JP2012087885A - 軟質ガスケットの締結状態の検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスケットを取り外すことなくその劣化状態を取得し、実際の劣化状態に応じてガスケットの交換時期を適正化し、密封性能および健全性を担保したまま作業量および物量の削減が可能な軟質ガスケットの締結状態の検査方法を提供する。
【解決手段】本発明にかかる軟質ガスケット100の締結状態の検査方法の代表的な構成は、配管の対向するフランジ210間にソフトガスケットまたはセミメタルガスケットからなる軟質ガスケット100が締結された状態で、配管200のフランジ210から該フランジ210とガスケットとの当接面に超音波を入射し、超音波の反射波の強度に応じて締結状態を評価することを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、配管等に装着される軟質ガスケットの締結状態の検査方法に関し、特に軟質ガスケットを取り外すことなく、非破壊で検査する方法に関する。
現在、工場等に設置されている配管は、輸送する流体の種類および限られた設置空間に対応するため、非常に複雑な構造を有している場合が多い。それ故に、配管には屈曲部や分岐点等が多数設けられており、3次元的な配管経路となって流体を各所に輸送している。
配管内を流れる流体の種類は、化学物質や高圧ガスなど、工場の事業内容等に応じて多岐にわたっている。したがって、配管には耐薬品性および耐圧性が求められるため、材質には主に金属が用いられている。しかし、金属を用いた剛性の高い配管を、上述した屈曲部や分岐点等を有する複雑な構造の配管として加工することは容易ではない。そのため、配管には多数の連結部が存在している。
連結部は別々の配管の繋ぎ目(フランジ)であるため、流体を適切に輸送するにはそのフランジを封止する必要がある。特に、環境や人体に影響を与える危険性のある流体の外部への漏洩は、絶対に防止しなくてはならない。そのため、配管のフランジにはガスケットが装着されている。
ガスケットとは、設置される部位の隙間を封止し、その部位に密封性を持たせることが可能なシール材である。ガスケットは、フランジ等の配管同士が接合する部分に挟み込まれ、フランジのボルトの締め付けによって固定されることで、フランジ等の隙間から流体が漏洩することを防止している。ガスケットには様々な種類が存在し、配管の使用態様に応じて適宜選択することが可能である。
ガスケットは、メタルガスケット、セミメタルガスケット、およびソフトガスケットに分類することができる。メタルガスケットは全体的に金属で形成されたガスケットであり、例えば波形ガスケット、のこ歯形ガスケット、平型ガスケット、中空Oリング型ガスケットなどがある。セミメタルガスケットは金属と軟質材料の複合構造を有しており、金属製のフープ材と軟質材料のフィラー材を巻回した構造の渦巻ガスケット、軟質材料の外側に金属薄膜を被覆したメタルジャケットガスケットなどがある。ソフトガスケットは軟質材料からなり、各種ゴムからなるゴムシート、混合繊維からなるジョイントシート、膨張黒鉛を使用した膨張黒鉛シートなどがある。
本出願においては、メタルガスケットを除いて、ソフトガスケットおよびセミメタルガスケットを、総称して軟質ガスケットと称する。軟質ガスケットは、材質に軟質材を用いているため、配管等の接合面に密着でき、高い密封性能を発揮することが可能である。中でも渦巻ガスケットと呼ばれるガスケットは、金属製のフープ材と軟質材を用いたフィラー材とを交互に渦巻き状に巻きつけた構造を有しており、通常のゴムなどからなるガスケットよりも高温・高圧に対する耐久性が格段に向上している。フィラー材に膨張黒鉛を用いた渦巻ガスケットは、高温・高圧の状況下でも好適に流体の漏洩を防ぐことができるとされている。さらに、従来の石綿(アスベスト)を用いた渦巻ガスケットに比べて、人体への悪影響を押さえた構造をとることができるとされている(例えば特許文献1参照)。
ガスケットの密封性能および健全性は、ガスケットとフランジの接触応力に大きく依存することが知られている。接触応力は、フランジ同士を締結するボルトの締め付けトルクによって管理される。むろん設計値と経験により、および取り付け後の確認作業によって、完全に密閉された状態となってから運用される。しかし、結果として密封されているとしても、内部で実際にどのような締結状態(接触応力の状態)になっているかはわからなかった。
これに対し特許文献2には、歪センサによって弁の蓋の歪みを検出し、歪センサの検出値からガスケットの面圧を求めることが記載されている。なお特許文献2では、面圧に対応するガスケットの劣化程度からガスケットの交換時期を予測し、他の部材の交換時期を勘案して弁の点検時期を予測することが提案されている。
また非特許文献1には、メタルガスケットにおいて、超音波を利用する接触圧力測定法が説明されている。非特許文献1によれば、メタルガスケットでは接触面に作用する垂直荷重が真実接触面積に比例すると仮定し、真実接触面積の変化を反射波音圧として検出できるとしている。
特開平9−317894号公報 特開2002−310333号公報
水口義久「超音波による接触圧力測定」、日本機械学会論文集(A編)昭和59年9月、第50巻、第457号、p1668−1674
ガスケットは載荷(締め付けること)によって弾性変形し、所定の応力を生じて封止している。しかし、時間の経過と共に劣化し(クリープ現象による応力緩和や、変質による硬化など)、密封性能および健全性も低下していく。このため、ガスケットはいずれ点検・交換する必要がある。交換は漏洩を生じる前に行う必要があることから、従来は、時間管理によってガスケットの点検・交換を行っていた。
しかし、仮に同じガスケットであっても、流体や環境の温度、流体の圧力、締め付けトルクなど、使用状況によって劣化の程度は異なってくる。そのため交換時期については余裕を見て、経験上確実に健全であると判断される期間内に設定される。換言すれば、ガスケットを交換する場合には、大抵の場合は多くの健全な期間が残存している。すなわち従来は、まだ使用できる段階でガスケットを交換せざるを得ず、作業量、物量に無駄を生じるという問題がある。
また特許文献2に記載の技術を用いてガスケットの交換時期を判断する場合、歪センサが正常に動作する使用状況下(温度、圧力)でなければ成立しないため、適用範囲が狭いという問題がある。また一般にガスケットの面圧は不均一になった上で漏洩に至るものであるから、1つのガスケットにつき複数の歪みセンサが必要になり(特許文献2の図1では4つの歪みセンサを備えている)、設備コストが高くなるという問題がある。さらには、歪みセンサはガスケットとフランジの間に挟み込み、また締結部の外まで電気配線をする必要がある。歪みセンサを設置した領域および配線が通る箇所ではガスケットによる封止ができないことから、ガスケットの本来の密封性能を大幅に低下させてしまうおそれがある。
さらにまた、ガスケットを取り外してその状態を確認することも考えられる。しかし、ガスケットを取り外すということは配管全体を分解するということであり、点検のためだけに配管全体を分解することは非現実的である。また、締結されていた状態では封止していたガスケットも、取り外してから再装着すると漏洩を生じるようになってしまう場合も少なくない。
なお、ガスケットがメタルガスケットであれば、非特許文献1の技術を用いてガスケットの接触面の状態を知ることができる可能性がある。しかし、メタルガスケットではガスケットが硬質であるため垂直荷重と真実接触面積が比例すると考えることができるが、ソフトガスケットやセミメタルガスケットでは、ガスケットが軟らかいために、垂直荷重が小さいうちから全面が接触すると考えられるため、同列に考えることはできない。
本発明は、このような課題に鑑み、ガスケットを取り外すことなくその劣化状態を取得し、実際の劣化状態に応じてガスケットの交換時期を適正化し、密封性能および健全性を担保したまま作業量および物量の削減が可能な軟質ガスケットの締結状態の検査方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかる軟質ガスケットの締結状態の検査方法の代表的な構成は、配管の対向するフランジ間にソフトガスケットまたはセミメタルガスケットからなる軟質ガスケットが締結された状態で、配管のフランジからフランジと軟質ガスケットとの当接面に超音波を入射し、超音波の反射波の強度に応じて締結状態を評価することを特徴とする。
発明者らが鋭意検討したところ、ソフトガスケットまたはセミメタルガスケットの場合には、メタルガスケットのように接触面積が変化することはないが、垂直応力によってガスケットの密度が変化すると考えられる。この密度の変化によって超音波の反射エコー率が変化するため、超音波の反射波の強度は接触応力に応じて変化することになる。そして上記構成によれば、超音波の反射波によってガスケットを取り外すことなく実際の劣化状態を検査することができる。したがって、密封性能および健全性を担保したまま、作業量および物量の削減を図ることが可能となる。
軟質ガスケットは、フィラー材と金属フープ材が交互に巻回された渦巻ガスケットであってもよい。また、フィラー材は材質に膨張黒鉛を用いるとよい。このようなガスケットは金属ガスケットに比べると応力が緩和しやすいため、特に本発明の利益を享受することができる。
フランジと軟質ガスケットの当接面を複数の区画に分割して、区画ごとに超音波の反射波の平均強度を算出し、区画ごとに接触応力を判定することにより、締結状態を評価することが好ましい。これにより、計測結果を安定させ、精度の高い評価を行うことが可能となる。
反射波の強度を時間をあけて複数回計測し、締結状態の劣化傾向を評価することが好ましい。これにより、現在の劣化状態だけではなく、将来の交換時期の予測を立てることが可能となる。
本発明によれば、ガスケットを取り外すことなくその劣化状態を取得し、実際の劣化状態に応じてガスケットの交換時期を適正化し、密封性能および健全性を担保したまま作業量および物量の削減が可能な軟質ガスケットの締結状態の検査方法を提供することができる。
軟質ガスケットの構造を説明する部分断面図である。 軟質ガスケットの使用態様を説明する断面図である。 軟質ガスケットの締結状態の検査方法を説明する図である。 反射波の強度と接触応力の関係を説明する図である。 締結状態の評価について説明する図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(渦巻ガスケット)
図1は軟質ガスケット100の構造を説明する部分断面図、図2は軟質ガスケット100の使用態様を説明する断面図である。本実施形態では、軟質ガスケットとして膨張黒鉛を用いた渦巻ガスケットを例に用いて説明する。ただし、ソフトガスケットまたはセミメタルガスケットであれば、本発明を適用することができる。
図1に示す軟質ガスケット100は、全体的に円環状の形状を為している。軟質ガスケット100は、内輪部110と、外輪部120と、受圧部130で構成されている。
図1には配管200およびフランジ210の一方側のみを示しているが、締結時には軟質ガスケット100を挟み込むように軟質ガスケット100の両面に対向して配管200のフランジ210が配置される。
内輪部110は中実の金属の円環である。内輪部110は軟質ガスケット100の内縁を構成しており、配管への装着後には流体と接する部分である。このため、内輪部には熱や錆びに対して耐久性の高い材質を用いることが好適であり、例えば耐熱性・耐圧性に優れたステンレス鋼を用いたり、耐薬品性が求められる施設の配管ではPTFE(四フッ化エチレン樹脂)を用いたりするとよい。また剛性の高い材質が内輪部110に用いられることで、受圧部130の変形・破裂を防止することができる。
外輪部120は、内輪部110と同様に中実の金属の円環である。外輪部120は100の外縁を構成する。外輪部120に剛性を有する金属(例えばステンレス)が用いられることで、受圧部130の変形・破裂を防止することができる。
受圧部130は、配管200への締結時において、フランジ210の接合面210a(端面)へ接する部分である。図2に示すように、対向するフランジ210のボルト穴212に挿通したボルト214にナット216を取り付けて締め付けられると、受圧部130は圧迫されて接合面210aに密着する。
受圧部130はフィラー材132と金属フープ材134とから構成されている。フィラー材と金属フープ材134は、内輪部110を中心に交互に巻回された構造を有している。
フィラー材132は主に軟質材で構成され、接合面210aとの密着性を発揮する部材である。本実施形態ではフィラー材132として膨張黒鉛を用いている。膨張黒鉛は耐熱性・耐薬品性を有し、また安価に利用することができる。
金属フープ材134は長い帯状の金属であり、螺旋状に巻回されている。金属フープ材134の断面は中央で屈曲して両端が内側に向かって傾斜しており、断面が「くの字形状(ブーメラン形状)」となっている。これにより134はバネの役割を有し、受圧部130に弾性力(復元力)を持たせている。また接合面210aから圧力を受けて圧縮されても、上記形状であればフィラー材132を間に保持したまま圧縮されるため、フィラー材132の変形・破裂を防止し、密封性能を維持することが可能である。
(軟質ガスケット100の検査方法)
図3は軟質ガスケット100の締結状態の検査方法を説明する図である。図3に示すように、2つの配管200のフランジ210の間に軟質ガスケット100を挟み込み、締結された状態で検査を行う。そしてフランジ210に探触子230(トランスデューサ)を当てて、配管200のフランジ210から、フランジ210と軟質ガスケット100との当接面に超音波を入射する。
探触子230は、直接法で当てても水浸法で当ててもよい。直接法は、乾式で探触子230を直接当接させる方法であり、簡易かつ迅速に計測を実施できる利点がある。水浸法は周囲を囲って水で満たし、探触子230を水中に配置して超音波を入射する方法である。水浸法は、データが安定する(ノイズが少ない)という利点がある。
すると図3(b)に示すように、フランジ210の表面(a)、フランジ210と軟質ガスケット100の界面(b)、軟質ガスケット100と反対側のフランジ210との界面(c)、反対側のフランジ210の表面(d)から反射波が戻ってくる。これらの反射波は距離に応じた時間差を有するため、図3(c)に示すように反射波の強度を時間軸に表すと各々の表面または界面からの反射強度を知ることができる。媒質中の超音波の速度は既知であるから、特定の時間域の反射波を抽出することにより、(b)の反射波の強度を取得することができる。
また横方向(面内方向)についても、入射から反射波を受信するまでの時間差によって判断することができる。ただし時間差を大きくすると(c)の反射波と(b)の横方向に離れた位置からの反射波が混じってしまって判別つかなくなるため、探触子230を移動させながら複数位置において計測を行うことが好ましい。
なお、反対側のフランジ210との界面(c)からの反射波は、反対側のフランジ210から超音波を入射して計測することが望ましい。これは、表面または界面を透過するほどに超音波は弱くなるため、SN比が低下してしまうためである。また、受圧部130がフィラー材132と金属フープ材134の複合材料であるため超音波が乱反射しやすく、この点においても信号の信頼性が低下してしまうためである。
図4は反射波の強度と接触応力の関係を説明する図である。図4(a)は反射波の強度を濃淡で表した映像、図4(b)は感圧紙を用いた応力分布、図4(c)は感圧紙による応力分布と反射波の強度との関係を示している。
図4(a)は、反射波の強度が強い箇所は色を薄く、強度が弱い箇所は色を濃く表示している。なお受圧部130には、実験のために意図的に溝や穴などの人工欠陥を形成している。図4(a)を参照すると、人工欠陥が明瞭に表れていることがわかる。
図4(a)と図4(b)において受圧部130の領域を比較すると、図4(a)では外側の色が濃くなっている。すなわち、受圧部130では外側に行くほど反射波の強度が弱いことを示している。一方図4(b)を参照すると、受圧部130の外側に行くほど色が濃くなっており、これは外側に行くほど応力が高いことを示している。この濃淡の傾向は一致しており、図4(c)に示すように、応力が高いほど反射波の強度が弱いという関係にあることがわかる。なお、受圧部130の外側の接触応力が高いのは、受圧部130より外側でボルト214を締結しているためである。
ここで、反射波の強度は、フランジ210と軟質ガスケット100との境界の反射エコー率rに基づく。反射エコー率は、次式(1)によって表される。
そのため、膨張黒鉛シートやジョイントシートなどの圧縮変形が大きい材料では、接触圧力の変化によって最表層の密度が変化したことにより、反射エコー率が変化したものと推定される。すなわち、軟質ガスケット(ソフトガスケットまたはセミメタルガスケット)では、メタルガスケットのように垂直荷重と真実接触面積が比例するという現象が生じないが、上記のように垂直荷重と軟質材料の媒質密度がほぼ比例することによって反射エコー率が変化する。このことから、接触応力と超音波の反射強度との間に相関関係が生じるものと考えられる。
以上のことから、反射波の強度と接触応力の間に相関関係があることがわかった。そして、少なくとも設置時にはフランジ210同士を締結するボルト214の締め付けトルクは所定の値に設定されるから、受圧部130の面積から得られる接触応力の平均が算出できる。そこで設置時に反射波の強度を測定すれば、受圧部130全体に対する反射波の強度の平均が上記の接触応力の平均と対応するため、反射波の強度から接触応力を定量的に(具体的な数値として)取得することができる。
図5は締結状態の評価について説明する図である。上記の図4(a)を観察すると、全体的な傾向としては「外側に行くほど色が濃い」といえるが、微視的に見れば細かく濃淡が存在する。この濃淡は、接触面圧の変化というよりも、ノイズもしくは測定誤差である。そのため、単に接触応力の下限値に対応する反射波の強度を閾値として判断すると、評価を誤るおそれがある。
そこで図5(a)に示すように、反射波の強度の2次元分布において当接面(受圧部130が存在する領域)を複数の区画に分割し、区画ごとに反射波の平均強度を算出し、区画ごとに接触応力を判定する。これにより、計測結果を安定させ、精度の高い評価を行うことが可能となる。また、一般にガスケットの面圧は不均一になった上で漏洩に至るものであるが、上記のように分割した区画ごとに接触応力を判定することによって、接触応力が弱い箇所を知ることができる。図5(a)では軟質ガスケット100の中心を通る放射状の区画に分割している(各区画は中心に1の頂点を有する三角形をしている)が、格子状に区画を分割してもよい。
また、図5(b)に示すように、反射波の強度を時間をあけて複数回計測し、締結状態の劣化傾向を経過観察して評価することが好ましい。このとき、受圧部130の全体の平均強度を用いてもよいし、区画ごとの平均強度を用いて経過観察してもよい。使用状況によって劣化速度は異なるものの、何点かのデータが得られれば、模範カーブに基づいてその軟質ガスケット100の劣化のプロファイルを算出することが可能となる。これにより、現在の(計測時の)劣化状態だけではなく、将来の交換時期の予測を立てることが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、配管等に装着される軟質ガスケットの締結状態の検査方法として、特に軟質ガスケットを取り外すことなく、非破壊で検査する方法として利用することができる。
100…軟質ガスケット、110…内輪部、120…外輪部、130…受圧部、132…フィラー材、134…金属フープ材、200…配管、202…接合面、210…フランジ、210a…接合面、212…ボルト穴、214…ボルト、216…ナット、230…探触子

Claims (4)

  1. 配管の対向するフランジ間にソフトガスケットまたはセミメタルガスケットからなる軟質ガスケットが締結された状態で、
    前記配管のフランジから該フランジと前記軟質ガスケットとの当接面に超音波を入射し、
    前記超音波の反射波の強度に応じて締結状態を評価することを特徴とする軟質ガスケットの締結状態の検査方法。
  2. 前記軟質ガスケットは、フィラー材と金属フープ材が交互に巻回された渦巻ガスケットであることを特徴とする請求項1に記載の軟質ガスケットの締結状態の検査方法。
  3. 前記フランジと前記軟質ガスケットの当接面を複数の区画に分割して、
    前記区画ごとに前記超音波の反射波の平均強度を算出し、該区画ごとに接触応力を判定することにより、締結状態を評価することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の軟質ガスケットの締結状態の検査方法。
  4. 前記反射波の強度を時間をあけて複数回計測し、締結状態の劣化傾向を評価することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の軟質ガスケットの締結状態の検査方法。
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