JP3714934B2 - 流体搬送パイプの検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、海水や化学薬品等を通す流体搬送パイプを検査するための検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
化学プラントや発電所等で利用されるパイプには、海水や化学薬品を通すことがあり、このような流体によるパイプの腐食を防止するために、パイプの内面にライニングを施しているものがある。しかし、仮に、ライニングに減肉やピンホール欠陥が発生すると、腐食が生じる虞がある。
【0003】
そこで、パイプ内部の減肉の検査を行う検査装置として、パイプの内部に探触子を入れ、この探触子から超音波を発信させて検査に用いるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−226707号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に示された検査装置では、その探触子は小口径パイプには入らないので、小口径パイプを検査することはできない。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、パイプの外側からライニングに生じる減肉またはピンホール欠陥を検出できる流体搬送パイプの検査装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
ところで、本願発明者は、上記目的を達成するために、本願発明に到達する過程で、パイプの外側から超音波を入射させて、入射位置の直近のパイプからの複数の反射エコーを得て、この中から、入射位置の直近の内側にあるライニングの内面からの反射エコーを検出することを検討した。
【0008】
しかし、ライニングの内面からの反射エコーを検出できないことがあるという課題に遭遇した。すなわち、超音波をパイプに入射させると、入射位置の直近のパイプからは複数の反射エコーが得られる。このとき得られる複数の反射エコーには、上述のライニング内面からの反射エコーと、パイプ本体の内面と外面との間で繰り返し反射される複数の反射エコーとが含まれる。前者の反射エコーと後者の反射エコーとが殆ど同時に受信され、両反射エコーを区別して検出できなくなるからである。
【0009】
そこで、このような課題をも解決すべく、本願発明では、入射位置の反対側のパイプ内から径方向に反射する反射エコーを検出する。この反射エコーは、入射位置の直近のパイプからの反射エコーよりも後に検出されるので、反射エコー同士を区別できる。また、入射位置の反対側からの反射エコーには、ライニングの内面からの反射エコーと、ライニングとパイプ本体との境界面からの反射エコーとが含まれるが、前者の反射エコーは、残りの反射エコーよりも先に受信されるので、前者の反射エコーだけを区別して検出でき、以下のように減肉量を検出することができる。
【0010】
請求項1に記載の発明は、パイプ本体とパイプ本体の内面に被覆されたライニングとにより構成される流体搬送パイプを検査するための装置において、パイプの外周の所定位置からパイプの径方向に沿ってパイプ内に超音波パルスを発信する発信部と、パイプ内からパイプの径方向に沿って反射する反射エコーを上記パイプの外周の所定位置にて受信する受信部と、入射したパルスが入射側とは反対側のパイプの内面から反射されて上記所定位置に戻ってくるタイミングに基づいて、上記入射側とは反対側のライニングの減肉量を検出する検出部とを備えることを特徴とする。
ここで、ライニングの減肉量を検出するための超音波の周波数は、減肉部のある場合およびない場合の何れの流体搬送パイプでも、超音波が入射位置と反対側の流体搬送パイプの内面で反射されて反射エコーが検出できるような、減衰度合いとなるように設定される。例えば、超音波の周波数は5MHz〜10MHzの範囲内の値が好ましく、例えば、この値は5MHzとするのがより好ましい。ここで、周波数が10MHzを超えると、減衰度合いが大きくなり、反射エコーが検出できないことがあるからであり、周波数が5MHz未満になると、減肉量の検出精度が低下することがあるからである。
【0011】
この発明によれば、例えば、流体を満たしたパイプ内へ、発信部から超音波を入射させる。発信部からの入射時点を基準として反対側のパイプ内面から反射した反射エコーが受信部に到達するタイミングを測る。減肉量が増すほどに、発信部および受信部からパイプ内面までの距離が長くなり、上述のように測られたタイミングは後にずれるので、このタイミングに基づいて、ライニングの減肉量を検出することができる。
【0012】
発信部および受信部をパイプの外周に配置できるので、小径のパイプにおけるライニングの減肉量を検出することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の内面被覆パイプの検査装置において、入射したパルスが入射側とは反対側のライニングの内面から反射されて上記所定位置に戻ってくるか否かに基づいて、上記入射側のライニングのピンホール欠陥の有無を検出する検出部をさらに備え、上記ライニングの減肉量を検出する検出部が機能するときには、発信部は、5〜10MHzの周波数の超音波パルスを発信し、上記ライニングのピンホール欠陥の有無を検出する検出部が機能するときには、発信部は、10〜20MHzの周波数の超音波パルスを発信することを特徴とする。
ここで、ピンホール欠陥の検出のための超音波の周波数は、ピンホール欠陥のある場合には超音波が入射位置と反対側の流体搬送パイプの内面から戻り反射エコーが検出できるように、且つピンホール欠陥のない場合には超音波がライニングで減衰して入射位置と反対側の流体搬送パイプの内面からの反射エコーが検出されないような、減衰度合いとなるように設定される。例えば、超音波の周波数は、標準的な超音波探傷に用いる標準的な周波数よりも高い周波数とされ、例えば、10MHz〜20MHzの範囲内の値が好ましく、例えば、この値は20MHzとするのがより好ましい。ここで、周波数が高くなるほどに、ライニングによる減衰の度合いが高くなり、ピンホール欠陥のない場合に反射エコーを検出しないように確実にできるが、周波数が20MHzを超えると、減衰度合いが大きくなり過ぎ、ピンホール欠陥がある場合に、反射エコーが検出できないことがあるからである。周波数が10MHz未満になると、ピンホール欠陥がない場合でも反射エコーが検出されることがあるからである。
【0014】
この発明によれば、例えば、流体を満たしたパイプ内へ、発信部から超音波を入射させる。超音波は、ピンホール欠陥のないパイプでは、受信部に戻るまでに、流体よりも減衰度合いの大きいライニングを2度通るので、その減衰度合いが大きくなる結果、反射エコーがなくなるのに対して、発信部および受信部の直近にピンホール欠陥があるパイプでは、超音波はライニングを通らずに済むので、その減衰度合いが小さくなる結果、反射エコーが検出されるようにできる。従って、反射エコーがあれば、ピンホール欠陥があると判る。
【0015】
発信部および受信部をパイプの外周に配置できるので、小径のパイプにおけるライニングのピンホール欠陥を検出することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態の内面被覆パイプの検査装置を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実施形態の検査装置および内面被覆パイプの概略構成の模式的なブロック図である。
【0017】
本検査装置1の検査対象は、流体を搬送するための内面被覆パイプ2(流体搬送パイプ2ともいう。)である。この流体搬送パイプ2は、例えば鋼製で肉厚一定の円筒形状のパイプ本体3と、パイプ本体3の内面4に被覆されたライニング5とにより構成される。ライニング5は、例えば、ポリエチレン、エポキシ樹脂等の合成樹脂材料や、硬質ゴム等のゴム材料により形成される。健全な状態、例えば、製造直後の状態では、ライニング5は予め定める所定の肉厚とされ、パイプ本体3の内面4全体にわたり一定の肉厚で形成される。
【0018】
本検査装置1は、ライニング5の肉厚が減少した部分である減肉部6(図2B参照)を検出する検査装置として機能する第1の検出機能と、ライニング5の内面7からパイプ本体3の内面4に達する孔状のピンホール欠陥8(図3B参照)を検出する検査装置として機能する第2の検出機能とを有する。
【0019】
本検査装置1は、流体搬送パイプ2の外周9の所定位置Pから流体搬送パイプ2の径方向Rに沿って流体搬送パイプ2内に超音波パルスPAを発信する発信部12と、流体搬送パイプ2内から流体搬送パイプ2の概ね径方向Rに沿って反射する反射エコーREを流体搬送パイプ2の外周9の所定位置Pにて受信する受信部13とを有している。本実施形態では、発信部12および受信部13は一体化されて、探触子14の少なくとも一部を構成している。この探触子14は、超音波と電気信号とを変換する単一の振動子15と、この振動子15を内部に収容するケース16とを有する。振動子15は超音波の発信用および受信用に兼用され、電気信号を受けて超音波を発信でき、また超音波を受けて電気信号を発することができる。
【0020】
本検査装置1は、探触子14と信号線17を介して接続される検査装置本体18を有している。検査装置本体18は、振動子15を駆動し振動子15から所定の超音波を発信させる発信回路19と、振動子15からの信号を受けて増幅等の処理を行い検出信号を出力する受信回路20と、受信回路20および発信回路19を制御し検出信号に予め定める信号処理を行う制御部21とを有する。
【0021】
制御部21は、発信回路19および受信回路20と接続されている。制御部21は、マイクロコンピュータ、タイマ(図示せず)等を含み、予め記憶されたプログラムに基づいて所定の制御動作を行う。例えば、制御部21は、タイマによる信号に基づいて所望のタイミングで発信回路19を介して発信部12により超音波パルスPAを発信させ、反射エコーREによる受信回路20からの検出信号に基づいて反射エコーREの有無や強さや受信のタイミングを測ることができる。また、制御部21は、第1および第2の検出機能のために第1および第2の検出部22,23を有する。第1および第2の検出部22,23は、図示しない操作部からの信号に基づいて動作し、例えば、プログラムにより実現される。
【0022】
受信回路20は、所要の周波数の反射エコーを検出できるように構成され、例えば、第1の検出機能では第1の周波数、例えば5MHzの反射エコーを検出し、第2の検出機能では第2の周波数、例えば20MHzの反射エコーを検出し、検出された反射エコーの強さに応じた大きさの検出信号を出力する。
【0023】
発信回路19は、所要の周波数の反射エコーを発生可能に、第1および第2の周波数を含む超音波パルスを発信できるように構成されている。
【0024】
第1および第2の検出機能での検査の際には、流体搬送パイプ2内に、超音波を伝達する水等の流体Wが満たされ、流体搬送パイプ2の外周9に、探触子14が超音波を伝達できるように、例えば、密着状態で取り付けられる。
(1) 減肉量の検出
図2Bおよび図2Eを参照する。第1の検出部22は、流体Wが満たされた流体搬送パイプ2内へ、発信部12から超音波パルスPAを入射させ、入射した超音波パルスPAが入射側とは反対側の流体搬送パイプ2の内面30から反射されて反射エコーREとなって上記所定位置Pの受信部13に戻ってくるタイミングTEを測る。測られたタイミングTEに基づいて、上記入射側とは反対側のライニング5の減肉量Xを検出する。
【0025】
減肉量の検出の具体的な説明の前に、健全な流体搬送パイプで同様の検出を行った場合を図2Aおよび図2Dを参照して説明する。
【0026】
図2Aに示すような健全な流体搬送パイプ2では、減肉量Xがゼロであり、入射側とは反対側の流体搬送パイプ2の内面30は、正常な肉厚のライニング5の内面7の一部となる。この面で超音波パルスは反射される。図2Dは、受信部からの検出信号の強さとタイミングとの関係を示すグラフである。図2Aおよび図2Dを参照して、超音波は、タイミングTSで発信部12から入射され、入射側とは反対側の流体搬送パイプ2の内面30で反射され、タイミングTEがタイミングTE0のときに受信部13に到達し、検出信号にピークPEが現れる。タイミングTSからタイミングTE0までの間の超音波の伝播距離は、予め知ることができて、入射側と反対側のライニング5の内面7と所定位置Pとの間の距離L0の2倍の値となる。
【0027】
次に、図2Bに示すような減肉量Xが小さい流体搬送パイプ2では、減肉量Xが値X1となり、入射側とは反対側の流体搬送パイプ2の内面30は、減肉されたライニング5の内面7の一部となる。この面で超音波パルスは反射される。図2Bおよび図2Eを参照して、超音波は、タイミングTSで入射され、入射側とは反対側の流体搬送パイプ2の内面30で反射され、タイミングTEがタイミングTE1のときに受信部13に到達し、ピークPEが現れる。タイミングTE1は、タイミングTE0よりも後となる。タイミングTSからタイミングTE1までの間の超音波の伝播距離は、健全な流体搬送パイプ2の場合の伝播距離よりも減肉量Xの値X1の2倍の量で長くなる。
【0028】
さらに、図2Cに示すような減肉量が大きい流体搬送パイプ2では、減肉量Xが値X2となり、入射側とは反対側の流体搬送パイプ2の内面30は、大きく減肉されたライニング5の内面7の一部となる。図2Cおよび図2Fを参照して、超音波は、タイミングTSで入射され、入射側とは反対側の流体搬送パイプ2の内面30で反射され、タイミングTEがタイミングTE2のときに受信部13に到達し、ピークPEが現れる。タイミングTE2はタイミングTE1よりも後になる。また、タイミングTSからタイミングTE2までの間の超音波の伝播距離は、健全な流体搬送パイプ2の場合の伝播距離よりも減肉量Xの値X2の2倍の量で長くなる。
【0029】
このように、減肉量Xが増すほどに、発信部12および受信部13から反対側の流体搬送パイプ2の内面30は遠くなり、超音波の伝播距離が長くなる。その結果、測られた受信のタイミングTEは後にずれる。従って、測られたタイミングTE、流体W中での音速等に基づいて、ライニング5の減肉量Xを検出することができる。
【0030】
例えば、タイミングTEは、発信部12からの発信時点であるタイミングTSを基準として、反対側の流体搬送パイプ2の内面30から反射した反射エコーが受信部13に到達することにより検出信号のピークPEが立ち上がるタイミングTEまでの間の経過時間として測定される。そして、測定された受信のタイミングTEの測定値を、健全な流体搬送パイプ2の場合に予め計算または実測により求められるタイミングTEの具体値であるタイミングTE0(図2D参照)と比較し、その差となる遅れ量が大きい程に減肉量が大きいと判断する。
【0031】
なお、図2E,図2Fには、比較のために、図2Dに示したピークをも破線で図示してあるが、破線で示したピークは実際の測定時には現れない。
【0032】
また、タイミングTEは、入射位置Pの直近の流体搬送パイプ2内からの反射エコーの戻るタイミング、すなわち、タイミングTSからタイミングTS2(図2D参照)までの間よりも以後のタイミングとされる。これにより、入射位置と反対側の流体搬送パイプの内面30で反射された反射エコーを、入射位置の近傍からの反射エコーと容易に区別することができる。
【0033】
なお、図2Cに示すような大きな減肉部6の検出と同様にしてピンホール欠陥8(図3B参照)を検出することが考えられる。しかし、超音波パルスPAは通例、入射位置から立体的に広がりながら反対側の流体搬送パイプ2の内面30に到達する。この内面30にピンホール欠陥8があるとしても、通例、ピンホール欠陥8は減肉部に比べて小さいので、超音波はピンホール欠陥8の周囲のライニング5の内面7でも反射し、ライニング5の内面7からの反射エコーと、ピンホール欠陥8からの反射エコーとが混ざって検出され、ピンホール欠陥8の有無の検出が困難であった。
(2) ピンホール欠陥の検出
そこで、第2の検出部23は、図3B,図3Dを参照して、流体Wが満たされた流体搬送パイプ2内へ、発信部12から超音波パルスを入射させ、入射したパルスが入射側とは反対側の流体搬送パイプ2の内面30から反射されて上記所定位置Pの受信部13に戻ってくるか否かに基づいて、上記入射側のライニング5のピンホール欠陥8の有無を検出するようにした。なお、入射側とは反対側の流体搬送パイプ2の内面30は、通例、ライニング5の内面7となるが、減肉部6や剥離部でも、同様にピンホール欠陥8を検出できる。
【0034】
ピンホール欠陥8の検出の具体的な説明の前に、健全な流体搬送パイプで同様の手順の検査を行った場合を図3Aおよび図3Cを参照して説明する。
【0035】
図3Aに示すように、ピンホール欠陥8のない健全な流体搬送パイプ2では、超音波はライニング5を通る際に大きく減衰する。また、超音波は、反射エコーとなって受信部13に戻るまでに、流体よりも減衰度合いの大きいライニング5を2度通る必要がある。その結果、超音波の減衰度合いが大きくなるので、反射エコーが非常に小さくなり、反射エコーを検出できなくなってしまう。
【0036】
すなわち、図3Cに示すように、反射エコーが減衰しないで受信される場合の受信のタイミングTEおよびその近傍において、受信部13からの検出信号は小さくて、反射エコーを示すピークが現れない。
【0037】
一方、図3Bに示すように、ピンホール欠陥8が流体搬送パイプ2における発信部12および受信部13の直近の真下にある場合、超音波は、反射エコーとなって受信部13に達するまでに、ライニング5を通らずに済むので、超音波の減衰度合いが小さくなる結果、反射エコーREは大きく維持されて受信部13に到達する。図3Dに示すように、タイミングTEの検出信号に、反射エコーを示すピークPEが現れる。ピークPEは少なくとも一つあれば、反射エコーがあると判る。
【0038】
例えば、第2の検出部22では、受信部13からの検出信号が、図3Cに示すように予め定める所定値PPよりも小さくてノイズレベルに相当するレベルとなるときには、反射エコーがないと判断し、検出信号が、図3Dに示すように、予め定める所定値PPよりも高いピークPEを有するときには、反射エコーがあると判断する。そして、反射エコーREがないときは、ピンホール欠陥8はないと判断し、反射エコーREがあるときは、ピンホール欠陥8があると判断する。なお、図3C、図3Dのグラフでは、ノイズレベル程度となる所定値以下の検出信号を当該所定値を示す直線として簡略に図示した。
【0039】
また、ピンホール欠陥8が大きくなる程に、検出信号のピークPEが大きくなる傾向にある。従って、反射エコーREを示す検出信号のピークPEの大きさに基づき、ピンホール欠陥8の大きさを判断できる。例えば、ピークPEが小さくなる程に、ピンホール欠陥8が小さいと判断でき、例えば、直径約4mmの振動子15を用いる場合には、直径約2mm程度のピンホール欠陥8を検出でき、振動子15の大きさのほぼ半分程度の大きさのピンホール欠陥8を検出できる。
【0040】
また、反射エコーの有無を検出するための所定タイミングTEは、例えば、第1の検出部22でのタイミングTEおよびTE0と同様に設定される。
【0041】
また、発信部12から発信される超音波パルスPAの周波数および受信部13により受信される反射エコーREの周波数は、以下の周波数を含むように設定される。すなわち、パイプ本体3、ライニング5、流体W等の媒質内での超音波の減衰度合いは、超音波の周波数に依存すると考えられる。
【0042】
そこで、第1の検出機能では、超音波の周波数は、減肉部6のある場合およびない場合の何れの流体搬送パイプ2でも、超音波が入射位置と反対側の流体搬送パイプ2の内面30で反射されて反射エコーが検出できるような、減衰度合いとなるように設定される。例えば、超音波の周波数は5MHz〜10MHzの範囲内の値が好ましく、例えば、この値は5MHzとするのがより好ましい。ここで、周波数が10MHzを超えると、減衰度合いが大きくなり、反射エコーが検出できないことがあるからであり、周波数が5MHz未満になると、減肉量の検出精度が低下することがあるからである。
【0043】
第2の検出機能では、超音波の周波数は、ピンホール欠陥のある場合には超音波が入射位置と反対側の流体搬送パイプ2の内面30から戻り反射エコーが検出できるように、且つピンホール欠陥8のない場合には超音波がライニング5で減衰して入射位置と反対側の流体搬送パイプ2の内面30からの反射エコーが検出されないような、減衰度合いとなるように設定される。例えば、超音波の周波数は、標準的な超音波探傷に用いる標準的な周波数よりも高い周波数とされ、例えば、10MHz〜20MHzの範囲内の値が好ましく、例えば、この値は20MHzとするのがより好ましい。ここで、周波数が高くなるほどに、ライニング5による減衰の度合いが高くなり、ピンホール欠陥8のない場合に反射エコーREを検出しないように確実にできるが、周波数が20MHzを超えると、減衰度合いが大きくなり過ぎ、ピンホール欠陥8がある場合に、反射エコーが検出できないことがあるからである。周波数が10MHz未満になると、ピンホール欠陥8がない場合でも反射エコーが検出されることがあるからである。
【0044】
また、超音波の周波数の他、超音波の強さ、受信部13での受信周波数、感度等も、超音波の周波数と同様に適宜調節される。
【0045】
このように本発明の実施形態によれば、減肉量Xおよびピンホール欠陥8を検出するための発信部12および受信部13を流体搬送パイプ2の外周9に配置できるので、ライニング5の減肉量やピンホール欠陥8を、小径の流体搬送パイプ2において検出することができる。また、流体搬送パイプ2の外側から容易に検査でき、例えば、流体搬送パイプ2の使用開始後や、利用中の検査もできる。また、流体が腐食性の場合であっても、探触子14が傷む虞がない。
【0046】
なお、本実施形態では、探触子14は発信部12と受信部13とを一体化したものであったが、これには限定されず、例えば、発信部12と受信部13とを別々に設ける等、公知の構造のものを利用することも考えられる。また、受信部13と発信部12とで兼用され超音波を発信でき且つ反射エコーを受信できる振動子15を有する上述の一体型の探触子14が、受信部13と発信部12とに好ましく、この場合、減肉部6およびピンホール欠陥8を高精度に検出できる。
【0047】
また、上述の実施形態に示す検査装置1は、減肉部6を検出するための検査装置と、ピンホール欠陥8を検出するための検査装置とを一体化していたが、これには限定されず、何れか一方の検査装置の機能を省略することも考えられる。
【0048】
その他、本発明の特許請求の範囲で種々の変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の検査装置の概略構成の模式的なブロック図。
【図2】図1に示す検査装置による減肉量の検出機能を説明するための検査装置とパイプとの模式図を図2A,図2B,図2Cに示し、反射エコーの検出信号波形の所定値以上の強さを縦軸にとり時間を横軸にとるグラフを図2D,図2E,図2Fに示し、健全なパイプを検査対象とする場合を図2Aと図2Dとに、小さな減肉量のパイプを検査対象とする場合を図2Bと図2Eとに、大きな減肉量のパイプを検査対象とする場合を図2Cと図2Fとに示す。
【図3】図1に示す検査装置によるピンホール欠陥の検出機能を説明するための検査装置とパイプとの模式図を図3A,図3Bに示し、反射エコーの検出信号波形の所定値以上の強さを縦軸にとり時間を横軸にとるグラフを図3C,図3Dに示し、健全なパイプを検査対象とする場合を図3Aと図3Cとに、ピンホール欠陥の生じたパイプを検査対象とする場合を図3Bと図3Dとに示す。
【符号の説明】
1 検査装置
2 流体搬送パイプ
3 パイプ本体
4 パイプ本体の内面
5 ライニング
7 ライニングの内面
8 ピンホール欠陥
9 流体搬送パイプの外周
12 発信部
13 受信部
22 第1の検出部(減肉量を検出するための検出部)
23 第2の検出部(ピンホール欠陥を検出するための検出部)
30 入射側とは反対側の流体搬送パイプの内面
R 外周の所定位置を通る流体搬送パイプの径方向
P 所定位置
PA 超音波パルス
RE 反射エコー
TE 戻るタイミング
X ライニングの減肉量

Claims (2)

  1. パイプ本体とパイプ本体の内面に被覆されたライニングとにより構成される流体搬送パイプを検査するための装置において、
    パイプの外周の所定位置からパイプの径方向に沿ってパイプ内に超音波パルスを発信する発信部と、パイプ内からパイプの径方向に沿って反射する反射エコーを上記パイプの外周の所定位置にて受信する受信部と、入射したパルスが入射側とは反対側のパイプの内面から反射されて上記所定位置に戻ってくるタイミングに基づいて、上記入射側とは反対側のライニングの減肉量を検出する検出部とを備えることを特徴とする内面被覆パイプの検査装置。
  2. 請求項1記載の内面被覆パイプの検査装置において、
    入射したパルスが入射側とは反対側のライニングの内面から反射されて上記所定位置に戻ってくるか否かに基づいて、上記入射側のライニングのピンホール欠陥の有無を検出する検出部をさらに備え
    上記ライニングの減肉量を検出する検出部が機能するときには、発信部は、5〜10MHzの周波数の超音波パルスを発信し、
    上記ライニングのピンホール欠陥の有無を検出する検出部が機能するときには、発信部は、10〜20MHzの周波数の超音波パルスを発信することを特徴とする内面被覆パイプの検査装置。
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