JP7007687B2 - 喘息予防治療効果を有する未熟みかんアルカロイド抽出物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
喘息の一般的な症状として、息切れ、咳、胸部圧迫感、胸部の不快感及び呼吸困難が現れ、十分に控えなければ、生活品質に大きく影響し、命さえ脅かす。
未熟みかん抽出物は、酸-アルカリ抽出法を用いて、新会柑(中国広東省新会出産のミカン)の幼果(未熟みかん)から抽出されたアルカロイドに富んだ抽出物である。現在、臨床的に喘息を根治できる理想的な薬物がまだないため、喘息の症状を予防又は軽減可能な製品の研究開発は、既に国内外の医学界に注目された課題となっている。
本発明は、喘息に対して保護効果を有する未熟みかんアルカロイド抽出物を提供することを目的とする。
本発明は、喘息に対して保護効果を有する未熟みかんアルカロイド抽出物の製造方法を提供することを別の目的とする。
本発明の技術的解決手段は以下のとおりである。
喘息の補助治療・治療・予防・緩和用製品の製造における、未熟みかんアルカロイド抽出物の使用である。
さらに、前記喘息はヒスタミンに起因する喘息である。
上記未熟みかんアルカロイド抽出物の使用は、
未熟みかんを粉砕し、エタノールを添加して加熱還流で抽出し、冷却濾過し、濾滓と濾液Iを分離し、エタノールを濾滓に添加し、加熱抽出して濾液IIを取り、濾液Iと濾IIとを合わせるステップ1)と、
ステップ1)で合わせた濾液を減圧濃縮し、溶解し、pHを調整し、濾過して濾液を取るステップ2)と、
ステップ2)の濾液のpHを調整し、濾過して濾液を取るステップ3)と、
ステップ3)の濾液を有機溶媒で抽出し、抽出液を減圧濃縮して有機溶媒を除去して、未熟みかんアルカロイド抽出物を得るステップ4)と、を含む。
さらに、
ステップ1)における前記未熟みかんとエタノールとの原料-溶液比は1:8~10である。
さらに、ステップ1)における前記濾滓とエタノールの原料-溶液比は1:5~6である。
さらに、ステップ2)における前記pHは、塩酸で2~3に調整する。
さらに、ステップ3)における前記pHは、アンモニア水で9~10に調整する。
さらに、ステップ4)における前記有機溶媒はクロロホルムである。
上記いずれか一項に記載の使用で製造された未熟みかんアルカロイド抽出物である。
上記未熟みかんアルカロイド抽出物を経口投与するという、喘息を補助治療・治療・予防・緩和する方法である。
本発明は、未熟みかんアルカロイド抽出物がヒスタミンに起因する喘息に対して顕著な改善作用を有し、喘息モルモットの気道抵抗の上昇と動肺コンプライアンスの低下を効果的に緩和し、好酸球の上昇を抑制し、血清中IgE、IL-4及びIL-5の含有量を低減し、その肺臓組織の炎症性細胞浸潤度を低減することができることを発見した。未熟みかんアルカロイド抽出物はモルモットの体重に顕著な影響を与えず、喘息に対して予防、緩和、補助治療又は治療の作用を有する。
本発明の未熟みかんは、6~8月に摘み取った新会柑の幼果である。
(1)乾燥した未熟みかんを粗粉砕し、未熟みかんとエタノールとの原料-溶液比が1:8になるように95%のエタノールを添加し、加熱還流で1h抽出し、冷却濾過し、濾滓と濾液Iを分離し、1:5の原料-溶液比で濾滓中にエタノールを添加し、1h加熱抽出して濾液IIを取り、濾液Iと濾液IIとを合わせる。
(2)ステップ(1)濾液を減圧濃縮し、適量の水を添加して溶解し、20%の塩酸でpH=2に調整してアルカロイドを無機酸塩にして水に溶解させ、濾過して濾液を取る。
(3)ステップ(2)の濾液に適量のアンモニア水を添加してpH=9に調整してアルカロイドを遊離させ、濾過して濾液を取る。
(4)ステップ(3)の濾液に適量のクロロホルムを添加して抽出し、十分に均一に混練した後に静置分層させて、クロロホルム層を除去し、減圧濃縮してクロロホルムを除去すると、得られたエキスが未熟みかんアルカロイド抽出物であり、収率は1.5%である。
1gの未熟みかん抽出物を10mLの無水エタノールで溶解し、0.01mol/Lの塩酸溶液を10mL添加して、5mLの蒸留水とを混合し、さらに3滴のメチルレッド指示薬を滴下し、0.02mol/Lのアンモニア水溶液を用いて滴定して色を赤色から黄色に変化させ、実験に用いたアンモニア水溶液の体積を記録し、下式で未熟みかん抽出物中の全アルカロイド(シネフリン当量で計算)の含有量を計算する。
W=2×(v1 n1 -1/2v2 n2 )×M/m
式中、Wは、全アルカロイド含有量(mg/g)、v1 は、用いた塩酸溶液の体積(mL)、n1 は、塩酸溶液の濃度(mol/L)、v2 は、用いたアンモニア水溶液の体積(mL)、n2 は、アンモニア水溶液の濃度(mol/L)、Mは、未熟みかんの主なアルカロイドであるシネフリン(図1において、シネフリンは本発明の最も主要なアルカロイドであるため、抽出される全アルカロイドはシネフリン当量により計算する必要がある)の分子量(167.21g/mol)、mは、未熟みかん抽出物の質量(g)である。
分析条件:Agilent1200(米国アジレントテクノロジー社);VWD検出器、検出波長275nm;カラム(Waters XBridge RP18 column 米国トランジス社)250mm×4.6mm、5μm;カラム温度30℃;移動相アセトニトリル:0.2%;氷酢酸溶液32:68;注入量20μL。
HPLCスペクトルは、シネフリン標準品のスペクトル(ピーク時間19.393min)と比較すると、未熟みかん抽出物が19.312minにピークを有する(図1のA及びB)ことが発見され、さらにUPLC-QTOF-MSで該化合物のポジティブイオンモードでm/zを168.1と検出したが、シネフリン標準品と一致しているため、未熟みかんアルカロイドとして抽出される主要成分がシネフリンであることが確認され、シネフリンの含有量は高く、収率は1.5%である。
1.材料
(1)供試試料
未熟みかんアルカロイド抽出物50g、陽性対照薬のサルブタモール(保存条件:4℃、蒸留水で溶解)
(2)実験機器(名称;型番;メーカー)
圧縮霧化器;Pari Turbo boy;ドイツ PARI社
Power labマルチチャネルの生理記録計;P23516;オーストラリアADInstruments社
シリンジポンプ;HX-901A;広州華璽医療科技有限公司
圧縮霧化吸入器;BARI BOY;ドイツ
生物顕微鏡;Olympus XDS-1B;日本
冷凍遠心分離機;Eppendorf 550;ドイツ
マイクロプレートリーダ;TECAN;スイス
(3)実験試薬(試薬;純度(仕様);メーカー)
未熟みかんアルカロイド抽出物;10mg/mL;自製(抽出方法は実施例1を参照)
ヒスタミン;≧99.0%;Sigma
ヘパリンナトリウム;0.1%;Sigma
ウレタン;化学的に純粋;国薬集団化学試薬有限公司
生理食塩水;化学的に純粋;自製
無水エタノール;分析用試薬;成都科竜化工試薬工場
オボアルブミン;Sigma;USA
免疫グロブリンE(IgE)キット;南京建成;中国
IL-4試薬キット;南京建成;中国
IL-5試薬キット;南京建成;中国
生理食塩水の調製方法:NaClを9.0g秤量し、少量の蒸留水に溶解させ、1000mLに定容する。
(4)実験動物
モルモットは、雌性と雄性がそれぞれ半分であり、動物体重230±20g、48匹であり、平均体重が20%以内に異なっている。南方医科大学実験動物センターから購入し、実験動物の品質合格証番号がSYXK(粤)2011-0025である。飼育環境は、特定の病原体のない動物(SPF)級である。
試験はいずれもAAALAC(国際実験動物ケア評価認証協会)の国際認証仕様要求及び本実験室の実験動物管理及び使用委員会(IACUC)による関連制度に従って実施する。試験計画は、実施前に試験機関の実験動物管理及び使用委員会により審査されて承認を得られた。
(5)飼育管理
動物の受領及び適応期:全ての動物は当日に到着した後に検疫室に飼育し、適応期として少なくとも5日観察した後、実験を行う。
飼料:モルモットの成長繁殖用の飼料について、動物飼料はメーカーからロットごとに品質検査報告を提供してもらう。
48匹のモルモットを以下のような6群にランダムに分ける。
低用量群:未熟みかんアルカロイド抽出物10mg/kg/day;
中用量群:未熟みかんアルカロイド抽出物20mg/kg/day;
高用量群:未熟みかんアルカロイド抽出物40mg/kg/day;
ブランク対照群:何の処理もない(投与なし、刺激なし);
モデル群:モデル作製前に何の処理もない(投与なし、ヒスタミンで刺激);
陽性対照群:モデル作製前に何の処理もせず、ヒスタミンで刺激しモデル作製した後に霧化吸入で、投与量0.25mg/kg、濃度0.4mg/mL、流速1mL/minでサルブタモールを投与し、マウス体重により噴霧投与を継続する時間を算出(10~15秒)を算出する。
(1)胃内投与被験試料
低用量群、中用量群及び高用量群のモルモットに、それぞれ特定の含有量の被験試料(未熟みかんアルカロイド抽出物、予防のための投与)を経口投与し、ブランク対照群、モデル群及び陽性対照群は、それぞれ蒸留水(体積10mL/kg)を与える。
毎日胃内投与し、28日間持続し、週ごとにモルモットを二回称量する。
(2)ヒスタミンで喘息を誘発しモデルを作製
被験試料の投与が終了した後、モルモットは長期にわたって胃内注入で関与して飼育する必要があり、体質が弱いことを考えれば、薬物を噴霧投与すると、気道内の粘性物質の過剰な分泌で、ヒスタミン溶液を吸入したときに、症状を引き起こさない可能性があり、その後薬効の評価に不利となるため、本発明はヒスタミンの静脈注射で喘息モデルの形成を誘導する。モデル群及び陽性対照群は、1mL/minの速度でヒスタミン(濃度15μg/mL)を0.5mL静脈注射し、ブランク対照群は、ヒスタミンとは等体積の生理食塩水を投与する。
(3)肺機能生理信号の収集
i)呼吸生理データの測定:
各群のモルモットを秤量した後、1.25g/kgの25%ウレタン溶液を腹腔内注射してモルモットを麻酔し、モルモットに対して腹部が上向きに全身を固定し、首の皮膚を切開し、気管挿管及び首静脈挿管を実施する。
呼吸流速:挿管手術後、モルモットを体積2Lのモルモット・プレチスモグラフィに入れ、モルモットの左上肢、右上肢、右下肢にそれぞれ心電測定プローブの正極、負極及び接地線を挿入する。気管挿管をプレチスモグラフィの側壁の管路を通過させてプレチスモグラフィ外に延伸させ流量ヘッドに接続し、呼吸流速値の測定に用いる。
胸腔内圧:モルモットの右胸第四肋骨、第五肋骨の間に胸腔内圧挿管を挿入し、該挿管が導管を介してプレチスモグラフィの側端の開孔から圧力トランスジューサに接続され、ブリッジアンプによりPower lab生体信号収集処理システムに接続する。胸腔内圧挿管とインターフェースとの接続により、インターフェースと胸腔内圧の圧力が等しく、さらにインターフェースに1つの圧力変換器を接続して、圧力変換器によりインターフェイスの圧力を検出することで、モルモット体内の胸腔内圧を検出する。
一回換気量:以上の全ての管路の接続が完了した後、プレチスモグラフィのカバーを被せて完全に密閉し、この場合にプレチスモグラフの側端にブリッジアンプを接続するための他方の開口があり、これで、動物の呼吸で発生する密閉されたプレチスモグラフ内の容積の変化、すなわち一回換気量を記録することができる。
ii)気道抵抗と動肺コンプライアンス値の計算
Power labで収集できたデータを計算すると、気道抵抗(RL)と動肺コンプライアンス(Cdyn)の変化状況を取得し、以下の同様の計算方法でRLとCdynの数値を統計する。
気道抵抗(RL )=ΔP/ΔV
動肺コンプライアンスCdyn =VT /△P
ここで、ΔP-胸腔内圧の変化値、Pa
ΔV-呼吸流速変化値、L/s
VT-一回換気量変化値、mV
iii)気道抵抗と動肺コンプライアンス変化率の計算
RL とCdyn の変化率を算出するにあたって、毎回は動物の安静状態のときに算出された気道抵抗と動肺コンプライアンスを誘発前の正常値として、刺激後、気道抵抗と動肺コンプライアンスの変化幅が最大となる値(グリッチを取り除く必要がある)を誘発後のRL とCdyn 値として、変化率を算出する。
気道抵抗変化率=(R1 -R0 )/R0
動肺コンプライアンス変化率=(C1 -C0 )/C0
ここで、R1 -誘発後の気道抵抗最大値
R0 -誘発前の気道抵抗平均値
C1 -誘発後の動肺コンプライアンス最小値
C0 -誘発前の動肺コンプライアンス平均値
(4)抗炎症実験
モルモット気管支肺胞洗浄:実験(3)の気管挿管後、1mLのヘパリンー生理食塩水をシリンジで吸引してモルモットの気管支肺に注入し、直ちに洗浄液を徐々に吸引して回収し、繰り返して3回洗浄し、回収率は80%以上である。回収した気管支肺胞洗浄液(BALF)を氷浴に放置する。
細胞数カウント:BALFを4℃、1500r・min-1で10min遠心分離し、遠心沈降細胞を1mlのヘパリンー生理食塩水で再懸濁する。細胞計算盤上で低倍鏡下で白血球の総数を計数する。0.1~0.2mlの細胞懸濁液を吸引してスライドガラス上に均一に塗抹し、室温で乾燥し、続いてWright染色液で5~7min染色し、さらにGiems染色液で1min染色し、清水で洗浄した後に乾燥し、油浸対物レンズで白血球の分類計数を行う。各スライドガラスにおいて200個の細胞を計数する。
血清中の免疫グロブリン(IgE)、IL-4及びIL-5の含有量の測定:各群のモルモットは、静脈挿管の時に適量の血液を取り、遠心分離して血清を取得する。IgE、IL-4及びIL-5キットの説明書(南京建成)により操作して測定する。
(5)病理組織観察
実験終了前に、各群のモルモットを安楽死処置して肺組織を摘出して病理検査を行う。各標本を10%のホルマリン溶液に完全に固定させた後に検体を採取する。採取した検体を、脱水、包埋、切片、HE染色を経て、一般的な光学顕微鏡で観察する。
(6)実験データ処理
実験結果は、いずれも平均数±標準偏差Mean±SDで示し、SPSS19.0ソフトウェアでデータ解析を行い、データ全体は一元配置分散分析を用い、多重比較はLSD法で検定し、P<0.05なら、有意差がある。
(1)未熟みかん抽出物中のアルカロイド含有量の決定
HPLC法により本発明の未熟みかん抽出物の主成分を検出するところ、そのスペクトルは19.312minに主ピーク(図1、ここでAは、シネフリン標準品液相クロマトグラムであり、Bは、未熟みかん抽出物液相クロマトグラムである)を有し、相対含有量が50%前後であり、シネフリン標準品クロマトグラム(ピーク出現時間19.393min)と比較すると、ピーク形状及びピーク出現時間が近く、ピーク出現時間に多少の差があるが、未熟みかん抽出物に他の成分も含むことで引き起こされる可能性があり、さらにUPLC-QTOF-MSを用いて該化合物のポジティブイオンモードでm/zが168.1であり、シネフリン標準品と一致している(図2、ここで、AはMSマススペクトルであり、Bは、MS/MSマススペクトルである)。したがって、未熟みかんアルカロイドから抽出された主要な成分はシネフリンであることを決定する。
酸塩基滴定法で未熟みかん抽出物中のアルカロイド含有量を354.85±18.26mg/gと測定した。
(2)モルモットの体重及び投与状況
表1 各群のモルモットの体重データ及び投与状況テーブル(Mean±SD、n=6)
各群のモルモットにヒスタミン刺激を行う前に、得られた一回換気量、胸腔内圧、呼吸流速データを記録し、前述した式によりヒスタミン刺激前の気道抵抗と肺コンプライアンスを算出した結果を表2に示す。
表2 ヒスタミン刺激前の気道抵抗及び肺コンプライアンス(Mean±SD、n=6)
各群のモルモットに1mL/minの速度で15μg/mLのヒスタミン0.5mLを静脈注射した後、得られた一回換気量、胸腔内圧、呼吸流速データを記録し、前述した式によりヒスタミン刺激後の気道抵抗と肺コンプライアンスを算出した結果を表3に示す。
表3 ヒスタミン刺激後の気道抵抗力及び肺コンプライアンス(Mean±SD、n=6)
Power labで収集できたデータを計算して、表2及び表3を参照して各処理群のモルモットの気道抵抗の上昇率と動肺コンプライアンスの低下率のデータを取得し、表4に示す。
表4 群ごとのモルモットの気道抵抗の上昇率及び動肺コンプライアンスの低下率(Mean±SD、n=6)
陽性対照群の投与後の気道抵抗及び動的肺コンプライアンスの変化状況から、モルモットを刺激した後にサルブタモールを霧化吸入させると、気道抵抗は196.373%しか上昇しておらず、動肺コンプライアンス低下率は26.267%であり、モデル群と比べて非常に顕著な有意差があり、本発明で製造した喘息モデルが喘息抵抗効果の評価に用いられることを示した。
モデル群と比較して、低、中、高用量群に未熟みかんアルカロイド抽出物を飼育したところ、気道抵抗の上昇率が顕著に低下し、動肺コンプライアンス低下率が顕著に上昇し、このような反応は勾配変化があり、気道抵抗の増加度は投与量の増加に伴って徐々に低下し、高投与量になった時には241.277%増加し、同時に、動肺コンプライアンスの低下度は徐々に減少し、高投与量の場合には低下度が24.861%のみであり、未熟みかんアルカロイド抽出物が本実験条件では喘息モデルモルモットの気道抵抗の上昇を抑制し、その動肺コンプライアンス低下作用を緩和して、喘息による呼吸困難症状を軽減できることを示す。
表5からわかるように、ブランク対照群に比べて、モデル群の好塩基球数、好酸球数、好中球数、リンパ球数がいずれも明らかに多くなり、典型的な気道炎症細胞浸潤を示した。未熟みかんアルカロイド抽出物は、好酸球の上昇に対して明らかな抑制作用を有し、モデル群と比較して顕著な有意差がある(P<0.05)。そのうち、高用量群は、非常に顕著な有意差(P<0.01)がある。
表5 未熟みかんアルカロイド抽出物による喘息モルモットBALF炎症細胞への影響(Mean±SD、n=6)
喘息モデル群におけるモルモットの血清中のIgE、IL-4及びIL-5の含有量は明らかに高くなって、表6に示すように、未熟みかんアルカロイド抽出物の中用量群、高用量群は、それぞれ、血清中総IgE、IL-4及びIL-5の含有量(P<0.01)が低減した。
表6 未熟みかんアルカロイド抽出物によるモルモット血清IgE、IL-4及びIL-5含有量への影響(Mean±SD、n=6)
対照群のモルモットの肺臓切片(図3)では、気管支壁及び気管周囲に病変が見られず、肺胞管及び肺胞は構造が明瞭で、肺胞に拡張、萎縮が見られず、肺胞上皮損傷が見られず、肺胞壁毛細血管に拡張や充血が見られず、肺胞壁の厚化が見られず、肺胞腔が明瞭で、浮腫液及び肺出血は見られなかった。未熟みかんアルカロイド抽出物低用量群(図4)では、局所性間質炎症細胞浸潤があり、中用量群では、一部の肺胞中隔が厚くなり(図5)、局所性間質炎症細胞浸潤があり、高用量群(図6)では、炎症細胞浸潤があり、モデル群(図7)では、一部の肺胞中隔の一部がわずかに厚くなり、炎症性細胞浸潤、局所性肺出血があり、陽性対照群(図8)では、様々な程度の炎症細胞浸潤が現れた。
上記実施例は、本発明の好適な実施形態であるが、本発明の実施形態は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内でなされた変更、修飾、置換、組み合わせ、簡略化は、いずれも等価物であり、本発明の保護される範囲に含まれる。
Claims (1)
- 6~8月に摘み取った新会柑の幼果からのアルカロイド抽出物を含むヒスタミンに起因する喘息の補助治療用製品の製造方法であって、以下の手順で前記アルカロイド抽出物を製造する工程を含む、方法:
6~8月に摘み取った新会柑の幼果を粉砕し、エタノールを添加して加熱還流で抽出し、冷却濾過し、濾滓と濾液Iを分離し、エタノールを濾滓に添加し、加熱抽出して濾液IIを取り、濾液Iと濾液IIとを合わせるステップ1)と、
ステップ1)で合わせた濾液を減圧濃縮し、溶解し、pHを調整し、濾過して濾液を取るステップ2)と、
ステップ2)の濾液のpHを調整し、濾過して濾液を取るステップ3)と、
ステップ3)の濾液を有機溶媒で抽出し、抽出液を減圧濃縮して有機溶媒を除去して、アルカロイド抽出物を得るステップ4)と、を含み、
ステップ1)における前記6~8月に摘み取った新会柑の幼果と前記エタノールとの原料-溶液比は1:8~10であり、
ステップ1)における前記濾滓と前記エタノールとの原料-溶液比は1:5~6であり、
ステップ2)における前記pHは、塩酸で2~3に調整し、
ステップ3)における前記pHは、アンモニア水で9~10に調整し、
ステップ4)における前記有機溶媒は、クロロホルムである。
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