JP7008563B2 - 機能部品の取付構造 - Google Patents

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Description

本明細書で開示される技術は、機能部品の取付構造に関する。
従来、乗物用内装材に対して機能部品を着脱可能に取り付ける取付構造として、下記特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1ではインストルメントパネル(乗物用内装材)に形成された孔に対してポケット(機能部品)の凸部を挿入する取付構造が記載されており、ポケットの上縁に形成された凸部をパネル本体の孔に挿入した後、ポケットの下縁に形成された凸部をパネル本体の孔に挿入する構成となっている。また、ポケットの下縁に形成された凸部を孔に挿抜する際には、この凸部の爪部を弾性変形させることで、挿抜を行うことが可能となっている。
特開平11-235952号公報
上記構成では、ポケットをインストルメントパネルから遠ざかる側に引っ張った際には、ポケットの下縁が弾性変形しつつ、パネル本体の孔から抜ける事態が懸念される。
本明細書で開示される技術は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、機能部品を乗物用内装材に対してより確実に取り付けることが可能な機能部品の取付構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段として、本明細書で開示される技術は、機能部品を乗物用内装材に対して取り付ける機能部品の取付構造であって、前記乗物用内装材は、板状をなす内装材本体部を備え、前記内装材本体部及び前記機能部品のうちいずれか一方には、貫通孔を有する壁部が設けられ、他方には、前記壁部に向かって突出する一対の係止爪が設けられ、前記一対の係止爪は、前記貫通孔に対して挿入されると共に、前記貫通孔の孔縁部に対して係止する構成とされ、前記一対の係止爪は、互いに対向配置されると共に、互いに接近する方向に弾性的に撓み変形が可能な構成とされ、前記一対の係止爪の間には、前記一対の係止爪の対向間隔が小さくなることを規制するスペーサが介在され、前記スペーサは、前記一対の係止爪の間に配される第1位置と、前記一対の係止爪の間に配されない第2位置との間で変位可能となるように前記他方に対して取り付けられている。
スペーサが第2位置にある状態では、一対の係止爪の間にスペーサが配されておらず、一対の係止爪が撓み変形可能となっている。一方、スペーサが第1位置にある状態では、一対の係止爪の間にスペーサが配されているから、一対の係止爪が撓み変形することが規制される。このため、スペーサが第2位置にある状態で一対の係止爪を貫通孔に挿入することで、容易に挿入作業を行うことができ、挿入作業の後、スペーサを第1位置に変位させることで、一対の係止爪を貫通孔に対して抜け止めすることができる。また、機能部品を取り外す場合には、スペーサを第2位置にすることで、一対の係止爪を容易に貫通孔から取り外すことができる。以上のことから、機能部品の取付に係る作業性を向上させると共に機能部品を乗物用内装材に対してより確実に取り付けることができる。
上記構成において、前記スペーサは、前記他方に対して回動可能に取り付けられた回動部材の一部であり、前記回動部材の回動軸は、前記一対の係止爪の並び方向に沿う方向に延びる構成とされるものとすることができる。回動軸を回動させることで、スペーサを第1位置と第2位置との間で回動変位させることができる。
また、前記壁部は、長手状をなし、前記一対の係止爪は、前記壁部の長手方向に沿って複数組並ぶ形で配され、前記他方には、前記壁部の長手方向に沿って変位可能なスライダが設けられ、前記スライダが前記回動部材に対して前記壁部の長手方向の一方側から当接することで前記回動部材が回動する結果、前記スペーサが前記第2位置から前記第1位置に回動変位する構成とされ、前記スライダが前記回動部材に対して前記壁部の長手方向の他方側から当接することで前記回動部材が回動する結果、前記スペーサが前記第1位置から前記第2位置に回動変位する構成とすることができる。
スライダを変位させることで、その変位方向(壁部の長手方向)に沿って並ぶ複数組の一対の係止爪に対応する各スペーサを回動変位させることができる。このため、複数のスペーサを容易に第1位置と第2位置との間で変位させることができ、作業性が良好となる。
本明細書で開示される技術によれば、機能部品を乗物用内装材に対してより確実に取り付けることができる。
実施形態1に係るドアトリムを示す斜視図 図1のドアトリムにおいて貫通孔を露出させた状態の斜視図 図1のスピーカ装置を示す斜視図 一対のレール構成部材を示す断面図(突出部が収容位置にある状態) 一対のレール構成部材を示す断面図(突出部が突出位置にある状態、図3のV-V線で切断した図に対応) 一対の回動部材を示す図(突出部が収容位置にある状態) 一対の回動部材を示す図(突出部が突出位置にある状態) 比較例を示す図 実施形態2に係るスライダを示す図 図9のスライダを上方から視た図 回動部材の変形例を示す断面図 実施形態3に係る取付構造を示す断面図
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1から図8によって説明する。本実施形態のドアトリム10(乗物用内装材)は、図1に示すように、例えば車両用のサイドドアを構成するもので、板状をなすトリム本体部11(内装材本体部)を備える。トリム本体部11は、例えば、アッパーボード12、ミドルボード13、ロアボード14から分割構成されている。アッパーボード12にはインサイドハンドル15が設けられ、ミドルボード13にはオーナメント16、スイッチボード17、及びアームレスト18が設けられている。図2に示すように、トリム本体部11(内装材本体部及び機能部品のうち一方)には、トリム本体部11における車室内側の面から車室内側(乗物室内側)に突出する壁部20が設けられている。壁部20には、スピーカ装置40が吊り下げられる形で取り付けられている。
次に、ドアトリム10に対するスピーカ装置40(機能部品、内装材本体部及び機能部品のうち他方)の取付構造について説明する。壁部20は、車両前後方向に延びる長手状をなしており、壁部20には、スピーカ装置40を取り付けるための貫通孔22が車両前後方向(壁部20の長手方向)に沿って複数個形成されている。貫通孔22は、壁部20において上下方向に貫通する形で設けられ、本実施形態では、複数個の貫通孔22のうち、隣り合う2つの貫通孔22,22を用いてスピーカ装置40の取付が行われる。また、ロアボード14には、車両前後方向に長い収容凹部23が設けられている。収容凹部23は、車室内側に開口されており、壁部20は、収容凹部23の開口縁部のうち、上側の開口縁部を構成する。スピーカ装置40は、収容凹部23の内部に収容されており、壁部20の下方に配されている。なお、図2は、オーナメント16、スイッチボード17、及びアームレスト18を取り外した状態を示している。図1及び図2に示すように、スイッチボード17及びアームレスト18は、壁部20の上方に配されており、複数の貫通孔22を覆う構成となっている。このため、複数の貫通孔22は車両の乗員からは視認できないようになっている。
スピーカ装置40は、図3に示すように、正面視において略六角形状をなす筐体41と、複数の貫通孔42を有するカバー部43(スピーカグリル)と、筐体41の周端部を車室内側から覆う枠部44と、を備える。筐体41内には、図示しない振動板などを備えるスピーカユニット45(音響発生部、図3の破線で示す)が収容されており、カバー部43は、スピーカユニット45を車室内側から覆う構成となっている。
図3に示すように、本実施形態では、壁部20の貫通孔22に対して一対の係止爪80,80が挿入されることでスピーカ装置40が取り付けられている。図4及び図5に示すように、一対の係止爪80,80は、車幅方向(内装材本体部の板厚方向)に沿って対向配置されている。一対の係止爪80,80は、貫通孔22に対して下方(機能部品側)から挿入され、その先端部において、貫通孔22の孔縁部22Aに対して上方から係止する構成となっている。一対の係止爪80,80は、図5に示すように、一対のレール構成部材46,47の上面の各々にそれぞれ設けられ、レール構成部材46,47の各々から壁部20に向かって突出されている。レール構成部材46(図3参照)及びレール構成部材47(図6参照)は、それぞれ車両前後方向に延びる長手状をなしており、互いに対向配置されている。なお、一対のレール構成部材46,47は、下端部において互いにインテグラルヒンジ81(図4の破線参照)によって連結されており、一体的に設けられている。これにより、一対のレール構成部材46,47が別部材で構成されている場合と比べて組付工数や組付に係る締結部品などの部品点数を減らすことができる。
一対の係止爪80,80は車両前後方向に沿って並ぶ形で複数組(本実施形態では2組)設けられている。図4に示すように係止爪80において貫通孔22の孔縁部22Aと対向する面は、傾斜面80Aとなっている。また、筐体41の上面には、2組の一対の係止爪80,80を車両前後方向の両側から挟む形で一対のピン49,49が設けられている。図2に示すように、壁部20においてピン49に対応する箇所には、ピン49が下方から挿通される孔部27が設けられている。孔部27にピン49が挿通されることで、壁部20に対してスピーカ装置40が車両前後方向及び車幅方向について位置決めされる。
一対のレール構成部材46,47には、回動部材60がヒンジピン61を介して回動可能に取り付けられている。また、一対のレール構成部材46,47には、それぞれレール溝48,48が形成され、スライダ50のレール部54,54がレール溝48,48に対して嵌合されている。これにより、スライダ50は、一対のレール構成部材46,47に対して車両前後方向に沿ってスライド変位可能となっている。また、スライダ50は、図6に示すように、正面視において略台形状をなす把持部51と、把持部51の上面に設けられた突起部52とを備える。
回動部材60は、図6に示すように、ヒンジピン61を中心とした略円形状をなす本体部62と、本体部62の外周面から突出する突出部63、第1当接部64,第2当接部65と、を備える。突出部63は、長手状をなす基端部66と、基端部66に対して略直交する形で屈曲する先端部67と、を備える。突出部63は、図6及び図7に示すように、一対のレール構成部材46,47の間に配される収容位置(図6参照)と、一対のレール構成部材46,47の上面から上方に突出する突出位置(図7参照)との間で回動変位可能となっている。なお、回動部材60の回動軸(ヒンジピン61)は、車幅方向(一対の係止爪の並び方向)に沿って延びる構成となっている。
先端部67は、図4に示す収容位置(第2位置)では、一対の係止爪80,80の間に配されない構成となっており、この状態では一対の係止爪80,80は、互いに接近する方向に弾性的に撓み変形が可能な構成となっている。一方、図5に示す突出位置(第1位置)では、一対の係止爪80,80の間に先端部67(スペーサ)が配される構成となっている。このため、突出位置では、一対の係止爪80,80の間に先端部67が介在されることで一対の係止爪80,80の対向間隔が小さくなることが規制されている。このため、貫通孔22の孔縁部22Aに対して上方から係止されている一対の係止爪80,80が貫通孔22から抜ける事態が防止される。
図6に示すように、スライダ50が回動部材60の第1当接部64に対して車両後側(壁部の長手方向の一方側)から当接することで回動部材60が回動する結果、先端部67が収容位置から突出位置に回動変位する構成とされる。また、図13に示すように、スライダ50が回動部材60の第2当接部65に対して車両前側(壁部の長手方向の他方側)から当接することで回動部材60が回動する結果、先端部67が突出位置から収容位置に回動変位する構成となっている。
次に本実施形態の作用及び効果について説明する。ドアトリム10の壁部20に対してスピーカ装置40を取り付ける際には、作業者は、突出部63が収容位置にある状態で、壁部20の孔部27に対してピン49を挿入すると共に、一対の係止爪80,80を貫通孔22に挿入する。続いて、作業者は、図6に示すように、スライダ50を車両前側にスライドさせる。これにより、スライダ50の突起部52(押圧部)が、回動部材60の第1当接部64を押圧し、回動部材60が回動する。この結果、図5及び図7に示すように、突出部63が突出位置となり、先端部67が一対の係止爪80,80の間に配される。
本実施形態において、先端部67が収容位置にある状態では、一対の係止爪80,80の間に先端部67が配されておらず、一対の係止爪80,80が撓み変形可能となっている。このため、一対の係止爪80,80を撓み変形させることで、貫通孔22に対して容易に挿抜することができる。ここで、本実施形態では、図3に示すように、一対の係止爪80,80を2組備え、2組の一対の係止爪80,80が隣り合う2つの貫通孔22の各々に挿入される構成となっている(図6参照)。本実施形態では、隣り合う2つの貫通孔22の並び方向(図6の左右方向)及び壁部20の厚さ方向(図6の上下方向)の両方向について、係止爪80及び貫通孔22の各寸法誤差を吸収することが可能となっている。具体的には、図6に示すように、貫通孔22は、貫通孔22の並び方向(図6の左右方向)について係止爪80の長さよりも長い長手状をなしている。このため、貫通孔22の並び方向について一対の係止爪80,80の位置を調整することができ、貫通孔22の並び方向における係止爪80及び貫通孔22の各寸法誤差を吸収しつつ、各一対の係止爪80,80を各貫通孔22に挿入することができる。
また、図4に示すように、係止爪80において貫通孔22の孔縁部22Aと対向する面(孔縁部22Aに対する係止面)は、傾斜面80Aとなっている。このため、壁部20の厚さ方向について一対の係止爪80,80の位置を調整することができ、壁部20の厚さ方向における係止爪80及び孔縁部22Aの各寸法誤差を吸収しつつ、各一対の係止爪80,80を各孔縁部22Aに対して係止させることができる。一方、先端部67が突出位置にある状態では、一対の係止爪80,80の間に先端部67が配されているから、一対の係止爪80,80の撓み変形が規制される。このため、先端部67が突出位置にある状態では、一対の係止爪80,80を貫通孔22に対して抜け止めすることができる。このため、先端部67が収容位置にある状態で一対の係止爪80,80を貫通孔22に挿入することで、容易に挿入作業を行うことができ、挿入作業の後、先端部67を突出位置に変位させることで、一対の係止爪80,80を貫通孔22に対して抜け止めすることができる。また、一対の係止爪80,80が貫通孔22の孔縁部22Aにそれぞれ係止することから、例えば一方の係止爪のみを備える構成と比べて、より確実に係止させることができる。
図8に比較例を示す。図8では、スピーカ装置40が一対の係止爪80,80を備えておらず、ヒンジピン7を中心として回動する回動部材8を備え、その回動部材8にスライダ50が当接することで回動部材8が回動する結果、貫通孔2の孔縁部2Aに回動部材8の先端部9が係止する構成となっている。図8の構成では、回動部材8を係止させることから、貫通孔2の孔縁部2Aのうち車両前後方向の一方側の孔縁部にしか回動部材8を係止させることができない。このような構成では、回動部材8の寸法誤差や組付誤差によって回動部材8の先端部9の位置がずれると、先端部9が貫通孔2の孔縁部2Aに係止されず、スピーカ装置40の組み付けが正しく行われない事態が懸念される。これに対して、本実施形態では、車幅方向に並ぶ一対の係止爪80,80が貫通孔22の孔縁部22Aにそれぞれ係止することから、図8の構成と比べて、より確実に係止させることができる。なお、本実施形態では、回動部材60の先端部67は一対の係止爪80,80の間に配されていればよいから、回動部材60の組付誤差によって先端部67の上下位置がわずかにずれた場合であっても、先端部67の機能(一対の係止爪80,80の変形防止)を果たすことができる。
また、本実施形態では、スライダ50を変位させることで、その変位方向(壁部20の長手方向)に沿って並ぶ複数の回動部材60を回動変位させることができる。このため、複数の先端部67を容易に収容位置と突出位置との間で変位させることができ、作業性が良好となる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図9から図10によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。本実施形態では、スライダの構成が上記実施形態と異なる。図9に示すように、本実施形態のスライダ150は、正面視において十字形状をなし、作業者が把持するための把持部151と、上下方向に延びる押圧部152と、水平方向に延びる一対の延設部154,154と、を備える。また、スライダ150は、ピン153を備え、図10に示すように、ピン153がレール構成部材146,147のレール溝148,148に嵌合することで、車両前後方向に沿ってスライド変位可能となっている。スライダ150の押圧部152によって回動部材60を押圧することで、回動部材60を回動させる構成となっている。
本実施形態では、ピン153を用いてスライダ150をスライドさせる構成とすることで、例えば、スライド方向に長い長手状をなすレール部がレール溝148に嵌合する構成と比べて、レール溝148の内面との接触面積を小さくすることができる。このため、レール溝148に対するスライダ150の摺動抵抗を小さくすることができる。
ところで、トリム本体部11の表面は、曲面を有する場合があり、そのような曲面部分にスピーカ装置40を配置する場合には、トリム本体部11の曲面に倣って一対のレール構成部材146,147を湾曲させる場合がある(図10参照)。なお、図10では、車室内側に突出する形で一対のレール構成部材146,147が湾曲する構成を例示している。このような構成では、レール溝148も湾曲形状となり、直線状をなす構成と比べて、スライダ150の摺動抵抗が大きくなり易い。このため、ピン153を用いたスライド機構は、一対のレール構成部材146,147のレール溝148,148が湾曲形状をなす場合において特に好適である。
なお、スライダ150が備える一対の延設部154,154はレール溝148に嵌合することで、ピン153を中心としてスライダ150が回動することを規制する機能を有している。
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図12によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。本実施形態では、スピーカ装置340(機能部品)に壁部320が設けられ、トリム本体部311(内装材本体部)に一対の係止爪80,80が設けられている点が上記実施形態と相違する。具体的には、図12に示すように、一対の係止爪80,80を有する一対のレール構成部材46,47がトリム本体部311に対して取り付けられており、一対の係止爪80,80はトリム本体部311に形成された挿通孔312を通じてスピーカ装置340側へ突出されている。一対の係止爪80,80は壁部320に形成された貫通孔322に対して挿入されると共に、貫通孔の孔縁部322Aに対して下方から係止する構成となっている。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、乗物用内装材として車両用内装材であるドアトリムを例示したが、これに限定されない。乗物用内装材は、インストルメントパネル、ラゲージトリム、パッケージトレイ等他の車両用内装材であってもよく、また、車両以外の乗物(船舶、航空機等)の内装材であってもよい。
(2)上記実施形態では、機能部品としてスピーカ装置を例示したが、これに限定されない。機能部品として、照明装置を備えるドアポケット等を例示することができる。
(3)上記実施形態では、先端部67が回動変位することで、一対の係止爪80,80の間に出入りする構成を例示したが、これに限定されない。例えば、先端部67が直線的に変位することで、一対の係止爪80,80の間に出入りする構成としてもよい。
(4)上記実施形態では、スピーカ装置が壁部の下方に配されている構成を例示したが、これに限定されない。例えば、壁部が鉛直方向に沿って延び、スピーカ装置が壁部の側方に配される構成であってもよい。
(5)一対の係止爪80,80の個数は上記実施形態で例示した個数(2組)に限定されず適宜変更可能である。
(6)上記実施形態では、一対の係止爪80,80が平行状をなす形で配されている構成を例示したが、図11に示すように、一対の係止爪80,80が外側に撓み変形するように、回動部材60の先端部167の幅寸法が設定されていてもよい。このようにすれば、係止爪80,80を貫通孔22の孔縁部22Aに対してより確実に係止させることができ、貫通孔22や係止爪80の寸法誤差が大きい場合において特に好適である。
(7)上記実施形態では、2組の一対の係止爪80,80の各々が2つの貫通孔22の各々に挿入される構成としたが、これに限定されない。例えば、2組の一対の係止爪80,80が、車両前後方向に長い1つの貫通孔に挿入されていてもよい。また、3組以上の一対の係止爪80,80を備えていてもよい。
(8)上記実施形態では、スライダによって複数の回動部材を連続的に回動させる構成を例示したが、スライダを備えておらず、回動部材を一つずつ手動で回動させる構成としてもよい。
10…ドアトリム(乗物用内装材)、11…トリム本体部(内装材本体部)、20,320…壁部、22,322…貫通孔、22A,322A…貫通孔の孔縁部、40,340…スピーカ装置(機能部品)、50,150…スライダ、60…回動部材、61…ヒンジピン(回動部材の回動軸を構成)、67,167…先端部(スペーサ)、80…係止爪

Claims (1)

  1. 機能部品を乗物用内装材に対して取り付ける機能部品の取付構造であって、
    前記乗物用内装材は、
    板状をなす内装材本体部を備え、
    前記内装材本体部及び前記機能部品のうちいずれか一方には、貫通孔を有する壁部が設けられ、他方には、前記壁部に向かって突出する一対の係止爪が設けられ、
    前記一対の係止爪は、前記貫通孔に対して挿入されると共に、前記貫通孔の孔縁部に対して係止する構成とされ、
    前記一対の係止爪は、互いに対向配置されると共に、互いに接近する方向に弾性的に撓み変形が可能な構成とされ、
    前記一対の係止爪の間には、前記一対の係止爪の対向間隔が小さくなることを規制するスペーサが介在され、
    前記スペーサは、前記一対の係止爪の間に配される第1位置と、前記一対の係止爪の間に配されない第2位置との間で変位可能となるように前記他方に対して回動可能に取り付けられた回動部材の一部であり、
    前記回動部材の回動軸は、前記一対の係止爪の並び方向に沿って延びる構成とされており、
    前記壁部は、長手状をなし、
    前記一対の係止爪は、前記壁部の長手方向に沿って複数組並ぶ形で配され、
    前記他方には、前記壁部の長手方向に沿って変位可能なスライダが設けられ、
    前記スライダが前記回動部材に対して前記壁部の長手方向の一方側から当接することで前記回動部材が回動する結果、前記スペーサが前記第2位置から前記第1位置に回動変位する構成とされ、
    前記スライダが前記回動部材に対して前記壁部の長手方向の他方側から当接することで前記回動部材が回動する結果、前記スペーサが前記第1位置から前記第2位置に回動変位する構成である機能部品の取付構造。
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