JP7003367B2 - 電力ケーブルの接続部、及び電力ケーブルの接続部の形成方法 - Google Patents
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Description
遮蔽層と前記遮蔽層の外周を覆うシースとを有する電力ケーブルと、
前記シースの前記遮蔽層に対する軸方向のずれを抑制するずれ止め機構とを備え、
前記ずれ止め機構は、
前記電力ケーブルの取付対象に取り付けられており、かつ、前記シースの外周面を支持するように前記電力ケーブルを支持する支持体と、
前記シースの外周面に設けられており、かつ、前記支持体と協働して前記シースの軸方向のずれを抑制するストッパーと、
前記ストッパーを前記シースの外周面に接着する接着剤とを有し、
前記接着剤は、最大引張応力が1.5MPa以下、及び破断伸びが450%以上の少なくとも一方を満たす。
遮蔽層と前記遮蔽層の外周を覆うシースとを有する電力ケーブルと、
前記シースの前記遮蔽層に対する軸方向のずれを抑制するずれ止め機構とを備え、
前記ずれ止め機構は、
前記電力ケーブルの取付対象に取り付けられており、かつ、前記シースの外周面を支持するように前記電力ケーブルを支持する支持体と、
前記シースの外周面に設けられており、かつ、前記支持体と協働して前記シースの軸方向のずれを抑制するストッパーと、
前記ストッパーを前記シースの外周面に接着する接着剤とを有し、
前記接着剤は、シリル化ウレタン樹脂、及びシリル化ポリウレタン樹脂の少なくとも一方を含む。
電力ケーブルの接続部の形成方法であって、
遮蔽層と前記遮蔽層の外周を覆うシースとを有する電力ケーブルを、支持体に支持させる工程と、
前記支持体と協働して前記シースの軸方向のずれを抑制するように、前記シースの外周面に接着剤でストッパーを設ける工程とを備え、
前記接着剤は、最大引張応力が1.5MPa以下、及び破断伸びが450%以上の少なくとも一方を満たす。
電力ケーブルの接続部の形成方法であって、
遮蔽層と前記遮蔽層の外周を覆うシースとを有する電力ケーブルを、支持体に支持させる工程と、
前記支持体と協働して前記シースの軸方向のずれを抑制するように、前記シースの外周面に接着剤でストッパーを設ける工程とを備え、
前記接着剤は、シリル化ウレタン樹脂およびシリル化ポリウレタン樹脂の少なくとも一方を含む。
最初に本発明の実施態様の内容を列記して説明する。
遮蔽層と前記遮蔽層の外周を覆うシースとを有する電力ケーブルと、
前記シースの前記遮蔽層に対する軸方向のずれを抑制するずれ止め機構とを備え、
前記ずれ止め機構は、
前記電力ケーブルの取付対象に取り付けられており、かつ、前記シースの外周面を支持するように前記電力ケーブルを支持する支持体と、
前記シースの外周面に設けられており、かつ、前記支持体と協働して前記シースの軸方向のずれを抑制するストッパーと、
前記ストッパーを前記シースの外周面に接着する接着剤とを有し、
前記接着剤は、最大引張応力が1.5MPa以下、及び破断伸びが450%以上の少なくとも一方を満たす。
前記ずれ止め機構は、熱影響に伴う前記シースの前記遮蔽層に対する軸方向のずれを抑制するように構成されていることが挙げられる。
前記ずれ止め機構は、前記シースのシュリンクバックに伴う前記シースの前記遮蔽層に対する軸方向のずれを抑制するように構成されていることが挙げられる。
前記ストッパーは、
前記支持体とは異なる場所に配置されており、
前記シースの前記遮蔽層に対する軸方向のずれが生じた際に前記支持体に当て止めされるように構成されていることが挙げられる。
前記支持体はブラケットであることが挙げられる。
前記接着剤は、シリル化ウレタン樹脂、及びシリル化ポリウレタン樹脂の少なくとも一方を含むことが挙げられる。
遮蔽層と前記遮蔽層の外周を覆うシースとを有する電力ケーブルと、
前記シースの前記遮蔽層に対する軸方向のずれを抑制するずれ止め機構とを備え、
前記ずれ止め機構は、
前記電力ケーブルの取付対象に取り付けられており、かつ、前記シースの外周面を支持するように前記電力ケーブルを支持する支持体と、
前記シースの外周面に設けられており、かつ、前記支持体と協働して前記シースの軸方向のずれを抑制するストッパーと、
前記ストッパーを前記シースの外周面に接着する接着剤とを有し、
前記接着剤は、シリル化ウレタン樹脂、及びシリル化ポリウレタン樹脂の少なくとも一方を含む。
前記シースは、ポリエチレン樹脂を含むことが挙げられる。
前記ストッパーは、シリコーン樹脂、及びエチレンプロピレンゴムの少なくとも一方を含むことが挙げられる。
電力ケーブルの接続部の形成方法であって、
遮蔽層と前記遮蔽層の外周を覆うシースとを有する電力ケーブルを、支持体に支持させる工程と、
前記支持体と協働して前記シースの軸方向のずれを抑制するように、前記シースの外周面に接着剤でストッパーを設ける工程とを備え、
前記接着剤は、最大引張応力が1.5MPa以下、及び破断伸びが450%以上の少なくとも一方を満たす。
電力ケーブルの接続部の形成方法であって、
遮蔽層と前記遮蔽層の外周を覆うシースとを有する電力ケーブルを、支持体に支持させる工程と、
前記支持体と協働して前記シースの軸方向のずれを抑制するように、前記シースの外周面に接着剤でストッパーを設ける工程とを備え、
前記接着剤は、シリル化ウレタン樹脂およびシリル化ポリウレタン樹脂の少なくとも一方を含む。
前記ストッパーは、前記シースの前記遮蔽層に対する軸方向のずれが生じた際に前記支持体に当て止めされるように構成されていることが挙げられる。
本発明の実施形態の詳細を、以下に図面を参照しつつ説明する。図中の同一符号は、同一名称物を示す。以下の説明は、電力ケーブルの接続部、電力ケーブルの接続部の形成方法の順に行う。
図1~図3を参照して実施形態に係る電力ケーブルの接続部1を説明する。電力ケーブルの接続部1は、遮蔽層25と遮蔽層25の外周を覆うシース26とを備える電力ケーブル2と、シース26の遮蔽層25に対する軸方向のずれ(以下、単にシース26の軸方向のずれということがある)を抑制するずれ止め機構3とを備える。ずれ止め機構3は、電力ケーブル2の取付対象に取り付けられており、かつシース26の外周面を支持するように電力ケーブル2を支持する支持体4と、シース26の外周面に設けられており、かつ支持体4と協働してシース26の軸方向のずれを抑制するストッパー5とを有する。電力ケーブルの接続部1の特徴の一つは、ずれ止め機構3がストッパー5をシース26の外周面に接着する接着剤6を有し、この接着剤6が特定の物性及び材質の少なくとも一方を有する点にある。以下、各構成を詳細に説明する。
電力ケーブル2は、内周から順に、導体(図示略)、内部半導電層(図示略)、絶縁体23、外部半導電層(図示略)、遮蔽層25、シース26を備える(図1)。内部半導電層と外部半導電層とは、必要に応じて省略できる。電力ケーブル2の端部は、段剥ぎされて導体及び絶縁体23が露出されていて、ゴムモールド部品8が装着されている。ゴムモールド部品8は、段剥ぎされた電力ケーブル2の先端(図1の上側)の導体からそれよりも後方(図1の下側)に位置するシース26の端部に亘って覆うように設けられている。シース26の材質は、ポリエチレン樹脂やポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、後述する接着剤6との接着性に優れる。電力ケーブル2及びゴムモールド部品8は、公知のものを利用できる。図2,図3では、説明の便宜上、電力ケーブル2のシース26の内部を省略して示している。
ずれ止め機構3は、支持体4とストッパー5と接着剤6(図2)とを有する。このずれ止め機構3は、熱影響に伴いシース26がその軸方向に収縮(シュリンクバック)して遮蔽層25に対して軸方向にずれることを抑制するように構成されている。
支持体4は、本例では電力ケーブル2を取付対象に取り付ける(図1、図3)。支持体4は、シース26の外周に装着される。支持体4とシース26との間には、アスファルトを含浸した含浸黄麻布などのクッション層7が介在されている(図3)。このクッション層7はエチレンプロピレンゴムのシートを巻き付けて構成してもよい。本例の支持体4は、ブラケットであり、このブラケットは、公知のものを使用できる。支持体4の材質は、鋼、鋳鉄、アルミニウム、アルミニウム合金などが挙げられる。この支持体4は、本体41と押え部材42と締付部材43とを備える。
本体41は、支持体4自体を取付対象に固定するもので、半円状の湾曲部411と、湾曲部411の両側に形成されるフランジ部412と、湾曲部411の外側面に形成される固定台413とを備える。湾曲部411は、後述する押え部材42の湾曲部421との間にシース26を配置する。湾曲部411は、シース26の外周面の一部を囲む。フランジ部412は、押え部材42を本体41に固定するためのものである。このフランジ部412には、後述する締付部材43が挿通される挿通孔(図示略)が形成されている。固定台413は、本体41を取付対象に固定する。取付対象としては、例えば腕金などが挙げられる。固定台413には、本体41を取付対象に固定するためのボルトなどの固定部材が挿通される挿通孔(図示略)が形成されている。
押え部材42は、本体41の湾曲部411及びフランジ部412の内側面と対向配置され、本体41との間にシース26を配置する。押え部材42は、半円状の湾曲部421と、湾曲部421の両側に形成されるフランジ部422とを備える。湾曲部421は、シース26の外周面の一部を囲む。フランジ部422は、本体41のフランジ部412に締付部材43で固定される。フランジ部422には、締付部材43を挿通させる挿通孔(図示略)が形成されている。
締付部材43は、本体41及び押え部材42のフランジ部412,422を一体に締め付けて本体41と押え部材42とを固定する。この締め付けにより、本体41及び押え部材42の湾曲部411、421同士で、両者の間に配置されるシース26を挟み込む。締付部材43は、ボルトが利用できる。
ストッパー5は、本例では熱影響に伴い収縮したシース26に連動して支持体4の端面に当て止めされる(図1、図2)。ストッパー5は、支持体4とは異なる場所に配置されており、本例ではシース26の外周に支持体4とずれて配置される。ストッパー5の配置箇所は、支持体4よりも電力ケーブル2の先端側である(図1)。ストッパー5は、後述の接着剤6によりシース26の外周面に接着されている(図2)。そのため、熱影響に伴いシース26が収縮した際、ストッパー5が支持体4の端面に当て止められることで、シース26の軸方向のずれが抑制される。
接着剤6は、ストッパー5をシース26の外周面に接着する(図2)。この接着剤6は、硬化後の物性が特定の範囲を満たす。最大引張応力が1.5MPa以下、及び破断伸びが450%以上の少なくとも一方を満たすことが挙げられる。接着剤6は、最大引張応力、及び破断伸びの少なくとも一方が上記範囲を満たすことで、比較的柔らかい。そのため、接着剤6は、熱影響によりシース26が繰り返し膨張・収縮しても、ある程度追従して伸び縮みできるので、割れなどの損傷が生じ難い。それにより、長期に亘ってストッパー5をシース26の外周面に接着できる。特に、接着剤6は、最大引張応力と破断伸びの両方とも上記範囲を満たすことが好ましい。
電力ケーブルの接続部1は、電力ケーブルの端末接続部に好適に利用できる。また、電力ケーブルの接続部1は、シュリンクバックが生じ易いポリエチレンシースを備える電力ケーブルの端末接続部に好適に利用できる。
実施形態に係る電力ケーブルの接続部1は、電力ケーブル2におけるシース26内の遮蔽層25の露出を長期に亘って抑制できる。熱影響に伴いシース26がその長手方向に収縮しても、ストッパー5が支持体4に当て止めされることで、シース26が遮蔽層25に対して軸方向にずれることを抑制できる。このストッパー5をシース26の外周面に接着する接着剤6は、比較的柔らかいので、熱影響によるシース26の膨張・収縮に対してある程度追従して伸び縮みできる。そのため、接着剤6は、シース26が繰り返し膨張・収縮しても割れなどの損傷が生じ難い。従って、長期に亘ってストッパー5をシース26の外周面に接着でき、シース26の軸方向のずれを長期に亘って抑制できる。その上、シース26の軸方向のずれに伴う遮蔽層25への負荷がかかり難いので、負荷がかかることに伴う遮蔽層25の座屈や破断なども生じ難い。
実施形態に係る電力ケーブルの接続部1は、電力ケーブルの接続部の形成方法により形成できる。この電力ケーブルの接続部の形成方法は、支持工程と接着工程とを備える。
支持工程は、遮蔽層25と遮蔽層25の外周を覆うシース26とを有する電力ケーブル2を支持体4に支持させる。シース26の外周の所定の位置に本体41と押え部材42とを装着する。まず、本体41の湾曲部411と押え部材42の湾曲部421とでシース26を挟むと共に、本体41のフランジ部412と押え部材42のフランジ部422とを互いに対向させる。次に、締付部材43で両フランジ部412,422を一体に締め付けて、本体41と押え部材42とを固定する。
接着工程は、支持体4と協働してシース26の軸方向のずれを抑制するように、シース26の外周面に接着剤6でストッパー5を設ける。ここでは、シース26の遮蔽層25に対する軸方向のずれが生じた際に支持体4に当て止めされる位置、具体的には、シース26における支持体4よりも電力ケーブル2の先端側にストッパー5を接着剤6で接着させる。この接着剤6は、上述したように特定の物性及び特定の材質の少なくとも一方を有するものを用いる。特定の物性とは、最大引張応力が1.5MPa以下、及び破断伸びが450%以上の少なくとも一方を満たすことが挙げられる。特定の材質とは、シリル化ウレタン樹脂およびシリル化ポリウレタン樹脂の少なくとも一方を含むことが挙げられる。
図1~図3を参照して説明したずれ止め機構3を備える電力ケーブルの接続部1を用いて、シース26のずれ具合を評価した。
2 電力ケーブル
23 絶縁体
25 遮蔽層
26 シース
3 ずれ止め機構
4 支持体
41 本体
411 湾曲部
412 フランジ部
413 固定台
42 押え部材
421 湾曲部
422 フランジ部
43 締付部材
5 ストッパー
51 スリット
6 接着剤
7 クッション層
8 ゴムモールド部品
Claims (11)
- 遮蔽層と前記遮蔽層の外周を覆うシースとを有する電力ケーブルと、
前記シースの前記遮蔽層に対する軸方向のずれを抑制するずれ止め機構とを備え、
前記ずれ止め機構は、
前記電力ケーブルの取付対象に取り付けられており、かつ、前記シースの外周面を支持するように前記電力ケーブルを支持する支持体と、
前記シースの外周面に設けられており、かつ、前記支持体と協働して前記シースの軸方向のずれを抑制するストッパーと、
前記ストッパーを前記シースの外周面に接着する接着剤とを有し、
前記接着剤は、
最大引張応力が1.5MPa以下、及び破断伸びが450%以上を満たし、
シリル化ウレタン樹脂、及びシリル化ポリウレタン樹脂の少なくとも一方を含む電力ケーブルの接続部。 - 前記ずれ止め機構は、熱影響に伴う前記シースの前記遮蔽層に対する軸方向のずれを抑制するように構成されている請求項1に記載の電力ケーブルの接続部。
- 前記ずれ止め機構は、前記シースのシュリンクバックに伴う前記シースの前記遮蔽層に対する軸方向のずれを抑制するように構成されている請求項1に記載の電力ケーブルの接続部。
- 前記ストッパーは、
前記支持体とは異なる場所に配置されており、
前記シースの前記遮蔽層に対する軸方向のずれが生じた際に前記支持体に当て止めされるように構成されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電力ケーブルの接続部。 - 前記支持体はブラケットである請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電力ケーブルの接続部。
- 遮蔽層と前記遮蔽層の外周を覆うシースとを有する電力ケーブルと、
前記シースの前記遮蔽層に対する軸方向のずれを抑制するずれ止め機構とを備え、
前記ずれ止め機構は、
前記電力ケーブルの取付対象に取り付けられており、かつ、前記シースの外周面を支持するように前記電力ケーブルを支持する支持体と、
前記シースの外周面に設けられており、かつ、前記支持体と協働して前記シースの軸方向のずれを抑制するストッパーと、
前記ストッパーを前記シースの外周面に接着する接着剤とを有し、
前記接着剤は、シリル化ウレタン樹脂、及びシリル化ポリウレタン樹脂の少なくとも一方を含む電力ケーブルの接続部。 - 前記シースは、ポリエチレン樹脂を含む請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電力ケーブルの接続部。
- 前記ストッパーは、シリコーン樹脂、及びエチレンプロピレンゴムの少なくとも一方を含む請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電力ケーブルの接続部。
- 電力ケーブルの接続部の形成方法であって、
遮蔽層と前記遮蔽層の外周を覆うシースとを有する電力ケーブルを、支持体に支持させる工程と、
前記支持体と協働して前記シースの軸方向のずれを抑制するように、前記シースの外周面に接着剤でストッパーを設ける工程とを備え、
前記接着剤は、
最大引張応力が1.5MPa以下、及び破断伸びが450%以上を満たし、
シリル化ウレタン樹脂、及びシリル化ポリウレタン樹脂の少なくとも一方を含む電力ケーブルの接続部の形成方法。 - 電力ケーブルの接続部の形成方法であって、
遮蔽層と前記遮蔽層の外周を覆うシースとを有する電力ケーブルを、支持体に支持させる工程と、
前記支持体と協働して前記シースの軸方向のずれを抑制するように、前記シースの外周面に接着剤でストッパーを設ける工程とを備え、
前記接着剤は、シリル化ウレタン樹脂およびシリル化ポリウレタン樹脂の少なくとも一方を含む電力ケーブルの接続部の形成方法。 - 前記ストッパーは、前記シースの前記遮蔽層に対する軸方向のずれが生じた際に前記支持体に当て止めされるように構成されている請求項9または請求項10に記載の電力ケーブルの接続部の形成方法。
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