JP7307941B2 - 加工装置 - Google Patents
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Description
図1に示すように、この歯車仕上げ加工装置は、被加工歯車であるワークWを工具である砥石20と同期回転させながら研削加工するものであり、基台1と、この基台1上に配置され、砥石(第1加工具)20を支持する砥石支持ユニット(工具支持ユニット)2と、ワーク処理ユニット3を備えている。ワーク処理ユニット3は、主軸41と、支持柱30とを備えており、支持柱30において、その下方には歯車形のワークWを支持するチャック装置(ワーク把持具)6が、上方には、心押し具32及びドレス装置(第2加工具)39が一体で、それぞれ旋回自在に支持されている。砥石20の外周面には、図示を省略するが、ネジ状溝が形成されており、後述するように、砥石20とワークWが噛み合いながら、同期駆動させることで、ワークWの歯面が研削されるようになっている。また、例えば、ワークWを所定個数、連続加工した後で、砥石20のネジ状溝の切れ味を再生させるためにドレス装置39によって砥石20をドレッシング(ドレス加工)できるようになっている。以下、これらについて詳細に説明する。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図1に示す方向にしたがって、説明を行う。但し、本発明のこの方向に限定されない。また、図2以降は説明を容易にするために各装置を覆う防護カバーは除外して図示している。
図2はワーク処理ユニットの断面図である。同図に示すように、このワーク処理ユニットは、支持柱30と、支持柱30の近傍(図1で左側)に配置された主軸41と、支持柱30を挟んで主軸41とは反対側には位置された載置台42と、を備えている。これら支持柱30、主軸41、及び載置台42は、いずれも基台1上に配置されている。また、支持柱30は、円柱形で先細り状に形成されており、同心上に配置された、3つの第1柱部70、第2柱部80、第3柱部90を備えている。より詳細には、基台1上に、第2柱部80が設置され、その上端に、第1柱部70が連結され、さらにその上端に、第3柱部90を相互連結している。そして、第1柱部70に被嵌された第1旋回筒7には心押し具32及びドレス装置39を旋回させる上部旋回機構50が設けられており、第2柱部80に被嵌された第2旋回筒8には、チャック装置6を旋回させる下部旋回機構60が設けられている。第3柱部90の上端には頂板90aが固定され、後述する第2旋回モータ741を設置している。
主軸41は、ワークWの加工位置を形成するものであって、支持柱30と、砥石支持ユニット2との間に配置されており、加工対象となるワークWを着脱自在に支持するように構成されている。より詳細に説明すると、主軸41は、基台1上に配置される支持部411と、この支持部411に回転自在に支持される本体部412と、本体部412の上端に設けられ、載置されたワークWを着脱自在に保持する保持部413と、を備えている。本体部412は、支持部411から上方に延び、上下方向に延びる軸線周りに回転するように構成されている。また、本体部412は、支持部411に収容されたモータ(図示省略)によって、上記軸線周りに回転駆動するようになっている。そして、保持部413には、ワークWが取り付けられ、本体部412とともに回転するようになっている。保持部413は、ワークを着脱自在に固定できればその構成は特には限定されないが、例えば、公知のコレットチャックなどで構成することができる。なお、ワークWは、本体部412の軸線とワークWの軸線とが一致するように、保持部413に取り付けられる。
載置台42は、ワークWの搬入・搬出位置を形成するものであり、支持柱30を挟んで、主軸41と反対側に配置されている。すなわち、載置台42は、基台1上で、砥石支持ユニット2からは最も遠くに配置されている。この歯車仕上げ加工装置は、切粉やクーラントが装置外に出るのを防ぐ保護カバー(図示せず)で覆われており、この載置台42の近傍位置に、作業者が載置台42にアクセス可能とする窓(図示せず)が保護カバー(図示せず)に設けられている。載置台42は、基台1上で上下動可能に支持された本体部421と、この本体部421の上端に取り付けられたワークアダプタ422とを備えている。本体部421は、エアシリンダ等の駆動手段(図示省略)によって、基台1上でチャック装置6に対して接近・離間可能に構成されている。ワークアダプタ422は、ワークWの形態に合わせてワークWを保持するための台であり、前述した窓(図示せず)を通して加工前のワークWが、例えば作業者により載置され、あるいは、チャック装置6により加工後のワークWが載置されたとき、作業者により取り除かれ新たな未加工ワークがそこに載置される。
次に、下部旋回機構60について説明する。
図4は、下部旋回機構の側面図である。下部旋回機構60は、主軸41と載置台42との間でワークWを移送するチャック装置6を旋回させるための機構である。より詳細に説明すると、図3及び図4に示すように、支持柱30の下部の外周面には、第1リングギア601を固定した第2旋回筒8が第2柱部80に旋回自在に支持されている。第1リングギア601は外歯車状に形成されており、その外周面の歯には、駆動ギア602が噛み合っている。そして、この駆動ギア602は、基台1上に設けられた第1旋回モータ603により回転するようになっており、駆動ギア602の回転によって第1リングギア601が回転するようになっている。
次に、チャック装置について説明する。図5A及び図5Bは、チャック装置の断面図、図6は、下部旋回機構の横断面図である。図5Aに示すように、チャック装置6は、上下方向に延びる一対の第1貫通孔611が形成された本体部61と、この本体部61の第1貫通孔611に挿通され、旋回リング604の上面から上方に延びる一対の棒状のガイド部材62と、一対のガイド部材62の上端部同士を連結する連結部材63とを、備えている。この構成により、本体部61は、旋回リング604上で、ガイド部材62に沿って上下動可能となっている。また、本体部61には、水平方向に延び、上下方向に並ぶ、一対の第2貫通孔612が形成されており、各第2貫通孔612にはラックバー641,642がそれぞれ水平移動可能に挿通されている。ここでは、上方に配置されているラックバーを第1ラックバー641、下方に配置されているラックバーを第2ラックバー642と称することとする。
次に、チャック装置の昇降機構について、図7~図9も参照しつつ説明する。図2に示すように、チャック装置6は、第2位置から第1位置に旋回された後、下方に移動するように構成されている。これによって、チャック装置6とともにワークWが下降し、ワークWを主軸41の上端の保持部413に取り付け可能となっている。以下、詳細に説明する。
次に、上部旋回機構50について、図10も参照しつつ説明する。図2に示すように、支持柱30の第1柱部70の外周面に第1旋回筒7を旋回可能に取り付けている。そして、この第1旋回筒7を含め、心押し具32及びドレス装置39を旋回するための上部旋回機構50が構成されている。第1旋回筒7は、上筒部7aと下筒部7bとを連接して成り、図10に示すように、下筒部7bの外周面には、第1設置台71と第2設置台72が取り付けられており、第1旋回筒7とともに支持柱30の周囲を旋回可能となっている。これら設置台71,72は、旋回筒7の外周面において、周方向に180°離れた位置、すなわち、第1位置・第2位置にあるチャック装置6の各々と対峙する位置に配置されるものであり、その各々に支持される心押し具32とドレス装置39は互いに大きさや配置において制限し合うことはなく設計の自由度がアップしている。また、心押し具32とドレス装置39の各々は主軸41の保持部413に対して干渉しない程度に低く支持させることができ、加工装置全体の高さを低くすることができる。
次に、第1旋回筒7を旋回させるための機構について、図11も参照しつつ説明する。旋回筒7の上筒部7aには、内歯車状の第2リングギア73が固定されており、この第2リングギア73にギア74が噛み合っている。そして、このギア74は、第1柱部70の上端部に固定された第2旋回モータ741のモータ軸に固定されている。これにより、第2旋回モータ741を正逆駆動すると、第1旋回筒7が第1柱部70、第3柱部90の周囲を180°両方向に交互に旋回するようになっている。これにより心押し具32もしくはドレス装置39を選択的に主軸41と載置台42のそれぞれ上方に配置させることができる。心押し具32もしくはドレス装置39をメンテナンスや段取り替え等をする際は、載置台42の上方に配置するように第1旋回筒7を旋回させる。前述したように載置台42の近傍には作業者がアクセスするための窓(図示せず)が備えられているので、この窓を通じて心押し具32もしくはドレス装置39へのアクセスが容易になり作業性が大幅に向上する。
砥石支持ユニット2は通例のごとく、基台1の上面の左側に配置される直方体状の第1支持部21と、第1支持部21の右面に配置される扁平状の第2支持部22と、第2支持部22の右面に配置される砥石支持装置4と、を備えている。
<4-1.ワークの加工>
次に、上記のように構成された歯車仕上げ加工装置の動作について説明する。はじめに、ワークの加工について説明する。加工開始指令を受ける、あるいは砥石20のドレッシングが終了すると、旋回モータ741を駆動し、第1旋回筒7を旋回することで、心押し具32を第1位置に移動させる。そして、油圧ポンプから作動油を供給し、第1旋回筒7内の第1及び第2ピストン75,77を下方に押し込むことで、ハースカップリング76により、第1旋回筒7と支持柱30とを固定する。
次に、砥石20のドレッシングについて、図12も参照しつつ説明する。まず、ワークWの加工時は図10の状態を維持するが、砥石20のネジ状溝をドレッシングする際は、作動油による両ピストン75,77の押圧が解除され、両バネ751,775によって両ピストン75,77が上方に付勢される。その結果、ハースカップリング76による第1ピストン75と支持柱30との固定が解除され、第1旋回筒7が旋回可能な状態となる。この状態から第2旋回モータ741を駆動し、ドレス装置39を第1位置へ移動させる。(図12)こうして、ドレス装置39が第1位置へ移動すると、両ピストン75,77への給油を再開して第1旋回筒7を支持柱30に固定する。
以上のように、本実施形態によれば、心押し具32とドレス装置39とを第1旋回筒7に取り付けて、ワークWの加工状態と非加工状態にあわせて旋回自在としている。そのため、心押し具32がワークWを押圧可能な状態のときには、ドレス装置39は加工位置から離れた位置にあり、ドレス装置39が砥石20をドレッシングするときには心押し具32が加工位置から離れた位置にある。特に、本実施形態では、心押し具32とドレス装置39とが、第1旋回筒7を基準に180°離れた位置に配置されているため、ドレス装置39あるいは心押し具32を加工位置から第1旋回筒7を挟んで最も離れた位置に配置させることができる。つまり、ドレス装置39あるいは心押し具32を、作業者がアクセスし易い基台1の右端側に位置させてメンテナンスや段取り替え等を広い作業スペースにて行うことができる。さらに心押し具32は、砥石20のドレッシングを行うのと同時進行でメンテナンスや段取り替え等を行うことができる。このように、本実施形態に係る歯車仕上げ加工装置では、心押し具32やドレス装置39のメンテナンス等の作業を容易に行うことができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、以下の変形例は適宜組み合わせることができる。
20 砥石(第1加工具)
39 ドレス装置(第2加工具)
41 主軸
42 載置台
6 チャック装置(ワーク把持具)
Claims (5)
- ワークを回転可能に支持する主軸と、
前記主軸に対して、相対的に近接離間するように構成され、前記ワークを加工する第1工具を支持する工具支持ユニットと、
支持柱と、
前記支持柱に支持され、当該支持柱の軸周りに旋回可能な心押し具及び少なくとも1つの第2工具と、
を備え、
前記心押し具及び前記第2工具は、前記支持柱の周方向においてずれた位置に配置され、
前記心押し具及び前記少なくとも1つの第2工具のうちの1つが、前記旋回により、前記支持柱の周囲に設けられた加工位置に選択的に配置されるように構成され、
前記心押し具が前記加工位置に配置されたとき、当該心押し具は、前記主軸に支持された前記ワークに当接し、前記主軸とともに回転するように構成され、
前記第2工具の1つが前記加工位置に配置されたとき、当該第2工具は、前記工具支持ユニットの前記第1工具を加工するように構成され、
前記支持柱に支持されると共に、当該支持柱の周囲を前記軸周りに旋回可能な複数のワーク把持具をさらに備えて設けられ、
前記複数のワーク把持具は、前記心押し具及び前記第2工具に対して、前記支持柱の軸方向にずれた位置に配置され、
前記複数のワーク把持具のうちの1つが、前記旋回により、前記支持柱の周囲に設けられた搬入・搬出位置ならびに前記加工位置に選択的に配置されるように構成され、前記ワーク把持具は、前記ワークを把持して前記搬入・搬出位置と前記加工位置との間を移動するように構成されている、
加工装置。 - 前記支持柱の近傍に、前記搬入・搬出位置に対応して前記ワークが載置される、載置部をさらに備え、
前記ワーク把持具は、前記主軸と前記載置部との間で前記ワークを移送するように構成されている、請求項1に記載の加工装置。 - 前記心押し具と少なくとも1つの前記第2工具とが、前記支持柱の周方向において互いに略180°離れた位置に配置されている、請求項1または2に記載の加工装置。
- 前記心押し具を支持する第1設置台と、少なくとも1つの前記第2工具を支持する第2設置台とが、停止した前記ワーク把持具のそれぞれに対峙するように位置決め固定されると共に、各々の前記ワーク把持具を同時に開もしくは閉操作するアクチュエータをそれぞれ備えさせてある、請求項2に記載の加工装置。
- 前記ワークは、歯車であり、
前記第1工具は、前記歯車を加工する砥石であり、
前記第2工具は、前記砥石をドレッシングするドレスディスクである、請求項1から4のいずれかに記載の加工装置。
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