以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る画像処理装置、方法、およびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
実施の形態に係る画像処理装置は、原稿読取部と、表示部と、入力受付部と、画像処理部と、画像形成部と、を有する。
原稿読取部は、読取スキャナなどの読取手段を備え、原稿から原稿画像を読み取る(つまりスキャニングを行う)。表示部は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)などの表示手段を備え、原稿読取部が読み取った読取画像(画素データを有するスキャニング画像、スキャン画像とも言う)を表示する。入力受付部は、タッチパネルなどの入力手段を備え、表示部により表示されている読取画像に対してユーザが指定する任意の位置に情報の入力を受け付ける。情報は、読み取り画像に対する座標情報(x,y)などの位置情報と、指定した座標(位置)に対するRGB値などの色情報の少なくとも1つを含む、マスキング情報(マスキングパターン)である。マスキング情報は生成部が生成する。後述するように、マスキング情報(マスキングパターン)はその情報を、スキャン画像とは別に独立したファイルとして記憶及び呼び出しが可能である。なお、色情報は、指定した位置の色以外の色を変更する情報(例えば黄ばみ除去のため白に変更する情報)や、指定した位置の色を白または周辺や背景と近い色に変更する情報(例えば鉛筆書き込みなどの除去)も含む。画像処理部は、入力受付部が受け付けた位置に、マスキング情報に基づいて読取画像をマスキングする画像処理を行う。画像形成部は、プロッタなどを備え、画像処理部によりマスキングされた読取画像の画像形成(印刷など)を行う。
当該画像処理部は、例えば、表示中の読取画像に対してユーザが指定した位置の画素(「基準画素」と呼ぶ)とこれに準ずる画素をマスキングの対象、或いはマスキングの対象外としたマスキング情報に基づき、マスキングの対象になる箇所に対して、例えばRGB形式で取得したスキャン画像のRGB値を変更するマスキング処理をする。マスキングの対象箇所へマスキングする具体的な方式としては、例えば表示中の読取画像においてユーザにマスキングのパターンをなぞらせるなどして、そのマスキングのパターンを読取画像に合成する方式や、表示中の読取画像においてユーザが指定した位置の画素値と等しいか、もしくは近似範囲内の画素値を有する読取画像内の画素をマスキングの画素値に置換する方式や、それぞれの変形などがある。
ここで、画素(ピクセル)とは、コンピュータで画像を扱うときの色情報(色調や階調)を持つ最小単位である。画素値はRGB値、輝度情報、色情報を含む概念である。
以下、それぞれの方式に分けて実施の形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態やその変形を適宜組み合わせてもよい。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る「画像処理装置」の一例として示すMFP(Multifunction Peripheral)の外観構成を示す図である。MFPは、スキャニング機能と画像形成機能とを少なくとも有する装置である。
図1に示すMFP1は、本体(本体部)10と「操作機器」としての操作パネル20とを有する。本体10は、原稿をスキャニングする(「読み取る」とも言う)スキャナユニット10-1や用紙などの被記録媒体に画像を形成する画像形成ユニット10-2などを有する。
操作パネル20は、ユーザが本体10にコピーの実行を指示したり、コピー出力する画像の編集操作を行ったりするためのユーザインタフェースである。本体10と操作パネル20とは有線または無線により通信接続され、その通信路30(図2参照)を介して操作信号やデータなどを送受信する。
第1の実施の形態では、操作パネル20における本体10へのコピーの実行指示やそのコピー出力される画像の画像編集などのユーザ操作を、本体10に設けたAPI(Application Programming Interface)を利用して実現する場合の一例を示す。なお、「画像編集のユーザ操作」として、画像の一部をマスキングするマスキング操作について示す。
また、「API」には、一例としてWebAPIを使用した場合のものを示す。以下において特に明記しない限り、「API」は、「WebAPI(主にRESTのWebAPI)」であるものとする。REST(Representational State Transfer)のWebAPIは、GET(取得)、POST(登録)、PUT(更新)、DELETE(削除)のメソッドと、リソースを特定するURL(Uniform Resource Locator)を用いたリクエスト(「要求」や「要求データ」とも言う)をWeb(World Wide Web)サーバに送信し、Webサーバからレスポンス(「応答」や「応答データ」とも言う)をJSON(JavaScript(登録商標) Object Notation)やXML(Extensible Markup Language)などで受け取る。
(ハードウェア構成)
図2は、MFP1のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示すように、本体10は、第1のCPUであるCPU(Central Processing Unit)100と、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、HDD(Hard Disk Drive)103と、通信I/F104と、接続I/F105と、エンジン106とを有する。各部はシステムバス107を介して相互に接続されている。
CPU100は、演算処理や制御処理を実行する中央演算処理装置である。CPU100は、ROM101やHDD103などに格納されている各種のプログラムをRAM102に読み出し、演算処理や制御処理を実行するなどして、本体10を統括的に制御する。
ROM101は、固定プログラム(例えばBIOS(Basic Input/Output System)等)を記憶する不揮発性メモリである。RAM102は、CPU100が各種処理の際の作業領域などとして使用する揮発性メモリである。HDD103は、各種プログラムやデータなどを格納する補助記憶装置である。各種プログラムには、第1のOS(Operating System)やWebサーバソフトやWebAPIやデータベース管理ソフトなどが含まれる。
通信I/F104は、本体10がLAN(Local Area Network)やVPN(Virtual Private Network)等の通信ネットワークに接続するためのインタフェース(例えばEthernet(登録商標)ボードなど)である。
接続I/F105は、操作パネル20との間で通信路30を介して通信接続するUSB(Universal Serial Bus)規格等のインタフェースである。なお、操作パネル20との接続はUSBに限定されない。また、通信路30は有線に限らず無線であっても良い。
エンジン106は、原稿をスキャニングする読取スキャナや、用紙等の被記録媒体に対して画像を形成するプロッタなどである。上記読取スキャナはスキャナユニット10-1(図1参照)に設けられ、スキャニングによりRGB(Red、Green、Blue)値のスキャニングデータを出力する。また、上記プロッタは画像形成ユニット10-2(図1参照)に設けられている。
図2に示す操作パネル20は、本体10とは別に設けた第2のCPUであるCPU200と、ROM201と、RAM202と、フラッシュメモリ203と、通信I/F204と、接続I/F205と、タッチパネル206と、LCD207を有する。各部は、システムバス208を介して相互に接続されている。
CPU200は、演算処理や制御処理を実行する中央演算処理装置である。CPU200は、ROM201やフラッシュメモリ203などに格納されている各種のプログラムをRAM202に読み出し、演算処理や制御処理を実行するなどして、操作パネル20全体を統括的に制御する。
ROM201は、固定プログラム(例えばBIOS等)を記憶する不揮発性メモリである。RAM202は、CPU200が各種処理の際の作業領域などとして使用する揮発性メモリである。フラッシュメモリ203は、本体10とは別の第2のOS(アンドロイド(登録商標)OS等)や、「第2のOS」の元でCPU200によって動作するアプリ(アンドロイドアプリ等)などを記憶する補助記憶装置である。操作パネル20のOSは、本体10のOSとは独立して動作する。後述するコピー出力編集アプリは、操作パネル20のOSの元で動作するアプリとしてフラッシュメモリ203に記憶されている。なお、本明細書において「アプリ」は「アプリケーション」を示すものとする。
通信I/F204は、操作パネル20がLANやVPN等の通信ネットワークに接続するためのインタフェースである。
接続I/F205は、本体10との間で通信路30を介して通信接続するインタフェースである。
タッチパネル206は、操作者によるLCD207の画面のタッチ位置を検知し、そのタッチ位置の情報(位置情報)をCPU200に通知するタッチセンサである。なお、タッチパネル206の他に、入力値やコマンド等をCPU200に通知するハードウェアキーなどを設けても良い。
LCD207は表示手段の一例である。LCD207は、液晶表示画面を有し、CPU200により出力された表示画面情報を当該液晶表示画面に表示させる。なお、当該表示手段は、液晶の他、有機ELなど、他の表示方式を用いたものであっても良い。
(機能構成)
第1の実施の形態において、MFP1の本体10と操作パネル20とは別々のオペレーティングシステム(それぞれ、第1のOSと第2のOS)により独立して動作する。操作パネル20のコピー出力編集アプリは、操作パネル20のオペレーティングシステムの元で本体10のWebAPIを使用して本体10を操作する。
本体10は、CPU100がROM101やHDD103などに記憶されているプログラムをRAM102に読み出し、順次実行することにより、各種機能を発揮する。また、操作パネル20は、CPU200がROM201やフラッシュメモリ203などに記憶されているプログラムをRAM202に読み出し、順次実行することにより、各種機能を発揮する。
図3は、本体10と操作パネル20との、それぞれの発揮する機能の一例を示す図である。図3には、主に、操作パネル20から本体10に対しコピーの実行を指示するための機能と、マスキング操作を可能にするための機能とを示している。
図3に示すように、本体10は、接続制御部11、通信制御部12、記憶制御部13、WebAPIサービス15、読取スキャナ制御部(スキャナ制御部)16、プロッタ制御部17などの機能を発揮する。
接続制御部11は、接続I/F105を制御して操作パネル20と通信を確立し、操作パネル20との間でデータを送受信する。
通信制御部12は、通信I/F104を制御して通信先と通信を確立し、通信先との間でデータを送受信する。
記憶制御部13は、ROM101や、RAM102や、HDD103などの記憶領域にアクセスし、データの読み出しや、データの書き込みなどを行う。RAM102の記憶領域の一部に、スキャニング画像(読取画像)を一時記憶する第1の一時記憶領域を確保する。ここで、「スキャニング画像」は、読取スキャナが出力したスキャニングデータをTIFF(Tagged Image File Format)やJPEG(ジェイペグ)などの画像フォーマットで保存したものである。
WebAPIサービス15は、各種のAPIを提供する。この中に、操作パネル20からコピーの実行指示を受け付けるものや、コピー出力される画像に対するマスキングの操作を操作パネル20に提供するものなどが含まれる。なお、WebAPIサービス15は、MFP1の本体10側に有するWebサーバとして実装されている。
当該Webサーバは、操作パネル20及び外部装置とHTTP(Hypertext Transfer Protocol)通信を行う。Webサーバは、この通信において、受信データに含まれる要求データを処理し、その処理結果を要求元へ応答する処理を行う。
読取スキャナ制御部16は、ユーザにより指定された設定で、エンジン106の読取スキャナを制御する。プロッタ制御部17は、ユーザにより指定された設定で、エンジン106のプロッタを制御する。
操作パネル20は、接続制御部21、通信制御部22、記憶制御部23、入力受付部24、表示制御部25、コピー出力編集処理部(コピー出力編集アプリ、マスキングアプリ)26、WebAPI通信部27などの機能を発揮する。
接続制御部21は、接続I/F205を制御して本体10と通信を確立し、本体10との間でデータを送受信する。例えば、接続制御部21は、本体10の接続制御部11に対し、コピーの実行を指示する操作信号を送信する。また、接続制御部21は、本体10の接続制御部11との間で、マスキングについての情報を送受信する。
通信制御部22は、通信I/F204を制御して通信先と通信を確立し、通信先との間でデータを送受信する。
記憶制御部23は、ROM201や、RAM202や、フラッシュメモリ203などの記憶領域にアクセスし、データの読み出しや、データの書き込みなどを行う。RAM202の記憶領域の一部に、スキャニング画像を一時記憶する第2の一時記憶領域や、マスキングパターンを一時記憶する第3の一時記憶領域を確保する。
入力受付部24は、タッチパネル206からタッチ位置の情報を受け付けることにより、操作指示の入力を受け付ける。
表示制御部25は、LCD207に表示画面情報を出力する。
コピー出力編集処理部26は、操作パネル20の操作者と対話形式でコピー出力のための編集処理を行う。コピー出力編集処理部26は、コピーの出力に当たり、表示制御部25に画面情報の表示の更新を指示したり、入力受付部24から操作者による入力情報を受け付けたり、本体10への要求データの送信をWebAPI通信部27に指示したり、本体10からの応答データをWebAPI通信部27から受け取ったりする。
WebAPI通信部27は、本体10とHTTP通信を行う。具体的には、WebAPI通信部27は、コピー出力編集処理部26が操作パネル20のUI(User Interface)で受け付けたユーザの入力に基づくリクエストを、HTTPクライアントを使って本体10のWebサーバに投げる。その際に、WebAPI通信部27は、後述する実行指示部261による実行指示を本体10に伝えるため、本体10のWebAPIサービス15に対してAPI(関数)をコールする情報を送信する。WebAPI通信部27は、そのHTTP通信において、WebAPIサービス15のAPIを適宜指定してそのAPIによる実行処理結果を受け取る。
図4は、コピー出力編集アプリの構成の一例を示す図である。図4に示すように、コピー出力編集アプリは、実行指示部261と、表示部262と、入力受付部263と、生成部264と、画像処理部265とを有する。
実行指示部261は、スキャン、印刷、送信、記憶等の実行をWebAPI通信部27を介して本体10に指示する。なお、スキャンについては、読取画像をRGB形式で操作パネル20に取得する処理の実行を指示する。
表示部262は、読取画像をプレビュー表示する。
入力受付部263は、ユーザの情報の入力を受け付ける。情報には位置(座標)や色(RGB値)などが含まれる。
生成部264は、入力受付部263が受け付けた情報を基にマスキング情報を生成する。
画像処理部265は、読取画像のRGB値をマスキング情報に基づき変更することにより読取画像をマスキングする合成を行う。
なお、WebAPI通信部27は、操作パネル20のサービス層に含むシステムアプリ等の別アプリとしてではなくコピー出力編集アプリとして備えてもよい。
第1の実施の形態に係る機能構成において、読取スキャナ制御部16が「原稿読取部」に対応する。プロッタ制御部17が「画像形成部」に対応する。入力受付部24や入力受付部263が「入力受付部」に対応する。表示制御部25や表示部262が「表示部」に対応する。コピー出力編集処理部26の画像処理部265が「画像処理部」に対応する。生成部264が「生成部」に対応する。WebAPIサービス15、WebAPI通信部27が「API通信部」である「読取API通信部」や、「画像形成API通信部」や、「画像読取API通信部」や、「画像取得API通信部」や、「記憶API通信部」や「取得API通信部」などに対応する。
図5は、WebAPIサービス15が提供する操作種類別の複数のAPIの一例を示す図である。図5に示すように、WebAPIサービス15は、スキャン実行API15-1(「画像読取API通信部」、「第1のAPI」に対応する)、スキャン画像取得API15-2(「画像取得API通信部」、「第2のAPI」に対応する)、画像形成API15-3(「画像形成API通信部」、「第3のAPI」に対応する)、ファイル登録API15-4(「記憶API通信部」、「第4のAPI」に対応する)、ファイル取得API15-5(「取得API通信部」、「第5のAPI」に対応する)などを提供する。
図6は、各APIの仕様の一例を示す図である。図6には、APIの種類別に、本体10で提供されるサービスと、APIの指定パス(URL)と、メソッドとを示している。例えば、第1のAPI15-1については、操作パネル20からPOSTメソッドとパス「/ricoh/scan/job」を指定したリクエストを本体10に送信することにより、本体10で原稿のスキャニングが実行される。
(要求データの構成)
続いて、図7に、WebAPI通信部27が本体10に送信する要求データの構成を示す。なお、当該要求に対する本体10からの応答はJSON(JavaScript(登録商標)
Object Notation)形式のデータなどとする。
図7(a)は、WebAPI通信部27が本体10にスキャニングの実行を指示する場合の要求データの構成の一例を示す図である。図7(a)に示すように、第1のAPI15-1(図5参照)のURLを指定してPOSTリクエストを行う。
図7(b)は、WebAPI通信部27が本体10にスキャニング画像の取得を指示する場合の要求データの構成の一例を示す図である。図7(b)に示すように、第2のAPI15-2(図5参照)のURLを指定してGETリクエストを行う。
図7(c)は、WebAPI通信部27が本体10に画像形成の実行を指示する場合の要求データの構成の一例を示す図である。図7(c)に示すように、第3のAPI15-3(図5参照)のURLを指定してPOSTリクエストを行う。
図7(d)は、WebAPI通信部27が本体10にマスキングパターンの登録を行う場合の要求データの構成の一例を示す図である。図7(d)に示すように、第4のAPI15-4(図5参照)のURLを指定してPOSTリクエストを行う。
図7(e)は、WebAPI通信部27が本体10にマスキングパターンの呼出しを行う場合の要求データの構成の一例を示す図である。図7(e)に示すように、第5のAPI15-5(図5参照)のURLを指定してGETリクエストを行う。
(操作パネル20で表示する画面の画面構成)
図8は、操作パネル20で表示する表示画面の一例を示す図である。図8にはコピー編集操作画面1100を示している。コピー編集操作画面1100は、スキャニング操作ボタン表示領域1110、マスキング操作ボタン表示領域1120、画像形成操作ボタン表示領域1130、画像表示領域1140などを有する。
スキャニング操作ボタン表示領域1110と、マスキング操作ボタン表示領域1120と、画像形成操作ボタン表示領域1130には、各種の操作ボタンを設けている。
スキャニング操作ボタン表示領域1110には、上記操作ボタンとして、スキャニング実行ボタン1111が含まれている。スキャニング実行ボタン1111は、本体10にスキャニングの実行を指示するための指示ボタンである。
マスキング操作ボタン表示領域1120には、ズームボタン1121や、描画オブジェクト選択ボタン1122や、ライン補正ボタン1123などが含まれている。ズームボタン1121は、画像表示領域1140に表示されるスキャニング画像(プレビュー画像)を段階的に拡大したり縮小したりするための指示ボタンである。描画オブジェクト選択ボタン1122は、マスキングの太さを指定する描画オブジェクトを複数の内からプルダウン方式により選択するための選択ボタンである。ライン補正ボタン1123は、画面上を指など(タッチペンなどでもよい)でなぞった軌跡を所定のラインに補正する手書き補助ボタンである。上記の所定のラインとして、例えば、横のラインや縦のラインや曲線ラインなどの設定を設けている。
画像形成操作ボタン表示領域1130には、画像形成実行ボタン1131が含まれている。画像形成実行ボタン1131は、本体10に画像形成の実行を指示する指示ボタンである。この他、画像形成条件を設定する設定ボタンを含めても良い。当該設定ボタンは、タッチ操作により画像形成条件の設定画面を表示させ、当該設定画面における画像形成条件の設定を受け付ける。設定した条件は、本体10に送信する。
その他の操作ボタンの表示領域には、ホーム画面に戻るホームボタン1151や、画面を終了するストップボタン1152や、スキャニング画像を消去するクリアボタン1153などが含まれている。
画像表示領域1140には、全体表示領域1141と拡大縮小表示領域1142とを設けている。全体表示領域1141は、スキャニング後のプレビュー画像の全体を表示するための画像表示領域である。拡大縮小表示領域1142は、拡大画像や縮小画像を表示するための画像表示領域である。各領域には、画像ビューワなどにより画像を表示させる。
(全体の概要フロー)
続いて、MFP1の全体概要フローを説明する。
図9は、MFP1の全体概要フローの一例を示す図である。先ず、MFP1は、操作パネル20のホーム画像でコピー出力編集アプリ(マスキングアプリ)を起動する(SA1)。
続いて、MFP1は、スキャン実行指示し、RGB形式の読取画像を取得する(SA2)。
続いて、MFP1は、取得した読取画像をプレビュー表示する(SA3)。
続いて、MFP1は、プレビューに対する情報の入力を受け付け(SA4)、受け付けた情報に基づいてマスキング情報を生成する(SA5)。
続いて、MFP1は、マスキング情報に基づき読取画像に画像処理を施す(SA6)。
そして、MFP1は、画像処理後の読取画像を印刷やファイル保存などにより出力する(SA7)。
なお、MFP1は、ステップSA3のプレビュー表示においてマスキング情報を呼び出すことも可能である。マスキング情報を呼び出した場合(SA8)、MFP1は、ステップSA4、SA5をとばして、ステップSA6において、ステップSA8で呼び出したマスキング情報に基づき読取画像に画像処理を施す。
また、MFP1は、ステップSA5で生成したマスキング情報を登録することも可能である。ステップSA5で登録が指示された場合、MFP1は、生成したマスキング情報に基づき読取画像に画像処理を施す処理(SA6)と、マスキング情報を登録する処理(SA9)とを行う。登録後のマスキング情報は、ステップSA8で再び呼び出して利用することができる。
(詳細フロー)
続いて、コピー操作とコピー出力される画像のマスキング操作とを操作パネル20で行う場合のMFP1の詳細フローについて説明する。先ず、図10に示す処理フロー図に基づき操作パネル20の処理について説明する。また、この処理の説明において、図11A~図11Mを適宜参照し、ユーザの操作手順と操作パネル20の画面フローとについて説明する。
(操作パネル20の動作)
図10は、コピー出力編集アプリの起動から本体10で原稿がコピー出力されるまでの操作パネル20の処理フローの一例を示す図である。なお、操作パネル20のOSは起動し、操作パネル20と本体10との通信路30を介しての通信接続は完了済みであるものとする。
先ず、ホーム画面1000(図11A参照)のコピー出力編集アプリのアイコン1001がタッチ操作されるとコピー出力編集処理部26が起動する(S1)。具体的には、プログラムがRAM202にロードされコピー出力編集処理部26が起動する。プログラムの終了は、フローにおいて図示を省略しているが、ストップボタン1152(図8参照)のタッチ操作を適宜受け付けることにより、そのタッチ操作により安全に終了するものとする。
起動後、コピー出力編集処理部26は、コピー編集操作画面1100(図8参照)の表示を表示制御部25に指示し、入力受付部24からの入力を受け付け可能にして待機する(S2)。なお、この段階では、コピー編集操作画面1100は、スキャニング操作ボタン表示領域1110のみをオンに設定し、その領域に含まれるボタンの入力を受け付け、それ以外はオフに設定し、ボタンの入力を受け付けないようにする(図11B参照)。
ユーザは、本体10に原稿をセットし(図11C参照)、それから、スキャニング実行ボタン1111をタッチ操作する(図11D参照)。
コピー出力編集処理部26は、ステップS2の後、スキャニング画像を未取得であるかを判定する(S3)。例えば、コピー出力編集処理部26は、RAM202にフラグ領域を設けて、そのフラグ領域によりスキャニング画像の取得状態と未取得状態とを管理する。スキャニング画像を取得した場合に「1」をセットし、デフォルト時や、クリアした場合に「0」をセットする。初回は、スキャニング画像は未取得である。
スキャニング画像が未取得の場合(S3:Yes判定)、コピー出力編集処理部26は、入力受付部24で受け付けられた入力情報から、タッチ操作されたボタンがスキャニング実行ボタン1111であるかを判定する(S4)。
スキャニング実行ボタン1111のタッチ操作でない場合(S4:No判定)、コピー出力編集処理部26は、スキャニング実行ボタン1111のタッチ操作があるまで待機する。
スキャニング実行ボタン1111がタッチ操作された場合(S4:Yes判定)、コピー出力編集処理部26は、本体10に向けてスキャニングの実行を指示する(S5)。
実行指示後、コピー出力編集処理部26は、スキャニング中を示す待ち画面の表示を表示制御部25に指示する(S6)。これにより、操作パネル20の画面はスキャニング中を示す待ち画面1200(図11E参照)になる。
ステップS6の後、コピー出力編集処理部26は、本体10から実行結果としてスキャニング画像が送信されると、それを取得する(S7)。スキャニング画像は第2の一時記憶領域に一時記憶する。
そして、コピー出力編集処理部26は、コピー編集操作画面1100(図8参照)においてスキャニング画像の表示をオンに設定した画面の表示を表示制御部25に指示し、入力受付部24からの入力を受け付け可能にして待機する(S8)。
具体的には、コピー出力編集処理部26は、コピー編集操作画面1100の全体表示領域1141(図8参照)及び拡大縮小表示領域1142(図8参照)に、取得したスキャニング画像(プレビュー画像)を表示させる。なお、この段階では、スキャニング操作ボタン表示領域1110以外もオンに設定し、各領域のボタンの入力を受け付けるようにする。これにより、操作パネル20の画面がコピー編集操作画面1100(図11F参照)に戻り、全体表示領域1141内に、取得したスキャニング画像が全体画像X1として表示され、拡大縮小表示領域1142に、取得したスキャニング画像が拡大縮小画像X2として表示される。
ユーザは、拡大縮小表示領域1142に表示されているスキャニング画像をズームボタン1121により拡大操作し(図11G参照)、スキャニング画像に含まれている個人情報等をマスキング操作する(図11H、図11I、図11J参照)。
コピー出力編集処理部26は、ステップS8の後、コピー編集操作画面1100上のタッチ操作されたボタンを判定し、タッチ操作されたボタンに応じて次のように動作する。
コピー出力編集処理部26は、ズームボタン1121がタッチ操作されたと判定すると(S9:Yes判定)、拡大縮小表示領域1142のスキャニング画像の表示を、ズームボタン1121の種類(拡大又は縮小)やタッチ操作の回数に応じて段階的に拡大/縮小するよう、表示制御部25に指示する(S10)。これにより、操作パネル20の拡大縮小表示領域1142においてスキャニング画像が拡大縮小表示される(図11G参照)。
ステップS10の後、コピー出力編集処理部26の処理は、ステップS11の処理に移行する。
また、コピー出力編集処理部26は、描画オブジェクト選択ボタン1122がタッチ操作されたと判定すると(S11:Yes判定)、拡大縮小表示領域1142においてマスキングの描画入力操作を受け付け、その描画処理を行う(S12)。
具体的には、描画オブジェクト選択ボタン1122(図11H参照)にプルダウン表示される複数の描画オブジェクト1122aの内から一つがタッチ操作により選択される(例えば黒色の6段階の内の、上から6段階目の太さ「6」のものが選択されるとする)と、描画機能(「生成部」の一例)を起動し、拡大縮小表示領域1142(図11I参照)においてマスキングの描画入力操作を受け付け可能にする。そして、ユーザが指などで、拡大縮小表示領域1142の拡大縮小表示されているスキャニング画像の上をなぞると、タッチされた任意の位置の座標(「位置情報」の一例)と移動方向とが検出され、その軌跡に沿って、選択された描画オブジェクト(黒の太さ「6」)の幅のラインが第3の一時記憶領域に書き込まれて記憶される。なお、横のラインや縦のラインや曲線ラインなどのライン補正ボタン1123が選択されている場合は、その設定に従って補正されたラインが記憶されることになる。
1つのスキャニング画像においてマスキングする箇所が同時に複数箇所に及ぶ場合には、複数箇所をそれぞれ指などでなぞり、それぞれのなぞった軌跡についての上記情報を第3の一時記憶領域に書き込む。拡大縮小表示領域1142には、指などでなぞった軌跡が随時横のラインや縦のラインや曲線ラインなどに補正処理されてライン(黒の太さ「6」のライン)L1として表示される(図11I参照)。また、更に別の箇所を指などでなぞった場合は、更になぞった箇所がライン(黒の太さ「6」のライン)L2として表示される(図11J参照)。
ステップS12の後、コピー出力編集処理部26の処理は、ステップS13の処理に移行する。
ユーザは、画像形成実行ボタン1131(図11K参照)をタッチ操作することにより、マスキングした原稿のコピー出力を指示する。
コピー出力編集処理部26は、画像形成実行ボタン1131がタッチ操作されたと判定すると(S13:Yes判定)、マスキングパターンをスキャニング画像に合成処理し(S14)、本体10に向け、その合成画像を対象とする画像形成の実行を指示する(S15)。
実行指示後、コピー出力編集処理部26は、画像形成中を示す待ち画面の表示を表示制御部25に指示する(S16)。これにより、操作パネル20の画面は画像形成中を示す待ち画面1300(図11L参照)になる。本体10では、マスキングを施した画像が用紙等の被記録媒体上に形成され、プリントアウトされる。
その後、本体10から画像形成の完了通知を受け付けると(S17)、コピー出力編集処理部26は、表示を元に戻すよう表示制御部25に指示する(S18)。これにより、操作パネル20の画面がコピー編集操作画面1100(図11M参照)に戻る。ステップS18の後、コピー出力編集処理部26の処理は、ステップS19の処理に移行する。
また、コピー出力編集処理部26は、クリアボタン1153がタッチ操作されたと判定すると(S19:Yes判定)、スキャニング画像を第2の一時記憶領域から消去するなどして、ステップS3からの処理を繰り返す(S20)。この際に、コピー出力編集処理部26は、RAM202のフラグ領域を「0」にセットし、更にコピー編集操作画面1100の表示を初期設定に戻すなどしてから、ステップS3からの処理を繰り返す。
図12は、本体10においてプリント出力される出力物の一例を示す図である。図12に示すように、出力物Pには原稿のコピーにマスキングP1(ラインL1に対応)、マスキングP2(ラインL2に対応)が施される。
図13は、画像合成の説明図である。コピー出力編集処理部26は、画像形成実行ボタン1131がタッチ操作されると、画像処理部によりスキャニング画像にマスキングパターンを合成する。
画像処理部としては、例えばOpenCV(Open Source Computer Vision Library)などで提供されているものを使用する。第1の実施の形態では、RGB形式のカラーモードまたはTIFFやJPEGなどの画像フォーマットでスキャニング画像を本体10に保存し、本体10から操作パネル20へスキャニング画像をこれらのモードまたは画像フォーマットで取得する。画像処理部は、スキャニング画像上の座標の、マスキング情報(マスキングパターン)に指定されている各画素の値(RGB値)を、黒(0,0,0)に置換する。すなわち画像処理として、表示された読取画像プレビュー上でユーザが指定した位置にある、読取画像の画素の色情報(RGB値)を、指定の色情報(例えば黒)に変換する処理を行う。この処理により読取画像にマスキング情報を重畳・合成することができる。
(通信シーケンス)
続いて、操作パネル20と本体10との間の通信処理について説明する。第1の実施の形態では、操作パネル20は、本体10と通信を行って、本体10が提供するAPIにより(つまりAPIを用いて)本体10におけるコピー出力の実行や、コピー出力対象の画像へのマスキング処理を行う。ここでは、主に、APIの処理に係る機能を中心に操作パネル20と本体10との間の通信処理について説明し、それ以外の機能部についての図示及び説明は適宜省略する。
図14は、操作パネル20と本体10との間の通信処理のシーケンスの一例を示す図である。先ず、操作パネル20において、コピー編集操作画面1100(図11B参照)のスキャニング実行ボタン1111のタッチ操作が行われると、コピー出力編集処理部26がWebAPI通信部27にスキャニングの実行を指示し(S101)、WebAPI通信部27が、本体10へ第1のAPI15-1の実行を要求する要求データ(図7(a)参照)を送信する(S102)。
これにより、本体10において、WebAPIサービス15が、第1のAPI15-1の指定を受け付け、その動作要求であるスキャン実行を読取スキャナ制御部16に指示する(S104)。読取スキャナ制御部16は、エンジン106の読取スキャナを制御してスキャニングを実行する(S105)。読取スキャナ制御部16は、スキャニングを実行すると、上記読取スキャナが読み取った画像(スキャニング画像)の保存を記憶制御部13に指示する(S106)。記憶制御部13は、上記読取スキャナが読み取ったスキャニング画像をジョブIDにより管理し、スキャニング画像を第1の一時記憶領域へ書き込む(S107)。WebAPIサービス15は、読取スキャナ制御部16からスキャニングの実行結果としてジョブIDを受け取り、そのジョブIDをWebAPI通信部27へ応答情報として送信する。
続いて、コピー出力編集処理部26は、WebAPI通信部27からジョブIDが通知されると、WebAPI通信部27に上記スキャニング画像の取得を指示し(S108)、WebAPI通信部27が、本体10へ第2のAPI15-2の実行を要求する要求データ(図7(b)参照)を送信する(S109)。なお、当該要求データ(図7(b)参照)の{ジョブID}に、通知されたジョブIDをセットするものとする。
これにより、本体10において、WebAPIサービス15が、第2のAPI15-2の指定を受け付け、その動作要求であるスキャン画像取得を記憶制御部13に指示する。(S111)。この指示により、記憶制御部13は、第1の一時記憶領域から当該ジョブIDに対応するスキャニング画像を読み出し(S112)、読出したスキャニング画像をWebAPIサービス15に転送する(S113)。WebAPIサービス15は、そのスキャニング画像をWebAPI通信部27に送信する(S115)。WebAPI通信部27は、コピー出力編集処理部26に、スキャニング画像を取得したことを通知する(S116)。
スキャニング画像を取得すると、コピー出力編集処理部26は、スキャニング画像に対してマスキングを施すユーザの編集操作を受け付け、その編集操作に基づいてマスキングパターンを作成する(S117)。
そして、コピー編集操作画面1100(図11K参照)の画像形成実行ボタン1131がタッチ操作されると、コピー出力編集処理部26はマスキングパターンの合成処理を行う(S118)。それから、コピー出力編集処理部26は、WebAPI通信部27に画像形成の実行を指示し(S119)、WebAPI通信部27が本体10へ第3のAPI15-3の実行を要求する要求データ(図7(c)参照)を送信する(S120)。WebAPI通信部27は、要求データの送信の際に、画像の合成データ(画像合成データ、出力用画像とも言う)を本体10へ転送する。
これにより、本体10において、WebAPIサービス15が、第3のAPI15-3の指定を受け付け、先ず、記憶制御部13に第1の一時記憶領域への画像合成データの書込みを指示し(S122)、記憶制御部13が第1の一時記憶領域に当該画像合成データを書き込む(S123)。
続いて、WebAPIサービス15は、第3のAPI15-3の動作要求である画像形成実行をプロッタ制御部17に指示する(S124)。プロッタ制御部17は、記憶制御部13により第1の一時記憶領域の画像合成データを読み出し(S125)、その画像合成データに基づく画像形成処理を実行する(S126)。この画像形成処理において、プロッタ制御部17は、画像合成データをRGBからCMYKのデータに変換し、被記録媒体上に画像のドットパターンを転写するなどして画像を形成する。
プロッタ制御部17は、画像の形成が完了すると、WebAPIサービス15へその完了を通知する(S127)。そして、WebAPIサービス15がWebAPI通信部27に対し完了通知を示す応答情報を送信し(S129)、WebAPI通信部27がコピー出力編集処理部26に画像形成処理の完了を通知する(S130)。
第1の実施の形態では、本体10からRGB値のスキャニング画像を取得し、操作パネル20においてスキャニング画像の任意の位置を指定してマスキングを施す。このため、スキャニング画像に対し、操作者が意図する箇所にマスキングを施すことができる。なお、第1の実施の形態では、操作パネル20のコピー出力編集アプリにより操作パネル20に「生成部」や「画像合成部」などの機能を実現したが、操作パネル20において実現する機能は、少なくとも「生成部」であれば良く、その他の機能を本体10に実現させても良い。
(第1の実施の形態の変形例1)
続いて、マスキングを行った際のマスキングパターンをその後のコピー出力において利用できるように変形した例を示す。第1の実施の形態の変形例1では、本体10のHDD103にマスキングパターンの記憶領域としてマスキングパターン記憶領域(「記憶部」の一例)を設けて、操作パネル20を次のように設計する。
(操作パネル20の画面構成)
先ず、操作パネル20の画面構成の変形例について説明する。図15は、第1の実施の形態の変形例1のコピー編集操作画面の一例を示す図である。図15に示すコピー編集操作画面2100は、コピー編集操作画面1100(図8参照)にテンプレート登録ボタン1133と、テンプレート呼出しボタン1124とを設けたものである。
テンプレート登録ボタン1133は、第3の一時記憶領域に書き込まれたマスキングパターンを本体10にテンプレートとして登録するためのボタンである。本例では、テンプレート登録ボタン1133によりテンプレート登録画面(図16参照)を呼び出し、そのテンプレート登録画面によりテンプレートの登録操作を行う。
テンプレート呼出しボタン1124は、テンプレートとして登録されているマスキングパターンを本体10のマスキングパターン記憶領域から取得するためのボタンである。本例では、テンプレート呼出しボタン1124によりテンプレート呼出し画面(図17参照)を呼び出し、そのテンプレート呼出し画面によりテンプレートの取得操作を行う。
図16は、テンプレート登録画面の一例を示す図である。図16に示すテンプレート登録画面2200には、テンプレート名入力欄2201や、マスキング数入力欄2202や、登録ボタン2203や、閉じるボタン2204などを設けている。
テンプレート名入力欄2201は、処理中のマスキングパターンのテンプレート名の入力を受け付ける。マスキング数入力欄2202は、マスキングした箇所の数(「1(箇所)」や「2(箇所)」など)の入力を受け付ける。登録ボタン2203は、処理中のマスキングパターンの登録を受け付ける。閉じるボタン2204は、テンプレート登録画面2200の終了を受け付ける。
図17は、テンプレート呼出し画面の一例を示す図である。図17に示すテンプレート呼出し画面3200には、テンプレート一覧選択ボックス3201や、呼出しボタン3202や、閉じるボタン3203などを設けている。
テンプレート一覧選択ボックス3201は、対応テーブル(図18参照)に設定されているテンプレート、ここでは一例として管理情報(通し番号、テンプレート名、マスキング数など)を一覧表示する。登録されている数により一覧で表示できない場合には、スクロールバーや表示切替ボタンなどを使用して、全体をスクロールや切替などにより表示できるようにする。また、テンプレート一覧選択ボックス3201は、一覧からテンプレートのそれぞれの選択を受け付ける。例えば、ユーザが一覧から一つのテンプレートをタッチすると、そのテンプレートが選択状態になる。図17には、選択状態の一例として、反転状態を網掛け部3204で示している。
呼出しボタン3202は、選択状態になっているテンプレートのマスキングパターンの呼出しを受け付ける。閉じるボタン2203は、テンプレート呼出し画面3200の終了を受け付ける。
(操作パネル20のテーブル)
図18は、操作パネル20のフラッシュメモリ203が備える対応テーブルの一例を示す図である。図18には対応テーブルとしてテンプレート情報テーブルT1を示している。テンプレート情報テーブルT1は、本体10のマスキングパターンとテンプレートの管理情報(「書誌情報」の一例)とを対応付けるための情報テーブルである。
ここでは一例として、テンプレート情報テーブルT1は、「マスキングパターンのファイル名」t1の項目に、「管理情報」t2(「文書ID」t2-1、「テンプレート名」t2-2、「マスキング数」t2-3など)の項目を対応付けている。「マスキングパターンのファイル名」t1の項目には、テンプレートとして登録が指示されたマスキングパターンのファイル名が設定される。「文書ID」t2-1の項目には、本体10によりマスキングパターンの登録の際に発番されるIDが設定される。「テンプレート名」t2-2の項目には、マスキングパターンのテンプレート名が設定される。「マスキング数」t2-3には、マスキングパターンのマスキング箇所の数が設定される。
(操作パネル20の動作)
続いて、テンプレートの登録と呼出しを行うときの操作パネル20の動作について説明する。なお、本動作では、コピー出力編集処理部26が「登録部」、「選択部」、「取得部」などとしても機能する。また、本動作は、図10の処理フローに基づくものとし、ここではその変形箇所について説明する。その他の重複する説明箇所については、図示及び説明を適宜省略する。
図19は、第1の実施の形態の変形例1の操作パネル20のテンプレートの登録における処理フローの一例を示す図である。ステップS12の描画処理後、コピー出力編集処理部26は、テンプレート登録ボタン1133がタッチ操作されたと判定すると(S31:Yes判定)、テンプレート登録画面2200(図16参照)の表示を表示制御部25に指示し、入力受付部24からの入力を受け付け可能にして待機する(S32)。
これにより、操作パネル20のコピー編集操作画面1100(図11J参照)の上にテンプレート登録画面2200がアクティブの状態で表示される。ユーザは、テンプレート登録画面2200において、処理中のマスキングパターンについてのテンプレート情報(テンプレート名、マスキングの数、・・・)をそれぞれの入力欄に入力し、登録ボタン2203をタッチ操作する。なお、テンプレート情報の入力は、ソフトウエアキーボードやハードウエアキーボードを設けるなどして行う。
コピー出力編集処理部26は、テンプレート情報の入力を受け付けて(S33)、登録ボタン2203のタッチ操作を受け付けると(S34)、テンプレート登録画面2200に入力されたテンプレート情報と処理中のマスキングパターンのファイル名とを記憶制御部23を通じてテンプレート情報テーブルT1(図18参照)に対応付けて登録する(S35)。
それから、コピー出力編集処理部26は、当該処理中のマスキングパターンの登録を本体10に向けて指示する(S36)。
その後、本体10から登録結果として、マスキングパターンに付与された「文書ID」が通知されると、コピー出力編集処理部26は、それを受け付ける(S37)。
そして、コピー出力編集処理部26は、記憶制御部23を通じて、テンプレート情報テーブルT1(図18参照)の「文書ID」t2-1の欄の、当該マスキングパターンのファイル名の対応箇所に当該「文書ID」を設定し(S38)、テンプレート登録画面2200を終了する(S39)。これにより、操作パネル20の画面はテンプレート登録画面2200が閉じてコピー編集操作画面1100(図11J参照)の表示に戻る。
ステップS39の後、コピー出力編集処理部26は、ステップS13の判定に移行する。
図20は、変形例1の操作パネル20のテンプレートの呼出しにおける処理フローの一例を示す図である。
ステップS3(No判定)後、コピー出力編集処理部26は、テンプレート呼出しボタン1124がタッチ操作されたと判定すると(S41:Yes判定)、記憶制御部23を通じてテンプレート情報テーブルT1(図18参照)のテンプレート情報を取得する(S42)。それから、コピー出力編集処理部26は、テンプレート呼出し画面3200(図17参照)におけるテンプレート情報の表示を表示制御部25に指示し、入力受付部24からの入力を受け付け可能にして待機する(S43)。
これにより、操作パネル20のコピー編集操作画面1100(図11F参照)の上にテンプレート呼出し画面3200がアクティブの状態で表示される。ユーザは、テンプレート呼出し画面3200において、処理中のスキャニング画像に施すマスキングのテンプレートをテンプレート一覧選択ボックス3201からタッチ操作により選択して、呼出しボタン3202をタッチ操作する。
コピー出力編集処理部26は、テンプレートの選択を受け付けて(S44)、呼出しボタン3202のタッチ操作を受け付けると(S45)、テンプレート情報テーブルT1から、選択状態にあるテンプレートに対応付けられている文書IDを記憶制御部23を通じて取得する(S46)。そして、コピー出力編集処理部26は、当該文書IDのマスキングパターンの取得を本体10に向けて指示する(S47)。具体的には、コピー出力編集処理部26は、当該文書IDをAPIに指定して本体10からマスキングパターンを取得する。
コピー出力編集処理部26は、本体10からマスキングパターンを取得すると(S48)、テンプレート呼出し画面3200を終了する(S49)。これにより、操作パネル20の画面はテンプレート呼出し画面3200が閉じてコピー編集操作画面1100(図11F参照)の表示に戻る。なお、本体10からのマスキングパターンの取得中、表示制御部25に待ち画面の表示を指示しても良い。この場合、操作パネル20の画面は、本体10からのマスキングパターンの取得中、待ち画面が表示され、マスキングパターンの到着後に、コピー編集操作画面1100(図11F参照)の表示に戻ることになる。
コピー出力編集処理部26は、本体10からマスキングパターンを取得した後、表示制御部25に指示し、拡大縮小表示領域1142(図11F参照)のスキャニング画像の表示をマスキングパターンに指定されている各画素をRGB値黒(0,0,0)に置換して表示させる(S50)。つまり、拡大縮小表示領域1142(図11F参照)において、スキャニング画像上に、当該マスキングパターンに指定されている配置パターンのマスキングが描画される。
ステップS50の後、コピー出力編集処理部26は、ステップS9の判定に移行する。ユーザは、選択したテンプレートのマスキング箇所がスキャニング画像に対応している場合、画像形成実行ボタン1131のタッチ操作を行う。画像形成実行ボタン1131のタッチ操作後の処理は、実施の形態で説明した通りである。変形例1では、マスキングパターンとしてテンプレートのマスキングパターンを使用してスキャニング画像に合成し、その合成画像を画像形成のため本体10に送信する。送信先の本体10では、その合成画像に基づいて画像形成が実行される。
なお、ユーザは、選択したテンプレートのマスキング箇所がスキャニング画像に対応していないなどにより、テンプレートを他のものに変更する場合、コピー編集操作画面1100(図11F参照)に消去ボタンを設け、取得したマスキングパターンの消去と表示上のマスキング描画の消去を指示しても良い。この場合、ユーザは、ステップS41からの処理を繰り返し、ステップS44で別のテンプレートを選択する。
(通信シーケンス)
続いて、操作パネル20と本体10との間の通信処理について説明する。なお、本通信処理は、図14の通信処理のシーケンスに基づくものとし、ここではその変形箇所について説明する。その他の重複する説明箇所については、図示及び説明を適宜省略する。
図21は、操作パネル20と本体10との間のテンプレートの登録時における通信処理のシーケンスの一例を示す図である。ステップS117のマスキングパターンの作成後において、テンプレートの登録の指示があると、コピー出力編集処理部26は、WebAPI通信部27に処理中のマスキングパターンの登録を指示し(S201)、WebAPI通信部27が本体10へ第4のAPI15-4の実行を要求する要求データ(図7(d)参照)を送信する(S202)。WebAPI通信部27は、要求データの送信の際に、マスキングパターンを本体10へ転送する。
これにより、本体10において、WebAPIサービス15が、第4のAPI15-4の指定を受け付け、その動作要求であるファイル登録を記憶制御部13に指示する(S204)。
記憶制御部13は、当該マスキングパターンを文書IDにより管理して、マスキングパターンをマスキングパターン記憶領域へ格納する(S205)。WebAPIサービス15は、ファイル登録の結果(文書ID)をWebAPI通信部27へ応答情報として送信する(S207)。送信された文書IDはコピー出力編集処理部26に通知され(S208)、テンプレート情報テーブルT1(図18参照)に登録される。
その後、ユーザが画像形成実行ボタン1131をタッチ操作すると、ステップS118においてマスキングパターンを処理中のスキャニング画像に合成する。ステップS118からは実施の形態に示す流れと同様であるため説明を省略する。
図22は、操作パネル20と本体10との間のテンプレートの取得時における通信処理のシーケンスの一例を示す図である。ステップS116におけるスキャニング画像の取得後、コピー出力編集処理部26は、WebAPI通信部27にユーザが指定したテンプレートの取得を指示し(S301)、WebAPI通信部27が本体10へ第5のAPI15-5の実行を要求する要求データ(図7(e)参照)を送信する(S302)。なお、当該要求データの{文書ID}(図7(e)参照)に、テンプレートの登録時に通知された文書IDをセットするものとする。
これにより、本体10において、WebAPIサービス15が、第5のAPI15-5の指定を受け付け、その動作要求であるファイル呼出しを記憶制御部13に指示する(S304)。この指示により、記憶制御部13は、マスキングパターン記憶領域から当該文書IDに対応するマスキングパターンを読み出し(S305)、読出したマスキングパターンをWebAPIサービス15に転送する(S306)。WebAPIサービス15は、そのマスキングパターンをWebAPI通信部27に送信する(S308)。WebAPI通信部27は、コピー出力編集処理部26に、マスキングパターンを取得したことを通知する(S309)。
マスキングパターンを取得すると、コピー出力編集処理部26は、スキャニング画像においてマスキングパターンを表示し、その後、ユーザがテンプレートを変更する場合は、ステップS301からステップS309を繰り返す。
テンプレートが確定し、ユーザが画像形成実行ボタン1131をタッチ操作すると、ステップS118において、確定したテンプレートのマスキングパターンを処理中のスキャニング画像に合成する。ステップS118からは実施の形態に示す流れと同様であるため説明を省略する。
以上のように第1の実施の形態の変形例1では、マスキングを行った際のマスキングパターンの登録により、その後のコピー出力において、登録されているマスキングパターンを呼び出し、その中からマスキングパターンを選択してスキャニング画像に合成する。そのため、ユーザは、スキャニングを行った原稿の種類に応じ、登録されているマスキングパターンから該当するマスキングパターンを選択することにより、マスキングパターンをスキャニング画像に合成させることができる。ユーザは、スキャニング画像に対してマーキングする操作を省略することができるため、ユーザの操作性が向上する。
(第1の実施の形態の変形例2)
スキャニング画像にマスキングを行う際に、その操作者において優先されるマスキングパターン(優先パターン)をプリセットさせる場合の変形例を示す。ここでは、操作者がICカードを操作パネル20に翳して操作パネル20にログインし、そのログイン時の操作者の認証情報に基づいて優先パターンをプリセットする場合の例を示す。以下、操作パネル20は、ICカードリーダを備えているものとする。ICカードリーダは、システムバス208に接続され、CPU200の指示に基づき、翳されたICカードから認証情報を読み取る。また、CPU200は、認証プログラムの実行により認証機能部を実現するものとする。認証機能部は、ICカードリーダが読み取ったICカードの認証情報を、本体10の認証テーブルと照合し、認証が得られると、その操作者による操作パネル20のシステムへのログインを許可する。
(操作パネル20のテーブル)
図23は、操作パネル20のフラッシュメモリ203が備える対応テーブルの一例を示す図である。図23に示すテンプレート情報テーブルT2(対応テーブルの一例)は、テンプレート情報テーブルT1(図18参照)において、「ユーザID」t2-4の項目を設けたものである。「ユーザID」t2-4の項目には、ユーザID情報(「個人ID情報」の一例)が設定される。ユーザID情報は、操作者がICカードでログインする際に得られる情報である。ここでは、説明しやすいようにユーザ名で表している。
また、「テンプレート名」t2-2には、ユーザ別の優先パターン識別情報が設定されている。ここでは、説明しやすいように優先パターン識別情報としてマスキングパターンの名称を示している。一例として、「免許証黒塗りパターン」や「パスポート黒塗りパターン」を示しているが、これに限らず、適宜設定して良い。例えば、「保険証黒塗りパターン」や「住民票黒塗りパターン」などを設定しても良い。本例では、頻繁にコピー出力が行われる所定フォーマットを有するものを優先パターンとして取り扱う。
(操作パネル20の動作)
第1の実施の形態の変形例2の操作パネル20の動作は、第1の実施の形態の変形例1における動作と認証情報を利用する点で異なる。第1の実施の形態の変形例2において、コピー出力編集処理部26は「認証選択部」としても動作する。ここでは、第1の実施の形態及びその変形例1と異なる箇所を主に説明し、その他の共通する動作については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略する。
先ず図19に示す登録処理のステップS35において、変形例2のコピー出力編集処理部26は、テンプレート登録画面2200に入力されたテンプレート情報と処理中のマスキングパターンのファイル名とに加え、操作者がログインの認証に使用したユーザID情報を、テンプレート情報テーブルT2(図23参照)に対応付けて登録する。
図24は、第1の実施の形態の変形例2の操作パネル20のテンプレートの呼出しにおける処理フローの一例を示す図である。ステップS1のコピー出力編集アプリの起動後、コピー出力編集処理部26は、認証機能部(不図示)からログイン中の操作者のユーザID情報を取得し(S51)、テンプレート情報テーブルT2から、ユーザID情報に対応付けられている文書IDを記憶制御部23を通じて取得する(S46)。そして、コピー出力編集処理部26は、当該文書IDのマスキングパターンの取得を本体10に向けて指示する(S47)。
コピー出力編集処理部26は、本体10からマスキングパターンを取得すると(S48)、第3の一時記憶領域にマスキングパターンを保存する(S52)。
その後、コピー出力編集処理部26は、実施の形態のステップS2~ステップS7(図10参照)を同様に実行する。
ステップS7においてスキャニング画像を取得すると、コピー出力編集処理部26は、コピー編集操作画面1100(図8参照)の表示を表示制御部25に指示し、入力受付部24からの入力を受け付け可能にして待機する(S53)。この表示の際、コピー出力編集処理部26は、スキャニング画像の表示をオンに設定し、拡大縮小表示領域1142(図8参照)に、取得したスキャニング画像(プレビュー画像)と、第3の一時記憶領域のマスキングパターンとを表示させる。これにより、スキャニング画像を取得した時点で、操作パネル20の画面に、プリセットされた優先パターンによりマスキングしたスキャニング画像が表示される。
ステップS53の処理後、ステップS3の処理に戻り、No判定により、ステップS9からの処理に移行する。
ユーザは、コピー編集操作画面1100に表示されている優先パターンで画像形成を実行したい場合、画像形成実行ボタン1131をタッチ操作する。すると、コピー出力編集処理部26は、画像形成実行ボタン1131がタッチ操作されたと判定し(S13:Yes判定)、マスキングパターンをスキャニング画像に合成処理する(S14)。その後、コピー出力編集処理部26は、実施の形態のステップS15~ステップS18(図10参照)の処理を同様に行う。これ以外の処理については、実施の形態において説明済みであるため、ここでの説明を省略する。
(通信シーケンス)
図25は、操作パネル20と本体10との間のテンプレート呼出し時の通信処理のシーケンスの一例を示す図である。なお、第1の実施の形態やその変形例1と共通するシーケンスについては同一の符号を付している。
コピー出力編集アプリの起動後、コピー出力編集処理部26は、テンプレート情報テーブルT2から、操作者のユーザID情報に対応付けられている文書ID(当該操作者において優先されるテンプレートの指示情報)を取得し、WebAPI通信部27に当該テンプレートの取得を指示する(S301)。WebAPI通信部27は、本体10へ第5のAPI15-5の実行を要求する要求データ(図7(e)参照)を送信する(S302)。なお、当該要求データの{文書ID}(図7(e)参照)に上記文書IDをセットするものとする。
これにより、本体10において、WebAPIサービス15が、第5のAPI15-5の指定を受け付け、その動作要求であるファイル呼出しを記憶制御部13に指示する(S304)。この指示により、記憶制御部13は、マスキングパターン記憶領域から当該文書IDに対応するマスキングパターンを読み出し(S305)、読出したマスキングパターンをWebAPIサービス15に転送する(S306)。WebAPIサービス15は、そのマスキングパターンをWebAPI通信部27に送信する(S308)。WebAPI通信部27は、コピー出力編集処理部26に、マスキングパターンを取得したことを通知する(S309)。
コピー出力編集処理部26は、マスキングパターンを取得すると、第3の一時記憶領域に保存する。
操作者がスキャニング実行ボタン1111をタッチ操作すると、コピー出力編集処理部26は、本体10にスキャニングの実行を指示し、スキャニング画像を取得する(ステップS101~ステップS116)。なお、この動作は、実施の形態で説明済みのため、ここでの説明は省略する。
ステップS116においてスキャニング画像を取得すると、コピー出力編集処理部26は、第3の一時記憶領域のマスキングパターンを使用し、プリセットされた優先パターンによりマスキングしたスキャニング画像を表示させる。
そして、操作者が画像形成実行ボタン1131をタッチ操作すると、コピー出力編集処理部26は、当該マスキングパターンを処理中のスキャニング画像に合成する(S118)。その後のステップS118からの流れは実施の形態に示す流れと同様であるため説明を省略する。
ここでは一例として、テンプレート情報とユーザID情報とを同じテーブル(テンプレート情報テーブルT2)で管理する例を示したが、テンプレート情報とユーザID情報とを別々のテーブルで管理し、それぞれを対応付けしても良い。
また、ここでは一例として、ステップS101の前に優先パターンを本体から取得する処理を行った例を示しているが、この処理のタイミングは、この例に限らず、任意のタイミングで行って良い。また、ステップS101などの処理と並行し、バックグラウンドで、その処理を行っても良い。
第1の実施の形態の変形例2では、ユーザ毎に、あらかじめ優先してセットされるマスキングパターンを登録することが可能である。ユーザ毎に、よく使うマスキングパターンを自動でプリセットするため、マスキングなどの操作ステップ数が減り、ユーザの操作性をより向上させることが可能になる。
(第1の実施の形態の変形例3)
マスキングの設定色(マスキング色)をトナー残量に応じて変更できるように変形しても良い。ここでは、マスキングの設定色を変更するための追加の構成について説明する。
図26は、第1の実施の形態の変形例3の操作パネル20の機能構成の一例を示す図である。図26は、第1の実施の形態の操作パネル20の機能構成(図3参照)に、更にトナー残量確認部(トナー残量チェック部)31を設けたものを示している。
トナー残量確認部31は、本体10に対しトナー残量情報の送信を要求し、プロッタ制御部17からトナー残量情報を取得する。
図27は、コピー出力編集処理部26が行う一例のマスキングの色変更処理のフロー図である。先ず、コピー出力編集処理部26は、トナー残量確認部31からトナー残量情報を取得する(S401)。トナー残量確認部31は、例えば定期的に本体10にトナー残量情報の送信を要求し、常に最新のトナー残量情報を取得しておいても良いし、コピー出力編集処理部26から指示があった場合にだけ、プロッタ制御部17からトナー残量情報を取得するようにしても良い。
続いて、コピー出力編集処理部26は、取得したトナー残量情報に基づき、マスキングの設定色がトナーニアエンドであるかを判定する(S402)。マスキングの設定色は、一般的には黒に設定されるが、黒に限らず赤や青などであっても良い。
トナーニアエンドでない場合(S402:No判定)、コピー出力編集処理部26は、マスキングの色の設定をそのままに維持する。
トナーニアエンドである場合(S402:Yes判定)、コピー出力編集処理部26は、マスキングの色の設定を他の色に変更する(S403)。ここで、他の色とは、白(RGB値:255、255、255)が望ましいが、トナーニアエンドでない色であれば白に限らない。
図28は、設定色を白に変更した場合の出力物の一例を示す図である。図28に示すように、出力物PのマスキングP1とマスキングP2は用紙の白地により形成される。
以上のマスキングの色変更処理は、例えば定期的に行っても良いし、画像形成の実行指示がある場合にだけ行っても良い。
また、トナーニアエンドにより一旦設定色から他の色(例えば白など)に変更し、その後、トナーの交換により元の設定色のトナー残量が回復したとする。その場合のために、コピー出力編集処理部26が、元の設定色のトナー残量の回復を判定し、回復していた場合に元の設定色に戻すように、当該色変更処理のフローを変形しても良い。
設定色(例えば黒とする)でマスキングをする場合に、黒のトナーが少ない状態で多くのマスキングを実施すると、大量の黒トナーを消費し、トナー切れになることになる。トナー切れが発生すると、その業務が中断し、ダウンタイムが発生する。第1の実施の形態の変形例3では、操作パネル20が本体10のトナー残量を確認し、トナーニアエンドであれば黒塗りを例えば白塗りに、トナーがあれば元の設定色の黒塗りに自動で切り替える。このため、第1の実施の形態の変形例3では、特定の色のトナー切れの回数が減少し、ダウンタイムの低減に繋げる効果がある。また、白塗りに変更すれば、トナーの利用量を抑制することができるため、更にダウンタイムの低減に繋げることができる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、操作パネルで表示中のスキャニング画像にマスキングを施す処理の別の形態について示す。ここでは、操作パネル側で、表示中のスキャニング画像において指でタッチされた位置の画素(「基準画素」と呼ぶ)の画素値と等しいか、もしくは近似範囲内の画素値を有する画素をスキャニング画像内から探索し、探索により検出した画素をマスキング色の画素値に置換するものを、マスキングの処理の別の形態の一例として示す。
ここで「近似範囲」とは、例えば、指でタッチされた位置の画素値を基準に上限幅と下限幅との範囲内に含まれている画素値のことである。以下では、指でタッチされた位置の画素値(色)を有する画素と、近似範囲内の画素値を有する画素のことを「同色に属する画素」として示す。
1つの画素(ピクセル)は、色情報として三原色の各原色(赤、緑、青)で独立した輝度情報を有する。なお、1つの原色に8ビット(256 階調)の情報を有する場合、3原色あるため16,777,216色(256の3条)を表現することができる。画素値は、各画素に対して与えられている。RGB値では、原色ごとに0~255、すなわち(R,G,B)=(0,0,0)~(255,255,255)と表される。上限幅と下限幅のそれぞれの幅は、マスキングを施したい対象(例えば後述する手書きのメモなど)の色や濃度などに応じて適宜設定して良い。例として、同色に属するRGB値を範囲指定するときに、黒色及び黒色に近い画素値を、RGB値が全て0以上で所定内、例えば50以下の範囲(R,G,B)=(0,0,0)~(50, 50, 50)、と設定することができる。もしくは、指定された位置にある画素値(各RGB値)の所定範囲内として、上下25階調以内を近い画素値とし、(R,G,B)=(0,100,100)が指定された場合は、(R,G,B)=(0, 75, 75)~(25, 125, 125)の範囲を近い色としてもよい。
以下、第1の実施の形態と異なる、操作パネル(主にコピー出力編集処理部)の機能とその処理について説明する。なお、以下の説明において、操作パネルのハードウェア構成や本体10との通信シーケンスなど、第1の実施の形態と共通する部分については図示及び説明を適宜省略する。
また、以下では、白黒2値の問題用紙(問題文や罫線等の印字箇所を黒色、下地を白色とする)を原稿の一例に挙げ、原稿に含まれる手書きのメモ(文字、線、図形など)をマスキングにより消す場合について示す。そして、手書きのメモを、印字箇所の色と区別するために、赤色などの色鉛筆や色ボールペン等により書かれているものとする。なお、印字箇所、下地、手書きのメモの色の組み合わせを、これに限定するものではない。以下に示す例は、適宜、任意の色の組み合わせに適用してよい。また、原稿は、問題用紙に限らず、回覧文書や、アンケート用紙や、その他のフォーマット用紙など、印字箇所があるもので、書き込みが可能なものであれば、適宜置き換えてよい。
図29は、第2の実施の形態に係る操作パネルのコピー出力編集処理部の構成の一例を示す図である。図29に示すコピー出力編集処理部26は、マスキングを施す機能として探索部41-1と置換部41-2とを有する。
探索部41-1は、入力受付部24が受け付けた位置情報に対応する表示中のスキャニング画像内の画素(つまり基準画素)と同色に属する画素をスキャニング画像内から探索により検出する。
同色に属する画素の条件は、ここでは一例として、基準画素の色(「基準色」と呼ぶ)における濃度や色の系統などに基づく許容幅(上限幅と下限幅)として設定する。濃度に許容幅をもたせる場合、例えば、基準画素の画素値のR値、G値、B値のそれぞれの濃度を濃くなる方向と薄くなる方向へそれぞれ数%の幅に設定する。なお、許容幅を「0」に設定することにより、探索部41-1に基準画素と同一の画素値のものを探索させるようにしてもよい。
置換部41-2は、探索部41-1の探索により検出された同色に属する画素の画素値をマスキング色に置換する。マスキング色には予め所定の色を設定しておく。ここでは、マスキング色の一例として、出力用紙として一般的に採用される白色が設定されているものとする。
第2の実施の形態の機能構成において、読取スキャナ制御部16が「原稿読取部」に対応する。プロッタ制御部17が「画像形成部」に対応する。入力受付部24が「入力受付部」に対応する。表示制御部25が「表示部」に対応する。第2の実施の形態に係るコピー出力編集処理部26は「画像処理部」のその他の一例で、探索部41-1が「検出部」に対応し、置換部41-2が「置換部」に対応する。WebAPIサービス15とWebAPI通信部27が各種の「API通信部」に対応する。
(操作パネルで表示する画面の画面構成)
図30は、第2の実施の形態に係る操作パネルの表示画面の一例を示す図である。図30には、表示画面の一例のコピー編集操作画面3100を示している。コピー編集操作画面3100は、第1の実施の形態に係るコピー編集操作画面1100(図8参照)からマスキング操作ボタン表示領域1120の描画オブジェクト選択ボタン1122とライン補正ボタン1123とを削除した構成のものである。なお、マスキング操作ボタン表示領域1120にマスキング色を設定する設定ボタンや許容幅を設定する設定ボタン(設定手段の一例)を設けてもよい。例えば色の選択ボタンを設け、マスキング色に指定する色を受け付ける。また、許容幅を段階的に変更するボタンや数値設定ボタンなどを設け、許容幅を受け付ける。ここでは、説明を容易にするため、他の画面でマスキング色が白色に設定され、許容幅が所定幅に設定されたものとして説明する。
コピー編集操作画面3100において、拡大縮小表示領域1142は、スキャニング画像を拡大画像や縮小画像として表示する表示領域であることに加え、表示中のスキャニング画像の基準画素の入力を受け付ける。
コピー編集操作画面3100と探索部41-1との間の信号の流れは次の通りである。操作者が当該拡大縮小表示領域1142に表示中のスキャニング画像においてマスキング対象の一部をタッチ指定する。タッチ指定された位置情報は、入力受付部24で取得され、探索部41-1が、その位置情報を基準画素として受け付ける。
(操作パネルの動作)
続いて、第2の実施の形態に係る操作パネルの動作について説明する。ここでは、図31に示す処理フローを例に操作パネルの処理について説明する。また、ユーザの操作手順と操作パネルの画面フローとについて図32A~図32Cを適宜参照する。
図31は、第2の実施の形態に係る操作パネルの処理フローの一例を示す図である。本処理フローは、第1の実施形態に係る操作パネル20の処理フロー(図10参照)においてマスキングを施す処理を変形したものである。ステップS1~ステップS10と、ステップS15~ステップS19とは、第1の実施形態に係る操作パネル20の処理フローと略同等である。以下では、それ以外の、第1の実施形態に係る操作パネル20の処理フローとは異なる処理について説明する。
ステップS9(No判定)又はステップS10の処理に続き、コピー出力編集処理部26(探索部41-1)は、先ず、コピー編集操作画面3100(図32A参照)の拡大縮小表示領域1142においてタッチがあったかを判定する(S61)。タッチがない場合には(S61:No判定)、ステップS13に移行する。
一方、入力受付部24がタッチ位置の位置情報を受け付けると、コピー出力編集処理部26(探索部41-1)はタッチがあったものと判定し(S61:Yes判定)、当該位置情報に対応する画素(基準画素に相当)の画素値を基準色として設定する(S62)。例えば、問題用紙に赤色の鉛筆や赤色のボールペンなどにより書き込まれた手書きのメモの一部(図32Bの破線枠L3、L4内のメモの一部)をユーザがタッチすると、タッチされた位置が基準画素となる。なお、意図する部分を正確に指定することができるように、タッチの際にスキャニング画像を拡大してもよい。また、タッチにより指定した画素から指定を移動することができるように画面に指定位置を移動する操作部などを設けたりしてもよい。
続いて、コピー出力編集処理部26(探索部41-1)は、表示中のスキャニング画像のコピーを生成し(S63)、コピーを対象に所定の走査順でスキャニング画像の各画素の画素値を読み取る(S64)。
続いて、コピー出力編集処理部26(探索部41-1)は、読み取った画素値が基準色に属するかを判定する(S65)。例えば、読み取った画素値のR値とG値とB値とを、それぞれ、基準色のR値とG値とB値のそれぞれの許容幅内に含まれているか判定する。そして、読み取った画素値のR値とG値とB値とがそれぞれの許容幅内に全て含まれている場合に、読み取った画素値が基準色に属すると判定する。つまり、当該画素を基準色に属する画素として検出する。
読み取った画素値が基準色に属する場合(S65:Yes判定)、コピー出力編集処理部26(置換部41-2)は、読み取った画素の画素値を設定済みのマスキング色(本例では白色)の画素値に置換する(S66)。読み取った画素値が基準色に属さない場合(S65:No判定)、コピー出力編集処理部26(探索部41-1)は、ステップS66をとばしてステップS67に移行する。
続いて、コピー出力編集処理部26(探索部41-1)は全ての画素の走査が終了したかを判定し(S67)、全ての画素の走査を終了していない場合(S67:No判定)には、ステップS64に移行し、残りの画素に対して同様に探索と置換の処理を行う。
全ての画素の走査が終了した場合は(S67:Yes判定)、コピー出力編集処理部26(探索部41-1)は、拡大縮小表示領域1142の表示をマスキングを施したスキャニング画像(図32C参照)に差し替え(S68)、ステップS13の処理に移行する。
なお、基準色に属する画素の判定に使用する許容幅の設定値が小さいなどにより、一度のタッチで手書きのメモの一部が残ってしまう場合には、手書きのメモの残りの部分を繰り返しタッチして、残りの手書きのメモを消すようにする。この場合、最後に生成されたスキャニング画像のコピーが表示される。なお、手書きのメモの残りの部分を繰り返しタッチする場合に、メモを消した順に元の状態に回復することができるようにスキャニング画像のコピーをタッチ数に応じて複数ファイル生成するようにしてもよい。
ユーザは、画像形成実行ボタン1131(図32C参照)をタッチ操作することにより、マスキングが施されたスキャニング画像のコピー出力を指示する。コピー出力編集処理部26は、画像形成実行ボタン1131がタッチ操作されたと判定すると(S13:Yes判定)、本体10に向け、表示中のマスキングが施された画像(コピー画像)の画像形成の実行を指示する(S15)。その後は、図10と略同様であるため、説明を省略する。
なお、ステップS20のスキャニング画像の消去では、スキャニング画像とそのコピーの全てを消去する。
図32A~図32Cは、第2の実施の形態に係る操作パネルにおけるユーザの操作例を示す図である。図32Aは、取得したスキャニング画像に対し拡大縮小の操作を行った直後の表示状態を示している。コピー編集操作画面3100の拡大縮小表示領域1142に、拡大縮小操作後のスキャニング画像(拡大縮小画像X2)が表示される。スキャニング画像(拡大縮小画像X2)には、一例として印刷物の原稿の2箇所に手書きされたメモが含まれたものを示している。
図32Bは、ユーザがスキャニング画像(拡大縮小画像X2)の手書きのメモを指でタッチする様子を示している。ユーザは、スキャニング画像(拡大縮小画像X2)に含まれている手書きのメモの一部を指でタッチする。タッチする位置は、手書きのメモ上であって、図32Bにおいて、説明のために破線枠L3、L4により囲んだ2箇所のメモの内の何れかの一部である。
図32Cは、マスキングが行われた後の拡大縮小表示領域1142の表示状態の一例を示す図である。図32Cには、1回のタッチにより、2箇所の手書きのメモが下地の白色に置換され、消された状態になったものを示している。許容幅の設定が適切であると、画像からマスキングの対象として2箇所の手書きのメモがほぼ検出され、このように手書きのメモが印刷物の原稿から消される。なお、許容幅の設定値が小さいなどにより、一度のタッチで手書きのメモの一部が残ってしまう場合には、手書きのメモの残りの部分を繰り返しタッチするとよい。それにより、残りの手書きのメモも消え、図32Cに示すような手書きのメモが消えた状態に近づけることができる。
(通信シーケンス)
第2の実施の形態に係る操作パネルと本体10との間の通信処理は、第1の実施の形態に係る操作パネル20と本体10との間の通信処理(図14参照)と略同等である。ただし、操作パネルにおけるステップS117(図14参照)とステップS118(図14参照)の処理は、第2の実施の形態においては探索及び置換の処理に置き換わる。また、ステップS120において転送される画像およびステップS125において読み出される画像が、マスキング色に置換されたコピー画像に置き換わる。これ以上は、重複説明となるため、ここでの説明を省略する。
図33は、本体10においてプリント出力される出力物の一例を示す図である。図33には、マスキング前とマスキング後の状態を比較することができるように、マスキング前の原稿Qと、原稿Qをマスキングしてコピー出力した出力物Pとを示している。図33(a)に、原稿Qの一例として赤色のメモq1、q2が書き込まれている問題用紙を示している。図33(b)に、出力物Pの一例として、図33(a)に示す赤色のメモq1、q2が、下地の色でマスキングされて消された後の出力物を示している。
このように、第2の実施の形態では、操作パネルが、表示中のスキャニング画像において指でタッチされた位置の画素値(色)と同色に属する画素をマスキング対象として探索し、探索により検出した同色に属する画素の色をマスキング色に置換する。このため、原稿に印刷されているオリジナルの情報(文字、罫線、図形等)をそのままにし、後から書き加えたメモ等の情報を消すことが可能になる。
(第2の実施の形態の変形例1)
マスキング色の設定についての変形例を示す。マスキング色には、予め設定されたものを使用してもよいし、マスキングを施す際にユーザが設定するようにしてもよい。ユーザが設定する場合、例えば、マスキングの設定値を設定する設定画面に色の選択ボタンを設け、設定画面によりマスキングに使用する色を選択する構成が考えられる。ここでは、その他の一例として、ユーザがスキャニング画像からマスキングの色の指定を行うものについて示す。
(操作パネルで表示する画面の画面構成)
図34は、第2の実施の形態の変形例1に係る操作パネルの表示画面の一例を示す図である。図34に示すコピー編集操作画面4100は、第2の実施の形態に係るコピー編集操作画面3100(図30参照)のマスキング操作ボタン表示領域1120にマスキング色設定ボタン4101を追加したものである。
マスキング色設定ボタン4101は、拡大縮小表示領域1142に表示されているスキャニング画像の使用色を操作者にマスキング色として指定させるための指示ボタンである。コピー編集操作画面4100の拡大縮小表示領域1142では、マスキング色設定ボタン4101がオンの設定のとき、マスキング対象の基準画素の入力の他、マスキング色に指定する画素の入力も受け付ける。
コピー出力編集処理部26における設定の切り替えは次のようにして行われる。例えば、操作者が、マスキング色設定ボタン4101をタッチしてオンに設定し、更に当該拡大縮小表示領域1142に表示中のスキャニング画像のマスキング色に指定する画素領域(例えば背景など)をタッチする。この場合、コピー出力編集処理部26は、マスキング色設定ボタン4101のタッチにより、マスキング色に設定する画素の指定入力を受け付け可能にし、続く拡大縮小表示領域1142でタッチされた位置情報が入力受付部24で取得されると、置換部41-2が、その位置情報の色(画素値)をマスキング色として設定する。
なお、マスキング対象の基準画素のタッチとマスキング色にする画素のタッチとの受け付け順序は適宜設定して良い。例えば、マスキング対象の基準画素のタッチとマスキング色にする画素のタッチとを、この順に交互に受け付けてもよい。
(操作パネルの動作)
続いて、第2の実施の形態の変形例1に係る操作パネルがマスキングを行う場合の動作について説明する。ここでは、図35に示す処理フローを例に操作パネルの処理について説明する。また、ユーザの操作手順と操作パネルの画面フローとについて図36A~図36Dを適宜参照する。
図35は、第2の実施の形態の変形例1に係る操作パネルの処理フローの一例を示す図である。図35には、第2の実施の形態に係る操作パネルの処理フロー(図31参照)のステップS9(No判定)及びステップS10の後からステップS13の直前までの処理の変形例を示している。なお、図35に示す変形例の処理において、第2の実施の形態に係る操作パネルの処理フロー(図31参照)と同等の処理については同一番号を付している。
先ず、コピー出力編集処理部26は、コピー編集操作画面4100(図36A参照)のマスキング色設定ボタン4101のタッチがあったかを判定する(S71)。
入力受付部24がマスキング色設定ボタン4101の位置情報を受け付けると、コピー出力編集処理部26はタッチがあったものと判定し(S71:Yes判定)、マスキング色設定ボタン4101のオンとオフの設定を切り替える(S72)。入力受付部24がマスキング色設定ボタン4101の位置情報を受け付けない場合は、コピー出力編集処理部26はタッチがないものと判定し(S71:No判定)、ステップS72をとばすことによりマスキング色設定ボタン4101のオンとオフの設定を維持する。
続いて、コピー出力編集処理部26(探索部41-1)は、コピー編集操作画面4100(図36B参照)の拡大縮小表示領域1142においてタッチがあったかを判定する(S61)。
入力受付部24がタッチのあった位置情報を受け付けると、コピー出力編集処理部26(探索部41-1)はタッチがあったものと判定し(S61:Yes判定)、当該位置情報に対応する基準画素の画素値を基準色として設定する(S62)。
続いて、コピー出力編集処理部26(置換部41-2)は、マスキング色設定ボタン4101がオンの設定であるかを判定する(S73)。マスキング色設定ボタン4101がオンの設定である場合(S73:Yes判定)、コピー出力編集処理部26(置換部41-2)は、続いて、コピー編集操作画面4100(図36C参照)の拡大縮小表示領域1142におけるタッチ入力を更に受け付け、タッチがあったかを判定する(S74)。
入力受付部24がタッチされた位置情報を受け付けると、コピー出力編集処理部26(置換部41-2)はタッチがあったものと判定し(S74:Yes判定)、当該位置情報に対応する画素の画素値をマスキング色として指定する(S75)。例えば、原稿の背景が水色や黄色などの色つきであった場合、ユーザがスキャニング画像の背景をタッチすると、タッチされた色つきの位置の画素値がマスキング色に指定される。なお、タッチがない場合(S74:No判定)、コピー出力編集処理部26(置換部41-2)は、タッチ入力があるまで待機する。ここで、背景が色つきの原稿の一つとして、児童向けのノートなどが考えられえる。その他の例としては、わら半紙(薄茶色)や、古くなった紙などが考えられる。
マスキング色設定ボタン4101がオフの設定である場合(S73:No判定)、ステップS75をとばす。つまり、マスキング色をデフォルト(白色等)のままにする。
続いて、コピー出力編集処理部26(探索部41-1)は、表示中のスキャニング画像のコピーを生成し(S63)、コピーを対象に所定の走査順で画素値を読み取る(S64)。
続いて、コピー出力編集処理部26(探索部41-1)は、読み取った画素値が基準色に属するかを判定する(S65)。
読み取った画素値が基準色に属する場合(S65:Yes判定)、コピー出力編集処理部26(置換部41-2)は、当該画素をマスキング色の画素値に置換する(S66)。読み取った画素値が基準色に属さない場合(S65:No判定)、コピー出力編集処理部26(探索部41-1)は、ステップS66をとばしてステップS67に移行する。
続いて、コピー出力編集処理部26(探索部41-1)は全ての画素の走査が終了したかを判定し(S67)、全ての画素の走査を終了していない場合(S67:No判定)には、ステップS64に移行し、残りの画素に対して同様に探索と置換の処理を行う。
全ての画素の走査が終了した場合は(S67:Yes判定)、コピー出力編集処理部26(探索部41-1)は、拡大縮小表示領域1142の表示をマスキングを施したスキャニング画像(図36D参照)に差し替え(S68)、ステップS13の処理に移行する。
なお、本変形の処理において、ステップS20(図31参照)のスキャニング画像の消去では、スキャニング画像とそのコピーの全てを消去するものとする。
図36A~図36Dは、第2の実施の形態の変形例1に係る操作パネルにおけるユーザの操作例を示す図である。図36Aは、取得したスキャニング画像に対し拡大縮小の操作を行った直後の表示状態を示している。コピー編集操作画面4100の拡大縮小表示領域1142に、拡大縮小操作後のスキャニング画像(拡大縮小画像X2)が表示される。スキャニング画像(拡大縮小画像X2)には、一例として印刷物の原稿の2箇所に手書きされたメモが含まれたものを示している。
図36Bは、ユーザがスキャニング画像(拡大縮小画像X2)の手書きのメモを指でタッチする様子を示している。ユーザは、スキャニング画像(拡大縮小画像X2)に含まれている手書きのメモの一部を指でタッチする。タッチする位置は、手書きのメモ上であって、図36Bにおいて、説明のために破線枠L3、L4により囲んだ2箇所のメモの内の何れかの一部である。
図36Cは、ユーザがスキャニング画像(拡大縮小画像X2)の中のマスキング色に指定する色を指でタッチする様子を示している。ここでは、一例として、スキャニング画像(拡大縮小画像X2)に含まれている原稿の下地を指でタッチする様子を示している。タッチする位置は、原稿の下地の何れか一部である。
図36Dは、マスキングが行われた後の拡大縮小表示領域1142の表示状態の一例を示す図である。図36Dには、タッチによりマスキング色に指定した色に手書きのメモが置換され、消された状態になったものを示している。なお、図示を省略するが、本体10においてプリント出力される出力物も、拡大縮小表示領域1142に示す表示状態のようなイメージのものが出力される。
(通信シーケンス)
第2の実施の形態の変形例1に係る操作パネルと本体10との間の通信処理は、第2の実施の形態に係る操作パネルと本体10との間の通信処理と略同等であるため、ここでの説明を省略する。
このように、第2の実施の形態の変形例1では、ユーザが基準画素とマスキング色を示す画素とを指定、例えば基準画素を指定し、続いてマスキング色を示す画素を指定することで、基準画素を含むマスキング対象が、画像中の指定された色でマスキングされる。
また、一度のタッチでは手書きのメモの一部が残ってしまう場合には、手書きのメモの残りの部分を繰り返しタッチすることにより、残りの手書きのメモも同じマスキング色で消すことが可能になる。
また、ここでは、マスキング対象の基準画素のタッチと、マスキング色の画素のタッチとを交互に行う例を示したが、タッチの順序はこれに限らない。例えば、マスキング対象が分散して存在する場合、各マスキング対象に対しての複数回のタッチを受け付けてから、各マスキング対象を共通のマスキング色に設定する1回のタッチを受け付けてもよい。この場合、マスキング対象としてタッチを受けた複数箇所が、1回のタッチで同じマスキング色にマスキングされる。
また、マスキング対象の基準画素のタッチを受け付けた後に、ユーザに分かりやすいように所定色で置換対象を置換し、それから、ユーザによりマスキング色を受け付け、ユーザにより受け付けたマスキング色で仮の所定色を置換してもよい。
このように、第2の実施の形態の変形例1では、ユーザがスキャニング画像からマスキングの色を指定することができる。このため、例えば下地が白以外の色つきの原稿であったとしても、手書きのメモ等を、原稿の下地の色に応じて消すことができる。
(第2の実施の形態の変形例2)
マスキング色の設定について、その他の変形例を示す。ここでは、タッチした位置のマスキング対象を残して、それ以外をマスキング対象としてマスキングするものを示す。例えば原稿に含まれる黄ばみ等の変色を取り除く場合などへの適用が可能なものである。
(操作パネルで表示する画面の画面構成)
図37は、第2の実施の形態の変形例2に係る操作パネルの表示画面の一例を示す図である。図37に示すコピー編集操作画面5100は、第2の実施の形態に係るコピー編集操作画面3100(図30参照)のマスキング操作ボタン表示領域1120に指定逆転ボタン5101を追加したものである。
指定逆転ボタン5101は、拡大縮小表示領域1142に表示されているスキャニング画像においてマスキング対象とする画素を、ユーザが指定入力した基準画素と該基準画素の色の範囲に含まれる画素とを除く残りの画素(「除去画素」と呼ぶ)とすることを指示する指示ボタンである。
コピー出力編集処理部26における設定の切り替えは次のようにして行われる。例えば、操作者が、指定逆転ボタン5101をタッチしてオンに設定し、拡大縮小表示領域1142に表示中のスキャニング画像においてマスキング対象にしない領域、例えば原稿のオリジナルの情報(印刷されている罫線等)をタッチする。この場合、コピー出力編集処理部26は、指定逆転ボタン5101のタッチにより、拡大縮小表示領域1142において指定された画素を、マスキング対象にしないマスキング対象外の基準画素として受け付け、基準画素の色の範囲から外れる画素(背景等の画素)をマスキング対象として設定する。コピー出力編集処理部26は、拡大縮小表示領域1142でタッチされた位置情報が入力受付部24で取得されると、探索部41-1が、その位置情報に対応する基準画素の色(画素値)をマスキング対象外に設定する。
(操作パネルの動作)
続いて、第2の実施の形態の変形例2に係る操作パネルがマスキングを行う場合の動作について説明する。ここでは、図38に示す処理フローを例に操作パネルの処理について説明する。また、ユーザの操作手順と操作パネルの画面フローとについて図39A~図39Cを適宜参照する。
図38は、第2の実施の形態の変形例2に係る操作パネルの処理フローの一例を示す図である。図38には、第2の実施の形態に係る操作パネルの処理フロー(図31参照)のステップS9(No判定)及びステップS10の後からステップS13の直前までの処理の変形例を示している。なお、図38に示す変形例の処理において、第2の実施の形態に係る操作パネルの処理フロー(図31参照)と同等の処理については同一番号を付している。
先ず、コピー出力編集処理部26は、コピー編集操作画面5100(図39A参照)の指定逆転ボタン5101のタッチがあったかを判定する(S81)。
入力受付部24が指定逆転ボタン5101の位置情報を受け付けると、コピー出力編集処理部26はタッチがあったものと判定し(S81:Yes判定)、指定逆転ボタン5101のオンとオフの設定を切り替える(S82)。入力受付部24が指定逆転ボタン5101の位置情報を受け付けない場合は、コピー出力編集処理部26はタッチがないものと判定し(S81:No判定)、ステップS82をとばして指定逆転ボタン5101のオンとオフの設定を維持する。
続いて、コピー出力編集処理部26(探索部41-1)は、コピー編集操作画面5100(図39B参照)の拡大縮小表示領域1142においてタッチがあったかを判定する(S61)。
入力受付部24がタッチのあった位置情報を受け付けると、コピー出力編集処理部26(探索部41-1)はタッチがあったものと判定し(S61:Yes判定)、続いて、指定逆転ボタン5101がオンの設定であるかを判定する(S83)。
指定逆転ボタン5101がオンの設定である場合(S83:Yes判定)、コピー出力編集処理部26(探索部41-1)は、入力受付部24が受け付けた基準画素の画素値をマスキング対象外とする基準色に設定する(S84)。例えば、ユーザが原稿のオリジナルの情報(印刷されている罫線等)を指定した場合、その指定された情報を示す基準画素の画素値をマスキング対象外の基準色に設定する。なお、指定逆転ボタン5101がオフの設定である場合には(S83:No判定)、コピー出力編集処理部26(探索部41-1)は、ステップS62からの処理(図31参照)を行う。この処理は、説明済みのため、ここでの説明及び図示を省略する。
ステップS84に続き、コピー出力編集処理部26(探索部41-1)は、表示中のスキャニング画像のコピーを生成し(S85)、コピーを対象に所定の走査順でスキャニング画像の各画素の画素値を読み取る(S86)。
続いて、コピー出力編集処理部26(探索部41-1)は、読み取った画素値が基準色に属さないかを判定する(S87)。
読み取った画素値が基準色に属さない場合(S87:Yes判定)、コピー出力編集処理部26(置換部41-2)は、読み取った画素の画素値を設定済みのマスキング色(本例では下地の白色)の画素値に置換する(S88)。つまり、この例では、指定された原稿のオリジナルの情報以外の画素、例えば背景の黄ばみや汚れ等を下地の白色に置換する。読み取った画素値が基準色に属する場合(S87:No判定)、コピー出力編集処理部26(探索部41-1)は、ステップS88をとばしてステップS89に移行する。
続いて、コピー出力編集処理部26(探索部41-1)は全ての画素の走査が終了したかを判定し(S89)、全ての画素の走査を終了していない場合(S89:No判定)には、ステップS86に移行し、残りの画素に対して同様に探索と置換の処理を行う。
全ての画素の走査が終了した場合は(S89:Yes判定)、コピー出力編集処理部26(探索部41-1)は、拡大縮小表示領域1142の表示をマスキングを施したスキャニング画像(図39C参照)に差し替え(S90)、ステップS13の処理に移行する。
なお、一度のタッチでは原稿のオリジナルの情報(印刷されている罫線等)が選択しきれずに残ってしまう場合には、残りの部分を繰り返しタッチして、残りのオリジナルの情報を選択するようにしてもよい。
ユーザは、画像形成実行ボタン1131をタッチ操作することにより、マスキングが施されたスキャニング画像のコピー出力を指示する。コピー出力編集処理部26は、画像形成実行ボタン1131がタッチ操作されたと判定すると(S13:Yes判定)、本体10に向け、表示中のマスキングが施された画像(コピー画像)の画像形成の実行を指示する(S15)。その後は、図10と略同様であるため、説明を省略する。
図39A~図39Cは、第2の実施の形態の変形例2に係る操作パネルにおけるユーザの操作例を示す図である。図39Aは、取得したスキャニング画像に対し拡大縮小の操作を行った直後の表示状態を示している。コピー編集操作画面5100の拡大縮小表示領域1142に、拡大縮小操作後のスキャニング画像(拡大縮小画像X2)が表示される。スキャニング画像(拡大縮小画像X2)には、一例として黄ばみY1を有する古くなった印刷物の原稿のスキャニング画像を示している。
図39Bは、ユーザがスキャニング画像(拡大縮小画像X2)のオリジナルの印刷部(罫線、文字、図面など)を指でタッチする様子を示している。ユーザは、スキャニング画像(拡大縮小画像X2)に含まれている印刷部の一部を指でタッチする。タッチする位置は、印刷部上の一部である。
図39Cは、マスキングが行われた後の拡大縮小表示領域1142の表示状態の一例を示す図である。図39Cには、印刷部を残して、それ以外の黄ばみY1等を下地の白色に置換した後の状態のものを示している。このように古くなった原稿の黄ばみY1や、その他の汚れなどを消すこともできる。なお、図示を省略するが、本体10においてプリント出力される出力物も、拡大縮小表示領域1142に示す表示状態のようなイメージのものが出力される。
(通信シーケンス)
第2の実施の形態の変形例2に係る操作パネルと本体10との間の通信処理は、第2の実施の形態に係る操作パネルと本体10との間の通信処理と略同等であるため、ここでの説明を省略する。
このように、第2の実施の形態の変形例2では、原稿のオリジナルの情報(印刷されている罫線等)を残し、それ以外を下地の白等によりマスキングすることにより、背景の黄ばみ等を除去することができる。
(第2の実施の形態の変形例3)
第2の実施の形態やその変形例などにおいて、指定した線(鉛筆などの書き込み等)を背景色のマスキング色でマスキングすることにより消すようにしたが、背景を、指定した線の色又はそれに近い色でマスキングすることにより、指定した線が相対的に消されるように変形しても良い。
(第2の実施の形態の変形例4)
第2の実施の形態やその変形例などにおいて操作パネルで編集された後のマスキング済みのスキャニング画像を記録メディアや外部装置に出力してもよい。この場合、例えば操作パネルのコピー編集操作画面(コピー編集操作画面3100、4100、5100)に出力ボタンを設け、スキャニング画像にマスキングが施された後に、ユーザによる出力ボタンのタッチ操作を受け付ける。入力受付部24がそのタッチ操作を受け付けると、コピー出力編集処理部26が、記憶制御部23又は通信制御部22を介し、記録メディアや外部装置にマスキング済みのスキャニング画像を出力する。例えば記憶制御部23又は通信制御部22は、操作パネルにUSBインタフェースやBLE等の無線通信インタフェースとして実装される通信I/F204(図2参照)を用いてマスキング済みのスキャニング画像をユーザ端末やUSBフラッシュメモリに外部出力して格納する。その他、操作パネルから本体10の通信I/F104(図2参照)を介して、マスキング済みのスキャニング画像を、指定した外部サーバ装置内に外部出力してもよい。
第2の実施の形態の変形例4においては、上記出力ボタンやコピー出力編集処理部26などが「外部出力部」となり、紙媒体のような物理的な劣化が進むものをデータ上で綺麗に再生し、綺麗な原稿として再出力する、或いは手書き記入済みのフォーマット用紙の手書き箇所を見えないように消して再利用する、ことが可能になる。
各実施の形態や各変形例の画像処理装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、各実施の形態や各変形例の画像処理装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、各実施の形態や各変形例の画像処理装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
また、各実施の形態や各変形例のプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
各実施形態及び各変形例に示すアプリケーション(コピー出力編集アプリを含む)の利用シーンの例を説明する。なお、これ以外の利用シーンや業種業務であっても、本アプリケーションは利用可能である。
(1)個人情報等のセキュリティを保護したい情報を、見えないようにしてコピーやスキャンをするケースで、ユーザは本アプリケーションを利用する。例えば、金融業界において口座を開設する場合に、銀行窓口担当者などは、免許証、保険証など、顧客の本人確認書類を、コピー機等の画像処理装置でコピーする業務がある。近年個人情報の取り扱いが一段と厳しくなってきている。そのため、コピーを行ったという事実を記録しなければいけないが、その一方で、本人確認に必要がない個人情報、例えば運転免許証に印字されている「眼鏡着用」などの個人情報や、マイナンバーカードのマイナンバーなど極めて保護が必要な個人番号情報については、コピー、印刷やスキャンの出力時に印刷されないようにする必要がある。そこで、個人情報を含む身分証などの原稿のコピーをとる業務では、操作パネルに原稿のプレビュー画像を表示して、担当者などによるマスキングする箇所を指定するなどの操作を受け付けて、必要な情報をコピー、スキャン出力する際などに、その指定された箇所の個人情報を見えないように黒色などの濃い色や、白色や、背景色と同じ色でマスキングする。これにより個人情報保護を行うことができる。
(2)記入済みのフォーマットを再利用するために、記入済みの箇所を消して、フォーマットを書き込み前に復元し、再利用するケースで、本アプリケーションは利用される。例えば、学校や幼稚園、学習塾などの教育施設では、手書きで書き込みが可能な学習用の宿題プリント用紙や期末試験用紙などを生徒の学習や学力測定に用い、生徒は氏名や解答を用紙に記入する。プリント用紙やテスト用紙は過去の教材のため電子データ自体が無くなっている、生徒が持っている記入済みのプリント(複製が許可されたプリント)を塾の先生が再利用する、そもそも元の電子データを教育施設の先生が持っていない(例えば教材出版社から印刷済みの用紙として配送されてくる複製が許可されたプリントを教材に使用する)といった場合がある。そのとき、例えば生徒が手書きで書き込んだ用紙の、書き込んだ部分だけを消してコピーをとる、またはスキャン画像を保存しておくことで、用紙を再利用する。また教育現場に限らず、会社員が、出席した会議やセミナーで得た複製が許可された配布資料や会議資料を、持ち帰って社内で共有するために、スキャンやコピーをする場合に、自分が書き込みをしたメモだけを消去して、スキャンやコピーをする際に用いることもできる。実際に書き込みを消去する作業として、消しゴムで消す、一度取ったコピーに修正液を塗ってスキャンし印刷する、別の紙片で書き込み部分を隠したり書き込み部分を折ったりして隠してスキャンする等は大変手間がかかる。そこで本アプリケーションを用いることで、操作パネル上での簡単な操作で、白色や背景色と同色でマスキングすることで、書き込み部分を見えないようにし、書き込み部分を消したようにコピーやスキャンをしてフォーマット用紙の再利用を図ることができる。
(3)古くなって黄ばんだ原稿(図面や書籍など)の黄ばみを取り除き、新しい資料のように復元するケースで、本アプリケーションは利用される。例えば、製造業や、図書館などの資料管理施設で、長期間に渡って保存していて変色していたり、紫外線に当たって焼けたりした資料の黄ばみ・ヨゴレをとって資料を見やすく復元する際に、資料の変色している箇所を白く変換する、消えかけている文字を黒く変換し明瞭に読めるようにして、資料の再利用をすることができる。