JP6928846B2 - ゴムモールド部品、及び電力ケーブルの接続部 - Google Patents

ゴムモールド部品、及び電力ケーブルの接続部 Download PDF

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本発明は、ゴムモールド部品、及び電力ケーブルの接続部に関するものである。
電力ケーブルの接続部として、特許文献1の電力ケーブルのシースずれ防止装置を備えるものが知られている。このシースずれ防止装置は、ケーブルシースの外周を把持するブラケットと、ケーブルシースの外周にブラケットとずれて配置されるストッパーとを備える。このストッパーは、シースに対して接着剤で接着されている。その他、電力ケーブルの接続部として、特許文献2の電力ケーブル端末部のゴムモールド部品を備えるものも知られている。
特開昭58−83518号公報 特開平11−289648号公報
シースは、製造過程上、その長手方向(電力ケーブルの軸方向)に対して引張方向の歪みが残留している。この残留歪みは、外気温度の変化や通電等のヒートサイクルなどの熱影響によって開放される。そうすると、シースは、その長手方向に収縮(シュリンクバック)することがある。
ゴムモールド部品は、シースの上記収縮に伴ってシースに引っ張られると長手方向に伸び易く、電力ケーブルの端部に対して長手方向に過度にずれる虞がある。そうすると、電力ケーブル端部とゴムモールド部品の互いの位置がずれる。
また、シースは、その収縮に伴い、遮蔽層に対してずれることがある。そのシースの収縮に伴い、シース内の遮蔽層は、シース(ゴムモールド部品)から露出し、ひいてはシースの収縮により負荷がかかることで座屈や破断など損傷する虞がある。
上述のシースずれ防止装置では、熱影響によりシースがその長手方向に収縮すると、シースに接着されるストッパーがシースの収縮に追従してブラケットに当接することで、シース内の遮蔽層の露出を抑制している。しかし、電力ケーブルの接続部の設置場所によっては、スペースの関係上などによりストッパー及びブラケットを設置できない虞がある。そうすると、遮蔽層の露出を抑制できなくなる。
そこで、長手方向に引っ張られる力を受けても伸び難いゴムモールド部品を提供することを目的の一つとする。
また、電力ケーブルにおけるシース内の遮蔽層の露出を抑制できる電力ケーブルの接続部を提供することを目的の一つとする。
本開示に係るゴムモールド部品は、
電力ケーブルに取り付けられるゴムモールド部品であって、
筒状に形成されており、前記電力ケーブルが挿入される一端を有する本体部と、
前記本体部に設けられており、かつ、前記本体部の長手方向の伸びを抑制する少なくとも1つの伸び止め部とを有する。
本開示に係る第1の電力ケーブルの接続部は、
遮蔽層と前記遮蔽層の外周を覆うシースとを有する電力ケーブルと、
前記電力ケーブルの端部に装着されるゴムモールド部品と、
前記シースの外周面と前記ゴムモールド部品の内周面とを接着し、前記シースの前記遮蔽層に対する軸方向のずれを抑制する接着剤とを有し、
前記ゴムモールド部品は、本開示に係るゴムモールド部品であり、
前記接着剤は、最大引張応力が1.5MPa以下、及び破断伸びが450%以上の少なくとも一方を満たす。
本開示に係る第2の電力ケーブルの接続部は、
遮蔽層と前記遮蔽層の外周を覆うシースとを有する電力ケーブルと、
前記電力ケーブルの端部に装着されるゴムモールド部品と、
前記シースの外周面と前記ゴムモールド部品の内周面とを接着し、前記シースの前記遮蔽層に対する軸方向のずれを抑制する接着剤とを有し、
前記ゴムモールド部品は、本開示に係るゴムモールド部品であり、
前記接着剤は、シリル化ウレタン樹脂、及びシリル化ポリウレタン樹脂の少なくとも一方を含む。
上記ゴムモールド部品は、その長手方向に引っ張られる力を受けても伸び難い。
上記第1及び第2の電力ケーブルの接続部は、電力ケーブルにおけるシース内の遮蔽層の露出を抑制できる。
実施形態1に係るゴムモールド部品、及び実施形態6に係る電力ケーブルの接続部を示す部分縦断面図である。 図1に示すゴムモールド部品の(II)−(II)切断線で切断した状態を示す横断面図である。 実施形態2に係るゴムモールド部品を示す部分縦断面図である。 図3に示すゴムモールド部品の(IV)−(IV)切断線で切断した状態を示す横断面図である。 実施形態2に係るゴムモールド部品の他の例を示す部分縦断面図である。 実施形態2に係るゴムモールド部品の別の例を示す部分縦断面図である。 実施形態2に係るゴムモールド部品の別の例を示す横断面図である。 実施形態2に係るゴムモールド部品の別の例を示す横断面図である。 実施形態3に係るゴムモールド部品を示す部分縦断面図である。 実施形態4に係るゴムモールド部品を示す横断面図である。 実施形態5に係るゴムモールド部品を示す横断面図である。
《本発明の実施形態の説明》
最初に本発明の実施態様の内容を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係るゴムモールド部品は、
電力ケーブルに取り付けられるゴムモールド部品であって、
筒状に形成されており、前記電力ケーブルが挿入される一端を有する本体部と、
前記本体部に設けられており、かつ、前記本体部の長手方向の伸びを抑制する少なくとも1つの伸び止め部とを有する。
上記の構成によれば、長手方向に引っ張られる力を受けても伸び難い。伸び止め部により本体部自体の伸びを抑制できるからである。そのため、電力ケーブルの端部に装着された際、シースが収縮しても電力ケーブルの端部に対して位置ずれし難いため、電力ケーブルの端部とゴムモールド部品の互いの位置がずれ難い電力ケーブルの接続部を構築し易い。
(2)上記ゴムモールド部品の一形態として、
前記伸び止め部は、前記本体部の内周面に設けられていることが挙げられる。
上記の構成によれば、ゴムモールド部品が長手方向に引っ張られる力を受けても伸び難い。伸び止め部が本体部の内周面に設けられていることで、本体部に内蔵されている場合に比較して、伸び止め部を電力ケーブルに近づけられるため、ゴムモールド部品の伸びをより抑制し易い。
(3)上記ゴムモールド部品の一形態として、
前記伸び止め部は、前記本体部の内周面に接着されていることが挙げられる。
上記の構成によれば、ゴムモールド部品が長手方向に引っ張られる力を受けても伸び難い。伸び止め部が本体部の内周面に接着されていることで、伸び止め部と本体部とを一体に扱い易い。
(4)上記ゴムモールド部品の一形態として、
前記伸び止め部は、前記本体部の内部に設けられていることが挙げられる。
上記の構成によれば、ゴムモールド部品が長手方向に引っ張られる力を受けても伸び難い。伸び止め部が本体部に内蔵されていることで、伸び止め部と本体部とを一体に扱い易い。
(5)上記ゴムモールド部品の一形態として、
さらに、電界緩和層を有することが挙げられる。
上記の構成によれば、遮蔽層の端部への電界の集中を緩和できるため、遮蔽層の内側の絶縁体の電気的ストレスによる劣化を低減して絶縁破壊を抑制できる。
(6)電界緩和層を有する上記ゴムモールド部品の一形態として、
前記伸び止め部は、前記本体部の長手方向において、前記一端と前記電界緩和層との間に位置することが挙げられる。
上記の構成によれば、ゴムモールド部品が長手方向に引っ張られる力を受けても伸び難い。上記一端と電界緩和層との間の伸び止め部によりその間における軸方向の伸びを抑制し易いため、ゴムモールド部品の長手方向に引っ張られる力を電界緩和層に作用させ難くできて、電界緩和層自体の伸びを抑制し易い。
(7)電界緩和層を有する上記ゴムモールド部品の一形態として、
前記伸び止め部の少なくとも一部は、前記本体部の径方向において、前記電界緩和層と重複していることが挙げられる。
上記の構成によれば、ゴムモールド部品が長手方向に引っ張られる力を受けても伸び難い。
(8)上記ゴムモールド部品の一形態として、
前記伸び止め部は、前記本体部の周方向に沿って形成されていることが挙げられる。
上記の構成によれば、ゴムモールド部品が長手方向に引っ張られる力を受けても伸び難い。伸び止め部が周方向に沿っていることで、周方向に沿ってゴムモールド部品の長手方向の伸びを抑制し易い。
(9)本体部の周方向に沿って形成される伸び止め部を有する上記ゴムモールド部品の一形態として、
前記伸び止め部は、シート材が前記本体部の周方向に沿うように形成されていることが挙げられる。
上記の構成によれば、ゴムモールド部品が長手方向に引っ張られる力を受けても伸び難い。
(10)上記シート材で構成される伸び止め部を有する上記ゴムモールド部品の一形態として、
前記本体部の周方向に沿って配置された前記シート材は、周方向における一端及び周方向における他端を有し、
周方向における前記一端は、前記周方向における前記他端と離間するように配置されていることが挙げられる。
上記の構成によれば、ゴムモールド部品における離間箇所は径方向に広がり易いため、電力ケーブルの端部に装着し易い。特に、ゴムモールド部品を折り返して電力ケーブルの端部に装着する際、ゴムモールド部品を折り返し易い。
(11)上記ゴムモールド部品の一形態として、
前記ゴムモールド部品は、第1伸び止め部と第2伸び止め部とを含む複数の前記伸び止め部を有することが挙げられる。
上記の構成によれば、ゴムモールド部品が長手方向に引っ張られる力を受けても伸び難い。
(12)第1伸び止め部と第2伸び止め部とを有する上記ゴムモールド部品の一形態として、
前記第1伸び止め部は、前記第2伸び止め部と、前記本体部の周方向において離間していることが挙げられる。
上記の構成によれば、ゴムモールド部品における離間箇所は径方向に広がり易いため、電力ケーブルの端部に装着し易い。
(13)第1伸び止め部と第2伸び止め部とを有する上記ゴムモールド部品の一形態として、
前記第1伸び止め部は、前記第2伸び止め部と、前記本体部の軸方向において離間していることが挙げられる。
上記の構成によれば、長手方向に適度に伸び易いため、電力ケーブルの端部に装着し易い。
(14)第1伸び止め部と第2伸び止め部とを有する上記ゴムモールド部品の一形態として、
前記第1伸び止め部は、前記第2伸び止め部と、前記本体部の径方向において離間していることが挙げられる。
上記の構成によれば、ゴムモールド部品における離間箇所は径方向に広がり易いため、電力ケーブルの端部に装着し易い。
(15)上記ゴムモールド部品の一形態として、
前記伸び止め部は、前記本体部よりも低伸度な材質で構成されていることが挙げられる。
上記の構成によれば、伸び止め部により本体部自体の伸びを抑制できるため、シースの軸方向へのずれに対して本体部が過度にずれることを抑制し易い。そのため、電力ケーブルの端部とゴムモールド部品の互いの位置がずれ難い電力ケーブルの接続部を構築し易い。
(16)上記ゴムモールド部品の一形態として、
前記伸び止め部は、ガラス繊維、炭素繊維、化学繊維、織布、不織布、ペーパーの少なくとも1つを含むことが挙げられる。
上記の構成によれば、伸び止め部により本体部自体の伸びを抑制し易い。
(17)本発明の一態様に係る第1の電力ケーブルの接続部は、
遮蔽層と前記遮蔽層の外周を覆うシースとを有する電力ケーブルと、
前記電力ケーブルの端部に装着されるゴムモールド部品と、
前記シースの外周面と前記ゴムモールド部品の内周面とを接着し、前記シースの前記遮蔽層に対する軸方向のずれを抑制する接着剤とを有し、
前記ゴムモールド部品は、上記(1)から上記(16)のいずれか1つに記載のゴムモールド部品であり、
前記接着剤は、最大引張応力が1.5MPa以下、及び破断伸びが450%以上の少なくとも一方を満たす。
上記の構成によれば、電力ケーブルにおけるシース内の遮蔽層の露出を抑制できる。最大引張応力が1.5MPa以下、及び破断伸びが450%以上の少なくとも一方を満たす接着剤は、比較的柔らかくて、熱影響によるシースの膨張・収縮に対してある程度追従して伸び縮みできる。そのため、接着剤は、シースが繰り返し膨張・収縮しても割れなどの損傷が生じ難いので、長期に亘ってゴムモールド部品をシースの外周面に接着できる。それにより、熱影響によりシースが遮蔽層に対して軸方向にずれても、ゴムモールド部品がシースのずれにある程度追従して延びることで、ゴムモールド部品がシースを覆い続けられる。
また、シースの軸方向のずれに伴う遮蔽層への負荷がかかり難いので、負荷がかかることに伴う遮蔽層の座屈や破断なども生じ難い。
更に、電力ケーブルの端部とゴムモールド部品の互いの位置がずれ難い。シースとゴムモールド部品とが接着剤で接着されているためシースが収縮した際にゴムモールド部品は長手方向に引っ張られる力を受けるが、伸び止め部を有することで本体部自体が伸び難いため本体部が電力ケーブル端部に対して位置ずれし難いからである。
(18)上記電力ケーブルの接続部の一形態として、
前記接着剤は、シリル化ウレタン樹脂、及びシリル化ポリウレタン樹脂の少なくとも一方を含むことが挙げられる。
上記の構成によれば、シース及びゴムモールド部品のそれぞれと接着剤との接着性に優れる。その上、接着剤は柔らかいためシースが繰り返し膨張・収縮しても損傷し難い。
(19)本発明の一態様に係る第2の電力ケーブルの接続部は、
遮蔽層と前記遮蔽層の外周を覆うシースとを有する電力ケーブルと、
前記電力ケーブルの端部に装着されるゴムモールド部品と、
前記シースの外周面と前記ゴムモールド部品の内周面とを接着し、前記シースの前記遮蔽層に対する軸方向のずれを抑制する接着剤とを有し、
前記ゴムモールド部品は、上記(1)から上記(16)のいずれか1つに記載のゴムモールド部品であり、
前記接着剤は、シリル化ウレタン樹脂、及びシリル化ポリウレタン樹脂の少なくとも一方を含む。
上記の構成によれば、第1の電力ケーブルの接続部と同様、電力ケーブルにおけるシース内の遮蔽層の露出を抑制できる。また、遮蔽層の座屈や破断なども生じ難い。更に、電力ケーブルの端部とゴムモールド部品の互いの位置がずれ難い。
(20)上記伸び止め部を備える上記電力ケーブルの接続部の一形態として、
前記伸び止め部は、前記本体部の内面に前記シースと一部重なるように配置されることが挙げられる。
本体部とシースとが接着剤で接着されていることで、本体部のシースと重なる箇所は熱影響によるシースの軸方向へのずれに伴い伸び易い。そのため、伸び止め部が本体部の内面にシースと一部重なるように配置されることで、熱影響によるシースの軸方向へのずれに伴う本体部の伸びを効果的に抑制し易い。
(21)上記伸び止め部を備える上記電力ケーブルの接続部の一形態として、
前記伸び止め部は、前記本体部の内面に前記シースとずれて配置されることが挙げられる。
上記の構成によれば、シースと本体部との対向領域を広くでき、接着剤によるシースと本体部との接着領域を広くできるため、シースと本体部とを強固に接着できる。
《本発明の実施形態の詳細》
本発明の実施形態の詳細を、以下に図面を参照しつつ説明する。図中の同一符号は、同一名称物を示す。以下の説明は、実施形態1〜実施形態5に係るゴムモールド部品、実施形態6の電力ケーブルの接続部の順に行う。
《実施形態1》
〔ゴムモールド部品〕
図1、図2を参照して、実施形態1に係るゴムモールド部品4を説明する。ゴムモールド部品4は、電力ケーブル2の端部に取り付けられる。電力ケーブル2は、内周から順に、導体(図示略)、内部半導電層(図示略)、絶縁体23、外部半導電層(図示略)、遮蔽層25、シース26を備える(図1)。内部半導電層と外部半導電層とは、必要に応じて省略できる。ゴムモールド部品4の特徴の一つは、筒状に形成されており、電力ケーブル2が挿入される一端41aを有する本体部41と、本体部41に設けられており、かつ、本体部41の長手方向の伸びを抑制する伸び止め部43とを有する点にある。以下、各構成を詳細に説明する。図1では、ゴムモールド部品4を電力ケーブル2の端部に装着した状態(電力ケーブルの接続部1)の部分縦断面図を示している。図2では、説明の便宜上、本体部41と伸び止め部43のみ示している。この点は後述する図4,図7,図8,図10,図11でも同様である。
ゴムモールド部品4は、電力ケーブル2の端部の絶縁性を高める。ゴムモールド部品4は、電力ケーブル2の端部が挿入され、シース26の端部を把持する。ゴムモールド部品4は、本体部41、及び伸び止め部43に加えて、電界緩和層42、及び目印44の少なくとも一つを備えることが好ましい。本体部41,電界緩和層42、及び目印44の基本構成は上述の特許文献2と同様とすることができる。
[本体部]
本体部41は、筒状であり、段剥ぎされた電力ケーブル2の先端(図1の上側)の導体からそれよりも後方(図1の下側)に位置するシース26の端部に亘って覆う。本体部41の材質は、電気絶縁性に優れるゴム、例えば、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、及びクロロプレンゴムなどが挙げられる。本体部41の一端41a(上記後方側の開口端)は、電力ケーブル2の挿入側の開口端である。本体部41の一端41a側は、本体部41に電力ケーブル2の端部を挿入した際、シース26の端部の外周に装着されて、自己収縮によりシース26の端部を把持する。本体部41の一端41aは、後述するように本体部41に電力ケーブル2の端部を挿入した際、後述の接着剤6によりシース26の端部の外周面に接着される。本体部41の他端(上記先端側の開口端)は、電力ケーブル2の導体に電気的に接続される金属端子(図示略)が設けられる。
[電界緩和層]
電界緩和層42は、筒状であり、内部に挿通された電力ケーブル2の遮蔽層25の端部への電界の集中を緩和する(図1)。それにより、電力ケーブル2の絶縁体23の電気的ストレスによる劣化を低減して絶縁破壊を抑制する。電界緩和層42は、ゴムモールド部品4における軸方向の中間部の内周面に一体に形成されていて、遮蔽層25(半導電性テープ層:図示略)から絶縁体23に亘って覆っている。電界緩和層42の材質は、例えば、半導電性ゴムが挙げられる。
[伸び止め部]
伸び止め部43は、本体部41の長手方向の伸びを抑制する。本体部41の伸びとは、代表的には、後述するように接着剤6により本体部41とシース26とが接着されていることで、熱影響に伴うシース26の遮蔽層25に対する軸方向のずれ(以下、単にシース26の軸方向のずれということがある)に追従して本体部41が軸方向に沿って伸びることをいう。伸び止め部43の数は、本例では単数であるが、後述する実施形態3〜5(図9〜図11)のように複数でもよい。
伸び止め部43は、本体部41よりも低伸度な材質で構成されている。そうすれば、伸び止め部43により本体部41自体の伸びを抑制できるため、シース26の軸方向のずれに対して本体部41が過度にずれることを抑制し易い。そのため、電力ケーブル2の端部とゴムモールド部品4の互いの位置がずれ難い電力ケーブルの接続部1を構築し易い。低伸度とは、伸び止め部43の破断伸びが本体部41の破断伸びよりも小さいことを言う。伸び止め部43は、例えば、ガラス繊維や炭素繊維などの化学繊維からなる織布、不織布、ペーパーが利用できる。そうすれば、伸び止め部43により本体部41自体の伸びを抑制し易い。なお、伸び止め部43が織布、不織布、ペーパーの場合、その繊維の方向が本体部41の長手方向に対して傾斜していることが好ましい。繊維における本体部41の長手方向に対する傾斜角は、例えば、20°以上80°以下が好ましい。
伸び止め部43は、本体部41と一体に成形されている。そのため、本体部41の電力ケーブル2の端部への装着と同時に伸び止め部43を電力ケーブル2の端部に装着できるため、ゴムモールド部品4の電力ケーブル2の端部への装着作業が容易である。その上、伸び止め部43の本体部41に対する配置箇所にもよるが、ゴムモールド部品4を折り返して装着する際、伸び止め部43を合わせて折り返せる。伸び止め部43は、本例では図1、図2に示すように、本体部41の内周面に設けられているが、後述する実施形態2〜5(図3〜図11)のように本体部41の内周面に露出されることなく本体部41の内部に埋設(内蔵)されていてもよいし、本体部41の外周面に設けられていてもよい。伸び止め部43を本体部41の内周面に設ける場合、伸び止め部43は本体部41の内周面に接着されていることが好ましい。伸び止め部43と本体部41との接着は、本体部41の構成材料で一体に成形することで行える。
伸び止め部43が本体部41の内周面に設けられる場合、伸び止め部43の内面は、本体部41の内周面のうち伸び止め部43のない内面と実質的に面一であることが好ましい。伸び止め部43の内面と本体部41の上記内面とを面一にするには、例えば、本体部41の伸び止め部43を覆う部分の厚みを伸び止め部43の厚み分薄くしたり、その覆う部分を伸び止め部43の厚み分だけ外周側に張り出すように成形して、本体部41の厚みは長手方向に一様としたりすることが挙げられる。伸び止め部43の内面と本体部41の伸び止め部43のない内面と面一にしない場合には、本体部41の内周面から伸び止め部43の内面を内側に突出させることが挙げられる。
伸び止め部43の本体部41に対する配置箇所は、図1に示すように、電力ケーブル2の端部に装着された際、遮蔽層25(半導電性テープ層:図示略)からシース26に亘って重なる位置とすることが好ましい。後述するように、本体部41とシース26とが接着剤6で接着されることで、本体部41のシース26と重なる箇所は熱影響によるシース26の軸方向へのずれに伴い伸び易い。そのため、伸び止め部43をシース26と一部重なるように配置することで、熱影響によるシース26の軸方向へのずれに伴う本体部41の伸びを効果的に抑制し易い。図1では、伸び止め部43のシース26に重なる箇所は、接着剤6によりシース26に接着される。そのため、シース26自体の軸方向へのずれを抑制し易い。本例の伸び止め部43の配置箇所は、図1のように、本体部41の一端41aと電界緩和層42との間であり、伸び止め部43は電界緩和層42と重複していないが、後述する実施形態2(図5や図6)のように、伸び止め部43は電界緩和層42と重複していてもよい。
本例の伸び止め部43のゴムモールド部品4の軸方向に沿った長さ(以下、単に軸長さと言うことがある)は、例えば、75mm以上90mm以下が好ましい。伸び止め部43の軸長さは、伸び止め部43が軸方向に複数に分割されている場合、合計長さとする。伸び止め部43の軸長さが75mm以上であれば、本体部41の伸びをその軸方向の広範囲に亘って抑制し易い。伸び止め部43の軸長さが90mm以下であれば、過度に長くなり過ぎないため、本体部41の柔軟性が低下し難く、電力ケーブル2の端部に装着し易い。
なお、伸び止め部43の上記配置箇所は、シース26とずれた位置としてもよい。例えば、伸び止め部43の上記配置箇所は、シース26とは重ならず遮蔽層25(半導電性テープ層:図示略)にのみ重なる位置としてもよい。そうすれば、伸び止め部43のシース26の重なる箇所に接着剤6がない場合に比較して、本体部41とシース26との対向領域を広くでき、接着剤6による本体部41とシース26との接着領域を広くできる。そのため、本体部41とシース26とを強固に接着できる。
伸び止め部43の形状は、シース26の周方向の全周を覆う筒状(円筒状)としてもよいし、円弧状(C字状)としてもよい。この形状は、伸び止め部43をゴムモールド部品4の軸方向からみた形状を言う。伸び止め部43の形状が筒状であれば、本体部41の周方向の全周に亘って伸びを抑制できる。C字状の伸び止め部43は、シート材を本体部41の周方向に沿うように設けることで形成できる。
伸び止め部43の形状が円弧状(C字状)の場合、伸び止め部43の周方向に沿った長さ(以下、周長ということがある)は、シース26の周方向の1/2以上を覆う長さであることが好ましく、更にはシース26の周方向の2/3以上を覆う長さであることが好ましい。上記周長が長いほど、本体部41の伸びを周方向に均等に抑制し易い。伸び止め部43の上記周長は、詳しくは後述するが実施形態4(図10)のように伸び止め部43が周方向に複数に分割されている場合、合計長さとする。
この伸び止め部43の上記周長は、図2のように、シース26の周方向の全周を覆うように伸び止め部43の一端43aと他端43bとが突き合わされる長さとすることができる。そうすれば、本体部41の周方向の全周に亘って伸びを抑制できる。なお、詳しくは後述するが実施形態2(図7,図8)のように一端43aと他端43bとが互いに離隔して突き合わされない長さであってもよい。
伸び止め部43の厚みは、例えば、1mm以下が好ましい。伸び止め部43の厚みは、ゴムモールド部品4の径方向の長さを言う。伸び止め部43の厚みが1mm以下であれば、過度に厚くなり過ぎないため、本体部41の柔軟性が低下し難く、ゴムモールド部品4を電力ケーブル2の端部へ装着し易い。
[目印]
目印44は、ゴムモールド部品4の内周面に形成され、ゴムモールド部品4の折り返し位置を示す。ゴムモールド部品4を電力ケーブル2の端部に装着する際、ゴムモールド部品4における電力ケーブル2の挿入側を折り返しておき、挿入後、折り返した箇所を元に戻してシース26上に被せることで、ゴムモールド部品4の電力ケーブル2の端部への装着を行ない易い。目印44を備えていれば、ゴムモールド部品4の一部を折り返してゴムモールド部品4に電力ケーブル2の端部を挿入する際、ゴムモールド部品4の適切な折り返し位置を明確に知ることができ、折り返す位置にばらつきが生じることを抑制できる。また、目印44は、挿入位置の目印にも使えるため、ゴムモールド部品4と電力ケーブル2の端部とを正確な位置で装着することができる。
目印44は、ゴムモールド部品4の内周面にその内側に向かって突出する突起441を有することが挙げられる。ゴムモールド部品4の軸方向において、突起441の形成箇所は、電力ケーブル2にゴムモールド部品4を装着した際、シース26の端面に対応する箇所とすることが好ましい。そうすれば、ゴムモールド部品4と電力ケーブル2の端部とを正確な位置で装着することができる。ゴムモールド部品4を突起441まで折り返したゴムモールド部品4に電力ケーブル2を挿入する際、シース26の端面が突起441に対応する箇所まで挿入すればよいからである。目印44を基点にゴムモールド部品4を折り返せばゴムモールド部品4のうちシース26を覆う部分が折り返され、その折り返した部分を元に戻せばゴムモールド部品4をシース26に装着できるからである。
ゴムモールド部品4の周方向において、突起441の形成領域は、周方向の一部でもよいし、全周に亘る領域でもよい。目印44は、突起441に加えて、突起441の位置を指し示す矢印(図示略)を有していてもよい。矢印は、突起441よりもゴムモールド部品4における本体部41の一端41a側に形成することが挙げられる。
本例のように伸び止め部43が本体部41の内周面において絶縁体23からシース26に亘って重なる位置に配置されている場合、目印44は、伸び止め部43の内周面に伸び止め部43の一部で形成される突起441を有することが挙げられる。一方、伸び止め部43が本体部41の内周面において絶縁体23から遮蔽層25に亘って重なる位置に配置されている場合や、後述の実施形態2(図3など)のように伸び止め部43が本体部41に内蔵されている場合、目印44は、伸び止め部43の内周面ではなく本体部41の内周面に本体部41の一部で形成される突起441を有することが挙げられる。この突起441の形成箇所は、伸び止め部43や本体部41におけるシース26の端面に対応する位置としている。
[作製方法]
ゴムモールド部品4の作製は、電界緩和層42と伸び止め部43の内部に挿通される中子を有する成形金型内に、電界緩和層42と伸び止め部43とを配置し、本体部41の構成材料を成形金型内に充填し硬化させることで行える。突起441の形成は、中子の表面性状の転写により行える。即ち、中子には、外周面にその周方向に沿った凹みを有するものを用いるとよい。突起441は、本体部41の構成材料が成形金型に充填されたときの圧力により、伸び止め部43が中子側へ押されて伸び止め部43の一部が上記凹みに押し込まれることや、本体部41の構成材料が上記凹みに充填されることで形成される。
〔用途〕
実施形態1に係るゴムモールド部品4は、電力ケーブルの端末接続部や中間接続部を構築するゴムモールド部品に好適に利用できる。また、実施形態のゴムモールド部品4は、シュリンクバックが生じ易いポリエチレンシースを備える電力ケーブルの端末接続部や中間接続部を構築するゴムモールド部品に好適に利用できる。
〔作用効果〕
実施形態1に係るゴムモールド部品4は、伸び止め部43により本体部41自体の伸びを抑制できるため、長手方向に引っ張られる力を受けても伸び難い。そのため、電力ケーブル2の端部に装着された際、シース26が収縮しても電力ケーブル2の端部に対して位置ずれし難いため、電力ケーブル2の端部とゴムモールド部品4の互いの位置がずれ難い電力ケーブルの接続部1を構築し易い。
《実施形態2》
〔ゴムモールド部品〕
図3〜図8を参照して、実施形態2に係るゴムモールド部品4を説明する。このゴムモールド部品4は、主として伸び止め部43が本体部41の内部に設けられている点が、実施形態1のゴムモールド部品4と相違する。以下、相違点を中心に説明する。図7,図8は、図4に示す断面図と同様の位置でゴムモールド部品4を切断した状態を示す横断面図である。この点は、後述の図10、図11でも同様である。
[伸び止め部]
伸び止め部43は、図3に示すように、実施形態1と同様、本体部41の一端41aと電界緩和層42との間で、電界緩和層42と重複しないように配置してもよいし、図5や図6に示すように、電界緩和層42と重複するように配置してもよい。伸び止め部43と電界緩和層42とが重複する場合、伸び止め部43の上記軸長さは、図5に示すように、本体部41の一端41aから電界緩和層42の上記後方側(図5下側)の端部に一部重複する長さとしてもよいし、図6に示すように、本体部41の一端から電界緩和層42の軸方向の全長に亘って重複する長さとしてもよい。後者の場合、伸び止め部43の上記軸長さは本体部41の全長に亘る長さとしてもよい。即ち、伸び止め部43と本体部41の上記軸長さを略同じ長さとしてもよい。
伸び止め部43の上記周長は、図4に示すように、実施形態1と同様、伸び止め部43の一端43aと他端43bとが突き合わされる長さとしてもよいし、図7や図8に示すように、一端43aと他端43bとが互いに離隔して突き合わされない長さとしてもよい。伸び止め部43の上記周長は、図7に示すように、シース26の周方向の全周を覆うように一端43aの内周面と他端43bの外周面とが周方向に沿って重複する長さとすることができる。そうすれば、本体部41の周方向の全周に亘って軸方向の伸びを抑制できる。この一端43aの内周面と他端43bの外周面とは、図示は省略するが互いに接していてもよいし、図7に示すように互いに接しておらず本体部41の径方向に離間していてもよい。後者のように離間していれば、ゴムモールド部品4を径方向に広げ易いため、ゴムモールド部品4を電力ケーブル2の端部に装着し易い。特に、ゴムモールド部品4を折り返して装着する際には、ゴムモールド部品4を折り返し易い。或いは、伸び止め部43の上記周長は、図8に示すように、シース26の周方向の一部が覆われないように一端43aと他端43bとが本体部41の周方向に離間する長さとしてもよい。そうすれば、ゴムモールド部品4を径方向に広げ易くてゴムモールド部品4を電力ケーブル2の端部に装着し易い。
《実施形態3》
〔ゴムモールド部品〕
図9を参照して、実施形態3に係るゴムモールド部品4を説明する。このゴムモールド部品4は、複数の伸び止め部43を有する点が実施形態1や実施形態2のゴムモールド部品4と相違する。
[伸び止め部]
複数の伸び止め部43は、本例では本体部41に内蔵されている。複数の伸び止め部43は、本体部41の軸方向、周方向、及び径方向の少なくとも一方向に沿って互いに離間して配置されていてもよいし、本体部41の軸方向、周方向、及び径方向の少なくとも一方向に沿って隣り合う伸び止め部43同士が一部重複するように配置されていてもよい。
本例の伸び止め部43の数は、本例では第1伸び止め部431と第2伸び止め部432の2つである。第1伸び止め部431と第2伸び止め部432とは、本体部41の軸方向に沿って互いに離間して配置されている。第1伸び止め部431は、電界緩和層42よりも一端41a側に配置され、第2伸び止め部432は、その一部が電界緩和層42に重複するように第1伸び止め部431よりも電界緩和層42側に配置されている。
《実施形態4》
〔ゴムモールド部品〕
図10を参照して、実施形態4に係るゴムモールド部品4を説明する。このゴムモールド部品4は、複数の伸び止め部43を有する点は、実施形態3のゴムモールド部品4と同様であるが、伸び止め部43の数と配置形態とが実施形態3のゴムモールド部品4と相違する。
本例のゴムモールド部品4の数は、第1〜第8伸び止め部431〜438の合計8つである。各伸び止め部431〜438は、円弧状に形成され、本体部41の周方向に等間隔に離間して配置(分散配置)されている。各伸び止め部431〜438同士が本体部41の周方向に離間していることで、ゴムモールド部品4を径方向に広げ易く、ゴムモールド部品4を電力ケーブル2の端部に装着し易い。
《実施形態5》
〔ゴムモールド部品〕
図11を参照して、実施形態5に係るゴムモールド部品4を説明する。このゴムモールド部品4は、複数の伸び止め部43を有する点は、実施形態3、4のゴムモールド部品4と同様であるが、伸び止め部43の数と配置形態とが実施形態3、4のゴムモールド部品4と相違する。
本例のゴムモールド部品4の数は、第1〜第4伸び止め部431〜434の合計4つである。各伸び止め部431〜434は、円弧状に形成され、本体部41周方向に沿って互いに隣り合う端部同士が重複するように配置されている。具体的には、第1伸び止め部431と第3伸び止め部433とは、互いに対向配置され、第2伸び止め部432と第4伸び止め部434とは、互いに対向すると共に、第1伸び止め部431と第3伸び止め部433の対向方向と直交する位置に配置されている。第1伸び止め部431の一端と第2伸び止め部432の一端、第2伸び止め部432の他端と第3伸び止め部433の一端、第3伸び止め部433の他端と第4伸び止め部434の一端、及び第4伸び止め部434の他端と第1伸び止め部431の他端がそれぞれが周方向に重複している。各重複部分は、図11に示すように互いに接しておらず本体部41の径方向に離間しているが、互いに接していてもよい。この重複箇所が本体部41の径方向に離間していることで、ゴムモールド部品4を径方向に広げ易く、ゴムモールド部品4を電力ケーブル2の端部に装着し易い。
《実施形態6》
〔電力ケーブルの接続部〕
主として図1(適宜図2〜図11)を参照して実施形態6に係る電力ケーブルの接続部1を説明する。電力ケーブルの接続部1は、遮蔽層25と遮蔽層25の外周を覆うシース26とを備える電力ケーブル2と、電力ケーブル2の端部に装着されるゴムモールド部品4とを備える。このゴムモールド部品4は、上述した実施形態1〜実施形態5に係るゴムモールド部品4のいずれかとすることができる。この電力ケーブルの接続部1の特徴の一つは、上述のゴムモールド部品4を有する点と、シース26の外周面とゴムモールド部品4の内周面とを接着する接着剤6を有し、この接着剤6が特定の物性及び材質の少なくとも一方を有する点とにある。
[電力ケーブル]
電力ケーブル2は、上述したように、内周から順に、導体(図示略)、内部半導電層(図示略)、絶縁体23、外部半導電層(図示略)、遮蔽層25、シース26を備える(図1)。内部半導電層と外部半導電層とは、必要に応じて省略できる。電力ケーブル2の端部は、段剥ぎされて導体及び絶縁体23が露出されていて、ゴムモールド部品4が装着されている。シース26の材質は、ポリエチレン樹脂やポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、接着剤6との接着性に優れる。電力ケーブル2は、公知のものを利用でき、電力ケーブル2の基本構成は上述の特許文献2と同様とすることができる。
[ゴムモールド部品]
ゴムモールド部品4は、電力ケーブル2の端部の絶縁性を高めるもので、上述したように本体部41と伸び止め部43とを有する。本体部41は、段剥ぎされた電力ケーブル2の端部をその先端(図1の上側)の導体からそれよりも後方(図1の上側)に位置するシース26の端部に亘って覆っている。
[接着剤]
接着剤6は、シース26の外周面とゴムモールド部品4(図1では本体部41及び伸び止め部43)の内周面とを接着する。それにより、熱影響に伴うシース26の軸方向のずれを抑制する。この接着剤6は、硬化後の物性が特定の範囲を満たす。具体的には、最大引張応力が1.5MPa以下、及び破断伸びが450%以上の少なくとも一方を満たすことが挙げられる。接着剤6は、最大引張応力、及び破断伸びの少なくとも一方が上記範囲を満たすことで、比較的柔らかい。そのため、接着剤6は、熱影響によりシース26が繰り返し膨張・収縮しても、ある程度追従して伸び縮みできるので、割れなどの損傷が生じ難い。それにより、長期に亘ってシース26の外周面とゴムモールド部品4の内周面とを接着できる。特に、接着剤6は、最大引張応力と破断伸びの両方とも上記範囲を満たすことが好ましい。
最大引張応力及び破断伸びは、本体部41の破断伸びと同様、「JIS K 6251:2010 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準拠して引張試験を行って測定した値である。具体的には、接着剤6の形状を上記JIS規格の「6.1 ダンベル状試験片」に規定されるダンベル状2号形とし、引張速度を100mm/minとして引張試験を行って測定した値である。
接着剤6の材質は、例えば、シリル化ウレタン樹脂、及びシリル化ポリウレタン樹脂の少なくとも一方を含むことが好ましい。これらの樹脂は、シース26及び本体部41のそれぞれとの接着性に優れる上に、柔らかいため熱影響によりシース26が繰り返し膨張・収縮しても割れなどの損傷が生じ難い。
接着剤6の形成領域は、シース26と本体部41との対向領域において、本体部41をシース26の外周面に十分に接着できる範囲で適宜選択できる。十分に接着とは、熱影響によりシース26が縮んだ際に本体部41がシース26の外周面から外れない程度の接着をいう。接着剤6の形成領域は、上記対向領域の広範囲に亘るほど、本体部41をシース26の外周面に強固に固定できる。接着剤6の形成領域は、上記対向領域の実質的に全域に亘る領域が好ましい。本例のように伸び止め部43の一部がシース26の外周面に重複する場合、接着剤6は、更に伸び止め部43とシース26との間にも介在されていてもよい。そうすれば、伸び止め部43をシース26の外周面に接着できるため、シース26の軸方向へのずれを抑制し易い。
〔用途〕
電力ケーブルの接続部1は、電力ケーブルの端末接続部や中間接続部に好適に利用できる。また、電力ケーブルの接続部1は、シュリンクバックが生じ易いポリエチレンシースを備える電力ケーブルの端末接続部や中間接続部に好適に利用できる。
〔作用効果〕
実施形態に係る電力ケーブルの接続部1は、以下の効果を奏することができる。
シース26内の遮蔽層25の露出を抑制できる。接着剤6は、比較的柔らかくて、熱影響によるシース26の膨張・収縮に対してある程度追従して伸び縮みできるため、シース26が繰り返し膨張・収縮しても割れなどの損傷が生じ難い。そのため、長期に亘ってゴムモールド部品4をシース26の外周面に接着できる。それにより、熱影響によるシース26の軸方向のずれに対してゴムモールド部品4がある程度追従して延びることで、ゴムモールド部品4がシース26を覆い続けられる。その上、シース26の軸方向のずれに伴う遮蔽層25への負荷がかかり難いので、負荷がかかることに伴う遮蔽層25の座屈や破断なども生じ難い。
電力ケーブル2の端部とゴムモールド部品4の互いの位置がずれ難い。本体部41に一体に成形される伸び止め部43を備えることで、熱影響によるシース26の軸方向へのずれに伴う本体部41の過度な伸びを抑制できるからである。
《試験例》
図1を参照して説明した接着剤6を備える電力ケーブルの接続部1を用いて、シース26のずれ具合を評価した。
この試験例では、接着剤6にはシリル化ウレタン樹脂からなる接着剤と、シリル化ポリウレタン樹脂からなる接着剤の2種類の接着剤をそれぞれを用いた。各接着剤6の最大引張応力は1.5MPaであり、破断伸びは450%である。シース26の材質は、ポリエチレン樹脂とした。ゴムモールド部品4の本体部41の材質は、シリコーンゴムとした。伸び止め部43には、ガラス繊維からなる不織布を用いた。伸び止め部43の一部は、図1に示すように、シース26に重なっている。接着剤6は、シース26のゴムモールド部品4との対向領域の略全域に亘って形成した。即ち、接着剤6の形成領域は、シース26と本体部41との対向領域の略全域に亘る領域に加えて、シース26と伸び止め部43との対向領域の略全域に亘る領域とした。
シース26のずれ具合の評価は、次のようにして行った。電力ケーブル2をその軸方向を鉛直方向に沿って配置し、シース26に対して98Nの荷重を付加する。その荷重を付加した状態で、30日放置した。そして、電力ケーブル2の軸方向に沿ったシース26の変位量を測定した。接着剤6にシリル化ウレタン樹脂からなる接着剤を用いた結果、シース26の変位量は10mmであり、接着剤6にシリル化ポリウレタン樹脂からなる接着剤を用いた結果、シース26の変位量は、8mmであった。いずれの接着剤6であっても、シース26内の遮蔽層25はゴムモールド部品4から露出しなかった。
比較として、接着剤がアクリル変成シリコーン樹脂からなる接着剤とした点を除き、同じ試験を行った。この接着剤の最大引張応力は15.7MPaである。接着剤の破断伸びは、試験の際に接着剤が破断したことで測定できなかった。その結果、シースの変位量は測定できなかった。そして、シース26内の遮蔽層25の一部がゴムモールド部品4から露出した。
本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 電力ケーブルの接続部
2 電力ケーブル
23 絶縁体
25 遮蔽層
26 シース
4 ゴムモールド部品
41 本体部
41a 一端
42 電界緩和層
43 伸び止め部
43a 一端
43b 他端
431 第1伸び止め部
432 第2伸び止め部
433 第3伸び止め部
434 第4伸び止め部
435 第5伸び止め部
436 第6伸び止め部
437 第7伸び止め部
438 第8伸び止め部
44 目印
441 突起
6 接着剤

Claims (21)

  1. 電力ケーブルに取り付けられるゴムモールド部品であって、
    筒状に形成されており、前記電力ケーブルが挿入される一端を有する本体部と、
    前記本体部に設けられており、かつ、前記本体部の長手方向の伸びを抑制する少なくとも1つの伸び止め部とを有するゴムモールド部品。
  2. 前記伸び止め部は、前記本体部の内周面に設けられている請求項1に記載のゴムモールド部品。
  3. 前記伸び止め部は、前記本体部の内周面に接着されている請求項1または請求項2に記載のゴムモールド部品。
  4. 前記伸び止め部は、前記本体部の内部に設けられている請求項1に記載のゴムモールド部品。
  5. さらに、電界緩和層を有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のゴムモールド部品。
  6. 前記伸び止め部は、前記本体部の長手方向において、前記一端と前記電界緩和層との間に位置する請求項5に記載のゴムモールド部品。
  7. 前記伸び止め部の少なくとも一部は、前記本体部の径方向において、前記電界緩和層と重複している請求項5又は請求項6に記載のゴムモールド部品。
  8. 前記伸び止め部は、前記本体部の周方向に沿って形成されている請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のゴムモールド部品。
  9. 前記伸び止め部は、シート材が前記本体部の周方向に沿うように形成されている請求項8に記載のゴムモールド部品。
  10. 前記本体部の周方向に沿って配置された前記シート材は、周方向における一端及び周方向における他端を有し、
    周方向における前記一端は、前記周方向における前記他端と離間するように配置されている請求項9に記載のゴムモールド部品。
  11. 前記ゴムモールド部品は、第1伸び止め部と第2伸び止め部とを含む複数の前記伸び止め部を有する請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のゴムモールド部品。
  12. 前記第1伸び止め部は、前記第2伸び止め部と、前記本体部の周方向において離間している請求項11に記載のゴムモールド部品。
  13. 前記第1伸び止め部は、前記第2伸び止め部と、前記本体部の軸方向において離間している請求項11または請求項12に記載のゴムモールド部品。
  14. 前記第1伸び止め部は、前記第2伸び止め部と、前記本体部の径方向において離間している請求項11から請求項13のいずれか1項に記載のゴムモールド部品。
  15. 前記伸び止め部は、前記本体部よりも低伸度な材質で構成されている請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のゴムモールド部品。
  16. 前記伸び止め部は、ガラス繊維、炭素繊維、化学繊維、織布、不織布、ペーパーの少なくとも1つを含む請求項1から請求項15のいずれか1項に記載のゴムモールド部品。
  17. 遮蔽層と前記遮蔽層の外周を覆うシースとを有する電力ケーブルと、
    前記電力ケーブルの端部に装着されるゴムモールド部品と、
    前記シースの外周面と前記ゴムモールド部品の内周面とを接着し、前記シースの前記遮蔽層に対する軸方向のずれを抑制する接着剤とを有し、
    前記ゴムモールド部品は、請求項1から請求項16のいずれか1項に記載のゴムモールド部品であり、
    前記接着剤は、最大引張応力が1.5MPa以下、及び破断伸びが450%以上の少なくとも一方を満たす電力ケーブルの接続部。
  18. 前記接着剤は、シリル化ウレタン樹脂、及びシリル化ポリウレタン樹脂の少なくとも一方を含む請求項17に記載の電力ケーブルの接続部。
  19. 遮蔽層と前記遮蔽層の外周を覆うシースとを有する電力ケーブルと、
    前記電力ケーブルの端部に装着されるゴムモールド部品と、
    前記シースの外周面と前記ゴムモールド部品の内周面とを接着し、前記シースの前記遮蔽層に対する軸方向のずれを抑制する接着剤とを有し、
    前記ゴムモールド部品は、請求項1から請求項16のいずれか1項に記載のゴムモールド部品であり、
    前記接着剤は、シリル化ウレタン樹脂、及びシリル化ポリウレタン樹脂の少なくとも一方を含む電力ケーブルの接続部。
  20. 前記伸び止め部は、前記本体部の内面に前記シースと一部重なるように配置される請求項17から請求項19のいずれか1項に記載の電力ケーブルの接続部。
  21. 前記伸び止め部は、前記本体部の内面に前記シースとずれて配置される請求項17から請求項19のいずれか1項に記載の電力ケーブルの接続部。
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