JP2002192411A - 工作機械の主軸装置 - Google Patents

工作機械の主軸装置

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JP2002192411A JP2001315674A JP2001315674A JP2002192411A JP 2002192411 A JP2002192411 A JP 2002192411A JP 2001315674 A JP2001315674 A JP 2001315674A JP 2001315674 A JP2001315674 A JP 2001315674A JP 2002192411 A JP2002192411 A JP 2002192411A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホルダレスタイプの工具把持機構を備えた工
作機械の主軸装置において、工具装着の際に、工具の軸
線方向の把持位置に誤差を生じず、主軸の回転軸線と工
具の中心軸線とが一致するように工具を把持し、しかも
工具の脱着が自動で容易に行えるようにする。 【解決手段】 工作機械の回転可能な主軸13の先端部
に主軸13の回転軸線23に沿って延びる工具装着穴2
5を形成すると共に、工具装着穴25周りに変形可能な
薄肉を隔てて圧力室を形成し、主軸13内に形成された
作動流体通路33を介して圧力室を主軸13の後部に設
けた圧力調節装置35に連結し、圧力調節装置35によ
り圧力室内の作動流体の圧力を増減させて、薄肉を弾性
変形させ、工具装着穴25が縮径、拡径することにより
工具装着穴25に挿入された工具を把持、解放する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハウジングに回転
可能に支持された主軸を有する工作機械の主軸装置に関
し、特に主軸の先端部に流体圧式の工具把持機構を備え
工具ホルダを介在させずに工具を把持できる工作機械の
主軸装置に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械には、ハウジングに回転可能に
支持された主軸に工具を装着するとき予め工具を把持し
たホルダを主軸に装着するタイプの主軸装置と、ホルダ
に予め工具を把持してホルダごと主軸に工具を装着する
のではなく、工具単体のまま直接的に主軸に工具を装着
する、いわゆるホルダレスタイプの主軸装置とが使用さ
れる。後者のホルダレスタイプの主軸装置は特に成型金
型のリブ溝等の複雑な形状のワークの加工を比較的細身
の工具を用いて行う工作機械で使用されることが多い。
【0003】さらに、ホルダレスタイプの主軸装置に
は、ドローバーの先端部に設けられたコレットなどによ
って工具のシャンク部分を把持する機械式の工具把持機
構を備えたものや、作動油などの圧力媒体(作動流体)
により主軸先端部に設けられた工具装着穴を弾性変形さ
せて工具のシャンクを把持する流体圧式の工具把持機構
を備えたものが含まれている。なお、本願における
「先」又は「前」とは工具を把持しワーク等を加工する
側を指し、「後」とはワーク等を加工する側と反対側を
指すものとする。
【0004】機械式の工具把持機構は例えば特開平8−
174364号公報に記載されており、工具脱着の際
に、主軸の内部にその軸線に沿って延びるドローバーの
先端部に設けられたコレットにより主軸の先端部に設け
られた工具装着穴内に挿入された工具のシャンク部分の
把持及び解放を行う。また、流体圧式の工具把持機構は
例えば特開昭62−15043号公報に記載されてお
り、主軸の先端部に設けられた工具装着穴の周囲に圧力
室を設けこの圧力室に封入された作動流体の圧力を変化
させることにより工具装着穴を拡径又は縮径させ、工具
装着穴に挿入された工具の脱着を行う。同様の技術は実
開平5−53816号公報にも開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、ワー
クの加工においては、非常に高い加工精度が求められる
ことが多くなってきている。このため、主軸の回転軸線
と主軸に取り付けられた際の工具の軸線とのずれや工具
の軸線方向の把持位置のずれによる実際上の工具長の変
化などに起因する加工精度の悪化も問題となってきてい
る。
【0006】NC工作機械で自動工具交換装置を利用す
る場合、上記従来技術の工具把持機構は、工具装着時の
工具把持位置のずれが原因となる次のような欠点を抱え
ている。ドローバーの先端部に設けられたコレットを用
いた工具把持機構では、ドローバーによりコレットを主
軸後方に引き込んで工具を把持するため、コレットの動
きに伴って工具が移動し把持位置が変化してしまうの
で、実際上の工具長にばらつきが生じるという問題が生
じる。
【0007】流体圧式の工具把持機構では、例えば特開
昭62−15043号公報に記載されているように、ね
じなどの締結具を用いて主軸の先端面に流体圧式のチャ
ックを取り付けている。または、実開平5−53816
号公報に記載されているように、流体圧式のチャックを
有した工具ホルダのテーパ状のシャンクを主軸先端部の
工具装着穴に挿入して、主軸に内蔵された工具クランプ
手段で着脱可能に工具を工具ホルダごと把持している。
したがって、流体圧式のチャックを主軸に取り付ける際
に、または工具ホルダを着脱可能に主軸に装着する際
に、主軸の回転軸線とチャックの中心軸線との不一致に
より工具の偏心回転を起こすことがあり、加工精度に悪
影響を及ぼし得るという問題が生じる。
【0008】また、特開昭62−15043号や実開平
5−53816号公報に記載のチャックでは、チャック
の近傍に作動流体の圧力を調節するためのねじが設けら
れ、作動流体通路の長さが短かい。よって、封入されて
いる作動流体の体積が少ない。更に、高速で回転すると
遠心力で圧力室や作動流体通路の容積が増える方向に変
形し、作動流体の体積が少ないこともあり、圧力が下が
り、工具の把持力が弱くなる。従って、通常20000
回転/分以下の回転速度で使用するという制限があり、
これ以上の回転速度で回転する主軸装置には使えないと
いう問題点もある。
【0009】また、主軸の先端部に取り付けられた流体
圧式のチャックの流体圧を調節するためには、主軸先端
部においてチャックに設けられた流体圧調節ねじをレン
チなどにより回転させなければならない。ところが、主
軸先端部の周囲にはテーブルやワークなどが配置されて
おり作業スペースが十分とれないので、流体圧の調節を
行うことが容易ではなく、作業効率を低下させる問題が
存在する。また、従来の流体圧式の工具把持機構では上
記のように流体圧調節を主軸先端部で行わなくてはなら
ないので、自動工具交換装置と共に使用する場合には、
機械式の工具把持機構と組み合わせて用いられることが
多く、流体圧式の工具把持機構を用いる場合には工具交
換の完全な自動化が困難であった。
【0010】よって、本発明の目的は、従来技術に存す
る問題を解消して、ホルダレスタイプの工具把持機構を
備えた工作機械の主軸装置において、工具装着の際に、
工具の軸線方向の把持位置に誤差を生じさせず、主軸の
回転軸線と工具の中心軸線とが一致するように工具を把
持し、しかも工具の脱着が自動で容易に行えるようにす
ることにある。更に、高速回転しても工具の把持力の低
下がないようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的に鑑
みて、主軸の先端部に直接的に又はそこにアダプタを固
定的に取り付けて間接的に、工具装着穴をその中心軸線
が主軸の回転軸線と一致するように形成し、流体圧式の
工具把持機構を用いて、工具把持機構の流体圧の調節を
広い作業スペースを確保しやすい主軸後方で行えるよう
にしたものである。
【0012】すなわち、本発明によれば、主軸ハウジン
グに回転可能に支持された主軸を有する工作機械の主軸
装置において、前記主軸の先端部に前記主軸の回転軸線
に沿って延びる工具装着穴を形成し、前記工具装着穴周
りにラジアル方向に変形可能な薄肉を隔てて圧力室を形
成し、前記主軸内に形成された作動流体通路を介して前
記圧力室を前記主軸の後部に設けた圧力調節装置に連結
し、該圧力調節装置により前記圧力室内の作動流体の圧
力を増減させて前記薄肉を弾性変形させ、前記工具装着
穴が縮径、拡径することにより前記工具装着穴に挿入さ
れた工具を把持、解放するようにした工作機械の主軸装
置が提供される。
【0013】上記工作機械の主軸装置においては、前記
圧力調節装置は、前記主軸の後端部に形成された押圧具
挿入孔に挿入され、前記作動流体通路内の作動流体を押
圧する押圧具と、該押圧具を駆動する押圧具駆動装置と
を含むことが可能である。上記工作機械の主軸装置の一
実施態様では、前記押圧具駆動装置は、回転するレンチ
を有するモータと、該レンチを前記押圧具に係合させ、
又は前記押圧具から離脱させるアクチュエータと、アク
チュエータ及びモータの動作を制御する制御装置とを備
えてもよい。好ましくは、この場合、前記モータは、サ
ーボモータでなり、前記制御装置は、工具を把持すると
きに前記サーボモータを速度制御及び位置制御を行う第
1モードで回転させ、次いでトルク制御を行う第2モー
ドで回転させる。
【0014】また、本発明によれば、主軸ハウジングに
回転可能に支持された主軸を有する工作機械の主軸装置
において、前記主軸の先端部に前記主軸の回転軸線に沿
って延びる工具装着穴を形成し、前記工具装着穴周りに
ラジアル方向に変形可能な薄肉を隔てて圧力室を形成
し、前記主軸内に形成された作動流体通路を介して前記
圧力室を前記主軸の後方外部に設けた圧力調節装置に連
通、遮断可能に連結し、前記圧力室と前記圧力調節装置
とが連通したとき前記圧力調節装置により前記圧力室に
おける作動流体の圧力を増減させて前記薄肉を弾性変形
させ、前記工具装着穴が縮径、拡径することにより前記
工具装着穴に挿入された工具を把持、解放するようにし
た工作機械の主軸装置が提供される。
【0015】上記工作機械の主軸装置においては、前記
作動流体通路は、逆止弁を介して前記主軸の後端部に開
口しており、前記圧力調節装置は、前記主軸の後端面に
着座可動な作動流体流通装置を具備し、前記作動流体流
通装置は、前記主軸の後端面に着座したときに前記逆止
弁を開弁させて前記作動流体通路を前記圧力調節装置に
連通させ、前記圧力室内の作動流体の圧力を制御するこ
とが好ましい。
【0016】工作機械の主軸自体の先端部に主軸の回転
軸線に沿って延びる工具装着穴を形成しその周囲に圧力
室を形成すれば、流体圧を変化させることにより主軸の
先端部に工具を把持、解放することができるようにな
る。したがって、コレットを用いた工具把持機構の欠点
である工具把持の際の軸線方向の把持位置のずれを生じ
ることがなくなる。この構成に替えて、主軸の先端部に
工具装着穴、圧力室、作動流体通路を予め形成したアダ
プタを主軸と一体になるよう固定的に取付けても良い。
【0017】さらに、圧力室内の流体圧の調節は主軸後
部に設けた圧力調節装置で行うので、主軸や主軸を支持
するハウジング、ワークを支持するテーブル等が妨げと
なって作業スペースが十分にとれない主軸の先端部で工
具の脱着のための圧力調節を行う必要もなく、主軸への
工具の脱着作業が容易になる。また、主軸の後部に圧力
調節装置が設けられるので、主軸への工具着脱の自動化
が容易になる。その一例として、主軸後端面に開口した
押圧具挿入孔に押圧具を挿入し、この押圧具を押圧具駆
動装置によって駆動作動流体通路内の作動流体を押圧す
ることで工具着脱の自動化が達成される。また、逆止弁
を介して作動流体通路を主軸の後端面に開口させ、可動
な圧力調節装置が主軸後端面に着座することにより逆止
弁を開弁させて、圧力調節装置で作動流体通路内の作動
流体の圧力を調節することによっても工具の着脱の自動
化が達成される。したがって、流体圧式の工具把持機構
を用いていながらも工具着脱の自動化が達成され、自動
工具交換装置と共に使用することにより工具交換の完全
な自動化を実現することができるようになる。
【0018】更に、主軸の後部又は主軸の後方外部に圧
力調節装置が設けられるので、作動流体通路が長くな
り、よって封入されている作動流体の体積が多い。作動
流体通路を主軸の中心に形成することもでき、この場合
には遠心力の影響をほとんど受けず、作動流体通路の遠
心力による拡張はほとんどない。そして、作動流体の体
積が多いことから、たとえ遠心力によって作動流体の封
入されている圧力室付近の体積が増えたとしても圧力の
低下割合は小さい。しかも、主軸が回転すると軸受やモ
ータからの発熱が主軸に伝達され、主軸の温度が上る。
すると、主軸内の作動流体の温度も上り、作動流体が膨
張し、作動流体圧力は上昇する。従って、主軸の後部又
は主軸の後方外部に圧力調節装置を設けることによっ
て、主軸が高速回転しても工具の把持力が低下しなくな
る。尚、作動流体通路がチャック近傍にのみ設けられて
いる従来技術の工具ホルダは、外気にふれて回転してい
るため、温度上昇はなく、作動流体の温度も上ることは
ない。
【0019】主軸の先端部に工具装着穴を形成すれば、
工具装着穴が予め形成されたアダプタを主軸に取り付け
る必要がなくなり、すなわち主軸自体に工具装着穴が形
成されるのでアダプタ取り付けの際の主軸の回転軸線と
工具装着穴の中心軸線とのずれの発生が防止され、正確
な工具の把持が可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施態様を説明する。図1は本発明による工作機械の主軸
装置の断面図、図2は図1に示されている主軸の先端部
の拡大断面図、図3は図1に示されている本発明による
工作機械を用いた場合の工具交換動作を示しているフロ
ーチャート、図4は図3における工具把持動作の詳細を
示しているフローチャート、図5は図3における工具解
放動作の詳細を示しているフローチャートである。ま
た、図6は本発明による工作機械の主軸装置に適用可能
な圧力調節装置の第2の実施態様を示している要部断面
図、図7は本発明による工作機械の主軸装置に適用可能
な圧力調節装置の第3の実施態様を示している要部断面
図、図8は本発明による工作機械の主軸装置に適用可能
な圧力調節装置の第4の実施態様を示している要部断面
図である。
【0021】なお、以下の説明において「先」又は
「前」とは工具を把持しワーク等を加工する側を指し、
「後」とはワーク等を加工する側と反対側を指すものと
する。図1を参照すると、本発明による工作機械の主軸
装置11は、主軸13と、主軸13の前部及び後部にそ
れぞれ設けられた軸受15により主軸13を回転可能に
支持しているハウジング17とを具備している。軸受1
5はハウジング17に設けられた肩部と軸受押え19及
び軸受押えナット21とにより定位置に固定されてい
る。また、主軸装置11は、主軸13の外周面の中央部
に固着されたロータM1と、ハウジング17の内周面に
同ロータM1と半径方向に所定の間隔を隔てて対向して
配設されたステータM2とを備えており、ロータM1と
ステータM2との電磁相互作用により主軸13をハウジ
ング17に対して回転させることができるようになって
いる。
【0022】主軸13の先端部の先端面上には主軸13
の回転軸線23に沿って延びる円形断面の工具装着穴2
5が形成されている。より詳細には、図2に示されてい
るように、工具装着穴25は、主軸13の先端面上に形
成された円形断面の穴に挿入され溶接などの適宜の接合
方法によって穴に固定された同心の円筒状スリーブ27
の内孔によって形成されている。なお、スリーブ27を
主軸13の先端面上に形成された穴に固定した後、スリ
ーブ27の内周面に研削加工を施して主軸13の回転軸
線23と工具装着穴25(詳細にはその内側に固定され
たスリーブ27の内孔)の中心軸線とが一致するように
することが好ましい。このように構成することによっ
て、主軸13への工具(不図示)の取り付けがより正確
に行われ、工具回転時に偏心回転が起こることが防止さ
れる。
【0023】スリーブ27の外周面上には凹部が形成さ
れており、スリーブ27を主軸13の先端面上に設けら
れた穴に挿入したときにスリーブ27の凹部が主軸13
の先端部の穴の内周面と協働して、スリーブ27の内孔
すなわち工具装着穴25の周りにラジアル方向すなわち
半径方向に変形可能な薄肉29を隔てた圧力室31を形
成する。各圧力室31は、主軸13内に形成され後方に
向かって延びる作動流体通路33を介して、主軸13の
後部に設けた圧力調節装置35に連結している。なお、
圧力室31に封入される作動流体が主軸13の先端部の
穴の内周面とスリーブ27の外周面との境界面を伝って
漏出することを防止するために、圧力室31の前後端部
には境界面にシール37が設置されている。圧力室31
は環状であることが好ましいが周方向に分離し等間隔で
配置された室でなってもよい。また、圧力室31は、図
2に示されているように、工具装着穴25の軸線方向に
2列に配置されていることが好ましいが、1列又は3列
以上で配置されていてもよい。
【0024】図1及び図2に示されているように、工具
装着穴25の内部には、軸受押え19、主軸13及びス
リーブ27を主軸装置11の半径方向に貫通して形成さ
れた空気通路39が開口している。この空気通路39に
は主軸装置11の外部から圧縮空気が供給され、この圧
縮空気を工具装着穴25内の清掃や背圧を監視すること
による工具装着確認を行うために使用する。
【0025】次に、図1を参照して、主軸13の後部に
設けられた圧力調節装置35について詳述する。図1に
示されている圧力調節装置35は、作動流体通路33内
の作動流体を直接又は間接的に押圧する押圧具と、押圧
具を駆動する押圧具駆動装置とを含んでいる。
【0026】押圧具は、主軸13の後端部の後端面上に
形成され作動流体通路33と連通している押圧具挿入孔
41内に挿入されており、例えば図1に示されているよ
うに、作動流体通路33内まで挿入されたピストン43
と、ピストン43に連結されている押圧ねじ45とから
構成される。ピストン43の先端には作動流体通路33
内から作動流体が漏出するのを防ぐためにシール部材4
7が設けられており、押圧具挿入孔41の内周面には押
圧ねじ45が螺合するねじ溝が形成されている。
【0027】押圧具駆動装置は、例えば図1に示されて
いるように、回転軸にレンチ49(例えば六角レンチ)
が取り付けられているレンチモータ51と、レンチモー
タ51を移動させてレンチモータ51に取り付けられた
レンチ49を押圧具の押圧ねじ45の後端部に設けられ
た係合穴(例えば六角穴)に係合させる又はそこから離
脱させるアクチュエータ53と、レンチモータ51及び
アクチュエータ53の動作を制御する制御装置55とを
備える。主軸装置11の後部に設けられたブラケット5
7に固定されたロッドシリンダなどのアクチュエータ5
3により移動可能に支持された可動板59上にレンチモ
ータ51を取り付けることにより、押圧具の後端部に設
けられた係合穴に対するレンチ49の係合又は離脱を行
うことが可能となる。
【0028】押圧具駆動装置はさらにレンチ49を押圧
具の押圧ねじ45の係合穴に係合させて押圧具を駆動す
る際に主軸13の回転を停止させるロック部材61を備
えている。図1に示されている実施態様では、可動板5
9の主軸13に対面する側にロック部材61が支持され
ており、アクチュエータ53により可動板59が主軸1
3へ向かって移動すると、ロック部材61が主軸13の
後端面上に設けられた切欠き63に係合して主軸13を
ロックし、主軸13の回転が防止される。ロック部材6
1は圧縮ばねなどの弾性体65を介して可動板59に支
持されることが好ましい。
【0029】上記実施態様では、工具装着穴が主軸の先
端部に一体的に形成されている場合について説明してい
るが、従来のように、予め工具装着穴、圧力室、作動流
体通路が形成されているアダプタを主軸先端部に一体と
なるように固定的に取り付けることも可能であることは
いうまでもない。
【0030】次に、図3を参照して、図1に示されてい
る工作機械の主軸装置11の工具交換動作を説明する。
工作機械のNC装置から工具交換指令が発せられると
(ステップ151)、主軸装置11は、押圧具駆動装置
のロック部材61が主軸13の後端面上に形成された切
欠き63と係合可能となるように、主軸13を回転方向
において予め定められた角度位置で停止させる(ステッ
プ153)。なお、この角度位置においては、レンチ4
9が押圧具の係合穴と係合するようになっている。ま
た、この主軸13の回転方向の位置決めはセンサ(不図
示)の使用など周知技術により可能となる。さらに、工
具を装着したままの状態で主軸13をX軸、Y軸、及び
Z軸方向に移動して工具マガジン(不図示)の空きスペ
ースに位置決めする(ステップ155)。
【0031】次いで、押圧具駆動装置のレンチモータ5
1を降下(主軸13の後端面に向かう方向に移動)さ
せ、主軸13の後端面上の切欠き63に押圧具駆動装置
のロック部材61を係合させる(ステップ157)。こ
れにより、主軸13はロックされて回転することができ
なくなる。同時に、レンチモータ51に取り付けられた
レンチ49が押圧ねじ45の後端部の係合穴に係合す
る。
【0032】ステップ159では、レンチモータ51が
逆回転を行い、押圧具を押圧具挿入孔41内で主軸13
の後方に押圧具駆動装置へ向かって移動させ、作動流体
通路33内で後方へ向かって押圧具のピストン43を移
動させる。それにより、作動流体通路33内及びそれに
連通している圧力室31内に封入された作動流体の圧力
が下降して、圧力室31と工具装着穴25の間の薄肉2
9が工具装着穴25の内部に向かって膨らんだ状態から
工具装着穴25のラジアル方向に外側へ向かって弾性変
形し、移動する。その結果、工具装着穴25が拡径して
工具装着穴25に把持されていた工具を解放し、工具を
工具マガジンに収納する。
【0033】次いで、工具を把持していない状態で、主
軸13がX軸、Y軸、及びZ軸方向に移動して所望され
る工具の収納位置に位置決めされ、工具装着穴25に新
たな工具が挿入される(ステップ161)。ステップ1
63では、押圧具駆動装置のレンチモータ51が正回転
を行い、押圧具を押圧具挿入孔41内で主軸13の前方
へ向かって移動させ、作動流体通路33内で前方へ向か
って押圧具のピストン43を移動させる。それにより、
作動流体通路33内及びそれに連通している圧力室31
内に封入された作動流体の圧力が上昇して、圧力室31
と工具装着穴25の間の薄肉29が工具装着穴25のラ
ジアル方向に内側へ向かって弾性変形し、移動する。そ
の結果、工具装着穴25が縮径して工具装着穴25内に
挿入されている工具を把持する。
【0034】工具を工具装着穴25に把持すると、押圧
具駆動装着のレンチモータ51を上昇(主軸13の後端
面から離れる方向に移動)させ、レンチモータ51に取
り付けられたレンチ49を押圧ねじ45の後端部の係合
穴から離脱させる(ステップ165)。同時に、主軸1
3の後端面の切欠き63に係合している押圧具駆動装置
のロック部材61も切欠き63から離脱する。
【0035】以上のステップを経て工具交換が行われ、
工具交換が終了した後に新たな工具での加工が開始され
る(ステップ167)。ところで、図1に示されている
本発明の工作機械の主軸装置11の実施態様で使用され
るレンチモータ51には、(1)押圧具の押圧ねじ45
を早く回転させすぎて破損させることを防止するための
速度制御と、(2)押圧具の押圧ねじ45を予め定めた
範囲の位置に位置決めするための回転方向における角度
位置の制御と、(3)作動流体通路33及び圧力室31
内において予め定められた圧力を発生させることを保証
するためのトルク制御との3つの制御が要求される。し
かしながら、レンチモータ51として一般に使用され得
るサーボモータは3つの制御を同時に行うことができな
い。そこで、上記実施態様では、サーボモータが「トル
クリミット機能」という予め設定したトルクが発生した
ときに信号を発生する機能を備えていることを利用し
て、速度制御と位置制御を同時に行う第1モードと、ト
ルク制御のみを行う第2モードの2つのモードを切り換
えて上記の要求される制御を行う。
【0036】以下で、図4及び図5を参照して、上記制
御を行う場合のレンチモータ51の正回転及び逆回転の
工程をより詳細に説明する。最初に、図4を参照して、
レンチモータ51の正回転すなわち工具把持の工程を説
明する。工具把持の工程は標準締め工程と増し締め工程
の2つの工程に分離して実行される。標準締め工程の際
の第1設定トルク及び第1設定回転速度と、増し締め工
程の際の第2設定トルク及び第2設定回転速度は予め定
められるものとする。
【0037】工具把持工程の標準締め工程が開始される
にあたって、先ず、第1モードに切り換え、速度制御及
び位置制御を有効にし、予め定められた標準締めトルク
をトルクリミット値として設定する。次に、第1設定回
転速度(例えば押圧ねじ45を1000mm/分で移動
させる回転速度)でレンチモータ51を正方向(ねじを
締める方向)に回転させる(ステップ169)。トルク
が第1設定トルクに達するとレンチモータ51(サーボ
モータ)はトルクリミット機能によりトルクリミット信
号を発生させ、レンチモータ51の回転を停止させる
(ステップ171)。このとき、レンチモータ51の回
転方向の角度位置すなわち押圧ねじ45の位置が予め定
められた範囲あることを確認する(ステップ173)。
【0038】例えば、レンチモータ51の回転方向の角
度位置が予め定められた範囲の最小値に達していなけれ
ば押圧ねじ45のかじりが考えられ、或いは予め定めら
れた範囲の最大値を超えていれば押圧ねじ45の係合穴
とレンチ49との係合が不十分で空転が起こった可能性
が考えられる。よって、レンチモータ51の回転角度位
置が予め定められた範囲に入っていないときは異常発生
信号を発生させることが好ましい。
【0039】レンチモータ51の回転方向の角度位置が
予め定められた範囲に入っていることが確認された場合
には、レンチモータ51(サーボモータ)の制御モード
を第2モードに切り換え、トルク制御を有効にする。次
いで、レンチモータ51の正方向の回転を再開し、レン
チモータ51のトルクが第1設定トルクを越えてから予
め定められた時間(例えば2秒)の経過後にレンチモー
タ51の回転を停止させる、すなわち第1設定トルクを
かけた状態で予め定められた時間だけレンチモータ51
を正回転させる(ステップ175)。
【0040】以上の標準締め工程が終了すると、次いで
増し締め工程が行われる。増し締め工程は標準締め工程
とほぼ同様の工程であり、工程が開始されるにあたっ
て、先ず、第1モードに切り換え、速度制御及び位置制
御を有効にし、予め定められた増し締めトルクをトルク
リミット値として設定する。次に、第2設定回転速度
(例えば押圧ねじ45を100mm/分で移動させる回
転速度)でレンチモータ51を正方向に回転させ(ステ
ップ177)、トルクが第2設定トルクに達するとレン
チモータ51(サーボモータ)はトルクリミット機能に
よりトルクリミット信号を発生させ、レンチモータ51
の回転を停止させる(ステップ179)。このとき、レ
ンチモータ51の回転方向の角度位置すなわち押圧ねじ
45の位置が予め定められた範囲あることを確認する
(ステップ181)。レンチモータ51の回転方向の角
度位置が予め定められた範囲に入っていることが確認さ
れた場合には、レンチモータ51(サーボモータ)の制
御モードを第2モードに切り換え、トルク制御を有効に
する。次いで、レンチモータ51の正方向の回転を再開
し、レンチモータ51のトルクが第2設定トルクを越え
てから予め定められた時間(例えば2秒)の経過後にレ
ンチモータ51の回転を停止させる(ステップ18
3)。以上で増し締め工程が終了する。
【0041】増し締め工程終了後、レンチモータ51を
主軸13から離す方向に移動する前に、次の工具解放工
程でレンチ49を押圧具の押圧ねじ45の係合穴へ確実
に係合させることができるように、レンチモータ51の
回転方向の角度位置を記憶しておく(ステップ18
5)。次に、図5を参照して、レンチモータ51の逆回
転すなわち工具解放の工程を説明する。なお、工具把持
工程において予め定められた第1設定トルク及び第1設
定回転速度、第2設定トルク及び第2設定回転速度に加
えて、以下で使用される第3設定回転速度が予め定めら
れているものとする。
【0042】工具解放工程が開始されるにあたって、先
ず、第1モードに切り換え、速度制御及び位置制御を有
効にし、工具把持工程において設定された第2設定トル
クより大きなトルクをトルクリミット値として設定す
る。次に、第2設定回転速度でレンチモータ51を逆方
向(ねじを緩める方向)に回転させる(ステップ18
7)。レンチモータ51が予め定められた回転角度だけ
回転し、押圧具の押圧ねじ45を予め定められた距離だ
け主軸13の後端面に向かって移動させたら、レンチモ
ータ51の回転を停止させる(ステップ189)。次い
で、第3設定回転速度(例えば押圧ねじを3000mm
/分で移動させる回転速度)でレンチモータ51を逆方
向に予め定められた回転角度だけ回転させ(ステップ1
91)、押圧具の押圧ねじ45をホームポジションまで
戻しレンチモータ51の回転を停止させる(ステップ1
93)。通常は、次の工具把持工程が完了するまでレン
チ49を押圧ねじ45の係合穴から離脱させることはな
いが、保全等の場合にはレンチ49を押圧ねじ45の係
合穴から離脱させることがあるので、回転停止時におけ
るレンチモータ51の回転方向の角度位置を記憶してお
く(ステップ195)。以上で工具解放工程が終了す
る。
【0043】図1及び図2に示されている実施態様で
は、主軸13の先端面上に形成された穴に外周面上に凹
部が形成された円筒状スリーブ27を挿入することによ
り工具装着穴25が形成されているが、工具装着穴周り
にラジアル方向に弾性変形可能な薄肉を隔てた圧力室を
備えたアダプタを別個に形成し、このアダプタを主軸と
一体となるよう固定的に主軸の先端部に取り付けてもよ
い。この場合にもアダプタを主軸に取り付けた後に、工
具装着穴の中心軸線が主軸の回転軸線と一致するように
工具装着穴の内周面を研削することが好ましい。また、
主軸と完全に一体成形で工具装着穴及びその周りにラジ
アル方向に弾性変形可能な薄肉を隔てて形成された圧力
室を設けることも可能である。
【0044】図6〜図8には図1に示されている実施態
様とは異なるタイプの圧力調節装置の実施態様が示され
ている。図6に示されている圧力調節装置71は、主軸
13の後端部の後端面上に形成され作動流体通路33と
連通した押圧具挿入孔41に挿入された押圧具と、主軸
13の軸線方向に進退可能なロッド73を有したアクチ
ュエータ75からなる押圧具駆動装置とを備えている。
【0045】押圧具は、ピストン77と、押圧具挿入孔
41に挿入されこれを封鎖するエンドキャップ79とを
含んでいる。エンドキャップ79の主軸13の内部側に
は穴81が形成されており、この穴81の頂部には止め
栓83が螺合されている。エンドキャップ79の穴81
と止め栓83とによって規定される空間内にはピストン
77が挿入されており、同空間を2つに分割している。
分割された空間のうちのアクチュエータ75側に位置す
る空間は接続通路85を介して作動流体通路33と連通
しており、その内部に作動流体が充満している。
【0046】ピストン77により分割された他方の空間
には作動流体の圧力を高める方向にピストン77を付勢
する圧縮ばね87が設置されており、作動流体通路33
内及び圧力室31内の作動流体はピストン77により工
具把持を行うように付勢されている。一方、ピストン7
7からはエンドキャップ79の底面を貫通して主軸13
の外部に突出するロッド77aが延びており、アクチュ
エータ75が圧縮ばね87の付勢力に逆らってこのロッ
ド77aを主軸13の先端部へ向かって押圧することに
より作動流体通路33を介して圧力室31内の作動流体
の圧力が降下し、工具装着穴25から工具を解放するこ
とが可能となる。
【0047】図7に示されている圧力調節装置91は、
図6に示されているものと同様に、主軸13の後端部の
後端面上に形成され作動流体通路33と連通した押圧具
挿入孔41に挿入された押圧具と、主軸13の軸線方向
に進退可能なロッド93を有したアクチュエータ95か
らなる押圧具駆動装置とを備えている。押圧具はピスト
ン97からなり、同ピストン97は主軸13の後端面に
取り付けられ押圧具挿入孔41を封鎖するエンドキャッ
プ99を貫通してアクチュエータ95へ向かって主軸1
3の外部に延びるロッド97aを有している。
【0048】押圧具挿入孔41においてピストン97と
エンドキャップ99との間に形成される空間にはピスト
ン97を主軸13の前方へ向かって付勢する圧縮ばね1
01が設置されており、ピストン97により作動流体通
路33を介して圧力室31内の作動流体の圧力を増加さ
せ工具把持を行うように付勢している。一方、ピストン
97から延びるロッド97aとアクチュエータ95から
延びるロッド93とはそれらの端部において回転可能に
係合しており、アクチュエータ95が圧縮ばね101の
付勢力に逆らってピストン97をアクチュエータ95へ
向かって引きつけることにより、作動流体通路33を介
して圧力室31内の作動流体の圧力が降下し、工具装着
穴25から工具を解放することが可能となる。なお、図
6に示されている圧力調節装置71と同様に、圧縮ばね
101は工具装着穴25内に挿入された工具を把持する
のに十分な流体圧を圧力室31内の作動流体に発生させ
るばね力を有している。
【0049】図8を参照すると、作動流体通路33がば
ね103と鋼球105とによって構成された逆止弁10
7を介して主軸13の後端部の後端面上に開口してい
る。すなわち、主軸13の後端部に取り付けられ主軸1
3の後端面を形成するエンドキャップ109に設けられ
主軸13の作動流体通路33に貫通している開口111
は、ばね103により後方へ向かって付勢された鋼球1
05により通常は閉鎖されている。一方、主軸13の後
方外部には、アクチュエータ113によって駆動されて
主軸13の後端面に着座することができる作動流体流通
装置115を備えた圧力調節装置117が設けられてい
る。この作動流体流通装置115は主軸13の後端面に
着座したときに逆止弁107を開弁させて作動流体通路
33を圧力調節装置117と連通させ、圧力調節装置1
17により圧力室31内の作動流体の圧力を制御するこ
とを可能とさせるものである。
【0050】図8に示されている作動流体流通装置11
5は、内部に空洞119が形成されているハウジング1
21と、このハウジング121に保持されている開弁体
123とを備えている。ハウジング121内の空洞11
9は圧力調節装置117と連通しておりその内部に作動
流体が充満していると共に、主軸13の後端面に面する
ハウジング121の壁には貫通孔125が設けられてお
り貫通孔125を通して空洞119内の作動流体がハウ
ジング121の外部に流通できるようになっている。
【0051】開弁体123は、通常、貫通孔125を封
鎖するように圧縮ばね127により付勢されている。ま
た、開弁体123はハウジング121の貫通孔125を
通って主軸13の後端面へ向かって延びる突出部123
aを備えており、作動流体流通装置115が主軸13の
後端面に着座したときに開弁体123の突出部123a
がエンドキャップ109の開口111に挿入され逆止弁
107の鋼球105を押し返して、逆止弁107を開弁
させると同時に逆止弁107のばね103の付勢力によ
って開弁体123もハウジング121の貫通孔125を
開通させる方向に移動させられる。この結果、作動流体
流通装置115のハウジング121内の空洞119を介
して作動流体通路33と圧力調節装置117とが連通す
る。
【0052】こうして、作動流体流通装置115が主軸
13の後端面に着座すると作動流体通路33と圧力調節
装置117とが連通するので、圧力調節装置117によ
り作動流体通路33を介して圧力室31内の作動流体の
圧力を制御することによって、工具装着穴25に挿入さ
れた工具の把持又は解放を行うことが可能になる。
【0053】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、コレットを用いた工具把持機構の欠点である工具把
持の際の軸線方向の把持位置のずれを生じることがなく
なり、主軸の回転軸線と工具の中心軸線とのずれによる
工具の偏心回転が防止され、工作機械において高精度の
加工が可能となる。また、主軸や主軸を支持するハウジ
ング等が妨げとなって作業スペースが十分にとれない主
軸の先端部で工具の脱着のための圧力調節を行う必要も
なく、主軸への工具の脱着作業が容易になり、主軸への
工具着脱の自動化が容易になる。
【0054】また、工具を把持する薄肉部を構成する圧
力室から主軸後部又は主軸の後方外部に設けた圧力調節
装置までの作動流体通路が比較的長く、封入されている
作動流体の体積が多いこと、及び作動流体通路が温度上
昇のある主軸内を通っているので作動流体が昇温して膨
張することから、遠心力による工具把持力の低下がな
い。よって、主軸装置を高速回転域でも使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による工作機械の主軸装置の断面図であ
る。
【図2】図1に示されている主軸の先端部の拡大断面図
である。
【図3】図1に示されている本発明による工作機械を用
いた場合の工具交換動作を示しているフローチャートで
ある。
【図4】図3における工具把持動作の詳細を示している
フローチャートである。
【図5】図3における工具解放動作の詳細を示している
フローチャートである。
【図6】本発明による工作機械の主軸装置に適用可能な
圧力調節装置の第2の実施態様を示している要部断面図
である。
【図7】本発明による工作機械の主軸装置に適用可能な
圧力調節装置の第3の実施態様を示している要部断面図
である。
【図8】本発明による工作機械の主軸装置に適用可能な
圧力調節装置の第4の実施態様を示している要部断面図
である。
【符号の説明】
11…主軸装置 13…主軸 23…回転軸線 25…工具装着穴 29…薄肉 31…圧力室 33…作動流体通路 35…圧力調節装置 41…押圧具挿入孔 43…ピストン 45…押圧ねじ 47…シール部材 49…レンチ 51…レンチモータ 53…アクチュエータ 55…制御装置 71…圧力調節装置 91…圧力調節装置 107…逆止弁 115…作動流体流通装置 117…圧力調節装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主軸ハウジングに回転可能に支持された
    主軸を有する工作機械の主軸装置において、前記主軸の
    先端部に前記主軸の回転軸線に沿って延びる工具装着穴
    を形成し、前記工具装着穴周りにラジアル方向に変形可
    能な薄肉を隔てて圧力室を形成し、前記主軸内に形成さ
    れた作動流体通路を介して前記圧力室を前記主軸の後部
    に設けた圧力調節装置に連結し、該圧力調節装置により
    前記圧力室内の作動流体の圧力を増減させて前記薄肉を
    弾性変形させ、前記工具装着穴が縮径、拡径することに
    より前記工具装着穴に挿入された工具を把持、解放する
    ようにしたことを特徴とする工作機械の主軸装置。
  2. 【請求項2】 前記圧力調節装置は、前記主軸の後端部
    に形成された押圧具挿入孔に挿入され、前記作動流体通
    路内の作動流体を押圧する押圧具と、該押圧具を駆動す
    る押圧具駆動装置とを含む請求項1に記載の工作機械の
    主軸装置。
  3. 【請求項3】 前記押圧具駆動装置は、回転するレンチ
    を有するモータと、該レンチを前記押圧具に係合させ、
    又は前記押圧具から離脱させるアクチュエータと、アク
    チュエータ及びモータの動作を制御する制御装置とを備
    える請求項2に記載の工作機械の主軸装置。
  4. 【請求項4】 前記モータは、サーボモータでなり、前
    記制御装置は、工具を把持するときに前記サーボモータ
    を速度制御及び位置制御を行う第1モードで回転させ、
    次いでトルク制御を行う第2モードで回転させる請求項
    3に記載の工作機械の主軸装置。
  5. 【請求項5】 主軸ハウジングに回転可能に支持された
    主軸を有する工作機械の主軸装置において、前記主軸の
    先端部に前記主軸の回転軸線に沿って延びる工具装着穴
    を形成し、前記工具装着穴周りにラジアル方向に変形可
    能な薄肉を隔てて圧力室を形成し、前記主軸内に形成さ
    れた作動流体通路を介して前記圧力室を前記主軸の後方
    外部に設けた圧力調節装置に連通、遮断可能に連結し、
    前記圧力室と前記圧力調節装置とが連通したとき前記圧
    力調節装置により前記圧力室における作動流体の圧力を
    増減させて前記薄肉を弾性変形させ、前記工具装着穴が
    縮径、拡径することにより前記工具装着穴に挿入された
    工具を把持、解放するようにしたことを特徴とする工作
    機械の主軸装置。
  6. 【請求項6】 前記作動流体通路は、逆止弁を介して前
    記主軸の後端部に開口しており、前記圧力調節装置は、
    前記主軸の後端面に着座可動な作動流体流通装置を具備
    し、前記作動流体流通装置は、前記主軸の後端面に着座
    したときに前記逆止弁を開弁させて前記作動流体通路を
    前記圧力調節装置に連通させ、前記圧力室内の作動流体
    の圧力を制御する請求項5に記載の工作機械の主軸装
    置。
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