JP6999082B2 - 床下ダクト - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両の床下ダクトに関し、特に水密機能を有する鉄道車両の床下ダクトに関する。
鉄道車両の車種によっては床下にケーブルを含む電装品を格納するための床下ダクトが設けられる(特許文献1参照)。
特公平4-56523号公報
床下ダクトは、電装品の点検を行えるように床下ダクトの一部が取り外せるよう構成されていることが望ましいが、この場合、ダクト通路に水が浸入しない構造(水密構造)としなければならず、構造が複雑になる傾向がある。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、電装品の点検が容易に行え、かつ、簡易な構造でありながらダクト通路に水が浸入しにくい床下ダクトを提供することを目的としている。
本発明の一態様に係る床下ダクトは、鉄道車両の床下に設けられ、ケーブルを含む電装品を格納する床下ダクトであって、上方に向かって凸の形状のフレーム、及び、下方に向かって開口した開口部を有する箱体と、前記開口部を閉塞し、前記箱体との間にダクト通路を形成する蓋と、を備え、車幅方向において前記箱体の端部は前記蓋の端部より外側に位置している。
この構成によれば、箱体の開口部を閉塞する蓋を取り外せば電装品にアクセスできるため、電装品の点検を容易に行うことができる。また、箱体の端部は蓋の端部より外側に位置しているため、床下ダクトの上から水がかかった場合にも水は蓋を通過することなく流れ落ちる。したがって、簡易な構造でありながらダクト通路に水が浸入しにくい。
上記の構成によれば、電装品の点検が容易に行え、かつ、簡易な構造でありながらダクト通路に水が浸入しにくい床下ダクトを提供することができる。
図1は、床下ダクトの側面図である。 図2は、床下ダクトの平面図である。 図3は、床下ダクトの底面図である。 図4は、床下ダクトの底面図であって、蓋を取り外した状態の図である。 図5は、図2のV-V矢視断面図である。 図6は、図5に対応する床下ダクトの分解図である。 図7は、蓋の平面図である。 図8は、固定プレートの斜視図である。 図9は、連結吊りボルト取付機構の分解斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。以下では、全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同じ符号を付して、重複する説明は省略する。
<床下ダクト>
まず、床下ダクト100の全体構造について説明する。床下ダクト100は、鉄道車両101の床下に設けられており、ケーブルを含む電装品を格納する。床下ダクト100は、鉄道車両101の長手方向に沿って延びている。なお、以下では鉄道車両101の長手方向を「車両長手方向」と称し、鉄道車両101の幅方向を「車幅方向」と称して説明を行う。
図1は床下ダクト100の側面図であって、車幅方向から見た図である。図1の紙面左右方向が車両長手方向であり、紙面に対して垂直な方向が車幅方向である。また、図2は床下ダクト100の平面図であり、図3は床下ダクト100の底面図であり、図4は床下ダクト100の底面図であって後述する蓋20を取り外した状態の図である。図1乃至図3の紙面左右方向が車両長手方向であり、紙面上下方向が車幅方向である。さらに、図5は図2におけるV-V矢視断面図であり、図6は図5に対応する床下ダクト100の分解図である。
図6に示すように、床下ダクト100は、箱体10と、蓋20と、シール部材30と、固定具40と、を備えている。さらに、図3に示すように、床下ダクト100は、連結吊りボルト取付機構50を備えている。以下、これらの各構成要素について順に説明する。
箱体10は、図6に示すように、上方に向かって凸の形状のフレーム11と、下方に向かって開口した開口部12と、を有している。フレーム11は板材で形成されており、車両長手方向に対して垂直な断面において下方が開口する逆U字状のフレーム本体13と、フレーム本体13の車幅方向両端部から(後述するダクト通路21から)車幅方向外側に向かって水平に延びる水平部14と、水平部14の車幅方向両端部から下方に向かって延びる延長部15とを有している。
図4に示すように、水平部14には車両長手方向の全長にわたって複数の第1リベット孔16が形成されているとともに、各第1リベット孔16から一定の距離をおいて締結孔17が形成されている。なお、車両長手方向における第1リベット孔16と締結孔17の位置関係が逆になる組合せもあるが、その場合でも第1リベット孔16と締結孔17の距離は変わらない。また、図1に示すように、箱体10は、車両長手方向から見てL字状の取付部材18によって鉄道車両101の床下に取り付けられている。
蓋20は、図5に示すように、箱体10の開口部12を閉塞し、箱体10との間にダクト通路21を形成する部材である。ダクト通路21内には、ケーブルを含む電装品が格納される。なお、ダクト通路21内に図外の仕切り板を設けて内部を複数のエリアに分割してもよい。図3に示すように、蓋20は底面視において略正方形の形状を有しており、箱体10の車両長手方向の全長にわたって複数設けられている。蓋20は板材で形成されており、図6に示すように、水平に延びる平板状の蓋本体22と、蓋本体22の車幅方向両端部及び車両長手方向両端部から(つまり蓋本体22の四辺から)下方に向かって延びる折返し部23を有している。
さらに、車幅方向において箱体10の端部は蓋20の端部より外側に位置している。より具体的には、車幅方向において箱体10の延長部15は蓋20の折返し部23より外側に位置しており、延長部15の内面が折返し部23の外面に接している。また、蓋本体22は、ダクト通路21から車幅方向外側に向かって水平に延びる蓋取付部24を有している。ここで、図7は、蓋20(シール部材30が取り付けられた状態)の平面図である。図7に示すように、蓋取付部24には、箱体10の締結孔17(図4参照)に対応する位置に、ボルト孔25が形成されている。
シール部材30は、図7に示すように蓋20の蓋取付部24に対応する部分を含む蓋本体22の上面の外周部分に設けられている。また、シール部材30は、蓋本体22だけでなく、図4に示すように連結吊りボルト取付機構50(裏当て板54)にも設けられている(図9も参照)。そして、図5に示すように、蓋20が取り付けられた状態では、箱体10の水平部14と蓋20の蓋取付部24との間にシール部材30が挿入されているとともに、蓋20の蓋本体22と連結吊りボルト取付機構50(裏当て板54)との間にシール部材30が挿入されている。なお、図7に示すように、蓋20に設けられたシール部材30のボルト孔25に対応する部分には、連通孔31が形成されている。また、本実施形態のシール部材30はフォームラバーで形成されている。
固定具40は、図5に示すように、固定プレート41と、固定ボルト42とを有しており、箱体10の水平部14と蓋20の蓋取付部24を締結する。固定プレート41は、箱体10の水平部14の上面に面接触し、箱体10に対して上下方向に位置決めされている。ここで、図8は、固定プレート41の斜視図である。図8に示すように、固定プレート41は、板状の板部43と、板部43に圧入され内部に雌ねじが形成されたボルト固定部44を有する突出部47と、を有している。なお、ボルト固定部44の軸心は、板部43に対して垂直である。また、図6に示すように、ボルト固定部44は箱体10の水平部14に形成された締結孔17(図4参照)を通った状態で、水平部14の下面よりも下方に突出する突出部47を構成している。
さらに、図8に示すように、板部43には第2リベット孔45が形成されている。第2リベット孔45は、箱体10の第1リベット孔16(図4参照)に対応する位置に形成されている。また、第2リベット孔45は、ボルト固定部44の軸心に対して平行な軸心を有している。そして、第1リベット孔16と第2リベット孔45を共に貫通するリベット46(図1乃至図4ではリベット46を省略)によって、固定プレート41は箱体10に固定されている。このようにリベット46を第1リベット孔16と第2リベット孔45に貫通させることにより、固定プレート41を箱体10に対して水平方向に位置決めすることができる。
上記のとおり、固定プレート41は箱体10に対して上下方向及び水平方向に位置決めされた状態で、箱体10に取り付けられる。そして、固定ボルト42は、下方から蓋20のボルト孔25及びシール部材30の連通孔31を貫通して固定プレート41のボルト固定部44と結合する。
連結吊りボルト取付機構50は、機器を取り付けるための機構である。本実施形態では、床下ダクト100のダクト通路21内を低電圧の制御電線が通っている。一方、図1に示すように、連結吊りボルト取付機構50にはクリート51を介して車両長手方向に延びる高圧電線61が取り付けられている。なお、このように制御電線と高圧電線61を隔離しているのは、制御電線によって送信される電気信号が高圧電線61から電波障害を受けるのを防ぐためである。そのため、電波障害を防ぐ効果を高めることができるよう、フレーム11や蓋20は非磁性体の部材が好ましく、例えばステンレス板であってもよい。また、図3に示すように、連結吊りボルト取付機構50は、箱体10の開口部12に取り付けられており、隣り合う蓋20の間に位置している。連結吊りボルト取付機構50の詳細については後述する。
<床下ダクトに関する効果等>
上記のとおり、本実施形態に係る床下ダクト100は、鉄道車両101の床下に設けられ、ケーブルを含む電装品を格納するダクトである。そして、床下ダクト100は、上方に向かって凸の形状のフレーム11、及び、下方に向かって開口した開口部12を有する箱体10と、開口部12を閉塞し、箱体10との間にダクト通路21を形成する蓋20と、を備えている。さらに、車幅方向において箱体10の端部は蓋20の端部より外側に位置している。
本実施形態に係る床下ダクト100はこのように構成されているため、箱体10の開口部12を閉塞する蓋20を取り外せば電装品にアクセスできることから、電装品の点検を容易に行うことができる。また、箱体10の端部は蓋20の端部より外側に位置するため、床下ダクト100の上から水がかかっても水は蓋20を通過することなく流れ落ちる。そのため、簡易な構造でありながら、ダクト通路21に水が浸入しにくい。
また、本実施形態に係る床下ダクト100では、箱体10は、ダクト通路21から車幅方向外側に向かって水平に延びる水平部14を有しており、蓋20は、ダクト通路21から車幅方向外側に向かって水平に延びる蓋取付部24を有している。そして、水平部14と蓋取付部24は固定具40により締結されている。
このように、本実施形態では、ダクト通路21よりも車幅方向外側で水平部14と蓋取付部24が固定具40により締結されており、固定ボルト42はダクト通路21内に突出することがないため、ダクト通路21内のケーブルを傷つけることなく、蓋20を箱体10に固定することができる。
また、本実施形態に係る床下ダクト100は、水平部14と蓋取付部24の間に挿入されたシール部材30と、水平部14の上面に面接触し、箱体10に対して上下方向に位置決めされる固定プレート41と、を備えている。さらに、固定プレート41は、水平部14に形成された締結孔17を通った状態で、水平部14の下面よりも下側に突出する突出部47を有している。
このように、突出部47を水平部14の下面よりも下方に突出させることにより、固定ボルト42を用いて蓋20を箱体10に締結したときに、突出部47により箱体10と水平部14の間隙が適切に保持される。その結果、固定ボルト42の締め付けによるシール部材30の偏った圧縮を防ぎ、蓋取付部24に対するシール部材30からの反力も一定値となる。その結果、蓋20を箱体10に取り付けたときの、部分的な反力の増大による蓋取付部24の変形を防止するとともに、水平部14と蓋取付部24の間に挿入されたシール部材30の過圧縮による永久変形の防止ができる。これにより、シール部材30の再使用が可能となる。
また、本実施形態では、固定プレート41は、突出部47の内部に雌ネジが形成されたボルト固定部44をさらに有している。
このように、突出部47が雌ねじの機能(ボルト固定部44)とソリッドストップの機能の両方を兼ね備えているため、ソリッドストップの機能を有する部材をボルト固定部44とは別に設ける必要がない。よって、床下ダクト100の構造を簡略化することができる。
また、本実施形態に係る床下ダクト100では、箱体10の水平部14には第1リベット孔16が形成されており、固定プレート41は、第1リベット孔16と対応する位置に、ボルト固定部44の軸心に対して平行な軸心をもち、箱体10に対して水平方向に位置決めされる第2リベット孔45が形成されている。そして、床下ダクト100は、第1リベット孔16と第2リベット孔45を共に貫通するリベット46を備えている。
本実施形態に係る床下ダクト100はこのように構成されているため、リベット46を用いて固定プレート41を箱体10の水平部14に固定するだけで、固定プレート41の上下方向及び水平方向の位置決めを正確に行うことができる。さらに、固定プレート41は溶接ではなくリベット46を用いて箱体10に固定されているため、ボルト固定部44が破損した場合でも固定プレート41の交換を容易に行うことができる。
<連結吊りボルト取付機構>
次に、連結吊りボルト取付機構50について詳細に説明する。図9は、連結吊りボルト取付機構50を斜め下から見た分解斜視図である。なお、図9の紙面左上-右下方向が車幅方向であり、紙面右上-左下方向が車両長手方向である。図9に示すように、連結吊りボルト取付機構50は、連結吊りボルト52と、吊溝レール53と、裏当て板54と、を備えている。また、以下では、吊溝レール53の長手方向を「吊溝レール長手方向」と称し、吊溝レール53の幅方向を「吊溝レール幅方向」と称して説明を行なう。
連結吊りボルト52は、複数(本実施形態では2本)のボルト55と、これらのボルト55同士を連結する連結部材56と、を有している。ボルト55は、上下方向に延び雄ネジが形成された軸部57と、軸部57の上方に位置し軸部57が固定されたボルト頭58とを有している。ボルト頭58は、矩形板状の本体部59と、本体部59の吊溝レール幅方向両端部から上方に向かって延びる縦壁部60と、を有しており、吊溝レール長手方向から見てU字状の形状を有している。
連結部材56は、吊溝レール長手方向に延びており、隣接するボルト55同士を連結する部材である。連結部材56を含む連結吊りボルト52は全体が金属で形成されており、連結部材56は伸縮することなく隣接するボルト55の吊溝レール長手方向の間隔を保持できる一定以上の剛性を有する。また、連結部材56は剛性が低い板バネ状に形成されており、作業者が力を加えることで連結部材56を曲げ変形することもできる。なお、連結部材56は本実施形態に限らず、一部を切欠いたり、板厚を薄くしたり、剛性が低い素材を使用する等により、ボルトの間隔を維持しつつも変形を許容する剛性を有するように構成すればよい。
吊溝レール53は、内部に連結吊りボルト52が挿入される部材である。吊溝レール53は、吊溝レール長手方向から見て略矩形枠状の形状を有しており、上方部分に位置する天板部70と、天板部70の吊溝レール幅方向両端部からそれぞれ下方に向かって延びる側板部71と、各側板部71の下端部からそれぞれ吊溝レール幅方向内側に向かって延びる底板部72と、を有している。
また、吊溝レール53は、吊溝レール長手方向に延びる開口部73を有している。開口部73は両底板部72の間に形成されており、その吊溝レール幅方向寸法はボルト頭58の外径(吊溝レール幅方向寸法)より小さい。さらに、連結吊りボルト52の軸部57が開口部73を貫通している。吊溝レール53及び連結吊りボルト52は上記のように構成されているため、連結吊りボルト52は吊溝レール53内を吊溝レール長手方向に移動することができる。
連結吊りボルト52は、吊溝レール53に上方から支持されるとともに、下方へ軸部57を突出させている。図1に示すように、高圧電線61を挟持する複数のクリート51は、クリート固定部材62と下部クリート固定部材63で挟みこまれ、長ボルト64とナット65により互いに固定されている。また、図9に示すように、連結吊りボルト52の軸部57に吊りナット66を締め付けることにより、クリート固定部材62は連結吊りボルト52に固定されている。組み付けの順序は限らないが、例えば、高圧電線61を挟持したクリート51をクリート固定部材62に固定した後、吊りナット66を用いてクリート固定部材62を連結吊りボルト52に固定することで、高圧電線61が挟持されたクリート51を吊溝レール53に取り付けることができる。なお、連結吊りボルト52を用いて吊溝レール53に取り付けるものは高圧電線61が挟持されたクリート51に限らず、例えば床下機器箱やその他の機器であってもよい。
また、吊溝レール53は、吊溝レール長手方向両端部にボルト取出部74を有している。ボルト取出部74は、開口部73と同一面であって、両側板部71の間に位置している。ボルト取出部74はボルト頭58の外径(吊溝レール幅方向寸法)よりも広幅に開口している。さらに、連結吊りボルト52の連結部材56は、開口部73よりも吊溝レール幅方向寸法が小さく形成されている。そのため、連結部材56を変形させれば、ボルト取出部74においてボルト頭58を上下方向へ移動させることができる。
ただし、吊溝レール53は、ボルト取出部74に対応する部分に取付ナット75が取り付けられている。この取付ナット75は、取付ボルト76(図1も参照)と結合して、吊溝レール53を箱体10に取り付けるためのナットであるが、連結吊りボルト52のボルト取出部74への移動を規制する規制部として機能する。つまり、この取付ナット75が取り付けられている限り、連結吊りボルト52はボルト取出部74へ移動することができない。なお、規制部は取付ナット75に限られず、側板部71の一部を吊溝レール幅方向内側に突出させること等によって構成してもよい。
裏当て板54は、吊溝レール53の上面に固定される板材であり、図7に示すように蓋本体22の上面の外周部分に設けられているシール部材30を蓋20との間で挟んで水密機能を保持するための部材である。また、シール部材30は、図9に示すように吊溝レール53の側板部71に押圧するように裏当て板54に接着されている。図4に示すように、シール部材30は、水平部14と裏当て板54との隙間、及び、吊溝レール53の側板部71と蓋20の折返し部23との隙間を埋め、床下ダクト100の下面からの水の浸入を防いでいる。
裏当て板54にはリベット孔77が形成されており、このリベット孔77と吊溝レール53に設けられた図外のリベット孔を貫通する図外のリベットによって、吊溝レール53に固定されている。また、連結吊りボルト52のボルト頭58はU字状の形状を有しているため、連結吊りボルト52が移動する際にボルト頭58が上記のリベットに接触することはない。
なお、本実施形態では、連結吊りボルト取付機構50が床下ダクト100に設けられている場合について説明したが、連結吊りボルト取付機構50は他の部分に設けられていてもよい。例えば、連結吊りボルト取付機構50を鉄道車両101の車内に設け、内装品を取り付けるのに連結吊りボルト取付機構50を用いてもよい。
<連結吊りボルト取付機構に関する効果等>
本実施形態に係る連結吊りボルト52は、ボルト頭58の外径より狭幅であって吊溝レール長手方向に延びた開口部73を有する吊溝レール53に挿入され、機器を吊り下げ可能な吊りボルトである。そして、連結吊りボルト52は、吊溝レール53内を吊溝レール長手方向に移動し、その軸部57が開口部73を貫通する複数のボルト55と、複数のボルト55同士を連結し、隣接する各前記複数のボルト55の吊溝レール長手方向の間隔を保持する連結部材56と、を備えている。
このように、本実施形態に係る連結吊りボルト52は、連結部材56によって各ボルト55の吊溝レール長手方向の間隔が保持されるため、1つのボルト55を位置決めすれば、他のボルト55も位置決めされることになる。従来の構造において高圧電線61を車体に取り付ける場合、作業者は重量物である高圧電線61を持ち上げつつ、各吊りボルトとそれに対応する各ボルト孔との位置調整を都度行う必要があり作業効率性が悪かった。これに対し、本実施形態に係る連結吊りボルト52を用いれば、1つのボルト55の位置を決めれば車幅方向に隣接するボルト55の位置も定まるので、位置調整の回数が低減され、作業の負担が軽減される。また、各ボルト55が互いに連結されているため、ボルト55にナットを取り付ける結合時にボルト55がナットと供回りしにくい。
また、本実施形態に係る連結吊りボルト52は、開口部73と同一面の吊溝レール長手方向端部に、ボルト頭58の外径より広幅に開口したボルト取出部74が設けられた吊溝レール53に、挿入される吊りボルトである。そして、連結吊りボルト52は、連結部材56の変形により、ボルト取出部74においてボルト頭58の上下方向へ移動を許容している。
そのため、本実施形態に係る連結吊りボルト52によれば、ボルト取出部74からボルト頭58を下方に抜き出して連結吊りボルト52を吊溝レール53から取り外すことができる。また、これとは逆にボルト取付部74から連結吊りボルト52を吊溝レール53に組み付けることができる。
また、本実施形態に係る連結吊りボルト52では、連結部材56は、開口部73よりも幅寸法が小さく形成されている。
そのため、吊溝レール53から連結吊りボルト52を取り外す際に、連結部材56が開口部73の吊溝レール幅方向両側に位置する底板部72に引っ掛かることはない。よって、より容易に吊溝レール53から連結吊りボルト52を取り外すことができる。さらに、連結吊りボルト52を取り外す際に、連結吊りボルト52が大きく変形しないため連結吊りボルト52の再使用が可能となる。
また、本実施形態に係る連結吊りボルト取付機構50は、ボルト取出部74の溝内面に形成され、連結吊りボルト52のボルト取出部74への移動を規制する規制部(取付ナット75)を有する吊溝レール53と、吊溝レール53に挿入される連結吊りボルト52と、を備えている。
そのため、本実施形態に係る連結吊りボルト取付機構50によれば、吊溝レール53から連結吊りボルト52が脱落するのを防止することができる。
10 箱体
11 フレーム
12 開口部
14 水平部
16 第1リベット孔
20 蓋
21 ダクト通路
24 蓋取付部
30 シール部材
40 固定具
41 固定プレート
44 ボルト固定部
45 第2リベット孔
46 リベット
47 突出部
50 連結吊りボルト取付機構
52 連結吊りボルト
53 吊溝レール
55 ボルト
56 連結部材
57 軸部
58 ボルト頭
73 開口部
74 ボルト取出部
75 取付ナット(規制部)
100 床下ダクト
101 鉄道車両

Claims (3)

  1. 鉄道車両の床下に設けられ、ケーブルを含む電装品を格納する床下ダクトであって、
    上方に向かって凸の形状のフレーム、及び、下方に向かって開口した開口部を有する箱体と、
    前記開口部を閉塞し、前記箱体との間にダクト通路を形成する蓋と、を備え、
    車幅方向において前記箱体の端部は前記蓋の端部より外側に位置し、
    前記箱体は、前記ダクト通路から車幅方向外側に向かって水平に延びる水平部を有し、
    前記蓋は、前記ダクト通路から車幅方向外側に向かって水平に延びる蓋取付部を有し、
    前記水平部と前記蓋取付部は固定具により締結され、
    前記水平部と前記蓋取付部の間に挿入されたシール部材と、
    前記水平部の上面に面接触し、前記箱体に対して上下方向に位置決めされる固定プレートと、をさらに備え、
    前記固定プレートは、前記水平部に形成された締結孔を通った状態で、前記水平部の下面よりも下側に突出する突出部を有する、床下ダクト。
  2. 前記固定プレートは、前記突出部の内部に雌ネジが形成されたボルト固定部をさらに有する、請求項1に記載の床下ダクト。
  3. 前記箱体の前記水平部には第1リベット孔が形成されており、
    前記固定プレートは、前記第1リベット孔と対応する位置に、前記ボルト固定部の軸心に対して平行な軸心をもち、前記箱体に対して水平方向に位置決めされる第2リベット孔が形成されており、
    前記第1リベット孔と前記第2リベット孔を共に貫通するリベットをさらに備える、請求項2に記載の床下ダクト。
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