JP7002361B2 - 駆動力伝達装置及びこれを用いた遮蔽装置 - Google Patents

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Description

本発明は、入力回転に対し、2つの回転軸へ回転を出力する駆動力伝達装置と、当該駆動力伝達装置を用いた遮蔽装置に関する。
従来、ヘッドボックス内に巻取軸とチルト軸を平行に配設し、一本の操作コードで操作する操作装置の操作により、チルト軸を回転させてラダーコードに支持されたスラットを角度調節し、また、巻取軸を回転させてスラットを開閉するようにしたブラインドがある。例えば、特許文献1の横型ブラインドは、ラダーコードを支持するチルトスプリングがチルト軸に取り付けられたチルトドラムを締め付けた状態ではこれらチルトスプリングとチルトドラムとが一体回転し、所定量回転した後チルトスプリングによる締め付けが弱まると、チルトドラムのみが回転する構造である。
特開2014-231696号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるようなチルトクラッチは、昇降操作時にもチルト軸は回転しており、また、チルトドラムとチルトスプリングの間にも摩擦(ひきずり)が生じているため、操作力増加の原因となっていた。
さらに、上記横型ブラインドの例に限らず、様々な場面において、簡単な構成により、入力回転に対して、2つの回転軸への出力を選択的に切り替えたいという課題が生じていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、簡単な構成によって、入力回転を2つの部材うちのいずれか一方の回転として選択的に出力することの可能な駆動力伝達装置を提供するものである。
本発明によれば、第1部材、第2部材、及び第3部材を備え、第1部材への入力回転が前記第2部材又は前記第3部材の回転として出力される駆動力伝達装置であって、前記第1部材、前記第2部材、及び前記第3部材は、遊星歯車機構の太陽歯車部材、キャリア、及び内歯車部材によって構成され、前記第2部材と前記第3部材に加わる回転抵抗が変化することで、前記第2部材と前記第3部材の間で出力が切り替わるよう構成される、駆動力伝達装置。
が提供される。
本発明者は、遊星歯車機構の太陽歯車部材、キャリア及び内歯車部材のうちの1つの部材に回転を入力する場合、他の2つの部材のうち回転抵抗の多い方の部材は回転せず、回転抵抗の少ない方の部材が回転することに気づいた。そこで、上記3つの部材のうち1つの部材に回転を入力し、他の2つの部材から回転を出力する構成とすることで、これら2つの部材に加わる回転抵抗の変化に応じて、出力を切り替える構成とすることを思いつき、本発明に到った。
すなわち、本発明によれば、遊星歯車機構という簡単な構成により、1つの入力回転に対し2つの変速比の回転を選択的に出力することができるため、部品点数を削減でき、軸方向の省スペース可も可能となっている。
好ましくは、前記第2部材の回転中に前記第2部材に加わる回転抵抗が前記第3部材に加わる回転抵抗よりも大きくなると、前記第2部材が回転を停止して前記第3部材が回転を開始するよう構成される。
好ましくは、前記第3部材に加わる回転抵抗を調整する回転抵抗調整部材を備えており、前記回転抵抗調整部材は、前記第2部材の回転に伴って前記第3部材に与える回転抵抗を低減するよう構成される。
好ましくは、前記第2部材又はこれと連動して回転する部材と係合することで、当該第2部材の一定角度以上の回転を規制する回転規制部材を備える。
好ましくは、前記第1部材、前記第2部材、前記第3部材を収容するとともに、前記回転規制部材を備えたケース部材を備え、前記第2部材又はこれと連動して回転する部材は、円周方向の一部の位置に係合部を備え、前記第2部材の回転中に前記係合部が前記回転規制部材と係合することで前記第2部材の回転を規制するよう構成される。
好ましくは、前記第3部材又はこれと連動して回転する部材は、一体回転する円筒状のカラーを備え、前記回転抵抗調整部材は、前記カラーの外周面又は内周面に配置されるコイルスプリングを備え、前記コイルスプリングは、コイルの両端をそれぞれ径方向に延出させた一対の突起を備え且つ当該一対の突起が前記回転規制部材を挟むように配置されており、前記回転抵抗調整部材は、前記係合部により前記一対の突起のいずれか一方を押圧されることで、前記コイルスプリングが縮径又は拡径して前記第3部材に与える回転抵抗を低減するよう構成される。
好ましくは、前記第1部材を前記太陽歯車部材とし、前記第2部材を前記キャリアとし、前記第3部材を前記内歯車部材とする。
また、本発明によれば、遮蔽部材と、前記遮蔽部材を動作させる操作部と、前記遮蔽部材を開閉させる開閉コードと、前記開閉コードの巻取り及び巻戻しを行う巻取軸と、前記遮蔽部材の遮蔽角度を変化させるチルト軸とを備えた遮蔽装置であって、前記操作部の回転を前記巻取軸及び前記チルト軸に伝達する駆動力伝達装置を備えており、前記駆動力伝達装置は、前記操作部の回転が入力される第1部材と、前記チルト軸に回転を出力する第2部材と、前記巻取軸に回転を出力する第3部材とを備え、前記第1部材、前記第2部材、及び前記第3部材は、遊星歯車機構の太陽歯車部材、キャリア、及び内歯車部材によって構成される、遮蔽装置。
好ましくは、前記駆動力伝達装置は、前記第2部材と前記第3部材に加わる回転抵抗が変化することで、前記第2部材と前記第3部材の間で出力が切り替わるよう構成される。
好ましくは、前記駆動力伝達装置は、前記第2部材の回転中に前記第2部材に加わる回転抵抗が前記第3部材に加わる回転抵抗よりも大きくなると、前記第2部材が回転を停止して前記第3部材が回転を開始するよう構成される。
好ましくは、前記駆動力伝達装置は、第2部材の一定角度以上の回転を規制する回転規制部材と、前記第1部材、前記第2部材及び前記第3部材を収容するケース部材とを備え、前記回転規制部材は、前記第2部材又はこれと連動して回転する部材と係合するよう構成され、前記第2部材又はこれと連動して回転する部材は、円周方向の一部の位置に係合部を備えており、前記ケース部材は、前記第3部材に加わる回転抵抗を調整する回転抵抗調整部材を備え、前記回転抵抗調整部材は、前記第2部材の回転に伴って前記第3部材に与える回転抵抗を低減するよう構成されており、前記駆動力伝達装置は、前記第2部材の回転中に前記係合部が前記回転規制部材と係合することで前記第2部材の回転を規制するよう構成される。
好ましくは、前記第3部材又はこれと連動して回転する部材は、一体回転する円筒状のカラーを備え、前記回転抵抗調整部材は、前記カラーの外周面又は内周面に配置されるコイルスプリングを備え、前記コイルスプリングは、コイルの両端をそれぞれ径方向に延出させた一対の突起を備え且つ当該一対の突起が前記回転規制部材を挟むように配置されており、前記回転抵抗調整部材は、前記係合部により前記一対の突起のいずれか一方を押圧されることで、前記コイルスプリングが縮径又は拡径して前記第3部材に与える回転抵抗を低減するよう構成される。
好ましくは、前記第1部材を前記太陽歯車部材とし、前記第2部材を前記キャリアとし、前記第3部材を前記内歯車部材とする。
本発明の実施形態に係る横型ブラインドの正面図である。 図1の横型ブラインドの駆動力伝達装置10の分解斜視図である。 図2の駆動力伝達装置10の、図2とは異なる方向から見た場合の分解斜視図である。 図2の駆動力伝達装置10の遊星歯車機構Sの分解斜視図である。 図4の遊星歯車機構Sの、図4とは異なる方向から見た場合の分解斜視図である。 図6Aは、図2の駆動力伝達装置10を組み立てた状態を示す斜視図であり、図6Bは、同駆動力伝達装置10の、ケース部材20を外した際の斜視図である。 図7Aは、図2の駆動力伝達装置10を組み立てた状態を示す側面図であり、図7Bは、同駆動力伝達装置10の、ケース部材20を外した際の側面図である。 図2の駆動力伝達装置10の、図7A及び図7BのA-A線における断面図である。 図2の駆動力伝達装置10の、図7A及び図7BのB-B線における断面図である。 図2の駆動力伝達装置10の動作を説明するタイミングチャートである。 図11A~図11Eは、図4のA-A線の断面における、各部材の動作説明図である。 図12A~図12Eは、図4のB-B線の断面における、各部材の動作説明図である。 図13A~図13Dは、図1の横型ブラインドのスラット3の回動動作を示す説明図である。 遊星歯車機構Sの太陽歯車部材30、キャリア40及び内歯車部材50の役割の組み合わせを示す表である。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態中で示した各特徴は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴について独立して発明が成立する。
(1)構成の説明
(1-1)横型ブラインド全体の構成
図1に示す本発明の第1実施形態に係る横型ブラインドは、ヘッドボックス1から垂下される複数本のラダーコード2(スラット支持コード)によって遮蔽部材としてのスラット3が支持され、ラダーコード2の下端にはボトムレール4が接続されている。ラダーコード2の近傍には、ヘッドボックス1から開閉コードとしての複数本の昇降コード5が垂下されている。昇降コード5の上端部はヘッドボックス1内に配設される巻取コーン6に巻着され、昇降コード5の下端部はボトムレール4を支持している。巻取コーン6には角軸状の貫通孔が設けられており、当該貫通孔にヘッドボックス1の長手方向に亘って配置される巻取軸としての角軸状の昇降軸7が貫通している。そして、ヘッドボックス1の一端側から垂下される操作部としての無端状の操作コード12の操作により昇降軸7及び巻取コーン6が回転して、昇降コード5が巻取られあるいは巻戻されることによってスラット3が昇降するようになっている。ここで、本実施形態では、操作コード12はボールチェーン式とされる。なお、ヘッドボックス1内には、昇降軸7の回転を停止させて自重によるスラット3の降下を防止するストッパ装置8も設けられている。
また、ラダーコード2の上端は、チルトドラム9に取着される。チルトドラム9は、その外周に外歯を備えており、角柱状の貫通孔が設けられたチルトギヤ(図示せず)と歯合している。当該貫通孔を角軸状のチルト軸11が貫通している。そして、チルト軸11の回転に応じてチルトドラム9が回転すると、ラダーコード2の前後のコードが互いに上下逆の方向に動作することで、各スラット3の遮蔽角度が同位相で調節される。本実施形態では、昇降軸7に加えて、このチルト軸11も、操作コード12の操作により回転させることができる。
このような動作を可能とするため、本実施形態の横型ブラインドは、操作コード12の移動を回転として昇降軸7とチルト軸11に選択的に伝達する駆動力伝達装置10を備えている。本実施形態において、駆動力伝達装置10はヘッドボックス1の一端部に配置される。以下に、図2~図9を用いて、駆動力伝達装置10の構成について説明する。なお、以下では、駆動力伝達装置10の向きについて、入力する側、すなわち操作コード12側を入力側、出力する側、すなわち昇降軸7とチルト軸11が接続される側を出力側とする。また、本実施形態の駆動力伝達装置10は、各図面の上側が室内側、各図面の下側が室外側となるよう横型ブラインドに取り付けられる(図2及び図3参照)。したがって、図2においては、紙面左奥側が下側となり、紙面右手前側が上側となる。また、図3においては、紙面右奥側が下側となり、紙面左手前側が上側となる。以下の説明において、「上下」の用語は、特に言及がない場合、図面における上下ではなく横型ブラインドに取付けた際の上下を表すものとする。
(1-2)駆動力伝達装置10の構成
駆動力伝達装置10は、図2及び図3に示すように、ケース部材20に、遊星歯車機構Sと、第1出力部材13と、第2出力部材14と、伝達部材15と、回転量規定部材16と、切替部材17と、回転抵抗調整部材Dとが収容されて構成される。ここで、ケース部材20は、入力側ケース21、入力側中間ケース22、出力側中間ケース23及び出力側ケース24から構成される。遊星歯車機構Sは、第1部材としての太陽歯車部材30、第2部材としてのキャリア40、第3部材としての内歯車部材50及び遊星歯車部材60から構成される。また、回転抵抗調整部材Dはコイルスプリング70及びカラー80から構成される。本実施形態において、コイルスプリング70及びカラー80は金属製とされ、その他の部材は樹脂製とされる。
駆動力伝達装置10は、太陽歯車部材30に入力された回転を、第1出力部材13の回転又は第2出力部材14の回転として出力するものである。太陽歯車部材30に形成されるプーリ31には操作コード12が巻回されており、操作コード12の操作を操作することで、第1出力部材13に接続されたチルト軸11又は第2出力部材14に接続された昇降軸7が回転するようになっている。以下、各部材ごとに説明する。
<ケース部材20>
ケース部材20は、図2及び図3に示すように、入力側ケース21、入力側中間ケース22、出力側中間ケース23及び出力側ケース24が入力側から順に並ぶよう配置され、各ケース間に各部材を収容するものである。各ケースは入出力方向に垂直な壁面21w,22w,23w、24wを備える。これら各壁面21w~24wは、正面視において室外側が矩形、室内側が略半円形の形状をなしている。なお、これら各ケース間には、各ケース同士を係合、固定させる各種の係合爪、係合溝、凸部、凹部等が設けられているが、これらの配置及び構成は既知の構成を適宜用いることとし、その説明を省略する。また、図2及び図3に示すように、各部材には適宜肉抜きがなされている。
入力側ケース21は、駆動力伝達装置10の入力側端面を構成する部材である。入力側ケース21の壁面21wの室内側の位置であって上下方向の略中央の位置には、出力側に向かって延びる支持軸21aが形成され、太陽歯車部材30を軸支するよう構成される。また、支持軸21aの周囲には、円筒状の凹部21bが形成されている。
入力側中間ケース22は、入力側ケース21とともに太陽歯車部材30を保持するよう配置される。入力側中間ケース22の壁面22wの室内側の略中央の位置には、太陽歯車部材30の太陽ギア部30gを貫通させる貫通孔22aが形成される。そして、入力側ケース21の凹部21bと壁面22wとにより、太陽歯車部材30のプーリ31及びプーリ31に巻回された操作コード12を収容する収容空間R1を形成している。収容空間R1は、操作コード12を引き出すため、一部が切り欠かれている。また、入力側中間ケース22の出力側の室内側の位置には、円筒状の室内側凹部22cが形成され、室外側の位置には、矩形の室外側凹部22dが形成される。さらに、室外側の位置であって上下方向の略中央の位置には、出力側へ延び、第2出力部材14を軸支する支持軸22eが形成される。
出力側中間ケース23は、入力側中間ケース22とともに、太陽歯車部材30を除く遊星歯車機構Sと第2出力部材14とを保持するよう配置される。出力側中間ケース23の壁面23wの室内側の略中央の位置には、キャリア40のキャリア伝達ギア部40gを貫通させる貫通孔23aが形成される。また、出力側中間ケース23の壁面23wの室外側のやや上寄りの位置には、第2出力部材14の第2出力軸14oを貫通させる貫通孔23bが形成される。加えて、出力側中間ケース23は、壁面23wの入力側の室内側の位置に円筒状の室内側凹部23cを有し、室外側の位置に、室内側凹部23cと連続する円筒状の室外側凹部23dを有している。そして、入力側中間ケース22の室内側凹部22c及び室外側凹部22dと、出力側中間ケース23の室内側凹部23c及び室外側凹部23dとにより、キャリア40、内歯車部材50及び遊星歯車部材60及び第2出力部材14のギア部14gを収容する収容空間R2を形成している。
出力側中間ケース23の壁面23wの出力側には、貫通孔23bの周囲に、出力側に向かって筒状に突出する筒状部23eが形成される。また、筒状部23eの上側内面には、径方向内側に向かって延びる回転規制部材としてのケース突起23pが形成される(図9参照)。加えて、壁面23wの出力側の室外側下寄りの位置には、伝達部材15を軸支する支持軸23fが形成されている。そして、貫通孔23aと支持軸23fの中間の位置には、第1出力部材13を軸支する支持軸23hが形成されている。
出力側ケース24は、出力側中間ケース23とともに、第1出力部材13、伝達部材15、回転量規定部材16、切替部材17及び回転抵抗調整部材Dを保持するよう配置される。出力側ケース24の壁面24wの中央やや下寄りの位置には、第1出力部材13の第1出力部材13oを貫通させる貫通孔24aが形成される。また、壁面24wの室外側のやや上寄りの位置には、第2出力部材14の第2出力軸14oを貫通させる貫通孔24bが形成される。加えて、出力側ケース24は、壁面24wの入力側の室内側の位置に円筒状の室内側凹部24cを有し、その室外側やや下寄りの位置に円筒状の中央凹部24dを有している。さらに、出力側ケース24は、中央凹部24dの下方に下室外側凹部24eを有し、下室外側凹部24eの上側には上室外側凹部24fを有している。
そして、出力側中間ケース23の壁面23w及び筒状部23eと、出力側ケース24の室内側凹部24c、中央凹部24d、下室外側凹部24e及び上室外側凹部24fとにより、第1出力部材13のギア部13g、第2出力部材14のギア部14g、伝達部材15、回転量規定部材16及び回転抵抗調整部材Dを収容する収容空間R3を形成している。
<太陽歯車部材30>
太陽歯車部材30は、遊星歯車機構Sの分解斜視図である図4及び図5に示すように、入力側から順にプーリ31と、プーリ31よりも大径の円盤部32と、プーリ31よりも小径の太陽ギア部30gとを備える。太陽ギア部30gの外周には、ギア歯30tが形成される。太陽ギア部30gは、4つの遊星歯車部材60それぞれと歯合する。プーリ31に操作コード12が巻回され、操作コード12が操作されると太陽歯車部材30が回転し、遊星歯車部材60に回転が伝達されるよう構成される。
<キャリア40>
キャリア40は、入力側キャリア部材41及び出力側キャリア部材42から構成される。入力側キャリア部材41は、円盤部43と、円盤部43から出力側に延びる4つの支持柱44とを備える。円盤部43の中央には、太陽歯車部材30の太陽ギア部30gを貫通させる貫通孔41aが形成される。また、4つの支持柱44は、図5に示すように、円周方向に亘って等間隔に設けられ、各支持柱44の先端(出力側端)には突起44aが設けられている。加えて、円盤部43には、4つの嵌合孔43aが、4つの支持柱44と交互に形成される。
出力側キャリア部材42は、円盤部45、円盤部45よりも小径の円筒部46及び、円筒部46と略同一外径のキャリア伝達ギア部40gを入力側からこの順に備える。また、出力側キャリア部材42は、円盤部45から入力側に延びて遊星歯車部材60を軸支する4つの遊星歯車保持軸48を備える。4つの遊星歯車保持軸48は、円周方向に亘って等間隔に設けられ、各遊星歯車保持軸48の先端(入力側端)には、入力側キャリア部材41の円盤部43に設けられた4つの嵌合孔43aと嵌合する突起48aが設けられている(図4参照)。円盤部45には、4つの嵌合孔45aが、4つの遊星歯車保持軸48と交互に形成される。4つの嵌合孔45aは、入力側キャリア部材41の支持柱44に設けられた突起44aと嵌合する。また、キャリア伝達ギア部40gの外周には、キャリア出力ギア歯40tが形成されており、第1出力部材13のギア部13gと係合するようになっている(図9参照)。
<内歯車部材50>
内歯車部材50は、入力側から順に、円筒状の薄肉筒状部51と、円筒状の内歯車部材伝達ギア部50gとを備える。薄肉筒状部51の内面には、円周方向に亘って内歯51tが形成され、4つの遊星歯車部材60と歯合する内歯ギア部51gとなっている。内歯車部材伝達ギア部50gの内径は、出力側キャリア部材42の円筒部46及びキャリア伝達ギア部40gを挿入可能な大きさとされる。そして、組み立てた際には、内歯車部材伝達ギア部50gの内壁面50aにより、キャリア40の円筒部46が回転可能に保持される。
<遊星歯車部材60>
遊星歯車部材60は、その外周にギア歯60tを有しており、本実施形態では4つ設けられる。各遊星歯車部材60は、その貫通孔62に出力側キャリア部材42の遊星歯車保持軸48が通され、遊星歯車保持軸48に回転可能に保持される。そして、遊星歯車部材60は、太陽歯車部材30の太陽ギア部30g及び内歯車部材50の内歯ギア部51gと歯合するようになっている。
以上のような構成の太陽歯車部材30、キャリア40、内歯車部材50及び遊星歯車部材60により、遊星歯車機構Sが構成される。本実施形態の遊星歯車機構Sは、操作コード12の操作による太陽歯車部材30の回転に対し、キャリア40(キャリア伝達ギア部40g)に加わる回転抵抗と内歯車部材50(内歯車部材伝達ギア部50g)に加わる回転抵抗の変化に応じて、キャリア40又は内歯車部材50のいずれか一方が回転するようになっている。具体的には、キャリア40に加わる回転抵抗に対し内歯車部材50に加わる回転抵抗が大きいとキャリア40が回転し、内歯車部材50に加わる回転抵抗が小さいと当該内歯車部材50が回転するようになっている。
<第1出力部材13>
第1出力部材13は、キャリア40の回転を外部へ出力する部材であり、入力側から順に、外周にギア歯13tを備えるギア部13gと、これより径の小さい円柱状の第1出力部材13oとを備える。また、第1出力部材13oの先端には、角柱状のチルト軸11と接続するための角穴が形成されている。
<第2出力部材14>
第2出力部材14は、内歯車部材50の回転を外部へ出力する部材であり、入力側から順に、外周にギア歯14tを備える円柱状のギア部14gと、これより径の小さい円柱状の第2出力軸14oとを備える。ギア部14gは、入力側に向かって開口する円筒状の凹部14cを有しており、入力側中間ケース22の支持軸22eに軸支されるよう構成される。また、第2出力軸14oの先端は、昇降軸7と接続するため角柱状になっている。加えて、ギア部14gの出力側面と円柱部14bの側面との接合部の対向する2ヶ所には、カラー80の係合突起81に係合する係合溝14dが形成される。
<伝達部材15>
伝達部材15は、出力側中間ケース23の支持軸23fに軸支され、入出力方向に延在する円筒状の部材であり、外周にはギア歯15tが形成されている。伝達部材15の入出力方向の長さは、第1出力部材13のギア部13gの入出力方向の長さと回転量規定部材16の入出力方向の長さの和と略同一になっている。
<回転量規定部材16>
回転量規定部材16は、薄い円筒形状をなしており、ギア歯16tと突出部16bを備える。ギア歯16tは、回転量規定部材16の外周に入出力方向に亘って設けられる。回転量規定部材16の内面には、円周方向の対向する2ヶ所に径方向内側に向かって突出する突出部16bが設けられる。また、回転量規定部材16の出力側端部は挟径となっており、第2出力部材14の第2出力軸14oを貫通させる貫通孔16cが形成される。
<切替部材17>
切替部材17は、薄肉の円盤部17aと、当該円盤部17a入力側面の径方向外周であって円周方向の1ヶ所に、入力側に向かって突出する切替部材突起17bを備える。また、円盤部17aの中央には、第2出力部材14の第2出力軸14oを貫通させる貫通孔17cが形成される。加えて、円盤部17aの出力側面からは、円周方向の対向する2ヶ所に、出力側に向かって突出する突出部17dが形成される。なお、切替部材17は、第2部材(キャリア40)と連動して回転する部材であり、切替部材突起17bは本発明における「係合部」に対応する。
<コイルスプリング70・カラー80>
コイルスプリング70及びカラー80は、第2出力部材14及びこれと歯合する内歯車部材50に加わる回転抵抗を調整する回転抵抗調整部材Dとして用いられる。コイルスプリング70は、円筒状に巻回された金属線の両端がそれぞれ径方向内側に延出するコイルスプリング突起71となっている。コイルスプリング70は、図9にも示すように、カラー80の外周に配置される。そして、一対のコイルスプリング突起71は、図9に示すように、ケース部材20(出力側中間ケース23)に形成されるケース突起23pを挟むよう配置される。
カラー80は、図2及び図3に示すように、薄肉リング状の部材であり、金属製とされる。カラー80は、入力側端の円周方向の対向する2ヶ所に係合突起81を備えている。そして、当該係合突起81が第2出力部材14の係合溝14dと係合することで、カラー80は第2出力部材14に対して相対回転不能となっている。なお、カラー80の外側にはコイルスプリング70が配置される。なお、コイルスプリング70の組み立て前の内径はカラー80の外径よりも僅かに小さな径となっており、コイルスプリング70はカラー80を締め付けた状態で配置されることになる。このような構成により、カラー80は、コイルスプリング70が縮径した際にはカラー80と一体回転しようとし、コイルスプリング70が拡径した際にはコイルスプリング70に対して相対回転可能となる。
以上の部材を組み立てることで、図6A及び図7Aに示す駆動力伝達装置10が構成される。この状態において、各部材の歯合関係は図6B、図7B及び図8、図9に示すようになる。すなわち、キャリア40のキャリア伝達ギア部40gは第1出力部材13のギア部13gと歯合し、第1出力部材13のギア部13gは伝達部材15と歯合し、伝達部材15は回転量規定部材16と歯合する。また、内歯車部材伝達ギア部50gは第2出力部材14のギア部14gと歯合する。なお、伝達部材15は、第1出力部材13のギア部13g及び回転量規定部材16と、入出力方向にずれた位置においてそれぞれ歯合するようになっている。ここで、第1出力部材13のギア部13gと回転量規定部材16は歯合しない。このような構成により、伝達部材15は、第1出力部材13の回転を回転量規定部材16へ、第1出力部材13と同じ向きの回転として伝達するようになっている。
また、組み立てた状態においては、図8に示すように、回転量規定部材16の突出部16bと切替部材17の突出部17dが係合可能に配置される。そして、図9に示すように、ケース部材20(出力側中間ケース23)のケース突起23p、切替部材17の切替部材突起17b及びコイルスプリング70のコイルスプリング突起71が係合可能に配置される。本実施形態では、ケース突起23pにより切替部材突起17bの一定角度以上の回転が規制される。そのため、回転量規定部材16、伝達部材15及び第1出力部材13を介して切替部材突起17bと接続されるキャリア40も、一定角度以上の回転ができないようになっている。
(2)動作の説明
(2-1)駆動力伝達装置10の動作
次に、上記のような構成の駆動力伝達装置10の動作について、図10のタイミングチャート及び、図7A,7BのA-A断面、B-B断面における各部材の動作を示す図11A~図11E、図12A~図12Dの説明図を用いて説明する。
<局面(i)>
まず、初期状態において、図8のA-A断面図における回転量規定部材16及び切替部材17は、図11Aに示す位置関係、すなわち、回転量規定部材16の突出部16bが、反時計回りに回転するとすぐに切替部材17の突出部17dに当接する位置関係にあるとする。また、図9のB-B断面図における切替部材17、コイルスプリング70及び出力側中間ケース23のケース突起23pは、図12Aに示す位置関係、すなわち、切替部材17の切替部材突起17bが、反時計回りに回転するとすぐにコイルスプリング突起71を介してケース突起23pに当接する位置関係にあるとする。
この状態で操作コード12が操作され、太陽歯車部材30が反時計回りの回転(CCW回転)を開始すると、遊星歯車機構Sにおいて、太陽歯車部材30と歯合する遊星歯車部材60が時計回りに回転(CW回転)する。すると、遊星歯車部材60を保持するキャリア40は反時計回りに回転しようとし、遊星歯車部材60と歯合する内歯車部材50は時計回りに回転しようとする。すなわち、遊星歯車機構Sの出力としては、キャリア伝達ギア部40gが反時計回りに回転しようとし、内歯車部材伝達ギア部50gが時計回りに回転しようとする。
<局面(i)~局面(ii)>
ところで、内歯車部材伝達ギア部50gと歯合する第2出力部材14(ギア部14g)は反時計回りに回転しようとし、これと係合するカラー80及びこれに巻回されたコイルスプリング70も反時計回りに回転しようとする。しかしながら、図12Aに示すように、コイルスプリング70は、僅かに回転したところでコイルスプリング突起71がケース部材20のケース突起23pと当接して、それ以上回転できないようになっている。また、この際、コイルスプリング突起71はコイルスプリング70が縮径する方向に押圧されるため、コイルスプリング70内でカラー80が相対回転することもできない。
その結果、局面(i)~局面(ii)においては内歯車部材50は回転することができず固定された状態となるため、キャリア40は反時計回りの回転を開始する。そして、これにともなって、キャリア伝達ギア部40gと歯合する第1出力部材13(ギア部13g)は時計回りの回転、第1出力部材13と歯合する伝達部材15は反時計回りの回転、伝達部材15と歯合する回転量規定部材16は時計回りの回転を開始する(図11B参照)。
<局面(ii)>
太陽歯車部材30がさらに回転し、回転量規定部材16が時計回りの回転を続けると、図11Cに示すように、回転量規定部材16の一対の突出部16bがそれぞれ切替部材17の一対の突出部17dに係合する。
<局面(ii)~局面(iii)>
局面(ii)の状態で太陽歯車部材30がさらに回転すると、回転量規定部材16の時計回りの回転により切替部材17も時計回りに回転を開始する(図11D参照)。この際、切替部材17の切替部材突起17bは、図12B及び図12Cに示すように、コイルスプリング70の外周且つ筒状部23eの内側で回転する。
<局面(iii)>
太陽歯車部材30がさらに回転し、切替部材17が時計回りの回転を続けると、図12Dに示すように、切替部材17の切替部材突起17bはコイルスプリング突起71を挟んでケース部材20のケース突起23pと当接し、回転が規制される。このときの回転量規定部材16の突出部16b及び切替部材17の切替部材突起17bの位置は図11Eのようになる。その結果、切替部材17及び、これらと連動して回転していた回転量規定部材16、伝達部材15、第1出力部材13及びキャリア40は回転不能となる。なお、この際、切替部材突起17bはコイルスプリング突起71を押圧してコイルスプリング70を拡径させる。その結果、これまで回転不能であったカラー80は、コイルスプリング70の内側で回転可能な状態となる。
<局面(iii)~局面(iv)>
局面(iii)の状態で太陽歯車部材30がさらに回転すると、キャリア40が回転不能となった一方、カラー80が回転可能となったことで、内歯車部材50が時計回り、第2出力部材14及びカラー80は反時計回りに回転を開始する(図12E参照)。
<局面(iv)>
操作コード12の操作を停止し、太陽歯車部材30の回転が停止すると、キャリア40及び第2出力部材14の回転が停止する。
以上のことから、本実施形態において駆動力伝達装置10は、局面(i)~局面(iii)の間、第1出力部材13の時計回りの回転により、これと接続するチルト軸11に時計回りの回転を伝達する(チルト出力)。この間、第2出力部材14は回転せず、昇降軸7には回転を伝達しない。一方、駆動力伝達装置10は、局面(iii)~局面(iv)の間、第2出力部材14の反時計回りの回転により、これと接続する昇降軸7に反時計回りの回転を伝達する(昇降出力)。この間、第1出力部材13は回転せず、チルト軸11には回転を伝達しない。
(2-2)横型ブラインドの動作
次に、上記の駆動力伝達装置10を備えた横型ブラインドの動作について、図13A~図13Dを用いて説明する。なお、図13A~図13Dは本実施形態の横型ブラインドを図1の右側から見た側面図であり、図13A~図13Dにおいては左側が室内側となる。また、駆動力伝達装置10の向きは、紙面手前側が入力側、紙面奥側が出力側である。以下では、図13Aに示すスラット3が全閉となった状態から、スラット3が回動して図13Bに示す水平状態を経て図13Cに示す逆全閉状態となり、その後、図13Dに示すように上昇をする際の説明を行う。スラット3を下降させつつ逆全閉状態から全閉状態とするには、以下の動作を逆に行えば良い。
<スラット3の上昇及び回動>
スラット3が全閉状態である時(図13A参照)に、操作コード12を図13Aの矢印で示す方向に操作すると、太陽歯車部材30が反時計回りに回転を開始する。このとき、駆動力伝達装置10は図10、図11A及び図12A示す上記局面(i)の状態となっており、駆動力伝達装置10によって第1出力部材13及びこれと接続されるチルト軸11は時計回りの回転を開始する。すると、チルトギヤ(図示せず)を介してチルトドラム9が反時計回りに回転し、スラット3が回動動作を開始する。一方、駆動力伝達装置10により第2出力部材14及びこれと接続される昇降軸7は回転不能となっており、巻取コーン6も回転せず、昇降コード5は巻取られないため、昇降動作は起こらない。なお、図13Bはスラット3の回動の途中を示す図であり、操作コード12の操作を続けることで、駆動力伝達装置10は局面(i)から局面(iii)へ遷移する。
<スラット3の回動停止>
さらに操作コード12の操作を続けると、スラット3は図13Cの逆全閉状態となり、これと略同一のタイミングで駆動力伝達装置10の第1出力部材13は回転不能となって(局面(iii)参照)、チルト軸11の回転が停止する。
<スラット3の上昇>
その後さらに操作コード12の操作を続けると、駆動力伝達装置10は局面(iii)~局面(iv)の状態となり、昇降軸7が反時計回りの回転を開始する。すると、巻取コーン6が反時計回りに回転することで、昇降コード5がヘッドボックス1内に巻取られて、図13Dに示すように、スラット3(ボトムレール4)が上昇することになる。
<スラット3の停止>
最後に、操作コード12の操作を停止すると、昇降軸7の回転も停止し、スラット3の上昇が停止する。
なお、上記駆動力伝達装置10に用いられる遊星歯車機構Sは、太陽歯車部材30、キャリア40、内歯車部材50及び遊星歯車部材60の4つの部材から構成されるが、このうち遊星歯車部材60を除く3つの部材は、どの部材に回転を入力し、どの部材を初期段階で回転させ、どの部材をその後回転させるかを任意に設定することができる。つまり、上記実施形態では、太陽歯車部材30に操作コード12による操作力を入力し、初期段階ではキャリア40を回転させてこれと連動して回転する第1出力部材13を介してチルト軸11を回転させ、その後、内歯車部材50を回転させてこれと連動して回転する第2出力部材14を介して昇降軸7を回転させていたが、これら3つの役割は任意である。言い換えると、図13に示すように、太陽歯車部材30、キャリア40及び内歯車部材50の間で、操作コード12と接続する部材(入力)、チルト軸11と接続する部材(第1出力)及び、昇降軸7と接続する部材(第2出力)を任意に入れ替えることが可能である。これらの組み合わせは、初期段階の回転の変速比及びその後の回転の変速比をどのように設定するか等により選択される。
なお、駆動力伝達装置10への一方向の入力回転に対する出力回転の向きについては、適宜ギア等を追加することで変更することが可能である。したがって、操作コード12の操作方向とスラット3の回動方向及び昇降方向は任意に設定することができる。
(3)作用効果
前記のような駆動力伝達装置10及び横型ブラインドでは、次に示す作用効果を得ることができる。
(イ)遊星歯車機構Sの太陽歯車部材30を操作コード12の操作により回転するよう構成し、キャリア40を第1出力部材13を介してチルト軸11と接続し、内歯車部材50を第2出力部材14を介して昇降軸7と接続することで、同一の入力回転に対し、2つの軸(チルト軸11及び昇降軸7)に選択的に回転を出力することが可能である。このような構成により、遊星歯車機構Sという簡単な構成によって、1つの入力回転に対し2つの変速比の回転を選択的に出力することができる。
(ロ)キャリア40の回転に伴って切替部材17の切替部材突起17bがコイルスプリング突起71を押圧してコイルスプリング70を拡径することで、内歯車部材50への回転抵抗を低減することができる。同時に、切替部材突起17bがケース部材20のケース突起23pと係合することで、キャリア40の回転を規制する(回転抵抗を無限大に増加させる)ことができる。このような構成により、略同一円上にある部材の係合関係によって、キャリア40と内歯車部材50との間で回転する部材を切り替えることができる。
(ハ)切替部材17の切替部材突起17bとキャリア40と内歯車部材50との間で回転する部材を切り替えることができる。
(ニ)遊星歯車機構Sのいずれか1つに回転を入力し、他の2つから回転を出力する構成であることから、出力が切り替わる際に遊び(空転)が生じない。
(ホ)遊星歯車機構Sの太陽歯車部材30、キャリア40及び内歯車部材50の役割を図13に示す組み合わせから適切に選択することで、初動(入力回転開始)における1つ目の軸(チルト軸11)への出力の変速比と、その後の2つ目の軸(昇降軸7)への出力の変速比を任意に設定することが可能である。
(ヘ)横型ブラインドに上記構成の駆動力伝達装置10を用いることで、操作コード12の操作開始直後はスラット3の回動動作のみを行わせ、スラット3の回動終了後に昇降動作を行わせることが可能である。
(ト)第1出力部材13の回転量及び回転位相は、切替部材17の切替部材突起17bとケース部材20のケース突起23pの位置関係のみによって決まるため、第2出力部材14の状態にかかわらず、常に一定範囲(一定角度)において回転させることができる。この構成を横型ブラインドに適用し、第1出力部材13とチルト軸11、第2出力部材14と昇降軸7を接続することで、昇降動作が開始する際のチルト軸11の位相(スラット3の角度)を一定にすることができる。
(チ)上記(ト)の効果は、本願構成をチルト軸11及び昇降軸7を電動でも手動でも回転させることのできる横型ブラインドに適用する際にも効果的である。すなわち、電動及び手動の両方により太陽歯車部材30を回転させることの可能な構成の場合、手動動作時にスラット3の角度をランダムに決めると、次の電動動作時にスラット3の位置が特定できず、角度検出のための手段を設けない限りチルト軸11の回転不足又は過剰回転が生じ得る。しかしながら、本願構成では、第1出力部材13の回転量及び回転位相が常に一定範囲となるよう構成されているため、チルト軸11を適切に回転させることができる。
なお、本発明は、以下の態様でも実施可能である。
・上述した実施形態は駆動力伝達装置10を横型ブラインドに適用したものであったが、横型ブラインド以外の遮蔽装置、例えば、縦型ブラインド等に適用することも可能である。
・上記実施形態においては、回転抵抗調整部材Dの構成として、コイルスプリング70がカラー80の外周面に配置され、コイルスプリング70が縮径することで回転不能となり、拡径することで回転可能となる構成である。しかしながら、コイルスプリング70をカラー80の内周面に配置し、コイルスプリング70が拡径することで回転不能となり、縮径することで回転可能となる構成のものを用いることも可能である。
・上記実施形態において、駆動力伝達装置10は、回転抵抗調整部材D(コイルスプリング70)及び回転規制部材であるケース突起23pにより、内歯車部材50への回転抵抗を低減するとともにキャリア40の回転を規制して、これらキャリア40と内歯車部材50の回転を切り替えている。しかしながら、これらの構成を設けず、キャリア40及び内歯車部材50それぞれの出力先(すなわち駆動力伝達装置10の外部)に加わる回転抵抗の変化を検知して回転を切り替える構成とすることも可能である。例えば、駆動力伝達装置10を横型ブラインドに適用する場合、スラット3の回動の適宜の構成による又は何らかの障害物による停止によってチルト軸11の回転が停止すると、これと接続されるキャリア40の回転が停止するので(回転停止の検知)、これをきっかけとして内歯車部材50の回転を開始させ、これと接続される昇降軸7を回転させて昇降動作を開始させるというような構成とすることも可能である。
1 :ヘッドボックス
2 :ラダーコード
3 :スラット
4 :ボトムレール
5 :昇降コード
6 :巻取コーン
7 :昇降軸
8 :ストッパ装置
9 :チルトドラム
10 :駆動力伝達装置
11 :チルト軸
12 :操作コード
13 :第1出力部材
13g :ギア部
13o :第1出力部材
13t :ギア歯
14 :第2出力部材
14b :円柱部
14c :凹部
14d :係合溝
14g :ギア部
14o :第2出力軸
14t :ギア歯
15 :伝達部材
15t :ギア歯
16 :回転量規定部材
16b :突出部
16c :貫通孔
16t :ギア歯
17 :切替部材
17a :円盤部
17b :切替部材突起
17c :貫通孔
17d :突出部
20 :ケース部材
21 :入力側ケース
21a :支持軸
21b :凹部
21w :壁面
22 :入力側中間ケース
22a :貫通孔
22c :室内側凹部
22d :室外側凹部
22e :支持軸
22w :壁面
23 :出力側中間ケース
23a :貫通孔
23b :貫通孔
23c :室内側凹部
23d :室外側凹部
23e :筒状部
23f :支持軸
23h :支持軸
23p :ケース突起
23w :壁面
24 :出力側ケース
24a :貫通孔
24b :貫通孔
24c :室内側凹部
24d :中央凹部
24e :下室外側凹部
24f :上室外側凹部
24w :壁面
30 :太陽歯車部材
30g :太陽ギア部
30t :ギア歯
31 :プーリ
32 :円盤部
40 :キャリア
40g :キャリア伝達ギア部
40t :キャリア出力ギア歯
41 :入力側キャリア部材
41a :貫通孔
42 :出力側キャリア部材
43 :円盤部
43a :嵌合孔
44 :支持柱
44a :突起
45 :円盤部
45a :嵌合孔
46 :円筒部
48 :遊星歯車保持軸
48a :突起
50 :内歯車部材
50a :内壁面
50g :内歯車部材伝達ギア部
51 :薄肉筒状部
51g :内歯ギア部
51t :内歯
60 :遊星歯車部材
60t :ギア歯60t
62 :貫通孔
70 :コイルスプリング
71 :コイルスプリング突起
80 :カラー
81 :係合突起
D :回転抵抗調整部材
R1 :収容空間
R2 :収容空間
R3 :収容空間
S :遊星歯車機構

Claims (8)

  1. 第1部材、第2部材、及び第3部材を備え、第1部材への入力回転が前記第2部材又は前記第3部材の回転として出力される駆動力伝達装置であって、
    前記第1部材、前記第2部材、及び前記第3部材は、遊星歯車機構の太陽歯車部材、キャリア、及び内歯車部材によって構成され、
    前記第2部材と前記第3部材に加わる回転抵抗が変化することで、前記第2部材と前記第3部材の間で出力が切り替わるよう構成される、駆動力伝達装置。
  2. 前記第2部材の回転中に前記第2部材に加わる回転抵抗が前記第3部材に加わる回転抵抗よりも大きくなると、前記第2部材が回転を停止して前記第3部材が回転を開始するよう構成される、請求項1に記載の駆動力伝達装置。
  3. 前記第3部材に加わる回転抵抗を調整する回転抵抗調整部材を備えており、
    前記回転抵抗調整部材は、前記第2部材の回転に伴って前記第3部材に与える回転抵抗を低減するよう構成される、請求項1又は請求項2に記載の駆動力伝達装置。
  4. 前記第2部材又はこれと連動して回転する部材と係合することで、当該第2部材の一定角度以上の回転を規制する回転規制部材を備える、請求項3に記載の駆動力伝達装置。
  5. 前記第1部材、前記第2部材、前記第3部材を収容するとともに、前記回転規制部材を備えたケース部材を備え、
    前記第2部材又はこれと連動して回転する部材は、円周方向の一部の位置に係合部を備え、
    前記第2部材の回転中に前記係合部が前記回転規制部材と係合することで前記第2部材の回転を規制するよう構成される、請求項4に記載の駆動力伝達装置。
  6. 前記第3部材又はこれと連動して回転する部材は、一体回転する円筒状のカラーを備え、
    前記回転抵抗調整部材は、前記カラーの外周面又は内周面に配置されるコイルスプリングを備え、
    前記コイルスプリングは、コイルの両端をそれぞれ径方向に延出させた一対の突起を備え且つ当該一対の突起が前記回転規制部材を挟むように配置されており、
    前記回転抵抗調整部材は、前記係合部により前記一対の突起のいずれか一方を押圧されることで、前記コイルスプリングが縮径又は拡径して前記第3部材に与える回転抵抗を低減するよう構成される、請求項5に記載の駆動力伝達装置。
  7. 前記第1部材を前記太陽歯車部材とし、前記第2部材を前記キャリアとし、前記第3部材を前記内歯車部材とする、請求項1~請求項6のいずれかに記載の駆動力伝達装置。
  8. 遮蔽部材と、前記遮蔽部材を動作させる操作部と、前記遮蔽部材を開閉させる開閉コードと、前記開閉コードの巻取り及び巻戻しを行う巻取軸と、前記遮蔽部材の遮蔽角度を変化させるチルト軸とを備えた遮蔽装置であって、
    請求項1~請求項7のいずれかに記載の駆動力伝達装置を備え、
    前記操作部の操作により前記第1部材が回転し、前記第2部材の回転が前記チルト軸に伝達され、前記第3部材の回転が前記巻取軸に伝達されるよう構成される、遮蔽装置。
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