JP6998622B2 - ドライヤ - Google Patents
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Description
特に、ドライヤの使用状態(ハンドルが上下方向に延伸し、開状態ともいう)と、ドライヤの屈曲状態(ハンドルが前後方向に延伸する状態であり、閉状態ともいう)とにおいて、ハンドルがドライヤ本体に対して回動するのをリングによって規制する構造を有するドライヤ(例えば、特許文献1)が提案されている。
なお、この問題を解決するために、例えば、周縁部を厚くすると、ハンドルにヒケが生じるといった別の問題が生じる。なお、ヒケが出ないように周縁部を薄くすると、クラックが生じてしまう。
毛髪用の温度測定部を有するドライヤとして、「ファンにより吸引した空気をヒータにより温風に加熱して吐出するドライヤ本体と、該ドライヤ本体から吐出される温風により加熱される毛髪の温度を、該毛髪から発せられる赤外線をセンサにより感知して検出する毛髪温度検出手段と、該毛髪温度検出手段により検出された毛髪温度が所定温度に達したことを使用者に認識させる毛髪温度認識手段とを具備したことを特徴とするヘアドライヤ」が開示されている(例えば、特開平5-95813公報である)。
上記ドライヤは、ヒータを有する通風路とは別に副通風路を設け、副通風路に基板及び毛髪温度検出手段を設ける構成となっているため、流路を形成する部分の筐体サイズが大きくなってしまうといった問題がある。
このような事情に鑑みてなされたものであって、毛髪用の温度測定部を有するコンパクトなドライヤを提供することを目的とし、第1のドライヤは、吸気口及び吐出口を有する送風流路が形成された本体部と、前記送風流路に配置される送風部と、前記送風流路であって前記送風部より送風方向の下流側に配置される加熱部と、毛髪の温度を測定する温度測定部とを備え、前記温度測定部は前記本体部の側面に設けられている。
第2のドライヤは、第1のドライヤにおいて、前記温度測定部は、前記送風部の送風方向に沿って設けられている。これにより、毛髪の温度を正確に測定できる。
第3のドライヤは、第1又は第2のドライヤにおいて、前記本体部の側面に取り付けられる有底筒状のカバー部を備え、前記温度測定部は、前記本体部と前記カバー部の底部分との間に設けられている。これにより、意匠性を高めることができる。
第4のドライヤは、第3のドライヤにおいて、前記カバー部は、前記温度測定部を収容するための収容部分を有する。これにより、温度測定部をしっかりと固定できる。
第5のドライヤは、第1~第4の何れかのドライヤにおいて、前記送風部を制御し且つ前記本体部の前記側面に設けられる制御部と、前記制御部と前記温度測定部とが前記本体部の前記側面に形成された貫通孔を介して接続されている。これにより、配線を短くできる。
第6のドライヤは、第1~第5の何れかのドライヤにおいて、前記温度測定部の測定結果に応じて報知する報知部を備える。これにより、使用者が毛髪の温度を知り易くなる。
第7のドライヤは、第6のドライヤにおいて、前記報知部は、前記本体部の前記側面に設けられている。これにより、制御部又は制御部の近傍に報知手段を設けることができる。
第8のドライヤは、第1~第7の何れかのドライヤにおいて、前記温度測定部は、前記吐出口側において、前記吐出口の中心位置を通り且つ前記送風方向に沿った仮想線側を向く検出軸を有し、前記仮想線上において、前記吐出口の端部から10~20cm離れた位置に分布する温度分布領域に対して、前記検出軸を中心とする検出範囲の少なくとも一部が重なる。これにより、実使用における毛髪の温度を測定できる。
第9のドライヤは、第1~第8の何れかのドライヤにおいて、前記送風部は、駆動部と、該駆動部の出力軸に軸支された遠心ファンとを含む。これにより、ファンの回転音を抑えることができる。
1.ドライヤ
ドライヤAは、本体部1、送風部2、加熱部3及び温度測定部4を少なくとも備える。ここでのドライヤAは、グリップ部5、カバー部6A,6B、制御部7、電源部8等を備えている。
図1~図3に示すように、本体部1、グリップ部5及びカバー部6A,6Bとで、送風部2、加熱部3、制御部7、電源部8を収容する筐体を構成する。
ここで、ドライヤAについての方向は、特に説明がない場合は、グリップ部5が上下に沿うようにした、つまり、図1の状態を指し、本体部1が延伸する方向を前後方向、グリップ部5が延伸する方向であって前後方向と直交する方向を上下方向とし、前後方向と上下方向とに直交する方向を左右方向とする。
以下、各部について説明する。
(1)本体部
本体部1は第1方向に長い長尺状をしている。本体部1は、図2に示すように、吸気口11(図3参照)と吐出口12とを有する送風流路13をケース10内に有する。送風流路13には送風部2と加熱部3が配されている。
なお、送風流路13はケース10の内に形成され、加熱部3は送風部2の送風方向の下流側に位置する。
ケース10は、全体として、第1方向(送風方向)に長い矩形状をし、筒状部14と盤状部15とを有する。筒状部14は加熱部3を収容する。盤状部15は、中空円柱状をし、送風部2を収容する。なお、盤状部15の中心軸が延伸する厚み方向を第2方向とし、ここでは、第1方向と直交する。
筒状部14は、一端が盤状部15に接続され、他端が吐出口12となっている。なお、筒状部14の他端には、矩形状の吐出口91a(図1参照)を有し、筒状部14の筒軸の周りに回転可能にアタッチメント91が取付けられている。
盤状部15の端面は、図3及び図4に示すように、周縁側に位置する環状平坦部分151A,151Bと、環状平坦部分151A,151Bの内側に設けられ且つ盤状部15の中心軸の外方に突出する有底筒状部分152A,152Bを有する。盤状部15の一方の端面は、本体部の一方の側面を構成する。
有底筒状部分152A,152Bの周壁領域152Aa,152Baには複数個の貫通孔152Ab,152Bbが設けられ、本体部1の吸気口11の一部を構成する。有底筒状部分152Bの底壁領域152Bcには吸気口11を構成する貫通孔152Bdが形成されている。
盤状部15の環状平坦部分151Aには温度測定部4が配される。
盤状部15の有底筒状部分152Bは、図4に示すように、内側のLED181から出射された光が通過するための貫通孔152Adを有し、貫通孔152Adには透光カバー183が外側から嵌合する。なお、LED181からの光は、図6に示すように、カバー部6の有底筒状体63Aの貫通孔633、透光カバー65を通過して、外部へと出射される。
延伸部分156の前側にはクールボタン16が設けられている。クールボタン16は、押ボタンタイプであり、押している間だけ加熱部3をオフし、送風部2をオンする。これにより、加熱されていない風が本体部1の吐出口12から吹き出される。
送風部2は、図3に示すように、駆動モータ21と、駆動モータ21の出力軸に取り付けられた遠心ファン23とを備え、駆動モータ21が本体部1の盤状部15の有底筒状部分152Bにねじ29(図2の(a)参照)により取り付けられている。
加熱部3は、図2に示すように、本体部1の送風流路13内であって送風部2よりも送風方向の下流側に設けられている。加熱部3は、ヒータ31と、ヒータを実装するヒータ基板33と、ヒータ31付きのヒータ基板33を終了する耐熱パイプ35とを備え、耐熱パイプ35が筒状部14に取り付けられている。
温度測定部4は毛髪乾燥対象者の毛髪の温度を測定する。温度測定部4は、図1に示すように、本体部1の一方の側面(盤状部15の一方の端面)に設けられている。温度測定部4は送風部2の送風方向に沿って設けられている。温度測定部4は、図4に示すように、本体部1の側面(環状平坦部分151A)とカバー部6Aの底部分(例えば底壁部631Aや透光カバー65である)との間に設けられている。より具体的には、温度測定部4は、カバー部6Aの収容部612に収容された状態で、カバー部6Aが本体部1に取り付けられることで、本体部1に装着される。
温度測定部4は、図6及び図7に示すように、温度センサ41と、温度センサ41を実装し且つ接続端子431が設けられたセンサ用基板43と、温度センサ41を保護するセンサカバー45とを備える。なお、センサ用基板43とセンサカバー45とはねじ47により一体化される。
つまり、温度センサ41の検出軸Xが、乾燥対象者の毛髪における高温となる領域と交差するように、設けられている。毛髪が高温となる領域は、ドライヤAの吐出口から送風方向に吐出口から5~30cm、好ましくは10~20cm離れている。
検出軸X上に筒状部14は存在せず、検出軸Xは筒状部14と交差しない。また、第2方向(側方)から見たとき筒状部14の筒軸の延長線と検出軸Xとは交差せず、第3方向(上方)から見たとき筒状部14の筒軸の延長線と検出軸Xとが交差する。なお、筒軸と検出軸Xとは交差するようにしてもよい。
より具体的には、温度測定部4は、吐出口12の中心位置を通り且つ送風方向に沿った仮想線Y上において、吐出口12の端部(アタッチメント91)から10~20cm離れた位置に分布する温度分布領域Rに対して、検出軸Xを中心とする検出範囲Qの少なくとも一部が重なるように、設けられている。
ここでの温度分布領域Rは、高温領域R1、中温領域R2、低温領域R3を含む。高温領域R1は、例えば68度以上の温度範囲にある領域をいう。中温領域R2は、例えば65度以上68度未満の温度範囲にある領域をいう。低温領域R3は、例えば55度以上~65度未満の温度範囲にある領域をいう。なお、温度センサ41の検出結果は制御部7に出力される。
検出範囲Qの少なくとも一部が重なる温度分布領域Rは高温領域R1が好ましい。これは、熱により毛髪がダメージを受けるのは高温であるためであり、熱の観点からは中温領域R2と重なるようにしてもよい。
グリップ部5は、図1に示すように、本体部1から第3方向に延伸し、本体部1に対して屈曲自在に設けられている。第3方向は第1方向と交差する方向である。具体的には、第3方向は、第1方向と第2方向とに直交する方向に対して傾斜する方向である。
グリップ部5は、中空の柱状をし、その一端側が本体部1の延伸部分156に取り付けられている。グリップ部5は、第2方向に中央で切断された2つのグリップ体5A,5Bから構成され、グリップ体5A,5Bのピン部が本体部1の延伸部分156のボス孔に嵌合する。これにより、グリップ部5は、第2方向に延伸する仮想軸廻りに回動自在となる。
メインスイッチ53においてセット運転又はターボ運転が選択されている状態で、クールボタン16が操作されると、強制的にクール運転(加熱部3がオフ、送風部2がオン)される。
グリップ部5は内部に電源部8を収容する。グリップ部5は、電源部8の電源基板81を支持するリブを複数有する。
カバー部6A,6Bは、図4に示すように、本体部1の盤状部15の側面に取り付けられる。カバー部6A,6Bは近い構造を有するため、カバー部6Aが示されている図6及び図7を用いて説明する。このため、ここで説明されているが、カバー部6Bの符号が図6及び図7に示されていない場合もある。また、共通の構成については、「A」又は「B」を付していない。
カバー部6A,6Bは、リング状体61A,61Bと、有底筒状体63A,63Bとを備える。
ここでのカバー部6A,6Bは、リング状体61A,61B、有底筒状体63A,63Bの他、有底筒状体63A,63Bの底壁部631A,631Bを覆う透光カバー65と、透光カバー65と有底筒状体63A,63Bとの隙間を埋める隙間リング体67を備える。
リング状体61A、61Bは、図6及び図7に示すように、リング部611A,611Bを有する。リング状体61Aは、温度測定部4を収容する収容部612を有する。つまり、リング状体61Aは、リング部611Aと収容部612とを一体で有する。なお、リング状体61Bは、図1の(b)に示すように、収容部612を有さない、横断面形状が周方向の一体であるリング部611Bを有する。
リング部611A,611Bは横断面が第2方向の外方に張り出す「V」字状をしている。リング部611A,611Bには、リング状体61A,61Bを本体部1の側面に固定するための固定部613が設けられている。固定部613は、内壁の本体部1側の端縁から延伸して、本体部1の側面の貫通孔151a(図4参照)に係合する係合片により構成されている。
収容部612は、図7に示すように、温度測定部4を第3方向の両側から支持する上壁612aと、下壁612bと、温度測定部4を第2方向の本体部1と反対側から支持する横壁612cと、温度測定部4を第1方向の吐出口12と反対側から支持する裏壁612dを有する。
上壁612aと下壁612bには、温度測定部4(センサカバー45)の上端と下端との突条部分451が嵌合する嵌合溝612eが設けられている。これにより、温度測定部4が収容部612に位置決めされる。
有底筒状体63A,63Bは、図6及び図7に示すように、底壁部631A,631Bと周壁部632とを有する。
有底筒状体63Aは、報知部18から出射された光を外部に出射するための貫通孔633Aを底壁部631Aに有している。ここでは、貫通孔633Aは複数個のスリットにより構成されている。有底筒状体63Bは、図3に示すように、吸気口11を塞がないように貫通孔633Bを底壁部631Bに有する。
有底筒状体63A,63Bは、図6及び図7に示すように、透光カバー65を固定するための固定部634を有する。ここでの固定部634は本体部1側に突出するボス部の貫通孔により構成される。透光カバー65の凸部652が貫通孔(634)に嵌合する。なお、凸部652の貫通孔に本体部1側からピン639が圧入される。
有底筒状体63A,63Bは、有底筒状体63A,63Bを本体部1に固定するための固定部637を周壁部632の開口側の端縁に有する。固定部637は周方向に間隔をおいて複数個ある。固定部637は、本体部1側に延伸して本体部1の貫通孔151b(図4参照)に係合する係合爪により構成される。
透光カバー65は透光性樹脂材料により構成されている。ここでの透光カバー65は、円盤状をし、その中心が第2方向の外方へと膨らむ形状をしている。透光カバー65の内面、つまり、本体部1側の面に、有底筒状体63A,63Bに固定される凸部652を有する。
隙間リング体67は、周方向に間隔をおいて有底筒状体63A,63Bの貫通孔又は凹み638に嵌合する凸部671を複数個有する。これにより、隙間リング体67の有底筒状体63A,63Bに対する回転が規制される。隙間リング体67の有底筒状体63A,63Bと反対側には、透光カバー68の周縁が嵌る段差部673(図6参照)を有する。なお、隙間リング体67は、有底筒状体63A,63Bに当接する状態で、本体部1側からピン639により透光カバー65が固定されることで、有底筒状体63A,63Bに固定される。
制御部7は、図3に示すように、本体部1のカバー部6A側の有底筒状部分152Aの内側に配されている。つまり、制御部7は、温度測定部4に近い部位に配されている。
制御部7は、制御基板71と、制御基板71に実装された複数個の電子部品(図示省略)とを備え、制御基板71がねじ79により本体部1(盤状部15の一方の側面)に固定されている。なお、制御基板71は、本体部1の盤状部15の一方の側面と対向するように配され、カバー部6A側の面にはLED181が実装されている。
電子部品は、EEPROM、RAM等の記憶部品やマイクロコンピュータ等である。記憶部品は、毛髪乾燥のための各種乾燥コースを行うためのコンピュータプログラムを記憶したり、コンピュータプログラムの実行に用いられる各種パラメータ等を記憶している。パラメータとしては、例えば、図10のテーブルT1、T2の送風条件等がある。マイクロコンピュータは、記憶部品に記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより、各種の乾燥コースに対応して送風部2や加熱部3を制御する。
制御部7は、使用者によりクールボタン16がオンされると、メインスイッチ53で選択された乾燥コースを実行中であっても、後述のクールコースの実行を優先して行う。なお、クールコースを実行することをクール運転ともいい、メインスイッチ53で選択された乾燥コースを実行することをメイン運転ともいう。
制御部7は、使用者によりメインスイッチ53が操作されると、選択されたメイン運転を行う。なお、ここでのメイン運転の一例は、後述のクール運転、セット運転、ターボ運転の3種類である。
制御部7は、使用者によりヒートアイスイッチ55がオン、つまり、有効にされると、ヒートアイコースを実行する。制御部7は、メイン運転中にヒートアイスイッチ55がオンされると、ヒートアイコースを優先して実行する。制御部7は、ヒートアイコース中にクールボタン16がオンされると、クールコースを優先して実行する。なお、ヒートアイコースを実行することをヒートアイ運転ともいう。
換言すると、ヒートアイ運転は、当初高温強風運転をし、毛髪の温度が所定の第1温度(T1)に達すると中温中風運転に切り替え、毛髪の温度が所定の第2温度(T2)まで下がると低温強風運転に切り替える制御である。これにより、乾燥対象の毛髪のダメージを抑えることができる。なお、上記の高温強風運転、中温中風運転及び低温強風運転の3つを行うことでダメージ抑制効果が大きくなる。また、高温強風運転、中温中風運転及び低温強風運転を連続することで毛髪温度にしたがった毛髪の乾燥を自動的に行うこともできる。
送風条件は、送風温度や送風量である。ここでは、送風部2の風量や加熱部3の温度の制御は乾燥コースに対応した風量及び温度のパラメータを電源部8に出力し、電源部8がパラメータに基づいて例えばPWM制御等により乾燥コースに対応した風量及び温度の電力を送風部2と加熱部3に供給する。
制御部7は、ヒートアイコースの場合、測定した毛髪の温度に対応した光色でLED181を発光させる。ここでの制御部7は、乾燥コースに対応した電流を例えばPWM制御等により生成して各LED181に供給する。
電源部8は、図2に示すように、グリップ部5の内側に配されている。電源部8は、コンセントに接続される電気ケーブル89と接続される。電源部8は、送風部2、加熱部3、温度測定部4及び制御部7に供給する電力を生成する。なお、送風部2及び加熱部3に供給する電力は制御部7の指示にしたがって例えばPWM御により生成する。電源部8は、電源回路を構成する複数個の電子部品と、複数個の電子部品を回路構成して実装する電源基板81と、制御部7等と接続するための接続端子83とを備える。
電源部8は、メインスイッチ53とヒートアイスイッチ55と電気的に接続されている。つまり、メインスイッチ53とヒートアイスイッチ55の信号は電源基板81を介して制御部7に出力される。
なお、電源部8は、グリップ部5を構成するグリップ体5A,5Bにより電源基板81が挟持されることで、取付けられている。
図5を用いて説明する。
なお、図5の(b)において、便宜上、ケーブルK1,K2,K6の重なった部分も1本で示している。
(1)電源部と制御部
制御部7と電源部8とは、同図の(b)に示すように、ケーブルK1により接続される。ケーブルK1により、制御部7への電力供給が行われるほか、メインスイッチ53及びヒートアイスイッチ55の信号が電源部8から制御部7に出力され、各乾燥コースの送風条件が制御部7から電源部8へと出力される。
電源部8と加熱部3は、同図の(b)に示すように、ケーブルK2により接続される。これにより、加熱部3への電力供給が行われる。
電源部8と送風部2は、同図の(a)に示すように、ケーブルK3により接続される。これにより、送風部2への電力供給が行われる。なお、同図の(a)では、駆動モータの図示は省略している。
なお、加熱部3における吐出口12側には温度センサが設けられ、当該温度センサの出力結果が、同図の(b)に示すケーブルK5を介して制御部7へと出力される。制御部7は、吐出空気の温度が過度に上昇すると、加熱部3への電力供給を停止するように電源部8に指示する。
制御部7と温度測定部4は、同図の(b)に示すケーブルK4により接続される。制御部7と温度測定部4とは盤状部15の一方の側面を利用して取り付けられ、ケーブルK4は側面(環状平坦部分151A)の貫通孔151cを挿通する。
(4)制御部とクールボタン
制御部7とクールボタン16とは、同図の(b)に示すようにケーブルK6により接続される。
(5)その他
本体部1は、上記の電気接続を行うために、例えば立設壁部を利用したスリットや係合溝を備える。スリットや係合溝にはケーブルが嵌る。本体部1は、盤状部15内に送風部2の遠心ファン23の回転領域の外周側に区画壁157を有する。制御部7と電源部8とを接続するケーブルK1、電源部8と加熱部3とを接続するケーブルK2、電源部8と送風部2とを接続するケーブルK3及び制御部7とクールボタン16とを接続するケーブルK6は、区画壁157と盤状部15の外壁部との間に配される。これにより、ケーブルが遠心ファン23に巻き込まれることを防止できる。
(1)メイン制御
制御部7のメインルーチンについて図9を用いて説明する。
制御部7は、クールボタン16、メインスイッチ53及びヒートアイスイッチ55の何れかから入力がある(S1において「Yes」である)と、その入力がクールボタン16のオンによる場合(S2において「Yes」である)、クール運転をクールボタン16がオフされるまで行い(S3、S4における「No」である)、クールボタン16がオフされる(S4における「Yes」である)と、ステップS1に戻る。
制御部7は、ステップS1での入力が、クールボタン16、メインスイッチ53からでなく(S2及びS5において「No」である)、ヒートアイスイッチ55による場合、ヒートアイ運転を行った(S7である)後、ステップS1に戻る。
(2-1)メイン運転(S6)
メイン運転は、例えば、図10の(a)に示すテーブルT1に示すように、クール運転、セット運転及びターボ運転の3種類がある。なお、クールボタン16のオンによるクール運転は、メイン運転でのクール運転と同じ条件であり、その説明を省略する。
クール運転はヒータ31が低温(オン)で駆動モータ21が中風である(低温中風運転)。セット運転はヒータ31が中温(オン)で駆動モータ21が弱風である(中温弱風運転)。ターボ運転はヒータ31が中温(オン)で駆動モータ21が強風である(中温強風運転)。
風量は、駆動モータ21が弱風、中風、強風の順で強くなり、駆動モータ21に供給される電力により制御される。温度は、低温、中温、高温の順で高くなり、ヒータ31に供給される電力により制御される。
制御部7は、メインスイッチ53から、クール運転、セット運転又はターボ運転の選択が入力されると、図10に示すテーブルT1から対応する運転のヒータ31と駆動モータ21の条件を読み出し、運転を実施する(S61)。具体的には、読み出した条件で運転するように電源部8に指示し、電源部8は指示された条件の電力を送風部2と加熱部3に供給する。
ステップS62において、クールボタン16がオンされていない場合(「No」である)、ステップS65において、ヒートアイが有効か否か(ヒートアイスイッチ55がオンされているか否か)を判定する。
メインルーチンのステップS7(図9参照)のヒートアイ運転、メイン運転(S6)中のステップS66(図11参照)のヒートアイ運転は、基本的に同じフローチャートであり、ここでは、ステップS7でのヒートアイ運転について説明する。
ヒートアイ運転は、例えば、図10の(b)のテーブルT2に示すように、高温強風運転、中温中風運転及び低温強風運転の3つの運転を自動的に行う。
高温強風運転は、毛髪を早期に乾燥させるためのものであり、ヒータ31がオン(高温)で駆動モータ21が強風で報知部18の発光色は赤色である。
中温中風運転は、毛髪へのダメージを抑制しつつ乾燥させるものであり、ヒータ31がオン(中温)で駆動モータ21が中風で報知部18の発光色は橙色である。
低温強風運転は、毛髪を空気だけで乾燥させるためのものであり、ヒータ31がオフ(低温)で駆動モータ21が強風で報知部18の発光色は青色である。
制御部7は、ヒートアイ運転(S7)が開始すると、図10の(b)に示すテーブルT2から対応するヒータ31及び駆動モータ21の条件並びにLED181の発光色を読み出し、高温強風運転を実施する(S70)。より具体的には、読み出した条件で運転するように電源部8に指示し、電源部8は指示された条件の電力を送風部2及び加熱部3に供給する。なお、LED181へは制御部7が供給する。
無効にされている場合(「Yes」である)、ヒートアイ運転を停止すべくメインルーチンのS1に戻り、無効にされていない場合(「No」である)、高温強風運転を継続しつつステップS71に進む。
ステップS71において、毛髪温度Tが第1温度T1以上であれば(「Yes」である)、テーブルT2から対応するヒータ31及び駆動モータ21の条件並びにLED181の発光色を読み出し、中温中風運転を実施して(S73)、ステップS74に進む。
無効にされている場合(「Yes」である)、ヒートアイ運転を停止すべくメインルーチンのS1に戻り、無効にされていない場合(「No」である)、中温中風運転を継続しつつステップS74に進む。
ステップS74において、毛髪温度Tが第2温度T2以上であれば(「Yes」である)、テーブルT2から対応するヒータ31及び駆動モータ21の条件並びにLED181の発光色を読み出し、低温強風運転を実施して(S76)、ステップS77に進む。
無効にされている場合(「Yes」である)、ヒートアイ運転を停止すべくメインルーチンのS1に戻り、無効にされていない場合(「No」である)、低温強風運転を継続しつつステップS77に進む。
ステップS77において、毛髪温度Tが第3温度T3以下であれば(「Yes」である)、ヒートアイ運転のすべての工程が終了し、メインルーチンのステップS1に進む。
なお、ステップS66でのヒートアイ運転の場合、図12において、ステップS72、S75、S78でヒートアイが無効にされているときに、ステップS1でなく、ステップS67に進む。
なお、一例としての第1温度T1は36度であり、第2温度T2は40度であり、第3温度T3は31度であるが、送風部2及び加熱部3の性能に合わせて適宜変更してもよい。
温度測定部4の位置について図13を用いて説明する。同図の(a)はアタッチメントが装着されていない状態で、(b)はアタッチメントが装着されている状態である。
図13は、吐出口の中心位置を通り且つ送風方向に沿った仮想線Y(図8参照)上において、吐出口の端部から10~20cm離れた位置に分布する高温領域と検出軸X(図8参照)とが同じ位置S1で重なるように、温度測定部を設けた図である。
温度測定部4Aを本体部1の上面に設ける場合、筒状部14の影響で本体部1から上方に離れた位置となり、意匠的に劣るものとなり、さらに、本体部1から張り出し量が大きくなり、損傷しやすい。また、制御部7との距離が長くなり、配線も長くなる。
温度測定部4Bをグリップ部5の本体部1側に設ける場合、グリップ部5に埋設できるため、意匠性に優れたものとなり、損傷し難い。しかしながら、グリップ部5を使用者が把持した際に、温度測定部4Bの前方が指で塞がれるおそれがある。また、グリップ部5は本体部1に対して屈曲(回転)可能であるため、屈曲状態が不十分な場合、検出軸がずれてしまい、正確な温度測定ができない可能性もある。
また、図示していないが、本体部1とグリップ部5との結合部分に温度測定部を設ける場合、意匠性に優れ、損傷し難く、使用者の指で温度測定部が塞がれるおそれも少ない。しかしながら、結合部分には、回動自在とするための構造(グリップ体5A,5Bのピン部や本体部1の延伸部分156のボス孔)があり、配線等が難しい。
図示していないが、加熱部3を収容する筒状部14の先端部分に温度測定部を設けると、筒状部14から径方向に張り出す状態となるため意匠性が劣るものとなる。また、加熱部3の内部又は加熱部3の周辺部に配線する必要があり、耐熱用のケーブルが必要となる。また、吐出風による温度の影響を受けやすい傾向にある。
温度測定部4は、本体部1の側面に設けられている。これにより、意匠性に優れ、温度の影響や使用者の指の影響を受けることがない。また、本体部1の側面は幅方向の外方に有底筒状に張り出している。温度測定部4は、その周壁を利用して設けられているため、損傷するおそれもなく、張出部分を利用しているため意匠性に特に優れている。
ドライヤは、本体部に対してグリップ部が屈曲自在に取り付けられている取付部分(連結部)の耐久性が劣る傾向にある。
特に、ドライヤの使用状態(ハンドルが上下方向に延伸し、開状態ともいう)と、ドライヤの屈曲状態(ハンドルが前後方向に延伸する状態であり、閉状態ともいう)とにおいて、ハンドルがドライヤ本体に対して回動するのをリングによって規制する構造を有するドライヤ(例えば、実願昭60-19857公報)が提案されているが、その構造には以下のような課題がある。
つまり、ハンドルの回動時にリングが周縁部に加える負荷により回動を規制するため、その負荷が大きいと周縁部にクラックが生じ、負荷が小さいと回動が規制できないという問題がある。この問題を解決するために、例えば、周縁部を厚くすると、ハンドルにヒケが生じるといった別の問題が生じる。なお、ヒケが出ないように周縁部を薄くすると、クラックが生じてしまう。
以下、グリップ部の回動を規制できると共に、クラックやヒケが発生するのを抑制できる節度構造を有するドライヤを説明する。なお、実施形態と同じ構造・構成については、図面に現れていなくても同じ符号を用いる。
ドライヤは、吸気口から吸気した空気を加熱して吐出口から吐出する本体部と、本体部に回動自在に取り付けられたグリップ部と、本体部に対してグリップ部の回動(屈曲)を規制する節度構造とを有する。
節度構造は、本体部とグリップ部との間に配された第1係合体と、グリップ部の回動に応じて第1係合体と係合する第2係合体と、第2係合体が変形するのを規制する規制体とを備える。
ドライヤにおいて、第1係合体は環状をし、第2係合体は、環状をすると共に第1係合体の内側又は外側に位置し、規制体は、第2係合体の径方向であって第1係合体が位置する側と反対側に設けられている。
ドライヤBは、図14及び図15に示すように、本体部1001、グリップ部1005、節度構造を有する。ここで、グリップ部が本体部に対して回動する回動軸を、単に回動軸や回転軸という。
節度構造において、第1係合体1030は環状をし、第2係合体1514Bは第1係合体1030の外側に位置して環状をし、規制体1040は、第2係合体1514Bの径方向の外側に配され、第2係合体1514Bの外周面部分に当接するように設けられている。
ここでは、本体部1001を構成する本体ハウジング1002の連結部1021に第1係合体1030が設けられ、グリップ部5を構成するグリップハウジング1051(1051A、1051B)に第2係合体1514が設けられる。
本体ハウジング1002とグリップハウジング1051は、難燃性樹脂により構成されている。難燃性樹脂としては、例えば、ABS樹脂に、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の金属水和物混合させた樹脂等がある。
(1)連結部
主に図14及び図15を用いて説明する。
連結部1021は、盤状部15からグリップ部1005側に延伸している。なお、連結部1021は、実施形態の延伸部分156に相当し、本体部1001を構成する本体ハウジング1002に設けられている。
本体ハウジング1002は、本体右ハウジング1002Aと、本体左ハウジング1002Bとからなる。このため、連結部1021は、本体右ハウジング1002A側の右連結部1021Aと、本体左ハウジング1002B側の左連結部1021Bとからなる。ここでは、ドライヤBの吐出口12を真正面にドライヤBを見た状態で、向かって右側を「右」としている。
右連結部1021Aには、グリップ部1005を構成するグリップハウジング1051のグリップ右ハウジング1051Aが取り付けられる。
右連結部1021Aは、平坦部分1211Aと、平坦部分1211Aの中央に形成され且つ左右方向に延伸する中空状のボス部分1212Aと、平坦部分1211Aにおけるボス部分1212Aの周辺に形成され且つグリップ右ハウジング1051A側に突出する2個の突起部分1213Aとを有する。
左連結部1021Bには、グリップ部1005を構成するグリップハウジング1051のグリップ左ハウジング1051Bが取り付けられる。
左連結部1021Bは、平坦部分1211Bと、平坦部分1211Bの中央に形成され且つグリップ左ハウジング1051Bに向かって楕円状に延伸する軸支部分1212Bと、軸支部分1212Bに軸方向(左右方向)に沿って形成された溝部分1213Bと、平坦部分1211Bの外縁側に形成され且つグリップ左ハウジング1051Bに向かって延伸する延伸部分1214Bとを有する。
平坦部分1211Bにおける軸支部分1212Bの内側は貫通孔となっている。平坦部分1211Bであって軸支部分1212Bの溝部分1213Bに対応する部分は貫通孔又は凹みとなっている。
延伸部分1214Bは周方向に連続する円環状に延伸している。延伸部分1214Bは軸支部分1212Bに対して径方向に離間しており、延伸部分1214Bと軸支部分1212Bとの間に第1係合体1030と第2係合体1514Bと規制体1040とが位置する。なお、延伸部分1214Bは、規制体1040に近接又は当接している。これにより、規制体1040のグリップ左ハウジング1051Bの平坦部分1211Bに容易に配置することができる。なお、延伸部分1214Bは周方向に不連続な環状(周方向に隙間が存在する環状)であってもよい。
図15を用いて説明する。
第1係合体1030は、円環状をしている。換言すると、第1係合体1030は、筒軸方向の寸法が小さい円筒状をしている。第1係合体1030は、円環状の本体部1031と、左連結部1021Bの軸支部分1212Bの溝部分1213Bに嵌合する嵌合部1032と、グリップ左ハウジング1051Bの第2係合体1514Bに係合する第1係合部1033とを有する。
第1係合体1030はその筒軸が回動軸と一致するように左連結部1021Bに装着される。
第1係合体1030は樹脂材料により構成されている。樹脂は、本体ハウジング1002やグリップハウジング1051を主に構成している樹脂材料であって、金属水和物を含まない又は本体ハウジング1002やグリップハウジング1051より金属水和物の含有量が少ない材料であり、例えば、POM等がある。
第1突起部分1033は、本体部1031の外周面であって筒軸を挟んで対向する部位から突出する。第1突起部分1033は筒軸方向に沿って設けられている。第1突起部分1033は2個あり、2個の第1突起部分1033を結ぶ仮想線は2個の嵌合部1032を結ぶ仮想線と直交する。
左連結部1021Bの溝部分1213Bは、楕円状の軸支部分1212Bの長軸上に位置しているため、本体部1031の内周面は軸支部分1212Bの外周面と短軸上とその周辺部分で離間する。つまり、第1係合体1030は、軸支部分1212Bとの間に隙間を有する状態で、左連結部1021Bに装着されている。これにより、第2係合体1514の第2突起部分1517Bが第1突起部分1033を乗り越える時に、本体部1031が径方向の内側へと弾性変形可能となる。
(3-1)グリップ右ハウジング
図14を用いて説明する。
グリップ右ハウジング1051Aは、円筒状に延伸して右連結部1021Aのボス部分1212Aに回動可能に嵌合する円筒ボス部1511Aと、円筒ボス部1511Aの外周側に形成され且つ右連結部1021Aの平坦部分1211Aに当接する円環状部1512Aと、円環状部1512Aから周方向に間隔をおいて径方向に延伸する2つのリブ部1513Aとを有する。
円筒ボス部1511Aは、右連結部1021Aに嵌合し、グリップ左ハウジング1051B側から挿入されるねじ1045(図15参照)と螺合するねじ部を内周面に有する。
2つのリブ部1513Aは、グリップ部1005の回動の際に右連結部1021Aの突起部分1213Aに当接する。これにより、使用時にグリップ部1005がさらに開く方向に回動するのを規制し、屈曲時にグリップ部1005がさらに閉じる方向に回動するのを規制する。
図15を用いて説明する。
グリップ左ハウジング1051Bは、先細りの段付き円筒状に延伸する円筒ボス部1510Bを有している。先端側の小径筒部分1511Bは左連結部1021Bの軸支部分1212Bに嵌合し、大径筒部分1512Bの端面(段差部分)は軸支部分1212Bの端面に当接する。なお、円筒ボス部1510Bの内部空間はねじ1045が挿通する。
グリップ左ハウジング1051Bは、大径筒部分1512Bの外周から径方向に延伸するリブ部1513Bを有している。リブ部1513Bは周方向に間隔をおいて複数個形成されている。リブ部1513Bは左連結部1021Bに装着されている第1係合体1030の端面に当接又は近接する。これにより、第1係合体1030は左右方向に位置決めされる。
第2係合体1514Bは、円環状(円筒状)部1515Bと、円環状部1515Bに形成され且つ第1係合体1030の第1係合部1033に係合する第2係合部1516Bとを有する。
第2係合部1516Bは、第1突起部分1033の数に対応して設けられ、ここでは、2個の第1突起部分1033に対応して2個ある。1個の第2係合部1516Bは、径方向に突出する2個の第2突起部分1517Bを、第1突起部分1033を収容できる間隔をあけて周方向に有する。第2突起部分1517Bは、径方向の内方(第1係合体1030側)に向かって突出し、円環状部1515Bの内周面に形成されている。
第2係合体1514Bは、必須の構成ではないが2個の第2係合部1516B間であって円環状部1515Bの外周面に凹入部1518Bを有している。
規制体1040は、図15に示すように、円環状をしている。規制体1040は、本体ハウジング1002やグリップハウジング1051を構成している材料よりも機械特性が高い材料、例えば、金属により構成されていることが好ましいが、本体ハウジング1002またはグリップハウジング1051を構成している材料と同程度の機械特性を有する材料であってもよい。
規制体1040は、グリップ左ハウジング1051Bの円環状の第2係合体1514Bに嵌合する(覆う)状態で、左連結部1021Bの延伸部分1214Bの内側に配される。なお、嵌合した状態では、規制体1040は、周方向に隣接する2個の第2係合部1516B間の領域(つまり、凹入部1518B)の外周面と離間する状態で、設けられている。これにより、円環状部1515Bに嵌合する規制体1040として金属材料を用いても、使用時の熱応力を緩和できる。
グリップ部1005の屈曲による第1係合体1030と第2係合体1514Bとの係合状態について図16を用いて説明する。
説明の便宜上、図16において、第1係合体1030の上部側に位置する第1突起部分1033を第1上突起部分1033aとし、下部側に位置する第1突起部分1033を第1下突起部分1033bとする。
第2係合体1514Bの上部側に位置する第2係合部1516Bを第2上係合部とし、時計回り側に位置する突起部分を第2上正突起部分1517aとし、反時計回り側に位置する突起部分を第2上逆突起部分1517bとする。同様に、第2係合体1514Bの下部側に位置する第2係合部1516Bを第2下係合部とし、時計回り側に位置する突起部分を第2下正突起部分1517cとし、反時計回り側に位置する突起部分を第2下逆突起部分1517dとする。第2上正突起部分1517aと第2下正突起部分1517cとは回転軸を通る一直線上に位置し、第2上逆突起部分1517bと第2下逆突起部分1517dとは回転軸を通る一直線上に位置する。
ドライヤBのグリップ部1005が、図16の(a)に示すように、上下方向に沿う状態が使用状態である。
X2方向の回転は、さらにグリップ部1005が本体部1001に対して開く(離れる)方向の回転であり、図14のグリップ右ハウジング1051Aのリブ部1513Aが右連結部1021Aの突起部分1213Aに当接して回転規制される。
X1方向の回転は、グリップ部1005が本体部1001に対して閉じる(近づく)方向の回転であり、図16の(a)に示すように、第1係合体1030の第1上突起部分1033aには第2係合体1514Bの第2上正突起部分1517aが係合し、第1下突起部分1033bには第2下正突起部分1517cが係合して回転規制される。
使用状態からグリップ部1005を本体部1001に近づくように回転させるには、図16の(a)において、グリップ部1005をX1方向に回転させる。
グリップ部1005をX1方向に回転させようとすると、上記の「(1)使用状態(開状態)」で説明したように、第2係合体1514Bと第1係合体1030とが係合するが、さらに回転させると、第2係合体1514Bの第2上正突起部分1517aが第1係合体1030の第1上突起部分1033aを乗り越え、第2係合体1514Bの第2下正突起部分1517cが第1係合体1030の第1下突起部分1033bを乗り越える。
この際、第2係合体1514Bの第2上正突起部分1517aと第2下正突起部分1517cとを径方向の外方へと広げる負荷が作用するが、第2係合体1514Bの外周には規制体1040が配されているため、第2係合体1514Bの径方向の外方への変形が規制される。
この際も、規制体1040によって第2係合体1514Bの径方向の外方への変形が規制される。
このように、第2係合体1514Bの変形が規制されるため、第2係合体1514Bの破損を防止できる。また、第2係合体1514Bの円環状部1515Bを、規制体1040を備えない場合よりも薄くでき、ヒケの発生を防ぐことができる。
ドライヤBのグリップ部1005が、図16の(b)に示すように、前後方向に沿う状態が屈曲状態である。
X1方向の回転は、さらにグリップ部1005が本体部1001に対して閉じる(近づく)方向の回転であり、図14のグリップ右ハウジング1051Aのリブ部1513Aが右連結部1021Aの突起部分1213Aに当接して回転規制される。
X2方向の回転は、グリップ部1005が本体部1001に対して開く(離れる)方向の回転であり、図16の(b)に示すように、第1係合体1030の第1上突起部分1033aには第2係合体1514Bの第2上逆突起部分1517bが係合し、第1下突起部分1033bには第2下逆突起部分1517dが係合して回転規制される。
屈曲状態からグリップ部1005を本体部1001から離れるように回転させるには、図16の(b)において、グリップ部1005をX2方向に回転させる。
この際も、第2係合体1514Bの第2上逆突起部分1517bや第2上正突起部分1517aが第1係合体1030の第1上突起部分1033aを乗り越え、第2係合体1514Bの第2下逆突起部分1517dや第2下正突起部分1517cが第1係合体1030の第1下突起部分1033bを乗り越えるが、第2係合体1514Bの外周には規制体1040が配されているため、第2係合体1514Bの径方向の外方への変形が規制される。
(1)第1係合体
図14~図16の第1係合体1030は、グリップハウジング1051に回転しない状態で固定されればよく、その固定方法は特に限定するものではない。
第1係合体1030は、第1係合部1033を2個有していたが、1個又は3個以上でもあってもよい。1個の場合、例えば第1係合体の全体の形状を半円状としてもよい。
(2)第2係合体
第2係合体1514Bは、第2係合部1516Bを2箇所で有していたが、1箇所又は3箇所以上でもあってもよい。1箇所の場合、例えば第2係合部の全体の形状を半円状としてもよい。
第2係合体1514Bは、グリップハウジング1051に一体で形成されていたが、グリップハウジングや本体ハウジングと別体で構成して、グリップハウジングや本体ハウジングに装着してもよい。
第1係合体1030は左連結部1021Bに、第2係合体1514Bはグリップ左ハウジング1051Bにそれぞれ設けられていたが、第1係合体1030は右連結部1021Aに、第2係合体1514はグリップ右ハウジング1051Aにそれぞれ設けてもよい。
第1係合体1030は、第2係合体1514Bの内側に配されていたが、第2係合体の外側に配されてもよい。この場合、第1係合体の第1突起部分は径方向の内方側に突出し、第2係合体の第2突起部分は径方向の外方側に突出する。この場合、規制体は内側に配された第2係合体の内周面に当接又は近接するように設ければよい。
第1係合体と第2係合体は、本体ハウジングやグリップハウジングの形状により設ける位置等が変更可能であるが、本体ハウジングやグリップハウジングにおいて回転軸と直交する部位に適宜設けられる。
例えば、第2係合体1514Bは、グリップハウジング1051に一体で形成されていたが、第2係合体1514Bに代えて第2係合体2514Bを、本体ハウジング1002の連結部1021に一体に形成し、第1係合体1030をグリップハウジング1051に着脱可能に装着させてもよい。そして、グリップハウジング1051には、2つの嵌合部1032それぞれが嵌る孔部1513Cを設けるようにすればよい。なお、第2係合体2514Bや孔部1513Cは、図示していないが、他の例の第2係合体1514Bや溝部分1213Bに連続する孔部と区別するために便宜上符号を付している。
また、第1係合体1030に代えて第1係合体2030をグリップハウジング1051に着脱可能に装着させてもよい。第1係合体2030が第1係合体1030と異なる点は、2つの嵌合部1032に代えて、第1係合体2030の軸方向の端部から軸方向の同じ方向に延びる2つの嵌合部2032を有する点である。この場合、グリップハウジング1051には、2つの嵌合部2032それぞれが嵌る孔部1513Dを設けるようにすればよい。なお、第1係合体2030や孔部1513Dは、図示していないが、他の例の第1係合体1030や溝部分1213Bに連続する孔部と区別するために便宜上符号を付している。
また、実施形態や変形例に記載していていない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
1.温度測定部
温度測定部4は、本体部1の一方の側面に設けられているが、他方の側面に設けられてもよい。但し、配線を考慮すると、制御部又は電源部に近い部位が好ましい。
温度測定部4は、1個設けられているが、複数個設けられてもよい。2個の場合、本体部の第2方向の両側面に設けてもよいし、本体部の一方の側面に第3方向に並設するようにしてもよい。また、複数個設ける場合、センサの対象位置(検出範囲)を同じにしてもよいし、異なるようにしてもよい。同じ場合は測定結果の精度を高めることができる。異なる場合は広い範囲の温度を測定でき、実使用に近い温度測定ができる。
温度測定部4の温度センサ41は赤外線タイプを使用したが、他のタイプをしてもよい。
カバー部6Aは、リング状体61Aに収容部612を備えているが、例えば、リング状体と有底筒状体とに跨るように収容部を備えてもよいし、有底筒状体に備えてもよいし、収容部用の別部材を備えてもよい。
カバー部6Aは、リング状体61Aと有底筒状体63Aとを別体で備えていたが、一体で備えてもよい。
カバー部6Aとカバー部6Bとは似た構成をしているが、異なる構成としてもよい。但し、部品の共通化の観点からは、似た構成の方が好ましい。
本体部1は、他方の側面にカバー部6Bを備えているが、カバー部6Bを備えない構造としてもよい。
報知部18は、光により毛髪温度を報知しているが、光以外を利用して報知してもよい。光以外としては、例えば、音(ブザー音、音楽等)、表示(数字、文字)、インジケータ等がある。
報知部18は、異なる発光色で毛髪温度を報知しているが、例えば、点滅、点灯等で毛髪温度を報知してもよいし、複数個のLEDの点灯位置を変化させて報知してもよい。
クールボタン16、メインスイッチ53及びヒートアイスイッチ55の合計3個で送風条件の異なる乾燥コースを選択している。しかしながら、1個又は2個のスライドスイッチにより選択してもよいし、4個以上のスイッチにより選択するようにしてもよい。なお、スイッチは、スライドタイプ、押しボタンタイプ、ダイヤルタイプ等特に限定するものではない。
クールボタン16は本体部1の延伸部分156の吐出口側に、メインスイッチ53及びヒートアイスイッチ55はグリップ部5の吐出口側(前側)に設けられているが、例えば、3個のスイッチがグリップ部の吐出口側に設けてもよいし、グリップ部の側面に設けてもよいし、グリップ部の裏面側に設けてもよいし、他の部位に設けてもよく、例えば3個のスイッチ全てを異なる部位に設けても良い。
制御部7は、本体部1における吸気口11が形成される側面に設けられている。しかしながら、制御部は他の部位に設けられてもよい。但し、電子部品等への熱負荷を考慮すると、吸気口11から吸気され且つ加熱部により加熱されていない空気が通過する部位に設けることが好ましい。
制御部7は、電源部8と別に設けられているが、一体であってもよい。また、制御部7は、1枚の制御基板71を有しているが、本体部の吸気口が設けられている2つ側面に設けるようにしてもよい。
乾燥コースは、クールコース(クール運転)、セットコース(セット運転)、ターボコース(ターボ運転)及びヒートアイコース(ヒートアイ運転)を含んでいるが、他のコースを含んでもよい。
実施形態のクール運転、セット運転及びターボ運転の温度、風量は一例であり、他の温度や風量であってもよい。
例えば、クール運転は低温で中風~強風であってもよいし、セット運転の温度は中温~高温であって弱風~中風であってもよいし、ターボ運転の温度は中温~高温であってもよい。なお、言うまでもなく、ドライヤの吐出風の温度を低温、中温、高温の3分類よりも細かく設定してもよいし、吐出風量も同様に、弱風、中風、強風の3分類よりも細かく設定してもよい。
実施形態では、本体部1に着脱自在に装着されるアタッチメント91が装着された状態でドライヤAを説明したが、アタッチメント91が装着されていない状態で使用することも可能である。
実施形態では、着脱自在なアタッチメント91付きのドライヤAについて説明したが、アタッチメントを装着できない構造のドライヤであってもよい。
1 本体部
2 送風部
3 加熱部
4 温度測定部
11 吸気口
12 吐出口
13 通風流路
Claims (4)
- 吸気口から吸気した空気を加熱して吐出口から吐出する本体部と、
前記本体部に回動自在に取り付けられたグリップ部と、
前記本体部に対して前記グリップ部の回動を規制する節度構造とを備え、
前記節度構造は、前記本体部と前記グリップ部との間に配された環状の第1係合体と、前記グリップ部の回動に応じて前記第1係合体と係合する環状の第2係合体と、前記グリップ部の回動による前記第2係合体の変形を規制する環状の規制体とを有し、
前記第2係合体は、前記第1係合体の外側に位置し、
樹脂材料で構成される前記第1係合体は、径方向の外方側に突出する第1突起部分を有し、
前記第2係合体は、径方向の内方側に突出する第2突起部分を有し、
前記規制体は、前記第2係合体の外周面に当接するよう前記第2係合体の外側に設けられている
ドライヤ。 - 吸気口から吸気した空気を加熱して吐出口から吐出する本体部と、
前記本体部に回動自在に取り付けられたグリップ部と、
前記本体部に対して前記グリップ部の回動を規制する節度構造とを備え、
前記節度構造は、前記本体部と前記グリップ部との間に配された環状の第1係合体と、前記グリップ部の回動に応じて前記第1係合体と係合する環状の第2係合体と、前記グリップ部の回動による前記第2係合体の変形を規制する環状の規制体とを有し、
前記第2係合体は、前記第1係合体の内側に位置し、
前記第1係合体は、径方向の内方側に突出する第1突起部分を有し、
前記第2係合体は、径方向の外方側に突出する第2突起部分を有し、
前記規制体は、前記第2係合体の内周面に当接するよう前記第2係合体の内側に設けられている
ドライヤ。 - 前記規制体は、金属材料で構成される
請求項1又は2に記載のドライヤ。 - 前記規制体は、前記グリップ部および前記本体部よりも機械特性が同程度か高い材料で構成される
請求項1~3の何れか1項に記載のドライヤ。
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