JP6998804B2 - 塩味増強剤及び塩味増強方法 - Google Patents

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Description

本発明は塩化ナトリウムの有する塩味の塩味増強剤及び塩味増強方法等に関する発明である。
近年、高血圧症や高血圧による合併症の予防等を目的に、食塩(ナトリウム分)の摂取量を抑制したいという要求が強い。しかし、食塩の量を削減すると、食品が味気ないものとなってしまうので、食塩の代わりに塩味を呈する、いわゆる代替塩や塩味を増強する塩味増強剤が求められている。
代替塩としては、塩化カリウムを用いることが最も一般的である。しかし、塩化カリウムは塩味以外に独特のエグ味、苦味を有し、食塩の代わりとして充分な素材とはいえない。
そこで、塩化カリウムの苦味をマスキングする、あるいは塩化ナトリウムが有している塩味を増強して、より食塩の味に近づけることが考えられる。
例えば、塩化ナトリウムの有する塩味の塩味増強剤及び塩味増強方法に関する先行技術として、特許文献1が挙げられる。但し、当該出願は、L-プロリンの使用を前提としており、当該L-プロリンの使用を前提とはしない他の塩化ナトリウム由来の塩味を増強する方法について検討する余地があった。
特開2016-158532
そこで、本発明は、塩化ナトリウム由来の塩味を増強する方法について、従来とは異なる新たな方法を開発することを課題とした。
本発明者らは、塩味の増強という点で種々の素材を試験したところ、海藻の一種である“あおさ”を酵素分解し、その蒸留物を含有する状態において塩化ナトリウムの塩味をより強く感じることを見出し本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本願第一の発明は、
「あおさ酵素分解物の蒸留物を含有する塩味増強剤。」である。
次にあおさ酵素分解物の蒸留物にさらにあおさ抽出物を含有することで相乗効果を期待できる。
すなわち、本願第二の発明は、
「あおさ酵素分解物の蒸留物及びあおさエキスを含有する塩味増強剤。」である。
さらに、請求項1及び2の塩味増強剤は、ジンジャー抽出物又はブラックペパー抽出物を含有するとより塩味増強が強まる。
すなわち、本願第三の発明は、
「さらに、ジンジャー抽出物又はブラックペパー抽出物を含有する請求項1又は2に記載の塩味増強剤。」である。
次に、本発明は塩化カリウムと併用して減塩効果を奏することも可能である。
すなわち、本願第四の発明は、
「前記塩味増強剤において、さらに、塩化カリウムを含有する請求項1~3のいずれかに記載の塩味増強剤。」である。
次に、本発明者らは塩化ナトリウム及びあおさ酵素分解物の蒸留物を含有する食塩組成物も意図している。
すなわち、本願第五の発明は、
「塩化ナトリウム及びあおさ酵素分解物の蒸留物を含有する食塩組成物。」である。
さらに、本発明者らは塩化ナトリウムとあおさ酵素分解物の蒸留物を併存させる塩味増強方法についても意図している。
すなわち、本願第六の発明は、
「塩化ナトリウム及びあおさ酵素分解物の蒸留物を併存させる塩味増強方法。」である。
本発明を利用することで塩化ナトリウムの塩味を増強することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明はこれらの実施の形態に限定されないことは勿論である。
─対象食品─
本発明の対象とする食品は、液状形態を有する食品全般を対象とする。具体的には、加工食品、スープ、飲料等の液状食品のあらゆる形態を対象とすることが可能である。
特に、即席麺や即席スープのような加工食品において好適に用いることができる。さらに、ソース、調味料等においても利用することができる。
─塩味増強剤─
本発明にいう塩味増強剤とは、それ自身で塩味を呈することはないが、同時に存在している塩化ナトリウム(食塩)の塩味を増強する効果を有する物質をいう。また、本発明にいう塩味増強方法とは、同時に存在している塩化ナトリウムの塩味を増強する方法をいう。本発明においてはあおさ蒸留物を含有することを特徴とする。
本発明の塩味増強剤の形態としては、上記の対象食品に添付する形態が挙げられる。具体的には対象食品が即席麺の場合、通常粉末又は液体の濃縮スープが添付される場合が多いが、当該濃縮スープ(粉末又は液体)にあおさ蒸留物及び食塩を含有させておく形態が想定される。
また、食塩については、粉末又は液体スープ又は即席麺の麺塊に含有させておき、喫食時に粉末又は液体スープを混ぜて溶解させて使用させることで、あおさ蒸留物と食塩を溶解させた併存状態とすることも可能である。
次に、あおさ酵素分解物の蒸留物に加えてジンジャー抽出物又はブラックペパー抽出物を利用する場合においては、当該ジンジャー抽出物又はブラックペパー抽出物が粉末の場合には粉末スープに含有させておくことができる。また、液体の場合には液体スープに含有しておくこともできる。さらに、上記の態様に限られず、種々の喫食形態が可能であることは勿論である。
─食塩組成物─
本発明においてはあおさ蒸留物に加えて食塩を含有する食塩組成物とすることも可能である。具体的には、即席麺に添付する液体スープのように、喫食する際に熱湯を注加してから、添加する濃縮された液体スープにおいて、あおさ蒸留物及び食塩を含有させておいておく形態が考えられる。
食塩とあおさ酵素分解物の蒸留物を含有する食塩組成物としておくことで、当該食塩組成物を加工食品の製造や料理に用いることで、製造後の加工食品や料理において食塩とあおさ酵素分解物の蒸留物を同時に存在させておくことができる。
予めこのような食塩とあおさ酵素分解物の蒸留物を含有する食塩組成物としておき、当該食塩組成物を使用することで喫食時に両者の併存させた状態を無理なく実現することができる。
このような濃縮液状スープが本発明にいう食塩組成物の例として挙げられる。さらに、当該食品組成物には香辛料抽出物も含有しておくことが好ましい。
─あおさ酵素分解物の蒸留物─
本発明の塩味増強剤はあおさ酵素分解物の蒸留物を含有することを特徴とする。本発明にいうあおさとは、食用に用いられる緑藻・アオサ目・ヒトエグサ科・ヒトエグサ属の緑藻をいう。
次に、使用する酵素については、プロテアーゼ、セルラーゼ、グルコシダーゼ、ペクチナーゼ等の種々の例を挙げることができる。
通常、あおさ(乾燥品)に水を加えて、当該あおさ溶液に対して各種酵素を添加する方法が有効である。また、本発明のあおさ酵素分解物とは種々の方法で製造することが可能である。例えば、一例として、あおさを粉砕機で粉砕した後において当該あおさの粉砕物1~5重量部に対して、pH6に調整した水(95~99重量部)に撹拌混合後、加熱(70~90℃)した後、冷却後に酵素(プロテアーゼ、セルラーゼ等)を前記あおさの混合物100重量部に対してプロテアーゼ及びセルラーゼを添加して、50℃で5時間~24時間程度酵素分解をする。これによって“酵素分解されたあおさ”を得ることができる。但し、上記の方法は一例でその他の種々の重量比や他の酵素を利用することも勿論可能である。
次に、当該酵素分解物を蒸留釜に仕込み、加熱することによってあおさ香気成分を気化させた蒸気を発生させ、当該蒸気を冷却管等を通過させることによって当該蒸気を凝縮することによって得られる液体をあおさ酵素分解物の蒸留物とする。
通常、100重量部のあおさ酵素分解物から10~30重量部程度の蒸留液を採取する。尚、得られた蒸留液についてはこのまま利用することができる。
また、当該蒸留物に対してゼラチン、デキストリン、あるいはコーンスターチなどの吸湿、固結防止剤を添加しスプレードライ等によって粉末化する方法や、また、デキストリン等の賦形剤を、得られる粉末に対し20~40重量%の高濃度となるよう添加し、スプレードライ等によって粉末化する方法も可能である。
─あおさ抽出物─
本発明においては、あおさ酵素分解物の蒸留物に加えてあおさ抽出物を併用することが好ましい。本発明におけるあおさ抽出物とは、種々の製造方法が可能である。
例えば、先に述べたあおさ酵素分解物を蒸留した後において、当該蒸留後に残った残渣に対してエタノール、水又はグリセリン等の溶媒を加えて、撹拌混合後、加熱して還流させることによって抽出を行う方法が挙げられる。
当該還流操作後において、溶媒抽出後の固形分を濾過や遠心分離で除いた後の液体部分をエキスとすることができる。
また、上記のようにあおさの酵素分解物を蒸留後のあおさの残渣を利用するものではなく、通常のあおさ自体を利用してもよいことは勿論である。
─ジンジャー又はブラックペパー抽出物─
本発明の塩味増強剤は、上記のあおさ酵素分解物の蒸留物を含有することを必須とするが、他に香辛料のうちの、ジンジャー又はブラックペパーの抽出物を含有することが好ましい。
ここで、ジンジャー又はブラックペパー(香辛料)抽出物とは種々のタイプが含まれるが、一例としてオレオレジンが挙げられる。すなわち、オレオレジンとはジンジャー又はブラックペパーを水、エタノールやアセトン又はヘキサン等の溶媒によって抽出を行い、抽出液から溶媒を留去して得られる半流動性樹脂状のものをいう。
当該ジンジャー又はブラックペパー抽出物は液状タイプとすることもできるし、抽出後においてスプレードライ等の方法によって粉末状にすることもできる。
本発明で利用するジンジャー又はブラックペパーの抽出物は、粉末・液状タイプのいずれも使用可能である。本発明においては、喫食の際、食塩、あおさ酵素分解物の蒸留物及び香辛料抽出物が併存するような状態になっていればよい。
─その他の含有物質─
本発明の塩味増強剤又は食塩組成物においては、他に無機塩や有機酸を含有してもよい。例えば、無機塩としては、硫酸マグネシウム等が挙げられる。また、有機酸としては、アスコルビン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等が挙げられる。
尚、本発明においては減塩効果のある無機塩として塩化カリウムを含有していてもよい。塩化カリウムによる塩味効果と併用することで食塩使用量をより減らして減塩に寄与することができる。
─塩味増強方法─
本発明においては、あおさ酵素分解物の蒸留物を用いた塩味増強方法についても意図している。本発明の塩味増強方法は、食品中にあおさ酵素分解物の蒸留物と塩化ナトリウムを併存させることによって塩味増強の効果を発揮する方法である。
塩化ナトリウムとあおさ酵素分解物の蒸留物を併存させる方法としては、特に限定されず、実際に喫食する際に塩化ナトリウムとあおさ酵素分解物の蒸留物の両者が併存する状態となれば充分である。このため、塩化ナトリウムとあおさ酵素分解物の蒸留物が別々の食品成分に含まれており、喫食時に両者が混合され同時に喫食される際に併存する場合も勿論可能である。
尚、本発明においてはあおさ抽出物やジンジャー又はブラックペパー抽出物が併存していることが好ましい。具体的な使用方法としては特に限定されず、喫食時に各成分が併存するように各食品を構成しておけばよい。すなわち、液体に溶解している状態であって、塩化ナトリウム、さらに、あおさ抽出物やジンジャー又はブラックペパー抽出物が併存している状態が好ましい。
─あおさ酵素分解物の蒸留物の喫食時の飲食物中の濃度─
あおさ酵素分解物の蒸留物の最終的な喫食時の飲食物中の濃度は、原料のあおさや水、酵素の配合割合等によっても異なるが、例えば、原料の乾燥された“あおさ”(1重量部)から水、酵素を利用して分解・抽出した後、蒸留して回収した蒸留液(6~8重量部)を用いる場合においては、喫食時において0.01~0.5重量%程度の濃度になるのが好ましい。また、さらに好ましくは0.05~0.2重量%程度である。
─あおさ酵素分解物の蒸留物と食塩の飲食物中における割合─
本発明においては喫食時においてあおさ酵素分解物の蒸留物と食塩を併存した状態で喫食することによって塩味を増強する効果を得るが、喫食時における、前記のあおさ酵素分解物の蒸留物(原料の乾燥あおさ(1重量部)から水、酵素を利用して分解・抽出した後、蒸留して回収した蒸留液(6~8重量部)の場合)と食塩の濃度割合は概ね1:2~1:12程度が好ましい。また、さらに、好ましくは1:3~1:6程度である。
─あおさ酵素分解物の蒸留物とあおさ抽出物の割合─
本発明においては喫食時において“あおさ酵素分解物の蒸留物”と“あおさ抽出物”を併存した状態で喫食することが好ましいが、喫食時において、あおさ酵素分解物の蒸留物とあおさ抽出物(実施例の試験例2で使用したもの)の濃度割合は概ね1:0.5~1:5程度が好ましい。また、さらに、好ましくは1:0.5~1:2程度である。
─あおさ酵素分解物の蒸留物とジンジャー又はブラックペパー抽出物の割合─
本発明においては喫食時において、前記の“あおさ酵素分解物の蒸留物”と“ジンジャー又はブラックペパー抽出物”を併存した状態で喫食することが好ましいが、喫食時において、“あおさ酵素分解物の蒸留物”と“ジンジャー又はブラックペパー抽出物(実施例の試験例2で使用したもの)”の濃度割合は概ね0.5×10:1~3×10:1程度が好ましい。また、さらに、好ましくは1.0×10:1~2.0×10:1程度である。
以下、本発明の実施例を記載する。本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<試験例1>あおさ酵素分解物の蒸留物による塩味増強効果(チキンスープ)
あおさ酵素分解物の蒸留物の塩味増強剤の塩味増強効果について比較した。各種成分は以下の方法で調製した。
・あおさ酵素分解物の蒸留物
あおさ酵素分解物は以下のようにして調製した。市販のあおさ(乾燥品)を購入し、当該あおさ(乾燥品)を粉砕機で粗く粉砕した。当該粉砕したあおさ18gに対して
pH6に調整した水を578.1g添加し、撹拌混合後85℃、30分間加熱した。当該あおさ溶液を水冷にて50℃まで冷却した後、酵素(天野エンザイム社製のプロテアーゼA「アマノ」SD及びエイチビィアイ株式会のセルロシンAC)をそれぞれ2.4g
及び1.5gを添加し、50℃で24時間酵素分解した。以上により“あおさの酵素分解物”を調製した。
当該“あおさ酵素分解物”全量を蒸留釜に入れて蒸留を行った。当該蒸留物は冷却管によって冷却してあおさ酵素分解物の蒸留液を120gとなるまで蒸留した。得られたあおさ酵素分解物の蒸留物を用いて塩味増強効果を確認した。また、塩味増強効果の評価用スープとして、以下のチキン系のスープを利用した。
Figure 0006998804000001

表1の評価用チキンスープ(100g)に対して、あおさ蒸留物を以下の表2の各添加量(試験例1-1~試験例1-6)を加えて、塩味の増強効果について試験した。
Figure 0006998804000002
具体的には、表1のコントロール及び減塩スープ(評価用チキンスープ)の2種類の配合を準備し、表1の減塩スープ(評価用チキンスープ)の配合に対して表2に記載の各試験区の添加量を加えて、コントロールの塩味を基準として塩味の増強効果を官能評価した。
また、官能評価においては、熟練のスープ開発担当者5名において官能評価に供した。さらに、官能評価においては、各試験区においてコントロールに対する塩味の増強の程度で評価した。
コントロールの塩味と同等の場合を評価を最高の5として、塩味の増強効果の効果を0~5の6段階で確認した(0:塩味の増強効果 小(無し) ⇔ 3:塩味の増強効果 中 ⇔ 5:塩味の増強効果 大)。また、評価の結果は表2の最下欄に示す。
結果として、あおさ酵素分解物の評価用チキンスープへの添加によって塩味の増強効果が見られた。但し、あおさ酵素分解物の蒸留物の添加量が多くなると、あおさ自体の風味が強くなっていくため全体の風味に影響し、塩味増強効果は添加量の増減による差は少なかった。
<試験例2>あおさ酵素分解物の蒸留物及び他の成分も含む各種配合の塩味増強効果(チキンスープ)
あおさ酵素分解物の蒸留物を含み、他の成分としてこれに適宜、あおさ抽出物、香辛料抽出物を含む場合における塩味増強剤の塩味増強効果について試験した。各種成分は
以下の方法で調製した。尚、あおさ酵素分解物の蒸留物については、試験例1に示したものと同様である。
・あおさ抽出物
あおさ抽出物は以下のように調製した。前述の蒸留終了後の残渣600gに対して、95%エタノールを上記仕込量の25%相当分である150g添加して撹拌混合後、還流抽出を行った。還流は82~86℃で2時間実施し、当該還流後において、3500rpmで20分間遠心分離して、上澄液を回収した。当該、回収後の上澄液をケイソウ土を適量添加し、撹拌混合後、東洋ろ紙No.2で濾過し、あおさ抽出物(エキス)とした。
・香辛料抽出物
香辛料抽出物は市販の各種香辛料のオレオレジンを利用した。具体的には、ジンジャーオレオレジン、ブラックペパーオレオレジン、カプシカムオレオレジン、ベイロールオレオレジンの4種類を利用した。
また、使用時には各香辛料オレオレジンの原液を0.1%に希釈したエタノール希釈液として各試験区において利用した。
上記のあおさ酵素分解物の蒸留物、あおさ抽出物、各種香辛料抽出物について種々の配合組成物を以下の表3に示すように調製した。
Figure 0006998804000003
上記各種配合組成物について、塩味増強効果を確認した。塩味増強効果の評価用スープとして、試験例1の場合と同様に表1に記載のチキン系のスープを利用した。当該評価用チキンスープに対して、表3の各配合1~6を以下の表4に記載する量添加して、塩味の増強効果について試験した。
Figure 0006998804000004

具体的には、表1のコントロール及び減塩スープ(評価用チキンスープ)の2種類の配合を準備し、表3に示す各試験区の配合物を、表1の減塩スープ(評価用チキンスープ)の配合に対して表4に記載の添加量を添加して、表1のコントロールの塩味を基準として塩味の増強効果を官能評価した。また、官能評価の方法は試験例1に示したものと同様である。評価の結果は表4の最下欄に示す。
結果として、あおさ酵素分解物の蒸留物に加えてあおさ抽出物(エキス)を添加することで塩味増強効果が強まった。また、香辛料抽出物のうちでは、あおさ酵素分解物の蒸留物に加えてジンジャーオレオレジン又はブラックペパーオレオレジンを添加することで塩味増強効果が強まった。
<試験例2> 各種配合の塩味増強効果(和風スープ)
試験例1の場合のチキンスープに変えて和風スープに対して表3の各種配合組成物を加えて試験した。使用した和風スープは表5に記載の態様によるものである。
Figure 0006998804000005
表5の評価用の減塩スープに対して、表3の各配合1~6を以下の表6に記載する量添加して、塩味の増強効果について試験した。
Figure 0006998804000006
具体的には、表5のコントロール及び減塩スープ(評価用の和風スープ)の2種類の配合を準備し、表3に示す各試験区の配合物を、表5の減塩スープ(評価用の和風スープ)の配合に対して表6に記載の添加量を添加して、表5のコントロールの塩味を基準として塩味の増強効果を官能評価した。また、官能評価の方法は試験例1に示したものと同様である。評価の結果は表6の最下欄に示す。
結果として、和風スープへの添加によっても塩味増強効果が見られた。本発明のあおさの酵素分解物の蒸留物が塩味増強が和風スープにおいても確認された。
<試験例3> 各種配合の塩味増強効果(和風スープ+塩化カリウム)
試験例2の場合の和風スープの場合において、食塩の一部を塩化カリウムに置換した和風スープ(低食塩含量の減塩タイプ)に対して表7の各種配合組成物を加えて試験した。
Figure 0006998804000007
表7の評価用和風スープに対して、表3の各配合1~6を以下の表8に記載する量添加して、塩味の増強効果について試験した。
Figure 0006998804000008
具体的には、表7のコントロール及び減塩スープ(塩化カリウム入り)(評価用の和風スープ)の2種類の配合を準備し、表3に示す各試験区の配合1~6を、表7の減塩スープ(評価用の和風スープ)の配合に対して表8に記載の添加量を添加して、表7のコントロールの塩味を基準として塩味の増強効果を官能評価した。また、官能評価の方法は試験例1に示したものと同様である。評価の結果は表8の最下欄に示す。
結果として、あおさ酵素分解物の蒸留物を含む各配合は、塩化カリウムを一部に使用した減塩和風スープに添加する場合にも塩味増強効果が見られた。本発明のあおさの酵素分解物の蒸留物を含む各種配合による塩味増強が、塩化カリウムを利用した減塩タイプ和風スープにおいても確認された。このように、本発明のあおさ酵素分解物の蒸留物を塩化カリウムを併用することで一層の減塩が可能となることが判明した。

Claims (5)

  1. あおさ酵素分解物の蒸留物及びあおさエキスを含有する塩味増強剤。
  2. 前記塩味増強剤において、さらに、ジンジャー抽出物又はブラックペパー抽出物を含有する請求項1に記載の塩味増強剤。
  3. 前記塩味増強剤において、さらに、塩化カリウムを含有する請求項1又は2に記載の塩味増強剤。
  4. 塩化ナトリウム、あおさ酵素分解物の蒸留物及びあおさエキスを含有する食塩組成物。
  5. 塩化ナトリウム、あおさ酵素分解物の蒸留物及びあおさエキスを併存させる塩味増強方法。
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比嘉賢一、山城利枝子,沖縄産海藻の新規利用法の開発―アナアオサ酵素分解液の用途開発―,沖縄県工業技術センター研究報告書,第5号,2003年,pp5~9

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