JP6212016B2 - シールド電線、ワイヤハーネス及びシールド電線の製造方法 - Google Patents

シールド電線、ワイヤハーネス及びシールド電線の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シールド電線、ワイヤハーネス及びシールド電線の製造方法に関する。
自動車内の電気配線において、ノイズの影響を受け易い機器あるいはノイズを発生し易い機器への配線には、信号の伝送等を行う電線の周囲に電磁波遮蔽層であるシールド層を備えたシールド電線が使用される。
例えば特許文献1には、少なくとも1本の電線とドレイン線とからなる電線と、当該電線を覆う導電シートと、保護テープとで構成されるシールド電線が開示されている。導電シートは、電線の長手方向に沿って長尺帯状となっており、電線の長手方向と略平行に添えられて当該電線に巻き付けられている。また、電線の長手方向に沿った導電シート両側の辺縁部は、上下に重なるように処理されている。導電シートは、例えば樹脂製のシート(基材)に金属箔層を積層したものである。この導電シートは、電線の周囲を覆うシールド層を形成して電線に電磁波シールド性を付与するシールド部材である。さらに、保護テープは、幅狭な長尺状のテープであり、導電シートの外周に螺旋状に巻き付けられている。
また、このようなシールド層を持つ部材としてはシート状のもの以外にも、電線の外周に螺旋状に巻き付けるテープ状のものも知られている(例えば特許文献2,3参照)。
特開2013−4354号公報 特開2007−27050号公報 特開2011−222262号公報
例えばエンジンルーム等の環境にシールド電線が配索された場合には、これが雨水に曝される可能性がある。従来のシールド電線では、保護テープの重ね合わせ箇所から水が進入する可能性があり、これがシールド部材へと到達した場合には、シールド部材(金属箔)に腐食が起こり、シールド性能を低下させる可能性がある。このように、従来のシールド電線では防水対策が十分になされておらず、エンジンルームのように水等を被る可能性がある環境ではシールド電線を使用することが困難であるという問題があった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、防水性能に優れるシールド電線、ワイヤハーネス及びシールド電線の製造方法を提供することにある。
かかる課題を解決するために、第1の発明は、電線と、電線の周囲に巻き付けられて当該電線の周囲を覆うシールド層を形成するシールド部材と、シールド部材の外周に巻き付けられる樹脂フィルムと、樹脂フィルムの外周に、螺旋状に巻き付けられる粘着テープと、を有するシールド電線を提供する。ここで、樹脂フィルムは、長尺帯状に形成されており、当該電線の長手方向と略平行に添えられてシールド部材の周囲に巻き付けられるとともに、電線の長手方向に沿った樹脂フィルム両側の辺縁部が互いに重ねられ溶着されている。
ここで、第1の発明において、樹脂フィルムは、当該樹脂フィルム両側の辺縁部のうち一方の辺縁部の外面と他方の辺縁部の内面と向き合うように重ねられていることが好ましい。
また、第1の発明において、樹脂フィルムは、当該樹脂フィルム両側の辺縁部が内面同士で向き合うように重ねられ、当該樹脂フィルムの外周面に沿うように折り曲げられていることが好ましい。
さらに、第1の発明において、樹脂フィルムは、摩耗性の観点から定められる所定量以上の厚みを備えることが好ましい。
また、第2の発明は、上述の第1の発明に係るシールド電線を含むワイヤハーネスを提供する。
さらに、第3の発明は、シールド層を形成するシールド部材を、電線の周囲に巻き付ける第1の工程と、前記シールド部材の外周に、長尺帯状に形成された樹脂フィルムを巻き付ける第2の工程と、樹脂フィルムの外周に粘着テープを螺旋状に巻き付ける第3の工程と、粘着テープが巻き付けられた電線を加熱処理する第4の工程と、を有するシールド電線の製造方法を提供する。ここで、第2の工程は、電線の長手方向と略平行に樹脂フィルムをシールド部材に添えて当該シールド部材の周囲に樹脂フィルムを巻き付けるとともに、電線の長手方向に沿った樹脂フィルム両側の辺縁部を互いに重ね合わせる工程である。
本発明によれば、樹脂フィルム両側の辺縁部を重ね合わせた状態で、当該樹脂フィルムの外周を粘着テープで螺旋状に巻くことで、樹脂フィルム両側の辺縁部の重なった領域が粘着テープにより押さえられ、両者を密着させることができる。したがって、加熱処理に際しては両者の密着した領域が自己溶着するため、樹脂フィルム両側の辺縁部同士を確実に溶着することができる。これにより、高い気密性を確保することができる。その結果、金属箔材への水の進入を抑制することができ、防水性能に優れるシールド電線を提供することができる。
第1の実施形態に係るシールド電線を示す斜視図 図1に示すシールド電線の製造工程の一部を示す説明図 試験方法の説明図 第2の実施形態に係るシールド電線を別の一例を示す斜視図 図3に示すシールド電線の製造工程の一部を示す説明図 図3に示すシールド電線の変形例に係る製造工程の一部を示す説明図
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係るシールド電線1を示す斜視図である。本実施形態に係るシールド電線1は、一つ以上(本実施形態では3本)の被覆電線2と、ドレイン線3と、金属箔材4と、樹脂フィルム5と、粘着テープ6と、で構成されている。
被覆電線2は、芯線(導体)の周囲を絶縁被覆で覆った電線であり、シールド層を有していない。本実施形態において、3本の被覆電線2は、所定の撚りピッチで撚り合わされており、一つの電線束に纏められている。もっとも、3本の被覆電線2は撚り合わせる必要はなく並列的に束ねてもよい。
ドレイン線3は、被覆電線2の芯線と略同一断面積の裸電線であり、長さが被覆電線2と略同一に設定されている。ドレイン線3は、3つの被覆電線2に縦添えされている。すなわち、ドレイン線3は、被覆電線2の長手方向と略平行に添えられている。このドレイン線3は3つの被覆電線2とともに束ねられている。
金属箔材4は、3つの被覆電線2及びドレイン線3の周囲を覆うシールド層を形成するシールド部材である。金属箔材4は、例えば絶縁材料であるポリエチレンテレフタレート樹脂からなるシート状の基材の片面に、接着剤を介して金属箔層を積層して構成されている。金属箔層としては、例えばアルミ箔、錫メッキ付きアルミ箔、銅箔、錫メッキ付き銅箔を用いることができ、当該金属箔層がシールド層として機能する。
金属箔材4は、長尺帯状に形成されており、3つの被覆電線2及びドレイン線3を周回できる程度の十分な幅(電線2,3の長手方向と直交する方向の長さ)を備えている。この金属箔材4は、電線2,3の長手方向と略平行に添えられて、被覆電線2及びドレイン線3の外周に巻き付けられている。また、電線2,3の長手方向に沿った金属箔材4両側の辺縁部は上下に重ねられている。この金属箔材4は、金属箔層が内側を向くように被覆電線2及びドレイン線3に巻き付けられており、金属箔層がドレイン線3に接触することによりドレイン線3に導通状態になる。
樹脂フィルム5は、長尺帯状に形成されたフィルムであり、例えばポリ塩化ビニル樹脂製のPVCフィルムである。樹脂フィルム5は、金属箔材4が巻き付けられた3つの被覆電線2及びドレイン線3を周回できる程度の十分な幅を備えている。なお、本明細書において、フィルムとは、膜状の薄い素材を示す意味で用い、フィルムのみならず、フィルムよりも厚いシートも含むものである。なお、樹脂フィルム5は、摩耗性の観点から定められる所定量以上の厚みを備えることが好ましい。
樹脂フィルム5は、電線2,3の長手方向と略平行に添えられて、金属箔材4の外周に巻き付けられている。また、電線2,3の長手方向に沿った樹脂フィルム5両側の辺縁部5aは上下に重ねられ、互いに溶着されている。
粘着テープ6は、幅狭な長尺状のテープであり、基材と当該基材の一方の面に設けられる粘着層とを備えている。粘着テープ6としては、ポリ塩化ビニル樹脂を基材とするPVC粘着テープを用いることができるが、これ以外のものを用いてもよい。
粘着テープ6は、樹脂フィルム5の外周に、隣り合うテープの辺縁部同士が重なるように螺旋状に巻き付けられている。また、この粘着テープ6は、粘着層が設けられた面が内側を向くように樹脂フィルム5に巻き付けられている。
以下、図2を参照し、本実施形態に係るシールド電線1の製造方法を説明する。まず、3本の被覆電線2と、1本のドレイン線3とを用意する。3本の被覆電線2を所定の撚りピッチで撚り合わせ、これらの被覆電線2にドレイン線3を縦添えする。
つぎに、金属箔材4を用意し、これを電線2,3の長手方向と略平行に添え、被覆電線2及びドレイン線3の外周に、金属箔層が内側を向くように金属箔材4を巻き付ける。この巻き付け作業では、電線2,3の長手方向に沿った金属箔材4両側の辺縁部が上下に重なるように処理される。
つぎに、樹脂フィルム5を用意し、これを電線2,3の長手方向と略平行に添えると、金属箔材4の外周に樹脂フィルム5を巻き付ける。この巻き付け作業では、電線2,3の長手方向に沿った樹脂フィルム5両側の辺縁部5aが上下に重なるように処理される。すなわち、樹脂フィルム5両側の辺縁部5aのうち一方の辺縁部5aの外面に、他方の辺縁部5aの内面が向き合うように重ねられる。
つぎに、粘着テープ6を用意し、これを樹脂フィルム5の外周に螺旋状に巻き付ける。この巻き付け作業では、粘着層が形成された面が内側を向くように処理されるとともに、隣り合うテープの辺縁部が互いに重なるように処理される。
このような工程を経た中間製造体は、約120℃に設定されたオーブン内で約1分間の加熱処理に供される。この加熱工程により、樹脂フィルム5両側の辺縁部5aが上下に重なり密着した部位ではフィルム同士が溶着する。これにより、樹脂フィルム5両側の辺縁部5aが互いに溶着され、溶着部5bが形成される。
なお、加熱工程の温度は、樹脂フィルム5の特性に依存するものであり、上述の値は一例である。加熱温度は、樹脂フィルム5同士の密着領域が溶着する温度であればよく、好ましくは、樹脂フィルムのガラス転移点と融点との範囲内の温度である。例えば、PCVフィルムであれば、80℃付近(ガラス転移点)と160℃付近(融点)との範囲内の温度となる。なお、融点よりも高い温度領域では、外周の粘着テープ6までも溶けてしまう虞があるため好ましくない。
このような一連の工程により、上述のシールド電線1が製造される。
図3は、試験方法の説明図である。以下、本実施形態に係るシールド電線1について気密性を試験した試験結果を説明する。試験方法は、図3に示すように、シールド電線1の両側を密閉し、中央部より圧縮空気(10kPa)を30秒間送り、空気の漏れをチェックする。そして、空気の漏れがない場合には、更に10kPaずつ圧縮空気を昇圧させ、空気の漏れが発生した際の空気圧力を測定する。この試験においては、100kPaを超える結果を得ることができた場合、十分な気密性が確保されているといえる。
なお、本実施形態のシールド電線1と比較をするため種々の構造のシールド電線でも比較を行った(表1)。
本実施形態で示すシールド電線1では、200kPa以上の試験結果を得ることができ、十分な気密性が確保されていることが検証された。
比較例1は、被覆電線及びドレイン線の外周に金属箔材を、その外周に粘着テープを巻き付けた構成である。ここで、金属箔材は、電線の長手方向と略平行に添えられ、被覆電線及びドレイン線の外周に巻き付けられている。この際、電線の長手方向に沿った金属箔材両側の辺縁部は上下に重ねられている。また、粘着テープは、金属箔材の外周に螺旋状に巻き付けられている。この比較例1では、39kPaの試験結果しか得ることができず、所望の気密性が確保されていないことが検証された。
比較例2は、被覆電線及びドレイン線の外周に長尺帯状の金属箔材を、その外周に長尺帯状の粘着シートを、さらにその外周に粘着テープを巻き付けた構成である。ここで、金属箔材は、電線の長手方向と略平行に添えられて、被覆電線及びドレイン線の外周に巻き付けられている。この際、電線の長手方向に沿った金属箔材両側の辺縁部は上下に重ねられている。粘着シートは、電線の長手方向と略平行に添えられて、金属箔材の外周に巻き付けられている。この際、電線の長手方向に沿った粘着シート両側の辺縁部は内面同士が向き合うように貼り合わせられており、この貼り合わせ領域(辺縁部)は粘着シートの外周に沿うように折り曲げられている。また、粘着テープは、粘着シートの外周に螺旋状に巻き付けられている。この比較例2では、176kPaの試験結果を得ることができ、十分な気密性を確保することが検証されたが、本実施形態に示すシールド電線1ほど高い気密性を得ることはできなかった。
比較例3は、被覆電線及びドレイン線の外周に長尺帯状の金属箔材を、その外周に粘着テープを巻き付けるとともに、さらにその外周を熱固化タイプのペースト樹脂で覆ったものである。ここで、金属箔材は、電線の長手方向と略平行に添えられて、被覆電線及びドレイン線の外周に巻き付けられている。粘着テープは、金属箔材の外周に螺旋状に巻き付けられている。この比較例3では、200kPa以上の試験結果を得ることができ、十分な気密性が確保されていることが検証された。
このように本実施形態において、シールド電線1は、電線2,3と、電線2,3の周囲に巻き付けられて当該電線2,3の周囲を覆うシールド層を形成する金属箔材4(シールド部材)と、金属箔材4の外周に巻き付けられる樹脂フィルム5と、樹脂フィルム5の外周に螺旋状に巻き付けられる粘着テープ6と、を有している。ここで、樹脂フィルム5は、長尺帯状に形成されており、当該電線の長手方向と略平行に添えられて金属箔材4の周囲に巻き付けられるとともに、電線2,3の長手方向に沿った樹脂フィルム5両側の辺縁部5aが互いに重ねられ溶着されている。
ここで、本実施形態では、樹脂フィルム5は、樹脂フィルム5両側の辺縁部5aのうち一方の辺縁部5aの外面に他方の辺縁部5aの内面が向き合うように上下に重ねられている。
この構成によれば、樹脂フィルム5とその外周に位置付けられる粘着テープ6との二重構造で金属箔材4が覆われるので、気密性を確保することができる。また、樹脂フィルム5の外周を粘着テープ6で螺旋状に巻くことで、樹脂フィルム5両側の辺縁部5aの重なった領域を確実に押さえることができるので、両者を密着させることができる。これにより、加熱処理を行った際には両者の密着した部位が自己溶着し、辺縁部5a同士を確実に溶着することができる(溶着部5b)。これにより、より高い気密性を確保することができる。その結果、金属箔材4への水の進入を抑制することができ、防水性能に優れるシールド電線1を提供することができる。
一方、樹脂フィルム5を螺旋状に巻き付けることも考えられるが、この方法では、粘着テープ6を外周に巻き付けても樹脂フィルム5に対して圧力を一定にかけることができず、樹脂フィルム5同士が密着しない箇所が生じてしまう。そのため、加熱処理時に溶着しない箇所が生じ、気密性を確保することができない可能性がある。その点、本実施形態のように、電線2,3の長手方向と略平行に樹脂フィルム5を添えて金属箔材4の周囲に巻き付けることで、両側の辺縁部5aの重なった領域を確実に押さえることが可能となる。
また、樹脂フィルム5の外周に巻き付ける部材には、粘着テープ6以外に樹脂フィルム等を用いることも考えられる。しかしながら、樹脂フィルム等では電線の形状保持が困難となる。そのため、樹脂フィルム5両側の辺縁部5aの重なった領域を押さえつけながら、なおかつ電線の形状保持を行うためには、粘着テープ6を用いることが好ましい。
また、この構成によれば、電線2,3、樹脂フィルム5や粘着テープ6といった組立工場内に存在する部材を用いてシールド電線1を製造することができる。加えて、電線2,3のサイズや組み合わせが適宜選択できるので、上述の防水性能を備える種々のシールド電線1を容易に製造することができる。これにより、効率的にシールド電線1を製造することが可能となり、輸送費等のコストダウンを図ることができ、サービスの向上を図ることができる。上述の比較例3では、高い気密性を得ることはできたが、ペースト樹脂を用意したり、これを熱固化させる処理を伴うところ、非常に煩雑な製造工程となり、本実施形態に示すシールド電線1のような効果を得ることはできない。
また、本実施形態において、電線2,3は、複数の被覆電線2と、複数の被覆電線2に縦添えされたドレイン線3とを含んでいる。
かかる構成によれば、シールド層として機能する金属箔材4が実効性を有するシールド電線1について、防水性能に優れる構造を実現することができる。
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係るシールド電線1Aを模式的に示す説明図である。以下、第2の実施形態に係るシールド電線1Aについて説明する。この第2の実施形態に係るシールド電線1Aが、第1の実施形態のそれと相違する点は、樹脂フィルム5の巻き付け方法である。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明を行うこととし、共通する構成についての説明は省略する。
樹脂フィルム5は、長尺帯状に形成されたシートであり、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂製のPVCフィルムである。樹脂フィルム5は、金属箔材4が巻き付けられた3つの被覆電線2及びドレイン線3を周回できる程度の十分な幅を備えている。
樹脂フィルム5は、電線2,3の長手方向と略平行に添えられて、金属箔材4の外周に巻き付けられている。また、電線2,3の長手方向に沿った樹脂フィルム5両側の辺縁部5aは、その内面同士が向き合うように重ねられ、互いに溶着されている。
以下、図2を参照し、本実施形態に係るシールド電線1Aの製造方法を説明する。この第2の実施形態に係るシールド電線1Aの製造方法は、金属箔材4を巻き付ける手順まで第1の実施形態と同様である。
つぎに、樹脂フィルム5を用意し、これを電線2,3の長手方向と略平行に添えると、樹脂フィルム5を粘着テープ6の外周に巻き付ける。この巻き付け作業では、電線2,3の長手方向に沿った樹脂フィルム5両側の辺縁部5aが、その内面同士で向き合うように重ねられ、重ねられた両側の辺縁部5aは当該樹脂フィルム5の外周面に沿うように折り曲げられる。
つぎに、粘着テープ6を用意し、樹脂フィルム5の周囲に、隣り合うテープの辺縁部が互いに重なるように螺旋状に粘着テープ6を巻き付ける。この巻き付け作業では、樹脂フィルム5両側の辺縁部5aの重ね合わせ領域を押さえ込むように粘着テープ6が巻き付けられる。
そして、このような工程を経た中間製造体は、約120℃に設定されたオーブン内で約1分間の加熱処理に供される。この加熱工程により、樹脂フィルム5両側の辺縁部5aが重なり密着した領域ではフィルム同士が溶着する。これにより、樹脂フィルム5両側の辺縁部5aが互いに溶着され、溶着部5bが形成される。
このような一連の工程により、上述のシールド電線1が製造される。
このように本実施形態によれば、樹脂フィルム5は、当該樹脂フィルム5両側の辺縁部5aが内面同士で向き合うように重ねられ、当該樹脂フィルム5の外周面に沿うように折り曲げられている。
この構成によれば、樹脂フィルム5とその外周に位置付けられる粘着テープ6との二重構造で金属箔材4が覆われるので、気密性を確保することができる。また、外周に巻き付けられる粘着テープ6と、電線2,3を覆う樹脂フィルム5の外周面とにより、樹脂フィルム5の辺縁部5aの重なった領域を確実に押さえることができる。このため、両者を確実に密着させることができるので、加熱処理を行った際には両者の密着した領域が自己溶着し、樹脂フィルム5両側の辺縁部5a同士を確実に溶着することができる(溶着部5b)。これにより、より高い気密性を確保することができる。その結果、金属箔材4への水の進入を抑制することができ、防水性能に優れるシールド電線1Aを提供することができる。
また、電線2,3、粘着テープ6,7といったワイヤハーネスの組立工場内に存在する部材を用いて、シールド電線1Aを製造することができる。また、電線2,3のサイズや組み合わせを適宜選択して、個々にシールド電線1Aを製造することができる。これにより、効率的にシールド電線1Aを製造することが可能となり、輸送費等のコストダウンを図ることができ、サービスの向上を図ることができる。
なお、図5に示す例では、樹脂フィルム5両側の辺縁部5aを同じ幅で重ね合わせている。しかしながら、図6に示すように、一方の辺縁部5a1の幅と他方の辺縁部5a2の幅とをオフセットさせ、両者の重複した領域において両者を重ね合わせるようにしてもよい。
この構成によれば、樹脂フィルム5両側の辺縁部5a1,5a2の重なった領域を確実に押さえることができるので、両者を密着させることができる。これにより、加熱処理を行った際には両者の密着した部位が自己溶着し、樹脂フィルム5両側の辺縁部5a1,5a2同士を確実に溶着することができる(溶着部5b)。これにより、より高い気密性を確保することができる。その結果、金属箔材4への水の進入を抑制することができ、防水性能に優れるシールド電線1Aを提供することができる。
このように各実施形態に係るシールド電線1,1Aについて説明したが、当該シールド電線1,1Aは、例えばワイヤハーネスへの適用が可能である。すなわち、ワイヤハーネスは、少なくとも1つのシールド電線1,1Aと、これ以外の1以上の電線とを含む電線束として構成される。これ以外の1以上の電線は、シールド電線1,1Aであってもよいし、シールド電線1,1A以外の電線であってもよく、また、シールド電線1,1Aとシールド電線1,1A以外の電線の双方を含むものであってもよい。
このワイヤハーネスにおいて、シールド電線1,1Aの各被覆電線2の端部及びドレイン線3の端部には、それぞれ接続端子(図示せず)が接続される。そして、ドレイン線3は、各被覆電線2の端部側に位置する機器等の接地部に接地接続されることとなる。
以上、本実施形態に係るシールド電線について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されることなく、その発明の範囲において種々の変更が可能である。
1,1A シールド電線
2 被覆電線
3 ドレイン線
4 金属箔材
5 樹脂フィルム
6 粘着テープ

Claims (6)

  1. 電線と、
    前記電線の周囲に巻き付けられて当該電線の周囲を覆うシールド層を形成するシールド部材と、
    前記シールド部材の外周に巻き付けられる樹脂フィルムと、
    前記樹脂フィルムの外周に、螺旋状に巻き付けられる粘着テープと、を有し、
    前記樹脂フィルムは、長尺帯状に形成されており、前記電線の長手方向と略平行に添えられて前記シールド部材の周囲に巻き付けられるとともに、前記電線の長手方向に沿った樹脂フィルム両側の辺縁部が互いに重ねられ溶着されていることを特徴とするシールド電線。
  2. 前記樹脂フィルムは、当該樹脂フィルム両側の辺縁部のうち一方の辺縁部の外面に他方の辺縁部の内面が向き合うように上下に重ねられていることを特徴とする請求項1に記載されたシールド電線。
  3. 前記樹脂フィルムは、当該樹脂フィルム両側の辺縁部が内面同士で向き合うように重ねられ、当該樹脂フィルムの外周面に沿うように折り曲げられていることを特徴とする請求項1に記載されたシールド電線。
  4. 前記樹脂フィルムは、摩耗性の観点から定められる所定量以上の厚みを備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載されたシールド電線。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載されたシールド電線を含むことを特徴とするワイヤハーネス。
  6. シールド層を形成するシールド部材を、電線の周囲に巻き付ける第1の工程と、
    前記シールド部材の外周に、長尺帯状に形成された樹脂フィルムを巻き付ける第2の工程と、
    前記樹脂フィルムの外周に粘着テープを螺旋状に巻き付ける第3の工程と、
    前記粘着テープが巻き付けられた電線を加熱処理する第4の工程と、を有し、
    前記第2の工程は、前記電線の長手方向と略平行に前記樹脂フィルムを前記シールド部材に添えて前記シールド部材の周囲に前記樹脂フィルムを巻き付けるとともに、前記電線の長手方向に沿った樹脂フィルム両側の辺縁部を互いに重ね合わせる工程であることを特徴とするシールド電線の製造方法。
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