JP6706857B2 - 電線接続構造体及び電線接続方法 - Google Patents
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Description
図1(a)、(b)に示すように、電線接続構造体1は松葉接続型の構造体である。電線接続構造体1は、JCAA(Japan Power Cable Accessories Association) A102性能規格に準拠している。ここで「松葉接続型」とは、接続しようとする2本の電線21の先端部を互いに拝み合わせるように接触させた接続方式のことである。例えば松葉接続された電線対2の各線材21aの先端面が同じ方向を向いた状態になっている。
電線対2は、図1(b)に示すように、導電性の線材21aと、線材21aを被覆する絶縁材21bと絶縁性の被覆材21cとが同軸的に設けられている2本の電線21を備えている。線材21aは、絶縁材21b及び被覆材21cの先端部分を剥離することで外部に露出している。
被覆手段4は、電線対2の導体露出部23を全体的に被覆するものである。具体的に被覆手段4は、少なくとも部分的に互いに重ねて貼り付けられた複数枚の可撓性粘着シート41,42,43であり、被覆対象に対して巻付け可能に又は折り曲げ可能に貼り付けることができる。
なお、図2において、実際にはシート毎に重ねて巻いているが、図示の便宜上、これらをまとめて、特に絶縁性シート41を単層として図示している。
防水材6としては防水パテを使用することができ、防止材6の材質としては、耐候性が必要とされる環境に応じて選択され、例えばブチルゴム等が選択される。防水材6は、電線対2の基端側から複数枚の可撓性粘着シート41,42,43の内部、ひいては導体露出部23への湿分の浸入を防止するためのものである。
結束部材8は、例えばナイロン製のものが挙げられるが特に限定しない。結束部材8は、各電線21を電線対2の基端側、具体的には防水材6よりも基端側で、各電線21が不都合に互いに離反しないように結束するためのものである。結束部材8の使用数は自由に設定可能である。
次に、図3〜図7を用いて電線接続構造体の組立手順を説明する。
(0.前工程)
図3は、複数枚の可撓性粘着シート、具体的には、絶縁性シート、小サイズの防水性シート及び大サイズの防水性シートの寸法を説明する図である。
L2<L3
W2≦W3
W3≦L2
W2<L3
(L2・W2)<(L3・W3)
サイズの異なる防水性シート42,43により、サイズの差異を視覚的に容易に把握することができるので、貼り間違えを防止することができる。
W3=W2又はW3=L2
図4(a)は、2本の電線を松葉接続するために外部に露出した線材同士を接触させる工程を説明する図であり、図4(b)は、接触させられた線材の部分をコネクタによって圧着する工程を示す図である。
図4(b)は、被覆材に防水材を設ける工程を示す図でもあり、図4(c)は、結束部材によって各電線を互いに結束させる工程を示す図である。
図5(a)は、導体露出部に絶縁性シートを貼り付ける工程を説明する図であり、図5(b)は、図5(a)に示した工程後の電線対の、特に導体露出部における領域を部分的に断面にした断面図である。
以上のような構成を有する電線接続構造体1によれば、導体露出部23は上記の凹凸のある接続形状を有し、絶縁性シート41が実際に導体露出部23に接触する面積は限られている。ここで、絶縁性シート41は、電線対2の導体露出部23の外表面における凹凸を少なくするように、周方向から導体露出部23に巻かれて貼り付けられている。そのため、絶縁性シート41により形成された凹凸の少ない滑らかな面に重ねてさらに防水性シート42,43を貼り付けることで、防水性シート42,43を導体露出部23に対応する位置において容易に貼り付けることができる。さらに、絶縁性シート41と防水性シート42,43との接触面積を大きく確保することができるので、導体露出部23における密着性が上がり封止性が向上する。
なお、耐火性能を考慮して、導体露出部23と絶縁性シート41との間にマイカ製の耐火テープを設けることもできる。
絶縁性シート41の貼付後、絶縁性シート41が電線対2の先端方向に大幅に延びている場合には、余分な部分を電線対2の基端側に向かって折り曲げることが好ましい。折り曲げることにより、絶縁性シート41における先端側からの封止性が高まる。
各シート41,42,43の形状は、平面視楕円形等の他の形状であってもよい。
次に、図示はしないが、電線接続構造体の変形例1について説明する。変形例1においては、上記の実施の形態とは異なり、複数枚の可撓性粘着シートは、1枚の絶縁性シート41及び1枚の防水性シートを含み、互いに部分的に重ねて貼り付けられている。導体露出部23全体を覆う観点から、防水性シートとしては、大サイズの防水性シート43であることが好ましい。
次に、図示はしないが、電線接続構造体の変形例2について説明する。変形例2においては、上記の実施の形態とは異なり、複数枚の可撓性粘着シートは、1枚の絶縁性シート41及び3枚以上の防水性シートを含み、互いに部分的に重ねて貼り付けられている。防水性シートとしては、少なくとも小サイズ及び大サイズの防水性シートの両方を含んでいれば、3枚の防水性シートの組合せは自由に設定可能である。
次に、図示はしないが、電線接続構造体の変形例3について説明する。変形例3においては、上記の実施の形態とは異なり、複数枚の可撓性粘着シートは、複数枚の防水性シートのみである。複数の防水性シートとしては、少なくとも小サイズ及び大サイズの防水性シートの両方を含んでいることが好ましいが、特に限定されない。変形例3においては、絶縁性シートの代わりに他の絶縁部材によって導体露出部23を被覆するようになっており、他の絶縁部材の上に、複数枚の防水性シートが互いに部分的に重ねて貼り付けられている。
2 電線対
4 被覆手段
21 電線
21a 線材
21b 絶縁材
21c 被覆材
22 コネクタ
23 導体露出部
41 絶縁性シート
42,43 防水性シート
Claims (3)
- 2本の電線が互いに松葉接続された電線対と、
前記電線対の接続側における導体露出部の全体を被覆する被覆手段と
を備え、
前記被覆手段は、少なくとも部分的に重ねて貼り付けられた複数枚の可撓性粘着シートであり、
前記複数枚の可撓性粘着シートは、前記導体露出部の上に貼り付けられた1枚の絶縁性シートと、前記絶縁性シートの上に貼り付けられた2枚の防水性シートからなり、
前記2枚の防水性シートは、互いにサイズが異なり、大サイズの防水性シートが、小サイズの防水性シートの外側から部分的に重なっている
ことを特徴とする電線接続構造体。 - 前記小サイズの防水性シートは、前記導体露出部の少なくとも先端面を覆う位置に貼り付けられ、
前記大サイズの防水性シートは、前記導体露出部の少なくとも外周面を覆う位置に貼り付けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の電線接続構造体。 - 2本の電線を互いに松葉接続し、電線対を形成する接続工程と、
前記電線対の接続側における導体露出部の全体を被覆する被覆工程と
を備え、
前記被覆工程では、前記導体露出部の上に可撓性粘着シートである1枚の絶縁性シートを貼り付け、互いにサイズが異なる可撓性粘着シートである2枚の防水シートのうち小サイズの防水性シートを前記絶縁性シートに重ねて貼り付け、前記絶縁性シート及び前記小サイズの防水シートに前記2枚の防水シートのうち大サイズの防水シートを少なくとも部分的に重ねて貼り付けることを特徴とする電線接続方法。
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JP2016046393A JP6706857B2 (ja) | 2016-03-10 | 2016-03-10 | 電線接続構造体及び電線接続方法 |
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