以下、本発明に係る歯車加工装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は本実施形態に係る歯車加工装置の正面図、図2は図1の側面図である。
図1及び図2に示すように、この歯車加工装置は、被加工歯車であるワークWを工具である砥石10と同期回転させながら研削加工するものである。そして、ワークWの回転位置を検出するためのワーク加工位置検出部1、ワークWと砥石10とを同期回転させながら研削加工を行うワーク加工部2、及びワーク加工位置検出部1で回転位置の検出がなされたワークWをワーク加工部2へ搬送する搬送部3、を備えるとともに、これらを支持するベース部4を備えている。ワークWは、主としてアーバー5と称されるワーク支持具に支持されており、アーバー5に支持された状態で、搬送部3によって、ワーク加工位置検出部1からワーク加工部2へ受け渡される。以下、各部について、詳細に説明する。
まず、ワークWとこれを支持するアーバー5について、図3及び図4を参照しつつ説明する。図3はワークWを支持したアーバー5の断面図、図4は図3の拡大断面図である。これらの図に示すように、ワークWは、中心に貫通孔が形成された歯車であり、アーバー5は、ワークWを支持する部材である。アーバー5は、円錐台状の下台部511と、この下台部511の下端から下方へ突出する円筒状の閉鎖部512と、下台部511の上端から上方へ延びる円柱状の先端部513と、が一体的に形成されたアーバー本体51を備えている。後述するように、下台部511の下部には、円柱状の収容空間510が形成されており、この収容空間510を閉じるように、上記閉鎖部512が配置されている。アーバー本体51において、下台部511の下端には径方向外方へ延びるフランジ514が形成されている。また、フランジ514の下面には、周方向の複数箇所において凹部515が形成されている。さらに、下台部511の外周面において、フランジ514の上方には、環状の溝516が形成されており、後述する挟持アーム351により挟持されるようになっている。
そして、このアーバー本体51の内部には軸線方向に延びる貫通孔が形成されている。まず、下台部511の収容空間510から先端部513の下端付近まで延びる第1貫通孔571が形成され、さらに、第1貫通孔571の上端から先端部513の上端付近まで延び、第1貫通孔271よりも内径が小さい第2貫通孔572が形成されている。また、閉鎖部512には、下台部511の収容空間510から下方へ延びる第3貫通孔573が形成されている。そして、第1貫通孔571には、円柱状の可動部材52が収容されており、第1貫通孔571を液密にスライド可能となっている。また、収容空間510及び第3貫通孔573には、押圧部材53が収容されている。押圧部材53は、円柱状の本体部531と、この本体部531の上端から径方向外方に延びるフランジ部532と、を備えている。そして、フランジ部532及び本体部531の上部が収容空間510に収容され、本体部531の下部が第3貫通孔573から下方に延びている。
フランジ部532の下面と、収容空間510の底面との間にはバネ54が設けられており、このバネ(付勢手段)54によって、押圧部材53を上方に付勢している。これにより、押圧部材53は、可動部材52を常時上方に押圧している。
一方、本体部531の下部には、径方向外方に延びるストッパ533と、下方に延びる棒状の操作部534とが設けられている。ストッパ533は、第3貫通孔573の下方の開口の周縁に係合しており、これによって押圧部材53の上方への移動範囲を規制している。また、操作部534の下端には、径の大きい概ね円柱状の係合部535が設けられている。
次に、アーバー本体51の先端部513について、図4を参照しつつ説明する。図4に示すように、先端部513の外周面には、深さの浅い凹部574が全周に亘って形成されている。凹部574は先端部の軸方向に延びており、凹部574の上端部及び下端部には、先端部の外周面を全周に亘って覆うOリング55が配置されている。そして、この凹部574を覆うように、円筒状の変形部材56が配置されている。変形部材56は、薄い金属板によって形成されており、Oリング55とともに凹部574を液密に覆うように配置されている。また、上述した第2貫通孔572の先端からは、径方向外方に延びる複数の連通孔575が形成されている。各連通孔575は、凹部574において開口している。したがって、凹部574、第1貫通孔571、第2貫通孔572、及び連通孔575は連通しており、これらの内部には作動油(作動流体)が充填されている。そのため、可動部材52が上方(第1方向)に押圧されている状態では、作動油に圧力が作用し、これによって変形部材56が径方向外方に広がるように変形する。そして、この変形部材56がワークWの貫通孔を径方向内方に押圧することで、ワークWがアーバー5に固定される。一方、押圧部材53がバネ54の付勢力に抗して、下方(第2方向)に引っ張られると、可動部材52に作用する押圧力が解除されるため、可動部材52は下方に移動する。これにより、作動油に作用する圧力が低下し、変形部材56は径方向内方に縮まる。この状態で、ワークWをアーバーから5取り外すことができる。なお、アーバー5の先端部513において、変形部材56が取付けられている部分が、本発明の支持面を構成する。
次に、ワーク加工位置検出部1について説明する。図1及び図2に示すように、ワーク加工位置検出部1は、第1ワーク支持ユニット11、及びワーク吊り下げユニット12により構成されている。第1ワーク支持ユニット11は、ベース部4上に配置されている。また、ベース部4上には上部支持体41が設けられており、ワーク吊り下げユニット12はこの上部支持体41に支持され、第1ワーク支持ユニット11に支持されたワークWを上方から把持するように構成されている。
まず、第1ワーク支持ユニット11について、図5を参照しつつ説明する。図5は第1ワーク支持ユニット11の断面図である。同図に示すように、第1ワーク支持ユニット11は、ベース部4に支持され、軸心が上下方向に延びる筒状の支持本体111を備えている。支持本体111は、ベース部4から上方に突出するように延びており、内部には円筒状の回転支持部材112が配置されている。また、この回転支持部材112の内部の貫通孔には、上下方向に移動可能なプッシュプルロッド113が配置されている。回転支持部材112は、支持本体111の内部で、上部ベアリング114及び下部ベアリング115によって回転自在に支持されている。上部ベアリング114の下方には、ビルトインモータ(駆動部)116が配置されている。具体的には、回転支持部材112の外周面に設けられたロータ1161と、支持本体111の内部でロータ1161と対向するように配置されたステータ1162とで構成されたビルトインモータ116が設けられている。ステータ1162の外周面には、環状の溝1163が形成されており、この溝1163には、ステータ1162を冷却するための冷却水を導入する導入路1164と、導入された冷却水を排出する排出路1165が連結されている。なお、ビルトインモータ116以外であっても、回転支持部材112を回転できるものであれば、特には限定されない。
回転支持部材112の上端部には、上述したアーバー5が着脱自在に取り付けられる。具体的には、回転支持部材112の上端部に筒状の係合部材117が取り付けられており、この係合部材117の内部に、アーバー5の閉鎖部512が挿入される。また、係合部材117の上端部には複数箇所において突出部1171が設けられており、この突出部1171が、アーバー5の凹部515に嵌まるようになっている。これにより、アーバー5は、回転支持部材112上で、軸周りに回転不能に支持される。
回転支持部材112の外周面において、上部ベアリング114の上方には、環状の被検出部1121が取り付けられている。そして、支持本体111の内部空間において、被検出部1121と対向する位置にはセンサ1111が設けられている。これにより、被検出部1121の回転位置、つまりアーバー5の回転位置をセンサ1111により検出可能となっている。また、支持本体111には、このセンサ1111により検出された回転支持部材112の回転位置に基づいて、回転支持部材112を所定の回転位置に回転させる制御部(図示省略)が設けられている。この制御部は、ビルトインモータ116の制御のほか、ワーク加工位置検出部1で行われる動作全般の制御を行うことができる。
回転支持部材112の内部空間は、上下方向に延びる小径部1122と、その下方で小径部1122に連続する大径部1123とで構成されており、この内部空間に上述したプッシュプルロッド113が挿通されている。プッシュプルロッド113は、小径部1122に挿通され、回転支持部材112の上端部、つまり係合部材117から突出するロッド本体1131と、このロッド本体1131の下方に連結され径が大きい筒状の押圧部1132とで構成されている。そして、押圧部1132は、内部空間の大径部1123内に収容されている。また、回転支持部材112の内部空間において、小径部1122と大径部1123との境界の段部と、押圧部1132との間には、プッシュプルロッド113のロッド本体1131に巻き付けられたバネ118が設けられている。このバネ118によって、押圧部1132は下方へ付勢され、これによってプッシュプルロッド113は常時は下方に付勢されている。また、プッシュプルロッド113の押圧部1132の外周面には上下方向に延びる凹部1133が形成されており、この凹部1133に、回転支持部材112の内壁面から延びる突部材1125が係合している。この突部材1125により、プッシュプルロッド113が下方に抜け落ちるのを防止するとともに、凹部1133が上下方向に所定の長さを有することで、プッシュプルロッド113の上下方向への移動範囲を規制している。
支持本体111に下部には、回転支持部材112の下方に駆動する複動型の油圧シリンダ119が設けられている。そして、この油圧シリンダ119のピストン1191は上下動可能となっており、下方からプッシュプルロッド113の押圧部1132を押圧するように構成されている。なお、常時は、プッシュプルロッド113及び回転支持部材112と、ピストン1191との間に隙間が形成されているため、回転支持部材112は、ピストン1191と干渉することなく、プッシュプルロッド113とともに回転可能となっている。
プッシュプルロッド113の先端には、アーバー5の操作部534を着脱自在に固定するための固定機構が設けられている。この点について、図6及び図7を参照しつつ説明する。図6及び図7は、アーバー5が取付けられた第1ワーク支持ユニット11の上部の拡大図である。
図6に示すように、プッシュプルロッド113の先端には、円筒状の固定部材1134が取付けられており、その上端の開口から、アーバー5の操作部534が挿入されるようになっている。また、固定部材1134の壁面の複数箇所には、周方向に所定間隔をおいて断面円形の貫通孔1135が形成されている。そして、各貫通孔1135には、球1136がそれぞれ収容されている。一方、回転支持部材112の貫通孔の内壁面において、プッシュプルロッド113の固定部材1134と対向する位置には、径方向内方へ突出する突部1129が形成されている。
そして、図6に示すように、アーバー5が第1ワーク支持ユニットに11固定されるときには、プッシュプルロッド113が下方に引っ張られ、固定部材1134は、その貫通孔1135が突部1129と対向する位置まで引き下げられる。このとき、貫通孔1135の球1136は突部1129によって径方向内方に押し遣られ、固定部材1134の内部空間に突出する。この状態で、各球1136は、アーバー5の操作部534の係合部535の上端に係合し、アーバー5が上方に抜けないように保持する。これにより、アーバー5は、回転支持部材112に固定され、回転支持部材112とともに回転可能となる。このとき、アーバー5の操作部534を下方に引っ張るための機構(固定機構、プッシュプルロッド等)が本発明の引張手段を構成する。
一方、アーバー5を取り外すときには、図7に示すように、プッシュプルロッド113を上方に押し上げる。これにより、固定部材1134も上方に押し上げられるため、固定部材1134の貫通孔1135は突部1129よりも上方に位置するようになる。そのため、突部1129による球1136への押圧が解除され、球1136は径方向外方に移動する。その結果、球1136とアーバー5の係合部535との係合が解除され、アーバー5を第1ワーク支持ユニット11から取り外すことができるようになる。同様に、アーバー5を取付ける際も、プッシュプルロッド113を上方に押し上げ、この状態で、アーバー5を取付ける。
また、支持本体111の上面には、アーバー5を固定するための4つの固定部1113が設けられている。この点について、図8及び図9を参照しつつ説明する。図8は、支持本体の上端付近を示す断面図、図9は支持本体の動作を示す上部平面図である。
図8及び図9に示すように、4つの固定部1113は、回転支持部材112の周囲で、90度おきに配置されている。各固定部1113は、基部1114と、この基部1114の上面に突出する軸部材1115と、この軸部材1115により回転可能なアーム1116と、を備えている。アーム1116は、基部1114内に収容されて図示を省略する油圧駆動機構により、水平方向の回転と上下方向移動が可能となっている。そして、図9(a)においては、各アーム1116がアーバー5から離れているが、この位置から回転することで、図8及び図9(b)に示すように、各アーム1116は、アーバー5のフランジ514の上面に係合する。これにより、アーバー5が、上方へ抜けるが規制される。
また、図示を省略するが、このワーク加工位置検出部1には、アーバー5に固定されたワークWの回転位置を検出する検出部が設けられている。この検出部で検出されたワークWの回転位置は、上述した制御部に送信される。
次に、ワーク吊り下げユニット12について説明する。図1に示すように、このワーク吊り下げユニット12は、上部支持体41に支持され上下方向に延びるレール121と、このレール121に沿って上下方向に移動可能な移動体122と、を備えている。移動体122にはボールネジ(図示省略)が連結されており、ボールネジの上端には、移動体122の昇降用モータ123が連結されている。
次に、移動体122について、図10及び図11を参照しつつ説明する。図10は移動体の正面図、図11は図10の側面図である。図10及び図11に示すように、この移動体122は、レール121に対して移動可能に支持されたプレート状の第1支持部材1221と、この第1支持部材1221の下方に配置された第2支持部材1222とを備えている。そして、両支持部材1221,1222はガイド棒1223にて連結されている。
第2支持部材1222には、複動型のエアシリンダ1224が取り付けられており、このエアシリンダ1224のピストン1225の先端1226に、L字型の一対のリンク部材1227が係合している。したがって、ピストン1225が上下方向に進退すると、リンク部材1227の下端部同士が互いに近接・離間するようになっている。
また、各リンク部材1227の下端部には、後述するように、ワークWを挟持する挟持アーム1229が係合されている。図11に示すように、両挟持アーム1229は、正面視L字型に形成されており、その上端部は、第2支持部材1222の下端部に形成されたレール1231に支持されている。これによって、両挟持アーム1229は、水平方向に近接離間可能となっている。したがって、上述したように、ピストン1225が進退すると、ワークWが挟持アーム1229にてクランプ・アンクランプされる。
また、第2支持部材1222の下端部には、両挟持アーム1229の間に、筒状のキャップ部材1232が取り付けられている。このキャップ部材1232は、後述するように、ワークWの上端面に当接するように構成されている。
続いて、搬送部3について、図12を参照しつつ説明する。図12は搬送部の断面図である。同図に示すように、搬送部3は、ベース部4に固定される筒状の基台部31と、この基台部31の内部空間に沿って延びる棒状の主軸部材32とを備えている。この主軸部材32は、基台部31の下端部に設けられた駆動ユニット33により、基台部31に沿って上下方向に移動可能に支持されるとともに、軸周りに回転可能に支持されている。主軸部材32の上端部は、基台部31の上端から突出しており、この上端部には、水平方向に延びる回転支持部34が、主軸部材32の軸周りに回転自在に支持されている。回転支持部34の両端部には、それぞれアーバー5を着脱可能に把持するための把持ユニット35がそれぞれ取り付けられている。そして、各把持ユニット35はアーバー5を挟持するための一対の把持アーム36を備えている。この把持アーム36の開閉の制御は、基台部31の上端に設けられたアーム制御ユニット37により行われる。
次に、回転支持部34と、把持ユニット35について、図13及び図14を説明する。図13は回転支持部34の平面図、図14は図13の断面図である。回転支持部34は、水平方向に延びる板状の部材により形成された基板部341を備えている。この基板部341の水平方向の中心部が、主軸部材32の先端に回転自在に支持されている。そして、基板部341の両端部の下面には、上述した把持ユニット35が設けられている。両把持ユニット35の構成は同じであるため、以下では、一方の把持ユニット35について説明する。
把持ユニット35は、一対の挟持アーム351を備えており、基板部341の端部において、水平方向に所定間隔をおいて配置されている。挟持アーム351は、全体として、基板部341に沿って延びるように形成されており、長さ方向の中心部が軸部材352によって基板部341に揺動可能に固定されている。そして、各挟持アーム351の主軸部材32側の基端部同士は、バネ353によって連結されており、これによって各挟持アーム351の基端部同士は、常時、離間するように付勢されている。一方、各挟持アーム351の先端部には、アーバー5を挟持するために円弧状に形成された挟持面3511が形成されている。そして、2つの挟持面3511が対向することで、アーバー5の円柱状の外周面を挟持することができる。具体的には、この挟持面3511はアーバー5の溝516に係合する。上記のように、各挟持アーム351の基端部は、バネ353によって常時離間するように付勢されているため、各挟持アーム351の挟持面3511同士は、常時近接し、アーバー5を挟持する方向に力が作用している。
次に、アーム制御ユニット37について、図15及び図16を参照しつつ説明する。図15は図14のA-A線断面図、図16は図14のB-B線断面図である。図16に示すように、本実施形態では、各把持ユニット35に対して、アーム制御ユニット37が1つずつ設けられている。各アーム制御ユニット37は、平面視L字型に形成されており、これらが組み合わさることで、搬送部3の基台部31の周囲を矩形状に取り囲むように構成されている。ここでは、一方のアーム制御ユニット37について説明する。
アーム制御ユニット37は、回転支持部34が主軸部材32とともに下降したときに、動作し、挟持アーム351を開いて、アーバー5を開放するために機能する。具体的には、図16に示すように、平面視において、基台部31の接線方向に延び、挟持アーム351を作動させる作動部371と、この作動部371に対して垂直に連結され、エアシリンダによって駆動する駆動部372とにより、平面視L字型に形成されている。作動部371は、基台部31の上端部に固定された中央支持部材3711を備えており、その両側に、挟持アーム351の基端部側を外側から挟む一対のアーム作動部材3712を備えている。そして、これらアーム作動部材3712が近接することで、挟持アーム351の基端部が近接するように押圧される。
ここでは、中央支持部材3711を挟んで、図15の左側に配置されているアーム作動部を、第1アーム作動部材3712a、右側に配置されているものを第2アーム作動部材3712bと称することとする。第1アーム作動部材3712aの上端には、挟持アーム351の基端部を押圧するための押圧ピン3713が設けられ、挟持アーム351に向かって延びている。また、第1アーム作動部材3712aの下端部には、水平方向に延びる第1ロッド3714が固着されている。より詳細には、この第1ロッド3714は、第1アーム作動部材3712aの下端部に設けられた貫通孔に固定されており、水平方向延びている。また、第1ロッド3714は、中央支持部材3711に形成された貫通孔に挿通され、第2アーム作動部材3712b側にも延びている。この構成により、第1ロッド3714が水平方向に移動すると、これとともに第1アーム作動部材3712aも移動する。また、第1アーム作動部材3712aの上下方向の中間部にも、貫通孔が形成されており、この貫通孔には、第2ロッド3715が挿通されている。第2ロッド3715は第1アーム作動部材3712aに固定されていないため、第1アーム作動部材3712a及び第2ロッド3715は、それぞれの動きに拘束されることなく、移動可能である。また、第2ロッド3715も、中央支持部材3711に形成された貫通孔に挿通され、第2アーム作動部材3712b側にも延びている。
一方、第2アーム作動部材3712bも、第1アーム作動部材3712aと概ね同様に構成されている。すなわち、第2アーム作動部材3712bの下端部には、貫通孔が形成されており、この貫通孔には、第1ロッド3714が挿通されている。但し、第1ロッド3714は、この貫通孔において第2アーム作動部材3712bに固定されていないため、第2アーム作動部材3712b及び第1ロッド3714は、それぞれの動きに拘束されることなく、移動可能である。また、第2アーム作動部材3712bの上下方向の中間部にも貫通孔が形成されており、この貫通孔には、上述した第2ロッド3715が挿通され、固定されている。したがって、第2ロッド3715が水平方向に移動すると、これとともに第2アーム作動部材3712bも移動する。また、図15に示すように、第2ロッド3715の左側の端部には、バネ3716が設けられており、常時、第2ロッド3715が右側に移動するように付勢している。
中央支持部材3711の中心付近、つまり、第1ロッド3714と第2ロッド3715との間には、水平方向に延びる軸部材3717が設けられている。そして、この軸部材3717には、棒状に延びるスイング部材3718が回転自在に取り付けられている。そして、このスイング部材3718の両端部は、両ロッド3714,3715の外周面に形成された切欠き3700、3701に係合している。すなわち、スイング部材3718の一端部は下側に配置された第1ロッド3714の切欠き3701に係合し、スイング部材3718の他端部は上側に配置された第2ロッド3715の切欠き3700に係合している。これにより、作動部371は、次のように動作する。この点について、図17も参照しつつ説明する。
例えば、図15に示す状態では、バネ3716によって第2ロッド3715が右側に付勢されているため、これに係合しているスイング部材3718は時計回りに付勢されている。これにより、スイング部材3718は第1ロッド3714を左側に付勢している。その結果、図12の状態では、第1ロッド3714に固定された第1アーム作動部材3712aは左側に移動し、第2ロッド3715に固定された第2アーム作動部材3712bは右側に移動する。そのたる、両アーム作動部材3712a,bは互いに離間し、両挟持アーム351の基端部から両アーム作動部材3712a,bが離れた状態となる。
この状態から、第1ロッド3714が右側に移動すると、これに係合しているスイング部材3718は、図17に示すように、反時計回りに揺動する。これにより、スイング部材3718に係合した第2ロッド3715は左側に移動する。すなわち、両ロッド3714,3715は互い反対側に移動する。これにより、第1ロッド3714に固定された第1アーム作動部材3712aは右側に移動し、第2ロッド3715に固定された第2アーム作動部材3712bは左側に移動する。その結果、両アーム作動部材3712a,bは近接し、両挟持アーム351の基端部同士が近接するように押圧する。
続いて、第1ロッド3714を駆動する駆動部372について説明する。図16に示すように、駆動部372は、筒状の本体部3721と、この本体部3721の内部に進退自在に支持された押圧部材3722と、を備えている。押圧部材3722は、棒状に形成され、その先端部が第1ロッド3714の左側の端部に回転自在に設けられたローラ3719に当接している。一方、押圧部材3722の後端部には、エアシリンダ3723が取り付けられており、押圧部材3722を前進または後退させるようになっている。また、押圧部材3722の先端部には傾斜面3724が形成されており、この傾斜面3724がローラ3719と当接している。したがって、押圧部材3722が前進すると、ローラ3719を介して第1ロッド3714は、図16の右側に押し遣られる。すなわち、押圧部材3722の傾斜面3724及びローラ3719により、押圧部材3722の前進運動は、これとは垂直の方向に伝達され、第1ロッド3714を押圧するようになっている。これにより、両アーム作動部材3712a,bが上述したように動作する。
また、押圧部材3722の後端部には、被検出部3725が取り付けられており、この被検出部3725を検出するセンサが本体部3721の2箇所に設けられている。すなわち、押圧部材3722が後退しているときに、被検出部3725を検出する第1センサ3726と、押圧部材3722が前進しているときに被検出部3725を検出する第2センサ3727が設けられている。したがって、いずれかのセンサで被検出部3725を検出することで、押圧部材3722が前進しているか、あるいは後退しているかを検知することができ、さらには、両アーム作動部材3712a,bが挟持アーム351に対して押圧しているか、あるいは離間しているかを検知することができる。
以上のような構成のアーム制御ユニット37が一対設けられており、それぞれが搬送部3の把持ユニット35を動作させるように機能している。
続いて、ワーク加工部2について説明する。図1に示すように、ワーク加工部2は、アーバー5を支持する第2ワーク支持ユニット21と、ワークWの加工を行う砥石10を備えた工具ユニット22と、を備えている。第2ワーク支持ユニット21は、上述したベース部4上に配置されており、上述した第1ワーク支持ユニット11と概ね同様の構成を有している。この第2ワーク支持ユニット21について、図18~図20を参照しつつ説明する。
図18に示すように、この第2ワーク支持ユニット21は、上述した第1ワーク支持ユニット11と概ね同様の構成を有しているため、同じ構成については、同一符号を付してその説明を省略する。但し、同一符号であっても、大きさや形状が多少異なる場合もある。第2ワーク支持ユニット21が第1ワーク支持ユニット11と相違する点は、主として、アーバー5を固定するための機構である。したがって、以下では、主としてこの点について、図19及び図20を参照しつつ説明する。
図19に示すように、回転支持部材112の上部には、円筒状の収容空間701が形成されており、この収容空間701には、円筒状の収容部702が設けられている。また、この収容部702は、収容空間701内で上下方向(軸方向)に移動可能となっており、バネ703によって常時上方に付勢されている。さらに、収容部702は、アーバー5の閉鎖部512の外径とほぼ同じ内径を有する内壁面704を有している。収容部702の外壁面705は、テーパ状に形成されており、上方にいくにしたがって径方向外方に広がるように形成されている。一方、収容空間701の内壁面706には、収容部702の外壁面のテーパと対応するようなテーパが形成されている。すなわち、下方にいくにしたがって径方向内方に内径が小さくなるように形成されている。したがって、収容部702が下方に移動すると、収容空間701の内壁面706によって、収容部702の外壁面705が押圧され、収容部702の壁が径方向内方に移動する。これにより、図20に示すように、収容部702に収容されたアーバー5の閉鎖部512が押圧され、アーバー5が固定される。
次に、収容部702を上下動させるための機構について説明する。図19に示すように、収容部702の下部には、下方に突出する棒状のロッド707が設けられており、このロッド707の下端部には径方向外方に突出する係合部708が形成されている。
このロッド707は、プッシュプルロッド113の先端に設けられた円筒状の固定部材709に収容されている。以下では、プッシュプルロッド113の状部及び固定部材709が通過する回転支持部材112の貫通孔を基準通路1180と称することとする。固定部材709の壁面の複数箇所には、周方向に所定間隔をおいて断面円形の貫通孔710が形成されている。そして、各貫通孔710には、球711がそれぞれ収容されている。一方、回転支持部材112の基準通路1180の上端には、基準通路1180よりも内径の大きい大径部1190が形成されている。これにより、基準通路1180と大径部1190との間には段1199が形成されている。
そして、アーバー5を第2ワーク支持ユニット21に固定するときには、まず、図19に示すように、ピストン1191を駆動してプッシュプルロッド113を上方に押圧する。これにより、係合部708及びロッド707が上方に押圧され、収容部702がバネ703に抗して上方に移動する。その結果、収容部702の壁は収容空間701の内壁面からの押圧力を受けないため、収容部702の壁は縮径せず、アーバー5の閉鎖部512を収容可能な状態となる。このとき、固定部材709の貫通孔710は、上記大径部1190と対向する位置にあり、貫通孔710に収容されている球711は、径方向外方に大径部1190側に突出している。
続いて、図20に示すように、アーバー5の閉鎖部512を収容部702の収容した後、ピストン1191の駆動を解除し、プッシュプルロッド113を下方に移動させる。これにより、固定部材709も下方に移動するため、固定部材709の貫通孔710は、大径部1190と対向する位置から基準通路1180と対向する位置に移動する。そのため、貫通孔710の球711は径方向内方に移動し、固定部材709の内部空間に突出する。これにより、球711が係合部708に係合しつつ、固定部材709とともに下方に移動するため、係合部708、ロッド707、及び収容部702が下方に引っ張られる。そのため、収容部702の壁が、収容空間701の内壁面のテーパに押圧され、径方向内方に移動する。こうして、収容部702の壁がアーバー5の閉鎖部512を押圧し、アーバー5が固定される。
一方、アーバー5を取り外すときには、プッシュプルロッド113を上方に押し上げる。これにより、固定部材709も上方に押し上げられるため、固定部材709の貫通孔710は大径部1190に位置するようになる。そのため、球711は径方向外方に移動し、球711と係合部708との係合が解除される。これにより、係合部708、ロッド707、収容部702はバネ703によって上方に付勢されるため、収容空間701の内壁面により収容部702の壁への押圧が解除され、アーバー5を第2ワーク支持ユニット21から取り外すことができるようになる。
図1に戻って、工具ユニット22の説明を行う。工具ユニット22は、ベース部4上に配置されたコラム221と、このコラム221から第2ワーク支持ユニット21に対して近接離間するサドル222と、を備えている。そして、サドル222の先端には、砥石10が回転自在に支持されている。また、図示を省略するが、工具ユニット22には砥石10を回転させるためのモータ等の駆動源が配置されている。砥石10は、円筒状に形成され、表面にねじが形成されている。そして、このねじがワークWの歯と噛み合い、砥石10及びワークWが同期回転することで、ワークWが研削される。
次に、上記のように構成された歯車加工装置の動作について、図21も参照しつつ説明する。まず、ワーク加工位置検出部1の第1ワーク支持ユニット11及びワーク加工部2の第2ワーク支持ユニット21に、アーバー5をそれぞれ装着する。このとき、搬送部3の回転支持部34は下降しており、アーム制御ユニット37が駆動することにより、回転支持部34に設けられた各挟持アーム351は開かれている。すなわち、各挟持アーム351は、アーバー5から離間している。
ここで、第1ワーク支持ユニット11においては、4つの固定部1113を駆動し、アーム1116をアーバー5のフランジ514上に回転させる。これにより、アーバー5が固定され、上方への移動が規制される。また、アーバー5が取付けられている図6の状態では、アーバー5の係合部535、操作部534、押圧部材53が下方に引っ張られているため、可動部材52は下方に移動している。そのため、アーバー5の先端の変形部材56は縮径しており、ワークWを取り付け可能な状態となっている。この状態で、変形部材56にワークWを嵌め込んだ後、油圧シリンダ119を駆動し、ピストン1191を上方に移動させる。これにより、プッシュプルロッド113が上方に移動し、図7に示すように、押圧部材53が可動部材52を上方に押圧する。その結果、変形部材56が作動油に押圧され、拡径する。こうして、ワークWは、変形部材56に押圧され、アーバー5に固定される。
次に、検出部をワークWの歯面に当接し、ワークWの回転位置(位相)を割り出す。この回転位置は、制御部に送信される。続いて、ワーク吊り下げユニット12を駆動し、キャップ部材1232がワークWに接触するまで移動体122を下降させる。キャップ部材1232がワークWに接触すると、ダンパー1223によりその衝撃は吸収される。こうして、ワークWと移動体122とは接触し、両者の位置決めが完了する。続いて、移動体122のエアシリンダ1224を駆動し、両挟持アーム1229を近接させる。これにより、挟持アーム1229にワークWが挟持される。
続いて、回転支持部材112の下方にある油圧シリンダ119を駆動し、プッシュプルロッド113を下方に移動させることで、変形部材56を縮径させる。これにより、ワークWはアーバー5から取り外し可能となる。続いて、ワーク吊り下げユニット12を駆動し、ワークWを挟持した状態の移動体122を上昇させる。すなわち、アーバー5からワークWを離間させる。このとき、ワークWは回転することなく、移動体122とともに上昇する。この状態で、固定部1113を駆動し、アーム1116をアーバー5から離間させる。続いて、ビルトインモータ116を駆動し、回転支持部材112をアーバー5とともに所定の回転位置まで回転させる。このアーバー5の回転位置は、上述したワークWの回転位置と、予め決められた所定の位相差となるような回転位置である。
これに続いて、固定部1113を駆動し、アーバー5のフランジ514とアーム1116とを係合させる。そして、ワーク吊り下げユニット12を駆動し、移動体122を下降させ、ワークWをアーバー5に装着する。この状態で、両挟持アーム1229を開き、ワークWと挟持アーム1229とを離間させる。次に、プッシュプルロッド113を上昇させ、変形部材56を拡径することで、ワークWをアーバー5に固定する。以上の工程において、検出部により回転位置を検出してから、ワークWをアーバー5から取り外し、再び装着するまでの間、ワークWは回転していない。したがって、ワークWとアーバー5の位相差は、上述したように予め決められたものに設定される。
次に、こうして回転位置が設定されたアーバー5をワーク加工部2へ搬送する。まず、固定部1113を駆動し、アーム1116をアーバー5から離間させる。このとき、アーバー5は、図7に示す状態であるため、第1ワーク支持ユニット11から取り外し可能である。そして、アーム制御ユニット37を駆動し、両挟持アーム351でアーバー5を挟持する。続いて、図21に示すように、搬送部3の主軸部材32を上昇させた後、回転支持部を180度回転させる。これにより、ワーク加工位置検出部1に配置されていたアーバー5がワーク加工部2に搬送される。一方、ワーク加工部2に配置されていたアーバー5はワーク加工位置検出部1に配置される。すなわち、2つのアーバー5の位置が入れ替わる。次に、第1ワーク支持ユニット11を図7の状態とし、第2ワーク支持ユニット21を図19の状態にした上で、主軸部材32を下降させる。これにより、各アーバー5が各ワーク支持ユニット11,21に装着される。その後、第1ワーク支持ユニット11を図6の状態とし、第2ワーク支持ユニット21を図20の状態にすることで、アーバー5が固定される。ここまでの過程で、変形部材56は常時拡径しているため、ワークWはアーバー5において回転位置を変えることなく、固定されている。
続いて、ワーク加工部2における動作について説明する。まず、アーム制御ユニット37を駆動し、両挟持アーム351をアーバー5から離間させる。そして、回転支持部材112をアーバー5とともに回転させ、同時に、砥石10も回転させる。上述したように、ワークWとアーバー5との位相差は、予め決められたものに設定されているため、この位相差に基づいて、アーバー5及びワークWと砥石10とが、同期回転する。これに続いて、砥石10をワークWに押しつけると、両者が同期回転しながら、ワークWの研削が行われる。
一方、ワーク加工位置検出部1に配置されたアーバー5に対しては、上述したように、回転位置の設定を行う。すなわち、ワーク加工部2においてワークWの加工が行われている間に、ワーク加工位置検出部1に配置されたアーバー5に対して回転位置の設定を行い、次に行われる加工に備えておく。これにより、ワークWの加工の効率化を図ることができる。その後、上記動作を繰り返すことで、複数のワークWを効率的に加工することができる。
以上のように、本実施形態によれば、検出部によりワークWの回転位置を検出した後、回転位置を変化させずにワークWを支持部材から離間させる。そして、検出部により検出されたワークWの回転位置と所定の位相差となる回転位置へ、アーバー5を回転する。そのため、ワークWをアーバー5に再度装着すると、アーバー5とワークWとの回転位置の位相差は、予め設定されたものとなる。したがって、どのような回転位置のワークWが支持部材に装着されたとしても、ワークWとアーバー5との位相差は常に一定となる。その結果、この位相差でワークWが装着されたアーバー5を、第2ワーク支持ユニット21に搬送する際には、ワークWの回転位置に関する情報を送信する必要がない。すなわち、ワークWとアーバー5との位相差は、予め設定されたものであるので、加工位置では、個別に情報を得ることなく、この位相差に基づいて、ワークWと砥石100とを同期回転させながら、加工することができる。よって、第1ワーク支持ユニット11と第2ワーク支持ユニット21との間での情報の伝達を行うことなく、ワークWの加工が可能となる。
また、本実施形態に係るアーバー5では、油圧によって変形する変形部材56によってワークWを押圧して固定しているため、径の小さいワークWの固定も可能である。すなわち、このアーバー5は、内部に貫通孔571,572と連通孔575を形成し、円筒状の変形部材56を取付けた簡易な構成であるため、外径を小さくすることができる。一方、例えば、いわゆるコレットチャックなどでワークを固定しようとする場合、コレットチャックは部品が多いため、外径を小さくすることができない。したがって、本実施形態のような構成を採用することで、径の小さいワークWの固定も可能である。
また、このアーバー5は、押圧部材53によって、可動部材52を常時押圧する構成を有しているため、一旦アーバー5にワークWが取付けられると、押圧部材53が引っ張られない限りは、ワークWを固定し続ける。したがって、第1ワーク支持ユニット11と第2ワーク支持ユニット21との間でのアーバー5の交換中において、一旦アーバー5に取付けられたワークWの回転位置は変化しない。よって、上記のようにワークWと砥石100とを同期回転させることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、歯車の研削加工に適用した場合について説明したが、歯車のシェービングやホーニング加工に用いることができるのは勿論である。すなわち、工具とワークとを同期回転させながら加工を行う歯車加工装置全般に適用することができる。
アーバー5の第1貫通孔571と第2貫通孔572は同径であってもよい。可動部材の移動により、作動油を押圧できれば、各貫通孔571、572、連通孔575の形状は特には限定されない。また、可動部材52と押圧部材53とは一体的に形成されていてもよい。
アーバー5は、歯車以外のワークを固定することも可能である。また、上記のような歯車加工装置以外にも適用することができ、アーバーを移動しても、一旦取付けたワーク(被固定物)の回転位置が変わらないようにすることを要求されるような用途に適宜、用いることができる。