを有する。この例のRTV材料の場合、レンズの式はr=−0.5fになるので、負の符号は、レンズが凸レンズであることを示す。図4に示されるように、特に、変換器と部品との距離がレンズ半径に等しいときに、凹形状は、結合媒体22の中で超音波エネルギーを集束しようとするという点で、従来の凹形状から凸形状へのこの変化は、重大な意味を持つ。凹レンズとは対照的に、凸レンズ14の凸形状は、変換器の側面へ音を散乱させ、それにより、結合媒体22の中の音の残響の振幅を減少する。先に図5を参照して説明したように、ウォーターパス倍数の減衰を大きくすることにより、きず検出を損なわずに、試験速度を増すことができる。従って、更に特定された実施形態の場合、パルサ/受信器32は、少なくとも約1,500Hz、5,000Hz又は10,000Hzのprfで、変換器要素12に信号励起パルスを供給するように構成される。prfが増加すると、検査時間は短縮され、検査処理能力が向上するため、好都合である。
工業用超音波検査の場合の焦点形状は、通常、医療用途の場合とは異なる。特に、工業用試験の場合の焦点特性は、固体の(すなわち、液体ではない)被検体を目標とし、医療用超音波検査においては存在しない2層の関心物体(例えば、金属/水境界面)に対応するように選択される。所望の特定の焦点特性は、実施されるべき試験に基づいて変わることもあるが、通常、医療用途では、約1.5のF#が要求される。ここで使用される用語F#は、焦点距離を変換器の開口幅で除算した値に等しい。これに対し、検査システム30の特定の一実施形態においては、凸レンズ14は、少なくとも約4のF#を有する。更に特定された実施形態によれば、凸レンズ14は、少なくとも約8のF#を有する。
プローブは、1つの変換器要素を含んでもよいし、あるいは変換器要素の線状アレイ(図示せず)、又は、例えば、図7に示されるような変換器要素の2次元アレイを含んでもよい。パルサ/受信器32は、各々の変換器要素12に別個の励起信号パルスを印加するように構成される。図7の実施形態の場合、超音波プローブ20は、アレイ26を形成する複数の変換器要素12と、各々の変換器要素12を覆うように延出する1つの凸レンズ14とを含む。パルサ/受信器32は、各々の変換器要素12に別個の励起信号パルスを印加するように構成される。特定の一実施形態によれば、アレイ26は、フェイズドアレイ26である。
図3を参照して、物質速度cを有する結合媒体22の中で産業用構成部品10を浸漬検査するための本発明の一実施形態による超音波プローブ20を説明する。図3に示されるように、超音波プローブ20は、励起されたとき、結合媒体22を通して、産業用構成部品10の内部に向かって方向付けられた超音波パルスを発生し、複数のエコー信号を発生するように構成された少なくとも1つの変換器要素12を含む。超音波プローブ20は、少なくとも約2.5×1010Rayls未満の音響インピーダンス及び少なくとも約4のF#を有する少なくとも1つの凸レンズ14を更に含む。凸レンズ14は、各々の変換器要素12に超音波結合される。
特定の一実施形態によれば、凸レンズ14のF#は、少なくとも約8である。更に特定された実施形態によれば、凸レンズ14の音響インピーダンスは、約2.0×10Rayls未満であり、更に特定すれば、約1.5×10Rayls未満である。例えば、図4に示されるように、凸レンズ14が、凸レンズ14の表面18から反射される音波16を散乱させるように、凸レンズ14の音響速度cは、結合媒体22の物質速度cより遅いことが望ましい。
先に図7を参照して説明したように、超音波プローブ20は、単一の変換器要素を含んでもよいし、あるいは変換器要素の線状アレイ(図示せず)、又は、例えば、図7に示されるような変換器要素の2次元アレイを含んでもよい。
図3〜図6を参照して、本発明の方法の一実施形態を説明する。例えば、図3及び図6に示されるように、検査方法は、物質速度cを有する結合媒体22の中に部品10を浸漬することと、結合媒体の中に超音波プローブ20を浸漬することとを含む。前述のように、超音波プローブ20は、変換器12と、約2.5×10Rayls未満の音響インピーダンスを有する凸レンズ14とを含む。結合を更に強化するために、特定の実施形態においては、凸レンズ14の音響インピーダンスは、約2.0×10Rayls未満であり、更に特定すれば、約1.5×10Rayls未満である。検査方法は、部品10の内部に向かって方向付けられた超音波パルスを発生するために変換器12を励起することと、変換器12を受信要素12として使用して複数のエコー信号を発生することとを更に含む。特定の一実施形態によれば、少なくとも約1,000Hz、更に特定すれば、所望の検査処理速度に応じて、少なくとも約1,500Hz、5,000Hz及び10,000Hzのprfで、変換器に励起信号パルスを印加することにより、変換器12は励起される。凸レンズ14と結合媒体22の結合が改善されるため、例えば、図5に示されるように、きず検査を損なわずに、このような高いprfを実現できる。
例えば、図6に示されるように、検査方法は、prfに走査増分を乗算した値に等しい走査速度で、超音波プローブ20によって部品10を走査することと、複数の測定位置24の各々において、励起する工程及び発生する工程を実行することとを更に含む。前述のように、典型的な走査増分の1つは、約0.02インチである。図3の実施形態の場合、走査は、スキャナ34を使用して実行される。スキャナ34は、コンピュータ38により制御されてもよい。図3は、部品10に対してプローブ20を移動するように構成されたスキャナ34を示すが、スキャナは、固定プローブに対して部品を移動するように構成されてもよく、検査方法は、それら2つの構成に対応する。
例えば、図4に示されるように、検査方法は、凸レンズ14の表面18から反射された複数の音波16を散乱させることを更に含む。表面18から反射された音波を散乱させるために、凸レンズ14の材料は、先に説明したように、凸レンズの音響速度cが結合媒体22の物質速度cより遅くなるように選択される。
特定の一実施形態によれば、超音波プローブ20は、例えば、図7に示されるようなアレイ26を形成する複数の変換器12を含む。アレイは、線状アレイであってもよい。この実施形態の場合、各々の変換器が励起され、変換器12を受信要素として使用して、複数のエコー信号が発生される。更に特定された実施形態によれば、少なくとも約1,000Hzのprf、更に特定すれば、少なくとも約1,500Hz、5,000Hz及び10,000Hzのprfで、各々の変換器12に別個の励起信号パルスが印加される。一般に、同じ1つの変換器及びアレイの実施形態には、同一のprf範囲が採用される。
産業用構成部品10を試験するための超音波検査方法の一例は、産業用構成部品の内部に向かって方向付けられた超音波パルスを発生するために、超音波プローブ20の少なくとも1つの変換器要素12を励起することを含む。例えば、図3に示されるように、超音波プローブ及び産業用構成部品は、物質速度cを有する結合媒体22によって満たされたスタンドオフにより互いに分離される。超音波検査方法は、約2.5×10Rayls未満、更に特定すれば、約2.0×10Rayls未満の音響インピーダンスを有するレンズ14を使用して、少なくとも1つの変換器要素12と結合媒体22の結合を強化することを更に含む。超音波検査方法は、凸レンズ14を使用することにより、レンズの表面18から反射された複数の音波16を散乱させることと、少なくとも1つの変換器12を受信要素12として使用して、複数のエコー信号を発生することを更に含む。特定の一実施形態によれば、少なくとも1つの変換器12は、少なくとも約1,500Hzのprfで、少なくとも1つの変換器12に励起信号パルスを印加することにより励起される。図3の実施形態の場合、超音波検査方法は、超音波プローブ20及び産業用構成部品10を結合媒体22の中に浸漬することを更に含む。
図6の実施形態においては、超音波検査方法は、prfに走査増分を乗算した値に等しい走査速度で、超音波プローブ20によって産業用構成部品10を走査することを更に含む。超音波プローブの複数の測定位置24の各々において、励起する工程、強化する工程、散乱させる工程及び発生する工程が実行される。
先に図7を参照して説明したように、超音波プローブ20は、単一の変換器要素を含んでもよいし、あるいは変換器の線状アレイ、又は、例えば図7に示されるような変換器の2次元アレイを含んでもよい。特定の一実施形態によれば、超音波プローブ20は、アレイ26を形成する複数の変換器12を含む。この特定の実施形態の場合、各々の変換器12が励起され、変換器を受信要素として使用して、複数のエコー信号が発生される。更に特定された実施形態においては、各々の変換器12に別個の励起信号パルスが印加される。
本発明のいくつかの特徴のみを図示し、説明したが、数多くの変形及び変更が当業者には明らかであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨の範囲内に入るそのような変形及び変更の全てを含むことが意図されると理解すべきである。
超音波浸漬試験の従来のA走査(振幅対時間)表示を示したグラフである。 第1の超音波パルスからのエコーが許容レベルまで減衰する前に第2の超音波パルスが起こった場合の超音波浸漬試験の従来のA走査表示を示したグラフである。 本発明の超音波検査システムの一実施形態を示した図である。 従来の凹レンズと比較した場合の凸レンズの散乱特性を示した図である。 図3の検査システムを使用する超音波浸漬試験のA走査表示の一例を示し、ウォーターパス倍数の減衰が大きくなり、それに相応して試験速度が増すことを示したグラフである。 複数の測定位置の例を示した図である。 単一の凸レンズを有する超音波変換器の2次元フェイズドアレイを概略的に示した図である。 本発明の超音波検査システムの別の実施形態を示した図である。
符号の説明
10…産業用構成部品、12…変換器要素、14…凸レンズ、16…音波、18…レンズの表面、20…超音波プローブ、22…結合媒体、24…測定位置、26…アレイ、30…超音波検査システム、32…パルサ/受信器回路、34…スキャナ、38…コンピュータ、40…収集ソフトウェア、41…表示装置、42…アナログ/デジタル変換器、44…遅延及び和ビーム整形器、46…マルチプレクサ、50…超音波検査システム

Claims (3)

  1. 構成部品(10)を検査する方法において、
    物質速度cwの結合媒体(22)の中に前記部品を浸漬する工程と;
    少なくとも1つの変換器(12)と、音響速度cL及び約2.5×106Rayls未満の音響インピーダンスを有する凸レンズ(14)とを有する超音波プローブ(20)を前記結合媒体の中に浸漬する工程と;
    前記部品内に方向付けられた超音波パルスを発生するための前記少なくとも1つの変換器を励起する工程と;
    前記少なくとも1つの変換器を受信要素(12)として使用して、複数のエコー信号を発生する工程と
    を具備し、
    前記少なくとも1つの変換器(12)を励起する工程は、少なくとも約1,000Hzのパルス繰り返し周波数(prf)で、前記少なくとも1つの変換器に励起信号パルスを印加する工程を含み、
    前記検査方法は、前記パルス繰り返し周波数に走査増分を乗算した値に等しい走査速度で、前記超音波プローブ(20)によって前記部品(10)を走査する工程を更に含み、前記励起する工程及び前記発生する工程は、前記超音波プローブの複数の測定位置(24)の各々において実行される
    ことを特徴とする検査方法。
  2. 産業用構成部品(10)を試験するための超音波検査方法において、
    前記産業用構成部品の内部に向かって方向付けられた超音波パルスを発生するために、超音波プローブ(20)の少なくとも1つの変換器要素(12)を励起する工程であって、前記超音波プローブ及び前記産業用構成部品は、物質速度cwを有する結合媒体(22)によって満たされたスタンドオフにより分離され、前記少なくとも1つの変換器要素を励起する工程は、少なくとも約1,500Hzのパルス繰り返し周波数(prf)で、前記少なくとも1つの変換器要素に励起信号パルスを印加する工程を含む、励起する工程と;
    約2.5×106Rayls未満の音響インピーダンスを有するレンズ(14)を使用して、前記少なくとも1つの変換器要素と前記結合媒体の結合を強化する工程と;
    凸レンズ(14)を使用して前記レンズの表面(18)から反射される複数の音波(16)を散乱させる工程と;
    前記少なくとも1つの変換器要素を受信要素(12)として使用して、複数のエコー信号を発生する工程と;
    前記パルス繰り返し周波数(prf)に走査増分を乗算した値に等しい走査速度で、前記超音波プローブによって前記産業用構成部品を走査する工程であって、前記励起する工程、強化する工程、散乱させる工程及び発生する工程は、前記超音波プローブの複数の測定位置(24)の各々において実行される、走査する工程と;
    前記超音波プローブ及び前記産業用構成部品を前記結合媒体の中に浸漬する工程と
    を具備する超音波検査方法。
  3. 結合媒体(22)を使用して部品(10)を試験するための超音波検査システム(30、50)において、
    超音波プローブ(20)であって、
    (a)励起されたとき、前記結合媒体を通して、前記部品の内部に向かって方向付けられた超音波パルスを発生し、複数のエコー信号を発生するように構成された少なくとも1つの変換器要素(12)と、
    (b)約2.5×106Rayls未満の音響インピーダンスを有し、前記変換器要素の各々に超音波結合された凸レンズ(14)とを具備する超音波プローブと;
    少なくとも約1,000Hzのパルス繰り返し周波数(prf)で、前記少なくとも1つの変換器要素に複数の信号励起パルスを供給するように構成されたパルサ/受信器(32)と;
    前記パルス繰り返し周波数(prf)に走査増分を乗算した値に等しい走査速度で、前記超音波プローブによって前記部品を走査するように構成されたスキャナ(34)と
    を具備する超音波検査システム(30、50)。
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