JP6630189B2 - 止水機能付きシールド電線の製造方法 - Google Patents

止水機能付きシールド電線の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、止水機能付きシールド電線の製造方法に関する。
自動車内の電気配線において、ノイズの影響を受け易い又はノイズを発生し易い機器への配線には、信号の伝送等を行う電線の周囲にシールド層(電磁波遮蔽層)を備えたシールド電線が使用される。このようなシールド電線には、例えば少なくとも1本の信号線と1本のドレイン線とからなる複数の電線と、これら複数の電線を覆うシールド層と、保護テープとで構成されるものがある。
ここで、上記のようなシールド電線においては、電線端部から水が浸入してしまうと、水によって金属製のシールド層を腐食させてしまい、シールド機能を低下させてしまう懸念がある。このため、水の侵入を防止すべく、例えば特許文献1に記載のような止水方法が提案されている。特許文献1に記載の止水方法は、シース皮剥ぎ端と複数本の電線の剥き出し部とを覆うように防水熱収縮チューブを被せて加熱処理を施すことにより、防水熱収縮チューブを収縮させると共にチューブ内周面に施されている止水剤を溶融させて止水するものである(特許文献1参照)。
特開2008−67545号公報
しかし、特許文献1に記載の止水方法において、内周面に止水剤を備えた防水熱収縮チューブは、その製造工程が多く複雑であるため(一般的には2層押出成形後、被覆を架橋し、熱を掛けて径を拡張した後に冷却するという工程を要するため)、その製造まで含めると止水構造をなすまでの加工時間が掛かってしまい、コストの高騰を招いてしまう。
また、特許文献1に記載の止水方法では、止水機能付きシールド電線の先端から防水熱収縮チューブを通す必要があり、各電線に端子を取り付けたうえで先端からチューブを通す場合にはシース内の電線本数が多いほど、その挿入作業が困難となり、作業性が悪くなってしまう。このため、加工時間が掛かってしまい、コストの高騰を招いてしまう。
加えて、防水熱収縮チューブを用いる方法では、防水熱収縮チューブを被せた部位を加熱するための加熱設備が必要となってしまうだけでなく、設備による加熱及びその後の冷却まで含めると、より一層加工時間が掛かりコストの高騰を招いてしまう。
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、製造をより容易にしてコストの高騰を抑えることが可能な止水機能付きシールド電線の製造方法を提供することにある。
本発明に係る止水機能付きシールド電線の製造方法は、複数の電線を所定間隔で同一平面上に並列配置する第1工程と、前記第1工程において同一平面上に並列配置された複数の電線を挟み込んで粘弾性シートを配置する第2工程と、前記第2工程において前記複数の電線を挟み込んだ粘弾性シートを、前記同一平面を境とする一方側と他方側とが近接するように加圧して粘弾性体を形成する第3工程と、前記粘弾性体が形成される位置よりも複数の電線の根元側をシールド部材により覆う第4工程と、前記第3工程における加圧によって形成された粘弾性体、及び、第4工程において覆ったシールド部材の双方をシート状部材で覆う第5工程と、前記第5工程において前記粘弾性体及び前記シールド部材の双方を覆ったシート状部材を保護部材で覆う第6工程と、を有することを特徴とする。
本発明の止水機能付きシールド電線の製造方法によれば、複数の電線を粘弾性シートで挟み込んで加圧することで複数の電線の端部側を粘弾性体により一括してまとめ、この粘弾性体とシールド部材との双方をシート状部材で覆う。このため、止水にあたり、防水熱収縮チューブを用いないことから、防水熱収縮チューブの製造、及び、防水熱収縮チューブを端末から通す作業を要せず、また、粘弾性シートを加圧することで加熱処理も必要としない。これにより、加工時間の短縮を図り、製造をより容易にしてコストを抑えることが可能な止水機能付きシールド電線の製造方法を提供することができる。
また、本発明の止水機能付きシールド電線の製造方法において、前記第5工程では、前記シート状部材として、一面に粘着層が形成された第1のシート材及び第2のシート材を用い、これらシート材を、互いに対向する側から前記シールド部材上及び前記粘弾性体上に貼り付け、幅方向にそれぞれはみ出す余長部分において前記粘着層同士を拝み貼りして貼り合わせ部を形成し、前記粘弾性体は、前記複数の電線及び前記シート状部材の粘着層との粘着力が0.59N/10mm以上であり、前記シート状部材の粘着層は、前記粘弾性体との粘着力が0.59N/10mm以上であり、前記シート状部材の貼り合わせ部は、その幅が0.88mm以上とされていることが好ましい。
また、本発明の止水機能付きシールド電線の製造方法において、前記第5工程では、一面に粘着層が形成された前記シート状部材を粘着層を内側にして断面U字状とし、U字間に前記粘弾性体及び前記シールド部材を挟み込んで前記粘弾性体上及び前記シールド部材上に貼り付け、前記シート状部材の両端部側が前記粘弾性体上及び前記シールド部材上からそれぞれはみ出す余長部分において前記粘着層同士を拝み貼りして貼り合わせ部を形成し、前記粘弾性体は、前記複数の電線及び前記シート状部材の粘着層との粘着力が0.59N/10mm以上であり、前記シート状部材の粘着層は、前記粘弾性体との粘着力が0.59N/10mm以上であり、前記シート状部材の貼り合わせ部は、その幅が0.88mm以上とされていることが好ましい。
これらの止水機能付きシールド電線の製造方法によれば、粘弾性体は、複数の電線及びシート状部材の粘着層との粘着力が0.59N/10mm以上であり、シート状部材の粘着層は、粘弾性体との粘着力が0.59N/10mm以上であるため、電線と粘弾性体との隙間、粘弾性体とシート状部材との隙間を介して浸入する水分を所定の粘着力によって抑えることとなる。また、シート状部材の貼り合わせ部は、その幅が0.88mm以上とされているため、貼り合わせ部の隙間を介して浸入する水分についても、貼り合わせ部の幅(長さ)を確保することで抑えることとなる。これらにより、より安定的な気密性を有することが可能な止水機能付きシールド電線の製造方法を提供することができる。
また、本発明の止水機能付きシールド電線の製造方法において、前記粘弾性体は、前記複数の電線及び前記シート状部材の粘着層との粘着力が1.79N/10mm以上であり、前記シート状部材の粘着層は、前記粘弾性体との粘着力が1.79N/10mm以上であり、前記シート状部材の貼り合わせ部は、その幅が2.66mm以上とされていることが好ましい。
この止水機能付きシールド電線の製造方法によれば、粘弾性体は、複数の電線及びシート状部材の粘着層との粘着力が1.79N/10mm以上であり、シート状部材の粘着層は、粘弾性体との粘着力が1.79N/10mm以上であるため、粘弾性体とシート状部材との隙間を介して浸入する水分をより高い粘着力によって抑えることとなる。また、シート状部材の貼り合わせ部は、その幅が2.66mm以上とされているため、貼り合わせ部の隙間を介して浸入する水分についても、より一層抑えることとなる。従って、より高い気密性を満足することが可能な止水機能付きシールド電線の製造方法を提供することができる。
また、本発明の止水機能付きシールド電線の製造方法において、前記第2工程では、一方の電線端部側のみに粘弾性シートを配置することが好ましい。
この止水機能付きシールド電線の製造方法によれば、粘弾性シートは、一方の電線端部側のみに配置されるため、例えば一方側のみがエンジンルーム等の雨水に晒されるような環境に配置され、他方側が車室内などの雨水に曝されない環境に配置されるような場合に適切な止水機能付きシールド電線の製造方法を提供することができる。
なお、上記において同一平面上に並列配置とは、電線の中心点同士が同一平面上に位置するような厳密な状態をいうのではなく、並列配置された各電線のいずれかの部位を1つの平面が通過するようになっていればよいものである。また、複数の電線は、粘弾性体が形成される箇所のみにおいて並列配置されていればよく、他の部分についてはツイスト等されていてもよい。さらに、電線には屈曲のくせ等があることから、同一平面において、このようなくせは許容するものである。
本発明によれば、製造をより容易にしてコストの高騰を抑えることが可能な止水機能付きシールド電線の製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る止水機能付きシールド電線の製造方法により製造される止水機能付きシールド電線を含むワイヤーハーネスである。 図1に示した止水機能付きシールド電線を示す斜視図である。 図2に示した止水機能付きシールド電線のA−A断面図である。 図2に示した止水機能付きシールド電線のB−B断面図である。 本実施形態に係る止水機能付きシールド電線の製造方法を示す工程図であり、第1工程を示している。 本実施形態に係る止水機能付きシールド電線の製造方法を示す工程図であり、第1工程で用いられる電線仕切治具を示している。 本実施形態に係る止水機能付きシールド電線の製造方法を示す工程図であり、第2工程及び第3工程を示している。 本実施形態に係る止水機能付きシールド電線の製造方法を示す工程図であり、第4工程を示している。 本実施形態に係る止水機能付きシールド電線の製造方法を示す工程図であり、第5工程を示している。 本実施形態に係る止水機能付きシールド電線の製造方法を示す工程図であり、第5工程後且つ第6工程前の止水機能付きシールド電線を示している。 本実施形態に係る止水機能付きシールド電線の製造方法を示す工程図であり、第6工程を示している。 粘弾性シートを加圧する際に用いる圧縮治具を示す平面図である。 粘弾性シートを加圧する際に用いる加圧装置を示す構成図である。 第2実施形態に係る製造方法により製造される止水機能付きシールド電線1を示す斜視図である。 第1実施形態に係る製造方法により製造される止水機能付きシールド電線1の変形例を示す断面図である。 止水機能付きシールド電線の製造方法の変形例を示す断面図であり、(a)は第1の例を示し、(b)は第2の例を示し、(c)は第3の例を示している。
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用されていることはいうまでもない。
図1は、本発明の実施形態に係る止水機能付きシールド電線の製造方法により製造される止水機能付きシールド電線を含むワイヤーハーネスである。図1に示すように、ワイヤーハーネスWHは、複数の電線Wを束にしたものであり、複数の電線Wの少なくとも1本(1回路)が以下に詳細説明する止水機能付きシールド電線1により構成されている。このようなワイヤーハーネスWHは、例えば図1に示すように電線Wの両端部にコネクタCを備えていてもよいし、複数の電線Wをまとめるためにテープ巻き(図示せず)されていてもよい。また、ワイヤーハーネスWHは、コルゲートチューブ等の外装部品(図示せず)を備えていてもよいし、電線Wに分岐部を備えていてもよい。
図2は、図1に示した止水機能付きシールド電線1を示す斜視図である。本実施形態に係る製造方法により製造される止水機能付きシールド電線1は、複数の電線2,3と、金属箔材(シールド部材)4と、粘弾性体5と、シート状部材6と、保護テープ(保護部材)7とで構成されている。
複数の電線2,3は、1本の被覆電線2と、1本のドレイン線3とからなっている。被覆電線2は、芯線(導体部)の周囲を絶縁被覆(被覆部)で覆ったものであり、シールド層を有していない電線である。ここで、被覆電線2は1本であるが、これに限らず複数本であってもよい。また、複数本である場合、複数本の被覆電線2は所定の撚りピッチで撚り合わされており、一つの電線束に纏められてツイスト線を構成していてもよい。
ドレイン線3は、被覆電線2の芯線と略同一断面積の裸電線であり、長さが被覆電線2と略同一に設定されている。ドレイン線3は、被覆電線2に縦添えされている。各被覆電線2及びドレイン線3の端部には、それぞれ接続端子(図示せず)が接続されている。ドレイン線3は、各被覆電線2の端部側に位置する機器等の接地部に接地接続される。
なお、ここでは、ドレイン線3が裸電線である例を示しているが、これに限らず、導体部と被覆部とを有する被覆電線で構成されてもよい。また、ドレイン線3が被覆電線である場合、ドレイン線3は金属箔材4との接続部において被覆部が剥ぎ取られることとなる。
金属箔材4は、被覆電線2及びドレイン線3の周囲(複数の電線の周囲)を覆ってシールド層を形成するものである。このような金属箔材4は、例えば絶縁材料であるポリエチレンフィルムの片面に金属箔層(例えばアルミニウム箔層)を設けて構成されている。当該金属箔層はシールド層として機能する。金属箔材4は、金属箔層を内側に向けて、被覆電線2及びドレイン線3の外周に巻き付けられる。巻き付けられた金属箔材4は、金属箔層がドレイン線3に接触することにより、ドレイン線3に導通状態になる。なお、被覆電線2及びドレイン線3からなる電線束と、金属箔材4との間には、導電性接着剤(図示せず)が充填され、金属箔層とドレイン線3との導通状態の安定性が高められていることが好ましい。
粘弾性体5は、周囲の部材と粘着可能な部材である。この粘弾性体5は、金属箔材4が設けられる箇所よりも電線端部側において被覆電線2及びドレイン線3の周囲を覆って取り付けられるブチルゴムであり、気密性(止水)の観点から設けられている。ここで、粘弾性体5は、例えばブチルゴムであるが、特にこれに限らず、天然ゴム、合成ゴム及び高分子ゲルであってもよい。
シート状部材6は、金属箔材4及び粘弾性体5の周囲を覆うものであり、摩耗性及び気密性の観点から設けられている。なお、図2においては、シート状部材6は実線により金属箔材4上のみに設けられ、粘弾性体5の周囲を覆っていないように図示されているが、実際には破線に示すようにシート状部材6は、粘弾性体5の周囲も覆うものである。
図3は、図2に示した止水機能付きシールド電線1のA−A断面図であり、図4は、図2に示した止水機能付きシールド電線1のB−B断面図である。図3及び図4に示すように、シート状部材6は、第1のシート材6aと第2のシート材6bとの2枚のシート材6a,6bからなっている。
それぞれのシート材6a,6bは、通気性が無く、水で膨潤、溶出、及び溶解し難いポリ塩化ビニルなどのフィルムの一面に接着剤が塗布されて粘着層7a,7bが形成された粘着テープ又は粘着シートであって、所定の厚さ(0.01mm以上0.19mm以下)を有したものとなっている。
また、それぞれのシート材6a,6bは、金属箔材4や粘弾性体5よりも幅方向にはみ出す長い幅Lwを有しており、金属箔材4及び粘弾性体5に対して互いに対向する側から金属箔材4に対して貼り付けられる構成となっている。そして、それぞれのシート材6a,6bは、幅方向にそれぞれはみ出す余長部分8a,8bにおいて粘着層7a,7bが相手側粘着層7b,7aに拝み貼りされて貼り合わせ部9を形成している。
再度図2を参照する。図2に示すように、保護テープ7は、長尺上のテープであり、シート状部材6の外周に螺旋状に巻き付けられている。保護テープ7としては、テープ素材の内面に粘着層を形成した粘着テープなどを利用することができる。また、保護テープ7は、シート状部材6の周囲において自己に重なるように、すなわちラップするように螺旋状に巻き付けられて、電線長手方向に亘り連続的に2層以上の積層状態となっている。例えば保護テープ7は、テープ幅方向にハーフラップするように巻きつけられ2層の積層状態となっていたり、テープ幅方向に3分の2ラップするように巻きつけられ3層の積層状態となっていたりする。なお、保護テープ7は、連続的に2層以上の積層状態となっていなくともよい。
さらに、本実施形態において粘弾性体5は、複数の電線2,3及びシート状部材6の粘着層7a,7bとの粘着力が0.59N/10mm以上であり、シート状部材6の粘着層7a,7bは、粘弾性体5との粘着力が0.59N/10mm以上である。また、シート状部材6の貼り合わせ部9は、その幅(幅方向の長さ)のうち最小距離部分が0.88mm以上とされている。
ここで、上記止水機能付きシールド電線1において水の浸入経路は、1)電線2,3と粘弾性体5との隙間、2)粘弾性体5とシート状部材6との隙間、3)貼り合わせ部9の隙間の3箇所となる。
このため、粘弾性体5の、複数の電線2,3及びシート状部材6との粘着力が0.59N/10mm以上であり、シート状部材6の粘着層7a,7bの、粘弾性体5との粘着力が0.59N/10mm以上であると、1)及び2)の隙間を介して浸入する水分を所定の粘着力によって抑えることとなる。
また、シート状部材6の貼り合わせ部9は、その幅が0.88mm以上とされているため、3)の隙間を介して浸入する水分についても、貼り合わせ部9の幅(幅方向の長さ)を確保することで抑えることとなる。これらにより、より安定的な気密性(例えば後述の試験において49kPaの気密性)を有することが可能な止水機能付きシールド電線1を提供するようにしている。
ここで、粘弾性体5は、複数の電線2,3及びシート状部材6の粘着層7a,7bとの粘着力が1.79N/10mm以上であり、シート状部材6の粘着層7a,7bは、粘弾性体5との粘着力が1.79N/10mm以上であり、シート状部材6の貼り合わせ部9は、その幅のうち最小距離部分が2.66mm以上であることが好ましい。これにより、より高い気密性(例えば後述の試験において150kPaの気密性)を有する止水機能付きシールド電線1の提供が可能となるためである。
また、本実施形態において粘弾性体5は、金属箔材4が設けられる箇所より、一方の電線端部側のみに配置され、他方の電線端部側に配置されないことが好ましい。これにより、例えば一方側のみがエンジンルーム等の雨水に晒されるような環境に配置され、他方側が車室内などの雨水に曝されない環境に配置されるような場合に適切な止水機能付きシールド電線1を提供することができるからである。
次に、本実施形態に係る止水機能付きシールド電線1の製造方法を説明する。図5〜図13は、本実施形態に係る止水機能付きシールド電線1の製造方法を示す工程図である。まず、図5に示すように、作業者等は、複数の電線2,3を同一平面上に配置する。このとき、作業者等は、複数の電線2,3を1mm以上の間隔(所定間隔)で並列配置する(第1工程)。ここで、第1工程においては、複数の電線2,3を所定間隔で同一平面上に並列配置するための治具を使用することが好ましい。
図6は、第1工程で用いられる電線仕切治具を示している。図6に示すように、電線仕切治具100は、複数の電線2,3を載置する平板上の基台101と、電線2,3を1本ずつ仕切って基台101上に載置するための複数の仕切板102とを備えている。複数の仕切板102は、互いに平行に且つ基台101に対して垂直に設けられている。作業者等は、この第1工程において電線仕切治具100を使用し、仕切板102間に電線を1本ずつ載置することで、複数の電線2,3を所定間隔で同一平面上に並列配置する。
次に、作業者等は、図7に示すように、同一平面上に並列配置された複数の電線2,3を挟み込むように2つの粘弾性シート5a,5bを配置する(第2工程)。ここで、図7に示す例では、2つの粘弾性シート5a,5bにより複数の電線2,3を挟み込むようにしているが、これに限らず、1つの粘弾性シートを断面U字状にしてU字間に複数の電線2,3を配置して挟み込むようにしてもよい。さらに、粘弾性シート5a,5bは、作業者の手に付着しないように剥離可能な保護フィルムを有していることが好ましい。この場合、保護フィルムは複数の電線2,3に接しないように配置されることとなる。また、保護フィルムは、後述の第5工程までに剥離されればよい。
また、第2工程においては、図6に示すように、電線仕切治具100の平面部103に対して予め1つの粘弾性シート5aを載置しておき、第1工程の完了後、複数の電線2,3を挟み込むようにもう1枚の粘弾性シート5bを1つの粘弾性シート5a上に載置することにより、2つの粘弾性シート5a,5bで複数の電線2,3を挟み込むようにしてもよい。
さらに、電線仕切治具100を用い、1つの粘弾性シートを断面U字状にして複数の電線2,3を挟み込む場合には、電線仕切治具100の平面部103に対して長尺の1つの粘弾性シートを予め載置しておき、第1工程の完了後、複数の電線2,3を挟み込むように1つの粘弾性シートを断面U字状に折り曲げて複数の電線2,3を挟み込むとよい。
以上のようにして複数の電線2,3を挟み込んだ後、作業者等は、複数の電線2,3を挟み込んだ粘弾性シート5a,5bを加圧する(第3工程)。このとき、作業者等は、同一平面を境とする一方側(粘弾性シート5a)と他方側(粘弾性シート5b)とが近づく方向に加圧することとなる。これにより、図8に示すように、電線2,3の端部側に、電線2,3の周囲を覆う粘弾性体5を形成する。
次いで、作業者等は、電線2,3の周囲の金属箔材4を巻き付ける(第4工程)。このとき、作業者等は、粘弾性体5上に金属箔材4が位置しないように、粘弾性体5の電線根元側に金属箔材4を巻き付ける。
その後、作業者等は、図9に示すように、第1のシート材6aと第2のシート材6bとを金属箔材4上及び粘弾性体5上に貼り付ける(第5工程)。これにより、図10に示すような集合体を得る。なお、図10に示すように第1のシート材6aと第2のシート材6bは、長い幅Lwを有していることから、互いの粘着層7a,7bが拝み貼りされて、貼り合わせ部9が形成されている。この貼り合わせ部9の幅(幅方向の長さ)Wは、上記したように、最小距離部分であっても0.88mm以上であり、より好ましくは2.66mm以上である。また、貼り合わせ部9は、10N以上且つ第1のシート材6aと第2のシート材6bを破損させない程度の圧力で貼り合わせられればよい。
その後、作業者等は、貼り合わせ部9を、シート状部材6のうち貼り合わせ部9以外の部分である胴部10に対して巻き付けた後に、図11に示すように、シート状部材6上に保護テープ7を螺旋巻きしていく(第6工程)。これにより、本実施形態に係る止水機能付きシールド電線1が製造される。
ここで、上記した第3工程における加圧は以下の治具が使用される。図12は、粘弾性シート5a,5bを加圧する際に用いる圧縮治具を示す平面図である。図12に示すように、圧縮治具200は、略鋏形状となっており、鋏のハンドル部分201を握る動作によって、鋏の先端部分に設けられた加圧部202によって粘弾性シート5a,5bを互いに近づく方向へ加圧することができる。
ここで、加圧部202は、一方側が螺子軸203によって揺動可能な押圧部204となっている。また、加圧部202の他方側は、バネ205とバネ205の先端側に設けられた板材206とによって構成されている。このため、作業者等がハンドル部分201を握ると、バネ205の弾性力を利用した加圧が行われる。また、押圧部204が揺動可能となっていることから、押圧部204は板材206に対して平行となって粘弾性シート5a,5bを挟持加圧することとなる。
さらに、圧縮治具200は、加圧部202の支点207側に加圧力調整棒208が設けられている。この加圧力調整棒208は、鋏を構成する他方側から一方側に向かって伸びる棒状部材であって、ハンドル部分201の予定以上の握りを防止するように設けられている。これにより、加圧部202に過剰圧力が加わることを防止して、粘弾性体5への亀裂、電線2,3の断線、被覆電線2の絶縁被覆の剥がれなどを防止するようにしている。
図13は、粘弾性シート5a,5bを加圧する際に用いる装置を示す構成図である。粘弾性シート5a,5bの加圧は、圧縮治具200を用いる場合に限らず、加圧装置300を用いてもよい。図13に示すように、加圧装置300は、2つのプレス板301,302と、2つのプレス板301,302の表面にそれぞれに設けられる2つの緩衝材303,304と、2つのプレス板301,302を互いに近接させて間の部材をプレスする駆動部305とを備えている。
このような装置300を用いて、複数の電線2,3を挟んだ粘弾性シート5a,5bを2つの緩衝材303,304の間に配置し、駆動部305を駆動させて、粘弾性シート5a,5bを所定の圧力で加圧するようにしてもよい。
なお、緩衝材303,304は、粘弾性シート5a,5bの変形に追従できる硬度(例えば硬度10°以下)であることが好ましい。これにより、粘弾性シート5a,5bの変形に対して緩衝材303,304が追従して電線2,3間等に隙間なく粘弾性体5を配置させることが可能となるためである。また、図示を省略したが、圧縮治具200についても押圧部204及び板材206に緩衝材を設けておくことが好ましい。
次に、実施例に係る止水機能付きシールド電線について説明する。実施例に係る止水機能付きシールド電線を以下のように作成した。まず、1本のドレイン線と2本の被覆電線とを1mm以上の間隔を空けて同一平面上に配置し、1枚の粘弾性シート(ゴムノイナキ株式会社製 1.5t×10×20mm)を断面U字状に折り曲げて、U字間に複数の電線を挟み込む。次いで、緩衝材に硬度10°のシリコンを用いた上記の加圧装置を用い、粘弾性シートを40Nで3秒間加圧して粘弾性体を形成した。その後、粘弾性体の電線根元側に金属箔材を巻き付け、粘弾性体及び金属箔材上に、第1及び第2のシート材(矢崎部品株式会社製 非照射耐熱難燃ビニルテープ、又は、日東電工株式会社製 難燃ビニル粘着テープ No.2239FRTV)とを互いに対向する側から貼り付けた。次いで、第1及び第2のシート材上に保護テープ(上記第1及び第2のシート材と同じもの)を螺旋状にハーフラップするように巻き付けた。
上記のようにして得られた止水機能付きシールド電線に対して気密性試験を行った。気密性試験においては、2本の止水機能付きシールド電線を用い、粘弾性体等を用いて止水処理を施した止水機能付きシールド電線の一端(気密シール側)を水中(深さ100mm)に沈め、止水処理していない他端からシート状部材内に圧縮空気(10kPa(0.1kgf/cm))を30秒間送り込んだ。一端から空気の漏れが観察されない場合には、圧縮空気圧を上昇させていき、一端からの空気が漏れたときの圧縮空気圧を測定した。
ここで、実施例1の止水機能付きシールド電線において、粘弾性体は、複数の電線及びシート状部材の粘着層との粘着力を0.59N/10mmとした。また、シート状部材の粘着層は、粘弾性体との粘着力を0.59N/10mmとした。さらに、シート状部材の貼り合わせ部の幅を0.88mmとした。このような実施例1では、空気漏れ時の圧縮空気圧は49kPaであった。なお、第1及び第2のシート材が矢崎部品株式会社製であっても、日東電工株式会社製であっても、空気漏れ時の圧縮空気圧は49kPaであった。
また、実施例2の止水機能付きシールド電線において、粘弾性体は、複数の電線及びシート状部材の粘着層との粘着力を1.79N/10mmとした。また、シート状部材の粘着層は、粘弾性体との粘着力を1.79N/10mmとした。さらに、シート状部材の貼り合わせ部の幅を2.66mmとした。このような実施例1では、空気漏れ時の圧縮空気圧は150kPaであった。なお、第1及び第2のシート材が矢崎部品株式会社製であっても、日東電工株式会社製であっても、空気漏れ時の圧縮空気圧は150kPaであった。
以上より、各粘着力や貼り合わせ部の幅を実施例1よりも大きい値とすれば、気密性49kPa以上となる止水機能付きシールド電線を提供できることがわかった。
このようにして、本実施形態に係る止水機能付きシールド電線1の製造方法によれば、複数の電線2,3を粘弾性シート5a,5bで挟み込んで加圧することで複数の電線2,3の端部側を粘弾性体5により一括してまとめ、この粘弾性体5と金属箔材4との双方をシート状部材6で覆うため、止水にあたり、防水熱収縮チューブを用いないことから、防水熱収縮チューブの製造、及び、防水熱収縮チューブを端末から通す作業を要せず、また、粘弾性シート5a,5bを加圧することで加熱処理も必要としない。これにより、加工時間の短縮を図り、製造をより容易にしてコストを抑えることが可能な止水機能付きシールド電線1の製造方法を提供することができる。
また、粘弾性体5は、複数の電線2,3及びシート状部材6の粘着層7a,7bとの粘着力が0.59N/10mm以上であり、シート状部材6の粘着層7a,7bは、粘弾性体5との粘着力が0.59N/10mm以上であるため、電線2,3と粘弾性体5との隙間、粘弾性体5とシート状部材6との隙間を介して浸入する水分を所定の粘着力によって抑えることとなる。また、シート状部材6の貼り合わせ部9は、その幅が0.88mm以上とされているため、貼り合わせ部9の隙間を介して浸入する水分についても、貼り合わせ部9の幅(長さ)を確保することで抑えることとなる。これらにより、より安定的な気密性を有することが可能な止水機能付きシールド電線1の製造方法を提供することができる。
また、粘弾性体5は、複数の電線2,3及びシート状部材6との粘着力が1.79N/10mm以上であり、シート状部材6の粘着層7a,7bは、粘弾性体5との粘着力が1.79N/10mm以上であるため、粘弾性体5とシート状部材6との隙間を介して浸入する水分をより高い粘着力によって抑えることとなる。また、シート状部材6の貼り合わせ部9は、その幅が2.66mm以上とされているため、貼り合わせ部9の隙間を介して浸入する水分についても、より一層抑えることとなる。従って、より高い気密性を満足することが可能な止水機能付きシールド電線1の製造方法を提供することができる。
また、粘弾性シート5a,5bは、一方の電線端部側のみに配置されるため、例えば一方側のみがエンジンルーム等の雨水に晒されるような環境に配置され、他方側が車室内などの雨水に曝されない環境に配置されるような場合に適切な止水機能付きシールド電線1の製造方法を提供することができる。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態に係る止水機能付きシールド電線1の製造方法は第1実施形態のものと同様であるが、用いるシート状部材6の構成が第1実施形態のものと異なっている。
図14は、第2実施形態に係る製造方法により製造される止水機能付きシールド電線1を示す斜視図である。図14に示すように、第2実施形態に係る製造方法により製造される止水機能付きシールド電線1は、シート状部材6が1枚のシートから構成されている。また、第2実施形態においてシート状部材6は粘着層を内側にして断面U字状となるように金属箔材4及び粘弾性体5上に貼り付けられる。シート状部材6の両端部側は、金属箔材4及び粘弾性体5からはみ出して粘着層同士が拝み貼りされた貼り合わせ部9を形成する。
なお、貼り合わせ部9は、保護テープ7が螺旋巻きされる前に、シート状部材6のうち貼り合わせ部9以外の部分である胴部10に対して巻き付けられる。
次に、第2実施形態に係る止水機能付きシールド電線1の製造方法を説明する。なお、第2実施形態に係る止水機能付きシールド電線1の製造方法において第1〜第4工程は同じであるため、説明を省略する。
電線2,3の周囲に金属箔材4を巻き付けた後、作業者等は、シート状部材6の粘着層を内側にして断面U字状として、U字間に粘弾性体5及び金属箔材4を挟み込んで粘弾性体5上及び金属箔材4上に貼り付ける(第5工程)。この工程においてシート状部材6は、金属箔材4上及び粘弾性体5上からはみ出す部分において、互いの粘着層が拝み貼りされた貼り合わせ部9を形成する。この貼り合わせ部9の幅(幅方向の長さ)Wは、第1実施形態と同様に、最小距離部分であっても0.88mm以上であり、より好ましくは2.66mm以上である。また、貼り合わせ部9は、10N以上且つシート状部材6を破損させない程度の圧力で貼り合わせられる。
その後、作業者等は、貼り合わせ部9を、貼り合わせ部9以外の部分である胴部10に対して巻き付けた後に、シート状部材6上に保護テープ7を螺旋巻きしていく(第6工程)。これにより、第2実施形態に係る止水機能付きシールド電線1が製造される。
なお、実施例については第1実施形態の実施例と同様であるため、説明を省略する。
このようにして、第2実施形態に係る止水機能付きシールド電線1の製造方法によれば、第1実施形態と同様に、製造をより容易にしてコストを抑えることが可能な止水機能付きシールド電線1の製造方法を提供することができる。また、より安定的な気密性を有することや、より高い気密性を満足することが可能な止水機能付きシールド電線1の製造方法を提供することができる。さらに、例えば一方側のみがエンジンルーム等の雨水に晒されるような環境に配置され、他方側が車室内などの雨水に曝されない環境に配置されるような場合に適切な止水機能付きシールド電線1の製造方法を提供することができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、公知等の他の技術を組み合わせてもよい。
例えば、上記実施形態において貼り合わせ部9の幅は、貼り合わせ部9をシート状部材6の胴部10に巻き付けるときに、貼り合わせ部9が胴部10に対して1周以上巻かれる長さとなっていることが好ましい。すなわち、第1実施形態では2つの貼り合わせ部9のそれぞれが半周巻き以上できる幅を有しており、第2実施形態では1つの貼り合わせ部9が1周巻き以上できる幅を有していることとなる。これにより、貼り合わせ部9を胴部10に対して1周以上巻いて、耐摩耗性を向上させることができるからである。
さらに、第1実施形態においては第1及び第2のシート材6a,6bを貼り合わせる構造であるため、第1及び第2のシート材6a,6bに厚みの大きいものを用いることができる。すなわち、第2実施形態のようにシート状部材6を断面U字状にして貼り付けた場合、シート状部材6の厚みが大きいとシート状部材6が開くように力が掛かり貼り合わせ部9が剥がれ易くなってしまう。しかし、第1実施形態においては第1及び第2のシート材6a,6bを貼り合わせる構造であるため、このような力が掛かり難く、シート状部材6に厚みが大きいもの(例えば厚み3mm以上10mm以下)のものを用いることができ、耐摩耗性についても向上させることができる。
さらに、第1実施形態に係る止水機能付きシールド電線1は図15に示すようになっていてもよい。図15は、第1実施形態に係る製造方法により製造される止水機能付きシールド電線1の変形例を示す断面図である。図15に示すように、第1のシート材6aの余長部分8aと、第2のシート材6bの余長部分8bとは、互いにずらされた状態で拝み貼りされている。このため、一方の余長部分8a,8bにおいては第1のシート材6aの粘着層7aが第2のシート材6bの粘着層7bと接触しない部位を有し、他方の余長部分8a,8bにおいては第2のシート材6bの粘着層7bが第1のシート材6aの粘着層7aと接触しない部位を有している。よって、接触しない部位(粘着層7a,7b)が内側となるように余長部分8a,8bを巻き付けることで、余長部分8a,8bを胴部10等に貼り付けることができるからである。
さらに、上記実施形態に係る止水機能付きシールド電線1の製造方法において、第2工程では図16に示すように粘弾性シートを配置するようにしてもよい。図16は、止水機能付きシールド電線1の製造方法の変形例を示す断面図であり、(a)は第1の例を示し、(b)は第2の例を示し、(c)は第3の例を示している。図16(a)〜(c)に示すように、第2工程では、粘弾性シートで複数の電線2,3を挟み込むことができれば、その挟み方については種々のものを採用し得る。さらに、図16(a)〜(c)に示すように、電線2,3間に粘弾性シートを配置するようにすれば、加圧後において電線2,3間に粘弾性体5を適切に配置でき、より確実に気密性を確保することができる。
詳細には図16(a)に示すように、1本の電線2を一方の粘弾性シート5aで巻き、その粘弾性シート5a上にもう1本の電線3を載置し、この上から他方の粘弾性シート5bを載置して、複数の電線2,3を挟み込むようにしてもよい。また、図16(b)に示すように、1本の電線2が上側となりもう1本の電線3が下側となるように1枚の粘弾性シート5cを配置し、これらの上下に2枚の粘弾性シート5a,5bを配置して、複数の電線2,3を挟み込むようにしてもよい。さらに、図16(c)に示すように、1枚の粘弾性シート5aで1本の電線2を巻き込んだ後に、さらにもう1本の電線3を巻き込むことで、複数の電線2,3を挟み込むようにしてもよい。
さらに、上記実施形態において止水機能付きシールド電線1の最外周には保護テープ7が螺旋状に巻き付けられているが、これに限らず、保護テープ7は螺旋以外の巻き方によって設けられていてもよい。また、保護テープ7に代えて樹脂製のシースを備えていてもよいし、保護テープ7の外側にシースを備えていてもよい。
加えて、上記実施形態では金属箔材4によってシールド層を形成しているが、金属箔材4に限らず金属線を編み込み等した編組によってシールド層を形成してもよい。さらに、金属箔材4の巻き方は上記実施形態に限られるものではない。
また、上記実施形態において粘弾性体5は金属箔材4を電線2,3の周囲に巻き付ける前に形成されているが、これに限らず、金属箔材4を電線2,3の周囲に巻き付けた後に、粘弾性体5を形成するようにしてもよい。
1 :止水機能付きシールド電線
2 :被覆電線
3 :ドレイン線
4 :金属箔材(シールド部材)
5 :粘弾性体
5a〜5c :粘弾性シート
6 :シート状部材
6a :第1のシート材
6b :第2のシート材
7 :保護テープ(保護部材)
7a,7b :粘着層
8a,8b :余長部分
9 :貼り合わせ部
10 :胴部
WH :ワイヤーハーネス

Claims (5)

  1. 複数の電線を所定間隔で同一平面上に並列配置する第1工程と、
    前記第1工程において同一平面上に並列配置された複数の電線を挟み込んで粘弾性シートを配置する第2工程と、
    前記第2工程において前記複数の電線を挟み込んだ粘弾性シートを、前記同一平面を境とする一方側と他方側とが近接するように加圧して粘弾性体を形成する第3工程と、
    前記粘弾性体が形成される位置よりも複数の電線の根元側をシールド部材により覆う第4工程と、
    前記第3工程における加圧によって形成された粘弾性体、及び、第4工程において覆ったシールド部材の双方をシート状部材で覆う第5工程と、
    前記第5工程において前記粘弾性体及び前記シールド部材の双方を覆ったシート状部材を保護部材で覆う第6工程と、
    を有することを特徴とする止水機能付きシールド電線の製造方法。
  2. 前記第5工程では、前記シート状部材として、一面に粘着層が形成された第1のシート材及び第2のシート材を用い、これらシート材を、互いに対向する側から前記シールド部材上及び前記粘弾性体上に貼り付け、幅方向にそれぞれはみ出す余長部分において前記粘着層同士を拝み貼りして貼り合わせ部を形成し、
    前記粘弾性体は、前記複数の電線及び前記シート状部材の粘着層との粘着力が0.59N/10mm以上であり、
    前記シート状部材の粘着層は、前記粘弾性体との粘着力が0.59N/10mm以上であり、
    前記シート状部材の貼り合わせ部は、その幅が0.88mm以上とされている
    ことを特徴とする請求項1に記載の止水機能付きシールド電線の製造方法。
  3. 前記第5工程では、一面に粘着層が形成された前記シート状部材を粘着層を内側にして断面U字状とし、U字間に前記粘弾性体及び前記シールド部材を挟み込んで前記粘弾性体上及び前記シールド部材上に貼り付け、前記シート状部材の両端部側が前記粘弾性体上及び前記シールド部材上からそれぞれはみ出す余長部分において前記粘着層同士を拝み貼りして貼り合わせ部を形成し、
    前記粘弾性体は、前記複数の電線及び前記シート状部材の粘着層との粘着力が0.59N/10mm以上であり、
    前記シート状部材の粘着層は、前記粘弾性体との粘着力が0.59N/10mm以上であり、
    前記シート状部材の貼り合わせ部は、その幅が0.88mm以上とされている
    ことを特徴とする請求項1に記載の止水機能付きシールド電線の製造方法。
  4. 前記粘弾性体は、前記複数の電線及び前記シート状部材の粘着層との粘着力が1.79N/10mm以上であり、
    前記シート状部材の粘着層は、前記粘弾性体との粘着力が1.79N/10mm以上であり、
    前記シート状部材の貼り合わせ部は、その幅が2.66mm以上とされている
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれかに記載の止水機能付きシールド電線の製造方法。
  5. 前記第2工程では、一方の電線端部側のみに粘弾性シートを配置する
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の止水機能付きシールド電線の製造方法。
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