JP2008200475A - ヘアードライヤー - Google Patents

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Abstract

【課題】ハンドルの回動基端部分に節度構造を構成するための肉厚構造が集中するのを解消して、回動基端部分の外面にヒケなどの成形歪みが生じるのを防止する。
【解決手段】本体ケース1のハンドル連結部2と、ハンドル3を構成する一方のハンドルケース3aとの間に節度構造を設ける。節度構造は、ハンドル連結部2の節度凹部22に収容される節度リング23と、節度リング23の外周面の2箇所に設けられる第1係合体24と、節度凹部22の内面4個所に設けられる第2係合体25と、節度リング23とハンドルケース3aとに設けられる第1連結部26および第2連結部27などで構成する。節度リング23が前記ハンドルケース3aと同行回動するとき、第1係合体24が節度リング23をリング内面側へ弾性変形させながら第2係合体25を乗り越えて、ハンドル3を使用位置と折り畳み位置に位置保持できるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、本体ケースに対して折り畳み可能なハンドルを備えているヘアードライヤーに関する。
例えば特許文献1では、本体ケースの一側下部にハンドル連結部を設け、左右に分割形成されたハンドルケースをハンドル連結部に組み付けることにより、ハンドルを折り畳み回動可能に支持し、使用位置と折り畳み位置のそれぞれの状態においてハンドルを回動規制するための節度構造を、ハンドル連結部と一方のハンドルケースとの間に設けている。同様の節度構造を備えた電気かみそりは特許文献2にも見ることができる。
特許文献1における節度構造は、ハンドル連結部のボスに相対回転不能に組み付けられる節度リングと、節度リングに覆いかぶさるハンドルケースの内面に形成される4個の係合突起などで形成してある。節度リングの周面には、係合突起と係合する2個の節度突起が形成してあり、ハンドルを折り畳み回動するとき、節度突起が節度リングを弾性変形させながら係合突起を乗り越えるようになっている。係合突起が設けられる部分の構造強度を強化するために、ハンドルケースの内部に補強リングを形成し、その内面に4個の係合突起を形成している。
上記の節度構造とは異なり、円筒状の節度体と、節度体をハンドルケースの内面壁へ向かって押し付け付勢するばねと、ハンドルケースなどで構成した節度構造が特許文献3に開示してある。そこでは、節度体のハンドルケースとの接合面に、2個の節度突起を横向きに膨出形成し、ハンドルケース内面壁に、4組の係合凹部を凹み形成している。円筒状の節度体は、本体ケースのハンドル連結部に設けた軸受部で回転は不能に、しかし軸方向へはスライド自在に係合保持してあると思われる。
実用新案登録第2516428号公報(段落番号0016、図6) 実開昭61−134705号のマイクロフィルム(第6頁第14行〜7頁6行、第1図) 特開昭58−112508号公報(第2頁右上欄、第4図)
上記のようなヘアードライヤーにおいては、ハンドルの回動基端部分に大きなモーメントが作用しやすい。また、使用時の外力によってハンドルが折り畳まれるのを防ぐ必要上、節度構造を頑丈なものとして、ハンドルを確実に回動規制できるようにしている。そのため、特許文献1のヘアードライヤーでは、ハンドルの殆どの部位が薄い外郭壁で構成されるのに比べて、ハンドルケースの回動基端部分の内面に補強リング、係合突起、および環状壁などの肉厚構造が集中して設けてあり、その分だけ成形樹脂量が増加するため、回動基端部分の外面に成形歪み(ヒケ)を生じやすい。とくに、ハンドルケースを難燃プラスチック材で形成する場合には、補強リングなどの厚肉部が偏在する個所で、成形歪みが顕著にあらわれ外観デザイン上問題があった。
本発明の目的は、ハンドルの回動基端部分に節度構造を構成するための肉厚構造が集中するのを解消して、たとえハンドルケースを難燃プラスチック材で形成する場合であっても、回動基端部分の外面にヒケなどの成形歪みが生じるのを防止できるヘアードライヤーを提供することにある。
本発明のヘアードライヤーは、送風ファン5、およびヒーターユニット8などを収容する本体ケース1と、本体ケース1の下面一側に設けたハンドル連結部2に折り畳み可能に連結されるハンドル3と、使用位置と折り畳み位置のそれぞれにおいて、ハンドル3を回動規制する節度構造を備えている。ハンドル3は、ハンドル連結部2を間に挟んで接合固定される一対のハンドルケース3a・3bで構成する。節度構造は、一方のハンドルケース3aとハンドル連結部2との隣接対向面の間に配置される節度リング23と、節度リング23とハンドル連結部2との間に設けられて、互いに係合する第1係合体24、および第2係合体25とを備えている。節度リング23は、前記一方のハンドルケース3aに係合されてハンドル3と同行回動できる。以て、ハンドル連結部2に、節度リング23に設けた第1係合体24と係合する第2係合体25が設けてある点に特長を有する。
具体的には図1に示すように、ハンドル連結部2に節度リング23を収容する節度凹部22を設け、節度リング23の外周面に第1係合体24を、節度凹部22の内周面に第1係合体24の回動を規制する第2係合体25をそれぞれ設ける。以て、節度リング23が前記ハンドルケース3aと同行回動するとき、第1係合体24が、節度リング23をリング内面側へ弾性変形させながら第2係合体25を乗り越えて、ハンドル3を使用位置と折り畳み位置に位置保持できるようにする。
本発明においては、一方のハンドルケース3aとハンドル連結部2との間に節度リング23を配置し、節度リング23とハンドル連結部2との間に、互いに係合する第1係合体24と第2係合体25を設けた。また、節度リング23をハンドル3と同行回動できるようにした。そのうえで、第1係合体24と係合する第2係合体25をハンドル連結部2に設けて、従来、ハンドルケースの内面に設けられていた係合体や補強リングなどの肉厚構造を省略できるようにした。したがって、本発明のヘアードライヤーによれば、節度構造に関連する肉厚構造の全てをハンドル連結部2の側に設けて、ハンドルケース3aの回動基端部の内部構造を簡素化できるので、ハンドルケース3aの成形時に回動基端部分の外面にヒケなどの成形歪みが生じるのを解消できる。とくに、ハンドルケース3aを難燃プラスチック材で成形する場合であっても、回動基端部分の外面にヒケが生じるのを解消して、外観上の印象を向上できる。
ハンドル連結部2に設けた節度凹部22の内部に節度リング23を収容し、節度リング23の側に第1係合体24を設け、節度凹部22の内周面に第2係合体25を設ける節度構造によれば、節度リング23を節度凹部22の内部に収容する分だけ、節度構造の横幅方向の厚み寸法を小さくして、ハンドル厚みがぶ厚くなるのを阻止でき、その分だけハンドル3をコンパクト化できる。節度リング23をハンドルケース3aと同行回転させ、その第1係合体24がリング本体23aを弾性変形させながら、節度凹部22の内部の第2係合体25を乗り越えるようにするので、節度リングがハンドル連結部に回動不能に係合装着してある従来の節度構造に比べて、弾性変形するときの節度リング24の自由度を増加して、その分だけ円滑な節度動作を発揮できる。
(実施例) 図1ないし図11は本発明に係るヘアードライヤーの実施例を示す。図2においてヘアードライヤーは、横長筒状の本体ケース1と、その下面一側に設けたハンドル連結部2に折り畳み可能に連結されるハンドル3とを有し、本体ケース1の内部に乾燥風を生起する送風ファン5と、ファン駆動用のモーター6と、送風ファン5およびモーター6を収容するファンケース7と、乾燥風を加熱するヒーターユニット8と、イオン発生装置9などを収容して構成してある。
ハンドル3の前面には、風量制御スイッチとヒータースイッチを兼ねるスイッチノブ12が設けてある。スイッチノブ12は、下端のオフ位置から上方へ向かってスライド変位させることにより、冷風、弱温風、強温風の順にスイッチ12aを切り換えて、モーター6の駆動回転数を大小に切り換え、同時にヒーターユニット8の温度を制御できる。また、モーター6への通電がオン状態にあるときイオン発生装置9も同時に駆動できる。
図3において本体ケース1は、例えばABS樹脂やポリカーボネイトなどのプラスチック材で成形される左右のケース体1a・1bを接合して筒状に形成してあり、分割形成される左右のケース体1a・1bの一方にファンケース7がビス14で締結固定してある。ファンケース7は、前後面が開口する外側の導風筒7aと、前面のみが開口する中央のモーターホルダー7bと、これら両者の間に設けられる整流翼7cとを一体に備えている。導風筒7aの周面上下にはフランジ7dが突設され、フランジ7d壁の中央部分にビス14用の締結ボス7eが一体に形成され、両フランジ7dの上下端に吸込口グリル17を組み付けるための突起7fがリブ状に突設してある。
モーターホルダー7bにはモーター6が固定され、モーター6の後面に突出される出力軸に軸流形の送風ファン5が固定してある。送風ファン5は一方向へ回転駆動されて、本体ケース後端の吸込口15から吸い込んだ空気を加圧送給する。加圧された乾燥風は、ヒーターユニット8を経由して、本体ケース前端の吹出口16から吹き出し送給され、ヒーターユニット8を通過する間に加熱される。吸込口15は吸込口グリル17で覆われ、吹出口16は吹出口グリル18で覆われている。
図3ないし図5に示すように、吸込口グリル17は、パンチングメタルを部分球面状に成形し、さらに花弁状に打ち抜いて形成されており、その上下両端に掛止腕17aが一体に設けてある。掛止腕17aに形成した掛止穴17bを、導風筒7aの上下の突起7fに掛止した状態で、ファンケース7を一方のケース体1aに組み付け、先の突起7fをケース体1aに設けた係合凹部19に嵌め込んだ状態で、締結ボス7eに挿通したビス14をケース体1aのねじボスにねじ込むことにより、ファンケース7をケース体1aに固定でき、同時に吸込口グリル17が前後左右に遊動するのを規制できる。最後に他方のケース体1bを先のケース体1aに被せ付けて、両ケース体1a・1bを接合固定する。
図6に示すようにハンドル3は、ハンドル連結部2を間に挟んで接合固定される一対のハンドルケース3a・3bで構成されており、両ハンドルケース3a・3bで構成される空間を利用して、スイッチ12aと、入力リード20a、出力リード20bや、図示していないLED、およびコードアーマー21の上端などが収容してある。ハンドル3はハンドル連結部2に対して折り畳み可能に連結されており、図2に実線で示す使用位置と、同図に想像線で示す折り畳み位置のそれぞれにおいてハンドル3を位置保持するために、一方のハンドルケース3aとハンドル連結部2との間に節度構造を設けている。
図7において節度構造は、ハンドル連結部2に凹み形成した節度凹部22と、節度凹部22に収容される節度リング(節度体)23と、節度凹部22と節度リング23との間に設けられて互いに係合する第1係合体24および第2係合体25と、前記一方のハンドルケース3aと節度リング23との間に設けられて、互いに凹凸係合して節度リング23をハンドルケース3aと同行回動させる係合リブ(第1連結部)26と係合溝(第2連結部)27などで構成する。第2係合体(係合突起)25は、節度凹部22の内周面の4個所に膨出形成される断面半円状のリブ状突起からなり、2個を一組として対向配置してある。
節度リング23は、弾性変形可能な円筒状のリング本体23aを有し、その外周面の2箇所に断面半円状の第1係合体(節度突起)24を一体に膨出形成し、リング本体23aの内周面から外側端面にわたって一対のL字状の係合リブ26を一体に形成したプラスチック成形品からなる。節度構造を構成する節度リング23のリング本体23aおよび第1係合体24は、図8に示すように、後述するリブ35と接触する状態でハンドルケース3aと同行回動する。したがって、リング本体23aを弾性変形させながら、第1係合体24が第2係合体25を乗り越えるときに、第1係合体24とリブ35との間に生じる摩擦抵抗を最小限化して、節度抵抗を小さくできる。弾性変形に伴うリング本体23aの劣化を防ぐために、節度リング23は例えばポリアセタールを素材にして形成する。第1係合体24と係合リブ26とは、一対の第1係合体24の中心を結ぶ線と、一対の係合リブ26の中心を結ぶ線とが互いに直交するように配置してある。
図6に示すように、両ハンドルケース3a・3bは、それぞれ難燃ABS樹脂を素材とする船形のプラスチック成形品からなり、一方のハンドルケース3aの内面上下にねじボス30を一体に形成し、他方のハンドルケース3aの内面上下に、ねじボス30に対応する締結ボス31が一体に形成してある。両ハンドルケース3a・3bをハンドル連結部2に接合して、ねじボス30と締結ボス31を接続し、さらに締結ボス31の側から差し込んだビス(ねじ)32をねじボス30にねじ込むことにより、両ハンドルケース3a・3bを分離不能に一体化できる。
図7に示すように、上側のねじボス30の基端周囲には、節度凹部22の側端に接合する筒壁33が突設され、その内部の前後に係合ボス34が形成してある。これら係合ボス34に先の係合リブ26の側端と係合する係合溝27が形成してある。ねじボス30と筒壁33との間には、一対の係合溝27を結ぶ線と直交する状態で一対のリブ35が形成してある。両ハンドルケース3aの前面には、スイッチノブ12を露出させるためのスイッチ窓38が切り欠き形成してある(図6参照)。上側のねじボス30はハンドル3の回動中心軸を兼ねており、ねじボス30をハンドル連結部2に設けた軸受ボス39で軸支することにより、ハンドル3を起伏回動できる。軸受ボス39は、節度凹部22の内奥に連続する状態で形成してある。
次に、本体ケース1に対するハンドル3の組み付け手順を説明する。本体ケース1の組み立てが完了した状態では、図6に示すようにスイッチ12aと、その入出力リード20a・20bとコードアーマー21などの電装品が、ハンドル連結部2の下端開口から露出している。まず、図11に示すように一方のハンドルケース3aの係合溝27に節度リング23の係合リブ26を嵌め込んで、節度リング23をハンドル3と同行回動可能に連結する。次に、ハンドルケース3aを作業台上に載置した状態で、ねじボス30に軸受ボス39を差し込み係合し、同時に節度リング23を節度凹部22に嵌め込んで、横臥姿勢にした本体ケース1と先のハンドルケース3aを一体化する。
上記の状態で、リード線を整形しながらスイッチ12a、入出力リード20a・20b、およびコードアーマー21などを所定位置に所定姿勢で組み付ける。この後、スイッチノブ12をスイッチ窓38に組み付けてスイッチ12aの切換え片と連結し、最後に他方のハンドルケース3bを被せ付けて、その締結ボス31にねじボス30の突端を内嵌接合し、両ボス30・31をビス(ねじ)32で締結する。両ハンドルケース3a・3bは、上下がビス32で締結されるだけではなく、両ハンドルケース3a・3bの接合面に設けた複数の弾性係合爪を介して一体化される。
以上のように、ハンドル連結部2に節度凹部22を設け、その内部に節度リング23を収容すると、従来の節動構造とは異なり、ハンドルケース3aの内面に補強リングや係合突起を設ける必要がなく、その分だけハンドルケース3aに肉厚構造が集中するのを解消して回動基端部の内部構造を簡素化できるので、ハンドルケース3a・3bを成形する際に回動基端部分の外面にヒケなどの成形歪みが生じるのを解消し、外観上の印象を向上できる。両ハンドルケース3a・3bを難燃プラスチック材で形成することによって、スイッチ12aの周辺で短絡事故が生じることがあっても、ハンドル3が発火するのを確実に阻止できる。
因みに、難燃プラスチック材は強度的に弱いため、ハンドルケースを難燃プラスチック材で形成し、従来の節度構造に見られるように、節度構造の係合体をハンドルケースの内部に設ける場合には、ポリアセタール製の節度リングによって係合体が削られて早期に摩滅し、節度機能が損なわれるおそれがある。しかし、上記のように、ハンドル連結部2の側に節度構造を設け、節度リング23をハンドルケース3aと同行回動させるようにすると、ハンドルケース3aの側に摩滅する部分を形成する必要がないので、ハンドルケース3aを難燃プラスチック材で形成しても問題を生じることがない。
ハンドル位置と節度構造の関係は以下のとおりとなる。理解しやすくするために、第1係合体24、第2係合体25、および係合リブ26の位相位置は、時計の文字盤における時刻位置に置き換えて説明する。図1に示すようにハンドル3が本体ケース1に対して起立する使用位置にあるとき、上下の第1係合体24の位相位置を12時と6時とし、各第2係合体25の位相位置を上側では1時と2時とし、下側では7時と8時とする。なお、使用位置におけるハンドル3は、ハンドル連結部2に設けたストッパー(図示していない)で受け止められているため、使用位置を越えて反時計回転方向へ回動することはできない。
使用位置からハンドル3を本体ケース1へ向かって時計回転方向へ折り畳み操作すると、節度リング23がハンドル3に同行して時計回転方向へ回動するので、上下の第1係合体24はそれぞれ1時と7時の位置にある第2係合体25に乗り上がりながら、リング本体23aをリング内面側へ弾性変形させる。このとき、係合溝27内の係合リブ26は、回転方向の動きは規制されているが、径方向へは隙間g(図9参照)の分だけ僅かに移動できるように嵌合している。そのため、リング本体23aが弾性変形するとき、係合リブ26はリング本体23aとともに径方向へ拡がるように弾性変形でき、その分だけリング本体23aや第2係合体25の変形抵抗を減少して、節動リング23の乗り越え動作をオン滑化できる。
節度突起24が第2係合体25の頂部を乗り越えると、リング本体23aは自己の弾性で円形に復帰する。1時と2時、および7時と8時の位置にある第2係合体25の間では、第1係合体24は僅かに遊動する余裕はあるものの、ぐらつくほどの遊びはないので、ハンドル3を中間位置に位置保持できる。さらにハンドル3を倒し込み操作すると、両第1係合体24はそれぞれ2時と8時の位置にある第2係合体25に接当し、先と同様にリング本体23aをリング内面側へ弾性変形させながら第2係合体25に乗り上がる。
最終的に、第1係合体24は図10に示すように第2係合体25の頂部を乗り越え、リング本体23aが自己の弾性で円形に復帰することで、2時と8時の位置にある第2係合体25に隣接係合して折り畳み位置に保持される。このとき、ハンドル3の一部が本体ケース1の下面で受け止められるので、ハンドル3はそれ以上回動できない。ハンドル3を起立操作するときは、節度リング23が半時計回転方向へ回動するハンドル3に同行して、先と同様にして各第2係合体25を乗り越える。
図12および図13は、節度構造の別の実施例を示す。そこでは、ハンドル連結部2の側端面と一方のハンドルケース3aとの間に節度リング(節度体)23を配置し、節度リング23を圧縮コイル形のばね42でハンドル連結部2へ向かって移動付勢する。節度リング23は、リング本体23aの一側面に一対の半球状の第1係合体(節度突起)24を設け、リング内面の対向位置に係合ピン(第1連結部)26を一体に設けたプラスチック成形品からなる。ハンドル連結部2の節度リング23との対向面には、第1係合体24を落ち込み係合させる3個の第2係合体(係合凹部)25を凹み形成する。節度リング23は、先の係合ピン26がねじボス30の基端ボス30aに設けた係合溝(第2連結部)27と係合することで回り止めされ、ハンドルケース3aと同行回動できる。基端ボス30aはねじボス30より大径に形成してある。他は先の実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。以下の実施例においても同様に扱う。
ハンドル3が使用位置にあるとき、上下の第1係合体24は、先に説明した節度リング23と同様に12時と6時の位置にある第2係合体25に落ち込み係合している(図13参照)。この状態から、ハンドル3を折り畳み位置へと倒し込み操作すると、上下の第1係合体24は12時と6時の位置にある第2係合体25から受ける反力の分力によって、第2係合体25から徐々に抜け出し、節度リング23をばね42の付勢力に抗してハンドル連結部2から離れる向きに移動させる。その結果、第1係合体24は第2係合体25から抜け出て(乗り越えて)1時と7時の位置にある第2係合体25に落ち込んで、ハンドル3を使用位置と折り畳み位置の中間位置に位置保持する。
さらにハンドル3を倒し込み操作すると、先と同様にして第1係合体24が1時と7時の位置にある第2係合体25から抜け出て、やがて2時と8時の位置にある第2係合体25に落ち込んで、ハンドル3を折り畳み位置に位置保持する。ハンドル3を折り畳み位置から起立操作するときは、節度リング23がハンドル3に同行して反時計回転方向へ回動しながら、先と同様にして各第2係合体25を乗り越え、ハンドル3を中間位置および使用位置に位置保持する。なお、この実施例における第2係合体25は、先の実施例と同様に断面半円状のリブ状突起で形成することができ、その場合には、1時と2時の位置と、7時と8時の位置とに限ってリブ状突起を設けるとよい。
図14および図15は、節度構造のさらに別の実施例を示す。この実施例の節度構造は、基本的に図1〜図11で説明した実施例の節度構造と同じであるが、節度リング23の内面に設けた係合リブ(第1連結部)26を、ねじボス30の基端ボス30aに設けた係合溝(第2連結部)27と係合させて、節度リング23を一方のハンドルケース3aと同行回動できるようにする点が異なる。また、両ハンドルケース3a・3bの内面に、筒壁33と同心状の防塵筒壁44を設けて、その開口端をハンドル連結部2に凹み形成した円形の溝45に嵌合させるようにした。
図16は、第1係合体24と第2係合体25の別の実施例を示す。図16(a)では、第1係合体(節度凹部)24を断面が部分円弧状の凹溝で形成し、第2係合体(係合突起)25を断面が部分円弧状のリブ状突起で形成した。この場合には、ハンドル3を使用位置と畳み位置のそれぞれにおいて位置保持するために、節度凹部22の対向内面の2箇所に第2係合体25を設け、リング体23aの周面の4個所に第1係合体24を形成した。また、リング体23aの内面に溝状の一対の第1連結部26を形成し、ねじボス30の基端ボス30aに第1連結体26と係合するリブ状の第2連結部27を形成した。
図16(b)では、上記の別実施例とは逆に、第1係合体(節度突起)24を断面が部分円弧状のリブ状突起で形成し、第2係合体(係合凹部)25を断面が部分円弧状の凹溝で形成した。この場合には、節度凹部22の内周面の4箇所に第2係合体25を設け、リング体23aの対向周面の2個所に第1係合体24を形成した。図16(c)では、節度凹部22の内面2箇所に、両端が丸められた部分円弧状の第2係合体(係合突起)25を設けた。この場合の第2係合体25は、図1で説明した一対の第2係合体25・25を周方向へ連続させることにより形成できる。
図17は節度リング23の別の実施例を示す。そこでは、リング本体23aの外側端面に限って一対の係合リブ(第1連結部)26を一体に形成して、図7においてリング本体23aの内周面に沿うリブ部分を省略した。このように係合リブ26は、少なくともリング本体23aの外側端面の突出する突起のみで構成することができる。
図18は、節度リング23とハンドルケース3aの連結構造の別実施例を示す。そこでは、リング本体23aの内面に、断面コ字状の溝枠26aで囲まれる角穴状の第1連結部26を形成し、係合ボス34に先の第1連結部26と係合する角リブ状の第2連結部27を形成した。
図19は節度構造の別の実施例を示す。そこではハンドル連結部2の一側外面に筒壁45を突設し、筒壁45で囲まれる節度凹部22の内部に節度リング23を収容するようにした。この実施例から理解できるように、節度凹部22はハンドル連結部2に凹み形成する必要はない。必要があれば、ハンドル連結部2に凹み形成される凹部と、この凹部に連続してハンドル連結部2の外面に突設される筒壁とで、節度凹部22を形成することができる。
上記の実施例以外に、節度体23は必ずしもリング状に形成する必要はなく、円盤状や円筒状などに形成することができる。節度構造は、ハンドル連結部2の両側面に設けることができる。第1係合体24および第2係合体25は、半円形、あるいは半球状の突起で形成する必要はなく、隅部分が丸められた山形や逆台形状などに形成することができる。先に説明したように、第1係合体24を凹部や溝で形成し、第2係合体25を突起で形成することができる。要は、互いに係合する構造であれば、両係合体24・25は突起と突起、突起と溝の関係のいずれであってもよい。同様に、第1連結部26と第2連結部27の関係も、互いに係合できる関係であればよい。ハンドルケース3a・3bは、それぞれ難燃プラスチック材で形成する必要はなく、本体ケース1と同じプラスチック材で形成することができる。本発明はペット用ドライヤーを含むこととする。
図8におけるB−B線断面図であり、ハンドル用の節度構造をしている。 ヘアードライヤーの側面図である。 ヘアードライヤーの縦断側面である。 ヘアードライヤーの吸込口を示す背面図である。 図3におけるA−A線断面図である。 ハンドルケースを分解して電装品と共に示す分解正面図である。 ハンドル用の節度構造の分解斜視図である。 節度構造の縦断正面図である。 図1におけるC−C線断面図である。 ハンドルを折り畳んだ状態の節度構造の断面図である。 ハンドルケースと本体ケースの組み付け構造を示す分解断面図である。 節度構造の別の実施例を示す縦断正面図である。 図12におけるD−D線断面図である。 節度構造のさらに別の実施例を示す縦断正面図である。 図14におけるE−E線断面図である。 第1係合体と第2係合体の別の実施例を示す断面図である。 節動リングの別の実施例を示す斜視図である。 節度構造における連結構造の別実施例を示す分解斜視図である。 節度構造の別の実施例を示す縦断正面図である。
符号の説明
1 本体ケース
2 ハンドル連結部
3 ハンドル
3a・3b ハンドルケース
22 節度凹部
23 節度リング(節度体)
24 第1係合体
25 第2係合体
26 係合リブ(第1連結部)
27 係合溝(第2連結部)
30 ねじボス
32 ねじ

Claims (6)

  1. 送風ファン(5)、およびヒーターユニット(8)などを収容する本体ケース(1)と、本体ケース(1)の下面一側に設けたハンドル連結部(2)に折り畳み可能に連結されるハンドル(3)と、使用位置と折り畳み位置のそれぞれにおいて、ハンドル(3)を回動規制する節度構造を備えているヘアードライヤーであって、
    ハンドル(3)は、ハンドル連結部(2)を間に挟んで接合固定される一対のハンドルケース(3a・3b)で構成されており、
    節度構造は、一方のハンドルケース(3a)とハンドル連結部(2)との隣接対向面の間に配置される節度体(23)と、節度体(23)とハンドル連結部(2)との間に設けられて、互いに係合する第1係合体(24)、および第2係合体(25)とを備えており、
    節度体(23)は、前記一方のハンドルケース(3a)に係合されてハンドル(3)と同行回動でき、
    ハンドル連結部(2)に、節度体(23)に設けた第1係合体(24)と係合する第2係合体(25)が設けてあるヘアードライヤー。
  2. ハンドル連結部(2)に節度リング(23)を収容する節度凹部(22)が設けられており、
    節度リング(23)の外周面に第1係合体(24)が、節度凹部(22)の内周面に第1係合体(24)の回動を規制する第2係合体(25)がそれぞれ設けられており、
    節度リング(23)が前記ハンドルケース(3a)と同行回動するとき、第1係合体(24)が、節度リング(23)をリング内面側へ弾性変形させながら第2係合体(25)を乗り越えて、ハンドル(3)を使用位置と折り畳み位置に位置保持できる請求項1記載のヘアードライヤー。
  3. ハンドル連結部(2)と一方のハンドルケース(3a)との間に節度リング(23)と、節度リング(23)をハンドル(3)の回動中心軸に沿ってハンドル連結部(2)の側へ移動付勢するばね(42)とが配置されており、
    節度リング(23)のハンドル連結部(2)との隣接対向面に第1係合体(24)が、ハンドル連結部(2)の節度リング(23)との隣接対向面に、第1係合体(24)と係合する第2係合体(25)がそれぞれ設けられており、
    節度リング(23)が前記ハンドルケース(3a)と同行回動するとき、第1係合体(24)が、節度リング(23)をばね(42)の付勢力に抗して移動させながら第2係合体(25)を乗り越えて、ハンドル(3)を使用位置と折り畳み位置に位置保持できる請求項1記載のヘアードライヤー。
  4. 節度凹部(22)に収容される節度リング(23)の外側端面に第1連結部(26)が形成され、ハンドルケース(3a)の内面に設けた係合ボス(34)に、第1連結部(26)と係合する第2連結部(27)が形成してある請求項2記載のヘアードライヤー。
  5. 節度リング(23)と、同リング(23)に隣接対向する一方のハンドルケース(3a)の内部に、ハンドル連結部(2)で軸支されるねじボス(30)が設けられ、他方のハンドルケース(3b)の内部に、前記ねじボス(30)にねじ込まれるねじ(32)用の締結ボス(31)が設けられており、
    前記ねじボス(30)の側に節度リング(23)を係合する第2連結部(27)が設けてある請求項2または3記載のヘアードライヤー。
  6. 節度リング(23)の内周面に第1連結部(26)が突設され、前記ねじボス(30)の周面に前記第1連結部(26)と係合する第2連結部(27)が形成してある請求項5記載のヘアードライヤー。
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